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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】昇降装置とそれを備えた味付システム
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/24 20060101AFI20220118BHJP
   B66F 7/14 20060101ALI20220118BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A23G3/24
B66F7/14
B65G47/52 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020028877
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021132534
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2020-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)電子メールの送信日:平成31年2月26日,電子メールの送信先:株式会社天乃屋(岩手県奥州市前沢古城字外ヶ沢65-5 岩手工場),(2)電子メールの送信日:平成31年4月9日,電子メールの送信先:株式会社天乃屋(岩手県奥州市前沢古城字外ヶ沢65-5 岩手工場),(3)納品日:令和1年8月31日,販売した場所:株式会社天乃屋(福島県西白河郡矢吹町中畑南55-1 矢吹工場)
(73)【特許権者】
【識別番号】591095708
【氏名又は名称】株式会社新井機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100109807
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】新井 進二
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-148464(JP,A)
【文献】実開平07-028390(JP,U)
【文献】特開平03-065141(JP,A)
【文献】実開昭54-158896(JP,U)
【文献】特公平05-047181(JP,B2)
【文献】実開平1-109994(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00-9/52
B66F 7/14
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通穴を設けていて米菓を入れる米菓容器を吊り下げた状態で他の容器の中に収まる位置と上記他の容器の上方の位置との間を上下に動かす昇降装置であって、
フレームと、上記フレームに設けられた本体駆動部と、上記本体駆動部によって上下に移動する昇降部と、上記昇降部の上下の移動を案内するガイド部と、上記昇降部の移動軌跡に沿って開いた開口部を設けた本体カバー部と、を備えており、
上記フレームが、ベース部と、上記ベース部から立ち上がる二本の支柱部と、二本の上記支柱部の上端に架け渡していると共に後方へ張り出した上方プレート部と、二本の上記支柱部に架け渡されていると共に後方へ張り出していて上記上方プレート部の下方に設けられた下方プレート部と、を備え、
上記本体駆動部が、一方の端部を上記上方プレート部に回転自在に支えられ他方の端部を上記下方プレート部に回転自在に支えられて二本の上記支柱部の間で上下に延びたネジ部品と、上下に移動可能に上記ネジ部品に取り付けられたナットと、上記ベース部と上記下方プレート部との間に設けられていて上記ネジ部品を回転する原動機と、を備え、
上記昇降部が、棒状に形成されており、さらに上記ネジ部品を通すネジ用貫通穴を設けて上記ネジ部品と交差して一方の端側がアームとして外に張り出した棒状部材を備え、
上記ナットが上記棒状部材の上記ネジ用貫通穴に取り付けられており、
上記本体カバー部が、二本の上記支柱部と、上記上方プレート部と、上記下方プレート部と、上記ネジ部品と、上記棒状部材(上記アームを除く。)と、を覆っており、
上記ガイド部が、上記上方プレート部と上記下方プレート部との間に設けられる第1ガイドと、二本の上記支柱部の間に設けられる第2ガイドと、を備え、
上記第1ガイドが、一方の端部を上記上方プレート部の張り出した部分に支えられ他方の端部を上記下方プレート部の張り出した部分に支えられて上下に延びたガイドバーと、上記棒状部材の他方の端側に設けられていて上記ガイドバーを通すガイド用貫通穴と、を備え、
上記第2ガイドが、上記昇降部に設けた複数の回転体と、上記回転体が当たって転がる複数の回転体受部と、を備え、
上記米菓容器が、上記開口部を通して張り出した上記棒状部材の上記アームに吊り下げられていることを特徴とする、昇降装置。
【請求項2】
上記米菓容器が、上に開く投入口と下に開く排出口とを有する収容本体部と、上記投入口を閉じる上蓋部と、上記排出口を閉じる下蓋部と、を設けていて、
さらに、上記米菓容器が上記他の容器の上方の位置に保持された状態で上記上蓋部を動かして上記投入口を開閉する上蓋開閉装置と、上記米菓容器が上記他の容器の上方の位置に保持された状態で上記下蓋部を動かして上記排出口を開閉する下蓋開閉装置と、上記米菓容器が上記他の容器の中に収まる位置に保持された状態で上記米菓容器を回転する回転装置と、を上記棒状部材の上記アームに設けると共に、バランス用のウェイトを上記棒状部材の他方の端に設けたことを特徴とする、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項3】
上記棒状部材の上記アームの上に被さり内側に空間を有する突出側カバー部をさらに備え、
上記上蓋開閉装置は、上記棒状部材の上記アームの上にシリンダーチューブ側を設けた第1エアシリンダーと、上記棒状部材の上記アームの下方で上記第1エアシリンダーのピストンロッドによって上下に移動すると共に上記上蓋部を持ち上げるピストンロッドを設けた第2エアシリンダーと、を備え、
上記下蓋開閉装置は、上記棒状部材の上記アームの上に設けた第3エアシリンダーと、上下に延びていて上端側が上記第3エアシリンダーのピストンロッドにつながっていると共に下端側が上記下蓋部につながっている延長ロッドと、を備え、
上記回転装置は、上記棒状部材の上記アームの上に設けた回転用の原動機と、上下に延びていて上端側がギヤを介して回転用の上記原動機につながっていると共に下端側が上記収容本体部につながっているシャフトと、を備えていて、
上記第1エアシリンダーのシリンダーチューブ側と上記第3エアシリンダーと回転用の上記原動機と上記ギヤとが、上記突出側カバー部の中に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の昇降装置。
【請求項4】
上記支柱部がH形鋼で構成されていて、上記回転体受部が上記H形鋼のフランジ部であることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の昇降装置。
【請求項5】
上に開く投入口と下に開く排出口とを有する収容本体部と、上記投入口を閉じる上蓋部と、上記排出口を閉じる下蓋部と、を設けていて、米菓を入れる米菓容器と、
上記米菓容器を中に入れて上記米菓を味付用のタレに浸す味付容器と、
上記米菓容器へ向けて味付け前の上記米菓を運ぶ上流搬送装置と、
上記米菓容器から出される味付け後の上記米菓を運ぶ下流搬送装置と、
上記米菓容器を吊り下げた昇降部を上下に動かして、上記米菓容器を上記味付容器の中の味付位置と、上記米菓容器を上記味付容器の上方の投入位置と排出位置との何れかに配置する昇降装置と、
上記昇降部に設けられていて上記上蓋部を動かして上記投入口を開閉する上蓋開閉装置と、
上記昇降部に設けられていて上記下蓋部を動かして上記排出口を開閉する下蓋開閉装置と、を備えており、
上記収容本体部と上記下蓋部とが複数の貫通穴を有し、
上記昇降装置が、フレームと、上記フレームに設けられた本体駆動部と、上記本体駆動部によって上下に移動する上記昇降部と、上記昇降部の上下の移動を案内するガイド部と、を備えており、
上記本体駆動部が、一方の端部を上記フレームに回転自在に支えられ他方の端部を上記フレームに回転自在に支えられて上下に延びたネジ部品と、上下に移動可能に上記ネジ部品に取り付けられたナットと、上記ネジ部品を回転する原動機と、を備え、
上記昇降部が上記ネジ部品を通すネジ用貫通穴を設けており、
上記ナットが上記昇降部の上記ネジ用貫通穴に取り付けられており、
上記上流搬送装置が、味付け前の上記米菓を運ぶ上流ベルトコンベヤ部と、上記上流ベルトコンベヤ部の送出先に設けられていると共に上記投入位置に配置された上記米菓容器の上記投入口より高い位置に設けられたシュートと、上記上流ベルトコンベヤ部と共に上記シュートを水平に動かす上流スライド機構と、を備え、
上記下流搬送装置が、上記排出位置に配置された上記米菓容器の上記排出口及び上記下蓋部より低い位置に設けられると共に上記味付容器より高い位置に設けられていて味付け後の上記米菓を運ぶ下流ベルトコンベヤ部と、上記下流ベルトコンベヤ部を水平に動かす下流スライド機構と、を備えていて、
上記昇降装置が上記投入位置に上記米菓容器を吊り下げた状態では、上記上蓋開閉装置が上記上蓋部を上記シュートより高い位置まで動かして上記投入口を開け、さらに上記シュートが上記上流スライド機構によって上記米菓容器の上記投入口の上方に移動し、
上記昇降装置が上記排出位置に上記米菓容器を吊り下げた状態では、上記下流ベルトコンベヤ部が上記下流スライド機構によって上記米菓容器の下方に移動し、さらに上記下蓋開閉装置が上記排出口を開けることを特徴とする、味付システム。
【請求項6】
上記米菓容器から落ちる上記米菓の欠片を受ける欠片受装置を備え、
上記欠片受装置が、上記投入位置に配置された上記米菓容器より低い位置に設けられていて上記欠片を載せるトレイ部と、上記トレイ部を水平に動かすトレイ用スライド機構と、を備え、
上記昇降装置が上記投入位置に上記米菓容器を吊り下げた状態で、上記トレイ部が上記トレイ用スライド機構によって上記米菓容器の下方に移動することを特徴とする、請求項5に記載の味付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煎餅などの米菓を入れた容器を上下に移動する昇降装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
煎餅などの米菓は、例えば材料シートから所定の形状に型抜きして得た生地を、所定の水分量に調整した後に焼き、その後に味付けを行って製造する。焼き上がった煎餅に味付けを行う場合には、タレを入れた容器内に煎餅を浸す味付装置を利用する。
【0003】
従来、味付装置は、搬入する味付け前の煎餅を運ぶ上流搬送部と、上流搬送部から所定量の煎餅を入れる収容部と、しょうゆなどのタレを入れた味付用の容器と、味付けした煎餅を後の乾燥工程へ送る下流搬出部と、空の或いは煎餅を入れた収容部を運ぶ移動手段と、を備えている。
【0004】
従来の味付装置では、上流搬送部が下流搬送部よりも高い位置に保持されていて、収容部が上流搬送部から煎餅を受け取る位置と、収容部が下流搬送部へ煎餅を移す位置とが同じに設定されている。この搬入かつ搬出の位置から離れた箇所に味付用の容器を設けていて、収容部が移動手段によって味付用の容器や上流搬送部や下流搬出部へ向けて移動する。移動手段は、収容部を水平方向に動かす機構と、収容部を上下方向に動かす機構と、を備えている。
【0005】
煎餅を入れる収容部は、側面などが金網で構成されていて複数の通水用の孔を備えていると共に、煎餅を入れるために上方に開く投入口と、煎餅を出すために下方に開く排出口と、投入口を閉じる上蓋と、排出口を閉じる下蓋とを備えている。これに関連して、味付装置は、上蓋を開閉する手段と、下蓋を開閉する手段を備えている。
【0006】
味付装置では、煎餅を収容部へ投入する工程と、煎餅を投入位置から味付用の容器の上方の位置まで水平に移動する工程と、煎餅を味付用の容器の中まで下げてタレに浸した後に元の高さまで上昇させる工程と、味付用の容器の上方の位置から排出位置まで水平に移動する工程と、煎餅を収容部から出す工程とを順に行う。
【0007】
投入工程では、収容部が投入位置で投入口を開けて、上流搬送部から煎餅を受け入れる。所定量の煎餅が入った後に投入口は上蓋で閉じられて、搬入が完了する。味付工程では、収容部が下降して味付用の容器に入り、収容部が所定時間を味付け位置に保持されて、煎餅をしょうゆなどのタレに浸して味付けを行う。排出工程では、収容部が排出口を開けて、煎餅を下流搬送部へ落とす。煎餅を排出した後に排出口が下蓋で閉じられて、排出が完了する。
【0008】
従来の味付装置の移動手段において、水平移動の機構は、軸を介して端部を装置本体に取り付けられたアームを備えていて、収容部がアームから延びた棒部材によって吊り下げられている。アームが軸まわりに動くことで、収容部が高さを一定に保持されたまま、投入位置から味付用の容器の上方の位置へ又は味付用の容器の上方の位置から排出位置へ移動する。水平移動の機構を備えた乾燥装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特公平5―47181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の味付装置では、移設の際に、アームが他の設備などと当たる恐れがあるとそのまま設置できない。このため、収容部の水平移動を省いて装置を構成することで、装置の設置の自由度を高めることが望ましい。煎餅の味付に代えて、生地を水に漬けたり、生地を油で揚げたり、煎餅製造における他の用途などに利用する場合も、収容部の水平移動を省いて、煎餅などの米菓を入れた容器を上下に移動する昇降装置が望ましい。
【0011】
本発明は、設置の自由度の高い昇降装置とそれを備えた味付システムとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の貫通穴を設けていて米菓を入れる米菓容器を吊り下げた状態で他の容器の中に収まる位置と上記他の容器の上方の位置との間を上下に動かす昇降装置である。上記昇降装置は、フレームと、上記フレームに設けられた本体駆動部と、上記本体駆動部によって上下に移動する昇降部と、上記昇降部の上下の移動を案内するガイド部と、上記昇降部の移動軌跡に沿って開いた開口部を設けた本体カバー部と、を備えており、上記フレームは、ベース部と、上記ベース部から立ち上がる二本の支柱部と、二本の上記支柱部の上端に架け渡していると共に後方へ張り出した上方プレート部と、二本の上記支柱部に架け渡されていると共に後方へ張り出していて上記上方プレート部の下方に設けられた下方プレート部と、を備えている。上記本体駆動部は、一方の端部を上記上方プレート部に回転自在に支えられ他方の端部を上記下方プレート部に回転自在に支えられて二本の上記支柱部の間で上下に延びたネジ部品と、上下に移動可能に上記ネジ部品に取り付けられたナットと、上記ベース部と上記下方プレート部との間に設けられていて上記ネジ部品を回転する原動機と、を備えている。上記昇降部は、棒状に形成されており、さらに上記ネジ部品を通すネジ用貫通穴を設けて上記ネジ部品と交差して一方の端側がアームとして外に張り出した棒状部材を備えて、上記ナットが上記棒状部材の上記ネジ用貫通穴に取り付けられている。上記本体カバー部が、二本の上記支柱部と、上記上方プレート部と、上記下方プレート部と、上記ネジ部品と、上記棒状部材(上記アームを除く。)と、を覆っている。上記ガイド部は、上記上方プレート部と上記下方プレート部との間に設けられる第1ガイドと、二本の上記支柱部の間に設けられる第2ガイドと、を備え、上記第1ガイドが、一方の端部を上記上方プレート部の張り出した部分に支えられ他方の端部を上記下方プレート部の張り出した部分に支えられて上下に延びたガイドバーと、上記棒状部材の他方の端側に設けられていて上記ガイドバーを通すガイド用貫通穴と、を備え、上記第2ガイドが、上記昇降部に設けた複数の回転体と、上記回転体が当たって転がる複数の回転体受部と、を備えている。上記米菓容器は、上記開口部を通して張り出した上記棒状部材の上記アームに吊り下げられている。
【0013】
また、本発明の味付システムは、上に開く投入口と下に開く排出口とを有する収容本体部と上記投入口を閉じる上蓋部と上記排出口を閉じる下蓋部とを設けていて米菓を入れる米菓容器と、上記米菓容器を中に入れて上記米菓を味付用のタレに浸す味付容器と、上記米菓容器へ向けて味付け前の上記米菓を運ぶ上流搬送装置と、上記米菓容器から出される味付け後の上記米菓を運ぶ下流搬送装置と、上記米菓容器を吊り下げた昇降部を上下に動かして、上記米菓容器を上記味付容器の中の味付位置と、上記米菓容器を上記味付容器の上方の投入位置と排出位置との何れかに配置する昇降装置と、上記昇降部に設けられていて上記上蓋部を動かして上記投入口を開閉する上蓋開閉装置と、上記昇降部に設けられていて上記下蓋部を動かして上記排出口を開閉する下蓋開閉装置と、を備えている。上記収容本体部と上記下蓋部とが複数の貫通穴を有する。上記昇降装置が、フレームと、上記フレームに設けられた本体駆動部と、上記本体駆動部によって上下に移動する上記昇降部と、上記昇降部の上下の移動を案内するガイド部と、を備えている。上記本体駆動部が、一方の端部を上記フレームに回転自在に支えられ他方の端部を上記フレームに回転自在に支えられて上下に延びたネジ部品と、上下に移動可能に上記ネジ部品に取り付けられたナットと、上記ネジ部品を回転する原動機と、を備えている。上記昇降部が上記ネジ部品を通すネジ用貫通穴を設けており、上記ナットが上記昇降部の上記ネジ用貫通穴に取り付けられている。上記上流搬送装置が、味付け前の上記米菓を運ぶ上流ベルトコンベヤ部と、上記上流ベルトコンベヤ部の送出先に設けられていると共に上記投入位置に配置された上記米菓容器の上記投入口より高い位置に設けられたシュートと、上記上流ベルトコンベヤ部と共に上記シュートを水平に動かす上流スライド機構と、を備えている。上記下流搬送装置が、上記排出位置に配置された上記米菓容器の上記排出口及び上記下蓋部より低い位置に設けられると共に上記味付容器より高い位置に設けられていて味付け後の上記米菓を運ぶ下流ベルトコンベヤ部と、上記下流ベルトコンベヤ部を水平に動かす下流スライド機構と、を備えている。上記昇降装置が上記投入位置に上記米菓容器を吊り下げた状態では、上記上蓋開閉装置が上記上蓋部を上記シュートより高い位置まで動かして上記投入口を開け、さらに上記シュートが上記上流スライド機構によって上記米菓容器の上記投入口の上方に移動し、上記昇降装置が上記排出位置に上記米菓容器を吊り下げた状態では、上記下流ベルトコンベヤ部が上記下流スライド機構によって上記米菓容器の下方に移動し、さらに上記下蓋開閉装置が上記排出口を開ける。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来技術のような米菓容器を水平に移動させる際に必要なスペースを考慮する必要がなくなることから、設置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は本発明の実施形態に係る味付システムを示す正面図であり、(b)は(a)の味付システムの平面図である。
図2】(a)は図1の味付システムを構成する米菓容器を示す正面図であり、(b)は(a)の米菓容器の分解斜視図である。
図3】(a)~(c)は、図1の味付システムを構成する昇降装置と米菓容器と味付容器とを示す左側面図である。
図4】(a)~(c)は図1の味付システムを構成する上流搬送装置と下流搬送装置と米菓容器と味付容器とを示す正面図である。
図5】(a)~(c)は図1の味付システムを構成する欠片受装置と米菓容器と味付容器とを示す正面図である。
図6】(a)と(b)は図5の欠片受装置を示す斜視図であり、(c)は(b)のS1-S1線に沿ったトレイ部の断面図である。
図7図1(a)のS2-S2線に沿った昇降装置の断面図である。
図8】(a)は図7の昇降装置のフレームを示す斜視図であり、(b)が本体カバー部で覆われたフレームを示す斜視図であり、(c)が(a)のフレームのベース部を示す平面図であり、(d)が(a)のフレームの二本の支柱部を示す平面図である。
図9】(a)は図7の昇降装置の昇降本体を示す左側面図であり、(b)が図1(a)のS3-S3線に沿った昇降本体の断面図である。
図10】(a)は図7の昇降装置の昇降本体を示す左側面図であり、(b)が図7の昇降装置の昇降部と支柱部とを示す部分斜視図であり、(c)が図7の昇降装置の昇降部と支柱部とを示す部分平面図である。
図11図3(a)の昇降装置のアーム周辺を示す左側面図である。
図12】(a)~(c)は図2の米菓容器の上蓋部を開ける動作を示す図である。
図13図2の米菓容器の下蓋部を開ける動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る味付システム1を示しており、(a)が正面図であり、(b)が平面図である。味付システム1は、煎餅を入れる米菓容器10と、米菓容器10の下方に設けられていて米菓容器10を中に入れて煎餅を味付用のタレに浸す味付容器20(他の容器)と、米菓容器10へ向けて味付け前の煎餅を運ぶ上流搬送装置30Uと、米菓容器10から出される味付け後の煎餅を運ぶ下流搬送装置30Dと、煎餅を米菓容器10へ投入した際に米菓容器10から落ちる煎餅の欠片を受ける欠片受装置40と、米菓容器10を吊り下げた状態で昇降する昇降装置50と、上蓋開閉装置60と、下蓋開閉装置70と、回転装置80と、制御部と、を備えている。
【0017】
(米菓容器10)
図2は米菓容器10を示しており、(a)が正面図であり、(b)が分解斜視図である。米菓容器10は、上に開く投入口110Aと下に開く排出口110Bとを有する収容本体部110と、投入口110Aを閉じる上蓋部120と、排出口110Bを閉じる二つの下蓋部130と、を設けて、ステンレス鋼で構成されており、内側に煎餅を入れることができる。
【0018】
収容本体部110は、環状の下枠111と、下枠111の上方に設けられる上枠112と、下枠111と上枠112とをつなぐ連結棒113と、下枠111から上枠112に亘って設けられる側面部114と、を備えている。側面部114は、複数の貫通穴114Aを備えていて、例えば側面部114を金網状に構成する。
【0019】
投入口110Aは例えば円形に形成されていて、これに対応して上蓋部120は、円板状に形成されて収容本体部110の上枠112に被さる蓋本体部121と、蓋本体部121から上に突き出た突起部122と、を備えている。蓋本体部121の周縁側を上枠112に当てた状態では投入口110Aが塞がれ、蓋本体部121を上枠112から離すことで投入口110Aが開く。上蓋部120も外側から内側へ通じるように複数の貫通穴を備えてもよい。
【0020】
排出口110Bが、収容本体部110の下の開口端を分けて二つの半円形に形成されていて、下蓋部130は二つ設けられ、それぞれ半円の板状に形成されている。二つの下蓋部130は互いの直線状の縁を寄せていると共に、直線状の縁に沿った開閉用の軸131を介して収容本体部110の下枠111に取り付けられている。二つの下蓋部130を水平に広げた状態にすると二つの排出口110Bが塞がれ、二つの下蓋部130を軸131のまわりに動かして傾けると二つの排出口110Bが開く。下蓋部130も外側から内側へ通じる複数の貫通穴を備えている。
【0021】
米菓容器10は、昇降装置50によって吊り下げられた状態に保持されていて、昇降して位置P1~P3の何れかへ移動する。図3(a)~(c)は、昇降装置50と米菓容器10と味付容器20とを示す左側面図である。図3(a)では、位置P1にある米菓容器10を示しており、位置P1は味付前の煎餅を米菓容器10に投入する際に米菓容器10を配置する投入位置であると共に、味付後の煎餅を米菓容器10から排出する際に米菓容器10を配置する排出位置である。図3(b)では、位置P2にある米菓容器10を示しており、位置P2は煎餅をタレに浸す際に米菓容器10を配置する味付位置である。図3(c)では、位置P3にある米菓容器10を示しており、位置P3は煎餅に付着した余剰のタレを落とす際に米菓容器10を配置する位置である。
【0022】
(味付容器20)
図3では味付容器20を一点鎖線で表しており、味付容器20は、しょうゆをベースにしたタレを内側に収容した容器下部210と、容器下部210から上に延びた筒状の容器上部220と、を備えて、ステンレス鋼で構成されている。煎餅をタレに浸す位置P2では米菓容器10の蓋本体部121と収容本体部110が容器下部210に収まる。煎餅に付着した余剰のタレを落とす位置P3では、米菓容器10の収容本体部110が容器上部220に収まり、上蓋部120の突起部122は容器上部220から上に突き出ている。
【0023】
(上流搬送装置30Uと下流側搬送部30D)
図4の(a)~(c)は味付容器20と米菓容器10と上流搬送装置30Uと下流搬送装置30Dとを示す正面図である。上流搬送装置30Uは、位置P1に保持された米菓容器10へ向けて煎餅を搬送し、下流搬送装置30Dは位置P1に保持された米菓容器10から煎餅を受けて煎餅を装置外へ向けて搬送する。
【0024】
上流搬送装置30Uと下流搬送装置30Dとは、設置面から立ち上がる着地フレーム310と、着地フレーム310に支えられていて煎餅を載せるベルトコンベヤ部320と、着地フレーム310に設けられていてベルトコンベヤ部320を水平に移動するスライド機構330と、を備えている。上流搬送装置30Uでは、シュート350がベルトコンベヤ部320の送出先に設けられている。
【0025】
ベルトコンベヤ部320は、コンベヤフレーム321と、コンベヤの末端にそれぞれ配置されるようコンベヤフレーム321に設けられたプーリ322と、金網などで構成されておりプーリ322に架け渡していて煎餅を載せる面が水平或いは斜めに延びたコンベヤベルト323と、コンベヤフレーム321に設けられていて一方のプーリ322を回転させてベルト323を駆動するベルト用原動機325と、を備えている。
【0026】
スライド機構330は、着地フレーム310に取り付けられたスライド用原動機331と、スライド用原動機331の軸に取り付けられたピニオン332と、米菓容器10側へ向けて水平に延びていてピニオン332が噛み合うラック333と、ラック333と平行に延びていて着地フレーム310に取り付けられたレール部334と、レール部334によって移動をガイドされていると共にラック333を支えるスライダー部335と、を備えている。
【0027】
スライド機構330のスライダー部335がベルトコンベヤ部320のコンベヤフレーム321につながっていて、スライド用原動機331を作動させることで、ベルトコンベヤ部320が着地フレーム310に対する位置を変える。
【0028】
以下、上流搬送装置30Uと下流搬送装置30Dの構成で、同じ名称のものには両者を区別するように、符号の後に(Up)と(Dw)とを加える。
上流搬送装置30Uでは、ベルトコンベヤ部320(Up)とシュート350とが、図4(b)に示すように位置P1に配置された米菓容器10の投入口110Aよりも高い位置に設けられている。なお、シュート350はベルトコンベヤ部320(Up)のコンベヤフレーム321(Up)に設けられている。シュート350やコンベヤベルト323(Up)は、幅が投入口110Aと比べて狭く構成されている。
【0029】
煎餅を米菓容器10に入れるときに、ベルトコンベヤ部320(Up)が米菓容器10に近接する投入位置へ向けて水平にスライドして、図4(b)に示すようにシュート350の先端を米菓容器10の投入口110Aの上方に配置する。煎餅2はベルトコンベヤ部320(Up)からシュート350を経て米菓容器10に入る。煎餅2の投入が完了すると、ベルトコンベヤ部320(Up)とシュート350とは逆方向へスライドして、図4(a)に示すようにシュート350が米菓容器10の上から退避位置まで戻る。
【0030】
下流搬送装置30Dでは、ベルトコンベヤ部320(Dw)が、位置P1に配置された米菓容器10の排出口110Bより低い位置、具体的には図4(c)に示すように排出口110Bを開けた状態の下蓋部130よりも低い位置であり、さらに味付容器20の上方に設けられている。コンベヤベルト323(Dw)は、幅が米菓容器10と比べて広く構成されている。
【0031】
煎餅2を米菓容器10から排出するときに、ベルトコンベヤ部320(Dw)が米菓容器10の下方の煎餅落下位置へ向けて水平にスライドする。図4(c)に示すようにベルトコンベヤ部320(Dw)が米菓容器10の排出口110Bの下方に配置された状態で、下蓋部130が動いて排出口110Bからベルトコンベヤ部320(Dw)へ煎餅2が落下する。煎餅の排出が完了すると、ベルトコンベヤ部320(Dw)は逆方向へスライドして、図4(a)に示すように米菓容器10の下の煎餅落下位置から退避位置へ戻る。
【0032】
(欠片受装置40)
欠片受装置40は、位置P1に保持された米菓容器10に煎餅を投入した際、落下する煎餅の欠片を受けて、欠片がタレに混ざることを回避する。図5の(a)~(c)は欠片受装置40を示す正面図である。欠片受装置40は、設置面から立ち上がる着地フレーム410と、着地フレーム410に支えられていて煎餅の欠片を載せるトレイ部420と、着地フレーム410に設けられていてトレイ部420を米菓容器10の下へ向けて水平に移動するトレイ用のスライド機構430と、着地フレーム410に設けられていてトレイ部420に載った欠片を排出する欠片排出部440と、を備えている。
【0033】
図6の(a)と(b)はトレイ部420と欠片排出部440とを示す斜視図であり、(c)は(b)のS1-S1線に沿ったトレイ部420の断面図である。トレイ部420は、平面視で輪郭が横長の矩形型であり平坦な面に形成された底部421とその周縁から立ち上がる側面部422とを備えて、ステンレス鋼で構成されている。底部421は味付容器20の開口よりも大きく形成されていると共に平滑な面として形成されている。図5(a)に示すようにトレイ部420は排出口110Bを下蓋部130で閉じた米菓容器10よりも低い位置であると共に味付容器20よりも高い位置に設けられている。
【0034】
トレイ用のスライド機構430は、上流搬送装置30Uのスライド機構330と同様に、スライド用原動機431と、ピニオン432と、ラック433と、レール部434と、スライダー部435と、を備えている。上流搬送装置30Uのスライド機構330と同じ名称のものについては、その機能や構成が同様であるため、説明を省略する。トレイ部420がスライダー部435につながっている。トレイ部420は、スライド用原動機431を作動させることで、着地フレーム410に対して位置を変える。トレイ部420は、煎餅を米菓容器10に入れるときに、米菓容器10の下方で味付容器20を覆う欠片落下位置へ向けて水平にスライドする。煎餅投入が完了すると、トレイ部420は逆方向へスライドして、米菓容器10の下や味付容器20の上から退避位置まで戻る。
【0035】
図6(b)はトレイ部420が退避位置に移動した状態を示しており、欠片排出部440は、トレイ部420が欠片落下位置から退避位置へスライドする過程で、トレイ部420に載った欠片2Aの移動を妨げる移動規制部441と、移動規制部441をトレイ部420の底部421に当てる或いは近接させる位置と上方の離れた位置の何れかに配置する配置変更部442と、移動規制部441に当たって集まる欠片2Aの移動を案内する欠片排出シュート443と、欠片排出シュート443から落ちる欠片2Aを入れる容器や袋などの欠片溜部444と、を備えている。
【0036】
配置変更部442は、着地フレーム410に固定された駆動本体442Aと、駆動本体442Aに対して位置を変える可動部442Bとを備えており、可動部442Bが上下に移動する。配置変更部442は、例えばエアシリンダーを用いることができ、シリンダーチューブ611を着地フレーム410に固定し、ピストンロッド612の先端で移動規制部441を直接或いは間にブラケットなどの他の部材を設けて支える。図6(a)は配置変更部442によって底部421から離れた移動規制部441を表しており、図6(b)は移動規制部441を下げて低い位置に保持した状態を表していて、移動規制部441は、底部421から立ち上がるように設けられ、さらにトレイ部420の中を仕切るように一方の長い側面から他方の長い側面まで延びている。移動規制部441や欠片排出シュート443はステンレス鋼で構成されている。
【0037】
図5(a)及び図6(c)に示すようにトレイ部420が退避位置にある状態で、移動規制部441は、欠片落下位置側に設けられる短い側面部422Aと所定の間隔で配置されており、それらの間が欠片を寄せ集める欠片スペースを構成する。トレイ部420は、図6(b)に一点鎖線で示すように欠片スペースからトレイ外へ通じるように開いた欠片排出口420Aを側面部422或いは底部421に有し、欠片排出シュート443が欠片排出口420Aから欠片2Aを受けて欠片溜部444へ移すように着地フレーム410に設けられている。
【0038】
欠片受装置40では、上流搬送装置30Uで煎餅を米菓容器10に入れる前に、移動規制部441が配置変更部442によって持ち上げられて下端がトレイ部420の底部421から離れた状態で図6(a)に示すようにトレイ部420が米菓容器10の下方の欠片落下位置へ向けてスライドして、図5(b)に示すように平坦な面を米菓容器10の下方に配置して味付容器20を覆う。煎餅の投入過程で欠片2Aはトレイ部420に落下する。煎餅の投入が完了すると、移動規制部441が配置変更部442によって下がり下端がトレイ部420の底部421に接した状態で図5(c)に示すようにトレイ部420が米菓容器10の下の欠片落下位置から退避位置へ向けてスライドする。トレイ部420が退避位置に戻る過程で、トレイ部420の上の欠片2Aは移動規制部441に当たって移動が妨げられて、集められる。トレイ部420が退避位置に到達すると集めた欠片2Aが欠片スペースに寄せられて、このスライド移動の前に集められた欠片2Aと合わさり、余剰の欠片2Aが欠片排出口420Aからシュート330に入って、欠片溜部444の中に移る。
【0039】
(昇降装置50)
昇降装置50は、図3(a)に示すように、米菓容器10を吊り下げた状態で上下に移動する。図7図1(a)のS2-S2線に沿った昇降装置50の断面図である。昇降装置50は、ステンレス鋼で構成されたフレーム51と、フレーム51に設けられた本体駆動部52と、本体駆動部52によって上下に移動する昇降部53と、昇降部53の上下の移動を案内するガイド部と、本体カバー部55と、を備えている。
【0040】
(フレーム51)
図8(a)はフレーム51を示す斜視図であり、(b)が本体カバー部55で覆われた状態を示している。フレーム51は、ベース部511と、ベース部511から立ち上がる二本の支柱部512と、二本の支柱部512に架け渡された上方プレート部513と下方プレート部514と、を備えている。
【0041】
ベース部511は、設置面に着地する着地部511Aと、着地部511Aの上に設けられた取付プレート部511Bと、を備えていて、取付プレート部511Bを設置面の上方、例えば数cm浮かした状態に保持する。
【0042】
図8(c)はフレーム51のベース部511を示す平面図である。着地部511Aは、平面視で縦に延びた二本の縦材M1と、二本の縦材M1の間に設けられていて縦材M1をつなぐように横に延びた二本の横材M2と、を備えている。二本の横材M2の内、一方は中心側で横に延びていて、他方は一方の横材M2から後方へ離れた位置で平行に設けられている。取付プレート部511Bは、図8(c)に破線で示すように、左右の縦材M1と前後に並んだ二本の横材M2に固定されている。図8(a)に示すように縦材M1と横材M2の端部は下方へ突き出た脚部511Cを構成している。なお、ベース部511は脚部511Cを省いて縦材M1や横材M2を直に置いてもよいし、着地部511Aを省いて広く構成した取付プレート部511Bを直に設置面に置いてもよい。
【0043】
取付プレート部511Bは、図8(c)に示すように、横に延びた前縁を中央側の横材M2の縁に寄せて平行に設けられていて、取付プレート部511Bから前方で二本の縦材M1の間には、味付容器20が一点鎖線で示すように配置される。
【0044】
二本の支柱部512は、下端を取付プレート部511Bに固定されて上端を揃えて同じ高さの位置まで上下に延びており、取付プレート部511Bの前縁に沿って横に並んでいる。図では二本の支柱部512としてH形鋼を用いた構成例を示している。また、図8(d)は支柱部512として二本のH形鋼が並んだ状態を示す平面図であり、二本の支柱部512は第1フランジ部512Aと第2フランジ部512Bとをそれぞれ備えていて、ウェブが向かい合うように並んでいて、第1フランジ部512Aと第2フランジ部512Bの先端E1,E2は鉛直に延びている。
【0045】
一方の支柱部512においては、第1フランジ部512Aと第2フランジ部512Bとには、対向する第1対向面A1と第2対向面A2とが設けられている。他方の支柱部512も一方の支柱部512と同様に、第1対向面A1と第2対向面A2を備えていて、両方の支柱部512に設けられる第1対向面A1と第2対向面A2とが平行であって、支柱部512の全長に亘って鉛直に延びている。
【0046】
上方プレート部513が、二本の支柱部512の上端を覆うように設けられている。上方プレート部513は、二本の支柱部512に架け渡して設けられている。上方プレート部513では、後述するネジ部品522の一方の端部が二本の支柱部512の間の部分に軸受を介して取り付けられ、後述する上下に延びたガイドバー541の一方の端部が支柱部512から後方へ水平に張り出す部分に取り付けられる。
【0047】
下方プレート部514は、ベース部511の上方で水平に広がるように二本の支柱部512に取り付けられている。下方プレート部514は、上方プレート部513と平行に設けられていて、後述するネジ部品522の他方の端部が二本の支柱部512の間の部分に軸受を介して取り付けられ、後述する上下に延びたガイドバー541の他方の端部が支柱部512から後方へ水平に張り出す部分に取り付けられる。
【0048】
図8(b)に示すように本体カバー部55が取り付けられた状態で、フレーム51の二本の支柱部512と、上方プレート部513、下方プレート部514とが本体カバー部55に収まる。本体カバー部55は二本の支柱部512の間の前方で開いた開口部55Aを備えている。開口部55Aは昇降部53の移動軌跡に沿って本体カバー部55の前面で縦長に形成されている。
【0049】
(本体駆動部52)
本体駆動部52がフレーム51に取り付けられていて、昇降部53を上下に動かす。本体駆動部52は、原動機521と、上下に延びていて原動機521によって回転するネジ部品522と、ネジ部品522に取り付けられていて上下に移動可能なナット523と、を備えている。
【0050】
(ネジ部品522)
ネジ部品522は、表面にネジ山を設けて棒状に形成されており、上の端部が上方プレート部513にベアリングなどの軸受を介して取り付けられていて、下の端部が下方プレート部514に軸受を介して取り付けられている。ネジ部品522は、二本の支柱部512の間で上下に延びていて、下に設けられる原動機521の軸につながっている。ネジ部品522は、米菓容器10を上下に所定のストロークの範囲で移動させるように、長さが設定されており、例えば台形ねじを用いる。なお、原動機521は、直交軸型のギヤードモータを利用し、例えばモータのシャフトに対して直交するネジ部品522の下端をギヤヘッドで受けるように構成されている。図示例では、原動機521が、ベース部511の取付プレート部511Bと下方プレート部514の間に設けられており、一部を本体カバー部55の背面に設けた開口部55Bから外に出している。
【0051】
(ナット523)
ナット523は、筒状のナット本体とナット本体の一方の開口端側で外周面から張り出すフランジ部とを備えている。ナット523は、内周面にネジ部品522の外周面のおねじと嵌り合うめねじを設けており、ネジ部品522の一部を覆うように取り付けられている。ナット523は、昇降部53に外周面や開口端を当てて固定されている。
【0052】
(昇降部53)
図9(a)は昇降部53を示す左側面図であり、昇降部53は、棒状に形成されていてネジ部品522と交差する棒状部材531と、棒状部材531よりも短く形成されていて棒状部材531の下方で棒状部材531と平行に設けられた平行部532と、棒状部材531の一方の端部と平行部532の一方の端部とにつながっていて棒状部材531と平行部532とに対してそれぞれ垂直に設けられる第1垂直部533と、棒状部材531と平行部532の他方の端部とにつながっていて棒状部材531と平行部532とに対してそれぞれ垂直に設けられる第2垂直部534と、を備えている。昇降部53は、鋳造などによって一体に製造するものの他、棒状部材531に対して別途製造した平行部532や第1垂直部533や第2垂直部534を溶接或いはブラケットなどによって一体に組み立てたものなどを利用することができる。
【0053】
図9(b)は図1(a)のS3-S3線に沿った昇降部53の断面図であり、棒状部材531は、上下に貫通したネジ用貫通穴531Aと、後述するガイドバー541を通すために上下に貫通したガイド用貫通穴531Bと、を備えている。
【0054】
ネジ用貫通穴531Aでは、下に開いた口部がナット523を入れることができるように上の口部よりも大きく形成されている。ナット523は、非フランジ部側をネジ用貫通穴531Aに差し込んで棒状部材531に取り付けられ、ネジ用貫通穴531Aとナット523の穴とはネジ部品522が棒状部材531を貫通するよう続いている。平行部532は、棒状部材531のネジ用貫通穴531Aと対向する位置に上下に貫通したネジ用貫通穴532Aを備えている。
【0055】
昇降装置50では、棒状部材531がネジ用貫通穴531Aを設けた部分を二本の支柱部512の間に入れて水平に延びた状態に保持されている。また、棒状部材531は、一方の端側がアーム531Fとして本体カバー部55の開口部55Aを通って外に張り出し、他方の端側が本体カバー部55の中に、平行部532と第1垂直部533と共に、収まるように設けられている。なお、図示例では、第1垂直部533の前面が本体カバー部55の開口部55Aを通して現れるように設けられているが、後述する先端ガイド部を取り付ける鉛直面は、開口部55Aの内側と外側の何れかに限定されるものではない。
【0056】
(ガイド部)
昇降装置50は、棒状部材531が二本の支柱部512の間に一部を配置して本体カバー部55の中から外へ向けて一方向に延びた状態で昇降するように第1ガイドと第2ガイドとを備えている。
【0057】
第1ガイドは、上方プレート部513と下方プレート部514との間に設けられている。第1ガイドは、フレーム51に設けられていて上下に延びたガイドバー541と、昇降部53に設けられていてガイドバー541を通すガイド用貫通穴531B,532Bと、を備えている。ガイドバー541は、上端が上方プレート部513に取り付けられていると共に下端が下方プレート部514に取り付けられて、ネジ部品522から後方へ離れて設けられている。ガイド用貫通穴531Bは棒状部材531で他方の端側にネジ用貫通穴531Aと離れて設けられている。平行部532は棒状部材531のガイド用貫通穴531Bと対向する位置に上下に貫通したガイド用貫通穴532Bを備えている。軸受がそれぞれのガイド用貫通穴531B,532Bに取り付けられている。
【0058】
第2ガイドは、二本の支柱部512の間に設けられている。第2ガイドは、昇降部53で二本の支柱部512と対向する側面側それぞれに設けた複数の回転体と、二本の支柱部512それぞれに設けられていて回転体が当たって転がる複数の回転体受部と、を備えている。第2ガイドの構成に関して、以下一方の支柱部512とこれに対向する昇降部53の一方の側面側の構成について説明する。図10の(a)は昇降部53を示す左側面図であり、(b)は昇降部53と一方の支柱部512とを示す部分斜視図であり、(c)は昇降部53と支柱部512とを示す部分平面図である。なお、図10の(b)と(c)では、昇降部53の詳細の形を省略して一点鎖線で表している。
【0059】
棒状部材531と平行部532とは、支柱部512と対向する側面に、回転体として、第1ガイドローラー542Aと第2ガイドローラー542Bと第3ガイドローラー542Cとを備えている。第1ガイドローラー542Aと第2ガイドローラー542Bとは、ブラケット543を介して棒状部材531に取り付けられており、第3ガイドローラー542Cはブラケット544を介して棒状部材531に取り付けられている。
【0060】
ブラケット543は、棒状部材531の側面から平行部532の側面へ亘って取り付けられていて、一つの第1ガイドローラー542Aと二つの第2ガイドローラー542Bとを回転自在に支えている。第1ガイドローラー542Aは、棒状部材531より低く平行部532より高い位置に配置されている。二つの第2ガイドローラー542Bは、一方が棒状部材531側、図示例では棒状部材531の横に設けられていて、他方が平行部532側、図示例では平行部532の横に設けられている。ブラケット544は、二つ設けられていて、一方が棒状部材531の側面に取り付けられていて、他方が平行部532の側面に取り付けられており、それぞれ第3ガイドローラー542Cを回転自在に支えている。
【0061】
図10(b)に示すように、支柱部512は、第1ガイドローラー542Aの回転体受部として第1対向面A1を設けており、第2ガイドローラー542Bの回転体受部として第2対向面A2を設けており、さらに第3ガイドローラー542Cの回転体受部として第1フランジ部512Aの先端E1を設けている。
【0062】
昇降部53の上下の移動に伴って、複数の回転体がそれぞれ対応する回転体受部に当たって転がるように、それぞれの回転の軸がブラケット543やブラケット544に支えられている。
【0063】
昇降部53では他方の支柱部512と対向する他方の側面側にも、一方の側面側と同様に、回転体として、第1ガイドローラー542Aと二つの第2ガイドローラー542Bと二つの第3ガイドローラー542Cがブラケット543やブラケット544を介して設けられており、これらは図10(c)に二点鎖線で示すように対向する他方の支柱部512に設けられた回転体受部に当たる。
【0064】
昇降部53は、第1ガイドと第2ガイドによって、移動方向とは異なる方向への動きを抑えられて、アーム531Fが二本の支柱部512の間から突き出した状態で、上下に移動する。昇降部53に固定されたナット523はネジ部品522に対して変位し、例えば原動機521を正回転させるとナット523が上昇し、原動機521を逆回転させるとナット523が下降する。
【0065】
昇降装置50は、米菓容器10を昇降部53のアーム531Fに吊り下げている。吊り下げ用のシャフト536が、上の端部を本体カバー部55の開口部55Aから突き出た棒状部材531に支えられて、下方へ延びている。棒状部材531は、図9(b)に示すようにシャフト536を通すよう上下に貫通したシャフト536用の貫通穴531Cと、図9(a)に示すようにシャフト536の一方の端部を回転自在に支える軸受537と、を備えている。なお、図9(b)ではシャフト536と軸受537とを一点鎖線で表し、その詳細な断面の構成を省略して表している。
【0066】
シャフト536の下の端部は、米菓容器10の収容本体部110に固定されており、例えば、間に連結棒などを介在させて、下枠111とシャフト536とがつながっていると共に、上枠112とシャフト536とがつながっている。なお、上蓋部120は、図2(b)に示すように、蓋本体部121と突起部122とを貫通していてシャフト536を通すシャフト用の貫通穴120Aを備えており、さらに突起部122は、図2(a)に示すように蓋本体部121から上方へ延びていてシャフト536の外周面を囲うシャフト被着部122Aと、シャフト被着部122Aの上端から外側へ張り出すフランジ部122Bと、を備えている。
【0067】
昇降装置50が米菓容器10を吊り下げた昇降部53を動かして、米菓容器10は所定の高さの位置P1~P3の何れかに移動する。味付システム1は、昇降装置50が位置P1に米菓容器10を保持した状態で投入口110A又は排出口110Bを開閉し、昇降装置50が位置P3に米菓容器10を保持した状態で余剰のタレを落とす。図11は昇降部53のアーム531F周辺を示す左側面図であり、味付システム1は、昇降部53に、上蓋開閉装置60と下蓋開閉装置70と回転装置80とこれらの一部を覆う突出側カバー部538とを備えている。なお、図11では突出側カバー部538を一点鎖線で表し、その中に収まる構成を実線で表している。
【0068】
(上蓋開閉装置60)
上蓋開閉装置60は、棒状部材531に設けられた第1エアシリンダー61と、第1エアシリンダー61によって上下に移動する第2エアシリンダー62と、を備えている。第1エアシリンダー61のシリンダーチューブ611は、棒状部材531の上に取り付けられている。棒状部材531は、上面から立ち上がるブラケット63をネジ部品522や第2垂直部534に寄せた位置に設けており、第1エアシリンダー61のシリンダーチューブ611がブラケット63に固定されている。
【0069】
ピストンロッド612がシリンダーチューブ611から下方へ突き出るように、第1エアシリンダー61は設けられていて、棒状部材531は、図9(b)に示すようにピストンロッド612を通すよう上下に貫通したロッド用の貫通穴531Dを備えている。ピストンロッド612は貫通穴531Dを通って棒状部材531の下まで延びており、先端部が開口部55Aから外に現れる第2垂直部534の前面に近接して設けられている。第2垂直部534は、ピストンロッド612の先端部の移動を案内する先端ガイド部を備えている。先端ガイド部は、ピストンロッドの先端の移動方向に沿って延びたレール部と、レール部上を移動するスライダー部と、を備えている。図示例の先端ガイド部91では、レール部91Aが第2垂直部534の前面に設けられていて上下に延びて、スライダー部91Bをガイドして上方向と下方向へ移動させる。ピストンロッド612の先端部或いは一部がスライダー部91Bに固定されている。
【0070】
第1エアシリンダー61のピストンロッド612の先端部又は第1スライド機構64のスライダー部91Bは、第2エアシリンダー62を取り付けるためのブラケット65を設けている。ブラケット65には、第2エアシリンダー62のシリンダーチューブ621側が固定されて、ピストンロッド622がシャフト536へ向けて水平に突き出るように設けられている。また、ブラケット65には、ピストンロッド622の先端部の移動を案内する先端ガイド部92を備えている。先端ガイド部92では、レール部92Aがシャフト536へ向けて水平に延びていて、ピストンロッド622の一部がスライダー部92Bに固定されている。レール部92Aは、スライダー部92Bのシャフト536側へとこれとは逆のシリンダーチューブ621側への移動を案内する。ピストンロッド622の先端は、蓋当接部623として、先が分かれるように並んだ二つの枝部を備えていて、二つの枝部が横に並ぶように先端ガイド部92に支えられている。
【0071】
(上蓋開閉装置60の動作)
米菓容器10が、位置P1に保持された状態で、図12(a)に示すように、第1エアシリンダー61によって第2エアシリンダー62を上蓋部120の高さまで下ろす。次に、第2エアシリンダー62によって蓋当接部623を上蓋部120の突起部122へ向けて水平に動かして、上蓋部120のシャフト被着部122Aを二つの枝部の間に入れる。図12(b)に示すように、蓋当接部623の二つの枝部が突起部122のフランジ部122Bの下に配置した状態で、第1エアシリンダー61によって第2エアシリンダー62を上昇させると、蓋当接部623が上蓋部120のフランジ部122Bに下方から当たり、さらに上昇させて図12(c)に示すように上蓋部120を持ち上げると、投入口110Aが開く。上蓋部120は上流搬送装置30Uのシュート330やベルトコンベア部320よりも高いに位置まで持ち上げられる。
【0072】
(下蓋開閉装置70)
下蓋開閉装置70は、棒状部材531の上面に設けられた第3エアシリンダー71と、上下に延びた延長ロッド72と、延長ロッド72の上端と第3エアシリンダー71とをつなぐ上連結部73と、延長ロッド72の下端と米菓容器10の下蓋部130とをつなぐ下連結部74と、を備えている。
【0073】
棒状部材531は、第3エアシリンダー71用のブラケット75を上面でシャフト536用の貫通穴531Cに寄せた位置に設けている。第3エアシリンダー71のピストンロッド712が上に突き出るように、シリンダーチューブ711はブラケット75に取り付けられている。また、ブラケット75には、ピストンロッド712の先端部の移動を案内する先端ガイド部93を備えている。先端ガイド部93では、レール部93Aが上下に延びていて、スライダー部93Bの上方向と下方向への移動を案内する。ピストンロッド712の先端部はスライダー部93Bに固定されている。
【0074】
延長ロッド72は、棒状部材531によって吊り下げられた中空のシャフト536の中を通って上下に延びており、シャフト536の上の開口端から外に現れた上の端部とピストンロッド712の先端部とを、図に示すように水平に延びた棒状部や他のブラケットなどの上連結部73を間に介在させてつないでいる。
【0075】
下連結部74は、シャフト536の下の開口端から現れた端部に下蓋開閉用の軸131と平行に設けられた二つのスライドバー741と、二つの下蓋部130にそれぞれ設けられていて下蓋開閉用の軸131に対して直角になる方向へ内周の長い縁が延びていてスライドバー741を入れると共に長い縁に沿って移動させる長穴部742と、を備えている。長穴部742が下蓋部130から米菓容器10の外側へ突き出た凸部132に設けられている。
【0076】
(下蓋開閉装置70の動作)
米菓容器10が、位置P1に保持された状態で、図13に示すように、第3エアシリンダー71によって延長ロッド72を下方へ動かすと、米菓容器10の下に設けられたスライドバー741が延長ロッド72と共に下降する。スライドバー741が下蓋部130に設けた長穴部742の中を移動すると、下蓋部130が開閉用の軸131まわりに動いて下枠111から離れて、排出口110Bが開く。延長ロッド72とスライドバー741が最下点に到達すると、排出口110Bが全開の状態に至る。
【0077】
(回転装置80とその動作)
昇降装置50は、米菓容器10を位置P3に保持した状態で、米菓容器10をシャフト536まわりに動かす回転装置80を備えている。回転装置80は、図11に示すように、棒状部材531の上面に設けられたシャフト536用の原動機81と、棒状部材531に回転自在に設けられていて原動機81によって回転する上記のシャフト536と、を備えている。シャフト536は、棒状部材531の上に現れる端部がギヤ82,83を介してシャフト536用の原動機81とつながっている。なお、原動機81は、直交軸型のギヤードモータを利用し、例えばモータの水平に延びたシャフトに対して上下に延びて直交する直交軸をギヤヘッドに備えている。回転装置80は、原動機81によってシャフト536と共に米菓容器10とを、図1(b)に矢印d1、d2で示す方向へ、回転する。
【0078】
昇降部53は、本体カバー部55の中に収まる棒状部材531の他方の端に、上蓋開閉装置60と下蓋開閉装置70と回転装置80とを設けたアーム531F側とのバランス用のウェイト539を備えている。図示例では、ウェイト539が第1垂直部533に固定されている。
【0079】
(制御部)
制御部が、昇降装置50、上蓋開閉装置60、下蓋開閉装置70、上流搬送装置30U、下流搬送装置30D、欠片受装置40、回転装置80にそれぞれ設けられた原動機やエアシリンダーなどの駆動部が所望の動作を行うよう制御する。なお、制御部は、昇降装置50の中や外に設けられており、例えば起動や停止などのボタンを備えた操作部からの信号を受けて、各制御を行う。
【0080】
以下、味付システム1における動作を、煎餅の投入、煎餅の味付、煎餅の排出の段階に分けて説明する。
(煎餅の投入)
味付前の煎餅の投入工程では、昇降装置50が空の米菓容器10を位置P1に保持する。この状態で、上蓋開閉装置60が上蓋部120を動かして投入口110Aを開け、さらに上流搬送装置30Uでは、スライド機構330によってシュート330が米菓容器10の投入口110Aの上に移動する。さらに欠片受装置40のスライド機構430によってトレイ部420が米菓容器10の下方へ移動する。トレイ部420が味付容器20を覆った状態で味付前の煎餅をベルトコンベヤ部320から米菓容器10の中に入れ、煎餅の投入の間、落下する煎餅の欠片がトレイ部420に載る。煎餅の投入が完了すると、ベルトコンベヤ部320が退避位置へ向けてスライドし、上蓋開閉装置60が上蓋部120を動かして投入口110Aを閉じる。トレイ部420もその退避位置へ向けてスライドし、この移動の過程でトレイ上の欠片が集められる。
【0081】
(煎餅の味付け)
煎餅の味付工程では、味付前の煎餅を入れた米菓容器10が昇降装置50によって位置P1から味付容器20内へ向けて下降する。米菓容器10が昇降装置50によって容器下部210の中に収まる位置P2に保持されて、煎餅をタレに浸す。蓋本体部121が煎餅の浮き上がりを抑えて、煎餅をタレに沈める。所定の時間経過した後、米菓容器10が昇降装置50によって容器下部210内の位置P2から容器上部220の中に収まる位置P3まで上昇する。米菓容器10が回転装置80によって液面の上方で回転して、煎餅に付いた余剰のタレを落とす。
【0082】
(煎餅の排出)
昇降装置50は、味付け後の煎餅を入れた米菓容器10を位置P3から位置P1まで上昇させて、位置P1に保持する。この状態で、下流搬送装置30Dでは、スライド機構330によってベルトコンベア部320が米菓容器10の排出口110Bの下に移動する。さらに下蓋開閉装置70が下蓋部130を動かして排出口110Bを開けると、味付けをした煎餅が排出口110Bからベルトコンベヤ部320へ落ちて、搬出される。煎餅のベルトコンベヤ部320への排出や装置外への搬出が完了すると、下蓋開閉装置70が下蓋部130を動かして排出口110Bを閉じ、さらにベルトコンベヤ部320が退避位置へ向けてスライドする。
【0083】
実施形態の味付システム1では、煎餅の投入と排出を行う位置P1にある米菓容器10の下方に味付容器20を配置して、位置P1に保持した米菓容器10の上方に上流搬送装置30Uのシュート330を移動させ、位置P1に保持した米菓容器10の下方に下流搬送部30Dのベルトコンベヤ部320を移動させるので、従来技術と異なり、米菓容器10は、位置P1と位置P3の間だけを上下に移動させるだけで、煎餅の投入、味付け、排出を行うことができる。さらに、米菓容器10を吊り下げた状態で、米菓容器10の上蓋部120を開閉する上蓋開閉装置60などが、昇降装置50で本体カバー部55の外に現れる、昇降部53のアーム531Fに搭載されているため、昇降部53を支える本体カバー部55側を小型に構成することができる。小型化と共に、従来技術のような米菓容器10を水平に移動させる際に必要なスペースを考慮する必要がなくなることから、味付システム1は、従来技術と比べて設置の自由度を高く構成することができる。
【0084】
米菓容器10の上方で突出側カバー部538の中に原動機81やギヤ82,83を収容すると共に、蓋開閉の際にエアシリンダーを利用することで、煎餅への工業用潤滑油の付着を防止することができる。
【0085】
本発明は、上記の説明に限らず、構成を変えて実施をすることができる。
米菓の投入位置と米菓の排出位置とが位置P1として同じに設定されているが、それぞれ高さの異なる位置に変えて米菓の投入と排出とを行ってもよい。
第2ガイドとして、H形鋼のフランジ部の縁や面に代えて、別途レールなどを回転体受部として設けてもよい。
本発明は、煎餅の味付に代えて、生地を水に漬けたり、生地を油で揚げたり、煎餅製造における他の用途などに利用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 味付システム
2 煎餅
2A 欠片
10 米菓容器
110 収容本体部
110A 投入口
110B 排出口
120 上蓋部
130 下蓋部
20 味付容器
210 容器下部
220 容器上部
30U 上流搬送装置
30D 下流搬送装置
310,410 着地フレーム
320 ベルトコンベヤ部
321 コンベヤフレーム
322 プーリ
323 コンベヤベルト
324 駆動ギヤ
325 ベルト用原動機
330,430 スライド機構
331 スライド用原動機
332 ピニオン
333 ラック
334 レール部
335 スライダー部
350 シュート
40 欠片受装置
420 トレイ部
440 欠片排出部
441 移動規制部
442 配置変更部
443 欠片排出シュート
444 欠片溜部
50 昇降装置
51 フレーム
511 ベース部
512 支柱部
513 上方プレート部
514 下方プレート部
52 本体駆動部
521 原動機
522 ネジ部品
523 ナット
53 昇降部
531 棒状部材
531F アーム
536 シャフト
538 突出側カバー部
541 ガイドバー
542A 第1ガイドローラー
542B 第2ガイドローラー
546 第3ガイドローラー
55 本体カバー部
60 上蓋開閉装置
61 第1エアシリンダー
611,621,721 シリンダーチューブ
612,622,722 ピストンロッド
62 第2エアシリンダー
70 下蓋開閉装置
71 第3エアシリンダー
72 延長ロッド
80 回転駆動装置
91,92,93 先端ガイド部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13