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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】駆動信号を制限すること
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20220118BHJP
   G01H 13/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G01F1/84
G01H13/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018544873
(86)(22)【出願日】2016-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2016074628
(87)【国際公開番号】W WO2017143579
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2018-10-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, フォンチョアン
(72)【発明者】
【氏名】シェン, カイ
(72)【発明者】
【氏名】メイ, チャン
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】中塚 直樹
【審判官】濱野 隆
(56)【参考文献】
【文献】特公平7-26862(JP,B2)
【文献】特表2014-521085(JP,A)
【文献】特表2014-518391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
G01N 9/00
G01H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号を制限する方法であって、
共振周波数を有する計器アセンブリのための駆動信号を提供することと、
前記駆動信号が前記計器アセンブリの前記共振周波数に達しなかった場合、前記駆動信号が前記共振周波数に達する予想時刻に基づく第1の駆動期間後に、前記駆動信号を中断することと、を含み、
前記駆動信号を提供することは、前記共振周波数を含む一定の範囲にわたって前記駆動信号の周波数を掃引することを含む、方法。
【請求項2】
前記駆動信号を中断することは、休止部分によって前記駆動信号を中断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の駆動期間の後に前記計器アセンブリのための前記駆動信号を提供することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
駆動信号を制限するための計器電子回路(100)であって、
前記計器電子回路(100)は、
プロセッサ(110)と、
前記プロセッサ(110)に通信可能に結合されている1つまたは複数の信号プロセッサ(120)であって、前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、共振周波数を有する計器アセンブリ(10a、10b)のための駆動信号を提供することと、前記駆動信号が前記計器アセンブリ(10a、10b)の前記共振周波数に達しなかった場合、前記駆動信号が前記共振周波数に達する予想時刻に基づく第1の駆動期間(Ta)後に、前記駆動信号を中断することと、を行ように構成されており、
前記駆動信号を提供するように構成された前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、前記共振周波数を含む一定の範囲にわたって前記駆動信号の周波数を掃引するように構成された前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)を含む、1つまたは複数の信号プロセッサ(120)と、を備える、計器電子回路(100)。
【請求項5】
前記駆動信号を中断するように構成された前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、休止期間(Tb)によって前記駆動信号を中断するように構成された前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)を含む、請求項4に記載の計器電子回路(100)。
【請求項6】
前記1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、前記第1の駆動期間(Ta)後に前記計器アセンブリ(10a、10b)のための前記駆動信号を提供するようにさらに構成されている、請求項4または5に記載の計器電子回路(100)。
【請求項7】
駆動信号を制限するための二重振動センサシステム(5)であって、
前記二重振動センサシステム(5)は、
第1の計器アセンブリ(10a)と、
前記第1の計器アセンブリ(10a)に結合されている計器電子回路(100)と、
を備え、
前記計器電子回路(100)は、
共振周波数を有する前記第1の計器アセンブリ(10a)のための駆動信号を提供することと、
前記駆動信号が前記第1の計器アセンブリ(10a)の前記共振周波数に達しなかった場合、前記駆動信号が前記共振周波数に達する予想時刻に基づく第1の駆動期間(Ta)後に、前記駆動信号を中断することと、を行うように構成されており、
前記駆動信号を提供するように構成された前記計器電子回路(100)は、前記共振周波数を含む一定の範囲にわたって前記駆動信号の周波数を掃引するように構成された前記計器電子回路(100)を含む、二重振動センサシステム(5)。
【請求項8】
前記駆動信号を中断するように構成された前記計器電子回路(100)は、休止期間(Tb)によって前記駆動信号を中断するように構成された前記計器電子回路(100)を含む、請求項7に記載の二重振動センサシステム(5)。
【請求項9】
前記計器電子回路(100)は、前記第1の駆動期間(Ta)後に前記第1の計器アセンブリ(10a)のための前記駆動信号を提供するようにさらに構成されている、請求項7または8に記載の二重振動センサシステム(5)。
【請求項10】
前記二重振動センサシステム(5)は、第2の計器アセンブリ(10b)をさらに備え、前記計器電子回路(100)は、前記第2の計器アセンブリ(10b)に結合され、
前記計器電子回路(100)は、前記第2の計器アセンブリ(10b)のための他の駆動信号を提供するよう構成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の二重振動センサシステム(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明される実施形態は、振動センサに関し、より詳細には、駆動信号を制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、振動濃度計およびコリオリ流量計のような振動センサは、一般に知られており、質量流量および流量計内の導管を流れる材料に関する他の情報を測定するために使用される。例示的なコリオリ流量計は、米国特許第4,109,524号、米国特許第4,491,025号、および再発行特許第31,450号に開示されている。これらの流量計は、直線構成または湾曲構成の1つまたは複数の導管を有する計器アセンブリを有する。例えば、コリオリ質量流量計の各導管構成は、単純な屈曲、ねじり、または結合タイプであってもよい固有振動モードのセットを有する。各導管は好ましいモードで振動するように駆動することができる。流量計を通る流れがないとき、導管(複数可)に加えられる駆動力は、導管(複数可)に沿ったすべての点を同位相で、または流れがない状態で測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で振動させる。ゼロオフセットは、メータゼロと呼ばれる場合がある。
【0003】
材料が導管(複数可)を通って流れ始めると、コリオリの力により、導管(複数可)に沿った各点が異なる位相を有するようになる。例えば、流量計の入口端の位相は、中央のドライバ位置の位相より遅れ、一方、出口の位相は、中央のドライバ位置の位相より先行する。導管(複数可)上のピックオフが、導管(複数可)の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフからの信号出力が、ピックオフ間の時間遅延を決定するために処理される。2つ以上のピックオフ間の時間遅延は、導管(複数可)を流れる物質の質量流量に比例する。
【0004】
ドライバに接続された計器電子回路が、ドライバを動作させるとともに、ピックオフから受け取った信号からプロセス材料の質量流量および/または他の特性を決定するための駆動信号を生成する。ドライバは、多くの周知の構成の1つを含むことができる。しかしながら、磁石および対向する駆動コイルが、流量計業界において大きな成功を収めている。所望の導管振幅および周波数で導管(複数可)を振動させるために、交流電流が駆動コイルに送られる。ピックオフを、上記ドライバ構成に非常に類似した磁石およびコイルの構成として提供することも、当該技術分野において知られている。
【0005】
駆動信号は、駆動信号が計器アセンブリの共振周波数に達するまで、一定の周波数範囲にわたって掃引され得る。一般に、駆動信号が共振周波数に達すると、計器アセンブリに供給される駆動信号の振幅は減少する。例えば、駆動信号の電流が減少する可能性がある。しかし、駆動信号が共振周波数に達しないことがある。その結果、駆動信号の振幅は、最大またはそれに近いままであり得る。振幅を減少させることなく駆動信号を継続的に供給すると、計器電子回路内の温度の上昇などの望ましくない結果を引き起こす可能性がある。したがって、駆動信号を制限する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
駆動信号を制限する方法が提供される。一実施形態によれば、この方法は、計器アセンブリのための駆動信号を提供することを含み、計器アセンブリは、共振周波数を有する。この方法はまた、第1の駆動期間後に駆動信号を中断することを含み、第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく。
【0007】
駆動信号を制限するための計器電子回路が提供される。一実施形態によれば、計器電子回路は、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合された1つまたは複数の信号プロセッサとを備える。1つまたは複数の信号プロセッサは、計器アセンブリのための駆動信号を提供するように構成され、計器アセンブリは、共振周波数を有する。1つまたは複数の信号プロセッサはまた、第1の駆動期間の後に駆動信号を中断するように構成され、第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく。
【0008】
駆動信号を制限するための二重振動センサシステムが提供される。一実施形態によれば、二重振動センサシステムは、第1の計器アセンブリと、第1の計器アセンブリに結合された計器電子回路とを備える。計器電子回路は、第1の計器アセンブリのための駆動信号を提供することであって、第1の計器アセンブリは、共振周波数を有する提供することと、第1の駆動期間後に駆動信号を中断することであって、第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく、中断することとを行うように構成される。
態様
一態様によれば、駆動信号を制限する方法は、計器アセンブリのための駆動信号を提供することを含み、計器アセンブリは、共振周波数を有する。この方法はまた、第1の駆動期間後に駆動信号を中断することを含み、第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく。
【0009】
好ましくは、第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく所定の期間である。
【0010】
好ましくは、駆動信号を中断することは、休止部分によって駆動信号を中断することを含む。
【0011】
好ましくは、この方法は、第1の駆動期間の後に計器アセンブリのための駆動信号を提供することをさらに含む。
【0012】
好ましくは、駆動信号を提供することは、共振周波数を含む範囲にわたって駆動信号の周波数を掃引することを含む。
【0013】
一態様によれば、駆動信号を制限するための計器電子回路(100)は、プロセッサ(110)と、プロセッサ(110)に通信可能に結合された1つまたは複数の信号プロセッサ(120)とを備える。1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、計器アセンブリ(10a、10b)のための駆動信号を提供するように構成され、計器アセンブリ(10a、10b)は、共振周波数を有し、第1の駆動期間(Ta)後に駆動信号を中断し、第1の駆動期間(Ta)は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく。
【0014】
好ましくは、第1の駆動期間(Ta)は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく所定の期間である。
【0015】
好ましくは、駆動信号を中断するように構成された1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、休止期間(Tb)によって駆動信号を中断するように構成された1つまたは複数の信号プロセッサ(120)を含む。
【0016】
好ましくは、1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、第1の駆動期間(Ta)後に計器アセンブリ(10a、10b)のための駆動信号を提供するようにさらに構成される。
【0017】
好ましくは、駆動信号を提供するように構成された1つまたは複数の信号プロセッサ(120)は、共振周波数を含む範囲にわたって駆動信号の周波数を掃引するように構成された1つまたは複数の信号プロセッサ(120)を含む。
【0018】
一態様によれば、駆動信号を制限するための二重振動センサシステム(5)は、第1の計器アセンブリ(10a)と、第1の計器アセンブリ(10a)に結合された計器電子回路(100)とを備える。計器電子回路(100)は、第1の計器アセンブリ(10a)のための駆動信号を提供するように構成され、第1の計器アセンブリ(10a)は、共振周波数を有する。計器電子回路(100)はまた、第1の駆動期間(Ta)の後に駆動信号を中断するように構成され、第1の駆動期間(Ta)は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく。
【0019】
好ましくは、第1の駆動期間(Ta)は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づく所定の期間である。
【0020】
好ましくは、駆動信号を中断するように構成された計器電子回路(100)は、休止期間(Tb)によって駆動信号を中断するように構成された計器電子回路(100)を含む。
【0021】
好ましくは、計器電子回路(100)は、第1の駆動期間(Ta)後に第1の計器アセンブリ(10a)のための駆動信号を提供するようにさらに構成される。
【0022】
好ましくは、駆動信号を提供するように構成された計器電子回路(100)は、共振周波数を含む範囲にわたって駆動信号の周波数を掃引するように構成された計器電子回路(100)を含む。
【0023】
好ましくは、二重振動センサシステム(5)は、第2の計器アセンブリ(10b)をさらに備え、計器電子回路(100)は、第2の計器アセンブリ(10b)に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
同じ参照番号は、すべての図面上で同じ要素を表す。図面は必ずしも原寸に比例しないことを理解されたい。
図1】駆動信号を制限するための二重振動センサシステム5を示す図である。
図2】駆動信号を制限するための二重振動センサシステム5を示す図である。
図3】駆動信号を制限するための計器電子回路100のブロック図である。
図4】計器アセンブリの共振周波数に達する駆動信号を示すグラフ400を示す図である。
図5】計器アセンブリの共振周波数に達しない駆動信号を示すグラフ500を示す図である。
図6】中断されている駆動信号を示すグラフ600を示す図である。
図7】駆動信号を提供する方法700を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図7および以下の説明は、当業者に駆動信号の制限の実施形態の最良の形態を作成および使用する方法を教示するための特定の例を示している。本発明の原理を教示するために、いくつかの従来の態様は簡略化または省略されている。当業者であれば、本明細書の範囲内に入るこれらの例からの変形形態を理解するであろう。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて駆動信号の制限の複数の変形形態を形成することができることを理解するであろう。その結果、下記に説明する実施形態は、以下に説明する具体例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【0026】
駆動信号を制限することは、共鳴周波数を有する計器アセンブリのための駆動信号を提供することを含むことができる。駆動信号は、計器アセンブリに供給される場合もあれば、供給されない場合もある。例えば、試験中、駆動信号は、計器アセンブリの代わりに抵抗器に供給される場合がある。したがって、試験中、駆動信号は共振周波数に達しない場合がある。一方、駆動信号は、第1の駆動期間後に中断され得る。第1の駆動期間は、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づき得る。したがって、例えば、駆動信号が計器アセンブリに供給される通常の動作中、駆動信号は、計器アセンブリの共振周波数に達し得る。さらに、駆動信号が共振周波数に達していない場合、中断されることによって、計器電子回路の温度が温度閾値を超えないことができる。
二重振動センサシステム
図1は、駆動信号を制限するための二重振動センサシステム5を示す。図1に示すように、二重振動センサシステム5は、第1の振動センサ5aと第2の振動センサ5bとを備えている。第1の振動センサ5aおよび第2の振動センサ5bは、計器電子回路100ならびにそれぞれ第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bから構成されている。
【0027】
計器電子回路100は、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに通信可能に結合されている。第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bは、計器電子回路100上の第1の通信ポート27aおよび第2の通信ポート27bに結合(例えば、取り付け、固定など)される。第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bはまた、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10b上の第1の通信ポート7aおよび第2の通信ポート7bを介して、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに結合される。計器電子回路100は、経路26を介して情報をホストに提供するように構成されている。第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bは、流管を取り囲むケースとともに示されている。計器電子回路100ならびに第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bについては、図2および図3を参照して以下により詳細に説明する。
【0028】
さらに図1を参照すると、第1の振動センサ5aおよび第2の振動センサ5bは、例えば、供給ラインSLと戻りラインRLとの間の流量および/または総流量の差を計算するために使用することができる。より具体的には、二重振動センサシステム5は、流体が液体状態においてタンクから供給され、その後、気体状態でタンクに戻る低温応用形態で利用されてもよい。1つの例示的な低温応用形態では、第1の計器アセンブリ10aは、LNGをLNGディスペンサLDに供給する供給ラインSLの一部であってもよく、第2の計器アセンブリ10bは、LNGディスペンサLDからの戻りラインRLの一部であってもよい。第2の計器アセンブリ10bを通る総流量を、第1の計器アセンブリ10aを通る総流量から減算して、LNG車両に供給されるLNGの総量を決定することができる。供給ラインSLおよび戻りラインRLを有するこの例示的な応用形態は、二重振動センサシステム5が他の応用形態で使用されてもよいことを示すために点線で示されている。水素などの他の低温流体が利用されてもよい。これも理解されるように、説明されている実施形態および他の実施形態では、計算は計器電子回路100によって実行されることができ、これについては以下により詳細に説明する。
【0029】
図2は、駆動信号を制限するための二重振動センサシステム5を示す。図2に示すように、二重振動センサシステム5は、図1を参照して上述した第1の振動センサ5aと第2の振動センサ5bとを含む。計器電子回路100ならびに第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bの事例は、明確にするために示されていない。第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bは、プロセス材料の質量流量および密度に応答する。計器電子回路100は、経路26を介して密度、質量流量および温度情報ならびに他の情報を提供する、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに接続される。コリオリ流量計構造が記載されているが、本発明は代替的な流量計によって実践されてもよいことが当業者には明らかである。
【0030】
第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bは、平行な導管の対13a、13a’および13b、13b’、第1の駆動機構18aおよび第2の駆動機構18b、温度センサ19a、19b、ならびに左右のピックオフセンサの対17al,17arおよび17bl,17brを含む。導管の対13a、13a’および13b、13b’の各々は、導管13a、13a’および13b、13b’の長さに沿った2つの対称位置で屈曲し、それらの長さ全体にわたって本質的に平行である。導管13a,13a’および13b、13b’は、それぞれの曲げ軸の周りで反対方向に、かつ流量計の第1の位相外曲げモードと呼ばれるモードにおいて駆動機構18a、18bによって駆動される。駆動機構18a、18bは、導管13a’、13b’に取り付けられたマグネット、ならびに導管13a、13bに取り付けられており、両導管13a、13a’および13b、13b’を振動させるために交流電流が流れる対向するコイルのような多くの構成のいずれか1つを含むことができる。適切な駆動信号が、計器電子回路100によって駆動機構18a、18bに印加される。
【0031】
第1の振動センサ5aおよび第2の振動センサ5bは、最初に較正され得、ゼロオフセットΔT0と共に流量較正係数FCFが生成され得る。使用時には、流量較正係数FCFに、ピックオフによって測定される時間遅延ΔTからゼロオフセットΔT0を引いた値を乗算して、質量流量
【0032】
【数1】
【0033】
を生成することができる。流量較正係数FCFおよびゼロオフセットΔT0を利用する質量流量式の例は、式(1)によって表される。
【0034】
【数2】
【0035】
式中、
【0036】
【数3】
【0037】
FCF=流量較正係数
ΔTmeasured=測定される時間遅延
ΔT0=初期ゼロオフセット

温度センサ19a、19bは導管13a’、13b’に取り付けられて、導管13a’、13b’の温度を連続的に測定する。導管13a’、13b’の温度、したがって所与の電流に対して温度センサ19a、19bに見られる電圧は、導管13a’、13b’を通過する材料の温度によって決まる。温度センサ19a、19bにわたって見られる温度依存電圧は、計器電子回路100によって、導管温度の任意の変化に起因する導管13a’および13b’の弾性率の変化を補償するために使用することができる。図示の実施形態では、温度センサ19a、19bは抵抗温度検出器(RTD)である。本明細書で説明される実施形態はRTDセンサを使用するが、他の実施形態では、サーミスタ、熱電対などの他の温度センサが利用されてもよい。
【0038】
計器電子回路100は、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl、17brからの左右のセンサ信号、ならびに、第1の温度センサ19aおよび第2の温度センサ19bからの温度信号を、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して受信する。計器電子回路100は、駆動機構18a、18bに駆動信号を供給し、第1の導管の対13a、13a’および第2の導管の対13b、13b’を振動させる。計器電子回路100は、左右のセンサ信号および温度信号を処理して、第1の計器アセンブリ10aおよび/または第2の計器アセンブリ10bを通過する材料の質量流量および密度を計算する。この情報は、他の情報とともに、信号として経路26を介して計器電子回路100によって印加される。
【0039】
理解されるように、図1および図2に示す二重振動センサシステム5は2つの計器アセンブリ10a、10bのみを含むが、二重振動センサシステム5は3つ以上の計器アセンブリを含むシステムにおいて利用することができる。例えば、3つ以上の計器アセンブリと通信するように計器電子回路を構成することができる。そのような構成では、二重振動センサシステム5は、計器電子回路の一部、および、3つ以上の計器アセンブリのうちの2つであってもよい。
計器電子回路
図3は、駆動信号を制限するための計器電子回路100のブロック図を示す。図3に示すように、計器電子回路100は、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに通信可能に結合されている。第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bは、図1を参照して説明したように、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl,17brと、駆動機構18a、18bと、温度センサ19a、19bとを含み、これらは、第1の通信チャネル112aおよび第2の通信チャネル112bならびに第1の入出力ポート160aおよび第2の入出力ポート160bを通じて、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して計器電子回路100に通信可能に結合されている。
【0040】
計器電子回路100は、リード11a、11bを介して第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを供給する。より具体的には、計器電子回路100は、第1の計器アセンブリ10a内の第1の駆動機構18aに第1の駆動信号14aを供給する。計器電子回路100はまた、第2の駆動信号14bを第2の計器アセンブリ10b内の第2の駆動機構18bに供給するように構成されている。さらに、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bが、それぞれ第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bによって提供される。より具体的には、図示の実施形態では、第1のセンサ信号12aは、第1の計器アセンブリ10a内の第1の左右のピックオフセンサ17al,17arによって提供される。第2のセンサ信号12bは、第2の計器アセンブリ10b内の第2の左右のピックオフセンサ17bl,17brによって提供される。理解されるように、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bは、それぞれ第1の通信チャネル112aおよび第2の通信チャネル112bを通じて計器電子回路100に提供される。
【0041】
計器電子回路100は、1つまたは複数の信号プロセッサ120および1つまたは複数のメモリ130に通信可能に結合されたプロセッサ110を含む。プロセッサ110はまた、ユーザインターフェース30に通信可能に結合される。プロセッサ110は、経路26にわたって通信ポート140を介してホストと通信可能に結合され、電力ポート150を介して電力を受け取る。プロセッサ110はマイクロプロセッサであってもよいが、任意の適切なプロセッサが利用されてもよい。例えば、プロセッサ110は、マルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インターフェース(例えば、シリアル周辺インターフェース)、オンチップメモリ、I/Oポートなどのような、サブプロセッサから構成されてもよい。これらのおよび他の実施形態では、プロセッサ110は、デジタル化信号などの受信および処理された信号に対する演算を実行するように構成される。
【0042】
プロセッサ110は、1つまたは複数の信号プロセッサ120からデジタル化センサ信号を受信することができる。プロセッサ110はまた、位相差、第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10b内の流体の特性などの情報を提供するように構成されている。プロセッサ110は、通信ポート140を通じてホストに情報を提供することができる。プロセッサ110はまた、1つまたは複数のメモリ130と通信して、情報を受信し、および/または、1つまたは複数のメモリ130内に格納するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ110は、1つまたは複数のメモリ130から較正係数および/または計器アセンブリゼロ(例えば、流れがないときの位相差)を受信することができる。較正係数および/または計器アセンブリゼロの各々は、それぞれ第1の振動センサ5aおよび第2の振動センサ5bならびに/または第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bと関連付けることができる。プロセッサ110は、較正係数を使用して、1つまたは複数の信号プロセッサ120から受信したデジタル化センサ信号を処理することができる。
【0043】
1つまたは複数の信号プロセッサ120は、第1のエンコーダ/デコーダ(CODEC)122および第2のCODEC124ならびにアナログ-デジタルコンバータ(ADC)126から構成されるものとして示されている。1つまたは複数の信号プロセッサ120は、アナログ信号を調整し、調整されたアナログ信号をデジタル化し、および/またはデジタル化信号を提供することができる。第1のCODEC122および第2のCODEC124は、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl、17brから左右のセンサ信号を受信するように構成されている。第1のCODEC122および第2のCODEC124は、第1の駆動機構18aおよび第2の駆動機構18bに第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを供給するようにも構成される。代替的な実施形態では、より多くのまたはより少ない信号プロセッサが利用されてもよい。例えば、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bならびに第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bに対して単一のコーデックが利用されてもよい。付加的にまたは代替的に、単一のADC126の代わりに2つのADCが利用されてもよい。
【0044】
図示の実施形態では、1つまたは複数のメモリ130は、読み出し専用メモリ(ROM)132、ランダムアクセスメモリ(RAM)134、および強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))136から構成される。しかし、代替の実施形態では、1つまたは複数のメモリ130は、より多くのまたはより少ないメモリから構成されてもよい。付加的または代替的に、1つまたは複数のメモリ130は、異なるタイプのメモリ(例えば、揮発性、不揮発性など)から構成されてもよい。例えば、FRAM(登録商標)136の代わりに、例えば、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのような異なる種類の不揮発性メモリが利用されてもよい。
【0045】
同じく理解されるように、図3に示す二重振動センサシステム5は2つの計器アセンブリ10a、10bのみを含むが、二重振動センサシステム5は3つ以上の計器アセンブリを含むシステムにおいて利用することができる。例えば、3つ以上の計器アセンブリと通信するように計器電子回路を構成することができる。そのような構成では、二重振動センサシステム5は、計器電子回路の一部、および、3つ以上の計器アセンブリのうちの2つであってもよい。
【0046】
二重振動センサシステム5内の計器電子回路100は、第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに供給することができる。しかし、計器電子回路100は、第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10bがそれぞれの共鳴周波数に達することができないときに、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに駆動信号を供給することを要求され得る。付加的または代替的に、第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bは、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10b以外のものに供給されてもよい。例えば、試験中、第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bは、共振周波数を有しない場合がある抵抗器に供給されてもよい。結果として、計器電子回路100によって引き出される電力は、例えば、以下の説明が示すように、計器電子回路100が、閾値などを超えるようにすることができる。
駆動信号
図4は、計器アセンブリの共振周波数に達する駆動信号を示すグラフ400を示す。図4に示すように、グラフ400は、時間軸410および振幅軸420を含む。第1の駆動信号430が、時間軸410に沿ってプロットされている。理解されるように、第1の駆動信号430は時間とともに変化する振幅で時間軸410の周りを振動する。図4に示すように、第1の駆動信号430は、非共振部分432および共振部分434を含む。
【0047】
非共振部分432は、実質的に一定の振幅で示されている。非共振部分432の周波数は時間とともに変化する。例えば、非共振部分432は、計器アセンブリの共振周波数に達するまで、低周波数から高周波数へと掃引することができる。第1の駆動信号430が計器アセンブリの共振周波数に達すると、第1の駆動信号430の振幅は、第1の駆動信号430の共振部分434において減少する。
【0048】
第1の駆動信号430の共振部分434は、第1の駆動信号430の非共振部分432の振幅よりも小さい振幅を有する。同じく理解され得るように、駆動信号430の共振部分434における振幅は変化する。共振部分434の振幅は、例えば、流体の特性が変化することに起因して変化し得る。しかしながら、駆動信号が計器アセンブリの共振周波数に達することに起因して、共振部分434の振幅は、非共振部分432の振幅よりも小さい。以下の説明は、計器アセンブリの共振周波数に達しない駆動信号を示す。
【0049】
図5は、計器アセンブリの共振周波数に達しない駆動信号を示すグラフ500を示す。図5に示すように、グラフ500は、時間軸510および振幅軸520を含む。第2の駆動信号530が、時間軸510に沿ってプロットされている。理解されるように、第2の駆動信号530は実質的に経時的に一定である振幅で時間軸510の周りを振動する。図5に示すように、図4に示す第1の駆動信号430とは対照的に、第2の駆動信号530は、共振部分を含まない。
【0050】
計器アセンブリの共振周波数に達する代わりに、第2の駆動信号530は、ほぼ同じ振幅で、高周波数と低周波数との間を掃引し続ける。すなわち、駆動信号が決して共振周波数に達しないため、駆動信号の振幅は決して減少しない。さらに、振幅は、計器電子回路によって提供され得る最大電流またはそれに近い電流であり得る。結果として、前述の計器電子回路100のような計器電子回路は、図4に示す第1の駆動信号430に関連する温度に比べてより高い温度を有することができる。
【0051】
第2の駆動信号530に関連する温度は、過度であり得る。すなわち、温度が温度閾値を超え得る。例えば、計器電子回路の電流制限構成要素などの保護構成要素は、温度変動のために電力定格が低下する可能性がある。温度が高いほど、保護構成要素の電力定格は低くなる。さらに、安全性試験の間、抵抗器を計器アセンブリの代わりに利用することができる。
【0052】
例えば、図3を参照すると、第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bは、第1の入出力ポート160aおよび第2の入出力ポート160bに結合された抵抗器に提供されてもよい。抵抗器は共振周波数を有しなくてもよく、したがって、第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bは第2の駆動信号530と同様に見える。理解されるように、抵抗器による安全試験中に計器電子回路100に供給される電力は、以下の表が示すように、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bによる動作中に計器電子回路100に供給される電力と同じでなくてもよい。
【0053】
【表1】
【0054】
上記の表は、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bが計器電子回路100に結合されたときに計器電子回路100に供給される電力が、抵抗が使用されるときに計器電子回路100に供給される電力よりも小さいことを示している。
【0055】
安全性試験の間、周囲温度が60℃である一方で、計器電子回路100の温度は70℃に達し得る。70℃では、電力構成要素は、計器電子回路100に供給される電力と同じかまたはそれより小さい安全電力定格を有することができる。結果として、計器電子回路100に供給される電力が、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bが利用されるときの安全電力定格よりも著しく小さい場合があっても、計器電子回路100は安全試験に不合格になる可能性がある。
【0056】
しかしながら、安全性試験の間、図5に示す第2の駆動信号530とは異なる駆動信号を使用することができる。例えば、休止部分によって第2の駆動信号530を中断することによって、保護構成要素を非定格にする温度上昇を回避することができる。第2の駆動信号530を中断することにより、温度は70℃に上昇しないようにすることができる。その結果、保護部品の定格電力は、70℃に関連付けられる定格電力よりも高くなる可能性がある。例示的な駆動信号は、図6を参照して以下により詳細に説明される。
【0057】
図6は、中断されている駆動信号を示すグラフ600を示す。図6に示すように、グラフ600は、時間軸610および振幅軸620を含む。第3の駆動信号630が、時間軸610に沿ってプロットされている。理解されるように、第3の駆動信号630は時間とともに変化する振幅で時間軸610の周りを振動する。図6に示すように、図5に示す第2の駆動信号530とは対照的に、第3の駆動信号630は、共振部分を含まない。しかし、第3の駆動信号630は、第1の駆動部分632および第2の駆動部分634を含む。第1の駆動部分632と第2の駆動部分634との間には、休止部分636がある。
【0058】
図6に示すように、第3の駆動信号630は、第1の駆動期間Taの後に中断される。すなわち、第3の駆動信号630が第1の駆動期間Ta以内に計器アセンブリの共振周波数に達しない場合、第3の駆動信号630は休止部分636によって中断される。第1の駆動期間Taは、所定の期間であってもよい。第1の駆動期間Taはまた、駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づき得る。すなわち、第1の駆動期間Taは、例えば計器アセンブリが計器電子回路に結合されている場合、駆動信号が第1の駆動期間Ta内に計器アセンブリの共振周波数に達するように、十分に長くすることができる。
【0059】
図6に示すように、休止部分636は休止期間Tbを有する。休止期間Tbは、例えば、上述した計器電子回路100のような計器電子回路の温度が温度閾値を超えないように選択されてもよい。しかし、休止期間Tbは、例えば、計器電子回路によって引き出される平均電力を制限する、第1の駆動期間Taおよび休止期間Tb中に引き出される総電流を制限するなど、任意の適切な閾値に基づいて選択されてもよい。図6に示すように、休止部分636は、第3の駆動信号630がゼロであるかまたはゼロに近いときである。例えば、前に示した計器電子回路100のような計器電子回路は、第3の駆動信号630を0アンペアまたはそれに近い値に低減することができる。
【0060】
第3の駆動信号630は、休止部分636によって中断されているものとして上述したが、第3の駆動信号630は、他の部分によって中断されてもよい。例えば、電流がゼロアンペアであるかまたはゼロアンペアに近い休止部分636の代わりに、第3の駆動信号630は、比較的低い電流(例えば、第1の駆動部分632よりも小さい)の期間によって中断されてもよい。付加的または代替的に、他の期間を利用してもよい。例えば、第2の駆動部分634の後に第2の休止部分が続いてもよい。第2の駆動部分634はまた、第1の駆動部分632とは異なる期間を有していてもよい。これらおよび他の実施形態では、駆動信号は、図7を参照して以下に説明する方法のような様々な方法を使用して提供することができる。
方法
図7は、駆動信号を提供する方法700を示す。図7に示すように、方法700は、計器アセンブリのための駆動信号を提供することによって開始する。計器アセンブリは、共振周波数を有することができる。駆動信号は、例えば上述した計器電子回路100などの計器電子回路によって供給されてもよい。ステップ720において、方法700は、第1の駆動期間後に駆動信号を中断する。第1の駆動期間は、第1の駆動信号が共振周波数に達する予想時刻に基づき得る。
【0061】
ステップ710において、方法700は、動作中、試験中、または任意の他の適切なプロセス中に、計器アセンブリのための駆動信号を提供することができる。例えば、方法700は、抵抗器が第1の入出力ポート160aおよび第2の入出力ポート160bに結合されているときに、上述の計器電子回路100に、試験中に第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bのための第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを提供させることができる。したがって、駆動信号は、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに供給されるが、抵抗器に供給されてもよい。試験、動作、または他の適切なプロセスの間に、計器電子回路100によって供給される駆動信号は、第1の駆動部分632および第2の駆動部分634を含む第3の駆動信号630、または中断されている他の適切な駆動信号であってもよい。
【0062】
ステップ720において、方法700は、図6を参照して説明した第1の駆動期間Taのような第1の駆動期間の後に駆動信号を中断することができる。第1の駆動期間Taの後、第3の駆動信号630は休止部分636によって中断される。第1の駆動期間Taはまた、第3の駆動信号630が共振周波数に達する予想時刻に基づき得る。例えば、設計、較正などの間に、第3の駆動信号630が共振周波数に達する時間は、任意の適切な予想時刻が利用されてもよいが、約16秒であってもよい。
【0063】
第1の駆動期間Taはまた、閾値に基づき得る。例えば、第1の駆動期間Taは、計器電子回路100が上述した70℃などの温度閾値に達するのに必要な時間よりも短くてもよい。しかしながら、例えば、計器電子回路100によって引き出される電力の平均電力閾値、第1の駆動期間Taおよび休止期間Tbの間に引き出される電流の合計電流閾値などのような、他の閾値が利用されてもよい。したがって、第1の駆動期間Taは、第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10bがそれぞれの共振周波数に達するのに必要な時間よりも長くてもよく、計器電子回路100が閾値に達するのに要する時間よりも短くてもよい。
【0064】
第1の駆動期間Taは、時間の単一または複数の測定値および/または閾値、シミュレーション結果などの任意の適切なプロセスを用いて決定することができる。例えば、較正の間、第1の駆動信号430は、第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10bに供給されてもよい。第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10bがそれぞれの共振周波数に達するのに要する時間は、計器電子回路100内の1つまたは複数のメモリ130に格納することができる。付加的または代替的に、計器電子回路100は、安全性試験中に第1の入出力ポート160aおよび第2の入出力ポート160bに結合された抵抗器に第2の駆動信号530を提供することができる。閾値に達するのに必要な時間はまた、1つまたは複数のメモリ130に格納することができる。
【0065】
例えば、動作中、計器電子回路100は、第3の駆動信号630を第1の計器アセンブリ10aおよび/または第2の計器アセンブリ10bに提供することができる。第1の駆動期間Taは、第1の計器アセンブリ10aまたは第2の計器アセンブリ10bがそれぞれの共振周波数に達するのに必要な時間よりも長く、計器電子回路100が閾値に達するのに要する時間よりも短くてもよい。結果として、計器電子回路100は、例えば、駆動信号が第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bの共鳴周波数に達しなくても、温度を70℃に上昇させることなく、第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bを駆動することができる。
【0066】
理解されるように、駆動信号が計器アセンブリの共振周波数に達すると、駆動信号が中断されない場合がある。より具体的には、前述の実施形態を参照すると、計器電子回路100は、第3の駆動信号630を第1の計器アセンブリ10aおよび/または第2の計器アセンブリ10bに供給することができるが、第3の駆動信号630は、第1の駆動期間Ta以内に第1の計器アセンブリ10aおよび/または第2の計器アセンブリ10bの共振数端数に達し得る。計器電子回路100は、第1の駆動期間Ta内に第3の駆動信号630が共振周波数に達したことを検出することができる。したがって、計器電子回路100は、図6に示すように、休止部分636を有する第3の駆動信号630を中断しない。代わりに、計器電子回路100は、図4に示す第1の駆動信号430と同様であり得る駆動信号を提供し続ける。
【0067】
上述の実施形態は、駆動信号を提供するための二重振動センサシステム5および方法700を提供する。二重振動センサシステム5および方法700は、第3の駆動信号630などの駆動信号を第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bに供給し、駆動信号を中断して、例えば、計器電子回路100の温度が温度閾値を超えないことを保証することができる。温度閾値を超えないことにより、同じクランプダイオードのような同じ保護構成要素を、二重振動センサシステム5の異なる構成に用いることができる。これは、二重振動センサシステム5の異なる構成、より高価な保護構成要素等をサポートするための代替的な設計に関連するコストを低減することができる。例えば、二重振動センサシステム5が第1の計器アセンブリ10aおよび第2の計器アセンブリ10bの一方のみまたは両方を含む場合、保護構成要素を有する単一の設計を利用することができる。
【0068】
上記の実施形態の詳細な説明は、本開示の範囲内であると本発明者らが考えているすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者であれば、上述の実施形態の特定の要素は、さらなる実施形態を作成するために様々に組み合わせまたは削除されてもよく、このようなさらなる実施形態は、本開示の範囲および教示内に入ることを認識するであろう。また、当業者には、本開示の範囲および教示内で追加の実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的または部分的に組み合わせてもよいことは明らかであろう。
【0069】
したがって、特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者には理解されるように、本明細書の範囲内で様々な均等な変更が可能である。本明細書で提供される教示は、上述され添付の図面に示されている実施形態だけでなく、駆動信号を制限するための他のシステムおよび方法に適用することができる。したがって、上述の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7