(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ロボットの交通密度ベースのガイダンス
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220118BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220118BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20220118BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20220118BHJP
【FI】
G08G1/00 C
G08G1/00 X
G01C21/34
G05D1/02 Z
G06Q10/08 330
(21)【出願番号】P 2019513989
(86)(22)【出願日】2017-09-11
(86)【国際出願番号】 US2017050996
(87)【国際公開番号】W WO2018052853
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2019-04-11
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506329306
【氏名又は名称】アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル カルダー
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-127734(JP,A)
【文献】特開平11-203594(JP,A)
【文献】国際公開第2016/061255(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/185628(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370251(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0228196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 ~ 1/16
G01C 21/26 ~ 21/36
G05D 1/00 ~ 1/02
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ
により実行される方法であって、
前記方法は、特有のコンピュータ実行可能命令の制御の下にあるコンピューティングシステムによって、
物理的区域内で作業中の自律型有用物に関する経路情報を受け取るステップであって、前記経路情報が、各自律型有用物が前記物理的区域内を横切るように予定される通路を特定し、前記物理的区域はセクタのセットを含むステップと、
前記セクタの前記セットに含まれるセクタに関して、自律型有用物に関する通路が前記それぞれセクタに進入する回数に少なくとも部分的に基づいて交通密度値を生成するステップと、
前記物理的区域に関する密度マップを生成するステップであって、前記密度マップにおける各セクタは、前記交通密度値に少なくとも部分的に基づいて色が割り当てられるステップと、
を行うことを含み、
前記方法は、前記物理的区域内に配置された通信装置から、前記密度マップに関するリクエストを受け取るステップをさらに含み、前記密度マップは、前記リクエストに応答して生成され、
前記リクエストは、前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報を含み、
前記方法は、前記位置の閾値の距離の範囲内にあるセクタの前記セットに含めるためのセクタを特定するステップをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記方法は、
データ記憶装置から、前記セクタの各々に関して、各々が前記密度マップのリクエストが受信された時間より前の時間を有する予め生成された交通密度値を受け取るステップと、
セクタの前記セット内の前記セクタの各々に関して、前記予め生成された交通密度値に少なくとも部分的に基づいて重み付けされた履歴の密度値を生成するステップであって、セクタに関する予め生成された交通密度値に対する重みは、前記セクタに関する前記密度値に対する前記予め生成された密度値の寄与を低下させるステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載
の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記密度マップのリクエストが受信された時間と前記予め生成された交通密度値に対応付けられた時間との差を示す時間加重を生成するステップをさらに含み、
予め生成された交通密度値に対する前記重みは、前記差と逆相関しており、前記予め生成された交通密度値に対する前記重みは、前記時間加重を含む、
請求項2に記載
の方法。
【請求項4】
前記方法は、
自律型有用物によって運ばれる品目のセットを特定するステップと、
前記品目のセットの中の品目の数に基づいて前記自律型有用物の経路に関する優先度を生成するステップであって、前記優先度は、前記品目の数に正に相関しているステップと、
前記優先度に比例して、前記自律型有用物の前記通路が横切るセクタに関する前記交通密度値に寄与する分量に重み付けするステップであって、高い優先度の経路を有するセクタは、より低い優先度の経路を有するセクタよりもより高い密度を示すステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載
の方法。
【請求項5】
物理的区域内で作業中のロボットに関する経路を予定し、伝送するように構成されるロボットの経路計画システムであって、各経路は、ロボットが前記物理的区域内を横切る通路を特定するロボットの経路計画システムと、
特有のコンピュータ実行可能命令を格納するデータストアと、
前記データストアと通信するコンピューティングシステムと、
を備えるシステムであって、
前記コンピューティングシステムは、プロセッサを含み、特有のコンピュータ実行可能命令によってプログラムされ、前記特有のコンピュータ実行可能命令は、前記コンピューティングシステムに少なくとも、
前記経路計画システムから、セクタのセットを含む前記物理的区域内の前記ロボットに関する前記経路を受け取るステップと、
前記セクタの前記セット内に含まれるセクタに関して、ロボットに関する通路が前記それぞれのセクタに進入する回数に少なくとも部分的に基づいて交通密度値を生成するステップと、
前記物理的区域に関する密度マップを生成するステップであって、前記密度マップ内の各セクタは、前記交通密度値に少なくとも部分的に基づいて表示特性を割り当てられるステップと、
を行うように命令し、
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、
ロボットによって運ばれる品目のセットを特定するステップと、
前記品目のセットの中の品目の数に基づいて前記ロボットの前記経路に関する優先度を生成するステップであって、前記優先度は、前記品目の数に正に相関するステップと、
前記ロボットの前記通路が横切るセクタに関する前記交通密度値に寄与する分量に重み付けするステップであって、高い優先度の経路を有するセクタは、より低い優先度の経路を有するセクタよりもより高い密度を示すステップと、
をさせる、
システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに前記物理的区域内に位置する通信装置から前記密度マップに関するリクエストを受け取るようにさせ、
前記密度マップは、前記リクエストに応答して生成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記リクエストは、前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報を含み、
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに前記位置の閾値の距離の範囲内にあるセクタの前記セットに含めるためのセクタを特定するようにさせる、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置と、を含み、
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、
前記通路を形成する前記セクタに関して最も低い交通密度を有する、前記位置から前記目的地の位置までの通路を形成するセクタを特定させ、
前記密度マップ上に前記通路の視覚的表示を含む、
ようにさせる、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置と、を含み、
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに前記通信装置が前記位置から前記目的地の位置まで移動するための時間の概算地を生成するようにさせ、前記時間の概算値は、(i)前記通路の距離と(ii)進行速度とを利用して生成され、
経路情報は、少なくとも前記リクエストが前記通信装置から受信されるときに始まり、少なくとも前記時間の概算値にわたって継続する期間にわたって計画される経路に関して受信される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、
データ記憶装置から、前記セクタの各々に関して、各々が前記密度マップのリクエストが受信された時間より前の時間を有する予め生成された交通密度値を受け取るステップと、
セクタの前記セット内の前記セクタの各々に関して、前記予め生成された交通密度値に少なくとも部分的に基づいて重み付けされた履歴の密度値を生成するステップであって、セクタに関する予め生成された交通密度値に対する重みは、前記セクタに関する前記密度値に対する前記予め生成された密度値の寄与率を低下させるステップと、
をさせる、
請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
通信販売倉庫、サプライチェーン物流センター、空港の手荷物システムおよびカスタムオーダーの製造設備などの現代の在庫システムは、ロボット、自動で棚に載置するシステム、無線ICタグ(RFID)および自動日程計画および経路指定設備を含めた、いくつかの複雑なシステムを含むことができる。多くのシステムは例えば、品目または棚自体を取り出すために棚に載置するシステムまで進み、追加の処理のための中心位置にそれらを戻すロボットを含む。
【0002】
例えば、慎重に計画され、調整された経路に従って、品目または棚を倉庫内の保管場所から出荷場所(例えば箱詰めされ、発送すべき在庫品目のための)に移動させるためにロボットを使用する自動式の倉庫が存在している。しかしながらロボットの通路と、倉庫内で作業する1人または複数の人間の作業が交わる場合がある。人である作業員とロボットの直接的な接触は、問題が多く、ロボットに関するメンテナンスおよび/または性能の問題である場合もある。例えば一部のロボットは、人間が近くで検出された場合、停止状態に入ることができる。このことはロボットに、人間が近くの区域から去るまで、または人間を避けるようにその経路を変えるまで、現在行っている作業を中断させることになる。接触はまた、人間の作業員が作業空間内を移動することができる速度に影響を与えることもあり得る。例えば多くのロボットが共通の区域を通って進む場合、人間である作業員は、行為の前に、この共通の区域内でのロボットの通行がなくなるのを待つ必要がある場合がある。
【0003】
種々の進歩的な特徴の実施形態を次に添付の図面を参照して説明する。図面を通して、示される例は、参照される要素間での相関性を示すために参照番号を繰り返し使用してよい。図面は、本明細書に記載される一例の実施形態を例示するために提供されており、特許請求の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示の在庫システム環境を描く絵で表した図である。
【
図2】例示の交通密度ガイダンスシステムを描く絵で表した図である。
【
図3】
図3Aは、ロボットの経路が全くマッピングされていない場合の例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。
図3Bは、第1の経路に関する例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。
図3Cは、第2の経路に関するマッピングを含む、
図3Bの例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。
【
図4】ロボットの交通密度ベースのガイダンス情報を生成する例示の方法のプロセスフロー図である。
【
図5】活動メッセージが管理デバイスから1つまたは複数の移動式駆動ユニットに送信され得る機構を例示する。
【
図6】作業空間内の実在物に関する位置情報を特定するために識別子を利用することを含む例示の機構である。
【
図7】ロボットの交通密度ベースのガイダンス情報を生成するための一例のコンピューティングデバイスの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
現代の在庫システムは、コマンドを受信して、特定の場所に移動し、その場所でペイロードを持ち上げ、かつ別の場所にペイロードを運ぶなどの任務を実行する移動式駆動ユニットを含んでよい。移動式駆動ユニットは、例えばロボットまたはドローンなど自律型の有用物であってよく、それが実装されており、受信したコマンドを実行する作業区域の様子を検出するためのセンサを含んでよい。
【0006】
人間と移動式駆動ユニットとの予定外の相互作用を避けるための1つの方法は、ロボットだけが作業区間内で作業してよい第1のブロックの時間と、人間だけが作業区間内で作業してよい第2のブロックの時間を割り振ることである。相互作用を避けるこの方法は、人間または移動式駆動ユニットの一方のみが1つのブロックの時間の間活動するという非効率性を持ち込む。
【0007】
予定外の相互作用を避けるための別の方法は、人間をロボットとして扱い、意図される人間の活動に対して特有の所定の経路を与えることである。しかしながら相互作用を避けるこの方法は、人間の知覚力を無視しており、人間が容易に識別し、回避することができる予想外の事象に関しては考慮していない。
【0008】
移動中の自律型有用物のグリッドを通過する人間のために固有に通路を計画する代わりに、作業空間を移動してまわる際に人間が利用するための知覚可能なガイドを提供するために、交通密度マップなど、交通密度ベースのガイダンス情報を生成するための機能が記載されている。交通密度マップの一例は、色分けされた混雑ヒートマップである。混雑ヒートマップは、より多くのロボットが進むことを計画している区域では赤で色付けされ、赤からオレンジ/黄色/緑への勾配は、交通量がそれほど予測されない区域に色付けるのに使用されてよい。交通密度マップは、作業空間内で移動式駆動ユニットのために計画される経路の分析を通して生成されてよく、人間の作業員に表示されてよい。この分析には、現在計画される経路、履歴の経路および計画された経路に対する何らかの更新のうちの1つまたは複数の考慮すべき事由が含まれてよい。
【0009】
記載される機能は、作業空間内の人間による、移動式駆動ユニットに関して計画された経路の遮断を軽減することができる。例えば、人間が特定の品目を手に入れるために作業空間内の特有の場所まで到達する必要がある場合がある。作業空間をインテリジェントに移動して回るのを支援するために、ユーザインターフェース上に、その人が所持するモバイル機器を介するなどして交通密度マップが提示されてよい。このマップは追加として、または代替として、作業空間内、またはその付近に設置されたプロジェクションスクリーンなどの1つまたは複数の固定式のディスプレイ上に表示することができる。マップは、人間の活動による在庫システムに対する全体的な性能の影響を最少限にするのを助けることができる。例えば人間が、混雑した、または交通量の多い区域を通って歩く場合、その区域の近くの移動式駆動ユニットは速度を落とす、および/または停止する必要があり得る。そのような中断は、人間が緑の(例えば交通密度があまり多くない)区域を通って進む場合よりも、それぞれの割り当てられた任務を完了するための移動式駆動ユニットの時間に対してマイナスの作用を与える可能性がある。
【0010】
交通密度マップは、作業空間内での移動式駆動ユニットの現在の位置の図式的な表示を含んでよい。この図式的な表示は、使用されていない、充電中、移動中、品目を携えて移動中、動作不良、速度などの移動式駆動ユニットの作動状況を示すために色分けされてよい。図式的な表示は、移動式駆動ユニットが移動している方向または他の作動状況を示すために矢印などのアイコンを含んでよい。一部の実装形態では、作業空間内の物理的構造物が、交通密度マップを介して表示されてもよい。交通密度マップは、20秒毎などに更新されてよい。
【0011】
記載される機能は、人間のために作業空間を進む通路を直接計画するよりも多くの自由を与え、各人間が、彼らが視覚的に利用可能な交通量/混雑情報を持たない場合と比べて、よりインテリジェントになることを可能にする。交通密度マップは、移動式駆動ユニットが行おうとしていることについてのリアルタイムの、またはほぼリアルタイムの提示を提供するため、交通密度ベースの情報によって支援される人間は、より大きな全体の効率を有するようにそれぞれの経路を適合させることができる。
【0012】
図1は、例示の在庫システム環境を描く絵で表した図である。
図1は、移動式駆動ユニット120が作動し得る在庫システム100の構成要素を例示する。在庫システム100は、管理デバイス115、1つまたは複数の移動式駆動ユニット120、1つまたは複数の在庫ホルダ130および1つまたは複数の在庫ステーション150を含んでよい。移動式駆動ユニットは、管理デバイス115によって伝達されるコマンドに応えて、在庫ホルダ130のうちの1つまたは複数を作業空間170内の地点間で輸送してよい。各在庫ホルダ130は、1つまたは複数のタイプの在庫品目140を保管してよい。結果として、在庫システム100は、在庫システム100からの在庫品目の入力、処理および/または削除、ならびに在庫品目に関係する他の作業の完了を容易にするために、作業空間170内の位置の間で在庫品目を移動させることが可能である。
【0013】
管理デバイス115は、在庫システム100の適切な構成要素に任務を割り当て、任務を完了する際に様々な構成要素の動作を連携させてよい。これらの任務は、在庫品目の移動および処理だけではなく、在庫システム100の構成要素の管理および保守にも関係してよい。例えば、管理デバイス115は、作業空間170の一部を、移動式駆動ユニット120のための駐車空間、移動式駆動ユニットの電池の予定された充電もしくは交換、空の在庫ホルダの保管、または在庫システム100およびその多様な構成要素によって支援される機能性と関連付けられた任意の他の作業として割り当ててよい。管理デバイス115は、これらの任務を実行するために在庫システム100の構成要素を選択し、これらの作業の完了を容易にするために選択した構成要素に適切なコマンドおよび/またはデータを伝達してよい。
【0014】
単一の個別の構成要素として
図1に示されているが、管理デバイス115は、複数の構成要素を表してもよく、移動式駆動ユニット120の一部または在庫システム100の他の要素を表す、または含む場合がある。特定の移動式駆動ユニットと記載される管理デバイス115との相互作用は、一部の実施形態では、移動式駆動ユニット120のうちの2つ以上の間のピアツーピア通信を表してよい。管理デバイス115の一例の実施形態の構成要素および作用を、
図5に関して以下にさらに考察する。
【0015】
移動式駆動ユニットは、作業空間170を自由にあちこちに移動するように構成された独立した電源内蔵型の電動式の装置として実現されてよい。移動式駆動ユニット120は、選択された在庫ホルダ130を特定する情報を受け取るために、移動式駆動ユニット120の位置を送信するために、または作業中に管理デバイス115または移動式駆動ユニット120によって使用される任意の他の適切な情報を交換するために管理デバイス115と通信することが可能であってよい。移動式駆動ユニット120は、無線で、および/または移動式駆動ユニット120と管理デバイス115との間の有線接続を使用して管理デバイス115と通信してよい。一例として、一部の移動式駆動ユニット120は、802.11 BLUETOOTH(登録商標)規格もしくは赤外線通信協会(IrDA)規格、または任意の他の適切な規格化された、または規格外の無線通信プロトコルを使用して、管理デバイス115と、および/または互いと通信してよい。別の例として、追跡在庫システムでは、移動式駆動ユニット120が移動する行路または他の誘導要素が、移動式駆動ユニット120と在庫システム100の他の構成要素との間の通信を容易にするために結線されてもよい。
【0016】
移動式駆動ユニット120は、1つまたは複数のロボットアーム、車輪、カメラ、位置センサなどを含んでよい。移動式駆動ユニット120は、任務の遂行の一部として、これらの要素のうちの1つまたは複数を作動させてよい。例えば、任務が在庫ホルダをある場所から別の場所に移動させることである場合、任務は、在庫ホルダ、その現在の位置および目的地の位置を特定してよい。任務はまた、在庫ホルダの現在の位置まで、およびその後の目的地の位置までの経路を含んでもよい。移動式駆動ユニット120はその後、コマンドを解釈して、この経路に沿って移動するように車輪を作動させ、位置および障害物を検出するために位置センサおよび/またはカメラを作動させ、かつ在庫ホルダを持ち上げるようにモータまたはロボットアームを作動させてよい。任務に少なくとも部分的に基づいて、移動式駆動ユニット120は、どの要素を作動させるか、どのくらいそれを作動させるか(例えばどのくらいの速さで車輪を回転させるか、持ち上げるのにどのくらいのトルクか)、およびどのくらいの間それを作動させるかを決定する。任務は、管理デバイス115から受け取ることができる。
【0017】
在庫ホルダ130は在庫品目を保管してよい。在庫ホルダ130のうちの1つまたは複数は、複数の保管用の蓋付きの箱を含んでよく、各保管用の蓋付きの箱は、1つまたは複数のタイプの在庫品目を保持することが可能である。在庫ホルダ130は、移動式駆動ユニットによる、在庫ホルダ130を運ぶ作業、回転させる作業、および/またはそれ以外の方法で移動させる作業を容易にするための構造機能を含んでよい。在庫ホルダ130は、在庫ホルダ130を移動させるとき、移動式駆動ユニットによって与えられる推進力を補足するために追加の推進手段を含んでよい。
【0018】
在庫品目140は、在庫ホルダ130内のフックまたはバー(図示せず)から、あるいは在庫ホルダ130のうちの1つまたは複数からぶら下がってもよい。在庫ホルダは、在庫ホルダの中に、および/または在庫ホルダの外面上に任意の適切な方法で在庫品目140を保管してよい。在庫品目は、自動化された在庫システムにおける保管、取り出し、および/または処理に適した任意の物体を表してよい。
【0019】
各在庫ホルダは複数の面を含んでよく、在庫ホルダの各蓋付きの箱は、在庫ホルダの1つまたは複数の面を通じてアクセスされてよい。例えば、在庫ホルダは4つの面を含んでよい。係る実施形態では、2つの面の角に置かれた蓋付きの箱は、それらの2つの面のどちらかを通じてアクセスされてよく、他の蓋付きの箱の各々は、4つの面のうちの1つにある開口部を通してアクセス可能である。移動式駆動ユニット120のうちの1つまたは複数は、特定の面およびその面と関連付けられた蓋付きの箱をオペレータまたは在庫システム100の他の構成要素に提示するために、適切なときにそのような在庫ホルダを回転させるように構成されてよい。
【0020】
在庫ホルダ130がそのタイプの1つまたは複数のユニットを現在保持している場合、特定の在庫ホルダ130は、特定の在庫品目を現在「保管している」とみなされてよい。一例として、在庫システム100は、通信販売倉庫施設を表してよく、在庫品目は倉庫施設に保管される商品を表してよい。作業中、移動式駆動ユニット120のうちの1つまたは複数は、顧客への配達のために梱包されるように要求された1つまたは複数の在庫品目を収容している在庫ホルダ130、または出荷のために集められた在庫品目の集合体を含むパレットを保持している在庫ホルダ130を取り出してよい。一部の実装形態では、完了した注文品を含むコンテナ(例えば箱)が、それ自体で在庫品目を表す場合もある。
【0021】
在庫システム100は、1つまたは複数の在庫ステーション150を含んでよい。在庫ステーションは、在庫品目に関係する特定の任務の完了のために指定された場所を表してよい。係る任務は、在庫ホルダからの在庫品目の取り出し、在庫ホルダへの在庫品目の投入、在庫ホルダ内の在庫品目の集計、在庫品目の(例えばパレットサイズのグループまたはケースサイズのグループから個々の在庫品目への)解体、在庫ホルダ間での在庫品目の統合、および/または任意の他の適切な方法での在庫品目の処理もしくは取り扱いを含んでよい。
【0022】
在庫ステーション150は、在庫品目に関係する特定の任務を作業空間170の中で完了させることができる物理的な場所を表してよい。一部の実装形態では、在庫ステーション150は、物理的な場所と、例えば在庫システム100内での、および在庫システム100からの在庫品目の流れを監視するためのスキャナ、管理デバイス115と通信するための通信インターフェース、および/または任意の他の適切な品目処理構成要素等、在庫品目を処理する、または取り扱うための任意の適切な設備の両方を表す場合がある。
【0023】
在庫ステーション150は、人間のオペレータによって完全にまたは部分的に制御される場合もあれば、完全に自動化される場合もある。さらに、在庫ステーションの人間のオペレータまたは自動オペレータは、在庫システム100の作業の一部として、在庫品目を梱包する、集計する、または移送する等の在庫品目に対する特定の任務を実行することが可能であってよい。
【0024】
作業空間170は、移動式駆動ユニット120が中で移動することができる、および/または在庫ホルダ130を中に保管することができる、在庫システム100と関連付けられた区域を表す。例えば、作業空間170は、在庫システム100が作動する通信販売倉庫の床のすべてまたは一部を表してよい。
図1は、説明のために、作業空間170が、固定された、所定の、有限の物理的な空間を含む在庫システムを示しているが、在庫システムは、可変の寸法および/または任意の幾何学形状である作業空間内で作動するように構成された移動式駆動ユニットおよび/または在庫ホルダを含んでもよい。
図1に示される作業空間170は、建物内で完全に囲まれているが、在庫システム100は、作業空間の一部もしくはすべてが屋外に位置する、(貨物船等の)乗り物の中に位置する、またはそれ以外の方法で任意の固定式の構造によって制約されない作業空間170を利用してもよい。
【0025】
管理デバイス115は、特定の任務を完了するために適切な構成要素を選択し、関連する任務の完了をトリガするために選択した構成要素に任務割り当てメッセージ118を伝送してよい。任務割り当てメッセージ118は、在庫システム100の少なくとも1つの構成要素によって完了されるべき1つまたは複数の任務を特定する情報を含んでよい。これらの任務は、在庫品目の取り出し、保管、補充および集計、および/または移動式駆動ユニット、在庫ホルダ、在庫ステーションおよび/または在庫システム100の他の構成要素の管理に関連してよい。構成要素および完了すべき任務に応じて、特定の任務割り当てメッセージ118は、対応する任務と関連付けられた位置、構成要素、および/または活動を特定する情報、および/または割り当てられた任務を完了する際に関連する構成要素によって使用されるべき任意の他の適切な情報を含んでよい。
【0026】
管理デバイス115は、管理デバイス115が在庫システム100の他の構成要素から、および/または管理デバイス115と通信している外部の構成要素から受け取る在庫リクエストに部分的に基づいて任務割り当てメッセージ118を生成してよい。在庫リクエストは、在庫システム100の中に保管された、またはその中に保管されるべき在庫品目に関係する、完了すべき特定の作業を特定してよい。例えば、在庫リクエストは、顧客によって購入されており、顧客に出荷するために在庫システム100から取り出すべき特定の在庫品目を指定する出荷オーダーを表してよい。管理デバイス115はまた、係る在庫リクエストとは関係なく、在庫システム100の全体的な管理および保守の一部として任務割り当てメッセージ118を生成してもよい。例えば、管理デバイス115は、特定の事象の発生に応えて(例えば、移動式駆動ユニットが駐車する空間を要求することに応えて)、所定のスケジュールに従って(例えば、毎日の起動ルーチンの一部として)または在庫システム100の構成および特徴に基づいた任意の適切なときに1つまたは複数の任務割り当てメッセージを生成してよい。1つまたは複数の任務割り当てメッセージ118の生成後、管理デバイス115は、対応する任務の完了のために、生成された任務割り当てメッセージ118を適切な構成要素に伝送してよい。関連する構成要素は、次いでその割り当てられた任務を実行してよい。
【0027】
任務を実行している間、移動式駆動ユニット120または人間は、作業ゾーン105を有してよい。作業ゾーン105は、任務を実行するのに必要とされる作業空間170の中の実在物の周りの区域を特定してよい。作業ゾーン105は、在庫システム100がその実在物の行路を維持することを可能にしてよく、この場合移動式駆動ユニットを作業空間170内で安全に移動させることができる。
【0028】
在庫システム、および在庫システム100に含まれ得る機能の別の例は、「SYSTEM AND METHOD FOR POSITIONING A MOBILE DRIVE UNIT」という標題が付けられ、2015年7月21日に発行された米国特許第9,087,314号、および「METHOD AND SYSTEM FOR TRANSPORTING INVENTORY ITEMS」という標題が付けられ、2012年10月2日に発行された米国特許第8,280,547号に開示されており、これらの特許の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0029】
図2は、例示の交通密度ガイダンスシステムを描く絵で表した図である。
図2に示される交通密度ガイダンスシステム200は、在庫システム100などの在庫システムの一部として含まれてよい。交通密度ガイダンスシステム200は、現在の、および/または履歴の移動式駆動ユニットの経路に基づいて交通密度マップ204を生成してよい。経路データは、経路データ記憶装置272に保管され、経路計画サーバ274を介してアクセスされてよい。経路計画サーバ274は、特定の作業空間に関して移動式駆動ユニットにとって最適な経路を特定するために設けられてよい。最適な経路指定は、各移動式駆動ユニットの位置、移動式駆動ユニットの能力、在庫ホルダおよび/またはそれぞれの在庫ホルダによって/それぞれの在庫ホルダ内に保持される品目、移動式駆動ユニットによって運ばれる品目に関する作業空間内の目的地(例えば出荷のため、または別の作業空間に移送するための梱包作業)、および在庫システムまたはその中の実在物の他の検出可能な特徴の考慮を含んでよい。
【0030】
作業空間はマップデータを利用して表すことができる。マップデータは、マップデータ記憶装置またはマップデータ記憶システム262に保管されてよい。マップデータは、作業空間の画像を含んでよい。マップデータは、位置マーカーなどの作業空間に関する地理空間の注釈を含んでよい。マップデータは、例えば傾斜路、階段または他の高度の変化を識別する、作業区間の一部に関する高度データを含んでよい。一部の実装形態では、交通密度マップ204は、各々の色が交通密度に対応付けられた半透明の色分けされたオーバーレイによって作業空間の画像を示す多層マップとして生成されてよい。
【0031】
交通密度マップ204などの交通密度ベースのガイダンス情報を生成するために、マッピングサーバ250が交通密度ガイダンスシステム200に含まれてよい。マッピングサーバ250は、ネットワーク206を介してアクセスデバイス202に交通密度マップ204を提供してよい。アクセスデバイス202は、マッピングサーバ250とやりとりされる機械可読メッセージを利用して通信するように構成された電子通信装置であってよい。アクセスデバイス202の例には、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、ストリーミングメディアデバイス、フィーチャーフォン、拡張現実ヘッドセット、スマートウォッチおよびテレビジョンが含まれる。メッセージは、TCP/IP、HTTP、FTPなどの規格化されたプロトコルに従ってフォーマットされてよい。伝送は、有線または無線手段であってよい。一部の実装形態では、交通密度マップ204は、アクセスデバイス202に、情報を取得させ、マッピングサーバ250に情報を伝送させるためにインタラクティブ制御要素を含んでよい。例えば制御要素は、交通密度マップ204を介して、またはそれに対応付けられたインターフェースを介して提供されてよく、これは、作動される際、アクセスデバイス202に、アクセスデバイス202の現在の位置を取得させ、マッピングサーバ250にこれを伝送するようにさせる。作動される際、現在利用可能な経路情報に基づいて交通密度マップ240をリフレッシュする制御要素が設けられてよい。マップのレフレッシュ作業は、現在計画される移動式駆動ユニットに関する密度情報のリアルタイムの提示を提供する。制御要素は、作業空間内の目的地まで人間が選択するために提案される1つまたは複数の経路を生成するようにマッピングサーバ250に要求するために設けられてよい。この経路は、交通密度マップ240の一部として、または交通密度マップ240による提示に関する追加の層としてアクセスデバイス202に提供されてよい。
【0032】
アクセスデバイス202とマッピングサーバ250との間の通信は、ネットワーク206を介してやり取りされてよい。ネットワーク206は、LAN、WAN,セルラーネットワーク、衛星ネットワークおよび/またはインターネットのうちの1つまたは複数を含んでよい。ネットワーク206への接続は、例えば有線、無線、または有線と無線の組み合わせの通信リンクを介してよい。通信ネットワーク206を介する通信は、メッセージを含んでよい。メッセージは、TCP/IP、HTTP、FTPなどの規格化されたプロトコルに従ってフォーマットされ、伝達されてよい。
図2では、マッピングサーバ250は、経路計画サーバ274およびマップデータサーバ264と直接通信するように示されている。マッピングサーバ250と、経路計画サーバ274およびマップデータサーバ264のうちの一方またはその両方との通信は、ネットワーク206および/または他の通信チャネルを介してよいことが理解されるであろう。
【0033】
1つまたは複数のアクセスデバイス202に関する交通密度マップ204および関連する交通密度情報を生成するために、マッピングサーバ250は、経路密度分析器252を含んでよい。経路密度分析器252は、経路計画サーバ274から移動式駆動ユニットに関する経路情報を受け取ってよい。一部の実装形態では、経路密度分析器252は、経路計画サーバ274によって生成された経路計画事象に関する通知を受け取ることを承認する場合もある。そのような実装形態では、経路計画サーバ274が経路を生成する、または更新する際、マッピングサーバ250もまた、生成された、または更新された生成経路情報を受け取ることができる。いくつかの実装形態では、その承認が経路計画サーバ274に向けられる場合もある。そのような実装形態は、経路情報は、マッピングサーバ250の活動に応答して受信されるため、能動型の承認と呼ばれてよい。一部の実装形態では、マッピングサーバ250は、経路計画サーバ274から作業空間内の移動式駆動ユニットに伝達された経路情報を聞く場合がある。例えば、経路計画サーバ274は、経路情報を含むメッセージを移動式駆動ユニットに無線で伝送してよい。マッピングサーバ250は、このようなメッセージを聞き、計画される経路を特定することができる。係る実装形態は、受動型の承認と呼ばれてよい。
【0034】
能動的に受信しようと、受動的に受信しようと経路情報を取得すると、経路密度分析器252は、この経路が実行されるであろう作業空間に関するマップデータも取得してよい。マップデータは、いくつかのセクタに仕切られてよい。解析は、所定の距離に基づいて作業空間を一セットの均一のセクタに分割することを含んでよい。例えば、所定の距離は3フィートであってよい。この距離は、交通密度マップに関する解像度を決定するための1つの要因である。セクタが小さいほど、提供し得る解像度が高くなる。しかしながら、高い解像度と、交通密度マップを生成し、伝送し提示するのに必要とされるリソースとの間には交換条件が存在する。一部の実装形態では、動的に解像度を決定するために、マッピングサーバ250および/またはアクセスデバイス202に利用できるリソースが使用されてよい。例えばアクセスデバイス202が制限された表示区域を有する場合、より低い解像度が望ましい場合がある。別の例として、マッピングサーバ250が数千の経路を処理する場合、より高い解像度のマップ(例えばより小さいセクタ)を生成するのに必要であるよりも、より速い速度でよい低い解像度のマップ(例えばより大きなセクタ)を提供するためにすべてのマップに関する解像度を低下させることが望ましい場合がある。
【0035】
経路密度分析器252は、在庫システムの中の移動式駆動ユニットの通路に基づいて密度情報を生成してよい。密度情報は、移動式駆動ユニットの交通量が、作業空間の物理的区域の中の特定の位置(例えばセクタ)においてどのくらい発生しているかを示してよい。密度情報は、密度値を含んでよい、または密度値によって表されてよい。例えば密度情報は、規定された時間の範囲内で作業空間内の特定の位置を通過することが予定された移動式駆動ユニットの数の総数によって表されてよい。そのような実装形態では、経路密度分析器252は、経路を分析し、移動式駆動ユニットが横切る作業空間内の位置を特定することができる。移動式駆動ユニットが特定の場所を横切るたびに、その位置に関して総数が増加されてよい。
【0036】
経路密度分析器252は、より緻密な交通密度の分析を行うことができる。例えば経路密度分析器252は、在庫システム内の品目の流れに影響を与える可能性のある、作業空間内の特有の位置への経路、または特有の位置からの経路など、経路の1つまたは複数の特徴を考慮することができる。例えば、荷積みドックは、作業空間内の重要な地点であってよい。したがって、荷積みドックの近くにある間、移動式駆動ユニットが進行を妨げられないことを保証するために、荷積みドックの近くの(例えば、その閾値の距離の範囲内の)場所を横切るいかなる経路もより高い優先度が与えられてよい。荷積みドックの近くの場所に関する密度を分析する際、そのような場所に関する密度値は、作業空間内のそれほど重要でない場所における特定の位置に対して適用される分量と比べて、より大きな分量が増加されてよい。
【0037】
経路密度分析器252が考慮し得る経路の別のまたは代替の特徴は、移動式駆動ユニットによって運ばれる品目のセットである。移動式駆動ユニットによって運ばれる品目の数は、移動式駆動ユニットの経路の優先度と正に相関されてよい。このことは、より多くの品目を携える移動式駆動ユニットが、在庫システムの中でより高い優先度を与えられることを保証している。別の例として、一部の作業空間は、他の品目よりもより迅速に処理すべき品目を含んでいる。したがって、処理が優先される品目を運んでいる移動式駆動ユニットは、他の品目を運んでいる移動式駆動ユニットに対して優先度を与えられるべきである。経路密度分析器252は、特定の場所に関する密度値を生成する際、より低い優先度の経路よりも、高い優先度の経路(例えば至急処理する品目を運んでいる)により多く重み付けしてよい。品目の優先度は、発送システムまたは注文管理システムから取得されてよい。例えば経路密度分析器252は、経路に関する目録を受け取ってよい。この目録には、経路上で移動式駆動ユニットによって運ばれる品目の識別子および/または注文番号が含まれてよい。品目の識別子または注文番号は、発送または注文管理システムに伝送されるリクエストメッセージに含まれてよい。これに応答して、経路密度分析器252は、処理時間、特定の品目に関する特有の取り扱い指示(例えば壊れやすい、腐りやすい、危険である)、または経路の優先順位付けの一部として考慮すべき他の情報など、品目に関する情報を受け取ってよい。
【0038】
経路密度分析器252はまた、作業空間に関する履歴の経路情報も取得してよい。履歴の経路情報は、作業空間内で移動式駆動ユニットがこれまでに横切った経路を特定してよい。履歴の経路情報は、経路計画サーバ274から取得されてよい。例えばリクエストメッセージが、経路密度分析器252から経路計画サーバ274に伝送されてよい。リクエストメッセージは、経路密度分析器252が、計画された経路と履歴の経路の両方に関する情報を要求していることの指示を含んでよい。リクエストメッセージはまた、いくつの履歴の経路を受け取るかを指定してもよい。その分量は、交通量マッピングサービス構成値(例えば経路の絶対数、期間、メモリの限界値など)によって特定されてよい。その分量は、経路計画サーバ274に利用できるリソースに基づいて動的に決定されてよい。例えば経路密度分析器252が多くの経路を処理する場合、経路密度分析器252は、それが分析の未処理分の処理を終えるまで履歴の分析は控えることを選択してよい。この分量は、時間に基づいて動的に決定されてよい。例えば経路密度分析器252は、経路計画サーバ274からの経路情報をリクエストする際、特定の期間を指定してよい。この期間は、対象の履歴の期間を特定してよい。この期間内の履歴の経路が経路計画サーバ274によって提供されてよい。
【0039】
一部の実装形態では、履歴の経路情報は、密度データ記憶装置256から取得されてよい。密度データ記憶装置256は、大容量の位置データのために特別に設計されたデータ記憶装置であってよい。所与のセットの経路が横切るセクタに関して経路密度分析器によって生成された密度値は、密度データ記憶装置256に保管されてよい。密度値は、そのセクタが関連する物理的区域に関する識別子と、密度値がいつ生成されたかを示すタイムスタンプとに関連付けて保管されてよい。経路密度分析器252は、特定の区域に関してこれまでに生成された密度値を取り出し、物理的区域に含まれるセクタに関する現在の密度値を生成する際、このような密度値を含めることができる。
【0040】
上記で考察したように、経路の優先度は、特定のセクタに関する密度値に対する経路の作用に重み付けをするために、経路密度分析器252によって使用される1つの要素であり得る。時間は、履歴の経路情報を処理する際に使用される別の要素であり得る。例えば、1週間前の履歴の経路情報に対しては、1日前の履歴の経路情報と比べてより低い重みを与えることが望ましい場合がある。そのような実装形態では、経路密度分析器252が履歴の経路情報を処理する際、所与のセクタに関する密度値に寄与する分量は、履歴の値の影響を軽減するために重み付けされてよい。軽減量は、履歴の値の古さの度合いに反比例してよい。
【0041】
マッピングサーバ250はまた、管理デバイス115から、移動式駆動ユニット120に関する情報および/または移動式駆動ユニットに関連付けられた任務を取得してよい。例えば管理デバイス115は、移動式駆動ユニットの現在の位置および/またはその作動状態を提供してよい。この情報は、ガイダンスを提供するために密度情報および/または追加の図式的な出力を生成するのに使用されてよい。
【0042】
マッピングサーバ250はまた、提示エンジン254を含んでもよい。提示エンジン254は、経路密度分析器252によって生成された、および/または密度データ記憶装置256に保管された密度情報に基づいて、交通密度ベースの情報を生成し、これを提示させるように構成されてよい。例えば、交通密度マップの生成作業は、そのセクタに関して生成された交通密度値に基づいて各セクタに対して図式的な表示要素を割り当てることを含んでよい。図式的な表示要素は、色、アイコン、絵文字または密度の同様の視覚的に知覚可能な指標を含んでよい。作業空間のマップ画像と独立して、または作業空間のマップ画像に対する半透明のオーバーレイ画像として提示することができる新たな画像を生成するために、各セクタに関する図式的表示要素が組み合わされる場合がある。一部の実装形態では、交通密度マップは、ウェブブラウザまたは専用のクライアントアプリケーションなどのアプリケーションのユーザインターフェースを介して提示されるタイル状のマップであってよい。このアプリケーションは、ユーザインターフェース上の特有の場所で交通密度マップのタイルをレンダリングするための命令を受け取ってよい。ユーザインターフェースは、スライダ、または一部の時間窓にわたって交通密度がどのくらい変化するかをユーザが知ることを可能にする他の制御装置を含んでよい。例えば、マップは最初、次の1分間にわたる交通密度を表してよいが、ユーザは、次の2分間にわたってその区域内で作業を行うように計画している場合もある。ユーザインターフェースは、未来の時間の選択を受け取るための制御装置を含んでよい。こうして、ユーザは、未来の時間に(例えば現在の時間から2分のところで)交通密度がどのように見えるかを知るために効果的に先に飛ぶことができる。
【0043】
命令は、HTMLなどのマークアップ言語で提供されてよい。一部の実装形態では、各セクタは、交通密度マップの中の1つのタイルに相当してよい。交通密度ベースのガイダンス情報の提示は、例えば照明要素(例えば色、色調、輝度)を調節する、生成される情報を投影する、可聴合図を調節する(例えば交通密度と相関して、作業員が作業空間内を移動する際に再生する音楽トラックのテンポまたは傾向を変える、または交通密度に相当する内容を含むオーディオトラックを選択する(例えば、低交通密度の区域に近づく、またはそこを横切るとき、「よさそうだ」と言うボーカルトラックが再生されてよく、高密度の区域に近づく、またはそこを横切るとき、「危険だ」と言うボーカルトラックが再生され得る))などの他のまたは追加の知覚可能な出力を含んでよい。提案される経路は、ユーザの開始位置および目的地が分かっている場合の実施形態においてなど、交通密度情報に加えて、またはその代わりに表示されてよい。一部の実装形態では、マップは、マップ上のユーザの位置を示すために継続的に更新されてよい。
【0044】
図3Aは、ロボットの経路が全くマップされていない場合の例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。作業空間は、各々のセルが作業空間のセクタを表す3つの列と、3つの行とを含むマップ302に仕切られる。上記で考察したように、作業空間の仕切り作業は、動的に行われてよい。さらに、マップ302は、追加のまたはこれより少ないセクタを含む場合がある。経路はまだ全く分析されていないため、密度マップ304は、マップ302のセクタを通過する経路が全くないことを示す空の値(例えば0)を含む。密度マップ304は、
図2に示される交通密度マップ204など、交通密度マップを生成するのに使用することができる論理データ構造であってよい。密度マップ304から交通密度マップを生成するために、密度マップ304の各セクタの値は、特定の色にマッピングされてよい。
【0045】
図3Bは、第1の経路に関する例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。第2のマップ312が
図3Bに示される。第2のマップ312は、
図3Aにおけるマップ302と同一の区域をカバーする。しかしながら第2のマップ312は、可動式駆動ユニットのための第1の経路316の描写を含んでいる。第1の経路316は、第1の経路316の終端地点を表す最終目的地318および320を含む。第1の経路316は、移動式駆動ユニットが任務を完了するために作業空間内で選択すると計画される通路を特定する。計画される通路は、第1の経路316が横切る第2のマップ312のセクタに相当する。
【0046】
第2の密度マップ314が
図3Bに示される。第2の密度マップ314は、移動式駆動ユニットが横切る第1の経路316を示すために増分された数を有する5つのセクタを含んでいる。増分された数を有するセクタは、第1の経路316によってカバーされなかったセクタより大きなフォントによって示されている。第1の経路316が進入しない残りのセクタは、空(例えば0)の値を維持する。
【0047】
図3Cは、第2の経路に関するマッピングを含む、
図3Bの例示の交通密度マップを描く絵で表した図である。第3のマップ332が
図3Cに示される。第3のマップ332は、
図3Aにおけるマップ302と同一の区域をカバーする。しかしながら第3のマップ332は、可動式駆動ユニットのための第2の経路336の描写を含んでいる。第2の経路336は、第2の経路336の終端地点を表す最終目的地338および340を含む。第2の経路336は、移動式駆動ユニットが任務を完了するために作業空間内で選択するであろう計画される通路を特定する。計画される通路は、第2の経路336が横切る第3のマップ332のセクタに相当する。
【0048】
第3の密度マップ334が
図3Cに示される。第3の密度マップ334は、移動式駆動ユニットが横切る第2の経路336を示すために増分された数を有する5つのセクタを含んでいる。増分された数を有するセクタは、変化しないセクタの数よりも大きなフォントによって示される数を含んでいる。経路316および第2の経路336は各々3つのセクタを横切るため、第3の密度マップ334においてこれら3つのセクタに関する累積数は2として示される。
【0049】
各経路がどのセクタを横切るかを特定する作業を継続するために追加の経路が分析されてよい。
図3Bおよび
図3Cに示されるように、数は、均一様式で(例えば1の増分で)増分される。いくつかの実装形態では、数は、動的に査定された分量を用いて増分されてよい。例えば経路が、急送など、高い優先度の作業に関して計画される場合、この経路が横切るセクタは、低い優先度のセクタを横断するよりも多く増分されてよい。これにより、密度マップが、所与のセクタに関する密度、およびそのセクタに関する交通の中断が在庫システムの全体の性能に対して有するであろう影響をより正確に反映することが可能になる。
【0050】
密度マップをさらに向上させるために、履歴の経路が分析されてよい。履歴の経路は、履歴の経路が横切ったセクタに関する数が、計画される経路より少なく増分されるようにしてよい。これにより、計画される経路は、履歴の経路よりも交通密度マップにおいてより有力な表示を有することが可能になる。履歴の経路は、時間の関数としてセクタに関する数に寄与してよい。例えば、履歴の経路が計画された、または実行されたそのときの時間から離れるほど、履歴の経路が横切るセクタに関する数に対する寄与率として履歴の経路に与えられる重みは小さくなる。
【0051】
分析される経路の数を制限することが望ましい場合がある。例えば、交通密度マップは、15分で作業を完了する作業員にとっては有益であり得る。作業が完了すると、交通密度マップはもはや必要とされなくてよい。しかしながら管理デバイスは、15分より長い時間にわたって経路を計画する場合がある。そのような実装形態では、経路密度分析器は、推定される期間の範囲内で計画される経路を取得してよい。推定される期間は、人間の作業員に割り当てられる任務に基づいて特定されてよい。任務は、進むべき距離を特定し、任務を実行するための推定速度を提供してよい。一部の実装形態では、予測される期間は、平均的な作業時間など、在庫システムの特徴に基づいて事前に決められてよい。期間は、少なくとも交通密度マップに関するリクエストが受信される時に開始し、任務を完了するために推定される時間にわたって継続してよい。いくつかの実装形態では、推定値に対する小さな変動を考慮するためにバッファ時間が推定時間に加えられてよい。バッファ時間の分量は、交通密度マッピング構成における構成値としてそこに指定されてよい。
【0052】
図4は、ロボットの交通密度ベースのガイダンス情報を生成する例示の方法のフロー図である。
図4に示されるプロセス400は、いかにして交通密度マップが生成され、
図2に示されるアクセスデバイス202などのアクセスデバイスに提供され得るかを例示している。
図4に示されるプロセス400は、
図2に示され、上記で考察したマッピングサーバ250などのマッピングサーバによって全体が、または一部が実施されてよい。
図4に示されるプロセス400の任意の部分またはその一部は、
図1に示され、上記で考察した管理デバイス115などの管理デバイスによって、またはそれと併せて実施されてよい。
図4に示されるプロセス400の任意の部分またはその一部は、
図2に示され、上記で考察した経路計画サーバ274などの経路計画サーバによって、またはそれと併せて実施されてよい。
図4に示されるプロセス400の任意の部分またはその一部は、
図2に示されるアクセスデバイス202など、アクセスデバイスまたは交通密度マップを提示する他のデバイスによって、またはそれと併せて実施されてよい。
【0053】
プロセス400は、ブロック402において開始する。ブロック410において、交通密度マップに関するリクエストをアクセスデバイスから受け取ってよい。交通密度マップに関するリクエストの受信には、マッピングサーバとアクセスデバイスとの間の通信チャネルを確立することも含まれてよい。通信チャネルは、機械可読フォーマットでメッセージを伝送するのに適した有線または無線通信チャネルであってよい。リクエストは、アクセスデバイスに関する識別子、アクセスデバイスを使用する作業員に関する識別子、アクセスデバイスに関する位置情報および/またはアクセスデバイスを使用する作業員によって実行されるべき任務に関する情報が含まれてよい。任務に関する情報は、任務の一部として訪れた場所を探すのに使用することができる任務識別子を含んでよい。任務に関する情報は、任務を実行する間に訪れた作業空間内の開始位置と目的地の位置を含んでよい。
【0054】
ブロック410において交通密度マップに関するリクエストを受け取ることは、受け取ったメッセージを構文解読してメッセージのタイプを判別することを含んでよい。マッピングサーバは、様々な種類のメッセージを受け取ってよい。必要とされる際に交通密度マップが生成されることを保証するために、マッピングサーバは、受け取ったメッセージに関するメッセージタイプをモニタしてよい。メッセージタイプが交通密度マップリクエストに対応付けられている場合、プロセス400はブロック412へと継続する。
【0055】
ブロック412において、アクセスデバイスが置かれた区域のマップが取得されてよい。いくつかの実装形態では、作業空間に関して1つのマップが存在してよい。一部の実装形態では、作業空間は、アクセスデバイスが作動している、および/または作業員が作業している物理的な区域よりも広い場合がある。そのような例では、アクセスデバイスが作動している、および/または作業員が作業している作業空間の部分を表すマップを取得することが望ましい場合がある。物理的区域は、例えばアクセスデバイスに関する位置情報または任務情報など、ブロック410において受け取ったリクエストに含まれる情報を利用して特定されてよい。マップを取得することは、マップデータに関してマップデータサーバにリクエストを送信し、要求されたマップデータを含む応答メッセージを受け取ることを含んでよい。
【0056】
ブロック414において、物理的区域内での移動式駆動ユニットに関する経路情報が受信されてよい。経路情報は、上記で考察したようにマッピングサーバによって受動的にまたは能動的に受信されてよい。経路情報は、在庫システムに含まれる経路計画サーバから受信されてよい。動的構成では、経路情報を受信することは、経路計画サーバにリクエストを送信することを含んでよい。このリクエストには、物理的区域および/または任務の継続時間を特定する情報が含まれてよい。これらのパラメータは、マッピングサーバによって受信される経路情報の量を軽減することができる。リクエストはまた、履歴の経路情報が提供されるべきかどうかを管理するためのパラメータを含んでもよい。例えば、マッピングサーバが、交通密度マップに関して少ない数のリクエストを処理する場合、マッピングサーバは、計画される経路情報と履歴の経路情報の両方を分析するのに利用できるリソースを有することで、要求される交通密度マップを適時提供することができる。そのような例では、マッピングサーバは、履歴の経路情報と計画される経路情報を要求するパラメータを含んでよい。しかしながらマッピングサーバが多くの数のリクエストを処理する場合、マッピングサーバは、履歴の経路情報と計画される経路情報に利用できるリソースを持たない場合もある。そのような例では、マッピングサーバは、計画される経路情報のみを要求するパラメータを含んでよい。
【0057】
ブロック416において、物理的区域のマップは、複数のセクタに仕切られてよい。上記で考察したように、仕切る作業は、物理的区域を均一のセクタに論理的に仕切る作業であってよい。一部の実装形態では、仕切る作業は、マッピングサーバに利用できるリソースに基づいて動的であってよい。例えば、マッピングサーバが少ない数のリクエストを処理する場合、セクタの数は、マッピングサーバが多くの数のリクエストを処理する場合よりも多くなり得る。セクタを仕切る作業は、各位置がセクタを表す一セットの位置を生成することを含んでよい。位置は、文字枠座標、中心点および正方形の幅が指定される点が正方形の座標、中心点および円の半径が指定される点が円形の座標、または他の位置識別子などの座標を用いて特定されてよい。代替の実施形態では、交通密度マップは、物理的区域を複数のセクタに仕切らずに生成されてもよい。
【0058】
ブロック418において、各セクタに関してブロック416からの仕切られたマップおよびブロック414からの経路情報を利用して、通路がセクタに進入する回数に少なくとも部分的に基づいた密度値が生成されてよい。密度値は、その経路に関する位置情報を、そのセットのセクタに対する経路に対して比較することによって生成されてよい。経路に関する位置情報がセクタのうちの1つを横切る場合、このセクタに関する密度値は増分されてよい。一部の実装形態では、密度値は、通路が特定のセクタに進入する回数の総数を表してよい。上記で考察したように、特定のセクタに関する密度値が増分される分量はすべての計画される経路に関する基準であってよい。一部の実装形態では、その分量は、在庫システムの1つまたは複数の要因に基づいて可変であってよい。1つの要因は、移動式駆動ユニットに関する経路であってよい。例えば、経路は、高スループット位置として指定された位置の間の高い優先度の経路であってよい。したがって、高い優先度の経路が横切るセクタは、低い優先度の経路よりもより大きく密度値を増大させてよい。別の要素は、移動式駆動ユニットによって運ばれる品目であってよい。例えば移動式駆動ユニットは、目的値の位置まで注意深く効率的に移動させる必要がある、影響されやすい品目を運ぶ場合がある。そのような移動式駆動ユニットの経路は、他の移動式駆動ユニットよりも高い優先度として指定されてよい。品目の感度は、品目の保管または移動に関連する感度(例えば壊れやすい、腐りやすい、危険であるなど)に合わせて、特定の品目が保管される場所を保持する品目データ記憶システムにアクセスすることによって判定されてよい。
【0059】
別の要素は、その経路内の所与の位置における移動式駆動ユニットの予測される速度など、移動式駆動ユニットの作動状況であってよい。例えば、移動式駆動ユニットが高速で移動している場合、そのときの移動式駆動ユニットの進行の中断は、移動式駆動ユニットが静止している、またはよりゆっくりと移動している場合の中断と比べて、移動式駆動ユニットに対してより重大な中断を与える。一例として、減速し、その後再び経路につくのに移動式駆動ユニットによって消費されるリソースは、休止状態にある間に中断された移動式駆動ユニットによって消費されるリソースよりも大きくなり得る。
【0060】
別の要素は、在庫システムの作動状況であってよい。例えばユーザは、
図1に示される在庫ステーション150などの、在庫ステーションにログインしてよい。在庫ステーションが動作中になったとき、交通量(人間とロボットの両方)は増加してよい。したがって、非動作中の在庫ステーションの周りの位置よりも、動作中の在庫ステーションの近くの位置に大きく重み付けすることが望ましい場合がある。
【0061】
一部の実装形態では、そのセクタに関する重みおよび/または交通密度情報を生成するためにマシンラーニングが含まれてよい。例えばニューラルネットワークが設けられてよく、この場合、各ノードがセクタを表し、ニューラルネットワーク内の接続は、セクタ間の物理的接続をモデル化するのに使用されてよい。履歴の経路情報がモデル化されることで、特有のセクタを通る経路が、経路が最初に計画されたときに予測されたものよりもどのくらい長くかかるかを特定してよい。この方法において、どのようにして進行の中断が発生し、かつ一部の例では中断の大きさがどのくらいであり得るかについての予測がモデルによって生成されてよい。ニューラルネットワークは、ログインしたステーション、人間の数、ロボットの数、経路、目的地、または在庫システムの他の特徴を受信してよい。ニューラルネットワークの出力は、1つまたは複数のセクタに関する予測される密度、1つまたは複数のセクタに対する重みなどを含んでよい。重みは、所与の経路(例えば移動式駆動ユニット)に対しておよび/または全体として在庫システムに対して提供されてよい。
【0062】
上記で考察したように、ブロック414において受け取った経路情報は、この先移動式駆動ユニットが採ろうとしている経路に関して計画される経路情報を含んでよい。ブロック414で受け取った経路情報は、履歴の経路情報を含んでもよい、または代替としてそれを含む場合もある。履歴の経路情報を分析する際、履歴の経路に関して特定のセクタに関する密度値に対する作用は、計画される経路の作用よりも少なく重み付けされてよい。これにより、計画される経路が、履歴の経路よりも、密度値に対して高い影響を有することが可能になる。重み付け作業は、履歴の経路の時間から現在の時間までの経過時間に基づいてよい。重み付け作業は、上記で考察したように履歴の経路の優先度を含んでよい。
【0063】
ブロック418において密度値を生成することは、
図2に示される密度データ記憶装置256などの密度データ記憶装置に各セクタに関する密度値を記憶することを含んでよい。密度データ記憶装置に密度値を記憶することによって、マッピングサーバが、特定の区域に含まれるセクタに関する複合的な密度値を生成することを可能にする。例えば、3つの異なる時間において、一セットのセクタに関する密度値が生成されてよい。ブロック418における生成作業は、3つの異なる時間からのそれぞれのセクタに関する密度値を組み合わせることによって形成される複合的な密度値を含んでよい。これは、履歴の経路情報を取り出し、再分析することを必要とせずに、履歴の経路に関する交通密度を含めるための別の方法であり得る。複合的な密度値を生成するための組み合わせの例には、異なる期間にわたる各セクタに関する密度値の時間加重平均または移動平均が含まれる。
【0064】
ブロック420において、交通密度マップが生成されてよい。交通密度マップは、ブロック418において生成された各セクタに関する密度値を利用して生成されてよい。一部の実装形態では、マッピングサーバは、対応付けられた表示色に対して密度値の範囲をマッピングするルックアップテーブルを含んでよい。特定のセクタが、所与の密度値の範囲内の特定の密度値に対応付けられた場合、交通密度マップは、交通密度マップの範囲内のセクタの色を対応付けられた表示色に合わせて調節してよい。いくつかの実装形態では、密度値の範囲は、アイコンまたは絵文字などの図形と対応付けられてよい。そのような実装形態では、密度値の範囲に対応付けられた図形は、交通密度マップ上に表されるそのセクタ内に提示されてよい。一部の実装形態では、交通密度マップは追加で、または代替として、交通密度値を生成するのに使用される計画される経路のすべてまたはその一部を表示してよい。
【0065】
一部の実装形態では、交通密度マップを生成することは、画像ファイルを生成することを含んでよい。この画像ファイルは、そのセクタに相当する画像データのブロックと、そのセクタに関する交通密度の対応付けられた指示(例えば図形、色、テキスト)を組み合わせることによって形成されてよい。画像ファイルは、多層表示を提供するために半透明であってよく、この場合、交通密度マップを物理的区域のマップと重ね合わせることができる。
【0066】
一部の実装形態では、ブロック410において受信したリクエストは、アクセスデバイスに関する位置情報と、アクセスデバイスに関する目的地の位置とを含んでよい。係る実装形態では、交通密度マップを生成することは、アクセスデバイスの位置から目的地の位置までの経路を提案することを含んでよい。提案される経路を特定することは、最も低い密度を有する一連のセクタがアクセスデバイスの位置から目的地の位置まで特定されてよい。提案される経路は、交通密度マップの一部として含まれてよい、またはアクセスデバイスを介して提示するための追加のグラフィックレイヤとして含まれる場合もある。アクセスデバイスは、どのくらいの速さで提案される経路に沿って移動するかなど、提案される経路を横切るためのガイダンスを提供してよい。ガイダンスは、ユーザによって知覚可能な音声出力、視覚的出力、テキスト出力または触覚出力のうちの1つまたは複数として提供されてよい。
【0067】
ブロック422において、交通密度マップがアクセスデバイスに伝送されてよい。交通密度マップを伝送することは、交通密度マップを表す画像ファイルを送信することを含んでよい。一部の実装形態では、交通密度マップに対する参照がアクセスデバイスに提供されてもよい。係る実装形態では、アクセスデバイスは、この参照を利用して、参照によって特定されるネットワーク位置からなど、交通密度マップを取得することができる。一部の実装形態では、交通密度マップは、表示システム(図示せず)に伝送される場合もある。表示システムは、作業空間内での交通密度マップの提示を実現してよい。例えばプロジェクタが、交通密度マップを受信し、このマップを作業空間内の特定の面に表示してよい。いくつかの実装形態では、プロジェクタは、作業空間の床の一部を照らす場合もある。照明の色は、それぞれのセクタに関する密度に対応してよい。一部の実装形態では、作業空間内の照明系は、交通密度を示すように調節されてよい。例えば、交通密度が低い区域では、光は緑の色調を有する光を発するように調節されてよく、高い交通密度を有する区域は、赤い色調を有する光を発するように調節されてよい。
【0068】
ブロック424において、アクセスデバイスが交通密度マップを能動的に利用しているかどうかについての判定がなされる。例えばアクセスデバイスは、マッピングサーバとの通信チャネルを閉鎖する場合、または任務を完了している場合がある。係る例では、ブロック424における判定が否定的であると、プロセス400はブロック490において終了する。プロセス400は、交通密度マップに関するその後のリクエストに応じて繰り返される場合もあることを理解されたい。
【0069】
ブロック424において、判定が肯定的であり、アクセスデバイスが交通密度マップを能動的に利用している場合、プロセス400は、ブロック414に戻り、上記に説明したように追加の/更新された経路情報を取得してよい。この方法において、交通密度マップは、任意の変更、または計画された追加の経路を反映するために更新されてよい。例えば1秒当たり3回、更新情報に関するリクエストが送信されてよい。
【0070】
図5は、活動メッセージが管理デバイスから1つまたは複数の移動式駆動ユニットに送信され得る機構を例示する。機構500は、ネットワーク206を介して安全管理デバイス115に通信可能に結合された移動式駆動ユニット590(1)から590(N)(この場合N>1)を含んでよい。ネットワーク206は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたはその両方を含めた、1つまたは複数のネットワークを含んでよい。ネットワーク206は、イーサネット、データオーバーケーブルサービスインターフェース仕様(DOCSIS)、光ファイバケーブル、WiFi(登録商標)(例えば802.11)、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、携帯電話用グローバスシステム(GSM)、ロングタームエヴォリューション(LTE)、ユニバーサルモバイルテレフォンサービス(UMTS)、符号分割多元接続(CDMA)、別のタイプのネットワーク技術、またはその任意の組み合わせなどの技術を含んでよい。
【0071】
各移動式駆動ユニット590は、1つまたは複数のプロセッサ502、1つまたは複数のメモリデバイス(例えばコンピュータ可読媒体504)、1つまたは複数の電池(または他の電源)506、駆動ユニット安全制御装置508、トランシーバ510、移動式駆動ユニット(MDU)探知機512、モータ514などの1つまたは複数の駆動機構、またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでよい。コンピュータ可読媒体504は、移動式駆動ユニット590の様々な機能を果たすためにプロセッサ502によって実行可能である命令516を記憶する非一時媒体を含んでよい。駆動ユニット安全制御装置508は、移動式駆動ユニット590が人間580に怪我をさせないように、移動式駆動ユニット590の行動を管理してよい。例えば駆動ユニット安全制御装置508は、特定の物体がその計画される経路を塞いでいることを検知してよい(例えばセンサを介して)。駆動ユニット安全制御装置508は、その物体に衝突するのを回避するために移動式駆動ユニット590に停止させる、またはモータの速度を調節させてよい。駆動ユニット安全制御装置508は、物体に警告するために移動式駆動ユニット590に警報(例えば音または光)を発するようにさせてもよい。駆動ユニット安全制御装置508は、予定された経路の修正を開始してよい。この修正は、移動式駆動ユニット590によって、または管理デバイス115とのメッセージ伝達を介して実施されてよい。トランシーバ510は、ネットワーク206を利用してメッセージを送受信することが可能であってよい。移動式駆動ユニット探知機512は、トランシーバ510を利用して移動式駆動ユニット590(1)から移動式駆動ユニット590(N)の各々の位置を管理デバイス115に伝送するのに使用されてよい。
【0072】
管理デバイス115は、1つまたは複数のプロセッサ518、コンピュータ可読媒体520などの1つまたは複数のメモリデバイス、メッセージ伝達制御装置522、メイン安全制御装置524、入力/出力インターフェース526、警報システム528、トランシーバ530、またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでよい。コンピュータ可読媒体520は、管理デバイス115の様々な機能を果たすためにプロセッサ518によって実行可能である命令532を含んでよい。メッセージ伝達制御装置522は、どの特定のメッセージが特定の移動式駆動ユニットに送信されるべきかを決定してよい。メイン安全制御装置524は、いついかなる物理的な活動の実施もやめるように移動式駆動ユニットに指示するか、いつ速度を緩めるか、いつ人間から離れるように移動するかなどを決めることを含む様々な安全指示を提供してよい。入力/出力インターフェース526は、キーボード、マウス、トラックボール、表示装置、他の入力/出力装置などの種々の入力/出力装置を含んでよい。警報システム528は、作業空間170などの特定の区域内で警報に音を出させる、または警報を表示させるようにして、物理的区域内にいる人間(複数可)にその物理的区域から出るように警告するなどしてよい。トランシーバ530は、移動式駆動ユニットの1つまたは複数にメッセージを送信し、それらからメッセージを受信し、かつマッピングサーバ(
図5には図示されない)と通信するのに使用されてよい。
【0073】
人間580は、アクセスデバイスと対応付けられてよい。アクセスデバイスは、人間580によって装着されてよい、または所持されてもよい。例えばアクセスデバイス202は、認識票、安全帽、保護めがね、作業ブーツ、保護スーツ、または人間580によって着用され得る、または所持され得る任意の他のアイテムに組み込まれてよい。アクセスデバイス202は、管理デバイス115、移動式駆動ユニット、マッピングサーバ250またはそれらの何らかの組み合わせにメッセージを送信する、またはそこからメッセージを受信するためにトランシーバ534を含んでよい。例えばトランシーバ534は、管理デバイス115、移動式駆動ユニットまたはその両方が人間580の位置を特定することを可能にするために、位置データ536を含むメッセージを送信してよい。アクセスデバイス202はまた、マッピングサーバ250によって生成される交通密度マップを提示するためにディスプレイを含んでもよい。
【0074】
一部の実装形態では、移動式駆動ユニット590(1)から590(N)のうちの1つまたは複数は、所定の間隔で(例えばMミリ秒毎に、この場合M>0)、問い合わせメッセージ538(例えば「作業を継続するか?」)を管理デバイス115に送信してよい。問い合わせメッセージ538の受信に応答して、管理デバイス115は、移動式駆動ユニット590(1)から(N)のうちの個々の1つに応答メッセージを送信してよい。例えば、管理デバイス115が、人間が存在していないと判断した場合、応答メッセージは、移動式駆動ユニットに一セットの活動の実施を続けるように命令する活動メッセージ540であってよい。管理デバイス115が、人間が存在していると判断した場合、応答メッセージは、移動式駆動ユニットに一時的に(例えば人間580が存在している間)いかなる物理的な活動の実施もやめるように指示する停止メッセージ542であってよい、または応答メッセージは、移動式駆動ユニットに、新たな場所に進む際、一時的に(例えば人間580が存在している間)移動式駆動ユニットの速度を落とすように指示する低速メッセージ544であってもよい。人間が存在する場合の他の応答メッセージ、例えば移動式駆動ユニットに人間580から離れるように進むように指示する応答命令、または種々の応答メッセージの組み合わせなども可能である。
【0075】
活動メッセージ540には、対応付けられた移動式駆動ユニットに関する経路変更が付随し得る。このような経路変更情報は、上記で考察したようにマッピングサーバ250によって検出され、交通密度マップを更新するのに任意で使用されてよい。
【0076】
問い合わせメッセージ538は、管理デバイス115が移動式駆動ユニットから受け取る各問い合わせメッセージを独自に識別する識別子546を含んでよい。例えば識別子546は、問い合わせメッセージ538を送信する移動式駆動ユニット590の個体識別性と、問い合わせメッセージ538が形成された日付と時間を含むタイムスタンプとを含んでよい。問い合わせメッセージ538が識別子546を含む場合、管理デバイス115によって送信される応答メッセージ(例えばメッセージ540、542または544のうちの1つ)は、特定の問い合わせメッセージに対応するように応答メッセージを特定するために識別子546を含んでよい。移動式駆動ユニット590うちの特定の移動式駆動ユニットが、直前に送られた問い合わせメッセージの識別子546を含む応答メッセージを受信しなかった場合、この特定の移動式駆動ユニットは、識別子546を含む応答メッセージが受信されるまで、および/または管理デバイス115がそれ以外の方法で特定の移動式駆動ユニットに命令するまでいかなる物理的な活動の実施も中止してよい。
【0077】
いくつかの実装形態では、移動式駆動ユニットが、問い合わせメッセージ538を送信しない場合もある。人間が検出されない場合、管理デバイス115は、活動メッセージ540を移動式駆動ユニットに周期的に流す(例えば送信する)ことで、一セットの活動を実施する(または実行することを継続する)ように移動式駆動ユニットの各々に指示してよい。人間580の存在の検出に応答して、管理デバイス115は活動メッセージ540を移動式駆動ユニットに送信するのを中止してよい、および/または停止メッセージ542、低速メッセージ544、または人間が存在する際の他の適切なメッセージを周期的に流してもよい。人間580が、移動式駆動ユニットが活動を行っていた物理的区域を去ったと判断した後、管理デバイス115は、活動メッセージ540を移動式駆動ユニットに流すことを再開することで、移動式駆動ユニットに一セットの活動の実施を再開する、および/または異なるセットの活動を実施するように指示してよい。
【0078】
停止メッセージ542または低速メッセージ544は移動式駆動ユニットに関して計画される経路に影響を与える場合もあるため、停止メッセージ542または低速メッセージ544は、上記で考察したようにマッピングサーバ250によって検出されてよく、その速度が調節された移動式駆動ユニットに関して更新された経路を考慮するために交通密度マップを更新するのに任意で使用されてよい。
【0079】
移動式駆動ユニットのうちの1つ、例えば移動式駆動ユニット590(1)が、活動メッセージ540を受信しなかった場合、移動式駆動ユニット590(1)は、移動式駆動ユニット590(1)が活動メッセージ540を受信するまでいかなる物理的な活動の実施も中止してよい。例えばネットワーク206が機能不全である場合、すなわち移動式駆動ユニットが、管理デバイス115からのコマンドを受信することができない場所まで移動する可能性がある状況において、または移動式駆動ユニットが活動メッセージ540を受信しない別の状況において、移動式駆動ユニットは、活動メッセージ540が受信されるまで、および/またはそれ以外の方法で指示されるまでいかなる物理的な活動の実施も中止してよい。こうして、移動式駆動ユニットが核心的事物(heartbeat)を検出(例えば活動メッセージ540を受信)しない場合、移動式駆動ユニットが、いかなる物理的な活動も中止するなどデフォルトの活動を実施し得るように、活動メッセージ540は「核心的事物」として機能してよい。移動式駆動ユニットは、移動式駆動ユニットが活動メッセージ540の周期的な受信を再開したとき、一セットの活動の実施を再開してよい。
【0080】
こうして移動式駆動ユニットは、それらが、一セットの活動を実施するようにそれらに指示する管理デバイス115からの活動メッセージ540を周期的に受信したとき、一セットの活動を作業空間170内で実施してよい。管理デバイス115が作業空間170内にいる人間150を検出した場合、管理デバイス115は、人間580からの移動式駆動ユニットの各々の距離を測定し、停止メッセージ542または低速メッセージ544(または他のメッセージ)を、人間580の作業ゾーン105の所定の距離の範囲内にいるものなど選択された移動式駆動ユニットに送信してよい。一部の移動式駆動ユニットは、移動式駆動ユニットが活動メッセージ540を周期的に受信しない場合、いかなる物理的な活動の実施も中止してよい。
【0081】
図6は、移動式駆動ユニットを作動させるための例示の環境を示す絵で描いた図である。環境600は、移動式駆動ユニットに関する位置情報を特定するための識別子(例えば基準マーカー)を含む。一部の実装形態では、識別子616などの識別子(例えば基準マーカー)は、移動式駆動ユニット(例えば移動式駆動ユニット590(1)から590(N)、この場合Nは1より大きい)のうちの1つまたは複数の位置を特定するために使用されてよい。例えば、識別子616(1)から616(M)(Mは1より大きい)は、特定の区域(例えば、
図1の作業空間170)における様々な位置に配置されてよい。識別子616の各々は、対応する位置データ602(1)から602(M)を含んでよい、またはそれらに対応付けられてもよい。識別子616は、光学スキャナなどの撮像装置を利用して読み取ることができる光学コード(例えばバーコード、二次元バーコード(「クイックレスポンス」またはQR(登録商標)コードなど)あるいは他のタイプのスキャン可能なコード)を含んでよい。あるいは、識別子616は、他の装置に伝送することができる、または他の装置によって読み取ることができる情報をそこに保管する無線周波数識別子(RFID)タグ、近距離無線通信(NFC)タグなどを含んでもよい。一部のケースでは、識別子616は、識別子616の各々に対応する区域内の特定の位置を識別する位置データ602などの位置情報を含んでよい。
【0082】
移動式駆動ユニット590(1)から590(N)の各々は、識別子616をスキャンする(例えば読み取る)ことが可能なスキャナ604などの撮像装置を含んでよい。移動式駆動ユニット590のうちの特定の1つが、識別子616のうちの1つを通り過ぎる毎に、またはその上を通る毎に、スキャナ604は、識別子616のうちの1つをスキャンし、移動式駆動ユニットの位置データを含むメッセージ606を管理デバイス115に送信してよい。例えば、メッセージ606に含まれる移動式駆動ユニットの位置データは、移動式駆動ユニットが識別子をスキャンする際に取得した独自の識別子を含んでよい。管理デバイス115は、メッセージ606を受け取った後、移動式駆動ユニット590のうちの1つまたは複数の位置を特定してよい。例えば移動式駆動ユニット590(1)は、識別子616(1)を独自に識別する情報を含むメッセージを送信してよい。管理デバイス115は、識別子616(1)を独自に識別する情報を含む移動式駆動ユニットのメッセージ606を受け取り、識別子616を独自に識別する情報が識別子616(1)に対応付けられていることを特定し、識別子616(1)の位置を特定することで移動式駆動ユニット590(1)の位置を特定してよい。管理デバイス115は、
図1または
図5に示される管理デバイス115と同様であってよい。
【0083】
特定の区域(例えば作業空間170)内の人間580などの各々の人間は、識別子616をスキャンする(例えば読み取る)ことが可能なスキャナ608などの撮像装置を含み得るアクセスデバイス202を装着する、または所持してよい。人間580が識別子616のうちの1つの近くを通る度に、スキャナ608は、識別子616の位置データ602をスキャンし、位置データメッセージ536を管理デバイス115に送信してよい。例えば、位置データメッセージ536は、識別子616のうちの1つによって提供される独自の識別子を含んでよい。管理デバイス115は、位置データメッセージ536を受け取った後、人間580の位置を特定してよい。例えば人間580は、識別子616(1)に対応付けられた位置データ602(1)を含む位置データメッセージ536を送信してよい。管理デバイス115は、位置データメッセージ536を受け取り、位置データ602(1)が識別子616(1)に対応付けられていることを特定し、作業空間170内の識別子616(1)の位置を特定することで人間580の位置を特定してよい。位置データメッセージ536はまた、人間580の固有の位置に関する交通密度マップの生成を促進するためにマッピングサーバ250に伝送される場合もある。
【0084】
スキャナ604、608(例えば撮像装置または無線通信装置)は、識別子616をスキャンするように設計されてよい。例えば、識別子616が光学式にスキャン可能、または読み取り可能である場合、スキャナ604,608は、カメラまたは別のタイプの撮像装置であってよい。識別子616がRFIDタグである場合、スキャナ604、608は、RFスキャナ(例えばRFIDリーダー)であってよい。
【0085】
したがって、各基準マーカーが独自の対応する識別子を有する場合の基準マーカーなどの識別子が、移動式駆動ユニットの位置を特定するのに使用されてよい。管理デバイス115は、移動式駆動ユニットのうちの1つまたは複数に指示する1つまたは複数のコマンドメッセージ610を送信してよい。コマンドメッセージは、一セットの活動の実施を中止するように移動式駆動ユニットに指示してよい。コマンドメッセージは、新たな位置に移動する、いかなる活動の実施も中止する、特定の場所から離れるように進む、第1の位置から第2の位置に在庫ホルダを移動させる、またはそれらの何らかの組み合わせを行うように移動式駆動ユニットに指示してよい。コマンド610が移動式駆動ユニットに送信される際、マッピングサーバは、移動式駆動ユニットに関する経路情報を能動的にまたは受動的に検出してよい。この経路情報は、交通密度マップを生成する、または更新するのに使用されてよい。
【0086】
移動式駆動ユニットの活動を管理デバイスと連携させるための追加の例の構造および技術は、「SAFETY COMPLIANCE FOR MOBILE DRIVE UNITS」と題され、2014年8月29日に出願された、米国特許出願第14/472717号に説明されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0087】
図7は、ロボットの交通密度ベースの情報を生成するための一例のコンピューティングデバイスの機能ブロック図を示す。コンピューティングデバイス700は、本明細書に記載されるプロセスおよび実施形態の一部またはすべてを実行するように構成されてよい。例えばコンピューティングデバイス700は、通信機器、携帯電話または衛星無線電話、ラップトップ、タブレットまたはデスクトップコンピュータ、デジタルテレビジョン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)を含めた任意のコンピューティングデバイスによって、またはネットワークアクセス可能なサーバとの何らかの組み合わせを含めた、複数の係る装置の組み合わせによって実現されてよい。コンピューティングデバイス700は、当業者に既知の技術を利用するハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実現されてよい。交通密度ベースの情報を生成するために開示されるプロセスは代替として、2つ以上の異なるコンピューティングデバイスのシステムにわたって分散されてもよい。
【0088】
コンピューティングデバイス700は、処理ユニット702、ネットワークインターフェース704、コンピュータ可読媒体ドライブ706、入力/出力装置インターフェース708およびメモリ710を含むことができる。ネットワークインターフェース704は、1つまたは複数のネットワークまたはコンピューティングシステムへの接続性を提供することができる。処理ユニット702は、ネットワークインターフェース704を介して他のコンピューティングシステムまたはサービスから情報および命令を受信することができる。ネットワークインターフェース704はまた、メモリ710に直接データを保管することもできる。処理ユニット702は、メモリ710と往復するように通信することができる。入力/出力装置インターフェース708は、例えばキーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、カメラ等の任意選択の入力装置722から入力を受け入れることができる。いくつかの実装形態では、任意選択の入力装置722が、コンピューティングデバイス700に組み込まれる場合もある。追加として、入力/出力装置インターフェース708は、種々のドライバ、増幅器、前置増幅器、発話のためのフロントエンドプロセッサ、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器などを含めた他の構成要素を含んでもよい。
【0089】
メモリ710は、1つまたは複数の実施形態を実施するために処理ユニット702が実行するコンピュータプログラム命令を含んでよい。メモリ710は一般に、RAM、ROMおよび/または他の持続的、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ710は、コンピューティングデバイス700の全体的な管理および動作における処理ユニット702による使用のためにコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム712を格納することができる。メモリ710はさらに、コンピュータプログラム命令、および記載される機能の一部のまたはすべてを実施するための他の情報を含むことができる。例えば一実施形態においてメモリ710は、交通密度マップを生成するためにコンピューティングデバイス700の状態を調整するための構成値を提供する交通密度マッピング構成714を含む。例えば交通密度マッピング構成714は、新たなまたは更新された経路情報に関して経路計画サーバをどのくらいの頻度でポーリングするかを特定してよい。交通密度マッピング構成714は、様々な密度値に関する表示ルールを含んでよい。表示ルールは、密度値の範囲のルックアップテーブルと、対応する表示要素(複数可)とにおいて実現されてよい。交通密度マッピングプロセッサ730が、交通密度マップの生成を調整するためにコンピューティングデバイス700の中に含まれてよい。交通密度マッピングプロセッサ730は、
図4に示されるプロセス400などのプロセスを実行するように構成されてよい。
【0090】
メモリ710はまた、データストア722などの1つまたは複数の補助データストアを含む、またはこれと通信してもよい。データストア722は、提案された経路、履歴のセクタ密度値、仕切られたマップなど、交通密度マップに関するデータを電子的に保管してよい。コンピューティングデバイス700に含まれる要素がデータ(例えばメッセージ)をやり取りすることを可能するために、バス790が、コンピューティングデバイス700内に含まれてよい。
【0091】
一部の実施形態では、コンピューティングデバイス700は、
図7に示されるものと比べて追加の構成要素、またはそれより少ない構成要素を含む場合がある。例えばコンピューティングデバイス700は、2つ以上の処理ユニット702およびコンピュータ可読媒体ドライブ706を含んでもよい。別の例では、コンピューティングデバイス700は、入力装置722を含まない、もしくは入力装置722に結合されない、ネットワークインターフェース704を含まない、コンピュータ可読媒体ドライブ706を含まない、オペレーティングシステム712を含まない、またはデータストア722を含まない、もしくはデータストア722に結合されない場合がある。いくつかの実施形態では、2つ以上のコンピューティングデバイス700が合わさって、本開示の特徴を実行するためのコンピュータシステムを形成する場合もある。実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセスまたはアルゴリズムのいずれかの特定の活動、事象または機能は、異なる順序で実行することができ、追加する、合体させる、または完全に省くことができる(例えばすべての記載される作業または事象は、このアルゴリズムの実施のために必須ではない)。さらに特定の実施形態において、作業または事象は、例えばマルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサもしくは複数のプロセッサコアを通して、または他の並列機構において、連続式にではなく、同時に実施することができる。
【0092】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される種々の例示の論理ブロック、モジュール、ルーチンおよびアルゴリズムステップは、電子ハードウェアとして、または電子ハードウェアと実行可能ソフトウェアとの組み合わせとして実現することができる。このような相互互換性を明確に例示するために、種々の例示の構成要素、ブロック、モジュールおよびステップは、概ねその機能性の点において上記で説明されている。そのような機能性が、ハードウェアとして実現されるか、ハードウェア上で稼働するソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーション、および全体のシステムに対して課される設計の制約に左右される。記載される機能性は、各々の特定のアプリケーションに関して変動するやり方で実現することができるが、そのような実装形態の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるように解釈されるべきではない。
【0093】
さらに、本明細書に開示される実施形態に関連して記載される種々の例示の論理ブロックおよびモジュールは、移動式駆動ユニット、管理デバイスまたは在庫システムに含まれる他のハードウェアによって実現する、または実行することができる。移動式駆動ユニット、管理デバイスまたは在庫システムに含まれる他のハードウェアは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロプロセッサ、制御装置、マイクロコントローラまたは他のプログラマブル論理要素、別個のゲート論理もしくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素またはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。在庫システムを実現するのに使用されるデバイスは、本明細書に記載される交通密度ガイダンス機能を実行するように固有に設計される。在庫システムに含まれるデバイスのうちの1つまたは複数は、本明細書に記載される機能のうちの1つまたは複数を実行するために特有のコンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電子回路を含んでよい。デバイスがFPGAまたは同様のプログラマブル要素を含む実施形態では、在庫システム(またはそこに含まれるデバイス)は、コンピュータ実行可能命令を処理せず、代わりにFPGAまたは同様のプログラマブル要素を列挙される機能を実行するように構成することによって、機能が表現される処理のうちの1つまたは複数を実現してもよい。デジタル技術に関して主に本明細書で説明されているが、在庫システムの態様は主にアナログ構成要素を含む場合もある。例えば、本明細書に記載される交通密度ガイダンス機能の一部またはすべては、アナログ回路において、またはアナログ回路とデジタル回路が混合した回路において実現されてよい。
【0094】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される方法、プロセス、ルーチンまたはアルゴリズムの要素は、在庫システムのハードウェアにおいて直接、在庫システムに含まれる1つまたは複数のデバイスによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または2つの組み合わせにおいて具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROMまたは同様の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に備わっている場合がある。例示の記憶媒体は、在庫システム(またはそこに含まれるデバイス)が、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように在庫システムに結合させることができる。代替形態において、記憶媒体は、在庫システム、またはそれに関して必要性を有するデバイスと一体式であってよい。
【0095】
とりわけ「することができる(can)」、「できたであろう(could)」、「してもよい(might)」、「してもよい(may)」、「例えば(e.g.、)」などの本明細書中で用いられる条件的言語は、そうでないことが具体的に記述されない限り、または使用される文脈内でそれ以外に理解されない限り、特定の実施形態は特定の特徴、要素、および/またはステップを含み、他の実施形態はこれらを含まないことを伝えることが一般的に意図されている。したがって、そのような条件的言語は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つまたは複数の実施形態に関して任意の方法で要求されるか、または1つまたは複数の実施形態が、他の入力もしくはプロンプトを用いて、もしくはこれらを用いることなく、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、任意の特定の実施形態において実行されるべきであるかを決定するための論理を必ず含むことを含意することは一般的に意図されていない。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは同義であり、オープンエンド様式で包含的に用いられ、追加の要素、特徴、行為、動作などを排除しない。また、用語「または(or)」は、その包含的な趣旨で(排除的な趣旨ではなく)用いられ、例えば要素のリストをつなぐのに用いられる際、用語「または(or)」はリストの中の要素の1つ、その一部またはすべてを意味する。
【0096】
「X、Y、Zのうちの少なくとも1つ」という表現などの選言的な言語は、そうでないことが具体的に明記されない限り、項目、用語等がX、YもしくはZ、またはそのいずれかの組み合わせ(例えば、X、Yおよび/またはZ)のいずれかであり得ることを示すために一般的に用いられるものとして文脈によって別の方法で理解される。したがって、係る選言的言語は、特定の実施形態がXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、またはZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在すべきことを要求することを暗に示すことは概して意図しておらず、そうすべきではない。
【0097】
特に明記しない限り、「a」または「an」などの冠詞は、一般に、1つまたは複数の記載された項目を含むように解釈すべきである。したがって、「~するように構成された装置(a device configured to)」等の句は、1つまたは複数の列挙された装置を含むことを意図する。そのような1つまたは複数の列挙された装置は、記載される詳述を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「詳述A、BおよびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、詳述BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサと連動して機能する、詳述Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0098】
本明細書で使用される際、「判断する(determine)」または「判断すること(determining)」という用語は広い範囲の動作を包含する。例えば、「判断すること(determining)」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して計算すること、算出すること、処理すること、抽出すること、生成すること、取得すること、調べること(例えばテーブル、データベースまたは別のデータ構造内を調べる)、確認することなどを含んでよい。また「判断すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含んでもよい。また「判断すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して解決すること、選択すること、選出すること、確立することなどを含む場合もある。
【0099】
本明細書で使用される際、「提供する(provide)」または「提供すること(providing)」という用語は広い範囲の動作を包含する。例えば「提供すること(providing)」は、その後の検索のために保管装置の特定の場所に値を記憶すること、少なくとも1つの有線または無線通信媒体を介して受取人に直接値を伝送すること、値に対する参照を伝送する、またはそれを記憶することなどを含んでよい。「提供すること」は、ハードウェア要素を介して、エンコードすること、デコードすること、暗号を解読すること、実証すること、検証することなどを含んでもよい。
【0100】
本明細書で使用される際、「メッセージ(message)」という用語は、情報を伝達する(例えば、伝送するまたは受信する)ための広い範囲のフォーマットを包含している。メッセージは、XMLドキュメント、固定フィールドメッセージ、コンマ区切りメッセージなどの情報の機械が読み取り可能な集合体を含んでよい。メッセージは、一部の実装形態では、情報の1つまたは複数の表現を伝達するのに使用される信号を含んでよい。単数で記載されているが、メッセージは、複数の部分で構成され得る、伝達され得る、記憶され得る、受信され得ることが理解されるであろう。
【0101】
本明細書で使用される際、「受信する(receive)」または「受信すること(receiving)」は、情報を取得するために特有のアルゴリズムを含んでよい。例えば、受信することは、情報に関するリクエストメッセージを伝送することを含んでよい。リクエストメッセージは、上記に記載したようにネットワークを介して伝送されてよい。リクエストメッセージは、当分野で知られた1つまたは複数の十分に定義された機械が読み取り可能な規格に従って伝送されてよい。リクエストメッセージは、リクエストするデバイスと、リクエストを伝送されたデバイスが、リクエスト間で特定の状態を維持するステートフルであってよい。リクエストメッセージは、そのリクエストに関するステート情報が、リクエストするデバイスと、リクエストの任務を果たすデバイスとの間でやり取りされるメッセージに含まれるステートレスリクエストである場合もある。そのようなステート情報の一例は、リクエストするデバイスまたは機能を果たすデバイスのいずれかによって生成され、やり取りされるメッセージに含まれ得る独自のトークンを含む。例えば、応答メッセージは、リクエストメッセージが、応答メッセージを伝送するために機能を果たすデバイスに何をさせたのかを示すためのステート情報を含んでよい。
【0102】
本明細書で使用される際、「生成する(generate)」または「生成すること(generating)」は、他の入力情報に基づいて、または他の入力情報を利用して情報を形成するための特有のアルゴリズムを含んでよい。生成することは、メモリからなど、または生成することを実行するハードウェアに提供された入力パラメータとして、入力情報を取り出すことを含んでよい。ひとたび取得すると、生成することは、入力情報を組み合わせることを含んでよい。組み合わせは、生成することの結果を示す出力を提供するように構成された特有の回路を通して実施されてよい。組み合わせは、例えば入力情報、デバイスの動作特徴(例えば利用可能なハードウェアリソース、電力レベル、電源、メモリレベル、ネットワークの接続性、帯域幅など)に基づいた実行パスの動的な選択を通してなど、動的に実施されてよい。生成することは、メモリロケーションで生成された情報を記憶することを含んでもよい。メモリロケーションは、生成することを開始するリクエストメッセージの一部として識別されてよい。一部の実装形態では、生成することは、生成された情報にアクセスすることができる場所を特定する位置情報を返してよい。位置情報は、メモリロケーション、ネットワークロケーション、ファイルシステムロケーションなどを含んでよい。
【0103】
本明細書で使用される際、「作動させる(activate)」または「作動させること(activating)」は、デバイスに対する機械的、電子的または電気機械状態の変化を生じさせること、またはトリガすることを指してよい。デバイスの作動は、デバイス、またはそれに対応付けられた機能を、第1の状態から第2の状態に変化するようにさせてよい。一部の実装形態では、作動は、例えば立体視眼鏡のレンズの観測状態を変化させることなど、第1の状態から第2の状態に機能を変化させることを含んでよい。作動させることは、所望される状態の変化を指す制御メッセージを生成することと、デバイスに状態の変化を生じさせるためにデバイスに制御メッセージを提供することとを含んでよい。
【0104】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用されるように新規の機能を示し、説明し、指摘しているが、例示される装置またはアルゴリズムの形式および詳細の様々な省略、置換および変更は、本開示の趣旨から逸脱せずになされ得ることを理解することが可能である。認識することができるように、本明細書に記載される特定の実施形態は、一部の機能は、他のものとは別個に使用され得る、または実施され得るため、本明細書で述べられる機能および利点のすべてを提供するのではない特定の形式において具現化することができる。本明細書に開示される特定の実施形態の範囲は、上述の説明によってではなく、付属する特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入るすべての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
【0105】
本開示の実施形態の例は、以下の条項を鑑みて説明することができる。
【0106】
条項1.予定された経路に従って物理的区域の中を移動するようにプログラムされた複数のロボットと、前記ロボットの前記予定された経路を使用して前記物理的区域に関する交通密度マップを生成し、かつ前記交通密度マップをユーザデバイスに伝送してロボットの移動に対する中断を制限するために、人である対象が前記物理的区域を移動する際に支援するようにプログラムされたコンピューティングシステムとを備えるシステム。
【0107】
条項2.前記コンピューティングシステムは、前記交通密度マップから得られた提案される経路情報を伝送し、ロボットの移動に対する中断を制限するために、前記人である対象が前記物理的区域を移動する際にさらに支援するようにさらにプログラムされる、条項1に記載のシステム。
【0108】
条項3.前記ロボットは、転動要素と、モータとを含み、予定された経路を修正することは、妨害している物体を検出したとき衝突を回避するために前記モータの速度を調節することを含む、条項1に記載のシステム。
【0109】
条項4.前記コンピューティングシステムは、前記ユーザデバイスが配置される前記物理的区域のマップを取得することと、前記ロボットの前記予定された経路を受け取ることであって、各々の予定された経路が、各ロボットが前記物理的区域内を横切るように予定される通路を特定している、前記受け取ることと、前記物理的区域の前記マップを複数のセクタに仕切ることと、前記複数のセクタの各々に関して、通路が前記それぞれのセクタに進入する回数の総数を生成することと、を行い、セクタに関する前記総数は、前記セクタに関するロボットの交通密度を示しており、前記交通密度マップは、各セクタに関する前記総数を利用して生成されるようにさらにプログラムされる、条項1に記載のシステム。
【0110】
条項5.特有のコンピュータ実行可能命令の制御の下にあるコンピューティングシステムによって、物理的区域内で作業中の自律型有用物に関する経路情報を受け取ることであって、前記経路情報が、各自律型有用物が前記物理的区域内を横切るように予定される通路を特定し、前記物理的区域は一セットのセクタを含む、前記受け取ることと、前記セクタの前記セットに含まれるセクタに関して、自律型有用物に関する通路が前記それぞれのセクタに進入する回数に少なくとも部分的に基づいて交通密度値を生成することと、前記物理的区域に関する密度マップを生成することであって、前記密度マップにおける各セクタは、前記交通密度値に少なくとも部分的に基づいて特定の色が割り当てられる、前記生成することと、を行うことを含む、コンピュータ実装方法。
【0111】
条項6.前記物理的区域内に配置された通信装置から、前記密度マップに関するリクエストを受け取ることであって、前記密度マップは前記リクエストに応答して生成される、前記受け取ることをさらに含む、条項5に記載のコンピュータ実装方法。
【0112】
条項7.前記リクエストは、前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報を含み、前記方法は、前記位置の閾値の距離の範囲内にあるセクタの前記セットに含めるためのセクタを特定することをさらに含む、条項6に記載のコンピュータ実装方法。
【0113】
条項8.前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置とを含み、前記方法は、前記通路を形成する前記セクタに関して最も低い交通密度を有する、前記位置から前記目的地の位置までの通路を形成するセクタを特定することと、前記密度マップ上に前記通路の視覚的表示を含むこととをさらに含む、条項6に記載のコンピュータ実装方法。
【0114】
条項9.前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置とを含み、前記方法は、前記通信装置が前記場所から前記目的地の位置まで移動するための時間の概算値を生成することをさらに含み、前記時間の概算値は、(i)前記通路の距離と、(ii)進行速度とを利用して生成され、前記経路情報は、少なくとも前記リクエストが前記通信装置から受信される時に始まり、少なくとも前記時間の概算値にわたって継続する期間にわたって計画される経路に関して受信される、条項6に記載のコンピュータ実装方法。
【0115】
条項10.データ記憶装置から、前記セクタの各々に関して、各々が前記密度マップのリクエストが受信された時間より前の時間を有する予め生成された交通密度値を受け取ることと、セクタの前記セット内の前記セクタの各々に関して、前記予め生成された交通密度値に少なくとも部分的に基づいて重み付けされた履歴の密度値を生成することであって、セクタに関する前記予め生成された交通密度値に対する重みは、前記セクタに関する前記密度値に対する前記予め生成された密度値の寄与率を低下させる、前記生成すること、をさらに含む、条項5に記載のコンピュータ実装方法。
【0116】
条項11.前記交通密度マップリクエストが受信された時間と前記予め生成された交通密度値に対応付けられた時間との差を示す時間加重を生成することをさらに含み、予め生成された交通密度値に対する前記重みは前記差と逆相関しており、前記予め生成された交通密度値に対する前記重みは前記時間加重を含む、条項10に記載のコンピュータ実装方法。
【0117】
条項12.自律型有用物によって運ばれる品目のセットを特定することと、前記品目のセットの中の品目の数に基づいて前記自律型有用物の前記経路に関する優先度を生成することであって、前記優先度は前記品目の数に正に相関している、前記生成することと、前記優先度に比例して、前記自律型有用物の前記通路が横切るセクタに関する前記交通密度値に寄与する分量に重み付けすることであって、高い優先度の経路を有するセクタは、より低い優先度の経路を有するセクタよりもより高い密度を示す、前記重み付けすることと、をさらに含む、条項5に記載のコンピュータ実装方法。
【0118】
条項13.物理的区域内で作業中のロボットに関する経路を予定し、伝送するように構成され、各経路は、ロボットが前記物理的区域内を横切る通路を特定するロボットの経路計画システムと、特有のコンピュータ実行可能命令を格納するデータストアと、前記データストアと通信するコンピューティングシステムであって、前記コンピューティングシステムはプロセッサを含み、かつ前記コンピューティングシステムに少なくとも、前記経路計画システムから、セクタのセットを含む前記物理的区域内の前記ロボットに関する前記経路を受け取ること、前記セクタの前記セット内に含まれるセクタに関して、ロボットに関する通路が前記それぞれのセクタに進入する回数に少なくとも部分的に基づいて交通密度値を生成すること、前記物理的区域に関する密度マップを生成することであって、前記密度マップ内の各セクタは、前記交通密度値に少なくとも部分的に基づいて表示特性を持つものに割り当てられる、前記生成すること、を行うように命令する特有のコンピュータ実行可能命令によってプログラムされる前記コンピューティングシステムと、を備えるシステム。
【0119】
条項14.前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに前記通信装置に対して前記密度マップを伝送させる、条項13に記載のシステム。
【0120】
条項15.前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、前記物理的区域内に位置する通信装置から前記密度マップに関するリクエストを受け取るようにさせ、前記密度マップは、前記リクエストに応答して生成される、条項13に記載のシステム。
【0121】
条項16.前記リクエストは、前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報を含み、前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、前記位置の閾値の距離の範囲内にあるセクタの前記セットに含めるためのセクタを特定するようにさせる、条項15に記載のシステム。
【0122】
条項17.前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が、前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置とを含み、前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、前記通路を形成する前記セクタに関して最も低い交通密度を有する、前記位置から前記目的地の位置までの通路を形成するセクタを特定させ、前記密度マップ上に前記通路の視覚的表示を含むようにさせる、条項15に記載のコンピュータ実装方法。
【0123】
条項18.前記リクエストは、(i)前記通信装置の前記物理的区域内の位置を特定する位置情報と、(ii)前記通信装置が前記物理的区域内で利用される場所を特定する、前記物理的区域内の目的地の位置とを含み、前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、前記通信装置が前記位置から前記目的地の位置まで移動するための時間の概算地を生成するようにさせ、前記時間の概算値は、(i)前記通路の距離と、(ii)進行速度とを利用して生成され、前記経路情報は、少なくとも前記リクエストが前記通信装置から受信される時に始まり、少なくとも前記時間の概算値にわたって継続する期間にわたって計画される経路に関して受信される、条項15に記載のコンピュータ実装方法。
【0124】
条項19.前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、データ記憶装置から、前記セクタの各々に関して、各々が、前記密度マップリクエストが受信された時間より前の時間を有する予め生成された交通密度値を受け取ることと、セクタの前記セット内の前記セクタの各々に関して、前記予め生成された交通密度値に少なくとも部分的に基づいて重み付けされた履歴の密度値を生成することであって、セクタに関する予め生成された交通密度値に対する重みは、前記セクタに関する前記密度値に対する前記予め生成された密度値の寄与率を低下させる、前記生成すること、をさせる、条項15に記載のシステム。
【0125】
条項20.前記プロセッサは、前記特有のコンピュータ実行可能命令を実行することで、さらに前記システムに、ロボットによって運ばれる品目のセットを特定することと、前記品目のセットの中の品目の数に基づいて前記ロボットの前記経路に関する優先度を生成することであって、前記優先度は、前記品目の数に正に相関する、前記生成することと、前記ロボットの前記通路が横切るセクタに関する前記交通密度値に寄与する分量に重み付けすることであって、高い優先度の経路を有するセクタは、より低い優先度の経路を有するセクタよりもより高い密度を示す、前記重み付けすること、をさせる、条項13に記載のシステム。