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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】電気的火花検出のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/30 20060101AFI20220118BHJP
   G01N 29/38 20060101ALI20220118BHJP
   G01N 29/44 20060101ALI20220118BHJP
   G01N 29/14 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G01N29/30
G01N29/38
G01N29/44
G01N29/14
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2017121527
(22)【出願日】2017-06-21
(65)【公開番号】P2017227641
(43)【公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/352,902
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500352889
【氏名又は名称】ジョン ジンク カンパニー,エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】515310401
【氏名又は名称】モレックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】アレックス チェルニショフ
(72)【発明者】
【氏名】ライクル ビー ハスケル
(72)【発明者】
【氏名】マルコ スピーゲル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ストロング
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513738(JP,A)
【文献】特開2005-251485(JP,A)
【文献】特開2014-192060(JP,A)
【文献】特開2009-127923(JP,A)
【文献】特開平08-336728(JP,A)
【文献】特開昭58-140653(JP,A)
【文献】米国特許第04636777(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0322863(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的火花発生器によって発生した火花音波を感知するように適合された音響センサであって、前記火花音波は前記音響センサと音響連通する点火器棒を通って伝播する、音響センサと、
前記音響センサと連通する火花検出器であって、
(a)点火信号が前記電気的火花発生器に送られる第1の時間期間を特定し、
(b)いつ前記音響センサが前記火花音波を感知するかを規定する第2の時間期間を特定し、
(c)所定の時間レンジと比較して、前記第1の時間期間と前記第2の時間期間との間の時間的関係に基づいて火花特性を特定し、
(d)前記火花特性を規定する出力を発生する、
ように適合された火花検出器と、
パルス音波を発生させるための、前記点火器棒の第1の端部に配置されたパルスエコー発生器と、
を含み、
前記音響センサは、前記点火器棒の第2の端部から反射された前記パルス音波に基づいて反射パルス音波を感知するように適合されており、
前記火花検出器は、前記点火器棒の長さと、いつ前記パルス音波が発生して前記音響センサが前記反射パルス音波を感知するかによって規定された第3の時間期間とに基づいて、前記所定の時間レンジを較正するように適合されている、電気的火花検出システム。
【請求項2】
前記システムは、前記電気的火花発生器を更に含み、前記電気的火花発生器は前記点火器棒上に配置されている、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項3】
前記火花検出器は、前記第2の時間期間が前記所定の時間レンジ外にあるとき、電気的短絡の場所を判定するように更に適合された、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項4】
前記音響センサは、圧電トランスデューサである、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項5】
前記点火器棒は、鋼又は合金の棒である、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項6】
前記(c)火花特性の特定は、
(c1)前記第2の時間期間が前記所定の時間レンジ内にあるとき、前記火花特性を成功した火花として特定することと、
(c2)前記第2の時間期間が前記所定の時間レンジ外にあるとき、前記火花特性を失敗した火花として特定することと、を含み、
(a)~(d)を繰り返して、多数の成功した火花及び多数の失敗した火花を特定し、
前記出力は、成功した火花に対する失敗した火花の比率が所定の火花故障閾値を上回ったときの警告である、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項7】
前記警告は、前記電気的火花発生器を直ちに交換することを指し示す、請求項6に記載の電気的火花検出システム。
【請求項8】
前記警告は、保守手順で前記電気的火花発生器を交換することを指し示す、請求項6に記載の電気的火花検出システム。
【請求項9】
前記点火器棒を前記火花検出器に連結するフレキシブルハーネスを更に含む、請求項1に記載の電気的火花検出システム。
【請求項10】
前記火花検出器とエキサイターとの間にフレキシブルハーネスを更に含む、請求項1に記載の電気的火花システム。
【請求項11】
前記火花特性は、前記第2の時間期間が前記所定の時間レンジ内にあるときに成功した火花であることを指し示す、請求項1に記載の電気的火花システム。
【請求項12】
前記火花特性は、前記第2の時間期間が前記所定の時間レンジ外にあるときに失敗した火花であることを指し示す、請求項1に記載の電気的火花システム。
【請求項13】
電気的火花を検出する方法であって、
火花検出器によって、電気的火花発生器に火花を引き起こすように指図する点火制御信号を特定することと、
火花音波が音響センサによって検出されたかどうかを判定することであって、前記音響センサは点火器棒と連通しており、前記火花音波は前記点火器棒を通って伝播する、ことと、
前記火花検出器を介して、火花特性を指し示す信号を出力することであって、前記火花特性は、前記点火制御信号が前記電気的火花発生器に送られる第1の時間期間及びいつ前記音響センサが前記火花音波を感知するかを規定する第2の時間期間の時間的関係と、所定の時間レンジとに基づいている、ことと、
前記点火器棒に配置されたパルスエコー発生器を介して、パルス音波を発生させることと、
前記点火器棒の端部から反射する前記パルス音波に基づいて反射パルス音波を検出することと、
前記パルス音波を発生させることと前記反射パルス音波を受信することとの間の時間に基づいて点火器棒の温度調整を計算することと、
前記点火器棒の温度調整に基づいて前記所定の時間レンジを調整することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記火花音波が検出されなかった場合、前記火花音波は検出されなかったことを指し示す火花故障計数を増加させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記火花故障計数が停止閾値を上回っているかどうかを判定することを更に含み、前記火花故障計数が前記停止閾値を上回っているならば、警告が、前記電気的火花発生器を直ちに交換することを指し示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記火花故障計数が警告閾値を上回っているかどうかを判定することを更に含み、前記火花故障計数が前記警告閾値を上回っているならば、警告が、将来の保守手順で前記電気的火花発生器を交換することを指し示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の時間レンジ内で前記火花音波が検出されるならば、火花OK指示信号を出力することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記所定の時間レンジ内で前記火花が検出されないならば、火花故障対策を実施することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記火花特性は、前記時間的関係が、前記火花音波が前記所定の時間レンジ内で前記音響センサによって受信されるようなものであるとき、成功した火花であることを指し示す、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記火花特性は、前記時間的関係が、前記火花音波が前記所定の時間レンジ外で前記音響センサによって受信されるようなものであるとき、失敗した火花であることを指し示す、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
電気的火花発生器によって発生した火花音波を感知するように適合された音響センサであって、前記火花音波は前記音響センサと音響連通する点火器棒を通って伝播する前記音響センサと連通する電気的火花検出器を較正する方法であって、
前記電気的火花検出器は、
(a)点火信号が前記電気的火花発生器に送られる第1の時間期間を特定し、
(b)いつ前記音響センサが前記火花音波を感知するかを規定する第2の時間期間を特定し、
(c)所定の時間レンジと比較して、前記第1の時間期間と前記第2の時間期間との間の時間的関係に基づいて火花特性を特定し、
(d)前記火花特性を規定する出力を発生する、
ように適合されており、
前記方法は、
前記点火器棒の第1の端部に配置されたパルスエコー発生器を介して、パルス音波を発生させることと、
前記点火器棒の第2の端部から反射する前記パルス音波に基づいて、反射パルス音波を検出することと、
前記パルス音波を発生させることと前記反射パルス音波を受信することとの間の時間に基づいて前記点火器棒の温度調整を計算することと、
前記点火器棒の温度調整に基づいて前記電気的火花検出器の前記火花特性を規定する前記出力較正することと、
を含方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年6月21日に出願された米国仮出願第62/352,902号の利益を主張し、この仮出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー火花、又は電気アーク、点火システムは、バーナー内の燃料を点火する目的で、火花点火器のギャップのとられたアノード/カソード電極セットに電気アークを放出する。点火器の電極ギャップでの火花の喪失は、バーナーに無始動状態をもたらし、このような無始動状態の間に原燃料が導入されると、バーナー内に危険かつ潜在的に爆発状況が生じる可能性がある。このように、燃料の導入前に火花点火器ギャップ電極上の火花を検出することは、バーナーへの原燃料導入に伴う危険性を低減するために望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
火花検出器は、火花の存在を判定するために点火器棒上に配置された電気的火花発生器から生成された電気的火花によって発生した火花音波を分析する。火花検出器は、点火器棒と連通し、火花音波が点火器棒を通って音響センサまで伝わる経過時間を判定する音響センサを含む。火花検出器は、火花の成功又は失敗のような火花特性を指し示す信号を出力してもよい。火花が検出されない場合、火花検出器は、(i)火花が検出されなかったこと、(ii)電気的火花発生器を直ちに交換すべきこと、又は(iii)電気的火花発生器を次回の定期保守時など、早期に交換すべきこと、のうちの少なくとも1つを指し示す信号を出力してもよい。更に、火花検出器は、パルスエコー発生器によって発生し、点火器棒の端部から反射するパルス音波の経過時間に基づいて、点火器棒の現在の温度に基づいて較正されてもよい。
【0004】
一態様では、電気的火花検出システムは、電気的火花によって発生した火花音波を感知するように適合された音響センサを備え、その火花音波は、音響センサと音響連通する点火器棒を通って伝播する。電気的火花検出システムは、(a)点火信号が電気的火花発生器に送られる第1の時間期間を特定し、(b)いつ音響センサが音波を感知するかを規定する第2の時間期間を特定し、(c)所定の時間レンジと比較して、第1の時間期間と第2の時間期間との間の時間的関係に基づいて火花特性を特定し、(d)火花特性を規定する出力を発生する、ように適合された、音響センサと連通する火花検出器を更に含んでもよい。
【0005】
別の態様では、電気的火花を検出する方法は、火花検出器によって、電気的火花発生器に火花を引き起こすように指図する点火制御信号を特定することを含む。本方法は、火花音波が音響センサによって検出されたかどうかを判定することを更に含んでもよく、音響センサは点火器棒と連通しており、火花音波は点火器棒を通って伝播する。更に、本方法は、火花検出器を介して、火花特性を指し示す信号を出力することを含んでもよく、火花特性は、前記点火制御信号及び前記火花音波の時間的関係と、所定の時間レンジとに基づいている。
【0006】
更に別の態様では、電気的火花検出器を較正する方法は、点火器棒の第1の端部に配置されたパルスエコー発生器を介して、パルス音波を発生させることを含む。本方法は、点火器棒の第2の端部から反射するパルス音波に基づいて反射パルス音波を検出してもよい。本方法は、パルス音波と反射パルス音波との間の経過時間に基づいて火花検出器の調整を計算することもできる。更に、本方法は、火花検出器の調整に基づいて電気的火花検出器を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態において、点火器によって発生した電気的火花を検出するための火花検出器を含む例示的なバーナーシステムを表わす。
図2】実施形態において、図1の火花検出器及び点火器の追加詳細を提供する例示的な図を表わす。
図3】実施形態における、図1~2の火花検出器のブロック図を表わす。
図4】実施形態において、図1~3の火花検出器とエキサイターとの間の物理的関係のブロック図を表わす。
図5】代替的及び重複する実施形態において、図1~3の火花検出器とエキサイターとの間の物理的関係のブロック図を表わす。
図6】実施形態において、その上に配置された複数の音響センサを有する点火器棒と結合された図1~3の火花検出器モジュールのブロック図を表わす。
図7図6の複数の音響センサの各々によって感知された火花音波信号を示す例示的な信号図を表わす。
図8】実施形態において、点火器によって生成された火花を検出するための例示的な方法を表わす。
図9】実施形態において、火花検出器を較正するための例示的な方法を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、実施形態において、点火器106上に配置された電気的火花発生器105によって発生した電気的火花104を検出するための火花検出器102を含む例示的なバーナーシステム100を表わす。バーナーシステム100の動作において、オペレーターは、入力112及び出力114を介して、バーナー管理システム110を制御するためにオペレーターインターフェース108とインターフェースする。
【0009】
バーナー管理システム110は、励起信号118を発生することによってエキサイター116を制御する。火花検出器102は、図1に示すように、エキサイター116と一体であってもよく、又は以下で更に論じるように、他の実施形態においてはエキサイター116とは別個の部品であってもよい。エキサイター116は、制御信号120を発生し、それは火花検出器102によって検出される。(実施形態では、火花検出器102は、代替的に制御信号120を発生することができる)制御信号120は、点火器106上の電気的火花発生器105に火花104を発生させる。次いで、点火検出器102は、火花104が意図したとおりに起きたかどうかを判定するために点火器フィードバック信号122を受信する。
【0010】
制御信号120が発生してから火花音波が感知されるまでの時間的関係に基づいて、点火器フィードバック信号122内に指し示されるように、火花検出器102は火花特性信号124を発生してもよい。実施形態では、(火花特性信号124によって伝えることができるような)火花特性は、成功した火花、失敗した火花、点火器棒内の検出された火花の場所、及び失敗した火花に対する成功した火花の割合のうちの少なくとも1つを指し示す。点火器フィードバック信号122が、(i)点火器106上の電気的火花発生器105が火花104を生成しなかった、(ii)点火器106上の電気的火花発生器105はそのライフサイクルの終わりに達した、及び(iii)点火器106上の電気的火花発生器105はそのライフサイクルの終わり近くにある、のうちの1つ以上を指し示す場合、火花検出器102は、電気的火花発生器105を交換することを指し示して、火花特性信号124をオペレーターインターフェース108(又は実施形態のバーナー管理システム110)に戻してもよい。故障特性信号124の追加の詳細、及びそのような信号をいつ送るかを判定するためのアルゴリズムは、以下に論じられる。
【0011】
点火器フィードバック122が、点火器106上の電気的火花発生器105によって火花104が発生したことを指し示す場合、バーナー管理システム110は、燃料弁128及び空気弁130のうちの1つ以上の動作を制御するために弁作動信号126を発生してもよく、それにより燃料132及び空気134を燃料/空気流入口138を介してバーナー136に流入させる。空気弁130、及び燃料/空気流入口138を通る空気134は、バーナー136が自然に吸気する実施形態では必要とされない。
【0012】
一旦、燃料132及び空気134がバーナー136に入ると、それらは火花104によって点火され、それは上述したものと同じ火花104であってもよく、又は点火器フィードバック信号122が発生した後に発生する二次的火花であってもよい。次に、燃料132が点火され、火炎140に変わり、それによってバーナー136内にあるどんな媒体142も加熱する。
【0013】
実施形態では、バーナー136は、火炎140の存在を判定するための火炎検出器144を含んでもよい。火炎140が検出される場合(又は、実施形態において、火炎が検出されない場合)、火炎検出器144は火炎検出信号146をバーナー管理システム110に送ってもよい。
【0014】
実施形態は、バーナー136内から燃料132を迅速に除去するための燃料除去システム148を含んでもよい。燃料除去システム148は、バーナー管理システム110によって発生した燃料除去信号150に基づいて起動されてもよい。燃料除去信号150は、点火器フィードバック信号122によって検出されたように、燃料132が所定の時間バーナー136に供給され(又は所定量の燃料132がバーナー136に入り)、点火器106が火花104を発生しないときに発生してもよい。追加的に又は代替的に、火炎検出信号146によって指し示されるように、火炎検出器144が火炎140を検出し損なうときに、燃料除去信号150が発生してもよい。
【0015】
図2は、実施形態で考えた、図1の点火検出器102及び点火器106の追加の詳細を提供する例示的な図200を表わす。点火器106は、点火器棒202の第1の端部で火花検出器102の筐体に結合する。点火器棒202は、筐体に直接結合されてもよく、又はハーネス(図示せず)を介して筐体に仲介的に結合されてもよい。点火器棒202は、剛性で、鋼製又は他の合金材料製でもよい。点火器棒202の反対側の端部には、点火器先端204がある。点火器先端204は、実施形態では、制御信号120が電気的火花発生器105に送られると、カソード206とアノード208との間にアークが引き起こされるようなカソード206とアノード208を含む電気的火花発生器105を含んでもよい。代替的に、点火器先端204上の電気的火花発生器105は、絶縁表面点火器(図示せず)を含んでもよい。電気的火花発生器105は、本発明の範囲から逸脱することなく、点火器先端204以外の場所に配置されてもよい。再び図1を参照して、点火器先端204上の電気的火花発生器105は、火花104を発生するために、電気的火花発生器105が制御信号120に応答して起動するようにエキサイター116と連通してもよい。
【0016】
再び図2を参照して、音響センサ210は、点火器棒202を伝わる火花104によって生成された火花音波212などの音響信号を感知するために、点火器棒202に連結されて(又は少なくとも音響連通して)もよい。音響センサ210は、火花音波212の音響シグネチャを感知する圧電トランスデューサであってもよい。火花104は、点火器棒202上の特定点で起き、火花音波212は、点火器棒202の材料及び潜在的に火花検出器102に通じる任意のフレキシブルハーネス/ワイヤーを伝播する。音響センサ210は、点火ロッド202が取り付けられている場所の近くのような、火花検出器102の筐体上に配置されてもよく、あるいは代わりに、音響センサ210が点火器棒202上に直接配置されてもよい。
【0017】
火花104が起きる瞬間と火花音波212が点火器棒202を伝播しセンサに到達する間に時間の遅延がある。実施形態では、この時間遅延は、点火器棒202の長さ及び材料、並びに火花検出器102につながる任意のフレキシブルハーネス/ワイヤーのような他の可能な中継音響信号伝送媒体に基づいてマイクロ秒のレンジからミリ秒のレンジのいずれかである。時間遅延は、点火器棒202の材料内の音の速度に基づいて計算してもよい。例えば、点火器棒202が鋼製である場合、火花音波212は約5900m/sで走行する。実施形態では、点火器棒202は、0.3メートル以下から304.8メートル以上(1フィート以下から1000フィート以上)を含む任意の長さであってもよい。
【0018】
点火器棒202がバーナー136(図1を参照)又は別のシステムで利用されるとき、点火器棒202の温度が変化し得ることが理解されるべきである。点火器棒202の温度が変化すると、火花音波212が点火器棒202を伝わる速度も変化する。これを説明すると、実施形態は、火花検出器102がパルス音波216を発生するためのパルスエコー発生器214を更に含んでもよいことを想定している。パルス音波216は、点火器先端204(又は点火器棒202の端部)から跳ね返り、パルスエコー発生器及び音響センサ210に反射する。次に、音響センサ210は、パルス音波216のシグネチャを取得し、このようなデータは、火花検出器102を較正、又は再較正するために使用されてもよい。
【0019】
図3は、火花検出器102のより詳細な実施形態のブロック図300を表わす。(図1及び図2と関連して)図3を参照すると、火花検出器102は、プロセッサ302によって実行されると本明細書に記載されるような火花検出器102の機能を行なうコンピュータ可読命令を記憶する非一時的メモリ304に連結されたプロセッサ302を含む。実施形態では、メモリ304は、火花検出ロジック306、較正設定308、及び較正ロジック310を記憶する。
【0020】
火花検出ロジック306は、火花104を検出するための火花検出器102の機能を可能にする。プロセッサ302によって実行されると、火花検出ロジック306は、カソード206とアノード208との間に火花104を引き起こすことによってなど、電気的火花発生器105を点火する制御信号120を発生する。火花検出ロジック306は、制御信号120が発生する時間によって定義される点火時間312を記録する。点火時間312は、プロセッサ302のクロック314に基づいてもよい。代替的に、点火時間312は、制御信号120がワイヤーを通過するときにトランスデューサが出力信号を発生するように、制御信号120が伝播するワイヤー上のトランスデューサに基づいてもよい。
【0021】
次に、点火器フィードバック信号122は、音響センサ210が火花音波212を感知した時間を指し示す火花音波受信時間316としてメモリ304に記憶される。特に、火花音波受信時間316は、音響センサ210によって発生した信号を監視するプロセッサ302を介して発生する。前記信号が、例えば火花音波212と一致する信号の特定のパターンに基づいて、火花音波212が検出されたことを指し示すとき、クロック314上の時間は、火花音波受信時間316として記憶される。この火花音波受信時間316は、プロセッサ302によって必要とされる処理及び信号送信遅延に基づいて調整されてもよい。次いで、火花検出ロジック306は、火花104が適切に発生したかどうかを判定するために点火時間312を火花音波受信時間316と比較する。火花104が適切に起きたかどうかを判断することは、例えば、較正設定308内でメモリ304内に記憶された点火器距離センサ318に基づいてもよい。点火器距離センサ318の知識は、火花検出ロジック306が、点火器棒202を通って電気的火花発生器105から伝播し、音響センサ210に到達するのにどれだけ長く火花音波212を取るべきかの理解を得ることを可能にする。点火時間312と火花音波受信時間316との間の時間差が、点火器距離センサ318と点火器棒202を形成する材料を通る音走行速度に基づく特定の検出レンジ320内にあるならば、火花は首尾よく検出され、プロセッサ302は火花が成功したことを指し示す火花特性信号124を出力してもよい。しかしながら、点火時間312と火花音波受信時間316との間の時間差が特定の検出レンジ320のレンジ外である場合、プロセッサ302は、火花失敗を指し示す火花特性信号124をバーナー管理システム110に出力してもよいし、又は直接オペレーターインターフェース108に出力してもよい。このように、本明細書で想定される実施形態は、1)成功した火花、2)失敗した(又は不足の)火花、又は3)成功及び失敗(又は不足の)火花を検出するだけで、それらに基づいて火花特性信号124を出力する。
【0022】
実施形態では、火花検出ロジック306は、電気的火花発生器105を制御するリード線(例えば、カソード206及びアノード208に通じるリード線)に沿って短絡が発生するかどうか、及びどこで短絡が発生するかを検出してもよい。例えば、短絡音の様々な火花シグネチャを定義する火花シグネチャ322を含められる。これらの火花シグネチャ322は、較正設定308に予めロードされてもよい。火花シグネチャ322はまた、火花音波212が音響センサ210に到達する時間に基づいて、短絡の正確な場所を識別するためのルールを含んでもよい。例えば、火花音波212が検出レンジ320外で音響センサ210に到達すると、電気的火花発生器105によって火花音波212が発生せず、代わりに点火器棒202の短絡によって発生した可能性が高い。したがって、火花シグネチャ322は、時間制御信号120が発生した時と音響センサ210が短絡火花音波を感知する時との比較に基づいて短絡が起きた点火器棒202に沿う距離を規定してもよい。言い換えると、実施形態は、制御信号120の発生と火花音波212の受信との間のタイミング計算に基づいて短絡の場所を決定してもよい。
【0023】
上述したように、点火器棒202の温度は、音波212が点火器棒202を伝わる速度に影響を及ぼし得る。したがって、実施形態は、火花検出器102が較正ロジック310を含んでもよいことを想定している。較正ロジック310は、プロセッサ302によって実行されると、図2に示すように、パルス音波216を発生するようにパルスエコー発生器214を制御する。音響センサ210、(又は別の実施形態では)パルスエコー発生器214)は、それが点火器先端204から反射した後にパルス音波216を検出する。(音響センサ210が反射パルス音波216を検出した場合)点火器距離センサ318を用いて、較正ロジックは点火器棒温度調整324を発生することができる。点火器棒温度調整324は、点火器棒202を伝わるときに点火器棒202の温度が火花音波212の速度に影響を及ぼす場合、検出レンジ320を再調整するために火花検出ロジック306によって使用される調整乗算器として働く。
【0024】
実施形態では、火花検出ロジック306を利用して、電気的火花発生器105の残りの寿命を特定するために利用してもよい。例えば、火花検出ロジック306は、成功した火花326及び失敗した火花328を目録に載せてもよい。成功した火花326は、音響センサ210が検出レンジ320内で火花音波212を感知するときに起きる。失敗した火花328は、音響センサ210が検出レンジ320内で火花音波212を検出しないときに起きる。失敗した火花328に対する成功した火花326の比率は火花故障閾値330と比較してもよい。火花故障閾値330は、失敗した火花328に対する成功した火花326の割合を定義し、火花発生器105を交換する必要があるか否かを指し示す。そのような比率例の1つは、75%の成功した火花である。加えて、火花故障閾値330は、失敗した火花328に対する成功した火花326の割合を特定してもよく、これは電気的火花発生器105を早期交換する必要があるか否かを指し示す。そのような比率の1つは、80%の成功した火花である。火花故障閾値330によって規定される様々な比率は、本発明の範囲から逸脱することなく、75%(即時交換表示)又は80%(早期交換表示)より高くても低くてもよい。更に、特定の実施形態では、失敗した火花328に対する成功した火花326の比率がある閾値を上回らない限り、燃料132はバーナー136に入ることが許されない。
【0025】
様々な電気的火花発生器は、0.1Hzから120Hzまでの異なる周波数で動作する。したがって、失敗した火花に比べて成功した火花を監視することにより、オペレーターは、いつ電気的火花発生器105を交換する必要があるかを予測することができる。
【0026】
このように、失敗した火花328に対する成功した火花326の割合が、電気的火花発生器を直ちに交換する必要があることを指し示す場合、プロセッサは、電気的火花発生器105を直ちに交換する必要があることを指し示す火花特性信号124をバーナー管理システム110(又は直接オペレーターインターフェース108)に出力してもよい。その後、オペレーター(又はバーナー管理システム110)は、電気的火花発生器105の即時交換をするためにバーナー136を停止してもよい。代わりに、失敗した火花328に対する成功した火花326の割合が、電気的火花発生器105を早期交換する必要があることを指し示す場合、プロセッサ302は、電気的火花発生器105を早期交換する必要があることを指し示す火花特性信号124をバーナー管理システム110(又は直接オペレーターインターフェース108)に出力してもよい。その後、オペレーターは、次の計画的保守時に電気的火花発生器105を交換してもよい。
【0027】
実施形態では、較正設定308は、音響センサ210から受信した信号をフィルタリングするように動作するフィルタ332を更に含んでもよい。電気的火花発生器105が高い動作周波数で動作する場合、多数の火花が、互いに密接に時間的に近接して検出されてもよい。更に、点火器棒202を伝播する信号は、点火器棒202の様々な表面から跳ね返ることもある。したがって、実施形態では、点火器棒202を通って伝播する多数の信号が存在する場合、信号を有利にフィルタリングするためにフィルタ332が利用されてもよい。例えば、内部で短絡が起き、しかし点火器棒202の点火器先端204から離れている場合、それによって引き起こされる音波は、火花から両方向に(すなわち、点火器棒202の両端に向かって)進行する。センサ210から離れて伝播する波は、点火器棒202の点火器先端204に当たり、センサ210に向かって反射し戻る。しかしながら、前記音波は、最初に短絡からセンサ210に直接進行するその対応する波形より遅くセンサ210に到達する。この後に到着する波について考慮しない場合、火花の正確な状態に関して混乱が生じることがある。こうして、フィルタ332は、受信した信号のタイミングに基づいて、これらの反射された短絡音波をフィルタリングするために使用されてもよい。
【0028】
図4は、火花検出器102とエキサイター116との間の物理的関係の実施形態のブロック図400を表わす。火花検出器102は、エキサイター116とは別個の装置であってもよく、例えば、フレキシブルハーネス402を介してそれに連結されてもよい。
【0029】
図5は、他の実施形態において、火花検出器102とエキサイター116との間の物理的関係のブロック図500を表わす。示されるように、火花検出器102はエキサイター116と一体であってもよい。更に、点火器棒202は、フレキシブルハーネス402と類似のフレキシブルハーネス502を介して、火花検出器に連結されてもよい。本発明の範囲から逸脱することなく、エキサイター116と火花検出器102との間の他の物理的関係が実施されてもよいことが理解されるべきである。例えば、火花検出器102はエキサイター116と一体であってもよく、点火器棒202はフレキシブルハーネス502なしで火花検出器102に直接連結してもよい。
【0030】
図6は、その上に配置された複数の音響センサを有する点火器棒202に連結された火花検出器102の実施形態を示すブロック図600を表わす。図7は、図6の複数の音響センサの各々によって感知された火花音波信号を示す例示的な信号図700を表わす。図6及び7は、以下の説明とともに最も良く考察できる。
【0031】
第1のセンサ602は、点火器先端204から距離D1に配置されている。第2のセンサ604は、点火器先端204から距離D2に配置されている。そして、第3のセンサ606は、点火器先端204から第3の距離D3に配置されている。トランスデューサ608は、点火器先端204から点火器棒202の反対側の端部に配置されている。トランスデューサ608は、点火器先端204上に配置された電気的火花発生器105(例えば、カソード及びアノード又は絶縁表面点火器)に進行する信号を検出するように動作する。点火器制御信号が、信号を送信するプロセッサに基づいて検出可能である場合、トランスデューサ608は必要でなくてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
信号図700において、第1の音響センサ602は、第1の信号702を生成する。第2の音響センサ604は、第2の信号704を生成する。第3の音響センサ606は、第3の信号706を生成する。そして、トランスデューサ608は、トランスデューサ信号708を生成する。トランスデューサ信号708は、図1の制御信号120を表す。第1、第2、及び第3の信号702、704、及び706の各々は、それぞれ、図1の点火器フィードバック信号122を表す。トランスデューサ信号708の谷710は、火花104を生成するために、いつ制御信号が電気的火花発生器105に送られたかを指し示す。谷710は、本発明の範囲から逸脱することなく、トランスデューサ608の構成に基づいて反転されてもよく、言い換えればピークになってもよいことが理解されるべきである。第1の信号702のピーク712は、点火器棒202を伝わる火花音波(例えば、火花音波212)が、いつ第1の音響センサ602によって感知されたかを指し示す。第2の信号704のピーク714は、点火器棒202を伝わる火花音波(例えば、火花音波212)が、いつ第2の音響センサ604によって感知されたかを指し示す。第3の信号706のピーク716は、点火器棒202を伝わる火花音波(例えば、火花音波212)が、いつ第3の音響センサ606によって感知されたかを指し示す。
【0033】
火花検出ロジック306によってフィルタ332(図3の)が適用される場合、フィルタは、谷710及びピーク712~716の各々の後に起きる信号702~706からの追加情報をそれぞれフィルタ除去してもよい。例えば、付加的な振動718は、フィルタ332によってフィルタ除去されてもよい。
【0034】
図8は、点火器によって生成された火花を検出するための例示的な方法800の実施形態を表わす。方法800は、例えば、図2に示すように、点火器棒202に連結された音響センサ210と通信する点火検出器102を使用して実施することができる。
【0035】
工程802において、方法800は、エキサイターから点火器に点火信号を送る。工程802の動作の一例では、制御信号120は、火花104を引き起こすために火花発生器105に送られる。
【0036】
工程804は、方法800が、点火器棒202を伝わる音響信号が検出されたかどうかを判定する決定である。火花が検出される場合、方法800は工程818に進み、含まれる場合は、工程802を繰り返す。火花が検出されない場合、方法800は、経路1を介して工程806へ、又は経路2を介して工程808へのどちらかへと進む。システム動作方法800が電気的火花発生器の寿命を監視しない場合、経路1がとられる。システム動作方法800が電気的火花発生器の寿命を監視するためにも使用される場合、経路2がとられる。工程804の動作の一例では、音響センサ210が、火花音波212を感知し、点火器フィードバック信号122を発生するために利用される。点火器フィードバック信号122が、火花音波212が検出レンジ320内で検出されたことを指し示す場合、火花検出ロジック306は火花を識別する。点火器フィードバック信号122が、火花音波212は検出レンジ320内で検出されなかったことを指し示す場合、火花検出ロジック306は火花の失敗(すなわち不足)を識別する。判定804で失敗した火花が識別された場合、火花の失敗を指し示して、プロセッサ302は、火花特性信号124をバーナー管理システム110に出力してもよいし、又はオペレーターインターフェース108に直接出力してもよい。
【0037】
工程806において、方法800の実施形態は、火花故障対策を実施することを意図する。工程806の動作の一実施形態では、火花故障対策は、バーナー136内の残留燃料132を除去するための燃料除去システム148の起動を含む。追加的に、又は代替的に、火花故障対策は、電気的火花発生器105点火器106、エキサイター116、又は火花検出器102のうちの1つ以上の交換を含んでもよく、そしてシステム診断を行なう。工程806の後、方法800は工程802を繰り返す。
【0038】
工程808が実施される実施形態では、方法800は、火花故障計数を更新する。工程808の動作の一例では、火花検出ロジック306は、失敗した火花328の計数を増加させる。その後、方法800は工程810に進む。実施形態では、方法800は代わりに工程814、806に直接進むことができ、又は工程802を繰り返す。
【0039】
工程810は判定である。工程810において、方法800は、火花故障計数が停止閾値を上回っているかどうかを判定する。火花故障計数が停止閾値を上回ると判定された場合、方法800は工程812に進む。火花故障計数が停止閾値を下回ると判定された場合、方法800は工程814に進み、又は、実施形態では工程818に直接進むか工程802を繰り返す。
【0040】
工程810の動作の一例では、火花検出ロジック306は、成功した火花326に対する失敗の火花328の比率を分析してその比率が火花故障閾値330を上回るかどうかを決定し、いつ火花発生器がその寿命の終わりに達したかを指し示す。
【0041】
工程812において、方法800は、停止/交換信号をオペレーターに出力する。工程812の一例では、火花特性信号124がバーナー管理システム110に送られるか、又はオペレーターインターフェース108に直接送られ、電気的火花発生器105を直ちに交換する必要があることを指し示す。
【0042】
工程814は判定である。工程814において、方法800は、火花故障計数が警告閾値を上回っているかを判定する。火花故障計数が警告閾値を上回ると決定された場合、方法800は工程816に進む。火花故障計数が警告閾値を上回ると判定された場合、方法は工程818に進み、又は、実施形態では工程802を直接繰り返す。
【0043】
ステップ814の動作の一例では、火花検出ロジック306は、失敗した火花328と成功した火花326との比率を分析してその比率が火花故障閾値330を上回るかどうかを決定し、いつ電気的火花発生器がその寿命の終わりに達しそうかを指し示す。
【0044】
ステップ816において、方法800は、早期点火器交換信号をオペレーターに出力する。ステップ816の一例では、火花特性信号124は、バーナー管理システム110に、又は直接オペレーターインターフェース108に送られ、次のバーナー保守性能で電気的火花発生器105を交換する必要があることを指し示す。
【0045】
ステップ818において、方法800は、オペレーター(又は実施形態ではバーナー管理システム)に火花OK指示信号を送信する。動作の一例では、図1の火花特性信号124が、バーナー管理システム110に、又は直接オペレーターインターフェース108に送られ、火花が成功したことを指し示す。
【0046】
方法800は、電気的火花発生器105に送られた各々の火花制御信号に対して繰り返す。しかしながら、特定の実施形態では、方法800は、火花制御信号の一部に対してのみ行われてもよい。例えば、電気的火花発生器105が0.1Hz、又は10秒間に1回の火花で動作する場合、毎秒1つの火花のみが方法800にかけられてもよい。代わりに、2つ以上の火花を毎秒、方法800にかけてもよい。
【0047】
本明細書の実施形態は、図8に表わされた任意の数のステップが、本発明の範囲から逸脱することなく、削除、改訂、又は補足されてもよいことを意図することを理解されるべきである。
【0048】
図9は、火花検出器を較正するための例示的な方法900の実施形態を表わす。方法900は、例えば図2のパルスエコー発生器214及び火花検出器102を使用して実施される。
【0049】
ステップ902において、方法900は、火花検出器の1つ以上の較正設定を判定するための較正パルスを発生する。方法900の動作の一例では、パルスエコー発生器214は、点火器棒202内にパルス音波216を発生する。
【0050】
ステップ904において、方法900は音響センサで反射パルス信号を受信する。ステップ904の動作の一例では、パルス音波216は、点火器棒202の反対側端部、例えば点火器先端204、から反射し、音響センサによって検出され、音響センサは、音響センサ210又はパルスエコー発生器214と関連する別個の音響センサであってもよい。
【0051】
ステップ906において、方法900は、ステップ902中のパルス発生からステップ904中のパルス受信までの経過時間を計算する。ステップ904の一例では、較正ロジック310は、パルスエコー発生器214がパルス音波216を発生したときと、音響センサ(音響センサ210又はパルスエコー発生器214と関連する音響センサのいずれか)が点火器棒202の端部から反射されたパルス音波216を感知したときとの間の時間的継続期間を判定する。
【0052】
ステップ908において、方法900は、火花検出器の構成設定を更新する。ステップ908の動作の一例では、較正ロジック310は、較正設定308内の点火器棒の温度調整324を更新する。
【0053】
方法900は、点火器棒の実際の特性に従って火花発生器を構成するために、方法800中の任意の時点で実施されてもよい。これは、バーナーの動作中の点火器棒の温度上昇を許容し、更に火花が発生しているかどうかを正確に検出することを提供する。
【0054】
周囲の音波の少量のみが、点火器棒の鋼又は合金材料に入る。例えば、これらのタイプの音波の0.1%だけが鋼中に伝わる。このように、音響センサによって検出された信号は、おびただしい他の周囲音波と組み合わせられた火花音波とは対照的に、火花音波を表す。
【0055】
上記のシステム及び方法の実施形態は、顕著な利点を提供する。音響センサを点火器棒に直接又は間接に連結することにより、本システム及び方法は、点火器棒自体を伝わる火花音波を監視することができる。更に、火花検出を燃料除去システムに連結することにより、故障火花が起きたときに起因する不適切又は危険な燃料点火の可能性が大幅に低減される。
【0056】
したがって、上記の記載に含まれるか、又は添付の図面に示された事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことを留意すべきである。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された全ての一般的かつ特定の特徴、並びに本発明の方法及びシステムの範囲の全ての陳述をカバーすることを意図し、それは、言葉として、それらの間にあると言ってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9