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特許7009434スナップ動作スイッチおよびその組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】スナップ動作スイッチおよびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/06 20060101AFI20220118BHJP
   H01H 13/18 20060101ALI20220118BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01H13/06 B
H01H13/18 B
H01H11/00 B
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019215012
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2020098773
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】18115703.6
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(73)【特許権者】
【識別番号】517436855
【氏名又は名称】ディーフォン エレクテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Defond Electech Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Hongmei Second Industrial Area, Hongmei Town, Dongguan, Guangdong 523160 China
(73)【特許権者】
【識別番号】517436866
【氏名又は名称】ディーフォン コンポーネンツ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Defond Components Limited
【住所又は居所原語表記】5/F, Chai Wan Industrial Centre, 20 Lee Chung Street, Chai Wan, Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォン キン ユー
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-047537(JP,U)
【文献】中国実用新案第201536062(CN,U)
【文献】実開昭57-122634(JP,U)
【文献】特開2018-014276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00-13/18
H01H 11/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、
前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、
前記ハウジングの外へと比較的突出するように前記プランジャを付勢するための復帰ばねと、
前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、
フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、
前記シール要素の周囲に配置されるように構成される固定要素と
を備え、
前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式にて嵌まり合うことで、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限する形状および寸法を有し、
前記プランジャは、第1の端部に配置された凹部を含み、前記凹部は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された有刺要素にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有し、前記凹部は、前記プランジャと前記復帰ばねとを互いに動作可能に接続できるように、前記復帰ばねの端部を受け入れるようにさらに構成される、スナップ動作スイッチ。
【請求項2】
前記プランジャは、第1の端部に配置された有刺要素を含み、前記有刺要素は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された凹部にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する、請求項1に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項3】
前記シール要素は、弾性的な回復力のあるポリマー材料を含む、請求項1または2に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項4】
前記プランジャおよび前記固定要素の少なくとも一方は、ナイロン材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項5】
前記シール要素は、第1の端部に位置する開口と、第2の端部に位置する開口とを有するスリーブを含み、前記フランジ部分は、前記第1の端部に位置する前記開口の縁部から遠ざかるように延び、前記プランジャの周囲が、前記スリーブの前記第2の端部に位置する前記開口の縁部とぴったりと嵌まり合って係合するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項6】
前記プランジャ、前記シール要素、および前記固定要素は、環状の構成を含み、互いに対して同軸に配置されるように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項7】
前記固定要素は、前記固定要素の環状の周囲から遠ざかるように延びる間隔を空けて配置された複数のタブを含み、前記間隔を空けて配置された複数のタブは、前記ハウジングの前記開口部の前記縁部に摩擦を伴って嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項8】
複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、
前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、
前記ハウジングの外へと比較的突出するように前記プランジャを付勢するための復帰ばねと、
前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、
フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、
前記シール要素の周囲に配置され、前記開口部の縁部との間に前記シール要素を固定して、前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限するように構成される固定要素と
を備え、
前記プランジャは、第1の端部に配置された凹部を含み、前記凹部は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された有刺要素にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有し、前記凹部は、前記プランジャと前記復帰ばねとを互いに動作可能に接続できるように、前記復帰ばねの端部を受け入れるようにさらに構成される、 スナップ動作スイッチ。
【請求項9】
前記凹部を前記プランジャの前記第1の端部に配置し、前記有刺要素を前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置する代わりに、前記有刺要素が前記プランジャの前記第1の端部に配置され、前記凹部が前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置される、請求項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項10】
前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式で嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するような形状および寸法を有する、請求項またはに記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項11】
前記シール要素は、弾性的な回復力のあるポリマー材料を含む、請求項10のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項12】
前記プランジャおよび固定要素の少なくとも一方は、ナイロン材料を含む、請求項11のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項13】
前記シール要素は、第1の端部に位置する開口と、第2の端部に位置する開口とを有するスリーブを含み、前記フランジ部分は、前記第1の端部に位置する前記開口の縁部から遠ざかるように延び、前記プランジャの周囲が、前記スリーブの前記第2の端部に位置する前記開口の縁部とぴったりと嵌まり合って係合するように構成される、請求項12のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項14】
前記プランジャ、前記シール要素、および前記固定要素は、環状の構成を含み、互いに対して同軸に配置されるように構成される、請求項13のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項15】
前記固定要素は、前記固定要素の環状の周囲から遠ざかるように延びる間隔を空けて配置された複数のタブを含み、前記間隔を空けて配置された複数のタブは、前記ハウジングの前記開口部の前記縁部に摩擦を伴って嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するように構成される、請求項14のいずれか一項に記載のスナップ動作スイッチ。
【請求項16】
複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、
前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、
前記ハウジングの外へと比較的突出するように前記プランジャを付勢するための復帰ばねと、
前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、
フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、
前記シール要素の周囲に配置されるように構成される固定要素と
を備え、
前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式にて嵌まり合うことで、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限する形状および寸法を有する、スナップ動作スイッチを組み立てる方法であって、
i.前記スナップ動作アセンブリの一部分に有刺要素を形成するステップと、
ii.前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置された前記有刺要素と締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する凹部を、前記プランジャの第1の端部に形成するステップと、
iii.前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分の前記有刺要素への前記プランジャの前記凹部の締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いによる係合を達成するステップと
iv.前記プランジャと前記復帰ばねとを互いに動作可能に接続できるように、前記復帰ばねの端部を前記プランジャの前記凹部に受け入れるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
かわりのステップとして、
i.前記プランジャの第1の端部に有刺要素を形成するステップと、
ii.前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された前記有刺要素と締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する凹部を、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に形成するステップと、
iii.前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分の前記凹部への前記プランジャの前記有刺要素の締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いによる係合を達成するステップと を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロスイッチおよびその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型スナップ動作スイッチは、マイクロスイッチとも呼ばれるが、比較的小さな力で動かすことができる押し込み可能なプランジャまたはボタンなどのアクチュエータ部材を備える電気スイッチである。プランジャの動きによって、常時開位置と常時閉位置との間のスイッチの電気接点のスナップ動作または中心乗り越え型の運動がもたらされる。このようなスイッチは、典型的には、プランジャの特定の繰り返し可能な位置においてスイッチ動作を確実に達成できるため、精密制御の用途に使用される。
【0003】
このようなスイッチにおいては、プランジャをスイッチハウジングへと押し込むための開口部において微粒子、ほこり、および水の進入が生じやすく、これにより、プランジャまたはハウジング内のスイッチの他の部分の動作が損なわれる可能性がある。特定の既存のスナップ動作スイッチは、そのような微粒子の開口部への進入を防止するために、プランジャを覆うようにハウジングに固定される密閉カバーを使用する。小型スナップ動作スイッチおよびその構成部品はサイズが比較的小さいため、確実かつ効率的なやり方で構成部品を形成して部品を組み立てることが困難である。さらに、密閉カバーなどの比較的小さな部品を必要な精度で費用対効果の高いやり方で確実に形成するには技術的な限界があるため、密閉カバーは、典型的には、接着剤または超音波溶接によってハウジングに取り付けられ、所定の位置に固定される。残念なことに、密閉カバーをハウジングに固定する接着剤は、時間の経過とともに衰える傾向があり、結果として密閉カバーがハウジングから外れてしまう。また、超音波溶接も、密閉カバーとハウジングとの間に恒久的な結合を生じさせ、スナップ動作スイッチを修理または変更するために密閉カバーをハウジングから取り外すことができなくなるため、望ましくない。さらに、いずれの場合も、互いの固定が達成されるように適切に接着または超音波溶接を行うことができる材料は、いくつかの特定の種類の材料に限られ、したがってスイッチに使用することができる材料の範囲が限られる。
【0004】
小型スナップ動作スイッチに関するさらなる問題は、スナップ動作スイッチの構成部品のサイズが比較的小さいため、プランジャをハウジング内のスナップ動作アセンブリの一部分に必要な精度で接続することが難しいことである。さらに、小型スナップ動作スイッチの従来からの設計ゆえに、プランジャを接続すべきハウジング内のスナップ動作アセンブリの一部分は、一般に、ハウジングの比較的小さなプランジャ開口部を介してのみアクセス可能である。これにより、簡単、効率的、かつ確実なやり方でそれぞれの部品を巧みに操って互いにしっかりと接続することが、きわめて困難になる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上述の問題のうちの少なくとも1つを軽減しようと試みる。
【0006】
本発明は、いくつかの広範な形態を含み得る。本発明の実施形態は、本明細書に記載される種々の広範な形態の1つまたは任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
1つの広範な形態において、本発明は、複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、前記シール要素の周囲に配置されるように構成される固定要素と、を備え、前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式にて嵌まり合うことで、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限する形状および寸法を有する、スナップ動作スイッチを提供する。
【0008】
好ましくは、前記プランジャは、第1の端部に配置された凹部を含むことができ、前記凹部は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された有刺要素にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する。
【0009】
好ましくは、前記プランジャは、第1の端部に配置された有刺要素を含むことができ、前記有刺要素は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された凹部にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する。
【0010】
好ましくは、前記シール要素は、弾性的な回復力のあるポリマー材料を含むことができる。
【0011】
好ましくは、前記プランジャおよび前記固定要素の少なくとも一方は、ナイロン材料を含むことができる。
【0012】
好ましくは、前記シール要素は、第1の端部に位置する開口と、第2の端部に位置する開口とを有するスリーブを含むことができ、前記フランジ部分は、前記第1の端部に位置する前記開口の縁部から遠ざかるように延び、前記プランジャの周囲が、前記スリーブの前記第2の端部に位置する前記開口の縁部とぴったりと嵌まり合って係合するように構成される。
【0013】
好ましくは、前記プランジャ、前記シール要素、および前記固定要素は、環状の構成を含むことができ、お互いに対して同軸に配置されるように構成される。
【0014】
好ましくは、前記固定要素は、前記固定要素の環状の周囲から遠ざかるように延びる間隔を空けて配置された複数のタブを含むことができ、前記間隔を空けて配置された複数のタブは、前記ハウジングの前記開口部の前記縁部に摩擦を伴って嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するように構成される。
【0015】
別の広範な形態において、本発明は、複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、前記シール要素の周囲に配置され、前記開口部の前記縁部との間に前記シール要素を固定して、前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限するように構成される固定要素と、を備え、前記プランジャは、第1の端部に配置された凹部を含み、前記凹部は、前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記ハウジング内の前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された有刺要素にスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する、スナップ動作スイッチを提供する。
【0016】
あるいは、前記凹部を前記プランジャの前記第1の端部に配置し、前記有刺要素を前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置する代わりに、前記有刺要素を前記プランジャの前記第1の端部に配置することができ、前記凹部が前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置される。
【0017】
好ましくは、前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式で嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するような形状および寸法を有することができる。
【0018】
好ましくは、前記シール要素は、弾性的な回復力のあるポリマー材料を含むことができる。
【0019】
好ましくは、前記プランジャおよび前記固定要素の少なくとも一方は、ナイロン材料を含むことができる。
【0020】
好ましくは、前記シール要素は、第1の端部に位置する開口と、第2の端部に位置する開口とを有するスリーブを含むことができ、前記フランジ部分は、前記第1の端部に位置する前記開口の縁部から遠ざかるように延び、前記プランジャの周囲が、前記スリーブの前記第2の端部に位置する前記開口の縁部とぴったりと嵌まり合って係合するように構成される。
【0021】
好ましくは、前記プランジャ、前記シール要素、および前記固定要素は、環状の構成を含むことができ、お互いに対して同軸に配置されるように構成される。
【0022】
好ましくは、前記固定要素は、前記固定要素の環状の周囲から遠ざかるように延びる間隔を空けて配置された複数のタブを含むことができ、前記間隔を空けて配置された複数のタブは、前記ハウジングの前記開口部の前記縁部に摩擦を伴って嵌まり合うことにより、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記ハウジングからの前記シール要素の取り外しを制限するように構成される。
【0023】
別の広範な形態において、本発明は、複数の固定接点および複数の可動接点が内部に配置されたハウジングと、前記ハウジングの開口部を介して、前記開口部を介して前記ハウジングの外へと比較的突出した第1の位置から、前記開口部を介して前記ハウジングの中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成されるプランジャと、前記プランジャに動作可能に接続され、前記プランジャの押し込みによる移動に応答して前記固定接点に対する常時開位置と常時閉位置との間の前記複数の可動接点のスナップ動作型の運動を達成するスナップ動作アセンブリと、フランジ部分を含み、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで前記開口部を介して前記ハウジングへと入ることがないようにするために前記プランジャの周囲に配置されるように構成されるシール要素と、前記シール要素の周囲に配置されるように構成される固定要素と、を備え、前記固定要素は、前記開口部の縁部に締まり嵌めされ、あるいはスナップ式にて嵌まり合うことで、前記シール要素の前記フランジ部分を前記固定要素と前記開口部の前記縁部との間に固定して前記シール要素の前記ハウジングからの取り外しを制限する形状および寸法を有する、スナップ動作スイッチを組み立てる方法であって、
(i)前記スナップ動作アセンブリの一部分に有刺要素を形成するステップと、
(ii)前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に配置された前記有刺要素と締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する凹部を、前記プランジャの第1の端部に形成するステップと、
(iii)前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分の前記有刺要素への前記プランジャの前記凹部の締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いによる係合を達成するステップと
を含む方法を提供する。
【0024】
あるいは、本発明は、
かわりのステップとして、
(i)前記プランジャの第1の端部に有刺要素を形成するステップと、
(ii)前記スナップ動作アセンブリの一部分に配置された前記有刺要素と締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する凹部を、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分に形成するステップと、
(iii)前記プランジャが前記スナップ動作アセンブリとの動作のために前記スナップ動作アセンブリに適切に固定されるように、前記スナップ動作アセンブリの前記一部分の前記凹部への前記プランジャの前記有刺要素の締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いによる係合を達成するステップと
を含むことができる。
【0025】
上記の広範な形態から、本発明が既存の技術を超える利点の提供に役立つことが理解されるであろう。そのような利点の1つは、超音波溶接および接着が関係しないがゆえに、よりさまざまな材料をシール要素およびハウジングとして利用して固定することができるため、本発明が引用技術と比べてより柔軟性が高い点にある。さらに、シール要素がハウジングに恒久的に接合されることがないため、スナップ動作スイッチを修理または変更するために、必要に応じてシール要素をハウジングから取り外すことができる。またさらに、シール要素、固定部材、およびハウジングを、ナイロンおよび/または回復力のある弾性ポリマー材料などから形成できるため、そのような部品を、成形技術を使用して比較的容易に効率的かつ費用効果に優れたやり方で大量生産することができる。小型スナップ動作スイッチの文脈において使用される部品などの小さな部品の製造における進歩により、今や構成要素を、締まり嵌めまたはスナップ式での嵌め合わせによる係合により固定できるようにするために必要な精度で成形することも可能である。またさらに、特定の実施形態においては、単にプランジャを開口部を通って押し込み、スナップ動作アセンブリの一部分に互いにスナップ式で嵌まり合うように係合させることによって、プランジャをスナップ動作アセンブリの一部分に迅速かつ容易に結合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、添付の図面に関連して説明される本発明の好ましい実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)の以下の詳細な説明から、さらに充分に理解されるであろう。
【0027】
図1A】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの上面図を示す。
【0028】
図1B】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの第1の側面図を示す。
【0029】
図1C】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの背面図を示す。
【0030】
図1D】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの第2の側面図を示す。
【0031】
図1E】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの正面図を示す。
【0032】
図1F】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの底面図を示す。
【0033】
図2A】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの背面断面図を示し、プランジャ、シール要素、および固定要素が分解図にて示される。
【0034】
図2B】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの背面断面図を示し、プランジャ、シール要素、および固定要素が互いに組み立てられて示される。
【0035】
図2C】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの別の背面断面図を示し、プランジャ、シール要素、および固定要素が互いに組み立てられて示される。
【0036】
図3A】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの後方からの斜視分解図を示す。
【0037】
図3B】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチの別の後方からの斜視分解図を示す。
【0038】
図3C】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチのさらに別の後方からの斜視分解図を示し、ハウジングの第1および第2のシェルがスナップ式で嵌め合わせられる。
【0039】
図4】本発明の実施形態によるスナップ動作スイッチのさらに別の後方からの斜視分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明による小型スナップ動作スイッチ(10)の好ましい実施形態を、図1図4を参照して本明細書で説明する。
【0041】
スナップ動作スイッチ(10)は、複数の固定接点(30A、30B)と、接点レバー(31)に取り付けられた複数の可動接点(30C、30D)とが内部に配置されたハウジング(20)を含む。ハウジング(20)は、堅固なナイロン材料または任意の他の適切に堅固な材料から作られている。ハウジング(20)は、スイッチの内部構成部品が設置されるチャンバを含む第1のシェル(20A)を含む。ハウジング(20)の第2のシェル(20B)が、係合タブ(21A)を含んでおり、係合タブ(21A)は、第1のシェル(20A)に配置された対応する係合突起(21B)にスナップ式の嵌まり合いにて係合するように構成される。
【0042】
ハウジング(20)は、円柱形のプランジャ(40)を含み、プランジャ(40)は、ハウジング(20)の上部の円形の開口部(22)を介して、プランジャ(40)がハウジングの開口部(22)から外へと比較的突出した第1の位置から、プランジャ(40)が開口部(22)を介してハウジング(20)の中へと比較的引っ込んだ第2の位置へと、押し込みによって移動できるように構成される。復帰ばね(23)が、プランジャ(40)に動作可能に接続されており、プランジャ(40)を、内側へと押し込んだ後に、比較的突出した位置へと戻す。図面に示されるように、電気端子(50A、50B、50C)が、ハウジング(20)から外へと延びている。
【0043】
プランジャ(40)の第1の端部(40A)が、ハウジング(20)内に位置するスナップ動作アセンブリ(60)の一部分(60A)に動作可能に接続される。スナップ動作アセンブリ(60)は、プランジャ(40)の押し込みによる移動に応答して、固定接点(30A、30B)に対する常時開位置と常時閉位置との間の複数の可動接点(30C、30D)のスナップ動作型の運動を達成する。スナップ動作スイッチ(10)の組み立ての際に、プランジャ(40)の第1の端部(40A)には、ハウジング(20)内のスナップ動作アセンブリ(60)の一部分(60A)に形成された有刺要素(61)とスナップ式の嵌まり合いにて係合するような形状および寸法を有する凹部(41)が形成されている。プランジャ(40)の第1の端部(40A)が、開口部(22)へと下方に押し込まれ、スナップ動作アセンブリ(60)の一部分(60A)の有刺要素(61)とスナップ式の嵌まり合いにて係合することで、互いに適切に固定される。これに代え、かわりの実施形態においては、プランジャの第1の端部に有刺要素を形成し、スナップ動作アセンブリの一部分に凹部を形成することも可能である。さらに、プランジャ(40)の凹部(41)は、プランジャ(40)と復帰ばね(230)とを互いに動作可能に接続できるように、復帰ばね(23)の端部(23A)をしっかりと受け入れるように構成される。
【0044】
シール要素(70)が、微粒子、ほこり、および水の進入を防いで開口部(22)を介してハウジング(20)へと入ることがないようにするために、プランジャ(40)の周囲に配置されるように構成される。シール要素(22)は、第1の端部(71)に位置する開口と、第2の端部(72)に位置する開口とを有するスリーブ(70A)を含む。シール要素(70A)は、スリーブ(70A)の第1の端部(71)に位置する開口の縁部から遠ざかるように延びるフランジ部分(73)をハウジング(20)へと固定できるように、プランジャ(40)に被せて取り付けられるように構成され、プランジャ(40)の周囲が、スリーブ(70A)の第2の端部(72)に位置する開口の縁部とぴったりと嵌まり合って係合するように構成される。
【0045】
円形の固定要素(80)が、プランジャ(40)およびシール要素(70)に被せて取り付けられるように構成される。したがって、固定要素(80)の直径は、プランジャ(40)の直径よりも大きく、シール要素(70)のフランジ部分(73)の直径と同様である。固定要素(80)は、固定要素(80)の縁部から遠ざかるように延びる間隔を空けて配置された複数のタブ(81)またはフラップを含む。タブ(81)は、固定要素(80)をシール要素(70)のフランジ部分(73)に押し付け、次いでハウジングの開口部(22)の縁部に締まり嵌めまたはスナップ式の嵌まり合いにて係合させて、固定要素(80)をハウジング(20)に固定できるような形状および寸法を有する。この固定のやり方にて、シール要素(70)のフランジ部分(73)も固定要素(80)と開口部(22)の縁部との間に固定され、ハウジング(20)からのシール要素(70)の取り外しを制限する。
【0046】
この実施形態において、シール要素(70)が弾性的な回復力のあるポリマー材料から成形される一方で、プランジャ(40)および固定要素(80)は堅固なナイロン材料から形成される。他の実施形態においては、スナップ動作スイッチ装置の文脈において本明細書に記載のやり方と同様のやり方で機能し得る代替の材料を利用することが可能である。
【0047】
本明細書において説明した発明について、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に説明したもの以外の変形および修正を受け入れる余地があることを、当業者であれば理解できるであろう。当業者にとって明らかになるそのような変形および修正はすべて、本明細書において広く上述した本発明の精神および範囲に含まれるとみなされるべきである。本発明がすべてのそのような変形および修正を含むことを理解すべきである。さらに、本発明は、本明細書において言及され、あるいは本明細書に示されたステップおよび特徴のすべてを、個別に、またはまとめて含み、それらのステップまたは特徴のうちの任意の2つ以上による任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0048】
本明細書において何らかの先行技術に言及したとしても、そのような言及は、その先行技術が共通の一般知識の一部を形成すると認めたものでも、いかなるかたちで示唆したものでもなく、そのように認めた、または示唆したと解釈されてはならない。
図1
図2
図3
図4