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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】可変車両乗り物スイッチ
(51)【国際特許分類】
   A63G 21/18 20060101AFI20220118BHJP
   A63G 3/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A63G21/18
A63G3/00
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019565367
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018034204
(87)【国際公開番号】W WO2018217936
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】15/606,833
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック エイ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバーセッツァー マイケル
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-192450(JP,A)
【文献】特開平03-261494(JP,A)
【文献】特開平06-218146(JP,A)
【文献】特開平08-299599(JP,A)
【文献】実開平04-095092(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0045811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0145953(US,A1)
【文献】特開平07-108090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両乗り物であって、
可変車両乗り物スイッチを含み、該可変車両乗り物スイッチは、
乗り物表面に対して回転するように構成されたベースと、
前記ベースを回転させるための作動信号を受け取るように構成されたベースコントローラと、
前記ベース上に配置されて前記ベースと共に回転するように構成されるとともに、前記ベースに対して作動して前記ベース上に又は前記ベースから乗り物車両を移動させるように構成された少なくとも1つのコンベヤと、
を含み、前記車両乗り物は、
複数の車両経路であって、前記可変車両乗り物スイッチが該複数の車両経路の分岐点に配置される、複数の車両経路と、
前記ベースを回転させて、前記少なくとも1つのコンベヤを前記複数の車両経路のうちの1つの車両経路と実質的に整列させるための前記作動信号を前記ベースコントローラに供給する命令をプログラムされた乗り物コントローラと、
を含み、
前記作動信号は、前記少なくとも1つのコンベヤ上に第1の乗り物車両が存在するときに、前記ベースを回転させて、前記少なくとも1つのコンベヤを前記複数の車両経路のうちの第1の車両経路と実質的に整列させ、前記第1の乗り物車両の後に、前記少なくとも1つのコンベヤ上に第2の乗り物車両が存在するときに、前記ベースを回転させて、前記少なくとも1つのコンベヤを前記複数の車両経路のうちの第2の車両経路と実質的に整列させ、前記第1の車両経路は、前記第2の車両経路と異なる、
車両乗り物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンベヤは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記作動信号は、前記ベースを回転させて、前記第1の端部又は前記第2の端部を前記複数の車両経路のうちの少なくとも1つの車両経路と実質的に整列させる、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項3】
前記作動信号は、前記ベースを回転させて、前記少なくとも1つのコンベヤ上の前記乗り物車両が前記可変車両乗り物スイッチ上への進入に対して逆方向に前記可変車両乗り物スイッチから退出するように、前記第1の端部を前記複数の車両経路のうちの前記第1の車両経路と実質的に整列させる、請求項2に記載の車両乗り物。
【請求項4】
前記作動信号は、前記ベースを回転させて、前記少なくとも1つのコンベヤ上の別の乗り物車両が前記可変車両乗り物スイッチ上への進入に対して同じ方向に前記可変車両乗り物スイッチから退出するように、前記第2の端部を前記第1の車両経路と実質的に整列させる、請求項3に記載の車両乗り物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンベヤは、少なくとも第1のコンベヤ及び第2のコンベヤを含み、前記可変車両乗り物スイッチが同時に複数の車両を収容するように構成されるように、前記第2のコンベヤは、前記ベース上に又は前記ベースから別の乗り物車両を移動させるように作動するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項6】
前記可変車両乗り物スイッチは、前記第1のコンベヤと前記第2のコンベヤとの間のバリアを含む、請求項5に記載の車両乗り物。
【請求項7】
前記作動信号は、前記ベースを回転させて、前記第1のコンベヤを前記複数の車両経路のうちの前記第1の車両経路と実質的に整列させ、前記第2のコンベヤを前記複数の車両経路のうちの前記第2の車両経路と実質的に整列させる、請求項5に記載の車両乗り物。
【請求項8】
前記車両乗り物はウォーターライドであり、前記可変車両乗り物スイッチは水中に沈んでいる、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンベヤは、前記作動信号に応答して、前記乗り物車両が進入時の車速よりも遅い速さで前記可変車両乗り物スイッチから退出するように前記ベースに対して作動するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンベヤは、前記作動信号に応答して、前記乗り物車両が進入時の車速よりも速い又は該車速に等しい速さで前記可変車両乗り物スイッチから退出するように前記ベースに対して作動するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項11】
前記ベースは、前記乗り物表面に対して傾斜又は上昇するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンベヤは、前記作動信号に応答して、前記複数の車両経路のうちの前記車両経路との実質的な整列を完全に整列させるように前記ベースに対して作動するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンベヤは、前記作動信号に応答して、前記ベース内で回転するように構成される、請求項12に記載の車両乗り物。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンベアは、前記ベースに対して回転するように構成される、請求項1に記載の車両乗り物。
【請求項15】
方法であって、
可変車両乗り物スイッチ上に第1の乗り物車両を受け取るステップと、
前記可変車両乗り物スイッチ上に第2の乗り物車両を受け取るステップと、
前記可変車両乗り物スイッチ上に前記第1の乗り物車両が存在している間に、前記可変車両乗り物スイッチのベースを第1の出口位置に回転させるステップと、
前記ベースの前記第1の出口位置において、前記第1の乗り物車両を前記可変車両乗り物スイッチから搬出するステップと、
前記可変車両乗り物スイッチ上に前記第2の乗り物車両が存在している間に、前記可変車両乗り物スイッチの前記ベースを前記ベースの第2の出口位置に回転させるステップと、
前記第2の出口位置において、前記第2の乗り物車両を前記可変車両乗り物スイッチから搬出するステップと、
を含み、前記第2の出口位置は、前記第1の出口位置と異なる、
方法。
【請求項16】
前記第1の乗り物車両は、前記ベースの第1の開始位置において前記可変車両乗り物スイッチによって受け取られ、前記ベースを前記第1の出口位置に回転させるステップは、前記第1の開始位置から270度以下の回転を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の乗り物車両は、前記ベースの前記第1の出口位置において前記可変車両乗り物スイッチによって受け取られ、前記ベースを前記第2の出口位置に回転させるステップは、前記第1の出口位置から270度以下の第2の回転を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記可変車両乗り物スイッチが前記ベースの前記第1の開始位置にあるとき、前記ベース上に前記第1の乗り物車両及び前記第2の乗り物車両が同時に存在するように、前記可変車両乗り物スイッチ上に第3の乗り物車両を受け取るステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の乗り物車両及び前記第2の乗り物車両は、前記ベースから逆方向の異なる車両経路上に搬出される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の乗り物車両及び前記第2の乗り物車両は、前記ベース上に同時に存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の乗り物車両は、前記第1の乗り物車両が受け取られた後に前記可変車両乗り物スイッチによって受け取られる、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記ベースを前記第1の出口位置に回転させるステップは、前記第1の乗り物車両を第1の車両経路と整列させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記整列させるステップは、前記第1の乗り物車両の向きを反転させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ベースの前記第1の出口位置において前記第1の乗り物車両を前記可変車両乗り物スイッチから搬出するステップは、前記ベース内でコンベヤを第1の角度から第2の角度に作動させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記ベースの前記第2の出口位置において前記第2の乗り物車両を前記可変車両乗り物スイッチから搬出するステップは、前記ベース内でコンベヤを回転させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
作動信号を受け取り、該作動信号に基づいて、前記ベースを前記第1の出口位置及び前記第2の出口位置に回転させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地体験を提供するために利用される方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地又はテーマパークでは、長年にわたって様々な形態の娯楽用乗り物が使用されている。これらには、ジェットコースター、トラックライド及び水上車両ベースの乗り物などの従来の乗り物が含まれる。いくつかのタイプの乗り物は閉ループ軌道経路を有し、主要軌道から外れて車両メンテナンス及び保管のための側路が実装される。固定軌道には、異なる軌道区分に沿って乗り物車両を導くためのスイッチが統合される。このようなスイッチは、軌道乗り物に結合された、両端において軌道区分を分離するスイッチを通じて実装することができる。しかしながら、スイッチは、軌道ループ又は経路がいずれかの回転端において完結するように、乗り物車両の方向を元々の移動方向から一定の回転角で変化させる。すなわち、車両の選択肢は、閉路を進み続けるか、或いは車両を単一の異なる軌道区分に結合するようにスイッチが回転した後に一定の角度で閉路から出るかである。しかしながら、スイッチは、複数の離間した車両を含む乗り物の進行のボトルネックとなる場合もあり、通常は乗車中に車両経路(vehicle pathway)又は方向を動的に調整するように構成されていない。さらに、全ての乗り物が軌道式というわけではなく、したがってこのような無軌道式乗り物には、車両の方向を変化させるための軌道スイッチが実装されていない。したがって、娯楽用乗り物の過程で車両経路に組み込むことができる、娯楽用乗り物車両の車両方向調整器を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0004】
1つの実施形態によれば、可変車両乗り物スイッチ(variable vehicle ride switch)を含む車両乗り物が提供される。可変車両乗り物スイッチは、乗り物表面に対して回転するように構成されたベースと、ベースを回転させるための作動信号(activation signal)を受け取るように構成されたベースコントローラと、ベース上に配置されてベースと共に回転するように構成されるとともに、ベースに対して作動してベース上に又はベースから乗り物車両を移動させるように構成された少なくとも1つのコンベヤ(conveyor)と、を含む。車両乗り物は、可変車両乗り物スイッチが配置された分岐点(junction)を含む複数の車両経路と、ベースを回転させて、少なくとも1つのコンベヤを複数の車両経路のうちの1つの車両経路と少なくとも部分的に整列させる(align)ための作動信号をベースコントローラに供給する命令をプログラムされた乗り物コントローラと、をさらに含む。
【0005】
別の実施形態によれば、可変車両乗り物スイッチ上に第1の乗り物車両を受け取るステップと、可変車両乗り物スイッチ上に第2の乗り物車両を受け取るステップと、可変車両乗り物スイッチ上に第1の乗り物車両が存在している間に、可変車両乗り物スイッチのベースを第1の出口位置に回転させるステップと、ベースの第1の出口位置において、第1の乗り物車両を可変車両乗り物スイッチから搬出するステップと、可変車両乗り物スイッチ上に第2の乗り物車両が存在している間に、可変車両乗り物スイッチのベースをベースの第2の出口位置に回転させるステップと、第2の出口位置において、第2の乗り物車両を可変車両乗り物スイッチから搬出するステップと、を含み、第2の出口位置が第1の出口位置と異なる、方法が提供される。
【0006】
別の実施形態によれば、乗り物表面に対して回転するように構成されたベースと、ベース上に配置された少なくとも1つのコンベヤであって、ベースに対して作動して、ベースの外縁部に向けて又は外縁部から離して乗り物車両を移動させるとともに、ベース内で少なくとも1つのコンベヤの角度又は向き(orientation)を変化させるように構成された少なくとも1つのコンベヤと、ベースを回転させて少なくとも1つのコンベヤを作動させるための作動信号を受け取るように構成されたコントローラと、を備えた可変車両乗り物スイッチが提供される。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本技術による、可変車両乗り物スイッチを含むウォーターパークアトラクションの斜視図である。
図2】本技術による、可変車両乗り物スイッチ上に配置された乗り物車両の実施形態の斜視図である。
図3】本技術による、可変車両乗り物スイッチプラテン上に配置された乗り物車両の実施形態の斜視図である。
図4】本技術による、可変車両乗り物スイッチの構成の概略図である。
図5】本技術による、可変車両乗り物スイッチの実施形態の上面図である。
図6】本技術による、可変車両乗り物スイッチの実施形態の上面図である。
図7】本技術による、可変車両乗り物スイッチの構成の概略図である。
図8】本技術による、可変車両乗り物スイッチを含む乗り物システムのブロック図である。
図9】本技術による、可変車両乗り物スイッチの制御方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、遊園地乗り物と共に使用できる、車両の方向、向き及び/又は経路の調整を行うための可変車両乗り物スイッチを提供する。乗り物は、容易に修正できないいくつかの固定構造を有しているので、リピート客のために遊園地乗り物内に変動性をもたらすことによって乗り物の楽しみ及び寿命を延ばすことができ、これによって乗り物のアップグレード又は置換に伴うコストがさらに削減される。
【0010】
開示する可変車両乗り物スイッチは、既存の固定回転スイッチ又は固定経路スイッチを凌ぐ利点をもたらす。1つの実施形態では、開示する可変車両乗り物スイッチが、複数の利用可能な入力経路のうちのいずれか1つから車両を受け取り、(所望の乗り物構成に応じて入力経路と同じ経路又は異なる経路とすることができる)複数の利用可能な出力経路のいずれか1つに車両を排出することができる。これに加えて、又はこれとは別に、本明細書に開示する可変車両乗り物スイッチは、乗り物車両の進行方向を前向きから後向きに、又はこの逆に反転させることもできる。これとは別に、又はこれに加えて、可変車両乗り物スイッチは、無軌道式車両乗り物などの経路に沿って、特定の効果を容易にするように又は所望の方向に車両を推進するようにコントローラが定めることができるスイッチからの出口角度で車両を動的に送り出すこともできる。1つの例では、可変車両乗り物スイッチが、車両の向きを反転させて、車両の利用可能な経路の選択のうちの1つである経路上に反転した車両を送り出すことができる。別の例では、向きの反転を伴わずに次の車両を同じ向きで別の経路上に送り出すことができる。このように、可変車両乗り物スイッチは、乗り物車両の様々な考えられる乗り物経路及び向きの柔軟性を促し、したがって乗り物にさらなる興奮を導入する。また、可変車両乗り物スイッチは、スイッチを横切って移動する車両の速度を一致させ又は加速させ、したがってボトルネックを低減することができる。さらに、いくつかの実装では、可変車両乗り物スイッチを、複数の車両を同時に収容してスループットの増大を促すように構成することもできる。さらに、いくつかの実施形態では、可変車両乗り物スイッチが、乗り物車両自体に操縦機能又はモータ機能を実装することなく乗り物車両の方向及び向きの可変性を強化することができる。
【0011】
図1は、水路12によって定められた、例えば指向的な水の流れを有する乗り物通路を有するウォーターライド(water ride)として実装された乗り物システム10の図式的概観である。乗り物システムは、1又は2以上の可変車両乗り物スイッチ14を含む。いくつかの実施形態では、可変車両乗り物スイッチ14が、ベース20内又はベース20上に配置されたコンベヤ16を含む。ベース20は、乗り物表面(例えば、固定された乗り物床面21)に対して(例えば、原動力下で)回転するターンテーブルとして実装することができる。開示する実施形態には、ベース20を概ね環状のプラットフォームとして示しているが、他の構成も検討されると理解されたい。例えば、ベース20は、異なる形状又はサイズを有することもできる。さらに、ベース20は、固体プラットフォームとして実装することも、或いはいくつかの実施形態では、乗り物システム10において水流パターンを維持するのに役立つことができる、ベース20内又はその周囲における水の流れを可能にするオープンフレームとして実装することもできる。
【0012】
1つの実施形態では、可変車両乗り物スイッチ14のベース20が、乗り物床面21と実質的に同じ高さに存在し、又は乗り物床面21上に配置される。他の実施形態では、可変車両乗り物スイッチ14が、乗り物床面21に対して高くなっている。ベース20上又はベース20内に配置されたコンベヤ16は、ベース20の回転時にベース20と共に回転する。いくつかの実施形態では、ベース20が、初期開始位置から5~360度、270度以下、180度以下、又は90度以下の範囲内でいずれかの方向に、作動信号に基づいて回転するように構成される。いくつかの実施形態では、ベース20が、いずれかの方向に15~30度、30~90度、90~180度、180~270度回転することができる。さらに、ベース20の回転はプロセッサによって制御することができ、乗り物構成に応じて所望の回転及び方向に設定することができる。また、コンベヤ16は、ベース20内でベース20に対して作動するように構成される。1つの実施形態では、コンベヤ16が、本明細書に示すようにベース20に対して少なくとも1つの自由度を有する。
【0013】
可変車両乗り物スイッチ14は、乗り物システム10内の(経路22a、22b、22cとして示す)複数の経路22の交差点又は分岐点23に配置される。可変車両乗り物スイッチ14は、コンベヤ16が複数の経路22のうちの所望の経路22と可変的に整列できるようにすることにより、乗り物システム10を動的に再構成して乗客の楽しみを増やすことができる。乗り物車両24(例えば、船又は丸太)内の乗客は水路12を進み、分岐点23において可変車両乗り物スイッチ14上の位置に進入する。乗り物システム10は、複数のコンベヤ16a、16bを含む多重車両用可変車両乗り物スイッチ14を含む複数の可変車両乗り物スイッチ14を含むことができる。コンベヤ16は、例えばベルト、ローラ又は軌道として実装することができる。1つの実施形態では、コンベヤ16が、乗り物車両24の下側に結合してベース20に対して横向きに移動してベース20を横切って乗り物車両24を運ぶアーム又はフックを含むことができる。
【0014】
可変車両乗り物スイッチ14は、乗り物車両24が適所に来ると、ベース20を回転させてコンベヤ16を作動させることによって所望の通路22に切り替わる。特定の実施形態では、既に乗り物車両24が所望の経路(例えば、経路22b)をたどるように可変車両乗り物スイッチ14が配置されている場合、コンベヤ16が線形的に作動して可変車両乗り物スイッチ14を横切って所望の経路22上に乗り物車両24を移動させている間、ベース20は停止したままであることができる。後続の乗り物車両24が可変車両乗り物スイッチ14上に配置された時には、乗り物構成に従って所望の経路22が異なる(例えば、経路22a)こともあり、乗り物システム10は、これに従ってコンベヤ16を所望の経路22と整列させるように可変車両乗り物スイッチ14を制御することができる。このように、乗り物システム10は、異なる乗り物車両24が互いに異なる経路22上に向けられ、したがって異なる乗り物イベントを体験するように、1回の乗り物体験中に車両毎に動的に再構成することができる。
【0015】
本明細書に示す乗り物システム10は、無軌道式で実装することができる。したがって、整列は、乗り物条件に従って変化する整列範囲内で行うことができる。例えば、コンベヤ16を所望の経路22と整列させることは、コンベヤ16の順方向又は逆方向の線形運動の方向を、コンベヤ16上に位置する乗り物車両24が可変車両乗り物スイッチ14から線形的に作動した時に概ね所望の経路22に沿って進むべく向けられるように整列させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、この整列を、乗り物車両24を移動させて水路12内の水流などによって運ぶことができる潜在的な向き(potential orientations)の範囲内で乗り物車両24が所望の経路22に進入できるようにする部分的な整列とすることができる。さらに、本明細書に示す整列は、乗り物車両24の順方向又は逆方向で行うことができる。
【0016】
図2は、可変車両乗り物スイッチ14上に配置された乗り物車両24の斜視図である。ベース20は、乗り物車両24を支持するプラットフォーム又はフレームとして構成することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両の底面がコンベヤ16に接触するように、ベース20が乗り物車両24の推定深さとほぼ一致する深さに配置される。可変車両乗り物スイッチ14が作動すると、ベース20が回転した時に乗り物車両も移動して例えば回転し、コンベヤ16の線形運動に従って線形的に移動する。一般に、コンベヤ16は、コンベヤ16の動きが乗り物車両24を可変車両乗り物スイッチ14上に及び可変車両乗り物スイッチ14から移動させるのに十分な駆動力を与えるように、乗り物車両24を収容する形状及びサイズで構成することができる。さらに、いくつかの構成では、ベース20を、乗り物床面21に対して傾斜して、ロール運動又はピッチ運動を生じてさらなるスリル体験を提供するように構成することもできる。可変車両乗り物スイッチ14は、乗り物車両24内の乗客に可変車両乗り物スイッチ14の動きが見えないように少なくとも部分的に又は完全に沈めることができる。
【0017】
可変車両乗り物スイッチ14は、ベース20の回転を引き起こすとともに、いくつかの実施形態では1又は2以上のモータ又は電気式/空気圧式アクチュエータなどを介してコンベヤ16の動きを引き起こす回転体アセンブリ30を含む。いくつかの実施形態では、可変車両乗り物スイッチが、例えば1又は2以上のモータを介してベース20に対するコンベヤ16の作動を引き起こすアクチュエータアセンブリ36を含むことができる。1つの実施形態では、アクチュエータアセンブリ36が、ベース20内における又はベース20に対するコンベヤ16の回転度を定める軌道38を含むことができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリが、矢印39によって示す、ベースに対するさらに狭い回転度を可能にする。例えば、ベース20を360度回転するように構成する一方で、コンベヤを左右に45度回転するように構成することができる。このように、大きな向きの変化をもたらすベース20と、さらに細かな向きの変化又は調整をもたらすコンベヤ16との回転の組み合わせによって乗り物車両の向きの粒度の細かい変化を生成することができる。アクチュエータアセンブリ36は、比較的コンベヤ16の一方の縁部(例えば、前縁部40又は後縁部42)近くに位置することができ、コンベヤの反対端は、コンベヤ16のベース20内での回転及び軌道38に沿った移動を可能にするピン(図示せず)又は他の特徴部に結合することができる。作動アセンブリ36は、軌道38を含むように示しているが、コンベヤ16の回転を容易にする他の構成も検討されると理解されたい。他の実施形態では、アクチュエータアセンブリ36を回転体アセンブリと共に実装して、コンベヤ16の比較的中心位置(例えば、線形運動の方向に沿った中間点)からコンベヤの回転又は作動を引き起こすこともできる。
【0018】
アクチュエータアセンブリは、矢印48によって示す、前縁部40に向かう順方向又は後縁部42に向かう逆方向の、車両前方44及び車両後方46に対するコンベヤ16の線形運動を引き起こし、乗り物車両24を可変車両乗り物スイッチ14上に又は可変車両乗り物スイッチ14から移動させるモータを含むことができる。コンベヤの速度/方向は、上に載っている乗り物車両24のブレーキとして作用するように選択することができる。例えば、コンベヤ16は、ベース20及び/又はコンベヤ16の回転時に乗り物車両24を可変車両乗り物スイッチ14上に比較的静止した姿勢で配置するためのブレーキとして作用することができる。コンベヤ16は、後縁部42の方向に動いて、水流の力に対抗して乗り物車両24の比較的静止した姿勢を保持することができる。可変車両乗り物スイッチ14は、作動中に乗り物車両を可変車両乗り物スイッチ14上に保持するように展開して作動の終了時に解除される作動可能なバリア又はグリップを含むこともできる。他の実施形態では、コンベヤ16が、進入して来る乗り物車両24の速度の加速又は維持を行うように動作することができる。
【0019】
別の実施形態では、図3に示すように、可変車両乗り物スイッチ14が、車両24の下方で上昇及び下降して、車両を上昇させてその浮力を変化させて安定した形で静止させるのに十分な力で車両24の胴体の底部を押すプラテン49を含むように実装される。プラテン49は、一定流量の水の中で車両の前方への動きを停止させるのに十分な垂直抗力及び摩擦を与える。車両24は、浮力が回復して摩擦が低下し、車両24が水の動きによってベース20から離れて運ばれる地点までプラテン49を下降させることによって解放される。
【0020】
ベースの作動、並びにベース20内での及び/又はベース20に対するコンベヤ16の作動によって、乗り物車両24の潜在的な出口位置の可変性がもたらされる。例えば、乗り物車両は、前向きの状態で部分的な周回路又は経路を完了し、その後に同じ経路を逆向きの状態でたどることで、前向きでは見えないことがあるさらなる乗り物効果を乗客に見せることによって乗り物物語を強化することができる。図4は、可変車両乗り物スイッチ14を介した乗り物車両24の反転方法の概略図である。乗り物車両24は、矢印51によって示す進入方向に、可変車両乗り物スイッチ14が進入位置(entry position)52にある状態で可変車両乗り物スイッチ14に進入する。1つの実施形態では、進入位置52が、可変車両乗り物スイッチ14上への移動がコンベヤ16の線形運動の前方/後方軸に沿う(例えば、矢印48(図2)に沿う)ような、コンベヤ16が乗り物車両24と概ね整列する位置に対応することができる。可変車両乗り物スイッチ14への進入は、水流又は重力の制御下で行うことができる。例えば、乗り物車両24は、原動力を含まないように実装することができる。他の実施形態では、乗り物車両24が内蔵モータによって駆動される。乗り物車両24は、可変車両乗り物スイッチ14に進入してコンベヤ上の適所に移動し、車両前方44がコンベヤ16の前縁部に向って配置された状態になる。
【0021】
乗り物車両24がコンベヤ16上の適所に来ると、ベース20が乗り物床面21に対して矢印50によって示すように回転して、ベース20、コンベヤ16及び乗り物車両24が共に全て進入位置52から離れて回転した中間位置53を取る。図示の実施形態には約90度の回転を示しているが、回転度は所望の乗り物目的に従って設定することができると理解されたい。出口位置54を達成するために、コンベヤ16がベース20に対して回転して、可変車両乗り物スイッチ14が出口位置54を取るのを容易にする。いくつかの実施形態では、中間位置53及び出口位置54を達成するための作動を同時に又は連続して行うことができる。作動が連続的である場合は、ベース20を適所に固定する一方でコンベヤ16が回転して出口位置54を取り、例えばベース20に対するコンベヤ16の角度を変化させることができる。例えば、コンベヤ16は、例えばベース20上のコンベヤ16の固定回転軸点(fixed pivot point)を通る仮想線に対して初期角度で向けられ、仮想線に対するコンベヤ16の相対的角度を変化させるように作動することができる。1つの実施形態では、この変化を5~90度の変化とすることができる。コンベヤ16は、(例えば、矢印55によって示す)線形方向に作動して、乗り物車両24が所望の経路に沿って移動するとともに進入方向51に対して反転して、車両後方46が移動方向に沿って前方を向くように、矢印56によって示すように乗り物車両24を可変車両乗り物スイッチ14から移動させる。なお、ベース20及びコンベヤ16の動きは、同時に又は連続して行うことができると理解されたい。向きの反転又は向きの変化は、車両24を受け取るステップと車両24を排出するステップとの間で車両24が可変車両乗り物スイッチ14上に配置されている間に行うことができる。1つの実施形態では、車両24が、向きの反転を通じて再び受け取り経路に、ただし逆向きで排出されるようにすることもできる。
【0022】
同時に1つの乗り物車両24を収容する可変車両乗り物スイッチ14の文脈でいくつかの実施形態を示しているが、可変車両乗り物スイッチ14は、同時に2つ又は3つ以上の乗り物車両24を収容することもできると理解されたい。図5は、複数のコンベヤ16a、16bを含む可変車両乗り物スイッチ14の実施形態である。同時に複数の乗り物車両24が向きを変えることを可能にすることによって、乗り物のボトルネックを避けることができる。いくつかの実施形態では、1つの乗り物車両24の乗客が可変車両乗り物スイッチ14上の隣接する乗り物車両24内の乗客を見ることを楽しめるようにすることができる一方で、他の実施形態では、可変車両乗り物スイッチ14が、少なくとも乗客の眼の高さに配置された、視界を遮って没入性の高い体験を維持するバリア58を含むこともできる。バリア58は、乗り物テーマを含むオブジェクト(例えば、装飾的オブジェクト)として実装することができる。
【0023】
図示の実施形態では、コンベヤ16bが、例えば中間点を中心に作動して、コンベヤ16b(及びコンベヤ16b上に配置されたあらゆる乗り物車両24)を所望の経路22aと整列させることができる。コンベヤ16bは、第1の時点で作動して経路22aと整列できる一方で、コンベヤ16aは、その後の時点で作動して、乗り物車両24が連続して放出されるように経路22b又は22cと整列する。別の実施形態では、コンベヤ16a、16bが、関連する乗り物車両24を同時に放出するように構成される。可変車両乗り物スイッチ14は、経路22の構成に応じて、車両を同時に受け取ることも、又は異なる時点で受け取ることもできる(例えば、第1の乗り物車両24を受け取った後で第2の乗り物車両24を受け取り、作動して乗り物車両24を再び異なる経路22と整列させ、その後に乗り物車両24を同時に反対方向に及び/又は反対の向きで放出することができる)。
【0024】
図6は、コンベヤ16a、16bの縁部(例えば、後縁部42a又は前縁部40a)に配置されたアクチュエータアーム70a、70bを含む作動アセンブリがコンベヤ16a、16bの作動を仲介する実施形態を示す複数車両用可変車両乗り物スイッチ14の例である。コンベヤ16a、16bは、アクチュエータアーム70a、70bを通じて作動すると、(矢印64a、64bによって示す)対向する縁部に固定された枢動点62a、62bを中心に枢動する。可変車両乗り物スイッチ14の矢印48a、48bに沿ったさらなる潜在的な動き、及び矢印59に沿ったベース20の回転も示す。図示の実施形態では、それぞれのアクチュエータアーム70a、70bが、ベース20上で横並びに配置されたコンベヤ16a、16bの対向する縁部に配置される。しかしながら、他の構成も検討される。例えば、図7には、アクチュエータ70a、70b、70cがベース20の外周80近くに位置する3コンベヤ16の構成を示す。
【0025】
図8は、システム10のブロック図であり、本明細書に開示する技術は、可変車両乗り物スイッチ14、乗り物車両24、乗り物コントローラ102、及びいくつかの実施形態では乗り物車両位置センサ130などのフィードバックセンサを含むシステム10の1又は2以上のコンポーネントと共に使用することができる。乗り物コントローラ102は、車両24及び可変車両乗り物スイッチ14との相互作用を可能にする様々なコンポーネントを含むことができる。これらの要素を乗り物コントローラ102の文脈で説明しているが、可変車両乗り物スイッチ14は同様のコンポーネントを含むこともできると理解されたい。例えば、乗り物コントローラ102は、プロセッサ104と、本明細書で説明した乗り物システム10のための方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ104が実行できる命令を記憶するメモリ106とを含むことができる。プロセッサ104は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ106は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用でき、プロセッサ104、又はプロセッサを有するいずれかの汎用又は専用コンピュータ又はその他の機械がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。また、乗り物コントローラ102は、オペレータインターフェイス108を介して入力を受け取り、通信回路110を介して乗り物車両24及び/又は可変車両乗り物スイッチ14と有線又は無線通信経路を通じて通信するように構成することができる。
【0026】
さらに、可変車両乗り物スイッチ14は、例えばベースモータを含む回転アセンブリ30を制御するベースコントローラ120などの1又は2以上のコントローラを含み、又はこのようなコントローラに結合される。さらに、ベースコントローラ120は、ベースコントローラ120に回転アセンブリ30を駆動させる出力又は作動信号を供給する乗り物コントローラ102に通信可能に結合することができる。可変車両乗り物スイッチ14は、アクチュエータアセンブリ36を駆動するコンベヤコントローラ124を含むこともできる。コンベヤコントローラ124は、コンベヤコントローラ124にアクチュエータアセンブリ36を駆動させる出力又は作動信号を供給する乗り物コントローラ102に通信可能に結合することができる。可変車両乗り物スイッチ14は、電源126と、乗り物コントローラ102との通信を容易にする通信回路128とを含むことができる。
【0027】
乗り物車両24は、乗り物システム10内の位置をモニタする位置追跡システムに結合することができる。1つの実施形態では、位置追跡システムが、乗り物車両24に結合できる、又は乗り物システム10を通じて分散できる、1又は2以上の乗り物車両位置センサ130を含む。乗り物システム10は、乗り物車両位置センサ130又は他の好適な車両位置特定技術と相互作用する位置追跡システムを介して乗り物車両の位置を特定することができる。例えば、システム10は、乗り物車両24の位置を追跡して乗り物コントローラ102にデータを提供するカメラなどの外部センサを含むことができる。また、乗り物車両24は、乗り物コントローラ102に信号を供給し、位置情報を決定するために使用できる、RFID送信機などの送信機を含むこともできる。別の実施形態では、車両位置センサ130を、乗り物システム内の可変車両乗り物スイッチ14上などに位置して乗り物車両24がコンベヤ16上の適所に存在する旨の信号を供給する重量センサ又は圧力センサとすることができる。別の実施形態では、車両位置センサ130を、乗り物車両24が乗り物システム内の特定の位置を通過する際に追跡する光センサとすることができる。
【0028】
1つの実施形態では、乗り物コントローラ102と、車両位置センサ130と、可変車両乗り物スイッチ14との間で、少なくとも部分的に無線ネットワークを介してデータが転送される。乗り物システム10は、乗り物車両の状態及び/又は位置を示すデータを乗り物コントローラ102に通信することができる。このようなデータは、個々の乗り物車両24の車両識別子、及び関連する位置、速度又は移動方向などを含むことができる。乗り物コントローラ102は、これらのデータに基づいて、乗り物車両24の通路(例えば、通路22(図1を参照))を指示する命令を可変車両乗り物スイッチ14に送信することができる。本開示によれば、乗り物コントローラ102は、乗り物システム10の複数の可変車両乗り物スイッチ14の各々を個別に制御することができる。
【0029】
図9は、例えば1又は2以上の乗り物車両位置センサ130を介して1又は2以上の乗り物車両24の車両位置情報を受け取るステップ(ブロック152)を含む方法150のフロー図である。1つの実施形態では、この位置情報が、可変車両乗り物スイッチ14に対する位置である。これとは別に、又はこれに加えて、可変車両乗り物スイッチ14に対する個々の乗り物車両24の位置は、乗り物位置間の過去の移動時間に基づいて推定することもできる。位置情報によって、乗り物車両が可変車両乗り物スイッチ14上又はその近くに存在する旨の情報が提供された場合、乗り物コントローラ102は、可変車両乗り物スイッチ14に作動信号を供給する(ブロック154)。いくつかの実施形態では、乗り物車両24の到着前に作動信号を供給して、可変車両乗り物スイッチ14を進入する乗り物車両24と整列させることもできる。乗り物車両が適所に来ると、作動信号が、連続して又は同時に行うことができるベースの回転(ブロック156)及びコンベヤ16の作動(ブロック158)を引き起こす。ベース20の回転度及びコンベヤの作動は、乗り物コントローラ102によって設定され、作動信号とすることができる。
【0030】
乗り物システム10は、乗り物車両位置センサ130からの位置情報を乗り物コントローラ102へのフィードバックとして使用することができ、乗り物コントローラ102は、この位置情報に基づいて経路選択及び車両間隔を制御するように可変車両乗り物スイッチ14を制御することができる。例えば、乗り物システム10は、乗り物内の複数の車両24のうちの特定の車両24が、車両位置情報に基づいて渋滞していると判断される、又は乗り物車両24間の間隔が不十分であると判断される経路を進み続けるようにプログラムされている構成を有する場合、可変車両乗り物スイッチ14の回転及び/又は作動を車両間隔に対処するように動的に調整することができる。1つの実施形態では、乗り物コントローラ102が、車両間隔が隣接する乗り物車両24間の所望の最小距離に調整されるまで可変車両乗り物スイッチ14上の適所に車両を保持するようにコンベヤ16の逆方向を通じて車両の制動を行う信号をアクチュエータアセンブリ36に供給することができる。別の実施形態では、車両間隔を縮めるようにコンベヤ16を加速させることができる。さらに、可変車両乗り物スイッチ14は、乗り物トラフィックに基づいて、初期プログラミング選択とは異なる選択通路に作動することもできる。本明細書に示したように、作動信号は、リアルタイムの可変性を可能にするように乗車中に動的に調整することができる。
【0031】
本明細書では、本発明のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、このような全ての修正及び変更を本発明の実際の趣旨に含まれるものとして対象にしていると理解されたい。遊園地又はテーマパークの文脈でいくつかの実施形態を開示したが、いくつかの実施形態は他の用途に関連することもできると理解されたい。さらに、開示した実施形態のいくつかの要素を互いに組み合わせ又は入れ替えることもできると理解されたい。一般にウォーターライド、ウォータースライド又はウォーターコンポーネントを含む乗り物の文脈でいくつかの開示する実施形態を説明したが、本明細書に示す可変車両乗り物スイッチは、他の文脈で、及び非水性の乗り物と共に使用することもできると理解されたい。
【0032】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、したがって抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9