IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モバイル アイ.ヴィ. システムズ, エルエルシーの特許一覧

特許7009442圧力調整装置、圧力調整装置を含むシステム、および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】圧力調整装置、圧力調整装置を含むシステム、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/10 20060101AFI20220118BHJP
   F16K 17/34 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G05D16/10 Z
F16K17/34 A
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2019505128
(86)(22)【出願日】2017-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2017027217
(87)【国際公開番号】W WO2017180750
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-04-03
(31)【優先権主張番号】62/321,667
(32)【優先日】2016-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518363565
【氏名又は名称】モバイル アイ.ヴィ. システムズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Mobile I.V. Systems, LLC
【住所又は居所原語表記】22730 Seneca Circle, Chugiak, AK 99567, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フレッド ヴリーマン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ゲスラー
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0071548(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0187929(US,A1)
【文献】米国特許第04446859(US,A)
【文献】米国特許第05911220(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0231733(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0011361(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02720105(EP,A2)
【文献】米国特許第07334598(US,B1)
【文献】米国特許第04862884(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/10
F16K 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力調整装置であって、
気体入口と、
前記気体入口と流体連通する膨張室を画定する膨張本体と、
第1段の圧力調整器であって、その内部を通って流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、前記膨張室と流体連通している第1段の圧力調整器と、
中間調整器本体であって、前記膨張本体にねじ結合され、前記第1段の圧力調整器の少なくとも一部をこれらの間に固定していて、前記膨張本体と前記中間調整器本体との間の距離を変更すると、前記第1段の調整器によって生成される圧力低下量が変化するようになっている、中間調整器本体と、
前記第1段の圧力調整器の下流に位置決めされて前記第1段の圧力調整器と流体連通している第2段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成された第2段の圧力調整器と、
前記第2段圧力調整器の下流に位置決めされた気体出口と、
を備えており、
前記第1段の圧力調整器は第1の弁を有しており、前記膨張本体は、前記第1の弁の入口を形成するために前記膨張室内に上流方向に延びる中空状の突起を有しており、前記第1の弁は、前記気体入口から間隔をおいて前記膨張室内に位置決めされている、
ことを特徴とする圧力調整装置。
【請求項2】
調整器キャップであって、前記中間調整器本体にねじ結合され、前記第2段の圧力調整器の少なくとも一部をこれらの間に収容する調整器キャップをさらに備え、前記調整器キャップと前記中間調整器本体との間の距離が変化すると、前記第2段の調整器によって生成される圧力低下の量が変化するようになっている、請求項1に記載の圧力調整装置。
【請求項3】
前記第1段の圧力調整器は、
前記気体入口に対して上流方向および下流方向に移動可能であり、前記第1の弁を開くように第1の密封部材を移動させるように構成された第1のピストンと、
前記第1のピストンに前記上流方向に力を加えるように位置決めされた第1の付勢部材と、
対向する第1のねじ付き部分および第2のねじ付き部分を含み、前記第1のねじ付き部分および前記第2のねじ付き部分は、互いに螺合し、それらの間で前記第1の付勢部材を取り囲んでいる第1の調節機構と、を含む、
請求項1に記載の圧力調整装置。
【請求項4】
前記第1のねじ付き部分は、前記膨張本体から下流方向に延びている、請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項5】
前記第1のピストンは、前記膨張本体から下流方向に延びる第1の突起の内面および前記中間調整器本体から上流方向に延びる第2の突起の内面に対して密封されている、請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項6】
前記膨張本体は、前記空洞と流体連通している入口を有し、前記第1のピストンの少なくとも一部は、前記第1の弁を開くために前記入口内に移動可能である、請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項7】
前記第1のピストンは、その内部を貫通する1つ以上の通路を含む、請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項8】
前記第2段の圧力調整器は、
第2の弁の内部を流通する気体流を開閉するように構成された第2の密封部材を含む第2の弁と、
前記気体入口に対して上流方向および下流方向に移動可能であり、前記第2の弁を開くように前記密封部材を移動させるように構成された第2のピストンと、
前記第2のピストンに力を上流方向に加えるように位置決めされた第2の付勢部材と、
前記第2の付勢部材によって前記第2のピストンに加わる力の大きさを変更するように構成された第2の調節機構と、を含む、
請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項9】
前記第2のピストンは、その内部を貫通する1つ以上の通路を含む、請求項8に記載の圧力調整装置。
【請求項10】
前記第2のピストンは、前記中間調整器本体によって少なくとも部分的に画定される空間内に位置決めされている、請求項8に記載の圧力調整装置。
【請求項11】
前記第1の付勢部材は、前記中間調整器本体と前記膨張本体との間に位置決めされ、それらの間の距離を変更することによって圧縮可能である、請求項3に記載の圧力調整装置。
【請求項12】
前記中間調整器本体にねじ結合された調整器キャップをさらに備え、前記第2のピストンは、前記中間調整器本体と前記調整器キャップとの間の空間に位置決めされている、請求項8に記載の圧力調整装置。
【請求項13】
前記第2の付勢部材は、前記中間調整器本体と前記調整器キャップとの間に位置決めされ、それらの間の距離を変更することによって圧縮可能である、請求項12に記載の圧力調整装置。
【請求項14】
前記調整器キャップの内側に位置決めされて前記気体出口と流体連通している指示器ピストンをさらに備え、前記指示器ピストンは、前記指示器ピストンが受ける圧力を示すように構成されたスケールを含む、請求項12に記載の圧力調整装置。
【請求項15】
前記気体入口を少なくとも部分的に形成する入口そらせ板をさらに備え、前記入口そらせ板は、前記気体入口の下流に位置決めされた邪魔板を含む、請求項1に記載の圧力調整装置。
【請求項16】
前記邪魔板は円板形状である、請求項15に記載の圧力調整装置。
【請求項17】
前記入口そらせ板は、
前記気体入口を有する中実本体と、
前記中実本体上に接続されて前記邪魔板を前記中実本体に固定する取付け部であって、前記気体入口と流体連通する1つ以上の開口部を有し、前記1つ以上の開口部は、前記中実本体と前記邪魔板との間に配置されている取付け部と、を含む、
請求項16に記載の圧力調整装置。
【請求項18】
前記第1の弁から前記膨張室内に延びて気体が前記膨張室から前記第1の弁に流れるための通路を定める調整器流入部材をさらに備える、請求項1に記載の圧力調整装置。
【請求項19】
圧力調整装置であって、
気体入口と、
前記気体入口と流体連通する膨張室を画定する膨張本体と、
第1段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、前記膨張室と流体連通し、
第1の弁であって、その内部を流通する気体流を開閉するように構成された第1の密封部材を含む第1の弁と、
前記気体入口に対して上流方向および下流方向に移動可能であり、前記第1の弁を開くように前記第1の密封部材を移動させるように構成された第1のピストンと、
前記第1のピストンに力を上流方向に加えるように位置決めされた第1の付勢部材と、
対向する第1のねじ付き壁および第2のねじ付き壁を含み、前記第1のねじ付き壁および前記第2のねじ付き壁は、互いに螺合して、それらの間に前記第1の付勢部材を取り囲んでいる第1の調節機構と、を含む第1段の圧力調整器と、
前記第1段の圧力調整器の下流に位置決めされて前記第1段の圧力調整器と流体連通している第2段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成された第2段の圧力調整器と、
前記第2段の圧力調整器の下流に位置決めされた気体出口と、
を備えており、
前記第1のピストンは、前記膨張本体から下流方向に延びていて、前記第1のねじ付き壁から半径方向内側に離れて位置する第1の突起の内面に対して密封され、かつ前記第1の突起と向かい合っていて、前記第2のねじ付き壁から半径方向内側に離れて位置する第2の突起の内面に対して密封されている、
圧力調整装置。
【請求項20】
前記第1のねじ付き壁は、前記膨張本体から下流方向に延びている、請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項21】
前記膨張本体は、前記膨張室内に延びて空洞を定める中空突起を含み、
前記第1の密封部材は前記空洞の内側に位置決めされている、
請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項22】
前記第1の弁は、
前記空洞内に位置決めされた第1のシールと、
前記空洞内に位置決めされて前記第1の密封部材を前記第1のシールに向かって押すように構成された第1の付勢部材と、を含む、
請求項21に記載の圧力調整装置。
【請求項23】
前記膨張本体は、前記空洞と流体連通している入口を有し、前記第1のピストンの少なくとも一部が前記第1のピストンを開くために前記入口内に移動可能である、請求項21に記載の圧力調整装置。
【請求項24】
前記第1のピストンは、その内部を貫通する1つ以上の通路を含む、請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項25】
前記第2段の圧力調整器は、
前記第2の弁を流通する気体流を開閉するように構成された第2の密封部材を含む第2の弁と、
前記気体入口に対して上流方向および下流方向に移動可能であり、前記第2の弁を開くように前記密封部材を移動させるように構成された第2のピストンと、
前記第2のピストンに力を上流方向に加えるように位置決めされた第2の付勢部材と、
前記付勢部材によって前記第2のピストンに加わる力の大きさを変更するように構成された第2の調節機構と、を含む、
請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項26】
前記第2のピストンは、その内部を貫通する1つ以上の通路を含む、請求項25に記載の圧力調整装置。
【請求項27】
前記膨張本体にねじ取付けされた中間調整器本体をさらに備え、前記第1のピストンは、前記中間調整器本体と前記膨張本体との間に位置決めされ、前記第2のピストンは、前記中間調整器本体によって少なくとも部分的に画定される空間内に位置決めされている、請求項25に記載の圧力調整装置。
【請求項28】
前記第1の付勢部材は、前記中間調整器本体と前記膨張本体との間に位置決めされ、それらの間の距離を変更することによって圧縮可能である、請求項27に記載の圧力調整装置。
【請求項29】
前記中間調整器本体にねじ接続された調整器キャップをさらに備え、前記第2のピストンは、前記中間調整器本体と前記調整器キャップとの間の空間に位置決めされている、請求項27に記載の圧力調整装置。
【請求項30】
前記第2の付勢部材は、前記中間調整器本体と前記調整器キャップとの間に配置され、それらの間の距離を変更することによって圧縮可能である、請求項29に記載の圧力調整装置。
【請求項31】
前記調整器キャップの内側に位置決めされて前記気体出口と流体連通している指示器ピストンをさらに備え、前記指示器ピストンは、前記指示器ピストンが受ける圧力を示すように構成されたスケールを含む、請求項29に記載の圧力調整装置。
【請求項32】
前記気体入口を少なくとも部分的に定める入口そらせ板をさらに備え、前記入口そらせ板は、前記気体入口の下流に位置決めされた邪魔板を含む、請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項33】
前記邪魔板は円板形状である、請求項32に記載の圧力調整装置。
【請求項34】
前記入口そらせ板は、
前記気体入口を定める中実本体と、
前記中実本体上に接続されて前記邪魔板を前記中実本体に固定する取付け部であって、前記気体入口と流体連通する1つ以上の開口部を有し、前記1つ以上の開口部は、前記中実本体と前記邪魔板との間に配置されている取付け部と、を含む、
請求項33に記載の圧力調整装置。
【請求項35】
前記第1の弁から前記膨張室内に延びて気体が前記膨張室から前記第1の弁に流れるための通路を形成する調整器流入部材をさらに備える、請求項19に記載の圧力調整装置。
【請求項36】
システムであって、
加圧カフと、
圧力調整装置と、を備え、前記圧力調整装置は、
気体入口と、
前記気体入口と流体連通している膨張室を画定していて、前記膨張室内に上流方向に延びる中空状の突起を含む膨張本体と、
第1段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、前記膨張室と流体連通しており、前記中空状の突起の内部に配置された第1の密封部材を有する第1段の圧力調整器と、
中間調整体本体であって、前記膨張本体にねじ結合され、前記第1段の圧力調整器の少なくとも一部をこれらの間に固定していて、前記膨張本体と前記中間調整器本体との間の距離を変更すると、前記第1段の調整器によって生成される圧力低下量が変化するようになっている、中間調整器本体と、
第2段の圧力調整器であって、前記第1段の圧力調整器の下流に位置決めされて前記第1段の圧力調整器と流体連通しており、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成された第2段の圧力調整器と、
前記第2段圧力調整器の下流に位置決めされ、前記加圧カフに接続された気体出口と、を備える、
システム。
【請求項37】
前記加圧カフは、静脈用バッグを圧縮するような大きさおよび構成にされている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記第1の密封部材に対して前記第1の付勢部材を押し付ける保持部材であって、前記第1の弁の入口を形成する前記中空状の突起によって画定される空洞内へ、該保持部材を貫通して圧縮気体が流入することを可能にする開口部を有している保持部材をさらに備える、請求項3に記載の圧力調製装置。
【請求項39】
前記第1の密封部材に対して前記第1の付勢部材を押し付ける保持部材であって、前記第1の弁の入口を形成する前記中空状の突起によって画定される空洞内へ、該保持部材を貫通して圧縮気体が流入することを可能にする開口部を有している保持部材をさらに備える、請求項19に記載の圧力調製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月12日に出願された米国仮特許出願第62/321,667号の優先権を主張し、この出願の内容は参照によって本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
一般に、気体は、圧縮するとその貯蔵および輸送が容易になる。例えば、圧縮気体は、必要とする貯蔵容器をより小さくする(例えば、非圧縮気体と比較して)ことができ、それにより気体の貯蔵、輸送または使用の利便性を高めることができる。さらに、圧縮気体は、推進型または空気圧式動力供給として使用することができる。例えば、1つ以上の機構には、圧縮気体を膨張させおよび/または圧縮気体の圧力を加えることによって空気圧式に動力を供給することができる。
【0003】
場合によっては、気体は、その1つ以上の適用の間に必要とされる圧力を超える圧力に貯蔵することができる。圧力調整装置が使用して、供給源気体の圧力を、供給源気体を受け取る1つ以上の装置に、適切なまたは選択された圧力に低下させることができる。
【0004】
発明の概要
一般に、本明細書に記載された実施形態は、圧力調整装置、装置を含むシステム、および関連する方法に関する。例えば、圧力調整装置は、気体供給源から気体を第1の圧力(例えば、圧力調整装置の供給側)で受け取ることができ、受け取った気体の圧力を調整し又は低下させて、選択されたまたは適切な第2の異なる圧力にすることができる。実施形態では、気体は、圧力調整装置の気体出口から第2の圧力で出ることができる。
【0005】
ある実施形態は圧力調整装置を含み、圧力調整装置は、気体入口と、気体入口と流体連通する膨張室を定める膨張本体と、第1段の圧力調整器であって、その内部を通って流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、膨張室と流体連通している第1段の圧力調整器と、中間調整器本体であって、膨張本体にねじ結合され、第1段の圧力調整器の少なくとも一部をそれらの間に固定し、固定は、膨張本体と中間調整器本体との間の距離を変更すると、第1段の調整器によって生成される圧力低下量が変化するような方式で行う中間調整器本体と、第1段の圧力調整器の下流に位置決めされて第1段の圧力調整器と流体連通している第2段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成された第2段の圧力調整器と、第2段圧力調整器の下流に位置決めされた気体出口とを備える。
【0006】
ある実施形態はまた圧力調整装置を含み、圧力調整装置は、気体入口と、気体入口と流体連通する膨張室を定める膨張本体と、第1段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、膨張室と流体連通している第1段の圧力調整器とを備える。第1段の圧力調整器は、第1の弁であって、その内部を流通する気体流を開閉するように構成された第1の密封部材を含む第1の弁と、気体入口に対して上流方向および下流方向に移動可能であり、第1の弁を開く方式で密封部材を移動させるように構成された第1のピストンと、第1のピストンに力を上流方向に加えるように位置決めされた第1の付勢部材と、対向する第1のねじ付き突起および第2のねじ付き突起を含み、第1のねじ付き突起および第2のねじ付き突起は、一緒に螺合して、それらの間に第1の弁及び第1の付勢部材を取り囲む第1の調節機構と、を含む。圧力調整装置は、第1段の圧力調整器の下流に位置決めされ第1段の圧力調整器と流体連通している第2段の圧力調整器も含む。第2段の圧力調整器は、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成されている。圧力調整装置は、第2段の圧力調整器の下流に位置決めされた気体出口をさらに備える。
【0007】
ある実施形態は、加圧カフと圧力調整装置とを備えるシステムを備える。圧力調整装置は、気体入口と、気体入口と流体連通している膨張室を定める膨張本体と、第1段の圧力調整器であって、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成され、膨張室と流体連通している第1段の圧力調整器と、中間調整体本体であって、膨張本体にねじ結合され、第1段の圧力調整器の少なくとも一部をこれらの間に固定し、固定は、膨張本体と中間調整器本体との間の距離を変更すると、第1段の調整器によって生成される圧力低下量が変化するような方式で行う中間調整器本体と、第2段の圧力調整器であって、第1段の圧力調整器の下流に位置決めされて第1段の圧力調整器と流体連通しており、その内部を流通する気体の気体圧力を低下させるように構成された第2段の圧力調整器と、第2段圧力調整器の下流に位置決めされ、加圧カフに動作可能に接続された気体出口とを備える。
【0008】
開示された実施形態の何れかからの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、本開示の他の特徴および利点は、当業者には、以下の詳細な説明および添付図面を考慮することにより明らかになる。
【0009】
より良い理解のために、類似の要素は類似の参照番号によって参照する。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本開示の原理に重点が置かれている。これらの図面は、本発明の一般的な実施形態のみを示し、したがってその範囲を限定することは考えないことを理解されたい。本発明は、添付の図面を用いてさらに具体的にかつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】ある実施形態による圧力調整装置の斜視図である。
図1B図1Aの圧力調整装置の断面図である。
図2A図1Aの圧力調整装置を開放位置で示す拡大部分断面図である。
図2B図1Aの圧力調整装置を閉鎖位置で示す拡大部分断面図である。
図3A図1Aの圧力調整装置をロック解除構成で示す拡大部分断面図である。
図3B図1Aの圧力調整装置をロック構成で示す拡大部分断面図である。
図4A】ある実施形態による圧力調整装置の膨張本体の前方斜視図である。
図4B図4Aの膨張本体の側方斜視図である。
図4C図4Aの膨張本体の後方斜視図である。
図5図1Aの圧力調整装置の拡大部分断面図である。
図6図1Aの圧力調整装置の加圧シリンダおよび膨張室の一部を示す別の拡大部分断面図である。
図7A】実施形態による圧力調整装置のピストンの上方斜視図である。
図7B図7Aのピストンの拡大部分斜視図である。
図7C図7Aのピストンの後方斜視図である。
図7D図7Cのピストンの拡大部分斜視図である。
図7E図7Aのピストンの断面図である。
図8A】ある実施形態による圧力調整装置のピストンの上面図である。
図8B図8Aのピストンの断面図である。
図9A】ある実施形態による圧力調整装置の圧力計の側面図である。
図9B】第1の圧力を受ける図9Aの圧力計の断面図である。
図9C】第2の圧力を受ける図9Cの圧力計の断面図である。
図10A】ある実施形態による加圧カフに接続された圧力調整装置の上面図である。
図10B図10Aの加圧カフに接続された圧力調整装置の側面図である。
図11】ある実施形態による圧力調整装置の膨張本体の断面図である。
図12A】ある実施形態によるロック機構の外側リングの斜視図である。
図12B図12Aの外側リングの上面図である。
図12C図12Aの外側リングの半分の斜視図である。
図12D】ある実施形態によるロック機構の内側リングの斜視図である。
図12E図12Dの内側リングの側面図である。
図13】ある実施形態による圧力調整装置の調整器流入部材の断面図である。
図14】他の実施形態による圧力調整装置の調整器流入部材の断面図である。
図15】ある実施形態による圧力調整装置の入口そらせ板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般に、本明細書に記載された実施形態は、圧力調整装置、該装置を含むシステム、および関連する方法に関する。例えば、圧力調整装置は、気体を気体供給源から第1の圧力(例えば、圧力調整装置の供給側)で受け取り、受け取った気体の圧力を選択されたまたは適切な第2の異なる圧力に調整する。実施形態では、気体は、圧力調整装置の気体出口から第2の圧力で流出することができる。
【0012】
一部の実施形態では、圧力調整装置の出口圧力は、適切な圧力に調節または較正することができる。例えば、圧力調整装置は、気体出口圧力を表示できる圧力計を含み、および/または圧力計に接続することができる。さらに、圧力調整装置は、1つ以上の圧力調節機構を含むことができる。一部の実施形態では、圧力調整装置は、少なくとも2つの圧力調節機構を含む。圧力調整装置は、気体圧力を供給圧力から圧力範囲内で選択されたより低い圧力に低下させるために調節し得る第1段の調整器を含むことができ、また出口圧力をより狭いまたはより正確な圧力範囲になるように調節し得る(例えば、気体圧力を低下させる)第2段の調整器をさらに含むことができる。例えば、第1段の調整器は出口圧力の粗調節に使用し、第2段の調整器は、出口圧力のより微細なまたはより正確な圧力調整に使用することができる。
【0013】
図1A図1Bは、ある実施形態による圧力調整装置100を示す。具体的には、図1Aは圧力調整装置100の斜視図であり、図1Bは圧力調整装置100の断面図である。図示した実施形態では、圧力調整装置100は、気体入口110および気体出口120を含む。上述したように、気体入口110での圧力は、気体出口120での圧力よりも高くすることができる。さらに、圧力調整装置100は調節または較正されて、気体入口110から気体出口120まで適切なまたは選択された圧力低下を生成しおよび/または気体出口120において適切なまたは選択された圧力を生成することができる。
【0014】
一般に、圧力調整装置100は、多くの適切な気体の供給源または貯蔵から気体を受け取ることができる。図示した実施形態では、以下でより詳細に説明するように、圧力調整装置100は、圧縮気体を含む気体カートリッジ130(例えば、標準二酸化炭素気体カートリッジ)を受け入れるように構成することができる。追加の又は代替の実施形態では、圧力調整装置100は、集中供給源(例えば、供給ライン)又は他の適切な供給源から圧縮気体を受け取ることができる。何れにしても、適切な供給源からの圧縮気体は、気体入口110に流入することができる。説明を容易にするために、圧力調整装置100内の気体流の方向は下流または遠位と呼び、下流方向と反対の方向は上流または近位と呼ぶ。
【0015】
圧縮気体は、気体入口110から第1の圧力で圧力調整装置100に流入し、圧力調整装置100の気体出口120から第2のより低い圧力で流出する。例えば、第1の圧力対第2の圧力の比は、2:1から5:1、4:1から10:1、8:1から20:1、15:1から50:1、40:1から100:1とすることができる。例えば、圧力調整装置100は、圧力を800psiから10psi以下(例えば、5psi、1psi)に低下させることができる。さらに、一部の実施形態では、圧力調整装置100は、圧力を低下させまたは調節して、上述した範囲外にある、気体入口110と気体出口120との間の圧力比を生成するように構成できる。本明細書で表現する圧力値は、大気圧を超える圧力の大きさとして記載されることを理解されたい(例えば、5psiの圧力への言及は、約19.7psiの絶対圧力を指す)。
【0016】
図示した実施形態では、圧力調整装置100は、気体入口110に動作可能に接続することができる膨張本体200を含む。例えば、膨張本体200は、気体導入口110と流体連通し得る膨張室210(例えば、膨張本体200の1つ以上の壁部によって定まる)を有することができる。従って、例えば、気体は、気体入口110から膨張室210に流入することができる。一部の実施形態では、気体が膨張室210に入ると、気体は膨張室210内で膨張することができ(例えば、膨張室210に入る気体の量は、膨張室210に入る前よりも体積が大きくまたは大きな体積を占める)、その結果膨張室210内の気体の圧力は、膨張室210に入る前の気体の圧力よりも低い。
【0017】
しかしながら、一部の実施形態では、膨張室210は、気体入口110と連続的に流体連通し得ることを理解されたい。したがって、例えば、膨張室210内の気体の圧力は、気体カートリッジ130内の気体の圧力、または他の方法で気体入口110に接続される気体供給源と同じにすることができる。例えば、気体カートリッジ130から膨張室210に入る気体の膨張により、気体カートリッジ130内の気体の圧力が低下し、その結果膨張室210内および気体カートリッジ130内の気体は、圧力膨張室210に入る前に、気体カートリッジ130内にあった気体の圧力よりも圧力が低い。
【0018】
ある実施形態では、圧力調整装置100は、気体入口110および気体出口120と流体連通している圧力調整器300を含む。具体的には、例えば、圧力調整器300は、気体の圧力を低下させおよび/または調整して、気体出口120に適切なまたは選択された圧力を生成することができる。図示した実施形態では、圧力調整器300は二段式圧力調整器である。例えば、第1段の調整器301において、圧力調整器300は、気体出口120への選択圧力の出力を第1の精度または正確さで生成するように調節または較正され、後続の第2段の調整器302において、圧力調整器300は、選択圧力の出力を第2のより高度の精度または正確さで調節又は較正することができる(例えば、第1段および第2段の調整器301、302により、圧力調整器300は、選択されたまたは適切な程度の正確さに微調整または較正するのが容易になる)。第2段の調整器302は、第1段の調整器301の下流に位置して第1段の調整器301と流体連通し得る。さらに、圧力調整装置は、任意の適切な段数を含み得ることを理解されたい。
【0019】
上述したように、圧力調整装置100は、計測器または圧力計に動作可能に連結されあるいはそれらを含むことができ、計測器などは、気体出口120における気体圧力の測定または表示を決定しおよび/または提供するように構成することができる。図示した実施形態では、圧力調整装置100は圧力計400を含む。例えば、圧力計400は、圧力調整器300に動作可能に接続することができる(例えば、圧力計400は、圧力調整器300および/または圧力調整装置100の気体出口120と流体連通することができる)。動作条件によっては、圧力計400は、圧力調整器300の較正を助長しまたは援助することができる。例えば、圧力調整器300は、気体出口120に適切なまたは選択圧力を、圧力計400における圧力読取値に基づいて生成するように較正することができる。
【0020】
一般に、圧力計400は、多くの適切な構成にすることができる(例えば、圧力計400は機械式および/またはアナログ式圧力計にすることができ、デジタル式圧力計にすることができる)。図示した実施形態では、圧力計400は指示器ピストンを含み、指示器ピストンは、該ピストンが受ける圧力に応答して調整器キャップから出ることができる。指示器ピストンは1つ以上の目印を含み、目印は、指示器ピストンを調整器キャップから出して目印を露出させるのに必要な圧力に対応させることができる。すなわち、指示器ピストンが調整器キャップから出るにつれて(指示器ピストンが受ける圧力によって)、指示器ピストンが受けた圧力に対応する目印が露出しおよび/または静止指示器と整列して、圧力の読み取りまたは表示を提供する。何れにしても、圧力調整装置100に接続しまたは組み込むことができる圧力計は、圧力調整装置100の気体出口120における気体圧力を示す、圧力の読み取りを提供することができる。
【0021】
上述したように、圧力調整器300は、気体出口120における気体圧力を制御することができる。図2A図2Bは、圧力調整装置100(図1A図1B)の部分断面図であり、圧力調整装置100の圧力調整器300を示す。具体的には、図2Aでは、圧力調整器300は開放位置で示され、図2Bでは、圧力調整器300は動作中の閉鎖位置で示されている。以下でより詳細に説明するように、開放位置と閉鎖位置との間で圧力調整器300を連続的に作動させることにより、気体出口120において出力圧力が制御されまたは選択圧力が生成され得る。
【0022】
例えば、気体出口120は、装置に動作可能に接続することができる(例えば、後述するように、気体出口120は加圧カフに接続することができる)。動作条件によっては、圧力調整装置100およびこれに接続された装置は、閉鎖システムまたは半閉鎖システムを定めまたは形成することができ、システムにおいて気体出口120は、圧力制御装置100に接続された装置の入口および/または接続された装置の室と流体接続することができ、結果として気体出口120の圧力は、接続された装置の圧力と概ねまたは大体同じになっている。
【0023】
動作条件によっては、気体出口120の圧力は、約0psiとすることができる(例えば、気体出口120における圧力および/または圧力調整装置100に接続された装置内の圧力はほぼ大気圧にすることができる)。一部の実施形態では、気体出口120が選択された圧力(例えば、圧力調整器300を較正するための遮断圧力)よりも低いとき、圧力調整器300は開放位置(図2Aに示す)にあることができ、結果として気体は気体出口120に流通して、気体出口120における圧力を選択圧力まで上昇させることができ、上昇圧力において圧力調整器30は、気体が気体出口120にさらに流れるのを防止するために閉鎖位置をとることができる(以下で説明する)。さらに、気体出口120における圧力が選択圧力よりも低下するにつれて、圧力調整器300は、より多くの気体を気体出口120に通過させるために再び開放位置をとり、それによって気体出口120での圧力を選択圧力に上げて、再度圧力調整器300は閉鎖位置をとることができる。このように、圧力調整器300は、開放位置と閉鎖位置との間で往復して、気体が気体出口120へ流れる(例えば、気体入口110から)ことを選択的におよび/または間欠的に許し、気体出口120でのおよび/または気体出口120に接続された装置内の選択圧力を保つ。
【0024】
例えば、圧力調整器300の第1段の調整器301は第1のピストン310を含み、第1のピストン310は、圧力調整器300の第1段の調整器301を開放して気体が第1段の調整器301を流れることを許すために(例えば、図2Aに矢印で示す)、近位方向に(例えば、気体入口に向かって)移動することができる。第1のピストン310はまた、第1段の調整器301を通る気体の流れを閉鎖しまたは阻止するために、遠位方向に移動することができる。例えば、第1段の調整器301は、室320(以下でより詳細に説明する)を含むことができる。室320内の圧力が選択圧力よりも低い(例えば、気体出口120での出力圧力よりも低い)とき、第1のピストン310は近位方向に移動し、それにより加圧気体が室320に入って第1のピストン310が遠位方向に移動し(例えば、室320内の圧力が選択圧力にあるとき)、気体が室320内へさらに入るのを阻止し、それによって第1段の調整器301を通る気体の流れを遮断しまたは阻止する。
【0025】
図示した実施形態では、第1段の調整器301は、第1のピストン310によって動作されて第1段の調整器301を通る気体流を開閉する第1の弁330を含む。例えば、第1の弁330は、密封部材331、シール332(例えば、Oリング)およびばね333を有し、ばね333は、密封部材331をシール332に向かって押圧し又は付勢して、シール332と係合させることができる。具体的には、密封部材331がシール332に押圧されると、密封部材331は、シール332を密封し、それによって第1の弁330を通る気体の流れを防ぐことができる(すなわち、第1の弁330は閉鎖位置にあり得る)。逆に、密封部材331をシール332から離す(例えば、ボールを近位方向に移動させてばね333を圧縮する)ことにより、密封部材331とシール332との間に適切な間隙が形成され、気体が間隙および第1の弁330を流通することが許される。上記密封部材331は、多くの適切な形状および/または大きさにできることを理解されたい。
【0026】
ある実施形態では、膨張本体200は、第1の弁330の少なくとも一部を定めることができる。例えば、膨張本体200は、中空状の突起201(例えば、膨張本体200の膨張室210の近位方向に延びる)を含むことができ、それにより密封部材331、シール332およびばね333を収容する空洞が形成される。例えば、ばね333は、密封部材331に押し付けられ、そして密封部材331とともに、保持部材334によって空洞内に閉じ込められ、結果としてばね333は、密封部材331をシール332に対して押し付けることができる。保持部材334は、これを貫通する開口部を有することができ、結果として圧縮気体は、保持部材334を通り、中空突起201によって画定される空洞内に入り、オリフィス202を通り(第1の弁330の開放時)、室320に入る(例えば、保持部材334の開口部は、第1の弁330の入口を形成することができる)。
【0027】
第1の弁330はまた、オリフィス202を含むことができる(例えば、オリフィスは、膨張本体200の1つ以上の部分によって定めることができる)。第1の弁330が開放位置にあるとき、気体は、オリフィス202を通って室320内に流れることができる。さらに、一部の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、第1のピストン310は、これを貫通する1つ以上の通路を含む。例えば、気体は、オリフィス202を通り、第1のピストン310の1つ以上の通路を通り、第1段の調整器301から出るように流れる(矢印で示す)ことができる。第1段の調整器301を出た後、気体は、第2段の調整器302に流入することができ、これは以下で説明する。
【0028】
第1段の調整器301は、第1のピストン310を近位方向に押圧または付勢できる、ばね340のような付勢部材を含むことができる。例えば、ばね340の強度および/またはばね340の圧縮は、室320内の圧力が選択圧力よりも低いとき、第1のピストン310を近位方向に移動させるのに適することができる。さらに、第1のピストン310の一部は、オリフィス202を通って延びまたは通過して、第1の弁330の密封部材331と当接する形状にすることができる。
【0029】
例えば、ばね340は、第1のピストン310を近位方向に押して、密封部材331を近位方向に押す(例えば、ばね333が密封部材331に加える力に打ち勝つ)ことができ、それによって第1の弁330を開き、気体が、オリフィス202を通って室320内に入り、第1段の調整器301から出るように流れる(例えば、気体出口120に向かって下流に)ことが許される。逆に、室320内の圧力が少なくとも選択圧力に等しいとき、遠位方向で密封部材331に作用しひいては第1のピストン310に作用する室320内の圧力およびばね333の力は、第1のピストン310を遠位方向に移動させ(およびばね340を圧縮する)のに十分であり、それによって密封部材331が第1の弁330を閉じて第1の弁330を通る気体流を止めるのを許すことができる。
【0030】
図示した実施形態では、室320は、膨張本体200および中間調整器本体220によってならびにこれらの間に部分的に画定されている。さらに、膨張本体200は、中間調整器本体220に接続することができる。例えば、膨張本体200と中間調整器本体220とを接続することにより、それらの間に室320を画定することができる。例えば、遠位端において、膨張本体200は、室320の一部を画定し得る突起203を含むことができる(例えば、突起203は、圧力調整装置100の入口から遠位にまたは離れて延びる管状のシリンダとすることができる)。中間調整器本体220は、突起203に近づきまたは概ね突起203に向かって突出し得る突起222を含むことができる。第1のピストン310は、突起203および222に対して移動可能であり、突起203および222の内壁に対して密封することができる。例えば、Oリングのような適切なシールは、第1のピストン310と突起203および222の内面との間にシールを形成する一方、第1のピストン310が突起203および222に対して近位方向および遠位方向に移動するのを許す。
【0031】
第1のピストン310は、1つ以上の通路を含むことができる。例えば、突起203と222との間で第1のピストン310を密封すれば、両突起間の通路も密封される。特に、第1のピストン310の通路は、突起203および222によって定まる空間とともに室320を定める。すなわち、例えば、室320内の加圧気体は、第1のピストン310に作用して、第1のピストン310に遠位方向の正味の力を作用させる(例えば、第1のピストン310の近位側面で下流方向と垂直な1つ以上の平面に沿って測定された第1のピストン310の表面積は、遠位側面の表面積よりも大きくすることができ、結果として両側面に同じ圧力を加えると、正味の力が第1のピストン310に遠位方向に加わる)。
【0032】
一部の実施形態では、第1のピストン310の通路内の気体は、第2段の調整器302と流体連通しており(後述する)、室320から出ることが実質的に防止されている。したがって、例えば、室320内の圧力は、第2段の調整器302の入口、第2段の調整器302の1つ以上の部分、気体出口120、またはそれらの組み合わせにおける圧力と同様でありまたは同じである。
【0033】
例えば、上述したように、室320内の気体は、第1のピストン310に圧力を加えることができる。特に、室320の内部では、第1のピストン310は、表面積が遠位側面よりも近位側面でより大きくなる(下流方向と垂直な1つ以上の平面に沿って測定したとき)ように構成することができる。したがって、室320内の加圧気体は、近位方向よりも遠位方向により多くの力を加えることができる。具体的には、室320内の気体圧力が少なくとも選択圧力(例えば、較正された圧力)であるとき、密封部材331を遠位方向に付勢するばね333とともに加圧気体が第1のピストン310に加える力は、密封部材331がシール332に対して密封するのを許す位置まで、密封部材331を遠位方向に移動させるのに十分である。換言すれば、第1の弁330の力とともに加圧気体が発生する合力により、ばね340は適切に圧縮されて第1の弁330を閉じる。
【0034】
一般に、多くの適切な機構または接続部が、膨張本体200および中間調整器本体220を互いに接続または固定することができる。図示した実施形態では、膨張本体200は、突起203を取り囲んで雄ねじを有する外側ねじ付き壁204を含む。さらに、中間調整器本体220は雌ねじを有するねじ付き壁221を含み、ねじ付き壁221は、膨張本体200のねじ付き壁204の雄ねじと噛み合うように構成されている。したがって、膨張本体200と中間調整器本体220とは、互いにねじ接続することができる。
【0035】
ある実施形態では、ばね340は、ねじ付き壁204および221によってこれらの間に定まる空間内に位置することができる(例えば、図2Aに示す)。それ故に、例えば、膨張本体200および中間調整器本体220を互いに近付くように移動させると(例えばねじ付き壁204および221を締め付けることによって)、ばね340が圧縮され、それによってばね340から第1のピストン310に加わる力を大きくすることができる。反対に、ねじ付き壁204および221を緩めると(すなわち、膨張本体200および中間調整器本体220を互いに離れるように移動させると)、ばね340の圧縮が減少し、結果としてばね340から第1のピストン310に加わる力が小さくなる。
【0036】
第1段の調整器301は、室320内に選択圧力(気体出口120で生成される圧力に類似し得る)を生成するように較正することができる。例えば、室320内の気体が選択圧力であるとき、加圧気体は、第1の弁330とともに第1のピストン310を遠位方向に押して、第1の弁330を閉じる(しかも気体が室320内へさらに流れるのを止める)。対照的に、室320内の気体圧力が選択圧力よりも低いとき、ばね340は、第1のピストン310を近位方向に移動させ、密封部材331をシール332から離して第1の弁330を開き、これにより室320内の圧力が選択圧力に上昇するまで、気体が室320に入るのを許容し、その後第1の弁330を閉じるであろう。
【0037】
選択圧力は、ばね340が第1のピストン310に加える力に基づきおよび/またはこの力に関連している。それ故に、例えば、ばね340の圧縮を変更すると、ばね340から第1のピストン310に加わる力の大きさが変化し、それによって第1の弁330を閉じるために必要な圧力を変化させる(すなわち、第1の弁330を閉鎖することで第1のピストン310を遠位方向に移動させるための選択圧力を変化させている)。一部の実施形態では、第1段の調整器301は、選択された出力圧力を生成するためにばね340の圧縮を変更することによって(例えば、膨張本体200と中間調整器本体220との間の距離を変えることによって)、較正することができる。すなわち、第1段の調整器301が発生する圧力の減少量または低下量は、ばね340の圧縮を変更することによって変化させることができる。
【0038】
第1段の調整器301には、第1のピストン310を近位方向に押し付ける多くの適切な付勢機構を備えることができることを理解されたい。さらに、付勢機構は、第1段の調整器の出力圧力の較正を助長するように調節可能とすることができる。例えば、第1のピストン310は、空気圧で付勢することができ(例えば、空気圧シリンダによって)、空気圧シリンダの圧力は、室320内の選択圧力が第1のピストン310を遠位方向に押し付けて第1の弁330を閉じるように調節することができる。
【0039】
上述したように、圧力調整器300は、第1段の調整器301および第2段の調整器302を含むことができる。例えば、第1段の調整器301を通過した後(例えば、第1の弁330の開放時)、気体は、第2段の調整器302に入ることができる。さらに、第2段の調整器302を通過した後、気体は、気体出口120およびこれに接続された装置に流れることができる。図示した実施形態では、圧力調整器300は、第2の弁350および第2のピストン360を含み、第2のピストン360は、第2の弁350を動作させる(例えば、第2の弁350を開閉する)ために近位方向および遠位方向に移動可能である。
【0040】
第1段の調整器301を出る気体は、第2の弁350に流れることができる。第1の弁330と同様に、第2の弁350は、密封部材351、シール352、および密封部材351をシール352に向かって押すばね353を含み、それによってそれらの間に適切なシールを生成し、第2の弁350を流通する気体流が阻止されまたは閉じられる。特に、第2段の調整器302はオリフィス223を含み、第2の弁350は、オリフィス223を通る気体流を制御することができる。
【0041】
図示した実施形態では、中間調整器本体220は、第2の弁350の少なくとも一部を有することができる。例えば、中間調整器本体220は、密封部材351、シール352およびばね353を収容し得る空洞224を有することができる。さらに、第2の弁350は、ばね353を空洞224内に固定し得る保持部材354を含むことができ、結果としてばね353が密封部材351をシール352の方へおよび/またはこれに向かって、それらの間にシールを形成し得るような方式で押している。保持部材354は、これを貫通する開口部を含むことができる。
【0042】
保持部材354の開口部は、第2の弁350の入口を画定することができる。第1段の調整器301を出た後、気体は、第2段の調整器302の第2の弁350に入ることができる。第2の弁350が開放位置にあれば(例えば、図2Aに示す)、気体は、第2の弁350を通り、第2段の調整器302を通って気体出口120に流れることができる。逆に、第2の弁350が閉鎖位置にあれば、第2の弁350の空洞224内の気体は、第2の弁350を流通することが阻止される(例えば、気体出口120における圧力は、第2の弁350を流通する気体によっては加圧されない)。
【0043】
上述したように、第2のピストン360は、第2の弁350を開くために近位方向に移動し(例えば、気体が第2の弁350を流通して気体出口120に流れるのを許して、気体出口120での圧力を上げる)および/または第2の弁350を閉じる(または第2の弁350が閉じるのを許す)ために遠位方向に移動し、その際に気体出口120における圧力が第2の弁350を通って気体出口120に至る気体流において増大しない。例えば、第2のピストン360は部分を含み、該部分は、オリフィス223に嵌入しおよび/またはオリフィス223を通過して、第2の弁350の密封部材351に接触するような大きさにできる。それ故に、第1段の調整器301の室320と同様に、第2のピストン360は、近位方向に移動して密封部材351に押圧して(ばね353を圧縮して)第2の弁350を開き、空気がそこを通過するのを許す(例えば、図2Aに示す)。逆に、第2のピストン360は、遠位方向に移動して第2の弁350を閉じ、または第2の弁350が閉じるのを許すことができる(例えば、図2Bに示す)。
【0044】
図示した実施形態では、第2段の調整器302は、第2のピストン360を近位方向に押圧または付勢するように位置決めおよび構成された、ばね370などの付勢部材を含む。例えば、室380内の圧力が選択圧力よりも低いとき(例えば、後述する)、ばね370は、第2のピストン360を近位方向に移動させ、密封部材351をシール352から離すのに十分な力を生成し、それによって密封部材351とシール352との間に隙間を生じさせ(すなわち第2の弁350を開き)、気体が室380に流入するのを許す。
【0045】
室380は、気体出口120と流体連通することができる。それ故、例えば、室380および気体出口120における気体圧力は、類似しまたは同じにすることができる。例えば、気体出口120における気体圧力が選択された出力圧力(例えば、0psi、2psiなど)よりも低いとき、ばね370から第2のピストン360に加わる力は、第2のピストン360を近位方向に移動させて第2の弁350を開くのに十分である。逆に、気体出口120における圧力が少なくとも選択圧力であるとき(しかも室380内の圧力が気体出口120における圧力とほぼ同じであるとき)、加圧気体は第2のピストン360を遠位方向に強制移動させて、第2の弁350が閉じるのを許す。
【0046】
図示した実施形態では、中間調整器本体220は、ほぼ管状の区分225(例えば、管状区分225は断面が略円形とすることができる)を含む。さらに、中間調整器本体220は、調整器キャップ230につながってこれと共に空洞を定めることができ、空洞内に第2のピストン360が配置できる。一部の実施形態では、調整器キャップ230は、近位方向に延びて中間調整器本体220の管状区分225に接続する外壁231を含むことができる(例えば、管状区分225は雄ねじを有することができ、調整器キャップ230の壁部231は、一緒にねじ接続できる雌ねじを有することができる)。これに加えて又はこれに代えて、調整器キャップ230は突起232を含むことができる。
【0047】
例えば、第2のピストン360は、管状区分225の内面および突起232の内面に対して密封することができ(例えば、Oリングのような適切なシールによって)、結果として第2のピストン360は、管状区分225および突起232に対して近位方向および遠位方向に移動可能である。第2のピストン360を管状区分225および突起232に対して密封することにより、第2のピストン360内の通路およびシールによって形成された空洞によって画定される室380が形成される。ある実施形態では、室380は、第2のピストン360内の通路と、第2のピストン360、管状区分225および突起232の間のシールによって形成される空洞とによって定まる。例えば、室380内の圧力が選択圧力よりも低いとき、ばね370は、加圧気体から第2のピストン360に加わる力に打ち勝ち、第2のピストン360を近位方向に移動させて、第2の弁350を開くことができる。室380内の圧力が、少なくとも選択圧力(例えば、気体出口120のために較正された圧力)であるとき、第2のピストン360に遠位方向に加わる力により(第2のピストン360の近位側面の表面積が遠位側面よりも大きいおかげで)、ばね370が圧縮され、第2のピストン350が遠位方向に移動して第2の弁350が閉じ、室380内および気体出口120において圧力がさらに上昇するのを阻止することができる。
【0048】
このように、例えば、第2のピストン360が第2の弁350を開き得る気体出口120における圧力(すなわち、第2のピストン360が近位方向に移動する圧力)は、ばね370から第2のピストン360に近位方向に加わる力に関連しまたは基づいている。それ故に、例えば、第2のピストン360に加わる近位方向の力が大きくなると、気体出口120における出力圧力(すなわち、第2の弁350を閉じるために必要な圧力)が大きくなり、ピストン360に加わる力が小さくなると、気体出口120における出力圧力が小さくなる。
【0049】
図示した実施形態では、ばね370は、中間調整器本体220と調整器キャップ230との間に(例えば、調整器キャップ230の壁部231と中間調整器本体220の管状区分225とによってまたはこれらの間に形成された空洞内に)配置されている。それ故に、例えば、中間調整器本体220と調整器キャップ230との間の距離を変更すると、ばね370の圧縮が変化し、それによって第2のピストン360に近位方向に加わる力の大きさを変化させる。この場合も、選択されたおよび/または変更可能な力を第2のピストン360に近位方向に加えるために、多くの適切な装置または機構を第2段の調整器302に含め得ることを理解されたい(例えば、第2段の調整器302は、選択された力を第2のピストン360に加え得る空気圧ピストンを含むことができる)。
【0050】
上述したように、第1段の調整器301および第2段の調整器302は、気体出口120に選択された出口圧力を生成するように調節および/または較正することができる。具体的には、第1段の調整器301および/または第2段の調整器302が選択圧力を生成するように構成することは、それらのそれぞれの第1のピストン310および第2のピストン360に加わる力の大きさを調節することを含むことができる。例えば、膨張本体200と中間調整器本体220との間の距離を調節して、ばね340の圧縮量およびそれによって第1のピストン310に加わる力の大きさを調節または較正することができる。同様に、中間調整器本体220と調整器キャップ230との間の距離を調節して、ばね370の圧縮量およびそれによって第2のピストン360に加わる力の大きさを調節または較正する(例えば、第2段の調整器302によって発生する圧力の減少または低下を変化させる)ことができる。
【0051】
膨張本体200と中間調整器本体220との間の距離および/または中間調整器本体220と調整器キャップ230との間の距離を調節すると、第1の弁330および第2の弁350を閉じるために必要とされる、第1段の調整器301及び第2段の調整器302のそれぞれの室320及び室380内の圧力が調節又は較正される。作動状態によっては、第1のピストン310および第2のピストン360は、気体出口120におけるならびにそれぞれの室320および室380における圧力が変化するにつれて、近位方向および遠位方向に移動して、第1の弁330および第2の弁350を動作または開閉させ、室320および室380(および気体出口120)内の圧力を較正圧力または選択圧力まで上げる。
【0052】
この場合も、室320および/または室380内の圧力は、気体出口120における出口圧力と近似しまたは同じにすることができる。それ故に、第1のピストン310および/または第2のピストン360に加わる力を調節する(例えば、上述したように)ことにより、気体出口120における圧力が較正される。ある実施形態では、圧力計は圧力調整装置100に含めおよび/または圧力調整装置100に接続することができる。例えば、圧力計の1つ以上の部分は、第2段の調整器302の出口および/または気体出口120と流体連通することができる。それ故に、例えば、圧力調整装置100は、第1のピストン310および/または第2のピストン360に加わる力を調整する(例えば、上述のようにばね340および/またはばね370の圧縮を変更する)ことによって、気体出口120に選択された出口圧力を生成することができる。
【0053】
一部の実施形態では、圧力調整装置100は、これをロックする1つ以上の停止装置(例えば、第1の弁330および/または第2の弁350を通る気体の流れを阻止する)を含むことができる。例えば、圧力調整装置100は、外側リング610と、外側リング610に動作可能に接続された内側リング620とを有し得るロック機構600を含むことができる。以下でより詳細に説明するように、外側リング610は、内側リング620を遠位方向に移動させ、第1のピストン310に係合してこれを遠位方向に移動させることができ、結果として第1の弁330は、閉じることおよび閉じたままであることが許される。さらに、内側リング620は、第1のピストン310を遠位位置に保持することができ、結果として第1のピストン310は第1の弁330に係合してこれが開くのを阻止する。第1の弁330が閉じた状態では、気体出口120への気体流は停止する。
【0054】
図示した実施形態では、ロック機構600は、外部部分(即ち、外側リング610)と、膨張本体200の一部によって外部部分から分離された内部部分(すなわち、内側リング620)とを含む。具体的には、外側リング610は、第1のピストン310の近くにおよび/または第1のピストン310と接触して位置決めすることができる。しかしながら、ロック機構600の内部部分(即ち、内側リング620)は、気密なまたは密封された環境の外側(例えば、室320の外側)に配置されていることを理解されたい。それ故に、外側リング610と内側リング620との間の接続は、室320などの密封環境内の圧力を維持するように気密性である必要はない。
【0055】
図3Aおよび図3Bは、ロック機構600のそれぞれロック解除位置およびロック位置に示す。概して、内側リング620は、多くの適切な機構で遠位方向に移動して、第1のピストン310に係合することができる。実施形態では、膨張本体200は、外側リング610および内側リング620をロック位置およびロック解除位置に案内して固定し得るチャネル(溝)205a、205bを含むことができる。具体的には、内側リング620は、チャネル205a、205bを通過する接続ポスト(ピン)630a、630bを用いて外側リング610に接続することができる。
【0056】
以下でより詳細に説明するように、チャネル205a、205bは、膨張本体200の長さに沿って傾きまたは曲がることができる。例えば、膨張本体200に対して外側リング610を回転させると、接続ポスト603a、603bは、対応するチャネル205a、205bに沿って移動し、チャネル205a、205bが傾いているおかげで、ポスト603a、603bが膨張本体200の周りに周方向に移動するにつれて、チャネル205a、205bの傾きに起因して、前記ポストも軸方向に移動する。ある実施形態では、チャネル205a、205bは、時計回りの回転により、接続ポスト603a、603bが内側リング620と共に遠位方向に前進する(図3A図3Bに示す)ように傾斜させることができ、それによってピストン310をロック位置に保持して、第1の弁330を通る気体流を遮断する。逆に、外側リング610が反時計回りに回転されると、接続ポスト603、603bを内側リング620と共に近位方向に前進させることができ、それによって第1のピストン310をロック解除し、第1のピストン310によって調整されて気体が第1の弁330を流通することが許される(上述した通りである)。
【0057】
チャネルは、外側リング610を時計回りに回転させると第1のピストン310がロック解除され、外側リング610を反時計回りに回転すると第1のピストン310がロックされるように、適切な向きにできることを理解されたい。さらに、圧力調整装置には、追加または代替の適切なロック機構を含めることができる。適切なロック機構は、摺動可能なコネクタを持つねじ式機構、トグルロックなどを含む。
【0058】
図4A図4Cは膨張本体200を示す。例えば、図4Aは、チャネル205aが見える向きとされた膨張本体200の側方斜視図であり、図4Bは膨張本体200の遠位斜視図であり、図4Cは膨張本体200の近位斜視図である。図4A~4Bに示すように、チャネル205a、205bは軸方向に傾斜している。さらに、チャネル205aの傾斜は、接続ポスト630a、630b(図3A図3B)が適切な距離だけ進み得るようになっており、結果としてロック機構の内側リング620は、ロック位置とロック解除位置との間を移動する(上述した通りである)。
【0059】
説明を容易にするために、以下では単一のチャネル、即ちチャネル205aのみを説明する。しかしながら、チャネル205b(図4B)は、チャネル205aの対向側に位置し、チャネル205aと同じにできることを理解されたい。さらに、チャネル205a、205bは所定の向きとすることができ、結果として対向する接続ポストが周方向に移動すると(外側リングが回転するにつれて)、接続ポストが同じ軸方向に移動する。
【0060】
図示した実施形態では、膨張本体200は、チャネル205a内に延びる突起205a’、205a”を含むことができる。例えば、突起205a’は、チャネル205aの上端近くに位置決めすることができ、結果として接続ポストは、突起205a’を通過することができ、それによってチャネル205aに沿って移動することが防止できる(例えば、突起205a’はロック機構をロック解除位置に選択的に保持することができる)。同様に、突起205a”は、チャネル205aの下端近くに位置決めすることができ、結果として接続ポストは突起205a”を通過することができ、それよって選択的に固定することができる(例えば、結果としてロック機構は、ロック位置に選択的に固定される)。多くの適切な要素および/または機構(例えば、ノッチ、止めねじ、戻り止め機構など)が、ロック機構をロック位置および/またはロック解除位置に固定し得ることを理解されたい。
【0061】
一般に、ロック機構600は、圧力調整装置上の任意の適切な位置に配置することができる。実施形態では、ロック機構600は、第1の弁330の近くに(例えば、膨張本体200の遠位端の近くに)位置決めすることができる。例えば、チャネル205aは、膨張本体200のねじ付き壁204および/またはオリフィス202の近くに配置することができる。追加のまたは代替の実施形態では、ロック機構は、膨張本体200の遠位端から離れて位置決めすることができる。
【0062】
膨張本体200は膨張室210を画定している(図4C)。例えば、膨張本体200は、膨張室210を部分的に画定する少なくとも1つの壁部206(例えば、ほぼ円筒形の管状壁)を含むことができる。さらに、膨張本体200は、膨張室210の遠位端を閉じる端壁202aを含むことができる。さらに、端壁202aはオリフィス202を有することができる。近位端において、膨張本体200は、キャップを接続するための接続場所(例えば、ねじ山207(図4C))を含むことができ、それによって膨張室210を接続場所の近位側面上で取り囲む。
【0063】
一部の実施形態では、圧力調整装置は、気体流を方向付けるための邪魔板またはそらせ板を含むことができる。図5は、圧力調整装置100の一部の断面図である。図5に示すように、圧力調整装置100は、膨張本体200の近位端に固定されて膨張室210を取り囲む入口そらせ板700を含む。例えば、入口そらせ板700はねじ山を含み、ねじ山は、ねじ山207に対応してこれと噛み合うことができ、それによって入口そらせ板700を膨張本体200に固定する。
【0064】
一般に、入口そらせ板700は、流入気体入口110を備える中実な本体710を含むことができる。入口そらせ板700を通る気体の流れを矢印で概略的に示す。図示した実施形態では、入口そらせ板700は、流入気体入口110の下流に位置決めされた邪魔板720を含む。例えば、取付け部721が、邪魔板720を中実本体710に固定することができる。取付け部721は、中実本体710に動作可能に結合および/または中実本体710と一体化することができる。例えば、取付け部721は1つ以上の開口部722を有し、開口部722は、気体入口110と動作可能に接続されまたはこれと流体連通している(例えば、気体は、気体入口110を通り、開口部722を通り、邪魔板720を周り、膨張室210内に入るように流れることができる)。実施形態では、開口部722は、気体入口110における気体の流れに対して実質的に垂直に(例えば、圧力調整装置100の軸線に対して垂直に)向けることができる。
【0065】
一般に、邪魔板720は、多くの適切な形状および/または大きさとすることができる。ある実施形態では、邪魔板720は円板形状とすることができる。さらに、邪魔板720の大きさは、邪魔板720の縁部または周辺と、膨張室210を画定する壁部206の内面との間に適切な空間が残るようにする(例えば、邪魔板720の周縁形状と膨張室210の内面とによってこれらの間に定まる隙間内に適切な気体流を生成するために)ことができる。
【0066】
実施形態では、邪魔板720は、角度が付いた又は半球状の近位表面723(例えば、気体入口110に近い表面)を有することができる。例えば、邪魔板720の近位表面723は、圧力調整装置100の気体入口110における気体の流れの方向に対して垂直でない角度に向けることができる。さらに、中実本体710は、邪魔板720の近位表面との間に空間を形成するために、邪魔板720の近位表面に対向する側に遠位表面711を有し、気体は、開口部722を出た後この空間を通って流れることができる。邪魔板720の近位表面723は、中実本体710の遠位表面711から適切な距離だけ離間して、膨張室210内への気体の流れを助長することができる。
【0067】
一般に、入口そらせ板700は、その近位側面において膨張本体200に対して密封することができる(例えば、膨張室210内の気体がその近位側面で漏れるのを防ぐために)。図示した実施形態では、Oリングが、入口そらせ板700の外面と壁部206の内面との間において、気体が膨張室210の近位側面で膨張室210から漏れるのを防ぐように、シールを形成している。入口そらせ板700と膨張本体200との間に多くの適切なシールを、膨張室210からその近位側面で気体が流出するのを防ぐような方式で形成できる(例えば、入口そらせ板700および膨張本体200は、膨張室210を密封するのに適するテーパー付き管ねじ山を有し得る)ことを理解されたい。
【0068】
ある実施形態では、気体供給源は、気体カートリッジ(例えば、二酸化炭素ガスカートリッジ)とすることができる。動作条件によっては、気体カートリッジは、その内部に収容された気体が流出して圧力調整装置100に流入することを可能にするために、貫入性が必要となることがある。例えば、入口そらせ板700は、これに動作可能に固定された、および/または一体化された貫入部730を含むことができる。貫入部730は、気体カートリッジシールを貫通して、気体カートリッジ内の気体が気体入口110に流入するのを許すことができる。貫入部730は中空とすることができ、気体入口110の少なくとも一部に流体接続することができ、および/または気体入口110の少なくとも一部を形成することができる。
【0069】
さらに、入口そらせ板700は、貫入部の近くおよび/またはその周りに配置されたシールを含むことができる。例えば、Oリング740が、貫入部730を取り囲んで、気体カートリッジの周りを密封することができ、それによって気体カートリッジと貫入部730との間の気体漏れを防止または制限する(例えば、結果として気体が気体入口110に強制流入される)。
【0070】
上述したように、気体は、膨張室210から第1の弁330の中空突起201内に流れることができる。ある実施形態では、圧力調整装置100は、中空突起201に動作可能に接続された調整器流入部材800を含むことができる。一般に、調整器流入部材800は、突起201および第1の弁330から近位方向で外向きに膨張室210内に延びることができる。
【0071】
例えば、調整器流入部材800は、通路802を有する壁部801を有することができ、膨張室210内の気体は、通路802を通って第1の弁330に向かっておよび/またはこの中に流入することができる。調整器流入部材800は、多くの適切な形状とすることができる。例えば、調整器流入部材800はテーパー付き管(例えば、円錐形テーパ付き管)とすることができ、結果として管流入部材800およびその内部の開口部は、近位端(すなわち、膨張室210から気体が流入する場所)において、近位端からより遠位の場所における開口部よりも狭い。
【0072】
調整器流入部材800は、中空突起201に、多くの適切な機構を用いて接続および/または固定することができる。図示した実施形態では、調整器流入部材800は、中空突起201の少なくとも一部の周りを包み込むことができるソケット803を含む。例えば、中空突起201は、ほぼ円筒形の外面を有することができ、ソケット803は、中空突起201と相補的な形状としてその周りを少なくとも部分的に密封することができ、これにより膨張室210内の気体は圧力調整器内に(例えば、第1の弁330内に)に導かれる。
【0073】
一般に、気体を膨張室210に供給するために、圧力調整装置100に任意の気体供給源を動作可能に接続することができる。上述したように、少なくとも1つの実施形態では、圧力調整装置100に気体カートリッジが接続できる。図6は、圧力調整装置100のうちその近位端付近にある部分の断面図である。図示した実施形態では、圧力調整装置100は気体カートリッジキャップ500を含み、気体カートリッジキャップ500は、全体的に、相補的形状の気体カートリッジを収容するような形状および大きさとされている。例えば、気体カートリッジキャップ500は、圧力調整装置100の膨張本体200に固定され、それによって気体カートリッジを圧力調整装置100に固定する(例えば、Oリング740とのシールを維持するために)。
【0074】
実施形態では、気体カートリッジキャップ500はねじ付き部501を含み、膨張本体200は対応するねじ付き部208を含む(例えば、気体カートリッジキャップ500のねじ付き部501は雄ねじを有し、膨張本体200のねじ付き部208は雌ねじを有することができる)。例えば、気体カートリッジキャップ500および膨張本体200を螺合させおよび/または締め付けると、気体カートリッジは、圧力調整装置100におよび/またはその内部に固定することができる。さらに、気体カートリッジキャップ500および膨張本体200を螺合させおよび/または締め付けると、気体カートリッジは、貫入部730に向かって押され、それによって気体カートリッジのシールが突き通されかつ気体カートリッジをOリング740によって密封することができる。
【0075】
図2A~2Bに戻って参照すると、上述したように、圧力調整装置100は、第1段の調整器301および第2段の調整器302を含むことができる。一般に、圧力調整装置100は任意の段数を有することができる。さらに、圧力調整装置100の1つ以上の段の調整器用のピストンは、多くの適切な形状および/または構成にすることができる。例えば、圧力調整装置100の第1段および/または第2段の調整器のピストンの軸方向に有効な表面積は、その近位側面においてその遠位側面におけるよりも大きくすることができる。これに加えてまたはこの代わりに、ピストンは、これを貫通する1つ以上の通路を有することができ、それによりピストンを通り、圧力調整装置100の次の段にまたは気体出口120に至る気体流が許容されまたは助長される。
【0076】
図7A図7Eは、ある実施形態による第1段の調整器の第1のピストン310を示す。図7Aは、第1のピストン310の近位側面311aの図であり、図7Bは、第1のピストン310の近位側面311aの拡大部分の図である。図7Cは、第1のピストン310の遠位側面311bの図であり、図7Dは、第1のピストン310の遠位側面311bの拡大部分の図である。図7Eは第1のピストン310の断面図である。
【0077】
実施形態では、第1のピストン310は、中心ステム313と交互配置された引込面314と隆起面315との間に形成された多数の通路312を含む。引込面314および隆起面315は、第1のピストン310の近位側面311a上において、圧力調整装置100の頂面318から引き込められている。さらに、引込面314および隆起面は、凹所319の底部(例えば、不均一な底部)を形成することができる(例えば、引込面314および隆起面315は、頂面から異なる距離だけくぼむことができる)。
【0078】
図示した実施形態では、第1のピストン310は3つの通路312を含む。通路312は、引込面314と中心ステム313との間に形成することができる。さらに、通路312は、出口通路316につながることができる(例えば、出口通路316から出た後、気体は、後続の段に流れることができる)。第1のピストン310は、多くの通路を有し得ることも理解されたい。図示した実施形態では、第1のピストン310の移動方向に対してほぼ垂直に向けられた近位側面311aの全表面積は、外周311a’の内側に位置している(図7E)。第1のピストン310の移動方向に対してほぼ垂直に向けられた遠位側面311bの全表面積は、外周311b’の内側に位置している(図7E)。
【0079】
上述したように、第1のピストン310の一部は、オリフィス202(図2A図2B)に嵌入するような大きさおよび構成にすることができる。例えば、中心ステム313の少なくとも一部は、オリフィス内に嵌入するような大きさおよび構成にすることができる。図示した実施形態では、中心ステム313の上部313aは、その下部313bよりも小さく、中心ステム313の上部313aは、オリフィス内に嵌入するような大きさおよび形状にされている。
【0080】
上述したように、第1のピストン310は、圧縮ばねによって近位方向に付勢することができる。例示した実施形態に示すように、第1のピストン310は、ばねを支持し得るフランジ317を含むことができる。例えば、フランジ317は、ばねを支持する大きさにできることが好適であり、結果としてばねは、フランジ317を押圧して、第1のピストン30を近位方向に付勢することができる。
【0081】
図8A図8Bは、第2段の調整器の第2のピストン360を示す。図8Aは第2のピストン360の平面図であり、図8Bは第2のピストン360の断面図である。第1のピストン310(図7A図7E)と同様に、第2のピストン360は、その近位側面361の軸方向(移動方向)で有効な表面積が遠位側面362の同様の表面積よりも大きくなるようにできる。さらに、第2のピストン360は、出口通路364に接続されおよび/またはこれと流体連通する1つ以上の通路363を含むことができる。上述したように、出口通路364から流出する気体は、圧力調整装置の気体出口に流れることができる(例えば、第2のピストン360が二段式調整器圧力調整装置の第2段の調整器に含まれるとき)。
【0082】
図示した実施形態では、第2のピストン360の移動方向に対してほぼ垂直に向けられた近位側面361の全表面積は、外周361a(図8B)の内側に位置する。第2のピストン360の移動方向に対してほぼ垂直に向けられた遠位側面362の全表面積は、第2のピストン360の外周362a(図7E)の内側に位置する。
【0083】
実施形態では、第2のピストン360は、ほぼ環状の凹所365を含む(例えば、凹所は、頂面366と引込面365aとの間に形成することができる)。さらに、第2のピストン360は、通路363を形成する別の凹所を含むことができ、通路363は、引込面365a内にまたは引込面365aから下方の引込面363aまで、凹所によって形成することができる。それ故に、気体は、第2のピストン360の凹所365に入り、通路363に入りおよび出口通路364から出るように流れることができる。
【0084】
第2のピストン360は中心ステム367を含むことができ、通路363は、ステム367の周りに配置することができる。図示した実施形態では、第2のピストン360は3つの通路363を有する。追加の又は代替の実施形態では、第2のピストン360は、3つよりも少ない又は多い通路を有し得ることを理解されたい。
【0085】
上述したように、第2のピストン360の一部は、オリフィス223(図2A図2B)に嵌入するような寸法および構成にすることができる。例えば、中心ステム367の少なくとも一部が、オリフィス内に嵌入するような大きさおよび構成にすることができる。図示した実施形態では、中心ステム367の上部367aはその下部367bよりも小さく、中心ステムの上部367aは、オリフィス内に嵌入するような大きさおよび形状とされている。
【0086】
上述したように、圧力調整装置は、装置の較正を助長するために、圧力計400などの圧力計を含みおよび/またはこれに動作可能に結合することができる。図9A図9Cは、ある実施形態による圧力計400を示す。図9Aは圧力計400の正面図であり、図9Bは、第1の圧力P1の作用時の圧力計400の断面図であり、図9Cは、第1の圧力P1よりも大きい第2の圧力P2の作用時の圧力計400の断面図である。
【0087】
上述したように、圧力計400の一部は、調整器キャップ230によって形成することができる。調整器キャップ230にエンドキャップ410が接続され(例えば、中間調整器本体220(図2A図2B)に接続することができる)、エンドキャップ410および調整器キャップ230は、一緒に、指示器ピストン420を取り囲みおよび/または保持することができる。具体的には、気体出口120において受ける気体圧力は、指示器ピストン420によって受ける圧力とほぼ同じにすることができる。
【0088】
図示した実施形態では、圧力計400は、指示器ピストン420を近位方向に付勢するばね430を含む。ばね430は、選択しおよび/または較正する(例えば、短縮する、事前に圧縮するなど)ことができ、結果として指示器ピストン420は、選択圧力に対応する選択された変位または距離だけ遠位方向(すなわちエンドキャップ410に対して外方に)に移動する(例えば、圧力を加えることに応答して指示器ピストン420が遠位方向に移動する距離は、加わった圧力に比例することができる)。
【0089】
指示器ピストン420は、その上にスケール(物差し)440を含むこと(例えば、プリントされ、取り付けるなど)ができる。指示器ピストン420がエンドキャップ410に対して外向きに移動するにつれて、スケール440上の目盛りまたは目印が見えるようになり、検出または決定された圧力に対応するものとして識別することができる。例えば、図9Bにおいて、圧力計400は第1の圧力Pを示し、スケール440は第1の圧力Pを確認できる態様(例えば、圧力調整装置の使用者または操作者に)で露出している。図9Bにおいて、圧力計400は第2の圧力Pを示し、スケール440は、第2の圧力P(P>P)を確認できる態様で露出している。
【0090】
ある実施形態では、圧力計400は、指示器ピストン420の近位端に(例えば、気体出口120の近くに)配置することができる圧力シール450を含む。例えば、圧力シール450は、調整器キャップ230の内壁に対して密封し、この内壁は、指示器ピストン420および圧力シール450が内部に配置される室を画定することができる。例えば、加圧気体は、圧力シール450に圧力を加えることができ、圧力シール450は、指示器ピストン420に遠位方向の力を加える(例えば、圧力シール450の面積に比例して)ことができる。ある実施形態では、指示器ピストン420は、少なくとも部分的に中空とすることができ、圧力シール450の1つ以上の部分は、指示器ピストン420の中空空間または空洞の少なくとも一部の内側に嵌め込むことができる(それによって、圧力シール450および指示器ピストン420を一緒に結合する)。何れにしても、圧力シール450は、指示器ピストン420と一緒に遠位方向に前進することができ、それによって加わる圧力(例えば、気体出口120におけるまたはその近くの圧力)を表示する方式で、指示器ピストン420を移動させかつそのスケール440を露出させる。
【0091】
上述したように、圧力調整装置は、多くの適切な追加のまたは代替の装置に動作可能に結合することができる。図10Aおよび10Bは、加圧カフ式圧力調整装置1000に動作可能に結合された圧力調整装置100を示す。具体的には、本明細書に記載した圧力調整装置100などの圧力調整装置は、加圧カフ式圧調整装置1000に適切な圧力の圧縮気体を供給することができる。ある実施形態では、加圧カフ式圧調整装置1000は、1つ以上の要素または装置を特定のまたは選択された圧力で(圧力調整装置100によって制御される)圧縮するために使用することができる。例えば、流体または溶液の静脈用バッグ(例えば、静脈注射用)が加圧カフ式圧調整装置1000の内部に設置され、加圧カフ式圧力調整装置1000は、静脈用バッグを圧縮して、静脈用バッグから出て患者に至る適切な流体の流れを生成する。それ故に、例えば静脈用バッグから出る流体の重力送りでは静脈用バッグを垂直に吊す必要があるが、その代わりに、静脈用バッグからの流出は、加圧カフ式圧力調整装置1000が静脈用バッグに加える圧力によって生成され、上述した圧力制御装置100によって制御することができる。
【0092】
上述したように、膨張室を定める膨張本体の内面は、ほぼ平滑にすることができる。代わりに、膨張本体は、その内面上に多くの適切な特徴部を有することができる。図11は、ある実施形態による膨張本体200cの断面図である。本明細書において別途記載される場合を除いて、膨張本体200cの要素および特徴は、膨張本体200(図2A図2C)の要素および特徴と類似しまたは同一にすることができる。
【0093】
膨張本体200cは、壁部206cによって画定された膨張室210cを有することができる。例えば、壁部206cは、気体が膨張室210cを流れるとき室内部の流体中の熱平衡を高める手段を含む、内面を有することができる。この手段は、壁部206cの内面に配置された溝またはリブ209cを含むことができる。
【0094】
膨張室210cは、1つ以上の噴出口205cのような1つ以上の安全機構をさらに含むことができる。噴出口205cの向きは、膨張室の圧力を大気圧に通じる中間空洞に解放する一方、膨張室が過度に加圧された場合は、人間を保護するために、解放された圧力流れの直接経路を塞ぐようになっている。
【0095】
一般に、噴出口205cは、膨張本体200cの壁部206cの制御不能な損傷を防止するために、選択圧力で破裂するように構成できる。実施形態では、噴出口205cは、1つ以上の応力集中点または亀裂発生点(例えば、鋭いかど)を含み、応力集中点などで噴出口205cが損傷し始めることができる(例えば、結果として噴出口205cの損傷は、噴出口205cの選択された位置またはその一部で始まる)。
【0096】
らせんリブ209cにより、流体と壁部206cの内面との接触時間が増し、膨張室210c内を流れる気体による熱伝達を増すことができる。図11に示した装置は、らせんリブ209cを含むが、壁部206cの内面上に、任意の適切なまたは類似の構造を配置し、または壁面206cの内面にこれを少なくとも部分的に形成することができる。
【0097】
上述したように、圧力調整装置は、内側リングおよび外側リングを有するロック機構を備えることができる。図12A図12Cはある実施形態による外側リング610を示し、図12D図12Eは同じく内側リング620を示す。
【0098】
上述したように、ロック機構は、外側リング610と、内側リング620と、外側リング610と内側リング620とを接続する接続ポスト630a、630bとを含むことができる。図12D図12Eに示すように、内側リング620は、接続ポスト630a、630bに対応する開口部625a、625bを含むことができる。例えば、接続ポスト630a、630bは、外側リング610と一体化することができ、開口部625a、625bの対応する1つと整列してこの1つに嵌るような大きさ及び形状にすることができる。内側リング620を圧力調整装置内の適切な位置に位置決めした後、外側リング610は、内側リング620上に位置決めすることができ(上述した通り)、接続ポスト630a、630bは、開口部625a、625bに入り、それによって外側リング610および内側リング620を一緒に固定する。
【0099】
ある実施形態では、外側リング610は、2つの部分、即ち第1の部分610aおよび第2の部分610bを含み、これは図12A図12Cに示す通りである。例えば、第1および第2の部分610a、610bは、スナップ結合することができる(例えば、ロック機構の組み立てを助長するために)。図12Cに示すように、第1の部分610aは、留め具611aおよびスナップフック式外側リング612aを含むことができる。第2の部分610bは、留め具611aの上にスナップ留めする相補的なスナップフックと、第1の部分610aのスナップフック612aを受け入れる相補的な留め具とを含むことができる。例えば、接続ポスト630a、630bは、対応する開口部625a、625bと位置合わせしおよび/またはこれに挿入することができ、その後、第1および第2の部分610a、610bは、スナップ嵌めして一緒に固定することができる。第1および第2の部分610a、610bは、多くの適切な接続機構を用いて一緒に結合できることも理解されたい。
【0100】
ある実施形態では、内側リング620は、その縁部に頂部621a~621cのような2つ以上の頂部を含むことができる。頂部621a~621cは、第1段の調整器ピストンに係合することができる(上述した通り)。例えば、頂部621a~621cに隣接する縁部をくぼませると(例えば、頂部621a~621cを形成しまたは定めるために)、ピストンとの接触面積が減少し(くぼみがない連続縁部と比べて)、それにより内側リング620とピストンとの間の摩擦力を低下させることができ、それによってピストンに対する外側リング610の回転し易さを助長する。
【0101】
上述したように、第1の弁の上流に調整器流入部材を取り付けることができる。図13は、ある実施形態による調整器流入部材800aの断面図である。本明細書において別途に記載されている場合を除き、調整器流入部材800aの要素及び特徴は、調整器流入部材800(図5)の要素及び特徴と同様または同じにすることができる。例えば、調整器流入部材800aは、ソケット803(図5)と同様のソケット803aを含むことができる。
【0102】
図示した実施形態では、調整器流入部材800aは、その近位端(例えば、上流端)の上限を定める通路802aを含む。さらに、調整器流入部材800aは、その壁部を貫通して通路802aまで延びる側面穴804aを含み、結果として気体は、側面穴804aを通って通路802a内に流れることができる。一般に、側面穴804aおよび/または通路802aは、各実施形態に応じて、多くの適切な形状および/または大きさにすることができる。
【0103】
さらに、調整器流入部材800aは、前面邪魔板805aを含むことができる。一般に、邪魔板805aは、多くの適切な形状および大きさにすることができる。実施形態では、邪魔板805aは、ほぼ円板形状とすることができる。追加のまたは代替の実施形態では、邪魔板805aは、正方形、楕円形などにすることができる。
【0104】
図示した実施形態では、邪魔板805aは、側面穴804aの近位側面または上流側に位置決めされている。一部の実施形態では、調整器流入部材は、多数の邪魔板を有することができる。図14は、実施形態による調整器流入部材800bの断面図である。本明細書において別途に記載されている場合を除いて、調整器流入部材800bの要素および特徴は、調整器流入部材800a(図13)の要素および特徴と同様または同じにすることができる。例えば、調整器流入部材800bは、通路802bと、通路802bと流体連通する側面穴804bとを含むことができ、前面邪魔板805bをさらに含むことができる。図示した実施形態では、調整器流入部材800bは、邪魔板805bの下流または遠位方向に位置決めできる後面または二次邪魔板806bを含む。一部の実施形態では、邪魔板805bおよび806bは、側面穴804bがそれらの間に位置するように位置決めできる(例えば、側面穴804bの中心は、邪魔板805b、806bの対向面から等しい距離だけ離間することができる)。
【0105】
上述したように、入口そらせ板は、多くの適切な形状および/または構成にすることができる。図15は、実施形態による入口そらせ板700aの斜視図である。本明細書において別途に記載されている場合を除いて、入口そらせ板700aの要素および特徴は、入口そらせ板700(図5)の要素および特徴と同様または同じにすることができる。例えば、入口そらせ板700aは、入口そらせ板700(図5)の邪魔板720と同様の邪魔板720aを含む。
【0106】
図示した実施形態では、邪魔板720は切り欠き725aを含む。一般に、切り欠き725aは、多くの適切な形状および/または大きさにすることができる。さらに、邪魔板720aは、その上面に多くの切り欠き725aを有することができる。例えば、切り欠き725aの大きさ及び/又は数を増加させると、邪魔板720aに対する気体流速は低下させることができる。
【0107】
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。記載された実施形態は、全ての点において例示的であり、制限的ではないとみなされる。本発明の範囲は、したがって、上記の説明によってではなく、添付の請求項によって示される。請求項の意味および均等範囲内に入る全ての変更は、請求項の範囲内に包含される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15