(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】サーバシステム、サーバシステムによって実行される方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/52 20220101AFI20220118BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220118BHJP
【FI】
H04L67/52
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2017149357
(22)【出願日】2017-08-01
【審査請求日】2020-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社冲セキが平成29年7月10日~31日の間に公開した、「お墓マイル」と題するA4サイズのチラシ」及び「お墓マイル」と題するA3サイズのパンフレット
(73)【特許権者】
【識別番号】502406085
【氏名又は名称】株式会社冲セキ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134371
【氏名又は名称】中塚 隆志
(72)【発明者】
【氏名】緑間 浩市
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-134237(JP,A)
【文献】特開2017-067466(JP,A)
【文献】特開2015-068828(JP,A)
【文献】特開2015-040758(JP,A)
【文献】特開2004-295198(JP,A)
【文献】小林 祐貴,地図情報と航空写真を併用した案内地図作成サービス,情報処理学会研究報告 Vol.2008 No.91,日本,2008年09月18日,83-88
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/12
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有するモバイル端末とネットワークを介して通信するサーバシステムであって、
故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部と、
前記モバイル端末から、前記故人の墓を目的地とするルート案内のリクエスト及び前記モバイル端末の位置情報を受信する受信部と、
前記リクエストに応答して、前記モバイル端末の現在位置から前記故人の墓までの
ルート案内を提供する際、
前記モバイル端末が前記故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のル ート案内を前記表示部に表示させる情報を前記モバイル端末に送信する一方、前記モバ イル端末が前記故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルー ト案内を前記表示部に表示させる情報を前記モバイル端末に送信する送信部と、
を備えた、サーバシステム。
【請求項2】
前記墓情報は、前記故人の墓の写真も含んでおり、
前記送信部は、前記モバイル端末が前記所定範囲内に近づいた場合、前記航空写真上のルート案内を表示させる前に、前記墓の写真を含む情報ウィンドウを前記表示部に表示させる、請求項1に記載のサーバシステム。
【請求項3】
前記情報ウィンドウは、今後のルート案内が前記地図上のものから前記航空写真上のものに切り替わる旨の表示を含んでいる、請求項2に記載のサーバシステム。
【請求項4】
前記送信部は、前記情報ウィンドウが閉じられた後、前記表示部に前記航空写真上のルート案内を表示させる、請求項2又は3に記載のサーバシステム。
【請求項5】
前記送信部は、前記表示部の第1の表示領域に前記航空写真上のルート案内を表示させながら、前記表示部の第2の表示領域に前記墓の写真を表示させる、請求項4に記載のサーバシステム。
【請求項6】
前記送信部は、前記表示部の前記第1の表示領域に前記航空写真上のルート案内を表示させながら、前記表示部の第3の表示領域に前記墓までの距離及び方向の少なくとも一つを表示させる、請求項5に記載のサーバシステム。
【請求項7】
前記受信部は、少なくとも車及び徒歩を含む、前記故人の墓への複数の移動モードの中から前記モバイル端末において選択された移動モードを受信し、
前記送信部は、選択された移動モードに応じて前記所定範囲の大きさを変更する、請求項1から6のいずれか一項に記載のサーバシステム。
【請求項8】
前記送信部は、前記故人の墓の位置を示す第1の指標と、前記墓の周辺にある参照箇所の位置を示す第2の指標とを、前記航空写真上のルート案内に重ねるように前記表示部に表示させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のサーバシステム。
【請求項9】
前記表示部において前記第2の指標に対する操作がなされたことに応答して、
前記送信部は、前記参照箇所に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項8に記載のサーバシステム。
【請求項10】
表示部を有するモバイル端末とネットワークを介して通信するサーバシステムにおいて実行される方法であって、
故人の墓の位置を含む墓情報を記憶するステップと、
前記モバイル端末から、前記故人の墓を目的地とするルート案内のリクエスト及び前記モバイル端末の位置情報を受信するステップと、
前記リクエストに応答して、前記モバイル端末の現在位置から前記故人の墓までの
ルート案内を提供する際、
前記モバイル端末が前記故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のル ート案内を前記表示部に表示させる情報を送信する一方、前記モバイル端末が前記故人 の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルート案内を前記表示部 に表示させる情報を送信するステップと、を含む、サーバシステムにおいて実行される 方法。
【請求項11】
故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部を有するサーバシステムとネットワークを介して通信するモバイル端末において実行されるプログラムであって、
前記モバイル端末を、
前記故人の墓を目的地とするルート案内のリクエストを受け付ける手段、
前記リクエスト及び前記モバイル端末の位置情報を前記サーバシステムに送信する手段、
前記リクエストに応答した前記サーバシステムより
提供される、前記モバイル端末の現在位置から前記故人の墓までのルート案内を受信する手段、及び
受信したルート案内を前記モバイル端末の表示部に表示させる手段であって、前記モバイル端末が前記故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には地図上のルート案内を表示させる一方、前記モバイル端末が前記故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には航空写真上のルート案内を表示させる手段、
として機能させるプログラム。
【請求項12】
前記墓情報は、前記故人の墓の写真も含んでおり、
前記表示させる手段は、前記モバイル端末が前記所定範囲内に近づいた場合、前記航空写真上のルート案内を表示させる前に、前記墓の写真を含む情報ウィンドウを前記表示部に表示させる、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記情報ウィンドウは、今後のルート案内が前記地図上のものから前記航空写真上のものに切り替わる旨の表示を含んでいる、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示させる手段は、前記情報ウィンドウが閉じられた後、前記表示部に前記航空写真上のルート案内を表示させる、請求項12又は13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示させる手段は、前記表示部の第1の表示領域に前記航空写真上のルート案内を表示させながら、前記表示部の第2の表示領域に前記墓の写真を表示させる、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記表示させる手段は、前記表示部の前記第1の表示領域に前記航空写真上のルート案内を表示させながら、前記表示部の第3の表示領域に前記墓までの距離及び方向の少なくとも一つを表示させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示させる手段は、前記故人の墓の位置を示す第1の指標と、前記墓の周辺にある参照箇所の位置を示す第2の指標とを、前記航空写真上のルート案内に重ねるように前記表示部に表示させる、請求項11から16のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記表示部において前記第2の指標に対する操作がなされたことに応答して、
前記表示させる手段は、前記参照箇所に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項17に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を有するモバイル端末とネットワークを介して通信するサーバシステムの技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
親族や知人から、故人の墓の場所を尋ねられた際、それを伝えるのが大変なことがある。この一番の大きな理由は、墓に住所がないからである。例えば、墓が霊園内にある場合、墓の場所を尋ねた人に霊園の名称や住所を伝えることはできるものの、霊園内のどこに墓があるのかを説明するのは大変である。霊園によっては、個々の墓に区画・番号が割り振られてはいるものの、墓の場所を尋ねられた人が、墓の区画・番号の情報だけを教えるのでは不十分と感じることがあるし、また、尋ねた人も、そのような情報だけで墓にたどり着けるのかを不安に感じることがある。
【0003】
なお、墓の場所において、その故人の情報をARで見たり聞いたりすることができるものは知られている(参照:特許文献1)。しかし、この特許文献には、墓の場所を伝える仕組みについては開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートフォンなど、近年のモバイル端末はGPSセンサやカメラを搭載しており、そのカメラで撮影すると、撮影場所の位置データ(経度・緯度の情報)を写真データに含めることが可能となっている。このような写真データを墓の場所を尋ねた人に送れば、尋ねた人は、インターネットを通して提供されている地図(例えばGoogleマップ)の機能を使うことで墓の場所を知ることができる。また、写真データではなく、Googleマップ等において墓の場所を位置登録しておけば、尋ねた人に対して、同様に墓の位置情報を送ることもできる。しかし、尋ねた人が必ずしもそのような機能を十分に使いこなせるわけではない。また、写真データや位置情報の提供者にとっても、尋ねられるたびに都度対応せざるを得ず、これは大変な手間である。
【0006】
他方、上記のインターネット上の地図機能を使いこなせる場合であっても、住所地がない墓にたどり着くのはやはり大変である。例えば、モバイル端末でインターネット上の地図を表示し、墓の場所(写真データに含まれる位置データ)を目的地としたルート案内をした場合、目的地周辺にはたどり着けるものの、目的地にはたどり着けない可能性がある。とりわけ、GPSセンサによって計測された位置データには誤差があり、その大きさによっては、目的地周辺までのルート案内で終了してしまう可能性がある。目的地周辺には同じような種類の墓が並んでいることが多いため、地図上のルート案内が目的地周辺で終了した場合、そこから目的地の墓を探すのは大変である。
【0007】
本発明は、墓の場所を簡単に伝えることができ、かつ、そこへ適切に案内することができるサーバシステムの技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るサーバシステムは、表示部を有するモバイル端末とネットワークを介して通信するサーバシステムであって、故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部と、モバイル端末から、故人の墓を目的地とするルート案内のリクエスト及びモバイル端末の位置情報を受信する受信部と、リクエストに応答して、モバイル端末の現在位置から故人の墓までのルートを案内する際、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のルート案内を表示部に表示させる情報をモバイル端末に送信する一方、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルート案内を表示部に表示させる情報をモバイル端末に送信する送信部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るサーバシステムによって実行される方法は、表示部を有するモバイル端末とネットワークを介して通信するサーバシステムにおいて実行される方法であって、故人の墓の位置を含む墓情報を記憶するステップと、モバイル端末から、故人の墓を目的地とするルート案内のリクエスト及びモバイル端末の位置情報を受信するステップと、リクエストに応答して、モバイル端末の現在位置から故人の墓までのルートを案内する際、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のルート案内を表示部に表示させる情報を送信する一方、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルート案内を表示部に表示させる情報を送信するステップと、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部を有するサーバシステムとネットワークを介して通信するモバイル端末において実行されるプログラムであって、モバイル端末を、
故人の墓を目的地とするルート案内のリクエストを受け付ける手段、
リクエスト及びモバイル端末の位置情報をサーバシステムに送信する手段、
リクエストに応答したサーバシステムより、モバイル端末の現在位置から故人の墓までのルート案内を受信する手段、及び
受信したルート案内をモバイル端末の表示部に表示させる手段であって、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には地図上のルート案内を表示させる一方、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には航空写真上のルート案内を表示させる手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、墓の場所を簡単に伝えることができ、かつ、そこへ適切に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るサーバシステム及びモバイル端末を含む情報処理システムの概略図である。
【
図2】
図1のモバイル端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のサーバシステムのうち、墓情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図1の情報処理システムにおけるシーケンス図である。
【
図6A-I】
図1のモバイル端末に表示される画面例を示す図である。
【
図7A-B】
図1のモバイル端末に表示される画面例の別の例を示す図である。
【
図8A-C】
図1のモバイル端末に表示される画面例のまた別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム100は、登録者のクライアント端末110、1以上の利用者C1、C2、…CN(以下、総称して「C」と付する。)のモバイル端末120-1、120-2、…120-N(以下、総称して「120」と付する。)及びサーバシステム130がネットワーク140に接続可能に構成されている。サーバシステム130は、クライアント端末110及びモバイル端末120に墓参り案内のサービスを提供する情報処理装置であり、一つ又は複数のコンピュータにより構成される。ネットワーク140は、LAN、WAN、有線あるいは無線のネットワーク、又は、インターネットなどで構成される。
【0015】
登録者のクライアント端末110は、表示画面を有するコミュニケーション装置又はコンピュータで構成することができ、例えば、デスクトップ型、ラップトップ型あるいはタブレット型のコンピュータ、PDA、携帯電話又はスマートフォンで構成される。クライアント端末110は、サーバシステム130が提供する墓参り案内のサービスを利用するためのソフトウェア(例えば、ウェブブラウザやアプリケーション115)を有している。クライアント端末110は、登録者が故人の墓情報を登録するのに使用するものである。登録された墓情報は、クライアント端末110がネットワーク140を介して通信することにより、サーバシステム130の所定のデータベースに記録される。故人の墓情報の登録者は、例えば、故人の墓を購入した者(遺族、友人等)や、故人の墓を売った者(小売店、石材店など)のほか、エージェント(葬儀業者、法事業者、霊園業者など)が務めることができる。
【0016】
利用者(C)のモバイル端末120は、GPS(Global Positioning System)機能、通信機能及び表示機能等を有するコンピュータで構成することができる。例えば、モバイル端末120は、携帯電話、スマートフォン、PDA又はタブレット型のコンピュータで構成される。一例を挙げると、モバイル端末120はiPhone(登録商標)ブランドのスマートフォンである。モバイル端末120は、サーバシステム130が提供する墓参り案内のサービスを利用するためのソフトウェア(例えばアプリケーション)を有している。モバイル端末120は、利用者(C)が故人の墓への道案内(ルート案内)をリクエストするのに使用される。モバイル端末120は、ネットワーク140を介してサーバシステム130と通信することにより、ルート案内のリクエストやモバイル端末120の位置情報をサーバシステム130に送信する。
【0017】
図2は、モバイル端末120のハードウェア構成を示すブロック図である。モバイル端末120は、通信インタフェース200、ユーザインタフェース210、演算処理部220、記憶部230、及びGPSデバイス240を備えている。通信インタフェース200は、移動体通信用アンテナ201及び無線アンテナ202を有している。モバイル端末120は、移動体通信用アンテナ201を通じてネットワーク140に接続され、サーバシステム130との間でデータ通信を行う。また、モバイル端末120は、無線アンテナ202を通じて例えばウエアラブルデバイスに接続され、ウエアラブルデバイスとの間でデータ通信を行う。無線アンテナ202は、例えば、Bluetooth(登録商標)や、NFCといった所定の規格に対応したものを用いることができる。
【0018】
ユーザインタフェース210は、タッチパネル211及びマイクロフォン212を有している。タッチパネル211は、表示装置及び入力装置の両方の機能を備える。タッチパネル211の表示機能は液晶などのディスプレイにより構成され、ディスプレイの画面上にルート案内等が表示される。タッチパネル211の入力機能は、タッチセンサにより構成され、ディスプレイの画面上でのユーザの指触操作(タップやスワイプなどの操作)を検知する。マイクロフォン212は、音声入力装置として機能する。その他、周知のように、ハードキーやボタン、スピーカーなどもユーザインタフェース210に含めることができる。
【0019】
演算処理部220は、1つ以上のプロセッサからなり、CPUやMPU等によって構成される。演算処理部220は、各種入力に基づいて、記憶部230に記憶されたプログラム、モジュール及び/又は命令を実行することで、種々の機能部を動作させる。このプログラム等は、例えばネットワーク140を介してダウンロードされることでモバイル端末120にインストールされる。演算処理部220は、種々の機能部として、入力受付部221、送信部222、受信部223及び表示制御部224を有している。入力受付部221は、ユーザインタフェース210を介して利用者(C)からの入力を受け付ける。例えば、入力受付部221は、タッチパネル211の操作により入力された墓へのルート案内のリクエストを受け付ける。送信部222は、通信インタフェース200を介してサーバシステム130に種々の情報を送信する。例えば、送信部222は、入力受付部221で受け付けたリクエストをモバイル端末120の位置情報とともに、移動体通信用アンテナ201を介してサーバシステム130に送信する。同様に、受信部223は、通信インタフェース200を介してサーバシステム130から種々の情報を受信する。例えば、受信部223は、通信インタフェース200を介してサーバシステム130から、モバイル端末120の現在位置から墓までのルート案内を受信する。表示制御部224は、例えば、サーバシステム130から受信した、ルート案内、墓までの距離、方向、墓の写真、墓の位置を示す指標、墓の周辺にある参照箇所を示す指標などの各種情報をタッチパネル211に表示させる。
【0020】
記憶部230は、ハードディスクドライブ、SSD、RAMなどの記憶装置によって構成され、演算処理部220における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。記憶部230は、不揮発性メモリを含むことができ、不揮発性メモリは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備える。また、記憶部230は、サーバシステム130が提供する墓参り案内のサービスを利用するためのソフトウェアを記憶する。記憶部230は、ユーザがユーザインタフェース210を介して入力した情報を記憶し、また、サーバシステム130から送信される各種情報を一時的に記憶する。
【0021】
GPSデバイス240は、モバイル端末120の位置を測定する位置測定システムであり、モバイル端末120の位置を示すGPSデータ(位置情報)を取得する。ユーザがモバイル端末120を保有して移動しているとき、モバイル端末120の位置はユーザの位置を反映したものとなる。GPSデバイス240は、取得したGPSデータを演算処理部220に出力する。なお、GPSが利用できない場合は、セルラ三角測量法を用いて位置が判断され得る。
【0022】
図3は、サーバシステム130のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバシステム130は、通信インタフェース310、演算処理部320及び記憶部330を備えている。通信インタフェース310は、サーバシステム130をネットワーク140に接続する。演算処理部320は、1つ以上のプロセッサからなり、CPUやMPU等によって構成される。演算処理部320は、各種入力に基づいて、記憶部330に記憶されたプログラム、モジュール及び/又は命令を実行することで、種々の機能部を動作させる。このプログラム等は、CD-ROMやUSBメモリなどの記憶媒体に記憶されるか、あるいはネットワーク140を介してダウンロードされることで、コンピュータにインストールされる。
【0023】
記憶部330は、ハードディスクドライブ、SSD、RAMなどの記憶装置によって構成され、演算処理部320における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記憶している。記憶部330は、不揮発性メモリを含むことができ、不揮発性メモリは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備える。また、記憶部330は、サーバシステム130において実行される墓参り案内サービスに係る方法を利用するためのソフトウェア(例えば、ウェブブラウザやアプリケーション)を記憶している。また、記憶部330は、墓情報DB331、登録者DB332及び利用者DB333を記憶している。
【0024】
墓情報DB331(墓情報記憶部)は、
図4に示すように、故人IDに対応付けて、故人の名前、墓の位置、墓の区画・番号、墓の写真及び参照箇所の情報が記憶されている。墓の位置とは、故人の墓の所在地であり、具体的にはその故人の墓が存在する経度及び緯度をいう。このような墓の位置(経度及び緯度)に関する情報は、例えばGPS機能及びカメラ機能付きのモバイル端末を用いて墓を撮影することで取得することが可能である。墓の区画・番号とは、例えば霊園が個々の墓の管理のために使用するものであり、霊園によって割り振られるものである。墓の写真は、その故人の墓を撮影したものであり、1つ以上の写真が記憶される。墓の写真は、霊園内における墓の写真とするとよい。参照箇所とは、墓の周辺にある参照物をいい、例えば霊園の管理事務所、霊園内の水汲み場、霊園の門、入口、出口などをいう。参照箇所は、霊園内又は霊園外のものとすることができ、例えば、大きな木、大きな道路、建物、店舗など、墓との位置関係(例えば参照箇所から見た墓の方位や距離)がわかるような目印となるものであればよい。記憶される参照箇所の情報としては、例えば、その参照箇所の名称、その説明(参照箇所そのものの説明や、参照箇所と墓との位置関係についての説明など)及び参照箇所の写真とすることができる。また、参照箇所の位置情報(経度及び緯度)についても、墓の位置情報と同様に、例えばGPS機能及びカメラ機能付きのモバイル端末を用いて撮影されることで取得され、墓情報DB331に記憶される。墓情報DB331に記憶される情報は、登録者がクライアント端末110を通じて入力し、登録される。
【0025】
登録者DB332は、登録者の固有の情報、例えば登録者の氏名又は名称のほか、登録者のアカウントにログインするためのID及びパスワードなどを記憶している。また、登録者DB332は、登録者に対応付けて、その登録者が登録した墓情報の故人IDを記憶している。利用者DB333は、利用者(C)の固有の情報、例えば利用者(C)の氏名又は名称のほか、利用者(C)のアカウントにログインするためのID及びパスワードなどを記憶している。利用者DB333は、利用者(C)に対応付けて、その利用者(C)が過去にアクセスした又は現在アクセス可能な故人の墓情報に関する故人IDを記憶している。すなわち、利用者DB333は、利用者(C)に対応付けて、その利用者(C)にルート案内を提供できる故人IDを記憶している。
【0026】
再び
図3に戻って説明するに、演算処理部320は、種々の機能部として、受信部321、判定部322及び送信部323を備えている。受信部321は、通信インタフェース310を介してクライアント端末110及びモバイル端末120から種々の情報を受信又は取得する。例えば、受信部321は、モバイル端末120において入力される利用者(C)のログインID及びパスワード並びに墓へのルート案内のリクエストを受信する。また、受信部321は、モバイル端末120の位置情報を受信し、さらには、モバイル端末120において選択されたその墓への移動モード(車や徒歩など)を受信する。受信部321が受信した各種情報は、記憶部330に一時的に記憶される。判定部322は、利用者DB333を参照し、受信部321が受信したログイン情報の適否を判定する。また、判定部322は、受信したモバイル端末120の位置情報と、墓情報DB331内に記憶された墓の位置とに基づいて、モバイル端末120が目的地の墓の位置から所定範囲内に近づいたか否かを判定する。判定部322によってなされた判定結果は、記憶部330に一時的に記憶される。送信部323は、通信インタフェース310を介して種々の情報をモバイル端末120に送信する。例えば、送信部323は、ルート案内のリクエストに応答して、モバイル端末120の現在位置から故人の墓までのルートを案内する際、そのルート案内をモバイル端末120のタッチパネル211に表示させる情報を送信する。他のデータも同様に送信される。例えば、送信部323は、墓情報DB331を参照し、ルート案内中に、墓の写真や墓の周辺にある参照箇所などの情報をモバイル端末120に送信し、タッチパネル211に表示させる。
【0027】
ここで、サーバシステム130は、上記機能を持つものであれば、特に制限はなく、クラウド・コンピューティングなどであってもよい。また、サーバシステム130を複数のコンピュータによって構成する場合、例えば、演算処理部320の各機能部のためのコンピュータと、記憶部330の各データベース(331~333)のためのコンピュータとに分けることができる。また、演算処理部320の各機能部についてもコンピュータを分けることができる。例えば、受信部321及び送信部323のためのコンピュータ(ユーザとの直接インタフェースを果たすもの)と、判定部322のためのコンピュータ(前者のコンピュータと記憶部330のためのコンピュータとの仲介を果たすもの)とに分けることができる。
【0028】
次に、
図5を用いて、情報処理システム100における一連の処理フローの一例を説明する。その際、適宜、
図6を参照し、利用者(C)がモバイル端末120で上記の墓参り案内サービスのソフトウェアを利用するときにタッチパネル211に表示される画面例を説明する。
【0029】
まず、登録者がクライアント端末110を操作して、故人の墓情報を入力する(S10)。これがサーバシステム130に受信され、墓情報DB331に記憶される(S11)。故人の墓情報は、
図4に示したように、少なくとも故人の名前及び墓の位置を含み、選択的に、墓の区画・番号、墓の写真及び参照箇所の情報を含んでいる。
【0030】
利用者(C)がモバイル端末120を操作して、サーバシステム130が提供する墓参り案内のサービスを利用するためのアプリケーションを起動し、自身のID及びパスワードを入力してログインする(S20。参照:
図6A)。ログイン後、その利用者(C)に提供可能な故人の墓のルート案内に関して、一以上の故人を含むリスト(ルート案内提供可能故人リスト)がサーバシステム130からモバイル端末120に送られ、タッチパネル211に一以上の故人が選択可能に表示される(参照:
図6Bのプルダウンリスト400)。モバイル端末120の現在の位置情報がGPSデバイス240によって取得される(S21)。利用者(C)がモバイル端末120をさらに操作して、表示されたルート案内提供可能故人リストから、墓へのルート案内をしてもらいたい故人を選択すると、その故人の墓を目的地とするルート案内のリクエストがモバイル端末120で受け付けられ、サーバシステム130に送信される(S22)。一例を挙げると、
図6Bに示すように、プルダウンリスト400にあるルート案内提供可能故人リストから、ルート案内をしてもらいたい故人として「特許太郎」が選択され、アイコン410の「道案内」がタップ(入力)されると、「特許太郎」の墓を目的地とするルート案内のリクエストがモバイル端末120からサーバシステム130に送信される。
【0031】
サーバシステム130は、ルート案内のリクエスト及びモバイル端末120の現在の位置情報を受信する(S23)。そして、サーバシステム130は、その故人の墓に関する情報(目的地情報)をモバイル端末120に送信し(S24)、タッチパネル211に表示させる(S25)。目的地情報は、例えば
図6Cに示すように、目的地である故人の墓の位置を示す指標420、墓の区画・番号421、墓周辺のマップ422、墓の写真423、及び、モバイル端末120の現在位置から墓までの距離424に関する情報である。指標420は、どのような態様も取ることができるが、ここでは円形の中に墓の形状を描いたものが使われている。マップ422では、指標420がマップ422の中心に位置し、墓の区画・番号421が指標420の近くに表示される。墓の区画・番号421及び写真423は、墓情報DB331に登録されたものである(参照:
図4の故人ID「1」)。墓の写真423が表示されているアイコンをタップすると、
図6Dに示すように写真が拡大表示される。マップ422の表示モードは、航空写真又は地図との間で切り替えることができ、アイコン430の「航空写真」をタップすると、アイコン430からチェックマークが外れて、地図上の表示に切り替わる(参照:
図7A、7B)。墓までの距離424は、
図6Cでは「計測中」と表示されているが、計測が終わると、
図7A及びBに示すように「あと100m」などと具体的な数値が表示される。
【0032】
続いて、利用者(C)がモバイル端末120を操作して、目的地の墓までの移動モードを選択すると(S26)、これを受信したサーバシステム130は、選択された移動モードに応じたルート探索を行い(S27)、ルート案内をモバイル端末120に送信する(S28)。モバイル端末120がルート案内を受信すると(S29)、タッチパネル211にルート案内を表示する(S30)。ここで、移動モードとは、車、徒歩、公共交通機関(電車、バスなど)、自転車などのモードがあるが、このうち、少なくとも、車及び徒歩を含むものとなっている。
図6Cに示す画面では、車及び徒歩の移動モードを選択できるように、車のアイコン440及び徒歩のアイコン442が表示される。そして、例えば、
図6Eに示すように車のアイコン440がタップされると、サーバシステム130は、選択された移動モード「車」に応じたルート探索を開始し、
図6Fに示すようにルート案内をモバイル端末120に提供する。ここで、ルート探索及びルート案内は、インターネットを通して提供されている地図(例えばGoogleマップ)の機能によって実行することができる。すなわち、サーバシステム130は、道、建物及び現在の交通状況などを含む様々なデータを有するマップデータ(インターネットを通して提供されているもの)にアクセスし、選択された移動モードに応じたルート探索・ルート案内をモバイル端末120に提供する。
【0033】
S30におけるルート案内の表示は、まず、地図上のルート案内(R10)から始まる(参照:
図6F)。上記したマップ422の表示モードと同様に、ルート案内の表示モードとして少なくとも地図及び航空写真が用意されている。ルート案内中、モバイル端末120の位置情報は随時サーバシステム130に送られていて(S31)、タッチパネル211に表示されるルート案内の情報は、モバイル端末120の現在位置の変化に応じて随時更新される。モバイル端末120の現在位置が目的地から所定範囲内に近づいたと判定されるまでは(S32:No)、地図上の表示モード(R10)が継続される(参照:
図6F)。すなわち、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のルート案内(R10)がタッチパネル211に表示され続ける。
【0034】
一方、モバイル端末120の現在位置が目的地から所定範囲内に近づいたと判定されると(S32:Yes)、航空写真上の表示モード(R20)に切り替わる(S35。参照:
図6G)。すなわち、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルート案内(R20)がタッチパネル211に表示される。その後は、タッチパネル211に表示される航空写真上のルート案内の情報が、モバイル端末120の現在位置の変化に応じて随時更新される。
【0035】
ここで、地図上のルート案内(R10)から航空写真上のルート案内(R20)に表示を切り替える基準となる「所定範囲」としては、目的地からの所定の半径方向距離、直線距離又は歩行時間を用いることができる。例えば、「所定範囲」は、目的地から10m、20m又は50mの半径方向距離又は直線距離に設定したり、あるいは、目的地から30秒又は1分の歩行時間に設定したりすることができる。また、「所定範囲」は、利用者(C)が調整することができるものであってもよい。例えば、利用者(C)は、自身のモバイル端末120を使ってデフォルトの「所定範囲」(例えば目的地から10m)を調整し、その調整した所定範囲(例えば目的地から5m)の設定をモバイル端末120からサーバシステム130に送信してもよい。また、「所定範囲」は、選択された移動モードに応じて大きさが変更されてもよい。例えば、移動モードが徒歩の場合には、移動モードが車の場合に比べて、「所定範囲」の大きさを小さくしてもよい。
【0036】
また、ある実施態様においては、移動モードが「徒歩」の場合にのみ、地図上のルート案内(R10)から航空写真上のルート案内(R20)に表示を切り替えるようにしてもよい。例えば、移動モードとして「車」が選択された状態でルート案内をしている場合、移動モードが「徒歩」に切り替えられたことを条件に、モバイル端末120の現在位置が目的地から所定範囲内に近づいたか否かを判定し、近づいたことが判定された場合に、地図上のルート案内(R10)から航空写真上のルート案内(R20)に表示を切り替えるようにしてもよい。なお、「車」から「徒歩」への移動モードの切り替えは、利用者(C)が自身のモバイル端末120を操作することで行うことができる。あるいは、モバイル端末120の速度又は加速度を検出し(例えばモバイル端末120に搭載した図示省略の加速度センサを用いて検出する。)、その検出結果に基づいて、モバイル端末120又はサーバシステム130が、モバイル端末120を保有する利用者(C)が移動手段を車から徒歩に切り替えたと判定し、ルート案内の移動モードを「車」から「徒歩」に切り替えてもよい。
【0037】
さらに、ある実施態様においては、地図上のルート案内(R10)から航空写真上のルート案内(R20)に表示を切り替える前に、故人の墓の写真を含む情報ウィンドウをタッチパネル211に表示させてもよい(S33)。
図6Hは、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合(S32でYesの場合)に表示される画面例であり、
図6Gの画面(S35の画面)の前に表示されるものである。
図6Hに示すように、タッチパネル211では、地図上のルート案内(R10)の表示がなくなり、目的地である墓の写真450を含む情報ウィンドウ452が表示される。なお、ここでは、墓の写真450として、上記の故人ID「1」のものとは異なるものが用いられている。情報ウィンドウ452は、墓の写真450を示すフィールド460と、今後のルート案内が地図上のものから航空写真上のものに切り替わる旨を示すフィールド462と、情報ウィンドウ452を閉じるためのフィールド464と、を有している。フィールド464の「閉じる」をタップすると、情報ウィンドウ452が閉じられ(S34)、航空写真上のルート案内(R20)が表示されることになる(S35。参照:
図6I)。このように、ルート案内の表示モードの切り替え前に情報ウィンドウ452をポップアップさせることで、一般に表示モードの切り替えが行われないルート案内に慣れている利用者(C)に、ルート案内の態様が変わることを事前に知らせることができる。なお、地図上のルート案内(R10)から航空写真上のルート案内(R20)に表示に切り替わる際、例えば、
図6Fの画面から
図6Iの画面に遷移してもよい。すなわち、
図6G及びHの画面を経なくてもよい。
【0038】
上記のとおり、航空写真上のルート案内(R20)の画面例の一例は
図6Gであり、別の例は
図6Iであるが、
図6Iの方がユーザフレンドリーなものとなっている。
図6Iに示すように、タッチパネル211は、航空写真上のルート案内(R20)を表示する第1の表示領域471と、墓の写真450を表示する第2の表示領域472と、その墓までの距離を示す第3の表示領域473と、を有している。第1の表示領域471には、例えば、目的地である墓の位置を示す指標480、墓の区画・番号481及び墓周辺の航空写真482が表示される。指標480は、第1の表示領域471(航空写真482)の中心に位置し、墓の区画・番号481が指標480の近くに表示される。墓の区画・番号481及び写真450は、上記のとおり、墓情報DB331に登録されたものである。第3の表示領域473における墓の写真450をタップすると、その拡大写真が表示されるようになっている。このように、タッチパネル211は、航空写真上のルート案内(R20)を表示させながら、これとは異なる表示領域に墓の写真450及び墓までの距離を表示させる。なお、墓までの距離と併せて又はこれとは別に、モバイル端末120から墓までの方向を第3の表示領域473に表示させてもよい。
【0039】
図8A~Cは、利用者(C)が上記の墓参り案内サービスのソフトウェアを利用するときに表示される別の画面例を示している。
図8Aは、利用者(C)が
図6Bのアイコン410の「道案内」をタップ(入力)したときに表示される画面例(
図6Cに代わる画面例)である。この画面には、
図6Cの画面で表示されるものに加えて、参照箇所の位置を示す指標490が含まれている。指標490は、目的地(故人の墓)を示す指標420とは異なる態様であればよく、ここでは円形の中に「!」を描いたものが用いられている。指標490が示す参照箇所は、墓情報DB331に登録されたものである(参照:
図4の故人ID「1」)。
図8Aにおいて航空写真上のルート案内(R20)を示す画面は、目的地を中心とした画面となっている。
【0040】
利用者(C)がタッチパネル211上の指標490をタップすると、その操作に応答して、
図8Bに示すように、タッチパネル211には参照箇所に関する情報を表示するためのフィールド492が表れる。フィールド492に表示する情報としては、参照箇所の名称や説明であり、ここでは、「八柱霊園 南門」という参照箇所の名称が表示されている。
図8Bにおいて航空写真上のルート案内(R20)を示す画面は、参照箇所を中心とした画面となっている。利用者(C)がさらにタッチパネル211上のフィールド492をタップすると、その操作に応答して、
図8Cに示すように、タッチパネル211には参照箇所の写真494が拡大表示される。この写真494や、フィールド492に表示される参照箇所に関する情報は、墓情報DB331に登録されたものである(参照:
図4の故人ID「1」)。
【0041】
なお、
図8A~Cに示す画面例を
図6Iの画面例に適用できることは言うまでもない。すなわち、航空写真上のルート案内中に、
図6Iに示す第1の表示領域471に、目的地である墓の位置を示す指標480と参照箇所の位置を示す指標490とを航空写真上のルート案内に重ねるように表示させることができる。また、参照箇所は複数あってもよい。航空写真上のルート案内中に墓の指標480に加えて参照箇所の指標490が表示されることで、利用者(C)は目的地(墓)と参照箇所との位置関係を容易に把握することができるようになり、目的地(墓)に向かってどちらの方位に歩けばよいのかを容易に理解することができるようになる。
【0042】
以上説明した本実施形態のサーバシステム130は、表示部211を有するモバイル端末120とネットワーク140を介して通信するサーバシステム130であって、故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部(墓情報DB331)と、モバイル端末120から、故人の墓を目的地とするルート案内のリクエスト及びモバイル端末120の位置情報を受信する受信部321と、リクエストに応答して、モバイル端末120の現在位置から故人の墓までのルートを案内する際、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には、地図上のルート案内を表示部211に表示させる情報をモバイル端末120に送信する一方、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には、航空写真上のルート案内を表示部211に表示させる情報をモバイル端末120に送信する送信部323と、を備える。
【0043】
また、本実施形態のプログラムは、故人の墓の位置を含む墓情報を記憶する墓情報記憶部331を有するサーバシステム130とネットワーク140を介して通信するモバイル端末120において実行されるプログラムであって、モバイル端末120を、
故人の墓を目的地とするルート案内のリクエストを受け付ける手段(入力受付部221)、
リクエスト及びモバイル端末120の位置情報をサーバシステム130に送信する手段(送信部222)、
リクエストに応答したサーバシステム130より、モバイル端末120の現在位置から故人の墓までのルート案内を受信する手段(受信部223)、及び
受信したルート案内をモバイル端末120の表示部211に表示させる手段(表示制御部224)であって、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲外にある場合には地図上のルート案内を表示させる一方、モバイル端末が故人の墓の位置から所定範囲内に近づいた場合には航空写真上のルート案内を表示させる手段(表示制御部224)、として機能させる。
【0044】
このような実施形態によれば、モバイル端末120の利用者(C)に故人の墓の場所を簡単に伝えることができ、かつ、そこへ適切に案内することができる。とりわけ、モバイル端末120が故人の墓の位置から所定範囲内に近づくと、地図上のルート案内から航空写真上のルート案内に表示が切り替わるため、利用者(C)が目的地の故人の墓にたどり着きやすくなる。
【0045】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。以上の具体例は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0046】
100…情報処理システム、110…クライアント端末、115…アプリケーション、120…モバイル端末、130…サーバシステム、140…ネットワーク、200…通信インタフェース、201…移動体通信用アンテナ、202…無線アンテナ、210…ユーザインタフェース、211…タッチパネル、212…マイクロフォン、220…演算処理部、221…入力受付部、222…送信部、223…受信部、224…表示制御部、230…記憶部、240…GPSデバイス、310…通信インタフェース、320…演算処理部、321…受信部、322…判定部、323…送信部、330…記憶部、331…墓情報DB、332…登録者DB、333…利用者DB、400…プルダウンリスト、410…アイコン、420…指標、422…マップ、423…写真、424…距離、430、440、442…アイコン、450…写真、452…情報ウィンドウ、460、462、464…フィールド、471…第1の表示領域、472…第2の表示領域、473…第3の表示領域、480…指標、482…航空写真、490…指標、492…フィールド、494…写真、C…利用者、R10…地図上の表示モード、R20…航空写真上の表示モード