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特許7008344向上した電極寿命を有する急速パルス電気水圧(EC)衝撃波生成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】向上した電極寿命を有する急速パルス電気水圧(EC)衝撃波生成装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20220118BHJP
   A61B 17/225 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61N7/00
A61B17/225
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019503275
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 US2017042122
(87)【国際公開番号】W WO2018017414
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】62/365,099
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515245583
【氏名又は名称】ソリトン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カペッリ, クリストファー シー.
(72)【発明者】
【氏名】キシネフスキー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マッセ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】サマーソン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】クレンプ, ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】クロウリー, ロバート
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02199249(GB,A)
【文献】特表2016-508851(JP,A)
【文献】国際公開第91/010227(WO,A1)
【文献】米国特許第03364708(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 7/00
A61B 17/22-17/225
G10K 15/06
H01G 4/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用衝撃波を生成するための装置であって、前記装置は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体であって、前記チャンバは、液体で充填されるように構成されている、筐体と、
前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、
前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと
を備え、
前記複数の電極は、(i)前記筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)前記パルス生成システムが前記複数の電極および前記複数のコンデンサと電気連通し、それによって、前記複数の電極と前記複数のコンデンサとが前記パルス生成システムから電圧パルスを同時に受け取ることが可能なように、前記パルス生成システムに結合されるように構成され、
前記複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、前記複数の電極に放電するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記複数のコンデンサの各々は、平面状であり、
前記パルス生成システムは、
前記液体の一部を気化させてイオン化し始め、前記複数の電極間に少なくとも1つの電極間導電性経路を提供するために、前記複数の電極に電圧パルスを印加することと、
前記複数のコンデンサを充電するために前記複数のコンデンサに電圧パルスを印加することと
に同時に行うように構成され、
前記複数の電極への放電は、前記1つ以上の電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、前記液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列されており、
前記複数のコンデンサは、2~20組のコンデンサを備え、前記組のコンデンサは、並列に接続されており、コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサ備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のコンデンサは、複数の積層可能回路基板に結合されており、前記複数の積層可能回路基板は、第1の積層可能回路基板と、前記第1の積層可能回路基板に結合された第2の積層可能回路基板とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のコンデンサのうちの第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板に結合され、前記複数のコンデンサのうちの第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板に結合されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板の第1の側に配置され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板の第2の側に配置され、前記第2の積層可能回路基板の前記第2の側は、前記第1の積層可能回路基板の前記第1の側と対向している、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分が前記第1の積層可能回路基板の中心から離れるように半径方向に延びるように、円形パターン形状で前記第1の積層可能回路基板に結合され、
前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分が前記第2の積層可能回路基板の中心から離れるように半径方向に延びるように、円形パターン形状で前記第2の積層可能回路基板に結合され、
前記第1の積層可能回路基板は、前記積層可能回路基板の外縁に沿って配置されたコネクタによって、前記第2の積層可能回路基板に電気的に結合されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のコンデンサのうちの第1の部分は、電流を前記第1の積層可能回路基板の前記外縁から前記第1の積層可能回路基板の前記中心に向かって流動させるように構成され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、電流を前記第2の積層可能回路基板の前記外縁から前記第2の積層可能回路基板の前記中心に向かって流動させるように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備え、
前記複数のコンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有し、
前記複数のコンデンサは、複数の積層可能回路基板に結合されており、前記複数の積層可能回路基板は、各々、0.02インチ~0.2インチの厚さを有し、
前記パルス生成システムは、電極間導電性経路を提供するために、前記複数の電極に電圧を印加することと、前記複数のコンデンサを充電するために前記複数のコンデンサに電圧を印加することとを同時に行うように構成されており、
前記複数のコンデンサは、前記閾値電荷に到達すると、前記複数の電極に放電し、前記電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、前記液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
治療用衝撃波を生成するための装置圧縮音響波を生成する方法であって、前記方法は、
パルス生成システムが、液体の一部が気化してイオン化し始め、電極間導電性経路を提供するように、筐体によって画定され、前記液体で充填されたチャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加することと、
前記パルス生成システムが、前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサに電圧を印加し、前記複数のコンデンサを充電することと、
前記複数のコンデンサが閾値電荷に到達すると、前記複数のコンデンサが、前記電極に放電することにより、前記確立された電極間導電性経路に沿って電極間アークを生成し、それによって、少なくとも1つの音響衝撃波を生成することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記複数の電極に印加される電圧パルスは、500V~10,000Vであり、前記複数のコンデンサは、複数の積層可能回路基板に結合されている、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第62/365,099号(2016年7月21日出願)の利益を主張し、上記出願の内容は、参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、衝撃波またはショックウェーブの治療的使用に関する。より具体的には、限定ではないが、本発明は、治療用衝撃波またはショックウェーブ(治療的使用を伴う衝撃波)を生成するための装置に関し、装置は、向上した電極寿命を有する。
【背景技術】
【0003】
音響衝撃波が、数年にわたってある治療のために使用されている。「衝撃波」または「ショックウェーブ」は、概して、圧力の突然かつ強烈な変化を生じる(例えば、爆発または雷光からもたらされる)音響現象を指すために使用される。これらの強烈な圧力変化は、空気、水、ヒト軟組織等の弾性媒体、または骨等のある固体物質を通して進行し得、および/または、そのような弾性媒体において非弾性応答を誘発し得る強いエネルギー波を生成することができる。治療的使用のための衝撃波を生成するための方法は、(1)電気水圧またはスパーク間隙(EH)、(2)電磁またはEMSE、および(3)圧電を含む。それぞれは、その独自の一意の物理的原理に基づく。
【0004】
(A.衝撃波生成のためのデバイスおよびシステム)
本発明者のうちの1人による米国特許出願第13/574,228号(第WO2011/091020号(特許文献1)として公開された第PCT/US2011/021692号の国内段階出願)は、トランスデューサを使用して、高いパルス繰り返し数で衝撃波を生成するためのデバイスを開示している。そのデバイスは、1MHz~1,000MHzの少なくとも1つの周波数を有する音響波を放出するように構成されている音響波発生器と、音響波発生器に結合される衝撃波筐体と、衝撃波筐体内に配置された衝撃波媒体とを含み、装置は、音響波発生器が音響波を放出する場合、音響波の少なくとも一部が、衝撃波媒体を通して進行し、衝撃波を形成するであろうように構成されている。そのデバイスは、患者内の粒子に患者の1つ以上の細胞を破裂させるように構成されている、衝撃波を形成するように作動されることができ、衝撃波は、衝撃波が粒子に細胞のうちの1つ以上の細胞を破裂させるように、患者の細胞に向けられることができる。この音響トランスデューサデバイスは、高い周波数またはパルス繰り返し数の高出力衝撃波を生成することができる。
【0005】
加えて、本発明者による米国特許出願第13/798712号は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、チャンバ内に配置された液体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている(例えば、スパークヘッドまたはモジュール内の)複数の電極と、10Hz~5MHzの率で電極に電圧パルスを印加するように構成されているパルス生成システムとを備えている、10Hz~5MHzの率における衝撃波の電気水圧発生のための装置および方法も開示している。
【0006】
衝撃波を生成するための他のシステムは、電気水圧(EH)波発生器を含むことができる。EHシステムは、概して、他の方法と類似するレベルのエネルギーを送達することができるが、より広いエリアにわたってそのエネルギーを送達し、したがって、より短い期間にわたって、より多い量の衝撃波エネルギーを標的組織に送達するように構成され得る。EHシステムは、概して、衝撃波を開始するために、電極(すなわち、スパークプラグ)を組み込む。EHシステムでは、電気が封入体内に含まれた処理済み水中に浸漬される電極に印加されると、高エネルギー衝撃波が、生成される。電荷が発射されると、少量の水が、電極の先端において気化し、気化した水の急速なほぼ瞬間的拡張が、液体水を通して外向きに伝搬する衝撃波を生成する。いくつかの実施形態では、水は、楕円体封入体内に含まれる。これらの実施形態では、衝撃波は、楕円体封入体の側から跳ね返り、処理されるべきエリアの場所と一致する焦点に集中し得る。
【0007】
例えば、米国特許第7,189,209号(第‘209号特許)(特許文献2)は、音響衝撃波を印加することによって、骨および筋骨格環境ならびに軟組織に関連付けられる病的状態を処置する方法を説明している。第‘209号特許は、衝撃波が、微小破壊を含むその中の局所的外傷および細胞アポトーシスを誘発するとともに、細胞動員等の造骨性応答を誘発し、分子の骨、軟骨、腱、筋膜、および軟組織モルフォゲンならびに成長因子の形成を促すこと、および、血管新生を誘発することを説明している。第‘209号特許は、その方法のいくつかの具体的実装を請求している。例えば、第‘209号特許は、ヒト患者において糖尿病による足潰瘍または褥瘡の部位もしくは疑わしい部位を位置特定することと、音響衝撃波を生成することと、位置特定された部位全体を通して音響衝撃波を集中させることと、微小傷害および血管新生の増加を誘発するように、位置特定された部位への処置あたり500~約2,500発を上回る音響衝撃波を印加し、それによって、治癒を誘発または加速することとを含む糖尿病による足潰瘍または褥瘡を処置する方法を請求している。第‘209号特許は、約0.5Hz~4Hzの周波数範囲と、各処置部位に対する処置持続時間および/または不都合に大きい全ての部位に対する「処置あたりの合計時間」をもたらし得る処置部位あたり約300~2,500発または約500~8,000発の音響衝撃波の印加とを開示している。例えば、第‘209号特許は、20分~3時間に及ぶ、異なる例に対する処置あたりの合計時間を開示している。
【0008】
米国特許第5,529,572号(第‘572号特許)(特許文献3)は、組織に対する治療効果を生成するために電気水圧で生成される衝撃波の使用の別の例を含む。第‘572号特許は、衝撃波源からの距離の関数として実質的に一定の強度を有する実質的に平面のコリメートされた圧縮衝撃波を該骨に受けさせることを含み、該コリメートされた衝撃波は、50~500気圧の強度で骨に印加される(骨粗鬆症を処置するための)骨の密度および強度を増加させる方法を説明している。第‘572号特許は、骨への動的な反復荷重を生成し、平均骨密度を増加させ、それによって、骨折に対して骨を強化するための非集束衝撃波の印加を説明している。第‘572号特許で説明されるように、「非集束衝撃波は、好ましくは、例えば、10cm~150cmの面積を対象とするように、処置されるべき骨の比較的に広い表面にわたって印加される。衝撃波の強度は、50~500気圧であり得る。各衝撃波は、従来の砕石器のように、数マイクロ秒の持続時間のものであり、好ましくは、各処置において5~30分の期間にわたって1秒あたり1~10発の衝撃波の頻度で印加される。処置の回数は、特定の患者に依存する。」
【0009】
第US 2004/0006288号としても公開されている、米国特許出願第10/415,293号(第‘293号出願)は、組織に対する治療効果を提供するためのEH生成衝撃波の使用の別の実施形態を開示している。第‘293号出願は、血管構造から堆積物を少なくとも部分的に分離するための治療用音響衝撃波の生成のためのデバイス、システム、および方法を開示している。第‘293号出願は、デバイスが、1cmあたり(処置されている血管単位の長さあたりに関して)処置部位あたり約100~約5,000のいくつかのパルスを用いて、1分あたり約50~約500発のパルスのパルス繰り返し数(すなわち、0.83Hz~8.33Hz)で、衝撃波を生成し得ることを説明している。
【0010】
(B.衝撃波速度)
従来技術の文献は、衝撃波を提供するためにEHシステムを使用する、より急速なパルス繰り返し数が、組織損傷につながり得ることを示している。例えば、ある研究(Delius,Jordan,&他、1988)[2]では、その腎臓が3,000発の衝撃波にさらされたイヌのグループで、正常なイヌ腎臓に対する衝撃波の影響が、検査された。グループは、それぞれ、100Hzと1Hzとであった衝撃波投与率においてのみ異なった。剖検が、24~30時間後に実施された。肉眼的および組織学的に、衝撃波が(1Hzと対比して)100Hzの率で投与された場合、有意により多くの出血が、腎実質において起こった。結果は、腎臓損傷が衝撃波投与率に依存していることを示した。
【0011】
別の研究(Madbouly &他、2005)[7]では、緩慢衝撃波砕石術速度(SWL)が、急速衝撃波砕石術速度と比較して、より少ない数の総衝撃波での有意により高い成功率に関連付けられた。この論文では、著者は、より緩慢な試験SWL速度が使用されたとき、人体実験も、どの程度のSWL誘発性腎損傷の発生の減少、または麻酔の必要性を示したかを議論した。
【0012】
さらに別の研究(Gillitzer &他、2009)[5]において、1分あたり60~30発の衝撃波に送達速度を減速することが、ブタモデルにおいて実際の脈管の完全性に対する劇的な保護効果も提供することを示す。これらの所見は、体外衝撃波砕石術の安全性および有効性を改良するための低減したパルス繰り返し数周波数の潜在的方略を支持する。
【0013】
軟組織は、1Hz~10Hzのパルス繰り返し数(PR)に対して、弾性から粘性挙動に遷移し得る。結果として、1Hz~10HzのPRでの衝撃波からの組織への潜在的損傷は、典型的な砕石術出力レベルが使用されるとき、予測可能ではない。おそらく、結果として、従来技術は、より緩慢なPR、および処置あたりの多くの合計時間(TTPT)を教示する。例えば、現在公知のEH衝撃波システムは、概して、10Hzを下回るPRを送達し、処置あたりの多くの合計時間(TTPT)(例えば、単一の処置部位に対してさえも数分またはさらには数時間のTTPT期間)を要求する。典型的であり得るように、処置が複数の処置部位でのデバイスの再位置付けを要求するとき、TTPTは、大きくなり、多くの患者および処置必要性に対して潜在的に非実用的となる。
【0014】
長い処置時間が、体外衝撃波砕石術のために許容可能であり得るが、医療設定における組織に対する非砕石術治療効果を提供するための衝撃波の使用は、非実用的ではないにしても最適とはいえない。例えば、処置のコストは、多くの場合、(例えば、処置の施行に分配される労働、設備、および他の資源のコストに起因して)処置を施行するために必要とされる時間とともに増加する。さらに、コストに加えて、ある時点で、処置を患者に提供する持続時間は、処置を受け取る患者および処置を提供する医療スタッフのために耐え難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】国際公開第2011/091020号
【文献】米国特許第7,189,209号明細書
【文献】米国特許第5,529,572号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示は、向上した電極寿命を有する急速な音響パルスの電気水圧生成のための装置および方法の実施形態を含む。ある実施形態では、この向上した電極寿命は、衝撃波生成のための2段階パルス放電アプローチを利用することによって達成される。これらの実施形態によると、第1段階では、パルス生成システムは、同時に、その中に含まれる液体の一部が気化され、電極間導電性経路を提供するように、電極チャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加し、該電極に隣接して位置する複数のコンデンサに電圧パルスを印加し、該複数のコンデンサを充電するように構成されている。第2段階では、充電された複数のコンデンサは、電極に放電し、確立された電極間導電性経路を通して、短い電極間アークを生成し、音響衝撃波をもたらす。短い電極間アークは、電極浸食を最小化し、向上した電極寿命につながる。
【0017】
電極の向上した寿命は、チャンバ内の電極に隣接して位置するコンデンサの急速な放電の結果である。パルス生成システムは、同時に、液体の一部が気化され、電極間導電性経路を提供するように、電極チャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加し、該電極に隣接して位置する複数のコンデンサに電圧パルスを印加し、該複数のコンデンサを充電するように構成されている。一実施形態では、複数のコンデンサは、並列における少なくとも10個の平面コンデンサを備え、各コンデンサは、100ナノファラド以下の容量を有する。一実施形態では、複数の平面コンデンサは、電極に隣接する複数の積層回路基板の上に設置され、複数の平面コンデンサは、低インダクタンスパターンにおいて各積層可能回路基板の対向する側上に設置される。電極に隣接してこれらのコンデンサを設置することは、アークが完全かつ迅速に放電することを可能にする。コンデンサが放電されると、電極間アークは、終了し、それは、電極浸食を最小化する。
【0018】
(例えば、治療用衝撃波を生成するための)本装置のいくつかの実施形態は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、チャンバ内に配置された液体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、筐体によって支持され、複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと、(i)筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)パルス生成システムが複数の電極および複数のコンデンサと電気連通するように、複数の電極に結合されるように構成されているパルス生成システムとを備え、パルス生成システムは、(例えば、液体の一部を気化させ、イオン化し始め、複数の電極間に少なくとも1つの電極間導電性経路を提供するために)複数の電極に、かつ(複数のコンデンサを充電するために)複数のコンデンサに電圧パルスを同時に印加するように構成され、複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、複数の電極に放電し、1つ以上の電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成するように構成されている。
【0019】
本装置のいくつかの実施形態では、パルス生成システムは、パルス生成システムが電圧を複数の電極に印加する期間中、複数のコンデンサを充電するために電圧を印加することによって、電極間導電性経路を提供するように構成されている。
【0020】
(例えば、治療用衝撃波を生成するための)本装置のいくつかの実施形態は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体であって、チャンバは、液体で充填されるように構成されている、筐体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、筐体によって支持され、複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと、(i)筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)パルス生成システムが複数の電極および複数のコンデンサと電気連通するように、複数の電極に結合されるように構成されているパルス生成システムとを備え、パルス生成システムは、(例えば、液体の一部を気化させ、イオン化し始め、複数の電極間に少なくとも1つの電極間導電性経路を提供するために)複数の電極に、かつ、複数のコンデンサを充電するために複数のコンデンサに電圧パルスを同時に印加するように構成され、複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、複数の電極に放電し、1つ以上の電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成するように構成されている。
【0021】
(例えば、治療用衝撃波を生成するための)本装置のいくつかの実施形態は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体であって、チャンバは、液体で充填されるように構成されている、筐体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、筐体によって支持され、複数の電極と電気連通する複数のコンデンサとを備え、複数の電極は、(i)筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)パルス生成システムが複数の電極および複数のコンデンサと電気連通し、それによって、複数の電極および複数のコンデンサがパルス生成システムから電圧パルスを同時に受け取ることが可能なように、パルス生成システムに結合されるように構成され、複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、複数の電極に放電するように構成されている。
【0022】
本装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサの各々は、平面状である。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列される。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、2~20組のコンデンサを備え、組のコンデンサは、並列に接続される。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、50個よりも少ないコンデンサを備えている。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている。
【0023】
本装置のいくつかの実施形態では、各コンデンサは、100ナノファラド以下の容量を有する。
【0024】
本装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、複数の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、複数の円形パターンにおいて配列される。いくつかの実施形態では、複数の積層可能回路基板は、第1の積層可能回路基板と、第1の積層可能回路基板に結合された第2の積層可能回路基板とを備えている。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、第1の積層可能回路基板に結合され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、第2の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、第1の積層可能回路基板の第1の側に配置され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、第2の積層可能回路基板の第2の側に配置され、第2の回路基板の第2の側は、第1の積層可能回路基板の第1の側と対向している。いくつかの実施形態では、第1の積層可能回路基板および第2の積層可能回路基板は、円形である。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、第1の積層可能回路基板に結合され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、第2の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、円形パターンにおいて第1の積層可能回路基板に結合され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、円形パターンにおいて第2の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている。いくつかの実施形態では、第1の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、第2の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、電流を第1の積層可能回路基板の外縁から第1の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、電流を第2の積層可能回路基板の外縁から第2の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の積層可能回路基板は、積層可能回路基板の外縁に沿って配置されたコネクタによって、第2の積層可能回路基板に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、複数の積層可能回路基板は、各々、0.02インチ~0.2インチの厚さを有する。
【0025】
本装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有する。
【0026】
本装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備えている。
【0027】
(例えば、治療用衝撃波を生成することにおける使用のための)本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態は、1つ以上の回路基板と、1つ以上の回路基板に結合された複数のコンデンサとを備え、コンデンサのうちの第1の部分は、複数のコンデンサ組によって画定される第1のパターンにおいて配列され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、複数のコンデンサ組によって画定される第2のパターンにおいて配列され、各コンデンサ組は、コンデンサのうちの直列に接続される2つ以上のものを備え、第1のパターンを画定するコンデンサ組は、並列に接続され、第2のパターンを画定するコンデンサ組は、並列に接続され、1つ以上の回路基板は、電極がコンデンサと電気連通し、1つ以上の回路基板に対して少なくとも2自由度において固定されるように電極に結合されるように構成されている。
【0028】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、平面状である。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列される。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、2~20組のコンデンサを備え、組のコンデンサは、並列に接続される。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、50個よりも少ないコンデンサを備えている。
【0029】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている。
【0030】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、各コンデンサは、100ナノファラド以下の容量を有する。
【0031】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、1つ以上の回路基板は、複数の積層可能回路基板を備えている。いくつかの実施形態では、第1および第2のパターンは、円形である。いくつかの実施形態では、複数の積層可能回路基板は、第1の積層可能回路基板と、第1の積層可能回路基板に結合された第2の積層可能回路基板とを備えている。いくつかの実施形態では、コンデンサのうちの第1の部分は、第1の積層可能回路基板に結合され、コンデンサのうちの第2の部分は、第2の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、コンデンサのうちの第1の部分は、第1の積層可能回路基板の第1の側に配置され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、第2の積層可能回路基板の第2の側に配置され、第2の回路基板の第2の側は、第1の積層可能回路基板の第1の側と対向している。本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、円形パターンにおいて第1の積層可能回路基板に結合され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、円形パターンにおいて第2の積層可能回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、並列に接続された10個以上のコンデンサをさらに備えている。いくつかの実施形態では、第1の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、第2の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、複数のコンデンサのうちの第1の部分は、電流を第1の積層可能回路基板の外縁から第1の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成され、複数のコンデンサのうちの第2の部分は、電流を第2の積層可能回路基板の外縁から第2の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の積層可能回路基板は、積層可能回路基板の外縁に沿って配置されたコネクタによって、第2の積層可能回路基板に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、複数の積層可能回路基板は、各々、0.02インチ~0.2インチの厚さを有する。
【0032】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有する。
【0033】
本コンデンサアレイ装置のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備えている。
【0034】
(例えば、治療用衝撃波を生成するための装置を使用して、圧縮音響波を生成する)本方法のいくつかの実施形態は、液体の一部が気化し、イオン化し始め、電極間導電性経路を提供するように、筐体によって画定され、液体で充填されたチャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加することと、筐体によって支持され、複数の電極と電気連通する複数のコンデンサに電圧を印加し、複数のコンデンサを充電することと、複数のコンデンサが閾値電荷に到達すると、複数のコンデンサを電極に放電し、確立された電極間導電性経路に沿って電極間アークを生成し、それによって、少なくとも1つの音響衝撃波を生成することとを含む。いくつかの実施形態では、複数の電極に印加される電圧パルスは、500V~10,000ボルト(V)である。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサに印加される電圧パルスは、500V~10,000Vである。
【0035】
必ずしも、直接的ではなく、必ずしも、機械的にではないが、用語「結合」は、接続として定義され、「結合」される2つのアイテムは、互いに一体型であり得る。用語「a」および「an」は、本開示が明示的に別様に要求しない限り、1つ以上のものとして定義される。用語「略」は、当業者によって理解されるように、必ずしも、規定されるもの全体ではない(かつ規定されるものを含む、例えば、略90度は、90度を含み、略平行は、平行を含む)が、大部分として定義される。任意の開示される実施形態では、用語「略」、「およそ」、および「約」は、規定されるものの[あるパーセンテージ]「以内」を用いて代用され得、そのパーセンテージは、0.1、1、5、および10パーセントを含む。開示される実施形態では、用語「隣接する」は、概して、同じ個別的なチャンバ、筐体、またはモジュール内に位置すると定義される。
【0036】
用語「備えている(comprise)」(ならびに「備えている(comprises)」および「備えている(comprising)」等の備えている(comprise)の任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有する(having)」等の有する(have)の任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)および「含む(including)」等の含む(include)の任意の形態)、および「含む(contain)」(ならびに「含む(contains)」および「含む(containing)」等の含む(contain)の任意の形態)は、非限定的連結動詞である。その結果、1つ以上の要素を「備えている」、「有する」、「含む」、もしくは「含む」システムまたは装置は、それらの1つ以上の要素を保有するが、それらの要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上のステップを「備えている」、「有する」、「含む」、もしくは「含む」方法は、それらの1つ以上のステップを保有するが、それらの1つ以上のステップのみを保有することに限定されない。
【0037】
さらに、ある方法で構成される構造(例えば、装置の構成要素)は、少なくともその方法で構成されるが、これはまた、具体的に説明されるもの以外の他の方法で構成されることができる。
【0038】
本システム、装置、および方法のいずれかの任意の実施形態は、説明されるステップ、要素、ならびに/または特徴のいずれかを備えている/含む/含む/有するのではなく、それから成ること、または本質的にそれから成ることができる。したがって、請求項のいずれかでは、用語「~から成る」または「本質的に~から成る」が、別様に非限定的連結動詞を使用するであろうものから、所与の請求項の範囲を変更するために、上に列挙される非限定的連結動詞のいずれかで代用されることができる。
【0039】
上で説明される実施形態およびその他に関連付けられる詳細が、下記に提示される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
治療用衝撃波を生成するための装置であって、前記装置は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、
前記チャンバ内に配置された液体と、
前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、
前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと、
パルス生成システムと
を備え、
前記パルス生成システムは、(i)前記筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)前記パルス生成システムが前記複数の電極および前記複数のコンデンサと電気連通するように、前記複数の電極に結合されるように構成され、
前記パルス生成システムは、
前記液体の一部を気化させ、イオン化し、前記複数の電極間に少なくとも1つの電極間導電性経路を提供することを始めるために前記複数の電極に電圧パルスを印加することと、
前記複数のコンデンサを充電するために前記複数のコンデンサに電圧パルスを印加することと
を同時に行うように構成され、
前記複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、前記複数の電極に放電し、前記1つ以上の電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、前記液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成するように構成されている、装置。
(項目2)
治療用衝撃波を生成するための装置であって、前記装置は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体であって、前記チャンバは、液体で充填されるように構成されている、筐体と、
前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、
前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと、
パルス生成システムと
を備え、
前記パルス生成システムは、(i)前記筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)前記パルス生成システムが前記複数の電極および前記複数のコンデンサと電気連通するように、前記複数の電極に結合されるように構成され、
前記パルス生成システムは、
前記液体の一部を気化させ、イオン化し、前記複数の電極間に少なくとも1つの電極間導電性経路を提供することを始めるために前記複数の電極に電圧パルスを印加することと、
前記複数のコンデンサを充電するために前記複数のコンデンサに電圧パルスを印加することと
を同時に行うように構成され、
前記複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、前記複数の電極に放電し、前記1つ以上の電極間導電性経路に沿って1つ以上のアークを生成し、前記液体のさらなる部分を気化させ、1つ以上の音響衝撃波を生成するように構成されている、装置。
(項目3)
治療用衝撃波を生成するための装置であって、前記装置は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体であって、前記チャンバは、液体で充填されるように構成されている、筐体と、
前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極と、
前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサと
を備え、
前記複数の電極は、(i)前記筐体がパルス生成システムに対して移動可能であり、(ii)前記パルス生成システムが前記複数の電極および前記複数のコンデンサと電気連通し、それによって、前記複数の電極と前記複数のコンデンサとが前記パルス生成システムから電圧パルスを同時に受け取ることが可能なように、前記パルス生成システムに結合されるように構成され、
前記複数のコンデンサは、閾値電荷に到達すると、前記複数の電極に放電するように構成されている、装置。
(項目4)
前記複数のコンデンサの各々は、平面状である、項目1、2、または3のいずれかに記載の装置。
(項目5)
前記複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列されている、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記複数のコンデンサは、2~20組のコンデンサを備え、前記組のコンデンサは、並列に接続されている、項目5に記載の装置。
(項目7)
コンデンサの各組は、50個よりも少ないコンデンサを備えている、項目6に記載の装置。
(項目8)
コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている、項目6に記載の装置。
(項目9)
各コンデンサは、100ナノファラド以下の容量を有する、項目1、2、または3に記載の装置。
(項目10)
前記複数のコンデンサは、複数の積層可能回路基板に結合されている、項目1、2、または3に記載の装置。
(項目11)
前記複数のコンデンサは、複数の円形パターンにおいて配列されている、項目10に記載の装置。
(項目12)
前記複数の積層可能回路基板は、第1の積層可能回路基板と、前記第1の積層可能回路基板に結合された第2の積層可能回路基板とを備えている、項目10に記載の装置。
(項目13)
前記複数のコンデンサのうちの第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板に結合され、前記複数のコンデンサのうちの第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板に結合されている、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板の第1の側に配置され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板の第2の側に配置され、前記第2の回路基板の前記第2の側は、前記第1の積層可能回路基板の前記第1の側と対向している、項目13に記載の装置。
(項目15)
前記第1の積層可能回路基板および前記第2の積層可能回路基板は、円形である、項目14に記載の装置。
(項目16)
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板に結合され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板に結合されている、項目15に記載の装置。
(項目17)
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、円形パターンにおいて前記第1の積層可能回路基板に結合され、
前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、円形パターンにおいて前記第2の積層可能回路基板に結合されている、
項目16に記載の装置。
(項目18)
コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている、項目17に記載の装置。
(項目19)
前記第1の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、前記第2の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、電流を前記第1の積層可能回路基板の外縁から前記第1の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、電流を前記第2の積層可能回路基板の外縁から前記第2の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成されている、項目17に記載の装置。
(項目20)
前記第1の積層可能回路基板は、前記積層可能回路基板の外縁に沿って配置されたコネクタによって、前記第2の積層可能回路基板に電気的に結合されている、項目19に記載の装置。
(項目21)
前記複数の積層可能回路基板は、各々、0.02インチ~0.2インチの厚さを有する、項目10に記載の装置。
(項目22)
前記パルス生成システムは、前記パルス生成システムが電圧を前記複数の電極に印加する期間中、前記複数のコンデンサを充電するために電圧を印加することによって、電極間導電性経路を提供するように構成されている、項目1または2に記載の装置。
(項目23)
前記複数のコンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有する、項目1、2、または3に記載の装置。
(項目24)
前記複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備えている、項目1、2、または3に記載の装置。
(項目25)
治療用衝撃波を生成することにおける使用のためのコンデンサアレイ装置であって、前記装置は、
1つ以上の回路基板と、
前記1つ以上の回路基板に結合された複数のコンデンサと
を備え、
前記コンデンサのうちの第1の部分は、複数のコンデンサ組によって画定される第1のパターンにおいて配列され、前記複数のコンデンサのうちの第2の部分は、複数のコンデンサ組によって画定される第2のパターンにおいて配列され、各コンデンサ組は、前記コンデンサのうちの直列に接続された2つ以上のものを備え、前記第1のパターンを画定するコンデンサ組は、並列に接続され、前記第2のパターンを画定するコンデンサ組は、並列に接続され、
前記1つ以上の回路基板は、電極が、前記コンデンサと電気連通し、前記1つ以上の回路基板に対して少なくとも2自由度において固定されるように、前記電極に結合されるように構成されている、装置。
(項目26)
前記複数のコンデンサは、平面状である、項目25に記載の装置。
(項目27)
前記複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列されている、項目25に記載の装置。
(項目28)
前記複数のコンデンサは、2~20組のコンデンサを備え、前記組のコンデンサは、並列に接続されている、項目26に記載の装置。
(項目29)
コンデンサの各組は、50個よりも少ないコンデンサを備えている、項目28に記載の装置。
(項目30)
コンデンサの各組は、直列における10個以上のコンデンサを備えている、項目25に記載の装置。
(項目31)
各コンデンサは、100ナノファラド以下の容量を有する、項目25に記載の装置。
(項目32)
前記1つ以上の回路基板は、複数の積層可能回路基板を備えている、項目25に記載の装置。
(項目33)
前記第1および第2のパターンは、円形である、項目32に記載の装置。
(項目34)
前記複数の積層可能回路基板は、第1の積層可能回路基板と、前記第1の積層可能回路基板に結合された第2の積層可能回路基板とを備えている、項目32に記載の装置。
(項目35)
前記コンデンサのうちの前記第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板に結合され、前記コンデンサのうちの前記第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板に結合されている、項目34に記載の装置。
(項目36)
前記コンデンサのうちの前記第1の部分は、前記第1の積層可能回路基板の第1の側に配置され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、前記第2の積層可能回路基板の第2の側に配置され、前記第2の回路基板の前記第2の側は、前記第1の積層可能回路基板の前記第1の側と対向している、項目35に記載の装置。
(項目37)
前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、円形パターンにおいて前記第1の積層可能回路基板に結合され、
前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、円形パターンにおいて前記第2の積層可能回路基板に結合されている、
項目35に記載の装置。
(項目38)
コンデンサの各組は、並列に接続された10個以上のコンデンサをさらに備えている、項目37に記載の装置。
(項目39)
前記第1の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、前記第2の積層可能回路基板は、外縁と、中心とをさらに備え、前記複数のコンデンサのうちの前記第1の部分は、電流を前記第1の積層可能回路基板の外縁から前記第1の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成され、前記複数のコンデンサのうちの前記第2の部分は、電流を前記第2の積層可能回路基板の外縁から前記第2の積層可能回路基板の中心に向かって流動させるように構成されている、項目37に記載の装置。
(項目40)
前記第1の積層可能回路基板は、前記積層可能回路基板の外縁に沿って配置されたコネクタによって、前記第2の積層可能回路基板に電気的に結合されている、項目39に記載の装置。
(項目41)
前記複数の積層可能回路基板は、各々、0.02インチ~0.2インチの厚さを有する、項目32に記載の装置。
(項目42)
前記複数のコンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有する、項目25に記載の装置。
(項目43)
前記複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備えている、項目25に記載の装置。
(項目44)
治療用衝撃波を生成するための装置を使用して、圧縮音響波を生成する方法であって、前記方法は、
液体の一部が気化し、イオン化し始め、電極間導電性経路を提供するように、筐体によって画定され、前記液体で充填されたチャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加することと、
前記筐体によって支持され、前記複数の電極と電気連通する複数のコンデンサに電圧を印加し、前記複数のコンデンサを充電することと、
前記複数のコンデンサが閾値電荷に到達すると、前記複数のコンデンサを前記電極に放電し、前記確立された電極間導電性経路に沿って電極間アークを生成し、それによって、少なくとも1つの音響衝撃波を生成することと
を含む、方法。
(項目45)
前記複数の電極に印加される電圧パルスは、500V~10,000Vである、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記複数のコンデンサに印加される電圧パルスは、500V~10,000Vである、項目44に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下の図面は、限定ではなく、例として図示する。簡潔化および明確化のため、所与の構造の全ての特徴が、常時、その構造が現れる全ての図に標識化されるわけではない。同じ参照番号は、必ずしも、同じ構造を示すわけではない。むしろ、同一の参照番号は、同じではない参照番号であり得るような類似する特徴または類似する機能性を伴う特徴を示すために使用され得る。図は(別様に注記されない限り)縮尺通りに描かれ、描写される要素のサイズは、少なくとも図に描写される実施形態に関して互いに対して正確であることを意味する。
【0041】
図1図1は、従来技術の電気水圧システムからの音響波を図示するグラフである。
【0042】
図2A図2Aは、パルス生成システムの段階1、すなわち、電極間生理食塩水加熱および初期気化を描写する。
【0043】
図2B図2Bは、パルス生成システムの段階2、すなわち、電極間蒸気イオン化を描写する。
【0044】
図2C図2Cは、パルス生成システムの段階3、すなわち、電極間アーク形成を描写する。
【0045】
図2D図2Dは、パルス生成システムの段階4、すなわち、電極間集中的アークを描写する。
【0046】
図3図3は、本システムのいくつかの実施形態における使用、またはそれらとの使用のための電気水圧衝撃波生成システムの一実施形態の概略図を描写する。
【0047】
図4図4A-4Eは、複数のコンデンサを備えている積層可能回路基板の一実施形態の種々の図を描写する。
【0048】
図5-1】図5A-5Eは、結合された積層可能回路基板の対に付着されたコンデンサアレイの第2の実施形態の種々の図を描写する。
図5-2】図5A-5Eは、結合された積層可能回路基板の対に付着されたコンデンサアレイの第2の実施形態の種々の図を描写する。
【0049】
図6図6A-6Dは、結合された積層可能回路基板の対に付着されたコンデンサアレイおよび結合構成要素の種々の図を描写する。
【0050】
図7図7A-7Cは、衝撃波生成チャンバ内の電極の対に結合された積層可能回路基板の対に付着されたコンデンサアレイの種々の図を描写する。
【0051】
図8図8Aおよび8Bは、従来技術のシステムと比較したときの本装置の一実施形態の使用からもたらされる低減した電極摩耗を描写する。
【0052】
図9図9は、本装置の実施形態からの圧縮音響波および従来技術の装置からの音響波の比較を図示するグラフを描写する。
【0053】
図10図10は、スパークヘッドまたはモジュールを有する本プローブのさらなるプロトタイプ実施形態の分解斜視図を描写する。
【0054】
図11図11Aおよび11Bは、図10のプローブのアセンブリの部品を描写する。
【0055】
図12A図12Aおよび12Bは、それぞれ、図10のプローブの斜視図および側面断面図を描写する。
図12B図12Aおよび12Bは、それぞれ、図10のプローブの斜視図および側面断面図を描写する。
【0056】
図12C図12Cは、図10のプローブのスパーク間隙の拡大側面断面図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本システムおよび装置のある実施形態は、向上した電極寿命を有しながら、高周波数衝撃波を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、生成されるEH衝撃波は、医療および/または審美的治療用途において(例えば、患者の標的組織に向かわせるとき、および/または、送達されるときに)使用されることができる。本システムが使用され得る医療および/または審美的治療用途の例は、(1)第US 2013/0046207号として公開された米国特許出願第13/574,228号、(2)第US 2013/0018287号として公開された米国特許出願第13/547,995号、および(3)第US 2014/0257144号として公開された米国特許出願第13/798,710号に開示されている(それらの各々は、それらの全体において本明細書に組み込まれる)。
【0058】
一実施形態では、衝撃波の電気水圧生成のための装置は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、チャンバ内に配置された液体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極(例えば、スパークヘッドまたはモジュールにおける)と、10Hz~5MHzの率において電極に電圧パルスを印加するように構成されているパルス生成システムとを備えている。電圧パルスの率は、25Hz、50Hz、75Hz、100Hz、150Hz、200Hz、250Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1KHz、5KHz、10KHz、25KHz、50KHz、100KHz、200KHz、300KHz、400KHz、500KHz、600KHz、700KHz、800KHz、900KHz、1MHz、2MHz、3MHz、および4MHzの率であり得る。
【0059】
(A.従来技術のシステム)
ここで図面を参照すると、図1は、従来技術の電気水圧システムからの典型的なパルス放電を描写し、システムは、広い周波数スペクトル音響波を生成し(典型的には、16Hz~30MHzの範囲内)、それは、大きい圧縮パルス波100と、それに続く小さい張力波とから成る。圧縮パルス波100は、2つの部分から成る:急上昇音響フロント104(衝撃波フロントとも称される)、および、それに続く長い圧縮音響テール106。急速音響フロント104は、ナノ秒の時間スケールで生じる一方、長い圧縮音響テール106は、マイクロ秒の時間スケールで生じる。
【0060】
そのような従来技術の電気水圧システムは、2つの電極間のパルス放電事象を生成し、パルス放電事象は、4つの段階で行われる:(1)電極間生理食塩水加熱および初期気化、(2)蒸気イオン化、(3)電極間アーク形成、および、(4)集中的アーク。
【0061】
図2Aは、従来技術のパルス放電事象の段階1、すなわち、電極間生理食塩水加熱および初期気化を描写する。パルスのこの段階中、チャンバ200は、生理食塩水202で充填される。次に、パルス生成システムは、電圧を電極204、206に直接印加し、電極間導電性経路208を生成する。具体的には、電流210が、1つの電極204から別のもの206にバルク量の生理食塩水202を通して伝導される。これは、生理食塩水202が加熱されることをもたらし、生理食塩水202が加熱され、その一部が電極204、206の表面先端上に位置する初期泡核形成部位において気化されることをもたらす。生理食塩水の導電率は温度とともに増加するので、この段階中、電極電流は、生理食塩水の温度が増加するにつれて上昇する。この段階において、生理食塩水加熱および初期気化中、いかなる電極損傷も存在しない。電流は、電極204、206の表面先端にわたってほぼ均一に分配され、生理食塩水の温度は、低い(最大約100℃)一方、全体的インピーダンスは、高い(1%生理食塩水に対して約50Ω)。
【0062】
図2Bは、従来技術のパルス放電事象の段階2を描写する:電極間蒸気イオン化、それは、図2Aに描写されるような段階1と重複する。パルスのこの段階中、電流210は、主として、1つの電極204から別のもの206にバルク量の生理食塩水202を通して依然として伝導されている。生理食塩水202は、初期泡核形成部位から継続して気化し、拡張する。生理食塩水202が気化し、その密度が十分に低いと、電子の増加した自由経路は、それらが衝突イオン化のために十分なエネルギーを取得することを可能にし、なだれプラズマ放電212が、形成される。段階1のように、無視できる電極への損傷が、この段階中に生じる。イオン爆射が、スパッタリングを通して電極材料除去を引き起こし得るが、速度は、パルス放電事象の段階3および4と比較したとき、極端に低い。全体的インピーダンスは、高い(1%生理食塩水に関して約50Ω)。
【0063】
図2Cは、従来技術のパルス放電事象の段階3を描写する:電極間アーク形成。パルスのこの段階中、複数の事象が、ほぼ同時に生じる。生理食塩水蒸気プラズマ層を通した放電は、カソードおよびアノードスポットが電極の表面上に生じることをもたらす。電極材料および電子のこれらの微小な集中的ジェットは、完全なアーク214を形成するために必要な導電性材料を供給する。カソードおよびアノードスポットから発生するジェットは、接続し始め、段階4の集中的アークに遷移する。電極204、206を横断する正味電流は、初期アーク214が急速かつ完全な生理食塩水気化およびアーク拡散を引き起こすにつれて、スパイクし始める。全体的インピーダンスは、約50Ω~0.1Ωに降下し始める。
【0064】
図2Dは、従来技術のパルス放電事象の段階4を描写する:電極間集中的アーク。集中的アークモード216は、非常に明るく、アノードおよびカソードを覆い、電極間隙218を充填するように見える。別のスポットおよびカソードスポットが、存在し、それらは、電極材料を間隙218の中に連続的に出射しており、それは、低インピーダンスアークのための給送材料を供給する。従来技術のパルス生成システムによって生成される集中的アークモード216は、アノードおよびカソードにおける深刻な浸食によって特徴付けられる[1]。低い全体的インピーダンス(約0.1Ω)に起因して、アーク電圧は、低く、電流は、高い。アノードスポットは、より少なく、より集中的である傾向にある一方、カソードスポットは、より多く、より分散されるので、アノード浸食は、典型的には、カソード浸食よりも深刻である[1]。
【0065】
従来技術の電気水圧システムを使用する電極204、206の深刻な浸食は、それらのシステムにおける電極の寿命を限定する。電気水圧システムに対する多くの用途は、多数または急速なパルスが効果的であることを要求するので、これらの音響波を生成するための従来技術のアプローチは、電極204、206の限定された寿命の低下をもたらし、それは、頻繁な電極交換または高価で複雑な電極給送システムの使用のいずれかを要求する。限定された電極寿命に起因して、これらの要件は、電気水圧システムの商業的有用性を限定する。
【0066】
(B.改良されたシステム、構成要素、および方法)
本装置および方法のある実施形態は、向上した電極寿命を提供しながら、衝撃波を電気水圧的に生成するように構成されている。ある実施形態は、衝撃波生成に対する2段階パルス放電アプローチを利用することによって、向上した電極寿命を達成する。いくつかの実施形態では、第1段階において、パルス生成システムは、以下を同時に行うように構成されている:(1)チャンバ内に含まれる液体の一部が気化され、電極間導電性経路を提供するように、電極チャンバ内の複数の電極に電圧パルスを印加すること、(2)複数の電極に隣接して位置する複数のコンデンサを充電するために電圧パルスを印加すること。そのような実施形態では、第2段階において、充電された複数のコンデンサは、放電し、確立された電極間導電性経路を通して短い電極間アークを生成し、音響衝撃波をもたらす。短い電極間アークは、電極浸食を最小化し、それによって、向上した電極寿命につながることができる。
【0067】
電気水圧衝撃波生成では、高容量が、電極において所望の波形を伴う要求されるピークパルス電流を取得するために要求され得る。本実施形態のうちのいくつかでは、大型コンデンサが、電極に近接して配置され得、短い電極間アークを生成するために必要な高電圧パルスを電極に提供することが可能であり得る。しかしながら、パルス衝撃波を生成するために要求される繰り返される高い電圧および電流位相放電の使用は、大型コンデンサへの損傷を引き起こし得、それは、順に、衝撃波発生器故障につながり得る。これらの従来技術のシステムにおいて持続されるコンデンサ損傷は、コンデンサ板の圧電効果によるものであると理論化されており、それは、機械的故障につながる。この問題は、許容可能な長さの電極寿命を有する商業的に実現可能な急速パルス衝撃波発生器を生成するための能力を限定し得る。
【0068】
本実施形態のうちのいくつかでは、電極に隣接して(例えば、電極が配置されるハンドヘルド筐体内またはその上に)(例えば、低インダクタンスパターンにおいて)配列される並列における複数の小型コンデンサが、短い電極間アークを生成するために使用されることができる。本実施形態では、電極に隣接して低インダクタンスパターンにおいて配列される並列における複数の小型コンデンサは、コンデンサへの損傷を伴わずに、急速なパルス衝撃波を生成するために要求される繰り返される急速な高い電圧および電流パルス放電を提供することが可能である。各小型コンデンサのための材料に対する圧電効果は、急速なパルス衝撃波を生成するために並列における複数の小型コンデンサ内で使用されるとき、限定される。その結果、そのような実施形態では、破滅的なコンデンサの機械的故障は、回避され、それによって、急速パルス衝撃波発生器の商業的実現可能性を改良する。
【0069】
本実施形態のうちのいくつかでは、並列における複数の小型コンデンサは、コンデンサのために要求される面積を縮小するように、複数の積層回路基板内に設置され得る。加えて、複数の小型コンデンサを各積層可能回路基板の両側に設置することは、コンデンサのために要求される表面積のさらなる縮小だけでなく、複数のコンデンサの使用によって引き起こされるインダクタンスの低減ももたらす。
【0070】
図3は、開示される電気水圧装置の一実施形態の代表的概略を描写する。示される実施形態では、パルス生成システム300は、ケーブル304によってヘッド302に結合される。ヘッド302は、1つ以上のスパーク間隙308を画定するように構成されている複数の電極306と、複数のコンデンサ310とを含む(例えば、電極およびコンデンサは、筐体によって支持される)。下記に説明されるように、コンデンサは、例えば、低インダクタンスパターンにおいて構成され得る。いくつかのそのような実施形態では、ヘッド302の筐体または本体は、その中に複数の電極306が配置される筐体を画定し(例えば、各電極の一部は、チャンバの中に延びている)、複数のコンデンサ310は、筐体によって支持される(および/またはチャンバ312内に配置され得る)。チャンバ312は、液体で充填されるように構成されている。示される実施形態では、パルス生成システム300は、高電圧電力供給源314と、コンデンサ316と、一次スイッチ318と、電流プローブ320と、抵抗器322と、インダクタ324と、電圧プローブ326とを備えている。高電圧電力供給源314は、例えば、3,000ボルト(V)を供給するように構成され得る。パルス生成システム300は、チャンバ312内に配置された液体の一部が気化され、電極間導電性経路を提供するように、複数の電極306に電圧パルスを印加するように構成されている。パルス生成システム300は、チャンバ内の複数のコンデンサ310に電圧を(例えば、同時に)印加するようにも構成されている。充電されると、複数のコンデンサ310は、確立された電極間導電性経路内で放電し、短い電極間放電アークを生成することができる。この放電アークは、次いで、衝撃波の形成をもたらす。
【0071】
図4A-4Eに示されるもの等のいくつかの実施形態では、複数のコンデンサ310の少なくとも一部は、積層可能回路基板400の上部側408および底部側406の両方の上に、円形低インダクタンスパターンにおいて積層可能回路基板400に結合される。図4Aは、積層可能回路基板400の底部側406に結合される複数のコンデンサ310を有する積層可能回路基板400の一実施形態の見下げ図を描写する。示される実施形態では、積層可能回路基板400は、円形であり、外縁402と、中心開口404とを有する。中心開口404を包囲して、積層可能回路基板400は、複数の追加の開口410と、複数のピン412とを有する。本実施形態では、14個(14)のピン412が、積層可能回路基板400に結合される。他の実施形態は、中心開口404を包囲する5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれを上回るピン412を含み得る。ピン412は、例えば、複数の回路基板間に少なくとも一時的に電気接続を確立するように構成されているポゴピンまたは他のコネクタであり得る。加えて、示される実施形態では、積層可能回路基板400は、その外縁402の周囲を走る複数の基板間コネクタ414を有する。コネクタ414は、示されるような単一の列において、または2つの列において配列され、積層可能回路基板400を追加の回路基板と電気的に結合することを促進し得る。コネクタ414は、例えば、-55℃~125℃の温度の範囲にわたって動作するように構成され得る。
【0072】
示される実施形態では、コンデンサ310は、低インダクタンスパターンにおいて積層可能回路基板400に結合される。示されるように、コンデンサの低インダクタンスパターンは、コンデンサの複数の組を備え、コンデンサの各組は、複数の個々のコンデンサを備え得る。低インダクタンスパターンでは、コンデンサの組は、各組が各他の組と並列にあるように配列される。一実施形態によると、図4A-4Eに示されるように、コンデンサの各組は、1つのコンデンサが中心開口404の近傍で基板400に結合され、複数の追加のコンデンサが、それらが互いに電気連通し、中心開口404から離れるように外縁402に向かって半径方向に延びているように基板400に結合されるように、積層可能回路基板400に結合される。組からのコンデンサのこの部分は、それらが基板の対向する側(または図6A-6Dに示されるように、別の基板)上に置かれたコンデンサの追加の部分と電気連通するようにさらに構成されている。コンデンサのこの追加の部分は、それらが基板402の縁から中心開口404に向かって直列に延びているように同様に構成されている。説明される実施形態によると、コンデンサの全体的構成は、各々が複数のコンデンサ全体の一部を伴うコンデンサの複数の組が、中心開口404から中心縁402に外向きに延び、基板の対向する側に(または別の基板に)進み、次いで、基板402の縁から中心開口404に向かって戻るように延びているようなものである。コンデンサ310は、そのように構成されていると、電流を積層可能回路基板400の外縁402から中心開口404に向かって、または積層可能回路基板400の中心開口404から外縁402に向かって流動させ得る。そのような構成は、コンデンサアレイ全体にわたり低減されたインダクタンスをもたらすことが示されている。例えば、いくつかのそのような実施形態では、コンデンサのある組は、電流を半径方向に内向きに流動させるように構成され、コンデンサの組のその他は、電流を半径方向に外向きに流動させるように構成され、使用中、インダクタンスを相殺するか、または別様の(例えば、弱め合う干渉を介して)傾向にある電流の「向流」をもたらす。いくつかの実施形態では、コンデンサの一部は、複数の積層可能回路基板の各々に結合され、それは、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回る個々の基板を含み得る。複数のコンデンサの一部は、積層可能回路基板のうちのいずれかの片側または両側に結合され得る。示されるように、積層可能回路基板400は、形状が円形であり得、外縁402から中心開口に向かって内向きに延びている切り込み416を有し得る。
【0073】
一実施形態では、各々が100ナノファラド(nF)以下の容量を有する並列における少なくとも10個(10)の平面コンデンサが、コンデンサへの損傷を伴わずに急速なパルス衝撃波を生成するために要求される繰り返される高い電圧パルス放電を提供することが可能である。他の実施形態では、最低でも15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、または50個の平面コンデンサが、並列において使用され得る。加えて、他の実施形態によると、各コンデンサは、95nF、90nF、85nF、80nF、75nF、70nF、65nF、60nF、55nF、または50nFの最大容量を有し得る。一実施形態では、コンデンサは、各々、2mm~4mmの長さおよび1mm~3mmの幅を有する。
【0074】
コンデンサがコンデンサの組において配列される実施形態では、複数のコンデンサは、2~30個の組のコンデンサにおいて配列され、組は、並列に接続され得る(例えば、各組内のコンデンサは、直列に接続される)。代替として、複数のコンデンサは、2、5、10、または15組のコンデンサを備え得る。いくつかの実施形態では、コンデンサの各組は、50個よりも少ないコンデンサを備えているが、代替として、組あたり5個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、または45個のコンデンサを備え得る。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、少なくとも100個のコンデンサを備えている。いくつかの実施形態では、複数のコンデンサは、2nH~200nHの全体的インダクタンスを有する回路内に配列される。
【0075】
図5A-5Eは、衝撃波パルス生成装置において使用するためのコンデンサアレイを含む積層可能回路基板の本アセンブリの一実施形態の斜視図、断面図、上面図、および側面図を描写する。図5Aは、本積層可能回路基板アセンブリの一実施形態の斜視図を描写し、図5Bは、アセンブリの別の斜視図を描写し、図5Cは、アセンブリの側面断面図を描写し、図5Dは、アセンブリの上面図を描写し、図5Eは、アセンブリの側面図を描写する。示されるように、このアセンブリでは、回路基板400は、コネクタ414を介して第2の積層可能回路基板500に結合され、したがって、回路基板400のコンデンサ310は、コネクタ(414)を介して第2の積層可能回路基板500に電気的に接続される。回路基板400は、さらに中心ハブアセンブリ502を介して回路基板500に機械的に結合される。本実施形態によると、回路基板500は、中心ピンからコンデンサ310の最も外側の列まで低インダクタンス戻り経路を提供する。
【0076】
図6A-6Dは、急速治療用衝撃波生成装置および方法において使用するための本コンデンサアレイの別の実施形態の斜視図、断面図、ならびに分解斜視図を描写する。図6Aは、コンデンサアレイの斜視図を描写し、図6Bは、コンデンサアレイの第2の斜視図を描写し、図6Cは、コンデンサアレイの断面図を描写し、図6Dは、コンデンサアレイの分解図を描写する。本実施形態では、複数のコンデンサ310は、複数の電極に隣接する第1の積層回路基板400および第2の積層回路基板500上に設置され、複数の小型コンデンサ310は、低インダクタンスパターンにおいて各積層可能回路基板400、500の両側に設置される。回路基板400、500の両方は、基板間コネクタ414を介して互いに電気的に結合され、中心機械的アセンブリ502を介して互いに機械的に結合される。
【0077】
示される実施形態では、電極の近傍に複数のコンデンサ310を設置することは、アークが完全かつ迅速に放電されることを可能にする。(図3に描写される実施形態によって図示されるような)チャンバヘッド内のコンデンサ310が放電されると、電極間アークは、終了し、電極浸食を最小化する。
【0078】
いくつかの実施形態では、電極の向上した寿命は、電極の近傍の複数のコンデンサ310の放電の結果である。低インダクタンスパターンにおいて電極の近傍に複数のコンデンサ310を設置することは、コンデンサ/電極設定に全体的低インダクタンスを提供する。その結果、チャンバ内の複数のコンデンサ310は、完全かつ迅速に放電されることが可能である。
【0079】
示されるように、中心機械的アセンブリ502は、接触リング600と、リングアダプタ602と、スペーサ604と、交換ピンソケット606と、中心ピン608と、複数のナット610とを備えている。リングアダプタ602は、第2の積層可能回路基板500内の開口の中に挿入されるように構成されている複数の歯612を有し得、それによって、歯612は、第2の積層可能回路基板500がリングアダプタ602から独立して回転することを防止する。
【0080】
示される実施形態では、コンデンサは、電流を第2の積層可能回路基板500の中心から、その外縁に向かって、基板間コネクタ414を通して、第1の積層可能回路基板400の外縁に、そこから第1の積層可能回路基板400の中心に流動させるように構成され得る。各積層可能回路基板400、500は、0.02~0.2インチの厚さを有し得る。代替として、基板400、500は、0.03~0.125インチまたは0.04~0.1インチの厚さを有し得る。
【0081】
図7A-7Cは、開示されるコンデンサアレイ結合衝撃波生成チャンバの一実施形態の断面図および側面図を描写する。図7Aに示されるような実施形態によると、コンデンサアレイ700は、近位電極702と、遠位電極704とを備えている複数の電極に結合される。本実施形態では、近位電極702および遠位電極704の両方は、液体で充填されるように構成されているチャンバ706内に配置される。少なくとも一実施形態では、チャンバ706は、生理食塩水で充填されるように構成されている。さらに別の実施形態では、チャンバ706は、生理食塩水で充填される。電極702、704は、放電場所708を画定するそれらの間の短い間隙を有するように構成されている。コンデンサアレイ700は、結合された電極702、704、およびチャンバ706とともに、衝撃波生成に対する2段階放電アプローチを実施するように構成されている。第1段階では、パルス生成システムは、以下を同時に行うように構成されている:(1)チャンバ706内に含まれる液体の一部が気化され、放電場所708内に電極間導電性経路を提供するように、電極チャンバ706内の複数の電極702、704に電圧パルスを印加すること、(2)コンデンサアレイ700内の複数の電極702、704に隣接して位置する複数のコンデンサを充電するために電圧パルスを印加すること。本実施形態によると、第2段階では、充電された複数のコンデンサは、放電し、放電場所708内の確立された電極間導電性経路を通して、短い電極間アークを生成し、音響衝撃波をもたらす。
【0082】
いくつかの実施形態では、衝撃波を生成することに対する2段階パルス放電アプローチを使用することは、電極浸食を最小化する短い電極間アーク時間をもたらし、向上した電極寿命につながる。単一段階パルス放電アプローチ(例えば、パルス生成システムは、電圧パルスを電極に直接印加し、電極間導電性経路を連続的に形成し、次いで、電極間アークを生成する)を使用する電気水圧システムは、長い放電アーク時間、したがって、著しい電極浸食に悩まされる。この著しい電極浸食は、短い電極寿命を伴う電気水圧衝撃波装置につながり、保守のために必要な時間および費用を増加させる。
【0083】
例えば、図8Aおよび8Bは、開示されるシステムを実装する電極と比較される従来技術のシステムによって使用される電極を比較する写真を描写する。図8Aは、単一段階アプローチを使用する従来技術のパルス化電力供給源を用いて起動される電極の一実施形態を描写する。対照的に、図8Bは、本明細書に開示される2段階パルス化生成システムの一実施形態を用いて起動される電極を描写する。図8Aおよび8Bを比較することによって分かり得るように、従来技術のパルス化電力供給源を使用して起動された電極(図8A)は、100発を下回るパルス後にかなりの浸食を示した。大きいへこみは、単一段階の従来技術のシステムからもたらされる長い深刻なアーク持続時間に起因する大量電極融解を示す。従来技術のシステムを実装する電極に反して、2段階パルス生成システムを用いて起動された電極(図8B)は、6,200発のパルス後に最小限の浸食しか実証しなかった。2段階システムを実装する電極は、従来技術のシステムを実装するものと比較したとき、15倍の摩耗率低減を有していた。例えば、同等のパルス率において、従来技術のパルス生成システムに結合される図8Aに描写される電極は、1分あたり約3,750マイクロインチの摩耗率を呈した一方、本発明的2段階パルス生成アプローチのうちの1つ(パルス生成システムおよび筐体支持コンデンサアレイを含む)に結合される図8Bに描写される電極は、1分あたりわずか250マイクロインチの摩耗率を呈した。
【0084】
加えて、一実施形態によると、本明細書に開示される2段階アプローチを使用する衝撃波の電気水圧生成のための装置および方法は、従来技術のシステムによって生成されるそれらの波と比較したとき、「圧縮」された音響波を生成する。図9は、従来技術のシステム900によって生成される音響波と提案される2段階アプローチ902によって生成される音響波との両方の経時的な圧力を図示するグラフを描写する。図9から分かり得るように、従来技術のシステムと比較して、2段階アプローチによって生成される音響波は、従来技術のアプローチのものよりも急速に上昇する音響フロント904を有する。より重要なこととして、長い音響テール906は、すでに確立された電極間導電性経路への急速なコンデンサ放電時間の結果として、有意に圧縮される。最後に、2段階アプローチは、従来技術のアプローチと比較したとき、より多くのエネルギーを音響パルスに投入し、より少ない合計エネルギーをアークに投入する。アークへのより少ない合計エネルギーは、向上した電極寿命に直接つながる。
【0085】
さらに、図9に描写される圧縮された音響波は、組織に印加されるときに痛みがあまりなく、あまり損傷を及ぼさない。従来技術の電気水圧システムからの典型的なパルス放電は、典型的には、16Hz~30MHzの範囲内の広い周波数スペクトル音響波を生成する。音響波の長い圧縮テール906は、より低い周波数スペクトルの音響波から成る。典型的に使用される音響圧力におけるこれらの低周波数成分は、大きいキャビテーション気泡の主要な源である。これらの大きいキャビテーション気泡は、組織内で生成されると、痛みおよび組織損傷をもたらす。短いコンデンサ放電および結果として生じる急速なアークに起因して、音響波の長い圧縮テール906は、圧縮される。その結果、長いテールによる大きいキャビテーション気泡は、最小化される。
【0086】
一実施形態では、本衝撃波生成システムおよび装置は、図10-12Cに描写されるプローブを組み込む。本実施形態では、プローブ1000は、チャンバ1004および衝撃波出口1006を画定する筐体1002と、チャンバ1004内に配置される液体と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている(例えば、スパークヘッドもしくはモジュール1008内の)複数の電極306とを備え、10Hz~5MHzの率で電極に電圧パルスを印加するように構成されているパルス生成システム(300)に結合されるように構成されている。
【0087】
示される実施形態では、スパークヘッド1008は、側壁または本体1010と、スパーク間隙を画定する複数の電極306とを含む。本実施形態では、プローブ1000は、液体が、液体コネクタまたはポート1012および1014を介して、チャンバ1004を通して循環されることを可能にするように構成され、示されるように、そのうちの一方は、スパークヘッド1008に結合され、そのうちの他方は、筐体1002に結合される。本実施形態では、筐体1002は、示されるように、筐体1002および筐体1010がチャンバ1004を画定するように協働するように(例えば、スパークヘッド1008および筐体1002がチャンバを画定するように協働する相補的な放物表面を含むように)スパークヘッド1008を受け取るように構成されている。本実施形態では、筐体1002およびスパークヘッド1008は、循環する水がスパーク間隙に近接近して、および/またはそれを通して流動するであろうように、液体コネクタ1012とチャンバ1004との間に延び、電極306間のスパーク間隙と整列させられるチャネル1016を(例えば、スパークヘッド1008の中心縦方向軸に沿って)含む。示される実施形態では、筐体1002は、液体コネクタ1014とチャンバ1004との間に延びているチャネル1018を含む。本実施形態では、筐体1010は、弾性ガスケットまたはOリング1022を受け取り、スパークヘッド1008と筐体1002との間の界面をシールするように構成されている溝1020を含み、筐体1002は、弾性ガスケットまたはOリング1026を受け取り、キャップ部材1028がリング1030および拘束カラー1032によって筐体1002に固定されると、筐体1002とキャップ部材1028との間の界面をシールするように構成されている溝1024を含む。
【0088】
示される実施形態では、電極306の各々は、平坦棒部分1034と、棒部分1034と電気連通している(例えば、それと一体である)(例えば、耐久性のためにタングステンを備えている)垂直円筒形部分1036とを含み、円筒形部分1036は、示されるように、スパークヘッド1008における対応する開口部1038を通り、チャンバ1004の中に延び得る。いくつかの実施形態では、円筒形部分1036の側面の一部は、例えば、部分1036と筐体1010との間の界面をシールするため等、電気絶縁および/または弾性材料(例えば、シュリンクラップ)を用いて被覆されることができる。本実施形態では、筐体1010は、電極306の棒部分1034を受け取るように構成されている、縦方向溝1038も含む。示される実施形態では、円筒形部分1036を内向きに押し、電極306の円筒形部分の間のスパーク間隙を調節するように、止めねじ1040が引き締められ得るように、筐体1002は、スパークヘッド1008が筐体1000内に配置されると、電極306の円筒形部分1036と整列するように位置付けられる止めねじ1040を含む。いくつかの実施形態では、スパークヘッド1008は、筐体1002に恒久的に接着されるが、しかしながら、他の実施形態では、スパークヘッド1008は、例えば、個々に、または新しいもしくは交換用スパークヘッド1008の一部として、電極306の交換を可能にするため等、筐体1002から取り外し可能であり得る。
【0089】
上記の明細書および例は、構造および例示的実施形態の使用の説明を提供する。ある実施形態が、ある程度具体的に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して、上で説明されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多数の改変を成し得る。したがって、本デバイスの種々の例証的実施形態は、開示される特定の形態に限定されるように意図されない。むしろ、それらは、請求項の範囲内の全ての修正および代替を含み、示されるもの以外の実施形態は、描写される実施形態の特徴のうちのいくつかまたは全てを含み得る。例えば、構成要素は、一体構造として組み合わせられ得る。さらに、適切な場合、説明される例のうちのいずれかの側面は、匹敵する、または異なる性質を伴い、同一または異なる問題に対処する、さらなる例を形成するように、説明される他の例のうちのいずれかの側面と組み合わせられ得る。同様に、上で説明される利益および利点は、1つの実施形態に関連し得る、またはいくつかの実施形態に関連し得る。
【0090】
請求項は、そのような限定が、それぞれ、語句「~のための手段」または「~のためのステップ」を使用して、所与の請求項に明示的に列挙されない限り、手段プラスまたはステッププラス機能の限定を含むように意図されず、そのように解釈されるべきではない。
【0091】
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが本明細書に記載されるものを補足する例示的手順詳細または他の詳細を提供する範囲において、参照することによって本明細書に具体的に組み込まれる。
[1]Raymond L.Boxman,Philip J.Martin,David Sanders(1995).Handbook of Vacuum Arc Science and Technology:Fundamentals and Applications,Park Ridge,NJ:Noyes Publications,pp.316-319
[2]V.Ya.Ushakov、他、(2007).Impulse Breakdown of Liquids,New York,NY:Springer
[3]Schmitz C、他、Treatment of chronic plantar fasciopathy with extracorporeal shock waves(review).Journal of Orthopaedic Surgery and Research 2013 8:31
[4]L.Camilliによる「High power discharge fuel igniter」と題された米国特許第8,672,721号
[5]W.Einars、他による「Preparing a circuit for the production of shock waves」と題された米国特許第5,245,988号
[6]M.Zinnによる「Short pulse generator」と題された米国特許第4,005,314号
[7]G.Heine、他による「Circuit for generating an underwater discharge」と題されたドイツ特許第DE 3150430 CI号
[8]B.R.Donoghue、他による「Apparatus for hydraulic crushing」と題された米国特許第3,604,641号
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C