(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20220118BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20220118BHJP
E03C 1/23 20060101ALI20220118BHJP
A47K 1/14 20060101ALI20220118BHJP
E03C 1/22 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/05
E03C1/23 Z
A47K1/14 B
E03C1/22 C
(21)【出願番号】P 2018065448
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】板頭 伸明
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-178432(JP,A)
【文献】特開平7-173862(JP,A)
【文献】特許第4840056(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
E03C 1/05
E03C 1/23
A47K 1/14
E03C 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部を備える水栓装置であって、
給水チューブ及び配線ケーブルが内部に配置されるカバー部材と、
前記カバー部材の内部に少なくとも一部が配置されて前記カバー部材に接続される接続部材と、
水が貯留可能な貯留部に設けられた排水栓を開閉するために移動される棒状の排水操作部と、前記排水操作部が延びる方向に交差して延びると共に前記排水操作部に接続される取手と、を有する排水操作機構と、を備え、
前記接続部材の内部には、前記給水チューブ、前記配線ケーブル及び前記排水操作部それぞれが配置される配置通路が形成され、
前記取手は、前記接続部材の側面から前記カバー部材の開口部を貫通して前記接続部材の外部に突出して配置される水栓装置。
【請求項2】
前記接続部材は、断面形状の外形が円形状に形成され、
前記排水操作部の前記配置通路は、前記給水チューブ及び前記配線ケーブルが通される前記接続部材の内部において、前記接続部材の内部を前記給水チューブ及び前記配線ケーブルが配置される配置通路と区画して形成される請求項1に記載の水栓装置。
【請求項3】
前記給水チューブ及び前記配線ケーブルの前記配置通路の開口は、前記排水操作部の前記配置通路の開口よりも大きく形成される請求項1又は2に記載の水栓装置。
【請求項4】
前記排水操作部の前記配置通路は、前記配置通路が延びる方向に交差する方向の断面形状が円形状に形成され、
前記給水チューブ及び前記配線ケーブルの前記配置通路は、前記配置通路が延びる方向に交差する方向の断面形状が、前記排水操作部の前記配置通路の断面形状の円形状に沿うように略C字状に湾曲した長穴状に形成される請求項1~3のいずれかに記載の水栓装置。
【請求項5】
前記接続部材は、前記排水操作部の上方側への移動範囲を規制する規制部を有する請求項1~4のいずれかに記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シンクの底部に設けられた排水栓をポップアップ方式で操作するポップアップ棒(排水操作部)を備えた水栓装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2に記載の水栓装置においては、ポップアップ棒を、給水チューブが通された水栓カバー部材から離れた位置において、給水チューブに略平行に配置している。また、ポップアップ棒を、給水チューブに対して傾斜した状態で、水栓カバー部材の内部に挿入して配置することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4308563号公報
【文献】特許第4840056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポップアップ棒を、給水チューブに対して傾斜した状態で水栓カバー部材の内部に挿入して配置する場合には、ポップアップ棒と給水チューブが干渉して、組み付けが困難となったり、ポップアップ棒の操作をスムーズに行えない可能性がある。また、ポップアップ棒を給水チューブが通された水栓カバー部材から離れた位置に配置する場合には、水栓カバー部材の形状が複雑になりがちであり、製造しにくい形状になる可能性がある。
そのため、ポップアップ棒(排水操作部)を備える水栓装置において、簡易な構成で、シンプルな外観の水栓装置が求められている。
【0005】
本発明は、排水操作部を備え、簡易な構成で、かつ、シンプルな外観を有する水栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、吐水部(例えば、後述の吐水部5)を備える水栓装置(例えば、後述の第2自動水栓3)であって、給水チューブ(例えば、後述の給水チューブ131)及び配線ケーブル(例えば、後述の配線ケーブル132)が内部に配置されるカバー部材(例えば、後述のカバー筒体4)と、前記カバー部材の内部に少なくとも一部が配置されて前記カバー部材に接続される接続部材(例えば、後述の取付脚7)と、水が貯留可能な貯留部(例えば、後述のシンク12)に設けられた排水栓を開閉するために移動される棒状の排水操作部(例えば、後述の排水操作棒81)と、前記排水操作部が延びる方向に交差して延びると共に前記排水操作部に接続される取手(例えば、後述のレバー部82)と、を有する排水操作機構(例えば、後述のポップアップ機構8)と、を備え、前記接続部材の内部には、前記給水チューブ、前記配線ケーブル及び前記排水操作部それぞれが配置される配置通路(例えば、後述の第1配置通路701、第2配置通路702)が形成され、前記取手は、前記接続部材の側面から前記カバー部材の開口部(例えば、後述のカバー側長穴開口421)を貫通して前記接続部材の外部に突出して配置される水栓装置に関する。
【0007】
また、前記接続部材は、断面形状の外形が円形状に形成され、前記排水操作部の前記配置通路は、前記給水チューブ及び前記配線ケーブルが通される前記接続部材の内部において、前記接続部材の内部を前記給水チューブ及び前記配線ケーブルが配置される配置通路と区画して形成されることが好ましい。
【0008】
また、前記給水チューブ及び前記配線ケーブルの前記配置通路の開口は、前記排水操作部の前記配置通路の開口よりも大きく形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記排水操作部の前記配置通路は、前記配置通路が延びる方向に交差する方向の断面形状が円形状に形成され、前記給水チューブ及び前記配線ケーブルの前記配置通路は、前記配置通路が延びる方向に交差する方向の断面形状が、前記排水操作部の前記配置通路の断面形状の円形状に沿うように略C字状に湾曲した長穴状に形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記接続部材は、前記排水操作部の上方側への移動範囲を規制する規制部(例えば、後述の区画上端壁743)を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排水操作部を備え、簡易な構成で、かつ、シンプルな外観を有する水栓装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るキッチンユニットの全体斜視図である。
【
図3】第2自動水栓を後方側から見た場合の斜視図である。
【
図4】第2自動水栓の取付脚及びポップアップ機構の主要な構成を示す断面図である。
【
図5】第2自動水栓の取付脚及びポップアップ機構の主要な構成を示す斜視図である。
【
図6】
図4のA-A線断面図であって、第1配置通路及び第2配置通路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る第2自動水栓(水栓装置)は、例えばキッチンユニットのカウンターや手洗ユニットなどに設置され、人の手等の物体をセンサで検知し、その検知信号に基づいて自動的に水を吐出する装置である。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るキッチンユニット1の全体斜視図である。
図2は、第2自動水栓3を示す斜視図である。
図3は、第2自動水栓3を後方側から見た場合の斜視図である。
図4は、第2自動水栓3の取付脚7及びポップアップ機構8の主要な構成を示す断面図である。
図5は、第2自動水栓3の取付脚7及びポップアップ機構8の主要な構成を示す斜視図である。
図6は、
図4のA-A線断面図であって、第1配置通路701及び第2配置通路702を示す図である。
【0015】
図1に示すように、キッチンユニット1は、カウンター11と、シンク12と、第1自動水栓2と、第2自動水栓3(水栓装置)と、を備える。
【0016】
シンク12は、カウンター11の一部に設けられる。シンク12は、第1自動水栓2から吐水された水(あるいは湯)や、第2自動水栓3から吐出された水を受けて排出する。シンク12の底部には、排水口(図示せず)が形成されている。排水口は、排水管(図示せず)と連通している。第1自動水栓2及び第2自動水栓から吐出された水は、手洗いなどに使用される。シンク12に受けられた水は、排水口に導かれ、排水口から排水管を通じて下水道等の外部に排出される。シンク12の底部の排水口には、排水栓(図示せず)が設けられている。
【0017】
シンク12は、シンク本体121と、シンク上面板122と、を有する。シンク本体121は、
図1におけるカウンター11の手前側に配置され、上方が開口して水平方向に延びた箱状に形成される。シンク上面板122は、シンク本体121の奥側の上端部から奥側に水平に延びており、カウンター11の上面111から一段下がった位置に配置される。
【0018】
シンク上面板122には、
図1において正面から見て左側に配置される第1自動水栓2と、
図1において正面から見て右側に配置される第2自動水栓3とが配置される。本実施形態においては、例えば、第1自動水栓2は、温度調整機能付きの自動水栓であり、第2自動水栓3は、浄水供給用の自動水栓である。
【0019】
第2自動水栓3について説明する。第2自動水栓3は、
図2~
図4に示すように、カバー筒体4(水栓カバー部材)と、吐水部5と、物体を検知するセンサ部6と、取付脚7(接続部材)と、排水操作棒81(排水操作部)を有するポップアップ機構8(排水操作機構)と、を備える。第2自動水栓3は、人の手等の物体がセンサ部6の検知範囲内に入ることでセンサ部6が物体を検知すると、自動的に吐水部5の吐水口51から水を吐出する。
【0020】
カバー筒体4は、第2自動水栓3の外形を構成し、筒状に延びて形成される。カバー筒体4は、
図2に示すように、シンク上面板122から上方に所定長さ延び、上方側において凸になるように湾曲し、手前側に所定長さ延びる。カバー筒体4の内部には、
図4に示すように、カバー筒体4に沿って、先端側から基端側に向けて、給水チューブ131及び配線ケーブル132が通されて配置される。給水チューブ131には、吐水部5に供給される水が流される。配線ケーブル132の一端には、センサ部6(
図1参照)が接続され、他端には、取付脚7の外部側において電源部(図示せず)が接続される。
【0021】
カバー筒体4の基端側は、シンク上面板122の上面に配置され、カバー筒体4の先端側には、吐水部5及びセンサ部6が収容される。カバー筒体4は、
図2に示すように、下端(基端)に配置されるスカート部41と、上下方向延在管42と、湾曲管43と、斜め管44と、を有する。
【0022】
スカート部41は、
図2及び
図3に示すように、シンク12のシンク上面板122の上面に配置される。スカート部は、カバー部材の基端側において、基端側に向かうに従って徐々に開口面積が広がるように形成される。
上下方向延在管42は、スカート部41の上端部から上方に所定長さ延びる。上下方向延在管42の下端部の後方側には、上下方向に延びるカバー側長穴開口421(開口部)が形成される。カバー側長穴開口421には、後述するポップアップ機構8のレバー部82が貫通して配置される。
湾曲管43は、上下方向延在管42の上部から手前側に湾曲して延びる。
斜め管44は、湾曲管43の手前から手前側の斜め下方に延びる。
【0023】
取付脚7は、
図4及び
図5に示すように、上下方向に延びる筒状に形成される。取付脚7は、上方側において上下方向に延びる上方側部分71と、下方側において上下方向に延びる下方側部分73と、を有する。取付脚7は、上方側部分71及び下方側部分73が一体部材で形成され、上方側部分71及び下方側部分73が上下方向に直線上に配置されて、円筒状に延びる。
【0024】
上方側部分71は、シンク12のシンク上面板122の上面から上方側に配置される部分である。上方側部分71は、カバー筒体4の基端側(下端側)において、上下方向延在管42の下端及びスカート部41の内部に配置される。上方側部分71の基端(下端)の外周面には、径方向の外側に突出する傾斜フランジ部72が形成される。傾斜フランジ部72は、上方側部分71の下端側において、下端側に向かって徐々に径が大きくなるように形成される。傾斜フランジ部72は、カバー筒体4のスカート部41の内部に配置される。
【0025】
上方側部分71の後方側の側面には、上下方向に延びる取付脚側長穴開口711が形成される。取付脚側長穴開口711は、カバー筒体4のカバー側長穴開口421に連通すると共に、ポップアップ機構8の排水操作棒81(後述)が配置される第2配置通路702(後述)に連通する。取付脚側長穴開口711には、後述するポップアップ機構8のレバー部82の一端部が挿入される。
【0026】
下方側部分73は、シンク12のシンク上面板122の上面から下方側に配置される部分である。下方側部分73は、上方側部分71の下端部から下方に延びる。下方側部分73の外周面には、雄ネジ731が形成され、取付脚7をシンク12のシンク上面板122に取り付ける際に、ナット732が螺合される。
【0027】
取付脚7の内部は区画されている。取付脚7は、
図4~
図6に示すように、一体部材で形成され、円筒部分741と、区画縦壁742と、区画上端壁743(規制部)と、を有する。円筒部分741は、
図6に示すように、水平方向の断面形状(円筒部分741を径方向に切断して長手方向に見た場合の断面形状)の外形が、円形状に形成される。本実施形態においては、円筒部分741は、径が小さい真円の形状に形成される。
【0028】
区画縦壁742は、
図4に示すように、円筒部分741の内部において、上下方向に延びて形成され、円筒部分741の内部の空間を区画する。区画縦壁742は、
図6に示すように、円筒部分741の内部において、水平方向の断面形状(円筒部分741を径方向に切断して長手方向に見た場合の断面形状)が円筒状に形成され、円筒部分741の後方側の内面部分から前方側に円筒状に突出するように配置される。
【0029】
区画縦壁742を境に、
図6に示すように、取付脚7の円筒部分741の内部には、前方側(一方側、
図6における右側)に第1配置通路701が形成され、後方側(他方側、
図6における左側)に第2配置通路702が形成される。このように、区画縦壁742は、円筒部分741の内部を、水平方向の断面において、第1配置通路701(配置通路)と、第2配置通路702(配置通路)とに区画する。第1配置通路701及び第2配置通路702は、下方に開口して形成される。第1配置通路701の開口(開口面積)は、第2配置通路702の開口(開口面積)よりも大きく形成される。
【0030】
第2配置通路702は、
図6に示すように、円筒部分741の水平方向の断面において、区画縦壁742を境に、円筒部分741の内部の後方側において、円形筒状(円形状)に形成される。第2配置通路702には、排水操作棒81(後述)が配置される。
【0031】
第1配置通路701は、円筒部分741の水平方向の断面において、区画縦壁742を境に、円筒部分741の内部の前方側において、第2配置通路702の断面形状の円形筒状に沿うように略C字状に湾曲した長穴筒状(長穴状)に形成される。第1配置通路701には、給水チューブ131及び配線ケーブル132が配置される。第1配置通路701は長穴筒状に形成されるため、配線ケーブル132の端部に接続されたコネクタ(図示せず)を通すことも容易である。
【0032】
区画上端壁743は、
図4に示すように、第2配置通路702の上端部を塞ぐように、区画縦壁742の上部と円筒部分741の後方側の内面とを水平方向に接続する。区画上端壁743は、第2配置通路702の上端部を塞ぐように形成されるため、排水操作棒81(後述)の上方側への移動範囲を規制する。区画上端壁743は、カバー筒体4の後方側の側面において、ネジ743aにより、カバー筒体4の上下方向延在管42に固定される。これにより、取付脚7は、カバー筒体4に固定される。
【0033】
ポップアップ機構8は、
図2及び
図4に示すように、排水操作棒81(排水操作部)と、レバー部82(取手)と、ワイヤー832を有するワイヤー構成部83と、連結作動部84と、を備える。
【0034】
排水操作棒81は、上下方向に延びる棒状に形成される。排水操作棒81は、取付脚7の第2配置通路702の内部に配置される。排水操作棒81は、水が貯留可能なシンク12に設けられた排水栓(図示せず)を開閉するために、レバー部82の操作により上下方向に移動可能に構成される。排水操作棒81の上端部には、レバー部82が接続される。排水操作棒81の下端部には、ワイヤー構成部83が接続される。
【0035】
レバー部82は、円筒状に形成され、排水操作棒81が延びる方向に交差する方向に延びる。レバー部82は、一端が、取付脚7の取付脚側長穴開口711及びカバー筒体4のカバー側長穴開口421を貫通して第2配置通路702に挿入されて、排水操作棒81の上端部に接続される。また、レバー部82は、他方側が、取付脚7の取付脚側長穴開口711及びカバー筒体4のカバー側長穴開口421を介して、カバー筒体4の後方側に延びて、取付脚7及びカバー筒体4の後方側の側面から、カバー筒体4のカバー側長穴開口421を貫通して、取付脚7及びカバー筒体4の外部に突出する。
【0036】
レバー部82は、後方側の端部側を下方に移動する操作を行うことで、排水操作棒81を上昇させる操作を行うことができる。レバー部82の後方側の端面には、後方側に開口して水平方向に延びる操作穴821が形成される。操作穴821には、例えばドライバ(図示せず)などが挿入される。レバー部82は、操作穴821に挿入されたドライバなどで容易に操作することができる。
【0037】
ワイヤー構成部83は、
図4に示すように、ワイヤー接続保持筒831と、ワイヤー832と、ワイヤー被覆筒体833と、を有する。ワイヤー832の一端部は、排水操作棒81の下端部に接続される。ワイヤー832の他端部は、連結作動部84(
図2参照)に接続される。ワイヤー832は、長尺に形成され、ワイヤー被覆筒体833の内部に通されている。ワイヤー接続保持筒831は、ワイヤー832及びワイヤー被覆筒体833が排水操作棒81の下端部に接続された状態を保持する。
【0038】
連結作動部84は、
図2に示すように、ワイヤー832の他端部に接続される。連結作動部84は、排水操作棒81が動作することで移動したワイヤー832の移動に基づいて作動する。連結作動部84は、シンク12(
図1参照)の底部の排水口(図示せず)の排水栓(図示せず)を閉塞可能に上下させる閉塞部材(図示せず)に接続される。
【0039】
以上のように構成されるポップアップ機構8は、レバー部82の後方側の端部を下げることで、区画された第2配置通路702において排水操作棒81が上方側に移動され、ワイヤー832が引っ張られる。これにより、ポップアップ機構8においては、ワイヤー832が引っ張られることで、連結作動部84が作動し、連結作動部84に接続された閉塞部材(図示せず)により、シンク12(
図1参照)の底部の排水口(図示せず)の排水栓(図示せず)を開閉させることができる。
【0040】
以上説明した本実施形態に係る第2自動水栓3によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の第2自動水栓3は、吐水部5を備え、給水チューブ131及び配線ケーブル132が内部に配置されるカバー筒体4と、カバー筒体4の内部に少なくとも一部が配置されてカバー筒体4に接続される取付脚7と、水が貯留可能なシンク12に設けられた排水栓を開閉するために移動される棒状の排水操作棒81と、排水操作部81が延びる方向に交差して延びると共に排水操作部81に接続される取手82と、を有する排水操作機構8と、を備え、接続部材7の内部には、給水チューブ131、配線ケーブル132及び排水操作部81それぞれが配置される配置通路701,702が形成され、取手82は、接続部材7の側面からカバー筒体4のカバー側長穴開口421を貫通して接続部材7の外部に突出して配置される。
【0041】
そのため、排水操作棒81を、第2配置通路702に配置できるため、排水操作棒81と給水チューブ131及び配線ケーブル132とを干渉させずに移動させることができる。また、取付脚7の内部に第1配置通路701及び第2配置通路702を形成できるため、排水操作棒81を配置する構成を簡易な構成で実現できる。また、排水操作棒81を有する第2自動水栓3において、シンプルな外観とすることができる。また、外観をシンプルにできるため、清掃性を向上できる。
【0042】
また、本実施形態においては、給水チューブ131及び配線ケーブル132の第1配置通路701の開口は、排水操作棒81の第2配置通路702の開口よりも大きく形成される。そのため、第2配置通路702において、排水操作棒81を操作できる程度の開口の大きさにとどめて、第1配置通路701において、第2配置通路702に、給水チューブ131及び配線ケーブル132を容易に配置することができる。これにより、取付脚7の開口を有効的に利用して、取付脚7の断面形状を小さい形状に形成できる。
【0043】
また、本実施形態においては、取付脚7は、断面形状の外形が円形状に形成され、排水操作棒81の第2配置通路702は、給水チューブ131及び配線ケーブル132が通される取付脚7の内部において、取付脚7の内部を給水チューブ131及び配線ケーブル132が配置される配置通路と区画して形成される。これにより、取付脚7の断面形状を、径が小さい真円の形状に形成できる。これより、取付脚7の製造が容易となる。また、取付脚7の製造が容易となるため、製造コストを低減できる。
【0044】
また、本実施形態においては、取付脚7は、排水操作棒81の上方側への移動範囲を規制する区画上端壁743を有する。そのため、区画上端壁743により排水操作棒81が上方側へ移動し過ぎることが規制される。これにより、ワイヤー832などの排水操作棒81に連動して動作する部材の破損を抑制できる。
【0045】
また、本実施形態においては、排水操作棒81の第2配置通路702は、断面形状が円形筒状(円形状)に形成され、給水チューブ131及び配線ケーブル132の第1配置通路701は、断面形状が、排水操作棒81の第2配置通路の断面形状の円形筒状に沿うように略C字状に湾曲した長穴筒状(長穴状)に形成される。これにより、より一層、取付脚7の断面形状を径が小さい真円の形状に形成できる。
【0046】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
前記実施形態においては、外周面に雄ネジが形成された取付脚(接続部材)をナットで固定するように構成したが、これに限定されない。接続部材をナットで固定せずに、例えば、馬蹄金具で固定するように構成してもよい。
【0047】
また、前記実施液体では、排水操作棒(排水操作部)の操作によりワイヤーを動作させて、シンクの排水栓を操作するワイヤー式のポップアップ機構を採用したが、これに限定されず、排水操作棒(排水操作部)の操作により作動棒を動作させてシンクの排水栓を操作する機構を採用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
3 第2自動水栓(水栓装置)
4 カバー筒体(カバー部材)
5 吐水部
7 取付脚(接続部材)
8 ポップアップ機構(排水操作機構)
12 シンク(貯留部)
81 排水操作棒(排水操作部)
82 レバー部(取手)
131 給水チューブ
132 配線ケーブル
421 カバー側長穴開口(開口部)
701 第1配置通路(配置通路)
702 第2配置通路(配置通路)
743 区画上端壁(規制部)