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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018012927
(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公開番号】P2019132616
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】橋元 進一
(72)【発明者】
【氏名】内野 智朗
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139552(JP,A)
【文献】特開2016-133424(JP,A)
【文献】実開昭62-146929(JP,U)
【文献】実開平07-038927(JP,U)
【文献】実開昭61-005431(JP,U)
【文献】米国特許第06493605(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップコーンを振動させて前記トップコーン上に供給される被計量物を、放射状に分散搬送する分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に配置されて、前記トップコーンからの前記被計量物を外方に向けてそれぞれ搬送する複数のリニアフィーダとを備える組合せ秤であって、
前記分散フィーダにおける前記トップコーンの傾斜表面に間隔を空けて対向する均し部材と、
前記均し部材を、前記分散フィーダの中心周りに旋回駆動する駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記分散フィーダの中心と同心で回動する回動リングと、駆動モータに連結された駆動ギヤとを備え、前記均し部材が、前記回動リングに連結されており、前記回動リングは、その外周にギヤを有し、前記回動リングの前記ギヤが、前記駆動ギヤに噛合い連動されている、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記回動リングと同心に固定配置されたガイドリングを備え、
前記回動リングは、周方向の複数個所に遊転ローラを有し、
前記ガイドリングは、複数の前記遊転ローラを介して前記回動リングの回動を案内する、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記均し部材は、前記分散フィーダの前記トップコーンの傾斜表面に対向して前記トップコーンの外周側へ延びる延出部を有する、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記均し部材の前記延出部は、前記トップコーンの前記傾斜表面へ向かって突出する少なくとも1つの突起部を有し、
前記突起部の先端が、前記トップコーンの傾斜表面に対向する、
請求項3に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記分散フィーダの前記トップコーンは、中心側に急傾斜コーン部を有すると共に、外周側に緩傾斜コーン部を有し、
前記均し部材の前記突起部が、前記緩傾斜コーン部の傾斜表面に対向する、
請求項4に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜類やその他の食品等の各種の被計量物を所定量ずつ計量する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、組合せ秤では、計量する被計量物を、組合せ秤の上部中央の分散フィーダに供給し、分散フィーダによって被計量物を外方に振動搬送して、分散フィーダの周囲に放射状に配設した複数のリニアフィーダによって更に外方に振動搬送し、各リニアフィーダに対応して配設された各供給ホッパにそれぞれ供給する。各供給ホッパは、対応する各計量ホッパに被計量物を排出し、各計量ホッパで被計量物の重量が計量される。計量された計量ホッパの被計量物の重量に基づいて、組合せ演算を行って、被計量物の重量が所定重量範囲となる計量ホッパの組合せである適量組合せを選択する。選択された適量組合せの計量ホッパから被計量物を排出し、集合シュートを介して下方の包装装置等へ投入する。
【0003】
かかる組合せ秤においては、各計量ホッパに適量の被計量物が供給されることが望まれるのであるが、被計量物の種類によっては、被計量物同士が絡まって塊になって分散フィーダからリニアフィーダに送り込まれることがある。このような塊が、供給ホッパを介して計量ホッパに供給されると、被計量物の重量が所定重量範囲となる計量ホッパの適量組合せが成立しにくくなり、計量速度が低下したり、組合せ精度が低下して歩留まりが悪くなる。
【0004】
そこで、リニアフィーダ上における被計量物の搬送を均一化する手段が種々提案されている。例えば、特許文献1では、分散フィーダにおけるトップコーンを旋回駆動すると共に、トップコーンの外周部に棒材からなるほぐし部材を放射状に取付けてリニアフィーダの上方に延出し、トップコーンを自転旋回させることでトップコーン上の被計量物を遠心力で外方へ分散移動させると共に、ほぐし部材をトップコーンと一体に回動させることで、リニアフィーダ上で被計量物をほぐすように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-217720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、分散フィーダのトップコーンの外周部に取り付けたほぐし部材を、トップコーンと一体に回動させるので、リニアフィーダ上で被計量物をほぐすには有効であるが、トップコーン上の被計量物を、リニアフィーダへ均等に送り出すには、十分とはいえない場合があった。
【0007】
被計量物が、例えば千切りキャベツなどのカット野菜やモヤシのような細長く絡まりやすい被計量物の場合には、分散フィーダの中央部に供給された被計量物が、分散フィーダのトップコーン上で山なりに盛上がってほぐしにくくなると共に、山なりとなった被計量物が、周方向で不均一に崩れて一部のリニアフィーダに纏まって絡み易い状態で送り出されてしまうことがある。
【0008】
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、分散フィーダのトップコーン上の被計量物を、リニアフィーダへ略均等に搬送できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る組合せ秤は、トップコーンを振動させて前記トップコーン上に供給される被計量物を、放射状に分散搬送する分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に配置されて、前記トップコーンからの前記被計量物を外方に向けてそれぞれ搬送する複数のリニアフィーダとを備える組合せ秤であって、
前記分散フィーダにおける前記トップコーンの傾斜表面に間隔を空けて対向する均し部材と、前記均し部材を、前記分散フィーダの中心周りに旋回駆動する駆動機構とを備え、前記駆動機構は、前記分散フィーダの中心と同心で回動する回動リングと、駆動モータに連結された駆動ギヤとを備え、前記均し部材が、前記回動リングに連結されており、前記回動リングは、その外周にギヤを有し、前記回動リングの前記ギヤが、前記駆動ギヤに噛合い連動されている
【0011】
本発明によると、上方から供給された被計量物は、略円錐状(コーン状)のトップコーンの傾斜表面に沿って外方へ移動しながら、旋回移動する均し部材による均し作用を受けるので、トップコーン上で山なりに盛上がろうとする被計量物が、山の裾の部分で崩されると共にほぐされ、山なりに盛上がることなくトップコーンの全周に分散されて、周囲の複数のリニアフィーダへ略均等に搬送される。
また、回動リングにおける周方向の任意の個所に任意の個数の均し部材を取付けることができる。
前記回動リングの前記ギヤは、前記駆動ギヤに、直接噛合い連動されてもよいし、間接的に噛合い連動されてもよい。
本発明によると、周方向の一箇所に配備した駆動モータによって、回動リングを容易に回動駆動することができる。
【0014】
)本発明の他の実施態様では、前記駆動機構は、前記回動リングと同心に固定配置されたガイドリングを備え、前記回動リングは、周方向の複数個所に遊転ローラを有し、前記ガイドリングは、複数の前記遊転ローラを介して前記回動リングの回動を案内する。
【0015】
この実施態様によると、回動リングの回動の中心に支軸等を備えることなく、均し部材を分散フィーダの中心周りに旋回駆動することができるので、前記回動の中心側である分散フィーダの中心側に、該分散フィーダへの被計量物の供給路を大きく確保しながら、均し部材を旋回駆動することができる。
【0019】
)本発明の一実施態様では、前記均し部材は、前記分散フィーダの前記トップコーンの傾斜表面に対向して前記トップコーンの外周側へ延びる延出部を有する。
【0020】
この実施態様によると、トップコーン上で山なりに盛上がろうとする被計量物を、トップコーンの傾斜表面に対向してトップコーンの外周側へ延びる延出部の旋回移動によって、山の裾の部分を崩すと共にほぐして、被計量物が山なりに盛上がるのを阻止して、トップコーンの外周側へ搬送することができる。
【0021】
)本発明の他の実施態様では、前記均し部材の前記延出部は、前記トップコーンの前記傾斜表面へ向かって突出する少なくとも1つの突起部を有し、前記突起部の先端が、前記トップコーンの傾斜表面に対向する。
【0022】
均し部材の延出部は、トップコーンの傾斜表面に対向しつつ、トップコーンの外周側へ一定の距離に亘って延びているので、延出部を、トップコーンの傾斜表面に近接させ過ぎると、旋回移動する延出部によって被計量物にかかる荷重の負担が大きくなる。
【0023】
この実施態様によると、延出部は、トップコーンの傾斜表面へ向かって突出する突出部を有しているので、トップコーンの外周側へ延びている延出部を、トップコーンの傾斜表面に過度に近接させなくても、突出部によって被計量物を均すことができる。
【0024】
)本発明の更に他の実施態様では、前記分散フィーダの前記トップコーンは、中心側に急傾斜コーン部を有すると共に、外周側に緩傾斜コーン部を有し、前記均し部材の前記突起部が、前記緩傾斜コーン部の傾斜表面に対向する。
【0025】
この実施態様によると、トップコーンの中心上方から供給された被計量物は、急傾斜コーン部の急な傾斜表面に沿って下方へ速やかに滑落移動するので、大きく絡まることなく、緩傾斜コーン部へ達する。
【0026】
緩傾斜コーン部では、滑落移動して来る被計量物の下方への勢いが減じられるために、被計量物は、緩傾斜コーン部付近を裾として山なりに盛上がろうとするが、旋回移動する均し部材の突起部によって、前記裾の部分を崩すように均されると共に、ほぐされることになり、被計量物が山なりに盛上がることなく、トップコーンの全周から外方のリニアフィーダへ送り出される。また、緩傾斜コーン部においては、被計量物の外方への移動速度が遅くなるので、均し部材による均し作用を十分に被計量物に与えることができる。
【発明の効果】
【0027】
このように、本発明によれば、分散フィーダに供給された被計量物が、山なりに盛上がるのを阻止して、被計量物を、分散フィーダの周囲のリニアフィーダへ略均等に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
図2図2図1の組合せ秤の正面図である。
図3図3図1の組合せ秤の側面図である。
図4図4図1の組合せ秤の平面図である。
図5図5は均し装置の平面図である。
図6図6図5におけるA-A断面図である。
図7図7図5におけるB-B断面図である。
図8図8は均し装置の分解斜視図である。
図9図9は均し部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1に、組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図が、図2に組合せ秤の正面図が、図3に組合せ秤の側面図が、また、図4に組合せ秤の平面図が、それぞれ示されている。
【0031】
この実施形態の組合せ秤は、例えば、野菜類や菓子類などの各種の被計量物を所定量ずつ計量して排出するものであって、フレーム1上に支持され、計量された被計量物を下方に設置した包装装置(図示せず)に投入して袋詰めする生産ラインなどに利用される。
【0032】
フレーム1の上面には、中央部が大きく上下に貫通開口すると共に、平面形状がコの字形に形成された中空の基台2が設けられ、この基台2の上方に、中空短柱形のセンター基体3が脚4を介して支持されている。
【0033】
センター基体3の上部中央には、供給コンベヤ5の終端から落下供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる分散フィーダ6が装備されている。この分散フィーダ6の周囲に、分散搬送された被計量物を振動によって外方に向けて直進搬送する多数のリニアフィーダ7が、放射状に配備されている。
【0034】
更に、センター基体3の外周部には、各リニアフィーダ7からの被計量物を一旦貯留して排出する供給ホッパ8と、各供給ホッパ8から排出された被計量物を計量する計量ホッパ9とが配設されている。これらリニアフィーダ7、供給ホッパ8、及び、計量ホッパ9を一連とする多数連(この例では14連)の計量ユニットによって被計量物の組合せ計量が行われる。
【0035】
各計量ホッパ9の下方には、計量ホッパ9から排出された被計量物を集める集合シュート10が配備されている。この集合シュート10の下端部には、図1に示すように、集合シュート10から滑落してきた被計量物をセンター基体3の中心下方に集める集合ファネル11が配備されている。更に、集合ファネル11の下方に、集合ファネル11で集められた被計量物を一旦受け止め貯留し、下方の包装装置(図示せず)からの排出命令に基づいて排出する集合ホッパ12が配備されている。
【0036】
図1に示すように、分散フィーダ6は、図9に示す中心側に急傾斜コーン部13a、外周側に緩傾斜コーン部13bを備えた2段テーパーコーン形のトップコーン13と、これを振動駆動する電磁式の加振機構14とを備えている。加振機構14は、センター基体3の内部に配備されたフレーム板15の中央に設置されている。なお、加振機構14は、重量センサ16を介してフレーム板15上に支持されており、この重量センサ16によって分散フィーダ6上の被計量物の重量を検知する。この検知した分散フィーダ6上の被計量物の重量に基づいて、上記供給コンベヤ5がオン/オフ制御されて、分散フィーダ6上に常に設定範囲内の重量の被計量物が供給されるようになっている。
【0037】
リニアフィーダ7は、内外方向に向かう樋形のトラフ(フィーダパン)20と、これを振動駆動する電磁式の加振機構21とを備えている。各リニアフィーダ7の加振機構21は、分散フィーダ6の加振機構14をとり囲むようにフレーム板15上に設置されている。
【0038】
センター基体3の外周部には、供給ホッパ8及び計量ホッパ9のゲート開閉用の駆動機構、及び、計量ホッパ9内の被計量物の重量を計測する重量センサ、等を組み込んだ駆動ユニット22が配設されている。この駆動ユニット22の外方露出箇所に、供給ホッパ8及び計量ホッパ9がフック方式で脱着可能に装着支持されている。なお、供給ホッパ8及び計量ホッパ9の各ゲートは、駆動ユニット22にピン係合方式で連動連結されており、ホッパ脱着に伴ってピン係合部が係脱されるようになっている。
【0039】
なお、分散フィーダ6の中心上方には、供給コンベヤ5の終端出口から投下されてきた被計量物の拡がりを抑えて分散フィーダ6の中心部に導く供給ファネル23が配備されている。この供給ファネル23が、後述する均し装置30を支持する支柱31に連結支持されている。
【0040】
この実施形態では、分散フィーダ6の中央部に供給された被計量物が山なりに盛上がらないように均して、リニアフィーダ7へ被計量物を略均等に搬送できるように、均し装置30をセンター基体3から立設された4本の支柱31に装備している。
【0041】
図5に、この均し装置30の平面図が、図6図5におけるA-A断面図が、図7図5におけるB-B断面図がそれぞれ示されている。また、図8に、均し装置30の分解斜視図が示されている。
【0042】
各支柱31の上部には、支持アーム32が内向き水平に取り付けられ、これら支持アーム32群の先端部に亘ってリングフレーム33が連結支持されている。リングフレーム33は、一定の上下間隔をもって対向配備された上部リングフレーム34と下部リングフレーム35とを、周方向複数個所においてスペーサ36で連結して構成されている。また、上部リングフレーム34と下部リングフレーム35との間の空隙が、上部リングフレーム34と下部リングフレーム35とに亘って溶接された帯板状のカバー37によって外側から覆われている。
【0043】
前記上部リングフレーム34と下部リングフレーム35との間に、扁平な回動リング38が配備されている。回動リング38における周方向複数個所(この例では6箇所)の下面には、滑り性に優れた硬質の合成樹脂材からなるスライド部材39が連結され、このスライド部材39が、下部リングフレーム35の上面に摺接移動可能に載置されている。
【0044】
更に、回動リング38における周方向複数個所(この例では3箇所)の上面に、縦軸心で回動する遊転ローラ40が装着されると共に、上部リングフレーム34の上面に、内周が分散フィーダの中心pと同心の円形に形成されたガイドリング41が連結されている。そして、3個の前記遊転ローラ40がガイドリング41の内周に転動案内されることで、回動リング38が下部リングフレーム35の上面に沿って分散フィーダ6の中心p周りに回動可能に支持されている。
【0045】
リングフレーム33における周方向の一部が外方に突出されて、ここに回動リング38を駆動する駆動部42が装備されている。この駆動部42においては、下部リングフレーム35の突出部35aに、複数のステー43を介して支持板44が水平に連結固定されると共に、この支持板44の上面に、縦軸心で回動する減速機付きの駆動モータ45が連結支持されている。駆動モータ45の回転軸45aが、支持板44を貫通して下向きに突出され、この回転軸45aに駆動ギヤ46が連結されている。そして、この駆動ギヤ46と回動リング38の外周に形成されたギヤ47とが、前記突出部35aの上面に遊転自在に軸支された中間ギヤ48を介して噛合い連動されている。これによって、駆動モータ45の回転作動によって回動リング38が分散フィーダ6の中心p周りに回動駆動されるようになっている。
【0046】
なお、上部リングフレーム34の突出部34aには、駆動モータ45を覆う箱形のカバー49が取り付けられている。
【0047】
上記のように回動駆動される回動リング38の周方向複数個所(この例では3箇所)の上面に、均し部材50が分散フィーダ6の中心pに向かう片持ち状にボルト連結されている。均し部材50は、厚さが、例えば数mmのステンレス鋼板材を、レーザーカット加工などによって屈折形成したものである。
【0048】
この均し部材50は、図8及び図9に示すように、回動リング38の上面へボルト連結するための幅広扁平の連結部50aと、連結部50aから内方へ延びるアーム部50bと、アーム部50bの先端部から屈折延出された延出部50cと、延出部50cからトップコーン13に向けて突出する2本の突起部50d,50dとを備えている。
【0049】
延出部50cは、分散フィーダ6におけるトップコーン13の各コーン部13a,13bの傾斜表面に対向するように、トップコーン13の外周側へ延びる外向き片持ち状となっている。2本の突起部50d,50dは、分散フィーダの中心pからの距離が異なり、延出部50cからトップコーン13の傾斜表面に近接する方向である、斜め下向きに互いに平行にそれぞれ突出している。これら各突起部50d,50dの先端とトップコーン13における緩傾斜コーン部13bの傾斜表面との間隔が、それぞれ一定となるように設定されている。この間隔は、被計量物の種類等に応じて設定してもよく、被計量物が千切りキャベツ等の場合には、例えば、5mm~10mm程度とされる。
【0050】
この実施形態では、均し部材50が連結される回動リング38、回動リング38の回動を案内するガイドリング41、それらを支持するリングフレーム33、及び、回動リング38を駆動する駆動部42等によって、均し部材50を旋回駆動する駆動機構が構成されている。
【0051】
なお、図4図5に示すように、支持アーム32に上面には、分散フィーダ6の中心pに向けて片持ち状にスクレーパ51が取り付けられている。このスクレーパ51によって、均し部材50と共に移動した被計量物を受止めてほぐすことができる。
【0052】
この実施形態の組合せ秤では、供給コンベヤ5の終端から落下排出された被計量物は、供給ファネル23で案内されて分散フィーダ6の中央部に落下供給され、供給された被計量物は、振動によって放射状に分散搬送されると共に、均し装置30による均し作用を受ける。
【0053】
分散フィーダ6の中心p付近の急傾斜コーン部13aの上方には、被計量物の供給を妨げるような部材は存在しない。これによって、上方から供給される被計量物が、前記部材にぶつかって、分散フィーダ6へ偏って供給されるといったことがない。
【0054】
分散フィーダ6におけるトップコーン13の中心部に供給された被計量物は、急傾斜コーン部13aの急な傾斜表面に沿って下方に滑落して、緩傾斜コーン部13bへ移動する。
【0055】
緩傾斜コーン部13bにおいて、例えば千切りキャベツなどのカット野菜やモヤシのような細長く絡まりやすい被計量物は、山なりに盛上がろうとするが、
旋回移動する均し部材50によって、山の裾の部分が崩されると共に、ほぐされ、山なりにならないように均される。これによって、分散フィーダ6のトップコーン13上で山なりに盛上がった被計量物が、周方向で不均一に崩れて、一部のリニアフィーダ7へ纏まって搬送されるのを阻止することができる。すなわち、被計量物を、トップコーン13の全周に亘って略均等にリニアフィーダ7へ搬送することができる。この際、緩傾斜コーン部13bにおいては、被計量物の外方への移動速度が遅くなり、均し部材50による均し作用を十分に被計量物に与えることができる。
【0056】
なお、均し部材50の旋回速度は、被計量物の種類などに応じて任意に設定することができ、千切りキャベツ等の被計量物では、例えば、1分間に10回程度旋回作動させることが好ましい。
【0057】
また、支柱31に対して支持アーム32の取付け高さを調節することで、分散フィーダ6のトップコーン13に対する均し部材50の作用高さを変更調節することができる。
【0058】
分散フィーダ6からリニアフィーダ7に送り出された被計量物は、振動搬送されて供給ホッパ8に供給されて一時貯留され、その後、計量ホッパ9に供給されて計量される。計量された計量ホッパ9の被計量物の重量に基づいて、組合せ演算を行い、計量ホッパ9の被計量物の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲の計量ホッパ9の組合せである適量組合せを選択する。選択された適量組合せの計量ホッパ9から被計量物を排出し、集合シュート10及び集合ファネル11を介して集合ホッパ12に一時貯留し、包装装置からの排出命令に応答して集合ホッパ12から被計量物を排出して包装装置へ投入する。
【0059】
この実施形態によれば、分散フィーダ6から各リニアフィーダ7へ被計量物を略均等に搬送することができるので、各供給ホッパ8を介して各計量ホッパ9へ略均等に被計量物を供給することがきる。これによって、一部の計量ホッパ9へ過量の被計量物が供給されて、組合せ演算で計量ホッパ9の適量組合せが成立しにくくなって、計量速度が低下したり、組合せ精度が低下するのを防止することができる。
【0060】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0061】
(1)均し部材50の形状は、被計量物に応じて適宜設定することができ、例えば、トップコーン13の径方向に長い棒状の均し部材50をトップコーン13の傾斜表面と平行に配置して旋回移動させてもよい。
【0062】
均し部材50の突起部50dの数は、上記2本に限らず、3本以上としてもよく、また、突起部50dを省略してもよい。
【0064】
)均し部材50の連結部50aと回動リング38の上面との間に、各種厚さのシムを介在させることで、複数の均し部材50の作用高さを個別に調節することができる。
【0065】
)均し部材50は一定方向に連続回動させる他に、例えば、被計量物の種類によっては、一定の周期で反転回動させてもよい。また、均し部材50を間欠的に回動させてもよい。
【0066】
)上記実施形態では、図7に示すように、回動リング38の下面にスライド部材39を連結し、回動リング38の回動に伴なってスライド部材39を、下部リングフレーム35上を摺接移動させるので、スライド部材39の摺接面が摩耗する。本発明の他の実施形態として、スライド部材39に代えて、例えば、車輪やボールローラなどの転動部材を、回動リング38の下面に連結して転動移動させるようにしてもよい。あるいは、図6に示される遊転ローラ40を軸方向(図6の上下方向)に長くして、その上部に、上方が大径となるテーパ部分を有するテーパ付き遊転ローラとする一方、ガイドリング41を厚くして、その内周側の上端部を、テーパ付き遊転ローラのテーパ面に、下方から係合するようにテーパ状に面取りすることによって、テーパ付き遊転ローラを、ガイドリングによって下方から支持して案内するように構成し、スライド部材39を省略してもよい。
【符号の説明】
【0067】
6 分散フィーダ
7 リニアフィーダ
8 供給ホッパ
9 計量ホッパ
13 トップコーン
13a 急傾斜コーン部
13b 緩傾斜コーン部
30 均し装置
38 回動リング
40 遊転ローラ
41 ガイドリング
46 駆動ギヤ
47 ギヤ
51 スクレーパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9