(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】第1表示部及び第2表示部を備える時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/253 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
G04B19/253 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020125630
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2020-09-01
(31)【優先権主張番号】10 2019 120 272.8
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506100185
【氏名又は名称】ランゲ ウーレン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ヘール スティーブ レーマン
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-057270(JP,A)
【文献】米国特許第4671670(US,A)
【文献】独国特許発明第102015011324(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00-19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部及び第2表示部を備える時計であって、ムーブメントにより、二十四時間毎に一回転だけ回転軸線(2)周りで回転駆動可能な二十四時間車(1)を備え、該二十四時間車(1)により、シフトレバー(4)が旋回駆動可能であり、前記シフトレバー(4)が、前記第1表示部の第1車(18)
及び前記第2表示部の第2車(16)を段階的に順送り可能とするシフト歯を有する時計において、
前記シフトレバー(4)が、半径方向に突出する第1シフト歯(12)及び第2シフト歯(11)を有し、前記第1シフト歯(12)が、前記第1車(18)を、前記回転軸線(2)に対して平行な第1軸線(15)周りで回転かつ順送りしつつ、前記第1車(18)に係合可能であり、前記第2シフト歯(11)が、前記第2車(16)を、前記第1軸線(15)に対して平行な第2軸線(17)周りで回転かつ順送りしつつ、前記第2車(16)に係合可能であり、前記シフトレバー(4)が、固定配置されたシフトカム(13)に沿うよう二十四時間毎に一度、360°の角度に亘って前記回転軸線(2)周りで回転可能であり、その際に、前記回転軸線(2)に対して半径方向外方に向けてガイドされた後に半径方向内方に向けてガイドされ、前記シフトレバー(4)が半径方向内方位置にある場合、前記第1シフト歯(12)が前記第1車(18)から離脱し、かつ、前記第2シフト歯(11)が前記第2車(16)から離脱し、前記シフトレバー(4)が、回転運動の進行に伴い、前記半径方向内方位置から半径方向外方に向けて移動し、同時に、一回転毎に一度それぞれ1ステップだけ順送りが生じるよう、前記第1シフト歯(12)が前記第1車(18)に係合し、前記第2シフト歯(11)が前記第2車(16)に係合した後、前記半径方向内方位置に向けて再び移動することを特徴とする時計。
【請求項2】
請求項1に記載の時計であって、前記シフトレバー(4)及び前記第1車(18)及び/又は前記第2車(16)が、一平面内に位置していることを特徴とする時計。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の時計であって、前記シフトレバー(4)が、前記二十四時間車(1)に対して平行、かつ、半径方向に移動可能にガイドされていることを特徴とする時計。
【請求項4】
請求項3に記載の時計であって、シフトカム(13)が、前記二十四時間車(1)に対して平行に延在し、前記シフトレバー(4)が、前記二十四時間車(1)と前記シフトカム(13)との間に配置され、前記シフトレバー(4)が、前記シフトカム(13)に沿ってガイドされた第1接触ピンを有し、かつ、前記二十四時間車(1)の半径方向長孔(9)内でガイドされた第2接触ピンを有することを特徴とする時計。
【請求項5】
請求項4に記載の時計であって、前記第1接触ピン及び前記第2接触ピンが、前記二十四時間車(1)の回転軸線(2)に対して平行に延在する部品を構成し、該部品が、前記シフトカム(13)に向けて突出する第1部分(7)及び前記二十四時間車(1)に対して突出する第2部分(8)を含むことを特徴とする時計。
【請求項6】
請求項4及び5に記載の時計であって、前記シフトレバー(4)の第1接触ピンが、ばね力により、前記シフトカム(13)に当接するよう負荷されていることを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項3~6の何れか一項に記載の時計であって、前記二十四時間車(1)の前記回転軸線(2)が、前記シフトレバー(4)の半径方向に向けられたガイド長孔(5)に突入し、前記回転軸線(2)が、前記ガイド長孔(5)の幅に対応する直径を有することを特徴とする時計。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の時計であって、前記第1シフト歯(12)及び前記第2シフト歯(11)が、前記シフトレバー(4)の回転方向において、前記シフトレバー(4)に互いに所定の間隔で配置されていることを特徴とする時計。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の時計であって、第1デテント(20)が、前記第1車(18)の歯間にばね弾性的に係合し、及び/又は、第2デテント(19)が、前記第2車(16)の歯間にばね弾性的に係合することを特徴とする時計。
【請求項10】
請求項9に記載の時計であって、前記第2デテント(19)は、前記第1デテント(20)が前記第1車(18)の歯間に係合する前に、前記第2車(16)の歯間に係合可能であることを特徴とする時計。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の時計であって、手動操作可能な補正装置が、前記第1車(18)及び/又は前記第2車(16)に係合可能であり、前記補正装置により、前記第1車(18)及び/又は前記第2車(16)が段階的に順送り可能であり、前記シフトカム(13)が、前記補正装置により、前記シフトカム(23)を、前記シフトレバー(4)領域から移動可能であることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1表示部及び第2表示部を備える時計に関する。
【背景技術】
【0002】
このような時計においては、シフト歯により、単一の表示部が段階的に順送り可能であることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、省部品及び省スペース化を図りつつ、第1表示部及び第2表示部の両方の順送りを可能とする、冒頭に記載の時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本発明に係る時計は、シフトレバーが、半径方向に突出する第1シフト歯及び第2シフト歯を有し、第1シフト歯が、第1車を、第1回転軸線に対して平行な第1軸線周りで回転かつ順送りしつつ、第1車に係合可能であり、第2シフト歯が、第2車を、第1軸線に対して平行な第2軸線周りで回転かつ順送りしつつ、第2車に係合可能であり、シフトレバーが、固定配置されたシフトカムに沿うよう二十四時間毎に一度、360°の角度に亘って回転軸線周りで回転可能であり、その際に、回転軸線に対して半径方向外方に向けてガイドされた後に半径方向内方に向けてガイドされ、シフトレバーが半径方向内方位置にある場合、第1シフト歯が第1車から離脱し、かつ、第2シフト歯が第2車から離脱し、シフトレバーが、回転運動の進行に伴い、半径方向内方位置から半径方向外方に向けて移動し、同時に、一回転毎に一度それぞれ1ステップだけ順送りが生じるよう、第1シフト歯が第1車に係合し、第2シフト歯が第2車に係合した後、半径方向内方位置に向けて再び移動することを特徴とする。
【0005】
この構成により、第1車のみならず第2車を順送りするのに必要な部品は1個だけで十分である。この場合、第1車及び第2車の両方の順送りは、大きな時間のずれなく生じる。これにより、時計において、単純な部品及び省スペース化が実現される。
【0006】
第1シフト歯及び第2シフト歯は、360°に亘って同じシフト直径で旋回する。
【0007】
本発明に係る構成により、多数の歯を有する歯車、例えば第2車を大きな角度経路に亘って確実に回転し続けることができる。
【0008】
第2シフト歯による第1車の更なるシフト、並びに第1シフト歯による第2車の更なるシフトは回避される。
【0009】
本発明に係る構成により、時計における様々な表示部の順送りをすることができる。
【0010】
好適には、第1表示部は、曜日表示部であり、第2表示部は、日付表示部である。この場合、第1シフト歯は、曜日シフト歯であり、第2シフト歯は、日付シフト歯である。この場合、第1車は、曜日軸線周りで回転可能な曜日車であり、第2車は、日付軸線周りで回転可能な日付車である。
【0011】
シフトレバー及び第1車及び/又は第2車が一平面内に位置していれば、特に平坦な構成が実現される。シフトレバーが二十四時間車に対して平行かつ半径方向に移動可能にガイドされていれば、コンパクトな構成が実現される。
【0012】
第1車が第2車に直接的に隣接配置されていれば、やはりコンパクトな構成が実現される。
【0013】
シフトカムが、二十四時間車に対して平行に延在し、シフトレバーが、二十四時間車とシフトカムとの間に配置され、シフトレバーが、シフトカムに沿ってガイドされた第1接触ピンを有し、かつ、二十四時間車の半径方向長孔内でガイドされた第2接触ピンを有すれば、簡略的な構成が実現される。
【0014】
この場合、シフトレバーの回転及びその半径方向外方に向けた移動中、接触ピンがカムに対して約180°に亘ってのみ当接していれば十分である。シフトレバーの更なる回転及びその半径方向内方に向けた移動中、接触ピンは、シフトカムにより、持ち上げられていてもよい。
【0015】
第1接触ピン及び第2接触ピンは、省部品化を図りつつ、二十四時間車の回転軸線に対して平行に延在する部品を構成し、その部品が、シフトカムに向けて突出する第1部分及び二十四時間車に対して突出する第2部分を含むことができる。
【0016】
シフトレバーの第1接触ピンがばね力によってシフトカムに当接するよう負荷されていれば、シフトレバーは、その半径方向外方に向けた移動中に常に正しくガイドされる。
【0017】
この場合、付勢ばねアームの一端は、シフトレバーを二十四時間車の回転軸線に向けて半径方向内方に向けて負荷可能であり、付勢ばねアームの第2端は、二十四時間車上において、回転軸線の反対側における第1端に対して正反対に固定配置されている。
【0018】
二十四時間車の回転軸線がシフトレバーにおいて半径方向に向けられたガイド長孔に突入していれば(回転軸線はガイド長孔の幅に対応する直径を有する)、シフトレバーは、部品コストをほぼかけることなく、半径方向に互いに離間した2つのガイド箇所にて、半径方向に確実に変位可能にガイドされている。
【0019】
第1シフト歯及び第2シフト歯は、好適には、シフトレバーの回転方向において、シフトレバーに互いに所定の間隔で配置されている。
【0020】
順送り後にそれぞれ新たに占められる第1車及び/又は第2車の位置を確保するために、第1デテントが第1車の歯間にばね弾性的に係合し、及び/又は、第2デテントが第2車の歯間にばね弾性的に係合することができる。
【0021】
これにより、第1表示部及び/又は第2表示部は、順送り後に整列した位置にある。
【0022】
この場合、第2デテントは、第1デテントが第1車の歯間に係合する前に、第2車の歯間に係合することができる。
【0023】
これは、第2デテントが第2車の歯間に完全に係合した後、第1デテントが第1車に係合する直前にあることを意味する。従って、第2デテントが完全に係合した後、第2車の隣接歯がシフトレバーを後方から回転させており、これにより第1車を第1デテントの係合点を介して押圧するのに十分な移動が実現されている。これにより、第1表示部及び第2表示部が同時に休止する。
【0024】
更に、第2デテントが係合すると、第1車に係合するためのエネルギーが第2デテントから伝達される。
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】時計において、第1シフト位置にある曜日・日付表示機構の第1実施形態の原理を示す説明図である。
【
図2】第2シフト位置にある、
図1の曜日・日付表示機構の原理を示す説明図である。
【
図3】第3シフト位置にある、
図1の曜日・日付表示機構の原理を示す説明図である。
【
図4】
図3における線III-IIIに沿う断面図である。
【
図5】第4シフト位置にある、
図1の曜日・日付表示機構の原理を示す説明図である。
【
図6】第5シフト位置にある、
図1の曜日・日付表示機構の原理を示す説明図である。
【
図7】時計において、第1シフト位置にある曜日・日付表示機構の第2実施形態の原理を示す説明図である。
【
図8】第2シフト位置にある、
図7の曜日・日付表示機構の原理を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
時計における図示の曜日・日付表示機構は、二十四時間車1を有し、その二十四時間車1は、時計のムーブメント(図示せず)により、二十四時間毎に一回転だけ回転軸線2周りで反時計回り方向に回転駆動可能である。
【0028】
シフトレバー4は、二十四時間車1の表面3に対して平行かつ半径方向に変位可能に配置されている。
【0029】
シフトレバー4は、その半径方向内方の端部領域において、回転軸線2が通過すると共に、半径方向に向けられたガイド長孔5を有し、ガイド長孔5の幅は、回転軸線2の直径に対応している。
【0030】
シフトレバー4は、その半径方向外方の端部において、回転軸線2に対して平行な接触ピン6を有し、接触ピン6は、二十四時間車1から離間した第1部分7、並びに二十四時間車1に対して向けられた第2部分8を含む。
【0031】
接触ピン6は、その第2部分8が二十四時間車1の半径方向長孔9に突入し、長孔9は、遊びを有する接触ピン6の直径に対応する幅を有する。
【0032】
接触ピン6の第1部分7は、シフトカム13に当接するために、付勢ばねアーム10により、二十四時間車1の回転軸線2に対して半径方向内方に向けて負荷される。ばねアーム10の一端は、シフトレバー4に固定配置されると共に、回転軸線2周りで円弧状にガイドされ、ばねアーム10の第2端は、二十四時間車1上において、回転軸線2の反対側における第1端に対して正反対に固定配置されている。
【0033】
シフトカム13は、360°の角度で延在すると共に、接触ピン6の第1部分7がシフトカムレバー14の下方を通過できるよう、固定的なシフトカムレバー14に堅固に取り付けられている。この場合、シフトレバー4の回転及びその半径方向外方に向けた移動中、接触ピン6がカム13に対して約180°に亘ってのみ当接していれば十分である。シフトレバー4の更なる回転及びその半径方向内方に向けた移動中、接触ピン6は、シフトカム13により、持ち上げられ得る。
【0034】
シフトレバー4は、日付シフト歯11及び曜日シフト歯12を有し、これらシフト歯11,12は、シフトレバー4の半径方向外方に周回する輪郭から、反時計回り方向に互いに所定の間隔で半径方向に突出している。
【0035】
三十一本の歯を有する日付車16は、二十四時間車1の回転軸線2に対して平行な日付軸線17周りで回転可能に取り付けられ、また曜日星状車として構成されると共に、七本の歯を有する曜日車18は、二十四時間車1の回転軸線2に対して平行な曜日軸線15周りで回転可能に取り付けられている。
【0036】
シフトレバー4、日付車16、並びに曜日車18は、一平面内に位置し、シフトレバー4がその半径方向外方位置にある場合、日付シフト歯11が日付車16の歯間に係合し、同時に曜日シフト歯12が曜日車18に係合するよう互いに配置されている。
【0037】
二十四時間車1及びシフトレバー4の回転運動の進行に伴い、日付車16及び日付車18が一歯ピッチ分だけ順送りされ、その後にシフトレバー4の半径方向内方に向けた移動により、日付シフト歯11が日付車16の歯間から再び離脱し、曜日シフト歯12が日付車18の歯間から再び離脱する。
【0038】
日付車16は、日付表示要素(図示せず)を直接的又は間接的に駆動し、曜日車18は、曜日表示要素(図示せず)を直接的又は間接的に駆動する。
【0039】
図7及び
図8に示す実施形態においては、日付車16の歯間にばね弾性的に係合可能な日付デテント19が設けられている。また、曜日デテント20が曜日車18の歯間にばね弾性的に係合可能である。
【0040】
日付車16及び曜日車18へのばね弾性的な係合により、これら日付車16及び曜日車18が正しい休止位置に保持される。
【0041】
図7及び
図8の実施形態においては更に、曜日車18における歯間への曜日デテント20の係合は、日付デテントが日付車16の歯間に係合した後に生じる。
【0042】
以下、図示の曜日・日付表示機構における機能シーケンスについて説明する。
【0043】
二十四時間車1は、二十四時間に一度、反時計回り方向に回転する。
【0044】
図1に示すように、二十四時間車1は、長孔9及び接触ピン6を介して、シフトレバー4を回転軸線2周りで連行する。この位置において、シフトレバー4は、その半径方向内方位置にあるため、日付シフト歯12が日付車18から離脱し、日付シフト歯11は、日付車16から離脱している。
【0045】
図2に示すように、二十四時間車1を更に回転させると、接触ピン6がシフトカム13に沿って摺動する。この場合、シフトレバー4は、半径方向外方に向けて移動し、ばねアーム10が更に引っ張られる。日付シフト歯11は、日付車16に接近し、曜日シフト歯12は、曜日車18に接近する。
【0046】
図3に示すように、二十四時間車1が更に回転すると、接触ピンがシフトカム13上で最大撓みを生じるため、ばねアーム10が最も引っ張られる。
【0047】
このときに、シフトレバー4は、日付シフト歯11により、日付車16の回転を開始し、従って日付表示部の順送りが開始する。曜日シフト歯12による曜日車18の回転、従って曜日表示部の順送りは少し遅れて生じる。
【0048】
曜日車18及び日付車16の回転は、日付シフト歯11と曜日シフト歯12との間の間隔に応じて、同時に生じるようにすることもできる。
【0049】
図5には、二十四時間車1の更なる回転において、日付車16及び曜日車18の半径方向におけるほぼ最大撓みが、それまでの休止位置における日付車16及び曜日車18の半径方向撓みとの対比で表されている。二十四時間車1が更に回転すると、日付シフト歯11及び曜日シフト歯12が再び回転軸線2方向に移動し、ばねアーム10の張力が低下する。
【0050】
図6に示す位置において、日付シフト歯11及び曜日シフト歯12を有するシフトレバー4及び接触ピン6は、下からフライス加工されたシフトカムレバー14の下方を通過できることがわかる。これにより、シフトレバー4は、360°に亘って回転可能である。日付シフト歯11は、十分な遊びを有する状態で曜日車18を通過するため、日付シフト歯11によるシフトが生じることはない。
【0051】
時計における図示の曜日・日付表示機構は、逆方向でも機能するため、曜日及び日付を、例えばリューズを使用して逆方向に修正することもできる。
【0052】
図7及び
図8に示す第2実施形態は、時計における曜日・日付表示機構を2つのシフト位置で示す。
【0053】
図1~
図6の実施形態における部分に対応する部分には、同一参照符号が付されている。図示の実施形態においては更に、日付デテント19及び曜日デテント20が設けられている。この場合、日付デテント19は、日付車16における歯間の休止位置にばね弾性的に係合可能であり、曜日デテント20は、曜日車18における歯間の休止位置にばね弾性的に係合可能であり、これによりこれら日付車16及び曜日車18が休止位置にて整列状態で保持される。
【0054】
図7においては、日付車16の係合時点が表されている。同時に、曜日車18がその係合時点の直前にある。曜日の係合時点は、常に日付の係合時点の直後にある。
【0055】
図8に示すように、日付デテント19が日付車16の歯間に完全に係合した後、日付車16の隣接歯がシフトレバー4を後方から回転させており、これにより曜日車18をその係合先端部を介して押圧するのに十分な移動が実現されている。これにより、曜日表示部及び日付表示部が同時に休止する。このプロセスにおいては、接触ピン6と長孔9との間の遊びが利用される。
【符号の説明】
【0056】
1 二十四時間車
2 回転軸線
3 表面
4 シフトレバー
5 ガイド長孔
6 接触ピン
7 第1部分
8 第2部分
9 長孔
10 ばねアーム
11 日付シフト歯
12 曜日シフト歯
13 シフトカム
14 シフトカムレバー
15 曜日軸線
16 日付車
17 日付軸線
18 曜日車
19 日付デテント
20 曜日デテント