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特許7009070物品規制装置及びそれを備えた物品供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】物品規制装置及びそれを備えた物品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/22 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
B65G47/22
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017066898
(22)【出願日】2017-03-30
(65)【公開番号】P2018167958
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩次
(72)【発明者】
【氏名】佐野 祥平
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-118672(JP,U)
【文献】特開平06-211339(JP,A)
【文献】特開平06-298344(JP,A)
【文献】特開2010-269871(JP,A)
【文献】特開2006-131248(JP,A)
【文献】実開平02-147418(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送経路において、搬送される前記物品の高さを規制する搬送規制機構の複数を備え、
前記搬送規制機構は、設定高さ以下の物品を通過させる一方、前記設定高さを超える物品を受け止めて搬送下手側への移動を規制する搬送規制部材と、該搬送規制部材を支持する支持フレームとを有し、
前記複数の前記搬送規制機構は、前記物品の搬送方向に沿って複数個所にそれぞれ設置され、
前記支持フレームは、前記搬送規制部材を、前記設定高さに対応する規制位置に、設定された付勢力で付勢支持すると共に、前記付勢力を超える搬送下手側への外力によって搬送下手側上方へ後退移動可能、かつ、外力の解除に伴って前記規制位置へ復帰移動可能に支持するものであり、
前記搬送規制部材は、棒状体であり、
前記支持フレームは、前記棒状体を、前記搬送路の脇から該搬送経路の上方へ該搬送経路に交差するように片持ち状に突出させて支持するものであり、
前記搬送経路の上方へ前記片持ち状に突出される前記棒状体の長さが、前記搬送経路の幅より短い、
ことを特徴とする物品規制装置。
【請求項2】
前記複数の搬送規制機構は、前記物品の搬送方向に沿って前記搬送経路の一方側の脇と他方側の脇とに交互に設置される、
請求項1に記載の物品規制装置。
【請求項3】
前記支持フレームは、前記搬送規制部材を前記規制位置に前記付勢力で付勢する付勢部材を有する、
請求項1または2に記載の物品規制装置。
【請求項4】
前記支持フレームは、前記搬送規制部材を、円弧状の軌跡に沿って前記後退移動可能、かつ、前記円弧状の軌跡に沿って前記復帰移動可能に支持する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の物品規制装置。
【請求項5】
搬送上手側の前記搬送規制機構は、搬送下手側の前記搬送規制機構に比べて、前記搬送規制部材による前記設定高さが、高くなるように設置される、
請求項1ないし4のいずれかに記載の物品規制装置。
【請求項6】
前記請求項1ないし5のいずれかに記載の物品規制装置と、
前記物品を前記搬送経路で搬送する物品搬送機構とを備える、
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項7】
前記物品搬送機構は、搬送上手側を中心に搬送下手側を、複数位置へ切換え回動可能な旋回コンベヤを備える、
請求項6に記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送して搬送先に供給する物品供給装置、及び、該物品供給装置に備えられて、搬送される物品を規制する物品規制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品が供給される装置として、例えば、組合せ秤がある。この組合せ秤は、複数の計量部を有し、各計量部に供給された物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲となる計量部の組合せを選択し、選択した計量部の物品を排出するものである。
【0003】
組合せ秤は、計量部への物品の供給方法及び排出方法の違いにより、自動式、半自動式、手動式に大別することができる。手動式の組合せ秤では、物品の供給と排出が人手によって行われる。また、半自動式の組合せ秤では、物品の供給は人手によって行われ、物品の排出は自動で行われる。また、自動式の組合せ秤では、人手によらず、物品の供給と排出が自動で行われる。
【0004】
半自動式の組合せ秤では、人手で物品を組合せ秤に供給するので、単体重量が比較的大きく不定形な物品や機械によるハンドリングが難しい物品、例えば、粘着性のある鶏肉などの肉片や魚介類などを取り扱う上で好適である。
【0005】
このような人手による物品供給を行う半自動式の組合せ秤として、例えば、特許文献1には、組合せ秤の複数の計量ホッパの投入口の周囲を、物品を載せて循環する循環コンベヤを設け、作業者は、各計量ホッパの投入口の近傍位置にある循環コンベヤ上の物品を掴んで前記投入口へ投入できるようにした組合せ秤が記載されている。また、特許文献2には、人手によって物品を複数の供給コンベヤ上に載置することによって、各供給コンベヤによって物品が、複数の各計量コンベヤ上へ供給されて計量され、各計量コンベヤ上の物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲となる計量コンベヤの組合せを選択し、選択した計量コンベヤ上の物品を、集合コンベヤを介して排出するようにした組合せ秤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭60-7033号公報
【文献】特開2012-251990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2に記載の半自動式の組合せ秤は、いずれも複数の計量ホッパへの投入口や複数の供給コンベヤ上に、作業者が物品を掴んで供給しなければならず、多量の物品の計量処理には、多大な労力を要するものであった。
【0008】
そこで、本件出願人は、供給される物品を搬送する前段搬送機構と、前段搬送機構による物品の搬送径路の複数個所において、搬送されてきた物品の通過を許容する許容状態と、搬送されてきた物品を搬送径路外に排出する排出状態とに切換え可能な物品排出機構と、物品排出機構で搬送径路外に排出された物品を、複数個所に振分け搬送する分配搬送機構とを備えた物品供給装置を、平成29年1月27日に、特願2017-12942号として提案している。
【0009】
提案した物品供給装置によると、前段搬送機構の搬送方向の上手側において物品を供給すると、前段搬送機構によって搬送される物品は、その搬送径路の複数個所において物品排出機構によって搬送経路外に排出され、排出された物品は、分配搬送機構によって更に複数個所に振り分け搬送される。したがって、例えば、物品排出機構を搬送径路の3箇所に配備すると共に、分配搬送機構で更に3箇所に分配するようにすると、前段搬送機構の上手側の1箇所で供給した物品を、所定の9箇所に分配供給することが可能となる。
【0010】
これによって、前段搬送機構の上手側の1箇所に、従来、半自動式の組合せ秤へ人手によって供給されていた物品を供給することによって、半自動式の組合せ秤の複数の物品投入口等へ物品を分配して供給することができるので、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する必要がなく、作業者の労力が大幅に軽減されるものとなる。
【0011】
しかしながら、前段搬送機構の上手にある前処理ラインでの処理状況によっては、複数の物品が重なって纏まった状態で前段搬送機構に搬入されることがある。このような場合、前段搬送機構から分配搬送機構に複数の物品が重なって供給され、複数の分配箇所の一つに、複数の物品が重なったままで過剰に供給されてしまうと、以降の組合せ計量において、組合せ精度の低下などの弊害が生じる虞がある。特に、粘着性を有する物品では、複数の物品の重なりが崩れ難く、前記弊害が生じる虞が顕著になる。
【0012】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、複数の物品が重なって搬送されてきても、その重なりを崩して搬送することができ、搬送先での処理を好適に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0014】
(1)本発明に係る物品規制装置は、物品の搬送経路において、搬送される前記物品の高さを規制する搬送規制機構の複数を備え、前記搬送規制機構は、設定高さ以下の物品を通過させる一方、前記設定高さを超える物品を受け止めて搬送下手側への移動を規制する搬送規制部材と、該搬送規制部材を支持する支持フレームとを有し、前記複数の前記搬送規制機構は、前記物品の搬送方向に沿って複数個所にそれぞれ設置され、前記支持フレームは、前記搬送規制部材を、前記設定高さに対応する規制位置に、設定された付勢力で付勢支持すると共に、前記付勢力を超える搬送下手側への外力によって搬送下手側上方へ後退移動可能、かつ、外力の解除に伴って前記規制位置へ復帰移動可能に支持するものであり、前記搬送規制部材は、棒状体であり、前記支持フレームは、前記棒状体を、前記搬送径路の脇から該搬送経路の上方へ該搬送経路に交差するように片持ち状に突出させて支持するものであり、前記搬送経路の上方へ前記片持ち状に突出される前記棒状体の長さが、前記搬送経路の幅より短い
【0015】
前記「設定された付勢力」は、例えば、バネ等の付勢部材の付勢力として設定されるのが好ましく、例えば、付勢部材を交換したり、付勢部材の取付け状態を調整するなどして、付勢力を可変設定できるのが好ましい。
【0016】
本発明の物品規制装置によると、重なって搬送される複数の物品は、物品搬送機構の搬送規制部材の作用を受け、設定高さより高く重なった複数の物品は、搬送規制部材で受け止められて搬送下手側への移動が規制され、設定高さ以下の物品は、搬送規制部材を通過して搬送下手側へ搬送される。
【0017】
搬送規制部材で受け止められて移動が規制された複数の重なった物品の内、設定高さ以下の下層側の物品は、搬送規制部材を通過して搬送下手側へ移動し、それに伴って下層側の物品から分離された上層側の物品は、搬送上手側の低い物品の上、あるいは、搬送経路の搬送面上に落ち込んで高さが低くなり、設定高さ以下となることによって、搬送規制部材を通過して搬送下手側へ搬送される。
【0018】
これによって、重なった状態で搬送されてきた複数の物品は、搬送方向に沿ってその重なりが崩されて搬送されてゆく。
【0019】
また、搬送経路の搬送面と搬送規制部材との間などに、重なった複数の物品が挟まり込んで詰まりそうになると、詰まりによって発生した搬送下手側への力が搬送規制部材に外力として作用する。この外力が、搬送規制部材を規制位置に保持するための付勢力を超えると、搬送規制部材は、搬送下手側上方へ後退移動する。これによって、搬送経路の搬送面と搬送規制部材との間隔が広がって、物品は搬送規制部材を潜るように通過して搬送下手側に搬送されるとともに、詰まりの消滅によって外力が解除された搬送規制部材は、再び元の規制位置に復帰する。
本発明によると、搬送径路の幅方向で高さの異なった部位を有する物品でも棒状体からなる搬送規制部材で受け止めて的確に搬送規制することができる。また、搬送規制部材が棒状体であるので、物品との接触を極力少なくすることができ、表面に油脂が存在する肉片などの食品を対象とする場合、搬送規制部材に油脂が付着堆積するのを抑制することができる。
また、搬送規制部材である棒状体を、搬送経路の上方へ該搬送経路に交差するように片持ち状に突出させるので、その突出長さ、すなわち、棒状体の長さによって、搬送経路の幅方向における物品の高さを規制する規制幅を設定できることになる。
更に、搬送経路の脇から搬送経路の上方に片持ち状に突出される棒状体の長さは、搬送経路の幅より狭いので、棒状体の遊端より外側の搬送径路では物品を受止め規制する機能がなく、物品は棒状体の遊端をすり抜けて搬送下手側に移動可能となる。このため、搬送径路の全幅で搬送規制をかけた場合に発生しやすい物品の詰まりが生じにくいものとなる。
本発明によると、重なって搬送されてきた複数の物品は、先ず、搬送上手側の搬送規制部材の作用を受け、次に、搬送下手側に設置されている搬送規制部材の作用を受けることで重なった複数の物品を崩して搬送することができる。
(2)本発明の他の実施態様では、前記複数の搬送規制機構は、前記物品の搬送方向に沿って前記搬送経路の一方側の脇と他方側の脇とに交互に設置される。
複数の搬送規制機構は、物品の搬送方向に沿って、搬送経路の両脇の一方側と他方側とに交互に設置されるので、搬送径路の幅よりも短い複数の棒状体が、互い違いに搬送径路脇から片持ち状に突出されることになる。これによって、搬送上手側の搬送規制機構の棒状体をすり抜けた物品も搬送下手側の搬送規制機構の棒状体では搬送規制を受けることになり、物品の詰まりの発生を抑制しながらも、搬送径路の全幅において的確に搬送規制をかけることができる。
【0020】
)本発明の好ましい実施態様では、前記支持フレームは、前記搬送規制部材を前記規制位置に前記付勢力で付勢する付勢部材を有する。
【0021】
この実施態様によると、搬送規制部材を付勢する付勢部材を有するので、付勢部材の付勢力を選択する、例えば、付勢部材としてのバネの張力を選択する、例えば、前記バネを交換することによって、搬送規制部材を規制位置に付勢する付勢力を可変設定できるので、粘着性といった搬送される物品の性状などに応じて、複数の物品の重なりを崩すのに必要な付勢力を設定するのが容易となる。
【0022】
)本発明の一実施態様では、前記支持フレームは、前記搬送規制部材を、円弧状の軌跡に沿って前記後退移動可能、かつ、前記円弧状の軌跡に沿って前記復帰移動可能に支持する。
【0023】
この実施態様によると、搬送規制部材は、搬送下手側への外力が、付勢力を超えると、搬送下手側上方へ円弧状の軌跡に沿って後退移動するので、搬送規制部材の高さが、後退移動に伴って徐々に高くなる。これによって、搬送規制部材による作用を、重なった複数の物品に対して、高さを変化させつつ及ぼすことが可能となり、物品の重なりを効果的に崩すことができる。
【0024】
)本発明の他の実施態様では、搬送上手側の前記搬送規制機構は、搬送下手側の前記搬送規制機構に比べて、前記搬送規制部材による前記設定高さが、高くなるように設置される。
【0025】
この実施態様によると、高く重なって搬送されてきた複数の物品は、先ず、高く設置されている搬送上手側の搬送規制部材の作用を受けることによって、ある程度高さが低くなり、次に、搬送下手側の低く設置されている搬送規制部材の作用を受けることで更に高さが低くなる。従って、規制高さの異なる複数段の搬送規制を行うことで、多重に高く重なった複数の物品を、段階的に崩して搬送することができる。
【0033】
)本発明に係る物品供給装置は、本発明に係る物品規制装置と、前記物品を前記搬送経路で搬送する物品搬送機構とを備える。
【0034】
本発明の物品供給装置によると、物品を搬送経路で搬送する物品搬送機構の前記搬送経路において、複数の物品が高く重なって搬送されるのを、物品規制装置によって、物品の重なりを崩して搬送することが可能となる。これによって、物品搬送機構によって物品が搬送される搬送先に、複数の物品が重なって一度に過剰に供給されるのを防止することができ、搬送先での処理を好適に行うことが可能となる。
【0035】
)本発明の好ましい実施態様では、前記物品搬送機構は、搬送上手側を中心に搬送下手側を、複数位置へ切換え回動可能な旋回コンベヤを備える。
【0036】
この実施態様によると、物品搬送機構に搬入された複数の物品が、搬送上手側で重なっていても、搬送経路で搬送される途中で物品規制装置によって複数の物品の重なりが崩され、搬送下手側では、重なりが崩された物品を、複数位置に分配して供給することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、複数の物品が重なって纏まった状態で搬送されてきても、その重なりを崩して搬送することができ、搬送先へ複数の物品が重なったままで過剰に搬送されるのを防止することができ、搬送先での処理を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は本発明の実施形態に係る物品規制装置を備える計量システムの全体斜視図である。
図2図2図1の計量システムの平面図である。
図3図3図1の計量システムの側面図である。
図4図4は一組の物品分配箇所を示す斜視図である。
図5図5は搬送上手側の搬送規制機構を示す一部切欠き斜視図である。
図6図6は搬送下手側の搬送規制機構を透視した斜視図である。
図7図7は物品規制装置の一部を切欠いた正面図である。
図8図8は物品規制装置の一部を切欠いた側面図である。
図9図9は物品規制装置の作用形態を示す概略側面図である。
図10図10は一組の物品分配箇所を示す概略正面図である。
図11図11は組合せ秤の概略側面図である。
図12図12は物品を検知する物品検知センサの配置状態を示す概略平面図である。
図13図13図1の計量システムの制御構成を示すブロック図である。
図14図14は物品供給装置の全体制御の一例を示すフローチャートである。
図15図15は振動フィーダの制御の一例を示すフローチャートである。
図16図16は分配搬送機構の制御の一例を示すフローチャートである。
図17図17は物品排出機構の制御の一例を示すフローチャートである。
図18図18は物品規制装置の他の実施形態を示す正面図である。
図19図19は物品規制装置の参考例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品規制装置50を備える計量システムの全体構成を示す斜視図、図2はその平面図、図3はその側面図である。この実施形態の計量システムは、物品供給を行う物品供給装置1と、従来では、物品の供給が人手によって行われていた半自動式の組合せ秤2とを備えている。
【0041】
この計量システムは、半自動式の組合せ秤2に対して、物品供給装置1によって物品を、自動で供給するものであり、全体として、物品の供給及び排出を自動で行う、自動式の組合せ秤と称することもできる。
【0042】
この実施形態では、単体重量が比較的大きく不定形で、機械によるハンドリングが難しい粘着性を有する物品、例えば、ブロイラー(肉用鶏)を解体したモモ肉あるいはムネ肉といったブロック状の肉片を計量対象としている。
【0043】
すなわち、この実施形態の計量システムは、ブロイラーの解体ラインの計量工程に好適なシステムである。
【0044】
物品供給装置1は、水平に配備した前段搬送機構3と、その搬送径路の複数箇所、この例では3箇所に配備した物品排出機構4と、各物品排出機構4にそれぞれ対応する3台の分配搬送機構5と、各分配搬送機構5に対応して複数台ずつ、この例では3台ずつ並列配備した後段搬送機構としての振動フィーダ6とを備えている。
【0045】
前段搬送機構3は、水平に巻回した搬送ベルト7を、矢符Aで示されるように、図2の右方から左方に一定の速度で回転駆動されるベルトコンベヤで構成されている。前段搬送機構3の搬送ベルト7の右方の始端側において、図示されていない解体処理部で解体されたブロイラーの肉片が、物品wとして供給される。
【0046】
物品排出機構4は、前段搬送機構3における搬送径路を挟む一方側に設置されて縦支点aを中心にして、揺動駆動可能な長板状のガイド部材8を備えている。このガイド部材8は、図2中の実線で示すように、搬送径路の前記一方側に外れて搬送方向に沿った退避姿勢となる許容状態では、前段搬送機構3による搬送径路上の物品wの通過が許容される。ガイド部材8が駆動されて、図2中の仮想線で示すように、前記縦支点aを中心に搬送経路側へ揺動すると、長板状のガイド部材8が、平面視で搬送径路に斜めに交差した排出姿勢の排出状態となる。この排出状態では、搬送径路に沿って搬送される物品wは、搬送経路を斜めに横切るように交差しているガイド部材8の板面に沿って、徐々に搬送径路の他方側の外方へ案内されて、搬送経路から排出される。
【0047】
前段搬送機構3の排出側には、下窄まりの傾斜した排出シュート9が固定配備されており、ガイド部材8によって案内排出された物品wは、排出シュート9を介して前記他方側の下方に滑落案内される。
【0048】
このように物品排出機構4は、長板状のガイド部材8を、前段搬送機構3の搬送経路に対して傾斜するように交差させて、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、ガイド部材8の板面に沿って案内して排出するので、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを確実に所定の箇所で排出することができる。
【0049】
前記分配搬送機構5は、物品排出機構4によって排出されてきた物品wを受け取る上拡がり漏斗状の投入ファネル10と、投入ファネル10に投入された物品wを搬送すると共に、所定角度だけ回動駆動可能な旋回コンベヤ14とを備えている。この分配搬送機構5は、供給される物品wを、搬送経路を構成する旋回コンベヤ14で搬送する物品搬送機構としての機能を有する。旋回コンベヤ14は、投入ファネル10で滑落案内された物品wを載置して水平に搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11の両脇に起立配備された左右の側板12と、両側板12の終端部に取付けられた平面形状がU形の排出カバー13とを備えている。
【0050】
排出カバー13は、搬送ベルト11で載置搬送されてきた物品wを、搬送方向へ飛び出させることなく落下させる落下口を形成するものであり、図4に示されるように、両側板12に対して搬送方向に沿って位置調節可能にボルト締め連結されている。この排出カバー13の位置調節によって物品wの大きさに対応して落下口の搬送方向の開口長さを変更し、物品wが詰まることなく的確に所定位置に落下放出されるようになっている。
【0051】
旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品が滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として、サーボモータによって所定角度だけ回動駆動可能である。この旋回コンベヤ14は、回動範囲における中央位置とその両側の回動端位置の3位置において、搬送ベルト11の搬送終端の落下口が、各振動フィーダ6の直上方に位置するようになっている。すなわち、旋回コンベヤ14は、搬送上手側の縦支点bを中心として、所定角度だけ旋回して、物品wを、搬送下手側の3台の各振動フィーダ6に振分ける。
【0052】
上記のように旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品が滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として回動するので、旋回コンベヤ14がどの回動位置にあっても、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、物品排出機構4のガイド部材8によって排出して、旋回コンベヤ14の搬送始端側に供給することができる。したがって、旋回コンベヤ14の搬送始端側へ物品を供給する必要があるときには、旋回コンベヤ14の回動位置に拘わらず、前段搬送機構3の物品を物品排出機構4によって排出して、旋回コンベヤ14へ迅速に物品を供給することができる。
【0053】
図1図3に示される前段搬送機構3には、複数の物品wが重なって纏まった状態で搬入されることがあり、このように複数の物品wが重なって纏まった状態で搬入されると、そのまま前段搬送機構3から排出され、投入ファネル10で滑落案内されて旋回コンベヤ14に重なった複数の物品wが供給され易くなる。
【0054】
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14で複数の物品wが重なって纏まったまま搬送されて次の分配搬送先である振動フィーダ6に供給されると、振動フィーダ6から組合せ秤2の物品投入口25へ複数の物品wが纏まったまま過剰に投入され易くなる。組合せ秤2の物品投入口25に複数の物品wが纏まって過剰に投入されると、1個の物品wが投入される場合に比べて、組合せ演算における組合せが成立し難くなったり、歩留まりが低下することになる。
【0055】
そこで、この実施形態では、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14において、物品wが重なって纏まった状態で搬送されて振動フィーダ6に送り込まれるのを防止するために、以下のように構成している。
【0056】
すなわち、この実施形態では、旋回コンベヤ14で搬送される物品wを規制する物品規制装置50を設けている。この物品規制装置50は、2台の第1,第2搬送規制機構50A,50Bを備えており、図4に示すように、旋回コンベヤ14へ物品wが供給される箇所、つまり、投入ファネル10設置個所の搬送下手箇所に設置されている。第1,第2搬送規制機構50A,50Bは、搬送径路の両脇において搬送方向(前後方向)に沿って位置をずらして設置されている。両搬送規制機構50A、50Bは、左右勝手違いの同一仕様であり、その詳細な構造が図5図8に示されている。
【0057】
すなわち、第1,第2搬送規制機構50A、50Bは、背部が開放された箱型の支持フレーム51が、搬送径路脇に設置された図示されていない支持台に連結支持されている。この支持フレーム51の搬送径路側の側面から、ステンレス鋼の丸棒材からなる搬送規制部材52が、搬送径路の上方に該搬送経路に略直角に交差するように横向き片持ち状に突設された構造となっている。搬送規制部材52は、その長さが搬送径路の横幅より短く設定されており、その遊端が搬送径路の横幅端より内側に位置している。
【0058】
支持フレーム51の搬送径路側の側板内面には、横向き支点cを中心にして回動可能な回動アーム53が支承され、この回動アーム53の下方遊端部に前記搬送規制部材5の基端が蝶ボルト54によって脱着自在に連結支持されている。支持フレーム51における搬送径路側の側板には、回動アーム53の横向き支点cを中心とする円弧状の長孔55が形成されており、回動アーム53の下方遊端部に連結された搬送規制部材52は、この長孔55を通して搬送径路に突出されている。従って、回動アーム53の回動に伴って搬送規制部材52が、搬送面と平行状態を維持しながら円弧状の軌跡に沿って上下に移動可能となっている。
【0059】
前記回動アーム53の下部に取付けたバネ受けピン56と、支持フレーム51における搬送径路側の側板に装着固定したバネ受けボルト57とに亘ってバネ58が張り掛けられ、バネ張力によって回動アーム53が、その下端部が搬送上手側に向かう方向に回動付勢されている。従って、常態では、搬送規制部材52が長孔55の下端に押し付け支持され、搬送規制部材52が搬送面から一定の高さの規制位置に保持されている。
【0060】
バネ58の固定端を支持するバネ受けボルト57は、縦長の長孔59に挿通されてナット60で締め付け固定されている。バネ受けボルト57の締付け固定位置を長孔59に沿って上下に調節することで、回動アーム53の下向き回動付勢力、つまり、搬送規制部材52を長孔55の下端に押付け付勢する初期の設定圧力を調節することが可能となっている。
【0061】
なお、箱形に形成された支持フレーム51の背面には、前後に対向形成された縦向きの案内溝51bを介して背板51aが、上下スライド挿抜可能に装着されている。この背板51aを抜き外して支持フレーム51の背面を開放することで、洗浄の際に搬送規制部材52を回動アーム53に脱着する操作や、バネ受けボルト57の締付け固定位置を変更調節する操作を、支持フレーム51の背部を大きく開放した状態で行うことができるようになっている。
【0062】
搬送径路の両脇に配備された2台の第1,第2搬送規制機構50A、50Bは、搬送方向での設置位置が異なっており、かつ、搬送上手側に位置する第1搬送規制機構50Aにおける搬送規制部材52の高さが、搬送下手側に位置する第2搬送規制機構50Bにおける搬送規制部材52の高さよりも高く設定されている。ここで、搬送下手側に位置する第2搬送規制機構50Bにおける搬送規制部材52の搬送面からの高さは、例えば物品wの平均的な上下厚さ程度に、また、搬送上手側に位置する第1搬送規制機構50Aにおける搬送規制部材52の搬送面からの高さは、例えば物品wの平均的な上下厚さの1.5~2倍程度に設定しておくことが好ましい。
【0063】
第1,第2搬送規制機構50A,50Bは以上のように構成されており、その作用形態を理解し易くするための概略側面図を図9に示す。
【0064】
前段搬送機構3から物品wが重なって纏まった状態で排出されて投入ファネル10に投入されると、旋回コンベヤ14によって、複数の物品wが重なって纏まった状態で搬送される。
【0065】
例えば図9(a)に示すように、旋回コンベヤ14の搬送ベルト11に載置され搬送される重なった複数の物品wは、先ず、搬送上手の第1搬送規制機構50Aにおいて、高位置にある搬送規制部材52の作用を受け、搬送規制部材52より高く重なっている上層の物品wが、搬送規制部材52で受け止められて後方への移動が規制され、低い下層の物品wが搬送規制部材52を潜り抜けて搬送される。
【0066】
これによって、例えば図9(b)に示すように、搬送規制部材52で受け止められて移動が規制された物品wは、下層の物品wの搬送下手側への移動に伴って相対的に搬送上手側に移動され、低い下層の物品wの上、あるいは、搬送ベルト11上に落ち込んで搬送される。
【0067】
この際、搬送規制部材52は、搬送径路幅より短く設定されているので、搬送される物品wの一部が搬送規制部材52の遊端部(先端部)よりはみ出て通過することが可能であり、搬送径路の全幅で物品wを無理に塞き止めて詰まりに発展することが緩和される。
【0068】
次に、例えば図9(c)に示すように、上手側の第1搬送規制機構50Aの物品規制部材52を通過して低くなった複数の物品wは、搬送下手に位置する第2搬送規制機構50Bにおいて、より低く設置された搬送下手側の搬送規制部材52による作用を再び受け、重なった複数の物品wは2回の搬送規制によって搬送方向に沿って重なりが崩され、重なりが全く無い、あるいは、重なりの少ない低い状態、すなわち、個々の物品wに略分離された状態で旋回コンベヤ14の終端に至り、後段の振動フィーダ6に分配搬送される。
【0069】
この際、搬送ベルト11と搬送規制部材52との間に多量の物品wが挟まり込んで詰まりかかると、搬送規制部材52に搬送下手側への大きい外力が作用する。搬送規制部材52は、バネ58によって長孔55の下端に一定の初期の設定圧力で搬送上手側へ押し付け付勢されているので、物品wから搬送規制部材52に与えられる搬送下手側への外力が前記設定圧力より大きくなると、搬送規制部材52を支持している回動アーム53が、バネ付勢力に抗して回動される。
【0070】
これによって、搬送規制部材52が搬送下手側上方へ後退移動し、詰まりかけていた物品wは、搬送規制部材52を潜り抜けて後方へ搬送されることになり、詰まりによって搬送不能に陥ることが回避される。
【0071】
更に、搬送規制部材52は、搬送下手側上方へ円弧状の軌跡に沿って回動するので、回動に伴なって搬送規制部材52の高さが、徐々に高くなる。したがって、複数の物品wが高く重なって詰りかけている前記複数の物品wに対して、高さを変化させつつ、搬送規制部材52による作用を及ぼすことが可能となる。これによって、複数り物品wの重なりを効果的に崩すことが可能となり、特に、重なりを崩すのが容易でない粘着性を有するブロイラーを解体した肉片である物品wに有効である。
【0072】
後段搬送機構としての振動フィーダ6は、図3に示すように、樋状のトラフ15を加振機16に脱着可能に連結した直進フィーダであり、トラフ15を振動駆動することで載置した物品wを、組合せ秤2に搬送するように構成されている。トラフ15の下面には、該トラフ15を、搬送方向に向かって先下がり傾斜した状態に支持する支持フレーム17が連結されている。この支持フレーム17を加振機16の上端部に備えられた振動ヘッド16aに位置決め係合し、レバー操作されるバックル式の連結機構18を用いて締結固定するようになっている。
【0073】
また、トラフ15の底面及び左右の側面には、トラフ15の長手方向に沿ったスリット状の透孔19が多数整列形成されている。この透孔19は、ブロイラーを解体した肉片である物品wの表面に浮き出た油脂や油液をトラフ15外に排出し、トラフ15内面にこれら油脂や油液が多量に付着固化して物品wの搬送が困難となるのを防止している。
【0074】
このように振動フィーダ6のトラフ15は、搬送方向に向かって先下がり傾斜し、多数の透孔19を有するので、油分を含み粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを、円滑に搬送することができる。
【0075】
1台の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して、図2図4に示すように、振動フィーダ6が3台ずつ並列配備され、旋回コンベヤ14の中央位置及びその両側の回動端位置への切換え回動に応じて、各旋回コンベヤ14から3台の各振動フィーダ6のトラフ15に物品wをそれぞれ供給することができる。したがって、全体として、直線状に並列配備された9台の振動フィーダ6によって、9箇所へ物品wを振動搬送することができる。
【0076】
各振動フィーダ6では、その駆動及び停止によって、物品wを搬送及び停止させることができるので、物品wを、振動フィーダ6のトラフ15の終端部まで搬送して待機させるように制御し、組合せ秤2の物品投入口25への投入要求に応じたタイミングで物品を、組合せ秤2へ供給することができる。
【0077】
3台一組の振動フィーダ6群のうち、中央のトラフ15とその両側のトラフ15との中間箇所には、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端回動軌跡に臨むように遊転ローラ20が、図示されていない固定台を介して搬送方向に水平に支承されている。この遊転ローラ20は、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が回動作動している途中で、中央のトラフ15と、その両側の一方側、すなわち、左または右のトラフ15との中間箇所に、不所望に落下した物品wを受け止めて、その自重によって中央のトラフ15または左右いずれかのトラフ15に回転落下させるものである。
【0078】
また、図10の概略正面図に示すように、比較的長い物品wが遊転ローラ20に跨るように乗り掛かったまま滞留してしまうこともあるが、次に分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が逆向き(図10の場合は左方)に回動作動する際に、旋回コンベヤ14の終端、つまり、排出カバー13の下端部で、遊転ローラ20に乗り掛かっている物品wが押し動かされて遊転ローラ20が回転し、旋回コンベヤ14が移動する側のトラフ15に物品wを落とし込むことができる。
【0079】
また、図4などに示すように、3台一組のトラフ15群の内、両側の左右のトラフ15の横外側における搬送始端部には、トラフ15の内方に向けて傾斜する山形の傾斜案内板21が、図示されていない固定台を介して設置されており、左または右のトラフ15に投入される物品wが、トラフ15の外方の側壁に引っ掛かることなくトラフ内に落とし込み案内されるようになっている。
【0080】
図1図2に示すように、半自動式の組合せ秤2の上面には、多数個、この例では9個の物品投入口25が左右に直線状に列設されており、これら物品投入口25が物品供給装置1の分配排出部、すなわち、振動フィーダ6群の終端に臨むよう組合せ秤2が設置される。また、各物品投入口25には、内開き観音扉状に開閉される左右一対の投入ゲート26が駆動開閉可能に備えられている。各投入ゲート26は、物品の投入を要求している期間は開放される。
【0081】
この実施形態の計量システムでは、半自動式の組合せ秤2の物品の計量処理量が、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量を上回るように、物品の供給量や組合せ秤2の運転速度等が設定される。
【0082】
なお、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量が、一時的に、組合せ秤2の計量処理量を超えるような場合には、前段搬送機構3によって搬送される物品を、物品排出機構4のガイド部材8で排出させることなく、通過させることで対応することができる。
【0083】
図11は、半自動式の組合せ秤2の概略側面図である。
【0084】
この組合せ秤2は、基本的に従来の半自動式の組合せ秤と同様である。組合せ秤2の各物品投入口25の投入ゲート26の直下には、供給ホッパ40が配設され、各々の供給ホッパ40の下方には、2つの収納室41-1、41-2を有する計量部としての計量ホッパ41が配設されている。
【0085】
各供給ホッパ40は、独立して開閉可能な2つの排出ゲート40a、40bを備え、一方の排出ゲート40aを開放することによって、計量ホッパ41の一方の収納室41-1に物品を排出し、他方の排出ゲート40bを開放することによって、計量ホッパ41の他方の収納室41-2に物品を排出することが可能である。
【0086】
各計量ホッパ41は、その一方の収納室41-1に排出ゲート41aが設けられると共に、他方の収納室41-2に排出ゲート41bが設けられ、各排出ゲート41a、41bを開放することにより、各収納室41-1,41-2から別々に物品を排出することが可能である。
【0087】
各計量ホッパ41には、ロードセル等の重量センサ42が取り付けられており、この重量センサ42によって計量ホッパ41内の物品の重量が検出され、その出力が、後述の組合せ秤2の制御部に送られる。これにより組合せ秤2の制御部は、計量ホッパ41内の物品の重量の変化に基づいて、計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量を算出し、各計量ホッパ41の各々の収納室41-1,41-2内の物品の重量に基づいて、後述の組合せ演算を行う。
【0088】
計量ホッパ41の下方には、計量ホッパ41から排出された物品を受けて搬送する集合コンベヤ43が配設されている。この集合コンベヤ43によって搬送された物品は、図示しない包装機へ供給される。包装機では、所定重量範囲となる物品を真空包装する。
【0089】
組合せ秤2の制御部は、物品を保持している計量ホッパ41の各収納室41-1、41-2内の物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲内となる収納室41-1、41-2の組合せを1つ選択する組合せ演算を行い、選択された収納室41-1、41-2の物品を、集合コンベヤ43へ排出する。
【0090】
上記のような構成を有する本実施形態の計量システムでは、前段搬送機構3の搬送方向の上手側である始端部に供給された物品wは、物品排出機構4によって搬送方向の3箇所から排出されて夫々の分配搬送機構5に送り込まれ、各分配搬送機構5に送り込まれた物品wは、更に3箇所に分配されて振動フィーダ6に送り込まれ、都合、9台の振動フィーダ6によって分配搬送された物品wが、組合せ秤2の各物品投入口25に供給される。なお、3台の物品排出機構4を通過して前段搬送機構3の終端に至った物品wは、搬出されて回収容器などに回収され、適時、人手によって再び前段搬送機構3の始端部に供給される。
【0091】
上記のような物品の供給においては、各箇所における物品wの有無、及び、組合せ秤2の各物品投入口25、各振動フィーダ6、各分配搬送機構5、物品排出機構4での物品の要求状況に応じて、各物品排出機構4、各分配搬送機構5、及び、各振動フィーダ6が制御されることになる。
【0092】
図12は、物品wを検知する物品検知センサの設置状態の一例を示す図2に対応する概略平面図である。
【0093】
この実施形態の各物品検知センサSa(1)~Sa(3),Sb(1)~Sb(3),Sc(1)~Sc(3),Sd(1)~Sd(3),Se(1)~Se(9),Sf(1)~Sf(9)は、例えば、投光器と受光器を備える透過形の光電センサであり、対向配置された投光器と受光器の間の検知領域を通過する物品wを検知して検知出力を与える。
【0094】
前段搬送機構3の搬送経路には、各物品排出機構4の直前における検知領域を通過する物品wをそれぞれ検知する第1物品検知センサとしての前段物品検知センサSa(1)~Sa(3)が配置されている。
【0095】
また、各物品排出機構4によって排出された物品wが通過する各排出シュート9の基部には、排出された物品を検知する第2物品検知センサとしての排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)がそれぞれ配置されている。なお、各排出シュート9の基部には、各排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
【0096】
各分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の、搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)がそれぞれ配置されている。なお、旋回コンベヤ14の側板12及び排出カバー13には、分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
【0097】
後段搬送機構としての各振動フィーダ6の各トラフ15の搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)が、それぞれ配置されている。なお、振動フィーダ6のトラフ15には、後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)の光路を遮らないように、透孔が形成されている。
【0098】
図13は、この実施形態の計量システムの制御構成を示すブロック図である。
【0099】
この実施形態の計量システムは、全体を制御する制御装置として、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と略記する)27を備えている。
【0100】
このPLC27には、操作表示端末であるプログラマブル表示器29が接続されており、このプログラマブル表示器29では、前段搬送機構3や旋回コンベヤ14の搬送速度及び振動フィーダ6の振動強度等の各種の設定操作及び各種の表示が行われる。
【0101】
また、PLC27には、半自動式の組合せ秤2の制御部28から9個の各物品投入口25への物品の投入をそれぞれ要求するときに、投入要求信号(1)~(9)がそれぞれ入力されると共に、上記の各物品検知センサSa(1)~Sa(3),Sb(1)~Sb(3),Sc(1)~Sc(3),Sd(1)~Sd(3),Se(1)~Se(9),Sf(1)~Sf(9)の検知出力が入力される。
【0102】
PLC27は、前段搬送機構3を、前段搬送機構駆動制御回路30を介して制御し、物品排出機構4の各ガイド部材8を、ガイド部材駆動回路31を介して制御する。また、PLC27は、各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14を、旋回コンベヤ駆動制御回路32及び旋回コンベヤ旋回駆動制御回路33を介して制御し、各振動フィーダ6を、振動フィーダ駆動回路34を介して制御する。
【0103】
PLC27は、基本的に、組合せ秤2から各物品投入口25への物品の投入要求があると、投入要求のあった物品投入口25に直ちに物品を投入できるように制御するものであり、各振動フィーダ6のトラフ15の終端部へ物品を搬送して待機できるように制御する。
【0104】
すなわち、振動フィーダ6では、トラフ15の終端部に物品がないときには、トラフ15の始端部で検知された物品を、トラフ15の終端部まで搬送し、トラフ15の始端部で検知された物品がないときには、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して物品の投入を要求する。
【0105】
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14では、物品の投入要求のあった振動フィーダ6のトラフ15へ物品を直ちに投入できるように、旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送すると共に、回動位置が制御される。旋回コンベヤ14の終端部に物品がないときには、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品を終端部へ搬送し、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品がないとときには、物品排出機構4に対して物品の投入を要求する。
【0106】
物品の投入要求があった物品排出機構4では、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品が検知されると、ガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし、搬送される物品を、搬送経路外の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ供給する。
【0107】
次に、PLC27による制御の一例について更に詳細に説明する。
【0108】
図14は、この実施形態の物品供給装置1の全体制御の一例を示す概略フローチャートである。
【0109】
先ず、プログラマブル表示器29の運転スイッチがONされたか否か判断し(ステップS1)、ONされたときには、運転が開始され、半自動式の組合せ秤2から9個の物品投入口25に対応する投入要求信号(1)~(9)の入力があると(ステップS2)、物品供給装置1における物品の搬送方向の最も下手となる振動フィーダ6の制御を行い(ステップS3)、次に、その上手となる分配搬送機構5の制御を行い(ステップS4)、更に、その上手となる物品排出機構4の制御を行い(ステップS5)、運転スイッチがOFFされたか否かを判断し(ステップS6)、運転スイッチがOFFされたときには、終了する。
【0110】
図15は、図14の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである振動フィーダ6の制御の一例を示すフローチャートである。
【0111】
基本的な制御は、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)で物品が検知されていない、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に、物品がないときには、振動フィーダ6を一定時間駆動して、トラフ15の始端部にある物品をトラフ15の終端部へ搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)によってトラフ15の終端部の物品が検知されるまで駆動するようにしてもよい。
【0112】
後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)で物品が検知されていないとき、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がないときには、振動フィーダ6のトラフ15へ物品を投入することを命令する物品投入命令フラグをONにして、分配搬送機構5から物品を振動フィーダ6へ投入させる。
【0113】
後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)で物品が検知され、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に物品があるときに、半自動式の組合せ秤2から物品の投入要求信号の入力があると、振動フィーダ6を一定時間駆動して、振動フィーダ6のトラフ15の終端部にある物品を半自動式の組合せ秤2の物品投入口25へ供給する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)~Sf(9)でトラフ15の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が組合せ秤2の物品投入口25へ供給されたとして、振動フィーダ6の駆動を停止するようにしてもよい。
【0114】
この例では、図15に示すように、先ず振動フィーダ6の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS301)、番号kの振動フィーダ6が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS302)、駆動中フラグがONしているときには、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS303)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS304)。
【0115】
ステップS304で番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、一定時間の駆動が終了したとして、番号kの振動フィーダ6の駆動を停止し(ステップS305)、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをOFFし(ステップS306)、番号kをインクリメントし(ステップS307)、番号kが「10」になったか否か、すなわち、9台の振動フィーダ6についての処理が終了したか否かを判断し(ステップS308)、番号kが「10」になっていないときには、ステップS302に戻り、番号kが「10」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0116】
上記ステップS302において、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグがONしていないときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段終端物品検知センサSf(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS309)、物品を検知したときには、半自動式の組合せ秤2から番号kに対応する投入要求信号(k)の入力があったか否かを判断し(ステップS310)、投入要求信号の入力があったときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS311)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS312)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS313)。
【0117】
上記ステップS309において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知しなかったときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段始端物品検知センサSe(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS314)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS315)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS316)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS317)。
【0118】
上記ステップS314において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知しなかったときには、番号kに対応する分配搬送機構5に対して、番号kの振動フィーダ6のトラフ15へ物品の投入を命令する投入命令フラグをONしてステップS307に移る(ステップS318)。
【0119】
図16は、図14の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである分配搬送機構5の制御の一例を示すフローチャートである。
【0120】
基本的な制御は、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなくなれば、すなわち、後段始端物品検知センサSe(1)~Se(9)で物品が検知されなくなると、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品を投入できるように、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送しておくものである。
【0121】
分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で物品が検知されていない、すなわち、物品が分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部になければ、旋回コンベヤ14を一定時間駆動して、旋回コンベヤ14の始端部の物品を、旋回コンベヤ14の終端部に搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で物品が検知された時点で、物品が旋回コンベヤ14の終端部に搬送されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
【0122】
分配始端物品検知センサSc(1)~Sc(3)で物品が検知されていない、すなわち、旋回コンベヤ14の始端部に物品がなければ、物品排出機構4に対して旋回コンベヤ14への物品の排出を命令する排出命令フラグをONにする。
【0123】
また、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置ないときには、旋回コンベヤ14を、前記振動フィーダ6のトラフ15の投入位置に回動して、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ物品を投入する。振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置にあるときには、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ投入する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)~Sd(3)で旋回コンベヤ14の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が振動フィーダ6のトラフ15の始端部に投入されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
【0124】
1つの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を回動して3台の振動フィーダ6のトラフ15に物品を供給するが、サーボモータで旋回コンベヤ14を回動するので、投入位置制御は容易である。
【0125】
この例では、図16に示すように、先ず分配搬送機構5の1台を指定する番号j、振動フィーダ6の1台を指定する番号k、及び、1台の分配搬送機構5が分配する振動フィーダ6の台数を規定する台数aを、それぞれ「1」とし(ステップS401)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS402)、駆動中フラグがONしているときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS403)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS404)。
【0126】
ステップS404で番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を停止し(ステップS405)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをOFFし(ステップS406)、振動フィーダ6を指定する番号k及び振動フィーダ6の台数aをインクリメントし(ステップS407)、台数aが「4」になったか否か、すなわち、3台の振動フィーダ6に対する分配処理を終了したか否かを判断し(ステップS408)、台数aが「4」になっていないときには、3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了していないとしてステップS402に戻る。
【0127】
ステップS408で台数aが「4」になったときには、番号jの分配搬送機構5による3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了したとして、番号jをインクリメントすると共に、台数sを「1」に戻し(ステップS409)、番号jが「4」になったか否か、すなわち、3台の分配搬送機構5に対する処理が終了したか否かを判断し(ステップS410)、「4」になっていないときには、ステップS402に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0128】
上記ステップS402において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグがONしていないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配終端物品検知センサSd(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS411)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグがONしているか否か、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入要求があるか否かを判断し(ステップS412)、物品投入命令フラグがONしているときには、ステップS413に移り、物品投入命令フラグがONしていないときには、ステップS407に移る。
【0129】
ステップS413では、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14は、その回動位置が番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にあるか否か、すなわち、旋回コンベヤ14の搬送ベルト11の終端が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の直上位置にあるか否かを判断し、投入位置にあるときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグをOFFし(ステップS414)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS415)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS416)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS417)。ステップS413で、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置へ回動、すなわち、旋回させてステップS407に移る(ステップS418)。
【0130】
上記ステップS411において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配始端物品検知センサSc(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS419)、物品を検知したときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS420)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS421)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS422)。
【0131】
上記ステップS419において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するように、番号jに対応する物品排出機構4への排出命令フラグをONしてステップS407に移る(ステップS423)。
【0132】
図17は、図14の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである物品排出機構4の制御の一例を示すフローチャートである。
【0133】
基本的な制御は、上記分配搬送機構5の制御において、物品排出機構4への物品の排出命令フラグがONになると、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するために、前段物品検知センサSa(1)~Sa(3)で物品を検知すると、物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とする。これによって、物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側へ落下し、この落下する物品が、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)で検知される。
【0134】
物品排出機構4の制御プログラムは、一定時間毎にONされるので、例えば、10ms毎にONされるとすると、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の検知出力が10回継続すれば、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)の光路を、10ms×10=100msの期間に亘って物品が遮ったことになり、物品の大体の排出量を把握できる。したがって、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)によって排出される物品が検知されている物品検知時間が、所定時間継続すると、物品排出機構4のガイド部材8を搬送経路から退避する退避姿勢に復帰させることで、適量の物品を、分配搬送機構5へ排出することができる。
【0135】
また、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(1)~(3)で物品を検知してガイド部材8を駆動すると、上記のように物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて、前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側に排出され、排出物品検知センサSb(1)~Sb(3)で物品を検知するはずであるが、所定時間内に物品を排出物品検知センサSb(1)~(3)が検知できなければ、何らかの不具合が生じていると判断できる。例えば、物品がガイド部材8と搬送ベルト7との間に挟まっているといった不具合を検出することができる。
【0136】
この例では、図17に示されるように、先ず物品排出機構4の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS501)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS502)、排出検知中フラグがONであるときには、排出物品検知センサSb(k)がONしているか、すなわち、物品を継続して検知しているか否かを判断し(ステップS503)、継続して検知しているときには、番号kの物品排出機構4の物品排出の検知時間(k)を増やし(ステップS504)、物品排出の検知時間kが、所定時間になったか否かを判断し(ステップS505)、所定時間になったときには、適量の物品が排出されたとして、ガイド部材8をOFFする、すなわち、ガイド部材8を搬送経路から退避させる退避姿勢とし(ステップS506)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをOFFし(ステップS507)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをOFFし(ステップS508)、番号kをインクリメントし(ステップS509)、番号kが「4」になったか否か、すなわち、3台の物品排出機構4の排出処理が終了したか否かを判断し(ステップS510)、「4」になっていないときには、ステップS502に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
【0137】
上記ステップS502において、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONでないときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS511)、駆動中フラグがONしているときには、排出物品検知センサSb(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS512)、排出物品検知センサSb(k)がONしたときには、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをONしてステップS509に移る(ステップS513)。
【0138】
上記ステップS512で、排出物品検知センサSb(k)がONしないときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を検知するための排出不良検知時間を増やし(ステップS514)、排出不良検知時間が所定時間になったか否かを判断し(ステップS515)、所定時間になったときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を、例えば、プログラマブル表示器29に表示して報知し、ステップS509に移る(ステップS516)。
【0139】
上記ステップS511において、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしていないときには、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグがONしているか否かを判断し(ステップS517)、排出命令フラグがONしているときには、番号kの物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS518)、物品を検知したときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし(ステップS519)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをONし(ステップS520)、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグをOFFし(ステップS521)、番号kの物品排出機構4の排出不良検知時間を「0」にセットしてステップS509に移る(ステップS522)。
【0140】
上記のように、前段搬送機構3の搬送方向の上手側において物品を供給すると、その搬送径路の3箇所において、物品排出機構4のガイド部材8によって搬送経路外の3台の各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14へ排出され、各旋回コンベヤ14によって、3台の振動フィーダ6の各トラフ15にそれぞれ振分け搬送される。すなわち、前段搬送機構3の搬送方向の上手側1箇所で供給した物品を、9台の振動フィーダ6の各トラフ15に振分け搬送し、各振動フィーダ6の各トラフ15によって、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ供給することができる。
【0141】
したがって、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ自動で供給することができ、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する作業を行う必要がなく、大幅に作業者の労力を軽減することができる。
【0142】
因みに、半自動式の組合せ秤の後段の包装機で、例えば、ブロイラーの肉片の2kgの真空パックを製造する場合に、組合せ秤の計量能力を、例えば20回/分と想定すると、作業者は1時間に、2kg×20×60=2.4tに相当する量の肉片を掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口に投入することになる。しかも、作業者は立ったままで作業を行うので、長時間の作業を行えば、体力を過大に消耗することになる。
【0143】
本実施形態よれば、物品供給装置1によって、組合せ秤2の物品投入口25へ物品wを自動で分配供給するので、作業者が、肉片を掴んで組合せ秤2の物品投入口25へ投入する必要はなく、多大な労力を削減することができる。
【0144】
更に、本実施形態によれば、前段搬送機構3に、複数の物品wが重なって纏まった状態で搬入され、前段搬送機構3から分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に、複数の物品wが重なって纏まったままの状態で供給されても、旋回コンベヤ14によって搬送される途中で、第1,第2搬送規制機構50A,50Bによって、複数の物品wの重なりを、搬送方向に沿って崩すことが可能となる。これによって、旋回コンベヤ14の終端から、複数の物品wが纏まって一度に、振動フィーダ6へ供給されるのを防止することができる。したがって、振動フィーダ6から組合せ秤2の物品投入口25へ複数の物品wが一度に過剰に投入されることがなく、組合せ秤2の組合せ精度や歩留まりが低下するのを防止することができる。
【0145】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0146】
(1)上記実施形態では、物品規制装置50は、2台の搬送規制機構50A,50Bを備えたが、搬送規制機構は、2台に限らず、3台以上であってもよい。
【0149】
)第1,第2搬送規制機構50A、50Bの設置位置を搬送方向に沿った前後方向、及び、上下に調節可能に構成すれば、搬送規制部材52を物品の大きさや性状、等に応じた好適な前後位置及び高さに設置して搬送規制を行うことができる。
【0150】
図18に示すように、搬送規制部材52を、横向き片持ち状に支持した支軸52aに、ステンレス鋼材あるいは樹脂材からなる筒軸状のローラ52bを回動自在に遊嵌した構造とし、ローラ52bの自転回動によって物品wが円滑に搬送規制部材52からすり抜け移動できるようにしたものであってもよい。
【0151】
)上記実施形態では、各搬送規制機構50A,50Bは、搬送規制部材52をそれぞれ1つ備えていたが、本発明の参考例では、搬送規制機構が、複数の搬送規制部材を備える構成であってもよい。
【0152】
例えば、図19に示すように、物品規制装置50は、1台の搬送規制機構50Cを備え、この搬送規制機構50Cは、搬送上手側が搬送下手側に比べて高い2つの搬送規制部材52を備えている。
【0153】
更に、この参考例では、搬送規制部材52を、搬送径路両脇の支持フレーム51に亘って回動自在に支持した支軸52cに、複数本の棒状体52dを下向きに連結したレーキ状に構成している。この場合、支軸52cの一端に連結固定した回動アーム61のボス部にねじりバネ62を外嵌装着する。このねじりバネ62の一端62aを支持フレーム51内のバネ受けピン63に係止するとともに、ねじりバネ62の他端62bを回動アーム61に係止する。これによって、レーキ状の搬送規制部材52を一定方向に回動付勢するとともに、支持フレーム51内のストッパ64によって回動アーム61を受け止めて、搬送規制部材52を棒状体52dが下方に向かう一定姿勢に付勢保持する。これによると、搬送されてくる物品の搬送径路横幅方向の複数個所を搬送規制部材52の棒状体52d群で受け止めて搬送規制することができる。また、搬送規制部材52に多数の物品wが押し付けられて詰まりかかると、搬送規制部材52がねじりバネ62に抗して支軸52cの軸心d周りに後方に振り上げ回動されて物品wの通過を許容する。
【0154】
)旋回コンベヤ14は、その搬送ベルト11を、物品の大きさ、重量、性状、等に応じて任意に選択することができ、例えば、硬質樹脂材あるいは金属材からなる多数の横向きスラットバーを繋いで環状ベルトにしたスラット型コンベヤ、金網ベルトコンベヤ、等を利用することもできる。また、搬送ベルト11の搬送面に、多数の小突起を突設したり、横向きの突条を搬送方向に所定のピッチで突設することで、確実に物品wを搬送することができる。
【0155】
)物品排出機構4を、搬送径路脇に、搬送方向と直交する方向に出退可能なプッシャーを配設し、プッシャーを搬送経路内へ進出させて物品wを搬送経路の外側方に押出す形態とすることもできる。
【0156】
)分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に代えて、振動駆動される樋状のトラフに物品を載置して振動搬送する形態とすることもできる。
【0157】
)後段搬送機構を、振動フィーダ6に代えて、ベルトコンベヤ式にすることもできる。
【0158】
)物品排出機構4によって物品wを排出する箇所、及び、分配搬送機構5によって物品を振分ける振分け先は、3箇所に限らず、任意である。
【0159】
10)上記実施形態では、物品供給装置によって、物品を、組合せ秤の物品投入口へ供給したが、物品供給装置によって、例えば、上記特許文献2の半自動式の組合せ秤の複数の供給コンベヤ上へ物品を供給してもよく、また、組合せ秤に限らず、他の装置へ物品を供給してもよい。
【0160】
11)上記実施形態では、分配搬送機構によって振分けられた物品を、後段搬送機構としての振動フィーダによって各供給先である組合せ秤の物品投入口へ搬送したが、後段搬送機構を省略し、分配搬送機構によって、物品を各供給先に直接振分けて供給するようにしてもよい。
【0161】
12)上記実施形態では、物品として、解体されたブロイラーの肉片に適用して説明したが、かかる肉片に限らず、例えば、魚、蛸、烏賊などの魚介類やその他の物品に適用してもよく、複数の物品が、重なるように纏まって搬送される各種の物品の搬送に適用することができる。
【符号の説明】
【0162】
1 物品供給装置
2 組合せ秤
3 前段搬送機構
4 物品排出機構
5 分配搬送機構(物品搬送機構)
6 振動フィーダ
8 ガイド部材
14 旋回コンベヤ
15 トラフ
27 PLC
50 物品規制装置
50A 第1搬送規制機構
50B 第2搬送規制機構
50C 搬送規制機構
52 搬送規制部材
w 物品
Sa 前段物品検知センサ
Sb 排出物品検知センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19