IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 海木動物保健品(山東)有限公司の特許一覧

特許7008165犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法
<>
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図1
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図2
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図3
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図4
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図5
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図6
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図7
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図8
  • 特許-犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/31 20060101AFI20220118BHJP
   C07K 14/45 20060101ALI20220118BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20220118BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220118BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220118BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220118BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 39/002 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C12N15/31 ZNA
C07K14/45
C12P21/02 C
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P33/00
A61P37/04
A61K39/002
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021520258
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 CN2018111235
(87)【国際公開番号】W WO2019242177
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】201810632019.6
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521460114
【氏名又は名称】海木動物保健品(山東)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】候 峰
(72)【発明者】
【氏名】曹 利利
(72)【発明者】
【氏名】宮 鵬涛
(72)【発明者】
【氏名】李思明
(72)【発明者】
【氏名】陳 星遠
(72)【発明者】
【氏名】丁 鶴
(72)【発明者】
【氏名】王 典
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0208519(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0148696(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00-15/90
C07K1/00-19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
cyclophilin変異体タンパク質であり、SEQ ID NO.2に記載のアミノ酸配列により構成される、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質。
【請求項2】
SEQ ID NO.2に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質をコードする核酸。
【請求項3】
ヌクレオチド配列がSEQ ID NO.1に記載の通りである、請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
(1)SEQ ID NO.2に記載のアミノ酸配列により構成されるタンパク質の遺伝子またはSEQ ID NO.1に記載のヌクレオチド配列のコードを発現ベクタープラスミドにクローンして、組換え発現ベクターが得られるステップと、(2)前記組換え発現ベクターを大腸菌に転換して、遺伝子工学菌が得られるステップと、(3)前記遺伝子工学菌を発酵培養して、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質を発現するステップと、(4)遺伝子工学菌の菌体を破砕した上清液を回収して、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質を分離精製するステップと、を備える、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質を作製する方法。
【請求項5】
ステップ(1)の前記ベクターがPET-28aであり、ステップ(2)の前記大腸菌がBL21(DE3)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(3)の前記遺伝子工学菌がトキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質を構成的発現の形式により発現する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質及び精製ラベルを含む可溶性融合タンパク質。
【請求項8】
前記精製ラベルのアミノ酸配列がSEQ ID NO.3である、請求項7に記載の可溶性タンパク質。
【請求項9】
犬トキソプラズマの感染を予防するサブユニット不活性化ワクチンの作製における請求項1に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質、または請求項7または8に記載の前記可溶性融合タンパク質の使用
【請求項10】
ヒトトキソプラズマの感染を予防するサブユニット不活性化ワクチンの作製における請求項1に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質、または請求項7または8に記載の前記可溶性融合タンパク質の使用
【請求項11】
猫トキソプラズマの感染を予防するサブユニット不活性化ワクチンの作製における請求項1に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質、または請求項7または8に記載の前記可溶性融合タンパク質の使用
【請求項12】
請求項1に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質、または請求項2または3に記載の前記トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質をコードする核酸、及び医学上に許容されるベクターを含む、トキソプラズマのサブユニット不活性化ワクチン。
【請求項13】
犬トキソプラズマの感染を予防する薬剤の作製における請求項12に記載の前記サブユニット不活性化ワクチンの使用
【請求項14】
請求項7または8に記載の前記可溶性融合タンパク質をコードする配列が含まれる発現ベクターを原核発現工学菌に転換して、高効率の発現を誘導して、精製することにより得られるタンパク質が可溶性タンパク質で、ワクチン佐剤を添加することにより作製される、請求項12の前記サブユニット不活性化ワクチンを作製する方法。
【請求項15】
前記タンパク質の濃度が10μg/ml~300μg/mlである、請求項14に記載の請求項12の前記サブユニット不活性化ワクチンを作製する方法。
【請求項16】
請求項2または3に記載の核酸及び生物学ベクターを含む宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫学と生物学分野に関し、犬トキソプラズマの感染を予防するワクチン及びその作製方法、特に、ワクチンが犬トキソプラズマ病の感染を予防する際の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
トキソプラズマ病(Toxoplasmosis)は、胞子虫綱、トキソプラズマ属のトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)により引き起こされる、動物またはヒトの細胞に寄生するマルチホスト原虫感染病の一種であり、世界的に分布するズーノティック寄生虫病である。ネコ科動物が終宿主であり、ヒトと多種の動物が中間宿主である。トキソプラズマ病が中国の緊急公衆衛生問題の一つになった。その主な原因は以下の通りである。
(1)人のトキソプラズマの感染率は極めて高く、一般的は20%~50%であり、特に女と児童の感染率の方がより高い。世界中の約1/3の人がトキソプラズマに感染している。中国のトキソプラズマの感染率が5%~20%である。妊婦が感染後、臨床症状があるかどうかに関わらず、約50%の可能性で垂直感染が発生し、早産、流産、胎児の発育異常及び死産などの症状を引き起こす。6%~10%のエイズ患者がトキソプラズマ病を合併する。エイズ患者が罹患する脳炎の50%がトキソプラズマの感染によるものである。
(2)猫、犬、豚、羊、牛、兎などの家畜がトキソプラズマに感染することは非常に普通で、その感染率は10%~50%に達し、豚、牛、羊の流産率が30~40.7%に達する。豚は、トキソプラズマに感染することにより「豚高熱症候群」も引き起こし、病死率は60%に達する。従って、トキソプラズマ病は、家畜流産の重要な原因の一つであり、畜産業に影響する。
(3)家庭で飼うペットの数の増加に伴って、犬や猫はペットとして広く飼われている。犬はトキソプラズマの重要な中間宿主で、猫は唯一の終宿主であり、人と緊密に接触することにより、人がトキソプラズマ病の主要伝染源になってしまう。
(4)トキソプラズマは全ての有核細胞を感染させることができ、動物(豚、牛、羊、鶏、鴨、グースなど)の感染率の平均は15.4%で、感染後のトキソプラズマがブラディゾイトの形式で、全身の各組織に広がる。これによって、トキソプラズマが肉、乳、卵類を通じて大量に食品市場に流入してしまい、ヒトの伝染源になり、動物性食品の公衆衛生安全に対する深刻な脅威になる。
【0003】
今まで、国内外で犬トキソプラズマ病の予防と治療するための理想的な市販ワクチンや薬剤はない。トキソプラズマに感染後、宿主の保護性免疫応答を引き起こせる。よって、安全、有効なワクチンを研究することは好ましいトキソプラズマ病の予防対策である。トキソプラズマワクチンの研究が1970年代から全虫ワクチンに注目する。全虫ワクチンは不活性化ワクチンと弱毒化活性ワクチンを含むが、不活性化ワクチンはマウスに対する免疫保護性が欠けるため、実際の応用価値はない。トキソプラズマの急増虫体が紫外線、放射線及び化学試薬などにより処理して毒力が減少することにより、より強い免疫応答を誘導でき、Ts-4、T-263とS48が例として挙げられる。しかし、弱毒化活性ワクチンには弱毒化不十分や毒力回復などの危険があるため、弱毒化活性ワクチンは広く使用されない。本発明の遺伝子工学ワクチンは、トキソプラズマ抗原遺伝子を高効率的発現ベクターにおいて発現させることにより、精製された単一の抗原が大量に得られる。その利点は免疫原性がよく、生物安全性が高く、免疫刺激性が弱いことである。上記の内容をまとめてわかるように、遺伝子工学ワクチンがトキソプラズマワクチン発展の希望であり、さらなる開発応用価値がある。
【0004】
トキソプラズマの成長は五つの段階に分けられ、即ち栄養体、被嚢、分裂体、生殖母体及び胞嚢体である。前二つの段階が中間宿主内において行い、後ろ三つの段階が終宿主、つまりネコ科動物の腸管と体表において行う。虫体の成長過程では、ネコ科動物が成熟した胞嚢体、またはトキソプラズマの胞嚢体を含む動物組織を食べて、胞嚢体内の胞子虫体または胞嚢体内の栄養体が体の消化管に侵入し、徐々に腸管上皮細胞に移動し、細胞内においてコクシジウム型の成長と繁殖を行う。
【0005】
胞子化の胞嚢体を食べること、または胞嚢体及び栄養体を含む肉や内臓などを食べることにより、感染が引き起こされることは、犬がトキソプラズマ病に罹患する主な原因である。これ以外に、怪我した皮膚、気道、目、及び胎盤などの経路によっても感染し得る。病犬は、一歳以内の子犬や青年犬が多い。妊娠している雌犬はトキソプラズマ病に感染すると、流産、早産を引き起こし、成年犬は不顕性または一過性感染の方が多く、死亡する病例が報告されることもある。また、当該病気の発生は、犬のスカトロジーの悪い癖、またはネズミ類を捕食することなどに関連する。犬が猫から排出した胞嚢体を食べた後、中の胞子虫体がリンパ液と血液を通じて腸管組織以外の細胞に侵入し、二重芽の方式で繁殖し、急増虫体が大量に産生する。当該時期が急性感染期である。体から免疫力が生じる場合、急増虫体が緩増虫体になり、被嚢を形成して、脳、目、骨格筋及び心臓に長時間生存でき、当該時期が慢性感染期である。犬が免疫力と抵抗力を形成できない場合、かつトキソプラズマがかなり強い毒性を有する場合は、体が急性的に発病することに至る可能性がある。逆に、トキソプラズマの繁殖が阻害される場合、軽度の発病または何の臨床症状も出ない可能性もある。
【0006】
シクロフィリン(cyclophilin、CyP)は原核と真核生物体内に広く存在する胞容性タンパク質であり、構造上高度の保存性を有する。現在、CyPは、単包条虫(Taenia echinococcus)、マレー糸状虫(Filaria malayi)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmondium falciparum)、ネオスポラ・カニナム(Neospora caninum)、日本住血吸虫(Schistosomiasis japonica)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、及びニワトリ盲腸コクシジウム(Eimeria tenella)などの寄生虫に存在する。
【発明の概要】
【0007】
現在の課題に対して、本発明は、犬トキソプラズマの感染を予防する組換えサブユニット不活性化ワクチン及びその応用を提供し、遺伝子工学技術を用いて、トキソプラズマcyclophilin遺伝子をクローン及び改造し、改造されたcyclophilin遺伝子を工学菌に転換し、誘導後組換え抗原を高効率の発現が得られ、組換え抗原の特異性と免疫原性について生理的研究を行い、良好な免疫原性を表現する。
【0008】
本発明の第一の目的は、SEQ ID 2に記載のアミノ酸配列により構成されるトキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質を提供することである。当該配列の由来は以下の通りである。タンパク質の空間構造及び疎水性をcyclophilinタンパク質のアミノ酸配列に対して改造するとともに、コード至適化ウェブサイトであるhttp://www.encorbio.com/protocols/Codon.htmを用いて、改造後のアミノ酸配列をコード至適化することにより、大腸菌内により高効率に発現させる。
【0009】
上記の技術課題を解決するために、本発明が採用する技術案は以下の通りである。
【0010】
cyclophilin変異体タンパク質であり、SEQ ID 2に記載のアミノ酸配列により構成される、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質。
【0011】
SEQ ID 2に記載の前記アミノ酸配列を代替、削除、または置換して得られるタンパク質変異体である、前記のトキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質。
【0012】
SEQ ID 2に記載の前記アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列により構成されるタンパク質である、前記のトキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質。
【0013】
SEQ ID 2に記載の前記アミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列により構成されるタンパク質である、前記のトキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質。
【0014】
前記SEQ ID 1またはその変異体と対応する核酸をダイジェストしてベクターと接続して、原核または真核細胞中に転換または導入して発現させる、上記タンパク質を作製する方法。
【0015】
(1)関連遺伝子を発現ベクタープラスミドにクローンして、組換え発現ベクターが得られるステップと、
(2)前記組換え発現ベクターを大腸菌に転換して、遺伝子工学菌が得られるステップと、
(3)前記遺伝子工学菌を発酵培養して、cyclophilin変異体タンパク質を発現するステップと、
(4)遺伝子工学菌の菌体を破砕した上清液を回収して、トキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質を分離精製するステップと、を備える、上記cyclophilin変異体タンパク質を作製する方法。
【0016】
上記の方法において、ステップ(2)のベクターがPET-28aであり、大腸菌がBL21(DE3)である。
【0017】
上記の方法において、ステップ(2)の組換え遺伝子工学菌がDH5α/pET28a-18Cである。
【0018】
上記の方法において、ステップ(3)の遺伝子工学菌がトキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質を構成的発現の形式により発現する。
【0019】
上記の方法において、ステップ(3)における組換えトキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質が下記三種のポリペプチドの任意一種である、
1)配列表におけるSEQ ID NO2の配列を有するポリペプチド、
2)1)と少なくとも80%の相同性を有するポリペプチド。
【0020】
トキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質が犬トキソプラズマの感染のサブユニット不活性化ワクチンの作製においての応用。
【0021】
トキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質がヒトトキソプラズマのワクチンの作製においての応用、猫トキソプラズマワクチンの作製においての応用。
【0022】
SEQ ID 2に記載のアミノ酸配列をコードする核酸であり、SEQ ID 1に記載の核酸配列を有する、トキソプラズマに対する免疫原性を有するタンパク質をコードできる核酸。
【0023】
請求項1の前記アミノ酸配列及びその変異体、または請求項4の前記ヌクレオチド配列及びその至適化配列、及び医学上に許容されるベクターを含む、トキソプラズマのサブユニット不活性化ワクチンを提供する。
【0024】
請求項1の前記アミノ酸配列及びその変異体、または請求項4の前記ヌクレオチド配列及びその至適化配列、及び医学上に許容されるベクターを含む犬トキソプラズマの感染を予防する薬剤の作製においてトキソプラズマのサブユニット不活性化ワクチンの応用も提供する。
【0025】
前記サブユニット不活性化ワクチンがトキソプラズマ抗原を請求項12の前記発現ベクターに接続し、原核発現工学菌に転換して、高効率の発現を誘導して、精製することにより得られるタンパク質が可溶性タンパク質で、ワクチン佐剤を添加することにより作製される、前記サブユニット不活性化ワクチンを作製する方法。好ましいワクチン佐剤はMF59佐剤またはSeppic社の206佐剤により作製される。
【0026】
前記犬トキソプラズマ病を予防するワクチンにおいて、タンパク質の濃度が少なくとも10μg/ml~300μg/mlである。
【0027】
好ましくは、上記犬トキソプラズマ病を予防するワクチンにおいてのタンパク質の濃度が100μg/mlである。
【0028】
上記原核発現工学菌がBL21(DE3),BLR(DE3)pLysS、OrigamiB(DE3)、C41(DE3)pLysS、C41(DE3)、BL21、AD494、BL21-SI、BL21 trxB(DE3)pLysS、BL21 trxB(DE3)、Origami 2(DE3)pLysS、B834(DE3)pLysS、Rosetta-gami B(DE3)、Rosetta-gami B(DE3)pLysS、Rosetta-gami(DE3)pLysS、NovaBlue T1、Tuner(DE3)pLacI、Tuner(DE3)pLysS、Tuner(DE3)、Tuner、RosettaBlue(DE3)pLysS、RosettaBlue(DE3)pLacI、RosettaBlue(DE3)、RosettaBlue、Rosetta-gami B(DE3)pLacI、Rosetta-gami B、Rosetta-gami2(DE3)pLacI、Rosetta-gami 2、Rosetta-gami(DE3)pLacI、Rosetta-gami、Rosetta2(DE3)pLacI、Rosetta2(DE3)、Rosetta 2、Origami 2(DE3)pLacI、Rosetta(DE3)pLacI、Rosetta、OrigamiB(DE3)pLacI、OrigamiB(DE3)pLysS、Origami B、Origami 2、Origami(DE3)pLacI、Origami(DE3)pLysS、Origami、BL21(DE3)pLacI、BLR、B834(DE3)、BLR(DE3)、DH10MultiBac、ER2738、ET12567(pUZ8002)、BL21-AI、BJ5183、Rosetta-gami 2(DE3)pLysS、Rosetta-gami 2(DE3)、Rosetta-gami(DE3)、BL21(DE3)pLySs、Rosetta 2(DE3)pLySs、Rosetta(DE3)pLySs、Rosetta(DE3)、Origami(DE3)、Origami 2(DE3)、BL21-Gold(DE3)、M15[pREP4]、Sure、BL21 Star(DE3)pLySs、BL21 Star(DE3)、及び上記任意の工学菌に基づいて改造される工学菌である。
【0029】
前記SEQ ID 1またはその変異体と対応する核酸及び生物学ベクターを含む宿主細胞。
【0030】
本発明の第二の目的は、ベクターを提供することであり、前記ベクターはヌクレオチド配列SEQ ID 1を含み、前記ベクターはpET-28a、pMAL-p5x、pET-42b(+)、pCold-GST、pTrcHis A、pGEX-KG、pET-28b(+)、pBAD102/D-TOPO、pAmCyan、ptdTomato、pCS105、pET101/D-TOPO、pET-24a(+)、pET-24c(+)、pET-24d(+)、pET-27b(+)、pET-25b(+)、pET-28c(+)、pET-29a(+)、pET-29b(+)、pET-29c(+)、pET-30b(+)、pET-30c(+)、pET-30 Xa/LIC、pET-30 EK/LIC、pET-31b(+)、pET-32b(+)、pET-32c(+)、pET-32 EK/LIC、pET-32 Xa/LIC、pET-33b(+)、pET-39b(+)、pET-40b(+)、pET-41a(+)、pET-41b(+)、pET-42c(+)、pET-43.1a(+)、pET-43.1b(+)、pET-43.1c(+)、pET-43.1 EK/LIC、pET-43.1 EK/LIC、pET-44a(+)、pET-44b(+)、pET-44c(+)、pET-44 EK/LIC、pET-45b(+)、pET-46 EK/LIC、pET-47b(+)、pET-48b(+)、pET-49b(+)、pETDuet-1、pET-37b(+)、pET-5b(+)、pET-51b(+)、pET-52b(+)、pBV220、pkk232-8、pET-15b、pQE-16、pCold IV、pQE-70、pSUMO、pET-SUMO、pDsRed-Express2、pColdS-SUMO、pCold TF、pCold III、pCold II、pCold I、pE-SUMO、pCold-ProS2、pBAD202/D-TOPO、pACYC184、pBAD/Thio-TOPO、pBad/Myc-His C、pBad/Myc-His B、pBad/Myc-His A、pBad/His C、pBad/His B、pBad/His A、pBAD-TOPO、pET-23b(+)、pET-23a(+)、pET-23c(+)、pET-23(+)、pET-12b(+)、pET-12c(+)、pET-12a(+)、pET-11b(+)、pET-11a(+)、ET-11c(+)、pBad24、pQE-81L、pQE-32、pQE-9、pQE-31、pQE-60、pQE-40、pET-50b(+)、pET-26b(+)、pET-32a(+)、pET-21b(+)、pET-22b(+)、pET-14b、pET-16b、pET-19b、pET-20b(+)、pET-21d(+)、pET-21c(+)、pET-21b(+)、pET-21a(+)、pET-30a(+)、pGEX-4T-3、pGEX-5X-2、pG-KJE8、pGro7、pCDFDuet-1、pTf16、pEZZ18、pBAD18、pMAL-c5x、pMal-p2E、pMal-p2X、pET-41 EK/LIC、pMal-c4X、pTrcHis B、pET-3b(+)、pGEX-3X、pGEX-4T-2、pGEX-4T-1、pTrc99a、pET-His、pALEX a,b,c、pACYC177、pKD4、pKD20、pMXB10、pKJE7、pRSET B、pGEX-2T、pRSFDuet-1、pCOLADuet-1、pET-3a(+)、pGEX-6P-3、pGEX-6P-2、pGEX-6P-1、pGEX-5X-3、pGEX-5X-1、pGEX-2TK、pRSET A、pMal-c2G、pMal-c2E、pMal-c2X、pRSET C、及び上記任意のベクターを基づいて改造されるベクターである。好ましい発現ベクターは、pET-28aベクターである。
【0031】
本発明の第三の目的は、可溶性融合タンパク質を提供することであり、前記可溶性融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.2、及びその変異体を含む。
【0032】
好ましくは、前記可溶性融合タンパク質はトキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質、及びヒスチジン精製ラベルを含み、トキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質をコードするDNAの配列はSEQ ID NO.1から選ばれ、精製ラベルのアミノ酸配列はSEQ ID NO.3である。
【0033】
好ましくは、可溶性融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.2である。
【0034】
本発明の第三の目的は、宿主細胞を提供することであり、上記または請求項1に記載のヌクレオチド配列を用いて転換または導入されたベクターを含む。
【0035】
本発明の第四の目的は、可溶性融合タンパク質を作製する方法を提供することであり、宿主細胞を通じて可溶性融合タンパク質を発現させ、分離することを含む。
【0036】
本発明の第五の目的は、ワクチンを提供し、SEQ ID 2中のヌクレオチド配列、及び医学上に許容されるベクターを含む。
【0037】
ワクチンが好ましく、トキソプラズマ抗原をダブルダイジェストして、pET28a発現ベクターと接続して、BL21(DE3)工学菌に転換し、高効率の発現を誘導して、精製することにより得られるタンパク質が可溶性タンパク質で、MF59佐剤またはSeppic社の206佐剤により作製される。ワクチンが特有の免疫原性を保持し、工業的生産に適する。
【0038】
本発明の利点は以下の通りである。トキソプラズマに対する有効である抗原遺伝子を選択してサブユニット不活性化ワクチンの研究を行う。当該抗原により作製されたサブユニット不活性化ワクチンがより強く細胞免疫及び体液性免疫効果を有し、体の先天性免疫応答を誘導でき、各細胞炎症性因子を分泌することにより、犬トキソプラズマ病を有効に予防できる。本発明がcyclophilinタンパク質の配列を至適化し、原核細胞である大腸菌においての発現量は至適化する前の2倍になる。本発明により提供されるワクチンは工学菌種において作製でき、ワクチン佐剤をさらに添加することにより作製される。ワクチンが特有の免疫原性を保持し、工業的生産に適する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】SEQ ID 2の遺伝子ORF増幅結果である。図面において、M、DL2000 marker;C18、目的遺伝子断片。
【0040】
図2】トキソプラズマcyclophilinタンパク質とトキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質のSDS-PAGE結果である。図面において、M、タンパク質marker;r1、トキソプラズマcyclophilinタンパク質の可溶性発現;r2、トキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質の可溶性発現。
【0041】
図3】トキソプラズマcyclophilin組換え変異体発現タンパク質を精製後のSDS-PAGE結果である。図面において、M、タンパク質marker;r、組換えcyclophilin変異体タンパク質。
【0042】
図4】Western-blotにより体外発現組換えタンパク質の特異性を鑑定する結果である。図面において、M、タンパク質marker;r、組換えcyclophilin変異体タンパク質。
【0043】
図5】トキソプラズマcyclophilin組換え変異体タンパク質でマウスRAW264.7細胞を活性化して産生するTNF-αレベルである。
【0044】
図6】トキソプラズマcyclophilin組換え変異体タンパク質でマウス樹状細胞を活性化して産生するIL-12レベルである。
【0045】
図7】トキソプラズマcyclophilin組換え変異体タンパク質ワクチンを注射するマウスから産生する抗体のタイター図である。
【0046】
図8】マウス抗トキソプラズマの感染に対するトキソプラズマcyclophilin組換え変異体タンパク質ワクチンの保護作用である。
【0047】
図9】トキソプラズマcyclophilin組換え変異体タンパク質ワクチンを注射した犬から産生する抗体のタイター図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、実施例と結合して、本発明の技術案について具体的に説明する。説明する実施例は本発明の一部であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、本分野の普通の技術者が進歩性を有する労働をしない限り得られた全ての他の実施例が、本発明の保護範囲に属する。
【0049】
実施例1:トキソプラズマ組換えcyclophilin変異体タンパク質原核発現ベクターの構築
【0050】
核酸配列SEQ ID NO.1に基づいて遺伝子を人工合成するとともに、原核発現ベクターpET28aの物理地図に基づいてプライマーを設計し、制限部位に導入する。
フォワードプライマー:ATGGAATTC ATGGAAAACGCGGGCGTGCGCAAA
リバースプライマー:AAGCTT TTCTTTTTTGCCAATATCGGTAA
【0051】
人工合成によって、SEQ ID NO.1遺伝子配列を合成し、上記プライマーに基づいて大量増幅させて、PCR精製産物をpMD-18-Tにクローンし、陽性クローン菌をダイジェスト及び配列同定される。陽性プラスミドをEcoRIとHind IIIによりダブルダイジェストした後、精製した目的断片を原核発現ベクターpET28aに接続する。接続産物をE.coli DH5αの受容性細胞に転換して、組換えプラスミドをスクリーニングする。EcoRIとHind IIIによりダブルダイジェスト反応を用いて鑑定して、原核発現プラスミドpET28a-C18を獲得する。pET28a-C18をBL21(DE3)工学菌に転換して、シングルコロニーをピックアウトし、5ml LBの液体培地(100μg/mlカナマイシンを含有)に播種して、37℃、220rpmで一晩震盪培養する。cyclophilin変異体ORF増幅結果を図1に参照する。
【0052】
実施例2:発現タンパク質の精製
【0053】
(1)発現タンパク質の抽出と可溶性の検証
【0054】
選択された組換えプラスミドpET-28a(+)-C18が転換されたE.coli BL21(DE3)シングルコロニーを5ml LBの液体培地に播種して、37℃で一晩震盪培養する。翌日に種培養液を800mL LBの液体培地に転移して、37℃で増殖させる。菌液のOD600が0.6~0.7になるまで観察する。最適条件下において発現を誘導する。遠心して、菌体を収集し、20mLPBSを用いて懸濁し、凍結溶解(-80℃、1h/37℃、10min)を5回繰り返してから、超音波処理を行う。遠心した上清が可溶性タンパク質(活性を有するタンパク質)である。沈殿物を10mLの変性緩衝液で懸濁し、室温で1時間震盪する。遠心した上清が非可溶性タンパク質(変性タンパク質)である。上記二種類のタンパク質をSDS-PAGE検測を行って、目的タンパク質の可溶性を検証する。目的タンパク質が主に可溶性タンパク質の上清にある場合、可溶性発現であると説明する。目的タンパク質の大部分が非可溶性タンパク質の上清液にある場合、封入体形式の発現であると説明する。その結果、改造されたトキソプラズマcyclophilin変異体タンパク質が可溶性発現であり、その発現量が120mg/Lで、未変異改造されたトキソプラズマcyclophilinタンパク質が可溶性発現であり(作製方法が下記文献と同じ、トキソプラズマシクロフィリンタンパク質遺伝子のクローン及び原核発現、李運娜、2010年)、その発現量が60mg/Lで、その結果を図2に参照する。
【0055】
(2)融合発現タンパク質の精製
【0056】
ニッケルカラムをA液(PBS)で平衡化して安定させ、A液でシステムを洗い、流速20mL/minで、2minで洗う。平衡化したニッケルカラムをサンプルインターフェースに接続して、流速1mL/minでサンプルを流すと、目的タンパク質がカラムに残る。流し終わった後、目的タンパク質が残るニッケルカラムを溶出インターフェースに接続する。まずA液でニッケルカラムを平衡化して、流速1mL/minで未結合の不純タンパク質を洗う。流速を保持して、勾配洗浄条件を設定する。B液(PBS、1Mイミダゾールを含有)の濃度は10%であり、即ちイミダゾールの濃度は100mM、時間は30minで、非特異性吸着不純タンパク質を洗う。流速を保持して、洗浄条件を設定する。B液の濃度が30%で、即ちイミダゾールの濃度が300mM、時間が120minで、目的タンパク質を洗い、収集した目的タンパク質をSDS-PAGEして、純度を観察する。その結果を図3に参照する。Western-blotを用いて対外発現組み換え変異体タンパク質変異性の検定結果を図4に参照する。
【0057】
実施例3:発現産物によるマウスマクロファージ免疫原性の検測
【0058】
RAW264.7細胞を0.5×106/mLになるように24ウェル培養板に播種し、各ウェルに0.5mLを添加し、5% CO2、37℃で24h培養する。上清を吸って、作製されたトキソプラズマ組換えcyclophilin変異体タンパク質をRAW264.7細胞培養液に溶解する。各ウェルに1μg/mL、0.1μg/mL、0.01μg/mLの濃度で0.5mL/ウェルを24ウェル板に添加し、同体積のPBSを陰性対照とする。細胞培養板を5% CO2、37℃のインキュベーターに48h培養する。上清液を収集して、ELISA実験でTNF-aレベルを検測する。その結果から分かるように、TNF-aの産生がタンパク質の濃度の上昇により増加する、範囲が40pg-310pg以内で等しくない、その結果を図5に参照する。当該結果から分かるように、トキソプラズマ組換えcyclophilin変異体タンパク質がRAW264.7細胞を活性化して、TNF-aを産生させる。
【0059】
実施例4:発現産物によるマウス樹状細胞免疫原性の検測
【0060】
マウス樹状細胞を分離し、細胞濃度を0.5×106個/mLになるように調整して、24ウェル組織細胞培養板に播種し、各ウェルに0.5mLを播種する。処理したトキソプラズマ組換えcyclophilin変異体タンパク質を各ウェルに100μg/mL、50μg/mL、10μg/mL、1μg/mL、0.1μg/mL、0.01μg/mLの濃度で培養板に添加して、各ウェルに0.5mLを添加する。細胞培養板を5% CO2、37℃のインキュベーターに24h培養して、培養上清液を収集し、ELISA実験で上清液中のIL-12レベルを検測する。その結果から分かるように、各群から産生されたIL-12がタンパク質依存性を表し、即ち、タンパク質の濃度の上昇により増加する、その結果を図6に参照する。当該結果から分かるように、トキソプラズマ組換えcyclophilin変異体タンパク質がマウス樹状細胞を活性化して、大量のIL-12を産生させる。
【0061】
実施例5:トキソプラズマ組換えサブユニットワクチンによるマウス免疫ウィルス攻撃保護実験
【0062】
125匹の8~10週齢の雌SPF級のBALB/cマウスを5群に分けて、各群25匹である。第一群がcyclophilin実験群I(佐剤がMF59で、30μg/匹、皮下注射)であり、第二群がcyclophilin実験群II(佐剤が206で、30μg/匹、皮下注射)であり、第3群が陰性対照群I(体積相当量のPBS、佐剤がMF59で、皮下注射)であり、第4群が陰性対照群II(体積相当量のPBS、佐剤が206で、皮下注射)であり、第5群が空白対照群(体積相当量のPBS、皮下注射)である。各群三回注射して、間隔が二週間である。毎週に抗体のタイターを検測する。第三回の免疫注射の一週間後に、精製したトキソプラズマ栄養体103個/匹を腹内注射して、マウスの状況を毎日観察して記録する。
【0063】
抗体結果から、一回免疫後の三週間の抗体レベルが素早く増加し、6週目において頂点に達することがわかり、ワクチン抗体タイターを図7に参照する。
【0064】
免疫保護性試験の結果から、陰性対照群及び空白対照群より、実験群の免疫生存率が明らかに高く、かつMF59佐剤ワクチン群の効果が206佐剤ワクチン群と対照群の効果より良いことがわかる(図8に参照する)。
【0065】
実施例6:トキソプラズマ組換えサブユニットワクチンによる犬免疫ウィルス攻撃保護実験
【0066】
病原のない(寄生虫病、ウィルス病、細菌伝染病のないことを含む)実験犬(ビークル犬、性成熟した雌犬)20匹、特にトキソプラズマ、ネオスポラカニナム、犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、バルウィルスなどの伝染性病原がない。実験動物を2群に分けて、第1群がcyclophilin実験群(佐剤がMF59で、300μg/匹、皮下注射)、全部で犬15匹である。第2群が空白対照群で(体積相当量のPBS、皮下注射)、全部で犬5匹である。各群を三回注射して、間隔が二週間である。毎週抗体のタイターを検測する。第三回の免疫注射後一週間後に、精製したトキソプラズマ栄養体104個/匹を腹内注射する。30日後、各犬を解剖して、脳、心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓、リンパ節、咬筋、舌の筋肉、腹筋組織のトキソプラズマの感染状況をPCRで検測する。任意の組織のPCR結果が陽性の場合、当該犬がトキソプラズマ感染と判定される。全部の組織のPCR結果が陰性の場合、トキソプラズマ保護と判定される。
【0067】
抗体結果から免疫群の一回免疫後の抗体レベルが増高し続けることが分かる、ワクチンの抗体タイターを図9に参照する。
【0068】
ウィルス攻撃後の結果から、対照群の犬がすべてトキソプラズマ感染と判定され、免疫群の15匹の犬の中の13匹がトキソプラズマ保護、2匹がトキソプラズマ感染と判定され、保護率が86%である。
【0069】
上記の実験結果をまとめると、本発明により提供されたトキソプラズマサブユニット不活性化ワクチンは、犬トキソプラズマに対する免疫保護率が高く、犬トキソプラズマ病の予防と治療の候補ワクチンに用いられる。
【0070】
上記の各実施例を使用して本発明の技術案を説明したが、それらの説明は、制限ではなく例示であることに留意すべきである。当業者は、本発明の明細書をもとに各実施例に記載された技術案を補正し、または、一部の技術特徴に対して均等置換を行ってもよい。このような補正及び代用実施例が本発明の実際の保護範囲内に含むことができる。これらの補正や置換による技術案の要旨は、本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
0007008165000001.app