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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】検出装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/041 580
G06F3/041 422
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018109813
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019091401
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】P 2017218551
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺西 康幸
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167694(JP,A)
【文献】特開2013-045466(JP,A)
【文献】特開2015-143933(JP,A)
【文献】特開2015-046085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板のセンサ領域において、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に行列状に配列された複数の検出電極と、
前記検出電極に駆動信号を供給する駆動回路と、
複数の前記検出電極のそれぞれに、それぞれが電気的に接続された複数の配線と、
前記駆動信号が供給された場合における前記検出電極の容量変化に応じた検出信号を、当該検出電極から受け取るアナログフロントエンドと、
1つの前記検出電極に1つの前記配線を介して接続され、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を変更可能なマルチプレクサと、
前記マルチプレクサを制御する制御回路と、を備え、
複数の前記配線のそれぞれは、前記第2方向に沿って延在し、
複数の前記配線は、前記第1方向に亘って並んで配置され、
前記制御回路は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において、被検出体と前記検出電極との距離に応じて、電気的に同時接続される前記検出電極の数を変える、検出装置。
【請求項2】
前記マルチプレクサは、前記検出電極がある前記基板と同じ基板上に配置され、かつ前記センサ領域の外側にある請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記アナログフロントエンドは、集積回路に内蔵され、かつ前記マルチプレクサとは別に形成されている請求項に記載の検出装置。
【請求項4】
前記アナログフロントエンドは、前記検出電極と同じ基板上に配置され、かつ前記センサ領域の外側にある請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記検出電極の数は、前記アナログフロントエンドの数よりも多い請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
1つの前記アナログフロントエンドに同時接続可能な前記配線に電気的に接続する複数の前記検出電極は、前記第1方向又は前記第2方向に隣接する少なくとも2つの前記検出電極を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記マルチプレクサは、1つの前記アナログフロントエンドに対して、1つずつ前記配線を順次時分割で電気的に接続する請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記制御回路は、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を1つとする第1検出モードと、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を複数とする第2検出モードと、のいずれかで前記マルチプレクサを制御する、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記制御回路は、被検出体と前記検出電極との距離が大きいほど、制御信号により、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を大きくする請求項に記載の検出装置。
【請求項10】
基板と、
前記基板のセンサ領域において、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に行列状に配列された複数の検出電極と、
前記検出電極に駆動信号を供給する駆動回路と、
複数の前記検出電極のそれぞれに、それぞれが電気的に接続された複数の配線と、
前記駆動信号が供給された場合における前記検出電極の容量変化に応じた検出信号を、当該検出電極から受け取るアナログフロントエンドと、
1つの前記検出電極に1つの前記配線を介して接続され、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を変更可能なマルチプレクサと、
1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を1つとする第1検出モードと、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を複数とする第2検出モードと、のいずれかで前記マルチプレクサを制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、被検出体と前記検出電極との距離が大きいほど、制御信号により、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を大きくする、検出装置。
【請求項11】
前記アナログフロントエンドを介して、前記検出信号を処理する検出回路と、
前記検出回路が検出した検出信号が第1閾値よりも大きい場合、前記制御回路は、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数が小さくなるように変更する請求項に記載の検出装置。
【請求項12】
前記アナログフロントエンドを介して、前記検出信号を処理する検出回路と、
前記検出回路が検出した検出信号が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を下回る場合、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数が大きくなるように変更する請求項11に記載の検出装置。
【請求項13】
前記第2検出モードにおいて、前記第1検出モードを処理する検出電極を決定し、当該検出電極及び当該検出電極に隣接する検出電極を対象として、前記第1検出モードを処理する請求項に記載の検出装置。
【請求項14】
前記第1検出モードにおいて、前記第1方向に隣り合う複数の検出電極が、それぞれ複数の前記アナログフロントエンドに接続される、請求項乃至請求項13のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の検出装置と、表示領域とを備える表示パネルと、を備え
前記表示領域と重畳する領域に、前記検出電極が設けられている、表示装置。
【請求項16】
表示期間と検出期間とが時分割で交互に実行され、前記表示期間において、全ての前記検出電極には、共通電位が供給される請求項15に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる、外部近接物体を検出可能なタッチ検出装置が注目されている。タッチパネルは、液晶表示装置等の表示装置上に装着又は一体化されて、タッチ検出機能付き表示装置として用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような表示装置において、操作者の手指の画面への接触を検出するタッチ検出機能に加え、画面に手指が触れていない状態でその手指の近接状態やジェスチャ等を検出するホバー検出(近接検出)の機能が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-244958号公報
【文献】特開2017-059262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチ検出とホバー検出とでは検出対象となる手指等の被検出体と検出電極との距離や、それに伴う要求感度が大きく異なる。このため、タッチ検出用の電極や駆動構成をそのままホバー検出に採用すると、良好にホバー検出を行うことが困難となる可能性がある。
【0005】
本発明は、タッチ検出とホバー検出とを良好に行うことが可能な検出装置及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の検出装置は、基板と、前記基板のセンサ領域において、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に行列状に配列された複数の検出電極と、前記検出電極に駆動信号を供給する駆動回路と、複数の前記検出電極のそれぞれに、それぞれが電気的に接続された複数の配線と、前記駆動信号が供給された場合における前記検出電極の容量変化に応じた検出信号を、当該検出電極から受け取るアナログフロントエンドと、1つの前記検出電極に1つの前記配線を介して接続され、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を変更可能なマルチプレクサと、を備え、複数の前記配線のそれぞれは、前記第2方向に沿って延在し、複数の前記配線は、前記第1方向に亘って並んで配置される。
【0007】
他の態様の表示装置は、検出装置と、表示領域とを備える表示パネルと、を備え、前記表示領域と重畳する領域に、前記検出電極が設けられ、前記検出装置は、基板と、前記基板のセンサ領域において、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に行列状に配列された複数の検出電極と、前記検出電極に駆動信号を供給する駆動回路と、前記複数の検出電極のそれぞれに、それぞれが電気的に接続された複数の配線と、前記駆動信号が供給された場合における前記検出電極の容量変化に応じた検出信号を、当該検出電極から受け取るアナログフロントエンドと、1つの前記検出電極に1つの前記配線を介して接続され、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を変更可能なマルチプレクサと、を備え、前記複数の配線のそれぞれは、前記第2方向に沿って延在し、前記複数の配線は、前記第1方向に亘って並んで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る検出装置及び表示装置の一構成例を示すブロック図である。
図2図2は、検出回路の一構成例を示すブロック図である。
図3図3は、自己静電容量方式の検出の基本原理を説明するための、存在状態を表す説明図である。
図4図4は、自己静電容量方式の検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。
図5図5は、実施形態1の検出装置及び表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図6図6は、アレイ基板を模式的に示す平面図である。
図7図7は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。
図8図8は、検出電極の配置例を示す斜視図である。
図9図9は、実施形態1に係るホバー検出の一例を示す説明図である。
図10図10は、実施形態1に係るホバー検出の他の例を示す説明図である。
図11図11は、検出電極と、被検出体との位置関係を示す図である。
図12図12は、検出電極と、被検出体との距離に応じた容量について説明するための説明図である。
図13図13は、検出電極と接続回路との関係を模式的に示す平面図である。
図14図14は、接続回路を説明するための説明図である。
図15図15は、図13に示すマルチプレクサの具体的な構成を説明するための説明図である。
図16A図16Aは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図16B図16Bは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図16C図16Cは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図16D図16Dは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図17図17は、実施形態1に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。
図18図18は、複数の検出電極が1つのアナログフロントエンドに接続された状態の接続回路を説明するための説明図である。
図19図19は、検出電極ブロックを説明するための説明図である。
図20図20は、実施形態1に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。
図21図21は、検出電極ブロックと信号強度との関係を模式的に示すグラフである。
図22図22は、実施形態2に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。
図23図23は、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図24図24は、検出電極が4×4で電気的に束ねられ、検出電極ブロックを構成する場合に、各検出電極ブロックが接続されるアナログフロントエンドを説明するための説明図である。
図25図25は、検出電極が2×2で電気的に束ねられ、検出電極ブロックを構成する場合に、各検出電極ブロックが接続されるアナログフロントエンドを説明するための説明図である。
図26A図26Aは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図26B図26Bは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図26C図26Cは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図26D図26Dは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。
図27図27は、実施形態3に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。
図28図28は、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図29図29は、実施形態3の変形例に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。
図30図30は、実施形態3の変形例において、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図31図31は、タッチ検出を行う領域の一例を示す説明図である。
図32図32は、実施形態4のアナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図33図33は、実施形態4の接続回路を説明するための説明図である。
図34図34は、2×2束ねホバー検出において、実施形態4の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。
図35図35は、検出電極が順次切り替わる第1状態において、実施形態4の接続回路の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図36図36は、実施形態5のアナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図37図37は、実施形態5の接続回路を説明するための説明図である。
図38図38は、検出電極が順次切り替わる第2状態において、実施形態5の接続回路の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。
図39図39は、2×2束ねホバー検出において、実施形態5の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。
図40図40は、検出電極が順次切り替わる第1状態において、実施形態5の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。
図41図41は、実施形態6に係る検出電極と接続回路との関係を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る検出装置及び表示装置の一構成例を示すブロック図である。図2は、検出回路の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御回路11と、検出回路40とを備えている。表示パネル10は、画像を表示する表示領域20と、タッチ入力を検出する検出装置に含まれるセンサ領域30とを含む。図1及び図2に示すブロック図は、概念的に構成を説明するものであり、他の構成としてもよい。
【0011】
表示パネル10は、表示領域20とセンサ領域30とが一体化された表示装置である。具体的には、表示パネル10において、表示領域20の電極や基板等の部材の一部が、センサ領域30の電極や基板等に兼用される。
【0012】
表示領域20は、表示素子として液晶表示素子を用いている。表示領域20は、表示素子を有する複数の画素を備えるとともに、複数の画素に対向する表示面を有している。また、表示領域20は、映像信号の入力を受けて表示面に複数の画素からなる画像の表示を行う。なお、表示領域20は、例えば、有機EL表示パネルであってもよい。
【0013】
表示パネル10は、さらに接続回路18を備える。接続回路18は、センサ領域30と検出回路40との間に設けられる。接続回路18は、制御回路11から供給される制御信号Vsc1、Vsc2に基づいて、検出駆動の対象となる検出電極DEと検出回路40との接続と遮断とを切り換える回路である。接続回路18は、後述するアナログフロントエンドSCを有している。
【0014】
制御回路11は、ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動回路14を備える。制御回路11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動回路14、接続回路18及び検出回路40に制御信号を供給して、表示動作と検出動作を制御する回路である。
【0015】
ゲートドライバ12は、制御回路11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の表示駆動の対象となる1水平ラインに走査信号Vscanを供給する。これにより、表示駆動の対象となる1水平ラインが順次又は同時に選択される。
【0016】
ソースドライバ13は、表示領域20の、各副画素SPix(図7参照)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13の機能の一部は、表示パネル10に搭載されていてもよい。この場合、制御回路11が画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ13に供給してもよい。
【0017】
駆動回路14は、表示パネル10の検出電極DEに表示用の駆動信号VCOMを供給する回路である。また、駆動回路14は、接続回路18を介して、表示パネル10の共通電極となる検出電極DEに、駆動信号Vselfを供給する。
【0018】
本実施形態において、制御回路11は、表示領域20により表示を行う表示モードと、センサ領域30において被検出体を検出する検出モードとを時分割で行う。制御回路11は、検出モードとして、タッチ検出(第1検出モード)とホバー検出(第2検出モード)との2つの検出モードを有する。あるいは、第1検出モード及び第2検出モードは、自己静電容量方式の検出モードである。本開示において、タッチ検出は、被検出体が検出面又は表示面に接触した状態又は接触と同視し得るほど近接した状態(以下、「接触状態」と表す)において、被検出体の位置を検出することを表す。また、ホバー検出は、被検出体が検出面又は表示面に接触していない状態又は接触と同視できるほどには近接していない状態(以下、「非接触状態」と表す)において、被検出体の位置や動きを検出することを表す。また、検出面又は表示面に対向する位置に被検出体が存在しない場合、又はホバー検出において被検出体を検出できない程度に被検出体が表示面から離れている状態を「非存在状態」と表す。また、検出面又は表示面に対向する位置に被検出体が存在する場合、又はホバー検出において被検出体を検出できる程度に被検出体が表示面から離れている状態を「存在状態」と表す。
【0019】
センサ領域30のタッチセンサは、自己静電容量方式による被検出体の検出基本原理に基づいて、表示パネル10の検出面又は表示面に接触又は近接した被検出体の位置を検出する機能を含む。表示パネル10は、被検出体の接触又は近接を検出した場合、検出信号Vdetを検出回路40に出力する。
【0020】
接続回路18は、検出回路40と検出電極DEとの間の接続と遮断とを切り換える。これにより、タッチ検出では、検出電極DEが個別に検出回路40に接続され、ホバー検出では、複数の検出電極DEが検出電極ブロックDEB(図6参照)としてまとめて検出回路40に接続される。また、検出電極DEから出力された検出信号Vdetは、接続回路18を介して、検出回路40に供給される。
【0021】
検出回路40は、自己静電容量方式のタッチ検出において、駆動回路14から供給される駆動信号Vselfと、表示パネル10から出力される検出信号Vdetとに基づいて、表示パネル10の表示面を検出面として、検出面に近づいた被検出体を検出する回路である。検出回路40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。
【0022】
図2に示すように、検出回路40は、A/D変換回路43と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、検出タイミング制御回路46と、を備える。検出タイミング制御回路46は、駆動回路14から供給される制御信号に基づいて、A/D変換回路43と、信号処理回路44と、座標抽出回路45とが同期して動作するように制御する。
【0023】
駆動回路14は、接続回路18(図1参照)のアナログフロントエンドSCを介して、後述する検出電極DEに、駆動信号Vselfを供給する。検出回路40は、アナログフロントエンドSCを介して、後述する検出電極DEからの検出信号Vdetを供給される。アナログフロントエンドSCは、供給された検出信号Vdetのノイズを抑制し、信号成分を増幅するなど信号調整を行う。A/D変換回路43は、駆動信号Vselfに同期したタイミングで、アナログフロントエンドSCから出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0024】
信号処理回路44は、A/D変換回路43の出力信号に基づいて、表示パネル10に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理回路44は、指による検出信号の差分の信号(絶対値|ΔV|)を取り出す処理を行う。信号処理回路44は、絶対値|ΔV|を所定の閾値電圧と比較し、この絶対値|ΔV|が閾値電圧未満であれば、被検出体が非存在状態であると判断する。一方、信号処理回路44は、絶対値|ΔV|が閾値電圧以上であれば、被検出体の存在状態と判断する。このようにして、検出回路40はタッチ検出又はホバー検出が可能となる。
【0025】
座標抽出回路45は、信号処理回路44において被検出体が検出されたときに、被検出体の座標を求める論理回路である。座標抽出回路45は、被検出体の座標を出力信号Voutとして出力する。座標抽出回路45は、出力信号Voutを制御回路11に出力してもよい。制御回路11は出力信号Voutに基づいて、所定の表示動作又は検出動作を実行することができる。
【0026】
なお、検出回路40のA/D変換回路43と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、検出タイミング制御回路46とは、表示装置1に搭載される。ただし、これに限定されず、検出回路40の全部又は一部の機能は外部のプロセッサ等に搭載されてもよい。例えば、座標抽出回路45は、表示装置1とは別の外部のプロセッサに搭載されており、検出回路40は、信号処理回路44が信号処理した信号を出力信号Voutとして出力してもよい。
【0027】
表示パネル10は、静電容量型のタッチ検出の基本原理に基づいたタッチ制御がなされる。ここで、図3及び図4を参照して、本実施形態の表示パネル10の自己静電容量方式による被検出体の検出基本原理について説明する。図3は、自己静電容量方式の検出の基本原理を説明するための、存在状態を表す説明図である。図4は、自己静電容量方式の検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図3は、検出回路を併せて示している。なお、以下の説明では、被検出体が指の場合を説明するが、被検出体は、指に限られず、例えばスタイラスペン等の導体を含む物体であってもよい。
【0028】
非存在状態において、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz~数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。検出電極E1は、静電容量C1を有しており、静電容量C1に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V図4参照))に変換する。
【0029】
次に、図3に示すように、被検出体の存在状態において、指と検出電極E1との間の静電容量C2が、検出電極E1の静電容量C1に加わる。したがって、検出電極E1に交流矩形波Sgが印加されると、静電容量C1及び静電容量C2に応じた電流が流れる。図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V)に変換する。そして、波形Vと波形Vとの差分の絶対値|ΔV|に基づいて、被検出体の存在が測定される。
【0030】
具体的には、図4において、時刻T01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧Vに相当する電圧レベルに上昇する。このときスイッチSW1はオンとなりスイッチSW2はオフとなるため検出電極E1の電位も電圧Vに上昇する。次に時刻T11のタイミングの前にスイッチSW1をオフとする。このとき検出電極E1はフローティング状態であるが、検出電極E1の静電容量C1(又はC1+C2、図3参照)によって、検出電極E1の電位はVが維持される。さらに、時刻T11のタイミングの前に電圧検出器DETのリセット動作が行われる。
【0031】
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、検出電極E1の静電容量C1(又はC1+C2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C3に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(図4の検出信号Vdet参照)。電圧検出器DETの出力(検出信号Vdet)は、非存在状態では、実線で示す波形Vとなり、Vdet=C1×V/C3となる。存在状態では、点線で示す波形Vとなり、Vdet=(C1+C2)×V/C3となる。
【0032】
その後、時刻T31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz~数百kHz程度)で繰り返す。このようにして、検出回路40は自己静電容量方式による被検出体の検出基本原理に基づいて、被検出体の存在状態が検出可能となる。
【0033】
次に、本実施形態の表示装置1の構成例を詳細に説明する。図5は、実施形態1の検出装置及び表示装置の概略断面構造を表す断面図である。図5に示すように、表示パネル10は、アレイ基板2と、対向基板3と、表示機能層としての液晶層6とを備える。対向基板3は、アレイ基板2の表面に垂直な方向に対向して配置される。また、液晶層6はアレイ基板2と対向基板3との間に設けられる。
【0034】
アレイ基板2は、第1基板21と、画素電極22と、検出電極DEと、絶縁層24と、偏光板35Bとを有する。第1基板21には、ゲートドライバ12に含まれるゲートスキャナ等の回路や、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子や、ゲート線GCL、信号線SGL等の各種配線(図7では図示を省略する)が設けられる。
【0035】
検出電極DEは、第1基板21の上側に設けられる。また、画素電極22は、絶縁層24を介して検出電極DEの上側に設けられ、平面視でマトリクス状に複数配置される。画素電極22は、表示パネル10の各画素Pix(図7参照)を構成する副画素SPixに対応して設けられ、表示動作を行うための画素信号Vpixが供給される。また、検出電極DEは、表示動作の際に表示用の駆動信号VCOMが供給され、複数の画素電極22に対する共通電極として機能する。偏光板35Bは、第1基板21の下側に設けられる。
【0036】
本実施形態において、画素電極22及び検出電極DEは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。
【0037】
なお、本明細書において、第1基板21に垂直な方向において、第1基板21から第2基板31に向かう方向を「上側」とする。また、第2基板31から第1基板21に向かう方向を「下側」とする。
【0038】
なお、複数の画素電極22の配列は、第1方向及び該第1方向に直交する第2方向に沿って配列されるマトリクス状の配列のみならず、対向する画素電極22同士が第1方向又は第2方向にずれて配置される構成を採用することもできる。また、対向する画素電極22の大きさの違いから、第1方向に配列される画素列を構成する1つの画素電極22に対し、当該画素電極22の一側に2又は3の複数の画素電極22が配列される構成も採用可能である。
【0039】
対向基板3は、第2基板31と、第2基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、第2基板31の他方の面に設けられた偏光板35Aとを有する。カラーフィルタ32は、第1基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は第1基板21の上に配置されてもよい。本実施形態において、第1基板21及び第2基板31は、例えば、ガラス基板又は樹脂基板である。
【0040】
第1基板21と第2基板31とは所定の間隔を設けて対向して配置される。第1基板21と第2基板31との間に液晶層6が設けられる。液晶層6は、層間に形成される電界の状態に応じて液晶分子の配向状態が変化し、これによって透過光が変調する。かかる電界モードとして、例えば、FFS(Fringe Field Switching:フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(In-Plane Switching:インプレーンスイッチング)等の横電界モードが採用される。なお、図5に示す液晶層6に対向するアレイ基板2の最表面、及び対向基板3の最表面には、液晶分子の初期配向状態を定める配向膜(図5では省略して示す)が形成されている。
【0041】
第1基板21の下側には、図示しない照明部(バックライト)が設けられる。照明部は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源を有しており、光源からの光を第1基板21に向けて射出する。照明部からの光は、アレイ基板2を通過して、その位置の液晶の配向状態により変調され、表示面への透過状態が場所によって変化する。これにより、表示面に画像が表示される。
【0042】
図6は、アレイ基板を模式的に示す平面図である。図6に示すように、表示装置1において、表示領域10aの外側に周辺領域10bが設けられている。本開示において、表示領域10aは、画像を表示させるための領域であり、複数の画素Pix(副画素SPix)と重なる領域である。周辺領域10bは、第1基板21の外周よりも内側で、かつ、表示領域10aよりも外側の領域を示す。なお、周辺領域10bは表示領域10aを囲う枠状であってもよく、その場合、周辺領域10bは額縁領域とも言える。
【0043】
本実施形態において、第1方向Dxは、表示領域10aの短辺に沿った方向である。第2方向Dyは、第1方向Dxと直交する方向である。これに限定されず、第2方向Dyは第1方向Dxに対して90°以外の角度で交差していてもよい。第1方向Dxと第2方向Dyとで規定される平面は、第1基板21の表面と平行となる。また、第1方向Dx及び第2方向Dyと交差する第3方向Dzは、第1基板21の厚み方向である。
【0044】
図6に示すように、検出電極DEは、表示領域10aにおいて、第1方向Dx及び第2方向Dyに行列状に複数配列される。それぞれの検出電極DEは、平面視で矩形状、又は正方形状である。検出電極DEは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成されている。
【0045】
1つの検出電極DEに対応する位置に、複数の画素電極22が行列状に配置される。画素電極22は、検出電極DEよりも小さい面積を有している。なお、図6では一部の検出電極DE及び画素電極22について示しているが、検出電極DE及び画素電極22は表示領域10aの全域に亘って配置される。このように、表示領域10aと重畳する領域に、検出電極DEが設けられている。また、本開示では、行方向を第1方向Dxともいい、列方向を第2方向Dyともいう。
【0046】
なお、複数の画素電極22の配列は、第1方向Dx及び該第1方向Dxに交差する第2方向Dyに沿って配列されるマトリクス状の配列のみならず、対向する画素電極22同士が第1方向Dx又は第2方向Dyにずれて配置される構成を採用することもできる。また、対向する画素電極22の大きさの違いから、第1方向Dxに配列される画素列を構成する1つの画素電極22に対し、当該画素電極22の一側に2又は3の複数の画素電極22が配列される構成も採用可能である。
【0047】
周辺領域10bの短辺側には、接続回路18と集積回路19とが設けられている。また、周辺領域10bの短辺側には、不図示のフレキシブル基板が接続される。フレキシブル基板71に検出回路の集積回路が設けられている。集積回路19は、図2に示すように、制御回路11及び検出回路40を含む。また、検出回路40の機能の一部は、検出用の他の集積回路に含まれていてもよく、外部のMPU(Micro-Processing Unit)の機能として設けられてもよい。なお、集積回路19は、これに限定されず、例えばモジュール外部の制御基板に備えられていてもよい。
【0048】
検出電極DEは、配線51及び接続回路18を介して、集積回路19と電気的に接続される。複数の配線51はそれぞれ、表示領域10aに配置された、複数の検出電極DEのそれぞれに電気的に接続され、周辺領域10bまで引き出されている。複数の配線51のそれぞれは第2方向Dyに沿って延在し、複数の配線51は第1方向Dxに亘って並んで配置されている。例えば、集積回路19に内蔵された駆動回路14(図1参照)は、周辺領域10bに配置された接続回路18と、配線51とを介して、複数の検出電極DEにそれぞれ接続される。
【0049】
次に表示パネル10の表示動作について説明する。図7は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。第1基板21(図5参照)には、図7に示す各副画素SPixのスイッチング素子Tr、信号線SGL、ゲート線GCL等が形成されている。信号線SGLは、各画素電極22に画素信号Vpixを供給するための配線である。ゲート線GCLは、各スイッチング素子Trを駆動する駆動信号を供給するための配線である。信号線SGL及びゲート線GCLは、第1基板21の表面と平行な平面に延出する。
【0050】
図7に示す表示領域20は、マトリクス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子Tr及び液晶LCを備えている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。画素電極22と検出電極DEとの間に絶縁層24が設けられ、これらによって図14に示す保持容量Csが形成される。
【0051】
図1に示すゲートドライバ12は、ゲート線GCLを順次選択する。ゲートドライバ12は、選択されたゲート線GCLを介して、走査信号Vscanを副画素SPixのスイッチング素子Trのゲートに印加する。これにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)が表示駆動の対象として順次選択される。また、ソースドライバ13は、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに、信号線SGLを介して画素信号Vpixを供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0052】
この表示動作を行う際、駆動回路14は、全ての検出電極DEに対して表示用の駆動信号VCOMを印加する。表示用の駆動信号VCOMは複数の副画素SPixに対する共通電位となる電圧信号である。これにより、各検出電極DEは、表示動作時には画素電極22に対する共通電極として機能する。表示の際に、駆動回路14は、表示領域10aの全ての検出電極DEに対して駆動信号VCOMを印加する。
【0053】
図5に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域が周期的に配列されていてもよい。上述した図7に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられる。そして、3色の色領域32R、32G、32Bに対応する副画素SPixを1組として画素Pixが構成される。なお、カラーフィルタ32は、4色以上の色領域を含んでいてもよい。
【0054】
図8は、検出電極の配置例を示す斜視図である。図8に示すように、第1基板21の一方の面21a側の周辺領域10bには、外縁配線DE-Gが設けられている。例えば、外縁配線DE-Gは、表示領域10aの長辺と短辺とに沿って連続して設けられており、表示領域10aを囲んでいる。表示装置1が被検出体の存在状態の検出を行う際に、外縁配線DE-Gには、検出用の駆動信号Vselfと同じ波形で、かつ駆動信号Vselfと同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。又は、外縁配線DE-Gは、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、外縁配線DE-Gと、駆動信号Vselfが供給される検出電極DEとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、被検出体の検出感度を高めることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、第1基板21の他方の面21b側に、外縁配線29が設けられていてもよい。裏面の外縁配線29は、第1基板21の他方の面21bの一部を覆っていてもよいし、他方の面21bの全体を覆っていてもよい。また、裏面の外縁配線29は、例えば、ITO等の透光性を有する導電性材料で構成されていてもよいし、図示しない金属フレーム等で構成されていてもよい。表示装置1が被検出体の存在状態の検出を行う際に、裏面の外縁配線29には、検出用の駆動信号Vselfと同じ波形で、かつ駆動信号Vselfと同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。又は、裏面の外縁配線29は、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、裏面の外縁配線29と、駆動信号Vselfが供給される検出電極DEとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
【0056】
図9は、実施形態に係るホバー検出の一例を示す説明図である。図10は、実施形態に係るホバー検出の他の例を示す説明図である。図9に示すように、表示装置1は、被検出体である操作者の手指が検出面DSに対し非接触状態でホバー検出を行う。検出回路40は、検出信号Vdetに基づいて、検出面DSに垂直な方向における、検出面DSと被検出体との距離D1を検出することができる。また、検出回路40は、検出信号Vdetに基づいて、被検出体の位置R1を検出することができる。被検出体の位置R1は、例えば、検出面DSと垂直な方向において、被検出体と対向する位置であり、複数の検出電極ブロックDEBからの検出信号Vdetのうち、最大の値となる検出電極ブロックDEBに対応する位置である。
【0057】
また、図10に示すように、表示装置1は、被検出体のジェスチャ等の動作を検出することができる。検出回路40は、被検出体が検出面DSに対し非接触状態で矢印Da方向に移動した場合、検出信号Vdetに基づいて、被検出体の位置の変化を演算する。これにより、検出回路40は、被検出体のジェスチャ等の動作を検出する。制御回路11(図1参照)は、これらのホバー検出の結果に基づいて、所定の表示動作又は検出動作を実行する。
【0058】
図11は、検出電極と被検出体との位置関係を示す図である。図12は、検出電極と被検出体との距離に応じた容量について説明するための説明図である。図11に示すように、被検出体CQが検出電極DEに対して近づくと、検出信号を得やすくなる。被検出体CQが検出電極DEに対して遠ざかると、検出信号とノイズとのSN比が小さくなり、被検出体CQを検知しづらくなる。
【0059】
図12に示すように、第3方向Dzに対する、検出面DSと被検出体CQとの距離が距離D1の場合(ステップST101)において、被検出体CQは、表示装置1の検出面DSに対して非接触状態である。被検出体CQと検出電極DEとの間に容量C2aが形成される。
【0060】
検出面DSと被検出体CQとの距離が距離D2の場合(ステップST102)においても、被検出体CQは、表示装置1の検出面DSに対して非接触状態である。ここで、距離D2は距離D1よりも小さい。被検出体CQと検出電極DEとの間に容量C2bが形成される。
【0061】
検出面DSと被検出体CQとの距離が0の場合(ステップST103)において、被検出体CQは、表示装置1の検出面DSに対して接触状態である。また、被検出体CQと検出電極DEとの間に容量C2cが形成される。
【0062】
検出電極DEの大きさが同じであれば、容量C2bは、容量C2aよりも大きい値となる。検出電極DEの大きさが同じであれば、容量C2cは、容量C2bよりも大きい値となる。そこで、検出電極DEと被検出体CQとの距離が大きくなっても、被検出体CQの検出感度を維持するには、検出電極DEの大きさを大きくしてゆけばよい。検出電極DEの大きさを大きくすると、検出面DSに占める1つの検出電極DEの面積が大きくなるため、検出精度が低下する。この課題に対して、本実施形態の表示装置1は、以下の検出電極DE及び接続回路を備える。
【0063】
次に、検出電極DEと、接続回路18との関係について説明する。図13は、検出電極と接続回路との関係を模式的に示す平面図である。図13に示すように、検出電極DEは、行列状に複数配列されている。例えば、検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、・・・、DE(1,n)が第2方向Dyに複数配列される。また、検出電極DE(1,1)、・・・、DE(m,1)が第1方向Dxに複数配列される。同様に、検出電極DE(m,1)、・・・、DE(m,n)が第2方向Dyに複数配列される。なお、検出電極DE(1,1)、・・・、DE(m,n)を区別して説明する必要がない場合には、単に検出電極DEと表す。実施形態1においては、mが12であり、nが16である例を示す。しかしながら、m及びnの値はこれに限定されることはない。mの値は、任意であり、nの値も任意である。
【0064】
検出電極DEは、例えば、ITO等の透光性を有する導電性材料で構成されている。また、検出電極DEは、ITOに限定されず、例えば、酸化スズにより構成されていてもよい。
【0065】
接続回路18は、検出電極DEの接続状態を切り換える回路である。実施形態1において、接続回路18は、マルチプレクサMuと、アナログフロントエンドSC1、・・・、SC48を備える。なお、複数のアナログフロントエンドSC1、・・・、SC48を区別して説明する必要のない場合は、単にアナログフロントエンドSCと表す。
【0066】
マルチプレクサMuは、検出電極DEがある第1基板21上に配置され、かつセンサ領域30の外側にある。アナログフロントエンドSCは、同様に、検出電極DEがある第1基板上に配置され、かつセンサ領域30の外側にある。マルチプレクサMu及びアナログフロントエンドSCは、例えば、多結晶性のシリコンを低温で形成した低温ポリシリコン(Low Temperature Polycrystalline Silicon)により、小さな面積となる。
【0067】
各検出電極DEと接続回路18のマルチプレクサMuとは、各配線51で電気的に接続されている。図13の配線51は、検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、・・・、DE(1,n)のそれぞれに接続しており、他の検出電極DEも同様であるので、配線51の図示を省略している。マルチプレクサMuは、アナログフロントエンドSCとも電気的に接続されている。
【0068】
図14は、接続回路を説明するための説明図である。図15は、図13に示すマルチプレクサの具体的な構成を説明するための説明図である。図14に示すように、接続回路18は、図13に示すマルチプレクサMuを構成する複数の選択回路ECが組み合わされて構成される。
【0069】
図15に示すように、1つの選択回路ECは、スイッチSW11、SW12及びSW13を有している。スイッチSW11、SW12及びSW13は、例えばnチャネルのMOS型のTFTで構成され、第1基板21に形成される。
【0070】
スイッチSW11、SW12及びSW13がそれぞれ開閉することで、表示用の駆動信号VCOMの供給配線、ガード信号Vgdの供給配線及びアナログフロントエンドSCのいずれかが、1つの検出電極DEに時分割で接続される。
【0071】
図14において、検出電極DE(1,2)がアナログフロントエンドSC2に接続されている。検出電極DE(1,4)がアナログフロントエンドSC1に接続されている。検出電極DE(3,2)がアナログフロントエンドSC4に接続されている。検出電極DE(3,4)がアナログフロントエンドSC3に接続されている。
【0072】
図14において、検出電極DE(1,1)、DE(1,3)、DE(2,1)、DE(2,2)、DE(2,3)、DE(2,4)、DE(3,1)、DE(3,3)、DE(4,1)、DE(4,2)、DE(4,3)、DE(4,4)には、ガード信号Vgdが供給配線に接続されている。ガード信号Vgdは、検出電極DE(1,2)、DE(1,4)、DE(3,2)、DE(3,4)に供給される検出用の駆動信号Vselfと同じ波形で、かつ駆動信号Vselfと同期している。これによれば、検出電極DE(1,2)、DE(1,4)、DE(3,2)、DE(3,4)と、検出電極DE(1,1)、DE(1,3)、DE(2,1)、DE(2,2)、DE(2,3)、DE(2,4)、DE(3,1)、DE(3,3)、DE(4,1)、DE(4,2)、DE(4,3)、DE(4,4)との間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、被検出体の検出感度を高めることができる。
【0073】
実施形態1のアナログフロントエンドSCの数は48であり、検出電極DEの数は、192である。検出電極DEの数は、アナログフロントエンドSCの数よりも多い。マルチプレクサMuは、1つの検出電極DEに1つの配線51を介して接続されている。そこで、マルチプレクサMuは、1つのアナログフロントエンドSCに対して、1つずつ配線51を時分割で電気的に順次接続する。
【0074】
図16Aから図16Dは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。図14及び図15に示す各選択回路ECの動作により、図16Aに示すように、検出電極DE(1,2)には、検出用の駆動信号Vselfが供給され、かつアナログフロントエンドSC2(図14参照)に接続されている。検出電極DE(1,1)、DE(2,1)、DE(2,2)には、ガード信号Vgdが供給される。
【0075】
次に、図14及び図15に示す各選択回路ECの動作により、図16Bに示すように、検出電極DE(1,1)には、検出用の駆動信号Vselfが供給され、かつアナログフロントエンドSC2(図14参照)に接続されている。検出電極DE(1,2)、DE(2,1)、DE(2,2)には、ガード信号Vgdが供給される。
【0076】
次に、図14及び図15に示す各選択回路ECの動作により、図16Cに示すように、検出電極DE(2,2)には、検出用の駆動信号Vselfが供給され、かつアナログフロントエンドSC2(図14参照)に接続されている。検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、DE(2,1)には、ガード信号Vgdが供給される。
【0077】
次に、図14及び図15に示す各選択回路ECの動作により、図16Dに示すように、検出電極DE(2,1)には、検出用の駆動信号Vselfが供給され、かつアナログフロントエンドSC2(図14参照)に接続されている。検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、DE(2,2)には、ガード信号Vgdが供給される。
【0078】
以上説明したように、検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、DE(2,1)、DE(2,2)に対して、1つのアナログフロントエンドSC2を介して、検出回路40は、各検出電極DEの自己静電容量を検出できる。なお、検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、DE(2,1)、DE(2,2)を例示して説明したが、他の検出電極DEも同様である。その結果、接続回路18の大きさを小さくすることができる。
【0079】
次に、図1及び図13から図21を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図17は、実施形態1に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。図18は、複数の検出電極が1つのアナログフロントエンドに接続された状態の接続回路を説明するための説明図である。図19は、検出電極ブロックを説明するための説明図である。図20は、実施形態1に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。図21は、検出電極ブロックと信号強度との関係を模式的に示すグラフである。図17から図21に示す動作例はあくまで一例であり、適宜変更してもよい。
【0080】
図17に示すように、表示期間Pdと検出期間Ptとが時分割で交互に実行される。検出期間Ptは、ホバー検出期間Ptsと、タッチ検出期間Ptmとを含む。表示期間Pd、ホバー検出期間Pts及びタッチ検出期間Ptmの実行の順番はあくまで一例であり適宜変更してもよい。例えば、1つの検出期間Ptにホバー検出期間Pts又はタッチ検出期間Ptmのいずれか一方のみが存在する場合であってもよい。1検出面のタッチ検出を1つのタッチ検出期間Ptmで実行してもよく、複数のタッチ検出期間Ptmに分けて実行してもよい。また、表示期間Pdで1フレーム分の画像の表示を行ってもよく、1フレーム分の画像の表示期間中に、複数の表示期間Pdと検出期間Ptとが交互に配置されていてもよい。
【0081】
図20に示すように、制御回路11は、まず表示データの書き込みを実行する(ステップST1)。具体的には、上述した表示動作と同様であり、ソースドライバ13は、各ゲート線GCL1、GCL2、GCL3に対応する副画素SPixに、信号線SGL1、SGL2、SGL3を介して画素信号Vpixを供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。図17に示すように、表示期間Pdにおいて、駆動回路14は、検出電極DEに対し、表示用の駆動信号VCOMを供給する。また、接続回路18において、図15に示すスイッチSW13を介して、表示用の駆動信号VCOMが全検出電極DEに供給される。検出電極DEは、共通電位を与える共通電極となる。
【0082】
次に、制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST2)。具体的には、図17に示すように、ホバー検出期間Ptsにおいて、制御回路11は、制御信号Vsc1を接続回路18に供給し、制御信号Vsc2を接続回路18に供給する。制御信号Vsc1、Vsc2により、スイッチSW11(図15参照)がオンになり、スイッチSW12、SW13(図15参照)がオフになる。これにより、図13に示すように、第1方向Dx及び第2方向Dyに隣接して配置された4つの検出電極DEが電気的に接続されて1つの検出電極ブロックDEBとして機能する。
【0083】
例えば、図18に示すように、検出電極DE(1,1)、DE(1,1)、DE(2,1)、DE(2,2)は、接続回路18内において、同じアナログフロントエンドSC2に接続されている。図2に示す検出回路40からみると、検出電極DE(1,1)、DE(1,2)、DE(2,1)、DE(2,2)は、図19に示すように、1つの検出電極ブロックDEB(1,1)である。つまり、1つのアナログフロントエンドSCに同時接続可能な配線51に電気的に接続する検出電極DE(1,1)、DE(1,1)、DE(2,1)、DE(2,2)は、第1基板21の第1方向Dx又は第1方向Dxと交差する第2方向Dyに隣接する少なくとも2つの検出電極DEを含む。
【0084】
図13に示すように、検出電極ブロックDEBは、行列状に複数配列されている。例えば、検出電極ブロックDEB(1,1)、・・・、DEB(1,N)が第2方向Dyに複数配列される。また、検出電極ブロックDEB(1,1)、・・・、DEB(M,1)が第1方向Dxに複数配列される。同様に、検出電極ブロックDEB(M,1)、・・・、DEB(M,N)が第2方向Dyに複数配列される。なお、検出電極ブロックDEB(1,1)、・・・、DEB(M,N)を区別して説明する必要がない場合には、単に検出電極ブロックDEBと表す。実施形態1においては、Mが6であり、Nが8である例を示す。しかしながら、M及びNの値はこれに限定されることはない。Mの値は、任意であり、Nの値も任意である。
【0085】
実施形態1において、検出電極ブロックDEBは、48あるので、各検出電極ブロックDEBは、アナログフロントエンドSC1からアナログフロントエンドSC48のいずれか1つと1対1となるように、マルチプレクサMuにより電気的に接続されている。
【0086】
駆動回路14は、検出電極ブロックDEBに駆動信号Vselfを供給する。これにより、表示装置1は、検出電極ブロックDEB毎に非接触状態の被検出体を検出することができる。例えば、検出回路40は、各検出電極ブロックDEBからの検出信号Vdetに基づいて、検出面DSに垂直な方向における、検出面DSと被検出体との距離D1を検出することができる。また、検出回路40は、各検出電極ブロックDEBからの検出信号Vdetに基づいて、被検出体の位置R1を検出することができる。また、駆動回路14は、ホバー検出期間Ptsにおいて、外縁配線DE-G(図8参照)に対し、ガード信号Vgdを供給する。
【0087】
次に、検出回路40は、検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVth以上であるかどうかを判断する(ステップST3)。図21に示すように、検出回路40は、各検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetの信号強度を求め、所定の閾値ΔVthと比較する。
【0088】
複数の検出信号Vdetのうち、いずれか1つの検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVth以上である場合(ステップST3、Yes)、制御回路11は、タッチ検出を実行する(ステップST4)。検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVth以上である場合、被検出体が接触状態であると判断する。図21に示す例では、検出電極ブロックDEB(4,3)において、検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVth以上であり、それ以外の検出電極ブロックDEBにおいて、検出信号Vdetの信号強度は閾値ΔVthよりも小さい。この場合、検出回路40は、検出電極ブロックDEB(4,3)に対応する位置において被検出体が接触状態であると判断する。制御回路11は、検出回路40からの情報に基づいて、ホバー検出からタッチ検出に切り換える。
【0089】
具体的には、図17に示すように、タッチ検出期間Ptmにおいて、制御回路11は、制御信号Vsc1を接続回路18に供給し、制御信号Vsc2を接続回路18に供給する。制御信号Vsc1、Vsc2により、スイッチSW11、SW12、SW13(図15参照)が動作し、図16Aから図16Dに示すように、検出用の駆動信号Vselfが供給されている検出電極DEが順次切り替わる状態になる。
【0090】
駆動回路14は、検出電極DEに駆動信号Vselfを順次供給する。検出電極DEの容量変化に応じた検出信号Vdetが、アナログフロントエンドSCを介して検出回路40に供給される。これにより、表示装置1は、複数の検出電極DE毎に接触状態の被検出体を検出することができる。
【0091】
タッチ検出期間Ptmにおいて、1検出面の検出動作が終了した場合、すなわち、全ての検出電極DEに対して、順次、駆動信号Vselfを供給してタッチ検出を実行した場合、制御回路11は、タッチ検出を終了して表示データの書き込み(ステップST1)に戻る。
【0092】
複数の検出信号Vdetの信号強度が全て閾値ΔVthよりも小さい場合(ステップST3、No)、制御回路11は、タッチ検出を実行せず、表示データの書き込み(ステップST1)に戻る。この場合、図17に示す検出期間Ptにおいて、ホバー検出期間Ptsのみが実行され、タッチ検出期間Ptmは実行されない。つまり、1つの検出期間Ptにおいてホバー検出期間Ptsのみが存在する。
【0093】
なお、信号線SGLは、ホバー検出期間Pts及びタッチ検出期間Ptmにおいて、フローティング状態であることが好ましい。こうすれば、検出電極DEと信号線SGLとの間の容量を低減することができる。また、ゲート線GCLは、ホバー検出期間Ptsにおいてフローティング状態であってもよい。
【0094】
以上説明したように、実施形態1の検出装置は、第1基板21と、複数の検出電極DEと、駆動回路14と、複数のアナログフロントエンドSCと、マルチプレクサMuと、を備える。複数の検出電極DEは、第1基板21のセンサ領域30に設けられている。駆動回路14は、検出電極DEに駆動信号Vselfを供給する。アナログフロントエンドSCは、駆動信号Vselfが検出電極DEに供給された場合における検出電極DEの容量変化に応じた検出信号Vdetを、当該検出電極DEから受け取る。マルチプレクサMuは、1つの検出電極DEに1つの配線51を介して接続され、1つのアナログフロントエンドSCに対して電気的に同時接続される配線51の数を変更可能である。
【0095】
本実施形態1によれば、自己静電容量方式のタッチ検出とホバー検出との2つの検出モードで、検出電極DEを共有できる。さらにホバー検出では、検出電極DEと被検出体CQとの距離に応じて、検出電極DEの束ねる数を変えることにより、良好なホバー検出を行うことができる。
【0096】
上述した構成によれば、検出電極DEと被検出体CQとの距離が大きい場合には、複数の検出電極DEを電気的に繋げ、1つのアナログフロントエンドSCに接続することで、検出電極DEを検出電極ブロックDEBとする。これにより、見かけの検出電極DEの大きさが大きくなり、被検出体CQの検出感度が向上する。検出電極DEの大きさを大きくすると、検出面DSに占める1つの検出電極DEの面積が大きくなるため、検出精度が低下するが、1つのアナログフロントエンドSCに接続する検出電極DEの数を小さくすることで、存在状態にある被検出体CQの位置座標の精度を高めることができる。このように、実施形態1の検出装置は、タッチ検出とホバー検出とを良好に行うことができる。
【0097】
(実施形態2)
図22は、実施形態2に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。図23は、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。なお、実施形態1で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0098】
実施形態1に示す動作例はあくまで一例であり、適宜変更してもよい。例えば、複数回のホバー検出期間Ptsにおいて、1つの検出電極ブロックDEBを構成する検出電極DEの数を変えてホバー検出を実行してもよい。制御回路11は、検出面DSと被検出体との距離D1に応じて、検出電極ブロックDEBに含まれる検出電極DEの数を変更すると、ホバー検出の解像度を変更することができる。
【0099】
図22においても、上述した表示期間Pdと検出期間Ptとが時分割で交互に実行される。表示期間Pdについては、実施形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。実施形態2の検出期間Ptにおいて、接続回路18により、検出電極が4×4で電気的に束ねられ、検出電極ブロックDEBを構成し、制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST11)。
【0100】
図23に示すように、ステップST11において、検出電極ブロックDEBの大きさが大きいので、被検出体CQと検出電極ブロックDEBとの距離が大きくても、被検出体CQを検出しやすい。
【0101】
図24は、検出電極が4×4で電気的に束ねられ、検出電極ブロックを構成する場合に、各検出電極ブロックが接続されるアナログフロントエンドを説明するための説明図である。図24において、12×16の検出電極DEが4×4で電気的に束ねられ、検出電極ブロックDEBを構成すると、検出電極ブロックDEBは、3×4に行列状に並ぶことになる。
【0102】
図24において、検出電極ブロックDEBは、検出電極ブロックDEBB(1,1)、DEBB(1,2)、DEBB(1,3)、DEBB(1,4)、DEBB(2,1)、DEBB(2,2)、DEBB(2,3)、DEBB(2,4)、DEBB(3,1)、DEBB(3,2)、DEBB(3,3)、DEBB(3,4)で構成される。
【0103】
実施形態2においても、図13に示すように、接続回路18は、マルチプレクサMuと、アナログフロントエンドSC1、・・・、SC48を備える。検出電極ブロックDEBB(1,1)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC37にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(1,2)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC25にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(1,3)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC13にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(1,4)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC1にそれぞれ電気的に接続されている。
【0104】
検出電極ブロックDEBB(2,1)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC41にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(2,2)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC29にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(2,3)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC17にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(2,4)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC5にそれぞれ電気的に接続されている。
【0105】
検出電極ブロックDEBB(3,1)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC45にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(3,2)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC33にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(3,3)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC21にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEBB(3,4)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC9にそれぞれ電気的に接続されている。
【0106】
図23に示すように、ステップST11において、48個のアナログフロントエンドSCのうち12個のアナログフロントエンドSCを介して、検出回路40は、各検出電極ブロックDEBB(1,1)、DEBB(1,2)、DEBB(1,3)、DEBB(1,4)、DEBB(2,1)、DEBB(2,2)、DEBB(2,3)、DEBB(2,4)、DEBB(3,1)、DEBB(3,2)、DEBB(3,3)、DEBB(3,4)から供給された検出信号Vdetに基づいて、自己静電容量を検出する。これにより、検出回路40は、被検出体CQが複数の検出電極ブロックDEBBのうち、どの検出電極ブロックDEBBに対応して位置しているのかを検出する。
【0107】
次に、検出回路40は、供給された検出信号Vdetの強度が、検出信号Vdetの強度と所定の閾値ΔVthaとを比較し、所定の閾値ΔVtha以上であるかどうかを判断する(ステップST12)。
【0108】
複数の検出信号Vdetのうち、いずれか1つの検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVthaを下回る場合(ステップST12、No)、制御回路11は、処理をステップST11に戻す。複数の検出信号Vdetのうち、いずれか1つの検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVtha以上である場合(ステップST12、Yes)、接続回路18により、検出電極が2×2で電気的に束ねられ、図23に示すように、ステップST11よりも小さい大きさの検出電極ブロックDEBを構成する。そして、制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST13)。
【0109】
図25は、検出電極が2×2で電気的に束ねられ、検出電極ブロックを構成する場合に、各検出電極ブロックが接続されるアナログフロントエンドを説明するための説明図である。図24において、12×16の検出電極DEが2×2で電気的に束ねられ、検出電極ブロックDEBを構成すると、検出電極ブロックDEBは、6×8に行列状に並ぶことになる。
【0110】
検出電極ブロックDEB(1,1)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC39にそれぞれ電気的に接続されている。検出電極ブロックDEB(1,2)が含む検出電極DEは、アナログフロントエンドSC37にそれぞれ電気的に接続されている。以下、他の検出電極ブロックDEBも同様であり、各検出電極ブロックDEBが含む検出電極DEは、図25の各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCにそれぞれ電気的に接続されている。
【0111】
図25に示すように、ステップST13において、48個のアナログフロントエンドSCのうち48個のアナログフロントエンドSCを介して、検出回路40は、各検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetに基づいて、自己静電容量を検出する。これにより、検出回路40は、被検出体CQが複数の検出電極ブロックDEBのうち、どの検出電極ブロックDEBBに対応して位置しているのかを検出する。
【0112】
次に、検出回路40は、図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上であるかどうかを判断する(ステップST14)。図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthbを下回る場合(ステップST14、Yes)、検出回路40は、ステップST11に処理を戻す。図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthbを下回る場合では、被検出体CQと検出電極DEとの距離が大きいと考えられる。被検出体CQと検出電極DEとの距離が大きいほど、制御回路11が接続回路18に制御信号を送出し、アナログフロントエンドSCに対して電気的に同時接続される配線51の数を大きくする。この処理により、検出感度が向上するので、改めて被検出体CQを検出できる可能性が高まる。
【0113】
図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上である場合(ステップST14、No)、検出回路40は、処理をステップST15に進める。
【0114】
次に、検出回路40は、図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthbよりも大きな値の閾値ΔVthc以上であるかどうかを判断する(ステップST15)。図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthcを下回る場合(ステップST15、No)、検出回路40は、ステップST13に処理を戻す。
【0115】
次に、検出回路40は、図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、閾値ΔVthc以上である場合(ステップST15、Yes)、制御回路11は、タッチ検出を実行する(ステップST16)。図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、閾値ΔVthc以上である場合(ステップST15、Yes)では、被検出体CQと検出電極DEとの距離が小さいと考えられる。被検出体CQと検出電極DEとの距離が小さいほど、制御回路11が接続回路18に制御信号を送出し、アナログフロントエンドSCに対して電気的に同時接続される配線51の数を小さくする。
【0116】
ステップST16において、実施形態1と同様に、接続回路18により、検出用の駆動信号Vselfが供給されている検出電極DEが順次切り替わる状態となる。実施形態2においては、図23に示すように、ステップST161からステップST164まで順次、一行に含まれる検出電極DEを選択してアナログフロントエンドSCに接続し、一行に含まれる検出電極DEの選択を順次ずらしていく。本開示では、一行に含まれる検出電極DEの選択を行毎に順次ずらしていくようにしたが、一列に含まれる検出電極DEの選択を列毎に順次ずらしていくようにしてもよい。
【0117】
図26Aから図26Dは、検出用の駆動信号が供給されている検出電極が順次切り替わる状態を説明するための説明図である。図26Aに示すように、接続回路18が、4行目、8行目、12行目、16行目の検出電極DEを選択し、4行目、8行目、12行目、16行目の各検出電極DEと、図26Aの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとを、接続回路18が接続する(図23、ステップST161参照)。
【0118】
図26Bに示すように、接続回路18が、3行目、7行目、11行目、15行目の検出電極DEを選択し、3行目、7行目、11行目、15行目の各検出電極DEと、図26Bの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとを、接続回路18が接続する(図23、ステップST162参照)。
【0119】
図26Cに示すように、接続回路18が、2行目、6行目、10行目、14行目の検出電極DEを選択し、2行目、6行目、10行目、14行目の各検出電極DEと、図26Cの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとを、接続回路18が接続する(図23、ステップST163参照)。
【0120】
図26Dに示すように、接続回路18が、1行目、5行目、9行目、13行目の検出電極DEを選択し、1行目、5行目、9行目、13行目の各検出電極DEと、図26Dの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとを、接続回路18が接続する(図23、ステップST164参照)。
【0121】
なお、図26Aから図26Dにおいて、アナログフロントエンドSCの記載のない検出電極DEには、アナログフロントエンドSCは、接続されていない。
【0122】
以上説明したように、一行に含まれる検出電極DEの選択を順次ずらしていくことで、全検出電極DEの数よりも少ないアナログフロントエンドSCでも、検出回路40は、全検出電極DEの検出信号Vdetの信号強度を取得することができる。
【0123】
次に、検出回路40は、図26Aから図26Dに示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthd以上であるかどうかを判断する(ステップST17)。図26Aから図26Dに示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthdを下回る場合(ステップST17、Yes)、検出回路40は、ステップST13に処理を戻す。この処理により、検出感度が向上するので、改めて被検出体CQを検出できる可能性が高まる。
【0124】
検出回路40は、図26Aから図26Dに示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthd以上である場合(ステップST17、No)、検出回路40は、被検出体CQの座標を抽出し、その後処理を終了する。
【0125】
(実施形態3)
図27は、実施形態3に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。図28は、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。なお、実施形態1及び実施形態2で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0126】
図27においても、上述した表示期間Pdと検出期間Ptとが時分割で交互に実行される。表示期間Pdについては、実施形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。実施形態3の検出期間Ptにおいて、接続回路18により、検出電極が4×4で電気的に束ねられ、検出電極ブロックDEBを構成し、制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST21)。ステップS21の処理は、上述したステップS11の処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0127】
次に、検出回路40は、供給された検出信号Vdetの強度を求め、検出信号Vdetの強度と所定の閾値ΔVthaとを比較し、所定の閾値ΔVtha以上であるかどうかを判断する(ステップST22)。
【0128】
複数の検出信号Vdetのうち、いずれか1つの検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVthaを下回る場合(ステップST22、No)、制御回路11は、処理をステップST1に戻す。複数の検出信号Vdetのうち、いずれか1つの検出信号Vdetの信号強度が閾値ΔVtha以上である場合(ステップST22、Yes)、接続回路18により、検出電極が2×2で電気的に束ねられ、図28に示すように、ステップST21よりも小さい大きさの検出電極ブロックDEBを構成する。そして、制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST23)。
【0129】
次に、検出回路40は、図27に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上であるかどうかを判断する(ステップST24)。図27に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthbを下回る場合(ステップST24、Yes)、検出回路40は、ステップST21に処理を戻す。この処理により、検出感度が向上するので、改めて被検出体CQを検出できる可能性が高まる。
【0130】
図25に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上である場合(ステップST24、No)、検出回路40は、処理をステップST25に進める。
【0131】
次に、検出回路40は、図27に示す検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、閾値ΔVthb以上である場合(ステップST24、No)、制御回路11は、タッチ検出を実行する(ステップST25)。
【0132】
実施形態3においては、図28に示すように、ステップST22において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEを対象として、タッチ検出を実行する。
【0133】
以上説明したように、制御回路11は、ホバー検出において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の領域を対象として、タッチ検出を処理する検出電極DEを決定し、制御回路11は、決定された検出電極DE及び当該検出電極DEに隣接する検出電極DEを対象として、タッチ検出を処理する。
【0134】
これにより、全部の検出電極DEの静電容量の検出を行わなくてもよく、検出期間Ptを短縮する又は、検出対象とした同じ検出電極DEに対し、検出期間Pt内の検出回数を増やして、検出精度を高めることができる。
【0135】
図29は、実施形態3の変形例に係る表示装置の動作例を示すフローチャートである。図30は、実施形態3の変形例において、アナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。なお、実施形態3で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0136】
実施形態3の変形例では、被検出体が複数である点が、実施形態3と異なる。図29のステップST21からステップST24の処理は、実施形態3の処理と同じであるが、図30に示すように、被検出体CQ1及び被検出体CQ2が存在状態にある。
【0137】
実施形態3の変形例においては、図30に示すように、ステップST24において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEの数が、接続回路18が有するアナログフロントエンドSCの数を超えた場合、2つの領域を対象として、タッチ検出を実行する。
【0138】
まず、図30に示すように、被検出体CQ1の影響と推定される、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の領域を対象として、タッチ検出を実行する。
【0139】
図31は、タッチ検出を行う領域の一例を示す説明図である。図31に示すように、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックは、検出電極ブロックDEB(3,7)、DEB(3,8)、DEB(4,7)、DEB(4,8)である。接続回路18は、検出電極ブロックDEB(3,7)、DEB(3,8)、DEB(4,7)、DEB(4,8)に含まれる検出電極DEに対し、アナログフロントエンドSC41、SC42、SC43、SC44、SC29、SC30、SC31、SC32、SC17、SC18、SC19、SC20、SC5、SC6、SC7、SC8を接続する。検出電極DEよりも、検出電極ブロックDEBで被検出体CQ1を検出する方が、座標抽出の検出精度が低いので、検出電極ブロックDEB(3,7)、DEB(3,8)、DEB(4,7)、DEB(4,8)の周りの検出電極DEもタッチ検出することが望ましい。
【0140】
接続回路18は、検出電極DE(1,13)、DE(1,16)、DE(12,13)、DE(12,16)で囲まれる検出電極DEに対し、図31の各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCにそれぞれ電気的に接続されている。
【0141】
次に、図30に示すように、ステップST25とは異なる領域についても、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の領域を対象として、タッチ検出を実行する(ステップST26)。
【0142】
(実施形態4)
図32は、実施形態4のアナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。図33は、実施形態4の接続回路を説明するための説明図である。図34は、2×2束ねホバー検出において、実施形態4の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。図35は、検出電極が順次切り替わる第1状態において、実施形態4の接続回路の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。なお、実施形態1から実施形態3で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。図33から図35に示す各検出電極DE(1,n)から検出電極DE(1,n-15)、検出電極DE(2,n)から検出電極DE(2,n-15)は、図13に示す検出電極DEの一部を例示しており、具体的な形状は図13のような矩形である。
【0143】
図33に示す接続回路18は、図32に示すように、ホバー検出のステップ(ステップST32)と、タッチ検出のステップ(ステップST33又はステップST34)とを切り替える。
【0144】
図33に示す接続回路18は、スイッチMux1、Mux2及びMux3を有している。図33に示す接続回路18は、検出電極DE(1,n)にスイッチMux1を介して接続する中継配線DEL(1,n)を有する。同様に、検出電極DE(1,n-1)から検出電極DE(1,n-15)は、中継配線DEL(1,n-1)から中継配線DEL(1,n-15)のそれぞれに、スイッチMux1を介して接続されている。検出電極DE(2,n)から検出電極DE(2,n-15)は、中継配線DEL(2,n)から中継配線DEL(2,n-15)のそれぞれに、スイッチMux1を介して接続されている。中継配線DEL(1,n)から中継配線DEL(1,n-15)及び中継配線DEL(2,n)から中継配線DEL(2,n-15)のいずれか1つを単に説明する場合は、中継配線DELとして説明する。
【0145】
スイッチMux1は、各検出電極DEと、表示用の駆動信号VCOMの供給配線、ガード信号Vgdの供給配線、又はアナログフロントエンドSCへ接続する中継配線DELを接続する。中継配線DELは、スイッチMux1とスイッチMux2とを接続し、スイッチMux1とスイッチMux3とを接続する。スイッチMux1、Mux2及びMux3がそれぞれ開閉することで、表示用の駆動信号VCOMの供給配線、ガード信号Vgdの供給配線及びアナログフロントエンドSCのいずれかが、1つの検出電極DEに時分割で接続される。
【0146】
図32に示すステップST32において、スイッチMux2が中継配線DELとアナログフロントエンドSCとの間を非接続とする。図34に示すように、スイッチMux3と中継配線DELとは、第1方向Dx及び第2方向Dyにそれぞれ隣り合う検出電極DEを電気的に接続して、2×2の検出電極DEを束ねて、検出電極ブロックDEB(1,N)から検出電極ブロックDEB(1,N-7)にする。検出電極ブロックDEB(1,N)から検出電極ブロックDEB(1,N-7)は、アナログフロントエンドSC1からアナログフロントエンドSC7にそれぞれ接続される。そして、図1に示す制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST32)。
【0147】
図34に示す各検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上である場合、検出回路40は、処理をステップST33に進める。
【0148】
実施形態4においては、ステップST33において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEを対象として、タッチ検出を実行する。
【0149】
例えば、ステップST33において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB(1,N)があり、検出電極ブロックDEB(1,N)に対応する検出電極DE(1,n)、検出電極DE(1,n-1)、検出電極DE(2,n)及び検出電極DE(2,n-1)に対して、図35に示すように、タッチ検出を実行する(ステップST33)。
【0150】
スイッチMux3が中継配線DELとアナログフロントエンドSCとの間を非接続とする。スイッチMux1は、検出電極DE(1,n)、DE(1,n-1)、DE(1,n-2)及びDE(1,n-3)を、中継配線DEL(1,n)、DEL(1,n-1)、DEL(1,n-2)及びDEL(1,n-3)にそれぞれ電気的に接続する。スイッチMux1は、他の検出電極DEをガード信号Vgdの供給配線に接続する。
【0151】
そして、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n)との間を接続する。次に、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-1)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-1)との間を接続する。次に、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-2)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-2)との間を接続する。そして、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-3)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-3)との間を接続する。この処理により、第1方向Dxに隣り合う検出電極DEが同時に選択され、それぞれがアナログフロントエンドSCに接続されるようになる。スイッチMux2の動作に伴って、アナログフロントエンドSCに接続される検出電極DEが順次第2方向Dyに順次切り替わる。
【0152】
次に、図32に示すステップST33の処理の後、ステップS32の処理において所定の閾値ΔVthb以上であるとされた他の検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEを対象として、タッチ検出を実行する(ステップST34)。ステップST34の処理は、ステップST33において、アナログフロントエンドSCに接続される検出電極DEの第2方向Dyの位置が異なるだけであるので、詳細な説明を省略する。
【0153】
(実施形態5)
図36は、実施形態5のアナログフロントエンドに接続される検出電極の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。図37は、実施形態5の接続回路を説明するための説明図である。図38は、検出電極が順次切り替わる第2状態において、実施形態5の接続回路の状態の変化を説明するための模式的な説明図である。図39は、2×2束ねホバー検出において、実施形態5の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。図40は、検出電極が順次切り替わる第1状態において、実施形態5の接続回路の変化を説明するための模式的な説明図である。なお、実施形態1から実施形態4で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0154】
図37に示す接続回路18は、図36に示すように、タッチ検出のステップ(ステップST31)と、ホバー検出のステップ(ステップST32)とを切り替える。また実施形態4と同様に、ホバー検出のステップ(ステップST32)と、タッチ検出のステップ(ステップST33又はステップST34)とを切り替える。
【0155】
図37に示す接続回路18は、スイッチMux1、Mux2、Mux3及びMux4を有している。中継配線DELは、スイッチMux1とスイッチMux2とを接続し、スイッチMux1とスイッチMux3とを接続し、スイッチMux1とスイッチMux3とを接続する。スイッチMux1、Mux2、Mux3及びMux4がそれぞれ開閉することで、表示用の駆動信号VCOMの供給配線、ガード信号Vgdの供給配線及びアナログフロントエンドSCのいずれかが、1つの検出電極DEに時分割で接続される。
【0156】
図36に示すステップST31において、図38に示すように、スイッチMux2及びMux3が中継配線DELとアナログフロントエンドSCとの間を非接続とする。スイッチMux1は、検出電極DE(1,n)、DE(1,n-4)、DE(1,n-8)及びDE(1,n-12)を、中継配線DEL(1,n)、DEL(1,n-4)、DEL(1,n-8)及びDEL(1,n-12)にそれぞれ電気的に接続する。スイッチMux1は、他の検出電極DEをガード信号Vgdの供給配線に接続する。
【0157】
そして、スイッチMux4は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n)との間を電気的に接続する。同様に、アナログフロントエンドSC2が、中継配線DEL(1,n-4)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC3が、中継配線DEL(1,n-8)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC4が、中継配線DEL(1,n-12)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC5が、中継配線DEL(2,n)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC6が、中継配線DEL(2,n-4)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC7が、中継配線DEL(2,n-8)に電気的に接続する。アナログフロントエンドSC8が、中継配線DEL(2,n-12)に電気的に接続する。これにより、上述した図26Aに示すように、接続回路18が、4行目、8行目、12行目、16行目の検出電極DEを選択し、4行目、8行目、12行目、16行目の各検出電極DEと、図26Aの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとを、接続回路18が接続する。
【0158】
スイッチMux4が電気的に接続する中継配線DELを順次切り替えると、図26Bに示すように、接続回路18が、3行目、7行目、11行目、15行目の検出電極DEを選択する。これにより、図26Bに示す3行目、7行目、11行目、15行目の各検出電極DEと、図26Bの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとが接続される。
【0159】
さらに、スイッチMux4が電気的に接続する中継配線DELを順次切り替えると、図26Cに示すように、接続回路18が、2行目、6行目、10行目、14行目の検出電極DEを選択する。これにより、図26Cに示す2行目、6行目、10行目、14行目の各検出電極DEと、図26Cの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとが接続される。
【0160】
さらに、スイッチMux4が電気的に接続する中継配線DELを順次切り替えると、図26Dに示すように、接続回路18が、1行目、5行目、9行目、13行目の検出電極DEを選択する。これにより、図26Dに示す1行目、5行目、9行目、13行目の各検出電極DEと、図26Dの各検出電極DE内に記載した符号のアナログフロントエンドSCとが接続される。
【0161】
図36図26A図26B図26C及び図26Dに示すように、ステップST31において、実施形態5の検出装置は、アナログフロントエンドSCの数よりも多い検出電極DEの数を有していても、全面のタッチ検出を順次処理することができる。
【0162】
図36に示すステップST32において、スイッチMux2及びMux4が中継配線DELとアナログフロントエンドSCとの間を非接続とする。図39に示すように、スイッチMux3と中継配線DELとは、第1方向Dx及び第2方向Dyにそれぞれ隣り合う検出電極DEを電気的に接続して、2×2の検出電極DEを束ねて、検出電極ブロックDEB(1,N)から検出電極ブロックDEB(1,N-7)にする。検出電極ブロックDEB(1,N)から検出電極ブロックDEB(1,N-7)は、アナログフロントエンドSC1からアナログフロントエンドSC7にそれぞれ接続される。そして、図1に示す制御回路11は、ホバー検出を実行する(ステップST32)。
【0163】
図39に示す各検出電極ブロックDEBから供給された検出信号Vdetが、所定の閾値ΔVthb以上である場合、検出回路40は、処理をステップST33に進める。
【0164】
実施形態5においては、ステップST33において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEを対象として、タッチ検出を実行する。
【0165】
例えば、ステップST33において、所定の閾値ΔVthb以上であるとされた検出電極ブロックDEB(1,N)があり、検出電極ブロックDEB(1,N)に対応する検出電極DE(1,n)、検出電極DE(1,n-1)、検出電極DE(2,n)及び検出電極DE(2,n-1)に対して、図40に示すように、タッチ検出を実行する(ステップST33)。
【0166】
スイッチMux3及びMux4が中継配線DELとアナログフロントエンドSCとの間を非接続とする。スイッチMux3は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n)との間を接続する。次に、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-1)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-1)との間を接続する。次に、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-2)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-2)との間を接続する。そして、スイッチMux2は、アナログフロントエンドSC1と、中継配線DEL(1,n-3)との間を接続し、アナログフロントエンドSC5と、中継配線DEL(2,n-3)との間を接続する。この処理により、第1方向Dxに隣り合う検出電極DEが同時に選択され、アナログフロントエンドSCに接続されるようになる。スイッチMux2の動作に伴って、アナログフロントエンドSCに接続される検出電極DEが順次第2方向Dyに順次切り替わる。
【0167】
次に、図32に示すステップST33の処理の後、ステップS32の処理において所定の閾値ΔVthb以上であるとされた他の検出電極ブロックDEB及び当該検出電極ブロックDEBの周囲の検出電極DEを対象として、タッチ検出を実行する(ステップST34)。ステップST34の処理は、ステップST33において、アナログフロントエンドSCに接続される検出電極DEの第2方向Dyの位置が異なるだけであるので、詳細な説明を省略する。
【0168】
(実施形態6)
図41は、実施形態6に係る検出電極と接続回路との関係を模式的に示す平面図である。なお、実施形態1で説明した構成要素については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0169】
実施形態6の接続回路18は、マルチプレクサMuを内蔵しているが、アナログフロントエンドSCが内蔵されていない。アナログフロントエンドSCは、集積回路19に内蔵されている。アナログフロントエンドSCは、マルチプレクサMuとは別に形成されているので、第1基板21上の接続回路18が含むTFTなどの回路数が減り、接続回路18の面積を小さくすることができる。その結果、周辺領域10bを他の素子を形成するためのスペースとして有効活用する、あるいは、周辺領域10bを小さくして、狭額縁にすることができる。
【0170】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0171】
例えば、検出電極DE、画素電極22等の形状、配置、個数等は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。
【0172】
例えば、本態様の表示装置は、以下の態様をとることができる。
(1)基板と、
前記基板のセンサ領域において、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に行列状に配列された複数の検出電極と、
前記検出電極に駆動信号を供給する駆動回路と、
複数の前記検出電極のそれぞれに、それぞれが電気的に接続された複数の配線と、
前記駆動信号が供給された場合における前記検出電極の容量変化に応じた検出信号を、当該検出電極から受け取るアナログフロントエンドと、
1つの前記検出電極に1つの前記配線を介して接続され、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を変更可能なマルチプレクサと、を備え、
複数の前記配線のそれぞれは、前記第2方向に沿って延在し、
複数の前記配線は、前記第1方向に亘って並んで配置される、
検出装置。
(2)前記マルチプレクサを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において、被検出体と前記検出電極との距離に応じて、電気的に同時接続される前記検出電極の数を変える、上記(1)に記載の検出装置。
(3)前記マルチプレクサは、前記検出電極がある前記基板と同じ基板上に配置され、かつ前記センサ領域の外側にある(1)に記載の検出装置。
(4)前記アナログフロントエンドは、集積回路に内蔵され、かつ前記マルチプレクサとは別に形成されている(3)に記載の検出装置。
(5)前記アナログフロントエンドは、前記検出電極と同じ基板上に配置され、かつ前記センサ領域の外側にある(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の検出装置。
(6)前記検出電極の数は、前記アナログフロントエンドの数よりも多い(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の検出装置。
(7)1つの前記アナログフロントエンドに同時接続可能な前記配線に電気的に接続する複数の前記検出電極は、前記第1方向又は前記第2方向に隣接する2つの前記検出電極を含む(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の検出装置。
(8)前記マルチプレクサは、1つの前記アナログフロントエンドに対して、1つずつ前記配線を順次時分割で電気的に接続する(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の検出装置。
(9)1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を1つとする第1検出モードと、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を複数とする第2検出モードと、のいずれかで前記マルチプレクサを制御する制御回路を有する、(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の検出装置。
(10)前記制御回路は、被検出体と前記検出電極との距離が大きいほど、制御信号により、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数を大きくする(9)に記載の検出装置。
(11)前記アナログフロントエンドを介して、前記検出信号を処理する検出回路と、
前記検出回路が検出した検出信号が第1閾値よりも大きい場合、前記制御回路は、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数が小さくなるように変更する(9)に記載の検出装置。
(12)前記アナログフロントエンドを介して、前記検出信号を処理する検出回路と、
前記検出回路が検出した検出信号が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を下回る場合、1つの前記アナログフロントエンドに対して電気的に同時接続される前記配線の数が大きくなるように変更する(11)に記載の検出装置。
(13)
前記第2検出モードにおいて、前記第1検出モードを処理する検出電極を決定し、当該検出電極及び当該検出電極に隣接する検出電極を対象として、前記第1検出モードを処理する(9)に記載の検出装置。
(14)前記第1検出モードにおいて、前記第1方向に隣り合う複数の検出電極が、それぞれ複数の前記アナログフロントエンドに接続される、(9)乃至(13)のいずれか1つに記載の検出装置。
(15)(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の検出装置と、表示領域とを備える表示パネルと、を備え
前記表示領域と重畳する領域に、前記検出電極が設けられている、表示装置。
(16)表示期間と検出期間とが時分割で交互に実行され、前記表示期間において、全ての前記検出電極には、共通電位が供給される(15)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0173】
1 表示装置
6 液晶層
10 表示パネル
10a 表示領域
10b 周辺領域
11 制御回路
14 駆動回路
18 接続回路
19 集積回路
20 表示領域
21 第1基板
22 画素電極
30 センサ領域
31 第2基板
40 検出回路
51 配線
DEB 検出電極ブロック
DE 検出電極
SC アナログフロントエンド
Mu マルチプレクサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
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図26A
図26B
図26C
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