(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】戸車
(51)【国際特許分類】
E05D 15/06 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
E05D15/06 107
(21)【出願番号】P 2017192991
(22)【出願日】2017-10-02
【審査請求日】2020-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】野沢 和哉
(72)【発明者】
【氏名】高木 伸之
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-257325(JP,A)
【文献】実開昭60-014084(JP,U)
【文献】実開平01-076978(JP,U)
【文献】実開昭53-158152(JP,U)
【文献】特開2009-091809(JP,A)
【文献】特許第3740661(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輪を回転可能に支持する連結板と、
前記連結板を支持する内枠と、
前記内枠の外側を覆う外枠と、を有する戸車であって、
前記内枠の側面部は、前記連結板の側板部の全体が前記内枠の前記側面部と干渉しない逃げ部を有し、
前記連結板の
前記側板部と前記内枠の
前記側面部は、前記戸車の厚み方向と直交する方向から見て、互いに重なるように配置されている、戸車。
【請求項2】
前記内枠は、前記車輪を両側から挟むように配置される一対の前記側面部と、一対の前記側面部を連結する天井部とを有する、請求項1
に記載の戸車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、引き違い窓や引き戸等の建具において戸車が使用されている。建具が重量を有する場合は、複数の車輪を有する戸車が使用される(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
図9は、2つの車輪101、102を有する従来の戸車100を底面側から見た図である。2つの車輪101、102は、連結板103に回転可能に支持されている。連結板103は、車輪101、102を両側から挟むように支持している。
【0004】
連結板103の外側に内枠104が設けられている。内枠104は、連結板103を両側から挟むように配置され、図示されていない回転軸を中心にして、連結板103を回転可能に支持している。これにより、連結板103は、建具のレールの凹凸に追従して、回転軸を中心にしてシーソーのように揺動することができる。
【0005】
また、内枠104の外側には、内枠104を両側から覆うように、外枠105が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、建物のリフォームにおいて、サッシ窓を、より高機能な複層ガラスを使用したサッシ窓に取り換えるニーズが高まっている。複層ガラスを使用したサッシ窓は、通常のサッシ窓に比べて重量があるため、図9に示した構造の複数の車輪101、102を有する戸車100が使用される。
【0008】
しかしながら、この従来の戸車100は、重量のあるサッシ窓を支えるために、内側から連結板103、内枠104、外枠105の3重構造を有し、それぞれの厚みが積層されているため、戸車100の幅(厚み)が大きいものとなっている。このため、このような戸車は、レール間隔が狭い既設の窓枠にそのまま使用することができなかった。
【0009】
戸車の幅を小さくするためには、車輪の幅や連結板、内枠、外枠の各部品の厚みを小さくする必要がある。しかし、車輪は、レールと係合するフランジを確保する必要があるため、幅を小さくすることができない。また、連結板、内枠、外枠の各部品の厚みを小さくすると、強度不足を招く問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、車輪の幅や各部品の厚みを変えることなく、全体の厚みを小さくすることができる戸車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明に係る戸車は、複数の車輪(例えば、後述の車輪2)を回転可能に支持する連結板(例えば、後述の連結板3)と、前記連結板を支持する内枠(例えば、後述の内枠4)と、前記内枠の外側を覆う外枠(例えば、後述の外枠5)と、を有する戸車(例えば、後述の戸車1)であって、前記連結板の側板部(例えば、後述の側板部31)と前記内枠の側面部(例えば、後述の側面部41)が、前記戸車の厚み方向の同じ位置に配置されているものである。
【0012】
(2) (1)に記載の戸車において、前記内枠の前記側面部は、前記連結板の前記側板部に対する逃げ部(例えば、後述の逃げ部44)を有することが好ましい。
【0013】
(3) (1)又は(2)に記載の戸車において、前記内枠は、前記車輪を両側から挟むように配置される一対の前記側面部と、一対の前記側面部を連結する天井部(例えば、後述の天井部42)とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車輪の幅や各部品の厚みを変えることなく、全体の厚みを小さくすることができる戸車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る戸車を示す側面図である。
【
図2】
図1中の(ii)-(ii)線に沿う断面図である。
【
図4】
図1に示す戸車の外枠を展開した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示す戸車における高さ調整の様子を示す側面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る戸車の外枠を展開した状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す戸車における連結板と内枠との連結部位を示す断面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る戸車の外枠を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図9】2つの車輪を有する従来の戸車の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る戸車を示す側面図であり、
図2は、
図1中の(ii)-(ii)線に沿う断面図であり、
図3は、
図1に示す戸車の底面図であり、
図4は、
図1に示す戸車の外枠を展開した状態を示す斜視図である。
【0017】
本実施形態に示す戸車1は、2つの車輪2(前方車輪2aと後方車輪2b)と、連結板3と、内枠4と、外枠5と、高さ調整ネジ6とを有している。なお、戸車1において、前後は、2つの車輪2のうちの前方車輪2aが配置される側を「前」、後方車輪2bが配置される側を「後」とする。また、戸車1の上下は、
図1に示す戸車1を基準にして、図示上側を「上」、図示下側を「下」とする。更に、戸車1の側方は、車輪2の回転軸に沿う方向とする。
【0018】
車輪2は、従来同様のフランジを有する車輪であり、回転軸21が連結板3に回転可能に支持されている。
【0019】
連結板3は、一対の側板部31、31と、連結部32と、一対の突出板部33、33とを有する。一対の側板部31、31は、間に2つの車輪2、2を挟むように互いに平行に配置され、車輪2、2の両側面において各回転軸21、21を回転可能に支持している。連結部32は、側板部31、31の中央部(前方車輪2aと後方車輪2bの間)の下側において、両側板部31、31を連結するように設けられている。一対の突出板部33、33は、各側板部31、31の中央部(前方車輪2aと後方車輪2bの間)からそれぞれ上方に向けて突出している。これにより、連結板3は、側面視逆T字型に形成されている。一対の突出板部33、33に亘って、連結板3がシーソーのように揺動する際の軸となる揺動軸34が設けられている。
【0020】
一対の突出板部33、33は、
図2に示すように、互いとの間隔を狭めるように、屈曲部33a、33aによって、側板部31、31に対して内側に変位するように形成されている。これにより、突出板部33、33同士の間隔は、側板部31、31同士の間隔に比べて狭くなっている。突出板部33、33の側板部31、31に対する内側への変位量は、後述する内枠4(側面部41、41)の板厚と同程度とされている。
【0021】
内枠4は、後方車輪2bと連結板3の一対の突出板部33、33とを間に挟むように配置されている。具体的には、内枠4は、一対の側面部41、41と、天井部42と、後面部43とを有し、後方車輪2bの回転軸21よりも後方側から一対の突出板部33、33に亘る側方、上方及び後方を覆っている。
【0022】
一対の側面部41、41は、後方車輪2bの回転軸21よりも後方側から突出板部33、33を挟むように互いに平行に配置され、これらの側方を覆っている。側面部41の板厚は、連結板3の側板部31の板厚とほぼ同じである。
【0023】
天井部42は、側面部41、41の上端部間を一体に連結することにより、後方車輪2bから突出板部33、33の上方を覆っている。側面部41、41と天井部42は、一枚板を天井部42となる所定幅の帯状部分を残して、両端を直角に折り曲げることによって形成されている。中央の帯状部分が天井部42となり、折り曲げられた両端部分がそれぞれ側面部41、41となる。
【0024】
天井部42は、内枠4のほぼ全長に亘って形成されている。内枠4は、天井部42によって側面部41、41の上端部間が一体に連結されるので、側面部41、41の撓み変形が抑制され、内枠4の強度が確保される。
【0025】
後面部43は、側面部41、41の後端部がそれぞれ内側に直角に折り曲げられて互いに重ね合されることによって形成され、後方車輪2bの後方を覆っている。この後面部43は、後述する高さ調整ネジ6の先端面61が当接する部位としても機能する。
【0026】
内枠4の前方端部4aは、連結板3の一対の突出板部33、33を外側から挟むように配置され、突出板部33、33間に亘って設けられた揺動軸34を回転可能に支持している。これにより、連結板3は、内枠4に対して揺動可能に支持される。
【0027】
ここで、内枠4の側面部41は、全体として平板状に形成されている。この内枠4の前方端部4aによって挟まれる一対の突出板部33、33は、内枠4の側面部41、41の板厚と同程度だけ、側板部31、31に対して内側へ変位している。このため、
図2及び
図3に示すように、連結板3の側板部31、31と、内枠4の側面部41、41は、戸車1の厚み方向(
図2の左右方向、
図3の上下方向)と直交する方向(
図2、
図3の紙面に対して垂直方向)から見て、互いに重なるように配置される。
【0028】
なお、互いに重なるとは、戸車1の厚み方向と直交する方向から見て、連結板3の側板部31と内枠4の側面部41との少なくとも一部が重なっていればよく、両者が完全に一致するように重なるものに限定されない。
【0029】
内枠4の側面部41、41は、連結板3の側板部31、31に対して、戸車1の厚み方向と直交する方向から見て互いに重なるように配置されるため、連結板3の側板部31、31との干渉を避けるように、連結板3の側板部31、31に対する逃げ部44、44をそれぞれ有している。逃げ部44、44は、側板部31、31の後方側から突出板部33、33に亘って、連結板3との間にある程度の隙間が形成されるように側面部41、41を切り欠くことによって形成されている。これにより、連結板3は、内枠4と干渉することなく、揺動軸34を中心にシーソーのように揺動可能である。このため、戸車1の2つの車輪2a、2bは、建具レールに凹凸があっても障子の荷重を常に両輪に分担して支え、安定して走行することができる。
【0030】
内枠4の側面部41、41には、それぞれ係合凸部45が設けられている。係合凸部45、45は、後述する高さ調整時の内枠4の移動の支点となる部位である。
【0031】
また、内枠4の天井部42の後端部には、天井部42が後方に延長された延長板部46が形成されている。延長板部46は、内枠4の後面部43よりもやや後方に突出している。
【0032】
外枠5は、連結板3及び連結板3を支持している内枠4の外側を覆うように取り付けられている。具体的には、外枠5は、一対の側壁部51、51と、上壁部52と、後壁部53とを有する。
【0033】
側壁部51、51は、内枠4の全体と、連結板3の一部を覆うように配置されている。側壁部51、51は、後方車輪2bの回転軸21の周囲を露出させる逆U字型の切り欠き部54、54をそれぞれ有している。
【0034】
また、側壁部51、51には、それぞれ係合溝55が形成されている。係合溝55、55は、内枠4の係合凸部45、45と係合している。
【0035】
上壁部52は、側壁部51、51の上端部間を一体に連結している。側壁部51、51と上壁部52は、一枚板を上壁部52となる所定幅の帯状部分を残して、両端を直角に折り曲げることによって形成されている。中央の帯状部分が上壁部52となり、折り曲げられた両端部分がそれぞれ側壁部51、51となる。
【0036】
上壁部52の内面には、内枠4の天井部42に向けて突出する凸部52aが形成されている。凸部52aは、内枠4の前方端部4aの上方に配置している。外枠5の内側に収容された内枠4の天井部42は、外枠5の上壁部52に最も近接した際(戸車1の高さが最も低くなった際)、この凸部52aと当接する。これにより、内枠4の天井部42と外枠5の上壁部52との間には、凸部52aの突出高さ分の隙間が形成されるようになっている。
【0037】
後壁部53は、側壁部51、51の後端部がそれぞれ内側に直角に折り曲げられ、互いに重ね合されることによって形成されている。後壁部53の上部には、
図4に示すように、高さ調整ネジ6が取り付けられるネジ穴56が形成されている。
【0038】
高さ調整ネジ6は、後壁部53のネジ穴56に螺合している。高さ調整ネジ6の先端面61は、内枠4の後面部43に当接している。
【0039】
ここで、戸車1の高さ調整について
図5を用いて簡単に説明する。高さ調整ネジ6が押し込まれる方向に回動操作されると、高さ調整ネジ6が内枠4の後面部43の上部を押圧する。これにより、内枠4は、
図5に示すように、外枠5の係合溝55に係合した係合凸部45を中心して反時計方向に回動する。内枠4の回動により、揺動軸34の位置が徐々に下方に移動し、連結板3に支持された2つの車輪2、2の位置が外枠5に対して下方に移動する。これにより、戸車1の高さが高くなるように調整される。戸車1の高さを低くする場合は、高さ調整ネジ6を反対方向に回動操作すればよい。
【0040】
内枠4が係合凸部45を中心にして
図5に示す反時計方向に回動する際、内枠4の後端側が僅かに上方に移動する。しかし、内枠4の天井部42と外枠5の上壁部52との間は、凸部52aの高さ分の隙間を有するため、内枠4の回動時に外枠5の上壁部52と干渉することはない。また、内枠4が反時計方向に回動すると、やがて、内枠4の後端側の延長板部46が外枠5の上壁部52の内面に当接する。このため、内枠4の過度の回動が規制される。
【0041】
以上のように構成される戸車1は、連結板3の側板部31と内枠4の側面部41とが、戸車1の厚み方向と直交する方向から見て、互いに重なり合うように配置されているため、連結板3と内枠4とを組み付けた状態の厚みは、1部品分の厚みで済む。従って、この戸車1によれば、従来同様に連結板3、内枠4及び外枠5の3部品を有するものでありながらも、車輪2、2の幅や連結板3、内枠4及び外枠5の各部品の厚みを変更することなく、全体の厚みを小さくすることができる。戸車1は、従来同様に、連結板3、内枠4及び外枠5の3部品を有するため、重量のある建具を支持する場合でも十分な強度が確保される。また、2つの車輪2、2のシーソー機能や高さ調整機能も従来同様に確保される。このため、建物のリフォームにおいて、サッシ窓を複層ガラスを使用したサッシ窓に取り換える場合でも、窓枠のレール間隔を変更する必要なく、既設の窓枠をそのまま使用することができる。
【0042】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る戸車の外枠を展開した状態を示す斜視図であり、
図7は、
図6に示す戸車における連結板と内枠との連結部位を示す断面図である。
図1~
図5に示した第1実施形態に係る戸車1と同一符号の部位は、同一構成の部位であるため、それらの説明については第1実施形態の上記記載を援用し、以下では相違する構成について説明する。
【0043】
第2実施形態に示す戸車1の連結板3は、一対の側板部31、31の中央部から上方に向けて突出する突出板部33、33が、屈曲することなく、側板部31、31と同一面状に突出するように形成されている。突出板部33、33の上端部間は、連結部35によって一体に連結されている。突出板部33、33の内面には、それぞれ円筒状の揺動軸341、341が、互いに対向するように突出形成されている。
【0044】
連結部35は、内枠4の天井部42よりもやや上方に突出した位置にある。戸車1の高さが最も低くなった際、この連結部35が外枠5の上壁部52の内面と当接し、上壁部52と内枠4の天井部42との間に、連結部35の突出高さ分の隙間が形成されるようになっている。このため、外枠5には、第1実施形態における外枠5の凸部52aを形成する必要がない。
【0045】
内枠4の前方端部4aは、突出板部33、33よりも後方側に配置されている。内枠4は、この前方端部4aから更に前方に向けて突出する一対の軸受板47、47を有している。軸受板47、47は、連結板3の突出板部33、33の内側に配置され、それぞれに軸穴47a、47aが形成されている。突出板部33、33の内面に突出形成された揺動軸341、341は、各軸受板47、47の外側から軸穴47a、47aに嵌合している。これにより、連結板3は、内枠4の各軸受板47、47に揺動可能に支持されている。
【0046】
軸受板47、47は、軸受板47、47間の幅が内枠4の側面部41、41間の幅よりも狭くなるように、側面部41、41の板厚と同程度だけ、側面部41、41よりも内側へ変位して形成されている。このため、軸受板47、47によって揺動可能に支持される連結板3は、第1実施形態と同様に、内枠4の側面部41、41と、戸車1の厚み方向の同じ位置に配置される。従って、連結板3の側面(側板部31、31の表面)と内枠4の側面(側面部41、41の表面)とは、面一状に配置されるので、この戸車1も、第1実施形態に係る戸車1と同様の効果が奏される。また、連結板3は、揺動軸341、341を内枠4の軸受板47、47の軸穴47a、47aに、突出板部33及び/又は軸受板47、47を弾性変形させて嵌合させるだけで取り付けられるため、戸車1の組立てが容易である。
【0047】
図6中の符号48は、高さ調整時の内枠4の移動範囲を規制するためのガイド凸部である。また、
図6中の符号56は、内枠4の係合凸部45と係合し、内枠4を回転可能に支持するための係合穴である。更に、符号57は、外枠5に設けられたガイド穴である。ガイド穴57は、内枠4のガイド凸部48と係合し、高さ調整ネジ6が回動操作された際に、係合凸部45を中心に回動する内枠4のガイド凸部48の移動範囲を規制する。このため、内枠4には、第1実施形態における内枠4の延長板部46を形成する必要がない。
【0048】
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係る戸車の外枠を取り外した状態を示している。
図1~
図7に示した第1実施形態及び第2実施形態に係る戸車1と同一符号の部位は、同一構成の部位であるため、それらの説明については第1実施形態及び第2実施形態の上記記載を援用し、以下では相違する構成について説明する。
【0049】
第3実施形態は、第2実施形態に示す戸車1の内枠4の一対の軸受板47、47に、連結板3の突出板部33、33に亘って設けられた1本の揺動軸34が貫通して回動可能に支持されている点で、第2実施形態に係る戸車1と相違している以外、第2実施形態に係る戸車1と同様の構成を有する。従って、第3実施形態に係る戸車も、第1実施形態に係る戸車1と同様の効果が奏される。
【0050】
[その他の実施形態]
第1実施形態に係る戸車1において、連結板3の突出板部33、33と内枠4との揺動軸34における連結構造は、突出板部33、33を側板部31、31と面一状に形成し、内枠4の前方端部4aを突出板部33、33の内側に配置する構成としてもよい。この場合、内枠4の前方端部4aにおける側面部41、41が、突出板部33、33の厚み分だけ内側に変位するように形成され、突出板部33、33が、側板部31、31と面一状に形成される。
【0051】
また、第2実施形態及び第3実施形態に係る戸車1において、連結板3の突出板部33、33を、第1実施形態の場合と同様に内側に変位するように形成し、その突出板部33、33の外側に、突出板部33、33を挟むように軸受板47、47を配置する構成としてもよい。
【0052】
更に、以上の実施形態では、2つの車輪2a、2bを有する戸車1を例示したが、車輪の数は複数であればよく、2つに限定されない。例えば、連結板に支持される2つの車輪の他に、1つの車輪を設けた3輪構造であってもよいし、2つの車輪を有する連結板を2組設けた4輪構造であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 戸車
2 車輪
3 連結板
4 内枠
5 外枠
31 側板部
41 側面部
42 天井部
44 逃げ部