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特許7008064FGFR4阻害剤としてのヘテロ環式化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】FGFR4阻害剤としてのヘテロ環式化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220118BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20220118BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C07D471/04 114A
C07D471/04 CSP
C07D471/04 114N
A61K31/497
A61K31/551
A61K31/4985
C07D519/00 311
A61P35/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019514174
(86)(22)【出願日】2017-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2017086445
(87)【国際公開番号】W WO2017202390
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2019-01-25
(31)【優先権主張番号】201610364948.4
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518421094
【氏名又は名称】杭州英創医薬科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張漢承
(72)【発明者】
【氏名】劉世峰
(72)【発明者】
【氏名】叶向陽
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542966(JP,A)
【文献】国際公開第2015/059668(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/097594(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/095445(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/198149(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0075708(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
A61K 31/497
A61K 31/551
A61K 31/4985
C07D 519/00
A61P 35/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式()に示される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、重水素化誘導体、水和物若しくは溶媒和物であって、
【化1】
前記式(I)で、
は、N又はCRであり、
は、水素、ハロゲン、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、シアノ基、CONH、ハロゲン化C1-4アルキル基、又はヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基から選択され、
は、N又はCRであり、
は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、CHR、シアノ基、CONH、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたC2-4アルケニル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC2-4アルキニル基、C1-4アルカンチオール基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルコキシ基、O(CR-R、NR(CR-R、又はハロゲン化C1-4アルコキシ基から選択され、
及びRは、それに結合される炭素原子と共に、N、O、又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、4乃至7員環のヘテロ環基を形成し、
ヘテロ環基は、選択的に、1個又は2個のXによって置換され、
は、それぞれ独立的に、ハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C3-8シクロアルキル基、4乃至8員環のヘテロ環基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、シアノ基、CONH、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、又はビス(C1-4アルキル)アミノ基又は=Oから選択され、
は、水素又はC1-4アルキル基であり、
は、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基;任意にN、O、及びSから選択される1つ乃至3つのヘテロ原子を含有する、4乃至12員環のヘテロ環基、4乃至12員環のヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、6員環のアリル基、6員環のアリール基で置換されたC1-4アルキル基、5乃至6員環のヘテロアリール基、5乃至6員環のヘテロアリール基で置換されたC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、又はビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基であり、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基、及びヘテロアリール基は、選択的に1個~3個のXによって置換され、
は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、4乃至8員環のヘテロ環基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、C(O)OC1-4アルキル基、OC(O)C1-4アルキル基、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、又はビス(C1-4アルキル)アミノ基又は=Oから選択され、
又は、R及びRは、それに結合される窒素原子と共に、N、O、又はSヘテロ原子から選択される、追加の1つ又は2つのヘテロ原子を含有することができる、4乃至12員環のヘテロ環基を形成し、
ヘテロ環基は、選択的に1つ又は複数のXによって置換され、
は、それぞれ独立的に水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、4乃至8員環のヘテロ環基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基、又はビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基又は=Oから選択され、
及びRは、それぞれ独立的に、水素、C1-4アルキル基又はハロゲンであり、 Zは、CH又はNであり、
が、Nであるとき、TもZも、Nではなく、Tが、Nであるとき、TもZも、Nではなく、Zが、Nであるとき、TもTも、Nではなく、
Yは、NR又はOであり、
Rは、水素又はC1-4アルキル基であり、
Wは、水素又はC1-4アルキル基であり、
Vは、CH、O、CH(OH)、CHF又はCFであり、
Uは、
【化2】
からなる群から選択されるラジカルであり(「*」は、キラル中心であることを表示する)、
mは、0、1、2又は3であり、
nは、0、1、2又は3
であることを特徴とする化合物(但し、
【化3】
を除く)、又はその薬学的に許容可能な塩、重水素化誘導体、水和物又は溶媒和物。
【請求項2】
は、CRであり、
は、CRであり、
Zは、CHであり、
Yは、NHであり、
Wは、水素であり、
Vは、CHであり、
mは、1であり、
であることを特徴とし、R及びRの定義は、それぞれ、上記と同一である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、CNであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
は、NR(CR-R又はO(CR-Rであり、
は、水素又はC1-4アルキル基であり、
は、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、O、及びSから選択される1つ乃至3つのヘテロ原子を含む4乃至12員環のヘテロ環基、4乃至12員環のヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、6員環のアリール基、6員環のアリール基で置換されたC1-4アルキル基、5乃至6員環のヘテロアリール基、又は5乃至6員環のヘテロアリール基で置換されたC1-4アルキル基であり、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基アリール基、又はヘテロアリール基が選択的に1-3個のXによって置換され、Xは、上述したようであり、
又は、
及びRは、それに結合される窒素原子と共に、任意にN、O、又はSヘテロ原子から選択される、追加の1個又は2個のヘテロ原子を含むことができる、4乃至5員環のヘテロ環基又は7乃至12員環のヘテロ環基を形成し、
ヘテロ環基は、選択的に1個又は2個のXによって置換されることを特徴とし、
、n、R及びRの定義は、それぞれ上記と同一である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
は、NH(CR-R又はO(CR-Rであり、
は、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、O、及びSから選択される1つ乃至3つのヘテロ原子を含む、4乃至12員環のヘテロ環基、4乃至12員環のヘテロ環基を含むC1-4アルキル基、6員環のアリール基、6員環のアリール基で置換されたC1-4アルキル基、5乃至6員環のヘテロアリール基、又は5乃至6員環のヘテロアリール基で置換されたC1-4アルキル基であり、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基は、選択的に1-3つのXによって置換され、
、n、R及びRの定義は、それぞれ上記と同一であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
は、NHR又はORであり、
は、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、O、及びSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む、4乃至12員環のヘテロ環基、4乃至12員環のヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、ここで、アルキル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基は、選択的に1個~3個のXによって置換され、
は、上記と同一であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、NHR又はORであり、
は、C3-8シクロアルキル基、任意にN、O、及びSから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む、3乃至8員環のヘテロ環アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC3-8シクロアルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC3-8シクロアルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、3乃至8員環のヘテロ環アルキル基で置換されたC1-4アルキル基、ヒドロキシル基を含むC3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基であり、
アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基は、選択的に1個~3個のXによって置換され、
は、上記と同一であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
下記式(II)に示され、
【化4】
17は、
【化5】
のグループから選択されるラジカルであり(「*」は、キラル中心であることを表示する)、
又は、
17は、
【化6】
のグループから選択されるラジカル(「*」は、キラル中心であることを表示する)であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
下記式(II)に示され、
【化7】
17は、
【化8】
のグループから選択されるラジカル(「*」は、キラル中心であることを表示する)であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Uが、
【化9】
のグループから選択されるラジカル(「*」は、キラル中心であることを表示する)である、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Uが、
【化10】
のグループから選択されるラジカルであることを特徴とし(「*」は、キラル中心であることを表示する)、
請求項1乃至10のいずれか一項に化合物。
【請求項12】
下記式
【化11】
のグループ(「*」は、キラル中心であることを表示する)から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
(i)有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、
(ii)薬学的に許容可能な担体
とを含む、薬物組成物。
【請求項14】
FGFR4キナーゼ活性に関連する疾患を治療又は阻害するために使用される、請求項13に記載する薬学組成物。
【請求項15】
式(1)で表される化合物を製造する方法であって、
【化12】
(式(1)において、T、T、Z、Y、W、V、U、及びmの定義は、請求項1における定義と同じである)
目的化合物に対応する原料化合物を用い、下記工程(1)~(4)を適用することにより、上記式(1)で表される化合物を製造する方法;
【化13】
(1) 不活性溶媒中において、塩基の作用下で、化合物IaとIbとを反応させて、化合物Icを得る工程、
【化14】
(2) 不活性溶媒中において、化合物IcとIdとの反応を利用して化合物Ieを得る工程、
【化15】
(3) 不活性溶媒中において、化合物Ieが酸の作用下で脱保護されて化合物Ifを得る工程であって、化合物Iaは、化合物Ikであり、当該製造方法は更に下記の工程を含有し
【化16】
(4)中間体Ikを製造するために、まずIgのアミノ基をIhに保護し、その後、立体障害が大きい親核の試薬R-EHと反応させてIjを得て、酸性条件で脱保護してIkを得る工程であって、前記R -EHは、
【化17】
又は
【化18】
からなる群より選択される(前記各式において、Arは、アリール基であり、Xは、ハロゲンである)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のヘテロ環式化合物、その合成及びFGFR4阻害剤としての応用を提供した。
【背景技術】
【0002】
FGFR(繊維芽細胞増殖因子受容体)は、FGFR1、FGFR2、FGFR3及びFGFR4の合計4つの受容体を有する収容体型タンパク質チロシンキナーゼであり、細胞の成長、増殖、死滅、移動などに対して決定的な作用をする。FGFR活性化突然変異は、悪性腫瘍細胞の増殖を促進し、死滅を阻害するだけでなく、腫瘍の新しい血管を生成することもでき、腫瘍の侵襲と転移などの過程でも重要な作用を発揮する。非小細胞肺癌、肝臓癌、乳癌、膀胱癌及び他の多くの種類の癌などには全部FGFRの高い発現が存在するため、FGFR発現が以上の腫瘍患者に対して、FGFR小分子キナーゼ阻害剤は、非常に有望な治療方法であり、選択的FGFR小分子阻害剤の研究開発はますます多い注目を集めている。
【0003】
肝臓癌は、発生率と死亡率が最も高い悪性腫瘍の一つであり、毎年、中国で466,000件の新しい肝癌症例と422,000件の肝臓癌の死亡ケースが発生する。研究によると、FGFR4-FGF19シグナルシステムは、肝細胞癌(HCCs)と密接に関連され、FGFR4は、ヒト肝細胞で高度に発現されるFGFRの亜型であり、複数の種類のFGFR4変異が肝癌の患者から発見された。FGFR1、FGFR2、FGFR3の他の亜型を阻害せずにFGFR4を選択的に阻害することにより、一定の毒性を避けることができ、肝臓癌を治療する重要なターゲットになることができることを明らかにした。臨床研究によると、FGFR阻害剤は、様々な癌の治療に使用することができるが、様々な腫瘍の治療、特に肝臓癌の治療のための選択的FGFR4阻害剤の開発が切実に必要であることを明らかにした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、構造の新しいFGFR4阻害剤及びそれらの製造方法と応用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様において、式(I)に示されるような化合物又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ(prodrug)、重水素化誘導体、水和物又は溶媒和物を提供し、
【0006】
【化1】
【0007】
前記式で、
は、N又はCRであり、ここで、Rは水素、ハロゲン(halogen)、C1-6アルキル基(alkyl group)、C3-6シクロアルキル基(cycloalkyl group)、シアノ基(cyano group)、CONH、ハロゲン化C1-4アルキル基又はヒドロキシル基(hydroxyl group)で置換されたC1-4アルキル基から選択され、
は、N又はCRであり、ここで、Rは、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基(alkoxy group)、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基(alkynyl group )、C2-4アルキニル基(alkynyl group)、CHR、シアノ基、CONH、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたC2-4アルケニル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC2-4アルキニル基、C1-4アルカンチオール基(alkane thiol group)、ビス(C1-4アルキル)アミノ基(bis(C1-4 alkyl)amino group)で置換されたC1-4アルコキシ基、O(CR-R、NR(CR-R又はハロゲン化C1-4アルコキシ基(好ましくは、ハロゲン化C1-4アルコキシ基が選択的にヒドロキシル基によって置換される)から選択され、
とRは、それに結合される炭素原子と一緒にN、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む4-乃至7-員ヘテロ環基(heterocycle group)を形成し、ここで、ヘテロ環基は、選択的に、1つ又は2つのXによって置換され、Xは、それぞれ独立的にハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C3-8シクロアルキル基、4-乃至8-員ヘテロ環基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、シアノ基、CONH、アミノ基(amino group)、C1-4アルキルアミノ基(alkyl amino group)、ビス(C1-4アルキル)アミノ基又は=Oから選択され、
は、水素又はC1-4アルキル基であり、
はC1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、1つ乃至3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、4-乃至12員ヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、6-員アリール基、6-員アリール基で置換されたC1-4アルキル基、5-乃至6-員ヘテロアリール基、5乃至6-員ヘテロアリール基(heteroaryl group)で置換されたC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基であり、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基、及びヘテロアリール基は、選択的に1-3つのXによって置換され、Xは、それぞれ独立的に水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、4-乃至8-員ヘテロ環基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、C(O)OC1-4アルキル基、OC(O)C1-4アルキル基、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基又は=Oから選択され、
又はRとRはそれに結合される窒素原子と一緒にN、O又はSヘテロ原子から選択される、追加の1つ又は2つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基を形成することができ、ここで、ヘテロ環基選択的に1つ又は複数のXによって置換され、Xは、それぞれ独立的に水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、4-乃至8-員ヘテロ環基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルコキシ基、C(O)C1-4アルキル基、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基又は=Oから選択され、
とRは、それぞれ独立的に水素、C1-4アルキル基、又はハロゲンであり、
Zは、CH又はNであり、ここで、TがNであるとき、TとZはNではなく、TがNであるときTとZはNではなく、ZがNであるとき、TとTはNではなく、
Yは、NR又はOであり、ここで、Rは、水素又はC1-4アルキル基であり、
Wは、水素又はC1-4アルキル基であり、
Vは、CH、O、CH(OH)、CHF又はCFであり、
Uは、水素、ハロゲン、C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、(CR10-NR1112、(CR1314-R15、CH-COH又はC(O)Hであり、
とR10はそれぞれ独立的に、水素又はC1-4アルキル基であり、
11は、C1-4アルキル基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基又は任意にN、O、及びSから選択される1-2つのヘテロ原子を含む4-乃至7員ヘテロ環基であり、
12は、C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたハロゲン化C1-4アルキル基、C(O)C1-4アルキル基、C(O)-CH-OH、C(O)-CH-OCH、C(O)-CH-N(CH、S(O)CH又はC(O)C(O)N(R16であり、
又はR11とR12は、それに結合されたN原子と一緒に、単環、ダブルリング又は多環の環状構造を形成して、この環状構造は、従来のN原子を含むほかに、1-2つのヘテロ原子を追加に含むこともでき、この環状構造は、選択的に、1-3つのXによって置換され、置換される位置は、CとN原子であり、前提条件は、形成された構造は、合理的で安定な構造であり、Xは、それぞれ独立的にハロゲン、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、4-乃至6-員ヘテロ環基、C1-4アルキル基で置換された4-乃至6-員ヘテロ環基、6-員アリール基、5-乃至6-員ヘテロアリール基、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C(O)C1-4アルキル基、C(O)CHOH、C(O)OC1-4アルキル基、OC(O)C1-4アルキル基、アミノ基、C1-4アルキルアミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基、ビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基又は=Oから選択され、
13とR14は、それぞれ独立的に水素、C1-4アルキル基又はハロゲンであり、
15は、C3-8シクロアルキル基であり、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基、6-員アリール基、又は任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む5-乃至6-員ヘテロアリール基であり、ここで、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基は選択的に1-3つのXによって置換され、Xの定義は、上述したようであり、
16は、それぞれ独立的に、水素又はC1-4アルキル基から選択され、
mは、0、1、2又は3であり、
nは、0、1、2又は3であり、
pは、0、1又は2であり、
qは、0、1又は2である。
【0008】
他の好ましい例において、
は、CRであり、及び/又は
は、CRであり、及び/又は
ZはCHであり、及び/又は
Yは、NHであり、及び/又は
Wは、水素であり、及び/又は
Vは、CHであり、及び/又は
mは、1であり、及び/又は
Uは、C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2- 4アルキニル基、CH-NR1112、(CR1314-R15、CHCOH又はC(O)Hであり、
ここで、R、R、R11、R12、R13、R14、R15及びqは、それぞれ上述したようである。
【0009】
他の好ましい例において、RはCNである。
【0010】
他の好ましい例において、Rは、NR(CR-R又はO(CR-Rであり、ここで、Rは、水素又はC1-4アルキル基であり、Rは、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1つ乃至3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、4-乃至12員ヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、6-員アリール基、6-員アリール基で置換されたC1-4アルキル基、5-乃至6-員ヘテロアリール基、又は5-乃至6-員ヘテロアリール基で置換されたC1-4アルキル基であり、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基選択的に1-3つのXによって置換され、Xは、上述したようであり、又はRとRは、それに結合される窒素原子と一緒に任意にN、O又はSから選択される、追加の1-2つのヘテロ原子を含む4-員乃至5-員ヘテロ環基又は7-乃至12-員ヘテロ環基を形成することができ、ここで、ヘテロ環基は、選択的に1-2つのXによって置換され、Xは、上述したようであり、ここで、n、R及びRの定義は上述したようである。
【0011】
他の好ましい例において、Rは、NH(CR-R又はO(CR-Rであり、Rは、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1つ乃至3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、4-乃至12-員ヘテロ環基を含むC1-4アルキル基、6-員アリール基、6-員アリール基で置換されたC1-4アルキル基、5-乃至6-員ヘテロアリール基又は5-乃至6-員ヘテロアリール基で置換されたC1-4アルキル基であり、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基は、選択的に1-3つのXによって置換され、Xは、上述したようであり、ここで、n、RとRの定義は、上述したようである。
【0012】
他の好ましい例において、Rは、NHR又はORであり、RはC2-4アルキニル基で置換されたC1-4アルキル基、C3-12シクロアルキル基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基(単環、ブリッジリング、スピロ環、アンドリングを含む)、4-乃至12-員ヘテロ環基で置換されたC1-4アルキル基、ここで、アルキル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基は選択的に1-3つのXによって置換され、Xは、上述したようである。
【0013】
他の好ましい例において、Rは、NHR又はORであり、RはC3-8シクロアルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む3-乃至8-員ヘテロ環アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC3-8シクロアルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC3-8シクロアルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基、3-乃至8-員ヘテロ環アルキル基に置換されたC1-4アルキル基、またはヒドロキシル基を含むC3-8シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基であり、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基は、選択的に1-3つのXによって置換され、Xは、上述したようである。
【0014】
他の好ましい例において、Rは、NHRであり、RはC3-8シクロアルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含むC3-8ヘテロ環アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC3-8シクロアルキル基、ヒドロキシで置換されたC3-8シクロアルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基、C1-4シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基又はヒドロキシル基を含むC1-4シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基である。
【0015】
他の好ましい例において、Rは、ORであり、RはC3-8シクロアルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC3-8シクロアルキル基、ヒドロキシル基で置換されたC3-8シクロアルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されたC1-4アルキル基又はC1-4シクロアルキル基で置換されたC1-4アルキル基である。
【0016】
他の好ましい例において、前記化合物の構造は、式(II)に示されるようであり、
【0017】
【化2】
【0018】
17は、
【0019】
【化3】
【0020】
のグループから選択されるラジカルであり、
又はR17は、
【0021】
【化4】
【0022】
のグループから選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0023】
他の好ましい例において、前記化合物の構造は、式(II)に示されるようであり、
【0024】
【化5】
【0025】
17は、
【0026】
【化6】
【0027】
のグループから選択されるラジカルであることを特徴とする。
【0028】
他の好ましい例において、Uは、CH-NR1112であり、ここで、R11は、C1-4アルキル基、4-乃至6-員ヘテロ環基又はビス(C1-4アルキル)アミノ基で置換されたC1-4アルキル基、R12は、C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ヒドロキシル基ハロゲン化C1-4アルキル基、C(O)C1-4アルキル基、C(O)-CH-OH、C(O)-CH-OCH、C(O)-CH-N(CH、S(O)CH又はC(O)N(R16であり、R11とR12は、それに結合されたN原子と一緒に、単環、ダブルリング又は多環の5-乃至12-員環状構造を形成し、この環状構造は、従来のN原子を含むほかに、任意にN、OおよびSから選択される1-2つのヘテロ原子を追加に含むこともでき、また、この環状構造は、選択的に1-3つのXによって置換され、置換される位置は、CとN原子であり、前提条件は、形成された構造は、合理的で安定な構造であり、又は
Uは、(CR13140-2-R15であり、ここで、R13とR14は、それぞれ独立的に、水素又はC1-4アルキル基であり、R15は、C3-8シクロアルキル基、4-乃至12-員ヘテロ環基、6-員アリール基又は5-乃至6-員ヘテロアリール基であり、ここで、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基は、選択的に1-3つのXによって置換されることができ、Xは上述したようである。
【0029】
他の好ましい例において、Uは、CH-NR1112であり、ここで、R11とR12は、それに結合されたN原子と一緒にダブルリング又は多環の8-乃至12-員の環状構造を形成し、この環状構造は、従来のN原子を含むほかに、任意にN、OおよびSから選択される1-2つのヘテロ原子を追加に含むこともでき、また、この環状構造は、選択的に、1-3つのXによって置換されることができ、置換される位置は、CとN原子であり、前提条件は、形成された構造は、合理的で安定な構造であり、
他の好ましい例において、Uは、CH-R15であり、ここで、R15は、C3-8シクロアルキル基、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基、6-員アリール基又は5-乃至6-員ヘテロアリール基であり、ここで、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基は、選択的に1-3つのXによって置換されることができ、Xは上述したようである。
【0030】
他の好ましい例において、Uは、CH-R15であり、ここで、R15は、任意にN、O、及びSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む4-乃至12-員ヘテロ環基であり、ここで、ヘテロ環基は、選択的に1-3つのXによって置換されることがあり、Xは上述したようである。
【0031】
他の好ましい例において、Uは、CH-R15であり、ここで、R15は、任意にN、OおよびSから選択される1-3つのヘテロ原子を含む5-乃至9-員ヘテロ環基であり、ここで、ヘテロ環基は、選択的に1-3つのXによって置換されることができ、Xは上述したようである。
【0032】
他の好ましい例において、前記Xは=O、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-4アルキル基で置換されたC3-8シクロアルキル基、4-乃至6-員ヘテロ環基、C1-4アルキル基で置換された4-乃至6-員ヘテロ環基である。
【0033】
他の好ましい例において、前記R15は、任意にN、O、及びSから選択される2つのヘテロ原子を含む5-乃至9-員ヘテロ環基であり、好ましくは、R15は、2つのNヘテロ原子を含む5-乃至9-員ヘテロ環基である。
【0034】
他の好ましい例において、Uは、
【0035】
【化7】
【0036】
のグループから選択されるラジカルであり、
前提条件は、R18
【0037】
【化8】
【0038】
である時、R17は、
【0039】
【化9】
【0040】
ではなく、R17
【0041】
【化10】
【0042】
である時、R18
【0043】
【化11】
【0044】
でない。
【0045】
他の好ましい例において、Uは、
【0046】
【化12】
【0047】
のグループから選択されるラジカルである。
【0048】
他の好ましい例において、前記化合物は、
【0049】
【化13】
【0050】
のグループから選択され
ここで、
「*」は、キラル中心(chiral center)を表示する。
【0051】
本発明の第2の態様において、
(a)FGFR4の活性又は発現に関連する疾患を治療する薬を製造して、及び/又は
(b)FGFR4ターゲット阻害剤を製造し、及び/又は
(c)インビトロ(in vitro)で非治療的にFGFR4の活性を阻害することに使用される本発明の第1の態様の式(I)の化合物の用途を提供する。
【0052】
他の好ましい例において、前記疾患は、腫瘍である。
【0053】
他の好ましい例において、前記腫瘍は、肺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、肝臓癌、唾液腺肉腫、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、上皮細胞癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、リンパ腫、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、皮膚T細胞リンパ腫などから選択される。
【0054】
本発明の第3の態様において、(i)有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、及び(ii)薬学的に許容可能な担体を含む薬物組成物を提供する。
【0055】
本発明の第4の態様において、阻害対象に阻害有効量の本発明の第1の態様による前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与するか、又は阻害対象に阻害有効量の本発明の第3の態様の前記薬物組成物を投与するステップを含むFGFR4活性を阻害する方法を提供する。
【0056】
他の好ましい例において、前記阻害は、FGFR4の選択的な阻害である。
【0057】
他の好ましい例において、前記FGFR4活性阻害は、インビトロ(in vitro)の非治療性阻害である。
【0058】
本発明の第5の態様において、本発明の第1の態様に記載の化合物の製造方法を提供し、前記方法は、
【0059】
【化14】
【0060】
(1)不活性溶媒において、塩基の作用下、化合物IaとIbと反応させて化合物Icを得るステップと、
【0061】
【化15】
【0062】
(2)不活性溶媒において、化合物IcとIdと反応させて化合物Ieを得るステップと、
【0063】
【化16】
【0064】
(3)不活性溶媒において、化合物Ieが酸の作用下脱保護されて化合物Ifを得るステップと、
【0065】
【化17】
【0066】
(4)中間体Ik(1aの類似体)を製造するためには、まずIgのアミノ基をIhに保護し、立体障害が大きい親核の試薬R-EHと反応させてIjを得て、酸性条件で脱保護してIkを得るステップと、を含む。本発明は、立体障害が大きいR-EHに特に適用可能である。
【0067】
前記各式において、Arはアリール基であり、Xはハロゲンであり、その他の各ラジカルの定義は、上述したようである。
【0068】
本発明の範囲内で、本発明の前記の各技術の特徴と以下(例えば、実施例)で、具体的に説明したそれぞれの技術の特徴の間は互いに組み合わせて、新しい又は好ましい技術方案を構成することができることを理解しなければならない。スペースの制限を受けてここでいちいち述べない。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明者は、長期間鋭意に研究した結果、意外にFGFR4(繊維芽細胞増殖因子受容体4)阻害活性を有するヘテロ環式化合物を発見した。したがって、FGFR4活性又は発現に関連する疾患を治療する薬物組成物を製造するに使用することができる。前記の発見に基づいて、本発明者は、本発明を完成した。
【0070】
具体的には、本発明は、前記式(I)に示されたような化合物を提供し、存在可能な異性体(エナンチオマー又はジアステレオマー)、又はこの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、重水素化誘導体、水和物、溶媒和物を含む。本発明の化合物は、FGFR4阻害活性を有し、FGFR4活性又は発現量に関する疾患を予防又は治療に使用されることができ、他の薬と併用して、様々な関連疾患の治療に使用されることもできる。
【0071】
用語
特に説明がない限り、本文で述べられる「又は」は「及び/又は」と同じ意味を持つ(「又は」及び「と」を意味する。
【0072】
特に説明がない限り、本発明の化合物の中で、それぞれのキラル炭素原子(キラル中心)は、任意に選択されるR立体配置又はS立体配置、又はR立体配置及びS立体配置の混合物であることができる。
【0073】
本文で使用されているように、独立して、又は他の置換基の一部である場合、用語「アルキル基」は、炭素原子を含む直鎖(すなわち、無分岐鎖)又は分岐鎖飽和炭化水素基、又は直鎖と分岐鎖がそれらに結合されたラジカルである。アルキル基の前に有する炭素原子数が限られるとき(たとえば、C1-10)、前記のアルキル基は、1-10つの炭素原子を含むことを意味する。例えば、C1-8アルキル基は、1-8つの炭素原子を含むアルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基又は類似のラジカルを意味する。
【0074】
本文で使用されているように、独立して、又は他の置換基の一部である場合、用語「アルケニル基」は、直鎖状又は分岐鎖を意味し、少なくとも一つの炭素-炭素の二重結合を有する炭素鎖ラジカルを意味する。アルケニル基は置換又は非置換されるアルケニル基であってもよい。アルケニル基の前に有する炭素原子の数が限定される(例えば、C2-8)時、前記アルケニル基は、2-8つの炭素原子を含むことを意味する。例えばC2-8アルケニル基は、2-8つの炭素原子を含むことを意味し、アルケニル基、プロピルアルケニル基、1,2-ブチルアルケニル基、2,3-ブチルアルケニル基、ブタジエン基(butadiene group)又は類似のラジカルを含む。
【0075】
本文で使用されているように、独立して、又は他の置換基の一部である場合、用語「アルキニル基」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重それらに結合されるを有する脂肪族炭化水素基を意味する。前記アルキニル基直鎖又は分岐鎖又はそれらの組み合わせであってもよい。アルキニル基の前に有する炭素原子の数が限定される(例えば、C2-8アルキニル基)時、前記アルキニル基は、2-8つの炭素原子を含むことを意味する。たとえば、用語「C2-8アルキニル基」は、2-8つの炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキニル基を意味し、エチルアルキニル基(Ethyl alkynyl group)、プロピルアルキニル基(Propyl alkynyl group)、イソプロピルアルキニル基(Isopropyl alkynyl group)、ブチルアルキニル基(Butyl alkynyl group)、イソブチルアルキニル基(IsoButyl alkynyl group)、sec-ブチルアルキニル基、tert-ブチルアルキニル基又は類似のラジカルを含む。
【0076】
本文で使用されているように、独立して、又は他の置換基の一部である場合、用語「シクロアルキル基」は、飽和されたまたは部分的に飽和された単環、二環又は多環(縮合環、ブリッジリング又はスピロ環)環系のラジカルである。どのシクロアルキル基の前に有する炭素原子数が限定された時(例えばC3-10)、前記シクロアルキル基は、3-10つのの炭素原子を含むことを意味する。いくつかの好ましい実施例では、用語「C3-8シクロアルキル基」は、3-8つの炭素原子を有する飽和又は部分的に飽和された単環又はジシクロアルキル基を意味し、シクロプロピル基(Cyclopropyl group)、シクロブチル基(Cyclobutyl group)、シクロペンチル基(Cyclopentyl group)、シクロヘプチル基(Cycloheptyl group)又は類似のラジカルを含む。「スピロシクロアルキル基(Spirocycloalkyl group)」は、単環との間に一つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する二環又は多環ラジカルを意味し、これは一つ又は複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役されたπ電子システムを有する環はない。「縮合シクロアルキル」は、システムの各環が隣接ペアの炭素原子をシステムの他のリングと共有する全炭素二環または多環を意味し、ここで、一つまたは複数の環は、一つまたは複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役されたπ電子システムを有する環はない。「ブリッジシクロアルキル基(Bridge cycloalkyl group)」は、任意の二つの環が直接結合されていない二つの炭素原子を共有するオールカーボン多環ラジカルを意味する。これは一つ又は複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役されたπ電子システムを有する環はない。前記シクロアルキル基が含む原子は、すべて炭素原子である。以下は、シクロアルキル基の一部の例であり、本発明は以下のシクロアルキル基に限定されない。
【0077】
【化18】
【0078】
特に相反する記述がない限り、下記の明細書と請求項の用語は、下記のような意味を有する。「アリール基」は、共役されたπ電子システムを有する全炭単環又は縮合多環(すなわち、隣接する炭素原子のペアを共有する環)ラジカルを意味し、例えばフェニル基(phenyl group)とナフチル基(naphthyl group)である。前記アリール環は、他の環状ラジカル(飽和と不飽和環を含む)に縮合してもよいが、窒素、酸素又は硫黄のようなヘテロ原子を含むことができなく、同時に、母体を結合する位置は、必ずしも共役π電子システムを有する環の炭素原子でなければならない。アリール基は置換又は非置換されるアリール基であってもよい。以下はいくつかのアリール基の例であり、本発明は下記のアリール基に限定されない。
【0079】
【化19】
【0080】
「ヘテロアリール基」は、一つ乃至複数のヘテロ原子のヘテロ芳香族ラジカルを意味する。ここで意味するヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素を含む。例えば、フラン基(furan group)、チオフェン基(thiophene group)、ピリジル基(pyridyl group)、ピラゾール基(pyrazolyl group)、ピロール基(pyrrolyl group)、N-アルキルピロール基(N-alkylpyrrolyl)、ピリミジン基(pyrimidine group)、ピラジニル基(pyrazinyl group)、イミダゾル基(imidazole group)、テトラゾール基(tetrazol group)などである。前記ヘテロアリール基は、アリール基、ヘテロ環基又はシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と結合する環は、ヘテロアリール環である。ヘテロアリール基は、選択的に置換又は非置換されたものあってもよい。するにはヘテロアリール基の例をいくつかであり、本発明は、下記のヘテロアリール基に限定されない。ここで、最後の3つのヘテロアリール基は、三重環ヘテロアリール基であり、本発明の重点である。
【0081】
【化20】
【0082】
「ヘテロ環基」は、飽和又は部分的に飽和された単環又は多環の環状炭化水素置換基を意味し、ここで、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素又は硫黄から選択され、残りの環原子は炭素である。単環ヘテロ環基の非限定的な実施例は、ピロリジン基(pyrolidine group)、ピペリジン基(piperidine group)、ピペラジニル基(piperazinyl group)モルホリニル基(morpholinyl group)モルホリノチオ基(morpholinothio group)、ホモピペラジン基(homopiperazine group)を含む。多環ヘテロ環基は、スピロ環、縮合環及びブリッジリングのヘテロ環基を意味する。「スピロ環ヘテロ環基」は、システム中の各環は、システムの中での他の環との間に1つの原子(スピロ原子と名称)を共有する多環ヘテロ環ラジカルを意味する。ここで、1つ又は多環原子は、窒素、酸素又は硫黄から選択され、残りの環原子は炭素である。「縮合環ヘテロ環基」は、システム中の各環がシステム中の他の環と隣接する一ペアの原子を共有する多環ヘテロ環ラジカルを意味し、ひとつ又は複数の環は、一つ又は複数の二重それらに結合されるを含むことができるが、完全に共役されたπ電子システムを有する環はなく、ここで、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素又は硫黄から選択され、残りの環原子は炭素である。「ブリッジ環ヘテロ環基」は、任意の二つのリングが直接結合されていない原子を共有する多環ヘテロ環基ラジカルを意味する。これは一つ又は複数の二重結合を含むことができるが、完全に共役されたπ電子システムを持つリングはなく、ここで、1つ又は多環原子は、窒素、酸素又は硫黄から選択され、残りの環原子は炭素である。もしヘテロ環基に、飽和環とアリール環が同時に存在する場合(例えば、飽和環とアリール環が一緒に縮合される)母体に結合されている位置は、必ず飽和環である。注:母体に結合されている位置がアリール環にあるときに、ヘテロアリール基と呼ばれ、ヘテロ環基と呼ばない。以下は、ヘテロ環基の一部の例であり、本発明は、以下のヘテロ環基に限定されない。
【0083】
【化21】
【0084】
本文で使用されているように、独立して、又は他の置換基の一部である場合、用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを意味する。
【0085】
本文で使用されているように、用語「置換」(「任意に」という修飾があるとき又はないとき)は、特定のラジカル上の一つ又は複数の水素原子が特定の置換基によって置換されたことを意味する。特定の置換基は、前記において対応的に説明した置換基又は各実施例で示された置換基である。特に説明されない限り、ある任意の置換されたラジカルは、前記ラジカルの置換することができるいずれの位置に特定のグループから選択される一つの置換基を持っていて、前記の置換基は、それぞれの位置で同じかまたは異なることができる。環状置換基、例えば、ヘテロ環基は、シクロアルキルのような他の環と結合されることができて、スピロ二重環系を形成する、すなわち、2つの環は1つの共有する炭素原子を有する。当業者は、本発明によって、予想される置換基の組み合わせは、そのような安定又は化学的に実現可能な組み合わせであることを理解しなければならない。前記の置換基は、例えば,C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-乃至12員ヘテロ環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、ヒドロキシル基、カルボキシル基(-COOH)、C1-8アルデヒド基、C2-10アシル基、C2-10エステル基、アミノ基である(これに限定されない)。
【0086】
便利性と通常の理解と合致するために、用語「任意の置換」又は「任意に選択される置換」は、置換基によって置換されることができる位置にだけ適用され、化学的に実現することができない置換は含まない。
【0087】
本文に使用されたように、特に説明されない限り、用語「薬学的に許容可能な塩」は、対象(例えば人)の組織と接触するに適合し、適当しない副作用を発生させない塩を意味する。一部の実施例において、本発明のいずれの化合物の薬学的に許容可能な塩は、酸性のラジカルを有する本発明の化合物の塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)又は塩基性ラジカルを有する本発明の化合物の塩(例えば、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩)を含む。
【0088】
化合物の一般的な合成方法
本発明の一般式(I)に示された化合物は、下記の方法によって、製造することができるが、例えば、反応物、溶媒、塩基、使用された化合物の量、反応温度、反応に需要される時間等のような方法の条件は下記の解釈に限定されない。本発明の化合物は、また、選択的に、本明細書に説明された又は本技術分野に公知された様々な合成方法を組み合わせて簡単に製造することができ、このような組み合わせは、本発明が属する技術分野の当業者によって、容易に実施することができる。
【0089】
本発明の製造方法において、各反応は、通常に不活性溶媒において-78℃~150℃(好ましくは、20~120℃)の反応温度で行われる。各ステップの反応時間は、通常0.5~48時間であり、好ましくは、2~12時間である。
【0090】
反応式Aは、化合物A6の一般的な合成方法を説明する:
反応式A
【0091】
【化22】
【0092】
反応式A1は、化合物A6の他の一般的な合成方法を説明する:
反応式A1
【0093】
【化23】
【0094】
反応式A2は、化合物A6の他の一般的な合成方法を説明する:
反応式A2
【0095】
【化24】
【0096】
反応式Bは、化合物B6の一般的な合成方法を説明する:
反応式B
【0097】
【化25】
【0098】
NHR1112は、2級アンモニアである。
【0099】
反応式Cは、化合物C6の一般的な合成方法を説明する:
反応式C
【0100】
【化26】
【0101】
は、C1-3アルキル基、-CH-OH、-CH-OCH、-CH-N(CH又はC(O)N(CHである。
【0102】
反応式Dは、化合物D3の一般的な合成方法を説明する:
反応式D
【0103】
【化27】
【0104】
Yは、C1-3アルキル基又はCHOHである。
【0105】
反応式Eは、化合物E7の一般的な合成方法を説明する:
反応式E
【0106】
【化28】
【0107】
ここで、R-E-は、
【0108】
【化29】
【0109】
のラジカルから選択される。
【0110】
反応式Fは中間体E4の他の一種の合成方法を説明する。R-EHの立体障害が比較的に大きいとき、下記の合成方法は、好ましい方法である。
【0111】
反応式F
【0112】
【化30】
【0113】
ここで、R-E-は、
【0114】
【化31】
【0115】
ラジカルから選択され、
中間体E4は反応式Eによるステップを通じて目標分子E7を合成する。
【0116】
反応式Gは、中間体G5とG9の合成方法を説明する:
反応式G
【0117】
【化32】
【0118】
反応式Hは、化合物H10の一般的な合成方法を説明する:
反応式H
【0119】
【化33】
【0120】
反応式Iは、化合物I6の一般的な合成方法を説明する:
反応式I:
【0121】
【化34】
【0122】
反応式Jは、化合物J6の一般的な合成方法を説明する:
反応式J
【0123】
【化35】
【0124】
反応式Kは化合物K7の一般的な合成方法を説明する:
反応式K
【0125】
【化36】
【0126】
前記各反応式でArは、アリール基であり、Xはハロゲンであり、その他の各ラジカルの定義は、上述したようである。
【0127】
薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体
本文に使用されるように、用語「薬学的に許容可能な塩」は、本発明の化合物が、薬学的に許容可能な無機酸と有機酸と形成された塩を意味し、ここで、好ましくは、無機酸は、塩酸、水素臭素酸、リン酸、硝酸、硫酸を含むがそれらに限定されず、好ましくは、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、ナフタレンジスルホン酸(1,5)、アシアチン酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ペンタン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ヘプタン二酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、アミノスルホン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ナイアシン、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、及びアミノ酸を含むが、これに限定されない。
【0128】
本文で使用されるように、用語「薬学的に許容可能な溶媒和物」は、本発明の化合物が、薬学的に許容可能な溶剤と溶媒化物を形成することを意味する。ここで、前記薬学的に許容可能な溶剤は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンを含む(これに限定されない)。
【0129】
本文で使用されるように、用語「薬学的に許容可能な立体異性体」は、本発明の化合物が言及されているキラル炭素原子は、R立体配置又はS立体配置、又はその組み合わせであってもよい。
【0130】
薬物組成物と投与方法
本発明の化合物は、FGFR4に優れた阻害活性を有するので、本発明の化合物及びその各種結晶型、薬学的に許容可能な無機又は有機塩、水和物又は溶媒和物、及び本発明の化合物を主な有効成分として含む薬剤組成物は、FGFR4活性又は発現と関連する疾患の治療、予防及び緩和に使用することができる。先行技術によれば、本発明の化合物は、肺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、肝臓癌、唾液腺肉腫(salivary gland)、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、上皮細胞癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、リンパ腫、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、皮膚T細胞リンパ腫などのような各種の癌、骨形成不全症、軟骨低形成症、小人症、クルーゾン症候群(crouzon’s syndrome)など骨格関連の疾患、関節リウマチ、II型コラーゲン誘発関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、乾癬、小児糖尿病、乾燥症候群、甲状腺性疾患、サルコイドーシス(sarcoidosis)、炎症性腸疾患、セリアックスプルー(celiac sprue)などのT細胞調節による炎症と自己免疫疾患の治療に使用することができる(これに限定されない)。本発明の薬物組成物は、安全な有効量の範囲内の本発明の化合物又はその薬理上許容可能な塩と許容可能な賦形剤又は担体を含む。ここで、「安全な有効量」は、激しい副作用が発生せず、化合物の量が病状が明らかに改善することができる量を意味する。通常、薬物組成物は、本発明の化合物1-2000mg/剤を含み、より好ましくは、本発明の化合物5-200mg/剤を含む。比較的好ましくは、前記「一剤」は、単一のカプセル又は錠剤である。
【0131】
「薬学的に許容可能な担体」は、一つ又は複数の相溶性固体又は液体充填剤又はゲル物質を意味し、それらは人に使用するのに適して十分な純度と十分に低い毒性を持たなければならない。「相溶性」は、組成物中の各成分が、本発明の化合物及びそれらの間に互いに混合されることがあるが、化合物の薬効を明らかに低下させないことを意味する。薬学的に許容可能な担体の部分的な例として、セルロース及びその誘導体(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(sodium caboxymethyl cellulose)、ナトリウムエチルセルロース(sodium ethyl cellulose)、セルロース・アセテート(cellulose acetate))、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸(stearic acid)、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate))、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ゴマ油、ピーナッツ油、オリーブ油など)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール(propylene glycol)、グリセリン、マンニトール(Mannitol)、ソルビトール(Sorbitol)など)、乳化剤(例えば、Tween(商標))、湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate))、着色剤、調味剤、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、発熱源のない水などがある。
【0132】
本発明の化合物又は薬物組成物の投与方法は、特に制限されず、典型的な投与方法は、経口投与、腫瘍内、直腸、非経口(静脈内、筋肉内又は皮下)及び局部投与を含むが、これに限定されるものではない。
【0133】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤を含む。それらの固体剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウム又はリン酸カルシウムのような少なくとも一つの通常の不活性賦形剤(又は担体)と混合したり、又は(a)フィラー又は増量剤、例えばデンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール及び珪酸、(b)接着剤、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及びアラビアガム、(c)湿潤剤、例えば、グリセリン、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ポテト澱粉又はキャッサバ澱粉、アルギン酸、一部の複合珪酸及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば,4級アミン化合物、(g)湿潤剤、例えば,セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリン、(h)吸着剤、例えば、カオリン、(i)潤滑剤、例えば、タルク、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、固体ポリエチレングリコール、硫酸ドデシルナトリウム、またはその混合物等の成分と混合する。カプセル剤、錠剤、丸剤の剤形でも緩衝剤を含むことができる。
【0134】
錠剤、シュガーピル(sugar pill)、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤のような固体剤形は、ケーシング(casing)と本技術分野で公知の材料などのコーティングとシェル素材を採用することができる。それらは不透明剤を含むことができ、このような組成物中の活性化合物又は化合物の放出は、消化道内のどの部分で延長されて放出されることができる。採用することができる包埋組成分の実例は、重合物質とワックス系物質である。必要な時、活性物質は、前記賦形剤の一つ又は複数とマイクロカプセル形式を形成することができる。
【0135】
経口投与に使用される液体剤形は、薬学的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ又はチンキ剤(tincture)などを含む。活性化合物のほかに、液体剤形は、水又は他の溶媒、可溶化剤と、乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド及びオイル、特に、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、又はそれらの物質の混合物などを含む。
【0136】
これらの不活性希釈剤のほかに、組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、交尾剤及び香料のような補助剤を含むことができる。
【0137】
活性化合物のほかに、懸濁液は、エトキシ化イソオクタデカンオール(ethoxylated isooctadecanol)、ポリオキシエチレンソルビタン(polyoxyethylenesorbitol)イソソルビドジニトロレート(isosorbide dinitrate)、微晶質セルロース、アルミニウムメトキシド、寒天又はそれらの物質の混合物などを含むことができる。
【0138】
非経口注射のための組成物は、生理学的に許容可能な無菌水溶液、無水溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョン及び再滅菌の注射溶液に溶解される溶液又は分散液の無菌粉末を含むことができる。適切な水性と非水性担体、希釈剤、溶媒又は賦形剤は、水、エタノール、ポリオール及びそれらの適切な混合物を含む。
【0139】
局部投与に使用される本発明の化合物の剤形は、軟膏剤、散剤、パッチ、スプレー、吸入剤を含む。活性成分は、無菌条件下で生理学的に許容可能な担体及び任意の防腐剤、緩衝液又は必要となる時、必要することができることができる推進剤と一緒に混合する。
【0140】
本発明の化合物は、単独投与又は他の薬学的に許容可能な化合物と併用投与することができる。
【0141】
薬物組成物を使用するとき、安全な有効量の本発明の化合物を治療が必要な哺乳動物(例えば、人)に適用し、ここで、投与する時、定量(dosage)は、薬学的に有効な投与量であり、体重が60kgの人は、通常、日投与量が1~2000mgであり、好ましくは、5~500mgである。具体的な定量は、熟練した医師の熟練度内で投与経路、患者の健康状況などの要素を考慮する必要がある。
【0142】
本発明の主な長所は、下記の内容を含む。
【0143】
1.式1に示すような化合物を提供する。
【0144】
2.構造の新規なFGFR4阻害剤及びその製造方法と応用を提供し、前記阻害剤は、極めて低い濃度で、すなわちFGFR4の活性を阻害することができる。
【0145】
3.FGFR4活性と関連して疾患を治療する薬物組成物を提供する。
【0146】
以下、具体的な実施例を結びつけて、本発明を更に説明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するためのものではないことを理解するべきである。下記の実施例では、具体的な条件を明記していない実験方法は、一般的に、通常の条件又は製造業者が提案する条件に従う。特に説明されない限り、百分比と部数(ふん数)は、重量で計算する。
【0147】
実施例1:化合物1の製造
【0148】
【化37】
【0149】
シクロプロパノール(cyclopropanol)(317mg、5.46mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)(12mL)に溶解させ、アイスバスでカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(potassiumbis(trimethylsilyl)amide)(21%テトラヒドロフラン溶液、4.1g、4.32mmol)を滴下し、温度を0℃に制御する。0℃で20分間攪拌した後、反応系に化合物1a(150mg、1.09mmol)を加えた後、室温で5時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー(Thin layer chromatography)監視が反応終了と示せば、反応系を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)に滴下し、酢酸エチル(ethyl acetate)で抽出する(15mL×3)。有機層を合併し、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて濾液を濃縮した後、得られた粗品を薄層クロマトグラフィープレート分離(thin layer chromatography plate)(ジクロロメタン/メタノール=70/1)することによって、黄色の固体化合物1c(60mg、収率31%)を得た。MS 176.2 [M+H]
【0150】
化合物1c(60mg、0.34mmol)とピリジン(pyridine)(80mg、1.01mmol)を無水テトラヒドロフラン((2mL)に溶解させ、氷水浴での冷却と撹拌の下で、フェニルクロロフォルメート(phenyl chloroformate)(678mg、10.79mmol)をゆっくりと滴下する。滴下終了後、室温でこの反応系を継続して16時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば、反応系を水(5mL)に滴下し、酢酸エチルで抽出する(10mL×2)。有機層を合併し、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、濾液を減圧濃縮した後、得られた粗品を薄層クロマトグラフィープレート(ジクロロメタン)で分離して、黄色の固体化合物1c(60mg、収率59%)を得た。MS 296.2 [M+H]
【0151】
化合物1e(55mg、0.19mmol)、1f(64mg、0.19mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopyridine)(23mg、0.19mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解させ、この反応系を60℃まで加熱し、2時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば、反応系を水(10mL)に滴下し、酢酸エチルで抽出する(10mL×3)。有機層を合併し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、濾液を濃縮させた後得られた粗品を薄層クロマトグラフィープレート(ジクロロメタン/メタノール=25/1)で分離して、黄色の固体化合物1g(55mg、収率55%)を得た。MS 536.2 [M+H]
【0152】
化合物1g(50mg、0.09mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、塩酸(2N、0.5mL)を加え、この反応系を室温で1時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出する(5mL×3)。有機層を合併した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた粗品を石油エーテル(petroleum ether)/ジクロロメタン(20/1)で洗浄し、ほぼ白色の固体化合物1(28mg、収率61%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.89(s,1H),10.25(s,1H),8.35(s,1H),8.27(s,1H),7.64(s,1H),5.09(s,2H),4.13-4.08(m,2H),4.04-3.96(m,1H),3.40-3.32(m,2H),3.20(s,2H),2.97-2.92(m,2H),2.70-2.62(m,2H),2.36(s,3H),2.09-2.00(m,2H),0.96-0.89(m,4H)。MS 490.3 [M+H]
【0153】
実施例2:化合物2の製造
【0154】
【化38】
【0155】
4-メトキシシクロヘキサンオール(4-methoxycyclohexanol)(2a、95mg、0.73mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、そして0℃でKHMDS溶液(21%テトラヒドロフラン溶液、692mg、0.73mmol)を滴下する。続いて、20分間撹拌した後、0℃で、この反応液に1a(50mg、0.36mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下する。滴下終了後、反応溶液を室温で継続して6時間撹拌する。反応が終了したら、飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)でクエンチングさせる。再び酢酸エチルで抽出する(10mL×3)。合併後の有機相は、飽和食塩水で洗浄、分液し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させる。ろ液を濃縮した後の粗品は、プレップ(Prep)薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって、分離精製して淡黄色の固体化合物2b(44mg、収率49%)を得た。MS 248.2 [M+H]
【0156】
化合物2b(44mg、0.18mmol)とピリジン(42mg、0.53mmol)を乾燥したアセトニトリル(acetonitrile)(5mL)に溶解させ、そして攪拌する状態で前記溶液にフェニルクロロフォルメート(83mg、0.53mmol)を滴下する。前記反応は、室温で16時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視原料が消失すると、前記の反応液を室温で減圧濃縮し、残留物は、直接プレップ薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で分離精製して、黄色の固体化合物2c(37mg、収率57%)を得た。MS 368.2 [M+H]
【0157】
化合物2c(37mg、0.10mmol)、1f(34mg、0.10mmol)及び4-ジメチルアミンピリジン(4-dimethylaminpyridine)(12mg、0.10mmol)を乾燥したアセトニトリル(3mL)に溶解させ、そしてこの反応液を90℃まで加熱し、1時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視の原料が消失すると、前記の反応液を直接プレップ薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)で分離精製して淡黄色の固体化合物2d(25mg、収率41%)を得た。MS 608.3 [M+H]
【0158】
化合物2d(25mg、0.04mmol)を無水テトラヒドロフラン(3mL)に溶解させ、そして室温で前記溶液に塩酸水溶液(2N、0.2mL)を滴下する。この反応液は、室温で1.5時間攪拌反応させる。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出し(10mL×3)、有機層を併合する。飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、濾液を濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=25/1)で分離精製してほぼ白色の固体化合物2(13mg、収率57 %)を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ 13.84(s,1H),10.24(s,1H),8.35(s,1H),7.93(s,1H),7.64(s,1H),5.09(s,2H),4.73-4.65(m,1H),4.10-4.06(m,2H),3.41-3.33(m,6H),3.20(s,2H),2.95-2.91(m,2H),2.68-2.64(m,2H),2.35(s,3H),2.15-2.00(m,5H),1.91-1.68(m,3H),1.60-1.50(m,2H);MS 562.3 [M+H]
【0159】
実施例3:化合物3の製造
【0160】
【化39】
【0161】
1a(60mg、0.44mmol)をN-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone、1mL)に溶解させ、シス-4-メトキシシクロヘキシルアミン塩酸塩(cis-4-methoxycyclohexylamine hydrochloride、62mg、0.51mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(114mg、0.88mmol)を滴下した後、100℃で16時間撹拌する。反応系を室温まで冷却し、水に滴下させ、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出する。合併された有機層は、飽和食塩水(10mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、濾液を濃縮した後、得られた粗品を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10/1)で分離して淡黄色の固体化合物3b(35mg、収率32%)を得た。
【0162】
化合物3b(35mg、0.14mmol)とピリジン(pyridine、22mg、0.28mmol)を無水テトラヒドロフラン(3mL)に溶解させ、0℃で攪拌する状態でフェニルクロロフォルメート(44mg、0.28mmol)を滴下する。この反応系は、室温で一晩撹拌し、薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示すようにする。反応系を水に滴下し、酢酸エチルで抽出し(10mL×2)、有機層を合併の飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、濾液を濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン)によって、黄色の固体化合物3c(12mg、収率23%)を得た。MS 367.3 [M+H]
【0163】
化合物3c(12mg、0.033mmol)、1f(11mg、0.033mmol)及び4-ジメチルアミンピリジン(4mg、0.033mmol)を乾燥したアセトニトリル(3mL)に溶解させ、そして反応液を90℃まで加熱し、2時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視原料が消失したら、反応系を水に滴下し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させ、ろ液を濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィーの分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1)によって、黄色の固体化合物3d(5mg、収率25%)を得た。MS 607.3 [M+H]
【0164】
化合物3d(5mg、0.0082mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解させ、塩酸(2N、0.1mL)を加え、この反応系を室温で1時間撹拌する。反応混合物を減圧濃縮し、粗品は、プレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=25/1)の精製によって、灰色の固体化合物3(0.6mg、収率13%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.58(s,1H),10.23(s,1H),8.17(s,1H),7.63(s,1H),7.57(s,1H),7.52(s,1H),5.09(s,2H),4.78-4.76(m,1H),4.10-4.07(m,2H),3.98-3.96(m,1H),3.36(s,3H),3.36-3.33(m,2H),3.17-3.21(m,1H),2.93-2.9(m,2H),2.35(s,3H),2.05-2.03(m,3H),131-1.25(m,10H);MS 561.3 [M+H]
【0165】
実施例4:化合物4の製造
【0166】
【化40】
【0167】
4a(2g、10mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、0℃でエチルブロモアセテート(ethyl bromoacetate)(1.67g、10mmol)とトリエチルアミン(3.03g、30mmol)を加え、反応系をゆっくりと室温に昇温させた後に継続して、16時間撹拌する。反応系に水(200mL)を加え、ジクロロメタンで抽出する(100mL×3)。有機層を合併させ、飽和食塩水で洗浄し(100mL×2)して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ液を減圧濃縮した後、粗品を得シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン/メタノール=10/1)して化合物4c(1.3g、収率45%)を得た。
【0168】
4c(1.3g、4.5mmol)をゆっくりと塩酸のジオキサン(dioxane)溶液(4M、10mL)に加え、室温で16時間撹拌する。反応液を減圧濃縮させた後に油状産物4d(0.78g、収率:95%)を得た。
【0169】
4d(100mg、0.423mmol)、4e(202mg、0.846mmol)を1,2-ジクロロエタン(1,2-dichloroethane)(20mL)に溶解させ、そしてトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム(sodium triacetylborohydride)(372mg、0.846mmol)、硫酸マグネシウム(510mg、4.23mmol)とDIPEA(109mg、0.846mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌する。反応液を減圧濃縮した後、得られた粗品をシリカゲルカラム精製(ジクロロメタン/メタノール=10/1)によって、化合物4f(120mg、収率78%)を得た。
【0170】
化合物1e(5mg、0.017mmol)、4f(6mg、0.017mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(2mg、0.017mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解させ、そしてこの反応系を60℃まで加熱し、2時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば、反応系を減圧濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1)によって、黄色の固体化合物4g(3mg、収率30%)を得た。MS 562.2 [M+H]
【0171】
化合物4g(3mg、0.005mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、塩酸(2N、0.5mL)を加え、この反応系を室温で1時間撹拌する。反応物を濃縮した後の粗品は、薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1)によって、白色の固体化合物4(1mg、収率30%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.89(s,1H),10.24(s,1H),8.35(s,1H),8.27(s,1H),7.66(s,1H),5.06(s,2H),4.11-4.08(m,2H),4.01-3.97(m,1H),3.38(s,2H),3.32-3.30(m,2H),2.95-2.92(m,2H),2.88-2.85(m,2H),2.06-2.03(m,2H),1.65-1.63(m,1H),0.95- 0.86(m,4H),0.52-0.50(m,2H),0.48-0.45(m,2H);MS 516.2 [M+H]
【0172】
実施例5:化合物5の製造
【0173】
【化41】
【0174】
5a(376mg、2mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、0℃でエチルブロモアセテート(1.67g、2mmol)とトリエチルアミン(3.03g、6mmol)を加え、反応系を徐々に室温まで昇温させた後に継続して、16時間撹拌する。反応系に水(50mL)を加え、ジクロロメタンで抽出する(50mL×3)。有機層を合併させ、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ液を減圧濃縮して得られた粗品シリカゲルカラム精製(ジクロロメタン/メタノール=10/1)によって化合物5b(520mg、収率94%)を得た。MS 275.2 [M+H]
【0175】
5b(520mg、1.9mmol)をゆっくりと塩酸のジオキサン(dioxane)溶液(4M、5mL)に加え、室温で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮させて白色固体5c(385mg、収率96%)を得た。MS 175.2 [M+H]
【0176】
5c(285mg、1.36mmol)と4e(481mg、2.04mmol)を1,2-ジクロロエタン(1,2-dichloroethane)(50mL)に溶解させ、そしてトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム(601mg、2.72mmol)、硫酸マグネシウム(1.632g、13.6mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(N,N-diisopropylethylamine)(351mg、2.72mmol)を加えて、反応混合物を室温で16時間撹拌する。反応液を減圧濃縮した後、粗品を得たシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)によって化合物5d(225mg、収率42%)を得た。MS 395.2 [M+H]
【0177】
化合物5d(120mg、0.3mmol)をトルエン(toluene)(2mL)に溶解させ、そしてトリメチルアルミニウム(trimethylaluminum)(1Mのトルエン溶液、0.6mL)を加えて、反応混合物を窒素ガスで2時間回流する。反応系を室温まで冷却させ、水0.5mLを加えてクエンチングさせ、濃縮後の粗品は、プレップ薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1)によって黄色の固体化合物5e(35mg、収率33%)を得た。MS 349.2 [M+H]
【0178】
化合物5e(40mg、0.12mmol)、1e(36mg、0.12mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(15mg、0.12mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解させ、この反応系を50℃まで加熱し、3時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば、反応系の濃縮後に得られる粗品を薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1~15/1)によって白色の固体化合物5f(2mg、収率3%)を得た。MS 550.3 [M+H]
【0179】
化合物5f(2mg、0.0036mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させ、塩酸(2N、5滴)を加え、この反応系を室温で1時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで三回抽出する。有機層を合併し、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、ろ液を減圧濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(アセトン(acetone)/ジクロロメタン=1/1)で分離精製してほぼ白色の固体化合物5(1.7mg、収率93%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.91(s,1H),10.24(s,1H),8.35(s,1H),8.28(s,1H),7.69(s,1H),5.06(s,2H),4.14-4.06(m,2H),4.03-3.97(m,1H),3.51(s,2H),3.49-3.42(m,2H),2.98-2.90(m,2H),2.89-2.81(m,2H),2.45(s,3H),2.10-1.99(m,2H),1.82-1.70(m,2H),0.99-0.90(m,4H);MS 504.2 [M+H]
【0180】
実施例6:化合物6の製造
【0181】
【化42】
【0182】
6a(200mg、1mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、0℃でエチルブロモアセテート(167mg、1mmol)とトリエチルアミン(303mg、3mmol)を加える。反応系を室温まで昇温させて、16時間撹拌する。反応系に水(50mL)を加え、ジクロロメタンで抽出する(50mL×3)。合併された有機層を飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮させた後、得た粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ジクロロメタン/メタノール=10/1)によって化合物6b(250mg、収率87%)を得た。MS 287.2 [M+H]
【0183】
6b(250mg、0.87mmol)をゆっくりと塩酸のジオキサン溶液(4M、5mL)に加え、室温で16時間撹拌する。反応液を減圧濃縮させた後白色固体6c(180mg、収率93%)を得た。MS 187.2 [M+H]
【0184】
6c(180mg、0.81mmol)、4e(290mg、1.22mmol)をジクロロエタン(dichloroethane)(20mL)に溶解させた次のトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム(358mg、1.62mmol)、硫酸マグネシウム(972mg、8.1mmol)とジイソプロピルエチルアミン(209mg、1.62mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌する。反応液を減圧濃縮した後、得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ジクロロメタン/メタノール=10/1)によって化合物6d(145mg、収率50%)を得た。MS 361.2 [M+H]
【0185】
化合物6d(50mg、0.14mmol)、1e(42mg、0.14mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(17mg、0.14mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解させ、この反応系を50℃まで加熱し、3時間撹拌する。反応混合物を濃縮させた後に得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1)によって白色の固体化合物6e(1.0mg、収率3%)を得た。MS 562.3 [M+H]
【0186】
化合物6e(2mg、0.0036mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させた次の室温で前記溶液に塩酸(2Mの水溶液、0.5mL)を滴下する。この反応液を室温で2時間攪拌して反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2Mの水溶液、0.5mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで三回抽出し、有機層を合併の飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させ、ろ液を減圧濃縮した後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)で、1次分離精製し、再びプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン=1/3)で2次分離精製して、白色の固体化合物6(1mg、収率55%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.90(s,1H),10.25(s,1H),8.35(s,1H),8.28(s,1H),7.66(s,1H),5.18(d,J = 15.6 Hz,1H),5.02(d,J = 16.0 Hz,1H),4.12-4.07(m,2H),4.03-3.97(m,1H),3.79(d,J = 16.4 Hz,1H),3.39(dd,J = 11.2 Hz,3.6 Hz,1H),3.21-3.12(m,2H),3.01(d,J = 16.0 Hz,1H),2.96-2.91(m,2H),2.44-2.41(m,1H),2.20-2.13(m,1H),2.08-2.01(m,2H),2.00-1.84(m,3H),1.52-1.41(m,1H),0.99-0.93(m,4H);MS 516.2 [M+H]
【0187】
実施例7:化合物7の製造
【0188】
【化43】
【0189】
化合物7a(1.8g、10.47mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、そして60%NaH(628mg、15.70mmol)とMeI(2.97g、20.94mmol)を加え、この反応系を室温で2.5時間撹拌する。反応系を氷水に注ぎ込み、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機層を合併の飽和食塩水で洗浄し(100mL)で無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過させ、ろ液を減圧濃縮した後、得られた粗品をプレップシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル中酢酸エチル0-15%)によって、無色油状化合物7b(1.8g、収率92%)を得た。
【0190】
化合物7b(0.6g、3.23mmol)とPPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩)(40mg、0.16mmol)をメタノール(15mL)に溶解させ、この反応系を撹拌加熱し、1.5時間回流する。反応系を室温まで冷却し、そして減圧濃縮して残留物dを得エチルエーテル(ethyl ether)(100mL)と水(50mL)を加える。分離された有機層は飽和食塩水で洗浄(50mL)で無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させて、ろ液を減圧濃縮して無色の油状化合物7c(330mg、収率99%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 3.45(s,2H),3.43(s,3H), 0.85-0.82(m,2H),0.59-0.56(m,2H)。
【0191】
7c(300mg、2.94mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、そして60%NaH(155mg、3.88mmol)を加え、室温で40分間攪拌し、反応系に化合物1a(201mg、1.47mmol)を加え、室温で攪拌反応を16時間進める。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば反応系を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)に滴下し、酢酸エチル(25mL×3)で抽出し、合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル中酢酸エチル55-100%)によって、固体化合物7d(140mg、収率44%)を得た。MS 220.1 [M+H]
【0192】
化合物7d(210mg、0.96mmol)とピリジン(151mg、1.92mmol)を無水ジクロロメタン(10mL)に溶解させ、攪拌する状態でフェニルクロロフォルメート(180mg、1.15mmol)を滴下し、温度は0℃で制御する。滴下終了後、室温でこの反応系を継続して16時間撹拌する。薄層クロマトグラフィー監視が反応終了と示せば、反応系を水(50mL)に滴下し、酢酸エチルで抽出する(100mL×3)、合併された有機層は飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させる。濾液を濃縮した後、得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(silica gel column chromatography)分離(石油エーテル中酢酸エチル0~25%)によって、白色の固体化合物7e(200mg、収率61%)を得た。MS 340.0 [M+H]
【0193】
化合物7e(180mg、0.53mmol)、1f(70mg、0.21mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(64mg、0.52mmol)を無水アセトニトリル(6mL)に溶解させ、この反応系をマイクロ波で100まで加熱し、40分間攪拌する。反応系を室温まで冷却し、そして減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(ジクロロメタン中0-10%メタノール)で黄色固体粗産物7f(130mg)を得た。粗産物は、更に精製せずに直接次の反応に使用された。MS 580.3 [M+H]
【0194】
化合物7f(130mg)を無水テトラヒドロフラン(4mL)に溶解させ、塩酸(6Mの水溶液、4mL)を加え、この反応系を室温で16時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出する。(50mL×3)合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させ、ろ液を減圧濃縮して得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)で分離して、黄色の固体化合物7(7.1mg、二ステップ収率6%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.83(s,1H),10.10(s,1H),8.60(s,1H),8.23(s,1H),7.61(s,1H),4.93(s,2H),3.98-4.01(m,2H),3.69(s,2H),3.29(s,3H), 3.27-3.24(m,4H),2.97-2.93(m,2H),2.55-2.48(m,2H),2.53(s,3H),1.96-1.93(m,2H),1.10-1.05(m,4H);MS 534.2 [M+H]
【0195】
実施例8:化合物8の製造
【0196】
【化44】
【0197】
化合物1a(150mg、1.095mmol)、3-メトキシシクロブチルアミン塩酸塩(3-methoxycyclobutylamine hydrochloride)(150mg、1.095mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(423mg、3.285mmol)を順次にN,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimethylacetamide)(3mL)に加えて、反応混合物は、50℃で一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示される。反応溶液に適切な量の塩化リチウム水溶液を加え、再び酢酸エチルで抽出する。(10mL×3)合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、濾液を濃縮して得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=25/1)を介して白色の固体化合物8b(140mg、収率59%)を得た。MS 219.2 [M+H]
【0198】
化合物8b(43mg、0.197mmol)とN,N-カーボニルディ(1,2,4-トリアゾール)(97mg、0.592mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-Dimethylformamide)(2mL)に溶解させ、反応混合物を30℃まで加熱し、4時間攪拌反応させる。室温まで冷却し、そしてここに化合物1f(46mg、0.138mmol)を加え、反応系を30℃まで加熱して一晩撹拌する。反応液は、氷水でクエンチングさせ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合併した有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、濾液を濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)分離によって、ほぼ白色の固体化合物8c(9mg、収率8%)を得た。MS 579.4 [M+H]
【0199】
化合物8c(9mg、0.016mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解させ、そして室温で前記溶液に塩酸(2Mの水溶液、0.2mL)を滴下する。この反応液は、室温で3時間攪拌反応させる。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出する。(10mL×3)合併された有機層を飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15/1)によって分離精製し、そしてさらにプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アセトン=20/1/1)で分離精製して、得られた化合物8は、ほぼ白色の固体(1.3mg、収率16%)である。H NMR(400 MHz,CDCl-d):δ 13.61(s,1H),10.23(s,1H),8.18(s,1H),7.62(s,1H),7.49(s,1H),5.09(s,2H),5.05(d,J = 6.0 Hz,1H),4.10-4.06(m,2H),3.80-3.71(m,2H),3.35(t,J = 5.4 Hz,2H),3.27(s,3H),3.19(s,2H),2.99-2.90(m,4H),2.65(t,J = 5.6 Hz,2H),2.35(s,3H),2.06-2.00(m,2H),1.95-1.87(m,2H);MS 533.3 [M+H]
【0200】
実施例9:化合物9の製造
【0201】
【化45】
【0202】
化合物9a(74mg、0.38mmol)と化合物N,N-カーボニルジ(1,2,4-トリアゾール)(N,N-carbonyl-di(1,2,4-triazole)(187mg、1.14mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、混合物を30℃まで加熱して4時間撹拌する。室温まで冷却し、そしてここに化合物5e(80mg、0.23mmol)を加え、反応系を30℃まで加熱して一晩撹拌する。反応液は、氷水でクエンチングさせ、酢酸エチルで抽出する(10mL×3)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過した後、濾液を濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=20/1混合溶媒)によって黄色の固体化合物9b(15mg、収率12%)を得た。MS 567.4 [M+H]
【0203】
化合物9b(15mg、0.026mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させ、アイスバスで塩酸水溶液(2N、0.2mL)を加え、混合物を室温で3時間撹拌する。反応液は、飽和炭酸水素ナトリウムでpH=9.0に調整し、ジクロロメタンで抽出する(2mL×5)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15/1)分離によって、白色の固体化合物9(7.2mg、収率52%)を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ 13.50(s,1H),10.07(s,1H),8.27(s,1H),7.61(s,1H),7.52(s,1H),6.99(t,J = 5.6 Hz,1H),4.87(s,2H),3.99-3.95(m,2H),3.53(t,J = 5.6 Hz,2H),3.48-3.35(m,6H),3.29(s,3H),2.95-2.90(m,2H),2.82-2.75(m,2H),2.31(s,3H),1.97-1.89(m,2H),1.66-1.60(m,2H);MS 521.3 [M+H]
【0204】
実施例10:化合物10の製造
【0205】
【化46】
【0206】
ピロリジン-2-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(pyrrolidine-2-carboxylic acid methyl ester hydrochloride)(2.9g、17.5mmol)、N-tert-ブトキシカルボニルブロモエチルアミン(N-tert-butoxycarbonyl bromoethylamine)(4.7g、21.0mmol)及び炭酸ナトリウム(5.6g、52.8mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)(40mL)に混合し、40℃まで加熱して一晩撹拌する。反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出する(100mL×3)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、濾液を減圧濃縮させて得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)によって淡黄色油状化合物10b(3.5g、収率73%)を得た。MS 273.2 [M+H]
【0207】
化合物10b(1.0g、1.82mmol)を乾燥した1、4-ジオキサン(10mL)に溶解させ、そして塩化水素の1、4-ジオキサン(4M、10mL)を加え、反応系を室温で一晩撹拌する。減圧濃縮させて黄色の固体化合物10c(900mg、収率99%)を得た。
【0208】
化合物4e(450mg、1.90mmol)と化合物10c(900mg、3.67mmol)を1,2-ジクロロエタン(15mL)に溶解させ、ここに無水硫酸マグネシウム(4g)とトリエチルアミン(960mg、9.50mmol)を加え、反応系を室温で6時間撹拌する。そして反応系にトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム(Sodium Triacetoxyborohyride)(1.2g、5.66mmol)を加え、室温で継続して16時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出で抽出する(100ml×3)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(ジクロロメタン/メタノール=50/1~25/1)を介して黄色の油状化合物10d(120mg、収率18%)を得た。MS 361.2 [M+H]
【0209】
化合物9a(60mg、0.31mmol)とN,N-カーボニルディ(1,2,4-トリアゾール)(153mg、0.93mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、そして混合物を30℃まで加熱し、4時間攪拌する。反応系を室温まで冷却させ、そしてここに化合物10d(67mg、0.19mmol)を加え、30℃まで加熱して一晩撹拌する。反応液は、氷水でクエンチングさせ、酢酸エチルで抽出する。(50mL×3)合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、減圧濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)分離を介して黄色の固体化合物10e(22mg、収率20%)を得た。MS 579.4 [M+H]
【0210】
化合物10e(20mg、0.035mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させ、アイスバスで塩酸水溶液(2N、0.2mL)を加え、混合物を室温で3時間撹拌する。反応液は、飽和炭酸水素ナトリウムでpH=9.0に調整し、ジクロロメタンで抽出する(2mL×5)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15/1)分離によって、白色の固体化合物10(10.1mg、収率55%)を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ 13.49(s,1H),10.08(s,1H),8.28(s,1H),7.54(s,1H),7.53(s,1H),6.99(t,J = 5.6 Hz,1H),4.97(d,J = 16.4 Hz,1H),4.78(d,J= 16.4 Hz,1H),4.01-3.94(m,2H),3.53(t,J = 5.6 Hz,2H),3.48-3.36(m,2H),3.29(s,3H),3.25-3.16(m,2H),3.02-2.77(m,4H),2.77-2.67(m,1H), 2.10-1.88(m,4H),1.83-1.67(m,4H);MS 533.3 [M+H]
【0211】
実施例11:化合物11の製造
【0212】
【化47】
【0213】
1-ジフェニルメチルアゼチジン-3-オン(1-diphenylmethylazetidin-3-on)(3g、12.66mmol)、N-Boc-1,2-エチレンジアミン(2-ethylenediamine)(2.43g、15.19mmol)と氷酢酸(0.912g、15.19mmol)をメタノール(100mL)に溶解させる。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、反応系にナトリウムニトリルボロハイドライド(sodium nitrile borohydride)(2.39g、37.97mmol)を加える。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応溶液に適切な量の氷水を加え、酢酸エチルで抽出し(200mL×3)、有機層を合併用飽和食塩水で洗浄し(200mL)し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、濾液を減圧濃縮濃縮させて得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル/酢酸エチル=3/1乃至0/1)を介して、淡黄色の固体11b(4.07g、収率84%)を得た。MS 382.3 [M+H]
【0214】
化合物11b(4.07g、10.68mmol)、エチルブロモアセテート(2.14g、12.82mmol)及び炭酸カリウム(2.95g、21.36mmol)を順次にアセトニトリル(160mL)に加え、反応混合物を50℃まで加熱し、一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液を室温まで冷却させる。ろ過した後、濾液を適切な量の水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出し(150mL×3)、合併された有機層は、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる、ろ過した後、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって、淡黄色の固体化合物11c(2.9g、収率58%)を得た。MS 468.3 [M+H]
【0215】
化合物11c(1.9g、4.07mmol)、氷酢酸(244mg、4.07mmol)、ホルムアルデヒド(formaldehyde)水溶液(37%)(990mg、12.21mmol)とPd/C(10%、200mg)を順次にメタノール(120mL)に加え、反応系は、水素で3回置換し、水素ガス(1大気圧)雰囲気下、室温で一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗製品は、淡黄色の油状物11d(1.6g、収率99%、粗品は、さらに精製なしに直接次のステップに使用される)である。MS 316.3 [M+H]
【0216】
化合物11d(crude 1.6g、4.07mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、そしてTFA(トリフルオロ酢酸)(5mL)を加える。反応液を室温で2時間攪拌反応させ、LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液を減圧濃縮させ、得られた粗製品は、淡黄色の油状物11e(1.4g、収率99%、粗品は、さらに精製なしに直接次のステップに使用されることができる)である.MS 216.2 [M+H]
【0217】
化合物4e(120mg、0.508mmol)、化合物11e(122mg、1.017mmol)、トリエチルアミン(205mg、2.034mmol)及び硫酸マグネシウム(1g)を順次に1,2-ジクロロエタン(6mL)に加え、反応混合物を室温で6時間撹拌し、そしてここにトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム(sodium triacetyl borohydride)(323mg、1.525mmol)を加える。反応系を室温で一晩撹拌する。薄層クロマトグラフィーモニタリングが反応完了になると、反応液に適当な量の飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、酢酸エチル(25mL)で三回抽出し、有機層を合併用飽和食塩水で洗浄し(25mL)、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させ、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10/1)分離によって、無色油状化合物11f(100mg、収率:51%)を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ 6.94(s,1H),6.50(s,1H),5.02(s,1H),4.52(s,2H),3.40-3.35(m,3H),3.29(s,6H),3.27-3.20(m,2H),3.09-3.04(m,2H),2.97(s,2H),2.89-2.83(m,2H),2.66-2.61(m,2H),2.50-2.45(m,2H),2.23(s,3H),1.80-1.70(m,2H)。
【0218】
化合物11f(70g、0.365mmol)とN,N-カーボニルディ(1,2,4-トリアゾール)(179mg、1.094mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、混合液を30℃まで加熱し、4時間攪拌反応させ、室温まで冷却し、そしてここに化合物9a(100mg、0.257mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に滴下する。反応系を30℃まで加熱し、一晩撹拌し、反応液は、氷水でクエンチングさせ、酢酸エチルで二度抽出し(10mL)、水相は、プレップ液体クロマトグラフィー(preparative liquid chromatography)分離によって、ほぼ白色の固体化合物11g(10mg、収率6%)を得た。MS 608.4 [M+H]
【0219】
化合物11g(10mg、0.016mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、そして室温でこの溶液に塩酸(2Mの水溶液、0.2mL)を滴下する。この反応液を室温で3時間攪拌し、LCMSモニタリングが反応完全に表示されれば、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH=7-8に調節し、そして反応液を乾燥するまで濃縮させ、残りの固体は、ジクロロメタン/メタノール=10/1の混合溶液で洗浄、ろ過し、ろ液を減圧濃縮させた後、得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=8/1)精製によって得られた化合物11は、ほぼ白色の固体( 4.6mg、収率50%)である。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 13.59(s,1H),10.23(s,1H),8.18(s,1H),7.65(s,1H),7.57(s,1H),5.34-5.25(m,1H),5.08(s,2H),4.12-4.03(m,2H),3.64(t,J = 5.0 Hz,2H),3.60-3.52(m,2H),3.53-3.45(m,2H),3.42(s,3H),3.36(t,J = 5.2 Hz,2H), 3.12(s,2H),3.10-3.00(m,3H),2.96-2.90(m,2H),2.60-2.54(m,2H),2.42(s,3H),2.09-1.98(m,2H);MS 562.4 [M+H]
【0220】
実施例12:化合物12の製造
【0221】
【化48】
【0222】
化合物1a(127mg、0.93mmol)、シクロプロピルアミン(cyclopropyl amine)(12a、212mg、3.70mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完全に表示されれば、反応液を水に注ぎ込み、再び酢酸エチルで抽出する(10mL×3)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる、ろ過した後、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1)によって白色の固体化合物12b(110mg、収率68%)を得た。MS 175.2 [M+H]
【0223】
化合物12b(40mg、0.23mmol)とN,N-カーボニルディ(1,2,4トリアゾール)(N,N-carbonyl-di-(1,2,4-triazole))(113mg、0.69mmol)をDMF(ジメチルホルムアミド)(2mL)に溶解させ、混合液を室温で6時間攪拌反応させた、そしてここに化合物1f(77mg、0.23mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、そして氷水でクエンチングさせ、ジクロロメタンで抽出する(10mL×3)。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄(10mL)し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)分離によって、ほぼ白色の固体化合物12c(20mg、収率16%)を得た。MS 535.3 [M+H]
【0224】
化合物12c(11mg、0.021mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、そして室温で前記溶液に塩酸(2Mの水溶液、0.7mL)を滴下し、この反応液を室温で3時間攪拌し反応させた。反応液を適当な量の飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ込み、ジクロロメタン(10mL)を使用する。合併された有機層は、飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過させ、ろ液を減圧濃縮させた後得られた粗品をまずプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15/1)で精製し、再びプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)でさらに分離精製して、ほぼ白色の固体化合物12(5.3mg、収率53%)を得た。HNMR(400 MHz,CDCl):δ 13.62(s,1H),10.24(s,1H),8.18(s,1H),7.92(s,1H),7.62(s,1H),5.27(s,1H),5.09(s,2H),4.15-4.05(m,2H),3.35(t,J = 5.6 Hz,2H),3.20(s,2H),2.92(t,J = 6.4 Hz,2H),2.69-2.61(m,3H),2.35(s,3H),2.09-1.98(m,2H),1.00-0.92(m,2H),0.73-0.52(m,2H); MS 489.3 [M + H]
【0225】
実施例13:化合物13の製造
【0226】
【化49】
【0227】
化合物13a(605mg、2.030mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン/水の混合溶液に溶解させ、そして水酸化ナトリウム(162mg、4.06mmol)を加え、室温で一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液を塩酸(4N水溶液)でpH=5に調整し、再び酢酸エチル抽出する(10mL×3)。有機層を合併用飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濃縮後、淡黄色の固体13b(430mg、収率:75%)を得た。化合物13b(390mg、1.373mmol)、トリエチルアミン(300mg、2.970mmol)及びジフェニルホスホリルアジド(diphenylphosphoryl azide)(566mg、2.060mmol)を順次的に乾燥された1,4-ジオキサン(4mL)に加え、反応溶液を室温で1.5時間撹拌し、そしてベンジルアルコール(benzyl alcohol)(3mL)を加え、反応液を80℃まで加熱し、一晩撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液を室温まで冷却させて濃縮する。粗品を適当な量の水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し(10mL×3)し、有機層を合併用飽和食塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた粗品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー分離(石油エーテル/酢酸エチル=90/1)によって淡黄色の化合物13c(500mg、収率:94%)を得た。MS 390.3 [M+Na]
【0228】
化合物13c(300mg、0.771mmol)とPd/C(10%、30mg)を順次的にメタノール(30mL)に加える。室温と攪拌する状態でシステムを水素で3回置換した後、水素ガス(1大気圧)で2時間撹拌する。LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液をろ過し、ろ液を濃縮させて得られた粗製品は、無色油状物13d(200mg、収率:99%)である。粗品は、直接次のステップに使用される。MS 256.4 [M+Na]
【0229】
化合物1a(100mg、0.730mmol)と(Boc)O(477mg、2.190mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、そして4-ジメチルアミノピリジン(8.9mg、0.073mmol)を加える。反応液を室温で1.5時間攪拌し反応させLCMSモニタリングが反応完了と表示されたら、反応液を適当な量の水に注ぎ、そして適当な量の酢酸エチルで抽出し(10mL×3)有機相を合併した後、飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=7/1の混合溶剤)で白色固体13e(226mg、収率:92%)を得た。MS 360.2 [M+Na]
【0230】
化合物13e(204mg、0.605mmol)、化合物13d(154mg、0.605mmol)とDIPEA(156mg、1.211mmol)を順次的に乾燥させたDMF(5mL)に加え、この反応系を80℃まで加熱し、一晩撹拌する。LCMS監視が反応と示す。反応液を室温まで冷却させ、適切な量の水を加え、酢酸エチルで抽出する(10mL×3)。有機層を合併用食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した後得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8/1混合溶剤)を介して白色固体13f(250mg、収率:72 %)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 8.24(s,1H),6.90(s,1H),4.78(s,1H),2.06-1.97(m,6H),1.90-1.79(m,6H),1.49(s,18H),0.84(s,9H),0.07(s,6H)。MS 573.3 [M+H]
【0231】
化合物13f(250mg、0.437mmol)を乾燥したジクロロメタン(5mL)に溶解させ、またここにTFA(5mL)を加え、反応液を室温で2時間攪拌し、LCMSモニタリングが反応完了と表示されれば、反応液を濃縮させ、残留物を適当な量の飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ込み、適切な量の酢酸エチルで抽出し(10mL×3)有機層を合併用食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮後に得られる粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=18/1混合溶剤)で白色の固体13g(102mg、収率:90%)を得た。MS 259.2 [M+H]
【0232】
化合物13g(40mg、0.155mmol)とN,N-カーボニルディ(1,2,4-トリアゾール)(76mg、0.465mmol)を乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解させ、反応混合液を室温で3時間攪拌した後、ここに化合物1f(41mg、0.124mmol)を加え、この反応系を室温で一晩撹拌する。反応液は、氷水でクエンチングさせ酢酸エチルで抽出し(10mL×3)有機層を合併用飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1~13/1)によって、ほぼ白色の固体化合物13h(17mg、収率:18%)を得た。MS 619.4 [M+H]
【0233】
化合物13h(15mg、0.024mmol)をTHF(3mL)に溶解させた後、室温で前記溶液にHCl(2M、aq)(2mL)を滴下する。この反応液を室温で3時間攪拌反応させる。反応液を適当な量の飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出し(10mL×3)、有機層を合併の飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮させて得られた粗品をプレップ薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=1/1とジクロロメタン/メタノール=20/1~15/1)精製によって、得られた化合物13は、白色の固体(5mg、収率:36%)である。MS 573.3 [M+H]
【0234】
実施例14:化合物14の製造
【0235】
【化50】
【0236】
化合物14aは、(1)米国化学学会誌、(1)Journal of the American Chemical Society,1970,92(6),1582-6;(2)Helvetica Chimica Acta,1979,62(8),2802-16に基づいて製造されたものである。化合物14aと化合物13bが反応して化合物14bを得た酸性条件下で脱保護して化合物14cを得た。化合物14cと化合物1fが反応して尿素(urea)を得た。酸性条件下で脱保護して化合物14を得た。具体的な実験操作は、化合物13の合成を参照する。MS 574.2 [M+H]
【0237】
実施例15:
1.FGFR1とFGFR4キナーゼ活性阻害実験
Caliper移動率の変動検出技術(Caliper mobility shift assay)を採用してFGFR1、FGFR2、FGFR3とFGFR4のタンパク質キナーゼ活性を測定した。化合物をDMSOに溶解させ、そしてキナーゼ緩衝液で希釈し、384ウェルプレートに5倍の反応最終濃度の化合物(10%DMSO)5μLを加えた。10μLの2.5倍の酵素(それぞれがFGFR1とFGFR4を使用)溶液を加えた後、室温で10分間インキュベーションし、また10μLの2.5倍の基質(FAM-labeled peptide and ATP)溶液を加えた。28℃で30~60分間インキュベーションした後、停止液25μLを加えて反応を停止させる。Caliper EZ Reader II(Caliper Life Sciences)での変換率をリーダーする。コンバージョン率を阻害率データ(%阻害率=(max-セムプルコンバージョン率)/(max-min)*100)に移行する。ここで、maxは、DMSO対照のコンバージョン率を意味し、minは、酵素活性がない対照のコンバージョン率を意味する。化合物の濃度と阻害率を横縦座標にして、曲線を描いてXLFit excel add-in version4.3.1ソフトウェアを使用して曲線をマッチングさせ、IC50を計算した。
【0238】
結果、本発明の大半のテストされた式Iの化合物は、FGFR4キナーゼ活性の阻害が非常に強く、(IC50が20nMより低い)同時にFGFR1キナーゼ活性の阻害が非常に弱く、部分的に、典型的な化合物の活性は、表1に示した通りである。
【0239】
【表1】
【0240】
2.化合物がHuh-7腫瘍細胞の増殖の阻害に対する試験
DMEM+2Mm Glutamine+10%FBS培地でHuh7細胞懸濁液を5×10e4/mL又は2×10e4/mLに調整する。ウェル当り細胞懸濁液100μLで96ウェル細胞培養プレートに加え、最終濃度が5000細胞/ウェル(72時間)又は2000細胞/ウェル(168時間)になるようにする。DMSOに溶解ピテスト化合物は10mM保存液である。保存液とDMSOで200X最終濃度の化合物を製造し、3X系勾配希釈液を製造した後、培地でそれぞれ20倍に希釈する。最後に、パラメータ細胞を各ウェルに10μLに相当されている10倍溶液を加え、各薬物濃度の単一ウェルとする。最終化合物の処理濃度は、それぞれ3000nM、1000nM、333.3nM、111.1nM、37.04nM、12.35nM、4.12NM、1.37nMであり、ウェル当りDMSOの最終濃度は0.5%である。37℃で5%COのインキュベーションで72又は168時間培養する。薬物処理72又は168時間後CTG操作説明にによってウェル当りCellTiter Glo検出試薬100μLを加えて予備融和させ、室温のCTG溶液で平衡させ、マイクロプレート発振器に2分間ミックスし、室温で10分間放置した後、EnSpireプレートリーダー化学発光信号値を測定した。細胞生存率は、公式:(Vsample-Vblank)/(Vvehicle control-Vblank)X00%で計算する。ここで、Vsampleは、薬物処理群のレディングでVvehicle controlは溶剤対照群の平均値であり、Vblankは、ブラックコントロールウェルの平均値である。GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを応用して、非線形回帰モデルを使用してS型定量-生存率曲線を描いてIC50値を計算した。部分的に典型的な化合物の活性は、表2に示した通りである。
【0241】
【表2】
【0242】
本発明に記載されるすべての文献は、参考として、各文書が参照として個別に引用されるように、本発明に引用される。また、本発明の当業者は、本発明の様々な変更又は修正を行うことができ、それらの均等物も添付された特許請求の範囲によって、限定された範囲内にある。