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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】照明装置、照明器具及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20220118BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20220118BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20220118BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20220118BHJP
【FI】
H05B47/11
G16Y10/80
G16Y20/10
G16Y20/40
H05B47/16
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2017038828
(22)【出願日】2017-03-01
(65)【公開番号】P2018147606
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2019-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】城戸 大志
(72)【発明者】
【氏名】井戸 滋
(72)【発明者】
【氏名】片岡 寿夫
(72)【発明者】
【氏名】服部 定良
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-004278(JP,A)
【文献】特開2008-181874(JP,A)
【文献】特開2007-035420(JP,A)
【文献】特開2016-009919(JP,A)
【文献】国際公開第2010/007988(WO,A1)
【文献】特開2008-086489(JP,A)
【文献】特開2003-334250(JP,A)
【文献】特開2005-339993(JP,A)
【文献】特開2015-228322(JP,A)
【文献】特開2014-160562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも2つを要素として含む複数のパラメータからなり、
前記照明制御部は、前記照明部から照射している前記照明光の明るさ又は前記色温度の現在の第1設定値を前記制御コマンド信号における前記明るさ又は前記色温度の目標の第2設定値に変更する際、前記照明光の明るさ又は前記色温度の値を変化させながら前記第1設定値から前記第2設定値に変更する、
照明装置。
【請求項2】
前記受信部は、センサ情報としてセンサにより取得された前記ユーザ情報及び前記環境情報の少なくとも一方に基づいて前記他機器が生成した前記制御コマンド信号を受信する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記他機器は、前記センサを有する前段機器から送信される前記センサ情報を受信する、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記受信部は、クラウドサーバに蓄積された前記ユーザ情報及び前記環境情報に基づいて前記他機器が生成した前記制御コマンド信号を受信する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、ユーザの活動量である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
複数の前記パラメータは、前記照明光の明るさを示す第1パラメータ、前記照明光の色温度を示す第2パラメータ、及び、前記照明光の制御時間を示す第3パラメータである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1パラメータ、前記第2パラメータ及び前記第3パラメータは、一度の前記制御コマンド信号に含まれる、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
1つの前記パラメータに、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間の要素が全て含まれている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1設定値から前記第2設定値に前記照明光を変化させる制御パターンは複数であり、
前記照明制御部は、前記制御コマンド信号に応じて複数の前記制御パターンから1つを選択し、選択した前記制御パターンにより前記第1設定値から前記第2設定値に変更する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数の制御パターンの少なくとも一つは、前記照明光の明るさを強めるモードと前記照明光の明るさを弱めるモードとを繰り返すゆらぎ制御を行うためのパターンである、
請求項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記複数の制御パターンの少なくとも一つは、前記照明光の明るさを漸次増加させる光目覚まし制御を行うためのパターンである、
請求項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光目覚まし制御において、前記照明光の明るさを急変させるためのブースト制御を行い、
前記ブースト制御は、前記照明光の明るさ及び前記照明光の色温度の少なくとも一方を変化させる調光調色制御により行う、
請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
前記複数の制御パターンの少なくとも一つは、前記照明光の明るさを変化させることでユーザに所定の制御対象機器の動作が開始することを通知する光アラート制御を行うためのパターンである、
請求項に記載の照明装置。
【請求項14】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなり、
前記照明装置は、前記光源を消灯させる消灯モード、前記照明光の明るさ及び前記照明光の色温度の少なくとも一方を変化させる調光調色モード、前記照明光の明るさを漸次増加させる光目覚ましモード、前記照明光の明るさを変化させることでユーザに所定の制御対象機器の動作が開始することを通知する光アラートモード、及び、前記照明光の明るさを強める状態と前記照明光の明るさを弱める状態とを繰り返すゆらぎモードを有し、
前記光目覚ましモード、前記光アラートモード及び前記ゆらぎモードは、前記調光調色モード又は前記消灯モードに遷移する
照明装置。
【請求項15】
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させる、
請求項1~14のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項16】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも2つを要素として含む複数のパラメータからなり、
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明部の前記照明光の明るさが変化した後に前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作が開始するように前記制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させる、
照明装置。
【請求項17】
前記制御対象機器は、前記他機器である、
請求項15又は16に記載の照明装置。
【請求項18】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなり、
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させ、
前記照明制御部は、前記光アラート制御として、前記照明光の明るさが明るくなる第1モードと、前記第1モードよりも前記照明光の明るさが暗くなる第2モードとを順に経て、前記制御コマンド信号を受信する前の状態に戻るように前記照明部の制御を行う、
照明装置。
【請求項19】
前記照明制御部は、前記第1モードと前記第2モードとが複数回繰り返すように前記照明部の制御を行う、
請求項18に記載の照明装置。
【請求項20】
前記照明部は、前記光源として、互いに色温度が異なる複数の光源を有し、
前記照明制御部は、前記第1モードのときの前記照明光の色温度が前記第2モードのときの前記照明光の色温度よりも高くなるように前記照明部の制御を行う、
請求項18又は19に記載の照明装置。
【請求項21】
前記照明制御部は、前記照明光の色温度が連続的に変化するように前記照明部の制御を行う、
請求項20に記載の照明装置。
【請求項22】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなり、
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させ、
さらに、明るさセンサを有し、
前記照明制御部は、前記光アラート制御として、前記明るさセンサが検知する明るさに応じて前記照明光の明るさが変わるように前記照明部の制御を行う、
照明装置。
【請求項23】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなり、
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させ、
さらに、送信部を有し、
前記送信部は、前記他機器の動作の停止と前記他機器の動作の開始とを制御する機器制御信号を前記他機器に出力する、
照明装置。
【請求項24】
照明装置であって、
照明光を照射する光源を有する照明部と、
前記照明部を制御する照明制御部と、
前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、
前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなり、
前記受信部が前記他機器から前記制御コマンド信号を受信したときに、
前記照明制御部は、光アラート制御として、前記照明装置とは異なる制御対象機器の動作開始時よりも先に前記照明部の制御を行うことで前記照明光の明るさを変化させ、
さらに、送信部を有し、
前記送信部は、前記他機器の動作を一定期間停止させる機器制御信号を前記他機器に送信する、
照明装置。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1項に記載の照明装置を備える照明器具。
【請求項26】
請求項1~24のいずれか1項に記載の照明装置を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、照明装置を備える照明器具、及び、照明装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが日々の生活を通じて必要とする生活の質(QOL:quality of life)を改善することを目的とした製品又はシステムが検討されている。
【0003】
例えば、約1日を周期とするサーカディアンリズム等の生体リズムにあわせてユーザに照明光を照射することによってQOLの向上を図ることができる照明器具が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-275315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の照明器具では、ユーザが照明器具を操作しなければ、照明光を変えることができない。また、ユーザは、ユーザ自身に適した照明光や環境に適した照明光が分からず、ユーザ自身や環境に適した照明光に簡単に変更することができない。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザの操作を必要とすることなく、ユーザや環境に適した照明光を照射することができる照明装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、照明光を照射する光源を有する照明部と、前記照明部を制御する照明制御部と、前記照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信する受信部とを備え、前記制御コマンド信号は、前記照明光の明るさ、前記照明光の色温度及び前記照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなる。
【0008】
また、本発明に係る照明器具の一態様は、上記の照明装置を備える。
【0009】
また、本発明に係る電子機器の一態様は、上記の照明装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが照明装置を操作することなく、ユーザや環境に適した照明光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る照明システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る照明システムで用いられる制御コマンド信号の一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具の状態遷移を示す図である。
図5】実施の形態1に係る照明器具の調光モードでの照明光の制御パターンの一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る照明器具の調光モードでの照明光の制御パターンの他の一例を示す図である。
図7】実施の形態1に係る照明器具の光目覚ましモードでの照明光の制御パターンの他の一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係る照明器具のゆらぎモードでの照明光の制御パターンの他の一例を示す図である。
図9】実施の形態1に係る照明システムの使用例を示す図である。
図10】実施の形態2に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態2に係る照明装置及び制御機器における制御の第1例を示す図である。
図12】実施の形態2に係る照明装置及び制御機器における制御の第2例を示す図である。
図13】実施の形態2に係る照明装置及び制御機器における制御の第3例を示す図である。
図14】実施の形態2の変形例1に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図15】実施の形態2の変形例1に係る照明装置及び制御機器における制御例を示す図である。
図16】実施の形態2の変形例2に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図17】実施の形態2の変形例2に係る照明装置及び制御機器における制御例を示す図である。
図18】実施の形態2の変形例3に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図19】実施の形態2の変形例4に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
図20】変形例に係る照明システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
(実施の形態1)
[照明システム]
まず、実施の形態1に係る照明システム1の一例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る照明システム1の構成を示す図である。図2は、実施の形態1に係る照明システム1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、照明システム1は、照明器具100と制御機器20とによって構成されている。照明システム1は、例えば住宅の寝室で使用される。この場合、照明器具100及び制御機器20が寝室に設置される。具体的には、ユーザがベッドに寝ているときでも照明器具100から照明光がユーザに照射されるように、照明器具100はベッドの傍に設置される。なお、照明システム1は、住宅の寝室に使用される場合に限らない。
【0016】
照明器具100は、照明光を照射する照明装置10を備えており、照明装置10が駆動することで所望の照明光を照射することができる。照明器具100は、例えば、全方位に照明光が照射されるように球状のボール照明であるが、照明器具100はボール照明に限らない。
【0017】
制御機器20は、照明器具100を制御する装置である。具体的には、制御機器20は、照明器具100の照明光を制御する。
【0018】
以下、照明装置及び制御機器20について、具体的に説明する。
【0019】
[照明装置]
図2に示すように、照明器具100に内蔵される照明装置10は、照明光を照射する点灯装置であり、照明部11と、照明制御部12と、受信部13と、入力電源14と、記憶部15とを備える。
【0020】
照明部11は、照明光を照射する光源を有する。照明部11(光源)は、所定の照明条件の照明光を照射する。所定の照明条件とは、明るさ(照度)、色温度、光色及び平均演色評価数(Ra)等の発光スペクトルに関する条件、又は、発光開始時刻、発光終了時刻及び発光継続時間等の時間に関する条件等である。本実施の形態において、照明部11は、照明光として白色光を照射する。なお、照明部11の光源は、例えば、LEDによって構成されたLEDモジュールである。LEDは、照明制御部12から供給される直流電力によって発光する。なお、照明部11の光源は、LEDに限らない。
【0021】
照明部11の照明光の照明条件は、照明制御部12によって制御される。つまり、照明部11が照明制御部12によって制御されることで、照明部11が照射する照明光の明るさ又は色温度や光色等が変化する。したがって、照明部11は、光源として、互いに色温度が異なる複数の光源を有しており、照明部11は、照明光の明るさ(光出力)を変更することができる調光機能、及び、照明光の色温度や光色を変更することができる調色機能を有する。
【0022】
なお、照明部11が照射する照明光の照明条件は、発光スペクトル及び時間に関するものに限らず、配光角等であってもよい。この場合、照明部11は、調光機能及び調色機能以外に、照明部11に配置されたレンズを自動調整する等により配光角を変更することができる配光制御機能等を有していてもよい。
【0023】
照明制御部12は、照明部11を制御する。具体的には、照明制御部12は、照明部11の光源の発光状態を制御する。本実施の形態において、照明制御部12は、受信部13で受信した制御コマンド信号にしたがって、照明部11(光源)が照射する照明光の照明条件を変更する。例えば、照明制御部12は、照明部11の照明光について、明るさを変えたり色温度を変えたり点消灯させるタイミングを変えたりする。
【0024】
照明制御部12は、例えば、受信部13からの制御コマンド信号にしたがって照明部11の光源を所望に駆動させるための駆動回路及び演算処理装置等を備える。駆動回路には、例えば、制御回路及び電源回路等が含まれる。演算処理装置としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が搭載されたMPU(Micro Processor Unit)等を用いることができる。
【0025】
受信部13は、照明部11の照明光を制御するための制御コマンド信号を制御機器20から受信する。受信部13で受信した制御コマンド信号は、照明制御部12に出力される。
【0026】
受信部13で受信する制御コマンド信号は、照明光を制御するための信号である。本実施の形態において、制御コマンド信号は、照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成されている。具体的には、制御コマンド信号は、ユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて制御機器20で生成される。制御コマンド信号の詳細については後述する。
【0027】
入力電源14は、照明制御部12の電源である。例えば、差し込みプラグ(不図示)等によって照明器具100(照明装置10)が商用の交流電源から電力供給を受けることができる場合、入力電源14で交流電力を直流電力に変換して、直流電力を入力電力として照明制御部12に供給してもよいし、交流電力そのものを入力電力として入力電源14から照明制御部12に供給してもよい。交流電力を照明制御部12に供給する場合、照明制御部12で交流電力から直流電力に変換される。
【0028】
なお、照明器具100(照明装置10)は、制御機器20から電力供給を受けてもよい。この場合、制御機器20で直流電力が生成されて、制御機器20及び照明器具100を接続する電源線を介して、制御機器20で生成された直流電力が入力電力として制御機器20から照明器具100に供給される。
【0029】
記憶部15は、照明部11の照明光を変化させる複数の照明パターンを予め記憶している。例えば、照明制御部12は、受信部13で受信した制御コマンド信号に基づいて、記憶部15に記憶された複数の照明パターンの中から1つの照明光の制御パターンを選択し、選択した制御パターンで照明光が照射されるように照明部11を制御する。照明光の制御パターンの具体例については後述する。なお、記憶部15に記憶される照明パターンは、工場出荷時に予め記憶部15にプリストアされたものに限るものではなく、受信部13で受信した制御コマンド信号等の新たに入手した情報に基づいて生成されて追加されたものであってもよいし、その新たに入手した情報に基づいてプリストアされた照明パターンに変更を加えたものであってもよい。
【0030】
また、記憶部15は、さらに、その他の情報を記憶してもよいし、照明装置10が行う演算処理に必要な一連のプログラム等を記憶していてもよい。記憶部15は、例えば、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置からなる主記憶装置、あるいは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置からなる補助記憶装置によって構成される。
【0031】
[制御機器]
制御機器20は、照明器具100を制御する装置であり、制御部21と、送信部22とを備える。具体的には、制御機器20は、照明器具100に内蔵された照明装置10を制御する。
【0032】
制御部21は、例えばSOC(System on a chip)によって構成されており、各種制御処理を行う。また、制御部21は、人工知能(AI)を内蔵している。
【0033】
本実施の形態において、制御部21は、照明器具100(照明装置10)が照射する照明光を制御するための制御コマンド信号を生成する。具体的には、制御部21は、ユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて、AIにより自動で所望の制御コマンド信号を生成する。なお、制御機器20は、制御コマンド信号を生成する前に、ユーザ情報及び環境情報を予め取得している。
【0034】
ユーザ情報は、ユーザに関するデータであり、例えば、照明器具100を利用するユーザの身体特徴データ、ユーザのライフスタイルデータ、ユーザの活動量データ、及び、ユーザのバイタルデータ等である。
【0035】
ユーザの身体特徴データは、例えば、ユーザの年齢、性別、身長及び体重等である。また、ユーザのライフスタイルデータは、ユーザの起床時刻又は就寝時刻等のユーザのライフスタイルに関する情報である。ユーザの身体特徴データ及びライフスタイルデータは、ユーザが予め制御機器20又は照明器具100に入力しておくことで制御機器20が予め取得することができる。また、ユーザがスマートフォン等の携帯端末に入力しておいた身体特徴データを制御機器20に転送することで、制御機器20が身体特徴データ及びライフスタイルデータを取得してもよい。
【0036】
ユーザの活動量データは、例えば、ユーザが起床している場合には、ユーザの動きの大きさの度合い(活動量)を示すデータであり、例えば活動の強度及び活動時間の積算値で表される。ユーザの活動量データは、例えば活動量計等のセンサによってカロリーで計測することができる。また、ユーザの活動量データは、歩数計で計測した歩数であってもよい。これらの活動量データを計測するセンサは、ユーザが身に着けるウェアラブル端末が有していてもよいし、ユーザが所持するスマートフォン等の携帯端末が有していてもよい。これらのセンサで計測した活動量データは、制御機器20に転送される。
【0037】
また、ユーザが就寝している場合(睡眠時)のユーザの活動量データは、ユーザの体動データである。ユーザの体動データは、例えばドップラーセンサ等の体動センサで計測することができる。体動センサは、例えばユーザが利用するベッドに設置される。体動センサで計測した活動量データは、制御機器20に転送される。
【0038】
ユーザのバイタルデータは、脈拍(心拍数)、体温、血圧及び脳波等である。バイタルデータは、各種センサで計測することができる。例えば、脈拍は脈拍センサ、体温は体温計、血圧は血圧計、脳波は脳波計でそれぞれ計測することができる。これらのバイタルデータを計測するセンサは、ユーザが身に着けるウェアラブル端末又はユーザが計測する際の計測器が有していてもよいし、ユーザが保持するスマートフォン等の携帯端末が有していてもよい。これらのセンサで計測したバイタルデータは、制御機器20に転送される。
【0039】
環境情報は、例えば、照明器具100の周辺の環境データであり、例えば、気象データ、空気質データ及び明るさデータ等である。なお、環境情報は、外出時にユーザが晒された環境の環境データであってもよい。環境データは、各種環境センサによって計測することができる。
【0040】
気象データは、気温、湿度、気圧等であり、それぞれ気温計、湿度計、気圧計等のセンサで計測することができる。空気質データは、大気中に浮遊する、ホコリ、花粉、煙、PM2.5等の粒子、又は、二酸化炭素等のガス濃度等であり、それぞれ粒子検出センサ及びガス濃度センサで計測することができる。明るさデータは、照度センサによって計測することができる。
【0041】
このように、ユーザ情報及び環境情報は、センサ情報として各種センサにより取得したり、予め制御機器20等に入力することで取得したりすることができる。センサ情報としてユーザ情報及び環境情報を取得する場合、センサ情報を取得するためのセンサは、制御機器20の前段機器であるセンサ機器として、上記のようにウェアラブル端末又はスマートフォン等の携帯端末等の各種機器が有していてもよいし、制御機器20そのものが有していてもよい。前段機器がセンサを有している場合、上記のように、前段機器で取得されたセンサ情報が制御機器20に送信されることで制御機器20がセンサ情報を自動で取得することができる。つまり、この場合、制御機器20は、センサを有する前段機器から送信されるセンサ情報を受信し、このセンサ情報に基づいて、制御部21のAIにより、ユーザに適した照明光や環境に適した照明光を自動で演算し、ユーザに適した照明光や環境に適した照明光を照明部11から照射させるための制御コマンド信号を生成する。
【0042】
なお、上記各種のユーザ情報及び環境情報の取得方法は、上記の取得方法に限るものではない。例えば、ユーザ情報及び環境情報は、ユーザが取得することを意識することなく、全て自動で行われていてもよい。
【0043】
制御機器20で制御コマンド信号を生成する際、本実施の形態では、センサによって取得したユーザ情報及び環境情報に基づいて、制御部21のAIにより、ユーザがどのような照明モードの照明光で照射されるかを望んでいるかを自動で決定し、決定した照明モードに対応する制御コマンド信号を選択する。照明モード及び照明モードに対応する制御コマンド信号の具体例については、後述する。
【0044】
なお、制御機器20は、センサによってユーザ情報及び環境情報を取得するのではなく、クラウドサーバからユーザ情報及び環境情報を自動で取得してもよい。この場合、ユーザが保有するウェアラブル端末又はスマートフォン等の携帯端末で取得したユーザ情報をクラウドサーバに送信したり、環境センサで取得した環境情報をクラウドサーバに送信したりすることで、ユーザ情報及び環境情報がクラウドサーバに蓄積される。そして、制御機器20は、クラウドサーバに蓄積されたユーザ情報及び環境情報に基づいて、制御部21のAIによりユーザに適した照明光や環境に適した照明光を自動で演算して、所望の制御コマンドを生成する。
【0045】
送信部22は、制御部21で生成した制御コマンド信号を照明器具100(照明装置10)に送信する。具体的に、送信部22は、制御コマンド信号を照明装置10の受信部13に送信する。送信部22から受信部13への送信は、有線及び無線のいずれであってもよい。
【0046】
なお、制御機器20は、制御部21及び送信部22以外に、電源部(電源回路)等を有していてもよい。電源部には、例えば差し込みプラグにより商用の交流電力が供給される。
【0047】
[制御コマンド信号]
ここで、制御機器20が照明器具100(照明装置10)に送信する制御コマンド信号について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1に係る照明システム1で用いられる制御コマンド信号の一例を示す図である。
【0048】
制御コマンド信号は、照明光の明るさ、照明光の色温度及び照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなる。つまり、制御コマンド信号を構成するパラメータには、照明部11が照射する照明光について、明るさ、色温度及び制御時間のうちの少なくとも1つが要素として含まれる。
【0049】
具体的には、本実施の形態では、図3に示すように、6つの制御コマンド信号が用いられており、各制御コマンド信号は、1つ又は複数のパラメータからなる。
【0050】
「点灯信号」を示す制御コマンド信号A1は、照明部11の点灯を開始させるための信号である。制御コマンド信号A1は、照明部11の照明光の明るさを示す第1パラメータ、照明部11の照明光の色温度を示す第2パラメータ、及び、照明部11の照明光の制御時間を示す第3パラメータからなる。一例として、制御コマンド信号A1において、第1パラメータ(明るさ)、第2パラメータ(色温度)及び第3パラメータ(制御時間)は、それぞれ、5~100[%]、2000~6500[K]及び0~200×0.1[s]のレンジを有するが、これに限らない。
【0051】
「Up/down信号」を示す制御コマンド信号A2は、照明部11の照明光の明るさ及び色温度の少なくとも一方を変化させるための信号である。制御コマンド信号A2は、制御コマンド信号A1と同様に、照明部11の照明光の明るさを示す第1パラメータ、照明部11の照明光の色温度を示す第2パラメータ、及び、照明部11の照明光の制御時間を示す第3パラメータからなる。一例として、制御コマンド信号A2において、第1パラメータ(明るさ)、第2パラメータ(色温度)及び第3パラメータ(制御時間)は、それぞれ、5~100[%]、2000~6500[K]及び0~120×0.5[s]のレンジを有するが、これに限らない。
【0052】
「消灯信号」を示す制御コマンド信号A3は、照明部11の点灯を終了させるための信号である。制御コマンド信号A3は、照明部11の照明光を消灯させるまでの制御時間を示す第1パラメータのみからなる。一例として、制御コマンド信号A3において、第1パラメータ(制御時間)は、0~200×0.1[s]のレンジを有するが、これに限らない。
【0053】
「光目覚まし信号」を示す制御コマンド信号B1は、照明部11の照明光を光目覚ましモードで点灯させるための信号である。光目覚ましモードは、照明部11の照明光の明るさを漸次増加させることで就寝しているユーザの目覚ましを行うときのモードである。制御コマンド信号B1は、照明部11の照明光の制御時間を示す第1パラメータ及び照明部11の照明光の明るさを示す第2パラメータからなる。一例として、制御コマンド信号B1において、第1パラメータ(制御時間)及び第2パラメータ(明るさ)は、それぞれ、10~30×1[min]及び5~100[%]のレンジを有するが、これに限らない。
【0054】
「光アラート信号」を示す制御コマンド信号C1は、照明部11の照明光を光アラートモードで点灯させるための信号である。光アラートモードは、照明部11の照明光の明るさを変化させることでユーザに所定の制御対象機器が動作を開始することを通知するときのモードである。制御コマンド信号C1は、光アラートモードによる照明部11の照明光を行うインターバルを示す第1パラメータ及び光アラートモードによる照明部11の照明光を行う回数を示す第2パラメータからなる。一例として、制御コマンド信号C1において、第1パラメータ(インターバル)及び第2パラメータ(回数)は、それぞれ、10~30×1[min]及び1~5[回]のレンジを有するが、これに限らない。
【0055】
なお、制御コマンド信号C1では、1つの第1パラメータ(インターバル)に、照明部11の照明光の明るさ、照明部11の照明光の色温度及び照明部11の照明光の制御時間の要素が全て含まれている。
【0056】
「ゆらぎ信号」を示す制御コマンド信号D1は、照明部11の照明光をゆらぎモードで点灯させるための信号である。ゆらぎモードは、照明部11の照明光の明るさを強めるモードと照明部11の照明光の明るさを弱めるモードとを繰り返すときのモードである。制御コマンド信号D1は、照明部11の照明光の制御時間を示す第1パラメータ、照明部11の照明光の明るさを示す第2パラメータ、及び、照明部11の照明光の色温度を示す第3パラメータからなる。一例として、制御コマンド信号D1において、第1パラメータ(制御時間)、第2パラメータ(明るさ)及び第3パラメータ(色温度)は、それぞれ、0~10×[min]、及び、0~50[%]、2000~6500[K]のレンジを有するが、これに限らない。
【0057】
本実施の形態において、6つの制御コマンド信号のうち複数のパラメータを含む制御コマンド信号では、全てのパラメータが一度の制御コマンド信号に含まれている。具体的には、制御コマンド信号A1、制御コマンド信号A2及び制御コマンド信号D1では、第1パラメータ、第2パラメータ及び第3パラメータが一度の制御コマンド信号に含まれている。また、制御コマンド信号B1及び制御コマンド信号C1では、第1パラメータ及び第2パラメータが一度の制御コマンド信号に含まれている。
【0058】
なお、各制御コマンド信号において、第1パラメータ、第2パラメータ及び第3パラメータは、この順に優先度の高いパラメータとして、照明制御部12によって処理されてもよい。
【0059】
[照明装置の状態遷移]
次に、本実施の形態における照明器具100(照明装置10)の状態遷移について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る照明器具100の状態遷移を示す図である。
【0060】
照明器具100(照明装置10)は、制御機器20から制御コマンド信号が送信されると照明モードが遷移する。つまり、受信部13が制御コマンド信号を受信すると、照明モードが遷移する。
【0061】
図4に示すように、照明器具100(照明装置10)は、照明モードとして、消灯モードと、調光モードと、ゆらぎモードと、光目覚ましモード(ASSAモード)と、光アラートモードとを有する。
【0062】
各照明モードでは、受信部13で受信した制御コマンド信号を照明制御部12で処理することで照明部11の発光状態が制御される。この場合、例えば、照明制御部12は、照明部11から照射している照明光の明るさ又は色温度の現在の第1設定値(現在値)を各制御コマンド信号における明るさ又は色温度の目標の第2設定値(目標値)に変更する。この際、照明制御部12は、照明部11の照明光の明るさ又は色温度の値を変化させながら第1設定値から第2設定値に変更する。つまり、照明光の目標値への軌跡が時間的に可変するものであってもよい。
【0063】
このとき、第1設定値から第2設定値に照明光を変化させる制御パターンは複数であるとよい。つまり、目標値への軌跡は、複数の制御パターンによって構成されていてもよい。複数の制御パターンは、例えば、照明装置10の記憶部15に記憶されている。この場合、照明制御部12は、各制御コマンド信号に応じて記憶部15に記憶された複数の制御パターンの中から1つを選択し、選択した制御パターンにより第1設定値から第2設定値に変更する。
【0064】
以下、各照明モードにおける照明部11の照明光の制御パターンの具体例について説明する。
【0065】
受信部13で「消灯信号」を示す制御コマンド信号A3を受信すると、照明制御部12は、消灯モードで照明部11の照明光を制御する。消灯モードは、照明部11(光源)を消灯させるモードである。消灯モードでは、PWM信号等の調光信号が0となり、照明部11(光源)が消灯する。
【0066】
また、受信部13で「Up/down信号」を示す制御コマンド信号A2を受信すると、照明制御部12は、調光モードで照明部11の照明光を制御する。調光モードは、照明部11(光源)の照明光の明るさ及び照明部11(光源)の照明光の色温度の少なくとも一方を変化させる調光調色モードである。本実施の形態では、調光することで調色を行っている。調光モードでは、制御コマンド信号に基づいて調光制御を開始する。
【0067】
調光モードでの照明光の制御パターンは、例えば、図5に示すように、照明部11の照明光の明るさを直線的に低下させる調光制御を行うためのパターンであってもよいし、図6に示すように、照明部11の照明光の明るさを二次関数的に低下させる調光制御を行うためのパターンであってもよい。図5及び図6では、例えば、第1設定値が調光率100%で、第2設定値が調光率50%である。なお、調光モードでの制御パターンは、照明部11の照明光の明るさを増加させる調光制御を行うためのパターンであってもよい。
【0068】
また、受信部13で「光目覚まし信号」を示す制御コマンド信号B1を受信すると、照明制御部12は、光目覚ましモードで照明部11の照明光を制御する。光目覚ましモードは、照明部11(光源)の照明光の明るさを漸次増加させるモードである。光目覚ましモードでは、制御コマンド信号に基づいて、調光の目標ステップを演算する。なお、光目覚ましモードにおいて、色温度は、一定であり、例えば2000Kであるが、これに限らない。
【0069】
光目覚ましモードでの照明光の制御パターンは、例えば、図7に示すように、照明部11の照明光の明るさを漸次増加させる光目覚まし制御を行うためのパターンである。また、図7に示すように、光目覚まし制御の後半(例えば図7のt1)において、照明部11の照明光の明るさを急変させるためのブースト制御を行ってもよい。この場合、ブースト制御は、照明光の明るさ及び照明光の色温度の少なくとも一方を変化させる調光制御により行うことができる。このように、制御コマンド信号B1ではパラメータの中に時間的要素が含まれているので、1つの制御コマンド信号B1でブースト制御を行う調光制御までを行うことも可能である。なお、光目覚ましモードでの制御パターンは、図7に示すパターンに限らない。
【0070】
また、受信部13で「光アラート信号」を示す制御コマンド信号C1を受信すると、照明制御部12は、光アラー度モードで照明部11の照明光を制御する。光アラートモードは、照明部11(光源)の照明光の明るさを変化させることでユーザに所定の制御対象機器の動作が開始することを通知するモードである。光アラートモードでは、初期の発光状態を保存するとともに、制御コマンド信号に基づいて変更するタイミングを決定し、調光制御を行う。光アラートモードでの照明光の制御が終了すると、保存した初期の発光状態に戻す。
【0071】
光アラートモードでの照明光の制御パターンは、照明部11の照明光の明るさを変化させることでユーザに所定の制御対象機器が動作を開始することを通知する光アラート制御を行うためのパターンである。なお、光アラートモードでの照明光の制御パターンの具体例は、実施の形態2で詳細に説明する。
【0072】
また、受信部13で「ゆらぎ信号」を示す制御コマンド信号D1を受信すると、照明制御部12は、ゆらぎモードで照明部11の照明光を制御する。ゆらぎモードは、照明部11(光源)の照明光の明るさを強める状態と照明部11(光源)の照明光の明るさを弱める状態とを繰り返すモードである。ゆらぎモードでは、制御コマンド信号に基づいてプログラムステップを演算し、調光制御を行う。
【0073】
ゆらぎモードでの照明光の制御パターンは、例えば、図8に示すように、照明部11の照明光の明るさを強めるモードと照明部11の照明光の明るさを弱めるモードとを繰り返すゆらぎ制御を行うためのパターンである。なお、ゆらぎモードでの制御パターンは、図8に示すパターンに限らない。
【0074】
このような複数の照明モードを有する照明器具100は、次のようにして照明モード(発光状態)が遷移する。
【0075】
照明器具100(照明装置10)の電源がオンになると、リセット状態から消灯モードに遷移する。
【0076】
消灯モードのときに受信部13が制御コマンド信号A1、B1又はC1を受信すると、照明器具100の照明モードは、消灯モードから、調光モード、光目覚ましモード又は光アラートモードに遷移する。
【0077】
調光モードのときに受信部13が制御コマンド信号B1、C1、D1、A3を受信すると、照明器具100の照明モードは、調光モードから、光目覚ましモード、光アラートモード、ゆらぎモード又は消灯モードに遷移する。
【0078】
光目覚ましモードのときに受信部13が制御コマンド信号A2又はA3を受信すると、照明器具100の照明モードは、光目覚ましモードから、調光モード又は消灯モードに遷移する。
【0079】
光アラートモードのときに受信部13が制御コマンド信号A2又はA3を受信すると、照明器具100の照明モードは、光目覚ましモードから、調光モード又は消灯モードに遷移する。
【0080】
このように、照明器具100では、光目覚ましモード、光アラートモード及びゆらぎモードは、調光モードを中心(起点)にして状態遷移が行われている。具体的に、光目覚ましモード、光アラートモード及びゆらぎモードは、調光モード及び消灯モードのいずれか一方のみに遷移している。
【0081】
なお、各照明モードでは、次の制御コマンド信号を待っている状態になっており、受信部13が制御コマンド信号を受信すると、最新の制御コマンド信号による照明モードで照明部11の発光状態が制御される。
【0082】
[まとめ]
以上、本実施の形態に係る照明装置10によれば、照明光を照射する光源を有する照明部11と、照明部11を制御する照明制御部12と、照明光を制御するためにユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて生成された制御コマンド信号を制御機器20(他機器)から受信する受信部13とを備えている。そして、受信部13が受信する制御コマンド信号は、照明光の明るさ、照明光の色温度及び照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなる。
【0083】
これにより、初期設定を除けば、ユーザが照明装置10を操作しなくても、ユーザや環境に適した照明光を照明装置10から自動で照射させることができる。つまり、リモコンによってユーザが照明装置10を操作して照明部11からの照明光を変更することなく、制御機器20からの制御コマンド信号を受信するだけで、照明部11の照明光を自動で制御することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る照明装置10において、受信部13は、センサ情報としてセンサにより取得されたユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて制御機器20が生成した制御コマンド信号を受信している。この場合、制御機器20は、センサを有する機器から送信されるセンサ情報をユーザ情報及び環境情報として受信するとよい。
【0085】
このように、センサによりユーザ情報及び環境情報を取得することで、取得したユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて制御機器20が自動で制御コマンド信号を生成することができる。つまり、ユーザが操作しなくてもユーザ情報及び環境情報を自動で取得して制御コマンド信号を生成することができる。したがって、ユーザの操作を必要とすることなく、ユーザや環境に適した照明光を照明部11から容易に照射させることができる。
【0086】
また、センサによってユーザ情報及び環境情報を取得するのではなく、クラウドサーバからユーザ情報及び環境情報を取得してもよい。この場合、受信部13は、クラウドサーバに蓄積されたユーザ情報及び環境情報に基づいて制御機器20が生成した制御コマンドを受信する。
【0087】
このように、クラウドサーバからユーザ情報及び環境情報を取得することでも、ユーザの操作を必要とすることなく、ユーザや環境に適した照明光を容易に照射させることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る照明装置10では、制御コマンド信号を構成する複数のパラメータが、照明光の明るさを示す第1パラメータ、照明光の色温度を示す第2パラメータ、及び、照明光の制御時間を示す第3パラメータである。
【0089】
このように、照明光についての明るさ、色温度及び制御時間を示すパラメータを用いることによって、照明部11から所望の照明光を簡単に照射させることができる。
【0090】
この場合、例えば、「点灯信号」を示す制御コマンド信号A1、「Up/down信号」を示す制御コマンド信号A2、及び、「ゆらぎ信号」を示す制御コマンド信号D1のように、第1パラメータ、第2パラメータ及び第3パラメータが一度の制御コマンド信号に含まれていてもよい。
【0091】
あるいは、「光アラート信号」を示す制御コマンド信号C1における第1パラメータのように、1つのパラメータの中に、照明光についての明るさ、色温度及び制御時間の要素の全てが含まれていてもよい。
【0092】
また、図4に示すように、本実施の形態に係る照明装置10では、照明モードとして、消灯モード、調光モード、光目覚ましモード、光アラートモード及びゆらぎモードが設定されている。
【0093】
これにより、照明装置10によって、図9に示すような睡眠サポート(入眠、起床等)を行うことができる。
【0094】
例えば、就寝前の寝室滞在時では、調光モードで照明部11を制御し、リラックスするような低色温度の照明光で照明装置10が点灯するように制御したり、覚醒リズムを改善させるような照明光で照明装置10が点灯するように制御したりする。
【0095】
入眠潜時では、心地よい眠りを誘うためにゆらぎモードで照明部11を制御し、ユーザが快適に入眠できる照明光を照明装置10に照射させる。
【0096】
睡眠時では、照明装置10を消灯モードにして、照明部11を消灯させる。このとき、例えば、センサによってユーザの体動を検知し、ユーザが入眠したと判断した場合に、自動で消灯モードにする。
【0097】
覚醒前では、浅い眠りに誘うために光目覚ましモードで照明部11を制御し、例えば、照明部11の照明光を低色温度から高色温度に変化させるとともに明るさを徐々に明るくする。
【0098】
そして、覚醒後は、不快感なく快適に起床させるために、点灯モード又は調光モードで照明部11を制御し、覚醒を向上させるような高色温度の照明光を照明装置10に照射させる。
【0099】
(実施の形態2)
次に、実施の本実施の形態2に係る照明システムについて説明する。図10は、実施の形態2に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【0100】
本実施の形態における照明システムは、上記実施の形態1における照明システム1と同様に、照明装置10を有する照明器具100と、照明器具100(照明装置10)を制御する制御機器20Aとを有する。
【0101】
照明装置10は、実施の形態1と同様に、照明部11と、照明制御部12と、受信部13と、入力電源14と、記憶部15とを備える。
【0102】
制御機器20Aは、実施の形態1と同様に、制御部21と送信部22とを備える。本実施の形態における制御機器20Aは、さらに、スピーカ23を備える。スピーカ23は、音楽等の音情報を制御機器20Aの周辺に報知する。
【0103】
本実施の形態において、照明装置10及び制御機器20Aの各構成は、実施の形態1と同様の機能を有する。
【0104】
したがって、本実施の形態における照明器具100(照明装置10)でも、受信部13によって制御機器20Aから送信される制御コマンド信号が受信されると、照明制御部12は、制御コマンド信号にしたがって照明部11の照明光を制御する。
【0105】
また、本実施の形態でも、照明器具100(照明装置10)は、照明モードとして、消灯制御による消灯モードと、調光制御による調光モードと、ゆらぎ制御によるゆらぎモードと、光目覚まし制御による光目覚ましモードと、光アラート制御による光アラートモードとを有しており、制御コマンド信号に応じて、所定の照明モードに遷移する。
【0106】
本実施の形態では、特に、光アラートモードにおける光アラート制御が特徴である。以下、本実施の形態における光アラート制御の具体例について、図10を参照しながら、図11を用いて詳細に説明する。図11は、実施の形態2に係る照明装置10及び制御機器20Aにおける制御の一例を示す図である。
【0107】
図11に示すように、本実施の形態における照明器具100(照明装置10)では、受信部13が制御機器20Aから制御コマンド信号を受信したときに、照明制御部12は、光アラート制御として、照明装置10とは異なる制御対象機器の動作開始時(制御開始時)よりも先に照明部11の制御を行うことで照明部11から照射される照明光の明るさを変化させている。
【0108】
本実施の形態において、制御対象機器は、制御機器20である。つまり、照明装置10の受信部13が制御機器20から制御コマンド信号を受信すると、制御機器20Aの動作が開始する(例えば音楽が再生する)よりも先に、照明部11の照明光の明るさを変化させている。
【0109】
具体的には、まず、制御機器20Aでは、ユーザ情報及び環境情報の少なくとも一方に基づいて制御部21によって制御コマンド信号が生成される。生成された制御コマンド信号は、送信部22から照明器具100(照明装置10)に送信される。
【0110】
照明装置10が制御機器20Aからの制御コマンド信号を受信すると、照明制御部12は、制御機器20Aの動作開始時よりも先に、照明部11の照明光の明るさを変化させる。例えば、制御機器20Aから「点灯信号」を示す制御コマンド信号A1を受信部13が受信すると、制御機器20Aの動作が開始する前に照明部11が点灯する。
【0111】
照明部11の照明光の明るさが変化した後、制御機器20Aの動作が開始する。具体的には、制御機器20Aが制御コマンド信号を送信してから一定の期間Tが経過した後に、制御機器20Aの動作が開始する。例えば、音楽の再生が開始してスピーカ23から音楽が報知される。
【0112】
一定の期間Tは、制御機器20Aの動作を禁止する期間である。なお、本実施の形態において、一定の期間T(動作禁止期間)は、制御機器20Aにおいて予め設定されており、制御コマンド信号に含まれていてもよい。つまり、一定の期間Tは、制御機器20Aが決めている。
【0113】
このように、本実施の形態では、制御機器20Aが制御コマンド信号を送信してから照明部11の照明光の明るさが変化するまでの間(一定の期間T)においては、制御機器20Aの動作が開始しないようになっており、制御機器20Aの動作が開始する前に照明部11の照明光の明るさが変化する。つまり、照明部11の照明光の明るさを変化させることでユーザに制御機器20Aの動作が開始することを通知している。
【0114】
これにより、ユーザは、制御機器20Aの動作が開始することを事前に予期することができ、制御機器20Aの動作が開始することの心の準備をすることができる。例えば、ユーザは、これから音楽が再生されるであろうことを予期することができる。したがって、いきなり制御機器20Aが動作することのユーザの心理的負担を軽減することができ、少ない刺激でユーザに制御機器20Aの動作が開始することを促せることができる。
【0115】
また、光アラート制御による照明光のパターンは、図11に示されるパターンに限らず、図12に示されるパターンであってもよい。
【0116】
図12では、受信部13が制御コマンド信号を受信すると、照明制御部12は、光アラート制御として、照明部11の照明光の明るさが明るくなる第1モードと、第1モードよりも照明光の明るさが暗くなる第2モードとを順に経て、当該制御コマンド信号を受信する前の状態に戻るように照明部11の制御を行っている。
【0117】
具体的には、第1モードでは、制御コマンド信号を受信したときの明るさをスタートとして徐々に明るくなって元の明るさに戻るようにカーブ波形で照明光が変化し、第2モードでは、第1モードに続いて、制御コマンド信号を受信したときの明るさをスタートとして徐々に暗くなって元の明るさに戻るようにカーブ波形で照明光が変化している。
【0118】
このように、制御コマンド信号を受信したときの明るさに対して明るくする第1モードと暗くする第2モードとを繰り返すことで、ユーザは照明光の明暗差を感じやすくなる。これにより、ユーザは、照明部11の照明光の明るさが変化したことに気付きやすくなる。また、図12に示すように、照明光をカーブ波形で変化させることによって、心地よい刺激でユーザに制御機器20Aの動作が開始することを促せることができる。さらに、第1モードの後に第2モードにして先に明るくしているので、先に暗くする場合(第2モード→第1モード)よりも、照明光の明るさが変化したことに一層気付きやすくなる。
【0119】
しかも、制御コマンド信号を受信したときの明るさを基準に明るくする第1モードと暗くする第2モードとを繰り返すことで、同じ明暗差を付けるにしても、制御コマンド信号を受信したときの明るさを基準に明るくすることのみ(又は暗くすることのみ)と比べて、ユーザにとってやさしい刺激で照明光の明るさが変化したことに気付かせることができる。
【0120】
また、第1モード及び第2モードの繰り返しで光アラート制御を行う場合、照明制御部12は、第1モードのときの照明光の色温度が第2モードのときの照明光の色温度よりも高くなるように照明部11の制御を行うとよい。
【0121】
これにより、ユーザに対してより低刺激で照明光の明るさが変化したことをさらに気付きやすくさせることができる。
【0122】
この場合、照明制御部12は、さらに、照明光の色温度が連続的に変化するように照明部11の制御を行うとよい。
【0123】
これにより、ユーザに対して一層低刺激で照明光の明るさが変化したことに気付かせやすくできる。
【0124】
また、図13に示すように、照明制御部12は、第1モードと第2モードとが複数回繰り返すように照明部11の制御を行ってもよい。
【0125】
これにより、第1モードと第2モードとを1回のみ繰り返す場合と比べて、照明光の明るさが変化したことをユーザに気付かせやすくできる。
【0126】
また、動作の開始を遅らせる制御対象機器が複数存在する場合、第1モードと第2モードとの繰り返し回数に応じて、動作が開始する制御対象機器が予期できるようにしてもよい。例えば、第1モードと第2モードとの繰り返し回数が1回の場合は、制御機器20Aの動作が開始することに対応させ、第1モードと第2モードとの繰り返し回数が2回の場合は制御機器20A以外の制御対象機器の動作が開始することに対応させることができる。
【0127】
なお、本実施の形態において、受信部13で受信する制御コマンド信号としては、実施の形態1と同様の制御コマンド信号を用いたが、これに限らない。つまり、制御コマンド信号としては、照明部11の照明光の明るさ、照明部11の照明光の色温度及び照明部11の照明光の制御時間のうちの少なくとも1つを要素として含む1つ又は複数のパラメータからなるものに限らない。つまり、本実施の形態では、実施の形態1における制御コマンド信号以外の制御コマンド信号を用いて、光アラート制御を行ってもよい。
【0128】
(実施の形態2の変形例1)
図14は、実施の形態2の変形例1に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【0129】
図14に示すように、本変形例における照明システムでは、図10に示される構成に対して、照明器具100A(照明装置10A)がさらに明るさセンサ16を有している。明るさセンサ16は、例えば照度センサである。
【0130】
本変形例でも、制御機器20Aが制御コマンド信号を送信してから照明部11の照明光の明るさが変化するまでの間(一定の期間T)においては、制御機器20Aの動作が開始しないようになっており、制御機器20Aの動作が開始する前に照明部11の照明光の明るさが変化する。
【0131】
これにより、ユーザは、制御機器20Aの動作が開始することを事前に予期することができ、制御機器20Aの動作が開始することの心の準備をすることができる。したがって、少ない刺激でユーザに制御機器20Aの動作が開始することを促せることができる。
【0132】
しかも、本変形例では、図15に示すように、照明制御部12は、光アラート制御として、明るさセンサ16が検知する明るさ(照度)に応じて、照明光の明るさが変わるように照明部11の制御を行っている。
【0133】
具体的には、明るさセンサ16によって照明装置10Aの周辺の照度を検知して、その検知した照度に応じて照明光の明るさが明るくなる第1モードのピーク値と照明光の明るさが暗くなる第2モードのピーク値とを変更している。なお、図15では、本変形例における光アラート制御の3つの制御パターンが示されており、各制御パターンは、第1モード及び第2モードのピーク値が異なっている。
【0134】
このように、明るさセンサ16が検知する照度に応じて照明光の明るさを変えることによって、ユーザの目の順応に沿った明るさで制御することができる。したがって、本変形例では、ユーザに対してより低刺激で照明光の明るさが変化したことに気付かせることができる。
【0135】
(実施の形態2の変形例2)
図16は、実施の形態2の変形例2に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【0136】
図16に示すように、本変形例における照明システムでは、図10に示される構成に対して、照明器具100B(照明装置10B)がさらに送信部17を有している。具体的には、照明装置10Bは、受信部13及び送信部17を含む通信部18を有する。
【0137】
また、本変形例では、図10に示される構成に対して、制御機器20Bがさらに受信部24を有している。具体的には、制御機器20Bは、送信部22及び受信部24を含む通信部25を有する。
【0138】
本変形例では、上記実施の形態2と同様に、照明装置10Bの受信部13が制御機器20Bから制御コマンド信号を受信すると、制御機器20Bの動作が開始するよりも先に、照明部11の照明光の明るさを変化させている。
【0139】
このとき、本変形例では、照明装置10Bの通信部18と制御機器20Bの通信部25とが通信を行っており、照明装置10Bは、制御機器20Bの動作の停止と制御機器20Bの動作の開始とを制御する機器制御信号を制御機器20Bに出力している。
【0140】
具体的には、図17に示すように、イベント通知信号として照明装置10Bの受信部13が制御機器20Bから制御コマンド信号を受信すると、照明装置10B(送信部17)は、制御機器20Bの動作を停止させるための動作禁止信号を制御機器20B(受信部24)に送信する。
【0141】
そして、一定の動作禁止期間Tが経過した後に制御機器20Bが動作を開始するように、照明装置(送信部17)は、制御機器20Bの動作を開始させるための動作許可信号を制御機器20B(受信部24)に送信する。なお、本変形例において、動作許可信号は、動作禁止期間Tが経過する直前に送信されているが、これに限らない。
【0142】
このように、上記実施の形態2では制御機器20Aが動作禁止期間Tを決めていたが、本変形例では照明装置10Bが動作禁止期間Tを決めている。具体的には、照明装置10Bは、通信部18を介して制御機器20Bに対して動作禁止信号と動作許可信号との2回の信号を送信している。
【0143】
本変形例でも、制御機器20Bが制御コマンド信号を送信してから照明部11の照明光の明るさが変化するまでの間(動作禁止期間T)においては、制御機器20Bの動作が開始しないようになっており、制御機器20Bの動作が開始する前に照明部11の照明光の明るさが変化する。
【0144】
これにより、ユーザは、制御機器20Bの動作が開始することを事前に予期することができ、制御機器20Bの動作が開始することの心の準備をすることができる。したがって、少ない刺激でユーザに制御機器20Bの動作が開始することを促せることができる。
【0145】
なお、本変形例では、照明装置10B(送信部17)から制御機器20B(受信部24)に動作禁止信号と動作許可信号との2回の信号を送信したが、これに限らない。例えば、照明装置10B(送信部17)は、制御機器20Bの動作を一定期間停止させる機器制御信号を制御機器20Bに送信してもよい。
【0146】
(実施の形態2の変形例3)
図18は、実施の形態2の変形例3に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【0147】
図10に示す上記実施の形態2では、制御機器20Aは、制御対象としてスピーカ23を備えており、照明光の明るさを変化させた後に音楽の報知を開始させたが、これに限らない。
【0148】
例えば、図18に示すように、制御機器20Cは、制御対象として表示部26を有していてもよい。表示部26は、例えば、プロジェクタ又はディスプレイ等の映像表示デバイス(映像表示機器)である。
【0149】
この場合、照明装置10の受信部13が制御機器20Cから制御コマンド信号を受信すると、表示部26に映像の表示が開始するよりも先に、照明部11の照明光の明るさが変化する。
【0150】
本変形例では、制御機器20Cが制御コマンド信号を送信してから照明部11の照明光の明るさが変化するまでの間(一定の期間T)においては、制御機器20Cの動作が開始しないようになっており、制御機器20Cの動作が開始する前に照明部11の照明光の明るさが変化する。
【0151】
これにより、ユーザは、制御機器20Cの動作が開始することを事前に予期することができ、制御機器20Cの動作が開始することの心の準備をすることができる。例えば、ユーザは、これから映像が表示されるであろうことを予期することができる。したがって、いきなり制御機器20Cが動作することのユーザの心理的負担を軽減することができ、少ない刺激でユーザに制御機器20Cの動作が開始することを促せることができる。
【0152】
(実施の形態2の変形例4)
図19は、実施の形態2の変形例4に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【0153】
図10に示す上記実施の形態2では、照明部11の照明光の明るさを変化させた後に動作が開始する制御対象機器は、制御機器20Aであり、制御機器20Aがスピーカ23を備えていたが、これに限らない。つまり、照明部11の照明光の明るさを変化させた後に動作が開始する制御対象機器は、制御機器20Aと別体であってもよい
具体的には、図19に示すように、照明部11の照明光の明るさを変化させた後に動作が開始する制御対象機器として、スピーカ機能を有するスピーカ装置30を用いてもよい。スピーカ装置30は、例えば音楽を再生できる機能を有するオーディオ機器であり、制御機器20と別置されている。
【0154】
本変形例では、制御機器20は、照明装置10に制御コマンド信号を送信する際、スピーカ装置30に対しても、制御機器20が制御コマンド信号を送信してから一定の期間Tの間はスピーカ装置30の動作が開始しないような信号を送信する。
【0155】
これにより、スピーカ装置30の動作開始時よりも先に照明部11の照明光の明るさを変化させることができる。したがって、ユーザは、スピーカ装置30の動作が開始することを事前に予期することができる。
【0156】
なお、本変形例において、スピーカ装置30は、音楽再生機能を有していたが、これに限らない。例えば、スピーカ装置30は、スピーカ機能のみを有していてもよい。この場合、再生する音楽は、音楽再生機能を有するオーディオ機器から取得する。
【0157】
(その他の変形例)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0158】
例えば、上記実施の形態において、照明装置10は、照明器具に備えられていたが、これに限らず、照明装置10は、図20に示される照明システム2のように、スマートフォン等の携帯端末200に備えられていてもよい。また、図示しないが、照明装置10は、携帯端末以外のその他の電子機器に備えられていてもよい。
【0159】
また、上記実施の形態2において、光アラートモードでの照明光の制御パターンとして、図11図13に示されるパターンを示したが、光アラートモードの照明光の制御パターンは、これに限らない。例えば、光アラートモードでの照明光の制御パターンは、照明光のON/OFF(フェード動作)であってもよい。例えば、入室時にいきなり音楽が再生したり映像が表示されたりするのではなく、入室して照明光がフェード点灯した後又は暗くなった後に音楽が再生したり映像が表示されたりするような光アラート信号を用いることができる。
【0160】
また、上記実施の形態2において、制御機器は、制御対象としてスピーカ(音声出力機能)又は表示部(表示機能)を有していたが、これに限らない。例えば、制御機器は、制御対象として、照明機能又は空調機能等のその他の機能を有していてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態において、照明器具、スピーカ及び映像表示デバイスは、一体化されたユニットであってもよい。この場合、一体化されたユニットは、制御部21を有する上記の制御機器であってもよい。
【0162】
その他に、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0163】
また、上記の説明において、照明制御部12及び制御部21等は、回路であってもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0164】
また、照明制御部12及び制御部21等の動作として説明した処理は、コンピュータが実行してもよい。例えば、コンピュータが、プロセッサ(CPU)、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって、上記の各処理を実行する。具体的には、プロセッサが処理対象のデータをメモリ又は入出力回路等から取得してデータを演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路等に出力したりすることによって、各処理を実行する。
【0165】
また、上記の各処理を実行するためのプログラムが、コンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体に記録されてもよい。この場合、コンピュータが、非一時的な記録媒体からプログラムを読み出して、プログラムを実行することにより、各処理を実行する。例えば、上記照明システムにおける方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現したりすることもできる。
【0166】
なお、本発明は、コンピュータを上記照明システムとして機能させるためのプログラムとして実現したり、そのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現したりすることもできる。
【符号の説明】
【0167】
1 照明システム
10、10A、10B 照明装置
11 照明部
12 照明制御部
13 受信部
14 入力電源
15 記憶部
16 照度センサ
17 送信部
18 通信部
20、20A、20B、20C 制御機器(他機器)
21 制御部
22 送信部
23 スピーカ
24 受信部
25 通信部
26 表示部
30 スピーカ装置
100、100A、100B 照明器具
200 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20