(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】メタノールからオレフィン製造用の触媒を部分的に再生する方法、及びメタノールからオレフィンを製造する方法
(51)【国際特許分類】
B01J 38/06 20060101AFI20220203BHJP
B01J 29/90 20060101ALI20220203BHJP
B01J 29/85 20060101ALI20220203BHJP
C07C 1/24 20060101ALI20220203BHJP
C07C 11/04 20060101ALI20220203BHJP
C07C 11/06 20060101ALI20220203BHJP
C07B 61/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B01J38/06
B01J29/90 Z
B01J29/85 Z
C07C1/24
C07C11/04
C07C11/06
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020527996
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2017114567
(87)【国際公開番号】W WO2019109237
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イエ,マオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ジビン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジンリン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,インフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ジア,ジンミン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ハイロン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,チョンミン
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-501989(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101844089(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0037692(US,A1)
【文献】特開2011-011207(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0130603(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタノールからオレフィン
を製
造する方法であって、
失活したメタノールからオレフィン製造用の触媒を、再生器に入れ
ることと、
前記失活したメタノールからオレフィン製造用の触媒と接触するように、前記再生器に水蒸気からなる再生ガスを導入して、前記水蒸気を用いて、前記失活したメタノールからオレフィン製造用の触媒に堆積されたコークの一部をガス化することによって、コーク堆積量が3.89wt%~6wt%である部分的再生されたメタノールからオレフィン製造用の触媒を得ることと、
前記部分的再生されたメタノールからオレフィン製造用の触媒を、流動床に導入し、メタノールからオレフィンへの反応を行うことと
を含み、
前記再生ガスは酸素ガスを含まない、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
水蒸気と失活したメタノールからオレフィン製造用の触媒との接触時間は、10min~40minである、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項3】
前記再生器に導入される水蒸気の空間速度は、4h
-1~8h
-1である、ことを特徴とする請求項
2に記載
の方法。
【請求項4】
前記部分的再生
されたメタノールからオレフィン製造用の触媒を得ることは、600℃~750℃の条件で行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記部分的再生
されたメタノールからオレフィン製造用の触媒を得ることは、710℃~750℃の条件で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項6】
前記失活したメタノールからオレフィン製造用の触媒のコーク堆積量は、7
wt%~12
wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項7】
さらに再生器に不活性ガスを導入し、
前記不活性ガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガスから選択される少なくとも1種であ
る、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【請求項8】
前記
部分的再生されたメタノールからオレフィン製造用の触媒は、シリコアルミノリン酸塩分子篩を含有し、且つ
前記
部分的再生されたメタノールからオレフィン製造用の触媒は、流動床触媒である、ことを特徴とする請求項1に記載
の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、メタノールからオレフィンを製造するための触媒(Methanol to Olefin Catalyst)を部分的に再生する方法、及び再生された触媒に関し、化学工業触媒分野に属する。
【背景技術】
【0002】
エチレンとプロピレンは、国民経済の重要な基礎原料であり、石油化学や化学工業の発展において重要な戦略的地位を占めている。中国のエチレン生産の原料は、主にナフサであり、そのコストが高い。工業においてメタノールからオレフィン合成技術は、石炭から始まり、SAPO触媒を利用して、流動床プロセスを使用し、高選択性の低級オレフィンを成功に製造する。しかしながら、SAPO触媒は、一定の期間で反応した後、コーク堆積(coke deposition)により失活し、触媒の活性と選択性が回復するように、コークを燃焼して再生する必要がある。従来技術では、メタノールからオレフィンを製造するための触媒の再生プロセスは、窒素ガスと空気又は水蒸気と空気の混合ガスを再生原料ガスとし、再生原料ガス中の窒素ガス又は水蒸気の量を調節することにより、再生プロセスでの「温度暴走」又は「炭素燃焼」の現象の発生を防ぐ。ただし、この方法では、温室効果ガスであるCO2が大量に発生し、環境保護に有利ではなく、メタノール炭素原子の利用率も低下する。
【0003】
US06/286604は、空気と水蒸気を混合することにより触媒を再生する方法を提案しており、空気と水蒸気の体積比は、1:1で、再生温度は、450℃~480℃である。この方法では、空気が存在するため、コーク燃焼速度が非常に速く、再生後の触媒の効果は、フレッシュ薬剤と同等であり、初期の低級オレフィンの選択性を向上することがなく、その作用は完全な再生に相当する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、メタノールからオレフィンを製造するための触媒を部分的に再生する方法が提供され、該方法は、水蒸気を利用して失活した触媒に堆積したコークの一部をガス化し、失活したメタノールからオレフィンを製造するための触媒を迅速で効果的に部分的に再生することができ、触媒の完全で徹底的な再生よりも、メタノールからオレフィン合成反応により有利である。
【0005】
従来技術では、当業者は一般的に、MTO反応の前に、フレッシュSAPO-34分子篩触媒に対して変性及び構造的修飾を行い、例えば、金属ヘテロ原子変性、シップインボトル合成ケージ内修飾法(ship-in-a-bottle and cage modification)により、SAPO-34触媒の触媒特性を向上させると考えられている。シップインボトル合成ケージ内修飾法は、炭化水素プールのメカニズムから始まり、分子篩のケージ内に体積が大きい分子を形成し、ケージ内の酸性中心の数を低減させるとともに、ケージの体積を減らし、それにより、MTO反応の誘導期間を短縮して低級オレフィンの選択性を向上させる。文献でケージを修飾できる分子は主にPH3、SiH4、Si2H6及びB2H6を有することが報告されている。しかしながら、失活した触媒を部分的に再生する観点から見ると、残留の堆積コークによってケージ構造を修飾する文献報告及び特許出願はほとんどない。現在の工業生産と組み合わせて、失活した触媒は、より良好な触媒特性を得るために、可能な限り堆積したコークを除去し、完全に再生する必要がある。ただし、本発明者らは、創造的な研究を通じて上記認識に技術的偏見が存在することを見出した。本発明者らは、メタノールからオレフィンの合成反応については、メタノールからオレフィン製造用の触媒の失活した触媒と完全に再生された触媒はともに触媒特性が理想的ではなく、逆に、一定のコーク堆積量を保留する不完全に再生された触媒がより良好な触媒活性を有し、初期の低級オレフィンの選択性を大幅に向上させ、触媒の低級オレフィンの最高の選択性を確保することができ、それにより、低級オレフィンの全体の選択性を向上させることを創造的に見出した。
【0006】
前記メタノールからオレフィンを製造するための触媒を部分的に再生する方法は、失活したメタノールからオレフィンを製造するための触媒を再生器に入れて部分的な再生反応を行って、再生された触媒を得るステップを含み、
前記再生された触媒の少なくとも一部のコーク堆積量は、1%を超える、ことを特徴とする。
【0007】
さらに好ましくは、再生器で部分的な再生反応を行った後に得られる前記再生された触媒において、前記再生された触媒の少なくとも一部のコーク堆積量は、1.7%~6%である。
【0008】
好ましくは、再生器で部分的な再生反応を行った後に得られる前記再生された触媒のコーク堆積量の範囲の下限は、1%、1.5%、1.7%、1.76%、2%、2.94%、3%、3.89%、4%から選ばれ、上限は、2%、2.94%、3%、3.89%、4%、4.82%、5.16%、5.95%、6%から選ばれる。
【0009】
さらに好ましくは、再生器で部分的な再生反応を行った後に得られる前記再生された触媒のコーク堆積量は2%~6%である。
【0010】
本願では、触媒のコーク堆積量ωの計算公式は、下記の式Iで示されている。
【0011】
【数1】
式Iでは、ωは、質量百分率で表した触媒のコーク堆積量であり、m
250℃は、250℃に昇温したときの触媒の質量であり、m
900℃は、900℃に昇温したときの触媒の質量である。前記昇温過程は、空気中で完了する。
【0012】
好ましくは、前記部分的な再生反応では、再生器に水蒸気をさらに導入する。
【0013】
空気又は酸素ガスを使用して再生器に導入する場合、再生反応は、失活した触媒に堆積したコークとO2の反応であり、それは堆積したコークの燃焼反応に相当するため、燃焼反応の程度を制御しにくく、不完全に再生された触媒を得ることが困難であるだけでなく、O2反応後にCO2に完全に酸化されていない触媒上に堆積したコークの触媒活性が高くなく、MTO反応に対してエチレンとプロピレンの選択性も低い。
【0014】
具体的には、空気を使用して触媒を再生する場合、反応の程度を制御して、不完全に再生されても、酸素ガスが先ず堆積コーク中の水素と反応するため、堆積コークを徐々に重質成分に変化し、重質成分の堆積コークはメタノールからオレフィン合成反応に対して触媒特性を有せず、したがって、炭素を空気燃焼させることにより触媒を部分的に再生すると、触媒の残留炭素の性質に大きな変化をもたらし、再生された触媒は反応プロセスで共触媒の作用が弱くなり、低級オレフィンの選択性は最大値に達することができない。
【0015】
本願の1つの好適な実施形態として、酸素ガス含有の再生ガスを使用せずに、再生器に水蒸気を導入し、本願の技術案の再生反応は、失活した触媒上の堆積コークとH2Oとの反応である。再生プロセスで、水蒸気は、堆積コークと選択的に反応し、残留炭素の性質を再生温度と時間によって効果的に制御することができ、それにより、反応での低級オレフィンの選択性をさらに確保する。本願の技術案では、不活性ガス環境下で触媒と水蒸気を接触させることにより、空気の触媒特性への影響を回避することができる。
【0016】
さらに好ましくは、再生器に導入された水蒸気と失活したメタノールからオレフィンを製造するための触媒との接触時間は、10min~40minである。
【0017】
さらに好ましくは、前記再生器に導入された水蒸気の空間速度は、4h-1~8h-1である。
【0018】
好ましくは、前記部分的な再生反応は、600℃~750℃の条件で行われ、
さらに好ましくは、前記部分的な再生反応は、710℃~750℃の条件で行われる。
【0019】
好ましくは、前記失活したメタノールからオレフィンを製造するための触媒のコーク堆積量は、7%~12%である。
【0020】
好ましくは、再生器に不活性ガスをさらに導入する。
【0021】
前記不活性ガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガスから選択される少なくとも1種である。
【0022】
さらに好ましくは、前記部分的な再生反応では、前記再生器中の気相の酸素ガスの含有体積百分率は、≦1%である。
【0023】
好ましくは、前記メタノールからオレフィンを製造するための触媒は、流動床反応器でメタノールからオレフィン合成反応を行い、失活したメタノールからオレフィンを製造するための触媒を、部分的な再生反応を行うように再生器に輸送し、得られる再生された触媒は、不完全に再生された触媒であり、前記不完全に再生された触媒を前記流動床反応器にリサイクルする。
【0024】
本願では、前記不完全に再生された触媒とは、触媒が再生された後、触媒上の堆積コークが完全に除去されず、部分的な堆積コークが触媒に残留する再生された触媒を指す。部分的に再生された触媒と呼称されることもできる。
【0025】
好ましくは、前記触媒は、分子篩触媒である。
【0026】
好ましくは、前記メタノールからオレフィンを製造するための触媒は、流動床触媒である。
【0027】
好ましくは、前記触媒は、シリコアルミノリン酸塩分子篩(SAPO分子篩と略される)触媒である。
【0028】
好ましくは、前記反応器は、流動床反応器である。
【0029】
好ましくは、水蒸気を導入する前に、まず反応器内に不活性ガスを導入してスイーピングする。好ましくは、前記不活性ガスは、アルゴンガスまたは窒素ガスから選択される少なくとも1種である。
【0030】
本発明の他の形態によれば、前記メタノールからオレフィン合成反応がメタノールからオレフィンを製造するための触媒を用いて流動床で行われる、メタノールからオレフィンを製造する方法であって、前記再生された触媒の少なくとも一部コーク堆積量は、1%を超える、ことを特徴とするメタノールからオレフィンを製造する方法が提供される。
【0031】
好ましくは、前記再生された触媒のコーク堆積量は、2%~6%である。
【0032】
好ましくは、前記再生された触媒は、上記メタノールからオレフィンを製造するための触媒を部分的に再生する方法のうちの少なくとも1つによって得られる。
【発明の効果】
【0033】
本願は以下の有益な効果をもたらすことができる。
1)水蒸気を再生ガスとして使用し、触媒に堆積したコークをガス化して部分的に再生し、そのガス化生成物は主にCO、H2であり、リサイクルして再利用することができ、メタノール炭素原子の利用率を向上させる。
2)水蒸気のガス化速度が遅いため、触媒の残留炭素量の制御に有利であり、水蒸気で堆積コークをガス化する反応は、触媒の活性サイトの付近で行う必要があるので、堆積コークを選択的に除去する。
3)水蒸気で部分的に再生された触媒を使用してMTO反応を行うと、初期の低級オレフィンの選択性を大幅に向上させ、その最高の選択性を確保することができ、それにより、低級オレフィンの全体の選択性を向上させる。完全に再生された触媒の初期の低級オレフィンの選択性は、62.57%であり、本方法で部分的に再生された触媒の初期の低級オレフィンの選択性は、63%~83%の範囲内に制御することができる。
4)水蒸気で部分的に再生された触媒を使用してMTO反応を行うと、反応物メタノールは、ほぼ完全に転化され、転化率がフレッシュ薬剤と同等であり、本方法で部分的に再生された触媒のメタノールの転化率は、100%に近い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態で、部分的に再生された触媒の性能測定結果模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、実施例を参照しながら本願について詳しく説明するが、本願は、これらの実施例に限られない。
【0036】
本願で商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34は、正大能源材料(大連)有限公司から購入される。
【0037】
触媒のコーク堆積量の測定方法は、以下のとおりである。
【0038】
触媒を空気で250℃に加熱し、質量をm250℃として記録し、次に触媒を空気で900℃に加熱し、質量をm900℃として記録し、触媒のコーク堆積量は、下記の式Iで決定される。
【0039】
【0040】
実施例1
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器に充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、9.18%であった。
【0041】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が700℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、15min恒温にした。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量が5.95%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1で、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図1に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0042】
実施例2
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液であり、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、11.88%であった。
【0043】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が700℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、30min恒温した。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量は、4.82%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度が80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図2に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0044】
実施例3
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液であり、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、7.08%であった。
【0045】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が750℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、10min恒温にした。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量は、5.16%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度が80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図3に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0046】
実施例4
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液であり、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、9.18%であった。
【0047】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が750℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、20min恒温にした。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量は、3.89%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度が80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図4に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0048】
実施例5
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液であり、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、9.18%であった。
【0049】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が750℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、30min恒温した。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量は、2.94%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度が80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図5に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0050】
実施例6
4gの商業用のメタノールからオレフィンを製造するための触媒SAPO-34を固定流動床反応器充填し、メタノールからオレフィン合成反応を行い、反応原料は、濃度80wt%のメタノール水溶液であり、反応温度は、490℃、圧力は、0.1MPa、空間速度は、2.1h-1であった。触媒が失活した後、失活した触媒のコーク堆積量を測定し、9.18%であった。
【0051】
触媒が失活した後、反応器内に流量100mL/minの窒素ガスを導入してスイーピングし、反応器加熱炉の温度を設定し、温度が750℃に上昇するとき、窒素ガスで10minスイーピングし続け、次に水蒸気を導入し、その質量空間速度は、6h
-1であり、40min恒温にした。水蒸気のガス化が終わった後、少量の触媒を取ってコーク堆積量を測定し、コーク堆積量は、1.76%であり、プログラムの昇温が終わった後再生を停止し、再生ガスを窒素ガスに切り替え、加熱炉の温度が490℃に下がるとき20min保持し、温度が安定した後濃度が80wt%のメタノール水溶液を導入し、空間速度は、2.1h
-1、圧力は、0.1MPaであり、メタノールからオレフィンへの評価反応を開始し、再生後の触媒のメタノールの転化率とオレフィンの選択性を
図6に示した。図面において、「フレッシュ薬剤」とは、実施例で使用されていない、メタノールからオレフィンを製造するための触媒であり、すなわち、メタノールからオレフィンへの製造に初めて使用される触媒である。
【0052】
以上は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、本願を何ら制限するものではなく、本願は、好適実施例をもって以上のように開示したが、本願を制限するものではなく、当業者であれば、本願の技術案の範囲から逸脱することなく、上記で開示された技術内容に基づいて行われる変更又は修正は、いずれも均等の実施態様に相当し、すべて技術案の範囲に属する。