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特許7009538歯科インプラント用の最適化されたライブラリソリューション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】歯科インプラント用の最適化されたライブラリソリューション
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/34 20060101AFI20220203BHJP
   A61C 8/00 20060101ALI20220203BHJP
   G16H 40/40 20180101ALN20220203BHJP
【FI】
A61C13/34 Z
A61C8/00 Z
G16H40/40
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020061370
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2020171686
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】62/826,451
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517204841
【氏名又は名称】バイオメット 3アイ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100174942
【弁理士】
【氏名又は名称】平方 伸治
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ガイアー
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー ビー.サッティン
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0320516(US,A1)
【文献】特表2009-512533(JP,A)
【文献】特表2016-506842(JP,A)
【文献】特表2016-533229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/34
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デンタルプロトタイプ模型を生成するためのデンタル類似物方法であって、
3Dプリントテスト模型内の複数の類似物ポケット内にデンタル類似物を挿入することと、
前記デンタル類似物に好ましくフィットする類似物ポケットを識別することと、
前記好ましくフィットする類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルを識別することであって、前記類似物ライブラリファイルが、前記好ましくフィットする類似物ポケットに関連付けられる類似物ポケットジオメトリを含む、ことと、
前記識別された類似物ライブラリファイルに基づく類似物ポケットジオメトリを使用して最終デンタルプロトタイプ模型を3Dプリントすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の類似物ポケットの各々が保持機構を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保持機構が、戻り止め機構、摩擦嵌めジオメトリ、小さめの機械的干渉機構及び小さめの類似物固定開口の少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の類似物ポケットの各々が、前記好ましくフィットする類似物ポケットの前記識別を支援するためにフィッティングフィードバック装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィッティングフィードバック装置が、触覚フィードバック機構及び聴覚フィードバック機構の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
3Dプリント可能模型を受信することと、
前記3Dプリント可能模型に基づいて前記3Dプリントテスト模型を3Dプリントすることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記3Dプリントテスト模型を3Dプリントすることが、複数の視覚インディケータをプリントすることを含み、前記複数の視覚インディケータの各々が、前記複数の類似物ポケットの各々を固有に識別する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の類似物ポケットが、漸増ジオメトリ特徴に基づいて配列される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの3Dプリンタパラメータを受信することを更に含み、前記テスト模型を3Dプリントすること及び前記最終デンタルプロトタイプ模型を3Dプリントすることの双方が、前記少なくとも1つの3Dプリンタパラメータに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの3Dプリンタパラメータに基づいて公称ポケットジオメトリ及び類似物ポケット公差値を識別することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの3Dプリンタパラメータが、修正類似物模型、3D樹脂タイプ、3Dプリント技法及び3Dプリンタセレクションの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
デンタルプロトタイプ模型を生成するためのデンタル類似物装置であって、
複数の類似物ポケットを含む3Dプリントテスト模型を備え、
前記複数の類似物ポケットの各々が、好ましくフィットする類似物ポケットを識別するためにデンタル類似物を受け入れるように構成され、
前記複数の類似物ポケットの各々が、前記好ましくフィットする類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルを固有に識別するように構成され、前記類似物ライブラリファイルが、前記好ましくフィットする類似物ポケットと関連付けられる類似物ポケットジオメトリを含み、
前記類似物ライブラリファイルが、3Dプリント最終デンタルプロトタイプ模型に組み込まれるように構成される、装置。
【請求項13】
前記複数の類似物ポケットの各々が保持機構を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記保持機構が、戻り止め機構、摩擦嵌めジオメトリ、小さめの機械的干渉機構及び小さめの類似物固定開口の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の類似物ポケットの各々が、前記好ましくフィットする類似物ポケットの前記識別を支援するためにフィッティングフィードバック装置を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記フィッティングフィードバック装置が、触覚フィードバック機構及び聴覚フィードバック機構の少なくとも一方を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記3Dプリントテスト模型が、複数のプリント視覚インディケータを含み、前記複数の視覚インディケータの各々が、前記複数の類似物ポケットの各々を固有に識別する、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の類似物ポケットが、漸増ジオメトリ特徴に基づいて配列される、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記テスト模型が、受信した3Dプリンタパラメータに基づく、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記3Dプリンタパラメータが、公称ポケットジオメトリ及び類似物ポケット公差を識別する、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、歯科インプラント用のデンタル模型の3Dプリントに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル歯科は、歯科医及び歯科助手が歯科処置を実施するのを手助けするために開発されてきた。デジタル歯科は、歯科インプラント、インプラント修復、インプラント模型、手術ガイド及びその他の歯科処置用装置を設計するために使用できるコンピュータ支援歯科を含むことができる。コンピュータ支援歯科の例として、スキャン及びコンピュータ支援設計を使用するインプラント構成成分の製造を説明する米国特許第8185224号明細書がある。
【0003】
コンピュータ支援歯科の1つの形式は、デンタル類似物と呼ぶことができるインプラントレプリカを製造することを含む。本明細書において使用する場合、デンタル類似物は、患者のための物理的なデンタル模型に使用できるインプラントレプリカを含む。デンタル類似物は、患者の口の中でのインプラントの位置及び向きを複製するために、インプラント修復を展開するために、又は、その他の歯科処置のために、使用できる。デンタル類似物は、歯科インプラントと同じ接続具(例えば、スクリュー、ボルト又はその他の締結器具)を含むことができるが、デンタル類似物は患者の顎に固定されない(例えば、ねじ込まれない)ので、インプラントと同じマクロジオメトリ又は表面技術を必要としない可能性がある。
【0004】
デンタル類似物の使用は、患者の顎のデジタル模型を作ることを含み、模型は、デンタル類似物のフィッティングを実施するために、クラウンを組み立てるために、ブリッジを組み立てるために、又は、その他の歯科処置をシミュレートするために、3Dプリントできる。患者の顎のデジタル的に3Dプリントされたプロトタイプ模型と組み合わせて使用される場合、デンタル類似物は、デジタル類似物と呼ぶことができる。デジタル類似物は、プリントされたデンタル模型内においてインプラントの代用品として振る舞う。プリントされたデンタル模型に使用される場合、デンタル類似物の外部は、噛み合うポケットが模型の中に配置できるように、類似物接続具の位置(例えば、xyz位置)と関連付けられる特徴部を含み、プリントされたデンタル模型内での類似物の位置を、したがって類似物接続具の位置を、制御できるようにする。
【0005】
残念ながら、3Dプリンタ、3Dプリンタに使用される樹脂、これらのプリンタの較正設定、これらのプリンタから外された後の清浄又は後処理及びその他には変動があるので、3Dプリントされたプロトタイプ模型にはかなりの変動性がある。3Dプリントされたプロトタイプ模型が変動する可能性は、3Dプリンタのタイプ及び新たな3Dプリント用樹脂の数が増大するにつれて、増大する。3Dプリントされたプロトタイプ模型の変動性は、デンタル類似物のフィッティング及び他の歯科処置の変動性を引き起こし、これらの模型から作られる装置の精度を減じる可能性がある。デンタル類似物のフィッティングが、デンタル類似物と3Dプリントされたプロトタイプとの間の適合が不完全であることを示す場合、修正類似物模型、異なる樹脂、異なる3Dプリント法、異なる3Dプリンタ又はその他の変化などの異なるパラメータを使用して、新しいプロトタイプをプリントする必要がある場合が多い。患者の顎の3Dプリントされたプロトライプ模型には精度が必要とされるので、各3Dプロトタイプをプリントするには数時間かかる可能性がある。デンタル類似物の次のフィッティングが、デンタル類似物と新たにプリントされたプロトタイプとの適合が不完全であることを示す場合、別のプロトタイプをプリントする必要があるかもしれない。このサイクルは、正確なパラメータの組み合わせが識別されるまで繰り返し行う必要がある可能性がある。必要とされるのは、デンタル類似物のフィッティングの改良された方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第8185224号明細書
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロックの斜視図である。
図1B】いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロックの上面図である。
図2】いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロックの第1断面図である。
図3】いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロックの第2断面図である。
図4】いくつかの実施形態に従った、デンタル類似物技術を示すフローチャートである。
図5】いくつかの実施形態に従って、本明細書において論じる技法(方法論)の1つ又はそれ以上を実施できる、機械のブロック図の例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、デンタル類似物のフィッティングが直面する様々な技術的問題に対する技術的解決策を説明する。実施形態において、様々なサイズの多数の類似物ポケットを含むテストブロックがプリントされる。デンタル類似物は、どの類似物ポケットがベストフィットするかを測定するために類似物ポケット内でテストできる。ベストフィットする類似物ポケットが識別されたら、その類似物ポケットのジオメトリ(幾何学形状)を示す対応する理想的ライブラリファイル又はコンピュータ支援設計(CAD)ファイルが識別され、理想的類似物ライブラリファイルに基づいて、デンタルプロトタイプが3Dプリントされ得る。デンタルプロトタイプ模型及びテストブロックは、デンタル模型又はその他の器具をプリントするデンタルラボラトリによって典型的に使用されるプリントパラメータを使用してプリントでき、プリントパラメータは、共通3Dプリンタ、3Dプリンタ設定及び樹脂を使用することを含むことができる。共通のプリントパラメータ及び識別された理想的類似物ライブラリファイルを使用してプリントすることによって、その後のデンタルプロトタイプ模型は、テストブロック内のベストフィットで識別された類似物ポケットと同じ、模型と類似物との間のフィットをもたらす。テストブロックのこのような使用は、複数のプリントされたデンタルプロトタイプのプリント及びそのテストの反復的サイクルの必要を減少または排除する。
【0009】
必ずしも縮尺通りではない図面において、同様の参照符号は様々な図において同様のコンポーネントを指す。異なる文字接尾符を持つ同様の参照番号は、同様のコンポーネントの異なる事例を表すことができる。図面は、概略的に、例えば(限定的でなく)本明細書において論じる様々な実施形態を図解する。
【0010】
図1A~1Bは、いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロック100の斜視図及び上面図である。デンタル類似物110は、ベストフィットを与える類似物ポケットを識別するためにテストブロック100内の複数の類似物ポケット120の中へ嵌められる。テストブロック100は、類似物ポケット120を固有に識別するために1つ又は複数の外部ラベル130を含むことができる。ベストフィットする類似物ポケット120が識別されたら、外部ラベル130を使用して、対応する類似物ライブラリファイルを識別でき、デンタルプロトタイプは、この類似物ライブラリファイルに基づいて1つ又は複数の類似物ポケットを使って3Dプリントできる。複数の類似物ポケット120を含むテストブロック100を使用することによって、ベストフィットする類似物ポケットを識別するために、多様なポケット構成を迅速に、かつ繰り返しなしに、テストできるので、デンタル類似物のフィッティングのために複数のデンタルプロトタイプをプリントする時間のかかるプロセスを減少または回避できるようにする。
【0011】
テストブロック100は、複数の列および行の類似物ポケットを含むことができる。類似物ポケットは、類似物ポケット直径、類似物ポケット高さ、内部デンタル類似物保持特徴部、類似物ポケットジオメトリ、類似物ポケット設計体系又はその他の特徴に応じて、互いに配列できる。例えば、図1A~1Bに示す8つの類似物ポケットの左側のグループは、より短い類似物ポケット深さを持つことができ、類似物ポケットの右側のグループは、より長い類似物ポケット深さを持つことができる。類似物ポケットの複数の列は、類似物ポケットの特徴を区別するために使用できる。1つの実施形態において、外部ラベル130に最も近い類似物の列は、第1デンタル類似物保持機構を含み、外部ラベル130から遠い類似物ポケットの列は、第2デンタル類似物保持機構を含む。テストブロック100は、4つの類似物ポケットの4つのグループに配列された16の類似物ポケットを示すが、別の数および配列の類似物ポケットを使用できる。
【0012】
公称デンタル類似物ジオメトリを、公称ポケットとして識別でき、隣接するポケットは、設定公差値だけ増大する。1つの実施形態において、漸増又は漸減ポケット直径を与えるために設定公差値0.02mmを使用できる。隣接する類似物ポケット及び類似物ポケットのグループは、3Dプリントのタイプ、3Dプリント用樹脂材料に基づいて又は他のプリントパラメータに基づいて選択できる。3Dプリンタタイプ、3Dプリントパターン又は3Dプリント用樹脂材料などの3Dプリンタパラメータの特定の組合せのために、好ましい類似物ジオメトリ及びデジタルライブラリを識別できる。例えば、3Dプリンタパラメータの特定の組合せによってフィットする類似物ポケットを正確に予測することができなくても、これらの3Dプリンタパラメータを使用して、公称類似物ジオメトリ及び隣り合う類似物ポケットの間の設定公差値を決定できる。公称類似物ジオメトリ及び設定公差値を使用して、テストブロック100内の類似物ポケットのジオメトリ及び配列を設計できる。公称類似物ジオメトリ及び設定公差値は、各類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルを生成又は識別するためにも使用でき、類似物ライブラリファイルは、デンタルプロトタイプをプリントするために使用される。
【0013】
図2は、いくつかの実施形態に従った、類似物テストブロック200の第1断面図である。特に、図2は、テストブロック200内の類似物ポケット220の中へ挿入される直前のデンタル類似物210を示す。デンタル類似物210は、戻り止め機構などの対応するデンタル類似物保持機構225と噛み合えるリッジなどの保持噛合い機構215を含むことができる。類似物ポケット220は、デンタル類似物210のフィッティングを改良するために、例えば、摩擦嵌め、小さめの機械的干渉、小さめの類似物固定開口、触覚又は聴覚フィッティングフィードバックを与えるための他の構造及び機構、又は、他の構造若しくは機構を含むことができる。
【0014】
図3は、いくつかの実施形態に従った類似物テストブロック300の第2断面図である。特に、図3は、テストブロック300内の類似物ポケット320の中へ挿入されているデンタル類似物310を示す。デンタル類似物310は、対応するデンタル類似物保持機構325と噛み合った保持噛合い機構315を含む。
【0015】
図4は、いくつかの実施形態に従ったデンタル類似物技法400のフローチャートである。1つの実施形態において、技法400は、テスト模型を3Dプリントすること410を含み、テスト模型は、複数の類似物ポケットを含む。1つの実施形態において、複数の類似物ポケットは、漸増直径など漸増又は漸減のジオメトリ特徴に基づいて配列できる。デンタル類似物は、テスト模型内の様々な類似物ポケットに挿入され420、デンタル類似物にベストフィットする類似物ポケットが識別される430。識別された類似物ポケットに基づいて、識別された類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルが、デンタルプロトタイプ模型化ソフトウェアにインストールされる440。類似物ライブラリファイルを使用して、最終デンタルプロトタイプ模型が3Dプリントされる450。ベストフィットするデンタル類似物のジオメトリを複製するために、テスト模型をプリントするために使用された同じ3Dプリントパラメータを、最終デンタルプロトライプ模型をプリントするために使用できる。
【0016】
図5は、概略的に、いくつかの実施形態に従って本明細書において論じる技法(例えば、方法論)の1つ又はそれ以上を実施できる、機械500のブロック図の例である。別の実施形態において、機械500は、自立型装置として作動するか、又は、他の機械に接続(又はネットワーク化)できる。ネットワーク展開において、機械500は、サーバーマシン、クライアントマシン又はサーバークライアント両方のネットワーク環境において、作動できる。機械500は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、移動電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、機械が行うべき動作を指示する命令(順次又はその他の)を実行できる任意の機械とすることができる。更に、単一の機械のみを図示するが、「機械」は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、その他のコンピュータクラスタ構成など、本明細書において論じる方法論の1つ又はそれ以上を実施するために1組(又は数組)の命令を個別に又は一緒に実行する、機械の任意のセレクションを含むことができる。
【0017】
本明細書において論じる例は、ロジック又は多数のコンポーネント、モジュール又は同様の機構を含むか、これに基づいて作動できる。このような機構は、作動するとき指定された動作を実施できる有形体(例えば、ハードウェア)である。1つの実施例において、ハードウェアは、具体的に、固有の動作を実行するように(例えば、ハードワイヤで)構成できる。1つの実施例において、ハードウェアは、構成可能な実行ユニット(例えば、トランジスタ、回路等)及び命令を含むコンピュータ可読媒体を含むことができ、命令は、作動時に固有の動作を実行するための実行ユニットを構成する。構成は、実行ユニット又はローディング機構の指示のもとに行える。したがって、実行ユニットは、装置が作動するとき、コンピュータ可読媒体に通信可能に結合される。例えば、作動を受けて、実行ユニットは、1つの時点で第1組の特徴を実現するために第1組の命令によって構成でき、第2組の特徴を実現するために第2組の命令によって再構成できる。
【0018】
機械(例えば、コンピュータシステム)500は、ハードウェアプロセッサ502(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア又はそれらの任意の組合せ)、メインメモリ504及びスタティックメモリ506を含むことができ、これらのいくつか又は全ては、インターリンク(例えば、バス)508を介して相互に通信できる。機械500は、更に、ディスプレイユニット510、英数字入力装置512(例えば、キーボード)及びユーザーインターフェイス(UI)ナビゲーション装置514(例えば、マウス)を含むことができる。1つの実施例において、ディスプレイユニット510、英数字入力装置512及びUIナビゲーション装置514は、タッチスクリーンディスプレイとすることができる。ディスプレイユニット510は、ゴーグル、眼鏡、拡張現実(AR)ディスプレイ、仮想現実(VR)ディスプレイ又は別のディスプレイコンポーネントを含むことができる。例えば、ディスプレイユニットは、使用者の頭に着用でき、ヘッドアップディスプレイを使用者に与えることができる。英数字入力装置512は、仮想キーボード(例えば、VRまたはARセッティングにおいて仮想的に表示されたキーボード)を含むことができる。
【0019】
機械500は、更に、記憶装置(例えば、ドライブユニット)516、信号発生装置518(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェイス装置520、及び地球位置測定システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計又はその他のセンサなどの1つ又は複数のセンサ521を含むことができる。機械500は、1つ又は複数の周辺装置と通信又はこれを制御するために、シリアル(例えばユニバーサルシリアルバスUSB))、パラレル又はその他の有線又は無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ528を含むことができる。
【0020】
記憶装置516は、非一時的な機械可読媒体522を含むことができ、これに、本明細書において説明する技法又は機能の1つ又はそれ以上を体現する又はこれによって利用される1組または複数組のデータ構造又は命令524(例えば、ソフトウェア)が記憶される。命令524はまた、機械500による実行中、メインメモリ504内、スタティックメモリ506内、又はハードウェアプロセッサ502内に、完全に又は少なくとも部分的に存在することもできる。1つの実施例において、ハードウェアプロセッサ502、メインメモリ504、スタティックメモリ506又は記憶装置516の1つ又はその任意の組合せは、機械可読媒体を構成できる。
【0021】
機械可読媒体522は、単一媒体として示されているが、「機械可読媒体」は、1つまたは複数の命令524を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中又は分散データベース又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むことができる。
【0022】
「機械可読媒体」は、機械500が実行するための命令を記憶、コード化若しくは搬送でき、機械500に本開示の技法の1つ又はそれ以上を実施させる、又は、前記の命令が使用する若しくは前記の命令と関連付けられるデータ構造を記憶、コード化若しくは搬送できる、任意の媒体を含むことができる。非限定的な機械可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ及び光学及び磁気媒体を含む。機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリ装置(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリEPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリ装置などの非揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、及びCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むことができる。
【0023】
命令524は、更に、多数の転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)の任意の1つを利用するネットワークインターフェイス装置520を介した伝送媒体を使用するネットワーク526越しに送受信できる。ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、移動電話網(例えば、セルラーネットワーク)、単純旧式電話サービス(POTS)網及び無線データネットワーク(例えば、WiFi(登録商標)として知られる規格の米国電気電子工学会(IEEE)802.11ファミリー、Bluetooth Special Interest Groupによって広められるBlootooth(登録商標)として知られる規格のパーソナルエリアネットワークファミリー、ピア-ピア(P2P)ネットワークを含むことができる。1つの実施例において、ネットワークインターフェイス装置520は、ネットワーク526に接続するために、1つ又は複数のフィジカルジャック(例えば、イーサネット(登録商標)、同軸又は電話ジャック)又は1つ又は複数のアンテナを含むことができる。1つの実施例において、ネットワークインターフェイス装置520は、単一入力複数出力(SIMO)、複数入力複数出力(MIMO)又は複数入力単一出力(MISO)技法の少なくとも1つを使用して無線で通信するために複数のアンテナを含むことができる。「伝送媒体」は、機械500によって実行するための命令を記憶、コード化又は搬送できる任意の無形媒体を含むものと解釈され、このようなソフトウェアの通信を容易にするために、デジタル若しくはアナログ通信信号又はその他の無形媒体を含む。
【0024】
これらの非限定的例の各々は、自立的であるか、又は、他の実施例の1つ又はそれ以上と様々な順列又は組合せで組み合わせることができる。
【0025】
本明細書において説明する方法の例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータによって実現できる。いくつかの例は、上述の例において説明された方法を実施するために、電子装置を構成するように動作可能な命令でコード化された、コンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実現は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード又はこれに類似するものなどのコードを含むことができる。このようなコードは、様々な方法を実施するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成できる。更に、1つの例において、コードは、実行時又はその他の時点で、1つ又は複数の揮発性、非一時的又は非揮発性有形コンピュータ可読媒体に有形に記憶できる。このような有形コンピュータ可読媒体の事例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光学ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)及びこれに類似するものを含むが、これらに限定されない。
【0026】
実施例1は、デンタルプロトタイプ模型を生成するためのデンタル類似物の方法であり、方法は、3Dプリントテスト模型(3D-printed test model)内の複数の類似物ポケット内にデンタル類似物を挿入することと、デンタル類似物が好ましくフィットする類似物ポケットを識別することと、好ましくフィットする類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルを識別することであって、類似物ライブラリファイルが、好ましくフィットする類似物ポケットと関連付けられる類似物ポケットジオメトリを含む、類似物ライブラリファイルを識別することと、識別された類似物ライブラリファイルに基づく類似物ポケットジオメトリを使用して最終デンタルプロトタイプ模型を3Dプリントすることと、を含む。
【0027】
実施例2において、実施例1の内容は、任意に、複数の類似物ポケットの各々は保持機構を含む、ことを含む。
【0028】
実施例3において、実施例2の内容は、任意に、保持機構が、戻り止め機構、摩擦嵌めジオメトリ、小さめの機械的干渉機構、及び、小さめの類似物固定開口の少なくとも1つを含む、ことを含む。
【0029】
実施例4において、実施例1~3のいずれかの内容は、任意に、複数の類似物ポケットの各々が、好ましくフィットする類似物ポケットの識別を支援するためにフィッティングフィードバック装置を含む、ことを含む。
【0030】
実施例5において、実施例2~4のいずれかの内容は、任意に、フィッティングフィードバック装置が、触覚フィードバック機構及び聴覚フィードバック機構の少なくとも一方を含む、ことを含む。
【0031】
実施例6において、実施例1~5のいずれかの内容は、任意に、3Dプリント可能模型を受信すること、3Dプリント可能模型に基づいて3Dプリントテスト模型を3Dプリントすること、を含む。
【0032】
実施例7において、実施例6の内容は、任意に、3Dプリントテスト模型を3Dプリントすることが、複数の視覚インディケータをプリントすることを含み、複数の視覚インディケータの各々が、固有に複数の類似物ポケットの各々を識別する、ことを含む。
【0033】
実施例8において、実施例1~7のいずれかの内容は、任意に、複数の類似物ポケットが、漸増ジオメトリ特徴に基づいて配列される、ことを含む。
【0034】
実施例9において、実施例1~8のいずれかの内容は、任意に、漸増ジオメトリ特徴が漸増直径を含む、ことを含む。
【0035】
実施例10において、実施例1~9のいずれかの内容は、任意に、少なくとも1つの3Dプリンタパラメータを受信することを含み、テスト模型を3Dプリントすること及び最終デンタルプロトタイプ模型を3Dプリントすることの双方が、少なくとも1つの3Dプリンタパラメータに基づく、ことを含む。
【0036】
実施例11において、実施例10の内容は、任意に、少なくとも1つの3Dプリンタパラメータに基づいて、公称ポケットジオメトリ及び類似物ポケット公差値を識別することを含む。
【0037】
実施例12において、実施例10又は11の内容は、任意に、少なくとも1つの3Dプリンタパラメータが、修正類似物模型、3D樹脂タイプ、3Dプリント技法及び3Dプリンタセレクションの少なくとも1つを含む、ことを含む。
【0038】
実施例13は、コンピュータシステムによって実行されるとき、コンピュータシステムが実施例1~12の方法のいずれかを実施するようにする命令を含む、1つ又は複数の機械可読媒体である。
【0039】
実施例14は、実施例1~12の方法のいずれかを実施するための手段を備える機器である。
【0040】
実施例15は、実施例1~12の方法のいずれかの動作を実施するためのシステムである。
【0041】
実施例16は、デンタルプロタイプ模型を生成するためのデンタル類似物装置であり、装置は、複数の類似物ポケットを含む3Dプリントテスト模型を備え、複数の類似物ポケットの各々は、好ましくフィットする類似物ポケットを識別するためにデンタル類似物を受け入れるように構成され、複数の類似物ポケットの各々は、好ましくフィットする類似物ポケットに対応する類似物ライブラリファイルを固有に識別するように構成され、類似物ライブラリファイルは、好ましくフィットする類似物ポケットと関連付けられる類似物ポケットジオメトリを含み、類似物ライブラリファイルは、3Dプリントされる最終デンタルプロトタイプ模型に組み込まれるように構成される。
【0042】
実施例17において、実施例16の内容は、任意に、複数の類似物ポケットの各々が保持機構を含む、ことを含む。
【0043】
実施例18において、実施例17の内容は、任意に、保持機構が戻り止め機構、摩擦嵌めジオメトリ、小さめの機械的干渉機構、及び、小さめの類似物固定開口の少なくとも1つを含む、ことを含む。
【0044】
実施例19において、実施例16~18のいずれかの内容は、任意に、複数の類似物ポケットの各々が、好ましくフィットする類似物ポケットの識別を支援するためにフィッティングフィードバック装置を含む、ことを含む。
【0045】
実施例20において、実施例17~19のいずれかの内容は、任意に、フィッティングフィードバック装置が触覚フィードバック機構及び聴覚フィードバック機構の少なくとも一方を含む、ことを含む。
【0046】
実施例21において、実施例16~20のいずれかの内容は、任意に、3Dプリントテスト模型が、受信した3Dプリント可能模型に基づく、ことを含む。
【0047】
実施例22において、実施例17~21のいずれかの内容は、任意に、3Dプリントテスト模型が、複数のプリント視覚インディケータを含み、複数の視覚インディケータの各々が、複数の類似物ポケットの各々を固有に識別する、ことを含む。
【0048】
実施例23において、実施例16~22のいずれかの内容は、任意に、複数の類似物ポケットが、漸増ジオメトリ特徴に基づいて配列される、ことを含む。
【0049】
実施例24において、実施例16~23のいずれかの内容は、任意に、漸増ジオメトリ特徴が漸増直径を含む、ことを含む。
【0050】
実施例25において、実施例16~24のいずれかの内容は、任意に、テスト模型が受信した3Dプリンタパラメータに基づく、ことを含む。
【0051】
実施例26において、実施例25の内容は、任意に、3Dプリンタパラメータが、公称ポケットジオメトリ及び類似物ポケット公差を識別する、ことを含む。
【0052】
実施例27において、実施例25又は26の内容は、任意に、少なくとも1つの3Dプリンタパラメータが、修正類似物模型、3D樹脂タイプ、3Dプリント技法及び3Dプリンタセレクションの少なくとも1つを含む、ことを含む。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5