(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】車輪用軸受装置
(51)【国際特許分類】
F16C 33/78 20060101AFI20220118BHJP
F16C 19/38 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F16C33/78 C
F16C19/38
(21)【出願番号】P 2018005993
(22)【出願日】2018-01-17
【審査請求日】2020-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 誠
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-80141(JP,A)
【文献】特開2007-139039(JP,A)
【文献】特開2017-36769(JP,A)
【文献】特開2000-179546(JP,A)
【文献】米国特許第5494358(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/78
F16C 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、
外周に複列の内側軌道面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの軌道面間に介装される複数の円錐ころと、
前記複数の円錐ころを保持する保持器と、
前記外方部材と前記内方部材によって形成された環状空間のアウター側開口端を塞ぐアウター側シール部材と、を備える車輪用軸受装置において、
前記アウター側シール部材が、芯金と、前記芯金に固着される複数のリップを有する弾性部材とで構成されており、
全ての前記リップが前記外方部材のアウター側端面よりもアウター側に配置され、
前記芯金の外周部が前記外方部材の外周に嵌合され、且つ前記芯金の内周部が
インナー側へ折り曲げられていて前記内方部材と前記保持器の間に配置され、前記円錐ころのアウター側端
面に所定の隙間をあけて対峙している、ことを特徴とする車輪用軸受装置。
【請求項2】
複数の前記リップのうち少なくとも一つの前記リップが前記内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触するメインリップである、ことを特徴とする請求項
1に記載の車輪用軸受装置。
【請求項3】
複数の前記リップのうち少なくとも一つの前記リップが前記内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触又は近接するグリースリップである、ことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪用軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。かかる車輪用軸受装置は、車体取付フランジを有している外方部材と、ハブ輪に一つの内輪が嵌合されている内方部材と、外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装される複数の転動体と、で構成された第3世代構造が主流となっている。そして、ピックアップトラック又は大型SUV(スポーツ多目的車)等の車体重量が大きい車両には、転動体として「円錐ころ」を備えた車輪用軸受装置が用いられる傾向にある(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1に開示されているように、車輪用軸受装置の組立工程においては、外方部材におけるアウター側の所定位置に円錐ころと保持器を収容し、アウター側シール部材を嵌め込んだ後に内方部材であるハブ輪に嵌装される。しかし、外方部材のアウター側端面を上方に向けた状態で円錐ころと保持器を収容し、アウター側シール部材を嵌め込んでも、かかる外方部材等からなる仕掛品を反転させてハブ輪に嵌装しようとすれば、外方部材から円錐ころや保持器が脱落してしまう(
図11参照)。そのため、このような車輪用軸受装置の組立工程においては、外方部材のアウター側端面を上方に向けた状態のままでハブ輪に嵌装せざるを得ないという問題があった。そこで、組立工程で外方部材等からなる仕掛品を反転させても、外方部材から円錐ころや保持器が脱落しない車輪用軸受装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
組立工程で外方部材等からなる仕掛品を反転させても、外方部材から円錐ころや保持器が脱落しない車輪用軸受装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明は、
内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、
外周に複列の内側軌道面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの軌道面間に介装される複数の円錐ころと、
前記複数の円錐ころを保持する保持器と、
前記外方部材と前記内方部材によって形成された環状空間のアウター側開口端を塞ぐアウター側シール部材と、を備える車輪用軸受装置において、
前記アウター側シール部材が、芯金と、前記芯金に固着される複数のリップを有する弾性部材とで構成されており、
全ての前記リップが前記外方部材のアウター側端面よりもアウター側に配置され、
前記芯金の外周部が前記外方部材の外周に嵌合され、且つ前記芯金の内周部が前記円錐ころのアウター側端面或いは前記保持器のアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している、ものである。
【0007】
第二の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記芯金の内周部がインナー側へ折り曲げられていて前記外方部材と前記保持器の間に配置され、前記円錐ころのアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している、ものである。
【0008】
第三の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記芯金の内周部がインナー側へ折り曲げられていて前記内方部材と前記保持器の間に配置され、前記円錐ころのアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している、ものである。
【0009】
第四の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記芯金の内周部が前記保持器のアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している、ものである。
【0010】
第五の発明は、第一から第四のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
複数の前記リップのうち少なくとも一つの前記リップが前記内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触するメインリップである、としたものである。
【0011】
第六の発明は、第一から第五のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
複数の前記リップのうち少なくとも一つの前記リップが前記内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触又は近接するグリースリップである、としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
第一の発明に係る車輪用軸受装置は、アウター側シール部材が、芯金と、芯金に固着される複数のリップを有する弾性部材とで構成されている。そして、全てのリップが外方部材のアウター側端面よりもアウター側に配置され、芯金の外周部が外方部材の外周に嵌合され、且つ芯金の内周部が円錐ころのアウター側端面或いは保持器のアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置によれば、アウター側シール部材を収容するためのスペースを抑えて円錐ころの大型化を実現可能とし、負荷容量を大きくすることができる。同時に、組立工程で外方部材等からなる仕掛品を反転させても、外方部材から円錐ころや保持器が脱落するのを防ぐことができる。
【0014】
第二の発明に係る車輪用軸受装置は、芯金の内周部がインナー側へ折り曲げられていて外方部材と保持器の間に配置され、円錐ころのアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、外方部材から円錐ころや保持器が脱落するのを防ぐことができる。
【0015】
第三の発明に係る車輪用軸受装置は、芯金の内周部がインナー側へ折り曲げられていて内方部材と保持器の間に配置され、円錐ころのアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、外方部材から円錐ころや保持器が脱落するのを防ぐことができる。
【0016】
第四の発明に係る車輪用軸受装置は、芯金の内周部が保持器のアウター側端面に所定の隙間をあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、外方部材から円錐ころや保持器が脱落するのを防ぐことができる。
【0017】
第五の発明に係る車輪用軸受装置は、複数のリップのうち少なくとも一つのリップが内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触するメインリップである。かかる車輪用軸受装置によれば、メインリップがシール平面部に接触するので、環状空間に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを防ぐことができる。
【0018】
第六の発明に係る車輪用軸受装置は、複数のリップのうち少なくとも一つのリップが内方部材に形成された車輪取付フランジのシール平面部に接触又は近接するグリースリップである。かかる車輪用軸受装置によれば、グリースリップがシール平面部に接触又は近接するので、環状空間からグリースが漏出するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図7】円錐ころ等がアウター側シール部材によって支持された状態を示す図。
【
図8】第一実施形態に係るアウター側シール部材とハブ輪の一部形状を示す図。
【
図9】第二実施形態に係るアウター側シール部材とハブ輪の一部形状を示す図。
【
図10】第三実施形態に係るアウター側シール部材とハブ輪の一部形状を示す図。
【
図11】外方部材等からなる仕掛品を反転させてハブ輪に嵌装する状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、
図1から
図4を用いて、車輪用軸受装置1について説明する。
図1は、車輪用軸受装置1を示す図である。
図2は、車輪用軸受装置1の構造を示す図である。そして、
図3及び
図4は、車輪用軸受装置1の一部構造を示す図である。
【0021】
車輪用軸受装置1は、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3と、ころアセンブリ4と、を備えている。なお、本明細書において、「インナー側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、「アウター側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。また、「径方向外側」とは、内方部材3の回転軸Aから遠ざかる方向を表し、「径方向内側」とは、内方部材3の回転軸Aに近づく方向を表す。
【0022】
外方部材2は、転がり軸受構造の外輪部分を構成するものである。外方部材2のインナー側端部における内周には、内周嵌合面2aが形成されている。また、外方部材2のアウター側端部における外周には、外周嵌合面2bが形成されている。更に、外方部材2の軸方向中央部における内周には、二つの外側軌道面2c・2dが形成されている。外側軌道面2cは、後述する内側軌道面3cに対向する。外側軌道面2dは、後述する内側軌道面3dに対向する。加えて、外方部材2には、その外周面から径方向外側へ広がる車体取付フランジ2eが形成されている。車体取付フランジ2eには、複数のボルト穴2fが設けられている。
【0023】
内方部材3は、転がり軸受構造の内輪部分を構成するものである。内方部材3は、ハブ輪31と内輪32で構成されている。
【0024】
ハブ輪31は、外方部材2の内側に挿通される。ハブ輪31のインナー側端部における外周には、軸方向中央部まで小径段部3aが形成されている。小径段部3aは、ハブ輪31の外径が小さくなった部分を指し、その外周面が回転軸Aを中心とする円筒形状となっている。また、ハブ輪31には、そのインナー側端部からアウター側端部まで貫かれたスプライン穴3bが形成されている。更に、ハブ輪31の軸方向中央部における外周には、内側軌道面3dが形成されている。内側軌道面3dは、ハブ輪31が外方部材2の内側に挿通された状態で、上述した外側軌道面2dに対向する。加えて、ハブ輪31には、その中心部から径方向外側へ広がる車輪取付フランジ3eが形成されている。車輪取付フランジ3eには、回転軸Aを中心に複数のボルト穴3fが設けられており、それぞれのボルト穴3fにハブボルト33が圧入されている。なお、車輪取付フランジ3eには、外方部材2のアウター側端面2gに対向する位置に、回転軸Aに対して垂直となる平面部が形成されている。本明細書においては、かかる平面部を「シール平面部3h」と定義する。
【0025】
内輪32は、ハブ輪31の小径段部3aに外嵌される。内輪32のインナー側端部における外周には、嵌合面3gが形成されている。また、嵌合面3gに隣接する外周には、内側軌道面3cが形成されている。内輪32は、ハブ輪31の小径段部3aに外嵌されることにより、ハブ輪31の外周に内側軌道面3cを構成する。内側軌道面3cは、ハブ輪31と一体化した内輪32が外方部材2の内側に挿通された状態で、上述した外側軌道面2cに対向する。なお、内輪32は、小径段部3aの先端部分を径方向外側へ押し広げて形成された加締部3iによって固定される。
【0026】
ころアセンブリ4は、転がり軸受構造の転動部分を構成するものである。インナー側のころアセンブリ4は、複数の円錐ころ41と一つの保持器42で構成されている。同様に、アウター側のころアセンブリ4も、複数の円錐ころ41と一つの保持器42で構成されている。即ち、本車輪用軸受装置1は、円錐ころ41を採用した複列円錐ころ軸受である。
【0027】
円錐ころ41は、それぞれが保持器42によって円形にかつ等間隔にならべられている。そして、インナー側のころアセンブリ4を構成している円錐ころ41は、外方部材2の外側軌道面2cと内方部材3(内輪32)の内側軌道面3cの間に転動自在に介装されている。また、アウター側のころアセンブリ4を構成している円錐ころ41は、外方部材2の外側軌道面2dと内方部材3(ハブ輪31)の内側軌道面3dの間に転動自在に介装されている。
【0028】
保持器42は、小径円環部42aと大径円環部42bを複数の柱部42cでつないだテーパ形状の格子体となっている。小径円環部42aと大径円環部42bと複数の柱部42cとによって、円錐ころ41が保持されるポケットが構成される。小径円環部42aは、円錐ころ41の小径側端面41aに沿うので、円錐ころ41の軸方向一側への偏動を制限する。また、大径円環部42bは、円錐ころ41の大径側端面41bに沿うので、円錐ころ41の軸方向他側への偏動を制限する。そして、柱部42cは、互いに隣り合う円錐ころ41と円錐ころ41の間を通り、これらの外周面41cに沿うので、円錐ころ41の周方向両側への偏動を制限する。なお、保持器42は、特に車輪用軸受装置1の組立途中において、円錐ころ41が内径側に脱落しないように保持可能な形状を有していてもよい。例えば、柱部42cは、その内周面から内側軌道面3cに向けて突出して、円錐ころ41を保持する突出部を有していてもよい。
【0029】
ところで、本車輪用軸受装置1は、外方部材2と内方部材3(ハブ輪31及び内輪32)の間に形成された環状空間Sを塞ぐべく、インナー側シール部材5とアウター側シール部材6を備えている。なお、インナー側シール部材5は、様々な仕様が存在しており、本明細書に開示された仕様に限定するものではない。
【0030】
インナー側シール部材5は、スリンガ51とシールリング52で構成されている。スリンガ51は、鋼板をプレス加工によって切り出し、かつ折り曲げることによって形成されている。スリンガ51は、円筒状の嵌合部51aと、当該嵌合部51aのアウター側端部から径方向外側へ延びる円板状の側板部51bとを有している。そして、この嵌合部51aが内方部材3(内輪32)の嵌合面3gに外嵌される。一方、シールリング52は、芯金53に弾性部材54を固着したものである。
【0031】
芯金53は、軸方向断面が略L字状に折り曲げられることにより、円筒状の嵌合部53aと径方向内側へ延びる円板状の側板部53bを有している。そして、この嵌合部53aが外方部材2の内周嵌合面2aに内嵌される。なお、弾性部材54には、二つのメインリップ54a・54bが形成されており、それぞれの先端縁が対向するスリンガ51の側板部51bに接触している。更に、弾性部材54には、一つのグリースリップ54cが形成されており、その先端縁が対向するスリンガ51の嵌合部51aに接触又は近接している。
【0032】
アウター側シール部材6は、芯金61に弾性部材62を固着したものである。芯金61は、鋼板をプレス加工によって切り出し、かつ折り曲げることによって形成されている。これにより、芯金61は、円筒状の嵌合部61aと、当該嵌合部61aから径方向内側へ延びる円板状の側板部61bとを有している。嵌合部61aは、芯金61のうち外周側に設けられた外周部であり、外方部材2の外周嵌合面2bに外嵌される。なお、弾性部材62には、二つのメインリップ62a・62bが形成されており、それぞれの先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触している。更に、弾性部材62には、一つのグリースリップ62cが形成されており、その先端縁もシール平面部3hに接触又は近接している。
【0033】
次に、
図5を用いて、車輪用軸受装置1を車体に取り付けるための構造について説明する。
図5は、車輪用軸受装置1の取付構造を示す図である。以下において、「軸方向長さ」とは、広義には図中の長さBを表し、狭義には図中の長さCを表す。
【0034】
車輪用軸受装置1は、パイロット2hと車体取付フランジ2eを用いて車体に取り付けられる。具体的に説明すると、車輪用軸受装置1は、円筒形状であるパイロット2hをナックルNの丸穴に嵌め合わせるとともに、車体取付フランジ2eの端面をナックルNの端面に当接させた状態で、ナックルボルト34を介して取り付けられる。このとき、ナックルボルト34は、車体取付フランジ2eのボルト穴2fにアウター側から挿通され、ナックルNのボルト穴Nhに螺合される。或いはナックルNのボルト穴Nhにインナー側から挿通され、車体取付フランジ2eのボルト穴2fに螺合される。
【0035】
次に、
図6及び
図7を用いて、車輪用軸受装置1を組み立てる際の主要な工程(車輪用軸受装置1の組立方法)について説明する。
図6は、車輪用軸受装置1の組立工程を示す図である。
図7は、円錐ころ41等がアウター側シール部材6によって支持された状態を示す図である。ここでは、重力方向を矢印Dで表し、反重力方向を矢印Eで表す。
【0036】
図6の(A)は、外方部材2におけるアウター側の所定位置にころアセンブリ4を収容し、アウター側シール部材6を嵌め込む工程を示している。このとき、外方部材2は、アウター側端面2gを上方に向けた状態で載置されている。円錐ころ41と保持器42は、予め組み合わされた状態で外方部材2の上方から組み込まれる。こうすることで、外方部材2におけるアウター側の所定位置に円錐ころ41と保持器42が収容される。その後、アウター側シール部材6が外方部材2のアウター側端部から嵌め込まれる。
【0037】
図6の(B)は、外方部材2等からなる仕掛品Wを反転する工程を示している。仕掛品Wとは、外方部材2におけるアウター側の所定位置に円錐ころ41と保持器42を収容し、アウター側シール部材6を嵌め込んだ状態のものを指す。仕掛品Wを反転させると、円錐ころ41と保持器42は、所定位置から僅かながらズレ落ちることとなるが(
図7における矢印F参照)、アウター側シール部材6によって支持される。これは、アウター側シール部材6を構成している芯金61が有意な形状とされて円錐ころ41に当接することによる(
図7における※印部参照)。かかる説明については後述する。
【0038】
図6の(C)は、外方部材2等からなる仕掛品Wをハブ輪31に嵌装する工程を示している。このとき、ハブ輪31は、車輪取付フランジ3eのアウター側端面3jを下方に向けた状態で載置されている。そして、仕掛品Wは、円錐ころ41等がアウター側シール部材6によって支持された状態のままで、ハブ輪31の上方から組み合される。こうすることで、仕掛品Wがハブ輪31に嵌装される。その後、外方部材2におけるインナー側の所定位置に円錐ころ41と保持器42が収容され、内輪32が嵌め込まれる(図示せず)。そして、インナー側シール部材6が嵌め込まれる(図示せず)。
【0039】
次に、
図8を用いて、第一実施形態に係るアウター側シール部材6について詳細に説明する。
図8は、第一実施形態に係るアウター側シール部材6とハブ輪31の一部形状を示す図である。
【0040】
芯金61は、嵌合部61aと側板部61bを有している。更に、芯金61は、掛止部61cを有している。
【0041】
嵌合部61aは、外方部材2の外周嵌合面2bに沿って嵌め込まれる。このとき、嵌合部61aは、その先端縁が保持器42の径方向外側に到達し、保持器42の一部を覆うこととなる。具体的に説明すると、嵌合部61aは、その先端縁が保持器42を構成している大径円環部42bを通り越え、少なくとも大径円環部42bを覆うこととなる。これは、外方部材2の外側軌道面2dからアウター側端面2gまでを短く設計することで実現された特徴である。なお、従来品に係る車輪用軸受装置と異なり、外側軌道面2dからアウター側端面2gまでを短く設計できるのは、外方部材2の内側にアウター側シール部材6を収容する必要がないためである。
【0042】
側板部61bは、外方部材2のアウター側端面2gに沿って径方向内側へ延びている。具体的に説明すると、側板部61bは、外方部材2のアウター側端面2gに当接して当該アウター側端面2gに沿って保持器42の大径円環部42bに向けて延びている。これは、外方部材2のアウター側端面2gに対して保持器42の大径円環部42bが同一平面上若しくは略同一平面上にあることを表している。本車輪用軸受装置1においては、外方部材2のアウター側端面2gが保持器42の大径円環部42bよりも僅かにインナー側に形成された関係となっている。
【0043】
掛止部61cは、側板部61bの径方向内側端部をインナー側へ折り曲げて形成した部分であり、芯金61のうち側板部61bよりも内周側に設けられた内周部である。そして、掛止部61cは、外方部材2と保持器42の間に配置される。具体的に説明すると、掛止部61cは、外方部材2と保持器42の大径円環部42bの間に配置される。芯金6は、その最内径部を外方部材2と保持器42との間の空間まで延長させている。こうして、掛止部61cは、その先端縁が円錐ころ41の大径側端面41bに対して所定の隙間Gをあけて対峙することとなる。このようにしたのは、車輪用軸受装置1の組立途中で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、掛止部61cが円錐ころ41を支え、ひいては外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐためである(
図7参照)。
【0044】
メインリップ62a・62bは、芯金61の側板部61bに固着された部分からアウター側へ延びている。グリースリップ62cも、芯金61の側板部61bに固着された部分からアウター側へ延びている。そのため、全てのリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置されているといえる。
【0045】
メインリップ62a・62bは、それぞれインナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向外側へ傾くように延びている。そして、メインリップ62a・62bは、それぞれの先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触している。なお、メインリップ62a・62bは、径方向外側から径方向内側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主に泥水や砂塵等の異物が環状空間Sに侵入するのを防ぐ機能を果たしている。
【0046】
グリースリップ62cは、インナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向内側へ傾くように延びている。そして、グリースリップ62cも、その先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接している。なお、グリースリップ62cは、径方向内側から径方向外側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主にグリースが環状空間Sから漏出するのを防ぐ機能を果たしている。
【0047】
このように、本車輪用軸受装置1は、アウター側シール部材6が芯金61と弾性部材62で構成されている。そして、弾性部材62に形成された複数のリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置され、芯金61の外周部(嵌合部61a)が外方部材2の外周に嵌合され、且つ芯金61の内周部(掛止部61c)が円錐ころ41のアウター側端面(大径側端面41b)に所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、アウター側シール部材6を収容するためのスペースを抑えて円錐ころ41の大型化を実現可能とし、負荷容量を大きくすることができる。同時に、組立工程で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、外方部材2からころアセンブリ4(円錐ころ41や保持器42)が脱落するのを防ぐことができる。
【0048】
より具体的には、本車輪用軸受装置1は、芯金61の内周部がインナー側へ折り曲げられていて外方部材2と保持器42の間に配置され、円錐ころ41のアウター側端面(大径側端面41b)に所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、組立途中におけるころアセンブリ4の移動を拘束することができる。
【0049】
また、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62a・62bが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触するメインリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、メインリップがシール平面部3hに接触するので、環状空間Sに泥水や砂塵等の異物が侵入するのを防ぐことができる。
【0050】
更に、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62cが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接するグリースリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、グリースリップがシール平面部3hに接触又は近接するので、環状空間Sからグリースが漏出するのを防ぐことができる。
【0051】
その他の特徴点として、本車輪用軸受装置1は、外方部材2の内側にアウター側シール部材6を収容するためのスペースを必要とせず、全てのリップ62a・62b・62cが径方向に並んで配置される。そのため、車輪用軸受装置1の軸方向長さB・Cを短縮できる。すると、同じ外力が掛かっても曲げモーメント(
図5における矢印M参照)が小さくなるので、軸受剛性を向上でき、且つ軽量化を実現することができる。
【0052】
次に、
図9を用いて、第二実施形態に係るアウター側シール部材6について詳細に説明する。
図9は、第二実施形態に係るアウター側シール部材6とハブ輪31の一部形状を示す図である。
【0053】
芯金61は、嵌合部61aと側板部61bを有している。更に、芯金61は、延長部61dと掛止部61eを有している。
【0054】
延長部61dは、外方部材2のアウター側端面2gに沿う側板部61bからアウター側へやや突出して径方向内側へ延びている。具体的に説明すると、延長部61dは、側板部61bからアウター側へやや突出して保持器42のアウター側端面42dに沿うように延びている。
【0055】
掛止部61eは、延長部61dの径方向内側端部をインナー側へ折り曲げて形成した部分である。そして、掛止部61eは、内方部材3と保持器42の間に配置される。具体的に説明すると、掛止部61eは、内方部材3と保持器42を構成している大径円環部42bの間に配置される。芯金6は、その最内径部を内方部材3と保持器42との間の空間まで延長させている。こうして、掛止部61eは、その先端縁が円錐ころ41の大径側端面41bに対して所定の隙間Gをあけて対峙することとなる。このようにしたのは、車輪用軸受装置1の組立途中で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、掛止部61eが円錐ころ41を支え、ひいては外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐためである。
【0056】
加えて、弾性部材62は、メインリップ62a・62b及びグリースリップ62cを有している。
【0057】
メインリップ62a・62bは、芯金61の側板部61b及び延長部61dに固着された部分からアウター側へ延びている。グリースリップ62cも、芯金61の延長部61dに固着された部分からアウター側へ延びている。そのため、全てのリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置されているといえる。
【0058】
メインリップ62a・62bは、それぞれインナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向外側へ傾くように延びている。そして、メインリップ62a・62bは、それぞれの先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触している。なお、メインリップ62a・62bは、径方向外側から径方向内側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主に泥水や砂塵等の異物が環状空間Sに侵入するのを防ぐ機能を果たしている。
【0059】
グリースリップ62cは、インナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向内側へ傾くように延びている。そして、グリースリップ62cも、その先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接している。なお、グリースリップ62cは、径方向内側から径方向外側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主にグリースが環状空間Sから漏出するのを防ぐ機能を果たしている。
【0060】
このように、本車輪用軸受装置1は、アウター側シール部材6が芯金61と弾性部材62で構成されている。そして、弾性部材62に形成された複数のリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置され、芯金61の外周部が外方部材2の外周に嵌合され、且つ芯金61の内周部が円錐ころ41のアウター側端面(大径側端面41b)に所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、アウター側シール部材6を収容するためのスペースを抑えて円錐ころ41の大型化を実現可能とし、負荷容量を大きくすることができる。同時に、組立工程で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐことができる。
【0061】
より具体的には、本車輪用軸受装置1は、芯金61の内周部がインナー側へ折り曲げられていて内方部材3と保持器42の間に配置され、円錐ころ41のアウター側端面(大径側端面41b)に所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、組立途中に外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐことができる。
【0062】
また、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62a・62bが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触するメインリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、メインリップがシール平面部3hに接触するので、環状空間Sに泥水や砂塵等の異物が侵入するのを防ぐことができる。
【0063】
更に、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62cが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接するグリースリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、グリースリップがシール平面部3hに接触又は近接するので、環状空間からグリースが漏出するのを防ぐことができる。
【0064】
その他の特徴点として、本車輪用軸受装置1は、外方部材2の内側にアウター側シール部材6を収容するためのスペースを必要とせず、全てのリップ62a・62b・62cが径方向に並んで配置される。そのため、車輪用軸受装置1の軸方向長さB・Cを短縮できる。すると、同じ外力が掛かっても曲げモーメント(
図5における矢印M参照)が小さくなるので、軸受剛性を向上でき、且つ軽量化を実現することができる。
【0065】
次に、
図10を用いて、第三実施形態に係るアウター側シール部材6について詳細に説明する。
図10は、第三実施形態に係るアウター側シール部材6とハブ輪31の一部形状を示す図である。
【0066】
芯金61は、嵌合部61aと側板部61bを有している。更に、芯金61は、延長部61fと掛止部61gを有している。
【0067】
延長部61fは、外方部材2のアウター側端面2gに沿う側板部61bからアウター側へやや突出して径方向内側へ延びている。具体的に説明すると、延長部61fは、側板部61bからアウター側へやや突出して保持器42のアウター側端面42dに沿うように延びている。
【0068】
掛止部61gは、延長部61fの径方向内側端部をインナー側へ折り曲げて形成した部分である。掛止部61gは、保持器42のアウター側端面42dに近接する方向に折り曲げられている。具体的に説明すると、保持器42を構成している大径円環部42bに近接する方向に折り曲げられている。こうして、掛止部61gは、その先端縁が保持器42のアウター側端面42dに対して所定の隙間Gをあけて対峙することとなる。このようにしたのは、車輪用軸受装置1の組立途中で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、掛止部61gが保持器42を支え、ひいては外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐためである。なお、本実施の形態において、芯金61の形状を更に変更してもよい。例えば、芯金6において、掛止部61gの先端から更に内径側に延びる延長部を設けて、掛止部61gと延長部とによって、ころアセンブリ4を支えてもよい。
【0069】
加えて、弾性部材62は、メインリップ62a・62b及びグリースリップ62cを有している。
【0070】
メインリップ62a・62bは、芯金61の側板部61b及び延長部61fに固着された部分からアウター側へ延びている。グリースリップ62cも、芯金61の延長部61fに固着された部分からアウター側へ延びている。そのため、全てのリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置されているといえる。
【0071】
メインリップ62a・62bは、それぞれインナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向外側へ傾くように延びている。そして、メインリップ62a・62bは、それぞれの先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触している。なお、メインリップ62a・62bは、径方向外側から径方向内側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主に泥水や砂塵等の異物が環状空間Sに侵入するのを防ぐ機能を果たしている。
【0072】
グリースリップ62cは、インナー側からアウター側へ向かうにつれて径方向内側へ傾くように延びている。そして、グリースリップ62cも、その先端縁が車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接している。なお、グリースリップ62cは、径方向内側から径方向外側へ向かう荷重に対して締付力が高まるので、主にグリースが環状空間Sから漏出するのを防ぐ機能を果たしている。
【0073】
このように、本車輪用軸受装置1は、アウター側シール部材6が芯金61と弾性部材62で構成されている。そして、弾性部材62に形成された複数のリップ62a・62b・62cが外方部材2のアウター側端面2gよりもアウター側に配置され、芯金61の外周部が外方部材2の外周に嵌合され、且つ芯金61の内周部が円錐ころ41のアウター側端面(大径側端面41b)に所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、アウター側シール部材6を収容するためのスペースを抑えて円錐ころ41の大型化を実現可能とし、負荷容量を大きくすることができる。同時に、組立工程で外方部材2等からなる仕掛品Wを反転させても、外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐことができる。
【0074】
より具体的には、本車輪用軸受装置1は、芯金61の内周部が保持器42のアウター側端面42dに所定の隙間Gをあけて対峙している。かかる車輪用軸受装置1によれば、簡素な構造であるにも関わらず確実に、組立途中に外方部材2からころアセンブリ4が脱落するのを防ぐことができる。
【0075】
また、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62a・62bが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触するメインリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、メインリップがシール平面部3hに接触するので、環状空間Sに泥水や砂塵等の異物が侵入するのを防ぐことができる。
【0076】
更に、本車輪用軸受装置1は、複数のリップ62a・62b・62cのうち少なくとも一つのリップ62cが内方部材3に形成された車輪取付フランジ3eのシール平面部3hに接触又は近接するグリースリップである。かかる車輪用軸受装置1によれば、グリースリップがシール平面部3hに接触又は近接するので、環状空間Sからグリースが漏出するのを防ぐことができる。
【0077】
その他の特徴点として、本車輪用軸受装置1は、外方部材2の内側にアウター側シール部材6を収容するためのスペースを必要とせず、全てのリップ62a・62b・62cが径方向に並んで配置される。そのため、車輪用軸受装置1の軸方向長さB・Cを短縮できる。すると、同じ外力が掛かっても曲げモーメント(
図5における矢印M参照)が小さくなるので、軸受剛性を向上でき、且つ軽量化を実現することができる。
【0078】
本願における車輪用軸受装置1は、車体取付フランジ2eを有している外方部材2と、ハブ輪31に一つの内輪32が嵌合されている内方部材3と、外方部材2と内方部材3のそれぞれの軌道面2c・2d・3c・3d間に介装される複数の円錐ころ41と、で構成された第3世代構造としているが、これに限定するものではない。例えば、車体取付フランジを有している外方部材と、ハブ輪と自在継手の嵌合体である内方部材と、外方部材と内方部材のそれぞれの軌道面間に介装される複数の円錐ころと、で構成された第4世代構造であってもよい。
【0079】
最後に、本願における発明は、各実施形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲に記載の均等の意味及び範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0080】
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c 外側軌道面
2d 外側軌道面
3 内方部材
31 ハブ輪
32 内輪
3c 内側軌道面
3d 内側軌道面
3e 車輪取付フランジ
3h シール平面部
4 転動部材
41 円錐ころ
42 保持器
5 インナー側シール部材
6 アウター側シール部材
61 芯金
62 弾性部材
62a メインリップ(リップ)
62b メインリップ(リップ)
62c グリースリップ(リップ)
A 回転軸
G 隙間
S 環状空間