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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】音声監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04Q 3/58 20060101AFI20220118BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20220118BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20220118BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
H04M3/42 P
G10L15/00 200A
G10L15/00 200S
G10L15/10 200W
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018082021
(22)【出願日】2018-04-23
(65)【公開番号】P2019193028
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591207574
【氏名又は名称】サクサシステムエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 英章
(72)【発明者】
【氏名】藤牧 正則
(72)【発明者】
【氏名】小田上 明義
(72)【発明者】
【氏名】小山内 任
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-098919(JP,A)
【文献】特開2007-323147(JP,A)
【文献】特開2006-148505(JP,A)
【文献】特表2008-545345(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102480561(CN,A)
【文献】特開平05-300244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L15/00-17/26
H04L12/00-12/26
12/50-12/955
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配下に収容した電話装置を、網側回線を介して電話網へ接続する接続制御部と、
前記網側回線を介して通話中の前記電話装置から送出された音声の音声パケットを取得して、テキストデータに変換する音声処理部と、
予め登録されているキーワードが、前記音声処理部から出力されたテキストデータに含まれているか監視し、得られた監視結果を出力する漏洩監視部とを備え、
前記音声処理部は、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記網側回線に対する前記音声パケットの送信を直ちに停止し、
前記接続制御部は、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記網側回線を直ちに保留状態とし、これに応じて前記音声処理部は、前記網側回線に対して保留状態となったことを示す音声信号を出力する
ことを特徴とする音声監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声監視装置において、
前記音声処理部は、取得した前記音声パケットを一旦蓄積しておき、前記監視結果が前記キーワードの検出なしを示す場合、蓄積しておいた前記音声パケットを前記網側回線に送信し、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、蓄積しておいた前記音声パケットの前記網側回線に対する送信を停止することを特徴とする音声監視装置。
【請求項3】
請求項1または請求項に記載の音声監視装置において、
前記音声処理部は、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記電話装置に対して、通話音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを送出することを特徴とする音声監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話音声に含まれる機密情報を監視するための音声監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通話による機密情報の漏洩を阻止する音声監視技術として、通話時に送受信する音声パケットから再生した音声信号をテキストデータに変換し、予め登録されているキーワードがテキストデータに含まれているかどうかを判定する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-98919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術では、予め登録されているキーワードがテキストデータから見つかった場合、そのキーワードを出力部から外部へ通知するように構成されているため、キーワードすなわち機密情報が通話により漏洩したことは検出できるものの、キーワードと対応する音声パケットについては、そのまま外部に出力されてしまうため、機密情報の漏洩を阻止することはできないという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、通話音声に含まれている機密情報の漏洩を確実に阻止できる音声監視技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明にかかる音声監視装置は、配下に収容した電話装置を、網側回線を介して電話網へ接続する接続制御部と、前記網側回線を介して通話中の前記電話装置から送出された音声の音声パケットを取得して、テキストデータに変換する音声処理部と、予め登録されているキーワードが、前記音声処理部から出力されたテキストデータに含まれているか監視し、得られた監視結果を出力する漏洩監視部とを備え、前記音声処理部は、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記網側回線に対する前記音声パケットの送信を直ちに停止し、前記接続制御部は、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記網側回線を直ちに保留状態とし、これに応じて前記音声処理部は、前記網側回線に対して保留状態となったことを示す音声信号を出力するようにしたものである。
【0007】
また、本発明にかかる上記音声監視装置の一構成例は、前記音声処理部が、取得した前記音声パケットを一旦蓄積しておき、前記監視結果が前記キーワードの検出なしを示す場合、蓄積しておいた前記音声パケットを前記網側回線に送信し、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、蓄積しておいた前記音声パケットの前記網側回線に対する送信を停止するようにしたものである。
【0009】
また、本発明にかかる上記音声監視装置の一構成例は、前記音声処理部が、前記監視結果が前記キーワードの検出ありを示す場合、前記電話装置に対して、通話音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを送出するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検出されたキーワードを含む音声パケットの送出が停止されるとともに、後続する音声パケットの送出も停止される。したがって、キーワードと対応する機密情報の漏洩を確実に阻止することが可能となるとともに、機密情報に後続する関連情報の漏洩についても阻止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】音声監視装置の構成を示すブロック図である。
図2】音声通話動作を示すシーケンス図である。
図3】音声監視処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[音声監視装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる音声監視装置10について説明する。図1は、音声監視装置の構成を示すブロック図である。
この音声監視装置10は、端末側回線L2を介して配下に収容されている1つまたは複数の電話装置20を、網側回線L1を介して電話網NWへ接続する装置である。音声監視装置10の具体例としては、ビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システムにおいて、主装置やPBX装置として用いられる電話制御装置や、電話装置20を電話網NWに中継接続するゲートウェイ装置などがある。
【0013】
電話網NWは、次世代網(NGN:Next Generation Network)やIP電話網などの既存の電話網である。
相手電話装置40は、電話網NWに接続された一般的な電話装置である。
電話装置20は、電話網NWを介して音声通話を行う機能を有する一般的な電話装置であり、コードレス電話機、留守番電話機、IP電話機のほか、ビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システムであってもよく、無線接続される無線電話端末であってもよい。
【0014】
以下では、音声監視装置10において、通話中の電話装置20から送出された音声をテキストデータに変換する際、音声を含む音声パケットを入力とする公知の音声処理技術を用いるものとする。このため、音声監視装置10が、電話網NWおよび電話装置20の双方と、音声パケットをやり取りする場合を例として説明する。なお、テキストデータへの変換時に電話装置20から送出された音声が音声パケットで入力されればよいため、音声監視装置10が電話装置20と音声パケットをやり取りする構成であればよい。あるいは、音声監視装置10が電話装置20から受信した音声信号を音声パケットに変換してもよい。
【0015】
[電話制御装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる音声監視装置10の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、音声監視装置10は、主な機能部として、網側I/F部11、端末側I/F部12、スイッチ部13、機器I/F部14、記憶部15、キーワードDB16、接続制御部17、音声処理部18、および漏洩監視部19を備えている。これら機能部のうち、接続制御部17、音声処理部18、および漏洩監視部19は、CPUと記憶部15のプログラムとが協働することにより構成されている。
【0016】
網側I/F部11は、網側回線L1を介して電話網NWとの間で接続制御メッセージや音声パケットをやり取りする機能を有している。
端末側I/F部12は、端末側回線L2を介して電話装置20との間で、制御メッセージや音声パケットをやり取りする機能を有している。
【0017】
スイッチ部13は、接続制御部17からの指示に応じて、網側I/F部11の通話路と端末側I/F部12の通話路とを交換接続する機能を有している。
機器I/F部14は、通信回線L3を介してPCなどの情報処理端末30との間でデータ通信を行うことにより、機密情報を示すキーワードを取得する機能を有している。なお、情報処理端末30に代えてUSBメモリなどの外部記憶装置とデータ通信を行うことにより、キーワードを取得してもよい。
【0018】
記憶部15は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、音声監視装置10における接続制御動作や音声監視動作で用いる各種処理データやプログラムを記憶する機能と、電話装置20から送出された音声の音声パケットを一旦蓄積する機能とを有している。
キーワードDB16は、予め機器I/F部14を介して取得したキーワードを記憶するデータベースである。
【0019】
接続制御部17は、配下に収容した電話装置20を、網側回線L1を介して電話網NWに接続するための一般的な接続制御(呼制御)を行う機能を有している。具体的には、電話網NWからの着信に応じて対応する電話装置20を呼び出す着信機能、呼出中の電話装置20での応答操作に応じて、スイッチ部13を制御して電話装置20と電話網NWとの通話路を接続することにより音声通話を実現する機能、電話装置20での発信操作に応じて電話網NWに対する指定相手先への発信を行う機能、電話装置20での保留操作に応じて通話中の網側回線L1を保留状態とする機能、電話装置20での保留解除操作に応じて保留中の網側回線L1を保留解除する機能などがある。
【0020】
また、接続制御部17は、電話装置20と電話網NWを介して接続された相手電話装置40との通話時、スイッチ部13を制御して電話装置20から送出された音声の音声パケットを音声処理部18へ入力する機能と、音声処理部18から出力された音声パケットを網側I/F部11から網側回線L1を介して電話網NWへ送信する機能とを有している。
【0021】
また、接続制御部17に、漏洩監視部19から出力された監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、電話装置20が通話中の網側回線L1を直ちに保留状態とする機能、網側回線L1に対する音声パケットの送信停止から一定時間経過後、あるいは、電話装置20に対するガイダンスの送出完了後、電話装置から送出された音声の新たな音声パケットの送信を再開する機能を設けてもよい。
【0022】
音声処理部18は、全体として、音声の符号化・復号を行うコーデックからなり、スイッチ部13から入力された音声パケットを一旦記憶部15に蓄積する機能と、当該音声パケットをテキストデータに変換して漏洩監視部19へ出力する機能と、漏洩監視部19から出力された監視結果に応じて、蓄積しておいた音声パケットの網側回線L1への送信を制御する機能と、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを、スイッチ部13から端末側I/F部12を介して電話装置20へ出力する機能と、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、保留音や保留中ガイダンスなどの保留状態となったことを示す音声信号を、スイッチ部13から網側I/F部11を介して網側回線L1へ出力する機能とを有している。
【0023】
音声パケットの送出制御機能の詳細については、音声処理部18は、監視結果がキーワードの検出なしを示す場合、蓄積しておいた音声パケットを記憶部15から取得してスイッチ部13へ出力した後、記憶部15から削除する機能と、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、蓄積しておいた音声パケットをスイッチ部13へ出力せずに記憶部15から削除する機能とを有している。
【0024】
漏洩監視部19は、キーワードDB16に登録されているキーワードが、音声処理部18から出力されたテキストデータに含まれているかを監視する機能と、得られた監視結果を接続制御部17および音声処理部18へ出力する機能とを有している。
【0025】
[本実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる音声監視装置10の動作について説明する。
【0026】
[音声通話動作]
まず、図2を参照して、本実施の形態にかかる音声通話動作について説明する。図2は、音声通話動作を示すシーケンス図である。以下では、電話網NWからの着信通知に応じて電話装置20が相手電話装置40との間で開始した音声通話を監視する場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、電話装置20が相手電話装置40に発信して開始した音声通話を監視する場合も同様である。なお、キーワードDB16には、情報処理端末30から取得したキーワードが予め登録されているものとする。
【0027】
まず、音声監視装置10は、相手電話装置40からの発信に応じた着信メッセージを、電話網NWから受信した場合(ステップS100)、当該着信メッセージで指定された呼出先となる電話装置20の呼び出しを行う(ステップS101)。
電話装置20における利用者の応答操作に応じて(ステップS102)、電話装置20からの応答を受信した場合(ステップS103)、音声監視装置10は、電話網NWへ応答メッセージを返送し(ステップS104)、電話装置20と電話網NWとの通話路を接続する(ステップS105)。
【0028】
この後、相手電話装置40と電話装置20との通話が開始されて(ステップS106)、音声監視装置10での音声監視が開始される(ステップS107)。
これにより、相手電話装置40と電話装置20との通話において、相手電話装置40が送出された音声の音声パケットは、音声監視を行うことなく電話装置20へ転送される(ステップS108)。また、電話装置20から送出された音声の音声パケットは、音声監視が行われた後、相手電話装置40へ送信される(ステップS109)。
【0029】
この際、音声監視装置10は、電話装置20から送出された音声の音声パケットをテキストデータに変換し、予め登録されているキーワードがテキストデータに含まれているか監視する。
ここで、いずれかのキーワードがテキストデータから検出された場合(ステップS110)、音声監視装置10は、網側回線L1に対する電話装置20の音声パケットの送信を直ちに停止して(ステップS111)、網側回線L1を直ちに保留状態とし(ステップS112)、相手電話装置40に対して保留音を送出する(ステップS113)。これにより、相手電話装置40に対する機密情報の漏洩が阻止されることになる。
【0030】
また、音声監視装置10は、電話装置20に対して、音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを送出する(ステップS114)。これにより、電話装置20の利用者は、相手電話装置40との通話で機密情報を漏らしてしまったことを認識することができる。
この後、利用者の保留解除操作に応じて(ステップS115)、電話装置20から保留解除が通知された場合(ステップS116)、音声監視装置10は、保留中の網側回線L1を保留解除する(ステップS117)。これにより、相手電話装置40と電話装置20との通話が再開され(ステップS118)、音声監視装置10での音声監視も再開される(ステップS119)。
【0031】
[音声監視動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる音声監視装置10の音声監視動作について説明する。図3は、音声監視処理を示すフローチャートである。
電話装置20が網側回線L1および電話網NWを介して相手電話装置40と通話を開始した際、音声監視装置10は、図3の音声監視処理を実行する。
【0032】
まず、漏洩監視部19は、キーワードDB16から音声監視の対象となるキーワードを取得する(ステップS150)。
次に、音声処理部18は、電話装置20から送出された音声の音声パケットをスイッチ部13を介して順次取得して(ステップS151)、記憶部15に一旦蓄積するとともに(ステップS152)、テキストデータに変換して出力する(ステップS153)。
【0033】
漏洩監視部19は、音声処理部18から出力されたテキストデータにキーワードが含まれているか監視し、得られた監視結果を出力する(ステップS154)。
ここで、監視結果がキーワードの検出なしを示す場合(ステップS154:NO)、音声処理部18は、記憶部15から蓄積しておいた音声パケットを取得して(ステップS155)、スイッチ部13から網側I/F部11を介して網側回線L1へ送信し(ステップS156)、蓄積しておいた音声パケットを記憶部15から削除した後(ステップS157)、後続する音声パケットの音声監視を行うためステップS151へ戻る。
【0034】
一方、ステップS154において、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合(ステップS154:YES)、音声処理部18は、記憶部15から蓄積しておいた音声パケットの網側回線L1に対する送信を停止して(ステップS160)、蓄積しておいた音声パケットを記憶部15から削除する(ステップS161)。このため、検出されたキーワードを含む音声パケットの送出が停止されるとともに、後続する音声パケットの送出も停止される。したがって、キーワードと対応する機密情報の漏洩を阻止できるとともに、機密情報に後続する関連情報の漏洩についても阻止できる。
【0035】
一方、接続制御部17は、キーワードの検出ありを示す監視結果にしたがって、電話装置20の通話に用いている網側回線L1を直ちに保留状態とし(ステップS162)、音声処理部18は、網側回線L1に対して保留音を送出する(ステップS163)。これにより、相手電話装置40では、音声監視装置10での音声パケット送信停止に応じて電話装置20からの音声が途切れてしまうことになるが、相手電話装置40の利用者に対して通話を切断することなく通話再開まで待機するよう促すことができる。
【0036】
またこれと前後して、音声処理部18は、電話装置20の利用者に対して、相手電話装置40との通話で音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを送出し(ステップS164)、一連の音声監視処理を終了する。これにより、利用者は、機密情報を漏らしてしまったことを認識することができ、通話再開に向けた心の準備を行うことができる。
【0037】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、音声処理部18が、網側回線L1を介して通話中の電話装置20から送出された音声の音声パケットをテキストデータに変換し、漏洩監視部19が、キーワードDB16に予め登録されているキーワードが音声処理部18から出力されたテキストデータに含まれているか監視し、得られた監視結果がキーワード検出ありを示す場合、音声処理部18が、網側回線L1に対する音声パケットの送信を直ちに停止するようにしたものである。
【0038】
より具体的には、音声処理部18が、音声パケットを記憶部15に一旦蓄積しておき、監視結果がキーワードの検出なしを示す場合、蓄積しておいた音声パケットを網側回線L1に送信し、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、蓄積しておいた音声パケットの網側回線L1に対する送信を停止するようにしたものである。
【0039】
これにより、検出されたキーワードを含む音声パケットの送出が停止されるとともに、後続する音声パケットの送出も停止される。したがって、キーワードと対応する機密情報の漏洩を確実に阻止することが可能となるとともに、機密情報に後続する関連情報の漏洩についても阻止することが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態において、接続制御部17は、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、網側回線L1を直ちに保留状態とし、これに応じて音声処理部18は、網側回線L1に対して保留音や保留中ガイダンスなどの保留状態となったことを示す音声信号を出力するようにしてもよい。
これにより、相手電話装置40では、音声監視装置10での音声パケット送信停止に応じて電話装置20からの音声が途切れてしまうことになるが、相手電話装置40の利用者に対して通話が保留状態となったことを通知でき、通話を切断することなく通話再開まで待機するよう促すことができる。
【0041】
また、機密情報を示すキーワードに続く音声の音声パケットの送信も停止されるため、後続する音声に基づく機密情報の漏洩を阻止することができる。また、キーワード部分のみを無音としたり他の音声信号で置換することも考えられるが、このような手法では通話相手にとって聞き苦しくなり違和感を与えることになる。本実施の形態によれば、通話相手に対してこのような聞き苦しさや違和感を与えることを回避できる。
【0042】
また、本実施の形態において、音声処理部18が、監視結果がキーワードの検出ありを示す場合、電話装置20に対して、通話音声から機密情報が検出された旨を警告するガイダンスを送出するようにしてもよい。
これにより、電話装置20の利用者は、機密情報を漏らしてしまったことを認識することができ、通話再開に向けた心の準備を行うことができる。
【0043】
また、本実施の形態において、網側回線L1に対する音声パケットの送信停止から一定時間経過後、あるいは、電話装置20に対するガイダンスの送出完了後、電話装置から送出された音声の新たな音声パケットの網側回線L1に対する送信を再開するようにしてもよい。
これにより、電話装置20の利用者による保留解除操作を必要とすることなく、相手電話装置40との通話を自動的に再開することができる。また、機密情報を示すキーワードに続く音声の音声パケットの送信も一定期間にわたり停止されるため、後続する音声に基づく機密情報の漏洩を阻止することができる。
【0044】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
10…音声監視装置、11…網側I/F部、12…端末側I/F部、13…スイッチ部、14…機器I/F部、15…記憶部、16…キーワードDB、17…接続制御部、18…音声処理部、19…漏洩監視部、20…電話装置、30…情報処理端末、40…相手電話装置、L1…網側回線、L2…端末側回線、L3…通信回線。
図1
図2
図3