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特許7008088BWP内の参照信号を利用してRSRQを測定する方法及びこれを実行する端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】BWP内の参照信号を利用してRSRQを測定する方法及びこれを実行する端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20220118BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220118BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220118BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W16/28
H04W72/04 132
H04W72/04 136
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019572487
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 KR2018008904
(87)【国際公開番号】W WO2019031791
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-01-20
(31)【優先権主張番号】62/543,933
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/586,902
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】フワン,ジンユプ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユノ
(72)【発明者】
【氏名】リ,サンウク
(72)【発明者】
【氏名】リム,スワン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,マンヤン
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/010685(WO,A1)
【文献】特表2012-529782(JP,A)
【文献】MediaTek Inc.,Remaining details on SS block indication for rate matching and transmissions within wideband CC,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716203,2017年09月12日
【文献】Samsung,Further Discussion on NR Quality based Measurement Metrics,3GPP TSG RAN WG4 adhoc_TSGR4_NR_Sep2017 R4-1709342,2017年09月11日
【文献】Samsung,Further Discussion on NR Quality based Measurement Metrics,3GPP TSG RAN WG4 adhoc_TSGR4_NR_Sep2017 R4-1709342,2017年09月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 -H04B 7/26
H04W 4/00 -H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末(user equipment:UE)が実行する測定方法であって、
サービングセル(serving cell)から、受信されるRSSI(received signal strength indicator)測定対象帯域に対する情報を受信するステップ;
アクティブ(active)ダウンリンク(down link:DL) BWP(bandwidth part)は、前記UE及び基地局(base station:BS)の間にダウンリンク通信に対して構成されてなり、
前記RSSI測定対象帯域は、前記アクティブDL BWPに含まれる周波数帯域であり、
SSB(synchronization signal block)の周波数帯域が前記アクティブDL BWP内に含まれない場合、前記RSSI測定対象帯域に対する情報が受信され、
前記サービングセルから受信される前記SSBに含まれるSSS(secondary synchronization signal)に基づいて、RSRP(reference signal received power)測定を実行するステップ;
前記RSSI測定対象帯域内で受信される参照信号に基づいて、前記RSSI測定を実行するステップ;及び、
前記実行されたRSRP測定及び前記実行されたRSSI測定に基づいて、RSRQ(reference symbol received quality)を決定するステップ;を含んでなり、
前記サービングセル及び前記UEの間のダウンリンク通信は、前記アクティブDL BWP以外の周波数帯域内で実行されないものであり、
前記SSBの周波数帯域が前記アクティブDL BWP内に含まれない場合に、前記サービングセル及び前記UEの間の前記ダウンリンク通信は、前記SSBの周波数帯域内で実行されないものであることを特徴とする、測定方法。
【請求項2】
前記SSB及び前記アクティブDL BWP内の前記参照信号がQCL(quasi-co-location)関係であるとされた場合に、前記アクティブDL BWP内で受信される前記参照信号に基づいて、前記RSSI測定が実行されることを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記SSB及び前記アクティブDL BWP内の前記参照信号がQCL(quasi-co-location)関係であることに対する情報を受信するステップを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定方法。
【請求項4】
前記決定されたRSRQを前記サービングセルに報告するステップを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
【請求項5】
測定を実行する端末(user equipment:UE)であって、
送受信部;及び、
前記送受信部を制御するプロセッサ;を備えてなり、
前記プロセッサは、
サービングセル(serving cell)から、受信されるRSSI(received signal strength indicator)測定対象帯域に対する情報を受信し;
アクティブ(active)ダウンリンク(down link:DL) BWP(bandwidth part)は、前記UE及び基地局(base station:BS)の間にダウンリンク通信に対して構成され;
前記RSSI測定対象帯域は、前記アクティブDL BWPに含まれる周波数帯域であり;
SSB(synchronization signal block)の周波数帯域が前記アクティブDL BWP内に含まれない場合、前記RSSI測定対象帯域に対する情報が受信され、
前記送受信部を介してサービングセル(serving cell)から受信される前記SSBに含まれるSSS(secondary synchronization signal)に基づいて、RSRP(reference signal received power)測定を実行し、
前記RSSI測定対象帯域内で受信される参照信号に基づいて、前記RSSI測定を実行し;及び、
前記実行されたRSRP測定及び前記実行されたRSSI測定に基づいて、RSRQ(reference symbol received quality)を決定する;ことを含んでなり、
前記サービングセル及び前記UEの間のダウンリンク通信は、前記アクティブDL BWP以外の周波数帯域内で実行されないものであり、
前記SSBの周波数帯域が前記アクティブDL BWP内に含まれない場合に、前記サービングセル及び前記UEの間の前記ダウンリンク通信は、前記SSBの周波数帯域内で実行されないものであることを特徴とする、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、次世代移動通信に関する。
【背景技術】
【0002】
4世代移動通信のためのLTE(long term evolution)/LTE-Advanced(LTE-A)の成功にこたえて、次世代、即ち、5世代(いわゆる5G)移動通信に対する関心も高まっており、研究も続々進行している。
【0003】
国際電気通信連合(ITU)が定義する5世代(5G)移動通信は、最大20Gbpsのデータ送信速度とどこでも最小100Mbps以上の体感送信速度を提供するものを意味する。正式名称は‘IMT-2020’であり、世界的に2020年に商用化することを目標としている。
【0004】
ITUでは、3代使用シナリオ、例えば、eMBB(enhanced Mobile BroadBand)mMTC(massive Machine Type Communication)及びURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)を提示している。
【0005】
まず、URLLCは、高い信頼性と低い遅延時間を要求する使用シナリオに関する。例えば、自動走行、工場自動化、増強現実のようなサービスは、高い信頼性と低い遅延時間(例えば、1ms以下の遅延時間)を要求する。現在4G(LTE)の遅延時間は、統計的に21-43ms(best10%)、33-75ms(median)である。これは1ms以下の遅延時間を要求するサービスをサポートするに足りない。したがって、URLLC使用シナリオをサポートするためには、10-5以下のIPER(packet error rate)と1msの遅延時間を要求する。ここで、遅延時間は、UEのMAC階層とネットワークのMAC階層との間の遅延時間に定義される。現在3GPP標準グループでは、URLLCサポートのために遅延時間を減らす方向と信頼性を高める方向、二つの方向に標準化を進行している。まず、遅延時間を減らす方法として、TTI(transmission time interval)を1ms以下に定義して無線フレーム構造を再定義、L2階層でHARQ技法を調整、最初接続手順及びスケジューリングを改善する方向に検討している。信頼性を高める方法として、多重接続(multiple connectivity)、周波数/空間次元でマルチ-リンクダイバーシティ(multi-link diversity)、上位階層でデータ重複技法などが考慮されている。
【0006】
次に、eMBB使用シナリオは、移動超広帯域を要求する使用シナリオに関する。
【0007】
高いデータ送信率を達成するために、5G移動通信システムでは、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO)、全次元多重入出力(Full Dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beamforming)及び大規模アンテナ(large scale antenna)技術が論議されている。また、多くの数の端末のサービスを可能にするための非直交多重接続(Non-orthogonal multiple access:NOMA)技術に対する議論が行われている。既存のOFDMA方式がユーザ別に時間と周波数を分割してユーザに直交にリソースを割り当てる概念であり、それに対し、前記NOMAは、同じリソースを多数のユーザが使用することができるようにして帯域効率性を増大するためのものである。
【0008】
次世代移動通信システムでは、サービングセルが各々の端末にアップリンク送信及びダウンリンク受信に使用する周波数帯域であるBWP(bandwidth part)を設定することができる。サービングセルが送信するSSB(synchronization signal block)の周波数帯域は、BWPと独立的に設定されることができ、それによって、SSBの周波数帯域は、BWPに含まれないこともある。
【0009】
一方、端末は、ネットワークから最適の移動性(mobility)の提供を受けるためにサービングセル及び隣接セルに対する品質を持続的に測定できる。端末は、SSBに基づいて測定を実行することもでき、SSBの周波数帯域は、BWPに含まれない場合に測定されたRSRQが、実際端末が動作するBWPの干渉及びチャネル特性を正確に反映することができない場合がある。即ち、SSBがBWPに含まれない場合、サービングセル及び隣接セルに対する測定の正確度が低くなる問題が発生できる。具体的に、不正確なRSRQが報告されるにつれて、不正確なハンドオーバ(handover)動作が発生する等、端末の移動性に問題が発生できる。
【0010】
他方、次世代移動通信システムでは、基地局と端末がアナログビームフォーミング(analog beamforming)を実行することを考慮している。特に、端末の受信アンテナは、全方向性(omni-direction)やアナログビームフォーミングを実行する二つのタイプで具現されることができる。受信アンテナのタイプによって端末の各セルに対するSINR(signal-power-to-interference-power ratio)が変わることができ、それによって、端末のセル検出(cell detection)性能も変わることができる。また、次世代移動通信システムでは、基地局が同期信号(synchronization signal)をアナログビームフォーミングを実行して送信するため、それによっても端末の受信アンテナのタイプによって端末のセル検出及びビーム(beam)検出が変わることができる。しかし、現在まで受信アンテナのタイプを考慮した端末の能力が定義されていないし、基地局が端末の受信アンテナのタイプに対する情報を得る方案も提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本明細書の開示は、前述した問題点を解決することを目的とする。即ち、本明細書の開示は、次世代移動通信システムにおいて、端末が測定を正確に実行することができるようにするための方案を提示することを目的とする。また、本明細書の開示は、次世代移動通信システムにおいて、受信アンテナのタイプによる端末の能力を定義し、受信アンテナのタイプによる端末の能力を報告する方案を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本明細書の一開示は、測定方法を提示する。前記測定方法は、サービングセル(serving cell)から受信されるSSB(synchronization signal block)に基づいてRSRP(reference signal received power)測定を実行するステップ;前記SSBの周波数帯域が前記端末に対して設定されたBWP(bandwidth part)に含まれない場合、前記BWP内で受信される参照信号を利用してRSSI(received signal strength indicator)測定を実行するステップ;及び、前記実行されたRSRP測定の結果及び前記実行されたRSSI測定の結果に基づいてRSRQ(reference symbol received quality)を決定するステップ;を含む。
【0013】
前記RSRP測定は、前記SSBに含まれているSSS(secondary synchronization signal)を利用して実行される。
【0014】
前記サービングセルから前記BWPに含まれるRSSI測定対象帯域に対する情報を受信するステップをさらに含み、前記RSSI測定対象帯域は、前記BWPに含まれる周波数帯域である。
【0015】
前記RSSI測定を実行するステップは、前記RSSI測定対象帯域内で受信される参照信号を利用してRSSI測定を実行するステップである。
【0016】
前記BWP内で受信される参照信号を利用したRSSI測定は、前記SSBと前記BWP内の参照信号がQCL(quasi-co-location)関係である時に実行される。
【0017】
前記測定方法は、前記SSBと前記BWP内の参照信号がQCL(quasi-co-location)関係であることを示すインジケーションを受信するステップをさらに含む。
【0018】
前記SSBの周波数帯域が前記BWPに含まれる場合、前記SSB内で受信される参照信号を利用してRSSI測定を実行するステップをさらに含む。
【0019】
前記測定方法は、前記決定されたRSRQを前記サービングセルに報告するステップをさらに含む。
【0020】
前記測定方法は、前記サービングセルにアンテナと関連した能力(capablility)に対する情報を報告するステップをさらに含む。
【0021】
前記アンテナ能力に対する情報は、受信アンテナがアナログビームフォーミングをサポートするかどうかに対する情報を含む。
【0022】
前述した目的を達成するために、本明細書の一開示は、測定を実行する端末を提供する。前記端末は、送受信部;及び、前記送受信部を制御するプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、前記送受信部を介してサービングセル(serving cell)から受信されるSSB(synchronization signal block)に基づいてRSRP(reference signal received power)測定を実行し、前記SSBの周波数帯域が前記端末に対して設定されたBWP(bandwidth part)に含まれない場合、前記BWP内で受信される参照信号を利用してRSSI(received signal strength indicator)測定を実行し、前記実行されたRSRP測定の結果及び前記実行されたRSSI測定の結果に基づいてRSRQ(reference symbol received quality)を決定する。
【0023】
前記プロセッサは、前記送受信部を制御してサービングセルからRSSI測定対象帯域に対する情報を受信し、前記受信された情報に基づいて前記RSSI測定対象帯域内で受信される参照信号を利用してRSSI測定を実行し、前記RSSI測定対象帯域は、前記BWPに含まれる周波数帯域である。
【0024】
前記プロセッサは、前記送受信部を制御し、前記サービングセルにアンテナと関連した能力(capability)に対する情報を報告する。
【0025】
前記アンテナと関連した能力に対する情報は、受信アンテナがアナログビームフォーミングをサポートするかどうかに対する情報を含む。
【発明の効果】
【0026】
本明細書の開示によると、従来技術の問題点が解決されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】無線通信システムである。
図2】3GPP LTEにおいて、FDDによる無線フレーム(radio frame)の構造を示す。
図3】3GPP LTEでの測定及び測定報告手順を示す。
図4】NRでのサブフレーム類型の例を示す。
図5】NRで同期信号(SS)のビームスイーピングの例を示す例示図である。
図6】SSバーストを考慮した測定及び測定報告手順を示す。
図7】NRで端末に対して設定されるBWPの例を示す。
図8】SSBがBWPに含まれている場合に端末がRSRQを測定する例を示す。
図9】SSBがBWPに含まれない場合に端末がRSRQを測定する第1の例を示す。
図10】SSBがBWPに含まれない場合に端末がRSRQを測定する第2の例を示す。
図11】RSRQ測定手順を簡略に整理して示した流れ図である。
図12a】30GHzで受信アンテナが全方向性アンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
図12b】30GHzで受信アンテナがアナログビームフォーミングアンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
図13a】4GHzで受信アンテナが全方向性アンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
図13b】4GHzで受信アンテナがアナログビームフォーミングアンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
図14】基地局が送信するビームの数及び端末の受信アンテナタイプによって端末が検出するセルの数、ビームの数及びセルの数とビームの数の比率をシミュレーションした結果である。
図15】本明細書の開示が具現される無線通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で使用される技術的用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本明細書を限定するものではないことに留意しなければならない。また、本明細書で使用される技術的用語は、本明細書で特別に他の意味で定義されない限り、本明細書が属する技術分野において、通常の知識を有する者により一般的に理解される意味で解釈されなければならず、過度に包括的な意味または過度に縮小された意味で解釈されてはならない。また、本明細書で使用される技術的な用語が本明細書の思想を正確に表現することができない技術的用語である場合、当業者が正確に理解することができる技術的用語に変えて理解しなければならない。また、本明細書で使用される一般的な用語は、辞書の定義によってまたは前後の文脈によって解釈されなければならず、過度に縮小された意味で解釈されてはならない。
【0029】
また、本明細書で使用される単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、“構成される”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された複数の構成要素、または複数のステップを必ず全部含むと解釈されてはならず、そのうち一部構成要素または一部ステップは含まないこともあり、または追加的な構成要素またはステップをさらに含むこともあると解釈されなければならない。
【0030】
また、本明細書で使用される第1及び第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用されることができるが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本明細書の権利範囲を外れない限り、第1の構成要素は第2の構成要素と命名することができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と命名することができる。
【0031】
一構成要素が他の構成要素に“連結されている”または“接続されている”と言及された場合、該当他の構成要素に直接的に連結されており、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもある。それに対し、一構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”または“直接接続されている”と言及された場合、中間に他の構成要素が存在しないと理解しなければならない。
【0032】
以下、添付図面を参照して本明細書による好ましい実施形態を詳細に説明し、図面符号に関係なしに同じまたは類似の構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重なる説明は省略する。また、本明細書を説明するにあたって、関連した公知技術に対する具体的な説明が本明細書の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は、本明細書の思想を容易に理解することができるようにするためのものであり、添付図面により本明細書の思想が制限されると解釈されてはならないことに留意しなければならない。本明細書の思想は、添付図面外に全ての変更、均等物乃至代替物にまで拡張されると解釈されなければならない。
【0033】
以下で使用される用語である基地局は、一般的に無線機器と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNodeB(evolved-NodeB)、eNB(evolved-NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0034】
また、以下で使用される用語であるUE(User Equipment)は、固定されてもよいし、移動性を有してもよく、機器(Device)、無線機器(Wireless Device)、端末(Terminal)、MS(mobile station)、UT(user terminal)、SS(subscriber station)、MT(mobile terminal)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0035】
用語の定義
【0036】
以下、図面を参照して説明する前に、本明細書の理解を容易にするために、本明細書で使われる用語を簡略に定義する。
【0037】
UMTS:Universal Mobile Telecommunication Systemの略字であって、3世代移動通信ネットワークを意味する。
【0038】
UE/MS:User Equipment/Mobile Station、端末装置を意味する。
【0039】
EPS:Evolved Packet Systemの略字であって、LTE(Long Term Evolution)ネットワークをサポートするコアネットワークを意味する。UMTSが進化した形態のネットワーク
【0040】
PDN(Public Data Network):サービスを提供するサーバが位置する独立的なネットワーク
【0041】
PDN connection:端末からPDNへの接続、即ち、ipアドレスで表現される端末とAPNで表現されるPDNとの連関(接続)
【0042】
PDN-GW(Packet Data Network Gateway):UE IP address allocation、Packet screening&filtering、Charging data collection機能を遂行するEPSネットワークのネットワークノード
【0043】
Serving GW(Serving Gateway):移動性担当(Mobility anchor)、パケットルーティング(Packet routing)、アイドルモードパケットバッファリング(Idleモードpacket buffering)、Triggering MME to page UE機能を遂行するEPSネットワークのネットワークノード
【0044】
PCRF(政策and Charging Rule Function):サービスflow別に差別化されたQoS及び課金政策を動的(dynamic)に適用するための政策決定(政策decision)を実行するEPSネットワークのノード
【0045】
APN(Access Point Name):ネットワークで管理する接続ポイントの名称であって、UEに提供される。即ち、PDNを指示または区分する文字列。要求したサービスやネットワーク(PDN)に接続するためには該当P-GWを経るようになり、このP-GWをさがすことができるようにネットワーク内であらかじめ定義されている名称(文字列)(例)internet.mnc012.mcc345.gprs
【0046】
TEID(Tunnel Endpoint Identifier):ネットワーク内のノード間に設定されたトンネルのEnd point ID、各UEのbearer単位で区間別に設定される。
【0047】
NodeB:UMTSネットワークの基地局であって、屋外に設置され、セルカバレッジ規模はマクロセルに該当する。
【0048】
eNodeB:EPS(Evolved Packet System)の基地局であって、屋外に設置され、セルカバレッジ規模はマクロセルに該当する。
【0049】
(e)NodeB:NodeBとeNodeBを指示する用語である。
【0050】
MME:Mobility Management Entityの略字であって、UEに対するセッションと移動性を提供するためにEPS内で各エンティティを制御する役割をする。
【0051】
セッション(Session):セッションは、データ送信のための通路であって、その単位は、PDN、Bearer、IP flow単位などになることができる。各単位は、3GPPで定義するように対象ネットワーク全体単位(APNまたはPDN単位)、その内でQoSに区分する単位(Bearer単位)、宛先IPアドレス単位に区分できる。
【0052】
PDN接続(connection):端末からPDNへの接続、即ち、ipアドレスで表現される端末とAPNで表現されるPDNとの連関(接続)を示す。これはセッションが形成されることができるようにコアネットワーク内のエンティティ間接続(端末-PDN GW)を意味する。
【0053】
UE Context:ネックワークでUEを管理するために使われるUEの状況情報、即ち、UE id、移動性(現在位置等)、セッションの属性(QoS、優先順位等)で構成された状況情報
【0054】
OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management):携帯電話、PDA、携帯用コンピュータなどのようなモバイルデバイス管理のためにデザインされたプロトコルであって、デバイス設定(設定)、ファームウェアアップグレード(firmware upgrade)、エラー報告(Error Report)等の機能を遂行する。
【0055】
OAM(Operation Administration and Maintenance):OAMとは、ネットワーク欠陥表示、性能情報、そしてデータと診断機能を提供するネットワーク管理機能群をいう。
【0056】
NAS設定MO(Management Object):NAS機能(Functionality)と関連したパラメータ(parameters)をUEに設定(設定)するときに使用するMO(Management object)を意味する。
【0057】
NAS(Non-Access-Stratum):UEとMMEとの間の制御平面(control plane)の上位stratum。UEとネットワークとの間の移動性管理(Mobility management)とセッション管理(Session management)、IPアドレス管理(IP address maintenance)などをサポート
【0058】
MM(Mobility Management)動作/手順:UEの移動性(mobility)制御/管理/controlのための動作または手順。MM動作/手順は、CSネットワークでのMM動作/手順、GPRSネットワークでのGMM動作/手順、EPSネットワークでのEMM動作/手順のうち一つ以上を含むと解釈されることができる。UEとネットワークノード(MME、SGSN、MSC)は、MM動作/手順を実行するためにMMメッセージをやり取りする。
【0059】
SM(Session Management)動作/手順:UEのuser plane及び/またはbearer context/PDP contextを制御/管理/処理/handlingするための動作または手順。SM動作/手順は、GPRSネットワークでのSM動作/手順、EPSネットワークでのESM動作/手順のうち一つ以上を含むと解釈されることができる。UEとネットワークノード(MME、SGSN)は、SM動作/手順を実行するためにSMメッセージをやり取りする。
【0060】
低順位(Low priority)端末:NAS信号低順位に設定された端末。詳細な事項は、標準文書3GPP TS 24.301及びTS 24.008を参考にすることができる。
【0061】
正常順位(Normal priority)端末:低順位(Low priority)に設定されない一般的な端末
【0062】
二重順位(Dual priority)端末:二重順位(Dual priority)に設定された端末、これはNAS信号低順位に設定されると同時に前記設定されたNAS信号低順位を無視(override)することができるように設定された端末(即ち、UE which provides dual priority support is 設定 for NAS signalling low priority and also 設定 to override the NAS signalling low priority indicator)。詳細な事項は、標準文書3GPP TS 24.301及びTS 24.008を参考にすることができる。
【0063】
PLMN:公共陸上通信ネットワーク(Public Land Mobile Network)の略語であって、事業者のネットワーク識別番号を意味する。UEのローミング状況におけるPLMNは、Home PLMN(HPLMN)とVisited PLMN(VPLMN)とに区分される。
【0064】
図1は、無線通信システムである。
【0065】
図1を参照して分かるように、無線通信システムは、少なくとも1つの基地局(base station、BS)20を含む。各基地局20は、特定の地理的領域(一般的にセルという)20a、20b、20cに対して通信サービスを提供する。また、セルは、複数の領域(セクターという)に分けられる。
【0066】
UEは、通常的に、1つのセルに属し、UEが属するセルをサービングセル(serving cell)という。サービングセルに対して通信サービスを提供する基地局をサービング基地局(serving BS)という。無線通信システムは、セルラーシステム(cellular system)であるため、サービングセルに隣接する他のセルが存在する。サービングセルに隣接する他のセルを隣接セル(neighbor cell)という。隣接セルに対して通信サービスを提供する基地局を隣接基地局(neighbor BS)という。サービングセル及び隣接セルは、UEを基準にして相対的に決定される。
【0067】
以下、ダウンリンクは、基地局20からUE10への通信を意味し、アップリンクは、UE10から基地局20への通信を意味する。ダウンリンクにおいて、送信機は基地局20の一部分であり、受信機はUE10の一部分である。アップリンクにおいて、送信機はUE10の一部分であり、受信機は基地局20の一部分である。
【0068】
以下、LTEシステムに対して、より詳細に説明する。
【0069】
図2は、3GPP LTEにおいて、FDDによる無線フレーム(radio frame)の構造を示す。
【0070】
図2を参照すると、無線フレームは、10個のサブフレーム(subframe)を含み、1つのサブフレームは、2個のスロット(slot)を含む。無線フレーム内のスロットは、0から19までのスロット番号が付けられる。1つのサブフレームの送信にかかる時間を送信時間区間(Transmission Time interval:TTI)という。TTIは、データ送信のためのスケジューリング単位である。例えば、1つの無線フレームの長さは10msであり、1つのサブフレームの長さは1msであり、1つのスロットの長さは0.5msである。
【0071】
無線フレームの構造は、例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数またはサブフレームに含まれるスロットの数等は、多様に変更されることができる。
【0072】
一方、1つのスロットは、複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含むことができる。1つのスロットにいくつかのOFDMシンボルが含まれるかは、循環前置(cyclic prefix:CP)によって変わることができる。
【0073】
1つのスロットは、周波数領域(frequency domain)でNRB個のリソースブロック(RB)を含む。例えば、LTEシステムにおいてリソースブロック(RB)の個数、即ち、NRBは、6~110のうち、いずれか1つである。
【0074】
リソースブロック(resource block:RB)は、リソース割当単位に、1つのスロットで複数の副搬送波を含む。例えば、1つのスロットが時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、リソースブロックは、周波数領域で12個の副搬送波を含むならば、1つのリソースブロックは、7×12個のリソース要素(resource element:RE)を含むことができる。
【0075】
<測定及び測定報告>
【0076】
移動通信システムにおいて、UE100の移動性(mobility)サポートは、必須である。したがって、UE100は、現在サービスを提供するサービングセル(serving cell)に対する品質及び隣接セルに対する品質を持続的に測定する。UE100は、測定結果を適切な時間にネットワークに報告し、ネットワークは、ハンドオーバなどを介してUEに最適の移動性を提供する。このような目的の測定を無線リソース管理測定(radio resource management:RRM)という。
【0077】
一方、UE100は、CRSに基づいてプライマリセル(Pcell)のダウンリンク品質をモニタリングする。これをRLM(Radio Link Monitoring)という。
【0078】
図3は、測定及び測定報告手順を示す。
【0079】
図3を参照して分かるように、UEは、隣接セルから送信される同期信号(Synchronization Signal:SS)に基づいて隣接セルを検出する。前記SSは、PSS(Primary Synchronization Signal)とSSS(Secondary Synchronization Signal)を含むことができる。
【0080】
そして、UE100に前記サービングセル200a及び隣接セル200bが各々CRS(Cell-specific Reference Signal)を送信すると、前記UE100は、前記CRSを介して、測定を実行し、その測定結果をサービングセル200aに送信する。このとき、UE100は、受信された基準信号電力(reference signal power)に対する情報に基づいて、前記受信されるCRSのパワーを比較する。
【0081】
このとき、UE100は、下記の三つの方法により測定を実行することができる。
【0082】
1)RSRP(reference signal received power):全帯域にわたって送信されるCRSを運搬する全てのREの平均受信電力を示す。このとき、CRSの代わりにCSI(Channel State Information)-RS(Reference Signal)を運搬する全てのREの平均受信電力を測定することもできる。
【0083】
2)RSSI(received signal strength indicator):全体帯域で測定された受信電力を示す。RSSIは、信号、干渉(interference)、熱雑音(thermal noise)を全て含む。
【0084】
3)RSRQ(reference symbol received quality):CQIを示し、測定帯域幅(bandwidth)またはサブバンドによるRSRP/RSSIに決定されることができる。即ち、RSRQは、信号対雑音干渉比(SINR;signal-to-noise interference ratio)を意味する。RSRPは、十分な移動性(mobility)情報を提供することができないため、ハンドオーバまたはセル再選択(cell reselection)過程ではRSRPの代わりにRSRQが使われることができる。
【0085】
RSRQ=RSSI/RSSPに算出されることができる。
【0086】
一方、UE100は、前記測定のために前記サービングセル200aから測定設定(measurement configuration)情報エレメント(IE:Information Element)を受信する。測定設定情報エレメント(IE)を含むメッセージを測定設定メッセージという。ここで、前記測定設定情報エレメント(IE)は、RRC接続再設定メッセージを介して受信されることもできる。UEは、測定結果が測定設定情報内の報告条件を満たす場合、測定結果を基地局に報告する。測定結果を含むメッセージを測定報告メッセージという。
【0087】
前記測定設定IEは、測定オブジェクト(Measurement object)情報を含むことができる。前記測定オブジェクト情報は、UEが測定を実行するオブジェクトに対する情報である。測定オブジェクトは、セル内測定の対象であるintra-frequency測定対象、セル間測定の対象である異なる周波数(inter-frequency)測定対象、及びinter-RAT測定の対象であるinter-RAT測定対象のうち少なくともいずれか一つを含む。例えば、イントラ周波数(intra-frequency)測定対象は、サービングセルと同じ周波数バンドを有する周辺セルを指示し、異なる周波数(inter-frequency)測定対象は、サービングセルと異なる周波数バンドを有する周辺セルを指示し、inter-RAT測定対象は、サービングセルのRATと異なるRATの周辺セルを指示することができる。
【0088】
一方、UE100は、図示されたように、無線リソース設定(Radio Resource Configuration)情報エレメント(IE)も受信する。
【0089】
前記無線リソース設定(Radio Resource Configuration Dedicated)情報エレメント(IE:Information Element)は、無線ベアラ(Radio Bearer)を設定/修正/解除し、またはMAC構成を修正する等のために使われる。前記無線リソース設定IEは、サブフレームパターン情報を含む。前記サブフレームパターン情報は、1次セル(即ち、Primary Cell:PCell)に対するRSRP、RSRQの測定に対する時間ドメイン上の測定リソース制限パターンに対する情報である。
【0090】
<次世代移動通信ネットワーク>
【0091】
4G LTE/IMT(international mobile telecommunications)標準に基づく移動通信の商用化成功にこたえて、次世代移動通信(5世代移動通信)に対する研究が進行中である。5世代移動通信システムは、現在の4G LTEより高い容量を目標とし、モバイル広帯域ユーザの密度を高め、D2D(Device to Device)、高い安定性及びMTC(Machine type communication)をサポートすることができる。また、5G研究開発は、モノのインターネットを一層よく具現するために4G移動通信システムより低い待機時間と低いバッテリ消耗を目標とする。このような5G移動通信のために新しい無線アクセス技術(new radio access technology:New RATまたはNR)が提示されることができる。
【0092】
前記NRで、基地局からの受信は、ダウンリンクサブフレームを利用し、基地局への送信は、アップリンクサブフレームを利用することが考慮されることができる。この方式は、対になるスペクトラム及び対になっていないスペクトラムに適用されることができる。一組のスペクトラムは、ダウンリンク及びアップリンク動作のために二つの搬送波スペクトラムが含まれるということを意味する。例えば、一対スペクトラムで、一つの搬送波は、対になるダウンリンク帯域及びアップリンク帯域を含むことができる。
【0093】
図4は、NRでのサブフレーム類型の例を示す。
【0094】
図4に示すTTI(transmission time interval)は、NR(または、new RAT)のためのサブフレームまたはスロットとも呼ばれる。図4のサブフレーム(または、スロット)は、データ送信遅延を最小化するためにNR(または、new RAT)のTDDシステムで使われることができる。図4に示すように、サブフレーム(または、スロット)は、現在のサブフレームと同様に、14個のシンボルを含む。
【0095】
サブフレーム(または、スロット)の前方部のシンボルは、DL制御チャネルのために使われることができ、サブフレーム(または、スロット)の後方部のシンボルは、UL制御チャネルのために使われることができる。残りのシンボルは、DLデータ送信またはULデータ送信のために使われることができる。このようなサブフレーム(または、スロット)構造によると、ダウンリンク送信とアップリンク送信は、一つのサブフレーム(または、スロット)で順次に進行されることができる。したがって、サブフレーム(または、スロット)内でダウンリンクデータが受信されることができ、そのサブフレーム(または、スロット)内でアップリンク確認応答(ACK/NACK)が送信されることもできる。このようなサブフレーム(または、スロット)の構造をセルフコンテインド(self-contained)サブフレーム(または、スロット)ということができる。このようなサブフレーム(または、スロット)の構造を使用すると、受信エラーが発生したデータを再送信する時にかかる時間が減って最終データ送信待機時間が最小化されることができるという長所がある。
【0096】
このようなセルフコンテインド(self-contained)サブフレーム(または、スロット)構造で、送信モードから受信モードへまたは受信モードから送信モードへの転換過程に時間ギャップ(time gap)が必要である。そのために、サブフレーム構造でDLからULへ転換する時の一部OFDMシンボルは、保護区間(Guard Period:GP)に設定されることができる。
【0097】
図5は、NRで同期信号(SS)のビームスイーピングの例を示す例示図である。
【0098】
既存LTE-Aシステムでは、端末が異なる周波数(inter-frequency)/異なるRAT(inter-radio access technology)で動作する隣接セルに対して測定することができるように、サービング基地局は、測定ギャップ(measurement gap)を端末に設定した。したがって、端末は、サービング基地局により設定された測定ギャップの区間内にRF再調整(retuning)をした後、セル検出とRSRP測定を実行した。一方、イントラ周波数(intra-frequency)上のセルに対しては、端末は、RF再調整なしで測定を実行することができるため、測定ギャップ(measurement gap)は設定されない。
【0099】
しかし、NRシステムでは、端末がたとえイントラ周波数(intra-frequency)上のセルに対してはRF再調整なしで測定を実行することができるとしても、信号送信においてビームフォーミングを適用するため、ビームフォーミング方向に対するビームスイーピング(beam sweeping)が必要である。
【0100】
一方、NRでは、SSに対してビームスイーピング(beam sweeping)が実行される。図5を参照すると、SSバーストは、あらかじめ決まった周期(periodicity)毎に送信される。このとき、基地局は、SSバースト内の各SSブロックを時間によってビームスイーピングをしながら送信するようになる。したがって、端末は、ビームスイーピングを実行しながらSSブロックを受信し、セル検出及び測定を実行する。
【0101】
NRでイントラ周波数(intra-frequency)及び異なる周波数(inter-frequency)の定義は、下記の通りである。
【0102】
(1)SS(Synchronization Signal)が送信されるブロック(SSBという)ベースのRRM測定観点
【0103】
1)SSBベースのRRM測定観点でイントラ周波数(intra-frequency)
【0104】
・サービングセルのSSBの中心周波数と隣接セルのSSBの中心周波数が同じ場合、互いにイントラ周波数関係ということができる。
【0105】
・サービングセルのSSBと隣接セルのSSBに対する副搬送波間隔が互いに同じ場合、互いにイントラ周波数関係ということができる。
【0106】
2)SSBベースのRRM測定観点で異なる周波数(inter-frequency)
【0107】
・サービングセルのSSBの中心周波数と隣接セルのSSBの中心周波数が互いに異なる場合、互いに異なる周波数関係ということができる。
【0108】
・サービングセルのSSBと隣接セルのSSBに対する副搬送波間隔が互いに異なる場合、互いに異なる周波数関係ということができる。
【0109】
(2)CSI-RSベースのRRM測定観点
【0110】
1)CSI-RSベースのRRM測定観点でイントラ周波数(intra-frequency)
【0111】
・隣接セルに対する測定のために設定されたCSI-RSリソースの帯域幅がサービングセルに対する測定のために設定されたCSI-RSリソースの帯域幅内に存在する場合、互いにイントラ周波数関係ということができる。
【0112】
・サービングセルのCSI-RSと隣接セルのCSI-RSに対する副搬送波間隔が互いに同じ場合、互いにイントラ周波数関係ということができる。
【0113】
2)CSI-RSベースのRRM測定観点で異なる周波数(inter-frequency)
【0114】
・隣接セルに対する測定のために設定されたCSI-RSリソースの帯域幅がサービングセルに対する測定のために設定されたCSI-RSリソースの帯域幅内に存在しない場合、互いに異なる周波数関係ということができる。
【0115】
・サービングセルのCSI-RSと隣接セルのCSI-RSに対する副搬送波間隔が互いに異なる場合、互いに異なる周波数関係ということができる。
【0116】
測定カテゴリは、下記のように三つに区分する。
【0117】
・RF再調整が必要ないイントラ周波数(Intra-frequency)測定
【0118】
・RF再調整が必要なイントラ周波数(Intra-frequency)測定
【0119】
・RF再調整が必要な異なる周波数(inter-frequency)測定
【0120】
イントラ周波数(Intra-frequency)上のセルに対するセル検出及び測定
【0121】
NRでは、端末が初期アクセスを実行するときに必要な情報、即ち、MIBを含むPBCH(Physical Broadcast Channel)と同期信号(SS)(PSS及びSSSを含む)をSSブロックに定義する。そして、複数個のSSブロックを束ねてSSバーストに定義し、複数個数のSSバースト(burst)を束ねてSSバーストセットに定義することができる。各SSブロックは、特定方向にビームフォーミングされていることを仮定しており、SSバーストセット内にある多数のSSブロックは、各々異なる方向に存在する端末をサポートするために設計されている。
【0122】
一方、NRでは、SSに対してビームスイーピング(beam sweeping)が実行される。図5を参照すると、SSバーストは、あらかじめ決まった周期(periodicity)毎に送信される。このとき、基地局は、SSバースト内の各SSブロックを時間によってビームスイーピングをしながら送信するようになる。したがって、端末は、ビームスイーピングを実行しながらSSブロックを受信し、セル検出及び測定を実行する。
【0123】
SSの帯域幅と周期性は、下記のような候補値の中から設定される。
【0124】
(a)NR SS帯域幅
【0125】
-周波数範囲カテゴリ#1(6GHz以下)に対して、搬送波間隔の候補が[15kHz、30kHz、60kHz]のうち一つである場合、
【0126】
・NR搬送波の最小帯域幅の候補は[5kHz、10kHz、20kHz]であり、
【0127】
・各同期信号に対する送信帯域の候補は[1.08MHz、2.16MHz、4.32MHz、8.64MHz]である。
【0128】
-周波数範囲カテゴリ#2(6GHz以上)に対して、搬送波間隔の候補が[120kHz、240kHz]のうち一つである場合、
【0129】
・NR搬送波の最小帯域幅の候補は[20MHz、40MHz、80MHz]であり、
【0130】
・各同期信号に対する送信帯域の候補は[8.64MHz、17.28MHz、34.56MHz、69.12MHz]である。
【0131】
(b)SSの周期
【0132】
-周波数範囲カテゴリ#1(6GHz以下)に対して、SSの周期は[5ms、10ms、20ms、40ms、80ms、100ms]である。
【0133】
-周波数範囲カテゴリ#2(6GHz以上)に対して、SSの周期は[5ms、10ms、20ms、40ms、80ms、100ms]である。
【0134】
図6は、SSバーストを考慮した測定及び測定報告手順を示す。
【0135】
図6を参照して分かるように、端末は、サービングセルから測定設定情報を受信することができる。前記測定設定情報は、第1の測定ギャップ、例えば、イントラビーム測定ギャップに対する情報を含むことができる。また、前記測定設定情報は、第2の測定ギャップ、例えば、イントラRSRP測定ギャップに対する情報を含むことができる。
【0136】
前記端末は、一つ以上の隣接セルからSSバーストを受信し、セル検出をすることができる。
【0137】
そして、前記端末は、前記情報により指示された第1の測定ギャップ(例えば、イントラビーム測定ギャップ)の間に一つ以上の隣接セルから受信されるSSバーストに基づいて測定を実行することができる。
【0138】
併せて、図示されていないが、前記端末は、前記第2の測定ギャップの間に前記一つ以上の隣接セルからの参照信号(RS)に基づいてRSRP測定を実行することができる。
【0139】
そして、前記端末は、測定報告を実行することができる。
【0140】
図7は、NRで端末に対して設定されるBWPの例を示す。
【0141】
NRでは最大400MHzに達する広帯域周波数が使われることができる。多様な端末が周波数リソースを効率的に分配して使用することができるようにするために、NRではBWPという新しい概念を導入した。
【0142】
端末が初期アクセスを実行して基地局に端末の能力に対する情報を送信すると、基地局は、この情報に基づいて端末が使用するBWPを各端末別に設定して各端末に設定されたBWPに対する情報を送信することができる。そのとき、各端末と基地局との間のダウンリンク及びアップリンクデータ送受信は、各端末に対して設定されたBWPを介してのみ実行される。即ち、基地局が端末にBWPを設定することは、以後端末が基地局と無線通信を実行するにあたってBWP以外の周波数帯域を使用しないように指示することである。
【0143】
図7を参照すると、NRで端末に対して設定されるBWPの例が図示される。図7において、Overall carrierは、基地局が使用することができる全体キャリア周波数を示し、BWPは、基地局が端末に対して設定したBWPを示す。
【0144】
基地局は、最大400MHzに達するキャリア周波数全帯域を端末に対するBWPに設定することもでき、図7に示すように、一部帯域のみを端末に対するBWPに設定することもできる。また、基地局は、一つの端末に複数個のBWPを設定することもできる。一つの端末に複数個のBWPが設定される場合、各々のBWPの周波数帯域は、互いに重なることもあり、そうでないこともある。
【0145】
<本明細書の開示>
【0146】
I.BWPに基づくRSSI測定及びRSRQ測定
【0147】
NRでの端末は、LTEでの端末と同様に、ネットワークから移動性の提供を受けるために、RSRP、RSRQ、RS-SINR(reference signal SINR)などの測定を実行することができる。端末は、SSS(secondary synchronization signal)ベースの測定及びCSI-RS(channel state information reference signal)ベースの測定を実行することができる。
【0148】
NRでのRSRQ及びRSSIの定義は、下記の通りである。
【0149】
-RSRQ
【0150】
1)SS-RSRQ(Secondary synchronization signal RSRQ):N*(SSB RSRP)/(NRキャリアRSSI)に定義される。ここで、Nは、RSSI測定帯域幅に含まれているNRキャリアのRBの数を意味し、分子と分母の測定は、同じRBのセットを利用して実行される。(Secondary synchronization signal reference signal received quality (SS-RSRQ) is defined as the ratio NХ(SS block RSRP)/(NR carrier RSSI), where N is the number of RB's of the NR carrier RSSI measurement bandwidth. The measurements in the numerator and denominator are made over the same set of resource blocks.)
【0151】
2)CSI-RSRQ(CSI reference signal RSRQ):N*(CSI-RSRP)/(CSI-RSSI)に定義される。ここで、Nは、CSI-RSSI測定帯域幅のRBの数を意味し、分子と分母の測定は、同じRBのセットを利用して実行される。(CSI reference signal received quality (CSI-RSRQ) is defined as the ratio (NХCSI-RSRP)/CSI-RSSI, where N is the number of resource blocks in the CSI-RSSI measurement bandwidth. The measurements in the numerator and denominator are made over the same set of resource blocks.)
【0152】
-RSSI
【0153】
1)SS-RSSI(SS received signal strength indicator):測定帯域幅で、全てのソースからのN個のRBにわたった測定時間リソースのOFDMシンボルで測定された全体受信電力(共同チャネルサービングセル、非サービングセル、隣接チャネル干渉及び熱雑音などを全て含む)の線形平均(Watt単位)で構成される。ここで、測定時間リソースは、SMTC(SSB-based measurement timing configuration)内に制限される。(SS received signal strength indicator (SS-RSSI), comprises the linear average of the total received power (in [W]) observed in OFDM symbols of measurement time resource(s), in the measurement bandwidth, over N number of resource blocks from all sources, including co-channel serving and non-serving cells, adjacent channel interference, thermal noise etc. Measurement time resource(s) are confined within SMTC(SSB-based measurement timing configuration) window duration(s).)
【0154】
2)CSI-RSSI(CSI received signal strength indicator):測定帯域幅で、全てのソースからの測定時間リソースのOFDMシンボルでのみ測定された、全体受信電力(共同チャネルサービングセル及び非サービングセル、隣接チャネル干渉、熱雑音などを全て含む)の線形平均(Watt単位)で構成される。ここで、CSI-RSSIの測定時間リソースは、L3(Layer3)移動性CSI-RSを含むOFDMシンボルに対応する。(CSI received Signal Strength Indicator (CSI-RSSI), comprises the linear average of the total received power (in [W]) observed only in OFDM symbols of measurement time resource(s), in the measurement bandwidth, over N number of resource blocks from all sources, including co-channel serving and non-serving cells, adjacent channel interference, thermal noise etc. Measurement time resource(s) for CSI-RSSI corresponds to OFDM symbols containing L3 mobility CSI-RS.)
【0155】
前述したように、NRにおいて、端末は、SSSベース及びCSI-RSベースの二つのRSRP測定及びRSSI測定を実行することができる。端末は、前述した定義によってSSSベースの測定及びCSI-RSベースの測定を実行することができる。SSSベースのRSRP測定及びRSSI測定の場合、SSSは、SSB内で送信され、SSBの周波数帯域と実際端末が動作するBWPが異なることがある。SSBの周波数帯域がBWPと異なる場合、不正確な測定で端末が最適の移動性の提供を受けることができない場合もある。
【0156】
具体的に、NRで、基地局は、SSBを介してSSSを送信し、SSSベースの測定のために、端末は、SSBが存在する帯域でRF(radio frequency)再調整(retuning)をした後、基地局から受信されるSSBをモニタリングすることができる。基地局がセル特定SSB(cell defining SSB)を設定することができるため、端末は、モニタリングしたSSBに基づいてRSRP測定、RSSI測定、RS-SINR測定を実行することができる。そして、端末は、RSRP測定及びRSSI測定に基づいてRSRQ測定を実行することができる。SSBがBWPに含まれない場合があるため、RSRQ測定の結果が、端末が動作する帯域であるBWPでのチャネル環境特性を正確に反映することができない問題が発生できる。
【0157】
以下、図8乃至図10を参照してSSBがBWPに含まれている場合及びSSBがBWPに含まれない場合で端末がRSRQを測定する例を具体的に説明する。
【0158】
図8は、SSBがBWPに含まれている場合に端末がRSRQを測定する例を示す。
【0159】
図8を参照すると、サービングセルは、端末に設定されたダウンリンクBWP(UE active DL BWP)内にSSBを送信する。このような場合、端末がサービングセルから受信したSSBに基づいてRSRP測定及びRSSI測定を実行し、RSRP測定の結果とRSSI測定の結果を利用してRSRQを計算することができる。
【0160】
図8では端末が動作する帯域であるBWPで周辺干渉セルから受信される信号に対するRSSI測定が実行されるため、計算されたRSRQは、BWPの干渉及びチャネル特性をよく反映している。したがって、図8のような場合は、端末がSSBに基づいてRSRP測定及びRSSI測定を実行してもネットワークから最適の移動性の提供を受けることができる。
【0161】
図9は、SSBがBWPに含まれない場合に端末がRSRQを測定する第1の例を示す。
【0162】
図9を参照すると、サービングセルは、端末に設定されたBWPに含まれない周波数帯域でSSBを送信する。端末は、干渉セル1及び干渉セル2が送信する干渉データをSSBと同じ帯域で受信し、干渉セル3(I3)が送信する干渉データをBWPと同じ帯域で受信することができる。
【0163】
このような場合、端末が従来のような方式にSSBに基づいてRSSI測定を実行すると、その結果値は、RSSI従来=S(サービングセルからの受信電力)+I1(干渉セル1の干渉データによる干渉)+I2(干渉セル2の干渉データによる干渉)になる。
【0164】
一方、測定されたRSSI従来とは違って、端末は、端末に設定されたBWPで干渉セル3の干渉を受けるようになる。もし、実際端末に設定されたBWPでRSSIを測定する場合、その結果値は、S+I3になる。
【0165】
即ち、RSSI従来は、端末が動作するBWPの干渉及びチャネル特性を正確に反映することができないため、端末がRSSI従来によるRSRQをサービングセルに報告すると、ハンドオーバが必要でない状況でハンドオーバ動作を実行するようになる等、端末の移動性に問題が発生できる。
【0166】
図10は、SSBがBWPに含まれない場合に端末がRSRQを測定する第2の例を示す。
【0167】
図10を参照すると、サービングセルは、端末に設定されたBWPに含まれない周波数帯域でSSBを送信する。端末は、干渉セル3が送信する干渉データをSSBと同じ帯域で受信し、干渉セル3が送信する干渉データをBWPと同じ帯域で受信することができる。
【0168】
このような場合、端末が従来のような方式にSSBに基づいてRSSI測定を実行すると、その結果値は、RSSI従来=S+I3(干渉セル3の干渉データによる干渉)になる。
【0169】
一方、測定されたRSSI従来とは違って、端末は、端末に設定されたBWPで干渉セル1及び干渉セル2の干渉を受けるようになる。もし、実際端末に設定されたBWPでRSSIを測定する場合、その結果値は、S+I1+I2になる。
【0170】
即ち、RSSI従来は、端末が動作するBWPの干渉及びチャネル特性を正確に反映することができないため、端末がRSSI従来によるRSRQをサービングセルに報告すると、ハンドオーバが必要な状況でハンドオーバ動作を実行しない等、端末の移動性に問題が発生できる。
【0171】
図9及び図10の例示を介して説明した問題を解決するために、本明細書は、SSBがBWPに含まれない場合、BWPに基づいてRSSI測定及びRSRQ測定を実行する方案を提示する。
【0172】
具体的に、端末が動作するBWPでの干渉による帯域及びチャネル特性を反映するために、端末及び基地局は、SSBがBWPに含まれない場合に従来のRSSI及び従来のRSRQと異なる別途のRSSI及びRSRQを使用することができる。
【0173】
従来のRSSI及び従来のRSRQと区別するために、この場合に使われるRSSIの名称は、QCLed-RSSI(Quasi-Co-Located-RSSI)とし、RSRQの名称は、QCLed-RSRQ(Quasi-Co-Located-RSRQ)とする。
【0174】
ここで、QCLed-RSSIは、端末がBWP内で受信される参照信号を利用して測定するRSSIである。そして、QCLed-RSRQは、QCLed-RSSI測定の結果及びRSRP測定の結果に基づいて決定されたRSRQである。ただし、この名称は、従来のRSSI及びRSRQと区別するための例示に過ぎず、本明細書の一開示の範囲は、この名称に制限されるものではない。
【0175】
RSRP測定に対して、端末は、従来のような方式にRSRP測定を実行することができる。端末は、サービングセルから受信されるSSBに基づいてRSRP測定を実行することができる。具体的に、端末は、SSBに含まれているSSSを利用してRSRP測定を実行することができる。端末は、RSRP測定の結果を従来のRSRQまたはQCLed-RSRQを決定するときに使用することができる。
【0176】
一方、端末は、サービングセルに対する初期アクセスを介してSSBが受信される周波数帯域を識別することができる。初期アクセス以後、端末は、サービングセルから端末に対して設定されたBWPに対する情報を受信することができる。そのとき、端末は、BWPとSSBを比較してSSBの周波数帯域がBWPに含まれるかどうかを識別することができる。端末は、SSBの周波数帯域がBWPに含まれるかどうかによってRSSI測定及びRSRQ測定を異なるように実行することができる。
【0177】
1)SSBの周波数帯域がBWPに含まれる場合
【0178】
SSBの周波数帯域が端末に対して設定されたBWPに含まれる場合、端末は、従来のような方式にRSSI測定を実行することができる。端末は、サービングセルから受信されるSSBに基づいてRSSI測定を実行することができる。具体的に、端末は、SSBに含まれているSSSを利用してRSSI測定を実行することができる。端末は、RSSI測定の結果及びRSRP測定の結果に基づいてRSRQを決定することができる。そして、端末は、決定されたRSRQをサービングセルに報告できる。
【0179】
2)SSBの周波数帯域がBWPに含まれない場合
【0180】
SSBの周波数帯域が端末に対して設定されたBWPに含まれない場合、端末は、BWP内で受信される参照信号を利用してQCLed-RSSI測定を実行することができる。具体的に、端末は、BWP内で受信されるTRS(tracking reference signal)またはDMRS(demodulation reference signal)などの参照信号を利用してQCLed-RSSI測定を実行することができる。
【0181】
参考までに、互いに異なる帯域で各々実行されたRSRP測定とRSSI測定の結果を利用してRSRQを決定するために、端末は、RSRPを測定する帯域とQCLed-RSSIを測定する帯域の特性が類似すると仮定することができる。即ち、端末は、SSSが送信されるチャネルとRSSIを測定する帯域がQCL(Quasi-Co-Location)関係にあると仮定することができる。即ち、端末は、二つの帯域が空間(spatial)、平均利得(average gain)、ドップラーパラメータ(doppler parameters)に対してQCL関係にあると仮定することができる。
【0182】
例えば、端末は、SSBの周波数帯域が端末に対して設定されたBWPに含まれない場合、SSBの周波数帯域とBWLがQCL関係にあると判断できる。または、端末は、サービングセルからSSBとBWP内の参照信号がQCL関係であることを示すインジケーションを受信することができる。端末は、インジケーションを受信する場合、SSBとBWP内の参照信号がQCL関係と判断できる。
【0183】
それによって、端末は、SSBとBWP内の参照信号がQCL関係である時、QCLed-RSSI測定を実行することができる。
【0184】
端末は、BWPの一部帯域に対してQCLed-RSSI測定を実行することもできる。具体的に、端末は、サービングセルからBWPに含まれるRSSI測定対象帯域に対する情報を受信することができる。ここで、RSSI測定対象帯域は、BWPに含まれる周波数帯域である。RSSI測定対象帯域に対する情報には端末がRSSIを測定するRB数を含むことができる。端末は、受信された情報に基づいてRSSI測定対象帯域に対するRSSI測定を実行することができる。即ち、端末は、RSSI測定対象帯域内で受信される参照信号を利用してRSSI測定を実行することができる。
【0185】
そして、端末は、QCLed-RSSI測定の結果とRSRP測定の結果に基づいてQCLed-RSRQを決定することができる。端末は、決定されたQCLed-RSRQをサービングセルに報告できる。
【0186】
図9及び図10を再び参照すると、各々の図面でQCLed-RSSI測定結果の例示がRSSI提案で図示される。図9において、QCLed-RSSI測定結果はS+I3であり、図10において、QCLed-RSSI測定結果はS+I1+I2である。
【0187】
即ち、本明細書で提示する方案によってQCLed-RSSI測定を実行すると、QCLed-RSSI測定の結果には実際端末が動作するBWPの干渉及びチャネル特性が反映されることができる。端末がQCLed-RSSI測定の結果に基づいて決定したQCLed-RSRQをサービングセルに報告すると、ネットワークから最適の移動性の提供を受けることができる。
【0188】
図11は、RSRQ測定手順を簡略に整理して示した流れ図である。
【0189】
図11を参照すると、SSBの周波数帯域が端末に対して設定されたBWPに含まれない場合、端末(UE)は、サービングセル(gNB)からQCLed-RSRQ測定を指示する信号(QCLedRSRQ-Meas)を受信することができる。
【0190】
そして、端末は、サービングセルからRSSI測定の対象となるRBの数を指示する信号(Measure-Bandwidth)を受信することができる。QCLedRSRQ-Meas及びMeasure-Bandwidthは、表1に記載された例示のように定義されることができる。
【0191】
【表1】
【0192】
前述した信号を受信した後、端末は、SSBに基づいてRSRP測定を実行することができる。そして、端末は、端末に対して設定されたBWP(UEアクティブダウンリンクBWP)で受信される参照信号を利用してRSSI測定を実行することができる。端末は、RSRP測定の結果及びRSSI測定の結果に基づいてQCLed-RSRQを決定することができる。そして、端末は、決定されたQCLed-RSRQをサービングセルに報告できる。
【0193】
II.受信アンテナのタイプによる端末の能力定義及び端末の能力報告
【0194】
NRでは基地局と端末がアナログビームフォーミング(analog beamforming)を実行することを考慮している。特に、端末の受信アンテナは、全方向性(omni-direction)やアナログビームフォーミングを実行する二つのタイプで具現されることができる。受信アンテナのタイプによって端末の各セルに対するSINR(signal-power-to-interference-power ratio)が変わることができ、それによって、端末のセル検出(cell detection)性能も変わることができる。また、NRでは基地局が同期信号(synchronization signal)をアナログビームフォーミングを実行して送信するため、端末の受信アンテナのタイプによって端末のセル検出及びビーム(beam)検出が変わることができる。しかし、現在まで受信アンテナのタイプを考慮した端末の能力が定義されていないし、基地局が端末の受信アンテナのタイプに対する情報を得る方案も提示されていない。
【0195】
本明細書は、シミュレーションを介して受信アンテナのタイプを考慮した端末の能力を定義し、基地局に端末の受信アンテナのタイプによる端末の能力を報告する方案を提示する。
【0196】
端末は、サービングセルにアンテナと関連した能力に対する情報を報告することができる。ここで、アンテナと関連した能力に対する情報は、受信アンテナがアナログビームフォーミングをサポートするかどうかに対する情報を含むことができる。
【0197】
具体的に、受信アンテナのタイプによる端末の能力、即ち、測定能力(measurement capablility)を表2に記載された例示のように定義することを提案する。具体的に、表2を参照すると、ue-RxAnalogBeamFormingSupportedに受信アンテナのアナログビームフォーミングをサポートするかどうかに対する情報が含まれることができる。そして、ue-RxAnalogBeamFormingSupportedは、phyLayerParametersに含まれることができる。
【0198】
【表2】
【0199】
以下、図12a乃至図14のシミュレーション結果を介して受信アンテナのタイプによる端末の能力を具体的に定義する。
【0200】
図12aは、30GHzで受信アンテナが全方向性アンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDF(累積分布関数:cumulative distribution function)をシミュレーションした結果である。図12bは、30GHzで受信アンテナがアナログビームフォーミングアンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
【0201】
図12a及び図12bのシミュレーションは、室内ホットスポット(indoor hotspot)環境で実行され、図12a及び図12bを参照すると、30GHzのキャリア周波数で全方向性受信アンテナとビームフォーミング受信アンテナの各々が検出するセル及びビームに対するCDFが互いに異なることが分かる。
【0202】
図13aは、4GHzで受信アンテナが全方向性アンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。図13bは、4GHzで受信アンテナがアナログビームフォーミングアンテナである場合の端末が検出するセル及びビームの数に対するCDFをシミュレーションした結果である。
【0203】
図13a及び図13bのシミュレーションは、室内ホットスポット(indoor hotspot)環境で実行されたし、図13a及び図13bを参照すると、4GHzのキャリア周波数で全方向性受信アンテナとビームフォーミング受信アンテナの各々が検出するセル及びビームに対するCDFが互いに異なることが分かる。
【0204】
図12a乃至図13bのシミュレーション結果に基づいて端末がキャリア周波数範囲(carrier frequency range)及び受信アンテナのタイプによって平均的に検出する隣接セルの数を整理すると、表3の通りである。
【0205】
【表3】
【0206】
表3を参照すると、sub 6GHz(frequency range1)である4GHzよりabove 6GHz(frequency range2)である30GHzで端末が一層多くの数のセル及びビームを検出することが分かる。これはNRで下記のように周波数領域(frequency range)別に基地局が送信するビームの数を制限したためである。下記の制限によって、端末は、高い周波数領域で一層多くの数のセル及びビームを検出することができる。-SSバーストセット(SS burst set)内のSSBの最大個数(L)は、下記の通りである。
【0207】
i)3GHz未満の周波数領域でL=4
【0208】
ii)3GHz以上、6GHz未満の周波数領域でL=8
【0209】
iii)6GHz以上の周波数領域でL=64
【0210】
また、表3を参照すると、全方向性受信アンテナよりアナログビームフォーミングアンテナを使用する場合に端末が一層多くの数のセル及びビームを検出することが分かる。
【0211】
図14は、基地局が送信するビームの数及び端末の受信アンテナタイプによって端末が検出するセルの数、ビームの数及びセルの数とビームの数の比率をシミュレーションした結果である。
【0212】
図14を参照すると、基地局が送信するビームの個数が3個、8個、16個、32個、64個であるとき、全方向性受信アンテナを使用する端末及びビームフォーミング受信アンテナを使用する端末が検出したセルの数、ビームの数及びセルの数とビームの数の比率が図示される。図14において、omni Rxは、全方向性受信アンテナを意味し、beamF Rxは、アナログビームフォーミングアンテナを意味する。
【0213】
図14のシミュレーション結果によると、基地局が送信するビームの個数が増加するにつれて、各々の端末が検出したセルの数及びビームの数が増加することが分かる。
【0214】
図12a乃至図14のシミュレーション結果を総合して、端末の能力を基地局が送信するビームの個数及び端末の受信アンテナのタイプによって下記のように定義することを提案する。参考までに、NRではFDDとTDDの区分がなく、inter-RAT(inter-radio access technology)に対する測定が必要ないため、イントラ周波数(intra-frequecny)と異なる周波数(inter-frequency)に対してのみ端末の能力を定義すればよい。
【0215】
1)イントラ周波数(intra-frequency)測定で端末の能力
【0216】
-周波数領域1(frequency range1):キャリア周波数6GHz未満である場合
【0217】
i)全方向性受信アンテナをサポートする端末:Xintra1_omni個の識別されたintra-frequencyセル及びセル当たりYintra1_omni個の識別されたintra-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0218】
ii)アナログビームフォーミング受信アンテナをサポートする端末:Xintra1_beamf個の識別されたintra-frequencyセル及びセル当たりYintra1_beamf個の識別されたintra-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0219】
-周波数領域2(frequency range2):キャリア周波数6GHz以上である場合
【0220】
i)全方向性受信アンテナをサポートする端末:Xintra2_omni個の識別されたintra-frequencyセル及びセル当たりYintra2_omni個の識別されたintra-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0221】
ii)アナログビームフォーミング受信アンテナをサポートする端末:Xintra2_beamf個の識別されたintra-frequencyセル及びセル当たりYintra2_beamf個の識別されたintra-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0222】
2)NR異なる周波数(inter-frequency)測定で端末の能力
【0223】
-周波数領域1(frequency range1):キャリア周波数6GHz未満である場合
【0224】
i)全方向性受信アンテナをサポートする端末:Xinter1_omni個の識別されたinter-frequencyセル及びセル当たりYinter1_omni個の識別されたinter-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0225】
ii)アナログビームフォーミング受信アンテナをサポートする端末:Xinter1_beamf個の識別されたinter-frequencyセル及びセル当たりYinter1_beamf個の識別されたinter-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0226】
-周波数領域2(frequency range2):キャリア周波数6GHz以上である場合
【0227】
i)全方向性受信アンテナをサポートする端末:Xinter2_omni個の識別されたinter-frequencyセル及びセル当たりYinter2_omni個の識別されたinter-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0228】
ii)アナログビームフォーミング受信アンテナをサポートする端末:Xinter2_beamf個の識別されたinter-frequencyセル及びセル当たりYinter2_beamf個の識別されたinter-frequencyに対してRSRP測定、RSRQ測定及びRS-SINR測定を実行することができる。
【0229】
図12a乃至図14のシミュレーション結果を総合すると、前記1)及び2)の端末の性能を以下の例示のように設定できる。
【0230】
intra1_omni=2、Yintra1_omni=1、Xintra1_beamf=4、Yintra1_beamf=2、Xintra2_omni=4、Yintra2_omni=4、Xintra2_beamf=6、Yintra2_beamf=6
【0231】
inter1_omni=2、Yinter1_omni=1、Xinter1_beamf=2、Yinter1_beamf=2、Xinter2_omni=2、Yinter2_omni=2、Xinter2_beamf=3、Yinter2_beamf=3
【0232】
図15は、本明細書の開示が具現される無線通信システムを示すブロック図である。
【0233】
基地局200は、プロセッサ(processor)201、メモリ(memory)202及びRF部(RF(radio frequency)unit)203を含む。メモリ202は、プロセッサ201と連結され、プロセッサ201を駆動するための多様な情報を格納する。RF部203は、プロセッサ201と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ201は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。前述した実施例において、基地局の動作は、プロセッサ201により具現されることができる。
【0234】
UE100は、プロセッサ101、メモリ102及び送受信部103を含む。メモリ102は、プロセッサ101と連結され、プロセッサ101を駆動するための多様な情報を格納する。送受信部103は、プロセッサ101と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ101は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。
【0235】
プロセッサは、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリは、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。送受信部は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現されるとき、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサと連結されることができる。
【0236】
前述した例示的なシステムにおいて、方法は、一連のステップまたはブロックで流れ図に基づいて説明されているが、本明細書は、ステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは、前述と異なるステップと、異なる順序にまたは同時に発生できる。また、当業者であれば、流れ図に示すステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、または流れ図の一つまたはそれ以上のステップが本明細書の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
図14
図15