(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】真空を生むためのベンチュリデバイスのベンチュリギャップ内のバルブゲート
(51)【国際特許分類】
F02M 25/08 20060101AFI20220118BHJP
F01M 13/00 20060101ALI20220118BHJP
F16K 3/02 20060101ALI20220118BHJP
F16K 51/02 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F02M25/08 N
F01M13/00 G
F16K3/02 C
F16K51/02 B
(21)【出願番号】P 2019515573
(86)(22)【出願日】2017-09-21
(86)【国際出願番号】 US2017052642
(87)【国際公開番号】W WO2018057692
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-18
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512309299
【氏名又は名称】デイコ アイピー ホールディングス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DAYCO IP HOLDINGS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キース・ハンプトン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・イー・フレッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エム・グレイチェン
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0233393(US,A1)
【文献】米国特許第01708805(US,A)
【文献】特表2016-523200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/08
F01M 13/00
F16K 3/02
F16K 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空を生成するためのベンチュリデバイスであって、
起動流出口を画定する収束起動セクションの流出口端部と
排出流入口を画定する拡張排出セクションの流入口端部との間にベンチュリギャップを画定する本体部と、
前記ベンチュリギャップと流体連通する吸引ポートと、
前記ベンチュリギャップを開閉するために直線的に平行移動可能なゲートバルブであって、前記ゲートバルブは、長手方向断面におい
てU字状であり、それによって、
前記ゲートバルブが閉位置にあるときにそれらの間に流れが存在しないように起動流出口および排出流入口の一方を各々が閉鎖する連続的な対向する側部を有し、
前記ゲートバルブは前記対向する側部の間に前記吸引ポートと流体連通する
前記ゲートバルブの空隙を画定する、ゲートバルブと、
前記ゲートバルブを開位置と
前記閉位置との間で動作可能に移動させるように前記ゲートバルブに接続されたアクチュエータと、
を備える、ベンチュリデバイス。
【請求項2】
前記ゲートバルブの前記対向する側部は、それぞれ板バネとして働き、概して互いから離れる方向に付勢されている、請求項1に記載のベンチュリデバイス。
【請求項3】
前記収束起動セクションの中央長手軸を横断するゲートポケットを有し、前記ゲートバルブは、前記ゲートポケット内に滑動可能に設置される、請求項1に記載のベンチュリデバイス。
【請求項4】
前記ゲートバルブは、前記吸引ポートにより近い端部においてより広くなっている台形状の背面を有し、または、中央領域においてよりも対向する端部において
より広くなっている全体的に砂時計状の背面を有する、請求項3に記載のベンチュリデバイス。
【請求項5】
前
記起動流出
口は楕円状または多角形状であり、
前記排出流入口
は楕円状または多角形状であり、前記楕円状は0よりも大きい偏心率を有する、請求項1に記載のベンチュリデバイス。
【請求項6】
前記ゲートバルブは、前記楕円状または多角形状の起動流出口に対して、前記起動流出口の短軸に平行な平面における最短のストローク距離での直線的な平行移動のために位置決めされる、請求項5に記載のベンチュリデバイス。
【請求項7】
前記収束起動セクションは、円状の起動流入口から前記楕円状または多角形状の起動流出口へと双曲線関数として遷移する内側通路を画定し、前記楕円状または多角形状の起動流出口は、前記円状の起動流入口の面積よりも小さな面積を有する、請求項5に記載のベンチュリデバイス。
【請求項8】
前記ベンチュリギャップは(起動質量流量)
nに比例し、ここで、nは0.25から0.8
の範囲内である、請求項5に記載のベンチュリデバイス。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記ゲートバルブを開位置と閉位置との間で動作可能に移動させるように前記ゲートバルブに接続された空気圧式アクチュエータまたはソレノイド式アクチュエータ
である、請求項1に記載のベンチュリデバイス。
【請求項10】
前記吸引ポートは、前記収束起動セクションの前記流出口端部の側部および前記拡張排出セクションの前記流入口端部の側部の周りにおいて下向きに延在し
、前記収束起動セクションの前記流出口端部および前記拡張排出セクションの前記流入口端部の外部輪郭は、概してそれぞれの内部形状と一致する、請求項1に記載のベンチュリデバイス。
【請求項11】
真空を要するデバイスと流体連通する前記吸引ポートと、流体源と流体連通する前記収束起動セクションとを有する、請求項1に記載のベンチュリデバイスを備える、システム。
【請求項12】
前記流体源は、内燃機関におけるスーパーチャージャまたはターボチャージャのコンプレッサである、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記拡張排出セクションは前記流入口端部の反対側に排出出口
を規定し、
前記排出出口は前記内燃機関の吸気マニホールドと流体連通する、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体源は、内燃機関における吸気フィルタからの大気である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項15】
排出出口は、前記内燃機関の吸気マニホールドと流体連通する、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ゲートバルブの前記対向する側部は、それぞれ板バネとして働き、概して互いから離れる方向に付勢され、一方は前記収束起動セクションの前記流出口端部と係合し、他方は前記拡張排出セクションの前記流入口端部と係合する、請求項
11に記載のシステム。
【請求項17】
前記収束起動セクションの中央長手軸を横断するゲートポケットを画定し、
前記起動流出口は、楕円状または多角形状であり、かつ前記ゲートバルブは、前記ゲートポケット内において、楕円状または多角形状の起動流出口に対して、前記起動流出口の短軸に平行な平面における最短のストローク距離での直線的な平行移動のための位置に滑動可能に設置され
ており、前記楕円状は0よりも大きい偏心率を有する、請求項
11に記載のシステム。
【請求項18】
前記ゲートバルブは、前記吸引ポートにより近い端部においてより広くなっている台形状の背面を有する、請求項
11に記載のシステム。
【請求項19】
前記収束起動セクションは、
円状の起動流入口か
ら前記起動流出口へと双曲線関数として遷移する内側通路を画定し、前
記起動流出口は
楕円状または多角形状あるとともに、前記円状の起動流入口の面積よりも小さな面積を有
しており、前記楕円状は0よりも大きい偏心率を有する、請求項
11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2016年9月21日に出願された米国仮出願第62/397,477号の利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、ベンチュリ効果を使用して真空を生むためのベンチュリデバイスに関し、より具体的には、ベンチュリギャップを通る流れを制御するためにベンチュリギャップ内にバルブゲートを有するようなデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン、例えば車両のエンジンは、小型化および増強がなされており、このことは、エンジンから得られる真空を減少させている。この真空は、車両ブレーキブースタによる使用を含む多くの潜在的な用途を有する。
【0004】
この真空の不足への1つの解決策は、真空ポンプを設置することである。しかしながら、真空ポンプは、エンジンに対してコストおよび重量において著しい不利益を課し、その電力消費により追加的な発電機容量が必要となる場合があり、その非効率性が燃費改善作用を妨げる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国出願第14/154,268号
【文献】米国出願第14/277,815号
【文献】米国出願第14/473,151号
【文献】米国出願第14/734,228号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
別の解決策は、ベンチュリデバイスであり、これは、吸引真空を生成するためにベンチュリデバイスを通るエンジン空気流路を生むことにより真空を生成する。既存のベンチュリデバイス(すなわち、その起動セクション内)を通る流れは、典型的には、それに連続するバルブによって制御され、これは、接続部、チューブ、組み立てステップなどを必要とする。このことは、ベンチュリデバイスが、大型で、重量のある、比較的高価なシステムの小部分となるシステムをもたらす。このシステムを単純化し、よりコンパクト、より軽量で、手ごろな価格とすることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において、エンジン空気の消費を減少させつつ増加した真空圧および増加した吸引質量流量を生成するベンチュリデバイスが開示される。これらのデバイスは、収束起動セクションの流出口端部と拡張排出セクションの流入口端部との間にベンチュリギャップを画定する本体部を含む。収束起動セクションは、楕円状または多角形状の内部断面の起動流出口を有し、拡張排出セクションは、楕円状または多角形状の内部断面の排出流入口を有し、収束起動セクションおよび拡張排出セクションは一緒に、起動流入口を楕円状または多角形状の起動流出口に、もしくは楕円状または多角形状の排出流入口を排出流出口に接続する双曲面曲線によって形成される内側通路を画定する。一実施形態において、起動流入口または排出流出口のうちの少なくとも一方は円状の内部断面を有する。
【0008】
ベンチュリデバイスは、ベンチュリギャップと流体連通する空隙を画定する吸引ポートを含み得る。ここで、収束起動セクションの流出口端部を画定する本体部の第1の部分と、拡張排出セクションの流入口端部を画定する本体部の第2の部分とは、空隙の表面に置かれ、空隙は、第1の本体部分および第2の本体部分の両方の側部の周りで下向きに延在する。一実施形態において、本体部の第1の部分および第2の部分の両方の外部輪郭は、概して流入口端部および流出口端部の内部断面とそれぞれ一致する。
【0009】
一態様において、真空を生成するためのベンチュリデバイスは、収束起動セクションの流出口端部と拡張排出セクションの流入口端部との間にベンチュリギャップを画定する本体部と、ベンチュリギャップと流体連通する吸引ポートと、ベンチュリギャップを開閉するために直線的に平行移動可能なゲートバルブと、ゲートバルブを開位置と閉位置との間で動作可能に移動させるようにゲートバルブに接続されたアクチュエータと、を有する。収束起動セクションは、円状の起動流入口と楕円状または多角形状の起動流出口とを画定し、拡張排出セクションは、楕円状または多角形状の排出流入口を画定する。ゲートバルブは、(長手方向断面において)全体的にU字状であり、それによって、連続的な対向する側部を有し、これらの側部は、起動流出口および排出流入口を各々が閉鎖し、それらの間に吸引ポートと流体連通する空隙を画定する。ゲートバルブの対向する側部は、それぞれ板バネとして働き、概して互いから離れる方向に付勢され、それぞれ、収束起動セクションの流出口端部および拡張セクションの流入口端部と係合する。
【0010】
下側本体部は、収束起動セクションの中央長手軸を横断するゲートポケットを有し、ゲートバルブは、下側本体部の側部から進入し、できる限り最小のストローク距離を有する。ゲートバルブは、ゲートポケット内に滑動可能に設置され、吸引ポートにより近い端部においてより広くなっている台形状の背面または他の多角形状の背面を有する。
【0011】
ベンチュリデバイスの実施形態の任意のものは、ゲートバルブを開位置と閉位置との間で動作可能に移動させるようにゲートバルブに接続された空気圧式アクチュエータまたはソレノイド式アクチュエータなどの電磁式アクチュエータを有し得る。
【0012】
ベンチュリデバイスの全ての実施形態は、典型的には、楕円状または多角形状の起動流出口および/または排出流入口に対して、起動流出口または排出流入口の短軸に平行な平面における最短のストローク距離での直線的な平行移動のために位置決めされたゲートバルブを有する。
【0013】
ベンチュリデバイスの実施形態の全てにおいて、収束起動セクションは、円状の起動流入口から楕円状または多角形状の起動流出口へと双曲線関数として遷移する内側通路を画定し、楕円状または多角形状の起動流出口は、円状の起動流入口の面積よりも小さな面積を有する。吸引ポートは、収束起動セクションの流出口端部の側部および拡張排出セクションの流入口端部の側部の周りにおいて下向きに延在し得、それらの全ての側部の間に空隙を画定し、収束起動セクションの流出口端部および拡張排出セクションの流入口端部の外部輪郭は、概してそれぞれの内部形状と一致する。
【0014】
ベンチュリデバイスの実施形態の全てにおいて、楕円状または多角形状の起動流出口は、短軸に対する長軸の比率が約2から約4であり、楕円状または多角形状の排出流入口は、楕円状または多角形状の起動流出口に対して、ピーク起動流量に対する排出流入口の面積と起動流出口の面積との差の比率((排出流入口の面積-起動流出口の面積)/ピーク起動流量)に定数が乗じられた0.28よりも大きな比率でオフセットされ、定数は音速に起動流出口における流体の濃度を乗じたものに等しい。ベンチュリギャップは(起動質量流量)nに比例し、ここで、nは0.25から0.8である。
【0015】
自動車の内燃機関システムなどのシステムにおいて、吸引ポートは、真空を要するデバイスと流体連通し、収束起動セクションは流体源と流体連通する。起動流入口に接続される流体源は、内燃機関におけるスーパーチャージャまたはターボチャージャのコンプレッサであり、排出出口は、内燃機関の吸気マニホールドと流体連通する。別の実施形態において、流体源は、吸気フィルタからの大気であり、排出出口は、内燃機関の吸気マニホールドと流体連通する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ベンチュリデバイスの一実施形態の側部長手方向断面平面図である。
【
図2】
図1のベンチュリデバイスの断面の上部平面図である。
【
図3】起動セクションおよび排出セクションにおいて円状の横断面を有する従来技術のベンチュリデバイスにおけるベンチュリデバイスの吸引ポートの接合部における中央長手軸Bに平行な平面に沿った側部断面斜視図である。
【
図4A】
図2のベンチュリデバイスの吸引ポートの接合部における中央長手軸Bに平行な平面に沿った側部断面斜視図である。
【
図4B】
図4Aにおけるベンチュリギャップの体積部の図である。
【
図5A】ベンチュリデバイスの別の実施形態における吸引ポートの接合部における中央長手軸Bに平行な平面に沿った側部断面斜視図である。
【
図5B】
図5Aにおけるベンチュリギャップの体積部の図である。
【
図6】ベンチュリデバイス流出口からベンチュリデバイス内を見た平面図であり、起動流出口端部と排出流入口端部との間のオフセットを図示する図である。
【
図7】ベンチュリデバイスの起動セクション内の内部通路のモデルである。
【
図8】異なる選択マニホールド真空値において、本明細書において開示される双曲面楕円状ベンチュリデバイスのベンチュリデバイス吸引流量を円錐円状ベンチュリデバイス(従来技術)に対して比較したグラフ表示である。
【
図9】マニホールド真空が増加したときについて、本明細書において開示される双曲面楕円状ベンチュリデバイスの真空を円錐円状吸引器(従来技術)に対して比較したグラフ表示である。
【
図10】マニホールド真空が増加したときについて、本明細書において開示される双曲面楕円状ベンチュリデバイスによってキャニスターを排気する時間を円錐円状吸引器(従来技術)に対して比較したグラフ表示である。
【
図11】ベンチュリギャップ内へと直線的に平行移動可能なゲートバルブを有するベンチュリデバイスの下側ハウジングセクションの側部斜視図である。
【
図12】閉位置にあるゲートバルブを図示する、吸引ポートの上部平面図である。
【
図13】開位置にあるゲートバルブを図示する、吸引ポートの上部平面図である。
【
図17】同一条件におけるゲート制御されたベンチュリデバイスのゲート制御されないベンチュリデバイスに対する性能比較からのデータのチャートである。
【
図18】ベンチュリデバイスの実施形態の未組み立て状態の長手方向断面図である。
【
図19】ベンチュリデバイスの別の実施形態の側部長手方向断面平面図である。
【
図20】
図19のベンチュリデバイスの本体部のみの側部斜視図である。
【
図21】
図19のベンチュリデバイスのベンチュリギャップの詳細な図である。
【
図22】ゲートバルブの第2の実施形態の側部斜視図である。
【
図23】
図22のゲートバルブがベンチュリギャップ内に挿入された状態の、
図19のベンチュリデバイスのベンチュリギャップを通る拡大長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明は、本発明の一般的な原理を示し、その例が、添付の図面において追加的に示される。図面において、類似の参照番号は、同一のまたは機能的に似通った要素を示す。
【0018】
本明細書において使用されるとき、「流体(fluid)」とは、任意の液体、懸濁液、コロイド、気体、プラズマ、またはそれらの組み合せを意味する。
【0019】
図1および
図2は異なる視点から見たベンチュリデバイス100を示す。ベンチュリデバイス100は、エンジン、例えば車両のエンジンにおいて、デバイスに真空を提供するために使用され得る。
図1において、ベンチュリデバイス100は、真空を要するデバイス102に接続されるとともに、ベンチュリデバイス100は、ベンチュリ効果を生むように設計された、概してベンチュリデバイスの長さにわたって延在する通路104を通る空気の流れによって、前記デバイス102のために真空を生む。ベンチュリデバイス100は、通路104を画定し、エンジンまたはそこに接続されたコンポーネントに接続可能な3つ以上のポートを有する本体部106を含む。ポートは、(1)例えば
図11においてボックス290によって示されるようなスロットルの上流に位置するエンジン吸気クリーナからの、清浄な空気の供給源に接続され得る起動ポート108と、(2)任意選択的なチェックバルブ111を介して真空を要するデバイス102に接続し得る吸引ポート110と、(3)
例えば、図11においてボックス292によって示される、エンジンのスロットルの下流のエンジン吸気マニホールドに接続される流出口112と、任意選択的に、(4)バイパスポート114と、を含む。それぞれのポート108、110、112および114の各々は、それらの外側面に、それぞれのポートをホースまたはエンジンにおける他のコンポーネントに接続するためにコネクタ機構117を含み得る。
【0020】
チェックバルブ111は、好ましくは、吸引ポート110からアプリケーションデバイス102へと流体が流れることを防止するために配置される。一実施形態において、真空を要するデバイス102は、車両ブレーキブーストデバイス、クランク室換気(PCV: positive crankcase ventilation)デバイス、または燃料パージデバイスである。別の実施形態において、真空を要するデバイス102は、油圧式バルブである。バイパスポート114は真空を要するデバイス102に接続され得、任意選択的に、その間の流体流路122においてチェックバルブ120を含み得る。チェックバルブ120は、好ましくは、バイパスポート114への、またはバイパスポート114からアプリケーションデバイス102への流体の流れを制御するために配置される。
【0021】
次に
図2および
図3を参照すると、ベンチュリデバイス100は、吸引ポート110によって二等分される中央長手軸Bに沿った内側通路を画定する全体的に「T字状」のベンチュリデバイスである。内側通路104は、本体部106の排出セクション146における第2のテーパー部分129(本明細書において排出コーンとも称される)に結合される本体部106の起動セクション116における第1のテーパー部分128(本明細書において起動コーンとも称される)を含む。ここで、第1のテーパー部分128および第2のテーパー部分129は、端部と端部とを接し、起動流出口端部132を排出流入口端部134に対向させ、それらの間にベンチュリギャップ152を画定するように整列され、ベンチュリギャップ152は、内側通路104の起動セクション116および排出セクション146の両方と流体連通するように吸引ポート110を設置する流体接合部を画定する。本明細書において使用されるとき、ベンチュリギャップ152とは、起動流出口端部132と排出流入口端部134との間の線的距離を意味する。
【0022】
ベンチュリデバイス100などのベンチュリデバイスが車両のエンジンにおける使用のためのものであるとき、車両の製造者は、典型的には、エンジンまたはそのコンポーネントへのベンチュリデバイスの接続のために使用可能なチューブ/ホースのサイズに基づいて、起動ポート108および流出口112の両方のサイズを選択する。加えて、車両の製造者は、典型的には、ベンチュリデバイスにおける使用のために使用可能な最大起動流量を選択し、これは、起動流出口端部132、すなわち起動流出口133において画定される内部開口の面積を決定づける。それ故、特定のエンジンのために車両の製造者が選択したパラメータが、流出口112に対する起動流出口133の比率を決定づける。これらの制約内で働くために、開示されるベンチュリデバイス100は、低ソース/排出圧力(5kPaから30kPa)において高い吸引流量を生むという要望と、より高いソース/排出圧力における(30kPaから60kPa)真空の増加した深さとの間の妥協を著しく減少させる。この妥協の減少は、
図5および
図6において提示されるように、起動流出口133および(排出流入口端部134によって画定される)排出流入口135のための構成を変更して起動流出口端部132および排出流入口端部134における内側通路104の周長を増加させることによって達成される。
【0023】
図5A~
図5Bおよび
図6において示されるように、少なくとも起動流出口端部132(起動流出口133)の内部面および排出流入口端部134(排出流入口135)の内部面は楕円状であるが、代替的に多角形状の形態を有してもよい。起動流出口端部132から離間するようにおよび排出流入口端部134から離間するようにベンチュリギャップ152から反対方向に延在する内側通路104の内部は、同一の全体的形状を有するように構築されてよい。
図7は、ベンチュリデバイスの起動セクション内の内部通路の形状の一実施形態を示すが、同様に、もしも180度回転されたならば、排出セクション内の内部通路を示す。
図7における内部通路は、起動流入口端部130において面積A
1を有する円状開口として始まり、起動流出口133において面積A
1よりも小さい面積A
2を有する楕円状開口へと、徐々に、連続的に、双曲線または放射線関数として遷移する。起動流入口端部130における円状開口は、双曲線170によって楕円状起動流出口133に接続され、起動流出口端部132における流れラインが互いに平行になるという利点を提供する。起動流入口端部130および排出流出口端部136も、そこに至る以前のあるポイントにおいて楕円状または他の何らかの多角形状の形態の開口を有してよく、その外部にコネクタ機構117を有する、例えば、ホース接続部分119と同様のホース接続部分を形成するように前記形状から円状断面へと遷移してよい。
【0024】
ベンチュリデバイス100の「T字」形状を形成するために、吸引ポート110は、本体部の中央長手軸Bに概して垂直な中央長手軸Cを有する。任意選択的なバイパスポート114も同様に、本体部の中央長手軸Bに概して垂直な中央長手軸Dを有し得る。
図1において示されるように、バイパスポート114は、排出流出口端部136に隣接するがその下流の位置において第2のテーパーセクション129と交差してよい。本体部106は、その後、すなわちバイパスポートとの交差部の下流において、流出口112において終端するまで筒状の均一な内径で連続する。別の実施形態(不図示)において、バイパスポート114および/または吸引ポート110は、軸Bに対しておよび/または互いに対して垂直ではなく、傾斜していてもよい。
図2の実施形態において、吸引ポート110およびバイパスポート114は互いに整列し、本体部の中央長手軸Bに対して同一の向きを向いている。不図示の別の実施形態において、吸引ポート110およびバイパスポート114は互いからオフセットされてよく、それらが接続するエンジン内のコンポーネントに対して、接続が容易になるように位置付けられ得る。
【0025】
吸引ポート110は、吸引流入口138および排出流入口135である吸引流出口を含み、第1のテーパーセクション128と同様に、徐々に、連続的に、その長さに沿ったコーンとして、より大きな寸法の吸引流入口138からより小さな寸法の吸引流出口135へとテーパー状になり得、または全体的に筒状のチューブであり得る。バイパスポート114も、存在している場合は、徐々に、連続的に、その長さに沿ったコーンとして、特には、より小さな寸法の端部162からより大きな寸法の端部160へとテーパー状になり得、または全体的に筒状のチューブであり得る。システムへのベンチュリデバイスの取り付けに応じて、バイパスポート114は、より大きな寸法の端部160が流入口として、およびより小さな寸法の端部162が流出口として、またはその逆に動作し得る。
【0026】
図2および
図5において最もよく見られるように、第2のテーパー部分129に隣り合う第1のテーパー部分128の起動流出口端部132において、吸引ポート110は、ベンチュリギャップ152と流体連通する空隙150を画定する拡大された領域を含み、または、それとは逆に、ベンチュリギャップ152が空隙150の一部であると見なされ得る。内側通路104との吸引ポート110の流体接合部は、ベンチュリギャップ152に対して全体的に中心が合わせられ、空隙150は、吸引ポートの中央長手軸Cと全体的に整列され、第1のテーパー部分128を第2のテーパー部分129へと遷移させる。空隙150は、その長さが吸引ポートの内部断面寸法に類似した平行六面体として付形されてよいが、その底部は、吸引ポート110から離間するように下向きに突出した弓状の突起である。
図2、
図4A、および
図5Aを組み合わせて見ることによって最もよく理解されるように、吸引ポートの中央長手軸Cに沿い、本体部の中央長手軸Bを横切る断面において、空隙は、排出流入口端部134および起動流出口端部132の周りおよび/またはその上において全体的にU字状に見える。
図2および
図5Aにおいて見られるように、吸引ポートは、起動流出口端部132の側部および排出流入口端部134の側部の周りにおいて下向きに延在してそれらの全ての側部の間に空隙150を画定する。
図5Aにおいて見られるように、起動流出口端部132および排出流入口端部134の外部輪郭は両方とも、概してそれぞれの内部形状と一致する。
【0027】
ベンチュリデバイス100において、第1のテーパー部分128を通る起動空気の流れは、その速度を増加させ、空隙150において低静圧を生む。この低静圧は、排出流入口(吸引流出口)135を通じて、吸引ポート110からベンチュリギャップ152および排出セクション146へと空気を引き込む。
【0028】
ベンチュリデバイス100は、以下の幾何学的比率を満たすように動作され得る。
【0029】
【0030】
以下のような性能比率も存在する。
【0031】
【0032】
本明細書において開示される双曲線的流れ通路のための比率Fを最大化するために、比率A'は3から12の間であるべきであり、比率B'は4より大きくなるべきであり、比率C'は4より大きくなるべきである。
【0033】
双曲線的流れ通路のための比率Gを最大化するために、比率A'は3から12の間であるべきであり、比率B'は4より大きくなるべきであり、比率C'は4より大きくなるべきである。
【0034】
図3の従来技術において、起動コーンの流出口端部および排出コーンの流入口端部は、それぞれ円状の内部断面および円状の外部輪郭を有し、それによって、円状の外周縁を有する錐台であるベンチュリギャップを画定している。この図から、吸引流れの制限の1つが示されるが、それは、起動コーンおよび排出コーンへの吸引ポートの流体接合部における面積である。
【0035】
本明細書において開示されるベンチュリデバイスのベンチュリギャップ152への吸引ポートからの空気の流量を増加させるという要望において、ベンチュリギャップの面積は、第1のテーパーセクション128および第2のテーパーセクション129の全体的な内側寸法を増加することなく(好ましくは、質量流量を増加することなく)流出口端部132および流入口端部134の周長を増加することによって増加される。特には、上に説明されたように、起動流出口端部132および排出流入口端部134は、円状から非円状へと変更されている。円状でない可能な形状は無限に存在し、そのそれぞれが周長および断面積を有する。これらには、多角形、または互いに接続された直線セグメント、非円状の曲線、およびフラクタル曲線さえもが含まれる。コストを最小化するために、曲線はより単純で、製造および検査が容易であり、望ましい周長の長さを有する。
【0036】
図4A~
図4Bおよび
図5A~
図5Bは、吸引ポート110が起動流出口端部132および排出流入口端部134と合流する向上した流体接合部を有する実施形態を示す。
図4Bおよび
図5Bに見られるように、吸引ポート110からベンチュリギャップ152への流路の最小面積は、起動流出口端部132と排出流入口端部134との間に画定される錐台である。
図4Aおよび
図4Bにおいて、起動コーン128の流出口端部132および排出コーン129の流入口端部134は、それぞれ楕円状の内周および外周を有し、それによって、楕円状の外周縁を有する錐台であるベンチュリギャップ152を画定している。
図5Aおよび
図5Bにおいて、起動コーン128の流出口端部132および排出コーン129の流入口端部134は、それぞれ(丸められた角部を有する)全体的に矩形状の内周および外周を有し、それによって、全体的に矩形状の外周縁を有する錐台であるベンチュリギャップ152を画定している。図面における実施形態は、流出口端部132および流入口端部134に関して同一の全周を有し、すなわち、どちらも楕円状であるかまたはどちらも全体的に矩形状であるが、流出口端部132および流入口端部134は、異なった形状の全周を有してよく、すなわち、一方が楕円状であり、他方が全体的に矩形状であってもよい。加えて、起動流出口端部132および排出流入口端部134は、吸引ポート110から排出流入口端部134への流体の流れの方向性を向上させるために丸められた面取り部によって終端し得る。
【0037】
加えて、
図6において最も明瞭に見られるが、
図4Bおよび
図5Bにおける錐台においても見られるように、各実施形態に関する起動コーン128の流出口端部132は、排出コーン129の流入口端部134よりも寸法的に小さい。この寸法における差は、オフセット140として特定される。例えば、
図4Bにおいて、オフセットは、起動流出口端部132の長軸Yの長さが排出流入口端部134の長軸Y'の長さよりも短いことによって示され、排出流入口端部134の短軸X'の長さよりも短い起動流出口端部132の短軸Xの長さも有し得る。
【0038】
楕円状または多角形状の実施形態のうちの任意のものにおいて、収束起動セクションの起動流出口端部の楕円状または多角形状の内部断面は、約2から約4の短軸に対する長軸の比率を有し、拡張排出セクションの流入口端部の楕円状または多角形状の内部断面は、収束起動セクションの流出口端部の楕円状または多角形状の内部断面に対して、0.28よりも大きい無単位の比率になるように定数k1が乗じられた、ピーク起動流量に対する排出流入口の面積と起動流出口の面積との差の比率でオフセットされる。
オフセット比率=(排出流入口の面積-起動流出口の面積)/ピーク起動流量*k1 (V)
ここで、k1は、
k1=起動流出口端部におけるc*起動流出口端部におけるDfluid (VI)
であり、Cは音速、Dfluidは流体(典型的には空気)の密度である。
【0039】
楕円状または多角形状の実施形態のうちの任意のものにおいて、起動流出口端部と排出流入口端部との間のベンチュリギャップは、起動流量で除されたベンチュリギャップの面積に(無単位の比率になるように)定数k2を乗じた値として定義されるギャップ比率を有する。
ギャップ比率=ベンチュリギャップの面積/起動流量*k2 (VII)
ここで、k2は、
k2=起動流出口端部におけるc*起動流出口端部におけるDfluid (VIII)
であり、cおよびDfluidは、上に定義したとおりである。ここで、ギャップ比率は4.7よりも大きい。
【0040】
一実施形態において、起動流出口端部132の楕円状または多角形状の内部断面は、0から1の間(1を含む)の偏心率を有する。別の実施形態において、流出口端部の楕円状または多角形状の内部断面は、約0.4から約0.97の間(0.97を含む)の偏心率を有する。
【0041】
再び
図4Aおよび
図4Bを参照すると、流出口端部132および流入口端部134の輪郭は楕円状であり、それによって、長軸(Y)および短軸(X)を有する。楕円の方程式は、X
2/B
2+Y
2/A
2=1
2として定義され得る。ここで、Aは原点から楕円への長軸Yに沿った距離であり、Bは原点から楕円への短軸Xに沿った距離である。楕円の面積は、
楕円の面積=π×A×B (I)
である。楕円の周長は単純で正確な方程式によって与えられない。代わりに、級数式によって許容可能な近似値が提供される。
楕円の周長=π×(A+B)×(1+h
2/4+h
4/64+h
6/256...) (II)
ここで、hは、
変数h=(A-B)/(A+B) (III)
である。
我々は、更に偏心率という用語を定義することができ、これは、2つの軸の長さに関する用語であって、
変数e=(A
2-B
2)
1/2/A (IV)
と定義される。
【0042】
ベンチュリデバイス設計のために選択される起動流れは、従来技術の円状のベンチュリデバイスの半径が1mm、面積が3.14mm2、周長が6.28mmであるような計算に等価になるように選ばれるものとする。面積に対する周長の比率は、起動流出口端部および排出流入口端部の円状の内部断面に関しては、数学的に2に等しい。
【0043】
我々は、所与の偏心率の楕円に対して、開示される実施形態における面積、周長、および断面積に対する周長の比率を計算することができる。もしもこの面積を半径が1mmの円の面積に等しくなるものに限定するならば、計算結果は以下のようになる。
【0044】
【0045】
従って、偏心率を変更することにより、断面積を固定しつつ周長が増加され得る。周長におけるこの増加は、吸引ポート、起動コーンおよび排出コーンの間の接合部における交差面積を増加させるという利点を提供し、結果として吸引ポート流量の増加をもたらす。
【0046】
次に
図5Aおよび
図5Bを参照すると、起動流出口端部132および排出流入口端部134の輪郭は、全体的に矩形状であり、それによって、長さおよび幅、従って2つの軸、すなわち長軸
Uおよび短軸
Vを有する。図示されるように、流出口端部132および流入口端部134に関するベンチュリデバイスの全体的に矩形状の輪郭は、矩形部分の幅に対応する半円状の端部を含む。流出口端部および流入口端部132、134の輪郭の向きはこれらに限定されると見なされるべきではない。この矩形の面積は、2つの端部の半円の面積と半円の間の直線セクションの面積とを足した和に等しい。矩形の周長は、2つの辺の長さと半円端部の長さとを足したものになる。我々は以下のように計算できる。
【0047】
【0048】
円状の断面から同一面積を有する全体的に矩形状の断面への変更が、上に説明された楕円状の輪郭と同様に、面積に対する周長の比率における増加をもたらす。周長におけるこの増加は、やはり、ベンチュリギャップと吸引ポートとの間の交差面積を増加させるという利点を提供し、結果として吸引ポート流量の増加をもたらす。
【0049】
吸引流れを増加させる別の方法は、起動コーン128の流出口端部132と排出コーン129の流入口端部134との間の距離を延長することである。起動流れがベンチュリギャップを通って移動すると、吸引空気と混合する。この組み合わされた流れは、ベンチュリの排出端部に向かって静圧を増加させる効果を有する。この距離の延長は収穫逓減をもたらし、起動流れがベンチュリ内でほとんど拘束されないため、乱流および流れの外乱のリスクがあり、ベロシティを減少させ、静圧を増加させる。それ故、上に説明された周長の増加の方が距離の増加よりも好ましいが、この2つは収穫逓減を回避するために組み合わせられ得よう。
【0050】
本明細書において開示されるベンチュリデバイスは、一体式のボディとして成形され得る。一実施形態において、ベンチュリデバイスは、射出成形によって形成される。
【0051】
一実施形態において、ベンチュリギャップ152は、(起動質量流量)nに比例する線的距離であり、nは0.25から0.8であり、起動流出口と排出流入口との間のオフセットもまた(起動質量流量)nに比例し、nは0.25から0.8であり、流出口端部の楕円状または多角形状の内部断面は、0から1の間(1を含む)の、より好ましくは約0.4から約0.97の間(0.97を含む)の偏心率を有する。より多くの量の真空を要するデバイスを有するシステムにベンチュリデバイスが含まれるとき、ベンチュリギャップに関するnおよびオフセットに関するnは、どちらも0.4から0.6であってよい。一実施形態において、ベンチュリギャップに関するnおよびオフセットに関するnは、どちらも0.5であり、偏心率は約0.4から0.97の間(0.97を含む)である。別の実施形態において、ギャップ比率は、3で除された楕円の大径が楕円の小径に等しいときの楕円の小径に等しい値において設定され、各値は+/-10%の精度である。
【0052】
動作時に、例えば、ベンチュリデバイスがエンジンに接続されると、エンジン空気、すなわちフィルタリングされた空気は、起動ポートにおいてベンチュリデバイスに進入するように接続され得る。排出ポートにおいてベンチュリデバイスに存在する空気は、圧力が起動ポートの圧力よりも小さくなるポイントにおいてエンジン空気に接続され得る。起動ポートから排出ポートへの空気の運動は、上に説明されたように直線的なコーンまたは双曲線輪郭であり得る起動コーンに空気を引き下ろす。面積の減少は、空気のベロシティを増加させる。これは密閉空間であるので、流体力学の法則において、流体のベロシティが増加すると静圧が減少しなければならないとされている。起動コーンの最小断面積はベンチュリギャップに接している。空気が排出ポートへと移動し続けると、空気は、直線的なコーンまたは双曲線輪郭である排出ポートを通って移動する。任意選択的に、排出領域は、排出ポートに合流するまで直線的なまたは双曲線輪郭のコーンとして連続し得、または、単純な筒状もしくはテーパー状の通路に遷移してもよい。排出コーンの最小断面積端部は、起動コーンの最小断面積端部よりも大きい。より大きな面積は、吸引ポートからの空気の流れのための面積を提供するためである。排出コーンの面積におけるこの変化が、空気のベロシティを再び低下させ、結果としてその静圧を増加させる。
【0053】
ベンチュリギャップは吸引ポートに接続し、このことは、吸引ポート/通路における空気を、起動コーンと排出コーンとの間を高ベロシティで通過する空気に存在する同一の低静圧に晒す。ここで生まれる圧力は、排出ポートにおける圧力よりも低くなり得、これは起動ポートにおける圧力よりも低いことが既に分かっている。当業者には知られているように、この低圧力は、車両のブレーキブーストキャニスターの排気のためなど、車両における様々な用途において使用され得る。いくつかの環境において、主にガソリンエンジンに軽く負荷がかけられたときに、排出ポートにおける圧力は、アプリケーションデバイスにおける圧力を迅速に低下させるのに十分なほどに低い。排出コーンまたは通路とバイパス通路との間の接続の面積は、吸引通路とベンチュリギャップとの間の接続に対して非常に大きいので、この任意選択的な接続は、アプリケーションデバイスの排気において初期的に補助し得る。
【0054】
比較研究のために、
図7に示されるような、ベンチュリギャップにおいて楕円状起動流出口および楕円状排出流入口を有し、起動および排出セクションにおいて双曲面状内部輪郭を有する3gpsベンチュリデバイス(「双曲面楕円状ベンチュリデバイス」と称される)が、10kPaのマニホールド真空、15kPaのマニホールド真空、および20kPaのマニホールド真空の条件の下で、増加するブレーキブーストキャニスター真空とともに作動され、同一条件の下で3gps円錐円状ベンチュリデバイスと比較された。円錐円状ベンチュリデバイスは、円状起動流出口および円状排出流入口ならびに起動および排出セクションにおける円錐状内部輪郭を有するものである。
図8に提示されたデータによって分かるように、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、円錐円状ベンチュリデバイスによる結果をしのぐ、双曲面状内部輪郭と楕円状開口部との相乗効果を提供した。10kPa、15kPa、および20kPaのマニホールド圧力において、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、12kPaから約67kPaのブレーキブーストキャニスター真空の増加範囲にわたって、より高い吸引流量を提供した。興味深いことに、15kPaのマニホールド圧力において、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、20kPaのマニホールド圧力における円錐円状ベンチュリデバイスと概して同様の性能を示し、予期せぬ、優れた性能を証明した。
【0055】
次に
図9および
図10を参照すると、
図8で比較されたものと同一のベンチュリデバイスが、ベンチュリデバイスが生成可能な最終的な真空度およびベンチュリデバイスがキャニスターを排気して真空を生むために要する時間に関して比較された。テストのために、流出口112はエンジンの吸気マニホールドと流体連通され、吸引ポートは車両のブレーキブーストキャニスターと流体連通され、起動流入口は清浄な空気の供給源に接続された。
図9のグラフに示されるように、同一の動作条件の下で、すなわち10、15、および20kPaのマニホールド真空において、本明細書において開示される双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、円錐円状ベンチュリデバイスと比べてより深い真空を提供し、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、少なくとも5kPaだけ大きな最終的な真空度を有した。加えて、
図10に見られるように、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、円錐円状ベンチュリデバイスに比べて、ブレーキブーストキャニスターの排気においても優れていた。10kPaのマニホールド真空圧において、双曲面楕円状ベンチュリデバイスはキャニスターの排気において4.5秒弱ほども速かった。15kPaおよび20kPaのマニホールド真空において、双曲面楕円状ベンチュリデバイスは、約2秒速かった。より低いマニホールド真空において排気時間がより速いと、より迅速な反応時間および向上した性能が提供される。しかし、これらのグラフにおいて見られるように、双曲面楕円状の輪郭を有するベンチュリデバイスは、排気時間がより速いだけでなく、10、15、および20kPaのマニホールド真空においてより深い真空度も提供する。この2つの利点は、ベンチュリギャップを画定する起動流出口および排出流入口の形状を変更し、双曲線関数に従って変化し/テーパー状になる内部通路を使用したことによる、驚くべき、予期せぬ結果であった。
【0056】
次に
図11~
図13を参照すると、本明細書において説明される真空を生成するためのベンチュリデバイスの様々な実施形態のうちの任意のものは、起動セクション216から排出セクション246への流体の通過を制御するベンチュリギャップ252内のバルブゲート300を含み得る。ベンチュリデバイス
200は、収束起動セクション216の流出口端部232と拡張排出セクション246の流入口端部234との間にベンチュリギャップを画定する
図11における下側本体部206などの本体部と、ベンチュリギャップ252と流体連通する吸引ポート210と、ベンチュリギャップ252を開閉するために直線的に平行移動可能なゲートバルブ300と、ゲートバルブ300を開位置O(
図13)と閉位置C(
図12)との間で動作可能に移動させるようにゲートバルブ300に接続されたアクチュエータ310と、を有する。収束起動セクション216は、円状の起動流入口208と楕円状または多角形状の起動流出口233とを画定し、拡張排出セクション246は、楕円状または多角形状の排出流入口235を画定する。
【0057】
それぞれのポート208および212の各々は、それらの外側面に、それぞれのポートをホースまたはエンジンにおける他のコンポーネントに接続するためにコネクタ機構217を含み得る。他のポート210および282は、それぞれ、例えば、上側ハウジング204を吸引ポート210に、およびアクチュエータ310をポート282になど、他のコンポーネントに液密な封止によって封止接続するためにリップまたは他のタイプのコネクタを含み得る。
図18を参照すると、上側ハウジング204および下側ハウジング206は、吸引ポート210の接合部において、封止ディスク213を内部に設置したチェックバルブ211を形成し得る。下側本体部206の吸引ポート210から離間するように上向きに延在する指部218は、チェックバルブ211の開位置のために封止ディスク213のための座部を形成する。上側ハウジング204は、入口222に通じる通路220を画定し、これはチェックバルブ211のチャンバ224への、従って下側本体部206の吸引チャンバ250への複数の開口を備え得る。
【0058】
下側本体部206は、収束起動セクション216の中央長手軸Aを横断するゲートポケット280を有する。ゲートポケット280は、下側本体部206の外部において、アクチュエータ310に接続可能なコネクタ281によって終端する。ゲートポケット280は、中央長手軸Aに平行な断面において見ると台形状の形状を有し、この形状は、吸引ポート210により近い端部の方がその反対側の端部よりも広くなっている。
【0059】
図11~
図16を参照すると、ゲートバルブ300は、ゲートポケット280内に滑動可能に設置される。ゲートバルブ300は、
図12の閉位置Cにあるときに起動出口233および排出流入口235を閉鎖するように付形された、長手方向断面(
図16)において見ると全体的にU字状の連続的な小片に折り畳まれ、屈曲され、または成形された非腐食性金属またはプラスチックの薄片で作られる。連続的な対向する側部302、304は、それらの間に吸引ポート210と常に流体連通する空隙308を画定するように、ある距離だけ離間される。ゲートバルブ300の第1の側部302は、収束起動セクション216の流出口端部233に封止係合し、第2の側部304は、拡張セクション246の流入口端部235に封止係合する。ゲートバルブ300の対向する側部302、304は、それぞれ板バネとして働き、概して互いから離れる方向に付勢され、封止係合を形成する。特には、固定されていない、未装着状態において、底部314または上部312において測定されたサイズ、すなわち面302から面304への距離は、これらの面が起動の流出口端部233および排出の流入口端部235に接触するようになっている。このことは、本発明に2つの利点を提供する。第1には、干渉によって生まれた抗力が、バルブ300が閉位置Cまたは開位置Oのいずれかにあるときに位置的に固定されたままになることを確実にすることである。このことは、バルブ300が自由に揺れ回った場合に起こるような任意の摩耗を排除するであろう。第2には、動作中に、起動ポートと排出ポートとの間の圧力の差によって、ゲートが常に排出通路に向けて同一の方向に付勢されることである。バルブ300が排出通路に向かって付勢されることを確実にすることで、起動ポートと排出ポートとの間での漏出の可能性が最小化される。
【0060】
図15において見られるように、ゲートバルブ300は、吸引ポート210により近い端部312の方がその反対側の端部314よりも広くなっている台形状の背面306を有する。
【0061】
一実施形態において、アクチュエータ310は、ゲートバルブを開位置Oと閉位置Cとの間で動作可能に移動させるようにゲートバルブに接続された空気圧式アクチュエータである。空気圧式アクチュエータは、自動制御されたシステム構成のためにベンチュリデバイスによって生み出された高い真空度を使用して動作され得る。例示的な空気圧式アクチュエータは、同時係属の特許文献1および特許文献2において論じられている。別の実施形態において、アクチュエータ310は、ゲートバルブを開位置と閉位置との間で動作可能に移動させるようにゲートバルブ300に接続された、例えばソレノイドなどの電磁式アクチュエータである。例示的なソレノイドは、同時係属の特許文献3において論じられている。
【0062】
図11に見られるように、ゲートバルブ300は、楕円状または多角形状の起動流出口233に対して、起動流出口233の短軸に平行な平面における最短のストローク距離での直線的な平行移動のために位置決めされる。例えば、4mmの半径を有する円状排出流入口は、4mmのストローク距離を有するが、4mmの円と同一の面積および2.3mmの短軸を有する楕円状排出流入口は、2.3mmのストローク距離を有するだけである。これは、円状排出流入口における距離のほぼ半分である。
【0063】
図11および
図18に示された実施形態において、ゲートバルブ300は、下側本体部の上部または底部からではなく、下側本体部206の側部から吸引チャンバ250に進入するように位置決めされる。この構成は、ゲートバルブ300を楕円状排出流入口の短軸と整列させ、最短のストローク距離を提供し、このことは、開位置Oから閉位置Cへの移動、またはその逆の移動の時間と、電磁式または空気圧式のアクチュエーションデバイスのサイズとの両方を減少させる。
【0064】
更に、
図17を参照すると、下側本体部206の構成へのゲートバルブ300の導入によって予期せぬ結果が得られた。ゲートバルブを有さない同等のベンチュリデバイス(すなわち、ゲート制御されないベンチュリデバイス)と比べて、ゲートバルブが存在するときには、秒当たりのグラム単位での流れは、10kPaソース真空(source vacuum)に関して約5.5%増加し、20kPaソース真空に関して約2%増加するだけ高くなる。また10kPaソース真空に関して、真空吸引が約3%増加した。発明者は、ゲートの導入は僅かに性能を低下させるものと予期していたが、
図17に示されるように、それは、実際には、少なくとも一態様において、10kPaおよび20kPaのソース真空の両方において性能を向上させた。
【0065】
次に
図19および
図20を参照すると、全体として400として示されるベンチュリデバイスの代替的な実施形態が開示されている。ベンチュリデバイス400は、真空を要するデバイス102に接続される。ベンチュリデバイス400は、通路404を画定し、起動ポート408、1組の吸引ポート410a、410b、および吸引器流出口412を含む様々なポートを有する本体部406と、液密/気密な封止によって本体部406に接続される吸引ハウジング407であって、この封止は、例えば、音波溶着、加熱、またはこれらの間にこのような封止を形成する他の従来からの方法による、吸引ハウジング407と、任意選択的に、2つのバイパスポート414a、414bと、を含む。吸引ハウジング407および本体部406は一緒に、チェックバルブ420および/または421を形成し、これは、もしも存在するならば、封止部材411、411'をそれぞれ含む。加えて、ベンチュリデバイス400は、チャンバ456の端部およびチャンバ466の端部をそれぞれ画定する第1のキャップ409aおよび第2のキャップ409bを含む。第1および第2のキャップ409a、409bは、液密/気密な封止によってそれらに接続され、この封止は、例えば、音波溶着、加熱、またはこのような封止を形成する他の従来からの方法による。キャップ409aおよび409bの代わりに、本体部406は、これらが一体的な閉じられたチャンバとなるように成形されてよい。
【0066】
本体部406は、吸引ポート410a、410bによって二等分される、中央長手軸に沿った通路404を画定する。内側通路404は、端部と端部とを接し、起動流出口端部432を排出流入口端部434に対向させ、それらの間にベンチュリギャップ452を画定するように整列された第1のテーパー部分428および第2のテーパー部分429を含む。以下において説明されないベンチュリデバイス400のコンポーネントは、他の実施形態に関して上に説明されたものと類似していると理解されるものである。
【0067】
図19および
図20の本体部406は、第1の吸引ポート410aおよび第2の吸引ポート410bを互いから距離D
400だけ離間させるチャンバ456を更に画定する。チャンバ456は、径方向内側に向かって、および本体部406の通路404から軸方向に離間する向きに(図においては上向きに)延在する複数の指部442を含む。複数の指部442は、チャンバ456の内側壁からの個々の突起として径方向に配置され、すぐ横に隣り合う指部同士が互いからある距離だけ離間され、それらの間に第2の吸引ポート410bと流体連通する空隙を画定する向きを向いている。複数の指部442は、チェックバルブ420の一部として封止部材411のための座部を形成する。同様に、チェックバルブ421は、バイパスポート414a、414bが存在するなら、径方向内側に向かって、および本体部406の通路404から径方向に離間する向きに(図面においては上向きに)延在する複数の指部442'を含む本体部406によって画定されるチャンバ466を有し、複数の指部442'は、集合的に、封止部材411'のための座部を形成する。複数の指部442'は、チャンバ466の内側壁からの突起として径方向に配置され、すぐ横に隣り合う指部同士が互いからある距離だけ離間される向きを向いている。複数の指部442、442'の各々は、それらの頂部よりも広いベース部を有する。複数の指部442の頂部は、集合的に、開位置のための封止部材411のための座部を形成し、指部442'の頂部は、開位置のための封止部材411'のための座部を形成する。
【0068】
図20を参照すると、本体部406は、ゲートポケット480を画定するポート482も含む。ポート482およびゲートポケット480は、ベンチュリデバイス400の中央長手軸Aを横断する。
図11において図示されるように、ゲートポケット480は、本体部406の外部において、アクチュエータに接続可能なコネクタによって終端し得る。ゲートポケット480は、
図22のゲートバルブ300'を受け入れるように付形され、ポート端部から見ると全体的に砂時計状である。ゲートポケット480は、ゲートバルブ300'が、下側本体部の上部または底部からではなく、本体部406の側部から吸引チャンバ456に進入するように位置決めされる。この構成は、ゲートバルブ300'を楕円状排出流入口の短軸と整列させ、最短のストローク距離を提供し、このことは、開位置Oから閉位置Cへの移動、またはその逆の移動の時間と、電磁式または空気圧式のアクチュエーションデバイスのサイズとの両方を減少させる。
【0069】
次に
図21を参照すると、起動流出口端部432と排出流入口端部434との間のベンチュリギャップ452がより詳細に図示されている。
図19および
図20において示されているように、本体部406は、第1の吸引ポート410aおよび第2の吸引ポート410bを互いから距離D
400だけ離間させるチャンバ456を更に画定する。起動セクションの流出口端部432は、チャンバ456が流出口端部432の全体的外側面の周りに流体の流れを提供する位置においてチャンバ456内に延在し、排出セクション146の流入口端部434は、チャンバ456が流入口端部434の全体的外側面の周りに流体の流れを提供する位置においてチャンバ456内に延在する。吸引ポート410aは、起動流出口端部432の上部部分441および排出流入口端部434の上部部分443の近くに位置決めされ、これらはベンチュリギャップ452の上側部分433を画定する。吸引ポート410bは、起動流出口端部432の下側部分445および排出流入口端部434の下側部分447の近くに位置決めされ、これらはベンチュリギャップ452の下側部分435を画定する。ベンチュリギャップ452の幅は、吸引ポート410a、410bの近くのベンチュリギャップ452の上側および下側部分433、435における最大幅W
1からその中央部分437における最小幅W
2へと対称的にテーパー状になる。結果として、ベンチュリギャップ452によって画定される空隙は、通路404を上側および下側の半体457、459(示された実施形態において、軸Bの上下にある)に二等分する平面に対して対称であり、それによって、非対称的な構成(例えば、円錐状またはテーパー状)を有するベンチュリギャップを内蔵する吸引器システムに比べて、流れの状態を向上し、流体がベンチュリギャップ452を通って流れるときの乱流および結果的なノイズを低減する。
【0070】
1組の吸引ポート410a、410bをベンチュリギャップ452のいずれかの側に内蔵するベンチュリデバイス400は、単一の吸引ポート410を内蔵するシステムに比べて、所与の起動流および排出圧に関して向上した吸引流量も提供するが、これは、開示されるシステムは、通路404を通る起動流によって生み出されるベンチュリ効果を利用するためのより大きな能力を提供するからである。引き続き
図21を参照すると、矢印453および455は、上側および下側の吸引ポート410a、410bを通る流体流路を示す。ベンチュリギャップ452を横切って通路404の上側半体457を通る起動流によって生成されるベンチュリ力は、主に吸引ポート410aを通り流路453に沿った吸引を生む。ベンチュリギャップ452を横切って通路404の下側半体459を通る起動流によって生成されるベンチュリ力は、主に吸引ポート410bを通り流路455に沿った吸引を生む。
【0071】
図22および
図23を参照すると、ゲートバルブ300'は、ゲートポケット480内に、ベンチュリギャップ452を開閉するために直線的に平行移動できるように滑動可能に設置される。ゲートバルブ300'は、
図16の図と同様に、
図23の閉位置にあるときに起動出口および排出流入口を閉鎖するように付形された、全体的にU字状の連続的な小片に折り畳まれ、屈曲され、または成形された非腐食性金属またはプラスチックの薄片で作られ、ゲートバルブ300に関して上に説明されたものと同様の特性、利点および予期せぬ結果を有する。連続的な対向する側部302'、304'は、それらの間に吸引ポート410a、410bと常に流体連通する空隙308'を画定するように、ある距離だけ離間される。空隙308'は、その高さに沿って均一な幅を有さない。代わりに、第1の側部302'および第2の側部304'は、その上側面および下側面312'、314'においては第1の距離D
1だけ、上側面と下側面との間に位置する中央平面においては第2の距離D
2だけ互いから離間される。このように、ゲートバルブ300'の背面306'は、全体的に砂時計のような形状に付形され、2つの吸引ポート410a、410bにより近い端部においてより広く、その中央においてより狭くなっている。
【0072】
図19~
図20のものと同様だが、
図19のチェックバルブ420の反対側のミラーチェックバルブおよび第2の「上側」本体部407を有するベンチュリデバイスが、同時係属の特許文献4の
図9~
図10に示される実施形態に開示されており、これもまたポート482と、ゲートバルブ300'を収容するためのポケット480とを有し得る。
【0073】
本発明が、特定の実施形態について図示および説明されたが、明細書を読み、理解することで、当業者が修正を思いつくことは明らかであり、本発明は、全てのそのような修正を含むものである。
【符号の説明】
【0074】
100 ベンチュリデバイス
102 真空を要するデバイス、アプリケーションデバイス
104 内側通路
106 本体部
108 起動ポート
110 吸引ポート
111 チェックバルブ
112 流出口
114 バイパスポート
116 起動セクション
117 コネクタ機構
119 ホース接続部分
120 チェックバルブ
122 流体流路
128 起動コーン、第1のテーパー部分、第1のテーパーセクション
129 排出コーン、第2のテーパー部分、第2のテーパーセクション
130 起動流入口端部
132 起動流出口端部
133 起動流出口
134 排出流入口端部、排出流入口、吸引流出口
135 排出流入口
136 排出流出口端部
138 吸引流入口
140 オフセット
146 排出セクション
150 空隙
152 ベンチュリギャップ
160 (バイパスポートの)端部
162 (バイパスポートの)端部
170 双曲線
204 上側ハウジング
206 下側本体部、下側ハウジング
208 起動流入口、ポート
210 吸引ポート
211 チェックバルブ
212 ポート
213 封止ディスク
216 収束起動セクション
217 コネクタ機構
218 指部
220 通路
222 入口
224 チャンバ
232 流出口端部
233 起動流出口、起動出口、流出口端部
234 流入口端部
235 排出流入口、流入口端部
246 拡張排出セクション
250 吸引チャンバ
252 ベンチュリギャップ
280 ゲートポケット
281 コネクタ
282 ポート
300 ゲートバルブ、バルブゲート
300' ゲートバルブ
302 (ゲートバルブの)第1の側部、面
302' (ゲートバルブの)第1の側部
304 (ゲートバルブの)第2の側部、面
304' (ゲートバルブの)第2の側部
306 (ゲートバルブの)背面
306' (ゲートバルブの)背面
308 空隙
308' 空隙
310 アクチュエータ
312 (ゲートバルブの)上部、端部
312' (ゲートバルブの)上側面
314 (ゲートバルブの)底部、端部
314' (ゲートバルブの)下側面
400 ベンチュリデバイス
404 内側通路
406 本体部
407 吸引ハウジング
408 起動ポート
409a 第1のキャップ
409b 第2のキャップ
410a 吸引ポート
410b 吸引ポート
411 封止部材
411' 封止部材
412 吸引器流出口
414a バイパスポート
414b バイパスポート
420 チェックバルブ
421 チェックバルブ
428 第1のテーパー部分
429 第2のテーパー部分
432 起動流出口端部
433 (ベンチュリギャップの)上側部分
434 排出流入口端部
435 (ベンチュリギャップ)の下側部分
437 (ベンチュリギャップ)の中央部分
441 (起動流出口端部)の上部部分
442 指部
442' 指部
443 (排出流入口端部の)上部部分
445 (起動流出口端部)の下側部分
447 (排出流入口端部)の下側部分
452 ベンチュリギャップ
453 流路
455 流路
456 吸引チャンバ
457 (内側通路の)上側半体
459 (内側通路の)下側半体
466 チャンバ
480 ゲートポケット
482 ポート
A 中央長手軸
B 中央長手軸
C 中央長手軸
D 中央長手軸