(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】カスタマイズ可能施設
(51)【国際特許分類】
E04H 5/02 20060101AFI20220203BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20220203BHJP
C12M 3/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
E04H5/02 A
G05B19/418 Z
C12M3/00
(21)【出願番号】P 2018547273
(86)(22)【出願日】2017-03-10
(86)【国際出願番号】 US2017021838
(87)【国際公開番号】W WO2017156420
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-02-28
(32)【優先日】2016-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391003864
【氏名又は名称】ロンザ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LONZA LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォーティン、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、レスリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィトマー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】カルボノー、サンダ
(72)【発明者】
【氏名】ザヒリ、アレキサンダー
【審査官】新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513649(JP,A)
【文献】独国実用新案第09014558(DE,U1)
【文献】特開平04-368568(JP,A)
【文献】特表2014-503176(JP,A)
【文献】特表2010-524467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 5/02
G05B 19/418
C12M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの医薬製品を製造するカスタマイズ可能施設であって、
前記カスタマイズ可能施設の
地表面の床上に位置付けられる少なくとも1つの中央ユニットと、
前記少なくとも1つの中央ユニットと通じた状態の複数のモジュラー・ユニットであって、それにより、前記少なくとも1つの中央ユニットが、各モジュラー・ユニットにシェアされたユーティリティを提供する、複数のモジュラー・ユニットとを備え、
前記複数のモジュラー・ユニットは、第1の医薬製品を製造するための少なくとも1つの中央ユニットより
垂直に上の少なくとも1つの床に配置される第1の組のモジュラー・ユニットであって、発酵ユニットである第1のモジュラー・ユニットと、プレウイルス・ユニットである第2のモジュラー・ユニットと、ポストウイルス・ユニットである第3のモジュラー・ユニットと、無菌充填ユニットである第4のモジュラー・ユニットと、用量調製ユニットである第5のモジュラー・ユニットと、包装ユニットである第6のモジュラー・ユニットとを有する、第1の組のモジュラー・ユニットと、
第2の医薬製品を製造するための少なくとも1つの中央ユニットより
垂直に上の少なくとも1つの床に配置される第2の組のモジュラー・ユニットであって、発酵ユニットである第7のモジュラー・ユニットと、プレウイルス・ユニットである第8のモジュラー・ユニットと、ポストウイルス・ユニットである第9のモジュラー・ユニットと、無菌充填ユニットである第10のモジュラー・ユニットと、用量調製ユニットである第11のモジュラー・ユニットと、包装ユニットである第12のモジュラー・ユニットとを有する、第2の組のモジュラー・ユニットと
、
シェルであって、前記少なくとも1つの中央ユニットが、前記シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされ、前記複数のモジュラー・ユニットが、前記シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされ、前記地表面に固定される足場で支持されるシェルと、を含む、
カスタマイズ可能施設。
【請求項2】
前記複数のモジュラー・ユニットが、ユーティリティ空間、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1
に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモジュラー・ユニットが、前記シェルの設置面積を最小化しながら前記シェルの中のモジュラー・ユニットの数を最大化するように配置構成される複数のモジュラー・ユニットを含む、請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項4】
前記地表面に支持されるバイオリアクターを前記シェルの中にさらに備える、請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項5】
前記少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの1つの中に支持されるバイオリアクターをさらに備える、請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項6】
前記カスタマイズ可能施設の外側壁部が、
前記シェルによって形成される外側壁部であって、前記シェルが、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを全体的に囲む、外側壁部、並びに
前記シェルと、前記少なくとも1つの中央ユニットの外側壁部及び前記複数のモジュラー・ユニットの外側壁部のうちの少なくとも1つとによって形成される外側壁部、
のうちの一方である、
請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項7】
前記シェルが、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを取り囲む、少なくとも1つの側壁部と、前記少なくとも1つの側壁部の上縁部に固着され、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを覆って延在する、屋根とを含む、請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項8】
前記複数のモジュラー・ユニットの少なくとも1つのモジュラー・ユニットが、細胞治療薬工程向けに構成される、請求項
1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項9】
少なくとも1つの医薬製品を製造する施設を組み立てる方法であって、
カスタマイズ可能施設の
地表面の床上に位置付けられる少なくとも1つの中央ユニットを提供するステップと、
前記少なくとも1つの中央ユニットと通じた状態の複数のモジュラー・ユニットを提供するステップであって、それにより、前記少なくとも1つの中央ユニットが、前記各モジュラー・ユニットにシェアされたユーティリティを提供する、ステップとを含み、
前記複数のモジュラー・ユニットは、第1の医薬製品を製造するための少なくとも1つの中央ユニットより
垂直に上の少なくとも1つの床に配置される第1の組のモジュラー・ユニットであって、発酵ユニットである第1のモジュラー・ユニットと、プレウイルス・ユニットである第2のモジュラー・ユニットと、ポストウイルス・ユニットである第3のモジュラー・ユニットと、無菌充填ユニットである第4のモジュラー・ユニットと、用量調製ユニットである第5のモジュラー・ユニットと、包装ユニットである第6のモジュラー・ユニットとを有する、第1の組のモジュラー・ユニットと、
第2の医薬製品を製造するための少なくとも1つの中央ユニットより
垂直に上の少なくとも1つの床に配置される第2の組のモジュラー・ユニットであって、発酵ユニットである第7のモジュラー・ユニットと、プレウイルス・ユニットである第8のモジュラー・ユニットと、ポストウイルス・ユニットである第9のモジュラー・ユニットと、無菌充填ユニットである第10のモジュラー・ユニットと、用量調製ユニットである第11のモジュラー・ユニットと、包装ユニットである第12のモジュラー・ユニットとを有する、第2の組のモジュラー・ユニットと、
シェルであって、前記少なくとも1つの中央ユニットが、前記シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされ、前記複数のモジュラー・ユニットが、前記シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされ、前記地表面に固定される足場で支持されるシェルと、を含む、
方法。
【請求項10】
前記複数のモジュラー・ユニットが、ユーティリティ空間、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニットを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のモジュラー・ユニットが、前記シェルの設置面積を最小化しながら前記シェルの中のモジュラー・ユニットの数を最大化するように配置構成される複数のモジュラー・ユニットを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記シェルの中で
前記地表面にバイオリアクターを支持するステップ、及び前記複数のモジュラー・ユニットのうちの1つの中にバイオリアクターを支持するステップ、のうちの一方をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記カスタマイズ可能施設の外側壁部が、
前記シェルによって形成される外側壁部であって、前記シェルが、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを全体的に囲む、外側壁部、並びに
前記シェルと、前記少なくとも1つの中央ユニットの外側壁部及び前記複数のモジュラー・ユニット
の少なくとも1つのモジュラー・ユニットの外側壁部のうちの少なくとも1つとによって形成される外側壁部、のうちの一方である、
請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記シェルが、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを取り囲む、複数の側壁部と、前記少なくとも1つの側壁部の上縁部に固着され、前記少なくとも1つの中央ユニット及び前記複数のモジュラー・ユニットを覆って延在する、屋根とを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの医薬製品が、バイオシミラー製品である、請求項
9に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの数は、前記第1の医薬製品の需要に応じて、増加され又は減少される、請求項1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項17】
前記第1の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの寸法は、前記第1の医薬製品の需要に応じて、増加され又は減少される、請求項1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項18】
前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの数は、前記第2の医薬製品の需要に応じて、増加され又は減少される、請求項1のカスタマイズ可能施設。
【請求項19】
前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの寸法は、前記第2の医薬製品の需要に応じて、増加され又は減少される、請求項1のカスタマイズ可能施設。
【請求項20】
前記第1の医薬製品の需要に応じて、前記第1の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの数を増加するステップ又は減少するステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の医薬製品の需要に応じて、前記第1の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの寸法を増加するステップ又は減少するステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の医薬製品の需要に応じて、前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの数を増加するステップ又は減少するステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の医薬製品の需要に応じて、前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットの寸法を増加するステップ又は減少するステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の組のモジュラー・ユニットと前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットとは、それぞれ、少なくとも1,500平方メートルの設置面積を有する、請求項1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項25】
前記第1の組のモジュラー・ユニットと前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットとは、それぞれ、少なくとも1,500平方メートルの設置面積を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の組のモジュラー・ユニットと前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットとは、それぞれ、1,500平方メートルから3,000平方メートルの設置面積を有する、請求項1に記載のカスタマイズ可能施設。
【請求項27】
前記第1の組のモジュラー・ユニットと前記第2の組のモジュラー・ユニットのモジュラー・ユニットとは、それぞれ、1,500平方メートルから3,000平方メートルの設置面積を有する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に全体として組み込まれる、2016年3月10日出願の米国仮特許出願第62/306,556号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、使用者が施設内で複数の製品を製造することを可能にするカスタマイズ可能施設に関する。詳細には、本開示は、クリーン・ルーム環境において製品を製造するカスタマイズ可能施設に関する。
【背景技術】
【0003】
モノクローナル抗体や微生物産物などの製品を製造する従来の構造物は、構造物の空間を効率的に使用することを可能にするものではない。従来の構造物のレイアウトにより、新しい製品ラインを製造するために構造物を容易に構成又は拡張することがしばしば制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国公開第2013/0280797号
【文献】米国公開第2012/0077429号
【文献】米国公開第2011/0280797号
【文献】米国公開第2009/0305626号
【文献】米国特許第8,298,054号
【文献】米国特許第7,629,167号
【文献】米国特許第5,656,491号
【文献】米国特許出願公開第2016/0097074号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、使用者が製品ライン間で共通の資源を効率的に使用することを可能にし、施設の運転不能時間を短縮しながら新しい製造プロセス又は新しい製造ラインを収めるように施設を容易に改造することを可能にする製造施設が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、少なくとも1つの生産プロセス(たとえば発酵ユニット及び精製ユニットを使用する生産プロセス)を利用して、少なくとも1つの製品を製造するカスタマイズ可能施設を提供する。本開示の一態様によれば、カスタマイズ可能施設は、シェルと、シェルの中に位置決めされる少なくとも1つの中央ユニットと、少なくとも1つのモジュラー・ユニットであって、各モジュラー・ユニットがシェルの中に位置決めされる、少なくとも1つのモジュラー・ユニットとを含む。シェル、中央ユニット、及びモジュラー・ユニットは、変動的な範囲をもつ製造能力を変更する速さ及び簡便さを最大化するように、構成及び配置構成される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つの医薬製品を製造するカスタマイズ可能施設は、少なくとも1つの中央ユニットを含む。少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、少なくとも1つの中央ユニットと通じた状態にあり、それにより、少なくとも1つの中央ユニットが、少なくとも1つのモジュラー・ユニットにユーティリティを提供する。
【0008】
いくつかの実施例では、カスタマイズ可能施設は、シェルを含み、少なくとも1つの中央ユニットは、シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされ、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、シェルの中に少なくとも部分的に位置決めされる。
【0009】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、発酵ユニット、プレウイルス・ユニット、ポストウイルス・ユニット、ユーティリティ空間、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニット、無菌充填(fill-finish)ユニット、用量調製ユニット、及び包装ユニットのうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの中央ユニットと直接隣り合う。
【0011】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、シェルの設置面積を最小化しながらシェルの中のモジュラー・ユニットの数を最大化するように配置構成される複数のモジュラー・ユニットを含む。
【0012】
いくつかの実施例では、複数のモジュラー・ユニットの各モジュラー・ユニットは、少なくとも1つの中央ユニットのうちの少なくとも1つ、及び複数のモジュラー・ユニットのうちの別のものと直接隣り合う。
【0013】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの中央ユニット及び複数のモジュラー・ユニットは、ハブ・アンド・スポーク配列を形成する。
【0014】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの中央ユニット及び複数のモジュラー・ユニットは、H形状のレイアウトで配置構成される。
【0015】
いくつかの実施例では、カスタマイズ可能施設は、地表面に支持されるバイオリアクターをシェルの中に含む。
【0016】
いくつかの実施例では、カスタマイズ可能施設は、少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの1つの中に支持されるバイオリアクターを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、カスタマイズ可能施設の外側壁部は、シェルによって形成される外側壁部であって、シェルが、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを全体的に囲む、外側壁部、並びにシェルと、少なくとも1つの中央ユニットの外側壁部及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットの外側壁部のうちの少なくとも1つによって形成される外側壁部、のうちの一方である。
【0018】
いくつかの実施例では、シェルは、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを取り囲む、少なくとも1つの側壁部と、少なくとも1つの側壁部の上縁部に固着され、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを覆って延在する、屋根とを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの少なくとも1つは、クリーン・ルームである。
【0020】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、細胞治療薬工程向けに構成される。
【0021】
本開示の別の態様によれば、少なくとも1つの医薬製品を製造する施設を組み立てる方法は、少なくとも1つの中央ユニットを提供するステップと、少なくとも1つの中央ユニットと通じた状態の少なくとも1つのモジュラー・ユニットを提供するステップであって、それにより、少なくとも1つの中央ユニットが、少なくとも1つのモジュラー・ユニットにユーティリティを提供する、ステップとを含む。
【0022】
いくつかの実施例では、方法は、シェルを提供するステップと、シェルの中に、少なくとも部分的に少なくとも1つの中央ユニットを位置決めするステップと、シェルの中に、少なくとも部分的に少なくとも1つのモジュラー・ユニットを位置決めするステップとを含む。
【0023】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、発酵ユニット、プレウイルス・ユニット、ポストウイルス・ユニット、ユーティリティ空間、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニット、無菌充填ユニット、用量調製ユニット、及び包装ユニットのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのモジュラー・ユニットは、シェルの設置面積を最小化しながらシェルの中のモジュラー・ユニットの数を最大化するように配置構成される複数のモジュラー・ユニットを含む。
【0025】
いくつかの実施例では、複数のモジュラー・ユニットの各モジュラー・ユニットは、少なくとも1つの中央ユニットのうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの別のものと直接隣り合う。
【0026】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの中央ユニット及び複数のモジュラー・ユニットは、ハブ・アンド・スポーク配列を形成する。
【0027】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの中央ユニット及び複数のモジュラー・ユニットは、H形状のレイアウトで配置構成される。
【0028】
いくつかの実施例では、方法は、シェルの中で地表面にバイオリアクターを支持するステップ、及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの1つの中にバイオリアクターを支持するステップ、のうちの一方を含む。
【0029】
いくつかの実施例では、カスタマイズ可能施設の外側壁部は、シェルによって形成される外側壁部であって、シェルが、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを全体的に囲む、外側壁部、並びにシェルと、少なくとも1つの中央ユニットの外側壁部及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットの外側壁部のうちの少なくとも1つとによって形成される外側壁部、のうちの一方である。
【0030】
いくつかの実施例では、シェルは、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを取り囲む、少なくとも1つの側壁部と、少なくとも1つの側壁部の上縁部に固着され、少なくとも1つの中央ユニット及び少なくとも1つのモジュラー・ユニットを覆って延在する、屋根とを含む。
【0031】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの医薬製品は、バイオシミラー製品である。
【0032】
添付図面は、一定の縮尺で描かれることを意図されていない。図が見えやすいように、すべての構成要素がすべての図面に表記されていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示によるカスタマイズ可能施設の一実施例の上面図である。
【
図2B】カスタマイズ可能施設の中のある構成要素の場所を示す、
図1の実施例の斜視図である。
【
図2C】カスタマイズ可能施設の中の別の構成要素の場所を示す、
図1の実施例の斜視図である。
【
図2D】カスタマイズ可能施設の中の別の構成要素の場所を示す、
図1の実施例の斜視図である。
【
図2E】カスタマイズ可能施設の中の別の構成要素の場所を示す、
図1の実施例の斜視図である。
【
図3A】本開示によるモジュラー・ユニットの一実施例の分解図である。
【
図3B】本開示によるモジュラー・ユニットの別の実施例の分解図である。
【
図3C】本開示によるモジュラー・ユニットの別の実施例の分解図である。
【
図3D】本開示によるモジュラー・ユニットの別の実施例の分解図である。
【
図3E】本開示によるモジュラー・ユニットの別の実施例の分解図である。
【
図4】本開示によるカスタマイズ可能施設の一実施例の正面斜視切断図である。
【
図5】H形状のレイアウトで配置構成される、モジュラー・ユニット及び中央ユニットのセットの斜視図である。
【
図6】H形状のレイアウトで配置構成される、モジュラー・ユニット及び中央ユニットのセットの上面図である。
【
図7】H形状のレイアウトで配置構成される、モジュラー・ユニット及び中央ユニットのセットの斜視図である。
【
図8】シェルの中に別の配置構成で配置構成されるモジュラー・ユニット及び中央ユニットの上面図である。
【
図9】シェルの中に配置構成されるモジュラー・ユニット及び中央ユニットの別の配置構成の上面図である。
【
図10】モジュラー・ユニット及び中央ユニットの別の配置構成の上面図である。
【
図11】背骨状に配置構成されるモジュラー・ユニット及び中央ユニットのセットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
カスタマイズ可能施設に関して本明細書に開示される構造物は、所与の時間で少なくとも1つの製品を製造するために有用である。本明細書に開示される構造物は、共通の資源を利用する種々の製品を製造するために特に有用である。
【0035】
本開示は、スケーラブルな1つ又は複数の製品ラインがカスタマイズ可能施設のシェルの中に少なくとも部分的に囲まれることを可能にするシステム及び方法を提供する。構造物は適合性があるので、構造物は、使用者が長期にわたって構造物を単一の製品ラインに充てることを必要としない。構造物は、製品ラインの寸法要件を満たすように再構成することができる。
【0036】
本開示のカスタマイズ可能施設は、使用者が建設予定期間を短縮し、資本支出を削減し、グローバルな設計標準化を拡大させ、世界中の種々の規格に適合することを可能にする。
【0037】
カスタマイズ可能構造物により、新しい製品ラインを構築するとき、構想から建設までの所要時間を短くし、建設現場の混雑を低減することが可能になり、必要とされる固定資産が少なくなる。
【0038】
一般に、カスタマイズ可能施設は、シェルと、シェルの中に位置決めされる少なくとも1つの中央ユニットと、少なくとも1つのモジュラー・ユニットであって、各モジュラー・ユニットが、シェルの中に位置決めされる、少なくとも1つのモジュラー・ユニットとを備える。
【0039】
図1は、全体として10で示されるカスタマイズ可能施設の例示的な実施例の平面図である。
図1のカスタマイズ可能施設は、第1の段階12、第2の段階14、その後の段階など、一連の段階で建設され得る。
【0040】
図1のカスタマイズ可能施設10の建設の第1の段階12で据え付けられる特徴は、空調された入口通路16、更衣区域18、ユーティリティ区域20、第1の製造ウイング22A、第1の事務所スペース24A、及びカスタマイズ可能施設10の作業員がカスタマイズ可能施設10の中である区域から別の区域へと移動することを可能にする少なくとも1つの通路28を含む。
【0041】
カスタマイズ可能施設10の外には、機器及び材料を取り扱うためのハンドリング区域32を含むヤード30が存在する。ヤード区域30は、道路34と隣り合って示されている。一般に、カスタマイズ可能施設10は、任意の方向に拡張することができる。追加的に、カスタマイズ可能施設10は、ヤード区域30や道路34などの周囲の特徴の物理的制約の中で、一連の建設段階及び/又はサブ段階において拡張することができるように建設される。
【0042】
図1は、第2の製造ウイング22Bや第2の事務所スペース24Bなどの、建設の第2の段階14の間に追加することができる追加的な特徴を示す。
【0043】
カスタマイズ可能施設10のレイアウトは、クリーン・ルーム環境での製造用に構成されてもよい。カスタマイズ可能施設10は、ユーティリティ・ユニット(又はユーティリティ・ハブ)を備えるハイブリッドの現場施工型又はフレーム施工建屋及びモジュラー建屋を利用する。
【0044】
ここで
図2A~
図2Eを参照すると、カスタマイズ可能施設の種々の構成要素の相対位置が示されている。
【0045】
図2Aは、カスタマイズ可能施設10の外側シェル36の外壁部の斜視図を示す。以下により詳しく述べるように、外側シェル(又はシェル)36は、中央ユニット(中央ユーティリティ・ユニットである場合がある)38を少なくとも部分的に囲み、複数のモジュラー・ユニット40を少なくとも部分的に囲む。いくつかの実施例では、外側シェル36は、ユーティリティ・ユニット(中央ユーティリティ・ユニットである場合がある)38を全体的に囲み、複数のモジュラー・ユニット40を全体的に囲む。
【0046】
外側シェル36は、従来の現場施工型建築、又は限定はされないが事前組立てモジュールなどの別の方法に従って建設され得る。たとえば、外側シェル36は、従来の建築方法を使用して、鋼製の構造物から製作されてもよい。外側シェル36は、地面に固着される基礎に支持され得る。外側シェル36は、耐候性である。
【0047】
外側シェル36は、上部構造を形成する。いくつかの実施例では、外側シェル36は、建屋建設の当技術分野において知られている「バトラー(Butler)」スタイルの建屋でもよい。
【0048】
外側シェル36は、以下により詳細に述べられる、カスタマイズ可能施設10に含まれる1つ又は複数の中央ユニット38及び1つ又は複数のモジュラー・ユニット40を取り囲むように寸法決定及び構成される側壁部42を含む。
【0049】
屋根44は、中央ユニット38及びモジュラー・ユニット40を覆って延在した状態で、側壁部42の上縁部に固着される。したがって、側壁部42及び屋根44は、中央ユニット38及びモジュラー・ユニット40を囲み、中央ユニット38及びモジュラー・ユニット40は、シェル36の中に位置決めされる。中央ユニット38及びモジュラー・ユニット40は、シェル36の床部、又はシェルが固着される別の支持表面に支持され得る。カスタマイズ可能施設10は、次いでモジュラー・タイプの要素で埋められる基本上部構造を含む、(モジュラー現場施工と称される場合がある)部分モジュラー方法を実現する。
【0050】
一実施例では、
図2Aのカスタマイズ可能施設10の外側の高さは、30メートルである。一実施例では、各製造ウイングの長さは100メートルであり、幅は30メートルである。
【0051】
図2Bは、破線でカスタマイズ可能施設10の外形を示し、実線でユーティリティ区域を示す。ユーティリティ区域20は、カスタマイズ可能施設10の中央の方に位置決めされる中央ユニット(中央ユーティリティ・ベイ(CUB:Central Utility Bay)、又はユーティリティ建屋、又は中央ユーティリティ・モジュールと称される場合がある)38を含んでもよい。
【0052】
図1のシェル36は、将来的なユーティリティ区域46も囲み、これは、
図1では将来的なユーティリティ・モジュールによって完全に占有されている。将来的なユーティリティ区域46は、ユーティリティ・モジュール38と隣り合い、
図1に示されている。将来的なユーティリティ区域46は、ユーティリティ・モジュール38と隣り合う倉庫区域として使用されてもよい。このカスタマイズ可能施設10の中の将来的なユーティリティ区域46は、自動探索・検索システム(ASARS:automated search and retrieval system)を有する高さ12.19m(40フィート)の倉庫などの、ハイ・ベイ用途にも適合し得る。
【0053】
いくつかの実施例では、ユーティリティ・モジュール38及び将来的なユーティリティ区域46は、ユーティリティ部分及び将来的なユーティリティ部分に分割される、単一のユーティリティ・モジュールである。
【0054】
中央ユーティリティ・モジュール38は、カスタマイズ可能施設10の中央に存在する必要はない。いくつかの実施例では、中央ユーティリティ・モジュール38は、カスタマイズ可能施設10の外縁部に沿って位置決めされてもよい。
【0055】
図2Cは、破線でカスタマイズ可能施設10の外形を示し、実線で製造ウイング22A、22Bを示す。
【0056】
製造ウイング22A、22Bは、発酵モジュール、又は精製モジュールなどの、製品ライン向けのモジュラー・ユニット40を収容するように構成される。カスタマイズ可能施設10は、容易に拡張可能且つスケーラブルであり、製造ウイング22A、22Bの中の異なるモジュラー・ユニット40を使用して、同じカスタマイズ可能施設10の中で完全に異なる製品を生産することができる。
【0057】
たとえば、第1の発酵モジュールとして構成されるモジュラー・ユニット40では、使用者は、哺乳動物の細胞系に由来するモノクローナル抗体製品などの、あるタイプの製品を製造していてもよい。第2のモジュラー・ユニット40では、使用者は、微生物産物などの、完全に異なる製品を製造してもよい。本開示のカスタマイズ可能施設10は、単一の拡張可能な上部構造から複数の製品ラインを同時にサポートし、複数の顧客をサポートすることができる。本開示のカスタマイズ可能施設10は、拡張されて追加的な製品ラインを追加することができる。
【0058】
カスタマイズ可能施設10の製造ウイング22A、22Bのモジュラー・ユニット40の中に、リアクターが支持されてもよい。カスタマイズ可能施設10は、任意の、所望の適した容器容積を支持することができる。たとえば、
図1に示されるようないくつかの態様では、カスタマイズ可能施設10は、最大20,000リットルの生産容器、及び20,000リットルを超える(たとえば23,000~24,000リットルの)貯蔵容器(たとえばハーベスト)を収容するように構成され得る。たとえば、カスタマイズ可能施設10は、約20,000リットル、15,000リットル、10,000リットル、5,000リットル、2,000リットル及び/又は1,000リットルの容積を有する容器を支持するように寸法決定及び構成されてもよい。他の容積を有する容器も支持され得る。
【0059】
任意の通常の製造機器及びクリーン・ルーム機器が、カスタマイズ可能施設10に含まれてもよく、カスタマイズ可能施設10は、cGMP(現行の医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(curent good manufacturing practice))プロセスに完全に適し得る。
【0060】
カスタマイズ可能施設10に組み込まれ得るいくつかの機器の実例には、バイオリアクター、分離板型遠心分離機、タンジェンシャル・フロー濾過(TFF:tangential flow filtration)スキッド、深層濾過スキッド、インライン希釈スキッド、関連付けられた制御機器を備えるクロマトグラフィー・カラム、培地タンク、ハーベスト・タンク、精製容器、デプス・フィルタ・ホルダー、水の軟化及び脱塩素システム、クリーン・スチーム発生器、注射用水(WFI:water for injection)貯蔵タンク、WFIのブレーク・タンク、やはりWFIの冷却塔、配電盤、緊急用発電機、冷却装置、温水循環式ポンプ、オートクレーブ、エア・ハンドリング・ユニット、(ガラス繊維強化プラスチック(FRP:fiberglass reinforced plastic)などの)プロセス廃棄物中和装置、バイオ廃棄物捕集及び不活性化システム、定置洗浄システム、ガラス洗浄装置、及び/又は他の機器が含まれるが、これらに限定はされない。
【0061】
本開示のカスタマイズ可能施設10の中のバイオリアクターは、地面を土台とするリアクターでもよい。別法として、バイオリアクターは、構造物自体から懸架されてもよい。たとえば、バイオリアクターは、モジュラー・ユニット40の1つ又は複数から懸架されてもよい。
【0062】
カスタマイズ可能施設10は、1つ又は複数の中央ユニット38と、1つ又は複数のモジュラー・ユニット40とを含んでもよい。いくつかの実施例では、各モジュラー・ユニット40は、発酵又は細胞培養ユニット、プレウイルス・ユニット、ポストウイルス・ユニット、ユーティリティ・ヤード、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニット、無菌充填ユニット、用量調製ユニット、及び包装ユニットの群から選択される。生産ユニットは、製品を製造するのに有用である。無菌充填ユニットは、バイアルなどのコンテナを充填するのに有用である。用量調製ユニットは、製品の1セットの用量を調剤する。包装ユニットは、配送又は販売のために、製品を包装する。
【0063】
各モジュラー・ユニットに割り当てられる空間は、特定の処理要件に適合する必要があるとき、さらに分割されてもよい。各製造ウイング22A、22Bは、各製造ウイング22A、22Bの中に2つ以上のモジュラー・ユニット40が位置決めされるのを可能にするように構成されてもよい。
【0064】
図1及び
図2Cでは、第1の製造ウイング22Aは、3つのモジュラー・ユニット40を備える。第2の製造ウイング22Bは、2つのモジュラー・ユニット40を備える。中央ユーティリティ区域20は、長さ50メートル、幅20メートルであり、3つの内部階層を有する。中央ユーティリティ・ブロックは、拡張可能である。
【0065】
いくつかの実施例では、モジュラー・ユニット40のうちの少なくとも1つは、クリーン・ルームである。いくつかの実施例では、モジュラー・ユニット40のうちの少なくとも1つは、それぞれのモジュラー・ユニット40内にクリーン・ルーム部分を含む。
【0066】
建屋シェル36は、異なる生産モジュールを収めるように設計される。いくつかの実施例では、シェルは、哺乳動物の細胞系用の4つの20,000リットル容器を格納することができる。いくつかの実施例では、シェルは、シングルユース技術工程用の4つの2,000リットル容器を格納することができる。
【0067】
いくつかの実施例では、製造ウイングは、4つの20,000リットル容器及びダウンストリーム処理機器を収容し、哺乳動物の細胞系由来のモノクローナル抗体製品を製造するように構成されるモジュラー・ユニット、哺乳動物の細胞系由来のモノクローナル抗体製品を製造するためのシングルユース機器を収容し、4つの20,000リットル容器を有するモジュラー・ユニット、微生物産物を製造するように構成されるモジュラー・ユニット、並びに/又は微生物産物を製造するシングルユース機器を収容するモジュラー・ユニットを含んでもよい。
【0068】
一実施例では、モジュラー・ユニットは、哺乳動物由来製造(mammalian manufacturing)用に構成され、4つの20,000リットル容器とダウンストリーム処理機器とを含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、商業用及び臨床用生産のための4つの20,000リットル容器を含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、臨床用生産向け1つの1,000リットル容器を含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、微生物産物を製造するために構成され、1つの15,000リットル容器を含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、3つの5,000リットル容器を含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、1つ又は複数のプロセス開発ラボを含む。別の実施例では、モジュラー・ユニットは、無菌充填臨床用開発バイアル充填機器、凍結乾燥機器の1つ又は複数のセット、事前充填シリンジを製造するための機器、及び/又は商業用用途向けの高力価製品を製造するための機器を含む。いくつかの実施例では、モジュラー・ユニットは、細胞治療薬機器を含む。いくつかの実施例では、モジュラー・ユニットは、ウイルス治療薬機器を含む。
【0069】
図2Dは、破線でカスタマイズ可能施設10の外形を示し、実線で第1の事務所スペース24A及び第2の事務所スペース24Bを示す。第1の事務所スペース24Aは、事務所、個人的な収納のためのロッカー、及びサポート・エリアを含む。第2の事務所スペース24Bは、事務所、個人的な収納のためのロッカー、及びサポート・エリアを含む。第1の事務所スペース24Aの前壁部48Aは、
図2Aに示されるように、カスタマイズ可能施設10の前方外表面の一部を形成する。第1の事務所スペース24Bの前壁部48Bは、カスタマイズ可能施設10の前方外表面の一部を形成する。したがって、各事務所スペース24A、24Bは、部分的にのみ、カスタマイズ可能施設10のシェル36によって囲まれる。
【0070】
同様に、いくつかの実施例では、中央ユニットの外側壁部及び/又は少なくとも1つのモジュラー・ユニットのうちの1つの外側壁部は、カスタマイズ可能施設の外側壁部の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施例では、中央ユーティリティ・モジュールの上表面及び/又はモジュラー・ユニットの上表面は、カスタマイズ可能施設の上表面の一部を形成する。
【0071】
図2Eは、破線でカスタマイズ可能施設10の外形を示し、実線で更衣区域18を示す。更衣区域18は、使用者がカスタマイズ可能施設10に入り、日常着から作業着へと着替えることを可能にする。
図2Eでの更衣区域18は、男性用更衣区域18A及び女性用更衣区域18Bへとさらに細かく分割されている。いくつかの実施例では、更衣区域18は、2つ以上の更衣区域へと細かく分割される。いくつかの実施例では、更衣区域18は、細かく分割されない。
【0072】
他の実施例では、第1の製造ウイング22A及び第2の製造ウイング22B、第1の事務所スペース24A、第2の事務所スペース24B、更衣区域18、並びにユーティリティ区域20の相対位置は、カスタマイズ可能施設10内で異なるように位置決めされてもよく、且つ/又はカスタマイズ可能施設10に対して異なる方向に向けられてもよい。
【0073】
足場及び通路28は、カスタマイズ可能施設10の使用者がユーティリティ区域20のユーティリティ・ユニット38及びモジュラー・ユニット(発酵などのモジュール)40にアクセスすることを可能にする。
【0074】
カスタマイズ可能施設10に建設の第2の段階14を追加した後、時が経つにつれて、使用者がカスタマイズ可能施設10をさらに拡張することを希望する可能性がある。たとえば、グローバル経済の消費者は、使用者が製造している製品に対する需要を増やす可能性があり、又はグローバル経済の消費者は、使用者が生産することができる製品に対する需要を増やす可能性がある。製品に対するこうした需要の増加に対処するために、使用者は、
図1のカスタマイズ可能施設に追加的な特徴を追加する、建設のその後の段階において、カスタマイズ可能施設10を拡張することができる。いくつかの実施例では、(追加的なモジュラー・ユニット、追加的な製造ウイング、又はカスタマイズ可能施設の別の構成要素などの)このような追加的な特徴は、第1の製造ウイング22A又は第2の製造ウイング22Bに水平に隣り合って位置決めされる。いくつかの実施例では、このような追加的な特徴は、第1の製造ウイング22A及び/又は第2の製造ウイング22Bに垂直に隣り合って位置決めされる。
【0075】
ここで
図3A~
図3Eを参照すると、使用者は、様々なサブ段階で、
図1の第1の製造ウイング22A又は第2の製造ウイング22Bなどの製造ウイングを拡張することが可能である。使用者は、
図3A~
図3Eに示される構成のうちの1つから
図3A~
図3Eに示される別の構成へと製造ウイングのレイアウトを改装することができる。別法として、使用者は、ある製造ウイングのレイアウトを別の構成へと改装することができる。
【0076】
図3Aは、無菌充填モジュールとして構成されるモジュラー・ユニット40Aの一実施例の部分分解図を示す。
図3Aの無菌充填モジュールは、1,500平方メートルの設置面積を有する単一の床部60Aを有する。無菌充填モジュールは、HVACプラント室のための中2階と、いくつかの局所的なユーティリティとを含む。自由なフィールド50Aは、無菌充填モジュールと隣り合って破線で示され、1,500平方メートルの設置面積を有する。自由なフィールド50Aは、製品貯蔵などの種々の目的のために使用することができる。無菌充填モジュール40Aと自由なフィールド50Aは、合わせて、第2の製造ウイング22Bの3,000平方メートルの設置面積にわたって延在する。
【0077】
図3Bは、「2kモジュール」として構成されるモジュラー・ユニット40Bの一実施例の部分分解図を示す。
図3Bの2kモジュールは、1,500平方メートルの設置面積を有する単一の床部60Bを有する。2kモジュールは、2,000リットル容器を囲むことができる。2kモジュールは、HVACプラント室のための中2階と、いくつかの局所的なユーティリティとを含む。自由なフィールド50Bは、2kモジュールと隣り合って破線で示され、1,500平方メートルの設置面積を有する。自由なフィールド50Bは、製品貯蔵などの種々の目的のために使用することができる。2kモジュール40Bと自由なフィールド50Bは、合わせて、第2の製造ウイング22Bの3,000平方メートルの設置面積にわたって延在する。
【0078】
図3Cは、「5kモジュール」として構成されるモジュラー・ユニット40Cの一実施例の部分分解図を示す。
図3Cの5kモジュールは、3,000平方メートルの設置面積を有する単一の床部60Cを有する。5kモジュールは、5,000リットル容器を囲むことができる。5kモジュールは、HVACプラント室のための中2階と、いくつかの局所的なユーティリティとを含む。5kモジュールは、製造ウイングの3,000平方メートルの設置面積にわたって延在する。
【0079】
図3Dは、「15kモジュール」として構成されるモジュラー・ユニット40Dの一実施例の部分分解図を示す。
図3Dの15kモジュールは、第1の床部60Dと第2の床部62とを有する。
図3Dの15kモジュールは、3,000平方メートルの設置面積を有する。15kモジュールは、15,000リットル容器を囲むことができる。15kモジュールは、局所的HVACユニット、定置洗浄(CIP:clean in place)ユニット、及び温度制御ユニット(TCU:temperature control unit)を含む。いくつかの実施例での温度制御ユニットは、熱交換器を備えるウォータージャケットをタンクに含んで、製品ラインにおいて使用されるタンクの温度を制御する。CIPユニットは、通常はモジュラースキッドであり、(苛性溶液や漂白剤などの)洗浄溶液を保持するためのいくつかのタンク、ポンプ、及びセンサを有して、洗浄される適当なタンクに洗浄溶液を送る。
【0080】
15kモジュールの第1の床部60Dは、製造ウイングの3,000平方メートルの設置面積にわたって延在する。15kモジュールの第2の床部62は、15kモジュールの第1の床部の上に垂直に延在し、製造ウイングの3,000平方メートルの設置面積の上に延在する。15kモジュールの第1の床部60Dと15kモジュールの第2の床部62は、合わせて6,000平方メートルの、組み合わせられた面積を有する。
【0081】
図3Eは、「20kモジュール」として構成されるモジュラー・ユニット40Eの一実施例の部分分解図を示す。
図3Eの20kモジュールは、3,000平方メートルの設置面積を有する。20kモジュールは、20,000リットル容器を囲むことができる。20kモジュールは、局所的HVACユニットと、CIPユニットと、TCUとを含む。20kモジュールは、第1の床部と、第2の床部と、第3の床部とを含む。20kモジュールの第1の床部60Eは、製造ウイングの3,000平方メートルの設置面積にわたって延在する。20kモジュールの第2の床部64は、20kモジュールの第1の床部60Eの上に垂直に延在し、製造ウイングの3,000平方メートルの設置面積の上に延在する。20kモジュールの第3の床部66は、20kモジュールの第1の床部60E及び20kモジュールの第2の床部64の上に垂直に延在し、製造ウイングの3,000平方メートル設置面積の上に延在する。20kモジュールの第1の床部60Eと、20kモジュールの第2の床部64と、20kモジュールの第3の床部66は、合わせて、9,000平方メートルの、組み合わせられた面積を有する。
【0082】
図4は、本開示による、全体として110で示されるカスタマイズ可能施設の例示的な一実施例の正面斜視切断図である。カスタマイズ可能施設110のレイアウトは、クリーン・ルーム環境での製造用に構成されてもよい。カスタマイズ可能施設110は、中央に位置付けられるユーティリティ・ハブ(又は中央ユニット)114を備えるハイブリッドの現場施工型又はフレーム施工建屋及びモジュラー建屋を利用する。
【0083】
外側シェル(又はシェル)112は、中央ユニット114、及び中央ユニット114と隣り合う複数のモジュラー・ユニット116を囲む。外側シェル112は、従来の現場施工型建築、又は限定はされないが事前組立てモジュールなどの別の方法に従って建設され得る。たとえば、外側シェル112は、従来の建築方法を使用して、鋼製の構造物から製作されてもよい。外側シェル112は、地面に固着される基礎に支持され得る。外側シェル112は、耐候性である。
【0084】
外側シェル112は、上部構造を形成する。いくつかの実施例では、外側シェル112は、建屋建設の当技術分野において知られている「バトラー」スタイルの建屋でもよい。
【0085】
シェル112は、以下により詳細に述べられる、カスタマイズ可能施設110に含まれる1つ又は複数の中央ユニット114及び1つ又は複数のモジュラー・ユニット116を取り囲むように寸法決定及び構成される側壁部118を含む。屋根120は、中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116を覆って延在した状態で、側壁部118の上縁部に固着される。したがって、側壁部118及び屋根120は、中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116を囲み、中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116は、シェル112の中に位置決めされる。中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116は、シェル112の床部122、又はシェル112が固着される別の支持表面に支持され得る。カスタマイズ可能施設110は、次いでモジュラー・タイプの要素で埋められる基本上部構造を含む、(モジュラー現場施工と称される場合がある)部分モジュラー方法を実現する。
【0086】
図4のカスタマイズ可能施設110は、シェル112の中に少なくとも1つの中央ユニット114を含み、これはそれぞれ中央ユーティリティ・ベイ(CUB)と称される場合がある。中央ユニット114は、
図4では中央ユーティリティを提供する。図に示すように、CUB114は、モジュラー・ユニット116を有する構造物の中央に存在し、モジュラー・ユニット116は、CUB114から(又は複数のCUBから)分岐する製造ポッドと称される場合がある。
図4では、モジュラー・ユニット116は、発酵モジュールである。カスタマイズ可能施設110は、容易に拡張可能且つスケーラブルであり、ポッド/モジュラー手法(すなわちハブ・アンド・スポーク・タイプの手法)により、異なるモジュールが、同じカスタマイズ可能施設110の中で完全に異なる製品を生産することが可能になる。
【0087】
たとえば、
図4の左側の発酵モジュールなどの第1の発酵モジュールでは、使用者は、哺乳動物の細胞系に由来するモノクローナル抗体製品などの、あるタイプの製品を製造していてもよい。
図4の右側の発酵モジュールなどの第2のモジュールでは、使用者は、微生物産物などの完全に異なる製品を製造することができる。本開示のカスタマイズ可能施設110は、単一の拡張可能な上部構造から複数の製品ラインを同時にサポートし、複数の顧客をサポートすることができる。
【0088】
図4は、カスタマイズ可能施設110の中に支持されるリアクター124を示す。カスタマイズ可能施設110は、任意の、所望の適した容器容積を支持することができる。たとえば、
図4に示されるようないくつかの態様では、施設110は、最大20,000リットルの生産容器、及び20,000リットルを超える(たとえば23,000~24,000リットルの)貯蔵容器(たとえばハーベスト)を収容するように構成され得る。たとえば、カスタマイズ可能施設110は、約20,000リットル、15,000リットル、10,000リットル、5,000リットル、2,000リットル及び/又は1,000リットルの容積を有する容器124を支持するように寸法決定及び構成されてもよい。他の容積を有する容器124も支持され得る。
【0089】
足場126及び通路128は、施設110の使用者が中央ユニット(中央ユーティリティ)114及びモジュラー・ユニット(発酵などのモジュール)116にアクセスすることを可能にする。
図4に示されるように、足場126は、シェル112の中に位置決めされる。
【0090】
いくつかの実施例では、1つ又は複数の中央ユニット(CUB)114及び1つ又は複数のモジュラー・ユニット116は、ハブ・アンド・スポーク配置構成で配置構成される。
【0091】
任意の通常の製造機器及びクリーン・ルーム機器が、カスタマイズ可能施設110に含まれてもよく、カスタマイズ可能施設110は、cGMPプロセスに完全に適し得る。
【0092】
施設110に組み込まれ得るいくつかの機器の実例には、バイオリアクター、分離板型遠心分離機、タンジェンシャル・フロー濾過(TFF)スキッド、深層濾過スキッド、インライン希釈スキッド、関連付けられた制御機器を備えるクロマトグラフィー・カラム、培地タンク、ハーベスト・タンク、精製容器、デプス・フィルタ・ホルダー、水の軟化及び脱塩素システム、クリーン・スチーム発生器、注射用水(WFI)貯蔵タンク、WFIブレーク・タンク、やはりWFIの冷却塔、配電盤、緊急用発電機、冷却装置、温水循環式ポンプ、オートクレーブ、エア・ハンドリング・ユニット、(ガラス繊維強化プラスチック(FRP)などの)プロセス廃棄物中和装置、バイオ廃棄物捕集及び不活性化システム、定置洗浄システム、ガラス洗浄装置、及び/又は他の機器が含まれるが、これらに限定はされない。
【0093】
本開示のカスタマイズ可能施設110の中のバイオリアクターは、
図4に示されるように、地面を土台とするリアクター124を有してもよい。別法として、バイオリアクター124は、構造物自体から懸架されてもよい。たとえば、バイオリアクター124は、モジュラー・ユニット116の1つ又は複数から懸架されてもよい。
【0094】
図4のシェル112は、施設110の後方右側の方に倉庫区域130を囲む。この施設110の中の倉庫区域130も、自動探索・検索システム(ASARS)を有する高さ12.19m(40フィート)の倉庫などの、ハイ・ベイ用途にも適合し得る。
【0095】
カスタマイズ可能施設110は、1つ又は複数の中央ユニット114と、1つ又は複数のモジュラー・ユニット116とを含んでもよい。いくつかの実施例では、各モジュラー・ユニット116は、発酵又は細胞培養ユニット、プレウイルス・ユニット、ポストウイルス・ユニット、ユーティリティ・ヤード、倉庫、培地緩衝施設、事務所、従業員ユニット、生産ユニット、無菌充填ユニット、用量調製ユニット、及び包装ユニットの群から選択される。各モジュラー・ユニットに割り当てられる空間は、特定の処理要件に適合する必要があるとき、さらに分割されてもよい。
【0096】
いくつかの実施例では、モジュラー・ユニット116のうちの少なくとも1つは、クリーン・ルームである。
【0097】
図5は、H形状のレイアウト132で配置構成される、中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116のセットの斜視図を示す。各モジュラー・ユニット116の位置は、処理要件に最もよく適合するように調整され得る。
【0098】
図6及び
図7は、中央ユニット114、並びに精製ユニット116A及び発酵ユニット116Bとして構成される8つのモジュラー・ユニットのセットが、上から見たときH形状のレイアウト133で配置構成される、カスタマイズ可能施設の一実施例を示す。シェル112は、これらの図には示されていない。
図6の平面図は、精製ユニット116A及び発酵ユニット116Bとして構成され、中央ユニット114の第1の側部136と隣り合う直線状アレイ134に配置構成される、モジュラー・ユニットの第1の行と、精製ユニット116A及び発酵ユニット116Bとして構成され、中央ユニット114の第2の側部140と隣り合う直線状アレイ138に配置構成される、モジュラー・ユニットの第2の行とを有する、中央ユニット(中央ユーティリティ建屋と表記される)114を示す。モジュラー・ユニットのアレイ134は、第1の精製ユニット116Aがアレイ134の第1の端部にあり、2つの発酵ユニット116Bがアレイ134の中央にあり、第2の精製ユニット116Aがアレイ134の第2の端部にある、4つのモジュラー・ユニットを含む。同様に、モジュラー・ユニットのアレイ138は、第1の精製ユニット116Aがアレイ138の第1の端部にあり、2つの発酵ユニット116Bがアレイ138の中央にあり、第2の精製ユニット116Aがアレイ138の第2の端部にある、4つのモジュラー・ユニットを含む。
【0099】
モジュラー・ユニットの第1のアレイ134の2つの発酵ユニット116Bは、中央ユニット114の第1の側壁部136に直接面して係合した状態の側壁部をそれぞれ含む。同様に、モジュラー・ユニットの第2のアレイ138の2つの発酵ユニット116Bは、中央ユニット114の第2の側壁部140に直接面して係合した状態の側壁部をそれぞれ含む。精製ユニット116Aは、それぞれ隣り合う発酵ユニット116Bに直接面する関係にある。中央ユニット114と発酵ユニット116Bは直接面して係合するので、所与のサイズのシェル112の中に収まり得る中央ユニット114及びモジュラー・ユニットの数が増える。同様に、中央ユニット114及びモジュラー・ユニットの所与のセットを囲むために必要とされるシェル112の設置面積が小さくなる。任意選択で、いくつかの態様では、発酵ユニット116B(又は他のモジュラー・ユニット)の側壁部は、直接面して係合した状態である必要はなく、任意の所望の設置面積を提供するように間隔をあけられてもよい。
【0100】
モジュラー・ユニット116及び中央ユニット114は、複数の製品を同時に製造することを容易にするように配置構成され得る。モジュラー・ユニット116及び中央ユニット114は、各製品の製造ライン間で資源を効率的に共用するように配置構成される。たとえば、いくつかの実施例では、中央ユニット114は、発電機、配管ライン、電力線、及びモジュラー・ユニット116によって共用され得る他の資源のうち、少なくとも1つを収容する。追加的に、モジュラー・ユニット116及び中央ユニット114は、製造能力の将来的な拡張を容易にするように配置構成され得る。たとえば、既存の工程に対する影響を最小限にしながら追加的なモジュラー・ユニット116を後で追加できるようにして、最初は単一のモジュラー・ユニット116が利用されてもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、モジュラー・ユニット116のそれぞれは、工程及び隔離のために必要とされるとき、それ自体の各暖房、換気、及び空調(HVAC:heating,ventilation,and air conditioning)システムを含む。
【0102】
いくつかの実施例では、ハブ・アンド・スポーク配置構成は、
図6の平面図のように、文字Hに似ている場合がある。他の実施例では、ハブ・アンド・スポーク配置構成は、文字Hには似ていない。形状が中央ユニット(中央ユーティリティ・ベイ)を有し、少なくとも1つのモジュラー・ユニットが中央ユニットから延在している限り、正方形、長方形、五角形、及び他の幾何形状を含むがこれらに限定はされない他の形状が考えられる。たとえば
図10に示されるように、追加的な形状が考えられる。いくつかの実施例では、たとえば、直線状の「背骨」形状が使用されてもよく、「E」形状が使用され、それによりハブ・アンド・スポーク配置構成が文字Eに似ていてもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、中央ユニット114は、中央ユニット114及びモジュラー・ユニット116の配置構成の中央に存在しない。好ましくは、モジュラー・ユニット116及び中央ユニット114の配置構成は、所与の製造ラインのセットに必要とされるモジュラー・ユニット116の数を減らすように構成される。
【0104】
モジュラー・ユニット116は、互いから離してセグメント化されて、製品又は部屋の交差汚染を低減することができる。
【0105】
図8は、本開示のカスタマイズ可能施設1000の別の好ましい実施例の平面図を示す。2つの中央ユニット114は、
図8に示される構造物の平面図の下部中央の方に位置付けられ、中央ユニット114の側壁部に沿って延在する共用通路128の間に位置決めされる。中央ユニット114の左側には、6つのモジュラー・ユニットの集まりがある。この集まりは、2つのプレウイルス・ユニット116C、2つのポストウイルス・ユニット116D、及び2つの発酵ユニット116Bを含む。
図8に示される中央ユニット114の右側には、2つのプレウイルス・ユニット116C、2つのポストウイルス・ユニット116D、及び2つの発酵ユニット116Bを含む6つのモジュラー・ユニットの集まりがある。この構成は、必要に応じて追加的な能力を拡張するように設計される(たとえば拡張オプションを示す一実施例の実例として
図10を参照)。
図8に示される施設1000の上部に沿って、ユーティリティ・ヤード・ユニット116E、2つの倉庫ユニット116F、2つの培地/緩衝施設ユニット116G、並びに事務所ユニット116H及び2つの従業員アクセス・ユニット116Jを含む、他のモジュラー・ユニットが存在する。各精製ユニットの真上に独立した緩衝剤保持モジュラー・ユニットを追加する機能は、この図には示されていない。共用通路128は、使用者が共通の通路128から
図8のモジュラー・ユニット及び中央ユニット114のそれぞれにアクセスすることができるように、ユニットの壁部に沿って延在する。
【0106】
異なるユニットは、等級規格に基づく異なる分類レベルを有してもよい。たとえば、異なるユニットは、アメリカ食品医薬品局によって設定される等級規格、又は欧州連合の、Annex1 Manufacture of Sterile Medicinal Productsによって補足される、EudraLex, The Rules Governing Medicinal Products in the European Union Volume 4 EU Guidelines to Good Manufacturing Practice Medicinal Products for Human and Veterinary Useによって設定される等級規格に基づく、異なる分類レベルを有してもよい。たとえば、欧州連合規格によれば、
図8のプレウイルス・ユニット116C、ポストウイルス・ユニット116D、及び培地/緩衝施設ユニット116Gは「グレードC」として分類され、発酵ユニット116Bは「グレードD」として分類され、残りのユニットは分類されない。ユニットについての他の分類も可能であり、使用者のニーズに従って選択され得る。
【0107】
図9は、本開示のカスタマイズ可能施設1200の別の実施例を示す。
図9は、中央ユニット(中央ユーティリティ建屋)114を含み、これは、中央ユニット114の両側に清浄な材料及び従業員用の通路128を有する。通路128は、
図9に示される施設1200の上端部において倉庫116Fから延在し、施設の下部では中央ユニット114を越えて延在する。各通路128の外側には、ロッカー・ルーム・ユニット116K、プレウイルス・ユニット116C、ポストウイルス・ユニット116D、及び発酵ユニット116Bが存在する。
【0108】
図9に示されるような一実施例では、発酵ユニット116Bは、それぞれ19.20m×19.81m(63フィート×65フィート)の寸法を有し、高さは10.67m(35フィート)である。
図9に示されるような一実施例では、プレウイルス・ユニット116Cは、18.90m×15.24m(62フィート×50フィート)の寸法を有してもよく、高さは5.18m(17フィート)である。
図9に示されるような一実施例では、ポストウイルス・ユニット116Dは、それぞれ18.90m×19.81m(62フィート×65フィート)の寸法を有し、高さは10.67m(35フィート)である。他の実施例では、ユニットは、他の寸法を有してもよい。
【0109】
図10は、本開示のカスタマイズ可能施設1300の別の実施例を示し、シェル112は図示されていない。
図10は、5つの行のゾーンを含む。
図10の平面図の第1の行(最も上の行)142は、精製ゾーン117Aを含む。第2の行144は、発酵ゾーン117Bを含む。第3の行150は、中央ユーティリティ・ゾーン114を含む。第4の行146は、発酵ゾーン117Bを含む。第5の行148は、精製ゾーン117Aを含む。
【0110】
いくつかの態様では、少なくとも1つの医薬製品を製造するカスタマイズ可能施設は、少なくとも1つの中央ユニットと少なくとも1つのモジュラー・ユニットとを含み得るが、カスタマイズ可能施設は、シェルを含まない。各モジュラー・ユニットは、少なくとも1つの中央ユニットが各モジュラー・ユニットにユーティリティを提供するように、少なくとも1つの中央ユニットと通じた状態にある。
【0111】
実線で示すゾーンは、初期構成に提供され得るゾーンのセットを示す。この初期構成160では、第1の行142には3つの精製ゾーン(精製1、精製3、精製5)117Aが存在し、第2の行144には3つの発酵ゾーン(発酵1、発酵3、発酵5)117Bが存在し、第3の行150には中央ユーティリティ・ゾーン(中央ユーティリティ1)115が存在し、第4の行146には3つの発酵ゾーン(発酵2、発酵4、発酵6)117Bが存在し、第5の行148には3つの精製ゾーン(精製2、精製4、精製6)117Aが存在する。
【0112】
ゾーン162のセットは、ゾーンのアレイを右側へと延ばすことによって追加され得る。たとえば、2つの追加的な精製ゾーン(精製7、精製9)117Aが第1の行142に追加されてもよく、2つの追加的な発酵ゾーン(発酵7、発酵9)117Bが第2の行144に追加されてもよく、追加的な中央ユーティリティ・ゾーン114が第3の行150に追加されてもよく、2つの追加的な発酵ゾーン(発酵8、発酵10)117Bが第4の行146に追加されてもよく、2つの追加的な精製ゾーン(精製8、精製10)117Aが第5の行148に追加されてもよい。発酵9と表記される発酵ゾーン117Bと発酵N+1との間の矢印Aなどの右への矢印は、ゾーンの配置構成が拡張する可能性がある方向を示す。追加的なゾーンは、必要に応じて各行に追加されてもよく、
図10は、第1の行142の端部の精製ユニット(精製N+1)117A、第2の行144の端部の発酵ゾーン(発酵N+1)117B、第4の行146の端部の、矢印Bの方向に沿った発酵ゾーン(発酵N)117B、及び第5の行148の端部の精製ゾーン(精製N)117Aを示す。Nの値は、必要に応じて使用者によって選択される整数値であり得、中にモジュラー・ユニット116及び中央ユニット114が位置決めされるシェル112の内寸によってのみ限定される。
【0113】
第3の行は、矢印Cに沿って第3の行150に中央ユーティリティ・ゾーン114を追加することによって拡張され得る。
【0114】
図10のゾーンは、それぞれが中央ユニット又はモジュラー・ユニット(たとえば発酵ユニット、精製ユニットなど)である可能性がある領域、又はユニットのための機器を支持し得る領域である。
図10が(発酵1のゾーンなどの)ゾーンを示す場合、このゾーンは、発酵ユニットである発酵1、及びゾーン内の1つ又は複数の廊下に細かく分割されてもよい。少なくともいくつかのゾーンでは、ユニットがゾーン全体を占有してもよい。
【0115】
本明細書に開示されるモジュラー・ユニット116は、サブユニットへとさらに細かく分割されてもよい。たとえば、ユニットは、プレウイルス・サブユニット及びポストウイルス・サブユニットを有してもよい。ポストウイルス・サブユニットは、ウイルス・フリーである。
【0116】
図4~
図9に関連して、これらの図は、ユニットと記述される領域に分割される図を示すが、図の領域は、(精製ゾーン、発酵ゾーンなどの)ゾーンを示してもよく、ゾーンは、それぞれユニットと、ユニットを連結するための1つ又は複数の廊下とを含む。
【0117】
図11は、中央ユニット114が直線状の「背骨」の形状であり、背骨から複数のモジュール116が出ている、施設1400の別の実例の実施例を示す。この実施例では、モジュール116は、後で複数の建設段階において追加することができ、その結果、施設は、時が経つにつれて拡張される。
【0118】
本開示の一態様によれば、少なくとも1つの医薬製品を製造する施設を組み立てる方法は、シェルを提供するステップと、シェルの中に、少なくとも部分的に少なくとも1つの中央ユニットを位置決めするステップと、シェルの中に、少なくとも部分的に少なくとも1つのモジュラー・ユニットを位置決めするステップとを含み得る。
【0119】
発酵ユニットの実例
発酵ユニット116Bは、細胞培養及び/又は発酵に適した機器を格納する。たとえば、細胞培養及び発酵のための機器には、(たとえば細胞の培養、又は発酵に適した)バイオリアクター、(たとえば細胞、培地、又は細胞によって産生される製品を格納するのに適した)タンク、デカント装置、遠心分離機、ポンプ、及び製品回収のために有用な他の機器が含まれるが、これらに限定はされない。微生物発酵プロセスのために、リフォールド・タンク及び精密濾過ユニットが含まれることになる。
【0120】
一実施例では、発酵ユニット116Bは、細胞を培養するのに適した1つ又は複数のバイオリアクター・ユニットを収容する。バイオリアクター・ユニットは、以下のもの、すなわち栄養物及び/若しくは炭素源の供給、適したガス(たとえば酸素)の注入、発酵培地若しくは細胞培養培地の流動、気相と液相の分離、成長温度の維持、pHレベルの維持、かき混ぜ(たとえば撹拌)、並びに/又は洗浄/滅菌のうちの1つ若しくは複数、又はすべてを実施することができる。発酵ユニットは、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、又は100、又はそれより多いバイオリアクターを収容してもよい。種々の実施例では、バイオリアクターは、回分プロセス、半流加プロセス、流加プロセス、灌流プロセス、及び/又は連続発酵プロセスに適している。一実施例では、バイオリアクターは、撹拌タンク・リアクターである。一実施例では、バイオリアクターは、エアリフト型リアクターである。一実施例では、バイオリアクターは、約100ミリリットルから約50,000リットルの間の容積を有し得る。非限定的な実例には、100ミリリットル、250ミリリットル、500ミリリットル、750ミリリットル、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル、100リットル、150リットル、200リットル、250リットル、300リットル、350リットル、400リットル、450リットル、500リットル、550リットル、600リットル、650リットル、700リットル、750リットル、800リットル、850リットル、900リットル、950リットル、1,000リットル、1,500リットル、2,000リットル、2,500リットル、3,000リットル、3,500リットル、4,000リットル、4,500リットル、5,000リットル、6,000リットル、7,000リットル、8,000リットル、9,000リットル、10,000リットル、15,000リットル、20,000リットル、又は50,000リットルの容積が含まれる。
【0121】
一実施例では、バイオリアクターは、浮遊細胞又は足場依存性(接着)細胞を培養するのに適している。一実施例では、発酵部屋は、細胞治療薬及び/又はウイルス治療薬工程に適している。一実施例では、バイオリアクターは、原核細胞又は真核細胞を培養するのに適している。細胞の実例には、細菌細胞(たとえばE.coli、P.pastoris)、酵母細胞(たとえばS.cerevisae、T.reesei)、植物細胞、昆虫細胞(たとえばSf9)、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO、及び任意の遺伝子組換え、又は誘導CHO細胞系)、マウス細胞(たとえばマウス胚性線維芽細胞、マウスのがんモデルに由来する細胞)、ヒト細胞(たとえば任意の組織又は臓器からの細胞、がん又は他の病変細胞系からの細胞、幹細胞)、ハイブリドーマ細胞、又は他の遺伝子組換え細胞若しくは雑種細胞が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、細胞は、組換え型の治療用産物又は診断用産物などの産物を発現又は産生する。細胞によって産生される産物の実例には、抗体分子(たとえばモノクローナル抗体、二重特異性抗体)、融合タンパク質(たとえばFc融合タンパク質、キメラ・サイトカイン)、他の組換え型タンパク質(たとえばグリコシル化されたタンパク質、酵素、ホルモン)、又は脂質被包性粒子(たとえばエクソソーム、ウイルス様粒子)が含まれるが、これらに限定はされない。実施例において、発酵ユニットは、細胞からのこのような産物を分離、精製、及び単離するための機器も収容する。一実施例では、施設及び/又はバイオリアクターは、バイオシミラー製品を生産するために使用されてもよい。
【0122】
実施例において、発酵ユニットは、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理のプロセス及び生物学的安全性規格に適合している。一実施例では、発酵ユニットは、バイオセーフティ・レベル1(BSL1)、バイオセーフティ・レベル2(BSL2)、バイオセーフティ・レベル3(BSL3)、又はバイオセーフティ・レベル4(BSL4)に適合している。
【0123】
発酵ユニットは、サブ区画を備えてもよく、各サブ区画は、細胞培養、発酵、及び生産プロセスをサポートする異なる機能又は態様を実施するために使用され得る。一例として、発酵ユニットは、1つ又は複数のバイオリアクターを格納するサブ区画、製品回収用の機器を格納するサブ区画、接種材料用サブ区画、並びに機器及びこのような機器を取り扱う作業者を洗浄及び汚染除去するためのサブ区画を備える。
【0124】
ダウン・ストリーム処理ユニットの実例
上に述べた精製ユニット116Aは、ダウンストリーム処理ユニットの実例である。
【0125】
一実例として、標準的なダウンストリーム処理(DSP:downstream processing)ユニットは、プレウイルス分離サブユニット及びポストウイルス分離サブユニットを含む。ウイルスの低減は、通常の哺乳動物細胞由来のタンパク質精製の全体を通じて実施されるが、重要なウイルス低減ステップは、ポストウイルス分離サブユニットを用いた空間的隔離が本質的にウイルス・フリーであると考えられる適当なポイントであると考えられる。ポストウイルス分離サブユニットは、以下のもの、すなわち限外濾過(タンジェンシャル濾過)、通常濾過、クロマトグラフィー、調製、滴定、調合、濃縮、緩衝剤交換、原薬のコンテナ充填及び凍結のうちの任意の1つに適した機器及びユーティリティを格納する。
【0126】
本開示の種々の実施例及び/又は実例の記述は、説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は開示される実施例を限定することを意図したものではない。記述される実施例の範囲及び趣旨から逸脱することなしに、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかになろう。本明細書において使用される用語は、実施例の原理、実際的な用途、若しくは市場で認められる技術に対する技術的改良を最もよく説明するように、又は他の当業者が本明細書に開示される実施例を理解することができるように選択された。
【0127】
本開示の種々の実施例の記述は、医薬品及びバイオ医薬製品の生産において利用され得る。本明細書に記述される装置、施設、及び方法は、原核細胞系及び/又は真核細胞系を含む任意の所望の細胞系を培養するのに適している。さらに、実施例において、装置、施設、及び方法は、浮遊細胞又は足場依存性(接着)細胞を培養するのに適しており、ポリペプチド製品、核酸製品(たとえばDNAやRNA)、又は細胞治療薬及び/若しくはウイルス治療薬において使用されるような細胞及び/若しくはウイルスなどの、医薬品及びバイオ医薬製品を生産するように構成される生産工程に適している。
【0128】
実施例において、細胞は、組換え型の治療用産物や診断用産物などの産物を発現又は産生する。以下により詳細に述べられるように、細胞によって産生される産物の実例には、抗体分子(たとえばモノクローナル抗体、二重特異性抗体)、抗体類似体(特異的に抗原に結合するが、たとえばDARPin、アフィボディ、アドネクチン、又はIgNARなどの抗体には構造的に関係していないポリペプチド分子)、融合タンパク質(たとえばFc融合タンパク質、キメラ・サイトカイン)、他の組換え型タンパク質(たとえばグリコシル化されたタンパク質、酵素、ホルモン)、ウイルス療法物質(たとえば抗がん腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子療法及びウイルス免疫療法用ウイルスベクター)、細胞療法物質(たとえば多能性幹細胞、間葉系幹細胞及び成体幹細胞)、ワクチン若しくは脂質被包性粒子(たとえばエクソソーム、ウイルス様粒子)、RNA(たとえばsiRNAなど)若しくはDNA(たとえばプラスミドDNAなど)、抗生物質、又はアミノ酸が含まれるが、これらに限定はされない。実施例において、装置、施設、及び方法は、バイオシミラーを生産するために使用されてもよい。
【0129】
上記のように、実施例において、装置、施設、及び方法は、真核細胞(たとえば哺乳動物細胞)若しくはたとえば酵母細胞や糸状菌細胞などの下等真核細胞、又はグラム陽性細胞やグラム陰性細胞などの原核細胞、及び/又は真核細胞若しくは原核細胞の産物、たとえば真核細胞によって合成されるタンパク質、ペプチド、抗生物質、アミノ酸、(DNA又はRNAなどの)核酸の、大規模な生産を可能にする。本明細書にそうでないことが示されていなければ、装置、施設、及び方法は、任意の所望の容積、又はベンチスケール、パイロットスケール、及び実生産スケールの能力を含むがこれらに限定はされない生産能力を含み得る。
【0130】
さらに、本明細書にそうでないことが示されていなければ、装置、施設、及び方法は、撹拌タンク、エアリフト型、ファイバ、マイクロファイバ、中空ファイバ、セラミック・マトリクス、流動層、固定層、及び/又は噴流層バイオリアクターを含むがこれらに限定はされない、任意の適したリアクターを含んでもよい。本明細書において使用される「リアクター」は、発酵装置若しくは発酵ユニット、又は任意の他の反応容器を含むことができ、「リアクター」という用語は、「発酵装置」と区別なく使用される。たとえば、いくつかの態様では、バイオリアクター・ユニットの一実例は、以下のもの、すなわち栄養物及び/若しくは炭素源の供給、適したガス(たとえば酸素)の注入、発酵培地若しくは細胞培養培地の流入及び流出、気相と液相の分離、温度の維持、酸素及びCO2レベルの維持、pHレベルの維持、かき混ぜ(たとえば撹拌)、並びに/又は洗浄/滅菌のうちの1つ又は複数、又はすべてを実施することができる。発酵ユニットなどのリアクター・ユニットの実例は、ユニットの中に複数のリアクターを収容することができ、たとえばユニットは、各ユニットに1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、又は100、又はそれより多いバイオリアクターを有してもよく、且つ/又は施設は、単一若しくは複数のリアクターを有する複数のユニットを施設内に収容してもよい。種々の実施例において、バイオリアクターは、回分プロセス、半流加プロセス、流加プロセス、灌流プロセス、及び/又は連続発酵プロセスに適している可能性がある。任意の適したリアクター直径が用いられてもよい。実施例において、バイオリアクターは、約100mLから約50,000Lの間の容積を有してもよい。非限定的な実例には、100ミリリットル、250ミリリットル、500ミリリットル、750ミリリットル、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル、100リットル、150リットル、200リットル、250リットル、300リットル、350リットル、400リットル、450リットル、500リットル、550リットル、600リットル、650リットル、700リットル、750リットル、800リットル、850リットル、900リットル、950リットル、1,000リットル、1,500リットル、2,000リットル、2,500リットル、3,000リットル、3,500リットル、4,000リットル、4,500リットル、5,000リットル、6,000リットル、7,000リットル、8,000リットル、9,000リットル、10,000リットル、15,000リットル、20,000リットル、及び/又は50,000リットルの容積が含まれる。追加的に、適したリアクターは、マルチユース、シングルユース、使い捨て、又は非使い捨てでもよく、ステンレス鋼(たとえば316Lや任意の他の適したステンレス鋼)やインコネルなどの金属合金、プラスチック、及び/又はガラスを含めた、任意の適した材料で形成されてもよい。
【0131】
実施例において、且つ本明細書にそうでないことが示されていなければ、本明細書に記載される装置、施設、及び方法は、そうでないことが言及されていない限り、このような製品を分離、精製、及び単離するための工程並びに/又は機器などの、任意の適したユニット工程及び/又は機器も含むことができる。従来の現場施工型施設、モジュラー、移動施設及び仮設施設、又は任意の他の適した建設、施設及び/若しくはレイアウトなどの、任意の適した施設及び環境が使用され得る。たとえば、いくつかの実施例では、モジュラー・クリーンルームが使用されてもよい。追加的に、且つそうでないことが示されていなければ、本明細書に記述される装置、システム、及び方法は、単一の場所又は施設に格納及び/又は実施されてもよく、別法として、別々か又は複数の場所及び/又は施設で格納及び/又は実施されてもよい。
【0132】
非限定的な実例として、且つこれらに限定はされないが、参照により本明細書に全体として組み込まれる米国公開第2013/0280797号、米国公開第2012/0077429号、米国公開第2011/0280797号、米国公開第2009/0305626号、並びに米国特許第8,298,054号、米国特許第7,629,167号、及び米国特許第5,656,491号は、適している可能性のある施設、機器、及び/又はシステムの実例を記述している。
【0133】
実施例において、細胞は真核細胞、たとえば哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞は、たとえばヒト又は齧歯動物又はウシの細胞系又は細胞株でもよい。このような細胞、細胞系、又は細胞株の実例は、たとえばマウス骨髄腫(NSO)細胞系、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞系、HT1080、H9、HepG2、MCF7、MDBK Jurkat、NIH3T3、PC12、BHK(ベビー・ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、YB2/0、Y0、C127、L細胞、COS、たとえばCOS1やCOS7、QC1-3、HEK-293、VERO、PER.C6、HeLA、EB1、EB2、EB3、腫瘍溶解性又はハイブリドーマ細胞系である。好ましくは、哺乳動物細胞は、CHO細胞系である。一実施例では、細胞はCHO細胞である。一実施例では、細胞は、CHO-K1細胞、CHO-K1 SV細胞、DG44CHO細胞、DUXB11CHO細胞、CHOS、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8GSノックアウト細胞、CHOZN、又はCHOに由来する細胞である。CHO GSノックアウト細胞(たとえばGSKO細胞)は、たとえばCHO-K1SV GSノックアウト細胞である。CHO FUT8ノックアウト細胞は、たとえばPotelligent(登録商標)CHO-K1 SV(Lonza Biologics,Inc.)である。真核細胞は、たとえばEBx(登録商標)細胞、EB14、EB24、EB26、EB66、又はEBvl3などの鳥類の細胞、細胞系、又は細胞株でもよい。
【0134】
一実施例では、真核細胞は幹細胞である。幹細胞は、たとえば、胚性幹細胞(ESC)、成体幹細胞、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む多能性幹細胞、組織特異的幹細胞(たとえば造血幹細胞)、及び間葉系幹細胞(MSC)でもよい。
【0135】
一実施例では、細胞は、本明細書に記述される任意の細胞の分化形態である。一実施例では、細胞は、培養物の中の任意の初代培養細胞に由来する細胞である。
【0136】
実施例において、細胞は、ヒト肝細胞、動物肝細胞、又は非実質細胞などの肝細胞である。たとえば、細胞は、付着可能代謝試験用(metabolism qualified)ヒト肝細胞、付着可能酵素誘導試験用(induction qualified)ヒト肝細胞、付着可能Qualyst Transporter Certified(商標)ヒト肝細胞、(10ドナー・プールド肝細胞及び20ドナー・プールド肝細胞を含む)浮遊用(suspension qualified)ヒト肝細胞、ヒト肝クッパー細胞、ヒト肝星細胞、(単一ビーグル肝細胞及びプールド・ビーグル肝細胞を含む)イヌ肝細胞、(CD-1及びC57BI/6肝細胞を含む)マウス肝細胞、(スプラーグ・ドーリー肝細胞、ウィスター・ハン肝細胞、及びウィスター肝細胞を含む)ラット肝細胞、(カニクイザル又はアカゲザル肝細胞を含む)サル肝細胞、(ドメスティック・ショートヘア肝細胞を含む)ネコ肝細胞、及び(ニュージーランド・ホワイト肝細胞を含む)ウサギ肝細胞でもよい。肝細胞の実例は、Triangle Research Labs,LLC、6 Davis Drive Research Triangle Park、North Carolina、USA 27709から市販されている。
【0137】
一実施例では、真核細胞は、たとえば酵母細胞(たとえばPichia属(たとえばPichia pastoris、Pichia methanolica、Pichia kluyveri、及びPichia angusta)、Komagataella属(たとえばKomagataella pastoris、Komagataella pseudopastoris、若しくはKomagataella phaffii)、Saccharomyces属(たとえばSaccharomyces cerevisae、cerevisiae、Saccharomyces kluyveri、Saccharomyces uvarum)、Kluyveromyces属(たとえばKluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus)、Candida属(たとえばCandida utilis、Candida cacaoi、Candida boidinii)、Geotrichum属(たとえばGeotrichum fermentans)、Hansenula polymorpha、Yarrowia lipolytica、又はSchizosaccharomyces pombeなどの、下等真核細胞である。好ましいのは、Pichia pastoris種である。Pichia pastoris株の実例は、X33、GS115、KM71、KM71H、及びCBS7435である。
【0138】
一実施例では、真核細胞は、真菌細胞(たとえばAspergillus(A.niger、A.fumigatus、A.orzyae、A.nidulaなど)、Acremonium(A.thermophilumなど)、Chaetomium(C.thermophilumなど)、Chrysosporium(C.thermophileなど)、Cordyceps(C.militarisなど)、Corynascus、Ctenomyces、Fusarium(F.oxysporumなど)、Glomerella(G.graminicolaなど)、Hypocrea(H.jecorinaなど)、Magnaporthe(M.orzyaeなど)、Myceliophthora(M.thermophileなど)、Nectria(N.heamatococcaなど)、Neurospora(N.crassaなど)、Penicillium、Sporotrichum(S.thermophileなど)、Thielavia(T.terrestris、T.heterothallicaなど)、Trichoderma(T.reeseiなど)、又はVerticillium(V.dahliaなど))である。
【0139】
一実施例では、真核細胞は、昆虫細胞(たとえばSf9、Mimic(商標)Sf9、Sf21、High Five(商標)(BT1-TN-5B1-4)、若しくはBT1-Ea88細胞)、藻類細胞(たとえばAmphora属、Bacillariophyceae属、Dunaliella属、Chlorella属、Chlamydomonas属、Cyanophyta属(藍色細菌)、Nannochloropsis属、Spirulina属、若しくはOchromonas属)、又は植物細胞(たとえば単子葉植物からの細胞(たとえばトウモロコシ、コメ、コムギ、若しくはSetaria)、又は双子葉植物からの細胞(たとえばキャッサバ、ジャガイモ、ダイズ、トマト、タバコ、ムラサキウマゴヤシ、Physcomitrella patens若しくはArabidopsis)である。
【0140】
一実施例では、細胞は、細菌細胞又は原核細胞である。
【0141】
実施例において、原核細胞は、Bacillus、Streptomyces、Streptococcus、Staphylococcus、又はLactobacillusなどのグラム陽性細胞である。使用され得るBacillusは、たとえばB.subtilis、B.amyloliquefaciens、B.licheniformis、B.natto、又はB.megateriumである。実施例において、細胞は、B.subtilis3NAやB.subtilis168などのB.subtilisである。Bacillusは、たとえばBacillus Genetic Stock Center、Biological Sciences 556,484 West 12th Avenue、Columbus OH 43210-1214から入手可能である。
【0142】
一実施例では、原核細胞は、Salmonella spp.、又はたとえばTG1、TG2、W3110、DH1、DHB4、DH5a、HMS174、HMS174(DE3)、NM533、C600、HB101、JM109、MC4100、XL1-Blue、OrigamiなどのEscherichia coli、及びたとえばBL-21又はBL21(DE3)などのE.coliのB株に由来するものなどのグラム陰性細胞であり、これらすべては市販されている。
【0143】
適した宿主細胞は、たとえばDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH、Braunschweig、Germany)、又はAmerican Type Culture Collection(ATCC)などの微生物株保存機関から市販されている。
【0144】
実施例において、培養細胞は、タンパク質、たとえば、治療用に使用するための抗体(たとえばモノクローナル抗体)及び/又は組換え型タンパク質を産生するために使用される。実施例において、培養細胞は、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸、又は他の有用な生化学的中間産物又は代謝物質を産生する。たとえば、実施例において、約4000ダルトンから、約140,000ダルトンを超える分子量をもつ分子が産生され得る。実施例において、これらの分子は、ある範囲の複雑性を有し得、グリコシル化を含めた翻訳後修飾を含み得る。
【0145】
実施例において、タンパク質は、たとえば、BOTOX、Myobloc、Neurobloc、Dysport(又はボツリヌス神経毒素の他の血清型)、アルグルコシダーゼ・アルファ、ダプトマイシン、YH-16、コリオゴナドトロピン・アルファ、フィルグラスチム、セトロレリクス、インターロイキン-2、アルデスロイキン、テセロイキン、デニロイキン・ジフチトクス、インターフェロン・アルファ-n3(注射液)、インターフェロン・アルファ-n1、DL-8234、インターフェロン、Suntory(ガンマ-1a)、インターフェロン・ガンマ、チモシン・アルファ1、タソネルミン、DigiFab、ViperaTAb、EchiTAb、CroFab、ネシリチド、アバタセプト、アレファセプト、Rebif、エプトテルミンアルファ、テリパラチド(骨粗鬆症)、カルシトニン注射剤(骨疾患)、カルシトニン(経鼻型、骨粗鬆症)、エタネルセプト、ヘモグロビン・グルタマー250(ウシ)、ドロトレコギン・アルファ、コラゲナーゼ、カルペリチド、組換え型ヒト上皮成長因子(局所用ゲル、創傷治癒)、DWP401、ダルベポエチン・アルファ、エポエチン・オメガ、エポエチン・ベータ、エポエチン・アルファ、デシルジン、レピルジン、ビバリルジン、ノナコグ・アルファ、Mononine、エプタコグ・アルファ(活性型)、組換え型第VIII因子+VWF、Recombinate、組換え型第VIII因子、第VIII因子(組換え型)、Alphnmate、オクトコグ・アルファ、第VIII因子、パリフェルミン、Indikinase、テネクテプラーゼ、アルテプラーゼ、パミテプラーゼ、レテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、フォリトロピン・アルファ、rFSH、hpFSH、ミカファンギン、ペグフィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、セルモレリン、グルカゴン、エクセナチド、プラムリンチド、イミグルセラーゼ、ガルスルファーゼ、Leucotropin、モルグラモスチム、トリプロレリン・アセテート、ヒストレリン(皮下埋込み型、Hydron)、デスロレリン、ヒストレリン、ナファレリン、リュープロレリン徐放性デポ(ATRIGEL)、リュープロレリン埋込み型(DUROS)、ゴセレリン、Eutropin、KP-102プログラム、ソマトロピン、メカセルミン(成長障害)、エンフュービルタイド、Org-33408、インスリン・グラルギン、インスリン・グルリジン、インスリン(吸入型)、インスリン・リスプロ、インスリン・デテミル、インスリン(口腔、RapidMist)、メカセルミン・リンファバート、アナキンラ、セルモロイキン、99mTc-アプシタイド注射液、ミエロピド、Betaseron、グラチラマー酢酸塩、Gepon、サルグラモスチム、オプレルベキン、ヒト白血球由来アルファ・インターフェロン、Bilive、インスリン(組換え型)、組換え型ヒト・インスリン、インスリン・アスパルト、メカセルミン、Roferon-A、インターフェロン-アルファ2、Alfaferone、インターフェロン・アルファコン-1、インターフェロン-アルファ、Avonexの組換え型ヒト黄体形成ホルモン、ドルナーゼ・アルファ、トラフェルミン、ジコノタイド、タルチレリン、ジボテルミンアルファ、アトシバン、ベカプレルミン、エプチフィバチド、Zemaira、CTC-111、Shanvac-B、HPVワクチン(四価)、オクトレオチド、ランレオチド、アンセスチム、アガルシダーゼ・ベータ、アガルシダーゼ・アルファ、ラロニダーゼ、酢酸プレザチド銅(局所用ゲル)、ラスブリカーゼ、ラニビズマブ、Actimmune、PEG-Intron、Tricomin、組換え型ハウス・ダスト・ダニ・アレルギー・脱感作注射液、組換え型ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)1-84(sc、骨粗鬆症)、エポエチン・デルタ、トランスジェニック・アンチトロンビンIII、Granditropin、Vitrase、組換え型インスリン、インターフェロン-アルファ(経口用トローチ剤)、GEM-21S、バプレオチド、イズルスルファーゼ、オマパトリラト、組換え型血清アルブミン、セルトリズマブ・ペゴール、グルカルピダーゼ、ヒト組換え型C1エステラーゼ阻害剤(血管浮腫)、ラノテプラーゼ、組換え型ヒト成長ホルモン、エンフュービルタイド(針を用いない注射液、Biojector2000)、VGV-1、インターフェロン(アルファ)、ルシナクタント、アビプタディール(吸入型、肺疾患)、イカチバント、エカランチド、オミガナン、Aurograb、酢酸ペキシガナン、ADI-PEG-20、LDI-200、デガレリクス、シントレデキンベスドトクス、Favld、MDX-1379、ISAtx-247、リラグルチド、テリパラチド(骨粗鬆症)、チファコギン、AA4500、T4N5リポソーム・ローション、カツマキソマブ、DWP413、ART-123、Chrysalin、デスモテプラーゼ、アメジプラーゼ、コリフォリトロピンアルファ、TH-9507、テズグルチド、Diamyd、DWP-412、成長ホルモン(徐放性注射液)、組換え型G-CSF、インスリン(吸入型、AIR)、インスリン(吸入型、Technosphere)、インスリン(吸入型、AERx)、RGN-303、DiaPep277、インターフェロン・ベータ(C型肝炎ウイルス感染(HCV))、インターフェロン・アルファ-n3(経口用)、ベラタセプト、経皮インスリン・パッチ、AMG-531、MBP-8298、Xerecept、オペバカン、AIDSVAX、GV-1001、LymphoScan、ランピルナーゼ、Lipoxysan、ラスプルチド、MP52(ベータ型リン酸三カルシウム・キャリア、骨再生)、メラノーマ・ワクチン、シプリューセル-T、CTP-37、Insegia、ビテスペン、ヒト・トロンビン(凍結、外科的出血)、トロンビン、TransMID、アルフィメプラーゼ、Puricase、テルリプレシン(静注用、肝腎症候群)、EUR-1008M、組換え型FGF-I(注射剤、血管疾患)、BDM-E、ロチガプチド、ETC-216、P-113、MBI-594AN、デュラマイシン(吸入型、嚢胞性線維症)、SCV-07、OPI-45、Endostatin、Angiostatin、ABT-510、Bowman Birk阻害物質濃縮剤、XMP-629、99mTc-Hynic-Annexin V、カハラリドF、CTCE-9908、テベレリクス(徐放性)、オザレリクス、ロミデプシン、BAY-504798、インターロイキン4、PRX-321、Pepscan、イボクダデキン、rhラクトフェリン、TRU-015、IL-21、ATN-161、シレンジタイド、Albuferon、Biphasix、IRX-2、オメガ・インターフェロン、PCK-3145、CAP-232、パシレオチド、huN901-DMI、卵巣がんの免疫治療用ワクチン、SB-249553、Oncovax-CL、OncoVax-P、BLP-25、CerVax-16、マルチエピトープ・ペプチド・メラノーマ・ワクチン(MART-1、gp100、チロシナーゼ)、ネミフィチド、rAAT(吸入型)、rAAT(皮膚科薬)、CGRP(吸入型、喘息)、ペグスネルセプト、サイモシンベータ4、プリチデプシン、GTP-200、ラモプラニン、GRASPA、OBI-1、AC-100、サケのカルシトニン(経口用、エリゲン)、カルシトニン(経口用、骨粗鬆症)、エキサモレリン、カプロモレリン、Cardeva、ベラフェルミン、131I-TM-601、KK-220、T-10、ウラリチド、デペレスタット、ヘマタイド、Chrysalin(局所用)、rNAPc2、組換え型第VIII因子(ペグ化リポソーム)、bFGF、ペグ化組換え型スタフィロキナーゼ変異体、V-10153、SonoLysis Prolyse、NeuroVax、CZEN-002、膵島細胞新生治療、rGLP-1、BIM-51077、LY-548806、エクセナチド(制御放出、Medisorb)、AVE-0010、GA-GCB、アボレリン、ACM-9604、酢酸リナクロチド、CETi-1、Hemospan、VAL(注射剤)、即効型インスリン(注射剤、Viadel)、経鼻インスリン、インスリン(吸入型)、インスリン(経口用、エリゲン)、組換え型メチオニル・ヒト・レプチン、ピトラキンラ皮下注射液、湿疹)、ピトラキンラ(吸入型乾燥粉末、喘息)、Multikine、RG-1068、MM-093、NBI-6024、AT-001、PI-0824、Org-39141、Cpn10(自己免疫疾患/炎症)、ヒト型ラクトフェリン(局所用)、rEV-131(眼科用)、rEV-131(呼吸器疾患)、経口用組換え型ヒト・インスリン(糖尿病)、RPI-78M、オプレルベキン(経口用)、CYT-99007CTLA4-Ig、DTY-001、バラテグラスト、インターフェロン・アルファ-n3(局所用)、IRX-3、RDP-58、Tauferon、胆汁酸塩刺激リパーゼ、Merispase、アルカリ・ホスファターゼ、EP-2104R、Melanotan-II、ブレメラノチド、ATL-104、組換え型ヒト・マイクロプラスミン、AX-200、SEMAX、ACV-1、Xen-2174、CJC-1008、ダイノルフィンA、SI-6603、LAB GHRH、AER-002、BGC-728、マラリア・ワクチン(ビロソーム、PeviPRO)、ALTU-135、パルボウイルスB19ワクチン、インフルエンザ・ワクチン(組換え型ノイラミニダーゼ)、マラリア/HBVワクチン、炭疽ワクチン、Vacc-5q、Vacc-4x、HIVワクチン(経口用)、HPVワクチン、Tat Toxoid、YSPSL、CHS-13340、PTH(1-34)リポソーム・クリーム(Novasome)、Ostabolin-C、PTHアナログ(局所用、乾癬)、MBRI-93.02、MTB72Fワクチン(結核)、MVA-Ag85Aワクチン(結核)、FARA04、BA-210、組換え型ペストFIVワクチン、AG-702、OxSODrol、rBetV1、Der-p1/Der-p2/Der-p7アレルゲン標的化ワクチン(イエ・ダニ・アレルギー)、PR1ペプチド抗原(白血病)、突然変異体rasワクチン、HPV-16E7リポペプチド・ワクチン、迷路障害ワクチン(腺がん)、CMLワクチン、WT1-ペプチド・ワクチン(がん)、IDD-5、CDX-110、Pentrys、Norelin、CytoFab、P-9808、VT-111、イクロカプチド、テルベルミン(皮膚科薬、糖尿病性足部潰瘍)、ルピントリビル、レティキュロース、rGRF、HA、アルファ-ガラクトシダーゼA、ACE-011、ALTU-140、CGX-1160、アンジオテンシン治療用ワクチン、D-4F、ETC-642、APP-018、rhMBL、SCV-07(経口用、結核)、DRF-7295、ABT-828、ErbB2特異的免疫毒素(抗がん剤)、DT3SSIL-3、TST-10088、PRO-1762、Combotox、コレシストキニン-B/ガストリン受容体結合ペプチド、111In-hEGF、AE-37、トラスツズマブ-DM1、Antagonist G、IL-12(組換え型)、PM-02734、IMP-321、rhIGF-BP3、BLX-883、CUV-1647(局所用)、L-19をベースとする放射線免疫治療薬(がん)、Re-188-P-2045、AMG-386、DC/1540/KLHワクチン(がん)、VX-001、AVE-9633、AC-9301、NY-ESO-1ワクチン(ペプチド)、NA17.A2ペプチド、メラノーマ・ワクチン(パルス抗原治療薬)、前立腺がんワクチン、CBP-501、組換え型ヒト・ラクトフェリン(ドライ・アイ)、FX-06、AP-214、WAP-8294A(注射剤)、ACP-HIP、SUN-11031、ペプチドYY[3-36]
(肥満、経鼻)、FGLL、アタシセプト、BR3-Fc、BN-003、BA-058、ヒト副甲状腺ホルモン1-34(経鼻型、骨粗鬆症)、F-18-CCR1、AT-1100(セリアック病/糖尿病)、JPD-003、PTH(7-34)リポソーム・クリーム(Novasome)、デュラマイシン(眼科用、ドライ・アイ)、CAB-2、CTCE-0214、グリコペグ化エリスロポエチン、EPO-Fc、CNTO-528、AMG-114、JR-013、第XIII因子、アミノカンディン、PN-951、716155、SUN-E7001、TH-0318、BAY-73-7977、テベレリクス(即放型)、EP-51216、hGH(制御放出、Biosphere)、OGP-I、シフュービルタイド、TV4710、ALG-889、Org-41259、rhCC10、F-991、チモペンチン(肺疾患)、r(m)CRP、肝臓選択性インスリン、スバリン、L19-IL-2融合タンパク質、エラフィン、NMK-150、ALTU-139、EN-122004、rhTPO、トロンボポエチン受容体アゴニスト(血小板減少症)、AL-108、AL-208、神経成長因子アンタゴニスト(疼痛)、SLV-317、CGX-1007、INNO-105、経口用テリパラチド(エリゲン)、GEM-OS1、AC-162352、PRX-302、LFn-p24融合ワクチン(Therapore)、EP-1043、肺炎連鎖球菌小児ワクチン、マラリア・ワクチン、B群髄膜炎菌ワクチン、新生児B群連鎖球菌ワクチン、炭疽ワクチン、HCVワクチン(gpE1+gpE2+MF-59)、中耳炎治療薬、HCVワクチン(コア抗原+ISCOMATRIX)、hPTH(1-34)(経皮、ViaDerm)、768974、SYN-101、PGN-0052、アビスクミン、BIM-23190、結核ワクチン、マルチエピトープ・チロシナーゼ・ペプチド、がんワクチン、エンカスチム、APC-8024、GI-5005、ACC-001、TTS-CD3、血管標的化TNF(固形腫瘍)、デスモプレシン(口腔制御放出)、オネルセプト、及びTP-9201である。
【0146】
いくつかの実施例では、ポリペプチドは、アダリムマブ(HUMIRA)、インフリキシマブ(REMICADE(商標))、リツキシマブ(RITUXAN(商標)/MAB THERA(商標))エタネルセプト(ENBREL(商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(商標))、トラスツズマブ(HERCEPTIN(商標))、ペグフィルグラスチム(NEULASTA(商標))、又はバイオシミラー及びバイオベターを含む任意の他の適したポリペプチドである。
【0147】
他の適したポリペプチドは、以下、及び米国特許出願公開第2016/0097074号の表1に列挙されているものである。
【0148】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0149】
実施例において、ポリペプチドは、表2に示されるように、ホルモン、血液凝塊/凝固因子、サイトカイン/成長因子、抗体分子、融合タンパク質、タンパク質ワクチン、又はペプチドである。
【0150】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0151】
実施例において、タンパク質は、多重特異性タンパク質、たとえば表3に示されるような二重特異性抗体である。
【0152】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【0153】
別段の定めがない限り、本明細書に使用されるあらゆる技術用語及び学術用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味をもつ。本明細書に記述されるものと同様か又は均等な任意の方法及び材料が本開示の実施及び/又は試験のために使用されてもよいが、好ましい材料及び方法は、本明細書に記述されている。本開示を記述及び請求する際、以下の用語は、定義が与えられている場合、それがどのように定義されているかに従って使用されることになる。
【0154】
本明細書に使用される用語は、特定の実施例を記述するためだけのものであり、限定的であることを意図するものではないことも理解されたい。
【0155】
本明細書において、冠詞「a」及び「an」は、1つ、又は2つ以上の(すなわち少なくとも1つの)、冠詞の文法的な対象物を指すために使用される。一例として、「モジュラー・ユニット(a modular unit)」は、1つのモジュラー・ユニットを意味することも、2つ以上のモジュラー・ユニットを意味することもできる。
【0156】
当業者は、先行する説明及び例示的な実例を用いて、さらなる説明なしに、本開示のカスタマイズ可能施設を作成及び利用することができると考えられる。
【0157】
本発明は、具体的な態様を参照して開示されてきたが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、本発明の他の態様及び変形形態が、他の当業者によって考え出されてもよいことは明らかである。添付の特許請求の範囲は、あらゆるこうした態様及び均等な変形形態を含むと解釈されることを意図されている。