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特許7008627易剥離膜形成用硬化性樹脂組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】易剥離膜形成用硬化性樹脂組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/14 20060101AFI20220203BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20220203BHJP
   C08K 5/3445 20060101ALI20220203BHJP
   C08K 5/42 20060101ALI20220203BHJP
   C08F 20/26 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
C08L33/14
C08K5/3492
C08K5/3445
C08K5/42
C08F20/26
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2018534435
(86)(22)【出願日】2017-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2017029635
(87)【国際公開番号】W WO2018034342
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2016/074180
(32)【優先日】2016-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】105126494
(32)【優先日】2016-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】000205638
【氏名又は名称】大阪有機化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100118371
【弁理士】
【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】椿 幸樹
(72)【発明者】
【氏名】百本 恵
(72)【発明者】
【氏名】阿波 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】大浦 裕貴
【審査官】櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-141494(JP,A)
【文献】特開2012-068628(JP,A)
【文献】特開2011-100089(JP,A)
【文献】特開2016-033945(JP,A)
【文献】特開2011-145424(JP,A)
【文献】特開2018-072358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L,C08K,C08F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体
よりなる群から選ばれるものであり、
該鎖状ポリマーが、式A2:
【化2】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化3】

よりなる群から選ばれ、ただしR5a~R14a うちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、置換又は非置換芳香族基、及び置換又は非置換ヘテロ芳香族基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものであり、
該架橋剤が、式B1:
【化7】

〔ここに
1bは、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化8】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b~R7bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、
式B2:
【化9】

〔ここにR8b~R11bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、並びに
式B3:
【化10】

〔ここに
12b及びR13bが、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b及びR15bが、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものであり、
ただし、該鎖状ポリマーが、Lが単結合であり、R5aがヒドロキシ基であり、R6a~R14aが水素である式2で示されるモノマー単位を含んでなるものである場合、該架橋剤は、式B1で示される化合物及び/又はその縮合体ではなく、
該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、
硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体
よりなる群から選ばれるものであり、
該鎖状ポリマーが、式A5:
【化6】

〔ここに
1a は水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
19a は置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、及び置換又は非置換シクロアルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示されるモノマー単位を含んでなるものであり、
該架橋剤が、式B1:
【化7】

〔ここに
1b は、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化8】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b ~R 7b は、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、
式B2:
【化9】

〔ここにR 8b ~R 11b は、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、並びに
式B3:
【化10】

〔ここに
12b 及びR 13b が、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b 及びR 15b が、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものであり、
ただし、該鎖状ポリマーが、L が単結合であり、R 5a がヒドロキシ基であり、R 6a ~R 14a が水素である式2で示されるモノマー単位を含んでなるものである場合、該架橋剤は、式B1で示される化合物及び/又はその縮合体ではない、
硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体
よりなる群から選ばれるものであり、
該鎖状ポリマーが、式A2:
【化2】

〔ここに
1a は水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
5a ~R 14a は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化3】

よりなる群から選ばれ、ただしR 5a ~R 14a のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15a は置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、置換又は非置換芳香族基、及び置換又は非置換ヘテロ芳香族基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものであり、
該架橋剤が、式B1:
【化7】

〔ここに
1b は、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化8】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b ~R 7b は、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、
式B2:
【化9】

〔ここにR 8b ~R 11b は、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、並びに
式B3:
【化10】

〔ここに
12b 及びR 13b が、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b 及びR 15b が、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものであり、
ただし、該鎖状ポリマーが、L が単結合であり、R 5a がヒドロキシ基であり、R 6a ~R 14a が水素である式2で示されるモノマー単位を含んでなるものである場合、該架橋剤は、式B1で示される化合物及び/又はその縮合体ではなく、
該硬化性樹脂組成物が、更に酸触媒を含み、該酸触媒が、p-トルエンスルホン酸(PTS)、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び熱酸発生剤サンエイドSI-100L(三新化学工業(株))よりなる群から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物である、
硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
該鎖状ポリマーが、式A5:
【化6】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
19aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、及び置換又は非置換シクロアルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示されるモノマー単位を含んでなるものである、請求項1または3の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
19aが置換又は非置換アダマンチル基である、請求項2または4の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
1aが水素、又はメチルである、請求項1~の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、側鎖の炭素原子数が1~15である、非置換又はα位置換(メタ)アクリル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエステル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外の非置換又はα位置換ビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、請求項1~の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
該追加のモノマー単位が、CH=C(R1a)-COO-R、CH=C(R1a)-O-CO-R〔ここにR、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、CH=C(R1a)-O-R、CH=C(R1a)-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、C(R1a)O-R11、及びC(R1a)HNO-R12〔ここにC(R1a)O-は非置換又は置換無水マレイン酸基を表し、C(R1a)HNO-は非置換又は置換マレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、請求項の硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、請求項1~の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R及び、Rは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、請求項の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項11】
該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、請求項10の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項12】
該縮合体が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物の重合体を含む、請求項1~11の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項13】
該縮合体が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物の二量体、三量体又はより高次の重合体を含む、請求項1~12の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項14】
該架橋剤が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物について、1.3から1.8までの重量平均重合度をそれぞれ有するものである、請求項1~13の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項15】
1bが、置換又は非置換芳香族基、及び
【化11】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、R2b~R13bが、互いに独立して、置換又は非置換アルキル基であり、R14b及びR15bが、互いに独立して、水素である、請求項1~14の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項16】
該組成物中における該状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.03である、請求項1~15の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項17】
更に酸触媒を含むものである、請求項4~16の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項18】
該酸触媒が、p-トルエンスルホン酸(PTS)、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び熱酸発生剤サンエイドSI-100L(三新化学工業(株))よりなる群から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物である、請求項17の硬化性樹脂組成物。
【請求項19】
溶剤を含むものである、請求項1~18の何れかの硬化性樹脂組成物。
【請求項20】
請求項1~19の何れかの硬化性樹脂組成物を硬化させてなる、硬化樹脂膜。
【請求項21】
請求項1~19の何れかの硬化性樹脂組成物を基板表面に膜状に硬化させてなる、易剥離性硬化樹脂膜。
【請求項22】
0.5N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する、請求項20又は21の硬化樹脂膜。
【請求項23】
0.1N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する、請求項2022の何れかの硬化樹脂膜。
【請求項24】
請求項1~19の何れかの硬化性樹脂組成物からの硬化樹脂膜の製造方法であって、
(i)アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
(ii)該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む該硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
(iii)該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップとを含む、
製造方法。
【請求項25】
(iv)該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップを更に含む、請求項24の製造方法。
【請求項26】
硬化樹脂膜の製造方法であって、
(i)アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
(ii)該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
(iii)該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップと
(iv)該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップとを含み、ここに、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つそれらのうち隣接する基の炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系架橋剤又はグリコールウリル系架橋剤から選ばれるものであり、
該鎖状ポリマーが、式A2:
【化2】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化3】

よりなる群から選ばれ、又は一緒になって環を形成し、ただしR5a~R14a又は該環の置換基のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、置換又は非置換芳香族基、及び置換又は非置換ヘテロ芳香族基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものであり、
該架橋剤が、式B1:
【化7】

〔ここに
1bは、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化8】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b~R7bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、
式B2:
【化9】

〔ここにR8b~R11bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、並びに
式B3:
【化10】

〔ここに
12b及びR13bが、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b及びR15bが、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものであり、
ただし、Lが単結合であり、R5aがヒドロキシ基であり、R6a~R14aが水素である場合、該架橋剤は、式B1で示される化合物及び/又はその縮合体ではない、
製造方法。
【請求項27】
該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、請求項26の製造方法。
【請求項28】
該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、請求項27の製造方法。
【請求項29】
該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、請求項2628の何れかの製造方法。
【請求項30】
該組成物中の該状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.03である、請求項2629の何れかの製造方法。
【請求項31】
該組成物が溶剤を含むものである、請求項2630の何れかの製造方法。
【請求項32】
該組成物が更に酸触媒を含むものである、請求項2631の何れかの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、より詳しくは易剥離膜形成用の硬化性樹脂組成物に関し、特にガラス等の基板上に塗布し硬化させて薄膜へと成膜でき、その後基板から無理なく容易に剥離することができる薄膜を与える硬化性樹脂組成物に関し、特に、熱処理に付されても変性し難く且つ易剥離性を維持し易い薄膜を与える、硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置等の表示装置は、券売機、ATM、スマートフォン等の携帯型端末、コンピュータその他の種々の電気・電子機器に幅広く用いられている。それらのディスプレイ装置のスクリーンは、一般に強直な平板状である。これに対し、表示装置の潜在的用途の拡大を反映して、ある程度の変形が可能なスクリーンを備えた、フレキシブルなディスプレイ装置の開発が行われている。曲げることができる回路を構成する基板としては、樹脂製のベースフィルムがあるが、ディスプレイ装置のスクリーン中で用いる場合、微細な回路が作製でき且つ透明で可能な限り薄く軽いことが求められる。
【0003】
樹脂ベースフィルム上への種々の微細な電気・電子回路の作製では、例えば、フォトリソグラフィ法が用いられ、ベースフィルムへ上の金属膜形成、フォトレジスト膜のコーティング、プリベーク、回路パターンの露光、レジスト溶解による現像、リンス、焼成、エッチング、フォトレジスト除去等の工程が、目的と手法に応じて組み合わされ、反復されて回路が作製される。更に、このようにして作製される層の間や層上に、必要に応じて異方性導電膜(ACF)が配置され、その上の必要部位にプリント配線基板が配置され、加熱、加圧により、異方性導電膜を介してプリント配線基板と金属配線との間での回路接続がなされる。こうして積層体として回路全体が作製されるには、一般に何回かの焼成ステップが含まれる。回路の性能のためには焼成は十分な高さの温度(230℃付近)で行うことが望ましいが、ベースフィルムの耐熱性のレベルよって焼成可能温度の上限が制約を受ける。即ち、ベースフィルムが耐える限度以下の低温側の領域でなければ、各ステップでの焼成を行うことができない。そのような低温域で焼成のできる金属配線として、他の材料(銀ナノ粒子等)を用いることが可能ではあるものの、それらを用いた低温焼成により作製される配線は、ITOを用いた従来の配線に比べて特性が劣るため、技術上好ましくない。
【0004】
しかも、ベースフィルムは、年々薄型化が求められているが、薄型化に伴ってベースフィルムの耐熱性は低下する。その結果、現在では熱処理温度の上限が100℃程度まで低下しており、今後更なる薄型要望によりベースフィルムの加熱処理に耐え得る温度の上限が更に低下することを想定すると、回路の性能を維持できる温度での焼成に対応し得るベースフィルム材料が見当たらない、という問題がある。
【0005】
このため、従来のものより高い温度に耐えるベースフィルム材料が求められている。
【0006】
また、薄型化に伴いベースフィルムは、300nm程度の非常に薄い膜を用いることが望まれており、そのためには、他の基板(ガラス基板等)にベースフィルム材料である樹脂組成物を塗布し熱硬化等により硬化させて成膜する方法で、ベースフィルムを作製することが必要となる。ガラス等の基板に形成されたこの極めて薄いベースフィルム上で、金属配線等の回路構成要素を順次層状に形成し、異方性導電膜の設置、プリント基板配線の積層、回路接続等も目的に応じて行い、絶縁保護膜の積層を行った後、ガラス等の基板からベースフィルムをその上に形成された各層と共に一体の積層体として剥がせば、回路部品としての積層体が得られる。
【0007】
ここで、ガラス等の基板からの積層体の引き剥がしは、無理なく容易に行えるものでなければならない。さもなければ、引き剥がす際の負荷により積層体に大きな歪みが生じ、それにより金属配線の断線や回路接続の剥離が生じて、製品の著しい歩留まり悪化を招くからである。
【0008】
特に、基板材料自体は薄膜状において従来のものより高い温度での熱処理に耐えるとしても、その上に配線を作製する工程での焼成がその分高い温度で行われると、基板材料とそれが載っている基板表面とは固着し易くなる。このため、基板材料としては、薄膜状において従来のものより高温での焼成に耐えるだけでは不十分であり、そのような高温焼成後も基板から無理なく容易に剥離できるという特性のものでなければならない。
【0009】
更には、上記のようにベースフィルムは非常に薄いものであるため、これを形成するための樹脂材料は、基板(ガラス基板等)に塗布したとき、基板に弾かれることなく極めて薄く一様に拡がることのできる性質のものでなければならない。基板に対するこのような親和性は、その反面、焼成工程で、基板との固着をもたらし得るため、易剥離性を失わせ得る要因の1つでもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2015/016532号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の背景において、本発明は、基板(ガラス等)の表面に極めて薄く塗布して成膜でき、硬化させることにより硬化樹脂薄膜を成膜でき、その上にパターニング等により回路を作製する工程での焼成において230℃の高温に耐え、しかもそのような高温に曝された後も基板から無理なく容易に剥離することのできる硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0012】
本発明者は、上記目的が、特定範囲の構造的特徴を持つ側鎖を備えたポリマーと、特定範囲の架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物により達成できることを見出した。即ち、本発明は以下の項目を提供する。
【0013】
項目A1.アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系架橋剤又はグリコールウリル系架橋剤から選ばれるものである、
硬化性樹脂組成物。
項目A2.該鎖状ポリマーが、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えたモノマー単位であって、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の硬化性樹脂組成物。
項目A3.該鎖状ポリマーが、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、CH=CH-O-R、及びCH=CH-R〔ここにR、R、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A4.該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A5.該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R及び、Rは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A6.該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A7.該架橋剤が、完全又は部分アルコキシメチル化メラミン、完全又は部分アルコキシメチル化グアナミン、完全又は部分アルコキシメチル化アセトグアナミン、完全又は部分アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、及び完全又は部分アルコキシメチル化グリコールウリルからなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A8.該組成物中における該直鎖状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.05である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A9.溶剤を含むものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目A10.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物を硬化させてなる、硬化樹脂膜。
項目A11.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物を基板表面に膜状に硬化させてなる、易剥離性硬化樹脂膜。
項目A12.硬化樹脂膜の製造方法であって、
アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップとを含み、ここに、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つそれらのうち隣接する基の炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系架橋剤又はグリコールウリル系架橋剤から選ばれるものである、
製造方法。
項目A13.該鎖状ポリマーが、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えたモノマー単位であって、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の製造方法。
項目A14.該鎖状ポリマーが、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、CH=CH-O-R、及びCH=CH-R〔ここにR、R、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目A15.該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目A16.該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目A17.該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、上記項目の何れかの製造方法。
項目A18.該架橋剤が、完全又は部分アルコキシメチル化メラミン、完全又は部分アルコキシメチル化グアナミン、完全又は部分アルコキシメチル化アセトグアナミン、又は完全又は部分アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、及び完全又は部分アルコキシメチル化グリコールウリルからなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目A19.該組成物中の該直鎖状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.05である、上記項目の何れかの製造方法。
項目A20.該組成物が溶剤を含むものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目A21.該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップを更に含む、上記項目の何れかの硬化樹脂膜の製造方法。
【0014】
本発明はまた以下の項目を提供する。
項目B1.アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体
よりなる群から選ばれるものである、硬化性樹脂組成物。
項目B2.該鎖状ポリマーが、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えたモノマー単位であって、非置換又はα位置換(メタ)アクリル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエステル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外の非置換又はα位置換ビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の硬化性樹脂組成物。
項目B3.該鎖状ポリマーが、CH=C(R1a)-COO-R、CH=C(R1a)-O-CO-R、CH=C(R1a)-O-R、及びCH=C(R1a)-R〔ここにR、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、R1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B4.該鎖状ポリマーが、式A1:
【化1】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
2a、R3a、及びR4aは、互いに独立して、水素、及び置換又は非置換炭化水素基よりなる群から選ばれ、ただしR2a、R3a、及びR4aのうち少なくとも1つは、置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有基である。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B5.該鎖状ポリマーが、式A2:
【化2】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化3】

よりなる群から選ばれ、又は一緒になって環を形成し、ただしR5a~R14a又は該環の置換基のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、置換又は非置換芳香族基、及び置換又は非置換ヘテロ芳香族基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B6.該鎖状ポリマーが、式A3:
【化4】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
16aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、及び置換又は非置換アルキニル基よりなる群から選ばれ、
17aは水素、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、及び置換又は非置換アルキニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B7.該鎖状ポリマーが式A4:
【化5】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
18aは少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアダマンチル基である。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B8.該鎖状ポリマーが、式A5:
【化6】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
19aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、及び置換又は非置換シクロアルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B9.R19aが置換又は非置換アダマンチル基である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B10.アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系架橋剤又はグリコールウリル系架橋剤から選ばれるものである、
硬化性樹脂組成物。
項目B11.該鎖状ポリマーが、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えたモノマー単位であって、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B12.該鎖状ポリマーが、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、CH=CH-O-R、及びCH=CH-R〔ここにR、R、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B13.該モノマー単位が(メタ)アクリル系モノマーである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B14.R1aが水素、又はメチルである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B15.該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、側鎖の炭素原子数が1~15である、非置換又はα位置換(メタ)アクリル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエステル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外の非置換又はα位置換ビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B16.該追加のモノマー単位が、CH=C(R1a)-COO-R、CH=C(R1a)-O-CO-R〔ここにR、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、CH=C(R1a)-O-R、CH=C(R1a)-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、C(R1a)O-R11、及びC(R1a)HNO-R12〔ここにC(R1a)O-は非置換又は置換無水マレイン酸基を表し、C(R1a)HNO-は非置換又は置換マレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B17.該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B18.該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R及び、Rは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B19.該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B20.該架橋剤が、完全又は部分アルコキシメチル化メラミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化グアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化アセトグアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化ベンゾグアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化グリコールウリル及び/又はその縮合体、並びに完全又は部分アルコキシメチル化イミダゾリジノン及び/又はその縮合体からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B21.該架橋剤が、式B1:
【化7】

〔ここに
1bは、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化8】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b~R7bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、
式B2:
【化9】

〔ここにR8b~R11bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体、並びに
式B3:
【化10】

〔ここに
12b及びR13bが、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b及びR15bが、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B22.該縮合体が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物の重合体を含む、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B23.該縮合体が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物の二量体、三量体又はより高次の重合体を含む、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B24.該架橋剤が、式B1、式B2、又は式B3で示される該化合物について、1.3から1.8までの重量平均重合度をそれぞれ有するものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B25.R1bが、置換又は非置換芳香族基、及び
【化11】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、R2b~R13bが、互いに独立して、置換又は非置換アルキル基であり、R14b及びR15bが、互いに独立して、水素である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B26.該組成物中における該直鎖状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.03である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B27.更に酸触媒を含むものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B28.該酸触媒が、p-トルエンスルホン酸(PTS)、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び熱酸発生剤サンエイドSI-100L(三新化学工業(株))よりなる群から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物である、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B29.溶剤を含むものである、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物。
項目B30.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物を硬化させてなる、硬化樹脂膜。
項目B31.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物を基板表面に膜状に硬化させてなる、易剥離性硬化樹脂膜。
項目B32. 0.5N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する、上記項目の何れかの硬化樹脂膜。
項目B33. 0.1N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する、上記項目の何れかの硬化樹脂膜。
項目B34.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物からの硬化樹脂膜の製造方法であって、
(i)アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
(ii)該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む該硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
(iii)該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップとを含む、
製造方法。
項目B35.(iv)該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップを更に含む、上記項目の製造方法。
項目B36.硬化樹脂膜の製造方法であって、
(i)アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
(ii)該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
(iii)該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップとを含み、ここに、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つそれらのうち隣接する基の炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系架橋剤又はグリコールウリル系架橋剤から選ばれるものである、
製造方法。
項目B37.該鎖状ポリマーが、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えたモノマー単位であって、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B38.該鎖状ポリマーが、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、CH=CH-O-R、及びCH=CH-R〔ここにR、R、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B39.該鎖状ポリマーが更に、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B40.該追加のモノマー単位が、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物からなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B41.該鎖状ポリマーを構成するモノマー単位におけるアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位の占める割合が30~100モル%である、上記項目の何れかの製造方法。
項目B42.該架橋剤が、完全又は部分アルコキシメチル化メラミン、完全又は部分アルコキシメチル化グアナミン、完全又は部分アルコキシメチル化アセトグアナミン、又は完全又は部分アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、及び完全又は部分アルコキシメチル化グリコールウリルからなる群より選ばれるものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B43.該組成物中の該直鎖状ポリマーの質量と該架橋剤の質量の比が、1:2~1:0.03である、上記項目の何れかの製造方法。
項目B44.該組成物が溶剤を含むものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B45.該組成物が更に酸触媒を含むものである、上記項目の何れかの製造方法。
項目B46.(iv)該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップを更に含む、上記項目の何れかの硬化樹脂膜の製造方法。
項目B47.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、フォトリソグラフィ法による回路の作製のための組成物。
項目B48.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、シート状のフレキシブルな電気・電子回路部品又はフレキシブルなディスプレイ装置の作製のための組成物。
項目B49.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、合成樹脂、ペレット、フィルム、プレート、繊維、発泡剤、チューブ、ゴム、エラストマー等に使用され、二輪車(自転車、オートバイなど)、自動車、飛行機、電車、船、ロケット、宇宙船、運送、レジャー、家具(例えば、テーブル、いす、机、棚など)、寝具(例えば、ベッド、ハンモックなど)、衣服、防護服、スポーツ用品、浴槽、キッチン、食器、調理用具、容器及び包装材(食品用容器、化粧品用容器、貨物用コンテナ、ごみ箱など)、建築(建造物、道路、建築部品など)、農業フィルム、工業フィルム、上下水道、塗料、化粧料、電機産業及び電子産業分野(電化製品、コンピュータ用部品、プリント基板、絶縁体、導電体、配線被膜材、発電素子、スピーカー、マイクロフォン、ノイズキャンセラ、トランスデューサなど)、光通信ケーブル、医療用材料及び器具(カテーテル、ガイドワイヤー、人工血管、人工筋肉、人工臓器、透析膜、内視鏡など)、小型ポンプ、アクチュエータ、ロボット材料(産業用ロボットなどに使用されるセンサ)、エネルギー生成装置及びプラント(太陽光発電、風力発電など)の作製のための組成物。
項目B50.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、電子材料、医療材料、ヘルスケア材料、ライフサイエンス材料、又はロボット材料の作製のための組成物。
項目B51.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、カテーテル、ガイドワイヤー、医薬品用容器、又はチューブなどの材料の作製のための組成物。
項目B52.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、自動車部品(車体パネル、バンパー帯、ロッカーパネル、サイドモール、エンジン部品、駆動部品、伝導部品、操縦装置部品、スタビライザー部品、懸架・制動装置部品、ブレーキ部品、シャフト部品、パイプ類、タンク類、車輪、シート、シートベルトなど)の作製のための組成物。
項目B53.上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を含む、自動車用防振材、自動車用塗料、自動車用合成樹脂の作製のための組成物。
項目B54.フォトリソグラフィ法による回路の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B55.シート状のフレキシブルな電気・電子回路部品又はフレキシブルなディスプレイ装置の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B56.合成樹脂、ペレット、フィルム、プレート、繊維、発泡剤、チューブ、ゴム、エラストマー等に使用され、二輪車(自転車、オートバイなど)、自動車、飛行機、電車、船、ロケット、宇宙船、運送、レジャー、家具(例えば、テーブル、いす、机、棚など)、寝具(例えば、ベッド、ハンモックなど)、衣服、防護服、スポーツ用品、浴槽、キッチン、食器、調理用具、容器及び包装材(食品用容器、化粧品用容器、貨物用コンテナ、ごみ箱など)、建築(建造物、道路、建築部品など)、農業フィルム、工業フィルム、上下水道、塗料、化粧料、電機産業及び電子産業分野(電化製品、コンピュータ用部品、プリント基板、絶縁体、導電体、配線被膜材、発電素子、スピーカー、マイクロフォン、ノイズキャンセラ、トランスデューサなど)、光通信ケーブル、医療用材料及び器具(カテーテル、ガイドワイヤー、人工血管、人工筋肉、人工臓器、透析膜、内視鏡など)、小型ポンプ、アクチュエータ、ロボット材料(産業用ロボットなどに使用されるセンサ)、エネルギー生成装置及びプラント(太陽光発電、風力発電など)の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B57.電子材料、医療材料、ヘルスケア材料、ライフサイエンス材料、又はロボット材料の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B58.カテーテル、ガイドワイヤー、医薬品用容器、又はチューブなどの材料の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B59.自動車部品(車体パネル、バンパー帯、ロッカーパネル、サイドモール、エンジン部品、駆動部品、伝導部品、操縦装置部品、スタビライザー部品、懸架・制動装置部品、ブレーキ部品、シャフト部品、パイプ類、タンク類、車輪、シート、シートベルトなど)の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B60.自動車用防振材、自動車用塗料、自動車用合成樹脂の作製のための、上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜の使用。
項目B61.フォトリソグラフィ法による回路を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B62.シート状のフレキシブルな電気・電子回路部品又はフレキシブルなディスプレイ装置を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B63.合成樹脂、ペレット、フィルム、プレート、繊維、発泡剤、チューブ、ゴム、エラストマー等に使用され、二輪車(自転車、オートバイなど)、自動車、飛行機、電車、船、ロケット、宇宙船、運送、レジャー、家具(例えば、テーブル、いす、机、棚など)、寝具(例えば、ベッド、ハンモックなど)、衣服、防護服、スポーツ用品、浴槽、キッチン、食器、調理用具、容器及び包装材(食品用容器、化粧品用容器、貨物用コンテナ、ごみ箱など)、建築(建造物、道路、建築部品など)、農業フィルム、工業フィルム、上下水道、塗料、化粧料、電機産業及び電子産業分野(電化製品、コンピュータ用部品、プリント基板、絶縁体、導電体、配線被膜材、発電素子、スピーカー、マイクロフォン、ノイズキャンセラ、トランスデューサなど)、光通信ケーブル、医療用材料及び器具(カテーテル、ガイドワイヤー、人工血管、人工筋肉、人工臓器、透析膜、内視鏡など)、小型ポンプ、アクチュエータ、ロボット材料(産業用ロボットなどに使用されるセンサ)、エネルギー生成装置及びプラント(太陽光発電、風力発電など)を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B64.電子材料、医療材料、ヘルスケア材料、ライフサイエンス材料、又はロボット材料を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B65.カテーテル、ガイドワイヤー、医薬品用容器、又はチューブなどの材料を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B66.自動車部品(車体パネル、バンパー帯、ロッカーパネル、サイドモール、エンジン部品、駆動部品、伝導部品、操縦装置部品、スタビライザー部品、懸架・制動装置部品、ブレーキ部品、シャフト部品、パイプ類、タンク類、車輪、シート、シートベルトなど)を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
項目B67.自動車用防振材、自動車用塗料、自動車用合成樹脂を作製する方法であって、重合反応を行わせることにより上記項目の何れかの硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜を形成する工程を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔1〕用語の定義
【0016】
本明細書において、「耐熱性」とは、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる膜について、150℃までの加熱に耐え、好ましくは230℃の加熱にも耐えることができ、実質的に分解その他の劣化を起こさないことをいう。230℃という温度は、フォトリソグラフィ法による電子回路の作製において、焼成温度として用いるのに十分な高温である。
【0017】
本明細書において、「易剥離膜」とは、基板、特にガラス基板への塗布・硬化により形成された膜が、基板から膜を破損することなしに(即ち無理なく)容易に剥がせるものであることをいい、「易剥離性」とはそのような膜の性質をいう。ガラス基板としては、例えば、ソーダガラス製の基板、無アルカリガラス製の基板等、適宜のガラス基板が挙げられる。ソーダガラス製の基板は特に好ましい一例である。
【0018】
本明細書において、「硬化樹脂膜」についてその厚みは限定されない。回路作製のためのベースフィルムとして使用する場合に好ましい厚みは200~400nm、例えば約300nmであるが、これは、電子部品とする場合における現在の薄膜化の要請に対応したものであり、硬化樹脂膜自体の性能はこの厚み範囲に限定されるものでないから、硬化樹脂膜の厚みは、任意である。本明細書において、「硬化樹脂薄膜」は、「硬化樹脂膜」と同義に用いられる。
【0019】
本明細書において、鎖状ポリマーにおける「側鎖」の語は、主鎖から分枝した構造部分をいい、「主鎖」とは、ポリマーの構造中における反復するモノマー単位の一次元方向に連結している原子よりなる鎖をいう。従って、例えばポリマーが(メタ)アクリレートの重合体である場合、各モノマーにおいてエステル結合の形成に与っている部分である「-COO-」は、「側鎖」の一部に含まれる。なお、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及びメタクリレートを区別なく示す。同様に、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及びメタクリルを区別なく示し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸を区別なく示す。
【0020】
本明細書において、「-O-」及び「-CO-」というときは、それらが「-COO-」の構成部分である場合を含まない。なお、「-COO-」は、エステルの両端の基が固定されていない場合のエステルを示す記載であり、「-COO-」及び「-O-CO-」の両方を包含する。ただし、エステルの両端の基が固定されている場合には、「-COO-」と「-O-CO-」とは区別して使用される。
【0021】
本明細書において「アルキル基」とは、メタン、エタン、プロパンのような脂肪族炭化水素(アルカン)から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいい、一般にC2n+1-で表される(ここで、nは正の整数である)。アルキルは、直鎖又は分枝鎖であり得る。炭素原子数1~4のアルキル(C1~4アルキル)基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数1~6のアルキル(C1~6アルキル)基としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数1~10のアルキル(C1~10アルキル)基としては、例えば、炭素原子数1~6のアルキル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0022】
本明細書において「アルケニル基」とは、エテン、プロペン、ブテンのような二重結合を少なくとも一つ含有する脂肪族炭化水素(アルケン)から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいい、一般にC2m-1で表される(ここで、mは2以上の整数である)。アルケニル基は、直鎖又は分枝鎖であり得る。炭素原子数2~6のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数2~10のアルケニル基としては、例えば、炭素原子数2~6のアルケニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0023】
本明細書において「アルキニル基」とは、エチン(アセチレン)、プロピン、ブチンのような三重結合を少なくとも一つ含有する脂肪族炭化水素(アルキン)から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいい、一般にC2m-3で表される(ここで、mは2以上の整数である)。アルキニル基は、直鎖又は分枝鎖であり得る。炭素原子数2~6のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数2~10のアルキニル基としては、例えば、炭素原子数2~6のアルキニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0024】
本明細書において「アルキレン基」とは、メタン、エタン、プロパンのような脂肪族炭化水素(アルカン)から水素原子が二つ失われて生ずる2価の基をいい、一般に-(C2m)-で表される(ここで、mは正の整数である)。アルキレン基は、直鎖又は分枝鎖であり得る。炭素原子数1~10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンテン基、n-ヘキシレン基、イソヘキシレン基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数1~6のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~4のアルキレン基がより好ましく、メチレン基及びエチレン基が更に好ましく、エチレン基が更に一層好ましい。
【0025】
本明細書において「アルケニレン基」とは、エテニレン、プロペニレン、ブテニレンのような、二重結合を少なくとも一つ含有する脂肪族炭化水素(アルケン)から水素原子が二つ失われて生ずる2価の基をいい、一般に-(C2m-2)-で表される(ここで、mは2以上の整数である)。アルケニレン基は、直鎖又は分枝鎖であり得る。炭素原子数2~10のアルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、n-プロペニレン基、イソプロペニレン基、n-ブテニレン基、イソブテニレン基、n-ペンテニレン基、n-ヘキセニレン基、イソヘキセニレン基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素原子数2~6のアルケニレン基が好ましく、炭素原子数2~4のアルケニレン基がより好ましく、エテニレン基及びn-プロペニレン基が更に好ましく、エテニレン基が更に一層好ましい。
【0026】
本明細書において「アルコキシ基」とは、アルコール類のヒドロキシ基の水素原子が失われて生ずる1価の基をいい、一般にC2n+1O-で表される(ここで、nは1以上の整数である)。炭素原子数1~6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0027】
本明細書において「ハロアルキル基」とは、上記アルキル基上の1個若しくは複数個の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基をいう。また、「ペルハロアルキル」は、上記アルキル基上の全ての水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基をいう。炭素数1~6のハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、トリフルオロn-プロピル基、ペルフルオロn-プロピル基、トリフルオロイソプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、トリフルオロn-ブチル基、ペルフルオロn-ブチル基、トリフルオロイソブチル基、ペルフルオロイソブチル基、トリフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、トリフルオロn-ペンチル基、ペルフルオロn-ペンチル基、トリフルオロn-ヘキシル基、ペルフルオロn-ヘキシル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0028】
本明細書において「シクロアルキル基」とは、単環又は多環式飽和炭化水素基を意味し、架橋された構造のものも含まれる。例えば、「C3-12シクロアルキル基」とは炭素原子数が3~12の環状アルキル基を意味する。具体例として、「C6-12シクロアルキル基」の場合には、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、イソボルニル基等が挙げられる。「C3-12シクロアルキル基」の場合には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、C6-12シクロアルキル基等が挙げられる。好ましくは、「C6-12シクロアルキル基」が挙げられる。
【0029】
本明細書において「シクロアルケニル基」とは、二重結合を含む単環又は多環式不飽和炭化水素基を意味し、架橋された構造のものも含まれる。上記「シクロアルキル基」の炭素間結合の1つ以上が二重結合になったものが挙げられる。例えば、「C3-12シクロアルケニル基」とは炭素原子数が3~12の環状アルケニル基を意味する。具体例として、「C6-12シクロアルケニル基」の場合には、1-シクロへキセニル基、2-シクロへキセニル基、3-シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロノネニル基等が挙げられる。「C3-12シクロアルキル基」の場合には、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、C6-12シクロアルケニル基等が挙げられる。好ましくは、「C6-12シクロアルケニル基」が挙げられる。
【0030】
本明細書において「炭化水素基」とは、炭素と水素のみから構成される化合物から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいう。炭化水素基はまた、上記「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキレン基」、「アルケニレン基」、「シクロアルキル基」、及び「シクロアルケニル基」、並びに下記「芳香族基」、及び「脂環式基」などを包含する。炭化水素基は飽和又は不飽和であり得る。炭化水素基は、炭素の結合の仕方によって、鎖式炭化水素基と環式炭化水素基に分類され、環式炭化水素基は更に脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基に分けられる。飽和又は不飽和の炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、デカリニル、アダマンチル、ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、デシルその他、側鎖の炭素原子数の限度範囲内で種々の直鎖状、分枝鎖状、単環状、縮合環状の基が挙げられるが、これらに限定されない。それらの各基は、末端に位置していない場合には、他の基との結合関係に応じて2価以上の基であってよい。
【0031】
本明細書において「芳香族基」とは、芳香族炭化水素の環に結合する水素原子が1個離脱して生ずる基をいう。例えば、ベンゼンからはフェニル基(C-)、トルエンからはトリル基(CH-)、キシレンからはキシリル基((CH-)、ナフタレンからはナフチル基(C10-)が誘導される。また、本明細書において「ヘテロ芳香族基」とは、単環式若しくは多環式のヘテロ原子含有芳香族基を意味し、該基は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を1個以上(例えば1~4個)含む。上記「芳香族基」はまた「ヘテロ芳香族基」を包含する。芳香族基の例としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル等のような炭素環式芳香族基(単環基及び縮合環基)、及びピリジル、ピリミジニル、キノリニル、トリアジニル等のヘテロ芳香族基(単環基及び縮合環基)が挙げられ、各芳香族基について、末端に位置していない場合には、他の基との結合関係に応じて2価以上の基であってよい。なお本明細書において、芳香環部分と共に環を形成する飽和又は不飽和の炭化水素鎖部分とを有する基(例えば、テトラヒドロナフチル又はジヒドロナフチル)は、芳香族基と飽和又は不飽和の炭化水素基との結合と捉える。
【0032】
本明細書において「脂環式(基)」とは、炭素と水素のみから構成された芳香族性を持たない環に結合する水素原子が1個離脱して生ずる部分(又は基)をいう。脂環式基はまた、上記「シクロアルキル基」及び「シクロアルケニル基」を包含する。脂環式基は飽和又は不飽和であり得る。飽和又は不飽和の脂環式基の例としては、シクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、デカリニル、アダマンチル、シクロヘキセニル、その他、側鎖の炭素原子数の限度範囲内で種々の単環状、縮合環状の基が挙げられるが、これらに限定されない。それらの各基は、末端に位置していない場合には、他の基との結合関係に応じて2価以上の基であってよい。
【0033】
通常、用語「置換(されている/された)」は、特定の置換基のラジカルによる、所与の構造における1つ以上の水素ラジカルとの置き換えのことを指す。本明細書において、「置換(されている/された)」を用いて定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分又は置換基である場合にも該当する。また、本明細書において、「置換(されている/された)」なる用語を特に明示していない置換基については、「非置換」の置換基を意味する。更に、本明細書において、句「置換又は非置換(の)」は、句「置換されていてもよい」と互換的に使用されることが認識される。
【0034】
「置換アルキル基」、「置換アルキル基」、「置換アルケニル基」、「置換アルキニル基」、「置換シクロアルキル基」、「置換シクロアルケニル基」、「置換炭化水素基」、「置換芳香族基」、「置換ヘテロ芳香族基」、「置換アルキレン基」、「置換アルケニレン基」、「置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有基」及び「置換アダマンチル基」を含む本明細書中に記載の基上の置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1~10アルキル基、C1~10アルコキシ基、C2~10アルケニル基、C6-12シクロアルキル基、C6-12シクロアルケニル基、C1~10ハロアルキル基、C2~10ハロアルケニル基、C6~18炭化水素基、C6~18芳香族基、C6~18ヘテロ芳香族基、C6~12芳香族基で置換されたC1~10アルキル基、C6~12炭化水素基で置換されたC1~10アルキル基、C6~12芳香族基で置換されたC2~10アルケニル基、C6~12炭化水素基で置換されたC2~10アルケニル基、-CN、オキソ基(=O)、-O(CHO-、-OC(CHO-、-OCHO-、-O-、エステル基(-COO-又は-O-CO-)、C6~12炭化水素基で置換されたエステル基、C6~12芳香族基で置換されたエステル基、エステル基で置換されたC6~18炭化水素基、エステル基で置換されたC1~10アルキル基、C1~6アルキレン基、C2~6アルケニレン基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。上記置換基の好ましい例としては、ヒドロキシ基、C6~18炭化水素基、C1~10アルキル基、C6~12芳香族基で置換されたC1~10アルキル基、C6~12炭化水素基で置換されたC1~10アルキル基、エステル基で置換されたC6~18炭化水素基、エステル基で置換されたC1~10アルキル基、エステル基(-COO-又は-O-CO-)、C6~12炭化水素基で置換されたエステル基、C6~12芳香族基で置換されたエステル基、C2~10アルケニル基、C6~12芳香族基で置換されたC2~10アルケニル基、C6~12炭化水素基で置換されたC2~10アルケニル基、C1~10アルコキシ基、C6-12シクロアルキル基、C6-12シクロアルケニル基が挙げられ、より具体的な例としては、ベンゾイルオキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、アダマンチル基、ヒドロキシ基で置換されたアダマンチル基が挙げられる。
【0035】
本明細書において「α位置換(メタ)アクリル系モノマー」とは、CH=C(R1a)-COO-Rで示されるように、エステル基-COO-の炭素のすぐ隣(α位)の二重結合を形成する炭素が置換されているアクリル系モノマーのことを指す。同様に、「α位置換ビニルエステル系モノマー」とは、CH=C(R1a)-O-CO-Rで示されるように、エステル基-O-CO-の酸素のすぐ隣(α位)の二重結合を形成する炭素が置換されているアクリル系モノマーのことを指し、「α位置換ビニルエーテル系モノマー」とは、CH=C(R1a)-O-Rで示されるように、エーテル基-O-の酸素のすぐ隣(α位)の二重結合を形成する炭素が置換されているアクリル系モノマーのことを指し、「α位置換ビニル系モノマー」とは、CH=C(R1a)-Rで示されるように、ビニル基の末端炭素ではない内部炭素が置換されているアクリル系モノマーのことを指す。R、R、R、R及びR1aは後述する好ましい実施形態(2-1)硬化性樹脂組成物において定義されるとおりである。
【0036】
本明細書において、「第二級又は第三級OH含有基」は、第二級又は第三級ヒドロキシ(OH)基を1個又は2個以上含有する基を示す。したがって、「第二級又は第三級OH含有基」は、第二級又は第三級ヒドロキシ基そのものも包含する。「置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有基」における「置換又は非置換」は、第二級又は第三級ヒドロキシ(OH)基を1個又は2個以上含有する基において該ヒドロキシ基以外の基の部分が置換されているか又は非置換であることを表しているのであって、該ヒドロキシ基が置換されているか又は非置換であることを表すのではない。
【0037】
本明細書において、「溶媒和物」は、特に断らない限り、非共有分子間力により結合した定比又は不定比の量の溶媒を更に含む化合物又はその塩を意味する。溶媒が水の場合、該溶媒和物は水和物である。
【0038】
本明細書において「又は」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「若しくは」も同様である。本明細書において「2つの値の範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。したがって、範囲を示す「X~Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、「重量」と「質量」、「重量%」又は「wt%」と「質量%」はそれぞれ同義語として扱う。「約」との表現は、特に断らない限り、10%の許容度を有し、測定値である場合は、有効数字又は表示されている数字の1桁下の桁を四捨五入して得られる任意の範囲の数値をいう。
【0039】
〔2〕好ましい実施形態の説明
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
【0040】
(2-1)硬化性樹脂組成物
一局面において、本発明は、
アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと、架橋剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物であって、
(a)該側鎖が、炭素原子3~30個を含んでなるものであり、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又はこれに加えて更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなるものであり、且つ炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を含んでいることができ、
(b)該架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体
よりなる群から選ばれるものである、硬化性樹脂組成物を提供する。
【0041】
本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱処理により硬化するため、熱硬化性樹脂組成物であるともいえる。
【0042】
本発明の硬化性樹脂組成物の構成要素の1つである鎖状ポリマーは、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備える。
【0043】
本発明において鎖状ポリマーのアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖に含まれる炭素原子数は、好ましくは3~30個である。アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖における当該ヒドロキシ基の個数は、1個又は2個以上であることができる。
【0044】
上記の側鎖は、炭素原子少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなる。該側鎖は、-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を1個又は2個以上含んでいてもよい。側鎖を構成する飽和又は不飽和の炭化水素基は、例えば1個単独で側鎖の全炭素原子を占めてもよく、また複数の飽和又は不飽和の炭素基が相互間に-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を介して連結したものであってもよい。側鎖が飽和又は不飽和の炭化水素基に加えて芳香族基を含む場合、飽和又は不飽和の炭化水素基と芳香族基とは、直接結合していてもよく、また-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を介して連結していてもよい。
【0045】
本発明において、側鎖におけるアルコール性第二級及び第三級ヒドロキシ基は、本発明の硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し硬化させて成膜した硬化樹脂薄膜が、焼成後にも基板からの易剥離性を維持できるための実質上決定的な要素である。更に、側鎖におけるアルコール性第二級及び第三級ヒドロキシ基が側鎖の脂環式部分に結合したものが更に好ましく、側鎖の脂環式部分も、硬化樹脂薄膜の易剥離性を維持できるための事実上決定的な要素である。このような側鎖を備えた鎖状ポリマーは、適切な架橋剤、特にトリアジン系化合物及び/若しくはその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/若しくはその縮合体、又はイミダゾリジノン系化合物及び/若しくはその縮合体の何れかとの樹脂組成物とし、薄膜の形態で硬化させたとき、耐熱性の易剥離膜を与えることができる。
【0046】
本発明においてアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えた鎖状ポリマーは、より好ましくは、非置換又はα位置換(メタ)アクリル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエステル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエーテル系モノマー、上記以外の非置換又はα位置換ビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである。
【0047】
本発明においてアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する該側鎖を備えた鎖状ポリマーは、より好ましくは、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、上記以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種をモノマー単位として含んでなるものである。好ましくは、該モノマー単位が(メタ)アクリル系モノマーであり、より好ましくは該モノマー単位がメタアクリル系モノマーである。
【0048】
好ましくは、本発明における鎖状ポリマーは、CH=C(R1a)-COO-RCH=C(R1a)-O-CO-R、CH=C(R1a)-O-R、及びCH=C(R1a)-R〔ここにR、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個、更に好ましくは3~25個、尚も好ましくは3~20個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、R1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなる。
【0049】
より好ましくは、本発明における鎖状ポリマーは、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、CH=CH-O-R、及びCH=CH-R〔ここにR、R、R、R、及びRは、互いに独立して、各ビニル基にエステル結合を介して結合している場合は当該エステル結合構成炭素原子を含めて炭素原子3~30個、更に好ましくは3~25個、尚も好ましくは3~20個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しており、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができる。〕で示される化合物よりなる群より選ばれるモノマー単位を含んでなる。
【0050】
上記において、飽和又は不飽和の炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、デカリニル、アダマンチル、ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、デシルその他、側鎖の炭素原子数の限度範囲内で種々の直鎖状、分枝鎖状、単環状、縮合環状の基が挙げられるが、これらに限定されない。それ等の各基は、末端に位置していない場合には、他の基との結合関係に応じて2価以上の基であってよい。芳香族基の例としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル等のような炭素環式芳香族基(単環基及び縮合環基)、及びピリジル、ピリミジニル、キノリニル、トリアジニル等のヘテロ芳香族基(単環基及び縮合環基)が挙げられ、各芳香族基についても、末端に位置していない場合には、他の基との結合関係に応じて2価以上の基であってよい。なお本明細書において、芳香環部分と共に環を形成する飽和又は不飽和の炭化水素鎖部分とを有する基(例えば、テトラヒドロナフチル又はジヒドロナフチル)は、芳香族基と飽和又は不飽和の炭化水素基との結合と捉える。
【0051】
本発明において、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基は、上記側鎖を構成する飽和又は不飽和の炭化水素基の何れかの第2級又は第3級炭素原子上の水素原子を置換したヒドロキシ基である。
【0052】
鎖状ポリマーの側鎖のアルコール性ヒドロキシ基は第二級ヒドロキシ基又は第三級ヒドロキシ基であることが望ましく、上記側鎖の一部又は全部を構成する脂環式基に結合したものが更に好ましい。
【0053】
より好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A1:
【化12】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
2a、R3a、及びR4aは、互いに独立して、水素、及び置換又は非置換炭化水素基よりなる群から選ばれ、ただしR2a、R3a、及びR4aのうち少なくとも1つは、置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有基である。〕
で示されるモノマー単位を含んでなる。
【0054】
更に好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A1において、
1aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び置換又は非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
2a、R3a、及びR4aは、互いに独立して、水素、及び置換又は非置換炭化水素基よりなる群から選ばれ、ただしR2a、R3a、及びR4aのうち少なくとも1つは、第二級又は第三級ヒドロキシ基、及び置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有炭化水素基よりなる群から選ばれる、モノマー単位を含んでなる。
【0055】
更により好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A1において、
1aは水素、及び非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
2a、R3a、及びR4aは、互いに独立して、水素、及び置換又は非置換炭化水素基よりなる群から選ばれ、ただしR2a、R3a、及びR4aのうち少なくとも1つは、第二級又は第三級ヒドロキシ基、及び置換又は非置換の第二級又は第三級OH含有炭化水素基よりなる群から選ばれ、他の2つは互いに独立して、水素及び置換又は非置換炭化水素基よりなる群から選ばれる、モノマー単位を含んでなる。
【0056】
より好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A2:
【化13】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化14】

よりなる群から選ばれ、又は一緒になって環を形成し、ただしR5a~R14a又は該環の置換基のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、置換又は非置換芳香族基、及び置換又は非置換ヘテロ芳香族基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなる。
【0057】
更に好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A2において、
1aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び置換又は非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、及び
【化15】

よりなる群から選ばれ、又は一緒になって環を形成し、ただしR5a~R14a又は該環の置換基のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、及び置換又は非置換芳香族基よりなる群から選ばれる、
モノマー単位を含んでなる。
【0058】
更により好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A2において、
1aは水素、及び非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
5a~R14aのうち、R7aがヒドロキシ基であり、R9a
【化16】

であり、それら以外が水素であるか、或いはR5a~R14aが一緒になって、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された環を形成し、
15aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換シクロアルケニル基、及び置換又は非置換フェニルよりなる群から選ばれる、
モノマー単位を含んでなる。
なお更により好ましくは、該少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された環は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアダマンタンである。
【0059】
より好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A3:
【化17】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
16aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、及び置換又は非置換アルキニル基よりなる群から選ばれ、
17aは水素、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、及び置換又は非置換アルキニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである。
【0060】
更に好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A2において、
1aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は置換又は非置換アルキレン基から選ばれ、
16aは置換又は非置換アルキル基から選ばれ、
17aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれる、
モノマー単位を含んでなる。
【0061】
より好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが式A4:
【化18】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
18aは少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアダマンチル基である。〕
で示されるモノマー単位を含んでなる。
【0062】
更に好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A4において、
1aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び置換又は非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
18aは少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されたアダマンチル基である、
モノマー単位を含んでなる。
【0063】
該鎖状ポリマーが、式A5:
【化19】

〔ここに
1aは水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、置換又は非置換アルキレン基、及び置換又は非置換アルケニレン基よりなる群から選ばれ、
19aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、及び置換又は非置換シクロアルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示されるモノマー単位を含んでなるものである。
【0064】
更に好ましくは、本発明における該鎖状ポリマーが、式A5において、
1aは水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれ、
は単結合、及び置換又は非置換アルキレン基よりなる群から選ばれ、
19aは置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換シクロアルキル基、及び置換又は非置換シクロアルケニル基よりなる群から選ばれる、
モノマー単位を含んでなる。
更により好ましくは、式A5において、R19aが置換又は非置換アダマンチル基である。
【0065】
好ましくは、該モノマー単位において、R1aが水素、又はメチルであり、より好ましくは、該モノマー単位において、R1aがメチルである。
【0066】
本発明における鎖状ポリマーのアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する好ましい側鎖には次のものが含まれるが、そのようなヒドロキシ基を有すればよいから、挙げたものは飽くまでも例示であり、それらに限定されない。
(1a) A-O-CO-型(Aは側鎖の残部を示す。以下同様。)側鎖:2-ヒドロキシエトキシカルボニル、2-ヒドロキシプロポキシカルボニル、4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメトキシカルボニル、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロポキシカルボニル、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシカルボニル、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシカルボニル、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルオキシカルボニル、2-ヒドロキシシクロヘキシルオキシカルボニル、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシカルボニル、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシカルボニル等。
(2a) A-CO-O-型側鎖:2-ヒドロキシプロピルカルボニルオキシ、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロピルカルボニルオキシ、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルカルボニルオキシ、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルカルボニルオキシ、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルカルボニルオキシ、2-ヒドロキシシクロヘキシロキシルカルボニルオキシ、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルカルボニルオキシ、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルカルボニルオキシ等。
(3a) A-O-型側鎖:2-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロポキシ、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシ、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルオキシ、2-ヒドロキシシクロヘキシロキシ、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシ、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメトキシ等。
(4a) その他:2-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロピル、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル、2-ヒドロキシシクロヘキシル、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル等。
【0067】
鎖状ポリマーにこれらの側鎖を与えるモノマーの好ましい例としては次のものが挙げられるが、それらに限定されない。
(1b) 2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1、3-アダマンチルジオールモノ(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート。
(2b) 2-ヒドロキシブタン酸ビニルエステル、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)ブタン酸ビニルエステル、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシブタン酸ビニルエステル、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニルエステル、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルカルボン酸ビニルエステル、2-ヒドロキシシクロヘキシロキシルカルボン酸ビニルエステル、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニルエステル、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニルエステル等のビニルエステル。
(3b) 2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシ-3-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロピルビニルエーテル、3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルビニルエーテル、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルビニルエーテル、2-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルエーテル、4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルエーテル等のビニルエーテル。
(4b) 1-ペンテン-4-オール、4-ヒドロキシ-5-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)-1-ペンテン、5-ベンゾイルオキシ-4-ヒドロキシ-1-ペンテン、3-(4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル)-1-プロペン、(3-ヒドロキシ-1-アダマンチル)エテン、(2-ヒドロキシシクロヘキシル)エテン、3-(4-ウンデカノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル)-1-プロペン、3-(4-ブタノイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシル)-1-プロペン等のビニルモノマー。
(5b)上記(1a)~(4a)をそれぞれ置換基として有する無水マレイン酸及びマレイミド。
【0068】
本発明における鎖状ポリマーは、上記のアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマーに加えて、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、側鎖の炭素原子数が1~15である、非置換又はα位置換(メタ)アクリル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエステル系モノマー、非置換又はα位置換ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外の非置換又はα位置換ビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものであることができる。そのような追加のモノマー単位は、好ましくは、CH=C(R1a)-COO-R、CH=C(R1a)-O-CO-R〔ここにR、及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、CH=C(R1a)-O-R、CH=C(R1a)-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕、C(R1a)O-R11、及びC(R1a)HNO-R12〔ここにC(R1a)O-は無水マレイン酸基を表し、C(R1a)HNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有しても有さなくてもよく、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができ、R1aが水素、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕で示される化合物よりなる群より選ぶことができる。
【0069】
本発明における鎖状ポリマーは、上記のアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマーに加えて、ヒドロキシ基を有さず側鎖の炭素原子数が1~15である、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、及びこれら以外のビニル系モノマーの何れか少なくとも1種を、追加のモノマー単位として含んでなるものであることができる。そのような追加のモノマー単位は、好ましくは、CH=CH-COO-R、CH=C(CH)-COO-R、CH=CH-O-CO-R、〔ここにR、R及びRは、互いに独立して、炭素原子1~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CH=CH-O-R、CH=CH-R10〔ここにR、及びR10は、互いに独立して、炭素原子3~15個を有し、ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕、CHO-R11、及びCNO-R12〔ここにCHO-は無水マレイン酸基を表し、CNO-はマレイミド基を表し、R11、及びR12は、互いに独立して、水素原子であるか又は炭素原子数1~15個を有し、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有さず、少なくとも1個の飽和又は不飽和の炭化水素基を含んでなるか、又は更に少なくとも1個の芳香族基を含んでなり、炭素原子間を繋ぐ-COO-、-O-、及び-CO-よりなる群から選ばれる結合を有していることができ、該炭化水素基又は芳香族基はアミノ基を有することができる。〕で示される化合物よりなる群より選ぶことができる。
【0070】
上記のヒドロキシ基を有しないモノマー単位の好ましい例としては、次のものが挙げられるが、それらに限定されない。
(1)メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート。
(2)酢酸ビニルエステル、ブタン酸ビニルエステル、ペンタン酸ビニルエステル、ヘキサン酸ビニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステル、安息香酸ビニルエステル、シクロペンタジエニルカルボン酸ビニルエステル、ノナン酸ビニルエステル等のビニルエステル。
(3)プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、シクロペンタジエニルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2-(ビニルオキシ)エチルジメチルアミン、3-(ビニルオキシ)プロピルジメチルアミン等のビニルエーテル。
(4)1-ブテン、4-エトキシ-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、スチレン、ビニルトルエン、1-ノネン、3-フェニルプロペン等のビニル誘導体。
(5)マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、ブチルマレイン酸無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、シクロヘキシルマレイン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物等のマレイン酸無水物誘導体。
(6)マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、オクチルマレイミド等のマレイミド誘導体。
【0071】
本発明における鎖状ポリマーはモノマー単位の単独重合体であってもよいし、2種又は3種又はそれより多くの種類のモノマー単位を含む共重合体であってもよいが、ただし、共重合体の該モノマー単位の少なくとも1種は、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えたモノマー単位である。好ましくは、該共重合体は、少なくとも1種のアルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えたモノマー単位と、少なくとも1種のヒドロキシ基を有さない追加のモノマー単位を含む。
【0072】
本発明における鎖状ポリマー中、アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有するモノマー単位が占める割合は、好ましくは30~100モル%、より好ましくは50~100モル%、より好ましくは60~100モル%、更に好ましくは80~100モル%、特に好ましくは90~100モル%である。
【0073】
本発明において鎖状ポリマーは、その原料モノマーを用いて、常法で、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の慣用のラジカル重合触媒を用いて、重合反応を行わせることにより、製造することができる。鎖状ポリマーの分子量は、10000~100000の範囲(ゲル濾過クロマトグラフィー法による測定)であることが通常好ましいが、特にこの範囲に限定されるものではない。
【0074】
本発明の硬化性樹脂組成物における架橋剤としては、トリアジン系架橋剤、グリコールウリル系架橋剤、又はイミダゾリジノン系架橋剤が好ましい。より具体的には、架橋剤が、トリアジン系化合物及び/又はその縮合体、グリコールウリル系化合物及び/又はその縮合体、並びにイミダゾリジノン系化合物及び/又はその縮合体よりなる群から選ばれるものが好ましい。これらの架橋剤の好ましい具体例としては、完全又は部分アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)メチル化メラミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)メチル化グアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)メチル化アセトグアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化ベンゾグアナミン及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)メチル化グリコールウリル及び/又はその縮合体、完全又は部分アルコキシメチル化イミダゾリジノン及び/又はその縮合体が挙げられる。ここに「アルコキシ」は、炭素原子数1~4であることが好ましい。そのような架橋剤として好ましい化合物として、より具体的には、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメチロールメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメトキシメチルアセトグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6-テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、4,5-ジヒドロキシ-1,3-ジメトキシメチル-2-イミダゾリジノン、4,5-ジメトキシ-1,3-ジメトキシメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
一実施形態において、好ましくは、該架橋剤が、式B1:
【化20】

〔ここに
1bは、炭素原子1~25個を有し、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アルケニル基、置換又は非置換芳香族基、置換又は非置換ヘテロ芳香族基、及び
【化21】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b~R7bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものである。
【0076】
より好ましくは、本発明における該架橋剤が、式B1において、
1bは、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換芳香族基、及び
【化22】

で示される二置換アミンよりなる群から選ばれ、
2b~R7bは、互いに独立して、置換又は非置換アルキル基から選ばれる、
化合物及び/又はその縮合体である。
【0077】
別の実施形態において、好ましくは、該架橋剤が、式B2:
【化23】

〔ここにR8b~R11bは、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものである。
【0078】
より好ましくは、本発明における該架橋剤が、式B2において、
8b~R11bは、互いに独立して、置換又は非置換アルキル基から選ばれる、
化合物及び/又はその縮合体である。
【0079】
更に別の実施形態において、好ましくは、該架橋剤が、式B3:
【化24】

〔ここに
12b及びR13bが、互いに独立して、炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれ、
14b及びR15bが、互いに独立して、水素であるか、又は炭素原子1~10個を有し、置換又は非置換アルキル基、及び置換又は非置換アルケニル基よりなる群から選ばれる。〕
で示される化合物及び/又はその縮合体
よりなる群より選ばれるものである。
【0080】
より好ましくは、本発明における該架橋剤が、式B3において、
12b及びR13bが、互いに独立して、置換又は非置換アルキル基から選ばれ、
14b及びR15bが、互いに独立して、水素、及び置換又は非置換アルキル基よりなる群から選ばれる、
化合物及び/又はその縮合体である。
更に好ましくは、式B3において、R14b及びR15bが、互いに独立して、水素である。
【0081】
本発明の硬化性樹脂組成物における架橋剤のさらなる好ましい具体例としては、以下の構造式に示される又は以下に列挙した化合物名の化合物及び/又はその縮合体が挙げられる:
【化25】

ヘキサメトキシメチルメラミン;
ヘキサブトキシメチルメラミン;
1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル;
1,3,4,6-テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル;
テトラメトキシメチルベンゾグアナミン;
4,5-ジヒドロキシ-1,3-ビス(アルコキシメチル)イミダゾリジン-2-オン。
【0082】
該縮合体としては、好ましくは上記に示される化合物の重合体が挙げられ、より好ましくは上記に示される化合物の二量体、三量体又はより高次の重合体が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物における架橋剤は、上記に示される化合物及びその縮合体であってよく、すなわち、化合物と該化合物の重合体(すなわち、二量体、三量体、又はより高次の重合体)の混合物であってもよい。別の観点からは、該架橋剤が、上記に示される該化合物について1より大きく3又はそれより大きい重量平均重合度を有するものであってもよく、好ましくは1より大きく1.8まで、より好ましくは1.3から1.8まで、更に好ましくは1.5の重量平均重合度を有するものであってもよいが、これらに限定されない。なお、該化合物の該縮合体における重量平均重合度が1である場合、その縮合体はその化合物そのものであることを意味する。該重量平均重合度は上記の範囲内の任意の数値であり、好ましくは、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4又はそれより大きい値であり、より好ましくは、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8であり、更に好ましくは1.5である。
【0083】
本発明の硬化性樹脂組成物における鎖状ポリマーと架橋剤との質量の比は、好ましくは、1:0.03~1:2、より好ましくは、1:0.05~1:2、1:0.05~1:1、1:0.03~1:1、更に好ましくは1:0.09~1:1、1:0.1~1:0.5、更により好ましくは1:0.09~1:0.3、1:0.1~1:0.3である。
【0084】
本発明において、硬化性樹脂組成物は、更に酸触媒を含む。該酸触媒はモノマー単位と架橋剤との反応における重合触媒として、必要に応じて含まれる。該酸触媒は、重合触媒として慣用のものを適宜選んで用いることができる。該酸触媒は、ブレンステッド酸及び/又はルイス酸から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物であってもよい。該酸触媒としては、例えば、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレン(モノ)スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(PTS)、リン酸、硫酸、及び酢酸などのプロトン酸、並びにサンエイドSI-100L、SI-150L、SI-110L、SI-60L、及びSI-80L(三新化学工業(株))などの熱酸発生剤よりなる群から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、該酸触媒は、p-トルエンスルホン酸(PTS)、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び熱酸発生剤サンエイドSI-100L(三新化学工業(株))よりなる群から選ばれる化合物、若しくはその塩、又はその溶媒和物である。より好ましくは、該酸触媒はピリジニウム-p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、又はその水和物である。
【0085】
本発明の硬化性樹脂組成物が酸触媒を更に含む場合、該酸触媒の量は、硬化性樹脂組成物における鎖状ポリマーと架橋剤との質量の比に応じて適宜決定され得るが、好ましくは、硬化性樹脂組成物における鎖状ポリマーと架橋剤と酸触媒との質量の比は、好ましくは、1:0.03:0.05~1:2:0.1、より好ましくは、1:0.05:0.05~1:2:0.1、更に好ましくは、1:0.09:0.05~1:1:0.08である。
【0086】
本発明において、硬化性樹脂組成物は、溶剤により適宜の濃度に希釈されたものであることができる。すなわち、本発明において、硬化性樹脂組成物は、更に溶剤を含む。沸点が過度に低い又は高い等により硬化性樹脂組成物をガラス製等の基板に硬化性樹脂組成物を塗布した後の乾燥による均一な塗膜形成に不都合がない限り、慣用の非プロトン溶媒を適宜選んで用いることができる。例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルは適した溶剤であるが、これに限定されない。溶剤による希釈は、モノマーの重合反応時や、架橋剤、触媒を加えた硬化性樹脂組成物の塗布時等における取扱いの便のためであるから、希釈度合いに特段の上限、下限はない。
【0087】
(2-2)硬化樹脂膜
一局面において、本発明は、上記(2-1)の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化樹脂膜を提供する。
【0088】
別の局面において、本発明は、上記(2-1)の硬化性樹脂組成物を基板表面に膜状に硬化させてなる、易剥離性硬化樹脂膜を提供する。
【0089】
本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化樹脂膜は、上記「耐熱性」の意味において耐熱性であると共に、耐熱性である温度範囲での加熱処理の後も易剥離性を有する。
【0090】
本発明の硬化性樹脂組成物は、代表的に、鎖状ポリマー、架橋剤、及び必要に応じて更に酸触媒を溶剤に溶解した溶液をガラス基板(好ましくは、ソーダライムガラス)上に塗布し、加熱処理(100℃~230℃、1分間以上)して硬化させることにより、数百nm膜厚(好ましくは、約200nm~約300nmの膜厚)の易剥離性硬化樹脂膜を透明な薄膜として成膜することができる。理論に束縛されることを望まないが、機構としては、鎖状ポリマーの側鎖のヒドロキシ基と架橋剤が加熱により架橋する際の硬化収縮で剥離しやすい膜となる。
【化26】
【0091】
該ガラス基板へ塗布する方法としては、公知のコーティング方法を使用することができる。例えば、スピンコーティング、スピンレスコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、及びグラビアコーティングなどを挙げることができる。好ましくは、スピンコーティングが挙げられる。
【0092】
こうして基板上に成膜された薄膜は、150℃までの加熱に耐え、好ましくは230℃の加熱(焼成)にも耐えることができる。更には、フォトレジスト溶液に用いられる溶剤に耐性を有し、アルカリ性の現像溶液にも耐えることから、フォトリソグラフィ法による回路作製を行うための樹脂製ベースフィルムとして有利に用いることができる。加えて、本発明の硬化性樹脂組成物により形成した薄膜は、そのような温度での加熱後も易剥離性を有しているため、薄膜であるにも拘わらず従来に比べて高温での焼成ステップを含んだ回路作製プロセスに付すことができるため回路の特性保持に有利であり、且つ回路作製後にも基板から無理なく容易に剥離することができる。このため、優れた特徴のベースフィルムとして、シート状のフレキシブルな種々の電気・電子回路部品の作製に幅広く用いることができ、例えばフレキシブルなディスプレイ装置やタッチセンサー等の作製にも利用することができる。
【0093】
本発明の硬化樹脂膜は、下記〔3〕硬化樹脂膜の製造方法に記載の方法によって、製造することができる。
【0094】
本発明の硬化樹脂膜の剥離力は、例えば以下の測定方法により測定することができる。本発明の硬化性樹脂組成物を、代表的に、鎖状ポリマー、架橋剤、及び必要に応じて更に酸触媒を溶剤に溶解した溶液として準備し、ガラス基板(好ましくは、ソーダライムガラス)上に塗布し、加熱処理(100℃~230℃、1分間以上)して硬化させることにより、ガラス基板上に硬化樹脂膜を作製する。測定装置として例えば、TENSILON RTG-1310((株)エー・アンド・デイ)、ロードセルとしてUR-100N-D型を用いる。ガラス基板上の硬化樹脂膜にニチバンテープ(24mm幅)を貼り付け、ガラス基板に対し剥離角度90°にて300mm/分の一定速度で引きながら剥離に要する力(剥離力)の大きさを上記装置で計測する。
【0095】
本発明の硬化樹脂膜は、好ましくは、0.5N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する。本発明の硬化樹脂膜は、より好ましくは、0.1N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する。本発明の硬化樹脂膜は、更に好ましくは、0.09N/mm以下のソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における剥離力を有する。ソーダガラス製の基板における剥離力の好ましい値としては、0.5N/mm以下、0.4N/mm以下、0.3N/mm以下、0.2N/mm以下、0.1N/mm以下、0.09N/mm以下、0.08N/mm以下、0.07N/mm以下、0.06N/mm以下、0.05N/mm以下、0.04N/mm以下、0.03N/mm以下、0.02N/mm以下、0.01N/mm以下である。無アルカリガラス製の基板における剥離力の好ましい値としては、0.5N/mm以下、0.4N/mm以下、0.3N/mm以下、0.2N/mm以下、0.1N/mm以下、0.09N/mm以下、0.08N/mm以下、0.07N/mm以下、0.06N/mm以下、0.05N/mm以下、0.04N/mm以下、0.03N/mm以下、0.02N/mm以下、0.01N/mm以下である。ソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における該剥離力がソーダガラス製の基板又は無アルカリガラス製の基板における該剥離力が0.5N/mm以下である場合、該硬化樹脂膜は易剥離性であるとみなすことができる。
【0096】
〔3〕硬化樹脂膜の製造方法
一局面において、本発明は、上記(2-1)の硬化性樹脂組成物からの硬化樹脂膜の製造方法であって、
(i)アルコール性第二級又は第三級ヒドロキシ基を有する側鎖を備えた鎖状ポリマーと架橋剤とを準備するステップと、
(ii)該鎖状ポリマーと該架橋剤とを含む該硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し硬化性樹脂組成物塗膜を形成するステップと、
(iii)該硬化性樹脂組成物塗膜において重合反応を行わせ硬化させることにより硬化樹脂膜とするステップとを含む、
製造方法を提供する。
【0097】
上記製造方法は、(iv)該基板上に形成されている該硬化樹脂膜を該基板から剥離するステップを更に含む。
【0098】
上記製造方法は、下記実施例に記載の方法及び/又は当業者に公知の同様の方法にて実施される。
【0099】
一実施形態において、上記製造方法は、ステップ(i)の前に、(i’)少なくとも1種の原料モノマーを重合させて該鎖状ポリマーを製造するステップを更に含む。
【0100】
モノマーを重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合法のなかでは、塊状重合法及び溶液重合法が好ましい。
【0101】
また、モノマーの重合は、例えば、ラジカル重合法、リビングラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、付加重合法、重縮合法などの方法によって行うことができる。
【0102】
モノマーを溶液重合法によって重合させる場合には、例えば、モノマーを溶媒に溶解させ、得られた溶液を攪拌しながら重合開始剤を当該溶液に添加することによってモノマーを重合させることができるほか、重合開始剤を溶媒に溶解させ、得られた溶液を撹拌しながらモノマーを当該溶液に添加することによってモノマーを重合させることができる。溶媒は、モノマーと相溶する有機溶媒であることが好ましい。
【0103】
モノマーを重合させる際には、分子量を調整するために連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤は、通常、モノマーと混合することによって用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)プロピオン酸、メチル2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸3-アジド-1-プロパノールエステル、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸ペンタフルオロフェニルエステル、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロールなどのメルカプタン基含有化合物、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。連鎖移動剤の量は、特に限定されないが、通常、全モノマーの100重量部あたり約0.01重量部~約10重量部であればよい。
【0104】
モノマーを重合させる際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤、レドックス重合開始剤、ATRP(原子移動ラジカル重合)開始剤、ICAR ATRP開始剤、ARGET ATRP開始剤、RAFT(可逆的付加-開裂連鎖移動重合)剤、NMP(ニトロキシドを介した重合)剤、高分子重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0105】
熱重合開始剤としては、例えば、アゾイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸メチル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0106】
重合開始剤として熱重合開始剤を用いる場合、当該熱重合開始剤の量は、全モノマーの100重量部あたり、通常、約0.01重量部~約20重量部であることが好ましい。
【0107】
光重合開始剤としては、例えば、2-オキソグルタル酸、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0108】
重合開始剤として光重合開始剤を用いる場合、当該光重合開始剤の量は、全モノマーの100重量部あたり、通常、約0.01重量部~約20重量部であることが好ましい。
【0109】
本発明において使用可能な他の重合開始剤としては、例えば、過酸化水素と鉄(II)塩、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス重合開始剤、金属触媒下でハロゲン化アルキルを用いるATRP(原子移動ラジカル重合)開始剤、金属と窒素含有配位子を用いるICAR ATRP開始剤やARGET ATRP開始剤、RAFT(可逆的付加-開裂連鎖移動重合)剤、NMP(ニトロキシドを介した重合)剤、ポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤、ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤などの高分子重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0110】
重合開始剤として上記使用可能な重合開始剤を用いる場合、当該重合開始剤の量は、全モノマーの100重量部あたり、通常、約0.01重量部~約20重量部であることが好ましい。
【0111】
一実施形態では、モノマーに電子線を照射することにより、電子線重合が行われる。
【0112】
モノマーを重合させる際の重合反応温度及び雰囲気については、特に限定がない。通常、重合反応温度は、約50℃~約120℃である。重合反応時の雰囲気は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。また、モノマーの重合反応時間は、重合反応温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、約3~20時間である。
【0113】
一実施形態において、上記製造方法におけるステップ(ii)における該基板は、好ましくは、ガラス基板であり、より好ましくは、ソーダガラス(ソーダライムガラスとも称される)又は無アルカリガラス(例えば、EAGLE-XG、コーニング社)であり、更に好ましくは、ソーダガラスである。
【0114】
一実施形態において、上記製造方法におけるステップ(ii)における該硬化性樹脂組成物を該基板へ塗布する方法としては、公知のコーティング方法を使用することができる。例えば、スピンコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、グラビアコーティングなどを挙げることができるがこれらに限定されない。好ましくは、スピンコーティングを使用して塗布することができる。
【0115】
別の実施形態において、上記製造方法におけるステップ(ii)において、好ましくは、該組成物が更に酸触媒を含む。理論に束縛されることを望まないが、該硬化性樹脂組成物塗膜が酸触媒を含むことによって、酸触媒がステップ(iii)での重合反応において重合触媒として機能し、反応を促進することができるからである。したがって、別の実施形態において、上記製造方法におけるステップ(i)が、酸触媒を準備するステップを更に含む。
【0116】
別の実施形態において、上記製造方法におけるステップ(iii)が、該硬化性樹脂組成物塗膜を加熱処理するステップを更に含む。該加熱処理の温度としては、好ましくは、100℃~230℃、より好ましくは、150℃~230℃が挙げられる。該加熱処理の時間としては、好ましくは1分間以上、より好ましくは、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間などが挙げられるがこれらに限定されない。特に好ましい該加熱処理の時間は、10分間から2時間が挙げられる。
【0117】
上記製造方法によって製造された硬化樹脂膜は、上記(2-2)の硬化樹脂膜の特徴を有し、易剥離膜として得ることができる。
【0118】
〔4〕用途
本発明の硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜は、合成樹脂、ペレット、フィルム、プレート、繊維、発泡剤、チューブ、ゴム、エラストマー等に使用され、二輪車(自転車、オートバイなど)、自動車、飛行機、電車、船、ロケット、宇宙船、運送、レジャー、家具(例えば、テーブル、いす、机、棚など)、寝具(例えば、ベッド、ハンモックなど)、衣服、防護服、スポーツ用品、浴槽、キッチン、食器、調理用具、容器及び包装材(食品用容器、化粧品用容器、貨物用コンテナ、ごみ箱など)、建築(建造物、道路、建築部品など)、農業フィルム、工業フィルム、上下水道、塗料、化粧料、電機産業及び電子産業分野(電化製品、コンピュータ用部品、プリント基板、絶縁体、導電体、配線被膜材、発電素子、スピーカー、マイクロフォン、ノイズキャンセラ、トランスデューサなど)、光通信ケーブル、医療用材料及び器具(カテーテル、ガイドワイヤー、人工血管、人工筋肉、人工臓器、透析膜、内視鏡など)、小型ポンプ、アクチュエータ、ロボット材料(産業用ロボットなどに使用されるセンサ)、エネルギー生成装置及びプラント(太陽光発電、風力発電など)など幅広い分野に応用できる。
【0119】
本発明の硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜は、電子材料、医療材料、ヘルスケア材料、ライフサイエンス材料、又はロボット材料などに使用され得る。本発明の硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜は、例えば、カテーテル、ガイドワイヤー、医薬品用容器、チューブなどの材料として使用され得る。
【0120】
本発明の硬化性樹脂組成物又は硬化樹脂膜は、自動車部品(車体パネル、バンパー帯、ロッカーパネル、サイドモール、エンジン部品、駆動部品、伝導部品、操縦装置部品、スタビライザー部品、懸架・制動装置部品、ブレーキ部品、シャフト部品、パイプ類、タンク類、車輪、シート、シートベルトなど)に使用され得る。本発明のポリマーは、自動車用防振材、自動車用塗料、自動車用合成樹脂などに使用され得る。
【0121】
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
【0122】
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明及び以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例
【0123】
以下、実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。そして各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0124】
1.硬化性樹脂組成物の構成要素として重合体の製造
硬化性樹脂組成物の構成要素として、以下に示すようにて重合体を製造した。
【0125】
〔製造例1〕 重合体A-1の製造
次式(1-1)、
【0126】
【化27】

【0127】
の2-ヒドロキシプロピルメタクリレートをモノマーとして用い、その100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に30質量%になるように溶解させた。得られた溶液に窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマー総量に対して5モル%添加した後、80℃で8時間反応を行って重合体A-1を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、25,000であった。
【0128】
〔製造例2〕 重合体A-2の製造
次式(1-2)、
【0129】
【化28】

【0130】
の3-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-2を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、22000であった。
【0131】
〔製造例3〕 重合体A-3の製造
次式(1-3)、
【0132】
【化29】

【0133】
の4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-3を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、32000であった。
【0134】
〔製造例4〕 重合体A-4の製造
次式(1-4)、
【0135】
【化30】

【0136】
の1、3-アダマンチルジオールモノメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-4を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、18000であった。
【0137】
〔製造例5〕 重合体A-5の製造
次式(1-5)
【0138】
【化31】

【0139】
の2-ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-5を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、36000であった。
【0140】
〔製造例6〕 重合体A-6の製造
次式(1-6)、
【0141】
【化32】

【0142】
の2-ヒドロキシエチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして重合体A-6を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、42000であった。
【0143】
〔製造例7〕 重合体A-7の製造
次式(1-7)、
【0144】
【化33】

【0145】
の4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルアクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-7を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、18000であった。
【0146】
〔製造例8〕 重合体A-8の製造
式(1-1)の2-ヒドロキシプロピルメタクリレート及びn-ブチルアクリレートをモノマーとして用い、それらの50質量部ずつをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に合計で30質量%になるように溶解させた。得られた溶液に窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマー総量に対して5モル%添加した後、80℃で8時間反応を行って重合体A-8を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、18000であった。
【0147】
〔製造例9〕 重合体A-9の製造
式(1-1)の2-ヒドロキシプロピルメタクリレート及びメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-9を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、25000であった。
【0148】
〔製造例10〕 重合体A-10の製造
式(1-1)の2-ヒドロキシプロピルメタクリレート及びスチレンをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-10を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、22000であった。
【0149】
〔製造例11〕 重合体A-11の製造
式(1-3)の4-ベンゾイルオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルメタクリレート及びジシクロペンタジエニルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-11を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、35000であった。
【0150】
〔製造例12〕 重合体A-12の製造
式(1-5)の2-ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート及びジシクロペンタジエニルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-12を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、25000であった。
【0151】
〔製造例13〕 重合体A-13の製造
式(1-6)の2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びブチルアクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-13を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、38000であった。
【0152】
〔製造例14〕 重合体A-14の製造
式(1-6)の2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-14を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、36000であった。
【0153】
〔製造例15〕 重合体A-15の製造
式(1-6)の2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びジシクロペンタジエニルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-15を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、39000であった。
【0154】
〔製造例16〕 重合体A-16の製造
次式(1-8)、
【0155】
【化34】

の4-(4-メトキシフェニルプロペノイル)オキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-16
【化35】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、27,700であった。
【0156】
〔製造例17〕 重合体A-17の製造
次式(1-9)、
【0157】
【化36】

の4-アダマンタンカルボキシオキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-17
【化37】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、31,700であった。
【0158】
〔製造例18〕 重合体A-18の製造
式(1-5)の2-ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート及びメチルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-18
【化38】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、25,500であった。
【0159】
〔製造例19〕 重合体A-19の製造
次式(1-10)、
【0160】
【化39】

の3-ヒドロキシアダマンチルメチル-2-メタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-19
【化40】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、35,700であった。
【0161】
〔製造例20〕 重合体A-20の製造
次式(1-11)、
【0162】
【化41】

の2-ヒドロキシ-4-メタクリロキシメチル-シクロヘキシル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-20
【化42】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、26,700であった。
【0163】
〔製造例21〕 重合体A-21の製造
次式(1-12)、
【0164】
【化43】
【0165】
の4-(2-シクロヘキシルアセチル)オキシ-3-ヒドロキシシクロヘキサンメチル 2-メタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例1と同様にして、重合体A-21
【化44】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、30,700であった。
【0166】
〔製造例22〕 重合体A-22の製造
式(1-5)の2-ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート及びベンジルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-22
【化45】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、32,700であった。
【0167】
〔製造例23〕 重合体A-23の製造
式(1-8)の4-(4-メトキシフェニルプロペノイル)オキシ-3-ヒドロキシシクロヘキシルメチルメタクリレート及び式(1-13)、
【化46】

の3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートをモノマーとして用い、その100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に20質量%になるように溶解させた。得られた溶液に窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマー総量に対して4モル%添加した後、80℃で8時間反応を行って重合体を得た。その後、4-メトキシ桂皮酸とメタクリル酸をそれぞれ99質量部並びに1質量部更にテトラエチルアンモニウムブロマイドを3モル%添加し、空気を吹き込みながら、100℃まで昇温し、38時間反応を行って重合体A-23
【化47】

を得た。得られた重合体は、ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、42,900であった。
【0168】
〔製造例24〕 重合体A-24の製造
メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート及びジシクロペンタジエニルメタクリレートをモノマーとして用いた以外は製造例8と同様にして、重合体A-24
【化48】

を得た。ゲル濾過クロマトグラフィーによりこの重合体の平均分子量(MW)を測定したところ、35,700であった。
【0169】
2.硬化性樹脂組成物の製造
本発明の各種の硬化性樹脂組成物を以下に示すようにして製造し、2種のガラス基板上に塗布し加熱硬化させて成膜した。
【0170】
〔実施例1〕
重合体A-1の4.4質量部、架橋剤として次式(B-1)、
【0171】
【化49】

【0172】
のヘキサメトキシメチルメラミン(ニカラックMW-30、(株)三和ケミカル)の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を0.7mm厚のソーダガラス及び0.5mm厚の無アルカリガラス(EAGLE-XG、コーニング社)上にそれぞれスピンコーティングにより塗布し、150℃以上で30分間加熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0173】
〔実施例2〕
重合体A-1の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0174】
〔実施例3〕
重合体A-1の2.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の2.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0175】
〔実施例4〕
重合体A-2の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0176】
〔実施例5〕
重合体A-3の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0177】
〔実施例6〕
重合体A-4の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0178】
〔実施例7〕
重合体A-5の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0179】
〔実施例8〕
重合体A-8の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0180】
〔実施例9〕
重合体A-9の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0181】
〔実施例10〕
重合体A-10の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0182】
〔実施例11〕
重合体A-11の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0183】
〔実施例12〕
重合体A-12の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0184】
〔実施例13〕
重合体A-1の4.4質量部、架橋剤として次式(B-2)、
【0185】
【化50】

【0186】
の1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(ニカラックMW-270、(株)三和ケミカル)の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0187】
〔実施例14〕
重合体A-1の4.4質量部、架橋剤として次式(B-3)、
【0188】
【化51】

【0189】
のテトラメトキシメチルベンゾグアナミンの0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0190】
〔実施例15〕
重合体A-1の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0191】
〔実施例16〕
重合体A-1の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒として熱酸発生剤サンエイドSI-100L(三新化学工業(株))の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0192】
〔比較例1〕
重合体A-6の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0193】
〔比較例2〕
重合体A-7の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0194】
〔比較例3〕
重合体A-13の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0195】
〔比較例4〕
重合体A-14の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0196】
〔比較例5〕
重合体A-15の4.4質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0197】
〔比較例6〕
重合体A-1の4.4質量部、イソシアヌレート系架橋剤としてデュラネートTPA-100(旭化成(株))の0.4質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0198】
〔実施例17〕
重合体A-16の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0199】
〔実施例18〕
重合体A-17の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0200】
〔実施例19〕
重合体A-18の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0201】
〔実施例20〕
重合体A-19の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0202】
〔実施例21〕
重合体A-20の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0203】
〔実施例22〕
重合体A-21の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0204】
〔実施例23〕
重合体A-22の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0205】
〔実施例24〕
重合体A-23の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0206】
〔比較例7〕
重合体A-24の3.2質量部、架橋剤ヘキサメトキシメチルメラミン(式(B-1))の0.8質量部、及び重合触媒としてピリジニウム-p-トルエンスルホン酸の0.2質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)95質量部に溶解させた。この溶液を用い、実施例1と同様にしてソーダガラス及び無アルカリガラス上にそれぞれ塗布、熱処理して、約300nmの膜厚を成膜した。
【0207】
3.性能の評価
(1)硬化樹脂薄膜についての剥離力の評価
上記実施例及び比較例の各々でガラス基板上に作製された硬化樹脂薄膜につき、それらをガラス基板から剥離させるのに要する力の大きさ(剥離力)を、次に示す方法により定量的に評価した。即ち、測定装置としてTENSILON RTG-1310((株)エー・アンド・デイ)、ロードセルとしてUR-100N-D型を用い、測定は、ガラス基板上の硬化樹脂薄膜にニチバンテープ(24mm幅)を貼り付け、ガラス基板に対し剥離角度90°にて300mm/分の一定速度で引きながら剥離に要する力(剥離力)の大きさを上記装置で計測することにより行った。結果を表1に示す。表1及び表2の実施例1~16についての剥離力は小数点以下3桁で表示した。それ以外の測定値及び計算値は、原則、小数点以下2桁までで表示した。
【0208】
【表1】

【0209】
表1に示すように、比較例1~6の硬化樹脂薄膜での剥離力が2.2~8.7N/mm(ソーダガラス基板)及び3.2~9.2N/mm(EAGLE-XG基板)あったのに対し、実施例1~16でのそれは、0.013~0.078N/mm(ソーダガラス基板)及び0.028~0.085N/mm((EAGLE-XG基板)と、2桁も小さいことが判明した。実際に、比較例の各硬化樹脂薄膜は剥離力の値が高くそのため膜や基板が破壊されてしまうものが見られたのに対し、実施例の各硬化樹脂薄膜は何れも、無理なく容易に剥がすことができた。
【0210】
(2)焼成後の硬化樹脂薄膜についての剥離力の評価
硬化樹脂薄膜上へのフォトリソグラフィ法や印刷法を用いたパターニングによる回路作製での焼成工程を想定し、硬化樹脂薄膜を焼成した場合の剥離力の計測を行った。即ち、実施例1及び7並びに比較例1及び2について、ソーダガラス基板上に形成された硬化樹脂薄膜を230℃で1時間又は3時間焼成し、上記(1)に記載した装置及び方法によりそれぞれの剥離力を計測した。結果を、それらの実施例及び比較例での焼成前の剥離力(初期剥離力)の値と共に、表2に示す。
【0211】
【表2】

【0212】
表2に見られるとおり、実施例1及び7の硬化樹脂薄膜は230℃で1時間又は3時間焼成した後も、焼成前の比較例1及び2に比べて2桁低い水準に止まっており、無理なく容易に剥がすことができた。比較例1及び2の硬化樹脂薄膜は、焼成前よりも一層強くガラス基板に接着していた。
【0213】
上記(2)と同様の手段で、硬化樹脂薄膜上へのフォトリソグラフィ法や印刷法を用いたパターニングによる回路作製での焼成工程を想定し、硬化樹脂薄膜を焼成した場合の剥離力の計測を行った。即ち、実施例12、16~22及び比較例7について、ソーダガラス基板上に形成された硬化樹脂薄膜を230℃で20分焼成し、上記(1)に記載した装置及び方法によりそれぞれの剥離力を計測した。結果を、それらの実施例及び比較例での焼成前の剥離力(初期剥離力)の値と共に、表3に示す。
【表3】
【0214】
表3に見られるとおり、実施例12~24の硬化樹脂薄膜は230℃で20分焼成した後も、焼成前と同様に、焼成前の比較例7に比べて2桁低い水準に止まっており、無理なく容易に剥がすことができた。一方、比較例7の硬化樹脂薄膜は、焼成前と同様に剥離力が高く容易に剥がすことができなかった。
【0215】
(3)架橋剤及び混合比率を変化させた場合の焼成後の硬化樹脂薄膜についての剥離力の評価
架橋剤及びポリマー/架橋剤の混合比率を以下の表5に記載のものに変化させた場合の、実施例25~27及び比較例8~10について作製された硬化樹脂薄膜の剥離力の計測を行った。種々の条件は以下のとおりである。
<評価条件>
・基板:ソーダガラス(スズ処理面にコーティング)
・製膜:スピンコート>150℃又は230℃で30分間のベーク ※仕上がり膜厚50~200nm
・剥離試験条件:ニチバンテープ(24mm幅)にて剥離試験を行う。
使用したポリマーは重合体A-3である。
使用した架橋剤は表4のとおりである。表4中、MW-30は上記式(B-1)のヘキサメトキシメチルメラミン(ニカラックMW-30、(株)三和ケミカル)であり、MW-30LFはヘキサメトキシメチルメラミン(低遊離ホルムアルデヒド品)(ニカラックMW-30LF、(株)三和ケミカル)であり、MX-270は上記式(B-2)の1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(ニカラックMW-270、(株)三和ケミカル)である。
【表4】
【0216】
結果を表5に示す。MW-30を参照化合物とし、その他の化合物の混合比率を変更することで剥離力及び剥離特性を検討した(実施例25~27及び比較例8~10)。表5中、剥離試験の欄で「〇」は形成された硬化樹脂膜が無理なく容易にはがすことができ、易剥離性を有したことを表し、「×」は、容易にはがすことができず、易剥離性を有さなかったことを表す。
【表5】
【0217】
表5に見られるとおり、MW-30を使用した場合、ポリマー/架橋剤の混合比率が45/50では、剥離力が0.02と低く、易剥離性を有したが、90/10の場合は、剥離力が7.5と2桁も大きく、易剥離性を有さなかった。MX-270を使用した場合は、混合比率が45/50及び90/10の両方において、低い剥離力及び易剥離性を有した。一方でMW-30LFは、混合比率が45/50及び90/10の両方において、高い剥離力を有し、易剥離性を有さなかった。この結果は、MW-30LFはホルムアルデヒドが少なくMW-30と比べてメチロール部分(熱架橋の反応点)が少なくなっているためと考えられる。
【0218】
(4)硬化樹脂薄膜の剥離力の閾値の検討
ポリマー、架橋剤、及び酸触媒の重量比(wt%)を変化させた場合の、作製された硬化樹脂薄膜の剥離力の計測を行った。即ち、実施例28~38及び比較例11~15について、以下の表6に記載の重量比でポリマー、架橋剤、及び酸触媒を用いて作製した溶液をソーダガラス基板上に塗布し、230℃で20分間焼成した以外は実施例1と同様にして、硬化樹脂膜を成膜し、上記(1)に記載した装置及び方法によりそれぞれの剥離力を計測し、比較した。結果を表6に示す。
【表6】
【0219】
表6に見られるとおり、架橋剤B-1については、ポリマー、架橋剤、及び酸触媒の合計量を基準として10重量%以上で易剥離性が発現し(実施例28~30)、架橋剤B-2については、3重量%以上で易剥離性が発現した(実施例33~38)。また、表5の比較例8ではポリマー/架橋剤の混合比率が90/10では易剥離性は発現しなかったが、酸触媒を使用したほぼ同じ混合比率の表6の実施例29の85/10では易剥離性が発現しており、したがって酸触媒を入れることにより易剥離性が発現しやすくなるといえる。
【0220】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願及び他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。本願は国際特許出願PCT/JP2016/074180(2016年8月19日出願)及び台湾特許出願第105126494号(2016年8月19日出願)に対して優先権主張を行うものであり、それらの内容全体が本明細書において参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明は、ガラス等の基板に極めて薄く塗布でき、塗布後に乾燥し硬化させることにより極めて薄い硬化樹脂薄膜を成膜でき、その上にパターニング等により回路を作製する工程での焼成において230℃の高温に耐久性を有し、しかもそのような高温にさらされた後も基板から無理なく剥離することのできる硬化性樹脂組成物として、フィルム型電気・電子回路部品の製造に有用である。