(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20220118BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220118BHJP
【FI】
H05K7/00 G
F21V23/00 140
F21V23/00 160
(21)【出願番号】P 2017045297
(22)【出願日】2017-03-09
【審査請求日】2020-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】熊野 宏治
(72)【発明者】
【氏名】栗林 晃志
(72)【発明者】
【氏名】前田 忠司
【審査官】赤穂 州一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-242248(JP,A)
【文献】特開平08-222861(JP,A)
【文献】実開昭58-029881(JP,U)
【文献】特開2002-014745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が開放された第1箱状ケースと、
上面が開放され、開放された上面側に前記第1箱状ケースが重ね合わされると共に、固定金具によって前記第1箱状ケースに固定された第2箱状ケースと、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方の内部かつ、該内部の中央に対して側壁の一部の側に配設され、外部装置に接続するための端子部と、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方に収容され、前記外部装置を制御するための電気部品と、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部かつ、該内部の中央に対して前記側壁の一部の側に配設され、前記端子部から延びる接続線を前記電気部品に接続する接続部と、
を備え、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースは、前記固定金具が外された状態で、
前記第1箱状ケースの前記底面を前記第2箱状ケースの前記上面に向け、かつ前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方
が有する、互いに対向する一対の側壁の
うちの一方の先端に、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方
が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端を隣り合う状態に配置可能であり、
前記接続線は、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースが前記隣り合う状態で、前記接続部
から前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端までの距離と、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端から前記端子部
の端部までの距離と、前記端子部の端部から前記端子部の前記接続線の接続箇所までの距離とを足し合わせた長さを有
し、
前記電気部品は、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部に配設された回路基板と、
前記回路基板にスペーサを介して固定され、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部の中央よりも、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの前記一方の側に偏って配設された中継基板であって、前記接続部が設けられ、前記接続部が第2接続線により前記回路基板と接続された中継基板と、
を有する、
前記外部装置を制御する制御装置。
【請求項2】
底面が開放された第1箱状ケースと、
上面が開放され、開放された上面側に前記第1箱状ケースが重ね合わされ
ると共に、固定金具によって前記第1箱状ケースに固定された第2箱状ケースと、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方の内部かつ、該内部の中央に対して側壁の一部の側に配設され、外部装置に接続するための端子部と、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方に収容され、前記外部装置を制御するための電気部品と、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部かつ、該内部の中央に対して前記側壁の一部の側に配設され、前記端子部から延びる接続線を前記電気部品に接続する接続部と、
を備え、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方の、側壁の一部には、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方を回動可能に支持するヒンジが設けられ
、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースは、前記固定金具が外された状態で、前記第1箱状ケースの前記底面を前記第2箱状ケースの前記上面に向け、かつ前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端に、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端を隣り合う状態に配置可能であり、
前記接続線は、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースが前記隣り合う状態で、前記接続部から前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端までの距離と、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか一方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端から前記端子部の端部までの距離と、前記端子部の端部から前記端子部の前記接続線の接続箇所までの距離とを足し合わせた長さを有し、
前記電気部品は、
前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部に配設された回路基板と、
前記回路基板にスペーサを介して固定され、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方の内部の中央よりも、前記第1箱状ケース及び前記第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの前記一方の側に偏って配設された中継基板であって、前記接続部が設けられ、前記接続部が第2接続線により前記回路基板と接続された中継基板と、
を有する、
前記外部装置を制御する制御装置。
【請求項3】
前記外部装置は、照明器具であり、
前記制御装置は、分電盤内に設置される、
請求項1
または2に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置には、分電盤内に配置されるものがある。このような制御装置の場合、制御装置の電位部品を分電盤の蓋、部品等から保護するため、保護ケースを備える。
【0003】
例えば、特許文献1には、上面が開放された第1箱状ケースと、底面が開放され、開放された底面側を後部ケース側に向けた状態で、第1箱状ケースに重ね合わされた第2箱状ケースとを、備える照明器具の制御装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の照明器具の制御装置では、第1箱状ケースに、伝送回路が形成された回路基板が収容されている。一方、第2箱状ケースに、外部機器から延在する電線と接続されるコネクタ端子と、回路基板が接続される伝送端子と、が設けられている。そして、回路基板とコネクタ端子、回路基板と伝送端子は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースの内部で、2つの接続線によって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の照明器具の制御装置では、コネクタ端子、伝送端子が、第2箱状ケースの互いに対向する2つの側壁それぞれの、第2箱状ケースの内側に配設されている。このため、制御装置の組み立てでは、まず、第2箱状ケースの2つの側壁の内側面それぞれを見ながら、第1箱状ケース内に収容された回路基板から延びる2つの接続線を、コネクタ端子、伝送端子にそれぞれ接続することになる。次に、第1箱状ケースと第2箱状ケースとを重ね合わせて、第1箱状ケースと第2箱状ケースとを組み立てることになる。
【0007】
上記の制御装置の組み立てでは、2つの側壁の内側面それぞれを見ながら接続線の接続作業するため、第1箱状ケースと第2箱状ケースとを離した状態にする必要がある。その結果、接続線を長くする必要がある。そして、第1箱状ケースと第2箱状ケースの重ね合わせで、長くした接続線を、接続線を第1箱状ケースと第2箱状ケースの間に押し込む必要がある。接続線を押し込む工程が必要となるため、作業効率が低下する。また、押し込んだ接続線が、第1箱状ケースと第2箱状ケースの内部の部品と接触することがあり、その結果、制御装置の信頼性が低下することがある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、信頼性及び、組み立ての作業効率が高い制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、底面が開放された第1箱状ケースと、上面が開放され、開放された上面側に第1箱状ケースが重ね合わされると共に、固定金具によって第1箱状ケースに固定された第2箱状ケースと、外部装置に接続するための端子部と、外部装置を制御するための電気部品と、端子部から延びる接続線を電気部品に接続する接続部と、を備える。端子部は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか一方の内部かつ、その内部の中央に対して側壁の一部の側に配設されている。電気部品は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方に収容されている。また、接続部は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方の内部かつ、その内部の中央に対して側壁の一部の側に配設されている。第1箱状ケース及び第2箱状ケースは、固定金具が外された状態で、第1箱状ケースの底面を第2箱状ケースの上面に向け、かつ第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか一方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端に、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端を隣り合う状態に配置可能であり、接続線は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースが隣り合う状態で、接続部から第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端までの距離と、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか一方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の先端から端子部の端部までの距離と、端子部の端部から端子部の接続線の接続箇所までの距離とを足し合わせた長さを有する。さらに、電気部品は、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方の内部に配設された回路基板と、回路基板にスペーサを介して固定され、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方の内部の中央よりも、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方が有する、互いに対向する一対の側壁のうちの一方の側に偏って配設された中継基板であって、接続部が設けられ、接続部が第2接続線により回路基板と接続された中継基板と、を有する。そして、制御装置は、外部装置を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか一方の側壁の一部に、第1箱状ケース及び第2箱状ケースのいずれか他方を隣り合わせた状態で、接続線を接続することができるため、接続線の長さを短くすることができる。その結果、接続線が、第1箱状ケースと第2箱状ケースの内部の部品に接触することを防止して、制御装置の信頼性を高めることができる。また、接続線の長さを短くすることができるため、接続線を押し込む工程をなくして、組み立ての作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置の断面図
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置が備える第1箱状ケースの上面図
【
図3】本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置が備える第2箱状ケースの上面図
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図
【
図5】本発明の実施の形態2に係る照明器具の制御装置の断面図
【
図6】実施の形態2に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図
【
図7】本発明の実施の形態3に係る照明器具の制御装置の断面図
【
図8】実施の形態3に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図
【
図9】実施の形態3に係る照明器具の制御装置における変形例の断面図
【
図10】実施の形態3に係る照明器具の制御装置における変形例の組み立て方法を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る制御装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、制御装置の箱状ケースの端子部が設けられた面を上に向け、その面の一辺を左右方向に平行に配置した場合の、左右方向がX軸方向、上下方向がZ軸方向、X軸とZ軸とに直交する方向がY軸方向である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る制御装置は、複数の照明器具の点灯、消灯、調光等を制御する、コンピュータを備える中央制御装置に接続され、複数の照明器具のうちの1つを、中央制御装置の出力信号に基づいて点灯、消灯、調光等させる、照明器具の制御装置である。この制御装置は、分電盤内に設置されて使用されるため、分電盤の蓋、分電盤内の他の装置、部品等に、制御装置の電気部品、接続線等が接触して破損することを防止する保護カバーが設けられている。以下、
図1から
図3を参照して、この制御装置の構成を説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置の断面図である。
図2は本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置が備える第1箱状ケースの上面図である。
図3は本発明の実施の形態1に係る照明器具の制御装置が備える第2箱状ケースの上面図である。なお、
図2及び
図3では、理解を容易にするため、接続線を省略して図示している。
図1に示すように、制御装置1Aは、保護カバーである第1箱状ケース10、第2箱状ケース20(以下、箱状ケース10、20と称する)を備えている。
【0015】
箱状ケース10は、上側から、すなわち+Z側から制御装置1Aの部品を保護するため、Z方向視で矩形状かつ+Z側に突出する凸部を有する形状に形成された上板10Tと、上板10Tの凸部から下側へ、すなわち、-Z側へ延在する4つの側板を有している。ここで、4つの側板とは、
図1及び
図2に示す右側板10R、左側板10L、
図2に示す前側板10F及び、後側板10Bのことである。制御装置1Aの-Z側は箱状ケース20によって保護されるため、箱状ケース10の底面は、板で覆われず、開放されている。
【0016】
箱状ケース10には、
図1に示すように、中央制御装置からの又は照明器具への伝送信号を処理するための、図示しない電気部品が実装された伝送回路を備える第1回路基板11が収容されている。第1回路基板11は、矩形状に形成され、Z方向の省スペース化を図るために、上板10Tと平行に配置されている。そして、第1回路基板11は、箱状ケース10の上板10Tに、スペーサ13を介して図示しないネジで固定されている。
【0017】
また、箱状ケース10には、右側板10R、左側板10Lそれぞれの+Z端に端子部12R、12Lが設けられている。端子部12R、12Lは、上板10Tの凸部と右側板10R、左側板10Lの箱内側との隙間Sに配設されている。そして、端子部12R、12Lには、端子電極が設けられ、その端子電極の上部が、中央制御装置から延在する伝送線と、外部電源から延在する電源線と、に接続されるため、隙間Sから箱状ケース10の外部へ露出している。一方、端子部12R、12Lの端子電極の下部は、箱状ケース20の後述する第2回路基板21から延びる接続線30R、30Lに接続されるため、箱状ケース10内かつ-Z側へ延在している。
なお、端子部12Rの、箱状ケース10内へ延在した端子電極には、後述する接続線30Rのほかに、第1回路基板11から延びる接続線33が接続されている。
【0018】
一方、箱状ケース20は、-Z側から制御装置1Aの部品を保護するため、矩形状に形成され、XY平面に平行に配置された底板20Bと、底板20Bの辺から+Z側に延在する4つの側板と、を有している。底板20Bは、XY平面視で、箱状ケース10の上板10Tと同じ大きさ、形状の矩形である。そして、4つの側板の+Z端は、箱状ケース10の4つの側板の-Z端それぞれに当接して、箱状ケース10の4つの側板に重ね合わされている。ここで、箱状ケース20の4つの側板とは、
図1及び
図3に示す右側板20R、左側板20L、
図3に示す前側板20F及び、後側板20Bのことである。なお、この箱状ケース20の4つの側板は、図示しない固定金具によって、箱状ケース10の4つの側板に固定されている。また、箱状ケース20には、図示しないが、分電盤内に制御装置1Aが設置されたときに、分電盤の被取付部品に制御装置1Aを取り付けるための取付金具が設けられている。
【0019】
また、制御装置1Aの+Z側は、箱状ケース10によって保護されるため、
図1に示すように、箱状ケース20の上面は、板で覆われずに開放されている。
【0020】
箱状ケース20には、箱状ケース10の、伝送回路を有する第1回路基板11に熱が伝導することを防止するために、電源回路、すなわち、外部電源からの電力を任意の電圧に変換する、図示しない変圧器、電源の切換をするスイッチング素子等を含む第2回路基板21が収容されている。
【0021】
第2回路基板21は矩形状に形成されている。そして、第2回路基板21は、Z方向の省スペース化を図るため、第1回路基板11と平行に配置され、スペーサ23を介して図示しないネジによって底板20Bに固定されている。
【0022】
第2回路基板21には、電源線、伝送線等の接続線30R、30Lによって、1つ以上のネジ端子120をそれぞれ備えた端子部12R、12Lと接続するため、接続部24が設けられている。接続部24は、第2回路基板21の配線電極から延在する端子電極を有する。接続部24は、後述する制御装置1Aの組み立て作業を容易にするため、箱状ケース20のX方向中央よりも-X側に寄せた状態で、すなわち、端子部12L側又は左側板20L側に寄せた状態で第2回路基板21に配設されている。また、箱状ケース20のX方向中央よりも-X側だけに配設されている。
【0023】
接続部24が箱状ケース20の-X側に寄せた状態で配設されているため、制御装置1Aでは、-X側の端子部12Lに接続された接続線30Lの長さが、+X側の端子部12Rに接続された接続線30Rの長さよりも短い。
【0024】
詳細には、後述する制御装置1Aの組み立てで、箱状ケース10の-X側にある左側板10Lと、箱状ケース20の-X側にある左側板20Lと、を重ねあわせることから、接続線30Lは、
図1に示す距離L1、L2、L3を足して得られた距離よりも長い。ここで、距離L1は、接続部24から左側板20Lの+Z端までの距離、距離L2は、左側板20Lの+Z端から端子部12Lの-Z端までの距離、距離L3は、端子部12Lの-Z端から端子部12Lの接続線30Lの接続箇所までの距離、である。なお、接続線30Rは、端子部12R、12Lの間隔Pよりも長い。
【0025】
このような長さの接続線30Lによって、箱状ケース10の端子部12Lと、箱状ケース20の接続部24とが接続されている。次に、
図4を参照して、接続部線30Lの接続方法を含む制御装置1Aの組み立て方法について説明する。
図4は実施の形態1に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図である。
【0026】
まず、上述した形状に成形され、第1回路基板11及び端子部12R、12Lが設置された箱状ケース10と、上述した形状に成形され、第2回路基板21が設置された箱状ケース20と、上述した長さに加工された接続線30R、30Lと、を用意する。なお、箱状ケース20には、接続部24が箱状ケース20の中央よりも左側板20L側に位置させた状態で、第2回路基板21を、取り付けておく。また、箱状ケース10と20は、望ましくは、分電盤の遮断器の互換性を確保するために設定された協約寸法に成形する。
【0027】
次に、用意した箱状ケース20の底板20Bを下、すなわち、開放された上面に対して-Z側に向けた状態にし、続けて、箱状ケース20内の第2回路基板21の接続部24に、接続線30R、30Lの一端を接続する。一方、用意した箱状ケース10の上板10Tを上、すなわち、開放された底面に対して+Z側に向けた状態にし、その状態のまま、箱状ケース20の-X側に、箱状ケース10を隣接させる。続いて、接続線30R、30Lの他端を、端子部12R、12Lに接続する。
【0028】
次に、
図4に示すように、接続線30R、30Lが接続された箱状ケース10の左側板10Lの-Z端を、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端に当接させる。続いて、箱状ケース10を、左側板10Lの-Z端を中心にして、矢印A方向の方向へ回転させる。そして、箱状ケース10を箱状ケース20に被せる。これにより、箱状ケース10は、開放された底面が箱状ケース20に向けられた状態で、箱状ケース20に重ね合わされる。
【0029】
その後、箱状ケース10と箱状ケース20とを図示しない固定金具で固定する。以上の工程により、制御装置1Aの組み立てが完了する。
【0030】
なお、接続線30R、30Lを端子部12R、12Lに接続した後、接続線30R、30Lが引っ張られてその位置が変わることを防ぐため、結束バンド、リードクランパー(ケーブルクランプとも称する)などの拘束部材で、接続線30R、30Lを拘束し、その結束部材を第1回路基板11、第2回路基板21に固定してもよい。この場合、接続線30R、30Lの位置が変わって第1回路基板11に接触することが防止され、その結果、制御装置1Aの信頼性が低下することを防止することができる。また、拘束部材を箱状ケース20の左側板20Lに固定してもよい。この場合、箱状ケース10と20とを重ね合わせるときに、接続線30R、30Lが箱状ケース10と20との間に噛みこみにくくすることができる。
【0031】
以上のように、実施の形態1に係る制御装置1Aでは、端子部12Lが箱状ケース10の左側板10Lに設けられている。また、接続部24が、箱状ケース20のX方向中央よりも-X側に、すなわち、左側板10L、20L側に設けられている。このため、箱状ケース10の左側板10Lに、箱状ケース20の左側板20Lを隣接させた状態で、接続線30Lを端子部12Lに接続することができる。その結果、接続作業を容易にして作業効率を高めることができる。
【0032】
箱状ケース10の左側板10Lに、箱状ケース20の左側板20Lを隣接させた状態で、接続線30Lを、端子部12Lに接続することができるので、短い接続線30Lを使用することができる。短い接続線30Lを使用することによって、箱状ケース10を箱状ケース20に重ね合わせるときに、接続線30Lを箱状ケース10と箱状ケース20との間に挟まりにくくすることができる。また、短い接続線30Lを使用することによって、箱状ケース10内の伝送回路に接続線30Lが接触することを防止して、制御装置1Aの信頼性を高めることができる。
【0033】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る制御装置では、第2回路基板21が配線基板を備えている。以下に
図5及び
図6を参照して実施の形態2に係る制御装置の構成を説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。
【0034】
図5は本発明の実施の形態2に係る照明器具の制御装置の断面図である。
図6は実施の形態2に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図である。
図5及び
図6に示すように、制御装置1Bは、接続線30R、30Lの引き回しを容易にするための、中継基板で構成された配線基板25を備えている。
【0035】
配線基板25は、スペーサ26を介して第2回路基板21に固定されている。配線基板25には、図示しない配線電極が形成され、その配線電極は、接続線31、32によって第2回路基板21に形成された図示しない入出力用電極と接続されている。また、配線基板25の配線電極には、接続部27が設けられている。
【0036】
接続部27は、制御装置1Bの組み立て作業を容易にするため、箱状ケース20のX方向中央よりも端子部12L側又は左側板20L側に配設されている。また、接続部27は、箱状ケース20の端子部12L側又は左側板20L側に配設されている。そして、接続部27は、接続線30R、30Lによって端子部12R、12Lと接続されている。
【0037】
実施の形態2に係る制御装置1Bの組み立て方法は、上述した配線基板25が設けられた第2回路基板21を備える箱状ケース20を用意し、配線基板25の接続部27と端子部12R、12Lとを接続線30R、30Lで接続することを除いて、実施の形態1で説明した組み立て方法と同じである。このため、実施の形態2に係る制御装置1Bの組み立て方法の説明は省略する。
【0038】
以上のように、実施の形態2に係る制御装置1Bは、第2回路基板21の入出力用電極と、端子部12R、12Lとの接続を中継する配線基板25が設けられているので、第2回路基板21と端子部12R、12Lとの接続が容易である。また、接続線30R、30Lの長さを短くすることができる。
【0039】
第2回路基板21と端子部12R、12Lとの接続に多数の接続線30R、30L、31、32が必要な場合、第2回路基板21のXY平面での大きさを大型化させることなく、接続部27に接続を集約することができる。
【0040】
制御装置1Bにおいても、接続部27が、実施の形態1と同様に、箱状ケース20のX方向中央よりも左側板10L、20L側に設けられているので、箱状ケース10の左側板10Lに、箱状ケース20の左側板20Lを隣接させた状態で、接続線30Lを端子部12Lに接続することができる。その結果、接続作業を容易にして作業効率を高めることができる。
【0041】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る制御装置は、箱状ケース20に箱状ケース10を回動可能に支持させるヒンジを備えている。以下に
図7及び
図8を参照して実施の形態3に係る制御装置の構成を説明する。実施の形態3は、実施の形態1とヒンジ40を備えることを除いて同じ構成であるため、そのヒンジ40について説明する。
【0042】
図7は本発明の実施の形態3に係る照明器具の制御装置の断面図である。
図8は実施の形態3に係る照明器具の制御装置の組み立て方法を示す断面図である。
図7に示すように、制御装置1Cには、組み立て作業を容易にするために、ヒンジ40が設けられている。
【0043】
ヒンジ40は、箱状ケース10の左側板10Lと箱状ケース20の左側板20Lの-X側に設けられている。そして、ヒンジ40は、箱状ケース10の左側板10Lの-Z端と、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端と、を接続している。そして、ヒンジ40は、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端の-X側に位置する図示しない軸を中心にして、
図8に示すように、箱状ケース10を矢印A又はBの方向に回動可能にしている。
【0044】
実施の形態3に係る制御装置1Cの組み立て方法は、第2回路基板21の接続部24に、接続線30R、30Lを接続する前、箱状ケース10の左側板10Lの-Z端と、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端と、をヒンジ40で接続することを除いて、実施の形態1の組み立て方法と同じである。このため、実施の形態3に係る制御装置1Cの組み立て方法の説明は省略する。
【0045】
以上のように、制御装置1Cでは、ヒンジ40が箱状ケース10の左側板10Lの-Z端と、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端と、を接続しているので、制御装置1Cの組み立てにおいて、箱状ケース20に箱状ケース10を容易かつ正確に重ね合わせることができる。
【0046】
なお、ヒンジ40は、実施の形態2で説明した制御装置1Bに用いられてもよい。
図9は実施の形態3に係る照明器具の制御装置における変形例の断面図である。
図10は実施の形態3に係る照明器具の制御装置における変形例の組み立て方法を示す断面図である。
図9及び
図10に示すように、ヒンジ40は、制御装置1Bの、箱状ケース10の左側板10Lの-Z端と、箱状ケース20の左側板20Lの+Z端と、を接続してもよい。この場合、配線基板25を備える制御装置1Bにおいても、箱状ケース20に箱状ケース10を容易かつ正確に重ね合わせることができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。実施の形態1-3では、箱状ケース10に、端子部12R、12Lが設けられ、箱状ケース20に、接続部24、27が設けられている。しかし、逆に、箱状ケース10に、接続部24、27が設けられ、箱状ケース20に、端子部12R、12Lが設けられてもよい。本発明では、端子部12R、12Lと接続部24、27とが別々のケース、例えば、上部ケースと下部ケース、又は前部ケースと後部ケースに設けるものであればよい。
【0048】
実施の形態1-3では、制御装置1A、1B、1Cが制御する電気機器が照明器具である。しかし、本発明は、任意の電気機器に適用可能である。例えば、電気機器が実施の形態1-3で説明した中央制御装置であってもよい。
【0049】
実施の形態1-3では、制御装置1A、1B、1Cが照明器具への伝送信号を処理する制御をしているが、制御装置1A、1B、1Cの制御は、伝送信号を増幅するものであってもよい。この場合、制御装置1A、1B、1Cは、多数の照明器具を制御する照明システムに、照明器具を増設するための増幅装置として機能する。
【0050】
実施の形態1-3では、端子部12Lが箱状ケース10の左側板10Lに設けられ、接続部24又は27が箱状ケース10の左側板10L側及び箱状ケース20の左側板20L側に設けられている。しかし、本発明は、これに限定されない。本発明では、箱状ケース10、20のいずれか一方の内部かつ、その内部の中央に対して側壁の一部の側に端子部12R又は12Lが設けられている場合、接続部24、27がその側壁の一部の側に設けられていればよい。換言すると、端子部12R又は12Lと、接続部24、27とが、同じ側壁側に設けられていればよい。例えば、箱状ケース10がZ方向視で、楕円状の側壁を有し、かつ、箱状ケース20が箱状ケース10の側壁とZ方向視で同じ形状、大きさの楕円状の側壁を有する場合に、端子部12Rが箱状ケース10の側壁の一部分に隣り合って設けられ、接続部24が、箱状ケース20の中央を基準にして箱状ケース10の側壁の一部分と同じ側の、箱状ケース20の側壁の一部分に隣り合って設けられてもよい。
【0051】
実施の形態1-3では、制御装置1A、1B、1Cが分電盤に設置されるものであるが、制御装置1A、1B、1Cは、分電盤以外の箇所に設置されてもよい。本発明では、制御装置1A、1B、1Cは、箱状ケース10と20とが内部の電気部品を保護するものであればよく、このため、制御装置1A、1B、1Cは、例えば、多数の接続線が密集する電気機器内部、又は、電気部品が実装された回路基板上に設置されてもよい。
【0052】
実施の形態1-3では、端子部12R、12L及び接続部24、27が端子電極を有するが、本発明はこれに限定されない。端子部12R、12L及び接続部24、27は、伝送線、電源線等の接続線が接続可能なものであればよい。例えば、端子部12R、12Lは、光ケーブルやLANケーブルが接続可能なコネクタであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B、1C 制御装置、10 箱状ケース、10T 上板、10F 前側板、10B 後側板、10R 右側板、10L 左側板、11 第1回路基板、12R、12L 端子部、13 スペーサ、20 箱状ケース、20B 底板、20F 前側板、20B 後側板、20R 右側板、20L 左側板、21 第2回路基板、23 スペーサ、24 接続部、25 配線基板、26 スペーサ、27 接続部、30R、30L、31、32、33 接続線、40 ヒンジ、120 ネジ端子、A、B 矢印、L1、L2、L3 距離、P 間隔、S 隙間。