(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】炉頂装置
(51)【国際特許分類】
F27D 3/10 20060101AFI20220118BHJP
F27B 1/20 20060101ALI20220118BHJP
C21B 7/20 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F27D3/10
F27B1/20
C21B7/20 303
(21)【出願番号】P 2018176632
(22)【出願日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】513055274
【氏名又は名称】株式会社IHIポールワース
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 尚文
【審査官】河野 一夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-151193(JP,U)
【文献】特開2016-155725(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0148373(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109612262(CN,A)
【文献】中国実用新案第204478830(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 3/10
F27B 1/20
C21B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直下方に向かうにしたがって水平方向の断面積が漸減する円錐部が本体に設けられ、前記円錐部の底部に形成される排出口の中心が、前記本体の中心軸からずれて位置するホッパと、
前記ホッパ内に回転可能に設けられ、前記中心軸に対して前記排出口とは反対側に位置する複数の第1翼部と、
を備える炉頂装置。
【請求項2】
2つの前記第1翼部が、前記ホッパの前記中心軸と前記排出口の中心とを通る対称面に対して、互いに対称に配置される請求項1に記載の炉頂装置。
【請求項3】
2つの前記第1翼部の回転方向は互いに逆方向である請求項2に記載の炉頂装置。
【請求項4】
前記ホッパ内に回転可能に設けられ、前記第1翼部よりも前記排出口側に位置し、前記対称面に対して、互いに対称に配置される2つの第2翼部をさらに備える請求項2または3に記載の炉頂装置。
【請求項5】
2つの前記第2翼部の回転方向は互いに逆方向である請求項4に記載の炉頂装置。
【請求項6】
前記第1翼部の回転速度は、前記第2翼部の回転速度以上である請求項4または5に記載の炉頂装置。
【請求項7】
前記第1翼部の翼面の大きさは、前記第2翼部の翼面の大きさ以上である請求項4から6のいずれか1項に記載の炉頂装置。
【請求項8】
前記ホッパ内に回転可能に設けられ、前記排出口に対して前記ホッパの前記中心軸とは反対側に位置する第3翼部をさらに備える請求項1から7のいずれか1項に記載の炉頂装置。
【請求項9】
前記第3翼部は、翼面が前記円錐部の傾斜方向に対して垂直となるように支持される請求項8に記載の炉頂装置。
【請求項10】
前記第3翼部の翼面が、前記円錐部の傾斜方向に垂直な面に対して傾動可能である請求項9に記載の炉頂装置。
【請求項11】
前記第1翼部の数は、前記第3翼部の数以上である請求項8から10のいずれか1項に記載の炉頂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炉頂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、焼成炉の円錐状の壁面に、原料を撹拌する撹拌機が設けられた石膏焼成炉が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、竪型炉の炉頂に配置される炉頂装置は、竪型炉に装入する前の原料を貯留するホッパを含んで構成される。ホッパは、中心軸に垂直な断面積が、ホッパの底部に設けられる原料の排出口に進むにしたがって小さくなっている。また、ホッパにおける排出口は、ホッパの中心軸に対して偏心するように設けられることがある。
【0005】
このようなホッパには、ホッパ内における原料の粒の大きさの分布が所望の分布となるように原料が投入される。そして、炉頂装置では、所謂マスフローのように、ホッパの底部から上部に向かって大凡並行して順にホッパ内の原料を排出することで、排出する原料の粒の大きさの推移を制御することができる。
【0006】
しかし、炉頂装置では、所謂ファネルフローのように、排出口の直上の原料だけが先に排出され、排出口から離れた位置での流れが悪くなることがある。さらに、炉頂装置では、排出口から離れた位置で原料が停滞し、排出口の直上に、所謂ラットホールのような孔が形成されることがある。
【0007】
このようなファネルフローやラットホールが生じると、原料の粒の大きさが所望の分布となるようにホッパ内に原料を貯留したにも拘わらず、ホッパから排出する原料の粒の大きさの推移を制御することができなくなる。
【0008】
本開示は、排出する原料の粒の大きさの推移を制御することが可能な炉頂装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る炉頂装置は、鉛直下方に向かうにしたがって水平方向の断面積が漸減する円錐部が本体に設けられ、円錐部の底部に形成される排出口の中心が、本体の中心軸からずれて位置するホッパと、ホッパ内に回転可能に設けられ、中心軸に対して排出口とは反対側に位置する複数の第1翼部と、を備える。
【0010】
また、2つの第1翼部が、ホッパの中心軸と排出口の中心とを通る対称面に対して、互いに対称に配置されてもよい。
【0011】
また、2つの第1翼部の回転方向は互いに逆方向であってもよい。
【0012】
また、炉頂装置は、ホッパ内に回転可能に設けられ、第1翼部よりも排出口側に位置し、対称面に対して、互いに対称に配置される2つの第2翼部をさらに備えてもよい。
【0013】
また、2つの第2翼部の回転方向は互いに逆方向であってもよい。
【0014】
また、第1翼部の回転速度は、第2翼部の回転速度以上であってもよい。
【0015】
また、第1翼部の翼面の大きさは、第2翼部の翼面の大きさ以上であってもよい。
【0016】
また、炉頂装置は、ホッパ内に回転可能に設けられ、排出口に対してホッパの中心軸とは反対側に位置する第3翼部をさらに備えてもよい。
【0017】
また、第3翼部は、翼面が円錐部の傾斜方向に対して垂直となるように支持されてもよい。
【0018】
また、第3翼部の翼面が、円錐部の傾斜方向に垂直な面に対して傾動可能であってもよい。
【0019】
また、第1翼部の数は、第3翼部の数以上であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、排出する原料の粒の大きさの推移を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態による炉頂装置を含む竪型炉システムの概略を説明する説明図である。
【
図2】竪型炉システムを上方から見た平面図である。
【
図3】炉頂装置のホッパ付近の構成を説明する透視側面図である。
【
図4】炉頂装置のホッパ付近の構成を説明する平面図である。
【
図5】排出調整装置の詳細な構成を説明する側面図および断面図である。
【
図6】排出調整装置の詳細な構成を説明する平面図である。
【
図7】排出調整装置の動作を説明する説明図である。
【
図8】変形例による炉頂装置の構成を説明する透視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0023】
図1は、本実施形態による炉頂装置20を含む竪型炉システム1の概略を説明する説明図である。
図1では、原料の装入方向を二点鎖線の矢印で示している。
図2は、竪型炉システム1を上方から見た平面図である。
【0024】
竪型炉システム1は、竪型炉10および炉頂装置20を含んで構成される。炉頂装置20は、旋回シュート駆動装置11、旋回シュート12、切替シュート13、コンベアヘッドプーリ14、コンベア15、ホッパ21を含んで構成される。
【0025】
竪型炉10は、例えば、鉄鉱石およびコークスなどの原料Mから鉄を生成する高炉である。なお、竪型炉10は、高炉に限らない。竪型炉10は、概ね円筒状に形成されている。
【0026】
竪型炉10の上方には、複数(
図1および
図2では、3個)のホッパ21が配置されている。ホッパ21は、概ね円筒状に形成されている。各ホッパ21は、竪型炉10の炉心に対して偏心して配置される。各ホッパ21は、竪型炉10の周方向に等間隔(
図1および
図2では、120度間隔)で並べられる。なお、ホッパ21の数は、3個に限らず、例えば、2個であってもよい。その場合、2個のホッパ21は、竪型炉10の周方向に180度間隔で並べられる。
【0027】
各ホッパ21の下部は、旋回シュート駆動装置11に接続されている。旋回シュート駆動装置11は、竪型炉10の上部に配置されている。旋回シュート駆動装置11の下部には、旋回シュート12が設けられている。旋回シュート12は、竪型炉10内に位置する。旋回シュート12は、旋回シュート駆動装置11によって、炉心に沿った回転軸を中心として回転すると共に、炉心側を支点として傾動可能となっている。旋回シュート12は、炉心側に対して炉壁側が下方に位置するように傾斜している。
【0028】
ホッパ21の上方には、切替シュート13が配置される。切替シュート13は、概ね炉心の延長線上に配置される。切替シュート13は、曲がった筒状に形成されている。切替シュート13は、炉心の延長線に沿った回転軸周りに回転可能となっている。なお、切替シュート13は、回転型に限らず、所謂、ダンパ型や揺動型であってもよい。切替シュート13の上方には、コンベアヘッドプーリ14が配置されている。コンベアヘッドプーリ14には、コンベア15が連結されている。コンベア15は、切替シュート13から離隔するように延びている。
【0029】
コンベア15は、竪型炉10へ装入する原料Mをコンベアヘッドプーリ14へ運搬する。コンベアヘッドプーリ14は、原料Mを切替シュート13へ投入する。切替シュート13は、投入された原料Mを、複数(
図1および
図2では、3個)のホッパ21のうちのいずれかのホッパ21に振り分ける。ホッパ21は、切替シュート13を介して投入された原料Mを一時的に貯留する。ホッパ21は、貯留している原料Mを所定のタイミングで旋回シュート駆動装置11を介して旋回シュート12に排出する。旋回シュート12は、供給された原料Mを、回転および傾動しつつ竪型炉10内に装入する。竪型炉10は、旋回シュート12を介してホッパ21から装入された原料Mを還元して鉄を生成する。
【0030】
また、ホッパ21内には、落下位置調整部16が設けられてもよい。落下位置調整部16は、板状に形成されており、ホッパ21に投入される原料Mの落下経路の途中に設けられる。落下位置調整部16は、傾斜方向および傾斜角度を変更することで、原料Mの落下位置を調整することができる。
【0031】
図3は、炉頂装置20のホッパ21付近の構成を説明する透視側面図である。
図4は、炉頂装置20のホッパ21付近の構成を説明する平面図である。なお、
図3では、後述する排出調整装置30b、30d、30fの表記を省略している。以下、竪型炉10外から竪型炉10の中心軸に向かう方向を、炉心方向と呼ぶことがある。また、竪型炉10の中心軸から竪型炉10外に向かう方向を、炉外方向と呼ぶことがある。
【0032】
ホッパ21は、円筒部22、円錐部23、排出口24を含んで構成される。円筒部22は、円筒状に形成された本体である。ホッパ21の中心軸C1は、円筒部22の中心軸に対応している。中心軸C1は、鉛直方向に延びている。
【0033】
円錐部23は、円筒部22の下方に形成されており、円筒部22に連続している。円錐部23の底部には、ホッパ21内の原料Mを排出する排出口24が形成されている。円錐部23は、円筒部22から排出口24に(鉛直下方に)進むにしたがって、中心軸C1に垂直な断面積(水平方向の断面積)が漸減する逆円錐状に形成されている。
【0034】
排出口24は、ホッパ21の中心軸C1に対して、炉心方向に偏心した位置に設けられている。以下、ホッパ21の中心軸C1から排出口24の中心C2に向かう方向(
図3および
図4の左方向)を、偏心方向と呼ぶことがある。なお、偏心方向は炉心方向に対応している。
【0035】
円錐部23の内壁面は、排出口24から炉心方向に延びる部分での水平面(中心軸C1に垂直な面)に対する傾きが、排出口24から炉外方向に延びる部分での水平面に対する傾きよりも大きく(急に)なっている。また、円錐部23の内壁面は、排出口24から炉心方向に延びる部分から、排出口24から炉外方向に延びる部分まで、円錐部23の周方向に沿って進むにしたがって、水平面に対する傾きが徐々に小さく(緩やかに)なっている。
【0036】
炉頂装置20は、ホッパ21の他に、排出調整装置30a、30b、30c、30d、30e、30f、および制御部40を含んで構成される。以下、排出調整装置30a、30b、30c、30d、30e、30fを総称して、排出調整装置30と呼ぶことがある。排出調整装置30は、円錐部23における内壁面を形成する側壁に設けられている。
【0037】
排出調整装置30a、30bは、ホッパ21の中心軸C1に対して排出口24とは反対側に配置されている。また、排出調整装置30a、30bは、ホッパ21の中心軸C1と排出口24の中心C2とを通る対称面S1に対して、互いに対称に配置されている。また、排出調整装置30a、30bは、円錐部23における比較的に高い位置(円筒部22寄り)に配置されている。
【0038】
排出調整装置30c、30dは、排出調整装置30a、30bよりも排出口24側に配置されている。具体的には、排出調整装置30c、30dは、ホッパ21の中心軸C1に対して排出口24側であり、排出口24の中心C2に対してホッパ21の中心軸C1側に配置されている。また、排出調整装置30c、30dは、対称面S1に対して、互いに対称に配置されている。また、排出調整装置30c、30dは、円錐部23における比較的に高い位置(円筒部22寄り)に配置されている。
【0039】
排出調整装置30e、30fは、排出調整装置30c、30dよりも炉心方向側に配置されている。具体的には、排出調整装置30e、30fは、排出口24の中心C2に対してホッパ21の中心軸C1とは反対側に配置されている。また、排出調整装置30e、30fは、対称面S1に対して、互いに対称に配置されている。また、排出調整装置30e、30fは、円錐部23における比較的に低い位置(排出口24寄り)に配置されている。換言すると、排出調整装置30e、30fは、排出調整装置30a、30b、30c、30dよりも低い位置に配置されている。
【0040】
排出調整装置30は、軸部31、翼部32、モータ33を含んで構成される。軸部31は、棒状に形成されている。軸部31は、円錐部23の側壁に交差しており、軸部31の周方向に回転可能に支持されている。
【0041】
翼部32は、ホッパ21内において軸部31の端部に固定されている。翼部32は、円錐部23の内壁面から起立するように設けられている。翼部32には、円錐部23の内壁面に大凡垂直な翼面34が形成されている。なお、翼面34は、円錐部23の内壁面に対して傾斜していてもよい。
【0042】
排出調整装置30a、30b、30c、30dには、4個の翼部32が、軸部31の周方向に等間隔(90度間隔)に設けられている。一方、排出調整装置30e、30fには、2個の翼部32が、軸部31の周方向に等間隔(180度間隔)に設けられている。
【0043】
また、排出調整装置30aの翼面34の大きさ(面積)は、排出調整装置30bの翼面34の大きさ(面積)と大凡等しくなっている。同様に、排出調整装置30cの翼面34の大きさは、排出調整装置30dの翼面34の大きさと大凡等しくなっている。排出調整装置30eの翼面34の大きさは、排出調整装置30fの翼面34の大きさと大凡等しくなっている。
【0044】
また、排出調整装置30a、30bの翼面34の大きさは、排出調整装置30c、30dの翼面34の大きさ以上である。
【0045】
モータ33は、ホッパ21外において軸部31の端部に接続されている。モータ33は、軸部31を回転させる。軸部31が回転すると、翼部32が回転することとなる。
【0046】
制御部40は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。制御部40は、モータ33に供給する電力を制御することで、軸部31の回転を制御する。制御部40は、原料Mをホッパ21から排出する際に、軸部31(翼部32)の回転を制御する。
【0047】
図5は、排出調整装置30の詳細な構成を説明する側面図および断面図である。
図6は、排出調整装置30の詳細な構成を説明する平面図である。なお、
図5では、排出調整装置30の中心軸に対して左側に側面図を示し、右側に断面図を示している。また、
図5では、モータ33の表示を省略している。また、
図6では、4個の翼部32を有する排出調整装置30を示している。
【0048】
ホッパ21の側壁は、ホッパ鉄皮50およびライニング51を含んで構成される。ホッパ鉄皮50は、ホッパ21の外壁として機能する。ライニング51は、ホッパ鉄皮50の内側面に設けられている。ライニング51は、耐摩耗性の材料によって構成されている。ホッパ鉄皮50およびライニング51には、貫通孔52が設けられている。貫通孔52付近において、ホッパ鉄皮50には、外側面から張り出すフランジ部53が溶接などで接続されている。
【0049】
軸部31は、略円筒状の軸支持部54に挿入されている。軸支持部54は、支持部本体54a、軸受抑えフランジ54b、シール抑えフランジ54c、ダストシール抑えプレート54dを含んで構成される。支持部本体54aは、ガスケット53aを支持部本体54aとフランジ部53との間に挟んだ状態で、フランジ部53にボルトなどで固定される。支持部本体54aと軸部31との間には、軸受55が設けられている。支持部本体54aは、軸受55を通じて軸部31を回転可能に支持する。軸受抑えフランジ54bは、支持部本体54aのモータ33側(
図5の下側)に配置され、軸受55の位置を固定させる。
【0050】
軸部31は、貫通孔52に挿入されている。翼部32は、貫通孔52に挿入された軸部31の先端に、ホッパ21の内側からボルト56で連結されている。翼部32は、軸部31の径方向に延在している。また、翼部32は、ライニング51から離隔する方向に延在している。
【0051】
支持部本体54aには、グリース供給口57が設けられている。グリース供給口57を通じて潤滑用のグリースが支持部本体54aと軸部31との間に供給され、軸受55を潤滑する。また、支持部本体54aと軸部31との間には、シール58が設けられている。シール58は、供給されたグリースの漏れを防止する。シール抑えフランジ54cは、支持部本体54aのホッパ21側(
図5の上側)に配置され、シール58の位置を固定させる。
【0052】
貫通孔52には、ライニング51およびホッパ鉄皮50と、軸部31および翼部32との間に隙間が生じる。また、ホッパ21内には、圧力がかかっている。このため、ホッパ21内に堆積された粒径の小さい原料M(ダスト)が、貫通孔52の隙間に進入するおそれがある。
【0053】
そこで、フランジ部53と軸支持部54との間には、貫通孔52の隙間に連通するガス流通部59が形成されている。そして、フランジ部53には、ガス流通部59に連通するガス供給部60が設けられている。ガス流通部59には、ガス供給部60を通じて、不活性ガス(例えば、窒素ガス)が供給される。
【0054】
ガス流通部59に供給された不活性ガスは、貫通孔52の隙間を通じてホッパ21内に移動し、貫通孔52の隙間へのダストの進入を阻止する。これにより、排出調整装置30では、貫通孔52の隙間のダストによって軸部31(翼部32)の回転が抑制されることを防止できる。なお、ガスケット53aは、ホッパ21内およびガス流通部59内の不活性ガスが、フランジ部53と支持部本体54aとの間から外に漏れることを防止している。
【0055】
また、軸受抑えフランジ54bと軸部31との間、および、シール抑えフランジ54cと軸部31との間には、ダストシール61が設けられている。ダストシール61は、支持部本体54aと軸部31との間へのダストの進入を防止する。ダストシール抑えプレート54dは、軸受抑えフランジ54bのモータ33側(
図5の下側)、および、シール抑えフランジ54cのホッパ21側(
図5の上側)に配置され、ダストシール61の位置を固定させる。
【0056】
図7は、排出調整装置30の動作を説明する説明図である。
図7(a)は、ホッパ21における炉心側に原料Mを落下させた場合を示している。
図7(b)は、ホッパ21における炉外側に原料Mを落下させた場合を示している。
【0057】
図7(a)では、落下位置調整部16が炉心方向に傾斜している。このため、ホッパ21に投入された原料Mは、落下位置調整部16よりも炉心側に落下する。その結果、ホッパ21内に落下した原料Mは、炉心側が高く炉外側が低い山状に堆積する。
【0058】
ここで、ホッパ21に投入される前の原料Mの粒の大きさは、大凡均一となっている。この原料Mが
図7(a)のようにホッパ21内に投入されると、山の頂上側となる炉心側には、ハッチングエリアA10で例示するように、相対的に細粒(粉状)の原料Mが堆積される。一方、山の麓側となる炉外側には、ハッチングエリアA12で例示するように、相対的に大粒(塊状)の原料Mが堆積される。山の中腹となる中間部には、ハッチングエリアA11で例示するように、細粒と大粒との間の大きさの粒(中粒)の原料Mが堆積される。
【0059】
図7(a)では、ホッパ21の底部に近いほど、水平断面積当たりの細粒の比率が大きく、大粒の比率が小さい。一方、ホッパ21の上部に進むほど、水平断面積当たりの細粒の比率が小さくなり、大粒の比率が大きくなる。
【0060】
図7(a)のように堆積した原料Mを、排出口24から所謂マスフローのように排出すると、排出される原料Mの粒の大きさは、大凡、細粒→中粒→大粒の順に時間変化する。つまり、
図7(a)では、排出する粒の大きさが時間とともに細粒から大粒に変わるように、排出する粒の大きさの推移を制御することができる。なお、マスフローとは、ホッパ21の底部から上部に向かって大凡並行して順に原料Mが排出される状態のことをいう。
【0061】
しかし、所謂ファネルフローが生じると、排出口24の直上にある細粒の原料Mが相対的に早く排出され、炉外側にある大粒の原料Mが相対的に遅く排出されることがある。なお、ファネルフローとは、排出口24の直上の原料Mだけが先に排出され、排出口24から離れた位置での流れが悪い状態のことをいう。また、所謂ラットホールが生じると、大粒の原料Mが内壁面に停滞することがある。なお、ラットホールとは、ファネルフローによって排出口24の直上に孔が形成された状態のことをいう。このようにファネルフローやラットホールが生じると、排出する粒の大きさの時間推移を目標通りの推移とすることができない。
【0062】
また、
図7(b)では、落下位置調整部16が炉外方向に傾斜している。このため、ホッパ21に投入された原料Mは、落下位置調整部16よりも炉外側に落下する。その結果、ホッパ21内に落下した原料Mは、炉外側が高く炉心側が低い山状に堆積する。
【0063】
図7(b)のようにホッパ21内に原料Mが投入されると、山の頂上側となる炉外側には、ハッチングエリアA10で例示するように、相対的に細粒(粉状)の原料Mが堆積される。一方、山の麓側となる炉心側には、ハッチングエリアA12で例示するように、相対的に大粒(塊状)の原料Mが堆積される。山の中腹となる中間部には、ハッチングエリアA11で例示するように、細粒と大粒との間の大きさの粒(中粒)の原料Mが堆積される。
【0064】
図7(b)では、ホッパ21の底部に近いほど、水平断面積当たりの細粒の比率が小さく、大粒の比率が大きい。一方、ホッパ21の上部に進むほど、水平断面積当たりの細粒の比率が大きくなり、大粒の比率が小さくなる。
【0065】
図7(b)のように堆積した原料Mを、排出口24から所謂マスフローのように排出すると、排出される原料Mの粒の大きさは、大凡、大粒→中粒→細粒の順に時間変化する。つまり、
図7(b)では、排出する粒の大きさが時間とともに大粒から細粒に変わるように、排出する粒の大きさの推移を制御することができる。
【0066】
しかし、ファネルフローが生じると、排出口24の直上にある大粒の原料Mが相対的に早く排出され、炉外側にある細粒の原料Mが相対的に遅く排出されることがある。また、ラットホールが生じると、細粒の原料Mが内壁面に停滞することがある。このようにファネルフローやラットホールが生じると、排出する粒の大きさの時間推移を目標通りの推移とすることができない。
【0067】
そこで、炉頂装置20では、内壁面の傾きが小さい(緩やかな)炉外側において、排出調整装置30a、30bで原料Mの排出を積極的に促進させる。また、炉頂装置20では、内壁面の傾きが中程度の部分において、排出調整装置30c、30dで原料Mの排出を適度に促進させる。また、炉頂装置20では、内壁面の傾きが大きい(急な)炉心側において、排出調整装置30e、30fで原料Mの排出を抑制させる。
【0068】
具体的には、制御部40は、原料Mの排出の際に、排出調整装置30a、30b、30c、30dの軸部31(翼部32)を回転させる。翼部32が回転すると、翼部32上の原料Mが自重によって翼部32間に供給される。そして、翼部32は、回転にしたがって、翼部32間の原料Mを排出口24方向に押し下げる。これにより、排出調整装置30a、30b、30c、30dは、原料Mの排出を促進させることができる。
【0069】
また、上述のように、炉頂装置20では、排出調整装置30a、30bの翼面34の大きさが、排出調整装置30c、30dの翼面34の大きさ以上となっている。このため、排出調整装置30a、30bの翼部32は、排出調整装置30c、30dの翼部32よりも多くの原料Mを排出口24方向へ押し下げることができる。つまり、炉頂装置20では、排出調整装置30c、30dに比べ、排出口24から離隔した位置に設けられる排出調整装置30a、30bにおける原料Mの排出を、より促進させることができる。
【0070】
また、制御部40は、原料Mの排出の際に、排出調整装置30e、30fの翼面34が、円錐部23の傾斜方向(原料Mの落下方向)に対して垂直となる姿勢で維持されるように、軸部31(翼部32)を制御する。翼面34が円錐部23の傾斜方向に対して垂直となると、原料Mが翼面34によって支持されることとなる。これにより、排出調整装置30e、30fは、原料Mの排出を抑制させることができる。
【0071】
また、排出調整装置30e、30fでは、軸部31の角度を制御することで、翼面34が、円錐部23の傾斜方向に垂直な面に対して傾動可能となっている。そこで、制御部40は、原料Mの排出の際に、排出調整装置30e、30fの翼面34を、円錐部23の傾斜方向に垂直な面に対して傾斜させてもよい。翼面34が傾斜すると、翼部32における円錐部23の傾斜方向の投影面積、つまり、原料Mを支持する面積が、翼面34の傾斜角度にしたがって変わる。これにより、排出調整装置30e、30fは、原料Mの排出の抑制度合いを調整することができる。
【0072】
なお、制御部40は、排出調整装置30eの翼面34の傾斜方向および傾斜角度と、排出調整装置30fの翼面34の傾斜方向および傾斜角度とを、対称面S1に対して対称にさせてもよい。
【0073】
また、上述のように、排出調整装置30a、30b、30c、30dは、翼部32の数が排出調整装置30e、30fよりも多くなっている。このため、排出調整装置30a、30b、30c、30dは、より効率よく原料Mを排出口24方向に押し下げることができる。
【0074】
このように、炉頂装置20では、原料Mの排出を排出調整装置30によって調整することができる。これにより、炉頂装置20では、ファネルフローおよびラットホールが生じることを抑制し、原料Mをマスフローのように排出させることができる。
【0075】
例えば、
図7(a)のように原料Mを堆積させた場合、細粒の原料Mが相対的に早く排出されることを防止でき、大粒の原料Mが相対的に遅く排出されることを防止できる。また、
図7(b)のように原料Mを堆積させた場合、大粒の原料Mが相対的に早く排出されることを防止でき、細粒の原料Mが相対的に遅く排出されることを防止できる。つまり、炉頂装置20では、排出する粒の大きさを制御でき、排出する粒の大きさの時間推移を目標通りの推移とすることができる。
【0076】
なお、
図7(a)では、原料Mを炉心側に偏らせて落下させることで、排出する原料Mを、細粒から大粒に時間推移させていた。また、
図7(b)では、原料Mを炉外側に偏らせて落下させることで、排出する原料Mを、大粒から細粒に時間推移させていた。しかし、炉頂装置20では、排出する粒の大きさを、時間に依らず大凡一定となるように制御してもよい。
【0077】
このような場合、例えば、原料Mを四方に分散させるような落下位置調整部16を設けるなどして、原料Mを、粒の大きさの偏りを抑えるように堆積させる。しかし、粒の大きさの偏りを抑えるように堆積させたとしても、堆積された原料Mの粒の大きさの分布に、ばらつきが生じてしまう。そして、原料Mの排出の際にファネルフローおよびラットホールが生じると、排出する粒の大きさの時間推移にばらつきが生じてしまう。
【0078】
上述のように、炉頂装置20では、ファネルフローおよびラットホールが生じることを抑制し、原料Mをマスフローのように排出させることができる。このため、炉頂装置20では、粒の大きさの偏りを抑えるように原料Mを堆積させた場合、排出する原料Mの粒の大きさが時間とともにばらつくことを抑えることができ、排出する原料Mの粒の大きさを時間に依らず大凡一定とすることができる。
【0079】
図4に戻って、制御部40は、排出調整装置30aの軸部31(翼部32)の回転方向と、排出調整装置30bの軸部31(翼部32)の回転方向とが互いに逆方向となるように、軸部31の回転を制御する。例えば、制御部40は、排出調整装置30aの軸部31を時計回りに回転させる場合、排出調整装置30bの軸部31を反時計回りに回転させる。同様に、制御部40は、排出調整装置30cの軸部31(翼部32)の回転方向と、排出調整装置30dの軸部31(翼部32)の回転方向とが互いに逆方向となるように、軸部31の回転を制御する。つまり、炉頂装置20では、対称に配置される排出調整装置30の一方側の軸部31の回転方向と、他方側の軸部31の回転方向とが、互いに逆方向となっている。
【0080】
これにより、炉頂装置20では、原料Mの排出の際の流れが対称面S1に対して対称となり、排出口24よりも炉外方向の原料Mの流れを滑らかにすることができる。その結果、炉頂装置20では、原料Mをマスフローのように排出させることができる。
【0081】
また、制御部40は、排出調整装置30aの軸部31の回転方向と排出調整装置30cの軸部31の回転方向とが同方向となるように軸部31を回転させてもよいし、逆方向となるように軸部31を回転させてもよい。
【0082】
また、制御部40は、排出調整装置30bの軸部31の回転方向と排出調整装置30dの軸部31の回転方向とが同方向となるように軸部31を回転させてもよいし、逆方向となるように軸部31を回転させてもよい。
【0083】
排出調整装置30aの軸部31の回転方向と排出調整装置30cの軸部31の回転方向との関係、および、排出調整装置30bの軸部31の回転方向と排出調整装置30dの軸部31の回転方向との関係は、各排出調整装置30間の具体的な距離関係などにしたがって設定されてもよい。
【0084】
また、制御部40は、排出調整装置30aの軸部31(翼部32)の回転速度と、排出調整装置30bの軸部31(翼部32)の回転速度とが大凡同速度となるように、軸部31の回転速度を制御する。同様に、制御部40は、排出調整装置30cの軸部31(翼部32)の回転速度と、排出調整装置30dの軸部31(翼部32)の回転速度とが大凡同速度となるように、軸部31の回転速度を制御する。
【0085】
また、制御部40は、排出調整装置30a、30bの軸部31(翼部32)の回転速度が、排出調整装置30c、30dの軸部31(翼部32)の回転速度以上となるように、軸部31の回転速度を制御する。
【0086】
これにより、炉頂装置20では、排出調整装置30a、30bによる単位時間あたりの原料Mの押し下げ量を、排出調整装置30c、30dに比べて、より多くすることができる。つまり、炉頂装置20では、排出調整装置30c、30dに比べ、排出調整装置30a、30bにおける原料Mの排出を、より促進させることができる。
【0087】
以上のように、本実施形態の炉頂装置20では、回転可能な翼部32を有する排出調整装置30a、30bが、ホッパ21の中心軸C1に対して排出口24とは反対側に設けられている。これにより、本実施形態の炉頂装置20では、原料Mをマスフローのように排出させることができる。
【0088】
したがって、本実施形態の炉頂装置20によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移を制御することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態の炉頂装置20では、排出調整装置30a、30bが、対称面S1に対して互いに対称に配置されている。このため、本実施形態の炉頂装置20では、原料Mの流れを対称面S1に対して対称にさせることができ、原料Mの流れを、より確実にマスフローのようにさせることが可能となる。
【0090】
また、本実施形態の炉頂装置20では、回転可能な翼部32を有する排出調整装置30c、30dが、排出調整装置30a、30bよりも排出口24側において、対称面S1に対して対称に配置されている。これにより、本実施形態の炉頂装置20では、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態の炉頂装置20では、排出口24に対してホッパ21の中心軸C1とは反対側において、排出調整装置30e、30fが配置されている。これにより、本実施形態の炉頂装置20では、排出する原料Mの大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0092】
なお、上記実施形態において、排出調整装置30c、30d、30e、30fは、省略されてもよい。炉頂装置20では、少なくとも、排出調整装置30a、30bが設けられていれば、排出される原料Mの粒の大きさの推移を制御することができる。ただし、排出調整装置30c、30d、30e、30fを設けた方が、排出される原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することができる。
【0093】
また、ホッパ21の中心軸C1に対して排出口24とは反対側には、2個の排出調整装置30a、30bが対称面S1に対して対称に配置されていた。しかし、排出調整装置30a、30bは、対称面S1に対して対称に配置される態様に限らず、非対称に配置されてもよい。また、この位置に配置される排出調整装置30は、2個に限らず、複数個であればよく、例えば、3個以上であってもよい。
【0094】
また、ホッパ21の中心軸C1よりも排出口24側であり、排出口24の中心C2よりもホッパ21の中心軸C1側には、2個の排出調整装置30c、30dが対称面S1に対して対称に配置されていた。しかし、排出調整装置30c、30dは、対称面S1に対して対称に配置される態様に限らず、非対称に配置されてもよい。また、この位置に配置される排出調整装置30は、2個に限らず、1個であってもよく、3個以上であってもよい。
【0095】
また、排出口24に対してホッパ21の中心軸C1とは反対側には、2個の排出調整装置30e、30fが対称面S1に対して対称に配置されていた。しかし、排出調整装置30e、30fは、対称面S1に対して対称に配置される態様に限らず、非対称に配置されてもよい。また、この位置に配置される排出調整装置30は、2個に限らず、1個であってもよく、3個以上であってもよい。例えば、翼面34を円錐部23の傾斜方向に対して垂直にさせた1個の排出調整装置30を、排出口24に対してホッパ21の中心軸C1とは反対側における対称面S1上に配置してもよい。
【0096】
また、排出調整装置30e、30fは、軸部31が回転可能に支持される態様に限らない。例えば、排出調整装置30e、30fでは、翼面34が円錐部23の傾斜方向に対して垂直となるように円錐部23の内壁面に固定されてもよい。
【0097】
また、制御部40は、原料Mの排出の際に、排出調整装置30e、30fの翼面34の傾斜方向および傾斜角度を、時間変化させてもよい。この態様によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0098】
また、制御部40は、排出調整装置30e、30fの軸部31(翼部32)を回転させてもよい。この場合、制御部40は、排出調整装置30eの軸部31の回転方向と、排出調整装置30fの軸部31の回転方向とが逆方向となるように、軸部31の回転を制御してもよい。また、制御部40は、排出調整装置30e、30fの軸部31(翼部32)の回転速度を、排出調整装置30a、30b、30c、30dの軸部31の回転速度以下となるように、軸部31の回転を制御してもよい。この態様によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0099】
また、制御部40は、原料Mの排出の際に、排出調整装置30a、30b、30c、30d、30e、30fの軸部31(翼部32)の回転速度を、それぞれ時間変化させてもよい。この態様によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0100】
また、制御部40は、ホッパ21内の原料Mの排出開始を指示する排出指示を受信し、受信した排出指示に応じて各排出調整装置30の翼部32の回転を開始させてもよい。例えば、制御部40は、原料Mの排出開始に合わせて、各排出調整装置30の軸部31の回転制御を開始してもよい。また、制御部40は、原料Mの排出開始から所定時間経過後に、各排出調整装置30の軸部31の回転制御を開始してもよい。この態様によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0101】
また、制御部40は、原料Mの排出開始から排出終了までに亘って、各排出調整装置30の軸部31の回転制御を行ってもよい。また、制御部40は、原料Mの排出開始から排出終了までの期間のうちの一部の期間において、各排出調整装置30の軸部31の回転制御を行ってもよい。この態様によれば、排出する原料Mの粒の大きさの推移をより詳細に制御することが可能となる。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば、
図8は、変形例による炉頂装置120の構成を説明する透視側面図である。なお、
図8では、排出調整装置30b、30d、30fの表記を省略している。
【0104】
炉頂装置120では、インサート金物130がホッパ21内に設けられている。インサート金物130は、略円錐状に形成されている。インサート金物130は、排出口24の上方であり、各排出調整装置30の翼部32よりも下方に配置されている。
【0105】
インサート金物130は、原料Mの排出の際に、ファネルフローおよびラットホールが生じることを抑制する。しかし、インサート金物130が設けられると、インサート金物130と円錐部23の内壁面との間に、原料Mのブリッジが生じることがある。ブリッジが生じると、ブリッジよりも上方に堆積された原料Mが詰まって排出されなくなる。
【0106】
本変形例の炉頂装置120では、排出調整装置30a、30b、30c、30dの軸部31(翼部32)が回転するため、ブリッジが生じることを防止でき、ブリッジが生じたとしても、ブリッジを崩すことができる。このため、本変形例の炉頂装置120では、排出する原料Mの粒の大きさの推移を制御することができるとともに、原料Mの詰まりを防止できる。なお、炉頂装置120において、ブリッジが生じた場合、排出調整装置30e、30fの軸部31(翼部32)を回転させてもよい。
【0107】
なお、上記実施形態および変形例において、排出調整装置30a、30bの翼部32が、本開示の第1翼部に相当し、排出調整装置30c、30dの翼部32が、本開示の第2翼部に相当し、排出調整装置30e、30fの翼部32が、本開示の第3翼部に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本開示は、炉頂装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
20、120 炉頂装置
21 ホッパ
22 円筒部
23 円錐部
24 排出口
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f 排出調整装置
31 軸部
32 翼部
34 翼面
C1 中心軸
C2 中心
S1 対称面