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特許7008796高量の再生可能含有物を有する水性インク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】高量の再生可能含有物を有する水性インク
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/08 20060101AFI20220118BHJP
   B65D 25/34 20060101ALI20220118BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20220118BHJP
   C08K 3/28 20060101ALI20220118BHJP
   C08K 5/01 20060101ALI20220118BHJP
   C08K 5/29 20060101ALI20220118BHJP
   C08L 33/00 20060101ALI20220118BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20220118BHJP
   C08L 93/00 20060101ALI20220118BHJP
   C08L 93/04 20060101ALI20220118BHJP
   C09D 11/107 20140101ALI20220118BHJP
   C09D 133/08 20060101ALI20220118BHJP
   C09D 193/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C09D11/08
B65D25/34 B
C08K3/22
C08K3/28
C08K5/01
C08K5/29
C08L33/00
C08L83/04
C08L93/00
C08L93/04
C09D11/107
C09D133/08
C09D193/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020506357
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018046616
(87)【国際公開番号】W WO2019036416
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/546,707
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596024024
【氏名又は名称】サン・ケミカル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デイトン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,スチュワート
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-094104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0219130(US,A1)
【文献】国際公開第2016/028850(WO,A1)
【文献】特表2006-520418(JP,A)
【文献】特開2004-346329(JP,A)
【文献】特表2008-545824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/08
B65D 25/34
C08K 3/22
C08K 3/28
C08K 5/01
C08K 5/29
C08L 33/00
C08L 83/04
C08L 93/00
C08L 93/04
C09D 11/107
C09D 133/08
C09D 193/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性インクまたはコーティング組成物であって、
a)ガムロジン、トールオイルロジン、ウッドロジン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の再生可能樹脂と、
b)1つ以上の自己架橋アクリルと、
c)1つ以上の架橋剤と、
d)シリコーンと、を含み、
前記再生可能樹脂含有物が、前記インクまたはコーティング組成物中の前記樹脂含有物の総重量に基づいて、65%(w/w)以上であり、
前記架橋剤は、酸化亜鉛、カルボジイミド、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、グルタルアルデヒド、グリオキサール、過硫酸カリウム、塩化アルミニウム、チタニウムテトラヒドロクロリド、塩化亜鉛、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
水性インクまたはコーティング組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの再生可能樹脂が、再生可能ガムロジンである、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項3】
前記再生可能ガムロジン樹脂が、1つ以上のマレイン酸樹脂、または1つ以上のフマル酸樹脂、もしくは1つ以上のポリエステル樹脂、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項4】
前記樹脂含有物が、前記インクまたはコーティング組成物の総重量に基づいて、5%(w/w)~50%(w/w)である、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項5】
前記自己架橋アクリルが、前記インクまたはコーティング組成物の総重量に基づいて、0.05%(w/w)~20%(w/w)の量で存在する、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項6】
前記架橋剤が、酸化亜鉛、カルボジイミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの架橋剤が、酸化亜鉛である、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項8】
前記架橋剤が、前記インクまたはコーティング組成物の総重量に基づいて、0.5%(w/w)~6%(w/w)の量で存在する、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項9】
前記シリコーンが、シリコーンエマルションの形態である、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項10】
前記シリコーンが、前記インクまたはコーティング組成物の総重量に基づいて、0.5%(w/w)~2%(w/w)の量で存在する、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項11】
1つ以上の着色剤をさらに含む、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項12】
接着促進剤、光安定剤、脱ガス添加剤、ワックス、アンモニア、流動促進剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、レオロジー添加剤、ワックス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項13】
1つ以上の合体剤をさらに含む、請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項14】
前記合体剤が、20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有するアクリルを含む、請求項13に記載のインクまたはコーティング組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のインクまたはコーティング組成物を含む、基材。
【請求項16】
請求項15に記載の基材を含む、物品。
【請求項17】
前記物品が、包装物品である、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記包装物品が、食品包装用途に好適である、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記物品が、飲料用カップに好適である、請求項16に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書にその全体が組み込まれる、2017年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/546,707号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、多量の再生可能含有物、具体的には、再生可能樹脂を含む、印刷用インクおよびコーティング組成物に関する。再生可能含有物は、化石燃料とは対照的に、再生可能資源(例えば、植物ベース)に由来する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、インクおよびコーティング組成物は、組成物のバインダとしてポリマー/樹脂を使用して配合される。一般的に、これらのポリマー/樹脂は、化石燃料等の再生不可能資源から調製される。しかしながら、再生不可能資源から調製されたこれらのポリマー/樹脂を置き換える試みが行われている。これらは、作製に費用がかかり、原材料(化石燃料等)が限られた量でしか利用可能ではないため、最終的に原材料の供給を使い果たしてしまう。
【0004】
再生不可能資源から調製されたポリマー/樹脂に対する代替として、インクおよびコーティング組成物を、植物ベース等の再生可能資源から調製されたポリマー/樹脂で調製する試みが行われてきた。理想的には、再生可能資源から調製されたインクおよびコーティング組成物は、現在市販されているインクおよびコーティング(特にアクリルインクおよびコーティング)と同様の耐性を有する。しかし、再生可能でんぷん、具体的にはコーンスターチから作製されたインクのいくつかの例があるが、これらのインクには所望の物理的特性がない。
【0005】
US8,383,705およびUS8,519,022は、フレキソ印刷インクおよび他の種類のインクのための増量剤組成物を開示している。増量剤組成物は、ジャガイモでんぷん、モノエタノールアミン、および水に溶ける溶液樹脂を含有する。ジャガイモでんぷんは、最終のインク組成物における担体およびエマルション樹脂として使用される。ジャガイモでんぷんは、石油および大豆ベースの樹脂に対する代替として使用される。
【0006】
US9,382,659は、高分子量でんぷんおよび水溶性アクリルポリマーまたはコポリマーをバインダ樹脂として含有する水系印刷用インクおよびコーティング組成物を開示している。インクおよびコーティング組成物は、セルロース基材上の印刷に有用である。
【0007】
でんぷんを含有するインクおよびコーティングが調製されているが、より良好な性能特性を有する再生可能含有物を含むインクおよびコーティングを開発する必要性が依然として存在する。例えば、再生可能含有物を含有しない既存の市販されているインクと同様、またはそれより良好な耐性プロファイルを呈するインクおよびコーティングの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、高量の再生可能樹脂含有物(好ましくは65%(w/w)以上)を有する水性インクおよびコーティング組成物に関するものである。発明者らは、ガムロジン由来の高量の再生可能樹脂で作製されたインクが、再生可能でんぷんで作製されたインクと比較して、改善された耐性を提示することを発見した。でんぷん、具体的にはコーンスターチから作製されたインクは、再生可能であることがよく知られている。しかしながら、これらのインクには、接着および耐摩擦性等の所望の物理的特性がない。
【0009】
特定の態様では、本発明は、
a)1つ以上の再生可能樹脂と、
b)1つ以上の自己架橋アクリルと、
c)1つ以上の架橋剤と、
d)シリコーンと、を含む、水性インクまたはコーティング組成物を提供し、
再生可能ガムロジン樹脂含有物は、インクまたはコーティング組成物中の樹脂含有物の総重量に基づいて、65%(w/w)以上である。
【0010】
ある特定の実施形態では、再生可能樹脂は、ガムロジン樹脂である。好ましくは、ガムロジン樹脂は、マレイン酸、フマル酸、またはポリエステル再生可能樹脂のうちの1つ以上を含む。
【0011】
ある特定の実施形態では、架橋剤は、酸化亜鉛、カルボジイミド、またはそれらの組み合わせである。
【0012】
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明のインクおよびコーティング組成物を含む基材および物品を提供する。
【0013】
ある特定の実施形態では、基材および物品は、食品包装等の包装用途での使用に好適である。
【0014】
本発明の他の特徴および利点について以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
前述の概要および後述の詳細な説明がただ例示的かつ説明的だけであり、特許請求されるいかなる主題も限定しないことを理解されたい。
【0016】
別途規定のない限り、本明細書で使用する全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示全体について言及する全ての特許、特許出願、公開出願および公報、ウェブサイト、ならびに他の出版物は、別途記載のない限り、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0017】
本発明は、高量の再生可能樹脂含有物を有する水性インクおよびコーティング配合物に関するものである。再生可能含有物は、化石燃料とは対照的に、再生可能資源(例えば、植物)から得られた材料と定義される。本発明の目的のために、再生可能材料の割合は、乾燥/硬化フィルムにおけるインクまたはコーティング中の総樹脂含有物の割合としての再生可能樹脂の量として計算される。本発明のインクおよびコーティング組成物は、好ましくは、乾燥/硬化フィルム中の樹脂含有物の総重量に基づいて、65%(w/w)以上の再生可能樹脂を含む。
【0018】
特定の態様では、本発明は、
a)1つ以上の再生可能樹脂と、
b)1つ以上の自己架橋アクリルと、
c)1つ以上の架橋剤と、
d)シリコーンと、を含む、水性インクまたはコーティング組成物を提供し、
再生可能ガムロジン樹脂含有物は、インクまたはコーティング組成物中の樹脂含有物の総重量に基づいて、65%(w/w)以上である。
【0019】
好ましくは、再生可能樹脂は、例えば、マレイン酸、フマル酸、およびポリエステル再生可能樹脂等のガムロジン樹脂である。好ましくは、架橋剤は、酸化亜鉛もしくはカルボジイミド、またはそれらの組み合わせである。
【0020】
本発明のインクおよびコーティングは、様々な包装用途を含む様々な最終使用用途に使用され得る。包装用途は、持ち帰り用袋、飲料用カップ、包装紙、クラムシェル、カートン、およびピンチ底袋等の食品用途を含む。例えば、1つの特定の用途は、冷たい飲料用カップであり得る。
【0021】
本発明のインクおよびコーティングは、好ましくは、大量の再生可能材料を含有しない現在市販されているインク(特にアクリルインク)と同様、またはそれより良好な耐性プロファイルを有する。本発明のインクおよびコーティングは、水、グリース、炭酸飲料、人工汗、摩擦(擦れ)、および熱に対して優れた耐性を呈する。
定義
【0022】
本出願では、単数の使用は、別途具体的に記載のない限り、複数を含む。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上他の意味を明確に示す場合を除き、単数形も含むように意図される。
【0023】
本出願では、「または」の使用は、別途記載のない限り、「および/または」を意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または成分の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しない。さらに、用語「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、「構成される(composed)」、「含まれる(comprised)」、またはそれらの変形を、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用する限りにおいて、このような用語は、用語「含む(comprising)」と同様に包括的であるように意図される。
【0025】
本明細書で使用する場合、範囲および量は、「約」の特定の値または範囲として表現され得る。「約」は、正確な量も含むように意図される。したがって、「約5パーセント」は、「約5パーセント」および「5パーセント」も意味する。「約」は、意図される用途または目的のための典型的な実験誤差内であることを意味する。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「(メタ)アクリレート」または「(メタ)アクリル酸」は、アクリレートおよびメタクリレート化合物の両方、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸の両方を含む。
【0027】
本明細書で使用する場合、「インクおよびコーティング組成物」、「インクおよびコーティング」、「インク」、「コーティング」、および「本発明の組成物」は、交換可能に使用され、全て本発明のインクおよびコーティング組成物を指す。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「物品(article)」または「物品(articles)」は、基材または製造品を意味する。物品の例として、紙、プラスチック、プラスチックまたはポリマーフィルム、ガラス、セラミック、金属、複合体等の基材と、出版物(例えば、パンフレット)、レーベル、および包装材料(例えば、ボール紙または段ボール)、容器(例えば、ボトル、缶)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、金属化ホイル(例えば、積層アルミニウムホイル)、金属化ポリエステル、金属容器等の製造品とが挙げられるがこれらに限定されない。
【0029】
本開示を通して、別途指定のない限り、全ての部分および割合は、重量単位総重量に基づく重量%または質量%)であり、全ての温度は℃である。
組成物
【0030】
本発明は、多量の再生可能材料、特に再生可能樹脂を含有する水性インクおよびコーティング組成物を提供する。本発明のインクおよびコーティングは、異なる種類の包装および食品用途を含む、様々な最終使用用途への印刷に好適である。例えば、本発明のインクおよびコーティングは、持ち帰り用袋、飲料用カップ、包装紙、クラムシェル、カートン、およびピンチ底袋、ならびにより多くの用途を印刷およびコーティングするのに有用である。特定の用途は、冷たい飲料用カップの印刷およびまたはコーティングであり得る。
【0031】
有利には、本発明のインクおよびコーティングは、化石燃料由来の樹脂等の再生不可能材料に基づく現在市販されているインクおよびコーティングと同様、またはそれよりも良好な性能を有する。例えば、本発明のインクおよびコーティングは、大量の再生可能材料を含有しない現在入手可能なアクリルインクと同様の耐性プロファイルを有する。有利には、本発明のインクおよびコーティングは、水、グリース、摩擦、熱、炭酸飲料、および人工汗に対して良好な耐性を呈する。
【0032】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、一般的にバインダとして使用される再生可能材料を含む。再生可能材料は、ジャガイモでんぷん、コーンスターチ、およびロジン等の植物からの材料を含む。再生可能材料は、ガムロジン、トールオイルロジン、およびウッドロジン等の松の木から得られた生成物を含む。ガムロジンは、アビエチン型、およびピマル型、およびその誘導体等の酸から構成される。ガムロジン酸は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマール酸、ジヒドロアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸、およびサンダラコピマル酸を含む。ガムロジンは、変性形態で頻繁に使用される。ガムロジンは、例えばペンタエリトリトールとエステル化して、ポリエステル樹脂を生成し得る。ガムロジンは、無水マレイン酸またはフマル酸等の酸および/または無水物と反応して、変性再生可能樹脂を生成し得る。3つの特定の有用な再生可能ガムロジン材料は、ガムロジン原料由来のマレイン酸、フマル酸、およびポリエステル樹脂であるが、他の再生可能ガムロジンも使用してもよい。好適な再生可能樹脂には、全てRokra-Kraemerから供給されるErkamar3275、Erkamar3300、Erkamar3266、およびErkamar3270(全てマレイン酸樹脂)、Lawter製のReactol5145A(ポリエステル樹脂)、HydroRez3886(フマル酸樹脂)、HydroRez6200(フマル酸樹脂)、およびHydroRez6500(フマル酸樹脂)、それらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、典型的には、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、65%(w/w)以上の再生可能樹脂を含む。例えば、再生可能樹脂は、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、70%(w/w)以上、または75%(w/w)以上、または80%(w/w)以上、または85%(w/w)以上、または90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上の量で存在してもよい。好ましい実施形態では、組成物中の99%(w/w)の樹脂含有物は、再生可能である。有利には、本発明の組成物は、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、約65%(w/w)~約99%(w/w)の再生可能樹脂を含む。例えば、本発明の組成物は、組成物中の樹脂の合計重量に基づいて、約65%(w/w)~約95%(w/w)の再生可能樹脂を含んでもよく、または約65%~約90%、または約65%~約85%、または約65%~約80%、または約65%~約75%、または約65%~約70%、または約70%~約99%、または約70%~約95%、または約70%~約90%、または約70%~約85%、または約70%~約80%、または約70%~約75%、または約75%~約99%、または約75%~約95%、または約75%~約90%、または約75%~約85%、または約75%~約80%、または約80%~約99%、または約80%~約95%、または約80%~約90%、または約80%~約85%、または約85%~約99%、または約85%~約95%、または約85%~約90%、または約90%~約99%、または約90%~約95%、または約95%~約99%である。
【0034】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、一般的に、1つ以上の自己架橋アクリルを含む。好適な自己架橋アクリルには、Neocryl XK12およびXK14(DSM製)、AC2714VP(Alberdingk製)、AM00035(Synthomer製)、Orgal PO86V(Organikkimyan製)、それらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
自己架橋ポリマーは、自己反応性である機能性を含有するため、別々の共反応体自体の使用を必要としない。自己架橋ポリマーは、通常、水系分散液またはエマルションの形態であり、典型的には、互いに反応する少なくとも2つのモノマーの生成物である。例えば、このようなポリマーは、カルボニルおよびアミン官能基の両方を含有し得る。自己架橋アクリルポリマーは、例えば、スチレン-アクリルエステルコポリマー、アクリルアミド基を含有するスチレン/アクリルエステルコポリマー、ならびにアクリロニトリル、メタクリルアミド、およびアクリルエステルに基づくコポリマーからなる群から選択されるバインダを含んでもよい。好ましくは、自己架橋アクリルポリマーは、メチルアクリル酸(MAA)、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、スチレン、およびメチルスチレンから選択された少なくとも1つのモノマーを含む反応性モノマーから形成される。有利には、自己架橋ポリマーは、スチレン/アクリルエステルコポリマーである。
【0036】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、典型的には、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、約1%(w/w)~約35%(w/w)の自己架橋アクリルを含む。好ましくは、組成物は、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、約3%(w/w)~約7%(w/w)の自己架橋アクリルを含む。例えば、本発明の組成物は、組成物中の樹脂の総合計重量に基づいて、約1%~約30%(w/w)の自己架橋アクリルを含んでもよく、または約1%~約25%、または約1%~約20%、または約1%~約15%、または約1%~約10%、または約1%~約5%、または約5%~約35%、または約5%~約30%、または約5%~約25%、または約5%~約20%、または約5%~約15%、または約5%~約10%、または約10%~約35%、または約10%~約30%、または約10%~約25%、または約10%~約20%、または約10%~約15%、または約15%~約35%、または約15%~約30%、または約15%~約25%、または約15%~約20%、または約20%~約35%、または約20%~約30%、または約20%~約25%、または約25%~約35%、または約25%~約30%、または約30%~約35%である。
【0037】
本発明の組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約5重量%(w/w)~約50%(w/w)の樹脂を含む。好ましくは、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約15%(w/w)~約40%(w/w)の樹脂を含む。例えば、組成物の総重量に基づいて、本発明の組成物は、約5%~約45%、または約5%~約40%、または約5%~約35%、または約5%~約30%、または約5%~約25%、または約5%~約20%、または約5%~約15%、または約5%~約10%、または約10%~約50%、または約10%~約45%、または約10%~約40%、または約10%~約35%、または約10%~約30%、または約10%~約25%、または約10%~約20%、または約10%~約15%、または約15%~約50%、または約15%~約45%、または約15%~約40%、または約15%~約35%、または約15%~約30%、または約15%~約25%、または約15%~約20%、または約20%~約50%、または約20%~約45%、または約20%~約40%、または約20%~約35%、または約20%~約25%、または約25%~約50%、または約25%~約45%、または約25%~約40%、または約25%~約35%、または約25%~約30%、または約30%~約50%、または約30%~約45%、または約30%~約40%、または約30%~約35%、または約35%~約50%、または約35%~約45%、または約35%~約40%、または約40%~約50%、または約40%~約45%、または約45%~約50%の量(w/w)で樹脂を含有してもよい。
【0038】
本発明の組成物は、一般的に、組成物の総重量に基づいて、約0.65%(w/w)~約50%(w/w)の再生可能樹脂を含有する。例えば、再生可能樹脂は、組成物の総重量に基づいて、約0.65%(w/w)~約45%(w/w)の量で存在してもよく、または約0.65%~約40%、または約0.65%~約35%、または約0.65%~約30%、または約0.65%~約25%、または約0.65%~約20%、または約0.65%~約15%、または約0.65%~約10%、または約0.65%~約5%、または約0.65%~約1%、または約1%~約50%、または約1%~約45%、または約1%~約40%、または約1%~約35%、または約1%~約30%、または約1%~約25%、または約1%~約20%、または約1%~約15%、または約1%~約10%、または約1%~約5%、または約5%~約50%、約5%~約45%、または約5%~約40%、または約5%~約35%、または約5%~約30%、または約5%~約25%、または約5%~約20%、または約5%~約15%、または約5%~約10%、または約10%~約50%、または約10%~約45%、または約10%~約40%、または約10%~約35%、または約10%~約30%、または約10%~約25%、または約10%~約20%、または約10%~約15%、または約15%~約50%、または約15%~約45%、または約15%~約40%、または約15%~約35%、または約15%~約30%、または約15%~約25%、または約15%~約20%、または約20%~約50%、または約20%~約45%、または約20%~約40%、または約20%~約35%、または約20%~約30%、または約20%~約25%、または約25%~約50%、または約25%~約45%、または約25%~約40%、または約25%~約35%、または約25%~約30%、または約30%~約50%、または約30%~約45%、または約30%~約40%、または約30%~約35%、または約35%~約50%、または約35%~約45%、または約35%~約40%、または約40%~約50%、または約40%~約45%、または約45%~約50%である。好適な再生可能樹脂には、Rokra-Kraemerにより供給されるErkamar3275が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の組成物は、一般的に、組成物の総重量に基づいて、約0.05%(w/w)~約20%(w/w)の自己架橋アクリルを含有する。好ましくは、本発明の組成物は、約3%(w/w)~約7%(w/w)の自己架橋アクリルを含む。例えば、自己架橋アクリルは、約0.05%(w/w)~約15%(w/w)、または約0.05%~約10%、または約0.05%~約5%、または約0.05%~約1%、または約0.05%~約0.5%、または約0.05%~約0.1%、または約0.1%~約20%、または約0.1%~約15%、または約0.1%~約10%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%、または約0.5%~約20%、または約0.5%~約15%、または約0.5%~約10%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約20%、または約1%~約15%、または約1%~約10%、または約1%~約5%、または約5%~約20%、または約5%~約15%、または約5%~約10%、または約10%~約20%、または約10%~約15%、または約15%~約20%の量で存在してもよい。
【0040】
再生可能樹脂および自己架橋アクリルに加えて、本発明の組成物は、追加の再生不可能樹脂をさらに含んでもよい。好適な追加の再生不可能樹脂には、アクリル、ウレタン、ビニル、エポキシ、それらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、ガムロジン原料由来ではないマレイン酸、フマル酸、およびポリエステル樹脂も含んでもよく、これは、配合物の再生可能樹脂部分として考えられるものの一部分を含まない。
【0041】
存在する場合、追加の再生不可能樹脂は、組成物の総重量に基づいて、約4%(w/w)~約8%(w/w)の量で存在する。例えば、再生不可能樹脂は、約4%~約7.5%、または約4%~約7%、または約4%~約6.5%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約8%、または約4.5%~約7.5%、または約4.5%~約7%、または約4.5%~約6.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約8%、または約5%~約7.5%、または約5%~約7%、または約5%~約6.5%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約8%、または約5.5%~約7.5%、または約5.5%~約7%、または約5.5%~約6.5%、または約5.5%~約6%、または約6%~約8%、または約6%~約7.5%、または約6%~約7%、または約6%~約6.5%、または約6.5%~約8%、または約6.5%~約7.5%、または約6.5%~約7%、または約7%~約8%、または約7%~約7.5%、または約7.5%~約8%の量で存在してもよい。
【0042】
本発明のインクおよびコーティング組成物は、有利には、再生可能樹脂の架橋を促進する架橋剤を含有する。好適な架橋剤には、酸化亜鉛、カルボジイミド、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ホウ酸塩、過硫酸カリウム、塩化アルミニウム、チタニウムテトラヒドロクロリド、塩化亜鉛、それらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。好適な架橋剤は、酸化亜鉛およびカルボジイミドである。
【0043】
本発明の組成物は、一般的に、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約6%(w/w)の架橋剤を含有する。好ましくは、本発明の組成物は、約3.5%(w/w)~約5.5%(w/w)の架橋剤を含む。例えば、架橋剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約5.5%(w/w)の量で存在してもよく、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4.5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3.5%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2.5%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1.5%、または約0.5%~約1%、または約1%~約6%、または約1%~約5.5%、または約1%~約5%、または約1%~約4.5%、または約1%~約4%、または約1%~約3.5%、または約1%~約3%、または約1%~約2.5%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約6%、または約1.5%~約5.5%、または約1.5%~約5%、または約1.5%~約4.5%、または約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%、または約1.5%~約2.5%、または約1.5%~約2%、または約2%~約6%、または約2%~約5.5%、または約2%~約5%、または約2%~約4.5%、または約2%~約4%、または約2%~約3.5%、または約2%~約3%、または約2%~約2.5%、または約2.5%~約6%、または約2.5%~約5.5%、または約2.5%~約5%、または約2.5%~約4.5%、または約2.5%~約4%、または約2.5%~約3.5%、または約2.5%~約3%、または約3%~約6%、または約3%~約5.5%、または約3%~約5%、または約3%~約4.5%、または約3%~約4%、または約3%~約3.5%、または約3.5%~約6%、または約3.5%~約5.5%、または約3.5%~約5%、または約3.5%~約4.5%、または約3.5%~約4%、または約4%~約6%、または約4%~約5.5%、または約4%~約5%、または約4%~約4.5%、または約4.5%~約6%、または約4.5%~約5.5%、または約4.5%~約5%、または約5%~約6%、または約5%~約5.5%、または約5.5%~約6%である。
【0044】
本発明の組成物は、シリコーンを含む。シリコーンは、液状もしくは固体状、またはエマルションもしくは分散体であり得る。好ましくは、シリコーンは、シリコーンエマルションの形態である。好適なシリコーンには、ポリジメチルシロキサン、およびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約2%(w/w)のシリコーンを含む。例えば、シリコーンは、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約1.5%(w/w)の量で存在し得、または約0.5%~約1%、または約1%~約2%、または約1%~約1.5%、または約1.5%~約2%である。
【0046】
本発明の組成物は、1つ以上の合体剤をさらに含んでもよい。合体剤は、フィルム形成を最適化する。合体剤は、ポリマー粒子の一時的な可塑剤として機能し、ポリマーエマルションの最低フィルム形成温度(MFFT)を低下させる。一般的な合体剤は、エステルアルコール、エステル、およびグリコールエーテル等の溶媒を含む。このような溶媒合体剤の例として、Eastman Texanolエステルアルコール、Eastman EEH溶媒、およびEastman DB溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。低Tgアクリルエマルションも、合体剤として使用してもよい。有利には、本発明で使用する合体剤は、典型的には20℃未満、好ましくは0℃未満のTgを有するアクリルエマルションである。好適な合体剤には、Dow Lucidene605、DSM NeoCryl A-1125、NeoCryl A-2095、BASF Joncryl8052、およびBASF Joncryl ECO2124が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
存在する場合、合体剤は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約1%(w/w)~約2%(w/w)の量で存在する。例えば、合体剤は、組成物の総重量に基づいて、約1%(w/w)~約1.5%(w/w)の量で存在してもよく、または約1.5%~約2%である。
【0048】
本発明の組成物は、着色剤をさらに含んでもよい。好適な着色剤には、有機または無機顔料および染料が含まれるが、これらに限定されない。染料には、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、それらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。有機顔料は、例えば、顔料イエロー番号12、13、14、17、74、83、114、126、127、138、150、155、174、180、181、188、顔料レッド番号2、22、23、48:1、48:2、52、52:1、53、57:1、112、122、166、170、176、184、202、254、266、269、顔料オレンジ番号5、16、34、36、顔料ブルー番号15、15:3、15:4、顔料バイオレット番号3、19、23、27、および/または顔料グリーン番号7等の、1つの顔料または顔料の組み合わせであってもよい。無機顔料は、酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、黒酸化第二鉄、顔料ブラック番号7ならびに/または顔料ホワイト番号6および7の非限定的な顔料のうちの1つであってもよい。他の有機および無機顔料および染料も、所望の色を達成する組み合わせと同様に用いることができる。
【0049】
存在する場合、着色剤は、典型的には、総組成物の重量に基づいて、約6%(w/w)~約15%(w/w)の量で存在する。例えば、着色剤は、約6%~約14%、または約6%~約13%、または約6%~約12%、または約6%~約11%、または約6%~約10%、または約6%~約9%、または約6%~約8%、または約6%~約7%、または約7%~約15%、または約7%~約14%、または約7%~約13%、または約7%~約12%、または約7%~約11%、または約7%~約10%、または約7%~約9%、または約7%~約8%、または約8%~約15%、または約8%~約14%、または約8%~約13%、または約8%~約12%、または約8%~約11%、または約8%~約10%、または約8%~約9%、または約9%~約15%、または約9%~約14%、または約9%~約13%、または約9%~約12%、または約9%~約11%、または約9%~約10%、または約10%~約15%、または約10%~約14%、または約10%~約13%、または約10%~約12%、または約10%~約11%、または約11%~約15%、または約11%~約14%、または約11%~約13%、または約11%~約12%、または約12%~約15%、または約12%~約14%、または約12%~約13%、または約13%~約15%、または約13%~約14%、または約14%~約15%の量で存在してもよい。
【0050】
本発明の組成物は、インクおよびコーティング組成物に使用される典型的な添加剤をさらに含んでもよい。好適な添加剤には、接着促進剤、光安定剤、脱ガス添加剤、ワックス、アンモニア、流動促進剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、レオロジー添加剤、ワックス、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。添加剤は、使用する場合、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約9%(w/w)の量で各々独立して含まれる。例えば、添加剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%(w/w)~約8.5%(w/w)の量で存在してもよく、または約0.5%~約8%、または約0.5%~約7%、または約0.5%~約6%、または約0.5%~約5%、または約0.5%~約4%、または約0.5%~約3%、または約0.5%~約2%、または約0.5%~約1%、または約1%~約9%、または約1%~約8%、または約1%~約7%、または約1%~約6%、または約1%~約5%、または約1%~約4%、または約1%~約3%、または約1%~約2%、または約2%~約9%、または約2%~約8%、または約2%~約7%、または約2%~約6%、または約2%~約5%、または約2%~約4%、または約2%~約3%、または約3%~約9%、または約3%~約8%、または約3%~約7%、または約3%~約6%、または約3%~約5%、または約3%~約4%、または約4%~約9%、または約4%~約8%、または約4%~約7%、または約4%~約6%、または約4%~約5%、または約5%~約9%、または約5%~約8%、または約5%~約7%、または約5%~約6%、または約6%~約9%、または約6%~約8%、または約6%~約7%、または約7%~約9%、または約7%~約8%、または約8%~約9%である。
【0051】
本発明のインクおよびコーティング組成物は水性であるが、少量の有機溶媒を配合物に組み込むことが可能であり得る。好ましくは、任意の有機溶媒は、組成物の総重量に基づいて、20%(w/w)以下、より好ましくは10%(w/w)以下、および最も好ましくは5%(w/w)以下の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、任意の有機溶媒を含有しない。
【0052】
基材に適用して乾燥させるとき、本発明のインクおよびコーティング(乾燥インクフィルム)は、好ましくは、多量の再生可能材料を含有しない先行技術のインク(例えば、アクリルベースのインク)と比較して、同様の、または改善された物理的特性(例えば、接着、耐性)を呈する。好適な耐性の例として、水、グリース、摩擦(擦れ)、熱、炭酸液体、および人工汗が挙げられる。
【実施例
【0053】
以下の実施例は、本発明の具体的な態様を示し、いかなる点においてもその範囲を限定するように意図されず、そのように解釈されるべきではない。
方法
インク調製
【0054】
樹脂(乾燥/硬化インクフィルム中)の総合計重量に基づいて最終インクが65%の再生可能樹脂を含有する量で、本発明の工業用ワニスを、顔料分散体(1~35%固体)を含有する標準的なアクリルベースと混合した。ベース(ワニス)の顔料分散体とのブレンドからではなく、でんぷんからの原材料の全てを組み合わせることによって、インクを調製することも可能であり得ることに留意されたい。本発明のインクおよび比較インクの粘度は、概して、ザーン3カップを使用して約15秒であった。
印刷
【0055】
本発明のインクおよび比較インクを、200スクリーンのハンドアニロックスローラを使用して、標準的なポリエチレンをコーティングした板上に印刷した。
テープ接着
【0056】
Scotch610接着テープを、印刷および乾燥された試料に貼った。印刷の表面に垂直の方向にテープをゆっくりと引っ張り、その後速く引っ張って、手動で剥がした。テープは貼った直後に剥がした。結果をインク除去の割合として報告する。
Satra湿潤摩擦
【0057】
Satra摩擦試験機(モデルSTM 461)を使用して、指定の負荷(1.8Kg)下で、液体を浸したフェルトパッド(外径26mm)を、印刷の表面上で回転させた。印刷は、水およびスクアレン(人工汗)で試験した。パッドを水で浸した場合、その結果を、インクの除去までの摩擦の回数として報告する。パッドをスクアレン(つまり、人工汗)で浸した場合、パッドを30サイクル回転させ、その結果を、インク除去の割合として報告する。
Sutherland摩擦試験(ASTM D5264)
【0058】
印刷された試料を、Sutherland摩擦試験機(メーカー、モデル?)を使用して試験した。試験試料を、摩擦試験機の底部ゴムパッドに取り付けた。乾燥および湿潤摩擦試験を行った。
【0059】
乾燥摩擦試験では、乾燥フェルトパッドを摩擦試験機の上部(レセプタ)ゴムパッドに取り付けた。4ポンド重量で100ストローク実行するように摩擦試験機を設定した。ストロークは、1回の往復サイクルである。結果を、インク除去の割合として報告する。
【0060】
湿潤摩擦試験では、湿潤フェルトパッドを摩擦試験機の上部(レセプタ)ゴムパッドに取り付けた。フェルトパッドを、水、植物油、またはケチャップのうちの1つで湿らせた。2ポンド重量で10ストローク実行するように摩擦試験を設定した。結果を、インク除去の割合として報告する。
綿棒摩擦
【0061】
プルーフ印刷を、硬表面上に印刷側を上にして置いた。綿棒を指定の液体(アルコール、コーラ、またはレモネード)に浸漬させ、その直後に、印刷の表面上で擦って10回の摩擦し、ここで、各摩擦は1方向に1回の摩擦である。結果を、インク除去の割合として報告する。
材料
Erkamar3275=再生可能マレイン酸樹脂(Kraemer)(Erkamar3300および3270もKraemer製)
Joncryl662=50%の再生可能原材料を固体上に含むアクリルエマルション(BASF)
Neocryl XK14=自己架橋アクリルエマルション(DSMコーティング樹脂、LLC)
Joncryl8052=スチレン-アクリルコポリマーエマルション(合体剤)(BASF)
Fluxair85S=植物油ベースの液体消泡剤(Keyser&Mackay?)
DC209S=高分子量ポリジメチルシロキサンエマルション(Dow、現在はXiameter)
Aquacer531=変性ポリエチレンワックスの非イオン性エマルション
CravallacWW1001=水性高密度ポリエチレンワックス分散体
Tego Foamex1488=ポリエーテルシロキサンコポリマーのエマルション
DynWet800=水系インク、コーティング等のためのアルコールアルコキシレート湿潤剤
DPA1480=市販のコーンスターチベースのインク(Sun)
Aquathene PC1=市販の標準的なアクリルベースのインク(Sun)
HydroRez3886=再生可能フマル酸樹脂(Lawter)(HydroRez6200および6500もLawter製)
Reactol5145A=再生可能ポリエステル樹脂(Lawter)
実施例1.工業用ワニス配合物
【0062】
ガムロジン原料から得た再生可能マレイン酸樹脂を含むワニス(ワニス1)を、表1の配合に従って調製した。ワニス1の樹脂含有物は、100%再生可能である。
【表1】
【0063】
再生可能マレイン酸樹脂、Erkamar3275は、Kraemerから入手した。Erkamar3300および3270(Kraemer製)等の他の再生可能マレイン酸樹脂も使用してもよい。例えばLawter製のReactol5145A(ポリエステル)、ならびにHydroRez3886、6200、および6500(フマル酸)等の他の種類の再生可能樹脂も使用してもよい。本発明は、これらの再生可能樹脂に限定されず、任意の好適な再生可能樹脂を使用してもよい。
【0064】
50%の再生可能樹脂を含むアクリルワニス、ワニス2を表2の配合に従って調製した。
【表2】
【0065】
再生不可能自己架橋アクリルを含むワニス、ワニス3を表3の配合に従って調製した。これは、Aquathene PB4ワニス(Sun Chemical)として入手可能である。
【表3】
実施例2.本発明のインク1~3
【0066】
本発明のインク1~3を表4の配合に従って調製した。使用した顔料は、イエロー13、オレンジ34、レッド122、レッド184、レッド266、ブラック15:3、バイオレット23、グリーン7、およびブルー15:3であった。
【表4】
【0067】
インク1~インク3、および2つの比較インクの特性について上述のように試験した。比較インク1(比較1)は、再生可能材料を含有しないSun Chemicalから市販されている標準的なアクリルベースのインク(Aquathene PC1)である。比較インク2(比較2)は、Sun Chemicalから市販されているコーンスターチベースのインク(DPA1480)である。結果を表5に示す。
【表5】
【0068】
表5のデータは、再生可能ガムロジン樹脂を含有する本発明のインクが、再生可能材料を含有しない標準的なアクリルインクと同様またはそれよりも良好な性能を有し、一般的に、バインダとしての再生可能コーンスターチベースのインクよりも良好な性能を有することを示す。
実施例3.配合物から特定の成分を除去する効果
【0069】
インク1A~1Cを、特定の成分が含まれないこと以外は、インク1と同様に調製した。インク1Aを、自己架橋アクリルエマルションが含まれないこと以外は、インク1と同様に調製した。インク1Bを、シリコーンが含まれないこと以外は、インク1と同様に調製した。インク1Cを、酸化亜鉛が含まれないこと以外は、インク1と同様に調製した。インクを上述のように試験した。結果を表6に示す。
【表6】
【0070】
表6のデータは、インクが、4つの特許請求された成分(再生可能樹脂、自己架橋アクリル、架橋剤、およびシリコーン)がインク中に存在する場合に、より良好な性能を有することを示す。
実施例4.フマル酸およびポリエステル再生可能樹脂を使用して調製されたインク4および5。
【0071】
イエローインク4および5を、ワニス1(マレイン酸樹脂)の代わりに異なる再生可能樹脂を使用すること以外は、インク1と同様に調製した。インク4では、再生可能樹脂は、HydroRez3886、再生可能フマル酸樹脂(Lawter製)であった。Reactol5145A、再生可能ポリエステル樹脂(Lawter製)を含有したインク5。
【0072】
インク4および5を上述のように試験し、インク1と比較した。結果を表7に示す。
【表7】
【0073】
表7のデータは、再生可能フマル酸またはポリエステル樹脂が、再生可能マレイン酸樹脂と同様の性能を有することを示す。
【0074】
本発明について、その好ましい実施形態を含めて詳細に説明してきた。しかしながら、当業者が、本開示を検討するとき、本発明の範囲および趣旨内にある修正および/または改善を本発明に加えてもよいことを理解されたい。