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特許7008017正確な放射線科推奨を生成するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】正確な放射線科推奨を生成するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20220118BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61B6/03 360T
A61B6/00 360Z
A61B6/00 350D
A61B6/03 360J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018519461
(86)(22)【出願日】2016-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 IB2016056005
(87)【国際公開番号】W WO2017064600
(87)【国際公開日】2017-04-20
【審査請求日】2019-10-03
(31)【優先権主張番号】62/241,238
(32)【優先日】2015-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】トロヴァート,カレン イレーネ
(72)【発明者】
【氏名】チアン,ユエチェン
(72)【発明者】
【氏名】マンコヴィチ,ガブリエル ライアン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ,ルーカス デ メロ
(72)【発明者】
【氏名】テリス,ランジット ナヴィーン
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-510326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0109650(US,A1)
【文献】国際公開第2015/114485(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/031296(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01,6/00-6/14
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線科レポートを生成する方法であって、
ディスプレイに、関心領域の画像を表示するステップと、
ユーザインターフェースが、前記関心領域の画像特性を指定するユーザ入力を受け取るステップであって、前記画像特性は解剖学的構造及び測定値を含む、ステップと、
プロセッサが、前記ユーザ入力により指定された画像特性及び特定のガイドラインに基づいて推奨を決定するステップであって、前記解剖学的構造に応じて前記ガイドラインを決定し、前記決定されたガイドライン及び前記測定値に基づいて前記推奨を決定することを含む、ステップと、
前記推奨を前記画像上にオーバーレイして表示するステップと、
前記推奨を決定するステップと前記表示するステップは、前記ユーザ入力が受け取られると自動的にトリガーされ、
前記プロセッサが、前記推奨を含むレポートを生成することとを含む、
方法。
【請求項2】
前記推奨はモダリティ及びタイムフレームを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推奨を決定するステップは、
前記プロセッサが、解剖学的構造及び測定値を、ガイドラインデータベースに記憶された、対応する解剖学的構造及び対応する測定値と比較することと、
前記プロセッサが、解剖学的構造及び測定値に関連する対応するガイドライン推奨を前記推奨として決定することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
可能性のある複数の推奨を表示することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記推奨を決定するステップは、前記推奨を選択するユーザ入力を受け取ることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ入力は音声入力を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記推奨を含む前記レポートを表示することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、複数の利用可能なオプションを含むユーザインターフェースを示すように前記関心領域の画像を含む表示を変更することをさらに含み、前記利用可能なオプションの1つは前記推奨を表示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
放射線科レポートを生成するシステムであって、
関心領域を含む画像を表示するディスプレイと、
前記関心領域の画像特性を指定するユーザ入力を受け取るユーザインターフェースであって、前記画像特性は解剖学的構造及び測定値を含む、ユーザインターフェースと、
前記画像特性及び特定のガイドラインに基づいて推奨を決定し、前記推奨を前記画像上にオーバーレイして表示し、前記推奨を決定することと表示することは、前記ユーザ入力が受け取られると自動的にトリガーされ、前記推奨を含むレポートを生成するプロセッサであって、前記推奨の前記決定は、前記解剖学的構造に応じて前記ガイドラインを決定し、前記決定されたガイドライン及び前記測定値に基づいて前記推奨を決定することを含む、プロセッサとを有する、
システム。
【請求項10】
前記推奨はモダリティ及びタイムフレームを含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記解剖学的構造と測定値とに基づいて、前記解剖学的構造及び測定値を、ガイドラインデータベースに記憶された対応する解剖学的構造及び対応する測定値と比較して、前記推奨を決定し、解剖学的構造及び測定値に関連する対応するガイドライン推奨を前記推奨として決定する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイは可能性のある複数の推奨を表示する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
ユーザ入力は音声入力を含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ディスプレイは前記推奨を含むレポートを表示する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、複数の利用可能なオプションを含むユーザインターフェースを示すように前記関心領域の画像を含む表示を変更し、前記利用可能なオプションの1つは前記推奨を表示する、
請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医学においては、様々な医用イメージングモダリティが日常的に使用されている。例えば、医師はX線、超音波、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)を頻繁に使用して、患者を画像化し、診断する。これらの医学的画像は、通常、放射線科医師によって読み取られる。多くの画像は複雑で細部に強い注意を払う必要があるが、放射線科医師が効率を上げるよう圧力が高まっている。例えば、多くの放射線科医師は、画像または複数画像のセットを読むのに1~2分しかかけられないことがある。読影に基づいて、放射線科医師は、主要な所見(正常または異常な解剖学的構造の評価)を含むレポートを口述またはタイプし、(1)疾患を診断し、疾患状態を提供し、または(2)フォローアップ/次のステップのための推奨を提供することができる。
【0002】
放射線科医師によって提供される推奨は、多くの場合、さらに別の画像検査(imaging studies)を含む。例えば、放射線科医師は、モダリティが異なるさらに別の画像検査を推奨し、疾患をより良く調べることを推奨することがある。あるいは、放射線科医師は、時間の経過とともに生じる可能性のある疾患の変化を検出するためにさらに別の画像診断(imaging)を推奨することもある。これらのフォローアップイメージング手順が実施されない場合、疾患がうまく治療できるウィンドウが失われ、患者の死亡やより高価な治療が必要になる可能性がある。例えば、画像上に小さな病変が検出された場合、一般的なアプローチは、一定の時間枠内で別の画像を撮って病変の成長や進行を観察することだろう。イメージングが遅すぎる(または行われない)場合、病変が小さくて治癒可能な時に治療する時間が失われる可能性がある。放射線科医師のフォローアップ推奨を行うことが重要であるにもかかわらず、多くの放射線科医師の推奨には、その推奨が有効であるために必要な特異性が欠けている。例えば、多くの推奨は、フォローアップイメージング(follow-up imaging)のための具体的なモダリティおよび/またはイメージングが実行されるべき時間枠を省略している。そのような具体的な情報がなければ、放射線科医師の推奨は見落とされ、誤解され、および/または決して実行されない可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
放射線科レポートを生成する方法である。該方法は、ディスプレイに、関心領域の画像を表示することと、前記関心領域の画像特性を決定することと、プロセッサが、前記画像特性に基づいて推奨を決定することと、前記プロセッサが、前記推奨を含むレポートを生成することとを含む。
【0004】
放射線科レポートを生成するシステムである。該システムは、関心領域を含む画像を表示するディスプレイと、前記関心領域の画像特性を決定し、前記画像特性に基づく推奨を決定し、前記推奨を含むレポートを生成するプロセッサとを有する。
【0005】
プロセッサにより実行可能な命令セットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。該命令セットは、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、関心領域の画像を表示し、前記関心領域の画像特性を決定し、前記画像特性に基づいて推奨を決定し、前記推奨を含むレポートを生成させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な実施形態による例示的な方法を示すフロー図である。
【0007】
図2】例示的な他の実施形態による例示的なシステムを示すブロック図である。
【0008】
図3】例示的な実施形態による画像の例示的なスクリーンショットを示す図である。
【0009】
図4】例示的な実施形態による例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明と添付した図面とを参照して、実施形態をさらに理解できるであろう。同じ要素には同じ参照数字を付した。例示的な実施形態は、医療推奨を生成するシステムおよび方法に関する。特に、例示的な実施形態は、画像から放射線科推奨を生成するシステムおよび方法を説明する。本開示のある例示的な実施形態は、既存のワークフローに統合される推奨生成メカニズムを提供して、完全に形成された放射線推奨の生成を容易にする。本開示の一態様は、画像のある特性に基づいてガイドライン推奨事項を自動的に決定する。本開示の他の態様は、推奨の生成にユーザ入力メカニズムを提供する。例示的な実施形態は、放射線科医師および特定の病変および解剖学的構造に関して具体的に記載されているが、当業者には言うまでもなく、本開示のシステムおよび方法は、様々な疾患または状態を有する患者に対して、その他の医療従事者により利用され得る。
【0011】
図1は、本開示の例示的な実施形態による例示的な方法100を示す。図1に示すように、ステップ110において、画像からの関心領域が表示され、ユーザ(例えば、放射線科医師)によって読み取られる。関心領域は、病変、ポリープ、腫瘍、結節、または他の任意の特徴を含み、解剖学的構造は、肺、脳、または患者の関心のある他の任意の器官または解剖学的構造を含み得る。
【0012】
ステップ120では、関心領域のうちの領域の1つ以上の画像特性が決定される。画像特性は、関心領域のサイズ、形状/テクスチャ、分布/均一性などを含むことができる。例えば、特徴は、解剖学的構造、病変、結節または腫瘍の最大尺度の断面または3Dボリュームを含んでいてもよい。形状/テクスチャは、例えば、スペキュレーテッド(spikey)/小葉(丸い)、または対称/非対称として記述することができる。分布または均一性は、焦点または拡散関心領域および/または異種または同種の疾患を示すことができる。現在、サイズは、偶然検出された病変(肺結節、副腎腫瘤)に使用される、最も頻繁に使用される特性である。加えて、他の患者特性もまた使用され得る。例えば、喫煙歴やアスベストへの重度の暴露歴は、両方とも肺がんのリスクの高い指標である。画像特性は、手動で生成することができ(例えば、放射線科医師による入力、放射線科医師による測定など)、画像処理その他の技術を用いて自動的に生成することができる。
【0013】
ステップ130において、決定された画像特性および認められたガイドラインに基づいて、推奨が決定される。例示的な実施形態によれば、放射線科医師は画像を補強する(例えば、測定を行う)。これは、推奨事項の自動的な決定をトリガーすることができる。また、放射線科医師は、ユーザインターフェースを介して所見(肺結節など)を示すことができる。あるいは、放射線科医師は、逆の順序でこれを行うこと、すなわち肺結節としてその領域を識別し、次に測定を行うことができる。例えば、画像を読み取る放射線科医師は、肺結節を特定し、測定を行い7mmとすることができ、これは、例えば、Fleischnerガイドラインのように、結節のサイズに基づき、偶然の肺結節所見のために認められたガイドラインの自動決定をトリガーすることができる。しかしながら、当業者には言うまでもなく、例えば、関心領域の解剖学的構造に応じて、さまざまなガイドラインがトリガーされ、ガイドラインの推奨が決定されてもよい。ガイドライン推奨には、例えば、フォローアップが行われるべきモダリティおよび時間フレームが含まれてもよい。
【0014】
例えば、偶然に副腎塊がCTまたは超音波で検出されたときにトリガーされ得るガイドラインの別の例によれば、推奨は、病変または塊の最大径に基づくことができる。例えば、腫瘤の直径が3cm未満であり、患者に徴候や症状がなく、スクリーニング検査が正常であれば、3ヶ月のX線検査と5ヶ月ごとに2年間の検査が推奨される。しかし、スクリーニング検査が正常でない場合、推奨事項は症状に基づいて行われ得る。例えば、腫瘤が例えば3~6cmであると測定された場合、MRIおよび内分泌の評価が推奨され得る。6cm以上の腫瘤は、外科への紹介の推奨をもたらす可能性がある。
【0015】
ステップ140では、ガイドラインの推奨事項を放射線科医師に表示することができる。例えば、7mmの肺結節を測定した場合、6~8mmの結節を有する低リスク患者および高リスク患者のためのガイドライン推奨が表示され得る。Fleischnerガイドラインに基づいて、「喫煙者でない場合は6~12ヶ月以内に、または患者が喫煙者の場合(高リスク)は3~6ヶ月間で、フォローアップCTスキャンを実施する」との推奨が表示され得る。患者のリスクファクターが不明な場合は、両方のステートメントが生成され、情報が指導医師に返され適切な処置を取れるようにできる。患者のリスクファクターがわかっている場合は、適切かつ具体的な推奨を生成することができる。
【0016】
ガイドライン推奨を表示すると、放射線科医師は、ステップ150において適切な推奨を選択することができる。あるいは、ステップ150は、放射線科医師が行うことができる他の入力も含むことができる。例えば、放射線科医師は、放射線科医師に知られている他の要因(例えば、患者の病歴など)を考慮して、ガイドラインの推奨を拒絶および/またはカスタマイズすることができる。例えば、上記の例示的な推奨が表示された場合、放射線科医師は、分かっていれば、患者が喫煙者であるかどうかを入力して、その患者に対する推奨をカスタマイズすることができる。しかしながら、ステップ150は、他の例示的な実施形態では任意であり得る。いくつかのガイドラインの推奨事項が単一の推奨事項のみを含み得るからである。
【0017】
ステップ160では、推奨が生成される。これは、少なくともフォローアップイメージングが実行されるべき時間フレームおよび使用されるイメージングモダリティを含む。1つの例示的な実施形態では、推奨は、標準的な放射線科レポートに含まれてもよい。これは、放射線科医師が画像を読んでいる間または後に生成されるものである。標準的な放射線科レポートには、例えば、患者の人口統計情報(名前、性別、医療番号、生年月日などの患者情報)、臨床的適応(例えば、病歴および検査理由)、レポート本文(例えば、画像所見の記述)及び印象(例えば、診断およびフォローアップの推奨事項の要約セクション)などを含み得る。レポートステップ160で生成されたレポートの推奨事項は、しばしば、標準的な放射線科診断レポートの印象または所見のセクションに含まれている。レポートの中の推奨は、いかなる形をとってもよく、テキスト、グラフィックス、オーディオ、またはレポート内容のその他の指標を含んでもよく、これは患者や他の医療従事者に提供される。しかし、現在のレポートは主にテキストである。推奨がなされた放射線科医師によって行われた測定に対する相互参照を含むことが好ましい場合がある。これは、例えば、画像スライス番号および画像スライス上の病変の終点のX-Y座標を含み得る。さらに、レポート内の推奨は、電子的に送信されてもよいし、印刷されてもよいし、表示されてもよい。
【0018】
図2は、方法100を含む本開示の例示的な方法が実施され得る、本開示の例示的な実施形態によるシステム200を示す。図2に示すように、システム200は、プロセッサ202、ユーザインターフェース204、ディスプレイ206、およびメモリ208を含む。システム200は、ユーザ(例えば、放射線科医師)が画像を読むために使用することができる任意のシステムの少なくとも一部を示す。ある例示的な実施形態によれば、放射線科医師は、ユーザインターフェース204を使用して、システム200のメモリ208に記憶された画像209にアクセスすることができる。システム200は、アクセスされた画像209をディスプレイ206に表示することができる。ステップ120を参照して説明したように、プロセッサ202は、システム200上の放射線科医師によって読み取られている画像の画像特性に基づいて、ガイドライン推奨を決定することができる。例示的な実施形態によれば、この動作は、画像の手動操作に応じて自動的に実行されてもよい。例えば、ユーザインターフェース204を使用して、放射線科医師は、画像209に表示された結節または病変の測定を行い、それを肺結節として識別することができる。本明細書で説明するように、このアクションは、プロセッサ202に、決定された画像特性および許容されるガイドラインに基づいて推奨事項を自動的に決定させる。
【0019】
例示的な実施形態によれば、メモリ208は、ガイドラインデータベース210を記憶してもよく、プロセッサ202は、前記画像特性を、ガイドラインデータベース210に記憶された特性と比較して、対応するガイドライン推奨を決定してもよい。あるいは、ガイドラインデータベース210は、遠隔地に格納されてもよく、ネットワークを介してプロセッサ202によってアクセスされてもよい。プロセッサ202が対応するガイドライン決定を決定した後、ガイドライン決定をディスプレイ206に表示することができる。例示的な方法100に関して上述したように、低リスク患者および高リスク患者に対するFleischnerガイドラインを表示することができる。システム200が任意的にユーザインターフェース204を介して放射線科医師の入力を受け取った後、プロセッサ202は推奨を生成し、任意的に推奨をディスプレイ206に表示する。方法100に関して上述したように、この推奨は、例えば、標準的な放射線科レポートに含めることができる。あるいは、推奨またはレポートを印刷してもよいし、リモートシステムに送信してもよい。当業者には言うまでもなく、メモリ208は任意のコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、ユーザインターフェース204は任意の入力デバイスを含んでもよく、例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、ディクテーションシステム、及び/又はディスプレイ上のタッチディスプレイ206などであってもよい。当業者には言うまでもなく、システム200は、パーソナルコンピュータ、サーバ、または任意の他の既知の処理装置であってもよい。
【0020】
図3は、本開示の例示的な実施形態による例示的なスクリーンショット300を示す。図3は、9.5mmの肺結節の例示的なCT画像を示す。図3に示すように、Fleischnerガイドラインの推奨事項は、画像に重ねて表示される。ガイドラインの推奨事項は、例えば、解剖学的構造(すなわち、肺)および結節のサイズ(すなわち、9.5mm)を考慮して自動的に決定されてもよい。図3に示すように、ガイドラインの推奨事項は、ユーザインターフェースを介したユーザインタラクションに応じて自動的に表示されてもよい。例えば、図3に示すように、放射線科医師が「肺結節」を選択し、関心のある結節を測定した後、ガイドラインの推奨事項を自動的に表示され得る。
【0021】
この自動化された例は、ガイドラインを用いて、ユーザが「肺病変」または「肺結節」のような解剖学的特徴の指標を提供することを必要とする。一例のシステムでは、グラフィカルユーザインターフェースは、画面上の点を選択して特定のボタンをクリックすることによって起動することができるリング(例えば、ユーザが利用可能なオプションを含むアクションホイール)であってもよい。リングは、この特定のタイプの画像スキャン(例えば、胸部CT)のための共通の、または可能性のある解剖学的部分または所見のリストを提供することができる。マークされた一般的な項目には、肺(lung)/肺(pulmonary)/結節が含まれ、放射線科医師によっても測定される。ユーザインターフェース(例えば、リング)により、ユーザは所与のタイプの検査に関する可能性のある解剖学的構造および所見に基づいて、解剖学的構造および所見を選択することができる。例えば、胸部CTは、肺、心臓、気管、肋骨、下行大動脈、椎体を含む可能性が高いが、虫垂、結腸または上腕骨のような身体の他の領域は含まない。画像スキャンに、可能性のある解剖学的部分のリストのいずれも含まれていない場合、解剖学的構造は未知として列挙され得る。ユーザ相互作用(例えば、結節の測定)は、リングなどのユーザインターフェースをトリガーすることができる。リングは、解剖学的構造の選択に加えて、放射線科医師が推奨事項の表示などの行動をとるのを容易にする他の選択肢を含むことができる。ユーザインターフェースを介して利用可能な他の選択肢は、例えば、メッセージの送信、検索、推奨の割り当てなどを含むことができる。
【0022】
図4は、本開示の例示的な実施形態による例示的な方法400を示す。例示的な方法400は、図1に示す例示的な方法100と同様であるが、ガイドライン推奨を自動的に生成するのではなく、受け取ったユーザ入力に基づいて推奨を生成する。方法100と同様に、ユーザ(例えば、放射線科医師)によって読み取られるべき患者の解剖学的構造の画像が、ステップ410において表示される。ステップ420において、複数の可能なフォローアップ推奨がユーザに対して表示され得る。例えば、複数の可能なフォローアップモダリティ(例えば、MRI、CT、超音波、X線)と、時間フレーム(例えば、可能な限り早く、2週間以内、3ヶ月以内、6ヶ月以内)とがユーザに表示され得る。表示された選択肢から1つまたは複数のモダリティを選択することができる。さらに、時間枠の下限(例えば、3ヶ月)および上限(例えば、6ヶ月)が選択されて、フォローアップをすべき期間を示してもよい。可能なフォローアップの推奨事項は、例えば、画像上に重ねられたポップアップまたはメニューを介して表示することができる。当業者には言うまでもなく、可能なフォローアップ推奨事項の表示は、ユーザによって促されてもよい。一実施形態では、ユーザは、図3を参照して説明した、例えば、アクションホイールのようなユーザインターフェースから、割り当て推奨オプション(assign recommendation option)を選択することができる。次いで、ユーザは、表示されたポップアップまたはメニューから希望のモダリティとタイムフレームを選択して、表示されたモダリティ及び表示されたタイムフレームを設定してもよい。フォローアップ推奨に対するユーザの選択は、自動的に、または放射線科医師を介して手動で決定された関心領域の結節または腫瘍の画像特性(例えば解剖学的構造、測定値)に基づくことができる。
【0023】
あるいは、システム200は、ディクテーションマクロが定義されたディクテーションシステムを含んでいてもよく、放射線科医師は推奨されるフォローアップを指示してもよい。指示マクロを使用する第1の例によれば、「マクロ CT-フォローアップ」というマクロが生成され、生成されるテキストは、「タイムフレーム中にCTフォローアップが推奨される」ことを言う。放射線科医師は、タイムフレームに入ることをリマインドされ、「3ないし6ヶ月」と言う。別の例によれば、音声マクロは、「マクロ CT6」または「マクロCT3to6」とすることができる。それぞれのテキストは、「6ヶ月以内のCTのフォローアップが推奨される」または「3ないし6ヶ月のうちにCTフォローアップが推奨される」であってもよい。別の例では、音声マクロは、「マクロ 肺結節7ミリメートル」のような知見に基づいた推奨を埋め込むこともできる。それぞれのテキストは、Fleischnerガイドラインによれば、フォローアップスキャンを、非喫煙者では6ないし12ヵ月のうちに、喫煙者(高リスク)であれば3ないし6ヵ月のうちに実施しなければならないことを言う。
【0024】
ステップ430において、プロセッサ202は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力を処理して推奨を生成する。これは、ステップ440において、レポート(例えば、放射線科レポート)に含めることができる。方法100に関して上述したように、推奨レポートは、様々な形態のどれをとってもよいし、電子的に送信されてもよいし、印刷されてもよいし、表示されてもよい。当業者には言うまでもなく、例示的な実施形態は推奨を標準的な放射線科レポートに含まれるものとして説明したが、これは本開示の必須要件ではない。
【0025】
当業者には言うまでもなく、上述の例示的な実施形態は、任意の数の方法で実施されてもよく、これには、別個のソフトウェアモジュールとして、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせなどとして含む。
【0026】
本技術分野の当業者には明らかであるが、本開示の精神や範囲から逸脱することなく、開示された例示的な実施形態、方法、及び代替物にいろいろな変更をすることができる。よって、添付した請求項またはその等価物の範囲に入ることを条件に、本開示は変更やバリエーションをカバーするものである。
以下、本発明の各種形態を付記する。
(付記1)
放射線科レポートを生成する方法であって、
ディスプレイに、関心領域の画像を表示することと、
前記関心領域の画像特性を決定することと、
プロセッサが、前記画像特性に基づいて推奨を決定することと、
前記プロセッサが、前記推奨を含むレポートを生成することとを含む、
方法。
(付記2)
前記推奨はモダリティ及びタイムフレームを含む、
付記1に記載の方法。
(付記3)
前記関心領域は結節を含む、
付記1に記載の方法。
(付記4)
前記画像特性は解剖学的構造と結節の測定値とのうち少なくとも1つを含む、
付記1に記載の方法。
(付記5)
前記推奨を決定することは、
前記プロセッサが、解剖学的構造及び測定値を、ガイドラインデータベースに記憶された、対応する解剖学的構造及び対応する測定値と比較することと、
前記プロセッサが、解剖学的構造及び測定値に関連する対応するガイドライン推奨を前記推奨として決定することとを含む、
付記4に記載の方法。
(付記6)
可能性のある複数の推奨を表示することをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記7)
前記推奨を決定することは、前記推奨を選択するユーザ入力を受け取ることを含む、
付記1に記載の方法。
(付記8)
前記ユーザ入力はマニュアル入力と音声入力のうち少なくとも1つを含む、
付記7に記載の方法。
(付記9)
前記推奨を含む前記レポートを表示することをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記10)
前記関心領域の画像の表示を変更して、取り得るオプションを含むユーザインターフェースを示すことであって、取り得るオプションの1つは前記推奨を表示することを含む、ことをさらに含む、
付記1に記載の方法。
(付記11)
放射線科レポートを生成するシステムであって、
関心領域を含む画像を表示するディスプレイと、
前記関心領域の画像特性を決定し、前記画像特性に基づく推奨を決定し、前記推奨を含むレポートを生成するプロセッサとを有する、
システム。
(付記12)
前記推奨はモダリティ及びタイムフレームを含む、
付記11に記載のシステム。
(付記13)
前記関心領域は結節を含む、
付記11に記載のシステム。
(付記14)
前記画像特性は解剖学的構造と前記結節の測定値とのうち少なくとも1つを含む、
付記13に記載のシステム。
(付記15)
前記プロセッサは、
前記解剖学的構造と測定値とに基づいて、前記解剖学的構造及び測定値を、ガイドラインデータベースに記憶された対応する解剖学的構造及び対応する測定値と比較して、前記推奨を決定し、解剖学的構造及び測定値に関連する対応するガイドライン推奨を前記推奨として決定する、
付記14に記載のシステム。
(付記16)
前記ディスプレイは可能性のある複数の推奨を表示する、
付記11に記載のシステム。
(付記17)
ユーザ入力はマニュアル入力と音声入力のうち少なくとも1つを含む、
付記16に記載のシステム。
(付記18)
ディスプレイは前記推奨を含むレポートを表示する、
付記11に記載のシステム。
(付記19)
前記プロセッサは、前記関心領域の画像の表示を変更して、取り得るオプションを含むユーザインターフェースを示すことであって、取り得るオプションの1つは前記推奨を表示する、
付記11に記載のシステム。
(付記20)
プロセッサにより実行される命令セットを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令セットは前記プロセッサにより実行されると前記プロセッサに、
関心領域の画像を表示し、
前記関心領域の画像特性を決定し、
前記画像特性に基づいて推奨を決定し、
前記推奨を含むレポートを生成させる、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。

図1
図2
図3
図4