(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】カンナビジオール又は大麻抽出物とカフェインを含む組成物及びその応用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/522 20060101AFI20220203BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20220203BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20220203BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220203BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20220203BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20220203BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220203BHJP
A61K 127/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
A61K31/522
A61K31/05
A61K36/185
A61P25/22
A61P43/00 121
A61K9/08
A61K9/06
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/70
A23L33/105
A23L2/52
A23L2/00 F
A61K127:00
(21)【出願番号】P 2020552078
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2018109658
(87)【国際公開番号】W WO2019128377
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】201711471435.4
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520055124
【氏名又は名称】漢義生物科技(北京)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】張可
(72)【発明者】
【氏名】譚▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】于朝暉
(72)【発明者】
【氏名】常坦然
(72)【発明者】
【氏名】連萌
(72)【発明者】
【氏名】金倩
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0324776(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324777(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0025334(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L、A61K、A61P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カフェインにより誘発される不安挙動を予防及び/又は改善するための医薬組成物であり
、
(1)カンナビジオール又は大麻抽出物、(2)カフェイン及び(3)医薬配合材料を含
み、前記大麻抽出物にカンナビジオールが含まれ、前記医薬組成物中のカンナビジオール
とカフェインとの質量比が(30~100):60である、ことを特徴とする医薬組成物
。
【請求項2】
前記大麻抽出物中のカンナビジオールが10質量%~99質量%である、ことを特徴とす
る請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬配合材料は、粘着剤、担体、pH調整剤、充填剤、崩壊剤、矯味剤、安定化剤、
成膜剤、可塑剤、可溶化剤、分散剤、潤滑剤、溶媒、コーティング剤、カプセルシェル、
着色剤、防腐剤、酸化防止剤、及び界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の組み合わ
せである、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、丸剤、外用塗布剤、膏薬、フィルム剤、溶液剤
又は注射剤である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
カフェインにより誘発される不安挙動を予防及び/又は改善するための
食品組成物であり
、
(1)カンナビジオール又は大麻抽出物と、(2)カフェインと、を含み、前記大麻抽出
物にカンナビジオールが含まれ、前記食品組成物中のカンナビジオールとカフェインとの
質量比が(30~100):60である、ことを特徴とする食品組成物。
【請求項6】
前記大麻抽出物中のカンナビジオールが10質量%~99質量%である、ことを特徴とす
る請求項5に記載の食品組成物。
【請求項7】
前記食品は、飲料、麦粉製品、米、食用油、乳製品、プロテインパウダー、おかゆ、スー
プ、ペースト、肉製品、豆製品、チョコレート、キャンディー又はゼリーから選ばれる、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の食品組成物。
【請求項8】
前記食品は飲料であり、前記飲料にはサプリメントがさらに含まれ、前記サプリメントは
、ビタミン、微量元素、β-カロチン、アミノ酸、γ-アミノ酪酸、タウリン及び植物抽
出物から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである、ことを特徴とする請求項7に記
載の食品組成物。
【請求項9】
前記飲料は添加剤をさらに含み、前記添加剤は、香料、果菜ジュース、花茶ジュース、着
色剤、酸度調整剤、防腐剤、乳化剤、酸化防止剤、増粘剤、キレート化剤、安定化剤、及
び甘味剤から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである、ことを特徴とする請求項8
に記載の食品組成物。
【請求項10】
前記飲料は液体飲料又は固体飲料である、ことを特徴とする請求項9に記載の食品組成物
。
【請求項11】
前記飲料は炭酸飲料又は非炭酸飲料である、ことを特徴とする請求項9に記載の食品組成
物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬・健康分野に関し、具体的には、カンナビジオール又は大麻抽出物とカフ
ェインを含む組成物、及び食品又は医薬品の調製におけるその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
カフェインはメチルキサンチンアルカロイドであり、心臓、骨格筋及び中枢神経系を刺激
することができ、また胃酸分泌促進、利尿や片頭痛などの疾患の治療もできる。カフェイ
ンの生理活性メカニズムのほとんどは、細胞内のCa2+放出を促進すること、細胞内の
cAMP濃度を高めてアデノシンA1とA2A受容体を拮抗することに関連している。長
期間に亘って少量又は1回で大量(>400mg)のカフェインを摂取すると、過興奮、
神経過敏、不安、不眠、動悸、振戦や脳代謝障害などの一連の身体的・心理的な不良反応
を引き起こす。
【0003】
カンナビジオール(CBD)は、薬用植物である大麻の主要な化学成分であり、大麻植物
から抽出され、大麻に含まれる非依存性成分であり、CBD自体がアデノシンA2A受容
体を活性化させる役割を有する。CBDは、中枢神経系では、鎮静、抗けいれんや抗不安
などの役割を果たし、心血管系では、血管を弛緩させ、L型Ca2+チャネルを阻害する
ことにより心筋の収縮力を低下させる。
【0004】
特許US2060250270A1は、飲料組成物を開示しており、前記飲料組成物は、
CBD 0.1~10wt%及びカフェイン0.015~15wt%を含み得る。
【0005】
特許US20160324776A1は、カンナビノイドを含むカフェイン含有飲料を開
示しており、この飲料は、元の味や外観を維持し、カンナビノイドの含有量が0.1~5
wt%であり、カンナビノイドの添加により、消費者を落ち着かせて注意力を高めること
ができる。
【0006】
特許CN201280005750.7は、コールドプレスしてろ過した大麻ジュースを
果物ジュース、野菜ジュース及び/又は水、砂糖及びバニラ、及び/又は、カフェイン含
有成分などの原料と混合してソフトドリンクを製造できることを開示している。
【0007】
特許US20170112161A1は、大麻植物からカンナビノイドを抽出することと
、カンナビノイドをコーヒー製品に混合することと、を含む、大麻植物から抽出されたカ
ンナビノイド含有コーヒー製品の製造方法を開示している。
【0008】
前記のように、カンナビノイド(たとえばカンナビジオール)とカフェインを含む飲料が
従来技術で報告されているが、カフェインにより誘発される不安挙動に対するCBDの改
善作用に関する研究はなく、CBDとカフェインの組成物の用量比に関する報告もなかっ
た。
【0009】
したがって、従来技術の欠点を克服するために、本出願は、カンナビジオールとカフェイ
ンを含む組成物及びその応用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、驚くべきことに、カンナビジオール又は大麻抽出物とカフェインを組み合わせ
ることにより、カフェインによって引き起こされる不安挙動を効果的に抑制できることを
見出した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、(1)カンナビジオール又は大麻抽出物と、(2)カフェインと、を含み、前
記大麻抽出物にカンナビジオールが含まれ、前記組成物中のカンナビジオールとカフェイ
ンとの質量比が(1~100):60である組成物を提供する。
【0012】
好ましくは、前記組成物中のカンナビジオールとカフェインとの質量比が(20~80)
:60である。さらに好ましくは、前記組成物中のカンナビジオールとカフェインとの質
量比が(30~70):60である。最も好ましくは、前記組成物中のカンナビジオール
とカフェインとの質量比が1:1である。
【0013】
好ましくは、前記カンナビジオールは、化学合成、生合成、植物からの抽出又はほかの方
式で調製される。
【0014】
好ましくは、前記大麻抽出物中のカンナビジオールが10質量%~99質量%である。た
とえば、前記大麻抽出物中、カンナビジオールは10質量%、20質量%、30質量%、
40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量
%、99質量%含まれる。
【0015】
本発明の前記大麻抽出物の抽出部位は、大麻の茎芯、花、葉、根及び/又は種子の殻であ
る。本発明の前記大麻抽出物は、大麻植物の異なる部位を別々に抽出することにより得ら
れる抽出物又は抽出物の組み合わせであってもよく、大麻植物の異なる部位又はこれらの
組み合わせを同時に抽出することにより得られる抽出物又は抽出物の組み合わせであって
もよい。好ましくは、前記抽出部位は、大麻花及び/又は大麻葉である。
【0016】
本発明の前記大麻抽出物は、医薬又は食品分野における一般的な抽出方法、好ましくは溶
媒抽出により得られる。抽出溶媒は、水、低分子アルコール又はその水溶液、アセテート
、ケトン、エーテル又は低沸点炭化水素から選ばれ、前記低分子アルコールには、メタノ
ール、エタノール、ブタノール又はプロパノールが含まれ、前記アセテートには、酢酸メ
チル又は酢酸エチルが含まれ、前記ケトンには、アセトンが含まれ、前記エーテルには、
メチルエーテル又はエチルエーテルが含まれ、前記低沸点炭化水素には、脂肪族炭化水素
、芳香族炭化水素又は塩化炭化水素が含まれる。好ましくは、前記抽出溶媒は、水又はエ
タノール溶液から選ばれる。
【0017】
本発明の一特定実施形態では、前記大麻抽出物は、以下の方法によって得ることができる
。
1)抽出溶媒又はその混合物を使用して、原料を加熱還流する。
2)残留物を濾過により除去する。
3)抽出する。
4)pH値を2~4に調整する。
5)抽出溶媒で抽出し、次に溶媒を除去する。
6)クロマトグラフィー分離を行って、大麻抽出物を得る。
【0018】
好ましくは、前記ステップ1)では、3~10倍量の抽出溶媒又はそれらの混合物を使用
して、大麻抽出部位を少なくとも1時間加熱還流し、前記大麻抽出物の抽出方法のステッ
プ3)では、前記抽出溶媒は、20wt%のエタノールを含む水酸化ナトリウムの水溶液
であり、前記ステップ4)では、pH調整剤は、抽出液と5%硫酸溶液の混合液であり、
前記大麻抽出物の抽出方法のステップ6)では、前記クロマトグラフィー分離に使用され
る移動相混合物は、メタノール/水と酢酸、又はエタノール/水と酢酸から構成される。
【0019】
本発明の一特定実施形態では、前記大麻抽出物は、以下の方法によって得ることができる
。
1)原料を10~40メッシュに粉砕して、粉末を得る。
2)得られた粉末を抽出溶媒で冷浸抽出し、抽出液を得る。
3)得られた抽出液を脱色する。
4)濃縮して大麻抽出物エキスを得る。
【0020】
好ましくは、前記ステップ2)では、2~8倍量の30%~80%エタノールを1~3回
、毎回0.5~2時間冷浸抽出し、前記ステップ3)では、脱色には0.1~1wt%活
性炭を用いて吸着させて脱色し、前記濃縮は、70℃で減圧下行われるか、又は室温で行
われ、相対密度1.01~1.03まで濃縮する。
【0021】
本発明の前記大麻抽出物は、カンナビゲロールCBG、カンナビクロメン、テトラヒドロ
カンナビバリンTHCV、及びカンナビゲロールモノメチルエーテルのうちの1種又は2
種以上をさらに含む。
【0022】
本発明は、(1)大麻抽出物又はカンナビジオールと、(2)カフェインとからなり、前
記大麻抽出物にカンナビジオールが含まれ、前記組成物中のカンナビジオールとカフェイ
ンとの質量比が(1~100):60である組成物をさらに提供する。
【0023】
本発明の前記組成物は、食品組成物又は医薬組成物であり得る。
【0024】
本発明は、(1)カンナビジオール又は大麻抽出物、(2)カフェイン及び(3)医薬配
合材料を含み、前記大麻抽出物にカンナビジオールが含まれ、医薬組成物中のカンナビジ
オールとカフェインとの質量比が(1~100):60である医薬組成物をさらに提供す
る。好ましくは、前記医薬組成物中のカンナビジオールとカフェインとの質量比が(20
~80):60である。さらに好ましくは、前記医薬組成物中のカンナビジオールとカフ
ェインとの質量比が(30~70):60である。最も好ましくは、前記医薬組成物中の
カンナビジオールとカフェインとの質量比が1:1である。
【0025】
好ましくは、前記大麻抽出物中のカンナビジオールが10質量%~99質量%である。た
とえば、前記大麻抽出物中、カンナビジオールが10質量%、20質量%、30質量%、
40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量
%、99質量%含まれる。
【0026】
好ましくは、前記医薬組成物中、カンナビジオール0.1質量%~1質量%、カフェイン
0.06質量%~6質量%及び医薬配合材料93質量%~99質量%が含まれる。さらに
好ましくは、前記医薬組成物中、カンナビジオール0.1質量%~1質量%、カフェイン
0.075質量%~1.5質量%及び医薬配合材料97.5質量%~99質量%が含まれ
る。最も好ましくは、前記医薬組成物中、カンナビジオール0.6質量%、カフェイン0
.6質量%及び医薬配合材料98.8質量%が含まれる。
【0027】
好ましくは、前記医薬組成物中、大麻抽出物0.1質量%~10質量%、カフェイン0.
06質量%~6質量%及び医薬配合材料84質量%~99質量%が含まれる。
【0028】
好ましくは、前記医薬配合材料は、粘着剤、担体、pH調整剤、充填剤、崩壊剤、矯味剤
、安定化剤、可溶化剤、分散剤、成膜剤、可塑剤、潤滑剤、溶媒、コーティング剤、カプ
セルシェル、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、及び界面活性剤から選ばれる1種又は2種以
上の組み合わせである。
【0029】
好ましくは、前記粘着剤は、医薬組成物の2質量%~8質量%を占め、セルロース、微結
晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロースナトリウム、デンプン、エアロシル、デンプンシロップ、シロップ、キャラ
メル、精製蜂蜜、ポリビニルピロリドン、液体グルコース、セルロース誘導体、アルギン
酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ゼラチン及
びトラガカントから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、
前記粘着剤は、医薬組成物の5質量%を占め、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びケイ酸マグネシウムアルミニウムから選ば
れる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0030】
好ましくは、前記pH調整剤は、医薬組成物の0.1質量%~5質量%を占め、乳酸、ク
エン酸又はその塩、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、エタンスルホン酸、酒石酸、
アスパラギン酸又はその塩、フマル酸又はその塩、及びメタンスルホン酸から選ばれる1
種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、前記pH調整剤は、乳酸、クエ
ン酸又はその塩、フマル酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり
、前記pH調整剤は、医薬組成物の2質量%を占める。
【0031】
好ましくは、前記充填剤は、微結晶性セルロース、グルコース、ラクトース、デンプン、
ヒュームドシリカ、スクロース、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ソルビトール、マン
ニトール、デキストロース、及びプロピレングリコールから選ばれ、医薬組成物の4質量
%~16質量%を占める。さらに好ましくは、前記充填剤は、デンプン、ソルビトールか
ら選ばれ、医薬組成物の13質量%を占める。
【0032】
好ましくは、前記崩壊剤は、アルギン酸、寒天、重炭酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸、
及びデンプングリコール酸ナトリウムから選ばれ、医薬組成物の4質量%~16質量%を
占める。さらに好ましくは、前記崩壊剤は、医薬組成物の10質量%を占める。
【0033】
好ましくは、前記矯味剤は、ラクトース、グルコース、ミント、メントール、ペパーミン
トオイル、ステビオサイド、スクラロース、キシリトール、アスパルテーム、サッカリン
ナトリウム、スクラロース、メープルシロップ、ソルビトール、アネトール、クローブ、
ラクチトール、フレーバー、マルトース、及びレモン油から選ばれる1種又は2種以上の
組み合わせであり、医薬組成物の0.02質量%~5質量%を占める。さらに好ましくは
、前記矯味剤は、ラクトース、サッカリンナトリウム、及びスクラロースから選ばれる1
種又は2種以上の組み合わせであり、医薬組成物の3質量%を占める。
【0034】
好ましくは、前記溶媒は水又はエタノールである。
【0035】
好ましくは、前記担体は、シクロデキストリン又はその誘導体、ポリエチレングリコール
、微結晶性セルロース、ラクトース、及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2
種以上の組み合わせであり、医薬組成物の1質量%~16質量%を占める。さらに好まし
くは、前記担体は、シクロデキストリン又はその誘導体、微結晶性セルロース、及びポリ
ビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、医薬組成物の9質
量%を占める。
【0036】
好ましくは、前記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、オレイン酸ナト
リウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、及びベタインから選ばれる1種又は2種以上
の組み合わせであり、医薬組成物の0.1質量%~5質量%を占める。さらに好ましくは
、前記界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウムで
あり、医薬組成物の2.5質量%を占める。
【0037】
好ましくは、前記防腐剤は、安息香酸塩、アスコルビン酸、クロルフェネシン又はパラベ
ンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。好ましくは、前記防腐剤は、医薬
組成物の総量の0.08質量%~0.15質量%を占める。好ましくは、前記安息香酸塩
は安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム又は安息香酸カルシウムであり、さらに好まし
くは安息香酸ナトリウムである。前記パラベンは、メチルパラベン、エチルパラベン、プ
ロピルパラベン又はパラベン複合エステルナトリウムであり、より好ましくはメチルパラ
ベンである。前記防腐剤は、医薬組成物の総量の0.12質量%を占める。
【0038】
好ましくは、前記潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸カリウム、ポリエチレングリコール、タルクパウダー、及び水素化
植物油から選ばれる1種又は2種以上である。
【0039】
好ましくは、前記成膜剤は、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、マルトデキストリン
、キトサン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、トレハロース、ペクチン、コンニャクガム、アラビアガム、グアーガ
ム、プルラン、及びローカストビーンガムから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで
ある。好ましくは、前記成膜剤は、医薬組成物の総量の70質量%~85質量%を占める
。より好ましくは、前記成膜剤は、医薬組成物の総量の80質量%~85質量%を占める
。好ましくは、前記成膜剤はアルギン酸ナトリウムである。
【0040】
好ましくは、前記可塑剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニ
トール、及びエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。好
ましくは、前記可塑剤は、医薬組成物の総量の10質量%~20質量%を占める。より好
ましくは、前記可塑剤は、医薬組成物の総量の10質量%~15%質量を占める。好まし
くは、前記可塑剤はグリセリン又はマンニトールである。
【0041】
好ましくは、前記医薬組成物は、任意の一般的な剤形、たとえば錠剤、フィルム剤、散剤
、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、丸剤、外用塗布剤、膏薬、溶液剤又は注射剤であってもよ
い。
【0042】
本発明は、(1)カンナビジオール又は大麻抽出物と、(2)カフェインと、を含み、前
記大麻抽出物にカンナビジオールが含まれる、食品組成物中のカンナビジオールとカフェ
インとの質量比が(1~100):60である食品組成物をさらに提供する。好ましくは
、前記食品組成物中のカンナビジオールとカフェインとの質量比が(20~80):60
である。さらに好ましくは、前記食品組成物中のカンナビジオールとカフェインとの質量
比が(30~70):60である。最も好ましくは、前記食品組成物中のカンナビジオー
ルとカフェインとの質量比が1:1である。
【0043】
好ましくは、前記大麻抽出物中のカンナビジオールが10質量%~99質量%である。た
とえば、前記大麻抽出物中、カンナビジオールが10質量%、20質量%、30質量%、
40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量
%、99質量%含まれる。
【0044】
好ましくは、前記食品は、飲料、麦粉製品、米、食用油、乳製品、プロテインパウダー、
おかゆ、スープ、ペースト、肉製品、豆製品、チョコレート、キャンディー、及びゼリー
であってもよい。
【0045】
さらに好ましくは、前記麦粉製品は、小麦粉、麺、パン、麻花、クッキー、及びちまきか
ら選ばれる。前記米は米粉から選ばれる。前記食用油はブレンドオイルから選ばれる。前
記乳製品は牛乳、ヨーグルト、及びカードから選ばれる。前記肉製品はソーセージから選
ばれる。前記豆製品は豆腐、ゆばから選ばれる。
【0046】
最も好ましくは、前記食品組成物は飲料である。
【0047】
好ましくは、本発明の前記飲料にはサプリメントがさらに含まれ、より好ましくは、前記
飲料中、サプリメントが0.001質量%~70質量%であり、前記サプリメントはビタ
ミン、微量元素、β-カロチン、アミノ酸、γ-アミノ酪酸、タウリン及び植物抽出物か
ら選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0048】
好ましくは、前記ビタミンは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6
、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、及びイノシトールから選ばれる1種又は2
種以上の組み合わせであり、前記アミノ酸は、テアニン、L-チロシン、グリシン、及び
グルタミン酸から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、前記微量元素は、鉄、
亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び銅などから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせ
であり、前記植物抽出物は、ガラナ抽出物、黒コショウ抽出物、マカ抽出物、高麗人参抽
出物、ニクショウヨウ抽出物、クズ根抽出物、ウコン抽出物、イチョウ抽出物、クコ抽出
物、アサイベリー抽出物、ビルベリー抽出物、ココナッツ抽出物、及びウツボグサ抽出物
から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、前記サプリメン
トは、テアニン、ガラナ抽出物、L-チロシン、γ-アミノ酪酸、タウリン、黒コショウ
抽出物、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミン
B12、及びイノシトールから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0049】
好ましくは、本発明の前記飲料には添加剤がさらに含まれ、より好ましくは、前記飲料中
の添加剤の含有量が0.1質量%~50質量%であり、前記添加剤は、香料、果菜ジュー
ス、花茶ジュース、着色剤、酸度調整剤、防腐剤、乳化剤、酸化防止剤、増粘剤、キレー
ト化剤、安定化剤、及び甘味剤から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0050】
好ましくは、前記果菜ジュースは、リンゴジュース、ブドウジュース、ライチジュース、
桃ジュース、リュウガンジュース、オレンジジュース、パイナップルジュース、マルベリ
ージュース、ザクロジュース、ニンジンジュース、スイカジュース、トケイソウジュース
、トマトジュース、マンゴージュース、サトウキビジュース、ココナッツジュース、カン
タロープジュース、ランブータンジュース、レモンジュース、イチゴジュース、パッショ
ンフルーツジュース、タマリンドジュース、バジルジュース、ココアジュース、パンダナ
スジュース、キウイジュース、トウガンジュース、ビートルートジュース、ブルーベリー
ジュース、雪梨ジュース、チェリージュース、ビンロウジュース、ツルレイシジュース、
プラムジュース、及びその他の食用ジュースから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせ
である。本発明の前記花茶ジュースは、緑茶ジュース、ローゼル花ジュース、ジャスミン
ティージュース、レモングラスジュース、菊ジュース、及びベニバナジュースから選ばれ
る1種又は2種以上の組み合わせである。本発明の前記果菜ジュースは、原液であっても
よいし、濃縮液であってよい。さらに好ましくは、本発明の前記果菜ジュースは、濃縮チ
ェリージュース、濃縮リンゴジュース、濃縮トケイソウジュース、濃縮キウイジュース、
及び濃縮雪梨ジュースから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0051】
好ましくは、前記香料はフェネチルアミンである。
【0052】
好ましくは、前記甘味剤は、白糖、高フルクトースコーンシロップ、ソルビトール、アス
パルテーム、スクラロース、キシリトール、アセスルファムカリウム、マルチトール、エ
リスリトール、イソマルトケトール、ラクチトール、ラクトース、マルトース、マンノー
ス、トレハロース、アラビトール、サッカリン、ステビオシド、メープルシロップ、及び
ズルチンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、前記甘
味剤は、高フルクトースコーンシロップ、ソルビトール、アスパルテーム、サッカリン、
及びステビオシドから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
【0053】
好ましくは、前記着色剤は、ブリリアントブルー、サンセットイエロー、クロロフィル、
銅クロロフィリンナトリウム、アルラレッド、酸化鉄、アシッドレッド27又はカルミン
から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、前記着色剤は、
酸化鉄又はクロロフィル又はそれらの混合物である。
【0054】
好ましくは、前記酸度調整剤は、クエン酸又はその塩、リンゴ酸又はその塩、フマル酸又
はその塩、アジピン酸又はその塩、リン酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、酒石酸又
はその塩、アスコルビン酸又はその塩、酢酸又はその塩、リン酸又はその塩から選ばれる
1種又は2種以上の組み合わせである。さらに好ましくは、前記酸度調整剤は、クエン酸
又はその塩、リンゴ酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種
以上の組み合わせである。
【0055】
好ましくは、前記防腐剤は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸カリウ
ム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、アスコルビン
酸、SHMP、BHA、BHT、TBHQ、デヒドロ酢酸、重炭酸ジメチル、エトキシキ
ン、及びp-ヒドロキシ安息香酸ヘプチルから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで
ある。さらに好ましくは、前記防腐剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム又
はp-ヒドロキシ安息香酸ヘプチルから選ばれる。
【0056】
好ましくは、前記キレート化剤は、酢酸ナトリウム又はEDTAから選ばれる。
【0057】
好ましくは、前記安定化剤は、変性工デンプン、カラギーナン、ペクチン、コンニャクガ
ム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、
カゼインナトリウム、及び微結晶性セルロースから選ばれる1種又は2種以上の組み合わ
せである。
【0058】
本発明の前記飲料は、液体飲料又は固体飲料であり得る。
【0059】
本発明の前記飲料には、CO2(炭酸飲料)が含まれてもよく、CO2(非炭酸飲料)が
含まれなくてもよい。好ましくは、本発明の前記飲料が炭酸飲料である場合、前記飲料中
のCO2ガス溶解量は飲料溶媒の2~2.5倍(20℃で測定)である。
【0060】
本発明の前記飲料は、ノンアルコール飲料であってもよく、つまり、前記飲料の原料には
水も含まれる。
【0061】
本発明の前記飲料は、飲料ワインであってもよく、飲料ワイン中のアルコール含有量は、
0.5%~60%(V/V)、好ましくは0.5%~10%(V/V)であり、前記飲料
の原料には、アルコール、ワイン、黄酒、ビール、果物ワイン、白酒、ブランデー、ウイ
スキー、ウォッカ、ラム酒、ジン、ミルクワイン又はその他の蒸留酒から選ばれる1種又
は2種以上の組み合わせも含まれる。
【0062】
本発明は、飲料の調製方法をさらに提供し、
原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えるステップa)と、
ステップa)の容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得るステップb)と、
ステップb)で得られた混合液に対して順次定容、缶詰め、滅菌、冷却をして飲料を得る
ステップc)と、を含む。
【0063】
好ましくは、前記ステップc)の定容に使用される液体は、水、アルコール、ワイン、黄
酒、ビール、果物ワイン、白酒、ブランデー、ウイスキー、ウォッカ、ラム酒、ジン、ミ
ルクワイン又はその他の蒸留酒から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであり、前記
滅菌温度は75℃~130℃である。
【0064】
好ましくは、前記飲料が炭酸飲料である場合、前記調製方法は、容器にCO2を充填する
ステップをさらに含む。
【0065】
本発明は、またさらに、カフェインによる不良反応を予防及び/又は改善する製品の調製
における、カンナビジオール又は大麻抽出物の応用を提供する。好ましくは、前記大麻抽
出物中の有効成分はカンナビジオールである。
【0066】
好ましくは、前記カフェインによる不良反応の予防及び/又は改善は、カフェインにより
誘発される不安挙動の予防及び/又は改善であり、前記製品は医薬品、食品又は健康製品
であってもよい。
【0067】
特に断らない限り、本発明における「X倍量」などの記載は、使用する抽出溶媒の体積が
抽出部位の質量のX倍であることを意味し、たとえば、「3~10倍量」の場合、大麻抽
出部位の質量が1gであれば、抽出溶媒の使用量は3mL~10mLとなる。
【0068】
本発明の前記「エタノール」は、純粋なエタノールと水の混合物又は純粋なエタノールで
あり、濃度が体積百分率(v/v%)であり、たとえば、30%エタノールは、純粋なエ
タノール30%と水70%を含むエタノールと水の混合物であり、100%エタノールは
無水エタノールである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本発明の実施例における技術案を参照しながら明確かつ完全に説明し、もちろん、
説明する実施例は、本発明の実施例のすべてではなく、その一部に過ぎない。本発明の実
施例に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施
例は、本発明の特許範囲に属する。
【0070】
実施例1 大麻抽出物の調製
(1)原料の大麻葉を洗浄して風乾した。
(2)上記風乾した原料を粉砕し、40メッシュのふるいにかけた。
(3)得られた粉末を、毎回1.5時間、6倍量の45%エタノールで2回冷浸抽出した
。
(4)抽出液を合わせて、0.5wt%活性炭で吸着させて脱色した。
(5)70℃の温度で相対密度1.02まで減圧下濃縮させると、大麻抽出物を得た。
大麻抽出物中、カンナビジオールの含有量は50質量%であった。
【0071】
実施例2 大麻抽出物の調製
(1)原料の大麻葉を洗浄して風乾した。
(2)9倍量の60%エタノールを使用して、ステップ(1)で風乾した大麻葉を1時間
加熱還流した。
(3)残留物を濾過により除去し、真空下で溶媒を除去した。
(4)得られたエキスを約125℃の温度で約40分間加熱した。
(5)次に、移動相混合物がエタノール/水と酢酸で構成されるクロマトグラフィー分離
を行うと、大麻抽出物を得た。
大麻抽出物中、カンナビジオールの含有量は90質量%であった。
【0072】
実施例3 大麻抽出物の調製
(1)原料の大麻葉を洗浄して風乾した。
(2)7倍量の80%エタノールを使用して、ステップ(1)で風乾した大麻葉を1.5
時間加熱還流した。
(3)残留物を濾過により除去した。
(4)20wt%エタノールを含む5wt%水酸化ナトリウム水溶液で少なくとも2回抽
出した。
(5)抽出液を5wt%硫酸溶液と混合して、pH値を約3にした。
(6)次に、脂肪族炭化水素を使用して2回抽出し、低温及び真空下で溶媒を除去した。
(7)次に、移動相混合物がエタノール/水と酢酸で構成されるクロマトグラフィー分離
を行うと、大麻抽出物を得た。
大麻抽出物中、カンナビジオールの含有量は99質量%であった。
【0073】
実施例4 大麻抽出物の調製
(1)原料の大麻葉を洗浄して風乾した。
(2)上記風乾した原料を粉砕し、10メッシュのふるいにかけた。
(3)得られた粉末を、毎回1時間、2倍量の30%エタノールで2回冷浸抽出した。
(4)抽出液を合わせて、0.5wt%活性炭で吸着させて脱色した。
(5)室温で、相対密度1.02まで減圧下濃縮させると、大麻抽出物を得た。
大麻抽出物中、カンナビジオールの含有量は10質量%であった。
【0074】
実施例5 医薬組成物錠剤の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例1で調製)0.2%、カフェイン6%、デキストリン84%、カルボ
キシメチルデンプンナトリウム7%、ステアリン酸マグネシウム2.8%。
2.調製方法
前記大麻抽出物とカフェインをふるいにかけ、均一な混合物が形成されるまでデキストリ
ン及びカルボキシメチルデンプンナトリウムと混合し、ふるいにかけて混合物を得て、ス
テアリン酸マグネシウムと混合した。次に、得られた粉末混合物を所望の形状及びサイズ
の錠剤に打錠し、薬用錠剤を得た。
【0075】
実施例6 医薬組成物フィルム剤の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例2で調製)0.66%、カフェイン0.36%、マルトデキストリン
85%、マンニトール10%、安息香酸ナトリウム0.08%、スクラロース1.79%
、クエン酸0.11%、微結晶性セルロース2%。
2.調製方法
a)前記マルトデキストリンを膨潤させて、コロイド状マルトデキストリンを得た。
b)大麻抽出物、カフェイン、安息香酸ナトリウム、スクラロース、クエン酸、微結晶性
セルロース、及びマンニトールを、ステップa)で得られたコロイド状マルトデキストリ
ンに加えて、コロイド混合物を得た。
c)ステップb)で得られたコロイド混合物をスクレーピング法によりフィルムにした。
d)ステップc)で得られたフィルムを乾燥させて、薬用フィルム剤を得た。
【0076】
実施例7 医薬組成物カプセル剤の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例3で調製)2%、カフェイン2%、微結晶性セルロース42%、アル
ファ化デンプン42%、架橋カルボキシメチルセルロース10%、ステアリン酸マグネシ
ウム2%。
2.調製方法
前記大麻抽出物とカフェインをふるいにかけ、他の配合材料と混合し、混合物をハードゼ
ラチンカプセルに充填して、薬用カプセル剤を得た。
【0077】
実施例8 医薬組成物カプセル剤の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例4で調製)2%、カフェイン0.2%、微結晶性セルロース42.9
%、アルファ化デンプン42.9%、架橋カルボキシメチルセルロース10%、ステアリ
ン酸マグネシウム2%。
2.調製方法
前記大麻抽出物とカフェインをふるいにかけ、他の配合材料と混合し、混合物をハードゼ
ラチンカプセルに充填して、薬用カプセルを得た。
【0078】
実施例9 飲料の調製
1.原料(質量%)
カンナビジオール(純度>99%)0.1%、カフェイン0.06%、γ-アミノ酪酸0
.2%、ガラナ抽出物4%、テアニン0.2%、L-チロシン60%、タウリン0.6%
、ビタミンE 0.1%、濃縮リンゴジュース20%、ステビオサイド0.4%、クロロ
フィル2%、リンゴ酸0.14%、水 残量。
2.調製方法
a)原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えた。
b)ステップa)の容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得た。
c)b)で得られた混合液を100mLと定容し、缶詰めし、100℃で滅菌して冷却し
、飲料を得た。
【0079】
実施例10 飲料の調製
1.原料(質量%)
カンナビジオール(純度>99%)0.1%、カフェイン6%、ビタミンC 0.05%
、ナイアシン0.1%、濃縮チェリージュース40%、ソルビトール3%、クロロフィル
0.4%、酸化鉄0.1%、アスコルビン酸0.15%、水 残量。
2.調製方法
a)原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えた。
b)ステップa)で容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得た。
c)ステップb)で得られた混合液を水で100mLと定容し、缶詰めし、75℃で滅菌
して、室温まで冷却した。
d)二酸化炭素を充填して、製品のガス溶解量を飲料の2.0倍(20℃)として、飲料
を得た。
【0080】
実施例11 飲料の調製
1.原料(質量%)
カンナビジオール(純度>99%)1%、カフェイン0.6%、β-カロテン0.15%
、フェネチルアミン0.08%、アスパルテーム4%、クエン酸0.1%、安息香酸カル
シウム0.12%、ミルクワイン 残量。
2.調製方法
a)原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えた。
b)ステップa)で容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得た。
c)ステップb)で得られた混合液をミルクワインで100mLと定容し、缶詰めし、1
30℃で滅菌して冷却し、飲料を得た。
【0081】
実施例12 飲料の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例3で調製)0.1%、カフェイン0.2%、ビタミンE 0.1%、
イノシトール0.05%、グリシン0.08%、L-チロシン50%、グレープジュース
25%、フェネチルアミン0.08%、ソルビトール4%、アシッドレッド27 0.0
9%、リンゴ酸0.2%、p-ヒドロキシ安息香酸ヘプチル0.1%、水 残量。
2.調製方法
a)原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えた。
b)ステップa)で容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得た。
c)ステップb)で得られた混合液を水で100mLと定容し、缶詰めし、130℃で滅
菌して冷却し、飲料を得た。
【0082】
実施例13 飲料の調製
1.原料(質量%)
大麻抽出物(実施例4で調製)10%、カフェイン1%、β-カロテン0.15%、ビタ
ミンC 0.09%、フェネチルアミン0.08%、ガラナ抽出物4%、マンゴージュー
ス30%、マルチトール3%、クエン酸ナトリウム0.1%、安息香酸ナトリウム0.1
2%、水 残量。
2.調製方法
a)原料を所定の比率で量り、容器に入れ、適量の水を前記容器に加えた。
b)ステップa)で容器を加熱し、撹拌して混合して混合液を得た。
c)ステップb)で得られた混合液を水で100mLと定容し、缶詰めし、130℃で滅
菌して冷却し、飲料を得た。
【0083】
実施例14 カフェインによる不安挙動に対するカンナビジオール(CBD)の改善
試験1
1、目的
高用量のカフェイン摂取により誘発されたラットの不安挙動に対するさまざまな用量のC
BDの予防と治療を研究すること。
2.試験動物及び群別
試験動物:SPFグレードの雄wistarラット50匹、180~200g。飼育環境
:SPFグレードの動物舎、自由摂食、12時間照明/12時間暗闇。
試験群別:1週間適応飼育後、体重に応じて、ラットを、正常対照群、カフェインモデル
群、CBD-1mg/kg群、CBD-10mg/kg群、CBD-100mg/kg群
という5群にランダムに分けた。正常対照群を除いて、各群の動物には60mg/kgの
カフェイン生理食塩水溶液を胃内投与し、各CBD投与群には、対応する用量のCBD大
豆油溶液を同時に胃内投与し、投与して30分後、高架十字迷路テストを行った。
3.試験方法
高架十字迷路(EMP)テスト:迷路は、2つのオープンアーム(open arm、O
A)、2つのクローズドアーム(closed arm、CA)、及び中央プラットフォ
ームで構成され、十字形状をしている。迷路は、地上50cmの支柱に固定され、中央プ
ラットフォームの上にカメラが設置され、ラットの挙動がコンピューターで記録及び分析
された。テストは、静かで遮光された条件で行われた。テスト前に、試験ラットをラット
ケージに入れ、5分間自由に探索させた後、すぐにEMPの中央プラットフォームに配置
し、放した直後にテストの観察を開始し、各ラットを5分間テストした。1匹のラットに
対する検出が終了するたびに、きれいな水と低濃度エタノールに浸したタオルで完全に迷
路を掃除し、水とエタノールを揮発拡散させた後、次のラットをテストした。
テスト内容:
(1)オープンアーム進入回数(open arm entry、OE):いずれかのオ
ープンアームへの進入回数は、ラットの4本の足がすべてアームに進入したことを基準と
し、途中1本の足がこのアームから完全に引き込まると、今回の進入イベントが終了した
。
(2)オープンアーム進入時間(open arm time、OT):単位s。
(3)クローズドアーム進入回数(closed arm entry、CE):いずれ
かのクローズドアームへの進入回数の判定基準はOEと同じであった。
(4)クローズドアーム進入時間(closed arm time、CT):単位s。
(5)オープンアーム進入回数の比率(OE%)、つまり、OE/(OE+CE)×10
0%を計算した。
(6)オープンアーム滞在時間比率(OT%)、つまり、OT/(OT+CT)×100
%。OE%とOT%は、ラットの不安状態を評価するための指標とした。
統計方法:
データは、
で示され、マルチサンプル平均値比較では、一元配置分散分析(one way ANO
VA)が使用され、2群間の比較では、t検定が使用された。
4.結果
アーム進入回数、時間及びその比率を表1に示した
表1 アーム進入回数、時間及びその比率
表1から分かるように、CBDはラットの不安挙動を有意に抑制し、カフェインモデル群
のOE%は21.21%であり、ラットへCBD-1mg/kgからCBD-10mg/
kgまで胃内投与する場合、傾きが大きく、不安挙動に対する改善は明らかであり、一方
、CBD-10mg/kgとCBD-100mg/kg胃内投与する場合、傾きは以前よ
りも少し小さくなり、不安挙動はある程度改善された。
【0084】
試験2
1、試験動物及び群別
試験動物:SPFグレードの雄wistarラット100匹、180~200g。飼育環
境:SPFグレードの動物舎、自由摂食、12時間照明/12時間暗闇。
試験群別:1週間適応飼育後、体重に応じて、ラットを、正常対照群、A群(実施例5で
調製)、B群(実施例6で調製)、C群(実施例7で調製)、D群(実施例9で調製)、
E群(実施例10で調製)、F群(実施例11で調製)、G群(実施例8で調製)、H群
(実施例12で調製)及びI群(実施例13で調製)という10群にランダムに分けた。
正常対照群(生理食塩水を胃内投与)を除いて、各投与群に医薬組成物又は飲料50mL
を胃内投与し、投与して30分後、高架十字迷路テストを行い、行動学的テスト終了後、
ラットの血圧を非侵襲的に測定した。
2.試験方法は試験1と同様であった。
3.試験結果
アーム進入回数、時間及びその比率を表2に示した
表2 オープンアーム進入回数の比率及びその時間比率の結果
表2から、実施例5~13の製品(A~I群)を投与したラットのオープンアーム進入回
数の比率及び時間の比率は、正常な場合に近く、つまり、ラットは、正常対照群と比較し
て、ほぼ不安挙動行動を発生させないことが分かった。また、試験1によると、カフェイ
ンモデル群はOE%が21.21%であり、不安が明らかであった。つまり、本発明の実
施例で調製された医薬組成物又は飲料の投与は、不安挙動を引き起こすことがなく、大麻
抽出物又はカンナビジオールがカフェインによって引き起こされる不安挙動を明らかに抑
制できることも反映しており、特にB群、F群及びD群のラットには、基本的に過度の不
安挙動はなく、そして、A~I群のラットの血圧は試験後、すべて正常範囲内であった。
【0085】
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記実施形態の詳細に限定
されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明の技術案に様々な
簡単な変形を加えることができ、これら簡単な変形はすべて本発明の特許範囲に属する。
【0086】
なお、上記特定実施形態で説明した各具体的な技術的特徴は、矛盾しない限り、任意の適
切な方式で組み合わせることができ、重複しないように、本発明では、可能な組み合わせ
方式については個別に説明しない。