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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20220118BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20220118BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20220118BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 C
C23C16/44 E
C23C16/455
C23C16/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018539103
(86)(22)【出願日】2017-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2017000796
(87)【国際公開番号】W WO2017131404
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2016-0009527
(32)【優先日】2016-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0005856
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム セ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン ス ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジ ニョク
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビョン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ミン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ファン チュル ジュ
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-151564(JP,A)
【文献】特開2004-124193(JP,A)
【文献】国際公開第2015/134156(WO,A1)
【文献】特開2010-056470(JP,A)
【文献】特開2009-149989(JP,A)
【文献】特開2002-151489(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0056692(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/44
C23C 16/455
C23C 16/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースガスと反応ガスが噴射される基板処理装置において、
前記反応ガスに比べて前記ソースガスを多く含んだ第1排気ガスを排気する第1排気ライン、
前記ソースガスに比べて反応ガスを多く含んだ第2排気ガスを排気する第2排気ライン、
前記第1排気ラインに設置された捕集装置、
前記捕集装置を通過した第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスを排気するように排気ポンプに接続する第3排気ライン、及び
空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、
前記捕集装置は、前記第1排気ラインに流入したソースガスを捕集し、
前記基板処理部が、処理空間を設ける工程チャンバー、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部、及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、
前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、
前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記捕集装置が、パーティクルの生成を防止するためのプラズマトラップを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記反応ガスが、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、二酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、水(HO)、オゾン(O)のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記工程チャンバーが、前記第1ガス排出領域に位置するように形成される第1排気口、及び前記第2ガス排出領域に位置するように形成される第2排気口を含み、
前記第1排気ラインは、前記第1排気口を介して前記第1ガス排出領域に接続し、
前記第2排気ラインは、前記第2排気口を介して前記第2ガス排出領域に接続することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記パージガス噴射部が、前記ソースガスと前記反応ガスの噴射圧力に比べて、より高い噴射圧力でパージガスを噴射することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
ソースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される基板処理装置において、
前記工程チャンバー内でソースガスを排出する第1排気ライン、
前記第1排気ラインと離隔して前記工程チャンバー内で反応ガスを排出する第2排気ライン、
前記第1排気ラインに流入したソースガスを含むガスを捕集してプラズマで処理する第1捕集ユニット、
前記第2排気ラインに流入した排気ガスを含むガスと前記第1捕集ユニットを通過したガスを捕集する第2捕集ユニット、及び
空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、
前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、
前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、
前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
前記第1捕集ユニットには、酸素(O)プラズマが流入することを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
ソースガスが、アミン(Amine)が結合したジルコニウム(Zr)であり、
反応ガスは、オゾン(O)であることを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
ソースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される基板処理装置において、
前記工程チャンバー内でソースガスを排出する第1排気ライン、
前記第1排気ラインと離隔して前記工程チャンバー内で反応ガスを排出する第2排気ライン、
前記第1排気ラインに流入したソースガスを含むガスを捕集してプラズマで処理する第1捕集ユニット、
前記第2排気ラインに流入した排気ガスを含むガスと前記第1捕集ユニットを通過しながら、プラズマ活性化された排気ガスの混合ガスを捕集する第2捕集ユニット、及び
空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、
前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、
前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、
前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
前記第1捕集ユニットには、酸素(O)プラズマが流入することを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
ソースガスが、アミン(Amine)が結合したジルコニウム(Zr)であり、
反応ガスは、オゾン(O)であることを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
ソースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される基板処理装置において、
前記工程チャンバーに接続した第1排気ライン、
前記第1排気ラインと離隔して接続した第2排気ライン、
前記第1排気ラインに形成されたプラズマ発生器、
前記プラズマ発生器を通過した第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスが混入して流入する非プラズマ方式の第2捕集ユニット、及び
空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、
前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、
前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、
前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
前記プラズマ発生器が、酸素(O)をプラズマで生成することを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
ソースガスが、アミン(Amine)が結合したジルコニウム(Zr)であり、
反応ガスは、オゾン(O)であることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
ソースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される基板処理装置において、
前記工程チャンバーに接続した第1排気ライン、
前記第1排気ラインと離隔して接続した第2排気ライン、
前記第1排気ラインでプラズマ活性化された第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスが混入して流入する非プラズマ方式の第2捕集ユニット、及び
空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、
前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、
前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、
前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、
前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に薄膜を蒸着する基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽電池(Solar Cell)、半導体素子、フラットパネルディスプレイ等を製造するためには、基板の表面に所定の薄膜層、薄膜回路パターン、または光学的パターンを形成しなければならず、そのためには、基板に特定の物質の薄膜を蒸着する薄膜蒸着工程、感光性材料を用いて薄膜を選択的に露出させるフォト工程、選択的に露出した部分の薄膜を除去してパターンを形成するエッチング工程などの半導体製造工程を行うことになる。
【0003】
これらの半導体製造工程は、処理のために最適の環境に設計された基板処理装置の内部で行われ、最近では、プラズマを利用して蒸着またはエッチング工程を行う基板処理装置が多く用いられている。
【0004】
プラズマを用いた基板処理装置には、プラズマを用いて薄膜を形成するPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置、および薄膜をエッチングしてパターニングするプラズマエッチング装置などがある。
【0005】
図1は、従来技術による基板処理装置の概略的な側面図である。
【0006】
図1を参照すると、従来技術による基板処理装置は、チャンバー10は、プラズマ電極20、サセプター30、及びガス噴射手段40を備える。
【0007】
チャンバー10は、基板処理工程のための処理空間を提供する。ここで、チャンバー10の両側底面は処理空間の排気をするためのポンピングポート12に連通している。
【0008】
プラズマ電極20は、処理空間を密閉するようにチャンバー10の上部に設置される。
【0009】
プラズマ電極20の一側は、整合器22を介してRF(Radio Frequency)電源24に電気的に接続する。ここで、RF電源24は、RF電力を生成してプラズマ電極20に供給する。
【0010】
また、プラズマ電極20の中央部分は、基板処理工程のためのソースガスと反応ガスを供給するガス供給管26に連通している。
【0011】
整合器22は、プラズマ電極20とRF電源24との間に接続されることで、RF電源24からプラズマ電極20に供給されるRF電力の負荷インピーダンスとソースインピーダンスとを整合する。
【0012】
サセプター30は、チャンバー10の内部に設置され、外部から搬送された複数の基板(W)を支持する。このようなサセプター30は、プラズマ電極20に対向する対向電極として、サセプター30を昇降させる昇降軸32を介して電気的に接地される。
【0013】
前記でサセプター30の内部には、支持された基板(W)を加熱するための基板加熱手段(不図示)を内蔵していて、前記基板加熱手段がサセプター30を加熱することにより、サセプター30に支持された基板(W)を、加熱する。
【0014】
昇降軸32は、昇降装置(不図示)によって上下方向に昇降する。ここで、昇降軸32は、昇降軸32とチャンバー10の底面を密封するベローズ34によって包まれている。
【0015】
ガス噴射手段40は、サセプター30に対向するように、プラズマ電極20の下部に設置される。ここで、ガス噴射手段40とプラズマ電極20との間には、プラズマ電極20を貫通するガス供給管26から供給されるソースガスおよび反応ガスが拡散するガス拡散空間42が形成される。このようなガス噴射手段40は、ガス拡散空間42に連通した複数のガス噴射ホール44を介して、ソースガスおよび反応ガスを処理空間の前部分に噴射する。
【0016】
このような従来の基板処理装置は、基板(W)をサセプター30に搬送した後、サセプター30に搬送された基板(W)を加熱し、チャンバー10の処理空間にソースガスおよび反応ガスを噴射しながら、プラズマ電極20にRF電力を供給してプラズマを形成することにより、基板(W)上に所定の薄膜を形成する。そして、薄膜蒸着工程の間に処理空間に噴射されるソースガスおよび工程ガスは、サセプター30の端に向かって流れて工程チャンバー10の両側底面に形成されたポンピングポート12を介して工程チャンバー10の外部に排気される。
【0017】
このような従来技術による基板処理装置は、次のような問題点がある。
【0018】
まず、従来技術による基板処理装置は、ソースガスと反応ガスが処理空間で互いに混合させて、基板に蒸着するCVD(Chemical Vapor Deposition)蒸着工程によって基板(W)に所定の薄膜を形成する。そのため、薄膜の特性が不均一であり、薄膜の膜質を制御することに困難がある。
【0019】
第二に、従来技術による基板処理装置では、薄膜蒸着工程に用いたソースガスと反応ガスが混合した状態でポンピングポート12を介して外部に排出される。したがって、従来技術による基板処理装置では、ソースガスと反応ガスが混合した混合ガスが排出される過程で、混合ガスから粒子状態のパーティクルが生成することにより、生成したパーティクルが排気の円滑な排出を妨げる要素として作用して排気効率を低下させるという問題がある。また、従来技術による基板処理装置は、排気効率の低下によって排気にかかる時間が長くなることにより、薄膜蒸着工程の処理時間を長くするという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上述のような問題点を解決するために案出されたものであり、処理空間でソースガスと反応ガスが混合することによる薄膜特性の不均一および薄膜の膜質制御の難しさを解消することができる基板処理装置を提供する。
【0021】
本発明は、ソースガスと反応ガスが混合した状態で排出されることによるパーティクル生成によって排気効率の低下を防止することができ、薄膜蒸着工程の処理時間の遅延を防止することができる基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述したような課題を解決するために、ソースガスと反応ガスが噴射される本発明に係る基板処理装置は、前記反応ガスに比べて前記ソースガスを多く含む第1排気ガスを排気する第1排気ライン、前記ソースガスに比べて反応ガスを多く含む第2排気ガスを排気する第2排気ライン、前記第1排気ラインに設置された捕集装置、前記捕集装置を通過した第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスを排気するように排気ポンプに接続する第3排気ライン、及び空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、前記捕集装置は、前記第1排気ラインに流入したソースガスを捕集し、前記基板処理部が、処理空間を設ける工程チャンバー、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部、及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離することを特徴とする。
【0023】
本発明に係る基板処理装置では、ースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される場合において、前記工程チャンバーのソースガスを排出する第1排気ライン、前記第1排気ラインと離隔して前記工程チャンバー内で反応ガスを排出する第2排気ライン、前記第1排気ラインに流入したソースガスを含むガスをプラズマ化する第1捕集ユニット、前記第2排気ラインに流入した排気ガスを含むガスと前記第1捕集ユニットを通過したガスを捕集する第2捕集ユニット、及び空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離することができる。
【0024】
本発明に係る基板処理装置は、ースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される場合において、前記工程チャンバー内でソースガスを排出する第1排気ライン、前記第1排気ラインと離隔して前記工程チャンバー内で反応ガスを排出する第2排気ライン、前記第1排気ラインに流入したソースガスを含むガスを捕集してプラズマで処理する第1捕集ユニット、記第2排気ラインに流入した排気ガスを含むガスと前記第1捕集ユニットを通過しながら、プラズマ活性化された排気ガスの混合ガスを捕集する第2捕集ユニット、及び空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離することができる。
【0025】
本発明に係る基板処理装置は、ースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される場合において、前記工程チャンバーに接続した第1排気ライン、前記第1排気ラインと離隔して接続した第2排気ライン、前記第1排気ラインに形成されたプラズマ発生器、前記プラズマ発生器を通過した第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスが混入して流入する非プラズマ方式の第2捕集ユニット、及び空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離することができる。
【0026】
本発明に係る基板処理装置は、ースガスが噴射される工程チャンバーの領域と反応ガスが噴射される前記工程チャンバーの領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスが時間差を置いて噴射される場合において、前記工程チャンバーに接続した第1排気ライン、前記第1排気ラインと離隔して接続した第2排気ライン、前記第1排気ラインでプラズマ活性化された第1排気ガスと前記第2排気ラインを通過した第2排気ガスが混入して流入する非プラズマ方式の第2捕集ユニット、及び空間的に分離されたソースガス噴射領域と反応ガス噴射領域のそれぞれに、前記ソースガス及び前記反応ガスを噴射して基板に薄膜を蒸着させる薄膜蒸着工程を行なう基板処理部を含み、前記基板処理部が、前記工程チャンバーの内部に設置されて少なくとも一つの基板を支持する基板支持部及び前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域が空間的に分離されるように前記ソースガス噴射領域と前記反応ガス噴射領域の間のパージガス噴射領域にパージガスを噴射するパージガス噴射部を含み、前記パージガス噴射部は、前記工程チャンバーの内周面と前記基板支持部の外周面との間のガス排出領域にパージガスを追加で噴射して前記ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離し、前記第1排気ラインは、前記第1ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記第2排気ラインは、前記第2ガス排出領域に接続するように前記工程チャンバーに結合し、前記パージガス噴射部は前記工程チャンバーの内径に対応する前記パージガス噴射領域に前記パージガスを噴射して、前記第1排気ラインに接続された前記第1ガス排出領域及び前記第2排気ラインに接続された前記第2ガス排出領域を空間的に分離することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、次のような効果を得ることができる。
【0028】
本発明は、ソースガスと反応ガスが噴射される途中で互いに混合する程度を減少させことによって、薄膜の膜質特性の均一性を向上させることができるのみならず、薄膜の膜質の制御の容易さを向上させることができる。
【0029】
本発明は、ソースガスと反応ガスが排出される途中で互いに混合する程度を減少させることによって、ソースガスからパーティクルが発生することを防止して排気効率を向上させることができ、さらに排気にかかる時間を減らして薄膜蒸着工程の処理時間を減らすことに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術による基板処理装置の概略的な側断面図
図2】本発明の第1実施例に係る基板処理装置を概略的に示すブロック図
図3】本発明の第1実施例に係る基板処理装置の概略的な斜視図
図4】本発明の第1実施例に係る基板処理装置の概略的な平面図
図5】本発明の第1実施例に係る基板処理装置の概略的な分解斜視図
図6】本発明の第1実施例に係る基板処理装置においてパージガスを利用して、ソースガスと反応ガスを独立して排出させる実施例を説明するための概略的な平面図
図7】本発明の変形された第1実施例に係る基板処理装置において区画部材を用いてソースガスと反応ガスを独立的に排出させる実施例を説明するための概略的な平面図
図8】本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置の概略的な分解斜視図
図9】本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置において、パージガスと区画部材を用いて、ソースガスと反応ガスを独立して排出させる実施例を説明するための概略的な平面図
図10】本発明の第2実施例に係る基板処理装置のチャンバー側の一部分解概略斜視図。
図11】本発明の第2実施例に係る基板処理装置の排出部の構成を示す図10の「A-A」線の断面図。
図12図10の平面断面図。
図13】本発明に係る排気ガス処理方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明に係る基板処理装置の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0032】
[第1実施例]
図2図4を参照すると、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、基板処理部100から発生する排気ガスを処理するためのガス処理部200を含むことができる。前記ガス処理部200を説明する前に、前記基板処理部100を添付の図を参照して、具体的に説明すると、次の通りである。
【0033】
前記基板処理部100は、基板(W)に薄膜を蒸着するための薄膜蒸着工程を実行するものである。例えば、本発明に係る基板処理装置は、プラズマを用いて薄膜を形成するPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置に適用することができる。
【0034】
前記基板処理部100は、プラズマを用いてソースガス(Source Gas)および反応ガス(Reactant Gas)を活性化させ、基板(W)に向かって噴射することにより、前記基板(W)の薄膜蒸着工程を行う。前記基板処理部100は、空間的に分離されたソースガス噴射領域120aおよび反応ガス噴射領域120bのそれぞれに、ソースガスおよび反応ガスを噴射して前記基板(W)の薄膜蒸着工程を行う。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、ソースガスと反応ガスが噴射される途中で互いに混合することを防止することにより、薄膜の膜質特性の均一性を向上させることができ、薄膜の膜質制御に対する容易性を向上させることができる。前記基板処理部100は、前記ソースガス噴射領域120aにソースガスを噴射し、前記反応ガス噴射領域120bに反応ガスを噴射する。
【0035】
前記基板処理部100は、工程チャンバー110、基板支持部120、チャンバー縁部縁部(Chamber Lid;130)、ソースガス噴射部140、反応ガス噴射部150、およびパージガス噴射部160を含むことができる。
【0036】
前記工程チャンバー110は、基板処理工程(例えば、薄膜蒸着工程)のための処理空間を提供する。このため、前記工程チャンバー110は、床面と床面から垂直に形成されて処理空間を画定するチャンバー側壁を含む。
【0037】
前記工程チャンバー110の底面には、底フレーム112を設置することができる。前記底フレーム112は、基板支持部120の回転をガイドするガイドレール(不図示)、および処理空間の排気ガスを外部にポンピングするための第1排気口114、第2排気口114’などを含む。
【0038】
前記第1排気口114及び前記第2排気口114’は、チャンバー側壁に隣接するように、床フレーム112の内部に円形帯状に配置されたポンピング管(不図示)に一定の間隔で設置して処理空間に連通することができる。
【0039】
前記基板支持部120は、前記工程チャンバー110の内部底面、すなわち前記底フレーム112に設置され、外部の基板ローディング装置(不図示)から基板出入口を介して処理空間に搬入される少なくとも一つの基板(W)を支持する。
【0040】
前記基板支持部120の上面には、基板(W)が安着される複数の基板定着領域(不図示)が設けることができる。
【0041】
前記基板支持部120は、前記底フレーム112に固定したり移動可能に設置したりすることができる。ここで、前記基板支持部120が前記底フレーム112に移動可能に設置される場合には、前記基板支持部120は、前記底フレーム112の中心部を基準に所定方向(例えば、反時計方向)に移動、すなわち回転(Rotation)することができる。
【0042】
前記チャンバー縁部130は、前記工程チャンバー110の上部に設置して処理空間を密閉する。そして、前記チャンバー縁部130は、前記ソースガス噴射部140と前記反応ガス噴射部150及び前記パージガス噴射部160のそれぞれを分離可能に支持する。このため、前記チャンバー縁部130は、縁部フレーム(Lid Frame;131)、第1~第3モジュール装着部133、135、137を含む。
【0043】
前記縁部フレーム131は、円板形態に形成され、前記工程チャンバー110の上部をカバーすることで、前記工程チャンバー110によって作られる処理空間を密閉する。
【0044】
前記第1モジュール装着部133は、前記縁部フレーム131の一側部に形成され、前記ソースガス噴射部140を取り外し可能に支持する。このため、第1モジュール装着部133は、前記縁部フレーム131の中心点を基準に前記縁部フレーム131の一側部に一定の間隔を有するように放射形態で配置された複数の第1モジュール取付孔133aを含む。前記複数の第1モジュール取付孔133aのそれぞれは、平面的に長方形の形態を有するように前記縁部フレーム131を貫通して形成される。
【0045】
前記第2モジュール装着部135は、前記縁部フレーム131の他側部に形成され前記反応ガス噴射部150を取り外し可能に支持する。このため、第2モジュール装着部135は、前記縁部フレーム131の中心点を基準に前記縁部フレーム131の他側部に一定の間隔を有するように放射形態で配置された複数の第2モジュール取付孔135aを含む。前記複数の第2モジュール取付孔135aのそれぞれは、平面的に長方形の形態を有するように前記縁部フレーム131を貫通して形成される。
【0046】
前述した前記複数の第1モジュール取付孔133aと前記複数の第2モジュール取付孔135aは、前記第3モジュール装着部137を挟んで互いに対称になるように前記縁部フレーム131に形成することができる。
【0047】
前記第3モジュール装着部137は、前記第1モジュール装着部及び第2モジュール装着部135の間に配置されるように前記縁部フレーム131の中央部に形成し、前記パージガス噴射部160を取り外し可能に支持する。このため、第3モジュール装着部137は、前記縁部フレーム131の中央部に長方形の形態で形成された第3モジュール取付孔137aを含むように構成される。
【0048】
前記第3モジュール取付孔137aは、前記第1モジュール装着部133及び第2モジュール装着部135間を横切るように前記縁部フレーム131の中央部を貫通して、平面的に長方形の形態で形成される。
【0049】
以下の本発明の第1実施例に係る基板処理装置の説明では、前記チャンバー縁部130が3つの第1モジュール取付孔133aと、3つの第2モジュール取付孔135aを具備すると仮定して説明する。
【0050】
前記ソースガス噴射部140は、前記チャンバー縁部130の第1モジュール装着部133に取り外し可能に設置して前記基板支持部120によって順次に移動する基板(W)にソースガスを噴射する。すなわち、前記のソースガス噴射部140は、前記チャンバー縁部130と前記基板支持部120との間の空間に画定された複数のソースガス噴射領域120aそれぞれにソースガスを局部的に下方噴射することにより、前記基板支持部120の駆動によって複数のソースガス噴射領域120aそれぞれの下部を通過する基板(W)にソースガスを噴射する。このため、前記ソースガス噴射部140は、前述した複数の第1モジュール取付孔133aそれぞれに取り外し可能に装着されて、ソースガスを下方噴射する第1~第3ソースガス噴射モジュール140a、140b、140c を含むことができる。
【0051】
前記第1~第3ソースガス噴射モジュール140a、140b、140cのそれぞれは、ガス噴射フレーム、複数のガス供給ホール、およびシール部材を含むことができる。
【0052】
前記ガス噴射フレームは、下面開口部を有するようにボックス状に形成され、前記第1モジュール取付孔133aに取り外し可能に挿入される。前記ガス噴射フレームは、ボルトによって前記第1モジュール取付孔133a周辺の縁部フレーム131に取り外し可能に装着される接地プレート、およびガス噴射空間を設けるように、前記接地プレートの下面端部から垂直に突出して前記第1モジュール取付孔133aに挿入される接地側壁を含む。前記ガス噴射フレームは、前記チャンバー縁部130の縁部フレーム131を介して電気的に接地する。
【0053】
前記ガス噴射フレームの下面、すなわち、前記接地側壁の下面はチャンバ縁部130の下面と同一線上に位置し、前記基板支持部120に支持された基板(W)の上面から所定距離だけ離隔する。
【0054】
前記複数のガス供給ホールは、前記ガス噴射フレームの上面、すなわち、前記接地プレートを貫通するように形成され、前記ガス噴射フレームの内部に設けられるガス噴射空間に連通する。前記複数のガス供給ホールは、外部のガス供給装置(不図示)から供給されるソースガスをガス噴射空間に供給することにより、ソースガスがガス噴射空間を介して前記ソースガス噴射領域120aに下方噴射されるようにする。一方、前記ソースガス噴射部140から前記ソースガス噴射領域120aに下方噴射されるソースガスは、前記基板支持部120の中心部から前記基板支持部120の側部に設けられた前記第1排気口114の方に流れるようになる。
【0055】
このようなソースガスとしては、基板(W)上に蒸着される薄膜の主要な材質を含むもので、シリコン(Si)、チタン族元素(Ti、Zr、Hf等)、またはアルミニウム(Al)などのガスを挙げられる。例えば、シリコン(Si)物質を含むソースガスは、シラン(Silane; SiH4)、ジシラン(Disilane; Si2H6)、トリシラン(Trisilane; Si3H8)、TEOS(Tetraethylorthosilicate)、DCS(Dichlorosilane)、HCD(Hexachlorosilane)、TriDMAS(Tri-dimethylaminosilane)およびTSA(Trisilylamine)などを挙げられる。このような前記ソースガスは、基板(W)に蒸着される薄膜の蒸着特性に応じて窒素(N2)、アルゴン(Ar)、キセノン(Ze)、またはヘリウム(He)などの非反応性ガスをさらに含むこともできる。
【0056】
前記反応ガス噴射部150は、前述したチャンバー縁部130の第2モジュール装着部135に取り外し可能に設置されて前記基板支持部120によって順次に移動する基板(W)に反応ガスを噴射する。つまり、反応ガス噴射部150は、前述したソースガス噴射領域120aと空間的に分離されるように、前記チャンバー縁部130と前記基板支持部120との間の空間に画定された複数の反応ガス噴射領域120bそれぞれに反応ガスを局部的に下方噴射することにより、前記基板支持部120の駆動によって複数の反応ガス噴射領域120bそれぞれの下部を通過する基板(W)に反応ガスを噴射する。このため、前記反応ガス噴射部150は、前述した複数の第2モジュール取付孔135aのそれぞれに取り外し可能に装着されて反応ガスを下方噴射する第1~第3の反応ガス噴射モジュール150a、150b、150cを含むように構成される。
【0057】
前記第1~第3の反応ガス噴射モジュール150a、150b、150cのそれぞれは、前記チャンバー縁部130の第2モジュール取付孔135aに取り外し可能に装着され、外部のガス供給装置(不図示)から供給される反応ガスを前記反応ガス噴射領域120bに下方噴射することを除いては、前述した第1~第3のソースガス噴射モジュール140a、140b、140c それぞれと同様に構成される。これにより、前記第1~第3の反応ガス噴射モジュール150a、150b、150cそれぞれの構成要素に対する説明は、前述したソースガス噴射モジュール140a、140b、140c に対する説明で代用する。
【0058】
一方、前記反応ガス噴射部150から前記反応ガス噴射領域120bに下方噴射される反応ガスは、基板支持部120の中心部から基板支持部120の側部に設けられた前記第2排気口114’の方に流れるようになる。
【0059】
このような反応ガスは、基板(W)上に蒸着される薄膜の一部材質を含むように構成され、最終的に薄膜を形成するガスとして、水素(H2)、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化窒素(NO2)、アンモニア(NH3)、水(H2O)またはオゾン(O3)などからなり得る。このような反応ガスは、基板(W)に蒸着される薄膜の蒸着特性に応じて窒素(N2)、アルゴン(Ar)、キセノン(Ze)またはヘリウム(He)などの非反応性ガスをさらに含むこともできる。
【0060】
一方、前記第1排気口114には、ソースガス、またはソースガスと反応ガスが混合した第1排気ガスが排出され得る。この場合には、前記第1排気ガスにおけるソースガスと反応ガスとの混合比は、ソースガスが反応ガスに比べてより多くの量を占めた状態であり得る。前記第2排気口114’では、反応ガスまたは反応ガスとソースガスが混合した第2排気ガスが排出され得る。この場合には、前記第2排気ガスにおける反応ガスとソースガスの混合比は、反応ガスがソースガスに比べてより多くの量を占めた状態であり得る。
【0061】
前述したソースガス噴射部140から噴射されるソースガスの噴射量と前記反応ガス噴射部150から噴射される反応ガスの噴射量は、それぞれ異なるように設定することができ、これにより、基板(W)で成されるソースガスと反応ガスの反応速度を調節することができる。この場合、前述したソースガス噴射部140と反応ガス噴射部150は、互いに異なる面積を有するガス噴射モジュール、または互いに異なる個数のガス噴射モジュールから構成され得る。
【0062】
前記パージガス噴射部160は、前記チャンバー縁部130の第3モジュール装着部137に取り外し可能に取り付けられ、前記ソースガス噴射部140と前記反応ガス噴射部150との間に対応する工程チャンバー110の処理空間にパージガスを下方噴射することにより、ソースガスと反応ガスを空間的に分離するためのガスバリアを形成する。つまり、パージガス噴射部160は、前記ソースガス噴射領域120aと前記反応ガス噴射領域120bとの間に対応するようにチャンバー縁部130と基板支持部120との間の空間に画定されたパージガス噴射領域120cにパージガスを下方噴射してガスバリアを形成することにより、前記ソースガスと反応ガスが基板(W)に下方噴射される途中で、互いに混合する程度を減少させることができる。これにより、前記基板処理部100は、前記ソースガス噴射領域120aおよび前記反応ガス噴射領域120bを空間的に分離することができる。前記パージガスは、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、キセノン(Ze)またはヘリウム(He)などの非反応性ガスからなり得る。
【0063】
前記パージガス噴射部160には、パージガス供給装置(不図示)からパージガスが供給され収容されるパージガス噴射空間が設けられる。前記パージガス噴射部160は、外部のパージガス供給装置(不図示)から供給されるパージガスをパージガス噴射空間に供給することにより、パージガスがパージガス噴射空間を介して前記パージガス噴射領域120cに下方噴射され、前記ソースガス噴射領域120aと前記反応ガス噴射領域120bとの間にガスバリアを形成するとともに、前記ソースガス噴射領域120aと前記反応ガス噴射領域120bのそれぞれに噴射されるソースガスと反応ガスのそれぞれが、基板支持部120の側部に設けられた前記第1排気口114または第2排気口114’の方に流れるようにする。
【0064】
前記パージガス噴射部160は、前記ソースガス噴射部140と前記反応ガス噴射部150のそれぞれより相対的に基板支持部120に近く設置して基板(W)に対するソースガスおよび反応ガスそれぞれの噴射距離より相対的に近い噴射距離(例えば、ソースガスの噴射距離の半分以下)で、前記パージガス噴射領域120cにパージガスを噴射することにより、前記のソースガスおよび反応ガスを基板(W)に噴射する途中で互いに混合する程度を減少させることができる。
【0065】
前記パージガス噴射部160は、前記ソースガスと前記反応ガスの噴射圧力に比べて、より高い噴射圧力でパージガスを噴射することができる。
【0066】
前記パージガス噴射部160から噴射されるパージガスは、前記ソースガスおよび前記反応ガスのそれぞれを、前述した第1排気口114、第2排気口114'(図3参照)に流れるようにして前記ソースガスと前記反応ガスが基板(W)に噴射する途中で互いに混合する程度を減少させる。したがって、前記基板支持部120の駆動によって移動する複数の基板(W)のそれぞれは、パージガスによって分離される前記ソースガスおよび前記反応ガスのそれぞれに順次に露出することにより、各基板(W)には、ソースガスと反応ガスの相互反応によるALD(Atomic Layer Deposition)蒸着工程により単層または複層の薄膜が蒸着される。ここで、前記薄膜は、高誘電膜、絶縁膜、金属膜などになり得る。
【0067】
一方、前記ソースガスと反応ガスが相互に反応する場合、プラズマを用いてソースガスと反応ガスを活性化させ噴射させることができる。
【0068】
このようなプラズマを利用する方法は、ガスを活性化させて活性化した状態にして、ガスが増大した化学的反応性を有するようにするために用いる一般的な方法で、ガスはイオン、自由ラジカル、原子および分子を含有する解離ガスを生成するように活性化される。解離ガスは、半導体ウェハー、粉末のような固形物質およびその他のガスを処理することを含む様々な産業および科学の分野で使用され、活性ガスの特性および物質がガスに露出する条件は、分野によって幅広く変化している。
【0069】
プラズマ源は、例えば、十分な大きさの電位をプラズマガス(例えば、O2、N2、Ar、NF3、H2 and He)、またはガスの混合物に印加してガスの少なくとも一部をイオン化することにより、プラズマを生成する。プラズマは、DC放電、高周波(RF)放電およびマイクロ波放電を含むさまざまな方法で生成することができる。
【0070】
本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前述した実施例のソースガス噴射モジュールにプラズマ電極(不図示)を追加で形成することができる。
【0071】
まず、基板上に蒸着する薄膜の材質に応じてソースガスを活性化させ、基板上に噴射する。これにより、本発明に係るソースガス噴射モジュールそれぞれは、プラズマを利用してソースガスを活性化させ、基板上に噴射する。
【0072】
詳細には、本発明に係るソースガス噴射モジュールそれぞれは、ガス噴射空間に挿入配置されたプラズマ電極をさらに含むように構成されてよい。
【0073】
前記プラズマ電極をガス噴射空間に挿入し、前記プラズマ電極はプラズマ電源供給(不図示)から供給されるプラズマ電源によってガス噴射空間に供給されるソースガスからプラズマを形成する。
【0074】
前記プラズマ電源としては、高周波電力またはRF(Radio Frequency)電力、例えば、LF(Low Frequency)電力、MF(Middle Frequency)電力、HF(High Frequency)電力、またはVHF(Very High Frequency)電力を挙げることができる。ここで、LF電力は3kHz~300kHz範囲の周波数を有し、MF電力は300kHz~3MHz範囲の周波数を有し、HF電力は3MHz~30MHz範囲の周波数を有し、VHF電力は30MHz~300MHz範囲の周波数を有することができる。
【0075】
図2図4を参考にすると、前記ガス処理部200は、前記基板処理部100からソースガスと反応ガスを外部に排出させるためのものである。前記ガス処理部200は、前記基板処理部100に結合して、前記工程チャンバー110の内部に存在するソースガスと反応ガスを外部に排出させることができる。前記ガス処理部200は、前記薄膜蒸着工程が完了した後に前記工程チャンバー110からソースガスと反応ガスを排出させることができる。
【0076】
前記ガス処理部200は、前記ソースガス噴射領域120aおよび前記反応ガス噴射領域120bのそれぞれから、ソースガスと反応ガスを互いに独立して排出させることができる。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前記基板処理部100からソースガスと反応ガスが混合した状態で排出される程度を減少させることにより、ソースガスと反応ガスが混合した状態で排出されることによるパーティクルの生成を減らすことができる。
【0077】
前記ガス処理部200は、第1排気ライン210、第2排気ライン220及び第3排気ライン240を含むことができる。
【0078】
前記第1排気ライン210は、前記ソースガス噴射領域120aから第1排気ガスを排出させるためのものである。前記第1排気ガスは、前記反応ガスに比べて前記ソースガスが多く含まれている。前記第1排気ガスは、前記反応ガスなしに前記ソースガスのみからなることもある。前記第1排気ライン210は、前記工程チャンバー110の内部に接続するように、前記工程チャンバー110に結合することができる。前記第1排気ライン210は、前記工程チャンバー110の底フレーム112に結合することができる。
【0079】
前記第1排気ライン210は、前記第1排気口114に接続するように、前記工程チャンバー110に結合することができる。前記ソースガス噴射領域120aに位置する第1排気ガスは、第1排気口114を介して前記工程チャンバー110から排出され、前記第1排気ライン210に沿って移動して外部に排出することができる。
【0080】
前記第1排気ライン210は、前記ソースガス噴射領域120aから前記第1排気ガスを排出させるための吸引力および排出力を発生させる第1ポンピング手段(不図示)、及び前記第1排気ガスが移動するための通路を提供する第1排出配管(不図示)を含むことができる。
【0081】
前記第2排気ライン220は、前記反応ガス噴射領域120bから第2排気ガスを排出させるためのものである。前記第2排気ガスは、前記ソースガスに比べて反応ガスを多く含んでいる。前記第2排気ガスは、前記ソースガスなしに前記反応ガスのみからなることもある。前記第2排気ライン220は、前記工程チャンバー110の内部に接続するように、前記工程チャンバー110に結合することができる。前記第2排気ライン220は、前記工程チャンバー110の底フレーム112に結合することができる。前記第2排気ライン220および前記第1排気ライン210は、前記工程チャンバー110の底フレーム112から互いに離隔した位置に位置するように、前記底フレーム112に結合することができる。
【0082】
前記第2排気ライン220は、前記第2排気口114’に接続するように、前記工程チャンバー110に結合することができる。前記反応ガス噴射領域120bに位置する第2排気ガスは、第2排気口114’を介して前記工程チャンバー110から排出され、前記第2排気ライン220に沿って移動して外部に排出され得る。
【0083】
前記第2排気ライン220は、前記反応ガス噴射領域120bから第2排気ガスを排出させるための吸引力および排出力を発生させる第2ポンピング手段(不図示)及び前記第2排気ガスが移動するための通路を提供する第2排出配管(不図示)を含むことができる。前記第2排出配管および前記第1排出配管は、それぞれ一側が別の配管に分岐して前記工程チャンバー110の互いに異なる位置に結合され、他側が一つの配管に合わさるように具現することができる。前記第2排出配管および前記第1排出配管が合わさった部分には、スクラバー(Scrubber)を設置することができる。
【0084】
前記ガス処理部200は、捕集装置230を含むことができる。
【0085】
前記捕集装置230は、前記第1排気ライン210に流入した第1排気ガス中の前記ソースガスを捕集して処理するためのものである。前記捕集装置230は、前記第1排気ガス中の前記ソースガスを分解することにより、前記第1排気ガス中の前記ソースガスを捕集することができる。この工程では、前記捕集装置230は、前記ソースガスを微粒子状態に分解して、前記第1排気ライン210を通過するソースガスにより、第1排気ライン210内にパーティクルが生成することを防止することがことができる。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前記基板処理部100から排出されるソースガスからパーティクルが発生することを防止することにより、排気効率を向上させることができる。したがって、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、排気効率の向上により、排気にかかる時間を短縮することができるので、薄膜蒸着工程の処理時間を減らすことに寄与することができる。
【0086】
前記捕集装置230は、前記第1排気ライン210及び前記第2排気ライン220の中から、前記第1排気ライン210にのみ設置することができる。これにより、前記捕集装置230は、前記基板処理部100から排出される第1排気ガス及び第2排気ガス中、前記第1排気ガスに対してのみ、前記ソースガスを捕集する工程を実行するように具現することができる。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、次のような作用効果を図ることができる。
【0087】
まず、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、ソースガスと反応ガスが互いに独立して排出されるように具現されるので、パーティクル発生の主原因となる第1排気ガスに対してのみ、ソースガスの捕集処理が行われるように具現することができる。したがって、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、パーティクルの発生を防止することによって前記捕集装置230を稼働させる稼働コストおよび運用コストを削減することができる。
【0088】
第二に、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前記捕集装置230が前記第1排気ガスに対してのみソースガスの捕集処理を行なうので、前記捕集装置230が第1排気ガスと第2排気ガスが混合した状態の排気ガスに対してソースガスの捕集処理を行なうのと比較して、前記捕集装置230のガスの処理量を減らすことができる。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前記捕集装置230の容量を減らすことができるので、前記捕集装置230に対する構築費用を削減することができるだけでなく、前記捕集装置230を小型化することができる利点がある。
【0089】
前記捕集装置230は、プラズマトラップ(Plasma Trap)を含むことができる。
【0090】
前記プラズマトラップは、プラズマを利用して、前記基板処理部100から排出されるソースガスからパーティクルが発生することを防止することができる。前記プラズマトラップは、プラズマを用いて、前記基板処理部100から排出されるソースガスを分解することにより、パーティクルの発生を防止することができる。例えば、前記プラズマトラップは、ソースガスが六塩化ニケイ素(Si2Cl6)である場合には、プラズマを利用して、 六塩化ニケイ素をケイ素(Si)と塩素(Cl)に分解することにより、パーティクルの発生を防止することができる。
【0091】
ここで、前記基板処理部100は、排出過程でパーティクルが生成されない反応ガスを用いて、薄膜蒸着工程を行うことができる。例えば、反応ガスは、水素(H2)、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化窒素(NO2)、アンモニア(NH3)、水(H2O)、オゾン(O3)のうちの少なくとも一つであり得る。これにより、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、第2排気ライン220に前記捕集装置230を設置しなくても、前記反応ガスからパーティクルが生成されることを防止することができる。一方、前記第2排気ライン220を通過する第2排気ガスにも前記のソースガスが含まれていることがあるが、前記のソースガスの量が少ないので、前記捕集装置230がなくても、前記第2排気ライン220を介して円滑な排気を実現することができる。
【0092】
前記第3排気ライン240は、前記第1排気ライン210を経て、前記捕集装置230を通過した第1排気ガスと前記第2排気ライン220を通過した第2排気ガスを排気する排気ポンプ300に接続する。したがって前記第1排気ライン210に流入した第1排気ガスは、前記捕集装置230を通過して、ソースガスが捕集された後、前記第2排気ライン220に流入した第2排気ガスと合流した状態で前記第3排気ライン240を通過して排気ポンプ300に送られることになる。
【0093】
前記第3排気ライン240は、一側が前記第1排気ライン210および第2排気ライン220を一つの配管に接続し、他側が前記排気ポンプ300に接続するように設置することができる。
【0094】
図2図6を参照すると、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、パージガスを利用して、ガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離するように構成することができる。
【0095】
このため、前記パージガス噴射部160は、前記ガス排出領域(GE、図6に示す)にパージガスを追加で噴射することができる。前記ガス排出領域(GE)は、前記工程チャンバー110の内周面110aおよび前記基板支持部120の外周面120dとの間に位置する。前記パージガス噴射部160は、前記ガス排出領域(GE)にパージガスを追加で噴射することにより、前記ガス排出領域(GE)を第1ガス排出領域(GE1)及び第2ガス排出領域(GE2)に空間的に分離することができる。前記第1ガス排出領域(GE1)には、前記第1排気ライン210が接続する。前記第2ガス排出領域(GE2)には、前記第2排気ライン220が接続する。
【0096】
これにより、前記第1排気ガスは、前記第1ガス排出領域(GE1)を経て、前記第1排気ライン210を介して前記工程チャンバー110の外部に排出される。前記第2排気ガスは、第2ガス排出領域(GE2)を経て、前記第2排気ライン220を介して前記工程チャンバー110の外部に排出される。
【0097】
したがって、本発明の第1実施例に係る基板処理装置は、前記第1排気ガスおよび前記第2排気ガスが排出される過程で、互いに混合することを防止することにより、前記ソースガスからパーティクルが発生することを低減させるための遮断力を増大させることができる。
【0098】
前記パージガス噴射部160は、前記ガス排出領域(GE)にパージガスを追加で噴射できるように、前記基板支持部120の直径に対応する領域に比べて、より大きなパージガス噴射領域120cにパージガスを噴射するように構成することができる。前記パージガス噴射部160は、前記工程チャンバー110の内径に対応するパージガス噴射領域120cにパージガスを噴射するように構成することもできる。
【0099】
前記第1ガス排出領域(GE1)には、前記第1排気口114が位置することができる。前記第1排気口114は、前記第1ガス排出領域(GE1)に位置するように、前記工程チャンバー110に形成することができる。前記第1排気ライン210は、前記第1排気口114を介して前記第1ガス排出領域(GE1)に接続することができる。
【0100】
前記第2ガス排出領域(GE2)には、前記第2排気口114’が位置することができる。前記第2排気口114’は、前記第2ガス排出領域(GE2)に位置するように、前記工程チャンバー110に形成することができる。前記第2排気ライン220は、前記第2排気口114’を介して前記第2ガス排出領域(GE2)に接続することができる。
【0101】
図2図7を参照すると、本発明の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、区画部材を用いてガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離するように構成することもできる。
【0102】
このため、前記基板処理部100は、前記ガス排出領域(GE)に位置する区画部材116を含むことができる。前記区画部材116は、前記工程チャンバー110の内周面110aから前記基板支持部120の外周面120dに向かって突出して形成することができる。これにより、前記区画部材116は、前記ガス排出領域(GE)を前記第1ガス排出領域(GE1)及び前記第2ガス排出領域(GE2)に空間的に分離することができる。
【0103】
したがって、本発明の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、パージガスなしに、前記区画部材116を用いて、前記第1排気ガスおよび前記第2排気ガスが排出される過程で、互いに混合することを防止できるので、パージガスを用いるのと比較して、運用コストを削減することができる長所がある。
【0104】
前記区画部材116は、一側が前記工程チャンバー110の内周面110aに結合され、他側が前記基板支持部120の外周面120dに接触するように前記工程チャンバー110に結合することができる。前記区画部材116は、全体的に直方体状に形成することができるが、これに限定されず、前記ガス排出領域(GE)を空間的に分離することができる形態であれば他の形態で形成することもできる。前記基板処理部100は、前記区画部材116を複数個含むことができる。
【0105】
図8及び図9を参照すると、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、パージガスおよび区画部材の両方を用いてガス排出領域を第1ガス排出領域及び第2ガス排出領域に空間的に分離するように構成することもできる。
【0106】
このため、前記基板処理部100は、前記工程チャンバー110の内周面110aから前記基板支持部120の外周面120dの方に突出して形成される区画部材116を含むことができる。前記パージガス噴射部160は、前記基板支持部120の外周面120d及び前記区画部材116の間にパージガスを噴射することができる。これにより、前記ガス排出領域(GE)は、前記区画部材116およびパージガスの組み合わせを介して前記第1ガス排出領域(GE1)及び前記第2ガス排出領域(GE2)に空間的に分離することができる。
【0107】
したがって、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、次のような作用効果を図ることができる。
【0108】
まず、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、上述したパージガスのみを用いる場合と対比すると、前記パージガス噴射部160がパージガスを噴射する領域のサイズを減らすことができる。前記区画部材116が前記ガス排出領域(GE)を空間的に分離している部分には、パージガスを噴射する必要がないからである。したがって、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、前記第1排気ガスと前記第2排気ガスが排出される過程で、互いに混合することを防止することを可能にしながらも、そのために必要とされる運用コストを減らすことができる。
【0109】
第二に、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、上述した区画部材のみを用いる場合と対比すると、前記区画部材116が前記基板支持部120の外周面120dに接触しないように具現することができる。前記区画部材116および前記基板支持部120の外周面120dの間は、パージガスによって空間的に分離されるからである。したがって、本発明の他の変形された第1実施例に係る基板処理装置は、前記区画部材116が前記基板支持部120の外周面120dに接触することによって、摩擦によって摩耗、破損などが発生することを防止することにより、前記区画部材116および前記基板支持部120のメンテナンスコストを削減することができる。
【0110】
前記パージガス噴射部160は、前記ガス排出領域(GE)にパージガスを追加で噴射できるように、前記基板支持部120の直径に比べて大きく、前記工程チャンバー110の内径に比べて小さいパージガス噴射領域120cにパージガスを噴射するように構成することができる。
【0111】
[第2実施例]
まず、本発明の第2実施例に係る基板処理装置について説明する。
【0112】
図10は、本発明の第2実施例に係る基板処理装置のチャンバー側の一部分解概略斜視図であり、図11は、本発明の第2実施例に係る基板処理装置の排出部の構成を示した図10の「A-A」線の断面図であり、図12は、図10の平断面図である。
【0113】
基板(S)の処理とは、基板(S)に金属酸化膜を含む誘電膜または電極などのパターン形状の薄膜を形成することを含むことができる。
【0114】
図に示すように、本発明の第2実施例に係る基板処理装置は、シリコンウェハまたはガラスなどの基板(S)を投入して処理される空間が形成されたチャンバー310を含むことができる。チャンバー310は、上面が開放され、相対的に下側に位置した本体311と本体311の開放された上端面に結合され、比較的上側に位置した縁部315を含むことができる。
【0115】
本体311と縁部縁部315が相互に結合して、相対的に下側と上側にそれぞれ位置するので、チャンバー310の下面は、本体311の下面に対応し、チャンバー310の上面は、縁部縁部315に該当するのは当然である。
【0116】
チャンバー310の側面には、基板(S)をチャンバー310に搬入したり、チャンバー310の基板(S)を外部に搬出するための基板出入口311aを形成することができ、基板出入口311aは、開閉ユニット(不図示)によって開閉することができる。
【0117】
チャンバー310の内部下面側には基板(S)が搭載支持される基板支持部320を設置することができる。基板支持部320は、チャンバー310の内部に位置し、上面に基板(S)が搭載支持されるサセプター321と上端部がサセプター321の下面に結合され、下端部がチャンバー310の下面外側に露出した支持軸325を含むことができる。
【0118】
基板(S)が搭載支持されるサセプター321の部位には、基板(S)を加熱するためのヒータなどの加熱手段(不図示)を設置することができ、サセプター321の上面には、複数の基板を放射状に搭載支持することができる。そして、チャンバー310の外側の支持軸325の部位にはチャンバー310と支持軸325との間をシールするベローズなどシーリングモジュールを設置することができる。
【0119】
チャンバー310の外側に露出した支持軸325の部位は、駆動部330に接続することができ、駆動部330は基板支持部320を昇降させたり、回転させたりすることができる。つまり、駆動部330は、支持軸325を昇降させたり回転させたりして、サセプター321を昇降させたり回転させたりすることができる。これにより、サセプター321に搭載支持された基板(S)が昇降したり、支持軸325を中心に公転することができる。
【0120】
基板(S)に薄膜を蒸着するためには、工程ガスをチャンバー310に供給しなければならない。工程ガスは、ソースガスと反応ガスを含むことができ、ソースガスは、基板(S)に蒸着される物質であり、反応ガスは、ソースガスを基板(S)に安定して蒸着させるための物質であり得る。
【0121】
基板支持部320に搭載支持されて回転する基板(S)側にソースガスと反応ガスを噴射するために、チャンバー310の上面には、ソースガスを噴射する第1噴射部341と反応ガスを噴射する第2噴射部343をそれぞれ設置することができる。第1噴射部341は、チャンバー310の第1領域310aにソースガスを噴射することができ、第2噴射部343は、チャンバー310の第2領域310bに反応ガスを噴射することができる。ここで、ソースガスはアミン(Amine)が結合したジルコニウム(Zr)であり得、反応ガスは、O3であり得る。
【0122】
そして、第1噴射部341と第2噴射部343との間のチャンバー310の上面部位には、アルゴン(Ar)のような不活性ガスであるパージガスを基板(S)側に噴射する第3噴射部345を設置することができる。
【0123】
第3噴射部345は、第1領域310aと第2領域310b間にパージガスを噴射して、第1領域310aと第2領域310b間を空間的に分離することができる。それにより、第1噴射部341から噴射された第1領域310aのソースガスと第2噴射部343から噴射された第2領域310bの反応ガスが相互に混合することを防止できる。つまり、パージガスはエアカーテンの機能をする。
【0124】
第1噴射部341は、複数個が相互に間隔を有して設置することができ、第2噴射部343は、複数個を相互に間隔を有して設置することができる。そして、基板支持部320が回転することによって、基板(S)が、第1噴射部341の下側、第2噴射部343の下側に位置すると、基板(S)に、ソースガスと反応ガスが順次に噴射し、ソースガスと反応ガスの反応により基板(S)に薄膜が蒸着する。
【0125】
第1噴射部341及び第2噴射部343は、それぞれシャワーヘッドなどで設けることができる。基板(S)に、ソースガスと反応ガスを均一に噴射するために、第1噴射部341の下面及び第2噴射部343の下面には、複数の噴射孔をそれぞれ形成することができる。また、基板(S)の全面に、ソースガスと反応ガスが噴射されるように、基板支持部320の中心を基準として、第1噴射部341及び第2噴射部343の半径方向の長さは、基板(S)の直径よりも長いことが好ましい。
【0126】
第2噴射部343が配置されてチャンバー310の上面には、反応ガスをプラズマ状態で生成したり、個別に流入するガスをプラズマ状態に生成するためのプラズマ発生器351を設置することができる。そして、チャンバー310の外側には、プラズマ発生器351にRF(Radio Frequency)電源などを印加するための電源装置353とインピーダンスを整合するためのマッチングツール355を設置することができる。電源装置353は、接地することができ、プラズマ発生器351は、電源装置353を介して接地することができる。
【0127】
チャンバー310に供給されたソースガスは、一部のみ基板(S)に蒸着され、反応ガスは、一部のみのソースガスと反応する。従って、基板(S)に蒸着しない残りのソースガス、ソースガスと反応しない残りの反応ガスおよび蒸着工程時に発生する副生成物をチャンバー310の外部に排出しなければならない。
【0128】
本発明の第2実施例に係る基板処理装置は、基板(S)に蒸着しないソースガス、ソースガスと反応しない反応ガスおよび副生成物をチャンバー310の外部に排出させるための排出部360を含むことができ、排出部360は、第1排気ライン361、第2排気ライン363および排気ポンプ365を含むことができる。
【0129】
第1排気ライン361の一端は、第1領域310aの下側のチャンバー310の下面と連通し、他端は、排気ポンプ365側と連通することができる。そして、第1排気ライン361には、後述する第1捕集ユニット371を連通することができる。そして、第1排気ライン361は、第1領域310aに噴射されたソースガス中、基板(S)に蒸着しないソースガスと副生成物をチャンバー310の外側に排出させて、第1捕集ユニット371に流入させることができる。
【0130】
第2排気ライン363の一端部は、第2領域310bの下側のチャンバー310の下面と連通し、他端は、排気ポンプ365側と連通することができる。ここで、第2排気ライン363は、後述する第2捕集ユニット375と連通することができる。
【0131】
第1排気ライン361の他端は、第2排気ライン363の他端側と連通して排気ポンプ365側と連通することができる。そして、チャンバー310から排出されたソースガスと副生成物のうち、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物は、第2捕集ユニット375に流入して、再処理することができる。
【0132】
排気ポンプ365は、真空ポンプなどで設けることができ、前述したように、第2排気ライン363の他端と連通することができる。そして、排気ポンプ365が駆動すると、第1領域310aの基板(S)に蒸着していないソースガスと副生成物は、第1排気ライン361を介して第1捕集ユニット371に流入して、第2領域310bのソースガスと反応していない反応ガスと副生成物は、第2排気ライン363を介して第2捕集ユニット375に流入し、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物は、第2捕集ユニット375に流入する。
【0133】
チャンバー310から排出されたソースガスが排気ポンプ365に直接流入すると、排気ポンプ365から発生する熱や、第2排気ライン363を介して排気ポンプ365に流入する反応ガスと反応して排気ポンプ365の内面に蒸着し得る。そうなると、排気ポンプ365に蒸着したソースガスによって排気ポンプ365が破損し得る。また、最悪の場合には、排気ポンプ365から発生する熱によるソースガスの爆発の危険性があり得る。
【0134】
これを防止するために、本発明の第2実施例に係る基板処理装置は、第1排気ライン361に流入したソースガスと副生成物を粉末形態で捕集するための前述した第1捕集ユニット371を含むことができる。
【0135】
第1捕集ユニット371は、内部に上下に区画された複数の空間を形成することができ、ソースガスと副生成物は最上側の空間→中間の空間→最下側の空間の順に通過することができる。そして、第1捕集ユニット371に流入したソースガスと副生成物は粉末形態で、第1捕集ユニット371で捕集することができ、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物は、第2排気ライン363を介して第2捕集ユニット375に流入することができる。
【0136】
ソースガスと副生成物を第1捕集ユニット371で粉末形態で捕集するために、第1捕集ユニット371の最上側空間の部位には、プラズマ発生器373を設置することができ、プラズマ発生器373は、流入する酸素(O2)をプラズマに生成することができる。それによって、チャンバー310から排出されたソースガスと副生成物が酸素プラズマと反応して粉末形態で捕集することができる。
【0137】
本発明の第2実施例に係る基板処理装置は、第1捕集ユニット371で捕集されずに排出されるソースガスと副生成物が第2捕集ユニット375に流入する。従って、第2捕集ユニット375は、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物及び第2領域310b側から排出される反応ガスと副生成物を一緒に処理することができる。
【0138】
そして、第2捕集ユニット375は、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物及び第2領域310b側から排出される反応ガスと副生成物を粉末形態で捕集することができ、第2捕集ユニット375のソースガスと反応ガスと副生成物を粉末形態で捕集するために、第2噴射部343に供給されるO3を分岐して第2捕集ユニット375に供給することができる。
【0139】
詳細に説明すると、反応ガスであるO3を第2噴射部343に供給するための反応ガス供給ライン344を設置することができ、反応ガス供給ライン344の一側には、O3を第2捕集ユニット375に供給するための反応ガス分岐ライン344aを分岐形成することができる。それにより、第2捕集ユニット375は、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物及び第2領域310b側から排出される反応ガスと副生成物がO3と反応して粉末形態で捕集することができる。
【0140】
分岐ライン344aは、図11に実線で示すように、第1排気ライン361の他端部と排気ポンプ365との間の第2排気ライン363の部位と連通することができ、図11に点線で示すように、第1排気ライン361の他端部とチャンバー310との間の第2排気ライン363の部位と連通することができる。
【0141】
第1捕集ユニット371及び第2捕集ユニット375で捕集した粉末を波数(Wavenumbers)による吸収率(Absorptance)を分析した結果、プラズマ発生器373から酸素プラズマを発生し、第1捕集ユニット371に供給した場合には、ソースガスであるジルコニウムに結合しているアミンが検出されなかったが、酸素プラズマを第1捕集ユニット371に供給していない場合には、アミンが検出された。つまり、酸素プラズマを利用して、第1捕集ユニット371に流入したガスを処理した場合には、ジルコニウムに結合しているアミンが分解されたことが分かる。
【0142】
チャンバー310から排出されるアミンが結合したソースガスと副生成物は、第1捕集ユニット371及び第2捕集ユニット375で2回にわたって捕集され、チャンバー310から排出される反応ガスと副生成物は第2捕集ユニット375で捕集されるので、チャンバー310から排出されるソースガスと反応ガスおよび副生成物はほとんど捕集される。従って、第2捕集ユニット375から排出されるガスは、大部分がパージガスであり、一部の副生成物が含まれていることがあり得る。
【0143】
以下では、本発明に係る排気ガス処理方法の実施例について説明する。
【0144】
図13は、本発明に係る排気ガス処理方法を示したフローチャートである。
【0145】
本発明に係る排気ガス処理方法は、上述した本発明に係る基板処理装置によって実行することができる。以下では、図10図13を参照して、本発明に係る排気ガス処理方法を、上述した本発明の第2実施例に係る基板処理装置によって実行する場合を基準にして説明する。
【0146】
まず、基板支持部320に基板(S)を搭載し、基板支持部320を回転させながら、第3噴射部345を介してパージガスを噴射する。そして、パージガスによってチャンバー310の第1領域310aと第2領域310bが空間的に区画される。
【0147】
その後、チャンバー310の第1領域310aにソースガスであるジルコニウム(Zr)を噴射して、チャンバー310の第2領域310bに反応ガスであるO3を噴射しながら基板(S)に高誘電膜などの薄膜を蒸着する。そして、チャンバー310の第1領域310aに噴射したソースガスの一部は、基板(S)に蒸着し、残りは基板(S)に蒸着しない。そして、チャンバー310の第2領域310bに噴射された反応ガスの一部は、ソースガスと反応して、残りはソースガスと反応しない。
【0148】
これにより、チャンバー310の第1領域310aには、基板(S)に蒸着していないソースガスと蒸着工程時に発生する副生成物が存在し、チャンバー310の第2領域310bには、ソースガスと反応していない反応ガスと蒸着工程時に発生する副生成物が存在する。
【0149】
そして、図13に示すように、工程(S110)では、排気ポンプ365を駆動して、チャンバー310の第1領域310aに噴射したが基板(S)に蒸着していないソースガスと蒸着工程時に発生する副生成物を第1排気ライン361で抽出して排出させることができ、チャンバー310の第2領域310bに噴射したがソースガスと反応しない反応ガスと蒸着工程中に発生する副生成物を第2排気ライン363で抽出して排出させることができる。
【0150】
第1排気ライン361に流入したソースガスと副生成物及び第2排気ライン363に流入した反応ガスと副生成物が排気ポンプ365にそのまま流入して排出されると、ソースガスなどが排気ポンプ365の内面に蒸着して排気ポンプ365が破損することが起こり得る。
【0151】
これを防止するために、工程(S120)は、第1排気ライン361と連通して設置された第1捕集ユニット371のソースガスと副生成物を処理することができる。第1捕集ユニット371は、酸素(O2)プラズマを利用して、ソースガスと副生成物を処理することができる。そして、第1捕集ユニット371に流入するソースガスと副生成物は、酸素プラズマによって粉末形態で捕集することができる。
【0152】
第1捕集ユニット371に流入したソースガスと副生成物のほとんどは、第1捕集ユニット371に捕集されるが、一部は第1捕集ユニット371で捕集されないことがある。
【0153】
その後、工程(S130)は、第1捕集ユニット371で捕集されないソースガスと副生成物とチャンバー310の第2領域310bから排出される反応ガスと副生成物を第2捕集ユニット375で捕集することができ、第2捕集ユニット375は、反応ガスであるO3を利用して流入するソースガスと反応ガスと副生成物を捕集することができる。
【0154】
そして、第2捕集ユニット375に流入するソースガスと反応ガスと副生成物はO3によって粉末形態で捕集することができる。
【0155】
さらに、工程(S140)では、第2捕集ユニット375で捕集されずに排出されるガスを排気ポンプ365の内部に通過させて排出することができる。ここで、排気ポンプ365から排出されるガスは、大部分がパージガスであり得る。
【0156】
本発明の第2実施例に係る基板処理装置及び排ガス処理方法は、チャンバー310から排出されるソースガスと副生成物をプラズマで処理して、第1捕集ユニット371で粉末形態で捕集する。そして、第1捕集ユニット371で捕集されずに排出されるソースガスと副生成物とチャンバー310から排出される反応ガスと副生成物を一緒に第2捕集ユニット375で粉末形態で捕集する。それにより、ソースガスが排気ポンプ365に蒸着することが防止されるので、排気ポンプ365が損傷することを防止できる。
【0157】
そして、ソースガスが排気ポンプ365に蒸着しないので、排気ポンプ365から発生する熱によるソースガスの爆発の危険性が完全に除去される。
【0158】
本発明の第2実施例に係る基板処理装置は、チャンバー310の内部に噴射されるソースガスと反応ガスの噴射領域が異なるか、またはソースガスと反応ガスを時間差を置いて噴射することができる。そして、第2捕集ユニット375は、第1捕集ユニット371を通過しながら、プラズマ活性化された排気ガスの混合ガスを捕集することができ、第2捕集ユニット375は、非プラズマ方式でガスを捕集することができる。
【0159】
本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形で実施され得ることを理解できるだろう。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
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