(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】モジュール式タイル、機能化された桟部材、パイプ、およびパイプを生成するための方法
(51)【国際特許分類】
E04D 1/30 20060101AFI20220118BHJP
E04D 13/18 20180101ALI20220118BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20220118BHJP
F03D 1/04 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
E04D1/30 603H
E04D13/18
E04F13/08 Z
F03D1/04 B
(21)【出願番号】P 2019546971
(86)(22)【出願日】2016-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2016077486
(87)【国際公開番号】W WO2018086708
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-08-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519167391
【氏名又は名称】ロジック・スイス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LOGIC SWISS AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュバートナー,ヘイコ
(72)【発明者】
【氏名】マッジ,ロメオ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-065206(JP,A)
【文献】特開平08-100503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0147347(US,A1)
【文献】特開2003-074989(JP,A)
【文献】特開2012-036414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/30
E04D 13/18
E04F 13/08
F03D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動源、熱源、および光源からエネルギーを収集するためのタイル、好ましくは屋根タイル(1)であって、
光源からエネルギーを収集するための少なくとも1つの太陽電池(3)と、少なくとも1つの熱収集器(4)とを有する、ハウジング(2)を含み、
前記タイルは、風力タービン(6)を有する少なくとも1つの風路(5)を含み、
前記風路(5)は、少なくとも1つの入口(7)と少なくとも1つの出口(8)とを含み、
前記タイルはさらに、前記入口(7)の側で前記風路(5)を越えて延在するカバーシート(15)を含むことを特徴とする、タイル。
【請求項2】
前記風路(5)の入口断面積および出口断面積は、入口(7)と出口(8)との間の前記風路(5)の断面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のタイル。
【請求項3】
前記タイルは凹状面(10)を含み、前記凹状面(10)は好ましくは、前記少なくとも1つの太陽電池(3)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のタイル。
【請求項4】
前記ハウジング(2)は、前記風路(5)を制限し、好ましくは前記少なくとも1つの太陽電池(3)用のベースを提供する凹状プレート(11)を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載のタイル。
【請求項5】
前記凹状面(10)は、前記風路(5)の方向(13)に延在する、または前記風路(5)の方向に直交(14)して延在する底部(12)を含むことを特徴とする、請求項3に記載のタイル。
【請求項6】
前記タイルは、少なくとも部分的に間隔を置いた前記凹状面(10)を覆う透明のカバーシート(15)を含み、前記カバーシート(15)は好ましくは、遮音材料、特に好ましくはプラスチックで少なくとも部分的に作られることを特徴とする、請求項3または5に記載のタイル。
【請求項7】
前記風力タービン(6)はロータブレードを含み、ならびに/もしくは、ブレードレスタービンおよび/またはテスラタービンおよび/または波発生器であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項8】
前記カバーシート(15)と前記凹状面(10)との間に、およびオプションで前記ハウジング(2)に、閉鎖空間(17)が形成されることを特徴とする、請求項6に記載のタイル。
【請求項9】
前記少なくとも1つの熱収集器(4)は、ヒートパイプ(34)または熱電素子または蓄熱素子またはそれらの組合せを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項10】
前記閉鎖空間(17)にヒートパイプ(34)が配置される、請求項8に記載のタイル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱収集器(4)は、前記少なくとも1つの太陽電池(3)と前記少なくとも1つの風路(5)との間に、または前記少なくとも1つの風路(5)内に配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項12】
前記タイルは、好ましくは前記少なくとも1つの太陽電池(3)と前記風路(5)の壁、好ましくは前記凹状プレート(11)との間に、前記少なくとも1つの太陽電池(3)に隣接する熱電発電層を含むことを特徴とする、請求項4に記載のタイル。
【請求項13】
前記風路(5)の表面は、流入する気流が渦流に変換されるように構造化されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項14】
前記気流は、1つ以上のフラップおよび/または1つ以上の弁を用いて方向付けられることを特徴とする、請求項13に記載のタイル。
【請求項15】
前記タイルは、少なくとも1つのセンサを含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサは、湿度、温度、風速、光の強さ、および気圧を含む群から選択される状態を測定するように適合されることを特徴とする、請求項15に記載のタイル。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサは、エネルギー出力、前記風力タービンの回転、熱伝導、および前記タイルの温度を含む群から選択されるパラメータを測定するように適合されることを特徴とする、請求項15または16に記載のタイル。
【請求項18】
前記タイルは、冷却素子、好ましくは能動冷却素子を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項19】
前記冷却素子は、ペルチェ素子、磁気冷却素子、およびマイクロコンプレッサを含む群のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項18に記載のタイル。
【請求項20】
前記ハウジング(2)は、遮音材料、好ましくはプラスチックで少なくとも部分的に作られることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項21】
前記タイルは少なくとも1つの底部シート(24)を含み、前記底部シート(24)は好ましくは、遮音材料、特に好ましくはプラスチックで少なくとも部分的に作られることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項22】
前記タイルは、請求項1から21のいずれか1項に記載の別のタイルへの機械的接続のための機械的コネクタ(21)を含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項23】
前記タイルは、ラッチ要素(21)を含む、底部シート(24)または追加のベースプレートを含むことを特徴とする、請求項22に記載のタイル。
【請求項24】
前記タイルは、電気コネクタ(25)および/または熱コネクタおよび/または流体コネクタ(26)を含むことを特徴とする、請求項1から23のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項25】
前記タイルは、気流を誘導するように前記風力タービン(6)を作動させるためのモータを含むことを特徴とする、請求項1から24のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項26】
前記タイルはアクチュエータを含むことを特徴とする、請求項1から25のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項27】
前記タイルは、制御センター、好ましくは建物自動化制御センターに接続可能であることを特徴とする、請求項1から26のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項28】
前記熱収集器(4)は熱電素子を含むことを特徴とする、請求項1から27のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項29】
前記タイルは電気分解部を含むことを特徴とする、請求項1から28のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項30】
前記風力タービン(6)および前記太陽電池(3)および熱収集器(4)は、互いに独立して使用可能であることを特徴とする、請求項1から29のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項31】
屋根、または壁、またはシャフト、またはタワー、または地面、または水、または帆、または柔軟面であるか可動面である表面に設置されることを特徴とする、複数の、請求項1~30のいずれか1項に記載のタイル。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか1項に記載のタイルを複数含む、建物(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前文に記載のタイル、桟部材、パイプ、およびパイプを生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、再生可能エネルギーの収集の分野に関する。環境からエネルギーを収集することは、化石燃料および原子力エネルギーの必要性を低減させる1つの可能性である。最も一般的に適用されているシステムは、風力エネルギーから電力を生成するための風車、熱エネルギーを得るための熱交換器、および、日光から電気エネルギーを収集するための太陽電池である。
【0003】
DE 10 2009 012 520 A1、およびDE 20 2008 014 689 Uは、電柱に、または屋根棟の最高点に配置される風力タービンを開示している。住宅建設における法的規制により、これらの種類の風車はめったに建造されない。それとは別として、この種の構造は、建築上の観点から顧客に受け入れられない。
【0004】
WO 2009/081439 Aは、熱屋根または太陽電池屋根を形成するための太陽熱収集器モジュールを開示している。太陽熱収集器は、それが気象状態に依存しているという欠点を有する。天気が曇りの場合、エネルギー出力は減少する。別の欠点は、太陽電池および熱収集器が互いに隣接して配置されるため、それら双方のための面積がかなり必要になるということである。
【0005】
DE 10 2011 105 965 A1は、箱状の屋根用モジュールからなる屋根用システムを開示している。モジュールは、気流のための中空空間を含む。一実施形態では、モジュールは、光起電力層または太陽電池を含む。
【0006】
DE 10 2004 001 875 A1は、液状媒体用の少なくとも1つの流路と支持構造とを含むプレハブ式の屋根モジュールを含む、断熱されたモジュール式屋根システムを開示している。一実施形態では、光起電力太陽電池またはモジュールが、取外し可能な接着ストリップを介して外部ケーシングに付着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一局面によれば、それらの問題は、独立請求項および特徴事項に従ったタイル、桟部材、パイプ、およびパイプを生成するための方法を用いて解決される。
【0009】
運動源、熱源、および光源からエネルギーを収集するためのタイル、好ましくは屋根タイルを提供することが提案される。タイルは、光源からエネルギーを収集するための少なくとも1つの太陽電池と、少なくとも1つの熱収集器とを有する、ハウジングを含む。タイルは、風力タービンを有する少なくとも1つの風路を含む。
【0010】
ここに使用されるようなタイルは、建物の表面、好ましくは建物の屋根または壁を覆って保護するユニットとして理解される。
【0011】
風力タービンは、太陽放射が少ない場合にエネルギーを提供するという利点を有する。このため、タイルは、エネルギー、たとえば電気エネルギーを、より一貫して、より確実に提供することができる。
【0012】
好ましい一実施形態では、タイルは不透明な底部シートを含む。好ましい一実施形態では、タイルは底部シートを含まない。好ましい一実施形態では、タイルは、10mm~3000mmの長さを有する。好ましい一実施形態では、タイルは桟部材に接続可能である。好ましい一実施形態では、タイルは楕円形を有する。好ましい一実施形態では、タイルはチューブからなる。好ましい一実施形態では、タイルは、特に好ましくはタイル間に空間を有する状態で、積み重ね可能である。好ましい一実施形態では、風路は、ハウジング内の挿入物によって少なくとも部分的に形成される。好ましい一実施形態では、モジュールが内側から外側に折り畳まれ得る。それにより、屋根は通気されてもよい。好ましい一実施形態では、太陽電池は半導体を含む。
【0013】
好ましい一実施形態では、風力タービンは、意図された使用中、太陽電池および/または熱収集器の、日光から遠い方を指す側に設けられる。
【0014】
それにより、入射日光を効率的に使用することができる。なぜなら、太陽にさらされる表面が風力タービンによって使用されないためである。
【0015】
好ましい一実施形態では、風路は、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含む。入口断面積および出口断面積は、入口と出口との間の風路の断面積よりも大きい。
【0016】
このため、風路における風速はより小さい断面に向かって増加し、風力タービンによるより高いエネルギー変換効率が達成され得る。特に好ましくは、風力タービンは、風路の最小断面に配置される。
【0017】
好ましい一実施形態では、入口および/または出口は、網を含む。
網は、風路を閉塞するかまたは風力タービンを詰まらせ得る葉のような物体から、風力タービンを保護する。
【0018】
好ましい一実施形態では、タイルは凹状面を含み、それは特に好ましくは放物線状である。凹状面は特に好ましくは、少なくとも1つの太陽電池によって少なくとも部分的に形成される。
【0019】
凹状面により、日光は、1つの特定の点または線で、すなわち、少なくとも1つの熱収集器に向かって反射され得る。このため、熱収集器のエネルギー出力が増加する。
【0020】
好ましい一実施形態では、ハウジングは、風路を制限する凹状プレートを含む。
それにより、凹状面と、風路におけるより小さい断面積とを、特に単純なやり方で実現することができる。少なくとも1つの太陽電池を凹状プレートに取付けることができる。凹状プレートは、特に好ましくは放物線状である。
【0021】
好ましい一実施形態では、凹状面は、風路の方向に延在する、または風路の方向に直交して延在する底部を含む。
【0022】
風路は、ヒートパイプなどのチューブ状の熱収集器に向かう入射光の方向を可能にする。
【0023】
特に好ましくは、底部は、熱収集器の方向に沿って延在する。
好ましい一実施形態では、タイルは、少なくとも部分的に間隔を置いた凹状面を覆う透明のカバーシートを含む。カバーシートは特に好ましくは、遮音材料で少なくとも部分的に作られる。特に好ましい1つの材料は、プラスチックである。特に好ましくは、遮音材料は、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(poly methyl methacrylate:PMMA)、ポリシクロオレフィン(ゼオネックス(Zeonex)(登録商標))、ポリアミド、ポリエーテルイミド、およびポリスチレンを含むリストから選択される。
【0024】
カバーシートは、雨またはあられのような環境の影響に対する少なくとも1つの太陽電池の保護を提供する。
【0025】
好ましい一実施形態では、カバーシートは、風路の入口の側で風路を越えて延在する。
それにより、カバーシートは入口を保護する。このため、葉のようなものが入口から入らないよう防止される。
【0026】
好ましい一実施形態では、風力タービンはロータブレードを含み、もしくは、ブレードレスタービンまたはテスラタービンまたは波発生器またはそれらの組合せである。
【0027】
ブレードレスタービンは薄層を含んでいてもよく、油圧システムを用いて電力を生成してもよい。
【0028】
特に好ましい一実施形態では、風力タービンは発電機を含む。発電機は、風力タービンのハブに配置されてもよい。発電機はそれに代えて、風力タービンの周囲に配置されたコイルを通って動く風力タービンブレードの先端上の永久磁石を含んでいてもよい。
【0029】
好ましい一実施形態では、透明のカバーシートと凹状面との間に、閉鎖空間が形成される。オプションで、ハウジングも閉鎖空間を形成する。
【0030】
閉鎖空間とは、閉鎖空間と外部との間での流体、すなわち空気の交換が阻止されるように閉鎖された空間として、ここに理解される。閉鎖空間は、入口および/または出口を含んでいてもよい。
【0031】
それにより、閉鎖空間は、透明のカバーシートが光、たとえば日光にさらされると温まる。その結果、閉鎖空間は、少なくとも1つの熱収集器にとって好適な場所を提供する。
【0032】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの熱収集器は、パイプまたは熱電素子または蓄熱素子またはそれらの組合せを含む。
【0033】
特に好ましい一実施形態では、熱収集器はヒートパイプを少なくとも1つ、好ましくはたった1つ含む。ヒートパイプは、特に単純でコスト効率のよい熱収集器の実現例である。
【0034】
熱電素子は好ましくは、ペルチェ素子を含む。
好ましい一実施形態では、閉鎖空間にヒートパイプが配置される。
【0035】
ヒートパイプは、閉鎖空間内に配置されると特に効率的である。
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの熱収集器は、少なくとも1つの太陽電池と少なくとも1つの風路との間に、または少なくとも1つの風路内に配置される。
【0036】
それにより、熱収集器は、少なくとも1つの太陽電池の温度を調整することができる。
特に好ましくは、熱収集器は加えて、熱伝導プレートを含む。
【0037】
好ましい一実施形態では、タイルは、少なくとも1つの太陽電池に隣接する熱電発電層を含む。
【0038】
熱電発電層は好ましくは、ペルチェ素子を含む。
それにより、タイルのエネルギー出力はさらに増加する。オプションで、熱電発電層は、少なくとも1つの太陽電池を冷却する。
【0039】
好ましい一実施形態では、風路の表面は、流入する気流が渦流に変換されるように構造化される。
【0040】
それにより、風の運動エネルギーは、風力タービンによって、機械エネルギーにより効率的に変換され得る。
【0041】
好ましい一実施形態では、気流は、1つ以上のフラップおよび/または1つ以上の弁を用いて方向付けられる。
【0042】
特に好ましくは、フラップまたは弁は、制御部によって制御されるバイメタルまたはモータによって作動される。それに代えて、フラップは、温度が高くなると膨張する材料によって作動される。それにより、気流は好ましくは、タービンに向かって方向付けられる。
【0043】
好ましい一実施形態では、タイルは、少なくとも1つのセンサを含む。
特に好ましい一実施形態では、少なくとも1つのセンサは、湿度、温度、風速、光の強さ、および気圧を含む第1の群から選択される状態を測定するように適合される。
【0044】
特に好ましい一実施形態では、タイルは少なくとも2つのセンサを含み、一方のセンサは、第1の群から選択されるある状態を測定するように適合される。他方のセンサは、第1の群から選択される別の状態を測定する。
【0045】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つのセンサは、エネルギー出力、風力タービンの回転、熱伝導、およびタイルの温度を含む第2の群から選択されるパラメータを測定するように適合される。
【0046】
特に好ましい一実施形態では、タイルは、これらの群のうちの1つから選択されるパラメータを測定するように適合された少なくとも2つのセンサを含む。
【0047】
あるセンサは、これらの群のうちの1つから選択される第1のパラメータを測定し、一方、第2のセンサは、これらの群からの別のパラメータを測定する。オプションで、第3および第4のセンサが、これらの群から選択されるパラメータを測定してもよい。
【0048】
それにより、装置が機能することが監視されてもよい。
好ましい一実施形態では、タイルは冷却素子を含む。好ましくは、冷却素子は能動冷却素子である。
【0049】
能動冷却素子とは、電源を必要とする冷却素子としてここに理解される。
それにより、少なくとも1つの太陽電池が冷却されてもよい。
【0050】
特に好ましい一実施形態では、能動冷却素子は、ペルチェ素子、磁気冷却素子、およびマイクロコンプレッサを含む群のうちの少なくとも1つである。
【0051】
好ましい一実施形態では、ハウジングは、遮音材料で少なくとも部分的に作られる。遮音材料は好ましくは、プラスチックである。
【0052】
それにより、騒音、たとえば風力タービンからの騒音が、周囲、たとえば家から遮音され得る。
【0053】
好ましい一実施形態では、タイルは少なくとも1つの底部シートを含む。底部シートは好ましくは、遮音材料で少なくとも部分的に作られる。遮音材料は特に好ましくは、プラスチックである。
【0054】
一実施形態では、底部シートは風路を制限する。
それにより、部分を少ししか必要としない風路の特に単純な構造が可能になる。特に好ましい一実施形態では、底部は透明である。
【0055】
好ましい一実施形態では、タイルは、別のタイルへの機械的接続のための機械的コネクタ(21)を含む。
【0056】
好ましい一実施形態では、タイルの構成要素は、機械的コネクタによって接続される。
機械的コネクタの例は、ねじ、釘、または結合剤である。
【0057】
それにより、タイルは別のタイルに接続され、ひいては固定され得る。
好ましくは、タイルは、閉鎖面が形成されるように接続可能である。
【0058】
それにより、閉鎖面は、建物が保護されるように形成され得る。
好ましい一実施形態では、タイルは、ラッチ要素を含む、底部シートまたはベースプレートを含む。
【0059】
それにより、タイルは、特に単純なやり方で、すなわち、さらなる工具または部品を必要とすることなく、別のタイルに接続され得る。
【0060】
好ましい一実施形態では、タイルは、電気コネクタおよび/または熱コネクタおよび/または流体コネクタを含む。
【0061】
それにより、タイルは、建物または別のタイルと電気的に、および/または熱的に、および/または流体的に接続されてもよい。特に、タイルは、構内電気ネットワーク、および/または家の暖房、および/または家の中のセンサに接続されてもよく、または接続可能であってもよい。
【0062】
特に好ましい一実施形態では、コネクタのうちの少なくとも1つは、別のタイルに接続可能である。
【0063】
それにより、屋根を組立てる時間が短縮され得る。
好ましい一実施形態では、タイルは、気流を誘導するように風力タービンを作動させるためのモータを含む。
【0064】
それにより、気流は出口から入口に流れるように反転され得る。このため、風路における閉塞または障害が排除され得る。
【0065】
好ましい一実施形態では、タイルはアクチュエータを含む。
アクチュエータは、エネルギー出力を最適化するために、太陽電池の移動を可能にする。それに加えて、またはそれに代えて、アクチュエータはカバーシートをずらしてもよく、カバーシートと凹状面との間の空間での空気循環を可能にする。空気循環は次に、太陽電池を冷却する。
【0066】
特に好ましくは、アクチュエータは、タイル位置を太陽の位置までの位置に調節するために、タイルを回転させることができる。アクチュエータは、たとえば電源を有する電気モータによって能動的に制御されてもよく、または、外部状況、たとえば熱にさらされると膨張する材料によって始動されてもよい。
【0067】
特に好ましい一実施形態では、アクチュエータは、少なくとも1つの太陽電池および/または風力タービンのブレードおよび/または熱収集器を動かす。
【0068】
それにより、少なくとも1つの太陽電池および/または風力タービンのブレードおよび/または熱収集器の特性および/または位置が、外部状況に従って最適化され得る。
【0069】
好ましい一実施形態では、タイルは、制御センター、特に好ましくは建物自動化制御センターに接続可能である。
【0070】
それにより、タイルを遠隔で制御すること、たとえば、オンまたはオフに切替え、および/または監視し、および/または作動することができる。
【0071】
好ましい一実施形態では、熱収集器は熱電素子を含む。
それにより、熱エネルギーは直接、電気エネルギーに変換され得る。
【0072】
好ましい一実施形態では、タイルは電気分解部を含む。
それにより、タイルはエネルギー貯蔵として水素を生成してもよい。
【0073】
好ましい一実施形態では、風力タービンおよび太陽電池発電機および熱生成器は、互いに独立して使用可能である。
【0074】
それにより、これらのユニットのうちの1つが損傷した場合、他の2つが機能し得る。
好ましい一実施形態では、タイルは、屋根、または壁、またはシャフト、またはタワー、または地面、または水、または帆、または曲げられる表面、たとえば帆または帆布、または、たとえば自動車、列車、またはトラックのようなモータ車両、あるいは船舶といった乗り物の外面に設置される。
【0075】
この発明の別の局面によれば、複数のタイルを含む建物を提供することが提案される。好ましい一実施形態では、タイルは屋根用タイルであり、建物の屋根を覆ってもよい。
【0076】
この発明の別の局面によれば、タイルの固定のための桟部材を提供することが提案される。桟部材は、水を運ぶためのパイプと、電気配線のためのトラックとを含む。電気配線は、タイルへの電気的接続を可能にする少なくとも1つの第1のインターフェイスを含む。パイプは、流体接続を可能にする、タイルのための少なくとも1つの第2のインターフェイスを含む。タイルは、タイルの固定を可能にする第3の機械的インターフェイスを含む。
【0077】
それにより、タイルのための電気的接続および流体接続を桟部材によって提供することができ、タイルは桟部材にも固定される。屋根タイルのためのすべての接続要素は単一のユニットで提供され、それは桟部材の取扱いを容易にし、建設プロセスを加速し得る。
【0078】
好ましい一実施形態では、桟部材は、パイプの少なくとも長手方向区分を包囲するハウジングを含む。
【0079】
それにより、パイプは保護される。
特に好ましい一実施形態では、桟部材は、パイプの長手方向区分を完全に包囲する。
【0080】
好ましい一実施形態では、ハウジングは、木材、特に好ましくは木材とプラスチックとの複合物で作られる。それに代えて、ハウジングは、金属またはプラスチックで作られてもよい。
【0081】
それにより、ハウジングは機械的インターフェイスを提供する。タイルは、釘かねじで留められ得る。
【0082】
桟部材における好ましい実施形態は、ハウジングの外面に、長手方向に延在する少なくとも1つの凹みを含む。凹みは特に好ましくは、電気配線のためのトラックを含む。
【0083】
それにより、電気配線は凹み内で保護される。
好ましい一実施形態では、タイルは、ラッチ要素を用いて、桟部材に解放可能に取付け可能である。
【0084】
それにより、タイルと桟部材とは、さらなる工具を使用することなく接続され得る。
好ましい一実施形態では、インターフェイスのうちの少なくとも1つは、取外し可能な接続を可能にする。
【0085】
それにより、接続の場合、または、タイルが桟部材から取り外される場合に、電気配線またはパイプ接続が取り外されてもよい。
【0086】
この発明の別の局面によれば、流体を運ぶためのパイプを提供することが提案される。パイプは、変形可能な第1の周壁区分と硬質の第2の周壁区分とを含む壁を有する、流体の意図された流れ方向に直交する断面を有する。変形可能な第1の区分は、熱伝導性材料で少なくとも部分的に作られる。
【0087】
それにより、パイプ内の流体への熱伝導性接続が、変形可能な第2の壁区分を通して形成されてもよい。変形性は締まり嵌めを可能にし、それは熱伝導性を高める。
【0088】
変形可能な材料の壁区分は好ましくは、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、または液晶ポリマー、またはポリフェニレンサルファイドで作られる。特に好ましくは、変形可能な壁区分は、PA6またはPA12またはPA66で作られる。
【0089】
好ましい一実施形態では、第2の区分はパイプの中心に向かって延在して空洞を形成する。空洞は第2の区分の外縁によって形成される。
【0090】
それにより、熱を伝導する表面積が増加する。
好ましい一実施形態では、空洞は、パイプ内の流体の意図された流れ方向に沿って延在する。
【0091】
それにより、熱エネルギーが伝導される表面が増加する。予想される別の利点は、空洞の長さに沿った任意の場所で熱源を挿入するための柔軟性である。
【0092】
好ましい一実施形態では、第2の区分は、ヒートパイプのヘッドを受けるように適合される。
【0093】
好ましい一実施形態では、パイプは、ヘッドパイプのヘッドを空洞で受けて保持するためのラッチ要素を含む。
【0094】
それにより、ヒートパイプのヘッドは、さらなる工具を必要とすることなく保持され得る。
【0095】
好ましい一実施形態では、硬質の第1の部分はC字型である。
この形状は、経済的に生成することができる。
【0096】
好ましい一実施形態では、パイプは、屋根に対して方向付け可能なノズルを含む。
建物での飛火または火事の場合、ノズルは、パイプ内の液体、すなわち水を吹きつけてもよい。
【0097】
好ましい一実施形態では、壁の第1の部分および第2の部分は一体的に形成される。特に好ましい一実施形態では、第1の部分および第2の部分は、2成分射出成形または共押出によって形成される。
【0098】
それにより、パイプをコスト効率よく生成することができる。
好ましい一実施形態では、パイプは導電性であり、電気的インターフェイスを含む。特に好ましい一実施形態では、硬質の区分は導電性であり、電気的インターフェイスを含む。
【0099】
それにより、パイプは避雷針として使用されてもよい。
この発明の別の局面によれば、システムが提供される。このシステムは、パイプと、屋根に対して方向付け可能なノズルとを含む。
【0100】
それにより、このシステムは、屋根タイルを清掃するために、および/または消火するために使用されてもよい。
【0101】
この発明の別の局面によれば、パイプを生成するための方法が提供される。この方法は、変形可能な第1の区分と硬質の第2の区分とを提供するステップと、第1の区分と第2の区分とを第1の縁で接合するステップと、第1の区分と第2の区分とを第2の縁で接合するステップとを含む。
【0102】
この発明の非限定的な実施形態を、添付図面に関して単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【
図5】屋根タイルの、センサ、電子制御装置、および機械的要素用の内部空間の底面図である。
【
図6】屋根タイルの第2の実施形態の斜視図である。
【
図7】屋根タイルの第3の実施形態の斜視図である。
【
図8】複数の屋根タイルが屋根に搭載された建物の斜視図である。
【
図9】複数の屋根タイルが壁に搭載された建物の斜視図である。
【
図12】複数のヒートパイプを有するパイプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
図1は、タイルの第1の実施形態の斜視図を示す。
図1に示すタイルは屋根タイル1である。屋根タイル1はハウジング2を含む。ハウジング2は、2つの外壁28と、内壁29と、凹状プレート11とを含む。凹状プレート11は放物線形状を有する。凹状プレート11の長手方向の両端に、カバーシート15が固定される。カバーシート15と凹状プレート11との間に、空間が形成される。屋根タイル1は、底部38と上部39とを含む。凹状プレート11の上側に、太陽電池3が搭載される。太陽電池3は、太陽電池3によって形成された凹状面10によって反射された日光が熱収集器4に向かって反射されるように、凹状プレート11に搭載される。熱収集器4はヒートパイプ34を含む。ヒートパイプ34は半円層40によって包囲されており、それは、ヒートパイプ34を含む閉鎖空間を規定する。半円層40は光吸収材料で作られる。入射光は凹状面10から反射され、熱収集器4によって吸収される。
【0105】
凹状プレート11および底部シート24(
図4参照)と組合された内壁29および外壁28は、第1の風路5および第2の風路27を規定する。第1の風路5は第1の入口7を含み、第2の風路は第2の入口30を含む。これらの入口は、網(図示せず)によって保護される。双方の風路は、屋根タイル1の長手方向13に延在する。
【0106】
凹状プレートは、底部12を有する放物線形状を有する。底部12は、風路5、27の方向に直交する方向に沿って延在する。
【0107】
さらに、カバーシート15は、風路5、27の入口7、30を越えて延在する。このため、カバーシート15は、入口7、30を保護する張出し33を含む。
【0108】
図2は、
図1の屋根タイル1の正面図を示す。
図2は、風路5、27の形状を表示する。これらの風路の断面は、凹状プレート11と内壁29および外壁28とによって規定される。壁28および29は、各風路5、27の中央に向かって曲がっている。加えて、凹状プレート11は、底部側38に向かう方向に延在する。このため、入口7、30の断面積は、入口から風路5、27の方向に減少する。各風路は風力タービン6、32を含む。風力タービン6、32は、風路の最小断面に配置される。各風力タービン6は、風路5、27を吹き抜ける風によって始動されるブレードを有するロータを含む。
【0109】
図3は、屋根タイル1の後ろ側の斜視図を示す。
図3は、第1の風路5の第1の出口8と、第2の風路27の第2の出口31とを示す。風力タービン6が配置される、入口7、30と出口8、31との間の風路の断面積は、出口8、31の断面積よりも小さい。
【0110】
図4は、屋根タイル1の別の斜視図である。屋根タイル1は、底部シート24(
図1~3には図示せず)をさらに含む。底部シート24は、内壁29および外壁28に取付けられる。底部プレートは、屋根タイルの底部側38で風路5、27を閉鎖しており、ハウジング2と同じ材料で作られている。
【0111】
図5は、これまでの図に示す屋根タイルをより詳細に示す。外壁28および内壁29は各々、中空空間を含む。中空空間内に、制御部37およびセンサ36が配置される。制御部37は内壁29内に配置される。制御部37は、風力タービン6、32、熱収集器4、および太陽電池3の出力を制御する。さらに、制御部37はセンサ36に接続されている。
【0112】
センサ36は、風路5および27を通る気流の流速、ハウジング2内の温度、光の入射、すなわちタイル1に対する入射角、光の強さ、ロータの回転速度、ならびに、電気出力電流および電圧を測定する。
【0113】
制御部37はさらにロータを制御し、センサ36によって収集されたデータを建物制御センターへ送信することによって建物制御センターと通信する。建物制御センターで、データは評価される。送信されたデータは、各制御部に固有の識別子を含む。
【0114】
さらに、制御部は、建物の暖房設備、水設備、および電力設備と通信する。
底部シート24は、4つのラッチ要素21を含む。ラッチ要素21を用いて、屋根タイルは屋根用桟部材(
図10参照)に接続される。
【0115】
さらに、熱収集器4は流体コネクタ26を含む。流体コネクタ26は、隣接するタイルのヒートパイプへの流体接続を可能にする。屋根タイルはまた、電気コネクタ25によって、隣接するタイルに電気的に接続される。電気コネクタ25は、生成された電力を、次のタイルまたは構内電気ネットワークに転送する。発電機(図示せず)も、風力タービン6、32のハブに配置される。発電機は、風力タービンの機械エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0116】
図6は、屋根タイルの第2の実施形態の斜視図を示す。第1の実施形態と同様に、第2の実施形態は、凹状面を形成する太陽電池43が搭載された凹状プレート42を含む。凹状プレート42は、風路45の入口を越えて延在するカバーシート44によって保護される。屋根タイル1の第2の実施形態は、プレート42の凹が異なる方向に配向されている点で、第1の実施形態とは異なる。第1の実施形態と同様に、凹状面は底部41を含む。しかしながら、底部41は、風路45の方向に沿った方向に延在する。
【0117】
さらに、第2の実施形態は、1つのタービンを有する単一の風路45のみを含む。
図7は、屋根タイル80の第3の実施形態の斜視図を示す。第3の実施形態は、正方形の断面を有する風路82を含む。正方形の断面は、ハウジング81によって形成される。ハウジングの上部側83に、太陽電池84が固定される。太陽電池84とハウジング81との間に、熱収集器85が配置される。第3の実施形態では、熱収集器85は熱電発電層86である。風力タービン87が、風路82の入口88と出口89との間に配置される。
【0118】
図8および
図9は、この発明に従った屋根タイル1を複数有する建物100および200の斜視図を示す。
図8では、屋根タイル1は屋根に搭載されている。屋根タイルは、電気コネクタおよび流体コネクタを介して互いに接続される。各タイルのヒートパイプは、隣接するタイル1に接続される。
図8からわかるように、屋根タイル1は従来の屋根タイルを置換えており、それの他の機能に加えて、屋根を環境から保護する。屋根タイルは、機械的接続によって互いに固定され、ラッチ要素を用いて桟部材に固定される。
【0119】
1つの縁に、底部シート24は空洞を形成する。空洞は、空洞よりも小さい開口部を含む。対向する縁に、底部シート24は突起を含む。突起および空洞は、突起が空洞に挿入され得るように相補的に形作られる。
【0120】
屋根タイルの別の用途を
図9に示す。屋根タイル1は建物の壁に搭載されている。
図10は、桟部材200の斜視図を示す。桟部材200は、2つの垂木(図示せず)間の接続を形成しており、屋根タイルの取付け用の土台である。桟部材200は、木材で作られたハウジング201を含む。ハウジング201はその中心に中空空間202を含み、それは桟部材200の長手方向204に沿って延在する。中空空間201内にパイプ203が配置される。パイプ203も長手方向204に沿って延在しており、ハウジング201によって保護される。パイプ203は、屋根タイルにおける熱収集器用の水を運ぶ。
【0121】
加えて、桟部材200は、その側面に、2つのU字型の凹み205、206を含む。凹み205および206に、電気ケーブル用のトラック207および208が配置される。トラックは閉鎖されており、よってケーブルを保護する。電気ケーブルは屋根タイルに電気的に接続され、生成された電力を屋根タイルから建物に伝達する。加えて、トラック207および208における別の電気ケーブルが情報をタイルから建物制御センターに伝達し、逆もまた同様である。
【0122】
屋根タイルは、桟部材200に解放可能に取付け可能な支持体を用いて、桟部材200に接続される。
【0123】
支持体は、90度の角度を有する2つの角ブラケットと、断熱層とを含む。断熱層は、屋根タイルと桟部材との間に熱障壁を提供する。第1の角ブラケットの一方側に、断熱層が配置される。次に、開口部を規定する2つのアームを有するU字型構造が結果として生じるように、第2の角ブラケットの一方側が断熱層上に配置される。開口部の幅は、U字型構造の端に向かってより小さくなっている。このため、支持体が桟部材200上を摺動すると、U字型構造のアームが桟部材にスナップ嵌合する。断熱層と各角ブラケットの一方側とは、支持体の接続部分を形成する。接続部分は、タイルと桟部材200との電気的接続を可能にする2つの電気導体を含む。
【0124】
図11および
図12はパイプ300を示す。パイプ300の壁は、2つの壁区分301、302で作られる。第1の区分301は、硬質のC字型の周壁区分である。第1の区分301は金属で作られており、建物の避雷針への電気的接続を含む。C字型の第1の区分の開放端303は、第2の部分302によって閉鎖される。第2の区分302は、プラスチックのような変形可能な弾性材料で作られる。第1の区分の断面は、パイプ300の中心304を中心とした円形である。第2の区分302は中心304に向かって延在し、V字型のくぼみ308として実現された空洞を形成する。パイプ300は、その穴307の中の水を運ぶ。
【0125】
図12に示すように、ヒートパイプ306のヘッド305がくぼみに挿入される。ヒートパイプのヘッド305は、変形可能な第2の壁区分302を穴307の中の水へと押込む。穴の中の水の圧力と第2の壁区分の弾性とが次に、第2の壁区分をヒートパイプのヘッド305にしっかり押付ける。すべてのヒートパイプヘッドがV字型のくぼみ308に挿入された後に、V字型のくぼみ308は泡で充填される。
【0126】
パイプは、ヒートパイプをその位置で保持するラッチ要素(図示せず)を含む。さらに、パイプは噴射口(図示せず)を含む。噴射口は、建物の屋根に向かって、または屋根タイルのカバーシートに向かって方向付けられる。