(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、コンテンツ配信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20220118BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220118BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220118BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20220118BHJP
【FI】
H04L67/02
H04N21/258
G06Q30/02 380
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2020112975
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2020-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591139633
【氏名又は名称】東急株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】糸洲 美和
(72)【発明者】
【氏名】松木 健治
(72)【発明者】
【氏名】西川 修平
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0036811(KR,A)
【文献】特開2002-337795(JP,A)
【文献】特開2012-203892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 13/00
H04N 21/258
G06Q 30/02
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、コンテンツ配信装置とを有し、
前記通信端末は、
被写体を撮像し、該撮像した画像を前記コンテンツ配信装置へ送信する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部とを有し、
前記コンテンツ配信装置は、
前記撮像部から送信されてきた画像に所定のコンテンツ
である所定の画像を
合成して仮想画像を生成する仮想画像生成部と、
前記仮想画像生成部が生成した仮想画像を前記通信端末へ送信する配信部とを有し、
前記配信部は、
現在の時刻が、交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻
である場合、前記仮想画像を前記通信端末へ送信し、
前記表示部は、前記配信部から送信されてきた仮想画像を表示するコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記コンテンツ配信装置は、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行しているかどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行していないと判定した場合、前記時刻表に設定されている時刻と、前記交通機関が運行している時刻との差分を算出する差分算出部とを有し、
前記配信部は、前記差分算出部が算出した差分に基づいたタイミングで、前記仮想画像を前記通信端末へ送信するコンテンツ配信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記コンテンツ配信装置は、
前記仮想画像生成部が生成した仮想画像に応じた音声を生成する音声生成部を有し、
前記配信部は、前記仮想画像を前記通信端末へ送信するタイミングで、前記音声生成部が生成した音声を前記通信端末へ送信し、
前記通信端末は、
前記配信部から送信されてきた音声を出力する音声出力部を有するコンテンツ配信システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記
所定の画像は、広告データ
を含む画像であるコンテンツ配信システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記
所定の画像は、前記交通機関が電車である場合、前記撮像部が撮像する
発着位置に発着する電車とは異なる種類の電車
を含む画像であるコンテンツ配信システム。
【請求項6】
通信端末から送信されてきた画像に所定のコンテンツ
である所定の画像を
合成して仮想画像を生成する仮想画像生成部と、
現在の時刻が、交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻
である場合、前記仮想画像を前記通信端末へ送信する配信部とを有するコンテンツ配信装置。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツ配信装置において、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行しているかどうかを判定する判定部と、
前記判定部が、前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行していないと判定した場合、前記時刻表に設定されている時刻と、前記交通機関が運行している時刻との差分を算出する差分算出部とを有し、
前記配信部は、前記差分算出部が算出した差分に基づいたタイミングで、前記仮想画像を前記通信端末へ送信するコンテンツ配信装置。
【請求項8】
通信端末から送信されてきた画像に所定のコンテンツ
である所定の画像を
合成して仮想画像を生成する処理と、
現在の時刻が、交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻
である場合、前記仮想画像を
前記通信端末へ送信する処理とを行うコンテンツ配信方法。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツ配信方法において、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行しているかどうかを判定する処理と、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行していないと判定した場合、前記時刻表に設定されている時刻と、前記交通機関が運行している時刻との差分を算出する処理と、
前記算出した差分を示す差分情報を前記通信端末へ送信し、前記差分情報が示す差分に基づいたタイミングで、前記仮想画像を通信端末へ送信する処理とを行うコンテンツ配信方法。
【請求項10】
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた画像に所定のコンテンツ
である所定の画像を
合成して仮想画像を生成する手順と、
現在の時刻が、交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻
である場合、前記仮想画像を
前記通信端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行しているかどうかを判定する手順と、
前記交通機関が前記時刻表に設定されている時刻通りに運行していないと判定した場合、前記時刻表に設定されている時刻と、前記交通機関が運行している時刻との差分を算出する手順と、
前記算出した差分に基づいたタイミングで、前記仮想画像を前記通信端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、コンテンツ配信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画広告を配信するサイトが、携帯端末等の通信端末へ動画広告を配信するシステムが利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなシステムにおいては、広告を配信するタイミングが特に規定されておらず、コンテンツ配信が効率的に行われているとは言えない。
【0005】
本発明の目的は、コンテンツ配信を効率的に行うことができるコンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、コンテンツ配信方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ配信システムは、
通信端末と、コンテンツ配信装置とを有し、
前記通信端末は、
撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部とを有し、
前記コンテンツ配信装置は、
所定のコンテンツを仮想空間に設定した仮想画像を生成する仮想画像生成部と、
前記仮想画像生成部が生成した仮想画像を前記通信端末へ送信する配信部とを有し、
前記配信部は、交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻に前記撮像部が前記発着位置を撮像すると、該撮像のタイミングで、前記仮想画像を前記通信端末へ送信し、
前記表示部は、前記配信部から送信されてきた仮想画像を表示する。
【0007】
また、本発明のコンテンツ配信装置は、
所定のコンテンツを仮想空間に設定した仮想画像を生成する仮想画像生成部と、
交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻に通信端末が前記発着位置を撮像したタイミングで、前記仮想画像を前記通信端末へ送信する配信部とを有する。
【0008】
また、本発明のコンテンツ配信方法は、
所定のコンテンツを仮想空間に設定した仮想画像を生成する処理と、
交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻に通信端末が前記発着位置を撮像したタイミングで、前記仮想画像を通信端末へ送信する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
所定のコンテンツを仮想空間に設定した仮想画像を生成する手順と、
交通機関が発着位置に発着する時刻として時刻表にあらかじめ設定されている第1の時刻以外の第2の時刻に通信端末が前記発着位置を撮像したタイミングで、前記仮想画像を通信端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、コンテンツ配信を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のコンテンツ配信システムの第1の実施の形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した通信端末の内部構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示したコンテンツ配信装置の内部構成の一例を示す図である。
【
図4】ある駅における電車の時刻表の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】時刻表に設定された第1の時刻において、
図2に示した表示部における画像表示の一例を示す図である。
【
図7】時刻表に設定された第1の時刻以外の第2の時刻において、
図2に示した表示部における画像表示の一例を示す図である。
【
図8】本発明のコンテンツ配信システムの第2の実施の形態を示す図である。
【
図9】
図8に示したコンテンツ配信装置の内部構成の一例を示す図である。
【
図10】
図8に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明のコンテンツ配信システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態におけるコンテンツ配信システムは
図1に示すように、通信端末100と、コンテンツ配信装置200とを有する。通信端末100とコンテンツ配信装置200とは、通信ネットワーク300を介して接続されている。通信端末100は、通信機能を具備する装置である。通信端末100は、例えば、スマートフォン等の移動可能な通信端末である。コンテンツ配信装置200は、本システムを管理する管理者等が保有する通信装置である。
【0014】
図2は、
図1に示した通信端末100の内部構成の一例を示す図である。
図1に示した通信端末100は
図2に示すように、撮像部110と、表示部120と、音声出力部130とを有する。なお、
図2には、
図1に示した通信端末100が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示す。
【0015】
撮像部110は、被写体を撮像するカメラ等の撮像手段である。通信端末100の所持者は、撮像部110を用いて、特に、あらかじめ設定された時刻表に従って運行する交通機関が発着する発着位置を被写体として、その画像を撮像することができる。その場合、通信端末100の所持者は、撮像部110を用いて、交通機関の少なくとも一部がフレームに含まれるように撮像することができる。ここで、交通機関とは、電車、バス、船舶、航空機等、あらかじめ設定された時刻表(タイムスケジュール)に従って運行するものである。例えば、交通機関が電車である場合、撮像部110は、駅のホームに入ってくる電車を撮像する。また、撮像部110は、撮像した画像をコンテンツ配信装置200へ送信する。
【0016】
表示部120は、情報を表示するディスプレイである。表示部120は、撮像部110が撮像した画像を表示する。表示部120は、コンテンツ配信装置200から送信されてきた画像を表示する。また、表示部120は、撮像部110が撮像した画像に、コンテンツ配信装置200から送信されてきた画像を合成して合成画像として表示するものであっても良い。表示部120がコンテンツ配信装置200から送信されてきた画像または合成画像を表示するタイミングは、送信されてきた画像をリアルタイムで表示するものであっても良いし、コンテンツ配信装置200から表示のタイミングが指定された場合は、その指定されたタイミングで表示するものであっても良い。表示部120は、タッチパネル機能を具備したものであっても良く、表示部120への外部からの操作にしたがって、表示されている画像を拡大または縮小させたり、表示されている画像の表示位置を移動させたりすることができるものであっても良い。
【0017】
音声出力部130は、音声を出力するスピーカである。音声出力部130は、表示部120が画像を表示するタイミングに応じたタイミングで音声を出力する。例えば、表示部120が動画を表示する場合、音声出力部130は、その動画の表示タイミングに合わせたタイミングで音声を出力する。また、音声出力部130は、コンテンツ配信装置200から送信されてきた音声を、コンテンツ配信装置200から送信されてきた画像を表示部120が表示するタイミングで出力する。
【0018】
図3は、
図1に示したコンテンツ配信装置200の内部構成の一例を示す図である。
図1に示したコンテンツ配信装置200は
図3に示すように、仮想画像生成部210と、配信部220と、音声生成部230とを有する。なお、
図3には、
図1に示したコンテンツ配信装置200が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示す。
【0019】
仮想画像生成部210は、所定のコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成する。仮想画像生成部210は、外部から取得したコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成するものであっても良いし、コンテンツ自体を生成し、生成したコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成するものであっても良い。また、仮想画像生成部210は、通信端末100から送信されてきた撮像画像にコンテンツを合成した仮想画像を生成するものであっても良い。この場合、仮想画像生成部210は、通信端末100から送信されてきた撮像画像のうち、時刻表に示された時刻に交通機関が映り込む位置にコンテンツを合成しても良い。ここで、コンテンツとは、広告の配信を希望する事業者から配信を依頼された、商品やサービスを宣伝するための広告データを含む画像であっても良い。また、コンテンツは、撮像部110が撮像する交通機関が電車である場合、撮像部110が撮像する電車とは異なる種類の電車を含む画像であっても良い。また、コンテンツは、アニメのキャラクターや、テレビタレントやスポーツ選手等の著名人が登場する画像であっても良い。このコンテンツは、本配信システムを利用する利用者(例えば、通信端末100の所有者)と、本配信システムを運営する業者との間で契約されたコンテンツでも良い。この場合、仮想画像生成部210は、契約に基づいて利用者(利用者識別情報)とコンテンツとをあらかじめ対応付けておき、その利用者と対応付けられたコンテンツを用いて仮想画像を生成するものであっても良い。また、仮想画像生成部210は、そのタイミング(季節や曜日、時間帯、時刻等)に応じて様々なコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成するものであっても良い。また、仮想画像生成部210は、生成した画像をコンテンツ配信装置200が具備するメモリ等の記憶手段に記憶させても良い。
【0020】
配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信(配信)する。この送信のタイミングは、時刻表に設定された時刻(第1の時刻)以外の時刻(第2の時刻)である。なお、配信部220は、送信した画像を第2の時刻で表示部120に表示させるものであっても良い。つまり、配信部220は、表示部120に対して、送信した画像を第2の時刻において表示するように、表示部120における画像の表示のタイミングを制御(指定)するものでも良い。このタイミングの制御は、表示するタイミングを示すタイミング情報を、画像とともに通信端末100へ送信するものであっても良い。配信部220が、対象となる交通機関の時刻表を判定するには、撮像部110から送信されてきた画像を用いる。配信部220は、撮像部110から送信されてきた画像を解析し、その交通機関および撮像場所を判定する。この画像解析には、あらかじめ記憶された大量の交通機関や駅、停留所、空港等の画像データから構成される学習モデルを用いるものであっても良い。配信部220は、判定した交通機関とその撮像場所(例えば、駅)における時刻表を示す時刻表データを、その交通機関の運行を管理する業者のサイト等から取得する。また、配信部220は、音声生成部230が生成した音声を通信端末100へ送信する。また、仮想画像生成部210が生成した画像がコンテンツ配信装置200が具備するメモリ等の記憶手段に記憶されている場合、配信部220は、配信するタイミングに応じて画像を記憶手段から選択して読み出し、通信端末100へ送信するものであっても良い。
【0021】
音声生成部230は、仮想画像生成部210が生成した画像に応じた音声を生成する。仮想画像生成部210が生成した画像が動画である場合、音声生成部230は、その動画に合わせた音声を生成する。
【0022】
図4は、ある駅における電車の時刻表の一例を示す図である。
図4に示すような時刻表に基づいて、配信部220は仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信する。例えば、
図4に示した時刻表が対象である場合、5時5分と5時24分との間や、5時24分と5時39分との間には、電車は駅のホームに存在しないことがわかる。この電車が駅のホームに存在しない時間が、第2の時刻となる。配信部220は、このように時刻表を参照して、コンテンツの送信タイミング、または表示部120における画像表示のタイミングを制御する。また、時刻表には、それぞれの時刻においてそれぞれの交通機関(例えば、車両)の識別情報が付与されている。
【0023】
以下に、
図1に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法について説明する。
図5は、
図1に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0024】
撮像部110が撮像を開始すると(ステップS1)、撮像部110は撮像した画像をコンテンツ配信装置200へ送信する(ステップS2)。このとき、通信端末100は、画像とともに、通信端末100を所有する利用者にあらかじめ設定された利用者識別情報をコンテンツ配信装置200へ送信する。また、表示部120は、撮像部110が撮像した画像を表示する(ステップS3)。配信部220は、通信端末100から送信されてきた撮像画像を解析する(ステップS4)。配信部220は、解析した結果に基づいて、その画像に含まれる交通機関の時刻表を示す時刻表データを取得する(ステップS5)。また、仮想画像生成部210が、通信端末100から送信されてきた撮像画像に基づいて、所定のコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成する(ステップS6)。このとき、仮想画像生成部210は、撮像画像を送信してきた通信端末100を所有する利用者に応じたコンテンツを用いて仮想画像を生成する。仮想画像生成部210は、撮像画像を送信してきた通信端末100を所有する利用者を識別するために、通信端末100から撮像画像とともに送信されてきた利用者識別情報を用いる。
【0025】
その後、配信部220は、現在の時刻が時刻表に設定された第1の時刻であるかどうかを判定する(ステップS7)。現在の時刻が時刻表に設定された第1の時刻ではない場合、配信部220は、現在の時刻があらかじめ設定された広告時刻であるかどうかを判定する(ステップS8)。この広告時刻は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100に配信する(表示させる)時刻であって、広告ごとにあらかじめ設定されている。また、広告時刻を示す広告時刻情報には、広告を表示させる期間も示されている。つまり、広告時刻情報は、その広告の配信(表示)開始の時刻(日時)および配信(表示)期間を含む情報である。広告時刻情報は、上述した時刻表のように、時刻等が一覧表になっているものであっても良い。現在の時刻があらかじめ設定された広告時刻である場合、配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信して、表示部120に表示させる制御を行う(ステップS9)。このとき、配信部220から送信されてきた画像を表示部120がリアルタイムで表示する場合、配信部220は、表示部120に画像を表示させたいタイミングで画像を通信端末100へ送信する。また、配信部220から送信されてきた画像を表示部120が配信部220から指定されたタイミングで表示する場合、配信部220は仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信する際に、表示部120に表示させる時間を指定して送信する。
【0026】
すると、表示部120は、コンテンツ配信装置200から送信されてきた画像を表示する(ステップS10)。表示部120は、コンテンツ配信装置200から指定された画像の表示タイミング(表示期間)で画像を表示する。ここで、通信端末100の表示部120は、通常は撮像した画像を表示し、コンテンツ配信装置200から画像が送信されてきたときは、その送信されてきた画像を表示するものであっても良い。その場合、配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を表示部120に表示させたいタイミングで通信端末100へ送信し、それ以外のタイミングでは、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信しない。コンテンツ配信装置200は、ステップS8の処理を行った後、ステップS4の処理を行う。また、ステップS7にて、現在の時刻が時刻表に設定された第1の時刻である場合も、コンテンツ配信装置200はステップS4の処理を行う。
【0027】
また、ステップS7にて、現在の時刻が時刻表に設定された第1の時刻である場合、配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信して、表示部120に表示させる制御を行うものであっても良い。その場合、表示部120は、撮像部110が撮像した画像とコンテンツ配信装置200から送信されてきた仮想画像とを重ねて表示したり、撮像部110が撮像した画像とコンテンツ配信装置200から送信されてきた仮想画像とを並べて表示したりするものであっても良い。また、配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信して、送信した画像を第1の時刻以外に表示部120に表示させる制御を行うものであっても良い。このとき、上述した広告時刻情報を加味するものであっても良い。つまり、現在の時刻が時刻表に設定された第1の時刻であっても、現在の時刻が広告時刻である場合、配信部220は、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100へ送信して、表示部120に表示させる制御を行うものであっても良い。その場合、表示部120は、撮像部110が撮像した画像(例えば、電車の画像)とコンテンツ配信装置200から送信されてきた仮想画像とを重ねて表示したり、撮像部110が撮像した画像とコンテンツ配信装置200から送信されてきた仮想画像とを並べて表示したりするものであっても良い。
【0028】
なお、通信端末100が、利用者が通信端末100に対して所定の操作を行うことで入力された情報に基づいて、撮像した被写体の交通機関と場所(例えば、駅名)とを示す撮像情報をコンテンツ配信装置200へ送信するものであっても良い。その場合、コンテンツ配信装置200は、撮像画像を解析する必要はなく、送信されてきた撮像情報に基づいて、対象となる交通機関の時刻表を示す時刻表データを取得することができる。
【0029】
図6は、時刻表に設定された第1の時刻において、
図2に示した表示部120における画像表示の一例を示す図である。
図6に示すように、通信端末100の表示部120は、時刻表に設定された第1の時刻に電車が駅のホームに到着している様子を撮像部110が撮像した画像を表示する。
【0030】
図7は、時刻表に設定された第1の時刻以外の第2の時刻において、
図2に示した表示部120における画像表示の一例を示す図である。ここでは、仮想画像生成部210が生成し、配信部220から送信されてきた画像が、電車の先頭にタレントの顔が描かれている画像である場合を例に挙げる。
図7に示すように、通信端末100の表示部120は、時刻表に設定された第1の時刻以外の第2の時刻において、配信部220から送信されてきた仮想画像を表示する。
【0031】
このように、本形態においては、通信端末を用いて交通機関を撮像して表示している場合、時刻表に設定された第1の時刻においては、撮像した画像を表示し、それ以外の第2の時刻では、コンテンツ配信装置から配信されたコンテンツデータを表示する。これにより、コンテンツ配信を効率的に行うことができる。
(第2の実施の形態)
【0032】
図8は、本発明のコンテンツ配信システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態におけるコンテンツ配信システムは
図2に示すように、通信端末100と、コンテンツ配信装置201とを有する。通信端末100とコンテンツ配信装置201とは、通信ネットワーク300を介して接続されている。通信端末100は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。コンテンツ配信装置201は、本システムを管理する管理者等が保有する通信装置である。
【0033】
図9は、
図8に示したコンテンツ配信装置201の内部構成の一例を示す図である。
図8に示したコンテンツ配信装置201は
図9に示すように、仮想画像生成部210と、配信部221と、音声生成部230と、判定部241と、差分算出部251とを有する。なお、
図9には、
図8に示したコンテンツ配信装置201が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示す。仮想画像生成部210および音声生成部230は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。
【0034】
判定部241は、交通機関が時刻表通りに運行しているかどうかを判定する。判定部241は、交通機関の運行状況を管理するシステムから交通機関の現在の運行状況を示す運行情報を取得する。判定部241は、配信部221が画像解析を行って取得した交通機関、または通信端末100から送信されてきた交通機関に基づいて、その交通機関の運行状況を管理するシステムへアクセスし、現在の運行状況を示す運行情報を取得する。判定部241は、取得した運行情報が示す現在の運行状況と、配信部221が取得した時刻表データの時刻表とを比較し、交通機関が時刻表通りに運行しているかどうかを判定する。また、判定部241は、交通機関の運行状況を管理するシステムから取得した運行情報が示す現在の運行状況が、時刻表通りであるのか時刻表に示された時刻からどの程度遅延しているかを示す情報である場合、その情報に基づいて、交通機関が時刻表通りに運行しているかどうかを判定する。
【0035】
差分算出部251は、判定部241が、交通機関が時刻表通りに運行していないと判定した場合、時刻表に設定された時刻と交通機関が現在運行している時刻との差分を算出する。具体的には、例えば、交通機関が電車である場合、差分算出部251は、時刻表に設定された任意の時刻の交通機関のその駅への到着時刻と、運行情報が示す、その交通機関の識別情報と同じ識別情報の交通機関の運行状況(例えば、その駅への到着予定時刻)との時刻の差分を算出する。差分算出部251は、判定部241が時刻表に設定された時刻からどの程度遅延しているかを示す情報を取得している場合は、その遅延時間を差分とする。
【0036】
配信部221は、第1の実施の形態における配信部220が具備する機能に加えて、差分算出部251が算出した差分に基づいて、仮想画像生成部210が生成した画像を表示部120に表示させるタイミングを制御する。つまり、配信部221は、配信部221は、仮想画像生成部210が生成した画像を表示部120に表示させる通常のタイミング(第1の実施の形態におけるタイミング)に差分算出部251が算出した差分を加算したタイミングを、仮想画像生成部210が生成した画像を表示部120が表示するタイミングとして通信端末100に対して指定する。または、配信部221は、仮想画像生成部210が生成した画像を、時刻表が示す時刻から差分算出部251が算出した差分を遅らせたタイミングで通信端末100へ送信する。音声生成部230が生成した音声の配信部221からの送信についても同様である。また、第1の実施の形態で説明した広告時刻についても同様に、差分算出部251が算出した差分を遅らせるものであっても良い。
【0037】
配信部221は、時刻表に設定された時刻と差分算出部251が算出した差分とを加算し、現在の時刻がその加算した時刻ではない場合に、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100に送信して表示させるものであっても良い。また、第1の実施の形態で説明した広告時刻についても同様に、広告時刻と差分算出部251が算出した差分とを加算し、現在の時刻がその加算した時刻である場合に、仮想画像生成部210が生成した画像を通信端末100に送信して表示させるものであっても良い。
【0038】
以下に、
図8に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法について説明する。
図10は、
図8に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、
図8に示したコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法のうち、交通機関が時刻表通りに運行していない場合の処理について説明する。
【0039】
撮像部110が撮像を開始してから配信部221が撮像画像を解析し、時刻表データを取得するまでの処理は、第1の実施の形態における処理と同じである。また、仮想画像生成部210が、通信端末100から送信されてきた撮像画像に基づいて、所定のコンテンツを仮想空間に設定した画像を生成する処理も第1の実施の形態における処理と同じである。
【0040】
配信部221が、対象となる交通機関の現在の運行状況を示す運行情報を取得すると(ステップS21)、判定部241は、時刻表データが示す時刻表と運行情報が示す運行状況とに基づいて、交通機関が時刻表通りに運行しているかどうかを判定する(ステップS22)。交通機関が時刻表通りに運行していない場合、差分算出部251は、時刻表に設定された時刻と交通機関が現在運行している時刻との差分を算出する(ステップS23)。続いて、配信部221は、算出した差分に応じたタイミングで通信端末100へ仮想画像を送信する(ステップS24)。このとき、配信部221は、算出した差分に応じたタイミングを通信端末へ指定し、通信端末100における仮想画像の表示のタイミングを制御するものであっても良い。一方、ステップS22にて、交通機関が時刻表通りに運行している場合は、ステップS23,S24の処理は行われない。
【0041】
このように、本形態においては、通信端末を用いて交通機関を撮像して表示している場合、時刻表に記載された時刻においては、撮像した画像を表示し、それ以外の時間では、コンテンツ配信装置から配信されたコンテンツデータを表示する。これにより、従来、コンテンツデータを配信するには、手間がかかったり、厳しい規制を満たす必要があったり、電車が到着する限られたタイミングに配信する必要があったりしたが、本発明においてはコンテンツ配信を効率的に行うことができる。さらに、実際の運行状況が時刻表から遅延した場合、その遅延に応じてコンテンツ配信装置から配信されたコンテンツデータの通信達末における表示のタイミングを制御する。そのため、運行状況に柔軟に対応したコンテンツ配信を行うことができる。
【0042】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。
【0043】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を各構成要素を具備した装置(例えば、コンテンツ配信装置200,201。以下、情報処理装置と称する)にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。情報処理装置にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、情報処理装置に内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報処理装置に設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0044】
100 通信端末
110 撮像部
120 表示部
130 音声出力部
200,201 コンテンツ配信装置
210 仮想画像生成部
220,221 配信部
230 音声生成部
241 判定部
251 差分算出部
300 通信ネットワーク