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特許7009446通信方法、ネットワーク・デバイスおよび端末デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】通信方法、ネットワーク・デバイスおよび端末デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20220118BHJP
   H04W 52/34 20090101ALI20220118BHJP
   H04W 52/38 20090101ALI20220118BHJP
【FI】
H04J99/00 100
H04W52/34
H04W52/38
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019507086
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 IB2017001211
(87)【国際公開番号】W WO2018029541
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2019-04-03
(31)【優先権主張番号】201610647599.7
(32)【優先日】2016-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル・ルーセント
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ズオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】ショーバー,カロル
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/187298(WO,A1)
【文献】3GPP TR36.859 V13.3.0,2016年01月08日,p.11-16
【文献】Sony,Considerations of Efficient Control Signaling for MUST[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-162562,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-162562.zip>,2016年04月01日
【文献】ASUSTeK,Discussion on Downlink Control Signaling for MUST[online], 3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-157239,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-157239.zip>,2015年11月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04W 52/34
H04W 52/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク・デバイスにおいて実装される通信方法であって、
マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するステップであって、前記電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の前記マルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、決定するステップと、
前記電力割振り情報を前記ニア端末デバイスに動的に送信するステップと
を含み、
マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定する前記ステップは、
前記ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定するステップであって、前記ペアリング情報は、前記マルチユーザ重畳送信を実行するために前記ニア端末デバイスが前記複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す、決定するステップと、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定するステップであって、前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の前記ペアリング情報、
前記複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、および
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含む、決定するステップとを含み、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定する前記ステップは、
前記マルチユーザ重畳送信が、前記複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、前記複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振るステップを含む、通信方法。
【請求項2】
マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定する前記ステップは、
前記ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定するステップであって、前記ペアリング情報は、前記マルチユーザ重畳送信を実行するために前記ニア端末デバイスと前記ファー端末デバイスとが前記空間レイヤ上でペアリングされるかどうかを示す、決定するステップと、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定するステップであって、前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと前記ファー端末デバイスとの間の前記ペアリング情報、および
前記ニア端末デバイスと前記空間レイヤ上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含む、決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定する前記ステップは、
前記マルチユーザ重畳送信が前記複数の空間レイヤのうちの1つの上で実行される場合、前記マルチユーザ重畳送信が実行される空間レイヤに、前記マルチユーザ重畳送信が実行されない、前記複数の空間レイヤのうちの空間レイヤに割り振られた電力よりも大きい電力を割り振るステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記電力割振り情報を前記ニア端末デバイスに動的に送信する前記ステップが、
サブフレーム中のダウンリンク制御情報中で前記電力割振り情報を送信するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
端末デバイスにおいて実装される通信方法であって、前記端末デバイスが、ネットワーク・デバイスのニア端末デバイスであり、前記方法は、
前記ネットワーク・デバイスから、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するステップであって、前記電力割振り情報が、前記ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の前記マルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、受信するステップと、
前記電力割振り情報に基づいて前記ニア端末デバイスに送信される基準信号のための送信電力を決定するステップと
を含み、
前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、
前記複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、および
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含み、
前記電力割振り情報は、前記マルチユーザ重畳送信が、前記複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、前記複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振ることを含む、通信方法。
【請求項6】
前記ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信する前記ステップが、
サブフレーム中のダウンリンク制御情報から前記電力割振り情報を受信するステップ
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、および
前記ニア端末デバイスと前記空間レイヤ上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記基準信号のための送信電力を決定する前記ステップが、
前記ペアリング情報に基づいて、前記ニア端末デバイスが、前記ファー端末デバイスとの前記マルチユーザ重畳送信を実行するかどうかを決定するステップと、
前記ニア端末デバイスが、前記ファー端末デバイスとの前記マルチユーザ重畳送信を実行すると決定したことに応答して、前記電力割振りの前記指示に基づいて、前記ニア端末デバイスに送信される前記基準信号のための前記送信電力を決定するステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基準信号のための送信電力を決定する前記ステップが、
前記ペアリング情報に基づいて、前記複数の空間レイヤから前記マルチユーザ重畳送信を実行するための空間レイヤのグループを決定するステップと、
前記複数の空間レイヤの間の前記電力割振りの前記指示に基づいて、空間レイヤの前記グループ中の各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力を決定するステップと、
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上の前記ファー端末デバイスとの間の前記電力割振りの前記指示と、前記決定されたレイヤ電力とに基づいて、空間レイヤの前記グループ中の各空間レイヤ上の前記ニア端末デバイスに送信される前記基準信号のための前記送信電力を決定するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するように構成されたコントローラであって、前記電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の前記マルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、コントローラと、
前記電力割振り情報を前記ニア端末デバイスに動的に送信するように構成されたトランシーバと
を備え、
前記コントローラは、
前記ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定することであって、前記ペアリング情報は、前記マルチユーザ重畳送信を実行するために前記ニア端末デバイスが前記複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す、決定することと、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定することであって、前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の前記ペアリング情報、
前記複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、および
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含む、決定することと
を行うようにさらに構成され、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定することは、
前記マルチユーザ重畳送信が、前記複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、前記複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振ることを含む、ネットワーク・デバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定することであって、前記ペアリング情報は、前記マルチユーザ重畳送信を実行するために前記ニア端末デバイスと前記ファー端末デバイスとが前記空間レイヤ上でペアリングされるかどうかを示す、決定することと、
前記ペアリング情報に基づいて前記電力割振り情報を決定することであって、前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと前記ファー端末デバイスとの間の前記ペアリング情報、および
前記ニア端末デバイスと前記空間レイヤ上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含む、決定することと
を行うようにさらに構成された、請求項10に記載のネットワーク・デバイス。
【請求項12】
端末デバイスであって、前記端末デバイスが、ネットワーク・デバイスのニア端末デバイスであり、
前記ネットワーク・デバイスから、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するように構成されたトランシーバであって、前記電力割振り情報が、前記ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の前記マルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、トランシーバと、
前記電力割振り情報に基づいて前記ニア端末デバイスに送信される基準信号のための送信電力を決定するように構成されたコントローラと
を備え、
前記電力割振り情報が、
前記ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、
前記複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、および
前記ニア端末デバイスと前記複数の空間レイヤの各々の上の前記ファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示
のうちの1つまたは複数を含み、
前記電力割振り情報は、前記マルチユーザ重畳送信が、前記複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、前記複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振ることを含む、端末デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に通信技術に関し、より詳細には、ネットワーク・デバイスおよび端末デバイスにおいて実装される通信方法、ならびに対応するネットワーク・デバイスおよび端末デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチユーザ重畳送信(MUST:multiuser superposition transmission)技術が提案および議論されている。MUST技術は、通常、複数のユーザの複数のデータ・ストリームを同じ時間、周波数および/または空間リソースにおいて送信すること、ならびに干渉消去または反復復号によって受信端において異なるユーザのデータを復元することを指す。実装形態では、MUST技術は、コード領域、電力領域、コンスタレーション領域(またはビット領域)などの重畳を伴う。適用シナリオに関して、MUST技術は、ダウンリンク送信およびアップリンク送信を伴う。
【0003】
通信ネットワークがより高いトラフィック負荷を有する場合、MUST技術を使用することによって通信ネットワークにより多くの容量利得をもたらすように、複数のユーザ機器(UE)がペアリングされ得る。一般に、MUSTペアリングの可能性を増加させるために、ニアUEとファーUEとが、動的にペアリングされ得、たとえば、異なる空間レイヤ上でまたは異なるサブバンド中でペアリングされ得る。さらに、MUST送信と非MUST送信とが、いくつかの通信ネットワークにおいて共存し得、動的なやり方で切り替えられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、MUST送信と非MUST送信との動的ペアリングまたは動的切替えの場合に、従来の電力割振り手法は、MUSTペアリングの変更および/またはMUST送信と非MUST送信との動的切替えに適応することができない。たとえば、動的MUSTペアリング、特に、サブフレームごとのMUSTと非MUSTとの間のUEの切替えの場合に、UEが、UEとペアリングされるさらなるUEの信号を検出すること、ましてや、さらなるUEの信号によって引き起こされる干渉を消去することが困難である。それにより、システム性能は、著しく劣化されることになる。
【0005】
その上、2つの空間レイヤをもつランク2MUSTニアUEの場合、MUSTが2つのレイヤのうちの(「第1のレイヤ」とも呼ばれる)一方のレイヤ上で実行され、単一のユーザ送信が(「第2のレイヤ」とも呼ばれる)他方のレイヤ上で実行される場合、および送信電力が2つの空間レイヤ間で等しくスプリットされる場合、第2のレイヤ上での通信が、第1のレイヤ上での通信への著しい干渉を引き起こし得る。したがって、第1のレイヤ上のMUSTニアUEにおける信号検出の性能が劣化されることになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本開示の実施形態は、ネットワーク・デバイスおよび端末デバイスにおいて実装される通信方法、ならびに対応するネットワーク・デバイスおよび端末デバイスを提案する。
【0007】
第1の態様では、本開示の実施形態は、ネットワーク・デバイスにおいて実装される通信方法を提供する。本方法は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するステップであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、決定するステップと、電力割振り情報をニア端末デバイスに動的に送信するステップとを含む。
【0008】
この態様では、本開示の実施形態は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するように構成されたコントローラであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、コントローラと、電力割振り情報をニア端末デバイスに動的に送信するように構成されたトランシーバとを備える、ネットワーク・デバイスをさらに提供する。
【0009】
本開示の実施形態は、ネットワーク・デバイスをさらに備える。本ネットワーク・デバイスは、プロセッサと、命令を記憶したメモリとを備え、命令は、プロセッサによって実行されたとき、本ネットワーク・デバイスに、本態様による方法を実行させる。
【0010】
本開示の実施形態は、装置をさらに備える。本装置は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するための手段であって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、決定するための手段と、電力割振り情報をニア端末デバイスに動的に送信するための手段とを備える。
【0011】
第2の態様では、本開示の実施形態は、端末デバイスにおいて実装される通信方法を提供する。端末デバイスは、ネットワーク・デバイスのニア端末デバイスである。本方法は、ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するステップであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、受信するステップと、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するステップとを含む。
【0012】
この態様では、本開示の実施形態は、端末デバイスをさらに提供する。本端末デバイスは、ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するように構成されたトランシーバであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、トランシーバと、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するように構成されたコントローラとを備える。
【0013】
本開示の実施形態は、端末デバイスをさらに備える。本端末デバイスは、プロセッサと、命令を記憶したメモリとを備え、命令は、プロセッサによって実行されたとき、本端末デバイスに、本態様による方法を実行させる。
【0014】
本開示の実施形態は、装置をさらに備える。本装置は、ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するための手段であって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、受信するための手段と、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するための手段とを備える。
【0015】
以下の説明から理解されるように、本開示の実施形態によれば、MUSTニア・ユーザ機器の電力割振りが動的に示され得、したがって、ニア・ユーザ機器における信号検出成功の確率が増加される。このようにして、より低いシグナリング・オーバーヘッドおよびシステム複雑さの前提の下で、MUSTペアリングの確率およびMUSTによって与えられる容量が著しく改善され得、さらに、システム性能が効果的に改善され得る。
【0016】
発明の概要部分で説明される内容は、本開示の実施形態の主要なまたは重要な特徴を限定するものではなく、または本開示の範囲を限定するために使用されないことを諒解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明からより理解しやすくなるであろう。
【0017】
本開示の様々な実施形態の上記および他の特徴、利点および態様は、同じまたは同様の参照番号が同じまたは同様の要素を示す、添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読めば明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実施形態が実装される例示的な通信ネットワークを示す図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、MUST構成を示す図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、ネットワーク・デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、ネットワーク・デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、ネットワーク・デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法のフローチャートである。
図9】本開示のいくつかの実施形態による、ランク2MUSTの電力割振りの概略図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、装置のブロック図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、装置のブロック図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態は、本開示のいくつかの実施形態が示された添付の図面を参照しながら、より詳細に説明される。しかしながら、本開示は、様々な様式で実装され得、したがって、本明細書で開示される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。見方を変えれば、それらの実施形態は、本開示の周到で完全な理解のために提供される。添付の図面および本開示の実施形態は、本開示の保護範囲を限定するのではなく、説明のためのものにすぎないことを理解されたい。
【0020】
ここで使用される「ネットワーク・デバイス」という用語は、基地局または通信ネットワークにおける特定の機能をもつ他のエンティティまたはノードを指す。「基地局(BS)」は、ノードB(ノードBまたはNB)、発展型ノードB(eノードBまたはeNB)、リモート無線ユニット(RRU)、無線周波数ヘッド(RH)、リモート・ラジオ・ヘッド(RRH)、リピータ、またはピコセル、フェムト・セルなどの低電力ノードを表し得る。本開示のコンテキストでは、「ネットワーク・デバイス」および「基地局」という用語は、互換的に使用され得、概して、eNBは、説明のためにネットワーク・デバイスの一例と見なされる。
【0021】
ここで使用される「端末デバイス」または「ユーザ機器(UE)」という用語は、ネットワーク・デバイスまたは互いとのワイヤレス通信を実行することができる任意の端末デバイスを指す。一例として、端末デバイスは、モバイル端末(MT)、加入者局(SS)、ポータブル加入者局(PSS)、移動局(MS)またはアクセス端末(AT)、および上記のオンボード・デバイスを備え得る。本開示のコンテキストでは、「端末デバイス」および「ユーザ機器」という用語は、説明のために互換的に使用され得る。
【0022】
ここで使用される「ダウンリンク・マルチユーザ重畳送信」(または「DL MUST」)という用語は、基地局から複数の端末デバイスへのDL信号が、送信において重畳される(または組み合わせられる)ことを指す。この場合、基地局から端末デバイスによって受信される信号は、それ自体の信号(または「有用な信号」と呼ばれる)だけでなく、他の端末デバイスの信号(または「干渉信号」と呼ばれる)をも含む。
【0023】
ここで使用される「空間レイヤ」という用語は、空間送信チャネルレイヤを指す。相互に分離された空間レイヤが、複数の送信アンテナについて特定の重みベクトルを構成することによって形成され得る。ここで使用される「備える、具備する、含む(comprise)」、「含む、有する(include)」という用語およびそれらの変形態は、「限定はしないが、含む」を意味するオープン用語として読まれるべきである。「に基づいて」という用語は、「に少なくとも部分的に基づいて」として読まれるべきである。「一実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれるべきであり、「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読まれるべきである。他の用語の定義が、下記の説明において提示される。
【0024】
上記で説明されたように、従来のソリューションは、サブフレームごとのMUST UEの動的ペアリングを実行することと、UEを異なる空間レイヤ上の複数の他のUEとペアリングすることとを提案した。しかしながら、動的ペアリング、特にサブフレームごとのMUST構成と非MUST構成との間のUEの動的切替えの場合に、ペアリングされたニアUEの側において信号を正しく検出するように、他のデバイスからの干渉を消去する必要がある。
【0025】
従来のソリューションは、UEが、ペアリングされたUEの信号を検出することを支援するように、サービスeNBからUEにいくつかの候補パラメータを送ることを提案している。その上、UEは、さらに、ブラインド検出を通して他のパラメータを取得することができる。とはいえ、これらの候補パラメータは、上位レイヤ・シグナリングを介して、長い時間間隔において送られるにすぎないことがある。MUSTペアリング(または切替え)が異なるサブフレーム中で動的に更新されるとき、これらのパラメータは、UE側における信号検出においてうまく動作することができない。さらに、UEがブラインド検出を通してすべてのパラメータを取得する場合、UEにとって復号の複雑さがあまりに高くなり、時間がかかる。一方、そのようなブラインド検出は、動的MUSTペアリングまたは切替えに適応することができない。
【0026】
したがって、UEが有用な信号を正常に検出することを可能にするために、動的MUSTペアリングまたは切替えにおいてUEの信号検出に対する干渉を消去するように、UEが、電力割振り情報など、これらのパラメータを順当に取得することができるような有効な手法が必要である。これは、旧来、eNBがニアUEよりもファーUEに高い電力を割り振り、したがって、ペアリングされたUEからの干渉がニアUEにおいてより強いので、MUSTペアリングにおけるニアUEに特に有益である。本開示のコンテキストでは、(「ファーUE」とも呼ばれる)ファー・ユーザ機器および(「ニアUE」とも呼ばれる)ニア・ユーザ機器は、それぞれ、ネットワーク・デバイス(たとえば、eNB)から遠く離れたUE、およびMUSTペアリングにおけるネットワーク・デバイスに近いUEを指す。特に、ランク2および2つの空間レイヤをサポートするニアUEが、1つの空間レイヤのみ上の1つのファーUEとペアリングされる場合、またはニアUEが、1つの空間レイヤ上の1つのファーUEとペアリングされ、別の空間レイヤ上の別のファーUEとペアリングされる場合、そのような干渉は、特に著しいであろう。
【0027】
これらおよび他の潜在的問題を克服するために、本開示の実施形態は、通信方法を提供する。本方法では、ネットワーク・デバイスが、電力割振り情報をニア・ユーザ機器に送り得る。電力割振り情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するための、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上の(1つまたは複数の)ファー端末デバイスとの間の電力割振りを示す。したがって、ニア端末デバイスは、受信された電力割振り情報に基づいて基準信号を検出することができ、それにより、他のデバイスからの信号干渉を消去し、信号検出の成功確率を増加させ、システム性能を改善する。
【0028】
図1は、本開示の実施形態が実装され得る例示的な通信ネットワーク100を示す。通信ネットワーク100は、ネットワーク・デバイス140と、3つの端末デバイス、すなわち第1の端末デバイス110、第2の端末デバイス120および第3の端末デバイス130とを備える。ネットワーク・デバイス140は、3つの端末デバイス110~130と通信することができる。したがって、3つの端末デバイス110~130は、ネットワーク・デバイス140を介して互いと通信することができる。図1に示されているネットワーク・デバイスの数および端末デバイスの数は、いかなる限定をも示唆することなく、説明のためのものにすぎないことを理解されたい。ネットワーク100は、任意の適切な数のネットワーク・デバイスおよび/または端末デバイスを含み得る。
【0029】
図示のように、この例では、第1の端末デバイス110は、ネットワーク・デバイス140に近く、第2の端末デバイス120および第3の端末デバイス130は、ネットワーク・デバイス140から遠く離れている。これは、限定ではなく、例示にすぎないことを理解されたい。3つの端末デバイス110~130は、ネットワーク・デバイス140に近いかまたはネットワーク・デバイス140から遠いかのいずれかの任意の位置にあり得る。この例では、第1の端末デバイス110は、「ニア端末デバイス110」と呼ばれることがあり、第2の端末デバイス120および第3の端末デバイス130は、それぞれ、「ファー端末デバイス120」および「ファー端末デバイス130」と呼ばれることがある。
【0030】
本開示の実施形態によれば、ネットワーク・デバイス140は、MUSTペアとして第1の端末デバイス110を第2の端末デバイス120とペアリングし得る。第1の端末デバイス110を第2の端末デバイス120とペアリングすることに加えて、ネットワーク・デバイス140は、さらに、第1の端末デバイス110をネットワーク100における任意の数の他の端末デバイスとペアリングして(1つまたは複数の)MUSTペアまたは(1つまたは複数の)MUSTグループにし得ることを理解されたい。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、MUST構成200を示す。図2に示されているように、ネットワーク・デバイス140は、第1の端末デバイス110を2つの空間レイヤのうちの(「第1の空間レイヤ」と呼ばれる)1つの上の第2の端末デバイス120とペアリングし、第1の端末デバイス110を(「第2の空間レイヤ」と呼ばれる)他の空間レイヤ上の第3の端末デバイス130とペアリングし得る。この点についての実施形態が以下で詳細に説明される。
【0032】
ネットワーク100における通信は、限定はしないが、第1世代(1G)、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)、第5世代(5G)および他のセルラー通信プロトコル、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11などのワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク通信プロトコル、ならびに/あるいは現在知られているかまたは後で開発される任意の他のプロトコルを含む、任意の適切な通信プロトコルに従って実装され得る。さらに、通信は、限定はしないが、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、多入力多出力(MIMO)、直交周波数分割多重(OFDM)、および/あるいは現在知られているかまたは将来開発される任意の他の技術を含む、任意の適切なワイヤレス通信技術を利用する。
【0033】
上記の例では、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120よりもネットワーク・デバイス140に近い。言い換えれば、第1の端末デバイス110はニア端末デバイスであり、第2の端末デバイス120はファー端末デバイスである。この場合、上記で説明されたように、経路損失を低減する目的で、ネットワーク・デバイス140は、通常、ファー端末デバイス120により大きい電力を割り振り、ニア端末デバイス110へのより大きい干渉につながる。本開示の実施形態によれば、ニア端末デバイス110は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定し得る。電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示し、ニア端末デバイスに動的に送信され得る。このようにして、システム性能が効果的に改善され得るように、ニア端末デバイス110が信号検出を正確に実行する確率を増加させることが可能である。
【0034】
図1および図2に示されているネットワーク・デバイスの数および端末デバイスの数は、いかなる限定をも示唆することなく、説明のためのものにすぎないことを理解されたい。通信ネットワーク100は、任意の適切なタイプおよび/または数の(1つまたは複数の)ネットワーク・デバイスを備え得、各ネットワーク・デバイスは、適切な範囲および/または数のカバレージを与え得、通信ネットワーク100は、任意の適切なタイプおよび/または数の端末デバイスをさらに備え得る。
【0035】
図3図8を参照すると、本開示の原理および特定の実施形態が、ネットワーク・デバイス140およびニア端末デバイス110の観点から詳細に示される。最初に図3を参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、電力割振りを示すための方法300のフローチャートを示す。方法300は、たとえば、図1および図2に示されているネットワーク・デバイス140において実装され得ることを理解されよう。説明の目的で、図1および図2を参照しながら方法300に対する説明が以下で提示される。
【0036】
310において、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報が決定される。電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す。本開示の実施形態によれば、電力割振り情報は、様々なやり方で決定され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、1つの空間レイヤを有し、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、この空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。この場合、ネットワーク・デバイス140は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定し得る。ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスが空間レイヤ上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す。次いで、ネットワーク・デバイス140は、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定し得る。電力割振り情報は、たとえば、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振り指示、および/または他の関連情報を含み得る。
【0038】
代替として、いくつかの実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、複数の空間レイヤ、たとえば、図2に示されている2つの空間レイヤを有し得る。図2に示されている例では、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、第1の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信し、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス130とは、第2の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。この場合、ネットワーク・デバイス140は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定し得る。本開示の実施形態では、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスが複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す。次いで、ネットワーク・デバイス140は、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定し得る。電力割振り情報は、たとえば、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振り指示、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振り指示、および/または他の適切な情報を含み得る。
【0039】
320において、電力割振り情報は、ニア端末デバイスに動的に送信される。本開示の実施形態によれば、ネットワーク・デバイス140は、サブフレームのダウンリンク制御情報(たとえば、DCIまたは拡張DCI)中で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送信し得る。いくつかの実施形態では、電力割振り情報を送るためのサブフレームは、特定のサブフレーム、たとえば、1つまたは複数のあらかじめ定義されたサブフレームであり得る。あらかじめ定義されたサブフレームは、あるサブフレームあるいは複数の連続または不連続サブフレームであり得る。不連続サブフレームの場合、これらのサブフレームは、規則的なまたは不規則的な区間を有し得る。上記の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、これらのあらかじめ定義されたサブフレーム上で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送るにすぎない。代替として、いくつかの他の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、各サブフレームのダウンリンク制御情報中で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送り得る。
【0040】
上記の例は、いかなる限定をも示唆するものではなく、例示にすぎないことを理解されたい。他の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、サブフレーム中の(1つまたは複数の)他の適切な情報位置において電力割振り情報を送り得る。
【0041】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワーク・デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法400のフローチャートを示す。方法400は、方法300の一実装形態と見なされ得、図1および図2に示されているネットワーク・デバイス140において実装され得る。図4に示されている実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、1つの空間レイヤ(たとえば、図2中の第1の空間レイヤ)のみを有し、その上で、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、ネットワーク・デバイス140と通信する。方法400は、限定ではなく例示にすぎず、本開示の実施形態は、それに限定されているものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0042】
410において、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報が決定される。本開示の実施形態によれば、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスが空間レイヤ上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示し得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とが、セル中のそれらの端末の位置に従って、第1の空間レイヤ上にあると決定し得る。次いで、ネットワーク・デバイス140は、2つの端末デバイスがMUSTを実行するようにペアリングされるかどうかを決定し得る。一例として図2中の第1の空間レイヤを挙げると、ネットワーク・デバイス140は、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とが第1の空間レイヤ上でペアリングされると決定し得る。
【0043】
420において、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報が決定される。電力割振り情報は様々な情報、たとえば、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振り指示などのうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報は、たとえば、1ビット・インジケータとして実装され得、そのビットが「1」および「0」であることは、それぞれ、ニア端末デバイス110がファー端末デバイス120とペアリングされるおよびされないことを示す。ニア端末デバイス110がファー端末デバイス120とペアリングされるかどうかに関する指示の他の実装形態があることを理解されたい。上記の例は限定ではなく例示にすぎない。たとえば、ペアリング情報は、さらに、複数のビットをもつインジケータとして実装され得、複数のビットは異なるペアリング事例を示す。
【0044】
ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示は、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間の電力割振り比(たとえば、1:2)、それらの間の電力差(たとえば、1db)、それらの電力値(たとえば、0.3および0.7)、または他の適切なタイプの指示として実装され得る。
【0045】
430において、電力割振り情報がサブフレームのダウンリンク制御情報中で送信される。いくつかの実施形態では、電力割振り情報を送信するためのサブフレームは、特定のサブフレーム、たとえば、1つまたは複数のあらかじめ定義された連続または不連続サブフレームであり得る。他の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、各サブフレームのダウンリンク制御情報中で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送り得る。
【0046】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワーク・デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法500のフローチャートを示す。方法500は、方法300の別の実装形態と見なされ得、図1および図2に示されているネットワーク・デバイス140において実装され得る。図5に示されている実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、複数の空間レイヤ、たとえば、図2に示されている2つの空間レイヤを有し得る。ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、第1の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信し、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス130とは、第2の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。したがって、ニア端末デバイス110は、それ自体の信号と第1の空間レイヤ上のファー端末デバイス120の信号との(「第2の信号」と呼ばれる)重畳信号を受信し、それ自体の信号と第2の空間レイヤ上のファー端末デバイス130の信号との(「第3の信号」と呼ばれる)重畳信号を受信し得る。方法500は、限定ではなく例示にすぎず、本開示の実施形態は、それに限定されているものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0047】
510において、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報が決定される。一例として図2を挙げると、ネットワーク・デバイス140は、ニア端末デバイス110が(「レイヤ1」と呼ばれる)第1の空間レイヤ上のファー端末デバイス120とペアリングされ、ニア端末デバイス110が(「レイヤ2」と呼ばれる)第2の空間レイヤ上のファー端末デバイス130とペアリングされると決定し得る。したがって、ネットワーク・デバイス140は、510において、ニア端末デバイス110がレイヤ1上のファー端末デバイス120とペアリングされるかどうか、およびニア端末デバイス110がレイヤ2上のファー端末デバイス130とペアリングされるかどうかを示すそのようなペアリング情報を決定し得る。
【0048】
520において、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報が決定される。電力割振り情報は、複数の空間レイヤに関連し、たとえば、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振り指示、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振り指示、および/または他の適切な情報を含み得る。
【0049】
本開示の実施形態によれば、MUST送信における動的ペアリングの場合に、MUST送信が両方のレイヤについてペアリングされるのか、1つの空間レイヤのみについてペアリングされるのかが、ニア端末デバイスのための2つの空間レイヤ間の電力割振りに影響を与える。いくつかの実施形態では、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を示すために、サブフレームのダウンリンク制御情報中でインジケータが設定され得る。インジケータは、「レイヤMUST指示(LMI)」と呼ばれることがある。図2に示されている2つの空間レイヤの場合、LMIは、たとえば、2ビットを使用して実装され得る。以下の表1は、レイヤ1およびレイヤ2がMUSTのためにペアリングされるかどうかを示す2ビットを用いた例示的な対応を示す。
【表1】
【0050】
表1では、「00」は、レイヤ1とレイヤ2の両方が、MUSTのためにペアリングされず、非MUST送信中にあることを示す。
【0051】
「10」は、レイヤ1がMUSTのためにペアリングされ、レイヤ2が、MUSTのためにペアリングされず、非MUST送信中にあることを示す。
【0052】
「01」は、レイヤ1が、MUSTのためにペアリングされず、非MUST送信中にあり、レイヤ2がMUSTのためにペアリングされることを示す。
【0053】
「11」は、レイヤ1とレイヤ2の両方が、MUSTのためにペアリングされ、MUST送信中にあることを示す。
【0054】
本開示の実施形態によれば、(「レイヤ間電力割振り指示」(ILPAI:inter-layer power allocation indication)とも呼ばれる)複数の空間レイヤ間の電力割振り指示は、様々なレイヤ間の電力比として、様々なレイヤ間の電力オフセット(または「電力差」)として、または別の適切な形式で実装され得、ここで、(「総電力」とも呼ばれる)総送信電力が、上位レイヤによって構成された公称電力に対応する。
【0055】
レイヤ間電力割振りは、様々な様式で実装され得る。いくつかの実施形態では、すべての空間レイヤがMUST送信中にあるかまたは非MUST送信中にある場合、電力は、複数の空間レイヤの間で等しく割り振られ得る。一例として図2を挙げると、第1の空間レイヤと第2の空間レイヤの両方が非MUST送信中にある場合、電力は、第1の空間レイヤと第2の空間レイヤとの間で等しく割り振られ得る。さらに、第1の空間レイヤと第2の空間レイヤの両方がMUST送信中にある場合、すなわち、ニア端末デバイス110が第1の空間レイヤ上のファー端末デバイス120とペアリングされ、ニア端末デバイス110が第2の空間レイヤ上のファー端末デバイス120とペアリングされるとき、電力は、第1の空間レイヤと第2の空間レイヤとの間で等しく割り振られ得る。言い換えれば、LMIが「00」または「11」である場合、総送信電力は、レイヤ1とレイヤ2との間で等しく分割され、したがって、ILPAIは不要であり得る。代替として、上記の場合、電力の等しい割振りがILPAIによって示され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、マルチユーザ重畳送信が複数の空間レイヤのうちの1つの空間レイヤ上で実行される場合、干渉を低減するために、MUSTが実行される空間レイヤに、MUSTが実行されない空間レイヤよりも大きい電力が割り振られる。一例として図2を挙げると、レイヤ1がMUSTのためにペアリングされ、レイヤ2がMUSTのためにペアリングされない場合、すなわち、ニア端末デバイス110が、レイヤ1上のファー端末デバイス120とペアリングされるが、レイヤ2上のファー端末デバイス130とペアリングされない場合、干渉を緩和するように、レイヤ1に割り振られた電力は、レイヤ2よりも大きくなり得る。この点において、ILPAIは、レイヤ1とレイヤ2との間の電力オフセットまたは電力比を示し得る。見方を変えれば、レイヤ1がMUST中にないが、レイヤ2がMUST中にある場合、干渉を緩和するように、レイヤ2に割り振られた電力は、レイヤ1に割り振られた電力よりも大きくなり得る。この点において、ILPAIは、レイヤ2とレイヤ1との間の電力オフセットまたは電力比を示し得る。
【0057】
本開示による一実施形態では、ILPAIは、表2に示されているように、レイヤ1とレイヤ2との間の電力割振りの電力比を含み得る。
【表2】
【0058】
表2は、電力比の形態のILPAIの一例を示し、「00」は、レイヤ1とレイヤ2との間の電力比が1:1であり、「01」、「10」および「11」は、レイヤ1とレイヤ2との間の電力比が、それぞれ、2:1、3:2および3:1であることを示す。これらの電力比は、ネットワーク・デバイス140によって各空間レイヤに割り振られた電力と、総送信電力とに基づいて計算され得る。したがって、端末デバイス110は、電力割振り情報の受信時に、ILPAIに従って現在レイヤに割り振られた電力を決定し得る。
【0059】
本開示による別の実施形態では、ILPAIは、表3に示されているように、レイヤ1とレイヤ2との間の電力割振りの電力オフセットを含み得る。
【表3】
【0060】
表3は、電力オフセットの形態のILPAIの一例を示す。表2および表3に記載されている電力比の値または電力オフセットの値は、限定ではなく例示にすぎないことを理解されたい。本開示の実施形態では、これらの値は、様々な様式で決定され得、たとえば、それらは、経験的値であるか、または標準化FFSによって設定され得る。いくつかの実施形態では、それらは、ニアUEとファーUEとの間の比に基づいてさらに設定され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、LMIが、レイヤ1がMUSTのためにペアリングされ、レイヤ2がMUSTのためにペアリングされないときの、「10」である場合、ペアリングされたファーUEへの著しい干渉を回避するために、レイヤ1に割り振られた電力は、レイヤ2に割り振られた電力よりも大きい。したがって、ILPAIは、レイヤ1とレイヤ2との間の電力オフセットを示し得る。一実施形態では、表2に示されているように、ILPAIが「10」である場合、それは、レイヤ1とレイヤ2との間の電力割振り比が「3:2」であることを示し得る。別の実施形態では、表3に示されているように、ILPAIが「11」である場合、それは、レイヤ1とレイヤ2との間の電力オフセットが「3dB」であり、すなわち、レイヤ1の電力がレイヤ2の電力よりも3dB大きいことを示し得る。
【0062】
さらなる実施形態では、LMIが、レイヤ1がMUSTのためにペアリングされず、レイヤ2がMUSTのためにペアリングされるときの、「01」である場合、ペアリングされたファーUEへの著しい干渉を回避するために、レイヤ2に割り振られた電力は、レイヤ1に割り振られた電力よりも大きい。したがって、ILPAIは、レイヤ1とレイヤ2との間の電力オフセットを示し得る。一実施形態では、表2に示されているように、ILPAIが「10」である場合、それは、レイヤ2とレイヤ1との間の電力割振り比が「3:2」であることを示し得る。別の実施形態では、表3に示されているように、ILPAIが「11」である場合、それは、レイヤ2とレイヤ1との間の電力オフセットが「3dB」であり、すなわち、レイヤ2の電力がレイヤ1の電力よりも3dB大きいことを示し得る。
【0063】
本開示の実施形態によれば、LMIとILPAIとは、表4に示されているように一緒にコーディングされ得る。
【表4】
【0064】
表4は、LMIおよびILPAIのジョイント・コーディングの一例を示す。表4の意味について説明するために、一例として表4中の3番目の行を挙げる。3番目の行では、LMI+ILPAIが「010」であることは、LMIが「10」であり、ILPAIが「01」であることを示し、その点において、レイヤ1とレイヤ2との間の電力割振り比(すなわち、電力比)は2:1である。
【0065】
レイヤ1およびレイヤ2のうちの1つがシングル・ユーザ送信(たとえば、シングル・ユーザ多入力多出力、SU-MIMO)中にある(表4中の1番目の行に対応する)か、または両方の空間レイヤがMUST中にある(表4中の2番目の行に対応する)とき、電力は、レイヤ1とレイヤ2との間で等しく割り振られる。レイヤ1およびレイヤ2のうちの1つがMUST中にある(表4中の3番目~8番目の行に対応する)間、ネットワーク・デバイス140は、表4に従って電力比または電力オフセットを構成し得る。
【0066】
本開示の実施形態によれば、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと各空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振り指示(IUPAI)をさらに含み得る。電力割振りの指示は、たとえば、あらかじめ定義されたルールに従って生成された正規化された電力比であり得る。たとえば、電力比は、範囲[0.7,0.95]内にあり得る。いくつかの実施形態では、ファーUEとMUST空間レイヤ上のニアUEとの間の電力割振りを示すために、2ビットIUPAIが使用され得る。表5はIUPAIの一例を示す。
【表5】
【0067】
表5では、IUPAIが「00」、「01」、「10」または「11」である場合、対応する電力比がそれぞれPR0、PR1、PR2またはPR3であると決定され得る。PR0、PR1、PR2およびPR3は、範囲[0.7,0.95]内の4つの値であり得、それらは、様々な様式で計算され得る。一実施形態では、LMIが「10」である場合、すなわち、レイヤ1がMUSTのためにペアリングされ、レイヤ2がMUSTのためにペアリングされない場合、レイヤ1とレイヤ2との間の電力比は、ニアUEと空間レイヤ1上のファーUEとに割り振られたそれぞれの電力に従って計算され得る。その後、電力比は、PRiを導出するために正規化され、i=0、1、2、3である。
【0068】
530において、電力割振り情報が各サブフレームのダウンリンク制御情報中で送られる。本開示の実施形態によれば、520において決定された電力割振り情報は、各サブフレームのDCIまたは拡張DCI中で送信され得る。ただし、これは限定ではなく例示にすぎない。たとえば、本開示のいくつかの他の実施形態では、電力割振り情報は、1つまたは複数の連続または不連続サブフレーム中で送信され得る。
【0069】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、ランク2MUSTのための電力割振りの概略図を示す。図9に関して示される実施形態では、LMIが「11」であり、ILPAIが「00」であり、IUPAI1(すなわち、レイヤ1のIUPAI)が「01」であり、IUPAI2(すなわち、レイヤ2のIUPAI)が「10」である場合、電力割振り情報は、910に示されているようになる。LMIが「01」であり、ILPAIが「11」であり、IUPAI1が「11」である場合、電力割振り情報は、920に示されているようになる。LMIが「10」であり、ILPAIが「11」であり、IUPAI1が「10」である場合、電力割振り情報は、930に示されているようになる。
【0070】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、電力割振りを示すための方法600のフローチャートを示す。方法600は、たとえば、図1および図2に示されているニア端末デバイス110において実装され得ることを理解されよう。説明の目的で、図1および図2を参照しながら方法600に対する説明が以下で提示される。
【0071】
610において、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報がネットワーク・デバイスから受信される。本開示の実施形態によれば、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す。端末デバイス110は、サブフレームのダウンリンク制御情報から電力割振り情報を受信し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、1つまたは複数のあらかじめ定義されたサブフレーム上で受信され得る。あらかじめ定義されたサブフレームは、単一のサブフレーム、あるいはいくつかの連続または不連続サブフレームのいずれかであり得る。不連続サブフレームの場合、これらのサブフレームは、規則的なまたは不規則的な区間を有し得る。ネットワーク・デバイス140は、これらのあらかじめ定義されたサブフレーム上で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送り得る。したがって、ニア端末デバイス110は、これらのあらかじめ定義されたサブフレームのダウンリンク制御情報中で、電力割振り情報をネットワーク・デバイス140から取得し得る。
【0073】
代替として、ネットワーク・デバイス140は、各サブフレームのダウンリンク制御情報中で電力割振り情報をニア端末デバイス110に送り得る。したがって、ニア端末デバイス110は、ネットワーク・デバイス140から送信された各サブフレームのダウンリンク制御情報から電力割振り情報を取得し得る。
【0074】
620において、ニア端末デバイスの基準信号のための送信電力が、電力割振り情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、1つの空間レイヤ、たとえば、図2中の第1の空間レイヤのみを有する。ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、この空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示、および/または他の適切な情報を含み得る。これらの実施形態では、620において、端末デバイス110は、ペアリング情報に基づいて、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとがマルチユーザ重畳送信を実行するかどうかを決定し得る。ニア端末デバイスとファー端末デバイスとがマルチユーザ重畳送信を実行すると決定された場合、端末デバイス110は、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定し得る。
【0075】
代替として、いくつかの実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、複数の空間レイヤ、たとえば、図2に示されている2つの空間レイヤを有し得る。ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、第1の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信し、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス130とは、第2の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。この場合、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示、および/または他の関連情報を含み得る。上記の実施形態では、ニア端末デバイス110は、複数の空間レイヤから、ペアリング情報に基づいてマルチユーザ重畳送信を実行するための空間レイヤのグループを決定し得る。次いで、ニア端末デバイス110は、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示に基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力を決定し得る。その後、ニア端末デバイス110は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示と、決定されたレイヤ電力とに基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤ上のニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定し得る。
【0076】
決定された送信電力に基づいて、ニア端末デバイス110において基準信号の検出成功の確率が増加され得、したがってシステム性能が改善され得る。
【0077】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法700のフローチャートを示す。方法700は、方法600の一実装形態と見なされ得、図1および図2に示されているニア端末デバイス110において実装され得る。図7に示されている実施形態では、1つの空間レイヤ(たとえば、図2中の第1の空間レイヤ)のみがあり、その上で、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、ネットワーク・デバイス140と通信する。方法700は、限定ではなく例示にすぎず、本開示の実施形態は、それに限定されているものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0078】
710において、サブフレーム中のダウンリンク制御情報から電力割振り情報が受信される。いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、連続または不連続のいずれかである1つまたは複数のあらかじめ定義されたサブフレーム中でネットワーク・デバイス140によって送信され得る。したがって、ニア端末デバイス110は、(1つまたは複数の)サブフレームからまたは(1つまたは複数の)サブフレーム中のDCIから電力割振り情報を取得し得る。
【0079】
代替として、いくつかの他の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、各サブフレーム中のDCI中で電力割振り情報を送信する。したがって、ニア端末デバイス110は、各サブフレーム中のDCIから電力割振り情報を取得し得る。
【0080】
図7に示されている実施形態では、710において受信された電力割振り情報は、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示、および/または他の関連情報など、様々な情報を含み得る。
【0081】
720において、ペアリング情報に基づいて、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとがマルチユーザ重畳送信を実行するかどうかが決定される。ペアリング情報は、たとえば、710において受信されたニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報であり、1ビット・インジケータとして実装され得る。ビットが「1」であると端末デバイス110が決定した場合、ニア端末デバイス110がファー端末デバイス120とペアリングされると決定され得る。ビットが「0」であると端末デバイス110が決定した場合、ニア端末デバイス110がファー端末デバイス120とペアリングされないと決定され得る。
【0082】
730において、ニア端末デバイスが、ファー端末デバイスとのマルチユーザ重畳送信を実行すると決定したことに応答して、電力割振り指示に基づいて、ニア端末デバイスの基準信号のための送信電力が決定される。電力割振り指示は、たとえば、710において受信されたニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示であり、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120との間の電力割振り比(たとえば、1:2)、それらの間の電力差(たとえば、1db)、それらの電力値(たとえば、0.3および0.7)など、様々な形態で実装され得る。
【0083】
たとえば、ニア端末デバイス110は、電力割振り比に基づいて、総電力中のどのくらいの電力がニア端末デバイス110に関連し、および/またはどのくらいの電力がファー端末デバイス120に関連するかを決定し得る。したがって、ニア端末デバイス110は、どのくらいの電力がそれ自体に割り振られるかを計算し、信号検出成功の可能性の増加を可能にすることができる。
【0084】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、端末デバイス側において実装される電力割振りを示すための方法800のフローチャートを示す。方法800は、方法600の別の実装形態と見なされ得、図1および図2に示されているニア端末デバイス110において実装され得る。図8に示されている実施形態は、複数の空間レイヤ、たとえば図2に示されている2つの空間レイヤを含む。ニア端末デバイス110とファー端末デバイス120とは、第1の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信し、ニア端末デバイス110とファー端末デバイス130とは、第2の空間レイヤ上でネットワーク・デバイス140と通信する。方法800は、限定ではなく例示にすぎず、本開示の実施形態は、それに限定されているものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0085】
810において、各サブフレームのダウンリンク制御情報から電力割振り情報が受信される。本開示の実施形態によれば、ネットワーク・デバイス140は、各サブフレーム中のDCIまたは拡張DCI中で電力割振り情報を送信し得る。したがって、端末デバイス110は、810において、各サブフレーム中のDCIまたは拡張DCI中で送信された電力割振り情報を受信し得る。ただし、これは限定ではなく例示にすぎない。たとえば、本開示のいくつかの他の実施形態では、ネットワーク・デバイス140は、1つまたは複数の連続または不連続サブフレーム中で電力割振り情報を送信し得、したがって、端末デバイス110は、1つまたは複数の連続または不連続サブフレーム中で電力割振り情報を受信し得る。
【0086】
本開示の実施形態によれば、810において受信された電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示、および/または他の適切な情報を含み得る。ペアリング情報は、表1に示されているLMIの例を使用して示され得る。複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示は、表2および表3に示されているILPAIの例を使用して示され得る。さらに、ペアリング情報と複数の空間レイヤ間の電力割振りの指示とは、たとえば、表4中のジョイント指示の例を使用することによって一緒に示され得る。さらに、各空間レイヤ上のファー端末デバイス間の電力割振り指示は、表5中のIUPAIの例を使用して実装され得る。表1から表5に示されている実施形態は、限定ではなく例示にすぎず、本開示の実施形態は、それに限定されているものと解釈されるべきではないことを理解されたい。事実上、当業者は、他の好適なやり方で電力割振り情報の指示を実装し得る。
【0087】
820において、ペアリング情報に基づいて、複数の空間レイヤからマルチユーザ重畳送信のための空間レイヤのグループが決定される。「空間レイヤのグループ」がMUSTのための1つまたは複数の空間レイヤを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、合計2つの空間レイヤがある場合、LMIが「01」であるとき、端末デバイス110は、MUSTがレイヤ2上で実行されると決定し得、LMIが「10」であるとき、端末デバイス110は、MUSTがレイヤ1上で実行されると決定し得る。
【0088】
830において、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示に基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力が決定される。いくつかの実施形態では、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示は、表2または表3に示されているILPAI例を使用して実装される。この場合、端末デバイス110は、表2または表3を照会することによって、電力割振りの指示、ILPAIに対応する電力割振り比または電力割振りオフセットを決定し得る。したがって、各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力が、総電力に基づいて計算され得る。
【0089】
840において、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤ上のニア端末デバイスの基準信号のための送信電力が、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示と、決定されたレイヤ電力とに基づいて、決定される。いくつかの実施形態では、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示は、表5に示されているIUPAIの例を使用して示され得る。この場合、端末デバイス110は、表5を照会することによって、ニアUEと各空間レイヤ上のファーUEとの間の電力割振りを決定し得、それにより、830における各空間レイヤの決定されたレイヤ電力に基づいて、ニアUEとファーUEとに割り振られたレイヤ電力を計算する。
【0090】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、装置1000のブロック図を示す。装置1000は、図1および図2に示されているネットワーク・デバイス140または他の適切なデバイスにおいて実装され得ることを理解されよう。図10に示されているように、装置1000は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定するように構成された情報決定ユニット1010であって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、情報決定ユニット1010と、電力割振り情報をニア端末デバイスに動的に送信するように構成された第1の送信ユニット1020とを備える。
【0091】
いくつかの実施形態では、情報決定ユニット1010は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定するように構成された第1の決定ユニットであって、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスとファー端末デバイスとが空間レイヤ上でペアリングされるかどうかを示す、第1の決定ユニットと、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定するように構成された第2の決定ユニットであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含む、第2の決定ユニットとを備え得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、情報決定ユニット1010は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定するように構成された第3の決定ユニットであって、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスが複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す、第3の決定ユニットと、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定するように構成された第4の決定ユニットであって、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、およびニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含む、第4の決定ユニットとを備え得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、情報決定ユニット1010は、マルチユーザ重畳送信が、複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振るように構成された第1の割振りユニットと、マルチユーザ重畳送信が複数の空間レイヤのうちの1つの上で実行される場合、マルチユーザ重畳送信が実行される空間レイヤに、マルチユーザ重畳送信が実行されない、複数の空間レイヤのうちの空間レイヤに割り振られた電力よりも大きい電力を割り振るように構成された第2の割振りユニットとを備え得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の送信ユニット1020は、サブフレーム中のダウンリンク制御情報中で電力割振り情報を送信するように構成された第2の送信ユニットを備え得る。
【0095】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、装置1100のブロック図を示す。装置1100は、図1および図2に示されているニア端末デバイス110または他の適切なデバイスにおいて実装され得ることを理解されよう。図11に示されているように、装置1100は、ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信するように構成された第1の受信ユニット1100であって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、第1の受信ユニット1100と、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するように構成された電力決定ユニット1120とを備える。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1の受信ユニット1100は、サブフレーム中のダウンリンク制御情報から電力割振り情報を受信するように構成された第2の受信ユニットを備え得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、およびニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0098】
上記の実施形態では、電力決定ユニット1120は、ペアリング情報に基づいて、ニア端末デバイスが、ファー端末デバイスとのマルチユーザ重畳送信を実行するかどうかを決定するように構成された第1の決定ユニットと、ニア端末デバイスが、ファー端末デバイスとのマルチユーザ重畳送信を実行することを決定したことに応答して、電力割振りの指示に基づいて、ニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するように構成された第2の決定ユニットとを備え得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、およびニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0100】
上記の実施形態では、電力決定ユニット1120は、ペアリング情報に基づいて、複数の空間レイヤからマルチユーザ重畳送信を実行するための空間レイヤのグループを決定するように構成された第3の決定ユニットと、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示に基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力を決定するように構成された第4の決定ユニットと、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示と、決定されたレイヤ電力とに基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤ上のニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するように構成された第5の決定ユニットとをさらに備え得る。
【0101】
装置1000および装置1100の各ユニットは、図3図8を参照しながら説明された方法300および800の各ステップに対応することを理解されたい。したがって、図3図8を参照しながら上記で説明された動作および特徴は、装置1000、装置1100ならびにそれら中に含まれるユニットにも適応可能であるが、同じ影響を有し、その詳細はここでは無視される。
【0102】
装置1000および装置1100中に含まれるユニットは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せを含む、様々な様式で実装され得る。一実施形態では、1つまたは複数のユニットは、ソフトウェアおよび/またはファームウェア、たとえば、記憶媒体に記憶されたマシン実行可能命令を使用して実装され得る。マシン実行可能命令に加えてまたはそれの代わりに、装置1000および装置1100中のユニットの一部または全部が、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェア論理構成要素によって実装され得る。たとえば、限定はしないが、使用され得る例示的なタイプのハードウェア論理構成要素としては、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップ・システム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などがある。
【0103】
図10および図11に示されているユニットは、部分的にまたは完全に、ハードウェア・モジュール、ソフトウェア・モジュール、ファームウェア・モジュールまたはそれらの任意の組合せとして実装され得る。特に、いくつかの実施形態では、上記で説明されたフロー、方法またはプロセスは、基地局または端末デバイス中のハードウェアによって実装され得る。たとえば、基地局または端末デバイスは、それの送信機、受信機、トランシーバおよび/またはプロセッサによって方法300~800を実装し得る。
【0104】
図12は、本開示の実施形態を実装するために適用可能であるデバイス1200のブロック図を示す。デバイス200は、図1および図2に示されているネットワーク・デバイス140など、ネットワーク・デバイスを実装するために使用されるか、または図1および図2に示されているニア端末デバイス110など、端末デバイスを実装するために使用され得る。
【0105】
図示のように、デバイス1200は、コントローラ1210を備える。コントローラ1210は、デバイス1200の動作および機能を制御する。たとえば、いくつかの実施形態では、コントローラ1210は、コントローラ1210に結合されたメモリ1220に記憶された命令1230によって様々な動作を実行し得る。メモリ1220は、ローカル技術環境に適用可能である任意の適切なタイプのものであり得、限定はしないが、半導体ベース・メモリ・デバイス、磁気メモリ・デバイスおよびシステム、光メモリ・デバイスおよびシステムを含む、任意の適切なデータ記憶技法を使用して実装され得る。1つのメモリ・ユニットのみが図12に示されているが、デバイス1200中に複数の物理的に異なるメモリ・ユニットがあり得る。
【0106】
コントローラ1210は、ローカル技術環境に適用可能である任意の適切なタイプのものであり得、限定はしないが、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ならびにプロセッサ・ベース・マルチコア・プロセッサ・アーキテクチャにおける1つまたは複数のプロセッサを含み得る。デバイス1200は、複数のコントローラ1210をも備え得る。コントローラ1210は、1つまたは複数のアンテナ1250および/または他の構成要素による情報受信および送信を実施し得るトランシーバ1240に結合される。
【0107】
デバイス1200がネットワーク・デバイス140として働くとき、コントローラ1210とトランシーバ1240とは、図3を参照しながら説明された方法300を実装するために協働して動作し得る。コントローラ1210は、マルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を決定することであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、決定することを行うように構成され、トランシーバ1240は、電力割振り情報をニア端末デバイスに動的に送信するように構成される。
【0108】
いくつかの実施形態では、コントローラ1210は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定することであって、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスとファー端末デバイスとが空間レイヤ上でペアリングされるかどうかを示す、決定することと、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定することであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスとファー端末デバイスとの間のペアリング情報、ニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含む、決定することとを行うようにさらに構成され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、コントローラ1210は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報を決定することであって、ペアリング情報は、マルチユーザ重畳送信を実行するためにニア端末デバイスが複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとペアリングされるかどうかを示す、決定することと、ペアリング情報に基づいて電力割振り情報を決定することであって、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、およびニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含む、決定することとを行うようにさらに構成され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、コントローラ1210は、マルチユーザ重畳送信が、複数の空間レイヤのすべての上で実行されるかまたはそれらのいずれの上でも実行されない場合、複数の空間レイヤの間で電力を等しく割り振ることと、マルチユーザ重畳送信が複数の空間レイヤのうちの1つの上で実行される場合、マルチユーザ重畳送信が実行される空間レイヤに、マルチユーザ重畳送信が実行されない、複数の空間レイヤのうちの空間レイヤに割り振られた電力よりも大きい電力を割り振ることとを行うようにさらに構成され得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、トランシーバ1240は、サブフレーム中のダウンリンク制御情報中で電力割振り情報を送信するようにさらに構成され得る。
【0112】
デバイス1200がニア端末デバイス110として働くとき、コントローラ1210とトランシーバ1240とは、図6を参照しながら説明された方法600を実装するように協働して動作し得る。トランシーバ1240は、ネットワーク・デバイスからマルチユーザ重畳送信のための電力割振り情報を受信することであって、電力割振り情報が、ニア端末デバイスと1つまたは複数の空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のマルチユーザ重畳送信のための電力割振りを示す、受信することを行うように構成され、コントローラ1210は、電力割振り情報に基づいてニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定するように構成される。
【0113】
いくつかの実施形態では、トランシーバ1210は、サブフレーム中のダウンリンク制御情報から電力割振り情報を受信するようにさらに構成され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと1つの空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、およびニア端末デバイスと空間レイヤ上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含み得る。これらの実施形態では、コントローラ1210は、ペアリング情報に基づいて、ニア端末デバイスが、ファー端末デバイスとのマルチユーザ重畳送信を実行するかどうかを決定することと、ニア端末デバイスが、ファー端末デバイスとのマルチユーザ重畳送信を実行することを決定したことに応答して、電力割振りの指示に基づいて、ニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定することとを行うようにさらに構成され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、電力割振り情報は、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間のペアリング情報、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示、およびニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示のうちの1つまたは複数を含み得る。これらの実施形態では、コントローラ1210は、ペアリング情報に基づいて、複数の空間レイヤからマルチユーザ重畳送信を実行するための空間レイヤのグループを決定することと、複数の空間レイヤの間の電力割振りの指示に基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤに割り振られたレイヤ電力を決定することと、ニア端末デバイスと複数の空間レイヤの各々の上のファー端末デバイスとの間の電力割振りの指示と、決定されたレイヤ電力とに基づいて、空間レイヤのグループ中の各空間レイヤ上のニア端末デバイスの基準信号のための送信電力を決定することとを行うようにさらに構成され得る。
【0116】
図3および図6を参照しながら説明されたすべての特徴は、デバイス1200に適用可能であり、それらはここでは無視される。
【0117】
概して、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、論理またはそれらの任意の組合せで実装され得る。いくつかの態様は、ハードウェアで実装され得、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティング・デバイスによって実行され得る、ファームウェアまたはソフトウェアで実装され得る。本開示の実施形態の様々な態様が、ブロック図、フローチャートとして、または何らかの他の図式表現を使用して示され、説明されたが、本明細書で説明されたブロック、装置、システム、技法または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティング・デバイス、あるいはそれらの何らかの組合せで実装され得ることが諒解されよう。
【0118】
たとえば、本開示の実施形態は、ターゲットの現実または仮想プロセッサ上のデバイス中で実行される、プログラム・モジュール中に含まれるものなど、マシン実行可能命令の一般的なコンテキストにおいて説明され得る。概して、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、構成要素、データ構造などを含む。プログラム・モジュールの機能は、様々な実施形態において必要に応じてプログラム・モジュール間で組み合わせられるかまたは分割され得る。プログラム・モジュールのためのマシン実行可能命令は、ローカルデバイスまたは分散デバイス内で実行され得る。分散デバイスでは、プログラム・モジュールは、ローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方の中にあり得る。
【0119】
本開示の方法を実行するためのプログラム・コードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書き込まれ得る。これらのプログラム・コードは、プログラム・コードが、プロセッサまたはコントローラによって実行されたとき、フローチャートおよび/またはブロック図において指定された機能/動作が実装されることを引き起こすように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサまたはコントローラに与えられ得る。プログラム・コードは、完全にマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして実行するか、部分的にマシン上と部分的にリモート・マシン上とで実行するか、あるいは完全にリモート・マシンまたはサーバ上で実行し得る。
【0120】
本開示のコンテキストでは、マシン可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれとともに使用するためのプログラムを含んでいるかまたは記憶し得る任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体またはマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、限定はしないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、またはデバイス、あるいは上記のものの任意の好適な組合せを含み得る。マシン可読記憶媒体のより具体的な例としては、1つまたは複数のワイヤを有する電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、光ファイバー、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記のものの任意の好適な組合せがある。
【0121】
さらに、動作は特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示されている特定の順序または連続した順序で実行されること、あるいはすべての示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の説明中に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に固有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態のコンテキストで説明された特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の好適な部分組合せで実装され得る。
【0122】
主題が、構造的特徴および/または方法のアクションに固有の言語で説明されたが、添付の特許請求の範囲において定義されている主題は、上記で説明された特定の特徴またはアクションに限定されないことを理解されたい。見方を変えれば、上記で説明された特定の特徴およびアクションは、特許請求の範囲を実装することの一例として開示される。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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図10
図11
図12