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特許7008071当接ポストおよび付属キャップを含む構造体、並びに付属キャップを取り付けるための工具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】当接ポストおよび付属キャップを含む構造体、並びに付属キャップを取り付けるための工具
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019530021
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2017001382
(87)【国際公開番号】W WO2018099594
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2019-05-30
(31)【優先権主張番号】102016123285.8
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519196449
【氏名又は名称】デンツプライ インプランツ マニュファクチュアリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】フライヴァルト フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】マック アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】デジディ マルコ
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0032263(US,A1)
【文献】特表2008-539809(JP,A)
【文献】特表2014-534017(JP,A)
【文献】米国特許第04681542(US,A)
【文献】国際公開第99/052466(WO,A1)
【文献】独国実用新案第20121617(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント(1)内および/または上に位置決めする構造体であって、該構造体は、当接ポスト(2、2a-d)、および、この当接ポスト(2、2a-d)に連結されることができる円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)を含み、前記当接ポスト(2、2a-d)は、円錐形に延びる部分(5)を有し、この円錐形に延びる部分(5)の円錐形に延びる外側面(6)は、円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)がこの円錐形に延びる部分(5)上に配置されることができ、且つ少なくともいくつかの領域においてこの円錐形に延びる部分(5)を受け入れるように円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の円錐形に延びる凹部(8)の円錐形に延びる内側面(7)と相補的であるように構成されており、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の前記内側面(7)および前記当接ポスト(2、2a-d)の前記外側面(6)は、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)が、前記内側面(7)と前記外側面(6)との摩擦係止によって前記当接ポスト(2、2a-d)に連結されることができるように互いに対して傾斜しており、前記円錐形に延びる部分(5)のコニシティは、前記凹部(8)のコニシティと異なっており、第1のねじり防止装置(12)が前記当接ポスト(2、2a-d)上に設けられており、第2のねじり防止装置(13)が、前記当接ポスト(2、2a-d)に対して前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)がねじれまたは回転するのを回避するために前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)内に設けられている、構造体において、
前記第1のねじり防止装置(12)は、少なくとも部分的に、多面形または多角形プリズムとして構成されており、前記プリズムは、截頭円錐体として構成されている前記円錐形に延びる部分(5)の上側ベース領域(17)上に載置しており、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)は、1つだけの、すなわち、前記当接ポスト(2、2a-d)を受け入れるための開口部(9)を有している、ことを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)は、専ら摩擦係止によって前記当接ポスト(2、2a-d)に連結されており、接着ボンドおよび/または形状嵌合によって前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c’)を前記当接ポスト(2、2a-d)に連結する手段は設けられていない、ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記円錐形に延びる外側面(6)は、そのコニシティの対称軸線(21)と1°から8°の範囲の、好ましくは2°から7°の範囲の、特に好ましくは4°から6°の範囲の第1の傾斜角度を包囲し、前記円錐形に延びる内側面(7)は、そのコニシティの対称軸線(22)と1°から8°の範囲の、好ましくは2°から7°の範囲の、特に好ましくは4°から6°の範囲の第2の傾斜角度を包囲し、前記第1の傾斜角度は、前記第2の傾斜角度よりも大きいか、或いは小さい、ことを特徴とする請求項1または2に記載の構造体。
【請求項4】
前記第1の傾斜角度は、5.8°である、ことを特徴とする請求項3に記載の構造体。
【請求項5】
第1の横方向力係止装置(10)が前記当接ポスト(2、2a-d)上に設けられており、第2の横方向力係止装置(11)が前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)内および/または上に設けられている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項6】
前記第1の横方向力係止装置(10)は、自由な上端を備えた円筒形部分または円筒形コネクタとして構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の構造体。
【請求項7】
前記第2の横方向力係止装置(11)は、閉じられた上端を備えた円筒形部分または円筒形コネクタとして構成されている、ことを特徴とする請求項5または6に記載の構造体。
【請求項8】
前記第2のねじり防止装置(13)は、多面形または多角形キャビティとして構成されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項9】
前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)は、該円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)上の先端部から突出する中実ピン(14)を有する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項10】
前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)は、雄ねじ(16)を有する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項11】
前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)と前記当接ポスト(2、2a-d)との間には軸線方向にストップ(23)が形成されている、且つ/または間隙(L)が形成されていない、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の構造体、および、当接ポスト(2、2a-d)に円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)を取り付けるための工具(24)であって、該工具は、この工具を保持するためのハンドル(25)、および、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)に力または刺激を印加するための装置(26)を含む工具において、前記装置(26)は、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)および前記当接ポスト(2)が、耐引張的且つ/または捕獲的且つ/または噛むのに安全な仕方で互いに連結されるように、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)と前記当接ポスト(2、2a-d)との摩擦係止を生成するために前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)に当接するための平らなまたは丸い衝撃面(39)を含む、ことを特徴とする工具(24)のセット。
【請求項13】
前記衝撃面(39)は、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の方向に向かないように構成されている、ことを特徴とする請求項12に記載のセット。
【請求項14】
前記衝撃面(39)は、前記装置(26)の衝撃要素(27)に割り当てられており、前記衝撃要素(27)は、少なくとも1つのばね(32、33)に初期的に張力を付与し、さらに移動させることによって該ばね(32、33)を再び解放するためにハウジング(29)および/またはハンドル(25)に対して移動可能である、ことを特徴とする請求項12または13に記載のセット。
【請求項15】
前記衝撃要素(27)の移動中に第1のばね(32)の力に初期的に抗してハンマー(28)を移動させるために、前記装置(26)の長手方向軸線(31)、および/または、ばね負荷されたハンマー(28)の移動方向、および/または、衝撃要素(27)に対して傾動可能な揺れ動き要素(30)が設けられている、ことを特徴とする請求項14に記載のセット。
【請求項16】
長手方向軸線(31)および/または移動方向と平行に整合するときに、前記揺れ動き要素(30)は前記ハンマー(28)の凹部(40)に侵入し、それによって、前記第1のばね(32)が前記衝撃面(39)の方向に前記ハンマー(28)を移動させるように前記第1のばねを解放する、ことを特徴とする請求項15に記載のセット。
【請求項17】
前記第1のばね(32)は、前記ハンドル(25)または前記ハウジング(29)と、前記ハンマー(28)との間に設けられており、且つ、前記揺れ動き要素(30)のばね負荷のために第2のばね(33)が設けられている、ことを特徴とする請求項16に記載のセット。
【請求項18】
請求項12~17のいずれか1項に記載のセット、および、当接ポスト(2、2a-d)と円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の間にそれぞれの連通割り出し要素(5-13および17-20)を備えた請求項1~11のいずれか1項に記載の構造体と共に使用されるストップ(23)を備える当接ポスト(2a-d)。
【請求項19】
請求項12~17のいずれか1項に記載のセット、および、当接ポスト(2、2a-d)と円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の間にそれぞれの連通割り出し要素(5-13および17-20)を備えた請求項1~11のいずれか1項に記載の構造体と共に使用されるストップ(23)を備える円錐形キャップ。
【請求項20】
当接ポスト(2、2a-d)に円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)を取り付けるための工具(24)であって、該工具は、この工具を保持するためのハンドル(25)、および、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)に力または刺激を印加するための装置(26)を含む工具において、前記装置(26)は、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)および前記当接ポスト(2、2a-d)が、耐引張的且つ/または捕獲的且つ/または噛むのに安全な仕方で互いに連結されるように、前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)と前記当接ポスト(2、2a-d)との摩擦係止を生成するために前記円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)に当接するための平らなまたは丸い衝撃面(39)を含む、ことを特徴とする工具。
【請求項21】
当接ポスト(2、2a-d)と円錐形キャップ(4、4’、4e、4b、4c)の間にそれぞれの連通割り出し要素(5-13および17-20)を備えた請求項1~11のいずれか1項に記載された構造体と共に使用されるストップ(23)を備えた当接ポスト(2a-d)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、請求項1の前提部分による構造体、および、請求項18の前提部分による工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラントに位置決めするための構造体が、EP1086662Biから既に知られている。インプラントは、患者の顎骨に固定されるのに適している歯インプラントを備える。
【0003】
知られている構造体は、当接ポスト、および、この当接ポストに連結されることができる円錐形キャップを含む
【0004】
当接ポストは、円錐形に延びる部分を有し、この円錐形に延びる部分の円錐形に延びる外側面は、円錐形キャップがこの円錐形に延びる部分上に配置されることができ、且つ少なくともいくつかの領域においてこの円錐形に延びる部分を受け入れるように円錐形キャップの円錐形に延びる凹部の円錐形に延びる内側面と相補的であるように構成されている。
【0005】
従来技術の円錐形キャップは、義歯に受け入れられ、自己硬化プラスチックによって義歯内に固定される。次いで、円錐形キャップは、義歯と一緒に当接キャップ上に配置される。
【0006】
自己硬化プラスチックを使用し、加工しなければならないことは不利である。円錐形キャップが最終状態で当接ポスト上に正しく着座するように円錐形キャップを固定するために適当な仕方で義歯にプラスチックを充填しなければならないことも不利ある。プラスチックは、時間がかかる仕方で義歯の側から内部に充填されなければならない。
【0007】
すべてのこれらのステップは、特に噛む間に、円錐形キャップの問題のない装填を確保するために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、なるべく少ない作業ステップで当接ポスト上の正しい位置に円錐形キャップを位置決めし、なるべく永久的に且つ装填可能にこの当接ポストに円錐形キャップを連結することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1の特徴によって前記の目的を解決する。
【0010】
本発明によれば、円錐形キャップの内側面および当接ポストの外側面は、円錐形キャップが、耐引張的且つ/または捕獲的且つ/または噛むのに安全な仕方で前記内側面と前記外側面との摩擦係止によって当接ポストに連結されることができるように互いに対して傾斜していることが同定された。
【0011】
特に、円錐形に延びる部分のコニシティは、凹部のコニシティと異なっていなければならないことが同定された。コニシティは、円錐形に延びる構造の場合には径の、或いは、円錐体の場合には円錐体またはコニシティの対称軸線の方向の変化として理解される。
【0012】
驚くべきことに、円錐形キャップが当接ポスト上に大変しっかりと、特に耐引張的仕方で着座するように円錐形キャップを当接ポストに連結するには、摩擦係止で十分であることがわかった。
【0013】
特に驚くべきことに、構造体は、切歯および臼歯を置換するときに使用されることができる。さらに、構造体は、構造体を直ちに装填する必要がある治療で、また、構造体の遅延された装填を可能にする治療で使用されることができる。
【0014】
円錐形キャップは、専ら摩擦係止によって耐引張的且つ/または捕獲的および/または噛むのに安全な仕方で当接ポストに連結されることができ、接着ボンドお且つ/または形状嵌合によって耐引張的な仕方で円錐形キャップを当接ポストに連結する手段は設けられていない。この手段によって、円錐形キャップと当接ポストとの間に連結部を作ることができるねじおよび/または接着剤なしに完全に済ますことができる。かくして、プラスチックまたはねじを加工するための時間および作業ステップを省くことができる。
【0015】
円錐形に延びる外側面は、そのコニシティの対称軸線と1°から8°の範囲の、好ましくは2°から7°の範囲の、特に好ましくは4°から6°の範囲の第1の傾斜角度を包囲し、円錐形に延びる内側面は、そのコニシティの対称軸線と1°から8°の範囲の、好ましくは2°から7°の範囲の、特に好ましくは4°から6°の範囲の第2の傾斜角度を包囲し、前記第1の傾斜角度は、前記第2の傾斜角度よりも大きいか、或いは小さい。これらの範囲は、しっかりとした摩擦係止部を作るのに特に適していることがわかった。
【0016】
これを背景にして、前記第1の傾斜角度は、5.8°であるのがよい。この値は、円錐形キャップと当接ポストとの連結部の高い引張強さを生じさせる。さらに、この傾斜角度の選択により、円錐形キャップは、パルス作用の結果として当接ポスト上に特に良好に衝突または押圧することができる。
【0017】
前記摩擦係止は、円錐形キャップの開口部に面する円錐形キャップの下側領域に生じるのがよい。この手段によって、円錐キャップの上側領域に正しく且つ永久的な着座部を確保する手段が設けられる。
【0018】
これを背景にして、当接ポストと円錐形キャップとの前記摩擦係止は、2Nから80Nの範囲、好ましくは20Nから80Nの範囲、特に好ましくは20Nから40Nの範囲にある張力によって解放されることができる。これらの範囲は、噛みの安全性を生成するのに特に適している。
【0019】
張力の印加中、当接ポストはしっかりと保持され、円錐形キャップは、張力により円錐形キャップを引っ張ることによって当接ポストに対して移動される。
【0020】
当接ポストと円錐形キャップとの前記摩擦係止は、30Nの量の張力によって解放されることができる。この張力は、口内の高い張力、例えばキャラメル菓子を噛むときの張力に通常耐えるのに十分高い。さらに、円錐形キャップは、患者のために十分しっかりと固定されているが、医師または訓練された人によって再び解放されることができる。
【0021】
第1の横方向力係止装置が当接ポスト上に設けられており、第2の横方向力係止装置が円錐形キャップ内および/または上に設けられている。この手段によって、横方向力または曲げモーメントが当接ポスト上に配置された円錐形キャップに作用するときに、当接ポストおよび/または円筒形キャップの長手方向軸線に対する円筒形キャップの傾動が防止される。かかる力または曲げモーメントは、患者の舌によって印加される。
【0022】
第1の横方向力係止装置は、自由な上端を備えた円筒形部分または円筒形コネクタとして構成されているのがよい。円筒形部分は、作るのが比較的容易であり、傾動に抗して十分に良好な安定性を提供する。
【0023】
第2の横方向力係止装置は、閉じられた上端を備えた円筒形部分または円筒形コネクタとして構成されているのがよい。この手段によって、第1の横方向力係止装置を受け入れることができる。これに関して、第1の横方向力係止装置は、第1の横方向係止装置と相補的であるように構成されている。
【0024】
第1のねじり防止装置が当接ポスト上に設けられているのがよく、第2のねじり防止装置が円錐形キャップ内および/または上に設けられているのがよい。これは、当接ポストに対するキャップのねじりまたは回転を回避する。
【0025】
第1のねじり防止装置は、少なくとも部分的に、多面形または多角形プリズムとして構成されている。プリズムは、傾斜していない面を有し、かくして、傾動モーメントに抗する安定化により横方向力係止装置を支持する。プリズムは更に、当接ポストに対する円錐形キャップのねじりを防止する。
【0026】
第2のねじり防止構造は、多面形または多角形キャビティとして構成されているのがよい。その結果、第1のねじり防止装置を受け入れることができる。これに関して、第2のねじり防止装置は、第1のねじり防止装置と相補的であるように構成されている。
【0027】
円錐形キャップは、該円錐形キャップ上の先端部から突出する中実ピンを有するのがよい。この手段によって、構造体は、例えば溶接ワイヤによって他の構造体に連結されることができる。この手段によって、いくつかの円錐形キャップが、それらの当接ポストに対してそれらの位置で安定化されることができる。
【0028】
円錐形キャップは、1つだけの、すなわち、当接ポストを受け入れるための開口部を有するのがよい。これは、不純物が円錐形キャップと当接ポストとの間に入ることを回避する。これは、開口部が、ねじのために、或いはプラスチックの充填のために設けられる場合に起こり得る。
【0029】
円錐形キャップは、雄ねじ、外翻部、あるいはその他の嵩上げ構造を有するのがよい。これにより、円筒形キャップに上部構造(suprastructures)を連結することができる。特に、円錐形キャップに義歯を接着することが実行可能である。
【0030】
円錐形キャップと当接ポストとの間には軸線方向にストップが形成されている、且つ/または間隙が形成されていないのがよい。ストップの結果として、円錐形キャップは、ストップと円錐形キャップとの間に遠位方向に間隙が残ることなく、当接ポストの遠位端に当接するようになる。特に、ストップは、円錐形キャップが当接ポスト上に過度にでなく所定の仕方でしっかりと押圧される。したがって、円錐形キャップは、必要なときに、歯科医によって再び解放されることができる。
【0031】
ストップを備えた当接ポストまたはストップを備えた円錐形キャップを、本願に記載されている型式の構造体に使用することができる。ストップは、当接ポストに割り当てられるか、或いは、当接ポストと一部品で形成されるのがよい。ストップは、円錐形キャップ内に配置されるか、或いは、円錐形キャップと一部品で形成されるのがよい。
【0032】
これに関して、ストップを備えた円錐形キャップは、適切な対応部品に再び取り外し可能に連結されるために個別の部品として設けられるのがよい。さらに、ストップを備えた当接ポストは、適切な対応部品に再び取り外し可能に連結されるために個別の部品として設けられるのがよい。
【0033】
最初に言及した目的はまた、当接ポストに円錐形キャップを取り付けるための工具であって、該工具は、この工具を保持するためのハンドル、および、円錐形キャップに力または刺激を印加するための装置を含む工具によって解決される。
【0034】
前記装置は、円錐形キャップおよび当接ポストが、耐引張的および/または捕獲的および/または噛むのに安全な仕方で互いに連結されるように、円錐形キャップと当接ポストとの摩擦係止を生成するために円錐形キャップに当接するための平らなまたは丸い衝撃面を含む。
【0035】
衝撃面、並びに、作用する力および刺激は、円錐形キャップが当接ポストに再び取り外し可能に連結されるように構成されている。
【0036】
衝撃面は、円錐形キャップの方向に向かないように構成されているのがよい。これは、円錐形キャップへの損傷を回避する。さらに、円錐形キャップは、大きな領域に亘って力または刺激に露出されている。
【0037】
衝撃面は、前記装置の衝撃要素に割り当てられているのがよく、衝撃要素は、少なくとも1つのばねに初期的に張力を付与し、さらに移動させることによって該ばねを再び解放するためにハウジングおよび/またはハンドルに対して移動可能である。かくして、衝撃面または衝撃要素は、円錐形キャップ上に簡単に配置され、初期的にばねに張力を付与し、次いでばねを再び解放すべく円錐形キャップに当てて押圧される。
【0038】
手で操作しなければならない更に別の始動機構は必要ではなく、好ましくは設けられていない。
【0039】
衝撃要素の移動中に第1のばねの力に初期的に抗してハンマーを移動させるために、前記装置の長手方向軸線、および/または、ばね負荷されたハンマーおよび/または衝撃要素の移動方向、に対して傾動可能な揺れ動き要素(nutating element)が設けられているのがよい。
【0040】
長手方向軸線および/または移動方向と平行に整合するときに、揺れ動き要素はハンマーの凹部に侵入し、それによって、第1のばねが衝撃面の方向にハンマーを移動させるように第1のばねを解放するのがよい。
【0041】
第1のばねは、ハンドルまたはハウジングと、ハンマーとの間に設けられているのがよい。揺れ動き要素のばね負荷のために第2のばねが設けられているのがよい。
【0042】
セットが、本願に記載されている型式の構造体、および、本願に記載されている型式の工具を含むのがよい。工具に加えて、セットはまた、構造体に加えてまたは構造体に代替して、ストップを備えた少なくとも1つの隔絶された当接ポスト、および/または、追加的にストップを備えた隔絶された円錐形キャップを含む。かくして、歯科医またはもう1人の人は、所定の且つ医学的に適切な仕方で、ここに記載されている円錐形キャップをここに記載されている当接ポストと連結することができる。必要ならば、当接ポストからの円筒形キャップの医学的に適切な解放が確実にされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本願に記載されている型式の1つの当接ポストに各々が連結されるインプラントを示す。
図2】インプラントから突出し、円錐形キャップに連結されることができる本願に記載された当接ポストの上側部分の部分斜視図を示す。
図3】本願に記載されている型式の当接ポスト、および、本願に記載されている型式の円錐形キャップを含み、当接ポストの上側部分だけが概略的に示されている構造体の概略断面図である。
図4】本願に記載されている型式の当接ポスト、および、本願に記載されている型式の円錐形キャップを含み、円錐形キャップが、溶接ワイヤに溶接されるために当接ポストの長手方向軸線の方向に円錐形キャップの先端部から自由端を備えて突出する中実ピンを有する構造の概略断面図である。
図5】分離されたインプラントであって、本願に記載されている型式の構造体が固定されることができ、構造体が単一の歯に連結されることができ、歯が、顎に移植されたインプラントの当接ポスト上に摩擦係止だけで固定されている円錐形キャップに連結されることができる隔絶されたインプラントの概略図を示す。
図6】本願に記載されている構造体を形成するために異なる当接ポスト上に配置されることができる種々の円錐形キャップであって、種々の可能な組み合わせが概略的に示されている種々の円錐形キャップの概略図を示す。
図7】種々の円錐形キャップを示す。
図8】左側に種々の当接ポスト、および、右側に1つの当接工具を示す。
図9】当接ポストに円錐形キャップを取り付けるための工具の全体図を示す。
図10】工具の設計構造がわかる図9による工具の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、各々が本願に記載されている型式の当接ポスト2に連結される3つのインプラント1、および、3つの義歯3を示している。歯3は、インプラントが顎に固定されるときに3つのインプラント1に連結されるように設けられている。
【0045】
示されているインプラント1は、頂端の方に向かう雄ねじを有する。しかしながら、本願に示されているインプラントとは異なる他の型式のインプラントも、当接ポスト2に連結されるために使用されることもできる。歯3は、インプラント1に矢印の方向に配置される。
【0046】
ブリッジとして役立ち、インプラント1とそれらの付属構成要素の相対位置を互いに安定化させる3つの連結された歯3が、ここに示されている。これは、歯3が、いくつかの箇所で顎骨に連結され、したがって、ほとんど移動の自由を有さないことと関連している。
【0047】
しかしながら、他のインプラント1への更なる人工的な連結手段なしに単一の歯を支持すべきだけの自立インプラント1を移植し、本願に記載されている型式の構造体と組み合わさることは特に実行可能である。
【0048】
図2は、本願に記載されている当接ポスト2であって、インプラント1の内部から突出し、図3図5による円錐形キャップ4に連結されるべき当接ポスト2の部分の部分斜視図を示す。
【0049】
図3は、図示されていないインプラントに位置決めするための構造体を概略断面図で示している。図示されていないインプラントに連結される当接ポスト2の下側部分は、同様に図示されておらず、インプラントに連結されるように多くの観点で構成されることができる。当接ポスト2は、例えば、角度付けされて構成されることもできる。
【0050】
構造体は、当接ポスト2、および、この当接ポスト2に連結されることができ、または、連結されている円錐形キャップ4を含む。当接ポスト2は、円錐形に延びる部分5を有し、この円錐形に延びる部分5の円錐形に延びる外側面6は、円錐形キャップ4がこの円錐形に延びる部分5上に配置されることができ、且つ少なくともいくつかの領域においてこの円錐形に延びる部分5を受け入れるように円錐形キャップ4の円錐形に延びる凹部8の円錐形に延びる内側面7と相補的であるように構成されている
【0051】
部分5は、截頭円錐体として構成されている。凹部8は、截頭円錐体として構成されているキャビティを有する。
【0052】
円錐形キャップ4の内側面5および当接ポスト2の外側面6は、円錐形キャップ4が、耐引張的且つ捕獲的且つ噛むのに安全な仕方で内側面7と外側面6との摩擦係止によって当接ポスト2に連結されることができるように互いに対して傾斜している。
【0053】
部分5のコニシティは、凹部8のコニシティと異なっている。コニシティは、円錐体の対称軸線21、22に沿った円錐体の径の変化の測定値として理解される。
【0054】
円錐形キャップ4は、専ら摩擦係止によって耐引張的且つ捕獲的且つ噛むのに安全な仕方で当接ポスト2に連結され、接着ボンドおよび/または形状嵌合によって耐引張的な仕方で前記円錐形キャップ4を当接ポスト2に連結する手段は設けられていない。特に、セメントは設けられておらず、ねじは設けられていない。
【0055】
円錐形に延びる外側面6は、その対称軸線21と5.8°の量の第1の傾斜角度を包囲している。円錐形にテーパしている内側面7は、その対称軸線22と第2の傾斜角度を包囲しており、第2の傾斜角度は、第1の傾斜角度よりも大きい。
【0056】
図3および図4では、外側面6のコニシティの対称軸線21は、例として示されている。対称軸線21と外側面6によって包囲されている第1の傾斜角度が示されている。明りょう化のために、わずかにだけより大きい第2の傾斜角度は、示されていない。
【0057】
第2の傾斜角度は、第1の傾斜角度よりも約0.5°大きい。内側面7のコニシティの対称軸線22は、キャップ4、4’が当接ポスト2上に意図するように配置されるときにその他の対称軸線21と一致する。
【0058】
摩擦係止は、円錐形キャップ4の開口部9に面する円錐形キャップ4、4’の下側部分で生じる。摩擦係止は、面接触によって生じる。当接ポスト2と円錐形キャップ4、4’との摩擦係止は、測定値30Nの張力によって解放される。
【0059】
第1の横方向力係止装置10が当接ポスト2上に設けられており、第2の横方向力係止装置11が円錐形キャップ4、4’に設けられている。
【0060】
第1の横方向力係止装置10は、自由な上端を備えた円形円筒形コネクタとして構成されている。コネクタは、台、特に多面形または多角形プリズムの上側ベース領域20上に載置している。ベース領域20は、図2に示されている。
【0061】
第2の横方向力係止装置11は、閉じられた上端を備えた円形円錐形キャビティとして構成されている。組み立てられた状態では、円筒形キャビティの内側壁は、コネクタのシェル面、特に横方向外側面上に支持されることができる。コネクタおよびキャビティは、同軸に配置される。これによって、円筒形キャップ4、4’の傾動が防止される。
【0062】
第1のねじり防止装置12が当接ポスト2上に設けられており、第2のよじり防止装置13が円錐形キャップ4、4’上に設けられている。
【0063】
図2は、第1のねじり防止装置12が多面形または多角形プリズムとして構成されていることを示している。プリズムは、截頭円錐体として構成されている部分5の上側ベース領域17上に載置している。
【0064】
プリズムは、6つの縁と6つの側面18、19を有する。3つの等しく大きい長い方の側面18および3つの大きい短い方の側面19が各々設けられている。
【0065】
異なる数の側面を設けることもでき、それらの異なる数の側面は、それらの形状寸法が異なっていても、或いは同じでもよい。例えば、六角形を形成することが考えられる。
【0066】
プリズムの周に沿って長い方の側面18の次に短い方の側面19が設けられている。側面18、19は、周にそって交互に配置されている。
【0067】
第2のねじり防止装置13は、多面形または多角形プリズム形キャビティとして構成されている。組み立てられた状態では、多面形または多角形キャビティの内側壁は、プリズムのシェル面、特に側面18、19に当接することができる。これによって、円錐形キャップ4が、当接ポスト2に対してねじれることが防止される。
【0068】
図4は、円錐形キャップ4,4’が、その先端部上に中実ピン14を有していることを示している。このピン14は、いくつかの円錐形キャップ4’が溶接ワイヤによって互いに溶接されるべき場合に溶接ワイヤにより接合されることができる。
【0069】
円錐形キャップ4、4’は、1つだけの、すなわち、特に当接ポスト2を受け入れるための開口部9を有している。
【0070】
さらに、円錐形キャップ4、4’は、雄ねじ16を有する。その結果、構造物が円錐形キャップ4、4’上に配置されることができる。
【0071】
円錐形キャップ4、4’はまた、開口部9に境界接触するが、ここに図示されていない横方向に突出する開口部縁を有するのがよい。
【0072】
図5を参照して、どのように患者が好ましくは治療されるかを説明する。
【0073】
第1に、単一のインプラント1または3つの示されているインプラント1を、在来の手段を使用して患者の顎骨に位置決めする。2つだけ、或いは3つよりも多いインプラント1を使用することも考えられる。
【0074】
次いで、特にインプラント1と共にねじ込みにより、当接ポスト2を設置する。
【0075】
次いで、円錐形キャップ4、4’を当接ポスト2上に配置する。
【0076】
これに次いで、円錐形キャップ4、4’を正しい着座部内に移動させるように円錐形キャップ4、4’にパルスまたは力を印加する。
【0077】
次いで、溶接ワイヤをいくつかの円錐形キャップ4’のピン14に締結するのがよい。
【0078】
しかしながら、特に図5には、義歯3が、特に重合化によって単一の円錐形キャップ4と直に接合されることが示されている。
【0079】
義歯3は、歯3が、ねじやセメント用の注入開口部のような目に見える連結手段を見せないように、円錐形キャップ4に接着され、および/またはセメント付けされるのがよい。
【0080】
いくつかの義歯3を配置するステップは、前記の溶接ワイヤの溶接後に生じるのがよい。
【0081】
当業者はまた、英語の用語abutmentを使用して当接ポストに言及する。
【0082】
図6は、種々に構成された円錐形キャップ4’、4e,4b,4cを介して、それぞれの円錐形キャップ4’、4e,4b,4cと当接ポスト2a-dとの間の連通割り出し要素によってそれぞれの円錐形キャップ4’、4e,4b,4cを種々に構成された当接ポスト2a-dと自由に組み合わせる可能性を示している。
【0083】
図6の中間には、前記第1のねじり防止装置12および前記第1の横方向力係止装置10を有するランダムに選択された当接ポスト2a-dの上側部分が、例えば本願に示されているすべての当接ポストのために示されている。
【0084】
それぞれの円錐形キャップ4’、4e,4b,4cとそれぞれの当接ポスト2a-dとの間には、従来技術の構造体では生じ得たような間隙Lがない。
【0085】
円錐形キャップ4’、4e,4b,4cと当接ポスト2a-dとの間には軸線方法にストップ23が形成されており、且つ間隙Lが形成されていない。
【0086】
円錐形キャップ4’、4e,4b,4cは、その内側壁により軸線方向にストップ23上に載置するようになる。
【0087】
ストップ23は、ここでは、先端部を備えた円錐体として、または、先端部として特に構成されている。
【0088】
先端部または円錐体は、第1の横方向力係止装置10の遠位面上に配置されており、そこから円錐形キャップ4’、4e,4b,4cの方向に突出している。
【0089】
すべての図面には示されていないけれども、ストップ23は、すべての当接ポスト2、2a-d上に当然に配置されているのがよい。
【0090】
同じことは、円錐形キャップの割り出し要素と連通し、これらの円錐形キャップの割り出し要素と相補的であるように構成されている、図2図4に示されている割り出し要素に当てはまる。
【0091】
参照番号5-13および17-20の付いた技術的特徴は、個別的にまたは組み合わせで割り出し要素として適している。
【0092】
図7は、左上に、実験室キャップとしても示されている円錐形キャップ4aを示している。実験室キャップは、歯科技術者が、クラウンまたはブリッジを製作しようとするときに、使用する。実験室キャップは、個別の歯の置換または複数の歯の置換のために使用されることができる。実験室キャップは、実験室キャップは、外側の保持手段を有さない。これによって、実験室作業が容易にされる。実験室キャップは、最終キャップまたは円筒形キャップのための場所ホルダとして役立つ。実験室キャップは、実験室でのみ使用される。
【0093】
図7は、上中央に、個別の歯の置換のために、または複数の歯の置換のために仮のキャップとして使用される円錐形キャップ4bを示している。仮のキャップは、患者が6箇月まで使用することができる仮の、すなわち事前クラウンまたはブリッジを作るのに使用される。仮のキャップは、クラウンまたはブリッジを作るのに実際に使用することができる費用効果のある解決法である。仮のキャップは、仮のキャップの配置または取り外しをより容易にするスナップイン装置またはスナップイン機能を有する。
【0094】
図7は、右上に、治癒キャップとして使用される円錐形キャップ4cを示している。治癒キャップは、仮のクラウンまたはブリッジが使用されないときに当接ポストのために保護を提供する。治癒キャップは、歯状構造によって間隙を閉じるために美的必要性がないときに使用される。患者は6箇月まで治癒キャップを使用することができる。
【0095】
図7は、左下に、印象キャップまたは印刷キャップとしても指定される円錐形キャップ4dを示している。印象キャップは、個別の歯の置換、または複数の歯の置換のために使用されることができる。印象キャップは、印象を使用するモデルに当接ポストの位置を転写するのに使用される。
【0096】
図7は、下中央に、溶接ワイヤキャップとしても指定される円錐形キャップ4’を示している。溶接ワイヤキャップは、チタンで作られており、個別の歯の置換に、または多数の歯の置換に適している。溶接ワイヤキャップは、円錐形保持手段に基づく耐久性で且つ仮の補綴構造を作るのに使用される。複数ユニットとしての溶接ワイヤキャップは、口内溶接のために使用されることができる。耐久性で且つ仮の補綴構造は、最終キャップまたは円錐形キャップを含む最終構造体によって置換されるように設けられる。
【0097】
図7は、右下に、最終キャップとして指定される円錐形キャップ4eを示している。最終キャップは、個別の歯の置換に、または多数の歯の置換に適している。最終キャップは、クラウンまたはブリッジと共にセメント付けされ、構造体のための円錐形保持手段を含む。
【0098】
図8は、種々の当接ポスト2a-d、および、右に当接ポスト23aを示している。当接ポスト2bは、例えば特別な角度付け、すなわち角度付けされた上側部分を示している。
【0099】
本願に示されているすべてのキャップ、円錐形キャップ、および、当接ポストは、本発明による本願に記載されている型式の構造体に使用されることができる。
【0100】
図9は、本願に記載されている型式の当接ポストに、本願に記載されている型式の円錐形キャップを取り付けるための工具24を示している。
【0101】
図10は、当接ポストに円錐形キャップを取り付けるための工具24であって、該工具は、この工具を保持するためのハンドル25、および、円錐形キャップに力または刺激を印加するための装置26を含む工具を示している。
【0102】
装置26は、円錐形キャップおよび当接ポストが、耐引張的且つ/または捕獲的且つ/または噛むのに安全な仕方で互いに連結されるように、円錐形キャップと当接ポストとの摩擦係止を生成するために前記円錐形キャップに当接するための平らなまたは丸い衝撃面39を含む。衝撃面39は、円錐形キャップの方向に向かないように構成されている。
【0103】
衝撃面39は、装置26の衝撃要素27に割り当てられており、衝撃要素27は、少なくとも1つのばね32、33に初期的に張力を付与し、さらに移動させることによって該ばね32、33を再び解放するためにハウジング29およびハンドル25に対して移動可能である。
【0104】
衝撃要素27は、円錐形キャップの方向に衝撃要素27から突出し、衝撃要素27の上側部分よりも小さい径を有する衝撃コネクタ38を有する。刺激または力が衝撃コネクタ38に集中される。
【0105】
衝撃要素27の移動中に第1のばね32の力に初期的に抗してハンマー28を移動させるために、装置26の長手方向軸線31、および、ばね負荷されたハンマー28および衝撃要素27の移動方向に対して傾動可能な揺れ動き要素30が設けられている。
【0106】
この目的のため、衝撃要素27は、ハンドル25の方向に押圧される。それによって、揺れ動き要素30はまた、ハンドル25の方向にハンマー28を押圧し、それによって、第1のばね32に張力を付与する。しかしながら、揺れ動き装置30は、ハンドル25の方向への衝撃要素27の更なる移動中、長手方向軸線31と平行に整合する。
【0107】
長手方向軸線31または移動方向と平行に整合するときに、揺れ動き要素30はハンマー28の凹部40に侵入する。それによって、第1のばね32が衝撃面39の方向にハンマー28を移動させるように第1のばね32が始動される。
【0108】
第1のばね32は、ハンドル25、特にハウジング29がねじ込まれるハンドル25の内側と、ハンマー28との間に設けられている。
【0109】
揺れ動き要素30のばね負荷のために第2のばね33が設けられている。第1のばね32は、波形ぱねとして構成されている。第2のばね33は、螺旋ばねとして構成されている。
【0110】
ハウジング29は、約4Nmを使用して、ハンドル25とねじ位置34で手でしっかりとねじ込まれる。ハウジング29は、ハンドル25の方向に実質的に円筒形であるように構成されており、第1のばね32が、ハンドル25に当接して支持されるように頂部が開放している。
【0111】
ハウジング29は、ベース35を有し、ハンマー28は、ベース35上に配置されることができ、或いは、ハンマー28は、第1のばね32が解放されるときにベース35に衝突する。したがって、ハンマー28は、ハウジング29に対して移動可能であり、入れ子式にハウジング29内で案内される。
【0112】
ハンマー28とは反対側のベース35の側で、第2のばね33は一端により支持される。第2のばね33は揺れ動き要素30上で他端により支持される。揺れ動き要素30は、ベース35に設けられた開口部35を通してドームにより把持され、その結果、ドームは、ハンマー28の凹部40内に侵入することができる。揺れ動き要素30は、衝撃要素27の内側ベース36に当接する。内側ベース36は、凹穴または盲穴の下側領域である。
【0113】
図10は、工具24が、比較的長いハンドル25と、端でこのハンドルから突出するポット状のヘッド、すなわち、装置26とを有することを示している。ハンドル25は、ヘッドの端から離れる方に向かう端の方向にテーパしている。中空部37が、ハンドル25に形成されている。
【符号の説明】
【0114】
1 インプラント
2 当接ポスト
3 歯
4、4’ 円錐形キャップ
5 部分
6 外側面
7 内側面
8 凹部
9 開口部
10 第1の横方向力係止装置
11 第2の横方向力係止装置
12 第1のねじり防止装置
13 第2のねじり防止装置
14 ピン
16 雄ねじ
17 截頭円錐形部分の上側ベース領域
18 長い方の横方向面
19 短い方の横方向面
20 多面形または多角形プリズム
21 外側面のコニシティの対称軸線
22 内側面のコニシティの対称軸線
23 ストップ
23a 当接工具
24 工具
25 ハンドル
26 装置
27 衝撃要素
28 ハンマー
29 ハウジング
30 揺れ動き要素
31 長手方向軸線
32 第1のばね
33 第2のばね
34 ねじ位置
35 29のベース
36 27の内側ベース
37 中空部
38 衝撃コネクタ
39 衝撃面
40 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10