(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】アシル化GLP-1/GLP-2二重アゴニスト
(51)【国際特許分類】
C07K 14/605 20060101AFI20220118BHJP
A61K 38/26 20060101ALI20220118BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220118BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20220118BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20220118BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220118BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220118BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220118BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220118BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C07K14/605 ZNA
A61K38/26
A61P1/00
A61P1/04
A61P1/12
A61P1/16
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P43/00 111
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019135379
(22)【出願日】2019-07-23
(62)【分割の表示】P 2018562339の分割
【原出願日】2017-12-11
【審査請求日】2019-07-29
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】501466189
【氏名又は名称】ジーランド・ファーマ・ア/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ビャーネ・デュー・ラーセン
(72)【発明者】
【氏名】ヨナタン・グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】リセ・ギエーム
(72)【発明者】
【氏名】アリステア・ヴィンセント・ゴードン・エドワーズ
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-539713(JP,A)
【文献】国際公開第2016/066818(WO,A1)
【文献】特表2015-517299(JP,A)
【文献】国際公開第2015/067716(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/067715(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/055801(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
A61K 38/00-38/58
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
R
1-X
*-U-R
2
(式中:
R
1は、水素(Hy)、C
1~4アルキ
ル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、又はトリフルオロアセチルであり、
R
2は、NH
2又はOHであり、
X
*は、式I:
H-X2-EG-X5-F-X7-X8-E-X10-X11-TIL-X15-X16-X17-A-X19-X20-X21-FI-X24-WL-X27-X28-X29-KIT-X33(I)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X8は、S、E、又はDであり、
X10は、L、M、V、又はΨであり、
X11は、A、N、又はSであり、
X15は、D又はEであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19は、A、V、又はSであり、
X20は、R、K、又はΨであり、
X21は、D、L、又はEであり、
X24は、A、N、又はSであり、
X27は、I、Q、K、H、又はYであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、
Hであり、
X33は、D又はEであり、
Uは、存在しないか、又はK、k、E、A、T、I、L、及びΨからそれぞれ独立して選択される1~15個の残基の配列であり、
この分子は、Ψを1つのみ含有し、ここでΨは、側鎖が式Z
1-又はZ
1-Z
2-を有する置換基に結合した、K、k、R、Orn、Dap、又はDabの残基であり、式中、
Z
1-は、CH
3-(CH
2)
10~22-(CO)-又はHOOC-(CH
2)
10~22-(CO)-であり、
-Z
2-は、-Z
S1-、-Z
S1-Z
S2-、-Z
S2-Z
S1、-Z
S2-、-Z
S3-、-Z
S1Z
S3-、-Z
S2Z
S3-、-Z
S3Z
S1-、-Z
S3Z
S2-、-Z
S1Z
S2Z
S3-、-Z
S1Z
S3Z
S2-、-Z
S2Z
S1Z
S3-、-Z
S2Z
S3Z
S1-、-Z
S3Z
S1Z
S2-、-Z
S3Z
S2Z
S1-、又は-Z
S2Z
S3Z
S2-から選択され、式中、
Z
S1は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
Z
S2は、-(Peg3)
m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-Z
S3-は、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列であり、
X5及びX7の少なくとも1つはTで
ある)
によって示されるGLP-1/GLP-2二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
X2が、Aib又はGであり、
X5が、T又はSであり、
X7が、T又はSであり、
X8が、Sであり、
X10が、L又はΨであり、
X11が、A又はSであり、
X15が、D又はEであり、
X16が、G、E、A、又はΨであり、
X17が、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19が、A又はSであり、
X20が、R又はΨであり、
X21が、D、L、又はEであり、
X24が、Aであり、
X27が、I、Q、K、又はYであり、
X28が、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29が、
Hであり、
X33が、D又はEで
ある、請求項1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項3】
X
*が、式II:
H-X2-EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(II)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、
Hである、請求項1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項4】
X16がΨであり、X17がQ、E、K、又はLであるか、又はX16がGであり、X17がΨで
ある、請求項1又は3に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項5】
X
*が、式III:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SE-X10-ATILD-X16-X17-AA-X20-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(III)
のペプチドであり、
式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X10は、L又はΨであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X20は、R又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E、A、又はQであり、
X29は、
Hであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、請求項1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項6】
X
*が、式IV:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(IV)
のペプチドであり、
式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E又はAであり、
X29は、
Hであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、請求項1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項7】
(a) X16がΨであり、X17がE、K、又はLである、または
(b) X16がGであり、X17がΨで
ある、請求項1から6のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項8】
X
*が、式V:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-Ψ-QAARDFIAWLI-X28-X29-KITD(V)
のペプチドであり、
式中、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、
Hであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、請求項1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項9】
X5がSであり、X7がTである、
X5がTであり、X7がSである、又は
X5がTであり、X7がTで
ある、請求項1から8のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項10】
(a) Ψが、側鎖が置換基Z
1-又はZ
1-Z
2-に結合したLys残基である、及び/又は
(b) Z
1-が、
(i)ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、又はエイコサノイルである、又は
(ii)
13-カルボキシトリデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
12-(CO)-、
15-カルボキシペンタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
14-(CO)-、
17-カルボキシヘプタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
16-(CO)-、
19-カルボキシノナデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
18-(CO)-、又は
21-カルボキシヘンエイコサノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
20-(CO)-
である、請求項1から9のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項11】
(a) Z
2が存在しない、
(b) Z
2が、Z
S1を単独で又はZ
S2及び/若しくはZ
S3と組み合わせて含む
、または
(c) Z
2が、式-Z
S1-Z
S3-Z
S2-を有し、ここでZ
S1はZ
1に結合しており、Z
S2はΨのアミノ酸成分の側鎖に結合して
いる、請求項1から10のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項12】
Z
1-又はZ
1-Z
2-が:
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3-、
[ヘキサデカノイル]-βAla-、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-、又は
オクタデカノイル-
で
ある、請求項1から10のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項13】
(a) Uが、1~10個のアミノ酸長、1~7個のアミノ酸長、3~7個のアミノ酸長、1~6個のアミノ酸長、又は3~6個のアミノ酸長である、
(b) Uが、少なくとも1つの荷電アミノ
酸を含む
、
(c) Uが、正荷電アミノ酸と負荷電アミノ酸とが交互になったアミノ酸鎖である、
(d) Uが、K、k、E、及びΨのみから選択される残基を含む、
(e) Uが、(i)KEK、EKEKEK、EkEkEk、AKAAEK、AKEKEK、又はATILEKである、または(ii)K
1~14-Ψ、K
1~9-Ψ、K
1~6-Ψ、k
1~14-Ψ、k
1~9-Ψ、k
1~6-Ψ、KEΨ、EKEKEΨ、EkEkEΨ、AKAAEΨ、AKEKEΨ、又はATILEΨである、または
(f) Uが存在しない、
請求項1から12いずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項14】
R
1がHy及び/又はR
2がOHである、請求項1から13のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項15】
X
*又はX
*-Uが、配列:
【表1】
を有する、または配列:
【表2】
を有し、式中、K
*又はk
*は、それぞれ、側鎖が置換基Z
1-又はZ
1Z
2-に結合したL又はDリジン残基を示
す、請求項1から14のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項16】
【表3A】
【表3B】
【表3C】
である、請求項15に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を担体と混合された状態で含む組成物であって、前記組成物が医薬組成物であり、前記担体が薬学的に許容される担体である、組成物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される担体、賦形剤、又はビヒクルと混合された状態で含む医薬組成物。
【請求項19】
治療に使用するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
【請求項20】
(a) 吸収不良、潰瘍、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、回腸嚢炎、セリアックスプルー、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患、又は炎症状態の胃腸副作用、及び/又は
(b) 肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症、糖尿病、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧
の予防又は治療に使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)及びGLP-2(グルカゴン様ペプチド2)の受容体におけるアゴニスト活性を有するアシル化化合物に関する。この化合物は、特に、腸管の損傷及び機能不全の予防又は治療、体重の調整、並びに代謝機能不全の予防又は治療に使用される。
【背景技術】
【0002】
ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1(7~36))及びヒトグルカゴン様ペプチド2(GLP-2(1~33))が、共に腸管の同じ細胞によって産生されるため、腸管組織は、これらの産生を担う。ヒトGLP-2は、以下の配列を有する33個のアミノ酸のペプチドである:Hy-His-Ala-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp-OH(配列番号1)。これは、腸管の腸内分泌L細胞及び脳幹の特定の領域におけるプログルカゴンの特定の翻訳後プロセシングから得られる。GLP-2は、クラスIIのグルカゴンセクレチンファミリーに属する単一のGタンパク質共役受容体に結合する。GLP-2は、栄養摂取に応じてGLP-1、オキシントモジュリン、及びグリセンチンと共分泌される。ヒトGLP-1は、以下の配列を有する30個のアミノ酸のペプチドとして産生される:Hy-His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly-NH2(配列番号2)。
【0003】
GLP-2は、陰窩における幹細胞増殖の刺激を介し、また絨毛におけるアポトーシスの抑制によって小腸粘膜上皮の顕著な増殖を誘導することが報告されている(Drucker他、1996、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7911~7916)。GLP-2は、結腸における成長作用も有する。更に、GLP-2は、胃内容排出及び胃酸分泌を抑制し(Wojdemann他、1999、J. Clin. Endocrinol. Metab. 84:2513~2517)、腸管バリア機能を増強し(Benjamin他、2000、Gut 47:112~119)、グルコーストランスポーターのアップレギュレーションを介した腸管のヘキソース輸送を励起し(Cheeseman、1997、Am. J. Physiol. R1965~71)、また腸管の血流量を増加する(Guan他、2003、Gastroenterology、125:136~147)。
【0004】
GLP-1は、生理的インクレチンホルモンとされており、したがって、グルコース又は脂肪の経口摂取後のインスリン応答を増強することが主に報告されている。しかし、GLP-1は、グルカゴン濃度を低下させ、速やかな排便の抑制に対する有益な効果を有し(Tolessa他、1998、Dig. Dis. Sci. 43(10):2284~90)、また胃内容排出を遅延させると一般的に理解されている。
【0005】
WO2013/164484は、h[Gly2]GLP-2と比較して1つ又は複数の置換を含み、変化したGLP-1活性の性質を有する可能性があるGLP-2アナログ、及びその医学的使用を開示している。
【0006】
WO2016/066818では、GLP-1及びGLP-2の受容体における二重アゴニスト活性を有するペプチドについて記載されており、その医学的使用が提案されている。しかし、両受容体における有効なアゴニスト活性と、許容されるレベルの安定性を兼ね備える更なる化合物の必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】WO2013/164484
【文献】WO2016/066818
【文献】WO98/08871
【文献】WO00/55184
【文献】WO00/55119
【文献】WO98/11125
【非特許文献】
【0008】
【文献】Drucker他、1996、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7911~7916
【文献】Wojdemann他、1999、J. Clin. Endocrinol. Metab. 84:2513~2517
【文献】Benjamin他、2000、Gut 47:112~119
【文献】Cheeseman、1997、Am. J. Physiol. R1965~71
【文献】Guan他、2003、Gastroenterology、125:136~147
【文献】Tolessa他、1998、Dig. Dis. Sci. 43(10):2284~90
【文献】Altschul他、Methods in Enzymology 266:460~480(1996)
【文献】Pearson他、Genomics 46:24~36、1997
【文献】Madsen他、J. Med. Chem. 50:6126~32(2007)
【文献】Knudsen他、J. Med Chem. 43:1664~1669(2000)
【文献】Fields, G.B.他、2002、「Principles and practice of solid-phase peptide synthesis」In:Synthetic Peptides(第2版)
【文献】Sinclair and Drucker、Physiology 2005:357~65
【文献】Kim and Egan、2008、Pharmacol.Rev. 470~512
【文献】Holst JJ、2007、Physiol Rev. 1409~1439
【文献】Hellstrom他、2008、Neurogastroenterol Motil. 6月;20(6):649~659
【文献】Brun他、2007、Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol.、292:G518~G525、電子出版2006年10月5日
【文献】Cani他、2008、Diabetes、57巻、1470~1481
【文献】Hadjiyanni他、2009、Endocrinology、150(2):592~599
【文献】Gut;2009、58:1091~1103
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概括的に、本発明は、例えば、in vitroでの効力アッセイで評価される、GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)及びGLP-2(グルカゴン様ペプチド2)の受容体におけるアゴニスト活性を有する化合物に関する。このような化合物は、本明細書中では「GLP-1/GLP-2二重アゴニスト」又は単に「二重アゴニスト」として言及される。したがって、本発明の化合物は、GLP-1(7~36)及びGLP-2(1~33)の両方の活性を有する。
【0010】
第1の態様では、式:
R1-X*-U-R2
(式中:
R1は、水素(Hy)、C1~4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、又はトリフルオロアセチルであり、
R2は、NH2又はOHであり、
X*は、式I:
H-X2-EG-X5-F-X7-X8-E-X10-X11-TIL-X15-X16-X17-A-X19-X20-X21-FI-X24-WL-X27-X28-X29-KIT-X33(I)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X8は、S、E、又はDであり、
X10は、L、M、V、又はΨであり、
X11は、A、N、又はSであり、
X15は、D又はEであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19は、A、V、又はSであり、
X20は、R、K、又はΨであり、
X21は、D、L、又はEであり、
X24は、A、N、又はSであり、
X27は、I、Q、K、H、又はYであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、K、又はQであり、
X33は、D又はEであり、
Uは、存在しないか、又はK、k、E、A、T、I、L、及びΨからそれぞれ独立して選択される1~15個の残基の配列であり、
この分子は、Ψを1つのみ含有し、ここでΨは、側鎖が式Z1-又はZ1-Z2-を有する置換基に結合した、K、k、R、Orn、Dap、又はDabの残基であり、式中、
Z1-は、CH3-(CH2)10~22-(CO)-又はHOOC-(CH2)10~22-(CO)-であり、
-Z2-は、-ZS1-、-ZS1-ZS2-、-ZS2-ZS1、-ZS2-、-ZS3-、-ZS1ZS3-、-ZS2ZS3-、-ZS3ZS1-、-ZS3ZS2-、-ZS1ZS2ZS3-、-ZS1ZS3ZS2-、-ZS2ZS1ZS3-、-ZS2ZS3ZS1-、-ZS3ZS1ZS2-、-ZS3ZS2ZS1-、-ZS2ZS3ZS2-から選択され、式中、
ZS1は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
ZS2は、-(Peg3)m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-ZS3-は、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列であり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである)
によって示されるGLP-1/GLP-2二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物が提供される。
【0011】
本明細書で提供される式のペプチドX*中の種々のアミノ酸の位置は、アミノ酸鎖のN末端からC末端の線形位置に従って番号付けされる。
【0012】
本文脈において、β-Ala及び3-アミノプロパノイルは互換的に使用される。
【0013】
3位にアスパラギン酸(Asp、D)及び4位にグリシン(Gly)を有する二重アゴニストは、GLP-1及びGLP-2の受容体における極めて強力なアゴニストであり得る。しかし、この置換の組合せによって、化合物は、水溶液中で不安定となり、長期保存に適さない可能性がある。理論に束縛されるものではないが、3位のAspは、その側鎖のカルボン酸官能基と4位の残基の主鎖窒素原子の間に形成される環状中間体を介してisoAspに異性化されることがあると考えられている。
【0014】
Aspの代わりに3位にグルタミン酸(Glu、E)を有する分子は、このような反応の影響を受け難く、このため、水溶液中で保存する際にはるかに安定している可能性があることは現在認められている。しかし、たとえ天然のGLP-1分子の3位にGluが存在するとしても、ペプチドの中央部(例えば、16位及び17位に又はその付近)に親油性置換基を有する分子中の3位のAspをGluに置き換えると、GLP-2受容体及びGLP-1受容体の1つ又は両方における効力が低下する傾向がある。5位及び7位の1つ又は両方にThr残基を同時に組み入れることによって、失われた効力の一部又は全てが補完されるようである。野生型ヒトGLP-1及びGLP-2それぞれに存在するGly(G)及びThr(T)残基の代わりに29位にHis(H)、Tyr(Y)、Lys(K)、又はGln(Q)を組み入れることによっても、更に効力が改善すると考えられている。
【0015】
式Iのいくつかの実施形態において:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X8は、Sであり、
X10は、L又はΨであり、
X11は、A又はSであり、
X15は、D又はEであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19は、A又はSであり、
X20は、R又はΨであり、
X21は、D、L、又はEであり、
X24は、Aであり、
X27は、I、Q、K、又はYであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X33は、D又はEである。
【0016】
X16又はX17がΨではない場合、X16はEであり、X17はQであることが望ましいことがある。いくつかの実施形態において、X11はAであり、X15はDである。他の実施形態において、X11はSであり、X15はEである。追加の実施形態において、X11はAであり、X15はEである。
【0017】
いくつかの実施形態において、X27はIである。
【0018】
いくつかの実施形態において、X29はHである。これらの実施形態の特定のものにおいて、X28はAであり、X29はHであるか、又はX28はEであり、X29はHである。
【0019】
いくつかの実施形態において、X29はQであり、任意選択でX27はQである。
【0020】
いくつかの実施形態において、X27~X29の残基は:
IQH、
IEH、
IAH、
IHH、
IYH、
ILH、
IKH、
IRH、
ISH、
QQH、
YQH、
KQH、
IQQ、
IQY、
IQT、及び
IAY
から選択される配列を有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、X*は、式II:
H-X2-EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(II)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、又はQである。
【0022】
式I又は式IIのいくつかの実施形態において、X16はΨであり、X17はQ、E、K、又はLである。例えば、X17はQであってよく、又はX17はE、K、及びLから選択されてよい。他の実施形態において、X16はGであり、X17はΨである。
【0023】
X21はDであることが望ましいことがある。
【0024】
X28は、Q、E、及びAから選択されてもよく、例えば、Q又はEであってよい。いくつかの残基の組合せにおいて、Qが好ましいことがある。他の残基の組合せにおいて、以下に限定されないが、X16がGであり、X17がΨである場合を含め、Eが好ましいことがある。代替方法として、X28は、A、H、Y、L、K、R、及びSから選択されてよい。
【0025】
X*は、式III:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SE-X10-ATILD-X16-X17-AA-X20-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(III)
のペプチドであってよく、
式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X10は、L又はΨであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X20は、R又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E、A、又はQであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである。
【0026】
X*は、式IV:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(IV)
のペプチドであってよく、式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E又はAであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである。
【0027】
式I~IVのいずれかのいくつかの実施形態において、X16はΨであり、X17はE、K、又はLである。
【0028】
式I~IVの他の実施形態において、X16はGであり、X17はΨである。
【0029】
いずれの場合も、以下の残基の組合せが含まれてもよい:
X21はDであり、X28はEであり、
X21はDであり、X28はAであり、
X21はLであり、X28はEであり、
X21はLであり、X28はAである。
【0030】
X*は、式V:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-Ψ-QAARDFIAWLI-X28-X29-KITD(V)
(式中
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はS、例えば、Q、E、A、H、Y、又はLであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである)
のペプチドであってよい。
【0031】
式IIIのいくつかの実施形態において、X28はQ又はEである。式IIIのいくつかの実施形態において、X28はQである。他の実施形態において、X28は、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、例えば、A、H、Y、又はLである。
【0032】
上述の式又は実施形態のいずれかにおいて、二重アゴニストは、以下の残基の組合せの1つを含有する:
X5はSであり、X7はTであり、
X5はTであり、X7はSであり、
X5はTであり、X7はTである。
【0033】
X5がSであり、X7がTであるか、又はX5がTであり、X7がTであることは、好ましいことがある。
【0034】
上述の式又は実施形態のいずれかにおいて、X29がHであることは、望ましいことがある。
【0035】
いくつかの実施形態において、Ψは、側鎖が置換基Z1-又はZ1-Z2-に結合したLys残基である。
【0036】
いくつかの実施形態において、Z1-は、単独の又は-Z2-と組み合わせたドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、又はエイコサノイルである。
【0037】
いくつかの実施形態において、Z1-は、単独の又は-Z2-と組み合わせた:
13-カルボキシトリデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)12-(CO)-、
15-カルボキシペンタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)14-(CO)-、
17-カルボキシヘプタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)16-(CO)-、
19-カルボキシノナデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)18-(CO)-、又は
21-カルボキシヘンエイコサノイル、すなわち、HOOC-(CH2)20-(CO)-
である。
【0038】
いくつかの実施形態において、Z2は存在しない。
【0039】
いくつかの実施形態において、Z2は、ZS1を単独で又はZS2及び/若しくはZS3と組み合わせて含む。
【0040】
このような実施形態において:
-ZS1-は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
-ZS2-は、存在する場合、-(Peg3)m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-ZS3-は、ペプチド配列KEKなどの、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列である。
【0041】
Z2は、式-ZS1-ZS3-ZS2-を有していてもよく、ここでZS1はZ1に結合しており、ZS2はΨのアミノ酸成分の側鎖に結合している。
【0042】
したがって、いくつかの実施形態において、-Z2-は:
isoGlu(Peg3)0~3、
β-Ala(Peg3)0~3、
isoLys(Peg3)0~3、又は
4-アミノブタノイル(Peg3)0~3
である。
【0043】
追加の実施形態において、-Z2-は:
isoGlu-KEK-(Peg3)0~3
である。
【0044】
置換基Z1-Z2-の特定の例は、以下の通りである。いくつかの実施形態において、Z1-Z2-は、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGluである。例えば、Ψは、K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu)であってよい。いくつかの実施形態において、Z1-Z2-は:
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3-、
[ヘキサデカノイル]-βAla-、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-、又は
オクタデカノイル-
である。
【0045】
例えば、Ψは:
K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3)、
K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3)、
K([ヘキサデカノイル]-βAla-、
K([ヘキサデカノイル]-isoGlu)、又は
K(オクタデカノイル)
であってよい。
【0046】
Uは、存在する場合、K(すなわち、L-リジン)、k(すなわち、D-リジン)、E(Glu)、A(Ala)、T(Thr)、I(Ile)、L(Leu)、及びΨからそれぞれ独立して選択される1~15個の残基のペプチド配列を示す。例えば、Uは、1~10個のアミノ酸長、1~7個のアミノ酸長、3~7個のアミノ酸長、1~6個のアミノ酸長、又は3~6個のアミノ酸長であってよい。
【0047】
典型的には、Uは、少なくとも1つの荷電アミノ酸(K、k、又はE)を含み、また好ましくは、2つ以上の荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、Uは、少なくとも2つの正荷電アミノ酸(K又はk)を含む、又は少なくとも1つの正荷電アミノ酸(K又はk)及び少なくとも1つの負荷電アミノ酸(E)を含む。いくつかの実施形態において、Uの全てのアミノ酸残基は(存在する場合、Ψ以外)荷電している。例えば、Uは、正荷電アミノ酸と負荷電アミノ酸とが交互になったアミノ酸鎖であってよい。
【0048】
特定の実施形態において、Uは、K、k、E、及びΨからのみ選択される残基を含む。
【0049】
特定の実施形態において、Uは、K、k、及びΨからのみ選択される残基を含む。
【0050】
Uが、リジン残基(Kかkかにかかわらず)のみを含む場合、全ての残基は、L-立体配置を有してよい、又は全ての残基は、D-立体配置を有してよい。例には、K1~15、K1~10、及びK1~7、例えば、K3、K4、K5、K6、及びK7、特に、K5及びK6が含まれる。さらに、例には、k1~15、k1~10、及びk1~7、例えば、k3、k4、k5、k6、及びk7、特に、k5及びk6が含まれる。
【0051】
さらに、ペプチド配列Uの例には、KEK、EKEKEK、EkEkEk、AKAAEK、AKEKEK、及びATILEKが含まれる。
【0052】
いずれの場合も、これらの残基の1つを、Ψと交換してよい。配列UがΨ残基を含有する場合、UのC末端残基はΨであることが望ましいことがある。したがって、配列Uの追加の例には、K1~14-Ψ、K1~9-Ψ、及びK1~6-Ψ、例えば、K2-Ψ、K3-Ψ、K4-Ψ、K5-Ψ、及びK6-Ψ、特に、K4-Ψ及びK5-Ψが含まれる。さらに追加の例には、k1~14-Ψ、k1~9-Ψ、及びk1~6-Ψ、例えば、k2-Ψ、k3-Ψ、k4-Ψ、k5-Ψ、及びk6-Ψ、特に、k4-Ψ及びk5-Ψが含まれる。さらに追加の例には、KEΨ、EKEKEΨ、EkEkEΨ、AKAAEΨ、AKEKEΨ、及びATILEΨが含まれる。
【0053】
いくつかの実施形態において、Uは存在しない。
【0054】
いくつかの実施形態において、R1はHy及び/又はR2はOHである。
【0055】
ペプチドX*又はペプチドX*-Uは、以下の配列を有していてもよい:
【0056】
【0057】
ペプチドX*又はペプチドX*-Uは、以下の配列を有していてもよい:
【0058】
【0059】
例えば、ペプチドX*又はペプチドX*-Uは、以下の配列を有していてもよい:
【0060】
【0061】
二重アゴニストは、以下のものであってよい:
【0062】
【0063】
二重アゴニストは、薬学的に許容される酸付加塩などの、薬学的に許容される塩又は溶媒和物の形態であってよい。
【0064】
本発明は、担体、賦形剤、又はビヒクルと共に、本発明の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む組成物も提供する。担体は、薬学的に許容される担体であってよい。
【0065】
組成物は、医薬組成物であってよい。医薬組成物は、注射又は点滴による投与に適した液体として製剤化されてよい。これは、二重アゴニストの徐放性を得るために製剤化されてよい。
【0066】
本発明は、治療に使用するための本発明の二重アゴニストを更に提供する。更に別の態様では、医薬として使用するための本発明の二重アゴニストが提供される。医学的治療の方法に使用するための本発明の二重アゴニストも提供される。
【0067】
本発明は、腸管質量を増加させる、腸管機能(特に、腸管バリア機能)を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全(例えば、腸管上皮に対する損傷)を回復させる方法に使用するための本発明の二重アゴニストも提供する。
【0068】
本発明は、吸収不良、潰瘍(例えば、消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、薬剤性潰瘍、及び感染又は他の病原体に関連した潰瘍)、短腸症候群、盲管症候群(cul-de-sac syndrome)、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、回腸嚢炎、セリアックスプルー(例えば、グルテン過敏性腸症又はセリアック病から生じる)、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患(非経口栄養関連消化管萎縮、PNALD(非経口栄養関連肝疾患)、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、及びNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を含む)、又は膵炎若しくは移植片対宿主病(GVHD)などの炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療の方法に使用するための本発明の二重アゴニストも提供する。
【0069】
本発明は、体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させる方法に使用するための本発明の二重アゴニストも提供する。
【0070】
本発明は、肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理(glucose control)、耐糖能、脂質異常症(例えば、LDLレベルの上昇又はHDL/LDL比の低下)、糖尿病(例えば、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療の方法に使用するための本発明の二重アゴニストも提供する。
【0071】
本発明は、その必要がある対象の腸管質量を増加させる、腸管機能(特に、腸管バリア機能)を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全を回復させる方法であって、本発明の二重アゴニストを対象に投与することを含む方法も提供する。
【0072】
本発明は、その必要がある対象の吸収不良、潰瘍(例えば、消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、薬剤性潰瘍、及び感染又は他の病原体に関連した潰瘍)、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、回腸嚢炎、セリアックスプルー(例えば、グルテン過敏性腸症又はセリアック病から生じる)、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患(非経口栄養関連消化管萎縮、PNALD(非経口栄養関連肝疾患)、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、及びNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を含む)、又は膵炎若しくは移植片対宿主病(GVHD)などの炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療の方法であって、本発明の二重アゴニストを対象に投与することを含む方法も提供する。
【0073】
本発明は、その必要がある対象の体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させる方法であって、本発明の二重アゴニストを対象に投与することを含む方法も提供する。
【0074】
本発明は、その必要がある対象の肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症(例えば、LDLレベルの上昇又はHDL/LDL比の低下)、糖尿病(例えば、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療の方法であって、本発明の二重アゴニストを対象に投与することを含む方法も提供する。
【0075】
本発明は、腸管質量を増加させる、腸管機能(特に、腸管バリア機能)を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全(例えば、腸管上皮に対する損傷)を回復させるための医薬の調製における本発明の二重アゴニストの使用も提供する。
【0076】
本発明は、吸収不良、潰瘍(例えば、消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、薬剤性潰瘍、及び感染又は他の病原体に関連した潰瘍)、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、回腸嚢炎、セリアックスプルー(例えば、グルテン過敏性腸症又はセリアック病から生じる)、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患(非経口栄養関連消化管萎縮、PNALD(非経口栄養関連肝疾患)、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、及びNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を含む)、又は膵炎若しくは移植片対宿主病(GVHD)などの炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療のための医薬の調製における本発明の二重アゴニストの使用も提供する。
【0077】
本発明は、体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させるための医薬の調製における本発明の二重アゴニストの使用も提供する。
【0078】
本発明は、肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症(例えば、LDLレベルの上昇又はHDL/LDL比の低下)、糖尿病(例えば、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療のための医薬の調製における本発明の二重アゴニストの使用も提供する。
【0079】
更なる態様は、本発明に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む治療用キットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本明細書において他に定義しない限り、本出願で使用される科学用語及び専門用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有するものとする。一般的に、本明細書に記載の化学、分子生物学、細胞及び癌生物学、免疫学、微生物学、薬理学、並びにタンパク質及び核酸化学に関連して使用される命名法、及びそれらに関する技術は、当該分野で公知のものであり、一般的に使用されている。
【0081】
本出願で参照される全ての特許、公開特許出願、及び非特許公報は、参照によって本明細書に具体的に組み込まれる。矛盾が生じる場合、具体的な定義を含めて本明細書が統制する。
【0082】
本明細書に記載の本発明の各実施形態は、単独で利用されてよく又は1つ若しくは複数の本発明の他の実施形態と組み合わせて利用されてよい。
【0083】
定義
別段の指定がない限り、本書面による説明に使用される特定の用語について以下の定義が定められる。
【0084】
本明細書全体を通して、単語「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」などのその文法的変化形は、定めた完全体若しくは成分、又は完全体若しくは成分の群を含むことを意味するが、任意の他の完全体若しくは成分、又は完全体若しくは成分の群を除外することを意味するのではないと理解されるであろう。
【0085】
文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、複数形を含む。
【0086】
用語「含む」は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味するために使用される。「含む」及び「含むがこれらに限定されない」は、互換的に使用されてよい。
【0087】
用語「患者」、「対象」、及び「個体」は、互換的に使用されてよく、ヒト又はヒト以外の動物のいずれかを指す。これらの用語は、ヒト、霊長類、家畜(例えば、ウシ及びブタ)、ペット動物(例えば、イヌ及びネコ)、及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む。
【0088】
本発明の文脈において、用語「溶媒和物」は、溶質(この場合、本発明に記載のペプチド又は薬学的に許容されるその塩)と溶媒の間で形成される、定義された化学量論の複合体を指す。この結合における溶媒は、例えば、水、エタノール、又は以下に限定されないが、酢酸若しくは乳酸などの、別の薬学的に許容され、典型的に小分子の有機種であってよい。問題の溶媒が水である場合、このような溶媒和物は、通常水和物と呼ばれる。
【0089】
本発明の文脈で用いられる用語「アゴニスト」は、問題の受容体タイプを活性化する物質(リガンド)を指す。
【0090】
本説明及び特許請求の範囲全体を通して、天然に存在するアミノ酸に対する従来の3文字コード及び1文字コード、すなわち
A(Ala)、G(Gly)、L(Leu)、I(Ile)、V(Val)、F(Phe)、W(Trp)、S(Ser)、T(Thr)、Y(Tyr)、N(Asn)、Q(Gln)、D(Asp)、E(Glu)、K(Lys)、R(Arg)、H(His)、M(Met)、C(Cys)、及びP(Pro);
を、サルコシン(Sar)、ノルロイシン(Nle)、α-アミノイソ酪酸(Aib)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dap)、2,4-ジアミノブタン酸(Dab)、及び2,5-ジアミノペンタン酸(オルニチン;Orn)などの、他のα-アミノ酸に対する一般的に受け入れられている3文字コードと同様に使用する。本明細書中の一般式又は配列に使用される場合、特に、式又は配列の残りが、1文字コードを使用して示される場合、このような他のα-アミノ酸は、角括弧「[ ]」(例えば、「[Aib]」)中に示されてよい。別段の指定がない限り、本発明のペプチド中のアミノ酸残基はL-立体配置である。しかし、D-立体配置のアミノ酸を組み入れてよい。本文脈中、小文字で記載されたアミノ酸コードは、前記アミノ酸のD-立体配置を示す、例えば、「k」は、リジン(K)のD-立体配置を示す。
【0091】
本明細書中に開示されている配列中の配列は、「Hy-」部分を配列のアミノ末端(N-末端)に組み入れており、「-OH」部分又は「-NH2」部分のいずれかを配列のカルボキシ末端(C-末端)に組み入れている。このような場合、及び別段の指示がない限り、問題の配列のN-末端にある「Hy-」部分は、水素原子[すなわち、一般式中、R1=水素=Hy;N-末端に遊離した第1級又は第2級アミノ基が存在することに相当する]を示し、配列のC-末端にある「-OH」又は「-NH2」部分は、それぞれヒドロキシ基[例えば、一般式中、R2=OH;C-末端にカルボキシ(COOH)基が存在することに相当する]又はアミノ基[例えば、一般式中、R2=[NH2];C-末端にアミノ(CONH2)基が存在することに相当する]を示す。本発明の各配列において、C-末端の「-OH」部分は、C-末端の「-NH2」部分で置換されてもよく、そして逆もまた同様である。
【0092】
GLP-2ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントを得るため、必要であれば、配列を整列させ、ギャップを導入した後の、野生型(ヒト)GLP-2配列中のアミノ酸残基と同一の候補配列中のアミノ酸残基の割合であり、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しないとして定義される。配列アラインメントは、当業者が当業界で公知の技術を使用すること、例えば、BLAST、BLAST2、又はAlignソフトウエアなどの公的に利用可能なソフトウエアを使用することによって実施可能である。例えば、Altschul他、Methods in Enzymology 266:460~480(1996)又はPearson他、Genomics 46:24~36、1997を参照。
【0093】
本発明の文脈で、本明細書に使用される配列同一性の割合は、デフォルト設定と共にこれらのプログラムを使用して決定されてよい。より一般的に、熟練した作業者は、比較する配列の全長に渡る最大のアラインメントを得るために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを判定するために適切なパラメーターを容易に決定することができる。
【0094】
二重アゴニスト化合物
本発明によると、二重アゴニストは、少なくとも1種のGLP-1及び少なくとも1種のGLP-2の生物学的活性を有する。例示的なGLP-1の生理活性は、腸管輸送速度の低下、胃内容排出速度の低下、食欲の低下、摂食の減少、体重の減少、並びにグルコース管理及び耐糖能の改善を含む。例示的なGLP-2の生理活性は、腸管質量(例えば、小腸又は結腸)の増加をもたらすこと、腸管の回復、及び腸管バリア機能の改善(すなわち、腸管の透過性の抑制)を含む。これらのパラメーターは、試験動物を二重アゴニストで処理した後、腸管又はその一部の質量及び透過性を判定するin vivoアッセイにおいて測定され得る。
【0095】
二重アゴニストは、GLP-1及びGLP-2の受容体、例えば、ヒトGLP-1及びGLP-2の受容体におけるアゴニスト活性を有する。in vitroでの受容体アゴニスト活性のEC50値は、所定の受容体におけるアゴニスト効力の数値尺度として使用されてよい。EC50値は、特定のアッセイにおいて化合物の最大活性の半分を得るために必要とされる化合物の濃度(例えば、mol/L)の尺度である。同アッセイにおいて、特定の受容体におけるEC50数値が、参照化合物のEC50より低値である化合物は、その受容体において参照化合物より高い効力を有するとみなされ得る。
【0096】
GLP-1活性
いくつかの実施形態において、二重アゴニストは、例えば、以下の実施例に記載されるGLP-1受容体の効力アッセイを使用して測定した場合、GLP-1受容体(例えば、ヒトGLP-1受容体)におけるEC50が、2.0nM未満、1.5nM未満、1.0nM未満、0.9nM未満、0.8nM未満、0.7nM未満、0.6nM未満、0.5nM未満、0.4nM未満、0.3nM未満、0.2nM未満、0.1nM未満、0.09nM未満、0.08nM未満、0.07nM未満、0.06nM未満、0.05nM未満、0.04nM未満である。
【0097】
いくつかの実施形態において、二重アゴニストは、例えば、以下の実施例に記載されるGLP-1受容体の効力アッセイを使用して測定した場合、GLP-1受容体におけるEC50が、0.005と2.5nMの間、0.01nMと2.5nMの間、0.025と2.5nMの間、0.005と2.0nMの間、0.01nMと2.0nMの間、0.025と2.0nMの間、0.005と1.5nMの間、0.01nMと1.5nMの間、0.025と1.5nMの間、0.005と1.0nMの間、0.01nMと1.0nMの間、0.025と1.0nMの間、0.005と0.5nMの間、0.01nMと0.5nMの間、0.025と0.5nMの間、0.005と0.25nMの間、0.01nMと0.25nMの間、0.025と0.25nMの間である。
【0098】
GLP-1アゴニスト活性の代替尺度は、共に同アッセイにて測定した際の二重アゴニストの効力を、既知の(又は参照)GLP-1アゴニストの効力と比較することによって得られることがある。したがって、GLP-1受容体における相対的効力は:
[EC50(参照アゴニスト)]/[EC50(二重アゴニスト)]
と定義されてよい。
【0099】
したがって、1の値は、二重アゴニストと参照アゴニストが同等の効力を有することを示し、1を上回る値は、二重アゴニストが参照アゴニストより高い効力を有すること(すなわち、より低いEC50)を示し、更に1未満の値は、二重アゴニストが参照アゴニストより低い効力を有すること(すなわち、より高いEC50)を示す。
【0100】
参照GLP-1アゴニストは、例えば、ヒトGLP-1(7~37)、リラグルチド(NN2211;Victoza)、又はエキセンディン-4であってよいが、好ましくは、リラグルチドである。
【0101】
典型的には、相対的効力は、0.001と100の間であると考えられ、例えば、
0.001と10の間、0.001と5の間、0.001と1の間、0.001と0.5の間、0.001と0.1の間、0.001と0.05の間、若しくは0.001と0.01の間、
0.01と10の間、0.01と5の間、0.01と1の間、0.01と0.5の間、0.01と0.1の間、若しくは0.01と0.05の間、
0.05と10の間、0.05と5の間、0.05と1の間、0.05と0.5の間、若しくは0.05と0.1の間、
0.1と10の間、0.1と5の間、0.1と1の間、若しくは0.1と0.5の間、
0.5と10の間、0.5と5の間、若しくは0.5と1の間、
1と10の間、若しくは1と5の間、
又は5と10の間
である。
【0102】
以下の実施例に記載される二重アゴニストは、リラグルチドより僅かに低いGLP-1効力を有し、例えば、0.01と1の間、0.01と0.5の間、又は0.01と0.1の間の相対的効力を有していてもよい。
【0103】
一方、本発明の二重アゴニストは、GLP-1受容体(例えば、ヒトGLP-1受容体)において、野生型ヒトGLP-2(hGLP-2(1~33))又は[Gly2]-hGLP-2(1~33)(すなわち、2位にグリシンを有するヒトGLP-2、テデュグルチド(teduglutide)としても公知)より高い効力を有する。したがって、GLP-1受容体における、hGLP-2(1~33)又はテデュグルチドと比較した二重アゴニストの相対的効力は、1を上回り、典型的には5を上回り又は10を上回り、また100に達することもあり、500に達することもあり、又は更に大きくてもよい。
【0104】
GLP-2活性
いくつかの実施形態において、二重アゴニストは、例えば、以下の実施例に記載されるGLP-1受容体の効力アッセイを使用して測定した場合、GLP-2受容体(例えば、ヒトGLP-2受容体)におけるEC50が、2.0nM未満、1.5nM未満、1.0nM未満、0.9nM未満、0.8nM未満、0.7nM未満、0.6nM未満、0.5nM未満、0.4nM未満、0.3nM未満、0.2nM未満、0.1nM未満、0.09nM未満、0.08nM未満、0.07nM未満、0.06nM未満、0.05nM未満、0.04nM未満、0.03nM未満、0.02nM未満、又は0.01nM未満である。
【0105】
いくつかの実施形態において、二重アゴニストは、例えば、以下の実施例に記載されるGLP-2受容体の効力アッセイを使用して測定した場合、GLP-2受容体におけるEC50が、0.005と2.0nMの間、0.01nMと2.0nMの間、0.025と2.0nMの間、0.005と1.5nMの間、0.01nMと1.5nMの間、0.025と1.5nMの間、0.005と1.0nMの間、0.01nMと1.0nMの間、0.025と1.0nMの間、0.005と0.5nMの間、0.01nMと0.5nMの間、0.025と0.5nMの間、0.005と0.25nMの間、0.01nMと0.25nMの間、0.025と0.25nMの間である。
【0106】
GLP-2アゴニスト活性の代替尺度は、共に同アッセイにて測定した際の二重アゴニストの効力を、既知の(又は参照)GLP-2アゴニストの活性と比較することによって得られることがある。したがって、GLP-2受容体における相対的効力は:
[EC50(参照アゴニスト)]/[EC50(二重アゴニスト)]
と定義されてよい。
【0107】
したがって、1の値は、二重アゴニストと参照アゴニストが同等の効力を有することを示し、1を上回る値は、二重アゴニストが参照アゴニストより高い効力を有すること(すなわち、より低いEC50)を示し、更に1未満の値は、二重アゴニストが参照アゴニストより低い効力を有すること(すなわち、より高いEC50)を示す。
【0108】
参照GLP-2アゴニストは、例えば、ヒトGLP-2(1~33)又はテデュグルチド([Gly2]-hGLP-2(1~33))であってよいが、好ましくは、テデュグルチドである。典型的には、相対的効力は、0.001と100の間であると考えられ、例えば、
0.001と10の間、0.001と5の間、0.001と1の間、0.001と0.5の間、0.001と0.1の間、0.001と0.05の間、若しくは0.001と0.01の間、
0.01と10の間、0.01と5の間、0.01と1の間、0.01と0.5の間、0.01と0.1の間、若しくは0.01と0.05の間、
0.05と10の間、0.05と5の間、0.05と1の間、0.05と0.5の間、若しくは0.05と0.1の間、
0.1と10の間、0.1と5の間、0.1と1の間、若しくは0.1と0.5の間、
0.5と10の間、0.5と5の間、若しくは0.5と1の間、
1と10の間、若しくは1と5の間、
又は5と10の間
である。
【0109】
以下の実施例に記載される二重アゴニストは、テデュグルチドより僅かに低いGLP-2効力を有し、例えば、0.01と1の間、0.01と0.5の間、又は0.01と0.1の間の相対的効力を有していてもよい。
【0110】
一方、本発明の二重アゴニストは、GLP-2受容体(例えば、ヒトGLP-2受容体)において、ヒトGLP-1(7~37)、リラグルチド(NN2211;Victoza)、又はエキセンディン-4より高い効力を有する。したがって、GLP-2受容体における、ヒトGLP-1(7~37)、リラグルチド(NN2211;Victoza)、又はエキセンディン-4と比較した二重アゴニストの相対的効力は、1を上回り、典型的には5を上回り又は10を上回り、また100に達することもあり、500に達することもあり、又は更に高くてもよい(参照GLP-1アゴニストが、GLP-2受容体において検出可能な活性を生じたとしても)。
【0111】
各受容体における二重アゴニストの絶対効力は、GLP-1アゴニスト活性とGLP-2アゴニスト活性の間のバランスよりも極めて重要性が低いと理解されるであろう。したがって、二重アゴニスト化合物が、両受容体において許容される相対的レベルの効力を生じる限り、絶対GLP-1又はGLP-2効力が、これらの受容体における既知のアゴニストの絶対効力より低いことは、完全に許容される。絶対効力におけるいかなる明らかな不足も、必要に応じて増加した用量によって補完され得る。
【0112】
置換基
本発明の二重アゴニストは、側鎖が置換基Z1-又はZ1-Z2-に結合したLys、Arg、Orn、Dap、又はDabの残基を含むΨ残基を含有し、式中、Z1は、CH3-(CH2)10~22-(CO)-又はHOOC-(CH2)10~22-(CO)-部分を示し、Z2は、存在する場合、スペーサーを示す。
【0113】
スペーサーZ2は、-ZS1-、-ZS1-ZS2-、-ZS2-ZS1、-ZS2-、-ZS3-、-ZS1ZS3-、-ZS2ZS3-、-ZS3ZS1-、-ZS3ZS2-、-ZS1ZS2ZS3-、-ZS1ZS3ZS2-、-ZS2ZS1ZS3-、-ZS2ZS3ZS1-、-ZS3ZS1ZS2-、-ZS3ZS2ZS1-、ZS2ZS3ZS2-から選択され、式中、
ZS1は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
ZS2は、-(Peg3)m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
ZS3-は、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列である。
【0114】
いくつかの実施形態において、Z2は、式-ZS1-、-ZS1-ZS2-、-ZS2-ZS1、又はZS2(式中、-ZS1-は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、-ZS2-は、-(Peg3)m-であり、ここでmは、1、2、又は3である)のスペーサーである。
【0115】
理論に束縛されるものではないが、Z1の炭化水素鎖は、血流中のアルブミンに結合し、このため、本発明の二重アゴニストを、二重アゴニストの半減期を増進させ得る酵素分解から保護すると考えられている。
【0116】
置換基は、GLP-2受容体及び/又はGLP-1受容体に関する二重アゴニストの効力を調節することもある。
【0117】
置換基Z1-又はZ1-Z2-は、妥当なアミノ酸残基のα-炭素から遠位の側鎖末端の官能基に結合する。
このため、その官能基によって媒介される相互作用(例えば、分子内及び分子間相互作用)に関与するための、問題のアミノ酸(Lys、Arg、Orn、Dab、Dap)側鎖の通常の能力は、置換基の存在によって低下又は完全に打ち消されることがある。したがって、二重アゴニストの全般的な性質は、置換基に結合した実際のアミノ酸における変化に比較的影響を受け難いことがある。よって、Lys、Arg、Orn、Dab、又はDap残基のいずれかは、Ψが許容されている任意の位置に存在することがあると考えられている。しかし、特定の実施形態において、置換基が結合しているアミノ酸が、Lys又はOrnであることは有利であり得る。
【0118】
Z1部分は、アミノ酸側鎖の官能基に共有結合してもよく、又は代わりに、スペーサーZ2を介してアミノ酸側鎖の官能基に結合してもよい。
【0119】
用語「結合している」は、1つの識別可能な化学的部分ともう1つの化学的部分との共有結合的な付加、及びこのような部分間の構造上の関係を記述するために本明細書で使用される。いずれか特定の合成方法を意味すると見なすべきではない。
【0120】
Z1、ZS1、ZS2、ZS3、及び置換基が結合しているアミノ酸側鎖の間の結合は、ペプチド結合である(本明細書ではまとめてΨと示す)。言い換えると、単位は、アミド縮合反応によって結合されてよい。
【0121】
Z1は、10~22個のC原子などの10~24個の炭素(C)原子、例えば、10~20個のC原子を有する炭化水素鎖を含む。好ましくは、少なくとも10又は少なくとも11個のC原子を有し、好ましくは、20個以下のC原子、例えば、18個以下のC原子を有する。例えば、炭化水素鎖は、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を含有してよい。例えば、18又は20個の炭素原子を含有してよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、Z1は、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、及びエイコサノイルから選択される基、好ましくは、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、又はエイコサノイル、より好ましくは、オクタデカノイル又はエイコサノイルである。
【0123】
代替のZ1基は、式HOOC-(CH2)12~22-COOHの長鎖の飽和α,ω-ジカルボン酸、好ましくは、脂肪族鎖に偶数の炭素原子を有す長鎖の飽和α,ω-ジカルボン酸から得られる。
例えば、Z1は:
13-カルボキシトリデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)12-(CO)-、
15-カルボキシペンタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)14-(CO)-、
17-カルボキシヘプタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)16-(CO)-、
19-カルボキシノナデカノイル、すなわち、HOOC-(CH2)18-(CO)-、又は
21-カルボキシヘンエイコサノイル、すなわち、HOOC-(CH2)20-(CO)-
であってよい。
【0124】
上記の通り、Z1は、スペーサーZ2によってアミノ酸側鎖に結合していてもよい。存在する場合、スペーサーは、Z1及びアミノ酸側鎖に付加される。
【0125】
スペーサーZ2は、-ZS1-、-ZS1-ZS2-、-ZS2-ZS1、-ZS2-、-ZS3-、-ZS1ZS3-、-ZS2ZS3-、-ZS3ZS1-、-ZS3ZS2-、-ZS1ZS2ZS3-、-ZS1ZS3ZS2-、-ZS2ZS1ZS3-、-ZS2ZS3ZS1-、-ZS3ZS1ZS2-、-ZS3ZS2ZS1-、-ZS2ZS3ZS2-を有し、式中、
-ZS1は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
-ZS2は、-(Peg3)m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-ZS3-は、A(Ala)、L(Leu)、S(Ser)、T(Thr)、Y(Tyr)、Q(Gln)、D(Asp)、E(Glu)、K(L-Lys)、k(D-Lys)、R(Arg)、H(His)、F(Phe)、及びG(Gly)からなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列である。
【0126】
用語「isoGlu」及び「isoLys」は、それらの側鎖のカルボキシル官能基又はアミン官能基を介した結合に関与するアミノ酸の残基を示す。したがって、isoGluは、そのαアミノ基及び側鎖のカルボキシル基を介した結合に関与し、isoLysは、そのカルボキシル基及び側鎖のアミノ基を介して関与する。本明細書の文脈では、用語「γ-Glu」及び「isoGlu」は、互換的に使用される。
【0127】
用語Peg3は、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタノイル基を指すために使用される。
【0128】
ZS3は、例えば、3~6個のアミノ酸長、すなわち、3、4、5、又は6個のアミノ酸長であってよい。
【0129】
いくつかの実施形態において、ZS3のアミノ酸は、K、k、E、A、T、I、及びLから、例えば、K、k、E、及びAから、例えば、K、k、及びEから独立して選択される。
【0130】
典型的には、ZS3は、少なくとも1つの荷電アミノ酸(K、k、R、又はE、例えば、K、k、又はE)、好ましくは、2つ以上の荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ZS3は、少なくとも2つの正荷電アミノ酸(K、k、又はR、特にK又はk)、又は少なくとも1つの正荷電アミノ酸(K、k、又はR、特にK又はk)及び少なくとも1つの負荷電アミノ酸(E)を含む。いくつかの実施形態において、ZS3の全てのアミノ酸残基は、荷電されている。例えば、ZS3は、正荷電アミノ酸と負荷電アミノ酸とが交互になったアミノ酸鎖であってよい。
【0131】
ZS3部分の例には、KEK、EKEKEK、kkkkkk、EkEkEk、AKAAEK、AKEKEK、及びATILEKが含まれる。
【0132】
理論に束縛されるものではないが、脂肪酸鎖とペプチド主鎖の間のリンカーにZS3を組み込むことによって、血清アルブミンに対する親和性を増強するとこで、二重アゴニストの半減期を延ばすであろうと考えられている。
【0133】
いくつかの実施形態において、-Z2-は、-ZS1-又は-ZS1-ZS2-であり、言い換えると、-Z2-は:
isoGlu(Peg3)0~3、
β-Ala(Peg3)0~3、
isoLys(Peg3)0~3、及び
4-アミノブタノイル(Peg3)0~3
から選択される。
【0134】
したがって、置換基Z1-の特定の例には、[ドデカノイル]、[テトラデカノイル]、[ヘキサデカノイル]、[オクタデカノイル]、[エイコサノイル]、[13-カルボキシ-トリデカノイル]、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]が含まれる。
【0135】
より大まかには、-Z2-は、-ZS1-、-ZS1-ZS2-、-ZS3-ZS1-、-ZS1-ZS3-、-ZS1-ZS3-ZS2-、-ZS3-ZS2-ZS1-、又はZS3-であってよい。したがって、-Z2-は:
isoGlu(Peg3)0~3;
β-Ala(Peg3)0~3;
isoLys(Peg3)0~3;
4-アミノブタノイル(Peg3)0~3;
isoGlu(KEK)(Peg3)0~3;
β-Ala(KEK)(Peg3)0~3;
isoLys(KEK)(Peg3)0~3;
4-アミノブタノイル(KEK)(Peg3)0~3;
KEK(isoGlu);
KEK(β-Ala);
KEK(isoLys);
KEK(4-アミノブタノイル);
isoGlu(KEK);
β-Ala(KEK);
isoLys(KEK);
4-アミノブタノイル(KEK);
KEK(isoGlu)(Peg3)0~3;
KEK(β-Ala)(Prg3)0~3;
KEK(isoLys)(Peg3)0~3;及び
KEK(4-アミノブタノイル)(Peg3)0~3;
からなる群から選択されてよい。
【0136】
置換基Z1-Z2-の特定の例には:
[ドデカノイル]-isoGlu、[テトラデカノイル]-isoGlu、[ヘキサデカノイル]-isoGlu、[オクタデカノイル]-isoGlu、[エイコサノイル]-isoGlu、
[ヘキサデカノイル]-βAla、[オクタデカノイル]-βAla、[エイコサノイル]-βAla、[テトラデカノイル]-βAla、[ドデカノイル]-βAla、
[ドデカノイル]-isoGlu-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-Peg3、
[ドデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys、[テトラデカノイル]-isoLys、[ヘキサデカノイル]-isoLys、[オクタデカノイル]-isoLys、[エイコサノイル]-isoLys、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[ドデカノイル]-isoLys-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla、[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3及び[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3
が含まれる。
【0137】
置換基Z1-Z2-の追加の例には:
[ドデカノイル]-isoLys、[テトラデカノイル]-isoLys、[ヘキサデカノイル]-isoLys、[オクタデカノイル]-isoLys、[エイコサノイル]-isoLys、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[ヘキサデカノイル]-KEK、[オクタデカノイル]-KEK、[エイコサノイル]-KEK、[テトラデカノイル]-KEK、[ドデカノイル]-KEK、
[ドデカノイル]-Peg3、[テトラデカノイル]-Peg3、[ヘキサデカノイル]-Peg3、
[オクタデカノイル]-Peg3、[エイコサノイル]-Peg3、
[ドデカノイル]-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
ドデカノイル]-isoLys-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3、
[ドデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-βAla-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[ドデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[テトラデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[ヘキサデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[オクタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[エイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu、[21-カルボキシ-hen21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla、[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK、[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
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[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-KEK-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-isoLys-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-βAla-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-βAla-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[13-カルボキシ-トリデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[15-カルボキシ-ペンタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、[21-カルボキシ-ヘンエイコサノイル]-KEK-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3
が含まれる。
【0138】
特定の好ましい置換基Z1-及びZ1-Z2-には:
[ヘキサデカノイル]、[オクタデカノイル]、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]、[19-カルボキシ-ノナデカノイル]、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu、[オクタデカノイル]-isoGlu、
[ヘキサデカノイル]-βAla、[オクタデカノイル]-βAla、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoLys、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-Peg3-Peg3-Peg3
が含まれる。
【0139】
より好ましい置換基Z1-Z2-には:
[ヘキサデカノイル]-isoGlu、
[ヘキサデカノイル]-βAla、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoLys、
[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3
が含まれる。
【0140】
さらに追加の好ましい置換基Z1-Z2-には:
[ヘキサデカノイル]-KEK、[オクタデカノイル]-KEK、
[ヘキサデカノイル]-βAla-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoLys-KEK
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-KEK、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-βAla-KEK
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-βAla-KEK、[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-KEK-Peg3-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3
が含まれる。
【0141】
任意選択でスペーサーによって、アミノ酸側鎖に結合した異なる置換基(脂肪酸、FA)を含むΨの例を以下に例示する:
【0142】
【化1A】
【化1B】
【化1C】
【化1D】
【化1E】
【0143】
更に、リジン残基の側鎖に結合した置換基[ヘキサデカノイル]-isoGluを以下に例示する:
【0144】
【0145】
したがって、Lys残基の側鎖は、アミド結合を介してisoGluスペーサー-Z2-(-ZS1-)の側鎖カルボキシル基に共有結合的に付加される。ヘキサデカノイル基(Z1)は、アミド結合を介してisoGluスペーサーのアミノ基に共有結合的に付加される。
【0146】
リジン残基の側鎖に結合した置換基[ヘキサデカノイル]-[4-アミノブタノイル]-を以下に例示する
【0147】
【0148】
リジン残基の側鎖に結合した置換基[(ヘキサデカノイル)iso-Lys]-を以下に例示する
【0149】
【0150】
リジン残基の側鎖に結合した置換基[(ヘキサデカノイル)β-Ala]-を以下に例示する
【0151】
【0152】
いくつか追加の具体的な-Z2-Z1の組合せの例を以下に例示する。それぞれの場合において、---は、Ψのアミノ酸成分の側鎖に付加した位置を示す:
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3
【0153】
【0154】
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu
【0155】
【0156】
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-iso-Lys-Peg3
【0157】
【0158】
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-β-Ala-Peg3
【0159】
【0160】
4-[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]アミノブタノイル-Peg3
【0161】
【0162】
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-KEK-isoGlu-Peg3-Peg3
【0163】
【0164】
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3
【0165】
【0166】
当業者は、本発明の文脈で用いられる置換基を調製し、それらを、二重アゴニストペプチドの適切なアミノ酸の側鎖に結合させる適当な技術について十分把握しているであろう。適当な化学的性質の例として、参照によって本明細書に組み込まれるWO98/08871、WO00/55184、WO00/55119、Madsen他、J. Med. Chem. 50:6126~32(2007)、及びKnudsen他、J. Med Chem. 43:1664~1669(2000)を参照。
【0167】
二重アゴニストの合成
固相又は液相のペプチド合成法を用いて本発明の二重アゴニストを合成することが好ましい。この文脈において、WO98/11125、及び他の多くのものの中のFields, G.B.他、2002、「Principles and practice of solid-phase peptide synthesis」In:Synthetic Peptides(第2版)、並びに本明細書中の実施例を参照してよい。
【0168】
本発明によると、本発明の二重アゴニストは、例えば、
(a)固相又は液相のペプチド合成法を用いて二重アゴニストを合成し、こうして得られた合成二重アゴニストを回収すること、又は
(b)前駆体ペプチドをコードする核酸構築物から前駆体ペプチド配列を発現させ、発現産物を回収し、前駆体ペプチドを修飾して本発明の化合物を得ること
を含む方法を含む、多くの方法で合成又は製造され得る。
【0169】
前駆体ペプチドは、1つ又は複数の非タンパク質新生アミノ酸、例えば、Aib、Orn、Dap、又はDabの挿入、Ψ残基における親油性置換基Z1又はZ1-Z2-の挿入、適切な末端基R1及びR2の挿入などによって、修飾されてよい。
【0170】
典型的には、発現は、前駆体ペプチドをコードする核酸から行われ、細胞内又はこのような核酸を含む無細胞発現系において行われてよい。
【0171】
固相又は液相のペプチド合成を用いて本発明のアナログを合成することが好ましい。この文脈において、WO98/11125、及び他の多くのものの中のFields, G.B.他、2002、「Principles and practice of solid-phase peptide synthesis」In:Synthetic Peptides(第2版)、並びに本明細書中の実施例を参照してよい。
【0172】
組換え発現のため、前駆体ペプチドをコードする核酸断片は、通常、適当なベクターに挿入され、クローニングベクター又は発現ベクターを形成する。ベクターは、目的及び用途の種類によって、プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ染色体、又はウイルスの形態であり得るが、特定の細胞において一時的に発現されるのみである裸のDNAも重要なベクターである。好ましいクローニングベクター及び発現ベクター(プラスミドベクター)は、自律複製の能力があり、これによって、その後のクローニングのための高レベルの発現又は高レベルの複製を目的とする高いコピー数を可能にする。
【0173】
概して、発現ベクターは、5'→3'の方向に及び操作可能な結合に以下の特性:核酸断片の発現を促すプロモーター、任意選択で、分泌を可能にする(細胞外の相に、又は適用可能であればペリプラズム内に)リーダーペプチドをコードする核酸配列、前駆体ペプチドをコードする核酸断片、及び任意選択で、ターミネーターをコードする核酸配列を含む。これらは、選択マーカー及び複製起点などの追加の特徴を含んでよい。生産株又は細胞株において発現ベクターを用いて操作する場合、ベクターは、宿主細胞のゲノムに組み込み可能であることが好ましい場合がある。当業者は、適当なベクターに極めて精通しており、具体的な必要条件に従ってベクターを設計することができる。
【0174】
本発明のベクターは、前駆体ペプチドを産生するように宿主細胞を形質転換するために使用される。このような形質転換細胞は、核酸断片及びベクターの増殖のために使用される、並びに/若しくは前駆体ペプチドの組換え産生のために使用される培養細胞又は細胞株であり得る。
【0175】
好ましい形質転換細胞は、細菌[エシェリキア属(例えば、大腸菌(E. coli))、バシラス属(例えば、枯草菌(Bacillus subtilis))、サルモネラ属、又はマイコバクテリウム属(好ましくは、非病原性、例えば、M. bovis BCG)の種など、酵母菌(例えば、ビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)及びピキア・パストリス(Pichia pastoris))、及び原虫などの微生物である。代替方法として、形質転換細胞は、多細胞生物から得られてよく、すなわち、これは、真菌細胞、昆虫細胞、藻類細胞、植物細胞、又は哺乳動物細胞などの動物細胞であってよい。クローニング及び/又は最適化した発現を目的として、形質転換細胞に本発明の核酸断片を複製する能力があることが好ましい。核酸断片を発現する細胞は、本発明のペプチドの小規模又は大規模調製のために使用することができる。
【0176】
形質転換細胞を用いて前駆体ペプチドを産生する場合、決して必須ではないが、発現生成物が培地に分泌されることは都合が良い。
【0177】
医薬組成物及び投与
本発明の態様は、本発明に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を担体と共に含む組成物に関する。本発明の一実施形態において、組成物は医薬組成物であり、担体は薬学的に許容される担体である。本発明は、本発明に記載の二重アゴニスト又はその塩若しくは溶媒和物を担体、賦形剤、又はビヒクルと共に含む医薬組成物にも関する。したがって、本発明の二重アゴニスト又はその塩若しくは溶媒和物、特に薬学的に許容されるその塩又は溶媒和物は、保存又は投与用に調製され、本発明の二重アゴニスト又はその塩若しくは溶媒和物を治療上有効な量で含む組成物又は医薬組成物として製剤化されてよい。
【0178】
塩基を用いて形成された適当な塩には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はマグネシウム塩などの金属塩、アンモニア塩、及びモルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ-、ジ-、若しくはトリ-低級アルキルアミン(例えば、エチル-tert-ブチル-、ジエチル-、ジイソプロピル-、トリエチル-、トリブチル-、又はジメチルプロピルアミン)、又はモノ-、ジ-、若しくはトリ-低級(ヒドロキシアルキル)アミン(例えば、モノ-、ジ-、又はトリエタノールアミン)を用いて形成されたものなどの有機アミン塩が含まれる。分子内塩が形成されてもよい。同様に、本発明の化合物が、塩基部分を含有する場合、塩は、有機酸又は無機酸を使用して形成することができる。例えば、塩は、以下の酸から形成され得る:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、安息香酸、炭酸、尿酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(すなわち、4-メチルベンゼン-スルホン酸)、カンファースルホン酸、2-アミノエタンスルホン酸、アミノメチルホスホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸(後者はトリフル酸とも表記される)、加えて他の既知の薬学的に許容される酸。アミノ酸付加塩も、リジン、グリシン、又はフェニルアラニンなどのアミノ酸を用いて形成することができる。
【0179】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、二重アゴニストが、薬学的に許容される酸付加塩の形態であるものである。
【0180】
医療技術分野において熟練した者に明らかなように、本発明の二重アゴニスト化合物又はその医薬組成物の「治療上有効な量」は、特に、治療する対象(患者)の年齢、体重、及び/又は性別によって変更されるであろう。関連し得る他の要因には、検討中の特定の患者の身体的特徴、患者の食事、併用薬全ての性質、使用された特定の化合物、特定の投与様式、望ましい薬理効果、及び特定の治療指標が含まれる。これらの要因及びこの量を決定することにおけるそれらの関係性は、医療技術分野において公知であるため、治療上有効な投与量レベルであって、本明細書に記載されている吸収不良及び/若しくは軽度の炎症、加えて本明細書に開示されている他の医学的適応症(medical indications)の治療並びに/又は予防並びに/又は改善による望ましい結果を得るために必要な量の決定は、当業者の範疇であろう。
【0181】
本明細書で用いる場合、用語「治療上有効な量」は、所定の状態又は病状の症状を軽減する、好ましくは、その状態又は病状にある個体の生理的反応を正常化する量を指す。症状の軽減又は生理的反応の正常化は、当技術分野で常用される方法を用いて判定することができ、所定の状態又は病状によって異なっていてもよい。一態様では、1種又は複数の二重アゴニスト又はその医薬組成物の治療上有効な量は、測定可能な生理学的パラメーターを、問題の状態又は病状を有していない個体におけるパラメーターと実質的に同値まで(好ましくは、この値の30%以内まで、より好ましくは、20%以内まで、更により好ましくは、10%以内まで)回復させる量である。
【0182】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物又は医薬組成物の投与は、低い投与量レベルで開始され、該当する医学的適応症の予防/治療による望ましい効果が得られるまで、投与量レベルを上げる。これは、治療上有効な量を定義するであろう。本発明の二重アゴニストにおいて、単独又は医薬組成物の一部として、活性のある二重アゴニストのヒト用量は、約0.01pmol/kg体重~500μmol/kg体重の間、約0.01pmol/kg体重~300μmol/kg体重の間、0.01pmol/kg体重~100μmol/kg体重の間、0.1pmol/kg体重~50μmol/kg体重の間、1pmol/kg体重~10μmol/kg体重の間、5pmol/体重kg~5μmol/kg体重の間、10pmol/kg体重~1μmol/kg体重の間、50pmol/kg体重~0.1μmol/kg体重の間、100pmol/kg体重~0.01μmol/kg体重の間、0.001μmol/kg体重~0.5μmol/kg体重の間、0.05μmol/kg体重~0.1μmol/kg体重の間であってよい。
【0183】
患者治療のために最も適切な治療的投与及び治療計画は、当然ながら、治療する疾患又は状態によって、また患者の体重及び他のパラメーターによって異なる。いずれの特定の理論に束縛されるものではないが、μg/kgの範囲における投与量、及びより短い若しくはより長い治療期間又は治療頻度によって、特に小腸質量の統計的に有意な増加など、治療上有用な結果がもたらされるであろうことは予想される。場合によっては、治療計画には、初期治療の中止後に生じる組織退縮を予防するために適切な維持用量の投与が含まれていてもよい。ヒトに使用するための最も適切な投与量サイズ及び投与計画は、本発明によって得られる結果によってもたらされ、適切に設計された臨床試験において確認され得る。
【0184】
有効な投与量及び治療プロトコールは、実験動物において低用量から開始し、続いて効果をモニターしながら投与量を増加し、投与計画も体系的に変更する従来の手段によって決定されてよい。所定の対象のための最適な投与量を決定する際、多くの要因が、臨床医によって考慮され得る。このような考慮は、当業者に知られている。
【0185】
病状
広い態様では、本発明は、医薬として使用するための本発明の二重アゴニストを提供する。
【0186】
追加の態様では、本発明は、治療に使用するための本発明の二重アゴニストに関する。
【0187】
本明細書に記載の二重アゴニストは、GLP-1及びGLP-2の両方の生物学的活性を有する。
【0188】
GLP-2は、陰窩における幹細胞増殖の刺激を介し、また絨毛におけるアポトーシスの抑制によって小腸粘膜上皮の顕著な増殖を誘導する(Drucker他、Proc Natl Acad Sci U S A. 1996、93:7911~6)。GLP-2は、結腸における成長効果も有する。更に、GLP-2は、胃内容排出及び胃酸分泌を抑制し(Wojdemann他、J. Clin. Endocrinol. Metab. 1999、84:2513~7)、腸管バリア機能を増強し(Benjamin他、Gut. 2000、47:112~39)、グルコーストランスポーターのアップレギュレーションを介した腸管のヘキソース輸送を励起し(Cheeseman、Am. J. Physiol. 1997、R1965~71)、また腸管の血流量を増加する(Guan他、Gastroenterology. 2003、125、136~147)。
【0189】
腸の疾患又は障害の治療におけるGLP-2の使用に関する、小腸におけるGLP-2の有益な効果へのかなりの関心が高まっている(Sinclair and Drucker、Physiology 2005:357~65)。更に、GLP -2は、化学療法誘発性腸炎、虚血再灌流障害、硫酸デキストラン誘発性大腸炎、及び炎症性腸疾患の遺伝モデルを含む消化管障害の幅広い前臨床モデルにおける粘膜上皮損傷を予防する又は軽減することが認められている(Sinclair and Drucker Physiology 2005:357~65)。GLP -2アナログであるテデュグルチド(Gly2-hGLP-2)は、商品名Gattex及びRevestiveとして短腸症候群の治療に対する承認が得られている。
【0190】
GLP-1は、グルコース恒常性における重要な役割が知られているペプチドホルモンである。栄養摂取に対する反応として胃腸管から分泌される際、GLP-1は、β-細胞からのグルコース刺激性インスリン分泌を増強する(Kim and Egan、2008、Pharmacol.Rev. 470~512)。更に、GLP-1又はそのアナログは、ソマトスタチン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を抑制することが認められている(Holst JJ、2007、Physiol Rev. 1409~1439)。
【0191】
グルコース刺激性インスリン分泌に対するGLP-1の主な活性の他に、GLP-1は、食欲、摂食、及び体重の重要な調節因子としても知られている。更に、GLP-1は、げっ歯類及びヒトの両方において胃内容排出及び胃腸運動を抑制することができ、これは、胃腸管に存在するGLP-1受容体を介する可能性が最も高い(Holst JJ、2007、Physiol Rev. 1409~1439;Hellstrom他、2008、Neurogastroenterol Motil. 6月;20(6):649~659)。加えて、GLP-1は、主な膵外組織におけるインスリン様効果、グルコース恒常性への関与、並びに筋肉、肝臓、及び脂肪組織などの組織における脂質代謝を有すると思われる(Kim and Egan、2008、Pharmacol.Rev. 470~512)。
【0192】
したがって、本発明の二重アゴニスト化合物は、腸管質量を増加させる、腸管機能(特に、腸管バリア機能)を改善する、腸管血流量を増加させる、又は(構造的又は機能的な)腸管の損傷若しくは機能不全(例えば、腸管上皮に対する損傷)を回復させるために使用されてよい。これらは、上記の効果によって改善され得る状態の予防又は治療に、また胃腸損傷に関連した病的状態を軽減することに使用されてもよい。
【0193】
このため、二重アゴニストは、多く胃腸障害に対して使用される。本明細書で使用される「胃腸」という用語は、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、及び大腸(盲腸、結腸、直腸)を含むが、特に、小腸及び結腸を含む、消化管全体を含む。
【0194】
したがって、二重アゴニストが役立つ状態には、吸収不良、潰瘍(いかなる病因のものであってもよく、例えば、消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、薬剤性潰瘍、及び感染又は他の病原体に関連した潰瘍)、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、回腸嚢炎、セリアックスプルー(例えば、グルテン過敏性腸症又はセリアック病から生じる)、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、及び化学療法又は放射線療法によって誘発される粘膜炎又は下痢が含まれる。
【0195】
二重アゴニストは、主に胃腸組織に影響を及ぼすものではなく、腸管機能不全から生じる要因によって引き起こされ得る又は悪化し得る特定の状態に使用されてもよい。例えば、腸管バリア機能が損なわれると(腸管又は消化管の「漏出」と呼ばれることもある)、消化管の管腔から直接血流へ、またこれによって腎臓、肺、及び/又は肝臓への物質の通過を招くことがある。これらの物質には、非経口栄養関連の消化管萎縮、PNALD(非経口栄養関連の肝疾患)、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、及びNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を含む、肝炎及び/又は脂肪性肝疾患の一因となる、油脂などの食物分子(food molecules)が含まれてよい。血流に入り込む物質には、全身性炎症(例えば、血管炎症)の一因となり得る、細菌などの病原体、及び細菌性リポ多糖(LPS)などの毒素が含まれてもよい。このような炎症は、「軽度の炎症」と呼ばれることが多く、代謝性内毒血症(糖尿病及び肥満の両方で認められる状態であり、以下で更に検討される)、原発性胆汁性肝硬変、及び肝炎の病因に寄与する要因である。血流への病原体の侵入は、壊死性腸炎などの状態をもたらすこともある。
【0196】
軽度の炎症は、疼痛、発熱、及び発赤などの急性炎症の標準的な症状を特徴としないが、C反応性蛋白及びTNF-α(腫瘍壊死因子α)を含む炎症誘発性サイトカインなど、血液中の炎症マーカーの存在によって検出することができる。
【0197】
二重アゴニストは、主に他の組織に影響を及ぼすが、胃腸の副作用を有する状態に使用されてもよい。例えば、膵炎などの炎症状態は、次に、バリア機能の障害などの腸管損傷又は腸管機能不全を誘発する可能性のある、循環炎症メディエータレベルの上昇をもたらす。状況によって、これは、敗血症などの重度の全身性炎症、又は手術若しくは腸管への血液供給が遮断され、最終的に虚血再灌流障害を招く機械的障害(腸捻転症)に繋がる可能性がある。
【0198】
同様に、移植片対宿主病(GVHD)は、バリア機能の障害及び下痢などの他の副作用をもたらす、胃腸管に対する実質的な組織損傷という結果に終わることがある。したがって、記載された二重アゴニストは、GVHDが原因である又はGVHDに関連する腸管の機能不全若しくは損傷の予防又は治療のため、加えて、GVHDが原因である又はGVHDに関連する、下痢などの副作用の予防又は治療のために有用であり得る。
【0199】
本明細書に記載の二重アゴニスト化合物は、特に、体重増加の減少若しくは抑制、胃内容排出若しくは腸管輸送の速度低下、摂食減少、食欲低下、又は体重減少の促進にも使用される。体重に対する効果は、部分的に又は完全に摂食減少、食欲低下、又は腸管輸送低下によって仲介されることがある。
【0200】
したがって、本発明の二重アゴニストは、肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、及び肥満誘発性睡眠時無呼吸の予防又は治療のために使用され得る。
【0201】
この体重に対する効果とは関わりなく、本発明の二重アゴニストは、耐糖能及び/又はグルコース管理に対する有益な効果を有していてもよい。これらは、循環トリグリセリド又はLDLレベルを低下させ、HDL/LDL比を上昇させる能力があり、循環コレステロールレベルを調節する(例えば、改善)ために使用されてもよい。
【0202】
したがって、二重アゴニストは、不十分なグルコース管理、耐糖能、又は脂質異常症(例えば、LDLレベルの上昇又はHDL/LDL比の低下)、及び糖尿病(例えば、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧を含む関連する状態の予防又は治療のために使用されてもよい。
【0203】
これらの状態の多くは、肥満又は過体重にも関連する。このため、これらの状態に対する二重アゴニストの効果は、完全に若しくは部分的に体重に対するその効果から生じる、又はそれとは独立したものであってよい。
【0204】
体重に対する効果は、治療的又は美容的効果であってよい。
【0205】
本明細書に記載の化合物の二重アゴニスト活性は、2つの活性が相互に補完し得るため、記載された状態の多くにおいて、特に有益であり得る。
【0206】
例えば、吸収不良は、胃腸(GI)管を介した水及び/又はアミノ酸、糖、油脂、ビタミン、若しくはミネラルなどの食物栄養素の吸収における異常から生じる状態であり、栄養不良及び/又は脱水を招く状態である。吸収不良は、腸管に対する物理的(例えば、外傷性)又は化学的損傷の結果として生じることがある。本明細書に記載の二重アゴニストは、腸管バリア機能を改善し、胃内容排出を低下させ、また腸管吸収を増加させ、同時に腸管輸送時間を正常化する能力があることがある。これは、患者における栄養素及び液体の吸収を増加させることに役立つのみならず、食事刺激性の排便に関連する患者の社会的問題を軽減することもあるであろう。
【0207】
更に、腸管機能及び代謝障害は密接に相関し、それぞれが他方の発生又は症状の一因となっていることがある。
【0208】
上記の通り、肥満は、軽度の炎症に関連する(時に、「肥満関連炎症」と示される)。一般的に、肥満は(他の症候群と併せて)、血管透過性を亢進させ、これによって病原体及びLPSなどの毒素が腸管の細胞壁に入り込み、このため炎症が開始することも認められている。炎症反応の結果として生じる変化は、その原因に関係なく、またその損傷が生じた場所に関係なく、実質的に同じである。炎症反応は、急性(一時的)又は慢性(長期間持続)であり得る。
【0209】
例えば、肥満マウス(ob/ob及びdb/dbマウス)は、粘膜バリア機能が崩壊しており、軽度の炎症の増加を示すことが実証されている(Brun他、2007、Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol.、292:G518~G525、電子出版2006年10月5日)。これらの観察を、高脂肪食で飼育したC57BL6/Jマウス(Cani他、2008、Diabetes、57巻、1470~1481)及び非肥満糖尿病マウス(Hadjiyanni他、2009、Endocrinology、150(2):592~599)まで更に広げた。
【0210】
Cani及び同僚ら(Gut;2009、58:1091~1103)は、ob/obマウスにおける腸内微生物叢の調節によって、腸管バリア機能不全が軽減し、またGLP-2依存性経路を介した全身性炎症が軽減したと報告した。更に、肥満及び糖尿病の患者において観察される腸管透過性の亢進は、疾患進行に対してあらかじめ予想された以上の重要な役割を果たす可能性が高い。腸管透過性の亢進によって、腸管バリアを越えた細菌性リポ多糖(LPS)の輸送が増加する。このLPSの亢進によって、循環マクロファージ及び身体の臓器に常在するマクロファージなどの免疫細胞が活性化され、多くの疾患の病因に関与し得る軽度の慢性炎症を生じる。この現象は、代謝性内毒血症(ME)と呼ばれる。
【0211】
炎症過程は、肥満の個体における、インスリン抵抗性及び他の代謝障害などの代謝機能不全の発生にも関与し得る。
【0212】
したがって、本発明の二重アゴニスト化合物は、特に肥満又は過体重の個体において、GLP-1アゴニスト構成要素の活性及び/又はGLP-2構成要素の活性を介した有益な効果を発揮し、軽度の炎症の予防又は治療のために特に有用であることがある。
【0213】
本発明の二重アゴニストを用いた治療の治療的有効性は、絨毛形態を検査するための腸生検、栄養吸収の生化学的評価、腸管透過性の非侵襲的測定、患者の体重増加、又はこれらの状態に関連する症状の改善によって、モニターし得る。
【0214】
さらなる態様では、本発明の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む治療用キットが提供される。
【0215】
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を例示するために提供され、いかなる場合においても、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0216】
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を例示するために提供され、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0217】
原料及び方法
一般的なペプチド合成
略記及び供給業者の一覧表を以下の表に提供する。
【0218】
【0219】
装置及び合成戦略
CEM Libertyペプチド合成装置又はSymphony X合成装置などのペプチド合成装置で、N-α-アミノ保護基として9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)及び側鎖官能基の適当で一般的な保護基を使用する固相ペプチド合成手順に従って、ペプチドをバッチ式で合成した。
【0220】
ポリマー支持体として、例えば、TentaGel(商標)などの樹脂を使用した。使用前にDMFで膨潤させた樹脂を合成装置に充填した。
【0221】
カップリング
CEM Libertyペプチド合成装置
Fmoc-保護アミノ酸の溶液(4当量)を、カップリング試薬溶液(4当量)及び塩基の溶液(8当量)と一緒に樹脂に加えた。混合物を、マイクロ波装置によって70~75℃に加熱し、5分間カップリングさせ、又は加熱せずに60分間カップリングさせた。カップリング中、混合物を通して窒素をバブリングした。
【0222】
Symphony X合成装置
以下の順序で、カップリング溶液を反応槽に移した:アミノ酸(4当量)、HATU(4当量)、及びDIPEA(8当量)。特に明記しない限り、カップリング時間は、室温(RT)で10分間であった。樹脂をDMF(5×0.5分間)で洗浄した。反復的なカップリングの場合、全ての場合において、カップリング時間は、RTで45分間であった。
【0223】
脱保護
CEM Libertyペプチド合成装置
DMF又は他の適当な溶媒中のピペリジンを使用し、Fmoc基を脱保護した。脱保護溶液を反応槽に加え、混合物を30秒間加熱し、およそ40℃とした。反応槽を排液し、新たな脱保護溶液を加え、続いて3分間70~75℃に加熱した。反応槽を排液した後、樹脂をDMF又は他の適当な溶媒で洗浄した。
【0224】
Symphony X合成装置
Fmoc脱保護を、DMF中の40%ピペリジンを使用して2.5分間行い、同じ条件を使用して繰り返し行った。樹脂をDMF(5×0.5分間)で洗浄した。
【0225】
側鎖アシル化
Fmoc方法論に従って、直交側鎖保護基を有する適当な三官能性アミノ酸を、アシル化の位置に挿入する。次に、成長するペプチド鎖のN-末端を、最後のカップリングにおいて、Boc2Oを使用し、又は代わりにN-α-Boc-保護アミノ酸を使用してBoc保護する。ペプチドが樹脂にまだ付着している間に、適当な脱保護試薬を使用して、直交側鎖保護基を選択的に切断した。次に、親油性部分を、適当なカップリング計画に従って、遊離の側鎖官能基と直接カップリングし、又は代わりに、リンカーを介して2つの間をカップリングする。
【0226】
切断
乾燥したペプチド樹脂を、TFA及び適当な捕捉剤でおよそ2時間処理した。濾液の体積を減少させ、ジエチルエーテルを加えた後に粗ペプチドを析出させた。粗ペプチド析出物を、ジエチルエーテルで数回洗浄し、最終的に乾させた。
【0227】
粗ペプチドのHPLC精製
粗ペプチドを、二成分勾配を用いる331/332ポンプの組合せを有し、5×25cm Gemini NX 5u C18 110Aカラムなどのカラム及びフラクションコレクターを装備したGilson GX-281などの従来のHPLC装置を使用し、流量20~40mL/分で適当な勾配の緩衝液A(0.1%ギ酸、水溶液)又はA(0.1%TFA、水溶液)及び緩衝液B(0.1%ギ酸、90%MeCN、水溶液)又はB(0.1%TFA、90%MeCN、水溶液)を使用する分取逆相HPLCによって精製した。画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、選択した画分をプールして凍結乾燥した。最終生成物をHPLC及びMSによって特徴付けた。
【0228】
分析用HPLC
最終純度を、自動サンプラー、脱気装置、20μlフローセル及びChromeleonソフトウエアを装備した分析用HPLC(Agilent 1100/1200シリーズ)によって定量した。Kinetex 2.6μm XB-C18 100A 100×4.6mmカラムなどの分析用カラムを使用して、流量1.2ml/分、40℃で、HPLCを操作した。化合物を検出し、215nmで数値化した。緩衝液A(0.1%TFA、水溶液)及び緩衝液B(0.1%TFA、90%MeCN、水溶液)。
【0229】
質量分光法
最終MS分析を、従来の質量分光法、例えば、ロック質量校正及びMassLynxソフトウエアを有するエレクトロスプレー検出器を装備したWaters Xevo G2 Tofで決定した。直接注入及びクロマトグラムで指定される15V(1TOF)、30V(2TOF)、又は45V(3TOF)のコーン電圧を使用し、ポジティブモードで操作した。典型的な解像度15,000~20,000での正確度は5ppmであった。
【0230】
GLP-1及びGLP-2の受容体有効性アッセイ
本発明のペプチドは、GLP-1及びGLP-2アゴニストの両方として機能し、そのため、それぞれGLP-1受容体及びGLP-2受容体を活性化する。GLP-1及びGLP-2の受容体の活性を測定するためのある有用なin vitroアッセイは、多くの生物学的過程及び細胞機能を制御するための最も遍在的な機構の1つにおいて不可欠なセカンドメッセンジャーである、cAMP、すなわち3'-5'-環状アデノシン一リン酸の定量化である。1つの例は、Perkin Elmer社のcAMP AlphaScreen(登録商標)アッセイであり、GLP-1R又はGLP-2Rを安定して発現するHEK293細胞において、GLP-1及びGLP-2の受容体の活性化におけるcAMP反応を定量するために使用されるアッセイである。cAMPの細胞内レベルの上昇を引き起こす試験化合物は、これらのアッセイで試験することができ、その反応を陽性及び陰性対照(ビヒクル)に対して正規化し、EC50及び最大反応を、曲線適合のための4-パラメーターロジスティック(4PL)非線形モデルを使用した濃度反応曲線から算出する。
【0231】
(実施例1)
化合物の合成
合成された化合物
表1の以下の化合物を、上記の技術を使用して合成した。
【0232】
【0233】
以下の参照化合物A及びBも合成した:
【0234】
【0235】
単に例示を目的として、2つの選択された化合物の合成について、以下に詳細に記載する。
【0236】
化合物17の合成
H-H[Aib]EGTFSSELATILD[K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu)]QAARDFIAWLIQHKITD-OH
【0237】
Symphony X合成装置で標準的なFmoc化学を使用し、固相ペプチド合成を行った。使用前にTentaGel S PHB Asp(tBu)Fmoc(1.15g、0.23mmol/g)をDMF(10ml)中で膨潤させ、上述の手順に従ってFmoc基を脱保護した。
【0238】
カップリング
配列に従って保護された適当なFmoc-アミノ酸を、カップリング試薬としてHATUを使用し、上述の通りカップリングした。全てのカップリングは、R.Tで行われた。合成を促進するため、シュードプロリンを使用した:6位と7位にFmoc-Phe-Ser(psi Me,Mepro)-OH。16位のアシル化は、上述の側鎖アシル化手順によって得られた。Fmoc-アミノ酸に対し、上述の標準的手順によって、シュードプロリンをカップリングした。
【0239】
脱保護
上述の手順によって、Fmoc脱保護を行った。
【0240】
固体支持体からのペプチドの切断
ペプチド-樹脂を、EtOH(3×10ml)及びEt2O(3×10ml)で洗浄し、恒量まで室温(r.t.)で乾燥した。ペプチドを、TFA/TIS/H2O(95/2.5/2.5;40ml、2時間;r.t.)で処理し、樹脂から切断した。濾液の体積を減少させ、ジエチルエーテルを加えた後に粗ペプチドを析出させた。粗ペプチド析出物を、ジエチルエーテルで数回洗浄し、最終的に、室温で恒量まで乾燥させて粗ペプチド生成物(純度約40%)1100mgを得た。
【0241】
粗ペプチドのHPLC精製
粗ペプチドを、二成分勾配を用いる331/332ポンプの組合せを有し、5×25cm Gemini NX 5u C18 110Aカラム及びフラクションコレクターを装備したGilson GX-281を使用し、35ml/分で緩衝液A(0.1%TFA、水溶液)の勾配及び勾配が25%B~60%Bの緩衝液B(0.1%TFA、90%MeCN、水溶液)にて47分間作動させる分取逆相HPLCによって精製した。画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、妥当な画分をプールして凍結乾燥し、上述の通りHPLC及びMSによって特徴付けられる、純度91%の生成物105.7mgを得た。算出したモノアイソトピックMW=4164.21は4164.23であった。
【0242】
化合物4の合成
H-H[Aib]EGTFSSELATILD[K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu)]KAARDFIAWLIEHKITD-OH
【0243】
Symphony X合成装置で標準的なFmoc化学を使用し、固相ペプチド合成を行った。使用前にTentaGel S PHB Asp(tBu)Fmoc(1.20g、0.23mmol/g)をDMF(10ml)中で膨潤させ、上述の手順に従ってFmoc基を脱保護した。
【0244】
カップリング
配列に従って保護された適当なFmoc-アミノ酸を、カップリング試薬としてHATUを使用し、上述の通りカップリングした。全てのカップリングは、R.Tで行われた。合成を促進するため、シュードプロリンを使用した:6位と7位にFmoc-Phe-Ser(psi Me,Mepro)-OH。16位のアシル化は、上述の側鎖アシル化手順によって得られた。Fmoc-アミノ酸に対し、上述の標準的手順によって、シュードプロリンをカップリングした。
【0245】
脱保護
上述の手順によって、Fmoc脱保護を行った。
【0246】
固体支持体からのペプチドの切断
ペプチド-樹脂を、EtOH(3×10ml)及びEt2O(3×10ml)で洗浄し、恒量まで室温(r.t.)で乾燥した。ペプチドを、TFA/TIS/H2O(95/2.5/2.5;40ml、2時間;r.t.)で処理し、樹脂から切断した。濾液の体積を減少させ、ジエチルエーテルを加えた後に粗ペプチドを析出させた。粗ペプチド析出物を、ジエチルエーテルで数回洗浄し、最終的に、室温で恒量まで乾燥させて粗ペプチド生成物(純度約35%)900mgを得た。
【0247】
粗ペプチドのHPLC精製
粗ペプチドを、二成分勾配を用いる331/332ポンプの組合せを有し、5×25cm Gemini NX 5u C18 110Aカラム及びフラクションコレクターを装備したGilson GX-281を使用し、35ml/分で緩衝液A(0.1%TFA、水溶液)の勾配及び勾配が30%B~65%Bの緩衝液B(0.1%TFA、90%MeCN、水溶液)にて47分間作動させる分取逆相HPLCによって精製した。画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、妥当な画分をプールして凍結乾燥し、上述の通りHPLC及びMSによって特徴付けられる、純度91%の生成物100.7mgを得た。算出したモノアイソトピックMW=4165.23は4165.26であった。
【0248】
(実施例2)
GLP-1R及びGLP-2R EC50測定
ヒトGLP-1受容体を発現する細胞株の生成
ヒトグルカゴン様ペプチド1受容体(GLP-1R)をコードするcDNA(一次受入番号P43220)を、cDNA BC112126(MGC:138331/IMAGE:8327594)からクローン化した。GLP-1-RをコードするDNAを、サブクローニングのための末端制限部位をコードするプライマーを使用し、PCRによって増幅させた。5'-末端プライマーは、効率的な翻訳を確実にするため、隣接するKozakコンセンサス配列をさらにコードした。DNA塩基配列決定によって、GLP-1-RをコードするDNAの忠実度を確認した。GLP-1-RをコードするPCR生成物を、ネオマイシン(G418)耐性マーカーを含有する哺乳動物発現ベクターにサブクローン化した。標準的なリン酸カルシウムトランスフェクション法によって、GLP-1-Rをコードする哺乳動物発現ベクターを、HEK293細胞に形質移入した。トランスフェクションの48時間後、細胞を、限界希釈クローニングのために播種し、培地中1mg/mlのG418で選択した。G418選択下で3週間、クローンを採取し、下記の通り、機能的GLP-1受容体の効力アッセイで試験した。化合物プロファイリングに使用するため、1つのクローンを選択した。
【0249】
ヒトGLP-2受容体を発現する細胞株の生成
hGLP2-Rを、Image clone:5363415(11924-I17)としてMRC-geneservice社(Babraham、Cambridge)から購入した。哺乳動物発現ベクターへのサブクローニングのため、サブクローニング用のプライマーを、DNA-Technology社(Risskov、Denmark)から得た。PCR反応に使用される5'及び3'プライマーは、クローニングのための末端制限部位を含み、ORFによってコードされた生成物の配列を変えることなく、5'プライマーの配列関係を、Kozakコンセンサスに改変する。合計体積50μlで、鋳型としてImage clone 5363415(11924-I17)を使用して、上述のプライマー及びPolymerase Herculase II Fusionと共に、標準的なPCR反応を生じさせた。生成されたPCR生成物を、GFX PCR及びGel band purification kitを使用して精製し、制限酵素で消化し、またRapid DNA Ligation Kitを使用して哺乳動物発現ベクターにクローン化した。ライゲーション反応物を、XL10 Gold Ultracompetent cellsに形質転換し、Endofree Plasmid maxi kitを使用して、DNA生成のためのコロニーを選択した。続く配列分析を、MWG Eurofins(Germany)によって実施した。クローンが、hGLP-2(1-33)受容体、スプライス変異体rs17681684であることを確認した。
【0250】
Lipofectamine PLUSトランスフェクション方法を使用して、HEK293細胞に形質移入した。トランスフェクション前日、HEK293細胞を、抗生剤非添加の細胞培養培地中に2×106細胞/T75フラスコの密度で、2つのT75フラスコに播種した。トランスフェクション当日、細胞を1×DPBSで洗浄し、培地を体積5ml/T75フラスコまでOptimemで入れ替えた後、Lipofectamine-プラスミド複合体を、T75フラスコ内の細胞に静かに滴下して加え、3時間後に増殖培地で入れ替え、24時間後に500μg/ml G418を添加した増殖培地で再度入れ替えた。G418選択下で4週間、クローンを採取し、下記の通り、機能的GLP-2受容体の効力アッセイで試験した。化合物プロファイリングに使用するため、1つのクローンを選択した。
【0251】
GLP-1R及びGLP-2の受容体効力アッセイ
Perkin Elmer社のcAMP AlphaScreen(登録商標)アッセイを使用して、それぞれGLP-1及びGLP-2の受容体の活性化に対するcAMP反応を定量した。GLP1受容体活性化の参照化合物としてエキセンディン-4及びGLP2受容体活性化の参照化合物としてテデュグルチドを使用した。cAMPの細胞内レベルの上昇を引き起こす試験化合物からのデータを、陽性及び陰性対照(ビヒクル)に対して正規化し、その濃度反応曲線からEC50及び最大反応を算出した。結果は、表2に記載する。
【0252】
【0253】
(実施例3)
溶解度評価
試験ペプチドの原液(2mg/ml、ペプチドの秤取量から決定)を、HClでpH2.5に調整した脱イオン水に加えて調製し、一定量を、それぞれ100mM酢酸緩衝液(pH4.0及びpH5.0)、100mMヒスチジン緩衝液(pH6.0及びpH7.0)、及び100mMリン酸緩衝液(pH6.0、pH7.0、及びpH7.5)で1:1に希釈し、また標準的な平底、非滅菌96ウェルUVマイクロプレートに播種した。280及び325nmにおけるサンプル(単独サンプル、n=1)の吸光度を、室温(通常25℃)に予熱した、吸光度に基づくプレートリーダーで測定した。ペプチド溶解度が1mg/ml以上の濁度吸光度(turbidity absorbance)の基準は、(プレート中の8つの緩衝液サンプルの標準偏差の5~6倍である)吸光度単位が0.025以下である325nmにおける吸光度であった。本発明のペプチドの溶解度データは、以下の表3に示す。
【0254】
【0255】
(実施例4)
化学的安定性
各試験ペプチドのサンプルを、MilliQ(商標)水に溶解し、溶液のpHを、HCl又はNaOHのいずれかを使用してpH6、7、7.5、又は9に調整した。最終的なペプチド濃度は0.2mg/mlであった。サンプルを、ガラスバイアルに移して40℃でインキュベートした。サンプルを、アセトニトリル/TFA/水の溶離系を使用した勾配溶離を用い、C18カラムでRP-HPLCによって分析した。インキュベーション時間T=t後の主ピークの面積百分率(面積-%)(時間T=0との比較)を、220nmでUV分光法によって測定した。
【0256】
最初に、以下の通り、純度を測定した:
純度(面積-%)=(主ピークの面積/全ピークの合計面積)×100。
【0257】
次に、以下の通り、所定のペプチドの各pH値に対して、時間0(T=0)~100で設定した純度によって、純度を時点間で正規化した:
時間t(T=t)で正規化した面積-%=[面積-%(T=t)/面積-%(T=0)]×100。
【0258】
14日間のインキュベーション後の化学的安定性評価の結果(正規化した純度値として)を表4に要約する。
【0259】
【0260】
(実施例5)
正常なマウスにおける空腹時グルコース及び腸管質量に対する効果
固形飼料を与えた正常なC57BL/6J雄マウスを使用した。マウスを、標準的な飼育条件である、照明、温度、及び湿度を制御した室内(6時~18時に点灯する、12:12時間の明暗周期、20~22℃、相対湿度50~80%)で飼育した。各投与群を6匹の動物で構成した。マウスに、100nmol/kgの試験化合物又はビヒクルを、1日1回、皮下投与にて4日間投与した。
【0261】
0日目に、マウスを絶食させ、ペプチドを皮下注射で単回投与後に血糖値を測定した。3日目に、最終投与の24時間後に動物を屠殺し、小腸の湿質量を測定した。
【0262】
全ての試験化合物(100nmol/kg)は、ビヒクル群と比較して、空腹時血糖値を低下させた(表5)。
【0263】
全ての試験化合物(100nmol/kg)は、ビヒクル処置マウスと比較して、小腸の湿質量を増加させた(表5)。
【0264】
【0265】
(実施形態1)
式:
R
1-X
*-U-R
2
(式中:
R
1は、水素(Hy)、C
1~4アルキル(例えば、メチル)、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、又はトリフルオロアセチルであり、
R
2は、NH
2又はOHであり、
X
*は、式I:
H-X2-EG-X5-F-X7-X8-E-X10-X11-TIL-X15-X16-X17-A-X19-X20-X21-FI-X24-WL-X27-X28-X29-KIT-X33(I)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X8は、S、E、又はDであり、
X10は、L、M、V、又はΨであり、
X11は、A、N、又はSであり、
X15は、D又はEであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19は、A、V、又はSであり、
X20は、R、K、又はΨであり、
X21は、D、L、又はEであり、
X24は、A、N、又はSであり、
X27は、I、Q、K、H、又はYであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、K、又はQであり、
X33は、D又はEであり、
Uは、存在しないか、又はK、k、E、A、T、I、L、及びΨからそれぞれ独立して選択される1~15個の残基の配列であり、
この分子は、Ψを1つのみ含有し、ここでΨは、側鎖が式Z
1-又はZ
1-Z
2-を有する置換基に結合した、K、k、R、Orn、Dap、又はDabの残基であり、式中、
Z
1-は、CH
3-(CH
2)
10~22-(CO)-又はHOOC-(CH
2)
10~22-(CO)-であり、
-Z
2-は、-Z
S1-、-Z
S1-Z
S2-、-Z
S2-Z
S1、-Z
S2-、-Z
S3-、-Z
S1Z
S3-、-Z
S2Z
S3-、-Z
S3Z
S1-、-Z
S3Z
S2-、-Z
S1Z
S2Z
S3-、-Z
S1Z
S3Z
S2-、-Z
S2Z
S1Z
S3-、-Z
S2Z
S3Z
S1-、-Z
S3Z
S1Z
S2-、-Z
S3Z
S2Z
S1-、又は-Z
S2Z
S3Z
S2-から選択され、式中、
Z
S1は、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
Z
S2は、-(Peg3)
m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-Z
S3-は、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列であり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである)
によって示されるGLP-1/GLP-2二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態2)
X2が、Aib又はGであり、
X5が、T又はSであり、
X7が、T又はSであり、
X8が、Sであり、
X10が、L又はΨであり、
X11が、A又はSであり、
X15が、D又はEであり、
X16が、G、E、A、又はΨであり、
X17が、Q、E、K、L、又はΨであり、
X19が、A又はSであり、
X20が、R又はΨであり、
X21が、D、L、又はEであり、
X24が、Aであり、
X27が、I、Q、K、又はYであり、
X28が、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29が、H、Y、又はQであり、
X33が、D又はEである、実施形態1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態3)
X16がEであり、X17がQである、実施形態1又は2に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態4)
X11がAであり、X15がDである、
X11がSであり、X15がEである、又は
X11がAであり、X15がEである、実施形態1から3のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態5)
X27がIである、実施形態1から4のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態6)
X29がHであり、場合によりX28がAであるか、又はX28がEである、実施形態1から5のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態7)
X29がQであり、場合によりX27がQである、実施形態1から5のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態8)
X27~X29の残基が:
IQH、
IEH、
IAH、
IHH、
IYH、
ILH、
IKH、
IRH、
ISH、
QQH、
YQH、
KQH、
IQQ、
IQY、
IQT、及び
IAY
から選択される配列を有する、実施形態1から7のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態9)
X
*が、式II:
H-X2-EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(II)
のペプチドであり、
式中:
X2は、Aib又はGであり、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、又はQである、実施形態1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態10)
X16がΨであり、X17がQ、E、K、又はLであるか、又はX16がGであり、X17がΨである、実施形態1又は9に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態11)
X21がDである、実施形態1から10のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態12)
X
*が、式III:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SE-X10-ATILD-X16-X17-AA-X20-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(III)
のペプチドであり、
式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X10は、L又はΨであり、
X16は、G、E、A、又はΨであり、
X17は、Q、E、K、L、又はΨであり、
X20は、R又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E、A、又はQであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、実施形態1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態13)
X
*が、式IV:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-X16-X17-AAR-X21-FIAWLI-X28-X29-KITD(IV)
のペプチドであり、
式中:
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X16は、G又はΨであり、
X17は、E、K、L、又はΨであり、
X21は、D又はLであり、
X28は、E又はAであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、実施形態1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態14)
X16がΨであり、X17がE、K、又はLである、実施形態1から13のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態15)
X16がGであり、X17がΨである、実施形態1から13のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態16)
X21がDであり、X28がEである、
X21がDであり、X28がAである、
X21がLであり、X28がEである、
X21がLであり、X28がAである、実施形態14又は15に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態17)
X
*が、式V:
H[Aib]EG-X5-F-X7-SELATILD-Ψ-QAARDFIAWLI-X28-X29-KITD(V)
のペプチドであり、
式中、
X5は、T又はSであり、
X7は、T又はSであり、
X28は、Q、E、A、H、Y、L、K、R、又はSであり、
X29は、H、Y、又はQであり、
X5及びX7の少なくとも1つはTである、実施形態1に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態18)
X5がSであり、X7がTである、
X5がTであり、X7がSである、又は
X5がTであり、X7がTである、実施形態1から17のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態19)
X5がSであり、X7がTであるか、又はX5がTであり、X7がTである、実施形態18に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態20)
Ψが、側鎖が置換基Z
1-又はZ
1-Z
2-に結合したLys残基である、実施形態1から19のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態21)
Z
1-が、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、又はエイコサノイルである、実施形態1から20のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態22)
Z
1-が:
13-カルボキシトリデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
12-(CO)-、
15-カルボキシペンタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
14-(CO)-、
17-カルボキシヘプタデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
16-(CO)-、
19-カルボキシノナデカノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
18-(CO)-、又は
21-カルボキシヘンエイコサノイル、すなわち、HOOC-(CH
2)
20-(CO)-
である、実施形態1から20のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態23)
Z
2が存在しない、実施形態1から22のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態24)
Z
2が、Z
S1を単独で又はZ
S2及び/若しくはZ
S3と組み合わせて含む、実施形態1から22のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態25)
-Z
S1-が、isoGlu、β-Ala、isoLys、又は4-アミノブタノイルであり、
-Z
S2-が、存在する場合、-(Peg3)
m-であり、ここでmは、1、2、又は3であり、
-Z
S3-が、A、L、S、T、Y、Q、D、E、K、k、R、H、F、及びGからなる群から独立して選択される1~6個のアミノ酸単位のペプチド配列、例えばペプチド配列KEKである、実施形態24に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態26)
Z
2が、式-Z
S1-Z
S3-Z
S2-を有し、ここでZ
S1はZ
1に結合しており、Z
S2はΨのアミノ酸成分の側鎖に結合している、実施形態24又は25に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態27)
-Z
2-が:
isoGlu(Peg3)
0~3、
β-Ala(Peg3)
0~3、
isoLys(Peg3)
0~3、
4-アミノブタノイル(Peg3)
0~3、又は
isoGlu-KEK-(Peg3)
0~3
である、実施形態26に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態28)
Z
1-又はZ
1-Z
2-が:
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3-、
[19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3-、
[ヘキサデカノイル]-βAla-、
[ヘキサデカノイル]-isoGlu-、又は
オクタデカノイル-
である、実施形態1から20のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態29)
Ψが:
K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu)、
K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3)、
K([17-カルボキシ-ヘプタデカノイル]-isoGlu-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-KEK-Peg3-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoGlu-Peg3-Peg3)、
K([19-カルボキシ-ノナデカノイル]-isoLys-Peg3-Peg3-Peg3)、
K([ヘキサデカノイル]-βAla-、
K([ヘキサデカノイル]-isoGlu)、又は
K(オクタデカノイル)
である、実施形態28に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態30)
Uが、1~10個のアミノ酸長、1~7個のアミノ酸長、3~7個のアミノ酸長、1~6個のアミノ酸長、又は3~6個のアミノ酸長である、実施形態1から29のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態31)
Uが、少なくとも1つの荷電アミノ酸、例えば、2つ以上の荷電アミノ酸を含む、実施形態1から30のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態32)
Uが、少なくとも1つの正荷電アミノ酸及び少なくとも1つの負荷電アミノ酸を含む、実施形態31に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態33)
Uが、正荷電アミノ酸と負荷電アミノ酸とが交互になったアミノ酸鎖である、実施形態3又は32に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態34)
Uが、K、k、E、及びΨのみから選択される残基を含む、実施形態31から33のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態35)
Uが、K
3、K
4、K
5、K
6、K
7、k
3、k
4、k
5、k
6、又はk
7である、実施形態34に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態36)
Uが、KEK、EKEKEK、EkEkEk、AKAAEK、AKEKEK、又はATILEKである、実施形態31から33のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態37)
Uが、K
1~14-Ψ、K
1~9-Ψ、K
1~6-Ψ、k
1~14-Ψ、k
1~9-Ψ、k
1~6-Ψ、KEΨ、EKEKEΨ、EkEkEΨ、AKAAEΨ、AKEKEΨ、又はATILEΨである、実施形態31から33のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態38)
Uが存在しない、実施形態1から29のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態39)
R
1がHy及び/又はR
2がOHである、実施形態1から38のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態40)
X
*又はX
*-Uが、配列:
【表12A】
【表12B】
を有する、実施形態1から39のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態41)
X
*又はX
*-Uが、配列:
【表13A】
【表13B】
を有し、式中、K
*又はk
*は、それぞれ、側鎖が置換基Z
1-又はZ
1Z
2-に結合したL又はDリジン残基を示す、実施形態40に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態42)
X
*又はX
*-Uが、配列:
【表14A】
【表14B】
【表14C】
を有する、実施形態41に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態43)
【表15A】
【表15B】
【表15C】
である、実施形態42に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
(実施形態44)
実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を担体と混合された状態で含む組成物。
(実施形態45)
前記組成物が医薬組成物であり、前記担体が薬学的に許容される担体である、実施形態44に記載の組成物。
(実施形態46)
実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される担体、賦形剤、又はビヒクルと混合された状態で含む医薬組成物。
(実施形態47)
治療に使用するための、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
(実施形態48)
腸管質量を増加させる、腸管機能を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全を回復させる方法に使用するための、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
(実施形態49)
吸収不良、潰瘍、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、回腸嚢炎、セリアックスプルー、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患、又は炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療の方法に使用するための、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
(実施形態50)
体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させる方法に使用するための、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
(実施形態51)
肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症、糖尿病、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療の方法に使用するための、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニスト。
(実施形態52)
その必要がある対象の腸管質量を増加させる、腸管機能を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全を回復させる方法であって、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストを対象に投与することを含む、方法。
(実施形態53)
その必要がある対象の吸収不良、潰瘍、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、回腸嚢炎、セリアックスプルー、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患、又は炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療の方法であって、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストを対象に投与することを含む、方法。
(実施形態54)
その必要がある対象の体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させる方法であって、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストを対象に投与することを含む、方法。
(実施形態55)
その必要がある対象の肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症、糖尿病、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療の方法であって、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストを対象に投与することを含む、方法。
(実施形態56)
腸管質量を増加させる、腸管機能を改善する、腸管血流量を増加させる、又は腸管の損傷若しくは機能不全を回復させることに使用するための医薬の調製における、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストの使用。
(実施形態57)
吸収不良、潰瘍、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、回腸嚢炎、セリアックスプルー、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される粘膜炎、化学療法若しくは放射線療法によって誘発される下痢、軽度の炎症、代謝性内毒血症、壊死性腸炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、脂肪性肝疾患、又は炎症状態の胃腸副作用の予防又は治療に使用するための医薬の調製における、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストの使用。
(実施形態58)
体重増加を低下させる若しくは抑制する、胃内容排出若しくは腸管輸送を低下させる、摂食を減少させる、食欲を低下させる、又は体重減少を増大させるための医薬の調製における、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストの使用。
(実施形態59)
肥満、病的肥満、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸、不十分なグルコース管理、耐糖能、脂質異常症、糖尿病、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、又は高血圧の予防又は治療のための医薬の調製における、実施形態1から43のいずれか一項に記載の二重アゴニストの使用。
【配列表】