(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】楽器サポート
(51)【国際特許分類】
G10G 5/00 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
G10G5/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019220665
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】10 2018 131 118.4
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519435142
【氏名又は名称】ヨハネス、タッペルト
【氏名又は名称原語表記】JOHANNES TAPPERT
(73)【特許権者】
【識別番号】519435153
【氏名又は名称】ミヒャエル、トレースター
【氏名又は名称原語表記】MICHAEL TROESTER
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス、タッペルト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、トレースター
【審査官】高橋 克
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102014112180(DE,B3)
【文献】独国特許発明第00555647(DE,C2)
【文献】独国特許出願公開第102007008482(DE,A1)
【文献】米国特許第05731531(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0016355(US,A1)
【文献】特開平07-271352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器(8)を身体部分に当て付けるための楽器サポート(1)であって、長手方向軸線eを有するブリッジ(2)と、該ブリッジ(2)の端側にそれぞれ配置された第1の保持部分(3)および少なくとも1つの第2の保持部分(4)と、前記第1の保持部分(3)を前記ブリッジ(2)にそれぞれ異なる位置で支持することができる少なくとも1つの接続異形材(5)とを有しており、各々の前記保持部分(3,4)が前記楽器に当付け可能であり、前記第1の保持部分(3)が、前記楽器に固定可能である2つの保持要素(3.1,3.2)を有している、楽器サポート(1)において、
前記楽器サポート(1)はマンドリンを保持するのに適しており、前記2つの保持要素(3.1,3.2)のうちの少なくとも一方の保持要素を前記保持部分(3)に支持する第1の支持異形材(6)が設けられており、該第1の支持異形材(6)と前記保持要素(3.1)との間に、前記長手方向軸線eの方向に延びる回動軸線dxを有する回動用支持部Dxが設けられており、該回動用支持部Dxを介して、2つの保持要素(3.1,3.2)の間の角度位置εが可変であることを特徴とする、楽器サポート(1)。
【請求項2】
楽器(8)を身体部分に当て付けるための楽器サポート(1)であって、長手方向軸線eを有するブリッジ(2)と、該ブリッジ(2)の端側にそれぞれ配置された第1の保持部分(3)および少なくとも1つの第2の保持部分(4)と、前記第1の保持部分(3)を前記ブリッジ(2)にそれぞれ異なる位置で支持することができる少なくとも1つの接続異形材(5)とを有しており、各々の前記保持部分(3,4)が前記楽器に当付け可能であり、前記第1の保持部分(3)が、前記楽器に固定可能である2つの保持要素(3.1,3.2)を有している、楽器サポート(1)において、
前記楽器サポート(1)はマンドリンを保持するのに適しており、前記ブリッジ(2)が、使用者の身体部分に当付け可能である凸状の外面(2.3)を有する湾曲させられた基本形状Gを有していることを特徴とする、楽器サポート(1)。
【請求項3】
前記第1の支持異形材(6)と前記保持要素(3.1)との間に、摺動軸線szを有する摺動用支持部Szが設けられており、該摺動用支持部Szを介して、2つの保持要素(3.1,3.2)の間の間隔aが可変であることを特徴とする、請求項1記載の楽器サポート(1)。
【請求項4】
前記ブリッジ(2)が2つの部分から形成されていて、第1のブリッジ部分(2.1)と第2のブリッジ部分(2.2)とを備えており、前記長手方向軸線eに対して横方向に延びる回転軸線ryを有する回転用支持部Ryが設けられており、該回転用支持部Ryを介して、2つのブリッジ部分(2.1,2.2)が、少なくとも150゜~180゜の角度βだけ互いに旋回可能であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の楽器サポート(1)。
【請求項5】
少なくとも一方の保持部分(4)がただ1つの保持要素(4.1)を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の楽器サポート(1)。
【請求項6】
前記第2の保持部分(4)が少なくとも2つの保持要素(4.1,4.2)を有しており、該2つの保持要素(4.1,4.2)のうちの少なくとも一方の保持要素を前記保持部分(4)に支持する第2の支持異形材(7)が設けられており、該第2の支持異形材(7)と前記保持要素(4.1)との間に、回転軸線rxを有する回転用支持部Rxが設けられており、該回転用支持部Rxを介して、2つの保持要素(4.1,4.2)の間の角度位置δが可変であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の楽器サポート(1)。
【請求項7】
前記第2の支持異形材(7)と前記保持要素(4.1)との間に、変位軸線vzを有する変位用支持部Vzが設けられており、該変位用支持部Vzを介して、2つの保持要素(4.1,4.2)の間の間隔bが可変であることを特徴とする、請求項6記載の楽器サポート(1)。
【請求項8】
前記接続異形材(5)と前記ブリッジ(2)との間に、前記長手方向軸線eに対して横方向に延びる並進軸線tyを有する少なくとも1つの並進用支持部Tyが設けられており、該並進用支持部Tyを介して、前記少なくとも1つの接続異形材(5)が、変位可能に前記ブリッジ(2)に支持されており、前記保持部分(3)と前記ブリッジ(2)との間の間隔lが可変であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の楽器サポート(1)。
【請求項9】
前記接続異形材(5)と前記ブリッジ(2)との間に、前記長手方向軸線eの方向に延びる傾倒軸線kxを有する少なくとも1つの傾倒用支持部Kxが設けられており、該傾倒用支持部Kxを介して、前記接続異形材(5)が、それぞれ異なる角度位置αで前記ブリッジ(2)に固定可能であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の楽器サポート(1)。
【請求項10】
前記回転用支持部Rxが前記変位用支持部Vzと共に1つの共通の固定手段(7.3)を有しており、前記固定手段
(7.3)を介して
、前記角度位
置δおよ
び前記間
隔bが固定可能であることを特徴とする、請求項
7記載の楽器サポート(1)。
【請求項11】
前記変位用支持部V
zが円弧状に形成されていることを特徴とする、請求項
7記載の楽器サポート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽器を身体部分に当て付けるための楽器サポートであって、長手方向軸線eを有するブリッジと、このブリッジの端側にそれぞれ配置された第1の保持部分および少なくとも1つの第2の保持部分と、第1の保持部分をブリッジにそれぞれ異なる位置で支持することができる少なくとも1つの接続異形材とを有しており、各々の保持部分が楽器に当付け可能であり、第1の保持部分が、楽器に固定可能である2つの保持要素を有している、楽器サポートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に基づき、剛性的なブリッジと、このブリッジに旋回可能に配置された複数の保持部分とを備えたギターサポートがすでに公知である。
【0003】
特許文献2に基づき、ブリッジと、このブリッジに旋回可能に配置された保持部分とを備えたギターサポートが公知である。さらに、保持部分は旋回可能に配置されている。さらに、この保持部分において円弧状に変位可能である複数の保持要素が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6252150号明細書
【文献】欧州特許第1962273号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、使用者と楽器との間の相対的な位置の改善された適合が可能となるように楽器サポートを形成しかつ配置することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、2つの保持要素のうちの少なくとも一方の保持要素を保持部分に支持する第1の支持異形材が設けられており、この第1の支持異形材と保持要素との間に、長手方向軸線eの方向に延びる回動軸線dxを有する回動用支持部Dxが設けられており、この回動用支持部Dxを介して、2つの保持要素の間の角度位置εが可変であり、かつ/またはブリッジが、使用者の身体部分に当付け可能である凸状の外面を有する湾曲させられた基本形状Gを有していることによって解決される。
【0007】
回動用支持部Dxを備えた支持異形材によって、両保持要素を回動軸線dxを中心として互いに相対的に回動させることができ、これによって、楽器への保持要素の更なる適合が可能となる。この適合によって、結果的に、楽器の向きの調整時もしくは楽器の位置決め時に、使用者に対して多くのゆとりが実現されている。使用者に対するこのゆとりは、凸状の外面を有するブリッジの使用によっても拡張される。なぜならば、ブリッジのこの構造形態の場合には、旋回中心点が楽器の近くに位置しているため、角度変化によって、楽器が側方にずれることなく、楽器が回転させられるからである。先行技術によるブリッジの構造形態の場合には、旋回中心点が大腿部よりも下側に位置している。楽器の角度変化によって、楽器の旋回半径に基づき、楽器が大幅に側方にずれてしまった。両方の解決特徴自体は、エルゴノミクスの改善を提供している。
【0008】
支持異形材は、弾性的な中間部材として形成されていてもよい。保持要素に関する解決思想は、両保持要素が、回動軸線dxおよび角度位置εに関連して、凸状の楽器ボディの表面もしくは凸状の楽器底部の表面のそれぞれ異なる曲率に適合可能となることに集約されている。このことは、弾性的な中間部材、例えば発泡材料またはこれに類するものによっても可能となる。回動軸線dxは、好ましくは、長手方向軸線eの方向に延びているかもしくは長手方向軸線eの接線に対して平行に延びている。
【0009】
このためには、第1の支持異形材と保持要素との間に、摺動軸線szを有する摺動用支持部Szが設けられており、この摺動用支持部Szを介して、2つの保持要素の間の間隔aもしくは回動軸線dxと一方の保持要素との間の間隔が可変であっても有利であり得る。したがって、回動軸線dxに関連した適合に加えて、両保持部分の間隔に関連した適合も可能となる。したがって、楽器底部への更なる適合もしくは楽器底部への両保持要素の位置決めが可能となる。
【0010】
さらに、ブリッジが2つの部分から形成されていて、第1のブリッジ部分と第2のブリッジ部分とを備えており、長手方向軸線eに対して横方向に延びる回転軸線ryを有する回転用支持部Ryが設けられており、この回転用支持部Ryを介して、2つのブリッジ部分が、少なくとも150゜~180゜の角度βだけ互いに旋回可能であると有利であり得る。したがって、楽器サポートを、伸ばされた位置から出発して内向きに畳むことができ、搬送目的のために、当初の長さの半分に減じることができる。これに相応して、楽器サポートを、この内向きに畳まれた位置から180゜だけ外向きに拡げることができる。ブリッジは長手方向軸線eに関連して、好ましくは剛性的に形成されている。
【0011】
少なくとも一方の保持部分がただ1つの保持要素を有していても有利であり得る。基本的に、楽器を支持するためには、3つの保持部分の使用で十分である。
【0012】
有利には、第2の保持部分が少なくとも2つの保持要素を有しており、これら2つの保持要素のうちの少なくとも一方の保持要素を保持部分に支持する第2の支持異形材が設けられており、この第2の支持異形材と保持要素との間に、回転軸線rxを有する回転用支持部Rxが設けられており、この回転用支持部Rxを介して、2つの保持要素の間の角度位置δが可変であることを提案することができる。回転用支持部を含めて第2の保持部分に2つの更なる保持要素を使用することによって、楽器の重心を楽器サポートと共に使用者に対して最適に調整することができるように、楽器ボディへの適合が保証されている。
【0013】
本発明に対しては、第2の支持異形材と保持要素との間に、変位軸線vzを有する変位用支持部Vzが設けられており、この変位用支持部Vzを介して、2つの保持要素の間の間隔bもしくは回転軸線rxと一方の保持要素との間の間隔が可変であることが特に重要であり得る。変位用支持部Vzは、楽器ボディへの第2の保持部分の最適な適合を保証している。
【0014】
本発明による構成および配置に関連して、接続異形材とブリッジとの間に、長手方向軸線eに対して横方向に延びる並進軸線tyを有する少なくとも1つの並進用支持部Tyが設けられており、この並進用支持部Tyを介して、少なくとも1つの接続異形材が、変位可能にブリッジに支持されており、保持部分とブリッジとの間の間隔lが可変であると有利であり得る。並進用支持部Tyは、左右の向きにおける楽器の傾きひいては空間軸zを基準とした傾きもしくは角度位置に関する最適な適合を保証している。
【0015】
さらに、接続異形材とブリッジとの間に、長手方向軸線eの方向に延びる傾倒軸線kxを有する少なくとも1つの傾倒用支持部Kxが設けられており、この傾倒用支持部Kxを介して、接続異形材が、それぞれ異なる角度位置αでブリッジに固定可能であると有利であり得る。傾倒用支持部は、組み付けられた楽器サポートと共に楽器の重心の最適な適合を保証している。使用者に向かって接続異形材を旋回させることによって、この全重心が使用者に向かって変位させられ、これによって、有利な保持が保証されている。
【0016】
このためには、摺動用支持部Szが回動用支持部Dxと共に1つの共通の固定手段を有しており、かつ/または傾倒用支持部Kxが並進用支持部Tyと共に1つの共通の固定手段を有しており、かつ/または回転用支持部Rxが変位用支持部Vzと共に1つの共通の固定手段を有しており、これらの固定手段を介して、各々の角度位置α,ε,δおよび各々の間隔l,a,bが固定可能であると有利であり得る。それぞれ2つの支持部にただ1つの固定手段を使用することによって、楽器サポートの簡単かつ軽量な構造が保証されている。
【0017】
さらに、変位用支持部Vzおよび/または摺動用支持部Szが円弧状に形成されていると有利であり得る。変位用支持部Vzもしくは摺動用支持部Szの円弧状の構成によって、空間軸zの方向での並進相対運動と、空間軸yの方向での位置の並進変化と、部分的な回動もしくは回転とが達成される。
【0018】
本発明の更なる利点および詳細は、特許請求の範囲および明細書に説明してあり、図面に示してある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2a】内向きに畳まれた状態における楽器サポートを示す図である。
【
図2b】部分的に内向きに畳まれた状態における楽器サポートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
楽器8、例えばマンドリンを保持するための
図1に示した楽器サポート1は、2つの部分から成るブリッジ2から形成されている。このブリッジ2は、長手方向軸線eと、第1のブリッジ部分2.1と、第2のブリッジ部分2.2と、外面2.3とを有している。ブリッジ2は、使用者の身体部分に当付け可能である凸状の外面2.3を有する湾曲させられた基本形状Gを有している。両ブリッジ部分2.1,2.2は、長手方向軸線eに対して横方向に延びる回転軸線ryを有する回転用支持部Ryを介して、少なくとも150゜~180゜の角度βだけ互いに旋回可能である。使用の際には、この角度βが約180゜であり、搬送目的のために、両ブリッジ部分2.1,2.2を畳み合わせることができ、
図2aに認めることができるように、角度βを0゜に減じることができる。
【0021】
ブリッジ部分2.1の端側には、脚片5.1と、対応する長孔5.2とを有する接続異形材5が設けられている。さらに、この接続異形材5には、楽器8に固定可能な第1の保持部分3が設けられている。この第1の保持部分3は、楽器8もしくは湾曲させられた楽器底部8.1に当付け可能である2つの保持要素3.1,3.2を有している。ブリッジ部分2.2の端側には、同じく楽器底部8.1に固定されたただ1つの保持要素4.1を有する保持部分4が設けられている。
【0022】
接続異形材5は、並進軸線tyを有する並進用支持部Tyと、傾倒軸線kxを有する傾倒用支持部Kxとを介して、ブリッジ部分2.2に支持されている。さらに、接続異形材5は、保持要素3.1,3.2を有する保持部分3を調節可能に取り付けるために働く。したがって、保持部分3とブリッジ2との間の相対的な位置が、傾倒軸線kxもしくは角度位置αに関連して可変となる。これに依存することなく、並進用支持部Tyを介して、保持部分3とブリッジ2との間の間隔lが調整可能となる。
【0023】
保持部分3は、保持要素3.2を取り付けるための脚片6.1を備えた第1の支持異形材6を有している。保持要素3.2は、回動軸線dxを有する回動用支持部Dxと、摺動軸線szを有する摺動用支持部Szとを介して、支持異形材6に支持されている。したがって、両保持要素3.1,3.2の相対的な位置が、回動軸線dxもしくは角度位置εに関連して可変となる。これに依存することなく、摺動用支持部Szを介して、回動軸線dxと保持要素3.1との間の間隔aが調整可能となる。
【0024】
第2の保持部分4も同じく、楽器8に当付け可能である2つの保持要素4.1,4.2を有している。保持部分4は、長孔7.2と、保持要素4.2を取り付けるための対応する脚片7.1とを有する第2の支持異形材7を有している。保持要素4.2は、回転軸線rxを有する回転用支持部Rxと、変位軸線vzを有する変位用支持部Vzとを介して、第2の支持異形材7に支持されている。したがって、両保持要素4.1,4.2の相対的な位置が、回転軸線rxもしくは角度位置δに関連して可変となる。これに依存することなく、摺動用支持部Vzを介して、両保持要素4.1,4.2の間の間隔bひいては回転軸線rxと保持要素4.1との間の間隔が調整可能となる。
【0025】
種々異なる支持部の術語は、
図1に示したような3つの空間軸x,y,zを含む座標系に関連している。並進軸線は各空間軸の方向に延びている。回転軸線、旋回軸線または回動軸線は、各空間軸を取り囲むように延びている。
【0026】
図2aの実施例によれば、両ブリッジ部分2.1,2.2が畳み合わされている。このとき、角度βは0゜に減じられている。また、接続異形材5も両保持要素3.1,3.2と共に下向きに反転させられている。
【0027】
第1の支持異形材6もしくは脚片6.1は、並進変位のための長孔6.2と、回転および固定のためのねじ締結部材6.3とを有している。長孔6.2は円弧状である。これによって、支持異形材6および脚片6.1の構造形態の適合が達成されているので、スペースを節約した構成および組立てが可能となる。この円弧状の構造形態は、支持異形材7に対しても設けることができる。
【0028】
図2bの実施例によれば、両ブリッジ部分2.1,2.2は、部分的に開かれた/閉じられた中間位置にある。このとき、角度βは約100゜である。
【0029】
図2には、ブリッジ2もしくは各ブリッジ部分2.1,2.2の外面2.3に設けられたクッション1.1が示してある。
【0030】
各保持要素3.1,3.2,4.1,4.2は吸盤として形成されていて、旋回用支持部Wzを介して連結されている。この旋回用支持部Wzは、円弧状の摺動用支持部もしくは円弧状の溝との組合せ支持部の一部である。円弧状の溝内には、各保持要素3.1,3.2,4.1,4.2もしくは各吸盤のネックがガイドされている。円弧状の摺動用支持部は、両空間軸x,yの方向への並進成分を有している。
【0031】
図3の実施例によれば、第2の保持部分4は、楽器底部8.1に位置固定されたただ1つの保持要素4.1しか有していない。保持部分4は、両空間軸x,yの方向への並進成分を有する旋回用支持部Wzしか有していない。
【0032】
第1の保持部分3は、
図1に概略的に示したように、接続異形材5と、支持異形材6と、両保持要素3.1,3.2とを有している。
【符号の説明】
【0033】
1 楽器サポート
1.1 クッション
2 ブリッジ
2.1 第1のブリッジ部分
2.2 第2のブリッジ部分
2.3 外面
3 第1の保持部分
3.1 保持要素
3.2 保持要素
4 第2の保持部分
4.1 保持要素
4.2 保持要素
5 接続異形材
5.1 脚片
5.2 長孔
5.3 固定手段、ねじ締結部材
6 第1の支持異形材
6.1 脚片
6.2 長孔、円弧状
6.3 固定手段、ねじ締結部材
7 第2の支持異形材
7.1 脚片
7.2 長孔、円弧状
7.3 固定手段、ねじ締結部材
8 楽器
8.1 楽器底部
a 間隔
b 間隔
Dx 回動用支持部
dx 回動軸線
e 長手方向軸線
G 基本形状
Kx 傾倒用支持部
kx 傾倒軸線
l 間隔
Rx 回転用支持部
rx 回転軸線
Ry 回転用支持部
ry 回転軸線
Sz 摺動用支持部
sz 摺動軸線
Ty 並進用支持部
ty 並進軸線
Vz 変位用支持部
vz 変位軸線
Wz 旋回用支持部、x並進およびy並進との組合せ支持部
x 空間軸
y 空間軸
z 空間軸
α 角度位置
β 角度
δ 角度位置
ε 角度位置