(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ネットワーク装置の管理
(51)【国際特許分類】
H04M 3/00 20060101AFI20220118BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H04M3/00 B
H04M3/42 Z
(21)【出願番号】P 2019563364
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2018063019
(87)【国際公開番号】W WO2018211050
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-01-09
(32)【優先日】2017-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】ルツキー,マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】デーラ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ディーツ,マルティン
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-166453(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105100046(CN,A)
【文献】国際公開第2015/129181(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0308919(US,A1)
【文献】特開2007-049415(JP,A)
【文献】特開2016-149671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L13/00-13/10
19/00-99/00
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
14/00-14/08
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q3/58-3/62
9/00-9/16
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項13】
ユーザ端末間の呼を管理するネットワーク装置(110)であって、
第1のユーザ端末(120)が前記呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートし、第2のユーザ端末(130)が前記呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図するかどうかを確認(400)し、
前記第1のユーザ端末(120)が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用をサポートし、前記第2のユーザ端末(130)が前記呼の前記第2の音声符号化モードを使用することを意図する場合、
前記第1のユーザ端末(120)から前記第2のユーザ端末(130)に送信され、前記第1の音声符号化モードを参照する第1のパケットにパケット化された前記呼の第1のデータを、前記第2の音声符号化モードを参照する第2のパケットに再パッキング(402a)し、
前記第2のユーザ端末(130)から前記第1のユーザ端末(120)に送信され、前記第2の音声符号化モードを参照する第3のパケットにパケット化された前記呼の第2のデータを、前記第1の音声符号化モードを参照する第4のパケットに再パッキング(402b)するように構成され、
ネットワーク装置(110)が、
発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信される第1の初期呼依頼(210)が前記呼の前記第2の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認(400a)し、
前記第1の初期呼依頼(210)が前記呼の前記第2の音声符号化モードの前記使用を示す場合、
前記第1の初期呼依頼(210)をインターセプトし、前記第1の初期呼依頼(210)の代わりに、第2の初期呼依頼(220)を前記着信ユーザ端末に転送し、ここで前記第2の初期呼依頼(220)は前記呼の前記第1の音声符号化モードの使用を示し、
前記着信ユーザ端末から前記発信ユーザ端末に送信される前記第2の初期呼依頼(220)に対する第1の回答(230)が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用を示すかどうかを確認(400b)し、
前記第1の回答(230)が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用を示す場合、
前記第1の回答(230)をインターセプトし、前記第1の回答(230)の代わりに前記発信ユーザ端末に第2の回答(240)を転送し、ここで前記第2の回答(240)は前記呼の前記第2の音声符号化モードの前記使用を示し、
前記着信ユーザ端末が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用をサポートし、前記発信ユーザ端末が前記呼の前記第2の音声符号化モードを使用することを意図し、前記着信ユーザ端末が前記第1のユーザ端末(120)であり、前記発信ユーザ端末が前記第2のユーザ端末(130)であるように表明
し、
前記第2の音声符号化モードは、AMR WB用のRTPフォーマットを使用する前記
AMR-WBであり、前記第1の音声符号化モードはEVS用のRTPフォーマットを使
用するEVSの前記AMR-WB相互運用モードである、ネットワーク装置(110)。
【請求項14】
ネットワーク装置(110)
のための方法であって、
発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信される第1の初期呼依頼(210)が前記呼の第2の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認(400a)し、
前記第1の初期呼依頼(210)が前記呼の前記第2の音声符号化モードの前記使用を示す場合、
前記第1の初期呼依頼(210)をインターセプトし、前記第1の初期呼依頼(210)の代わりに、第2の初期呼依頼(220)を前記着信ユーザ端末に転送し、ここで前記第2の初期呼依頼(220)は前記呼の第1の音声符号化モードの使用を示し、
前記着信ユーザ端末から前記発信ユーザ端末に送信される前記第2の初期呼依頼(220)に対する第1の回答(230)が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用を示すかどうかを確認(400b)し、
前記第1の回答(230)が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用を示す場合、
前記第1の回答(230)をインターセプトし、前記第1の回答(230)の代わりに前記発信ユーザ端末に第2の回答(240)を転送し、ここで前記第2の回答(240)は前記呼の前記第2の音声符号化モードの前記使用を示し、
前記着信ユーザ端末が前記呼の前記第1の音声符号化モードの前記使用をサポートし、前記発信ユーザ端末が前記呼の前記第2の音声符号化モードを使用することを意図し
、
前記着信ユーザ端末(120)から前記発信ユーザ端末(130)に送信され、前記第
1の音声符号化モードを参照する第1のパケットにパケット化された前記呼の第1のデー
タを、前記第2の音声符号化モードを参照する第2のパケットに再パッキング(402a
)し、さらに、
前記発信ユーザ端末(130)から前記着信ユーザ端末(120)に送信され、前記第
2の音声符号化モードを参照する第3のパケットにパケット化された前記呼の第2のデー
タを、前記第1の音声符号化モードを参照する第4のパケットに再パッキング(402b
)する、ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置に関し、特に、ユーザ端末間の呼を管理するネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、ネットワーク装置に接続された多数のユーザ端末を備えてもよい。
ネットワーク装置は、個々のユーザ端末間の呼を管理できる。
以下では、「ネットワーク装置の管理」と「ネットワーク装置」という用語は同じ意味で使用される。
【0003】
ユーザ端末間の通信を実装するために実装される種々のコーデックが存在する。
コーデックごとに異なる符号化品質が提供され、計算処理能力も異なる。
コーデックの1つは、音声サービスの拡張(Enhanced Voice Services(EVS))コーデックである。
EVSは、GSMAの「音声およびSMSのIMSプロファイル」IR.92で説明されているスーパーワイドバンドおよびフルバンドVoLTEサービスに使用できる。
【0004】
EVSの利点は、適応マルチレートワイドバンド(Adaptive Multi-Rate Wideband)(AMR-WB)と比較して、通話品質および音質が向上し、音声帯域幅が拡張され、パケット損失に対して大幅に高い堅牢性が備えられていることである。
EVSには、プライマリモードとAMR-WB相互運用モードが含まれる。
以下では、AMR-WB IOは、AMR-WB相互運用モードの同義語とし、RFC4867をペイロード形式として使用する代替実装では、EVS IOは、EVS リアルタイム転送プロトコル(RTP)ペイロード形式を使用するAMR-WB相互運用モードの同義語として使用される。
【0005】
EVSプライマリモードは、EVSの完全な通話品質および音質、ならびにパケット損失に対する堅牢性を提供するため、両方のユーザ端末/UE(ユーザ機器)がEVSをサポートする場合はこれを選択する必要がある。
国際出願第2016/184281号明細書は媒体の相互運用方法およびその装置に関し、方法は、コントロールパネルによって、第1のユーザ端末が第1の媒体フォーマットを使用し、第1のユーザ端末と通信する第2のユーザ端末が第2の媒体フォーマットを使用すると決定するステップであって、第2のフォーマットはEVSメインモードであるステップと、第1のユーザ端末によって送信された第1の媒体フォーマットの媒体パケットをEVS互換モードの媒体パケットに変換し、第2のユーザ端末によって送信されたEVS互換モードの媒体パケットを第1の媒体フォーマットの媒体パケットに変換することをユーザプレーンデバイスに通知するステップと、を含む。説明した技術は、EVS互換モードに基づいて、第1のユーザの媒体フォーマットと第2のユーザの媒体データとの間の相互運用性を実現する。
米国公開特許第2008/320148号明細書はSIPアダプタがセッション開始プロトコル、つまりSIPメッセージのフォーマットを変更する技術について説明している。第1のフォーマットのSIPメッセージは、第1のメッセージフォーマットに基づく第1のSIPサーバからSIPアダプタによって受信される。SIPアダプタは、SIPメッセージを第2のフォーマットに変更し、変更したSIPメッセージを第2のメッセージフォーマットに基づく第2のSIPサーバに転送する。SIPアダプタは、SIPメッセージを変更することにより、異なるSIPメッセージフォーマットを使用するSIPサーバのクライアント間の通信セッションの確立を可能にする。
【0006】
ただし、ネットワーク内のすべての端末またはUEがEVSモードをサポートすることは保証されない。
そのため、参加端末の可能な限り最高の音質と堅牢性を維持しながら、異種ネットワークの条件を満たす必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの考慮事項に基づくと、本発明の目的は、より高い堅牢性ならびに改善された通話品質および音質を有するユーザ端末間の改善された通信技術を可能にする新しい管理概念を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0009】
一実施形態によれば、ユーザ端末間の呼を管理するネットワーク装置は、第1のユーザ端末が呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートし、第2のユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図(intends to)するかどうかを確認し、第1のユーザ端末が呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートし、第2のユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図する場合、第1のユーザ端末から第2のユーザ端末に送信され、第2の音声符号化モードを参照する第1のパケットにパケット化された呼の第1のデータを、第1の音声符号化モードを参照する第2のパケットに再パッキングし、第2のユーザ端末から第1のユーザ端末に送信され、第2の音声符号化モードを参照する第3のパケットにパケット化された呼の第2のデータを、第1の音声符号化モードを参照する第4のパケットに再パッキングする。
これは、例えば、EVSおよびAMR-WB端末を備えた混在モード環境においてEVSの機能を最大限に利用できるという利点がある。
【0010】
さらなる実施形態では、ネットワーク装置は、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末との間の呼のセットアップ中に確認を実行することができる。
【0011】
さらなる実施形態では、ネットワーク装置は、発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信された第1の初期呼依頼(offer)が呼の第2の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認してもよく、第1の初期呼依頼が呼の第2の音声符号化モードの使用を示す場合、第1の初期呼依頼をインターセプト(途中で捕獲する)し、第1の初期呼依頼の代わりに、第2の初期呼依頼を着信ユーザ端末に転送し、ここで第2の初期呼依頼は呼の第1の音声符号化モードの使用を示し、そして着信ユーザ端末から発信ユーザ端末に送信された第2の初期呼依頼に対する第1の回答が呼の第1の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認し、第1の回答が呼の第1の音声符号化モードの使用を示す場合、第1の回答をインターセプトし、第1の回答の代わりに発信ユーザ端末に第2の回答を転送し、ここで第2の回答は呼の第2の音声符号化モードの使用を示し、さらに、着信ユーザ端末が呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートし、発信ユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図し、着信ユーザ端末が第1のユーザ端末であり、発信ユーザ端末が第2のユーザ端末であるように表明(assert)する。
【0012】
さらなる実施形態では、発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信された第1の初期呼依頼は、呼の第1の音声符号化モードの使用を従属的に示してもよい。
【0013】
さらなる実施形態では、ネットワーク装置は、第1の回答が呼の第2の音声符号化モードの使用を示す場合、第1の回答を発信ユーザ端末に転送してもよく、第1の回答は呼の第2の音声符号化モードの使用を示し、そして第1のユーザ端末も第2ユーザ端末も呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートしていないことを表明する。
【0014】
さらなる実施形態では、ネットワーク装置は、発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信された第1の初期呼依頼に応答して着信ユーザ端末から発信ユーザ端末に送信され、第1の音声符号化モードが属する呼の1つ以上の音声符号化モードのグループのうちのいずれかの使用を示す第1の回答が第2の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認してもよく、第1の回答が呼の第2の音声符号化モードの使用を示す場合、第1の回答をインターセプトし、第1の回答の代わりに発信ユーザ端末に第2の回答を転送してもよく、ここで第2の回答は呼の第1の音声符号化モードの使用を示し、さらに、発信ユーザ端末が呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートし、着信ユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図し、発信ユーザ端末が第1のユーザ端末であり、着信ユーザ端末が第2のユーザ端末であるように表明する。
【0015】
さらなる実施形態では、発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信された第1の初期呼依頼は、第1の音声符号化モードの使用を少なくとも従属的に示してもよい。
【0016】
さらに別の実施形態では、ネットワーク装置は、第1の初期呼依頼が第1の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認し、そうである場合、第1の初期呼依頼(310)をインターセプトし、第1の初期呼依頼(310)の代わりに第2の初期呼依頼(320)を転送し、第2の初期呼依頼(320)は、第1の音声符号化モードおよび第2の音声符号化モードを含む複数の音声符号化モードの使用を示す。
【0017】
さらなる実施形態では、第2の音声符号化モードはAMR-WBであってもよく、第1の音声符号化モードはEVSのAMR-WB相互運用可能モードであってもよい。
【0018】
さらなる実施形態では、第2の音声符号化モードは、AMR WB用のRTPフォーマットを使用するAMR-WBであってもよく、第1の音声符号化モードは、EVS用のRTPフォーマットを使用するEVSのAMR-WB相互運用可能モードであってもよい。
【0019】
さらなる実施形態では、第1および第2の音声符号化モードは、等しい符号化構文を使用して、または等しく解析可能なペイロードを使用して、またはトランスコーディングなしで相互に転送可能な音声コンテンツを表してもよい。
例えば、トランスコーディングなしというのは、再量子化を必要とせずに相互に転送可能であることを指してもよい。
【0020】
さらなる実施形態において、第1および第2のパケットは、それらのペイロードセクションの内容が一致してもよく、第3および第4のパケットは、オプションの非トランスコーディング動作を除いて、それらのペイロードセクションの内容が一致してもよい。
【0021】
さらなる実施形態では、ネットワーク装置は、再パッキングにおけるオプションの非トランスコーディング動作を除いて、再パッキングにおいて第1および第3のパケットのペイロードセクションを未修正の状態にしておくことができる。
【0022】
以下において、本発明は、添付の図面に示される実施形態に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による、ユーザ端末に接続された概念的なネットワーク装置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、ユーザ機器間のシグナリングシーケンスを示す図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による、ユーザ機器間の別のシグナリングシーケンスを示す図である。
【0024】
前述のように、音質と堅牢性が向上するため、EVSモードを使用するのが有利である。
呼に参加しているすべての端末、いわゆる「呼レッグ」がEVSを使用できる場合、EVSは予測どおりに使用される。
【0025】
1つの呼レッグ、例えばUEのみがEVSをサポートしており、おそらくそれが接続されているネットワークもEVSをサポートし、他のUEまたはそれが接続されているネットワークはEVSをサポートできず、AMR-WBのみをサポートしている場合、EVSのエラーに対する堅牢性は、EVSがサポートされている呼レッグにおけるEVSの使用によって依然として利用され得る。
【0026】
このアプリケーションの概念によれば、異種デバイス機能を備えたネットワークで、または異なるコーデック機能を備えたネットワークが相互接続されている場合、EVSの使用が強制される。
この手法は、IMSのCSCFまたはATCFネットワークノードなどであり得るSIPネットワークノードにおけるSDPの変更に依存している。
【0027】
この手法では、最初にEVSをサポートするデバイスの不足によりエンドツーエンドのEVS呼が不可能な場合でも、EVS対応端末におけるEVS実装をすでに実行できるため、高品質のEVS呼への移行が高速化されると想定される。
【0028】
この概念は、EVS呼レッグでEVSプライマリモードを使用し、ネットワーク内のAMR-WBへのトランスコーディングを実行することで促進できる。
EVS呼レッグは、アップリンクとダウンリンクの両方で優れたエラー堅牢性の恩恵を受ける。
特にチャネル認識モードで改善されたEVSエラーの堅牢性により、呼レッグのBLERターゲットを緩和でき、これは、シグナル・ノイズ比(SNR)および屋内/屋外のセルカバレッジ(通信範囲)の改善に対応する。
【0029】
また、EVS IOモードを使用して、ネットワーク内での再パッケージ化を実行できる。
この再パッケージ化手順は、EVS VoLTEからVoLTEへの通話中に、単一無線音声通話継続(SRVCC)中にすでに実行され、1つのUEがCSネットワークに切り替わるので、AMR-WBに切り替える必要がある。
この場合、ネットワークを切り替える前後でEVSコーデックを継続的に使用できる。
コーデックをプライマリモードからEVS IOモードに切り替えて、両方のネットワークとの相互運用性を実現できる。
これにより、呼のセットアップ中にEVS IOモードが直接ネゴシエートされるユースケースも有効になる。
従来のAMR-WBの代わりにEVS IOを使用することは、エラーの堅牢性と音質に関して有利である可能性がある。
【0030】
以下では、データパケットを分析し、それらを変更できるコントロールおよびユーザプレーンのアクティブネットワークノードを想定している。
頭字語IMS(IP Mutimedia Subsystem)は、呼のセットアップに関係するEvolved Packet Core、EPC、およびIMSにおけるすべてのネットワークノードの同義語として使用される。
【0031】
前述のように、oUEとtUEは直接通信することはできないが、通信を管理できるIMSを介して通信する。
AMR-WB(適応型マルチレートワイドバンド)コーデックがネゴシエートされる場合、UE(例えば、oUEおよびtUE)は、送信側および/または受信側のAMR-WBの代替実装としてAMR-WB IOモードを使用できる。
この動作は、従来のAMR-WBに対して有益な場合がある。
AMR-WB IOを使用してAMR-WBを実装するかどうかはUE提供会社に独自の裁量であるため、オペレータまたはIMSネットワークはUEにそのように強制することはできない。
【0032】
以下では、オペレータまたはIMSネットワークが、EVS対応UEに、非EVS対応UEへの呼に対して、例えば従来のAMR-WBの代わりにEVS IOモードを介して組み込みAMR-WB相互運用モードを使用するように強制する場合の手法について説明する。
これは、呼の確立中に次のSDP変更によって実装できる。
【0033】
変更の第1のカテゴリでは、oUEはEVS-IOを含むEVSをサポートし、tUEはAMR-WBのみをサポートする。
【0034】
この第1のカテゴリでは、変更1aによって、oUEの初期依頼に対するtUEの回答を受信すると、IMSは、oUEがEVS-IOモードをサポートし、tUEがAMR-WBのみをサポートしていることを認識する。
変更1bによると、IMSは、i)この回答および後続の回答でAMR-WBを「EVS IOモードで開始するEVS」に置き換え、ii)後続の依頼で「EVS IOモードで開始するEVS」をAMR-WBに置き換える。
【0035】
変更の第2のカテゴリでは、oUEはAMR-WBのみをサポートし、tUEはEVS-IOを含むEVSをサポートする。
【0036】
この第2のカテゴリでは、変更2aによって、oUE(AMR-WBのみを含む)から初期依頼を受信すると、IMSはtUEに転送される依頼に「EVS IOモードで開始するEVS」を追加する。
【0037】
変更2bによると、tUEが「EVS IOモードで開始するEVS」で応答する場合、IMSは、oUEがAMR-WBのみをサポートし、tUEはEVS IOモードをサポートすることを認識する。
【0038】
変更2cによると、IMSは、i)この回答および後続の回答で「EVS IOモードで開始するEVS」をAMR-WBに置き換え、ii)後続の依頼でAMR-WBを「EVS IOモードで開始するEVS」に置き換える。
【0039】
例えば、UE1およびUE2の2つの端末を備えたシステムでは、UE1がAMR-WBのみをサポートし、UE2がEVSをサポートし、AMR-WBをEVS IOにマッピングすることをIMSが認識している場合がある。
【0040】
変更1aによると、回答にAMR-WBが含まれ、EVSは含まれず、初期依頼にEVSが含まれる場合、IMSネットワークは「AMR-WB」を「EVS」に、特に回答メッセージのEVS IO機能に置き換える。
【0041】
変更1bによると、依頼にAMR-WBが含まれ、EVSは含まれず、初期回答メッセージにEVSが含まれる場合、IMSネットワークは「AMR-WB」を「EVS」に、特に依頼メッセージのEVS IO機能に置き換える。
【0042】
変更2によると、EVS IOサポートのためにtUEを探査(probe)できる。
この場合、依頼にAMR-WBが含まれるがEVSが含まれない場合、IMSネットワークはEVS IO機能を呼依頼に追加する。
IMSは、UE1がEVSをサポートし、UE2がAMR-WBのみをサポートすることを「認識」しているため、EVS IOをAMR-WBにマッピングする。
【0043】
第3クラスの変更、特に変更3aによると、回答メッセージにEVS IOが含まれ、初期呼依頼にEVSが含まれなない場合、IMSネットワークは回答メッセージのEVS IOをAMR-WB機能に置き換える。
【0044】
さらに、第3クラスの変更では、変更3bによると、呼依頼にEVS IOが含まれ、初期回答メッセージにEVSが含まれない場合、IMSネットワークは呼依頼のEVS IOをAMR-WB機能に置き換える。
【0045】
SIPコマンドの関連部分とともに、依頼/応答中のSDPの変更については、
図2および3に関連して後で説明する。
メッセージシーケンスは、コーデックネゴシエーション関連メッセージに縮小されることに注意されたい。
また、読み易さを向上させるために、SDPメッセージが短縮されている。
指定された2つの例は、「GSMA FCM.01-VoLTEサービスの説明と実装ガイド(バージョン2.0)」のセクション3.2において説明されている単一のPMN呼確立の事例に基づいている。
詳細については、SDPパラメータの使用の詳細な説明を含む「3GPP 26445 Annex A3.3.3」、およびVoLTEのEVS固有のSDP制限について説明する「GSMA IR.92章2.4.3.3」を参照されたい。
【0046】
すべての変更は、すでにSDPメッセージをマングリングしているIMSネットワークインスタンスに実装されると想定される。
例えばそれらは、SRVCCにすでに存在するATCF(アクセス転送制御機能)などのP-CSCFまたは他のIMSネットワークインスタンスに実装できる。
再パッケージ化は、例えばメディアリソースファンクションプロセッサ(MRFP)(tbc.)またはアクセス転送ゲートウェイ(ATGW)に実装されてもよい。
【0047】
図1は、本発明によるネットワーク装置110を含むシステム100を示す。
ネットワーク装置110は、第1のユーザ端末120が呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートできるかどうかを確認し、第2のユーザ端末130が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図(intends to)するかどうかを確認する。
この実施形態では、第1の音声符号化モードと第2の音声符号化モードとは異なっていてもよく、第1の音声符号化モードはEVSを指し、第2の音声符号化モードはAMR-WBを指してもよい。
上述の音声モードは単なる例であり、異なる符号化技術を含んでもよいことは当業者には明らかである。
【0048】
ネットワーク装置110は、第1のユーザ端末120が第1の音声符号化モードの使用をサポートし、第2のユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図する場合、第1のユーザ端末120から第2のユーザ端末130に送信され、第2の音声符号化モードを参照する第1のパケットにパケット化されたデータを、第1の音声符号化モードを参照する第2のパケットに再パッキングする。
逆に、第2のユーザ端末130から第1のユーザ端末120に送信され、第2の音声符号化モードを参照する第3のパケットにパケット化された呼の第2のデータは、第1の音声符号化モードを参照する第4のパケットにパケット化される。
【0049】
ネットワーク装置110、第1のユーザ端末120、第2のユーザ端末130、および場合によってはさらなるユーザ端末140を含むシステムでは、制御およびユーザプレーンにアクティブなネットワークノードが存在すると想定され、IMSは、呼のセットアップに関係するEPCおよびIMSのすべてのネットワークノードの同義語として使用される。
発信ユーザ端末またはユーザ機器は、前述のoUEに対応し、着信UEは前述のtUEに対応する。
【0050】
一般に、oUEは、ユーザ機器またはユーザ端末が接続されているIPマルチメディアサブシステムであるIMSとデータを送受信する。
また、tUEはIMSに接続されているため、oUEとtUEとの間の通信はIMSを介して容易になる。
【0051】
通信に使用されるコーデックを確立するとき、およびAMR-WBが使用される場合、UEは送信側および/または受信側のAMR-WBの代替実装としてAMR-WB IOモードを使用できる。
前述したように、この動作は従来のAMR-WBに対して有益であるが、AMR-WB IOを使用してAMR-WBを実装するのはUE提供会社の裁量であり、IMSネットワークによってUEを強制することはできない。
【0052】
以下では、オペレータ/IMSネットワークが、EVS対応UEに、非EVS対応UEへの呼に対して、従来のAMR-WBの代わりにEVS IOモードを介して組み込みAMR-WB相互運用モードを使用するように強制する場合の手法について提供する。
これは、呼の確立中に前述のSDP変更によって実装できる。
【0053】
oUEの初期依頼に対するtUEの回答を受信すると、IMSは、oUEがEVS-IOモードをサポートし、tUEがAMR-WBのみをサポートしていることを認識する。
IMSは、この回答および後続の回答でAMR-WBを「EVS IOモードで開始するEVS」に置き換え、後続の依頼で「EVS IOモードで開始するEVS」をAMR-WBに置き換える。
【0054】
図1は、2つのユーザ端末120および130と通信するネットワーク装置110を示す。
前述のように、ネットワーク装置110は、端末が呼の特定の音声符号化モードを使用することを意図するかどうかを確認する。
例えば、ネットワーク装置110は、第1のユーザ端末120がEVS規格に関連する音声符号化モードを使用することを意図するかどうか、および第2のユーザ端末130が異なる音声符号化モード、例えばAMRを使用することを意図するかどうかを確認してもよい。
【0055】
第1および第2のユーザ端末が共通の音声符号化モードを使用することを意図する限り、通信はさらなる取り組み(efforts)なしに実行され得る。
第1のユーザ端末120が以下で第1の音声符号化モードと呼ばれるEVS関連の音声符号化モードをサポートし、第2のユーザ端末が以下で第2の音声符号化モードと呼ばれるAMR関連の音声符号化モードを使用する場合、ネットワーク装置110はさらなる取り組み(efforts)をしなければならない。
より詳細には、ネットワーク装置110は、第1のユーザ端末120から送信されたデータを第1から第2の音声符号化モードに再パッキングし、第2のユーザ端末から送信されたデータを第2の音声符号化モードから第1の音声符号化モードに再パッキングする。
【0056】
通常、ネットワーク装置は、呼のセットアップ中に個々のユーザ端末がどの音声符号化モードを使用することを意図するかを確認する。
それでも、呼のセットアップ中にこの確認を実行することは絶対に必要ではないが、呼がすでに確立された後でもこの確認が実行される可能性もある。
これは、例えば、制限された帯域幅条件またはユーザ端末の計算能力に関する考慮事項に適応するために、呼で使用される音声符号化モードを変更する必要がある場合である。
【0057】
確認が呼のセットアップ中にすでに実行されている例では、ネットワーク装置110は、発信ユーザ端末から送信された第1の初期呼依頼が、第2の音声符号化モードが呼に使用されることを示すかどうか、または第1の音声符号化モードが推奨されるかどうかを確認する。
第2の音声符号化モードを使用することが示されている場合、この第1の初期呼依頼はインターセプトされ、これに代わって、第2の初期呼依頼が着信ユーザ端末に送信され、第2の初期呼依頼は、第1の音声符号化モードが呼に使用されることを示す。
【0058】
同様に、ネットワーク装置110は、第2の初期呼依頼の回答が、第1の音声符号化モードが呼に使用されることを示すかどうかを確認し、すると、この第1の回答はインターセプトされ、第1の回答の代わりに発信ユーザ端末への第2の回答に置き換え/転送され、第2の回答は第2の音声符号化モードの使用を示す。
この呼依頼のインターセプトおよび置換とその応答により、発信ユーザ端末には第2の音声符号化モードが使用されているように見え、着信ユーザ端末には第1の音声符号化モードが呼に使用されているように見える。
言い換えれば、これは、着信ユーザ端末が第1の音声符号化モードの使用をサポートし、発信ユーザ端末が第2の音声符号化モードを使用することを意図していると表明する。
【0059】
発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信される第1の初期呼依頼は、呼の第1の音声符号化モードの使用を従属的に示す。
【0060】
第1の初期呼依頼が第2の音声符号化モードの使用を示す場合に何が起こるかについては上記で説明した。
以降、この呼依頼に対する回答について説明する。
第1の回答が呼の第2の音声符号化モードの使用が実行されることを示す場合、発信ユーザ端末への第1の回答が発信ユーザ端末に転送され、第1の回答は、呼の第2の音声符号化モードが使用されることを示す。
第1のユーザ端末も第2のユーザ端末も、呼の第1の音声符号化モードの使用をサポートしていないと表明される。
【0061】
発信ユーザ端末から着信ユーザ端末への第1の初期呼依頼に応答して着信ユーザ端末から第1の回答を受信した後、第2の音声符号化モードの使用を示すか、さらに第1の音声符号化モードが属する呼の音声符号化モードのグループのいずれかの使用を示すかが確認される。
第1の回答が呼の第2の音声符号化モードの使用を示す場合、第1の回答はインターセプト(途中で捕獲され)され、代わりに第2の回答が発信ユーザ端末に転送され、第2の回答は、呼の第1の音声符号化モードの使用を示す。
さらに、発信ユーザ端末が第1の音声符号化モードの使用をサポートし、着信ユーザ端末が呼の第2の音声符号化モードを使用することを意図していると表明される。
【0062】
一実施形態では、第1の初期呼依頼は、第1の音声符号化モードの使用を従属的に示し得る。
【0063】
別の実施形態では、ネットワーク装置は、発信ユーザ端末から着信ユーザ端末に送信された第1の初期呼依頼が第1の音声符号化モードの使用を示すかどうかを確認してもよく、そうであれば、第1の初期呼依頼をインターセプトし、代わりに第1の音声符号化モードおよび第2の音声符号化モードを含む複数の音声符号化モードの使用を示す第2の初期呼依頼を転送してもよい。
【0064】
異なる音声符号化モードを使用できることは明らかであり、実施形態では、第2の音声符号化モードはAMR-WBモードであってもよく、第1の音声符号化モードはEVSのAMR-WB相互運用モードであってもよい。
【0065】
さらなる実施形態では、第2の音声モードは、AMR-WB用のRTPフォーマットを使用するAMR-WBモードであり、第1の音声符号化モードは、EVS用のRTPフォーマットを使用するEVSのAMR-WB相互運用モードである。
しかしながら、現在議論されている発明が前述の音声符号化モードに限定されず、他の音声符号化モードにも使用できることは、当業者には明らかである。
【0066】
音声符号化モードに関しては、これらのモードは、等しい符号化構文を使用して、または等しく解析可能なペイロードを使用して、またはトランスコーディングなしで相互に転送可能な音声コンテンツを表してもよい。
例えば、トランスコーディング(データの形式変換)を行わないということは、再量子化の必要がなくなるということであってもよい。
【0067】
様々な音声符号化モードでエンコードされたデータを転送する場合、このデータはパケットの形式で転送される。
当業者は、パケットがペイロードセクションを含み、第1および第2の音声データを参照する第1および第2のパケットが、それらのペイロードセクションに関して内容が一致することを知っている。
さらに、第2のユーザ端末から第1のユーザ端末に送信されたデータに対応する第3および第4のパケットは、オプションの非トランスコーディング動作を除き、ペイロードセクションに関して内容が一致してもよい。
【0068】
ネットワーク装置は、再パッキングにおけるオプションの非トランスコーディング動作を除き、再パッキングにおいて第1および第3のパケットのペイロードセクションを未修正の状態にするように構成できる。
【0069】
図2は、EVSとAMR-WBが可能な発信ユーザ機器oUEと、AMR-WBを使用できる着信ユーザ機器tUEとの間の通信のシグナリングシーケンスの例を示している。
これらのユーザ機器は、前述のように管理ネットワーク装置に接続でき、管理ネットワーク装置は、EVSおよびAMR-WBの両方を使用して通信でき、EVSとAMR-WBの間でメッセージを解釈/変換する。
次の例で説明するように、この管理ネットワーク装置は、IPマルチメディアサブシステム、IMSであってもよい。
【0070】
ステップ210で、SDP依頼がoUEからIMSに送信される。このメッセージは、EVSおよびAMR-WBの両方を使用できることを示している。
ステップ220で、メッセージはIMSからtUEに転送される。
このメッセージには、AMR-WBモードのみが記載されている。
ステップ210およびステップ220は、「SIP招待」メッセージを表す。
ステップ210および220は、端末が第1および/または第2の音声符号化モードの使用をサポートするかどうか、ならびにどの音声符号化モードが呼に示されるかを呼依頼を用いて確認する確認400aに関する。
【0071】
SIP招待に対する応答として、メッセージ、この場合はSDP回答が、ステップ230でtUEからIMSに送信され、このメッセージはAMR-WB形式である。
ステップ240で、メッセージはIMSからoUEに転送され、EVSモードに変換される。
ステップ230および240は、「SIP183『進行』」メッセージを表す。
ステップ230および240は、SDP回答を使用してどの音声符号化モードが呼に対して示されているかを確認する確認400bに関する。
【0072】
ステップ250で、EVSモードを使用して、oUEからIMSにSIP依頼が送信される。
ステップ250は、「SIP更新」メッセージに関する。
ステップ260で、AMR-WBモードを使用して、SDP依頼メッセージがIMSからtUEに送信される。
【0073】
ステップ270で、AMR-WBを使用して、SDP回答メッセージがtUEからIMSに送信される。
ステップ270は、「SIP 200『OK』」メッセージに関する。
ステップ280で、SDP回答メッセージは、EVSモードを使用してoUEに転送される。
【0074】
この実施形態では、EVS IOがoUEで使用され、AMS-WBがtUEで使用される。
ここでIMSによって表されるネットワークは、oUEとtUEとの間の接続を容易にするために再パッケージ化を実行してもよい。
ここでは、トランスコーディングは必要ない。
【0075】
さらに、この実施形態では、前述の変更1a(IMSネットワークがAMR-WBをEVS-IOに交換することによりSDP回答を変更する)、および変更3b(IMSネットワークが(2回目のSDP依頼において)EVS IOをAMR-WBに交換する)が適用される。
【0076】
図3は、発信ユーザ機器oUEと着信ユーザ機器tUEとの間の
図2に関連して示され説明されたものと同様の信号シーケンス/信号フローを示すが、この場合、oUEはAMR-WBに対応し、tUEはEVSおよびAMR-WBに対応している。
また、oUEおよびtUEは、前述のように管理ネットワーク装置に接続でき、管理ネットワーク装置は、EVSおよびAMR-WBの両方を使用して通信でき、EVSとAMR-WBとの間でメッセージを解釈/変換できる。
この管理ネットワーク装置は、IPマルチメディアサブシステム、IMSであってもよい。
【0077】
ステップ310で、「SDP依頼」がAMR-WBモードでoUEからIMSに送信される。
ステップ320で、SDP依頼がIMSからtUEに、この場合はEVSモードで送信/転送される。
ステップ310および320は、「SIP招待」に関連していてもよい。
ステップ310および320は、端末が第1および/または第2の音声符号化モードの使用をサポートするかどうか、ならびにどの音声符号化モードが呼に示されるかを確認する確認400cに関する。
【0078】
ステップ330で、EVSモードを使用して、「SDP回答」がtUEからIMSに送信される。
ステップ340で、AMR-WBモードを使用して、SDP回答がIMSからoUEに転送される。
ステップ330および340の両方は、「SIP183『進行』」メッセージに関してもよい。
ステップ330および340は、SDP回答を使用してどの音声符号化モードが呼に対して示されているかを確認する確認400dに関する。
【0079】
ステップ350で、AMR-WBモードを使用して、「SDP依頼」メッセージがoUEからIMSに送信される。
ステップ350は、「SIP更新」メッセージに関してもよい。
ステップ360で、EVSモードを使用して、SDP依頼がIMSから着信UEに転送される。
【0080】
ステップ370で、EVSモードを使用して、「SDP回答」メッセージがtUEからIMSに送信される。
ステップ370は、「SIP 200『OK』」メッセージに関してもよい。
ステップ380で、AMR-WBモードを使用して、ステップ370のSDP回答がIMSからoUEに転送される。
【0081】
この実施形態では、EVS IOがtUEで使用され、AMS-WBがoUEで使用される。
ここで、IMSによって表されるネットワークは、oUEとtUEとの間の接続を容易にするために再パッケージ化を実行してもよい。ここでも、トランスコーディングは必要ない。
【0082】
さらに、この実施形態では、前述の変更2(IMSネットワークがEVS IOをSDP依頼に追加して、(初期SDP依頼において)EVSのtUEを探査(probe)する)、変更3a(IMSネットワークが(SDP回答において)EVS IOとAMR-WBを交換する)および変更1b(IMSネットワークが(2回目のSDP依頼において)AMR-WBとEVS IOを交換する)が適用される。
【0083】
一部の態様を装置の文脈で説明したが、これらの態様は対応する方法の説明も表し、ブロックまたはデバイスが方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することは明らかである。
同様に、方法ステップの文脈で説明される態様は、対応するブロックまたはアイテムまたは対応する装置の機能の説明も表す。
方法ステップの一部またはすべては、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(またはそれらを使用して)実行されてもよい。
一部の実施形態では、最も重要な方法ステップのうちの1つ以上をそのような装置によって実行することができる。
【0084】
本発明によって符号化された音声信号は、デジタル記憶媒体に記憶することができ、またはインターネットなどの無線伝送媒体または有線伝送媒体などの伝送媒体で伝送することができる。
【0085】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。
実装は、電子的に読み取り可能な制御信号が格納され、それぞれの方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、Blu-Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行できる。
したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータで読み取り可能であってもよい。
【0086】
本発明による一部の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0087】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するように動作する。
プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能なキャリアに保存されてもよい。
【0088】
他の実施形態は、機械読み取り可能なキャリアに格納された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0089】
言い換えれば、したがって、本発明の方法の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0090】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ読み取り可能な媒体)である。
データキャリア、デジタル記憶媒体、または記録されたメディアは、通常、有形および/または非一時的である。
【0091】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。
データストリームまたは信号シーケンスは、例えば、インターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。
【0092】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラム可能なロジックデバイスを含む。
【0093】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
【0094】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に(例えば、電子的または光学的に)転送するように構成された装置またはシステムを含む。
受信機は、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであり得る。
装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバを備えてもよい。
【0095】
一部の実施形態では、プログラム可能なロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行することができる。
一部の実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。
一般に、これらの方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0096】
本明細書で説明する装置は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実装することができる。
【0097】
本明細書に記載の装置、または本明細書に記載の装置の任意のコンポーネントは、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装することができる。
【0098】
本明細書で説明される方法は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実行することができる。
【0099】
本明細書に記載の方法、または本明細書に記載の装置の任意のコンポーネントは、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実行することができる。
【0100】
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。
本明細書に記載の構成および詳細の修正および変更は、当業者には明らかであることを理解されたい。
したがって、本明細書の実施形態の説明および解釈として提示される特定の詳細によってではなく、差し迫った特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図されている。