(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】端末及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20220118BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 132
(21)【出願番号】P 2020201923
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2019521379の分割
【原出願日】2017-01-06
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529208(JP,A)
【文献】特表2016-540408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御信号及び第2制御信号を受信する受信機と、
前記第1制御信号及び前記第2制御信号を用いて、受信信号からデータ信号を分離する回路と、
を具備し、
前記受信機は、前記第1制御信号で指示される前記データ信号に関する情報に基づいて、前記第2制御信号のリソースを特定し、かつ、前記データ信号のMCS(Modulation and Coding Scheme)に応じて前記第2制御信号のリソースサイズを特定する、
端末。
【請求項2】
前記第2制御信号は、前記データ信号が配置される周波数領域内に配置される、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記受信機は、前記第1制御信号で指示されるチャネル推定領域の中心の周波数領域を、前記第2制御信号が配置される領域として特定する、
請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記受信機は、前記第1制御信号で指示されるチャネル推定領域の端の周波数領域を、前記第2制御信号が配置される領域として特定する、
請求項1に記載の端末。
【請求項5】
第1制御信号及び第2制御信号を受信し、
前記第1制御信号及び前記第2制御信号を用いて、受信信号からデータ信号を分離し、
前記第2制御信号のリソースは、前記第1制御信号で指示される前記データ信号に関する情報に基づいて特定され、かつ、前記第2制御信号のリソースサイズは、前記データ信号のMCS(Modulation and Coding Scheme)に応じて特定される、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)と呼ばれる通信システムが検討されている。5Gでは、通信トラフィックの増大、接続する端末数の増大、高信頼性、低遅延が必要とされるそれぞれのユースケース毎に機能を柔軟に提供することが検討されている。代表的なユースケースとして、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、大規模コミュニケーション/多数接続(mMTC:massive Machine Type Communications)、超信頼性・低遅延 コミュニケーション(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)の3つがある。国際標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、LTEシステムの高度化と、New RAT(Radio Access Technology)(例えば、非特許文献1を参照)の両面から、通信システムの高度化を検討している。
【0003】
New RAT向けのDL(Downlink)の制御信号(DCI:Downlink Control Information)として、2段階DCI(two step DCI又はtwo stage DCIと呼ぶ)が検討されている(例えば、非特許文献2を参照)。2段階DCIは、DCIに含まれる情報を、第1DCIと第2DCIとに分割する方法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】RP-161596, "Revision of SI: Study on New Radio Access Technology"," NTT DOCOMO, September 2016
【文献】R1-1613668,"WF on two stage DCI design," Huawei, HiSilicon, Qualcomm, OPPO, Convida, ZTE, Fujitsu, Mediatek, InterDigital, Intel, November 2016
【文献】3GPP TS 36.213 V13.3.0, “Physical procedures (Release 13),” September 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2段階DCIにおいて、DCI(特に、第2DCI)が配置されるリソースを決定する方法について検討する必要がある。
【0006】
本開示の一態様は、DCI(特に、第2DCI)が配置されるリソースを適切に決定することができる端末及び通信方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る端末は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を受信する受信機と、前記第1下り制御信号及び前記第2下り制御信号を用いて、受信信号から下りデータ信号を分離する回路と、を具備し、前記受信機は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて、前記第2下り制御信号のリソースを特定する。
【0008】
本開示の一態様に係る基地局は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を生成する回路と、前記第1下り制御信号、前記第2下り制御信号及び下りデータ信号を送信する送信機と、を具備し、前記送信機は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて設定されるリソースで前記第2下り制御信号を送信する。
【0009】
本開示の一態様に係る通信方法は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を受信し、前記第1下り制御信号及び前記第2下り制御信号を用いて、受信信号から下りデータ信号を分離し、前記第2下り制御信号のリソースは、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて特定される。
【0010】
本開示の一態様に係る通信方法は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を生成し、前記第1下り制御信号、前記第2下り制御信号及び下りデータ信号を送信し、前記第2下り制御信号は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号に含まれる前記下りデータ信号に関する情報に基づいて設定されるリソースで送信される。
【0011】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、DCI(特に、第2DCI)が配置されるリソースを適切に特定することができる。
【0013】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
【
図2】実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
【
図5】実施の形態1に係る基地局の動作例を示すフローチャート
【
図6】実施の形態1に係る端末の動作例を示すフローチャート
【
図7】実施の形態1のに係る第1DCIと第2DCIのサイズとの対応付けの一例を示す図
【
図8】実施の形態1のに係る第1DCIと第2DCIのサイズとの対応付けの一例を示す図
【
図9】実施の形態1のに係るデータのMCSと第2DCIのサイズとの対応付けの一例を示す図
【
図10】実施の形態1のに係るデータの変調方式と第2DCIのサイズとの対応付けの一例を示す図
【
図11】実施の形態1のに係るデータのMCSと第2DCIのサイズとの対応付けの一例を示す図
【
図12A】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図
【
図13】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図(動作例2-1)
【
図14】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図(動作例2-2)
【
図15】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図(動作例2-2)
【
図16】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図(動作例2-3)
【
図17】実施の形態2に係る第2DCIの配置例を示す図(動作例2-4)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
2段階DCIでは、チャネル推定を行うリソース領域(チャネル推定領域)を含む第1DCIを基地局(eNBと呼ぶこともある)から端末(UE:User Equipmentと呼ぶこともある)へ送信することで、端末は、第2DCIの復号前に、チャネル推定を開始できるという利点がある。また、2段階DCIでは、DCIに含まれる情報を、第1DCIと第2DCIとに分割することで、第1DCIの符号長を短くすることができるので、第1DCIのサーチスペースを小さくできるという利点がある。
【0017】
ここで、第1DCIが割り当てられるリソースは、LTE/LTE-AdvanceにおけるDCIと同様にして決定されることが考えられる。一方、第2DCIが割り当てられるリソースの特定方法としては、例えば、定められたリソースを使用する方法、又は、第1DCIによってリソースを通知する方法が検討されている。
【0018】
しかしながら、定められたリソースを第2DCIに割り当てる方法では、他の端末のリソース割り当てを邪魔しないように第2DCIのリソースを設定する必要があり、処理が複雑になってしまう。また、第2DCIが割り当てられたリソースを第1DCIで通知する方法では、第2DCIのリソースを特定するための情報を第1DCIに追加する必要があり、第1DCIの長さが長くなってしまう。
【0019】
そこで、以下では、第2DCIのリソースを効率良く特定する方法について説明する。
【0020】
[前提]
基地局は、サーチスペースと呼ばれる領域の何れかに第1DCIを配置する。また、第1DCIには複数のAggregation levelの何れかが設定される。Aggregation levelは、第1DCIのリソース量を示す値である。
【0021】
端末は、サーチスペースにおいて、複数のAggregation levelについて第1DCIをモニタ(ブラインド復号)し、受信に成功した場合、自機に対して第1DCIのリソース割り当てがあると判断する。端末が複数のAggregation levelをモニタすることで、基地局と端末との間の回線品質に応じて第1DCIの冗長度を調整することができる。
【0022】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100及び端末200を備える。
【0023】
図1は本開示の実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図1に示す基地局100において、DCI生成部101は、第1下り制御情報(第1DCI)及び第2下り制御情報(第2DCI)を生成し、送信部105は、第1DCI、第2DCI及びDLデータ信号を送信する。なお、送信部105は、第1DCIに関する情報又は第1DCIで指示されるDLデータ信号に関する情報に基づいて設定されるリソースで第2DCIを送信する。
【0024】
図2は本開示の実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図2に示す端末200において、DCI受信部203は、第1DCI及び第2DCIを受信し、信号分離部202は、第1DCI及び第2DCIを用いてDLデータ信号を分離する。なお、DCI受信部203は、第1DCIに関する情報又は第1DCIで指示されるDLデータ信号に関する情報に基づいて、第2DCIのリソースを特定する。
【0025】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図3は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図3において、基地局100は、DCI生成部101と、誤り訂正符号化部102と、変調部103と、信号割当部104と、送信部105と、受信部106と、信号分離部107と、復調部108と、誤り訂正復号部109とを有する。
【0026】
DCI生成部101は、DLデータ信号又はULデータ信号を割り当てるDLの制御信号(DCI)を生成する。DCI生成部101は、第1DCI生成部1011と、第2DCI生成部1012とから構成される。DCI生成部101は、例えば、生成した制御信号が長い場合(例えば、設定された閾値よりも長い場合)、生成した制御信号を第1DCIと第2DCIとに分割する。
【0027】
第1DCI生成部1011は第1DCIを生成する。第1DCIには、例えば、制御信号によって割り当てられるデータ信号が再送信号であるか否かを示す情報、HARQプロセス番号(プロセスID)、SRS(Sounding Reference Signal)リクエスト、データのMCS(Modulation and Coding Scheme)等が含まれてもよい。ここで、SRSリクエストは、送信側(端末200)で参照信号を生成する時間を確保するために第1DCIに含まれてもよい。また、再送信号であるか否かを示す情報、及び、HARQプロセス番号を示す制御信号は、DLデータ信号の割当の場合には端末200でバッファを削除するか否かの判断、準備のための時間を確保するために第1DCIに配置されてもよく、上りデータ信号の割当の場合には端末200で送信信号の準備のための時間を確保するために第1DCIに含まれてもよい。また、DLデータ信号の割当の場合、第1DCIには、端末200がチャネル推定を行う領域(チャネル推定領域)を特定するための制御信号等が含まれてもよい。
【0028】
第2DCI生成部1012は第2DCIを生成する。第2DCIには、例えば、生成した制御信号のうち、第1DCIに含まれない残りの情報が含まれる。
【0029】
なお、DCI生成部101において、第1DCI及び第2DCIの各々にどの情報を配置するかは可変に決定されてもよく、第1DCIに配置しきらなかった情報が第2DCIに配置されてもよい。また、DCI生成部101は、生成される制御信号の情報量が少ない場合、第1DCIを生成し、第2DCIを生成しなくてもよい。
【0030】
DCI生成部101は、生成したDCI(第1DCI、又は、第1DCIと第2DCI)を信号割当部104へ出力する。また、DCI生成部101は、生成したDCIのうち、DL割当情報を信号割当部104に出力し、UL割当情報を信号分離部107へ出力する。
【0031】
誤り訂正符号化部102は、送信データ信号(DLデータ信号)を誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部103へ出力する。
【0032】
変調部103は、誤り訂正符号化部102から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部104へ出力する。
【0033】
信号割当部104は、DCI生成部101から入力されるDL割当情報に基づいて、変調部103から受け取るDLデータ信号、及び、DCI生成部101から受け取る制御信号であるDCI(第1DCI及び第2DCI)を、下りリソースに割り当てる。具体的には、信号割当部104は、DLデータ信号を、第1DCI又は第2DCIに含まれるDL割当情報に基づいて、データ領域に割り当てる。
【0034】
また、信号割当部104は、第1DCIを、第1DCIのサーチスペースに配置する。ここで、第1DCIのAggregation levelは、回線品質及び第1DCIの情報量から決定される。また、第2DCIが割り当てられるリソース(リソースサイズ及びリソース領域(位置))は、第1DCIに含まれる、第2DCIに関する信号とは別用途の信号、又は、第1DCIを特定する情報から特定される(詳細は後述する)。このようにして送信信号が形成される。形成された送信信号は、送信部105へ出力される。
【0035】
送信部105は、信号割当部104から入力される送信信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して端末200へ送信する。
【0036】
受信部106は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の無線受信処理を施し、信号分離部107へ出力する。
【0037】
信号分離部107は、DCI生成部101から入力されるUL割当情報に基づいて、受信部106から受け取る受信信号からULデータ信号を分離して復調部108へ出力する。
【0038】
復調部108は、信号分離部107から入力される信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部109へ出力する。
【0039】
誤り訂正復号部109は、復調部108から入力される信号を復号し、端末200からの受信データ信号(ULデータ信号)を得る。
【0040】
[端末の構成]
図4は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図4において、端末200は、受信部201と、信号分離部202と、DCI受信部203と、チャネル推定部204と、復調部205と、誤り訂正復号部206と、誤り訂正符号化部207と、変調部208と、信号割当部209と、送信部210と、を有する。
【0041】
受信部201は、受信信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部202へ出力する。
【0042】
信号分離部202は、受信部201から受け取る受信信号から第1DCIが割り当てられる可能性のあるリソース(サーチスペースの領域)に配置された信号を分離して、DCI受信部203(後述する第1DCI受信部2031)へ出力する。また、信号分離部202は、DCI受信部203から入力される情報(第2DCIのリソースを特定するために使用される情報)に基づいて第2DCIのリソースを特定し、受信信号から第2DCIを分離して、DCI受信部203(後述する第2DCI受信部2032)へ出力する。
【0043】
また、信号分離部202は、DCI受信部203から入力されるDL割当情報又はチャネル推定領域を示す情報に基づいて、受信信号のうちDLデータ領域の信号をチャネル推定部204へ出力する。また、信号分離部202は、DCI受信部203から入力されるDL割当情報に基づいて、受信信号からDLデータ信号を分離して復調部205へ出力する。
【0044】
DCI受信部203は、DLデータ信号又はULデータ信号の割り当てを示す制御信号(DCI)を受信する。DCI受信部203は、第1DCI受信部2031と、第2DCI受信部2032とから構成される。DCI受信部203は、DLリソース割当情報を含むDCIを受信した場合、当該DCIを信号分離部202へ出力し、ULリソース割当情報を含むDCIを受信した場合、当該DCIを信号割当部209へ出力する。
【0045】
具体的には、第1DCI受信部2031は、信号分離部202から受けとる、第1DCIが割り当てられる可能性のあるリソースの信号(つまり、サーチスペース信号)に対して復号を試みて、第1DCIを検出し、受信する。また、第1DCI受信部2031は、第2DCIが割り当てられるリソースを特定するために使用される情報を、信号分離部202へ出力する。第2DCIが割り当てられるリソースを特定するために使用される情報は、第2DCIのリソースそのものを特定するために通知される情報ではなく、他の用途の情報であり、例えば、第1DCIのアグリゲーションレベル、符号化率、チャネル推定領域等である。
【0046】
第2DCI受信部2032は、信号分離部202から受け取る第2DCIが割り当てられたリソース領域の信号を受信する。
【0047】
チャネル推定部204は、信号分離部202から受け取るDLデータ領域(つまり、チャネル推定領域)の信号に対してチャネル推定を行う。チャネル推定部204は、チャネル推定結果を示すチャネル推定情報を復調部205へ出力する。
【0048】
復調部205は、チャネル推定部204から受け取るチャネル推定情報に基づいて、信号分離部202から受け取る信号を復調し、復調後の信号を誤り訂正復号部206へ出力する。
【0049】
誤り訂正復号部206は、復調部205から受け取る復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。
【0050】
誤り訂正符号化部207は、送信データ信号(ULデータ信号)を誤り訂正符号化し、符号化後のデータ信号を変調部208へ出力する。
【0051】
変調部208は、誤り訂正符号化部207から受け取るデータ信号を変調し、変調後のデータ信号を信号割当部209へ出力する。
【0052】
信号割当部209は、DCI受信部203から受け取るUL割当情報に基づいて、変調部208から入力されたデータ信号をリソースに割り当て、送信部210へ出力する。
【0053】
送信部210は、信号割当部209から入力される信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0054】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0055】
図5は基地局100の動作を示すフローチャートであり、
図6は端末200の動作を示すフローチャートである。
【0056】
基地局100は、第1DCI及び第2DCIを生成すると(ST101)、第1DCIに含まれる情報(DLデータ信号に関する情報等)又は第1DCIに関する情報に基づいて第2DCIのリソース(リソースサイズ)を決定する(ST102)。なお、第2DCIのリソースの決定方法の詳細については後述する。そして、基地局100は、第1DCI及び第2DCIを端末200へ送信し(ST103)、当該第1DCI及び第2DCIに示されたDLデータ信号を端末200へ送信する(ST104)。
【0057】
一方、端末200は、基地局100から第1DCIを受信すると(ST201)、第1DCIに含まれる情報(DLデータ信号に関する情報等)又は第1DCIに関する情報に基づいて第2DCIのリソース(リソースサイズ)を特定する(ST202)。なお、第2DCIのリソースの特定方法の詳細については後述する。そして、端末200は、特定した第2DCIのリソースに基づいて第2DCIを受信し(ST203)、受信した第1DCI及び第2DCIに基づいてDLデータ信号を受信する(ST204)。
【0058】
すなわち、第2DCIが割り当てられるリソースは、第1DCIに含まれる他の用途に使用される情報又は第1DCIに設定された情報によって暗黙的(Implicit)に端末200へ通知される。これにより、第2DCIのリソースそのものを通知するための情報が不要となり、第1DCIの情報量が増大することを防ぐことができる。
【0059】
本実施の形態では、第1DCIから、第2DCIのサイズ(リソースサイズ)を決定・特定する方法について説明する。
【0060】
ここで、第2DCIのサイズとは、DCIのAggregation level又は符号化率(coding rate)を示す。
【0061】
Aggregation levelは、LTE/LTE-AdvanceにおいてDCIのリソース量を示す値として使用されている。Aggregation levelが大きいほど、DCIのリソース量は多くなる。また、LTEでは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)領域でDCIが送信される場合、Aggregation level 1は、1CCE(Control Channel Element)となる。なお、1CCEは、36RE(Resource Element)で構成される。同様に、Aggregation level 1は2CCE(72REs)となり、Aggregation level 4は4CCE(144REs)となり、Aggregation level 8は8CCE(288REs)となる。
【0062】
また、符号化率は、情報ビットに対して冗長ビットが付加される割合を示す。例えば、情報ビット1に対して冗長ビットが2付加された場合、符号化率は1/3となる。つまり、符号化率が低いほど、冗長度が高くなり、同一の情報ビットを送る場合、リソース量は多く必要となる。
【0063】
以下、本実施の形態に係る動作例1-1及び動作例1-2について説明する。
【0064】
<動作例1-1>
動作例1-1では、第2DCIのサイズは、第1DCIのAggregation levelに応じて決定される。
【0065】
第1DCIのAggregation levelは、端末200において第1DCIをブラインド復号し、当該端末200宛ての第1DCIが検出された際のAggregation levelである。つまり、端末200は、ブラインド復号によって特定される第1DCIのAggregation levelに応じて第2DCIのサイズを特定するので、端末200に対して第2DCIのサイズを通知するためのシグナリングは不要となる。
【0066】
例えば、第1DCIと第2DCIとが同一の基地局100から送信され、同一の端末200で受信されると仮定する。この場合、第1DCIの受信品質(例えば、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio))と第2DCIの受信品質とは同等であると仮定できる。
【0067】
ここで、第1DCIと第2DCIとの間で情報量(情報ビット数)が同等であり、ターゲット誤り率も同等である場合、
図7に示すように、第2DCIのAggregation levelには、第1DCIのAggregation levelと同一の値が設定されてもよい。なお、第1DCIのAggregation level及び第2DCIのAggregation levelの値は
図7に示す場合に限定されない。
【0068】
すなわち、基地局100は、第1DCIのAggregation levelに対応付けられたAggregation levelに従って第2DCIを割り当てて送信する。また、端末200は、検出した第1DCIのAggregation levelに対応付けられたAggregation levelを、第2DCIのAggregation levelとして特定し、受信する。
【0069】
また、第1DCIと第2DCIとの間で情報量(情報ビット数)が異なる場合、下記(式1)を使用して、第2DCIのAggregation levelが決定されてもよい。
第2DCI Aggregation level = 第2DCI 情報ビット数 / 第1DCI 情報ビット数 * 第1DCI Aggregation level (式1)
【0070】
(式1)では、(第2DCIの情報ビット数 / 第1DCIの情報ビット数)によって第1DCIと第2DCIとの間の情報ビット数の比率を求めている。すなわち、第2DCIの情報ビット数が第1DCIの情報ビット数の2倍であれば、第2DCIのAggregation levelも第1DCIのAggregation levelの2倍となる。
【0071】
なお、(式1)の結果が整数にならない場合、整数に、四捨五入、切り捨て、切り上げしてもよい。また、Aggregation levelとして、1,2,4,8,16等の定められた値が使用される場合には、(式1)の結果を定められた値に収束さてもよい。
【0072】
次に、第2DCIのサイズを、Aggregation levelではなく、符号化率で定義する場合について説明する。
【0073】
図8に示すように、第2DCIの符号化率は、第1DCIのAggregation levelに応じて決定される。
【0074】
すなわち、基地局100は、第1DCIのAggregation levelに対応付けられた符号化率を第2DCIに設定して送信する。また、端末200は、検出した第1DCIのAggregation levelに対応付けられた符号化率を、第2DCIの符号化率として特定する。
【0075】
図8では、第1DCIのAggregation level 1に対応付けられる第2DCIの符号化率を4/5とし、第1DCIのAggregation levelがX倍(
図8では、X=2,4,8)になると、第2DCIの符号化率は1/Xとなる。つまり、第1DCIのAggregation levelが大きいほど(第1DCIのリソース量が多いほど)、第2DCIの符号化率は低くなる。つまり、第1DCIのAggregation levelが大きいほど、第2DCIのリソース量が多くなる。なお、第1DCIのAggregation levelと第2DCIの符号化率との対応付けは
図8に示す場合に限定されない。
【0076】
また、下記(式2)を使用して、第1DCIの符号化率と第2DCIの符号化率とが同等になるように、第2DCIの符号化率を求めてもよい。
第2DCI 符号化率 = 第1DCI 情報ビット数 / (第1DCI を送信したRE数*2) (式2)
【0077】
(式2)では、(第1DCI 情報ビット数 / (第1DCIを送信したRE数*2))は、第1DCIがQPSK変調された場合(変調多値数=2)の符号化率を示す。
【0078】
上述したように、動作例1-1は、第1DCIの受信品質と第2DCIの受信品質とに関係があることに着目している。したがって、動作例1-1は、第1DCIと第2DCIとが同一若しくは近いシンボル又はPRB(Physical Resource Block)に配置される場合、又は、同一アンテナポート、同一の送信方式(transmission scheme)の場合に有効である。
【0079】
なお、第2DCIのサイズとしてAggregation levelを使用する場合、第1DCIのAggregation level 1のリソース量(RE数)と、第2DCIのAggregation level 1のリソース量とが等しくない場合も考えらえる。例えば、第1DCIと第2DCIとで1CCEあたりのRE数が異なる場合などである。この場合、基地局100及び端末200は、第1DCIと第2DCIとで同等の符号化率(リソース量)にするための追加の変数を用いて演算を行ってもよい。
【0080】
<動作例1-2>
動作例1-2では、第2DCIのサイズは、第1DCIによって指示されるデータ(DLデータ信号)であるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のMCSに応じて決定される。
【0081】
データのMCSは、基地局100が予測するデータの受信品質を表している。
【0082】
第2DCIがデータ(PDSCH)のリソース領域に配置される場合、第2DCIの受信品質(例えば、SINR)とPDSCHの受信品質とは同等であると仮定できる。
【0083】
そこで、第2DCIのサイズがAggregation levelで定められる場合、
図9に示すように、第2DCIのAggregation levelは、データ(PDSCH)のMCSに応じて決定される。なお、
図9において、第2DCIの変調方式はQPSKとする。なお、データのMCSと第2DCIのAggregation levelとの対応付けは
図9に示す場合に限定されるものではない。
【0084】
基地局100は、第1DCIで指示されるデータのMCSに対応付けられたAggregation levelに従って第2DCIを割り当てて送信する。また、端末200は、検出した第1DCIで指示されたデータのMCSに対応付けられたAggregation levelを、第2DCIのAggregation levelとして特定し、受信する。
【0085】
図9に示すように、MCS Index(I
MCS)が小さい場合、受信品質が悪いことを想定して、変調多値数(Modulation order)もQPSK(Q
m=2)と低くなり、符号化率も低くなる。また、MCS Indexが小さいほど、TBS Index(I
TBS)も小さくなる。なお、TBS Indexが小さいほど割り当てられるTBS(Transport block size)が小さくなる(例えば、非特許文献3を参照)。すなわち、MCS Indexが小さいほど、TBS Indexが小さくなり、情報ビット数が少なくなって冗長ビット数が多くなるので、符号化率が低くなる。つまり、
図9において、MCS Indexが小さいほど、第2DCIの情報量が大きくなることを想定して、第2DCIのAggregation levelとして大きい値が対応付けられる。
【0086】
なお、
図9では、MCS Indexと第2DCIのAggregation levelとを対応付ける場合について説明したが、
図10に示すように、データの変調方式(Modulation order Q
m)と第2DCIのAggregation levelとを対応付けてもよい。
【0087】
次に、第2DCIのサイズを、Aggregation levelではなく、符号化率で定義する場合について説明する。
【0088】
第2DCIの符号化率は、第1DCIで指示されるデータのMCSから下記(式3)に基づいて決定されてもよい。
第2DCIの符号率 = Transport block size /(N_PRB * PRB当たりのRE数*Modulation order * layer数) (式3)
【0089】
(式3)において、N_PRBはデータが割り当てられたPRB数を示す。また、(式3)中の分母は、割り当てられたデータ領域で送信できるビット数を示している。例えば、Modulation orderが大きいほど、PRBあたりに送信できるビット数も増える。また、空間多重のLayer数が増えると、PRBあたりに送信できるビット数も増える。また、(式3)中の分子は、情報ビット数を示している。
【0090】
また、第2DCIのリソース量(RE数)は下記の(式4)から求められる。
第2DCIのリソース量= 第2DCIの情報ビット数/(第2DCIの符号率 * 第2DCIのModulation order *第2DCIのlayer 数) (式4)
【0091】
第2DCIのリソース量が、CCE単位、PRB単位、mini-slot単位など、複数のREから構成される単位毎に表される場合には、その単位に合うように四捨五入、切り上げ、切り捨てなどの調整をして、第2DCIのリソース量が決定されてもよい。
【0092】
また、上記では、データと第2DCIとで符号化率を同等とする場合について説明したが、データに求められる所望誤り率と第2DCIに求められる所望誤り率では、第2DCIに求められる所望誤り率が低いことが考えられる。したがって、(式3)によって求められた第2DCIの符号化率に1/Nを乗算し、第2DCIの符号化率をデータの符号化率よりも低くしてもよい。
【0093】
また、基地局100及び端末200は、
図11に示すように、データのMCSと、第2DCIの符号率又はリソース量と、が対応付けられたテーブルを備え、テーブルを参照して、データのMCSから第2DCIの符号化率又はリソース量を決定してもよい。
【0094】
図11に示す第2DCIの所望符号化率は、下記(式5)により求められる。
第2DCIの所望符号率 = 1/2 *Transport block size /(N_PRB * PRB当たりのRE数 * Modulation order * layer 数) (式5)
【0095】
図11では、(式5)におけるデータのN_PRBを8、PRBあたりのRE数を138、Layer数を1とし、データよりも第2DCIの符号化率を低くするため、1/2を乗算している。
【0096】
また、
図11に示す第2DCIの情報ビット数が40bit、20bitの場合のCCE数(40bit CCE数、20bit CCE数)は、CCE当たりのRE数を36と仮定した場合に必要となるCCE数を計算している。また、第2DCIの変調多値数を2(QPSK)と仮定した。この場合、第2DCIのCCE数は、下記(式6)により求められる。
CCE 数 =ceiling( 情報ビット数 /所望符号化率 /2 / 36 ) (式6)
【0097】
以上、第2DCIのサイズを決定する動作例1-1、1-2について説明した。
【0098】
このようにして、本実施の形態では、第2DCIのサイズは、第1DCIに関する情報(ここではAggregation level)又は第1DCIで指示される情報(ここではデータのMCS)に応じて決定される。これにより、基地局100は、第1DCIを用いて、第2DCIのサイズを暗黙的に通知することができ、端末200は、第1DCIを用いて第2DCIのサイズを特定することができる。すなわち、本実施の形態によれば、第1DCIの情報ビット数を増加させることなく、第2DCIのサイズを端末200へ通知することができる。よって、本実施の形態によれば、端末200は、第2DCIが配置されるリソースを適切に特定することができる。
【0099】
(実施の形態2)
UEにおいてデータのチャネル推定を早期に実施するために、基地局が、第1DCIでチャネル推定を行うリソース領域(チャネル推定領域)を通知し、第2DCIで詳細なリソース割り当てを通知することが考えられる。この場合、第1DCIは送信単位(subframe/slot/mini-slot/sub-slot)の時間軸上の前方に配置される。UEは、第1DCIを受信後に、チャネル推定を開始し、その後、第2DCIを受信する。
【0100】
[課題]
上記動作において、例えば、
図12Aに示すように、第1DCIで通知されるデータ領域(チャネル推定領域)は、UEがチャネル推定を行う範囲であり、第2DCIで通知される実際に割り当てられたデータ領域(PDSCHリソース領域。
図12AではUE1 データで示される領域)よりも広い場合がある。また、
図12Aに示すように、第2DCIは、データ領域に配置されることも考えられる。
【0101】
図12Aに示すように、第2DCIが配置される周波数リソースが、データ(UE1 データ)が割り当てられる周波数リソースに含まれる場合、UE1は、第2DCIを受信後に、第2DCIがどの周波数リソースが割り当てられたかを特定できるので、データ領域のうち、第2DCIが配置される領域以外の領域を、データが配置されるリソースであると認識することができる。
【0102】
しかしながら、
図12Bに示すように、UE1向けの第2DCIが配置される周波数リソースが、UE1のデータが割り当てられていない周波数リソース(
図12Bの点線で囲まれたリソース)に配置されると、基地局は、UE1のデータが割り当てられていない周波数リソースの後方のシンボルをUE2に割り当て難いという課題がある。UE2は、UE2宛て以外の第2DCIを検出できないので、どの領域にUE1宛ての第2DCIが配置されているかを特定できない。したがって、基地局は、UEのデータを割り当てる際、他のUEの第2DCIを配置した周波数リソースに、当該UEのデータを割り当てられないという課題がある。また、例えば、
図12Bにおいて、基地局は、UE2に対して、他のUE1の第2DCIを配置した周波数リソースを割り当てる場合には、UE1の第2DCIが配置されたシンボル#1を除いたシンボル#2以降の周波数リソースを割り当てる必要があり、処理が複雑になってしまう。
【0103】
そこで、本実施の形態では、第2DCIが配置される周波数リソース(リソース位置)を適切に特定する方法について説明する。
【0104】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図3及び
図4を援用して説明する。
【0105】
具体的には、基地局100は、第1DCIに含まれるチャネル推定領域を示す情報に基づいて第2DCIのリソース(リソース領域)を決定する(
図5に示すST102)。一方、端末200は、基地局100から通知される第1DCIに含まれるチャネル推定領域を示す情報に基づいて第2DCIのリソース(リソース領域)を特定する(
図6に示すST202)。
【0106】
すなわち、実施の形態1と同様、第2DCIが割り当てられるリソースは、第1DCIに含まれる他の用途に使用される情報によって暗黙的(Implicit)に端末200へ通知される。これにより、第2DCIのリソースそのものを通知するための情報が不要となり、第1DCIの情報量が増大することを防ぐことができる。
【0107】
以下、第1DCIに含まれる情報から、第2DCIの周波数領域を特定する方法について詳細に説明する。
【0108】
[動作例2-1]
動作例2-1では、
図13に示すように、第2DCIは、第1DCIで指示されるチャネル推定領域の中心の周波数領域に配置される。
【0109】
すなわち、基地局100は、第1DCIで指示するチャネル推定領域の中心の周波数領域に第2DCIを配置し、第2DCIを送信する。また、端末200は、第1DCIで指示されるチャネル推定領域の中心の周波数領域を、第2DCIが配置される領域として特定し、第2DCIを受信する。
【0110】
この場合、基地局100は、
図13に示すように、端末200に対して、第2DCIが配置される周波数領域を含むようにデータを割り当ててもよい。また、基地局100は、第1DCIによってチャネル推定領域を指示する際に、チャネル推定領域の中心の周波数領域にUE1のデータを割り当てることを想定し、UE1と他ユーザ(UE2)との間のデータ割り当てにおけるリソース量の調整を、主にチャネル推定領域の端で行う。
【0111】
例えば、
図13では、UE1の第2DCI及びUE2の第2DCIは、それぞれのチャネル推定領域の中心の周波数領域に配置される。この場合、基地局100は、UE間でチャネル推定領域がオーバラップしている区間において、UE1とUE2との間のリソース量を調整する。
【0112】
これにより、
図13に示すように、基地局100におけるUE間のリソース量調整の結果、端末200向けの第2DCIが、当該端末200向けのデータ領域の範囲外に割り当てられる可能性が低くなる。よって、基地局100において、端末200向けの第2DCIが配置される周波数リソースによって他のUEのデータが割り当てられなくなることを防ぐことができる。なお、端末200は、第2DCIを受信後に、データ領域のうち、第2DCIが配置される領域以外の領域を、データが配置されるリソースであると認識することができる。
【0113】
動作例2-1(
図13)の方法は、特に、複数の端末200のデータが周波数方向に連続して割り当てられることが想定される場合に適している。例えば、
図13では、UE1とUE2とに対してデータが同時に割り当てられており、UE1とUE2とに対してそれぞれ第1DCIで指示されるチャネル推定領域にはオーバラップしている部分がある。
【0114】
[動作例2-2]
動作例2-2では、
図14に示すように、第2DCIは、第1DCIで指示されるチャネル推定領域の端の周波数領域に配置される。なお、第2DCIを配置する周波数領域として、チャネル推定領域の片側の端を使用する場合と、両端を使用する場合とが考えられる。
【0115】
すなわち、基地局100は、第1DCIで指示するチャネル推定領域の端の周波数領域に第2DCIを配置し、第2DCIを送信する。また、端末200は、第1DCIで指示されるチャネル推定領域の端の周波数領域を、第2DCIが配置される領域として特定し、第2DCIを受信する。
【0116】
この場合、基地局100は、
図14に示すように、端末200に対して、第2DCIが配置される周波数領域を含むようにデータを割り当ててもよい。また、基地局100は、第1DCIによってチャネル推定領域を指示する際に、チャネル推定領域の端の周波数領域にUE1のデータを割り当てることを想定し、UEと他ユーザ(UE2)との間のデータ割り当てにおけるリソース量の調整を、主にチャネル推定領域の端以外で行う。
【0117】
例えば、
図14では、UE1とUE2とに対してデータが同時に割り当てられている。
図14では、各UEの第2DCIは、各UEのチャネル推定領域の片方の端に配置されている。この場合、基地局100は、各UEに対して、第2DCIが配置されたチャネル推定領域の片方の端にデータを配置してもよい。
【0118】
また、
図14では、UE1の第2DCIが配置される周波数領域がUE2のチャネル推定領域に含まれる。この場合、基地局100は、UE1の第2DCIが配置される周波数領域を避けて、UE2のデータを配置すればよい。例えば、基地局100は、第1DCIによってチャネル推定領域を指示する際、チャネル推定領域の両端の周波数領域(つまり、第2DCIが配置される領域)のデータ割り当てを確定し、その他の領域においてデータ割り当てにおけるリソース量の調整を行う。すなわち、
図14では、基地局100は、UE間でチャネル推定領域がオーバラップしている区間のうち、UE1の第2DCIが配置される周波数領域以外の領域において、UE1とUE2との間のリソース量を調整すればよい。
【0119】
これにより、
図14に示すように、基地局100におけるUE間のリソース量調整の結果、端末200向けの第2DCIが、当該端末200向けのデータ領域の範囲外に割り当てられる可能性が低くなる。よって、基地局100において、端末200向けの第2DCIが配置される周波数リソースによって他のUEのデータが割り当てられなくなることを防ぐことができる。なお、端末200は、第2DCIを受信後に、データ領域のうち、第2DCIが配置される領域以外の領域を、データが配置されるリソースであると認識することができる。
【0120】
また、
図15では、UE1とUE2とに対してデータが同時に割り当てられている。
図15では、各UEの第2DCIは、各UEのチャネル推定領域の両端に配置されている。この場合、基地局100は、各UEに対して、第2DCIが配置されたチャネル推定領域の両端にデータを配置してもよい。
【0121】
図15に示すように、第2DCIがチャネル推定領域の両端に配置されると、第2DCIが周波数領域で離れた位置に配置されるので、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。
図15は、特に、データが非連続に割り当てられる場合に適している。
【0122】
[動作例2-3]
動作例2-3では、
図16に示すように、第2DCIは、第1DCIが配置された周波数領域に隣接する領域に配置される。
【0123】
この場合、すなわち、基地局100は、第1DCIを割り当てる周波数領域に隣接する周波数領域に第2DCIを配置し、第2DCIを送信する。また、端末200は、第1DCIが検出された周波数領域に隣接する周波数領域を、第2DCIが配置される領域として特定し、第2DCIを受信する。端末200は、第1DCIのサーチスペースではなく、端末200向けの第1DCIが検出された領域に基づいて第2DCIの配置を決定する。
【0124】
なお、隣接する領域とは、周波数領域において隣接すること、及び、論理的に隣接すること(例えばCCE番号が連続すること)を含む。また、隣接する領域には、あるオフセットが付加された領域が含まれてもよい。
【0125】
基地局100は、端末200に対して、第1DCIによってチャネル推定領域を指示する際に、第1DCIが配置される周波数領域を含むようにデータを割り当てることが考えられる。このため、
図16に示すように、第1DCIが配置される領域と隣接する領域にデータを割り当てるとともに、第2DCIを割り当てることで、端末200向けの第2DCIが、当該端末200向けのデータ領域の範囲外に割り当てられる可能性が低くなる。よって、基地局100において、端末200向けの第2DCIが配置される周波数リソースによって他のUEのデータが割り当てられなくなることを防ぐことができる。
【0126】
また、
図16に示すように、第1DCIが配置される領域と隣接する領域にデータを割り当てられることで、割り当てが連続的になるのでチャネル推定領域を限定することができる。
【0127】
また、動作例2-3では、端末200が第1DCI及び第2DCIを検出した領域(
図16ではシンボル#0)をデータ割当領域から除外することで、基地局100は、第1DCI及び第2DCIが配置されない周波数領域(シンボル#1以降)に、先頭シンボルからデータを配置することができる。
【0128】
[動作例2-4]
動作例2-4では、
図17に示すように、第2DCIは、第1DCIで指示されるチャネル推定領域に基づいて定められるスタート位置から、Xインターバル毎に周波数領域に分散して配置される。
【0129】
図17では、第2DCIが配置される領域のスタート位置は、第1DCIで指示されるチャネル推定領域の一方の端であり、第2DCIは4分割されて周波数領域に分散して配置されている。また、
図17では、各UEの第2DCIが配置される周波数間隔(インターバル)をUE間で共通の値としている。なお、インターバルは、UE間で異なってもよい。
【0130】
この場合、基地局100は、端末200に対して、第2DCIが配置される周波数領域を含むようにデータを割り当ててもよい。また、基地局100は、第1DCIによってチャネル推定領域を指示する際に、チャネル推定領域の端の周波数領域、及び、インターバルから定まる第2DCIが配置される周波数領域にデータを割り当てることを想定し、他ユーザとの間のデータ割り当てにおけるリソース量の調整を、第2DCIが配置されない領域で行う。
【0131】
これにより、
図17に示すように、基地局100におけるUE間のリソース量調整の結果、端末200向けの第2DCIが、当該端末200向けのデータ領域の範囲外に割り当てられる可能性が低くなる。よって、基地局100において、端末200向けの第2DCIが配置される周波数リソースによって他のUEのデータが割り当てられなくなることを防ぐことができる。
【0132】
また、インターバルは、定められた値とすることで、UE間で第2DCIが配置される周波数領域のスタート位置が異なれば、異なるUE間で第2DCIが衝突する可能性が低くなるという利点がある。また、チャネル推定領域が大きい場合にインターバルを大きく設定するなど、チャネル推定領域の大きさに応じてインターバルを可変にすることも考えらえる。インターバルをチャネル推定領域の大きさに応じて決定すると、チャネル推定領域全体に渡って第2DCIが配置されるので、周波数ダイバーシチ効果がより高いという利点がある。
【0133】
また、ここでは、第2DCIが配置される周波数領域のスタート位置がチャネル推定領域の端である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、UEID,セルID, グループID,subcell IDなどの情報から定まる位置をスタート位置として設定してもよい。
【0134】
また、インターバルはチャネル推定領域内で設定されてもよい。チャネル推定領域が周波数軸上で連続していない場合、チャネル推定領域内のPRBを論理的に並べ、インターバルを設定してもよい。この場合、物理的にはインターバルは一定にならない可能性がある。
【0135】
また、インターバルは一定でなくてもよい。基地局100と端末200との間でインターバルを定めておき、そのインターバルに従って、分散配置される各DCIの間隔を定めるようにしてもよい。
【0136】
以上、本実施の形態に係る第2DCIの周波数領域を特定する方法について説明した。
【0137】
このように、本実施の形態によれば、端末200向けの第2DCIが配置される周波数領域は、、第1DCIで指示される情報(チャネル推定領域)に基づいて決定される。この際、第2DCIがデータ(PDSCH)が配置される領域に配置されるように、データに対するリソース割り当てが行われる。これにより、基地局100は、複数の端末200間で、或る端末200向けの第2DCIを配置した周波数リソースによって、他の端末200のデータを割り当てられなくなることを防ぐことができる。すなわち、基地局100は、複数の端末200間でのデータ割り当てにおけるリソース配分を容易に行うことができる。
【0138】
また、基地局100は、第1DCIを用いて、第2DCIの周波数領域を暗黙的に通知することができ、端末200は、第1DCIを用いて第2DCIの周波数領域を特定することができる。すなわち、本実施の形態によれば、第1DCIの情報ビット数を増加させることなく、第2DCIの周波数領域を端末200へ通知することができる。よって、本実施の形態によれば、端末200は、第2DCIが配置されるリソースを適切に特定することができる。
【0139】
[実施の形態2の変形例]
なお、本実施の形態において第2DCIが配置される領域にデータが割り当てられる場合について説明したが、第2DCIが配置される領域にデータが割り当てられなくてもよい。特に、URLLCなどの短いシンボル数のデータが挿入されることが予想される場合、参照信号が配置される場合、MBMSなどの他のサービスが挿入される場合には、前方のシンボルにDCIを配置した場合に、後方のシンボルではデータを割り当てないことも効果がある。
【0140】
また、上記周波数領域は、物理的なマッピングを一例として示したが、論理的なマッピングとしてもよい。論理的なマッピングの場合、論理的なマッピングから物理的なマッピングに変更されるので、
図13~
図17を論理的なマッピングとみなした場合に連続している周波数領域であっても、物理的には離れた位置に配置することができるので、周波数ダイバーシチ効果が得られる。
【0141】
また、上記実施の形態では、チャネル推定領域が連続するリソースである場合について示しているが、これに限定されるものではなく、チャネル推定領域は不連続なリソースであってもよい。
【0142】
また、上記に加えて、セルID, sub-cell ID, グループID、UE IDなどのパラメータから、第2DCIが配置される領域のオフセットが定められてもよい。
【0143】
また、第2DCIによって割り当てられるデータは、第2DCIの誤り検出、例えばCRCがOKになった場合に端末200で受信される。したがって、第2DCIの受信に失敗した場合、端末200ではデータは受信されない。そこで、データ割り当てが、第2DCIの領域を含むように指定された場合、端末200は、第2DCIが配置されていた領域(RE)にはデータが配置されていないと判断する。つまり、第2DCIが配置されていた領域(RE)はレートマッチングされる。
【0144】
また、第1DCIが配置されるシンボルのサブキャリア間隔が狭く(シンボル間隔が広く)、第2DCI及びデータシンボルが配置されるシンボルのサブキャリア間隔が広い(シンボル間隔が短い)ことも想定できる。このような場合、第1DCIとデータ送信とで異なるサブキャリア間隔を使用する端末200は、第1DCIを受信して、データ割り当て及びデータのサブキャリア間隔を認識し、第2DCIを第1DCIよりも広いサブキャリア間隔で受信することができる。このような場合、第2DCIのシンボル間隔を短くできるので、DCIを送信するために必要となる時間を短縮することができる。したがって、第1DCIと第2DCIとに分割し、制御信号のオーバヘッドを減らす効果が高くなる。
【0145】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図3及び
図4を援用して説明する。
【0146】
本実施の形態では、端末200が第1DCI及び第2DCIの双方を受信する場合と、第2DCIを受信せずに第1DCIを受信する場合と、を定める。
【0147】
具体的には、基地局100は、端末200に設定される情報又は第1DCIに含まれる情報に基づいて第2DCIのリソース(リソース割当の有無)を決定する(
図5に示すST102)。一方、端末200は、端末200に設定される情報又は基地局100から通知される第1DCIに含まれる情報に基づいて第2DCIが基地局100から送信されるか否かを判断し、第2DCIのリソース割当の有無を特定する(
図6に示すST202)。
【0148】
すなわち、基地局100は、端末200に対する情報に基づいて使用するDCIを定めることで、第2DCIが不要な場合には、第1DCIを使用してリソース割り当てができるようになる。また、実施の形態1と同様、第2DCIが割り当てられるリソースは、第1DCIに含まれる他の用途に使用される情報によって暗黙的(Implicit)に端末200へ通知される。これにより、第2DCIのリソースそのものを通知するための情報が不要となり、第1DCIの情報量が増大することを防ぐことができる。
【0149】
以下、第2DCIのリソース割り当てを特定する方法について説明する。
【0150】
[動作例3-1]
動作例3-1では、第2DCIは、端末200に割り当てられるリソース量が大きい場合に使用される。
【0151】
ここで、端末200に割り当てられるリソース量は、(1)キャリアの帯域幅が広い場合(例えば、帯域幅が閾値以上の場合)、(2)UE個別に指定されるモニタすべき帯域幅が広い場合(例えば、帯域幅が閾値以上の場合)、(3)第1DCIで通知されるチャネル推定領域が広い場合(チャネル推定領域が閾値以上の場合)、(4)第1DCIによって割り当てられたリソース量が多い場合(リソース量が閾値以上の場合)等が考えられる。
【0152】
端末200に割り当てられるリソース量が大きい場合、端末200に対して割り当ての通知に必要となるビット数も多くなる。したがって、当該端末200に対して第2DCIを用いることは効果的である。一方、端末200に割り当てられるリソース量が小さい場合、端末200に対するリソースの割り当てに第2DCIを使用することは、第1DCIと第2DCIの双方にCRCを付加することでオーバヘッドが増加し、データ量に対する制御信号のオーバヘッドの比率が高くなり、非効率である。
【0153】
[動作例3-2]
動作例3-2では、第2DCIは、HARQの初回送信時又は再送時にリソース割り当て方法が大幅に変更される場合に使用される。
【0154】
HARQの再送が指示される場合には、端末200では初回送信に使用したパラメータが流用される可能性がある。例えば、チャネル推定領域、MCS、リソース割り当て、MIMOレイヤ数などについて、再送時にも初回送信で使用されたパラメータが使用される。
【0155】
このように、再送時に流用できる情報が多い場合、再送時のDCI長は初回送信時のDCI長と比較して短くなる可能性がある。よって、基地局100は、再送時には、第2DCIを用いずに、第1DCIを使用して指示することで、DCIのオーバヘッド量を低く抑えることができる。
【0156】
なお、端末200は、初回送信であるか再送であるかを、第1DCIに含まれるNDI(New data indicator)がトグルされているか否かで判断することができる。
【0157】
また、再送時にリソース割り当て、MIMO関連の情報を一新し、DCIを用いて指示すべき情報量が多い場合、第2DCIを使用することが効果的である。
【0158】
[動作例3-3]
動作例3-3では、送信モード又は送信方法(scheme)に応じて第2DCIが使用されるか否かが決定される。
【0159】
例えば、空間多重により、複数のコードワード、複数のレイヤをサポートしている送信モード又は送信方法が設定されている場合、第2DCIが使用されてもよい。又は、多くのレイヤ数又は多くのアンテナポート数を用いる送信モード又は送信方法が設定されている場合(例えば、レイヤ数又はアンテナポート数が閾値以上の場合)、第2DCIが使用されてもよい。
【0160】
コードワード、レイヤ数が多い場合にはDCIの情報量が多くなくなる傾向にある。したがって、DCIの情報量が多くなる送信モード又は送信方法を使用する場合に、第2DCIが使用され、DCIの情報量が少ない送信モード又は送信方法を使用する場合に、第2DCIを使用せずに、第1DCIが使用されてもよい。なお、DCIの情報量に対応付けられるパラメータは、コードワード、レイヤ、アンテナポートに限らず、他のパラメータでもよい。
【0161】
なお、送信モード又は送信方法は、第1DCIのDCI formatから特定することもできる。つまり、端末200は、検出できた第1DCIのDCI formatから、第2DCIが使用されるか否かを判断してもよい。
【0162】
[動作例3-4]
動作例3-4では、狭いビーム(narrow beam)の使用が想定される場合、第2DCIが使用される。
【0163】
狭いビームの使用が想定される場合とは、6GHz以上のような高い帯域が割り当てられている場合である。この場合、広いビーム及び狭いビームの双方の使用が想定される。また、アナログビームを想定する場合、シンボル毎にビームが異なる。
【0164】
例えば、広いビームで送信されるシンボルに第1DCIが配置され、狭いビームで送信される後方のシンボルに第2DCIが配置されてもよい。広いビームで送信される第1DCIのサーチスペースは多くの端末200によってモニタされる。
【0165】
各端末200は、広いビームで送信される自機宛の第1DCIを検出すると、検出した第1DCIに従って、狭いビームで送信されるUE個別の第2DCIを受信する。
【0166】
このようにすると、端末200は、全シンボルで第1DCIをモニタしなくてよいので、消費電力を抑えることができる。
【0167】
なお、端末200は、狭いビームが使用されるか否かを、設定される周波数帯域に応じて判断してもよく、送信方法に応じて判断してもよい。
【0168】
[動作例3-5]
動作例3-5では、第2DCIは、DLデータのシンボル長が長い場合に使用される。
【0169】
例えば、DLデータのシンボル長は、第1DCIによって通知されてもよく、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)のようなDCIとは別途通知される制御信号によって通知されてもよい。
【0170】
端末200は、DLデータのシンボル長が長い場合(シンボル長が閾値以上の場合)には第2DCIが使用されると判断し、DLデータのシンボル長が短い場合(シンボル長が閾値未満の場合)には第2DCIが使用されずに、第1DCIが使用されると判断する。
【0171】
DLデータのシンボル長が長い場合、端末200に割り当てられるリソース量が大きくなることが想定できる。したがって、DLデータのシンボル長が長い場合には第2DCIを用いることが効果的である。一方、DLデータのシンボル長が短い場合には端末200に割り当てられるリソース量が小さくなることが想定される。端末200に割り当てられるリソース量が小さい場合、端末200に対するリソースの割り当てに第2DCIを使用することは、第1DCIと第2DCIの双方にCRCを付加することでオーバヘッドが増加し、データ量に対する制御信号のオーバヘッドの比率が高くなり、非効率である。
【0172】
以上、第2DCIのリソース割り当てを特定する方法について説明した。
【0173】
このように、本実施の形態によれば、基地局100及び端末200は、第1DCIで指示されるDLデータ信号に関する情報(又は端末200に設定される情報)に基づいて、第2DCIが基地局100から端末200へ送信されるか否かを判断する。具体的には、第2DCIは、DCIのリソース量(情報量)が大きい場合には送信され、DCIのリソース量が小さい場合には送信されない。すなわち、DCIのリソース量に応じて、データ量に対するDCIのオーバヘッドの比率を抑えることができる。
【0174】
また、基地局100は、例えば、第1DCIを用いて、第2DCIのリソース割り当て(リソース割り当ての有無)を暗黙的に通知することができ、端末200は、第1DCIを用いて第2DCIのリソース割り当てを特定することができる。すなわち、本実施の形態によれば、第1DCIの情報ビット数を増加させることなく、第2DCIのリソース割り当てを端末200へ通知することができる。よって、本実施の形態によれば、端末200は、第2DCIが配置されるリソースを適切に特定することができる。
【0175】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0176】
なお、上述した実施の形態1~3の少なくとも2つを組み合わせてもよい。すなわち、基地局100及び端末200は、実施の形態1(第2DCIのサイズを設定)、実施の形態2(第2DCIの周波数領域)、実施の形態3(第2DCIの有無)のうち少なくとも2つを組み合わせて動作してもよい。
【0177】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0178】
本開示の端末は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を受信する受信機と、前記第1下り制御信号及び前記第2下り制御信号を用いて、受信信号から下りデータ信号を分離する回路と、を具備し、前記受信機は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて、前記第2下り制御信号のリソースを特定する。
【0179】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号のアグリゲーションレベルに応じて前記第2下り制御信号のリソースサイズを特定する。
【0180】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号のMCS(Modulation and Coding Scheme)に応じて前記第2下り制御信号のリソースサイズを特定する。
【0181】
本開示の端末において、前記第2下り制御信号は、前記下りデータ信号が配置される周波数領域内に配置される。
【0182】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号で指示されるチャネル推定領域の中心の周波数領域を、前記第2下り制御信号が配置される領域として特定する。
【0183】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号で指示されるチャネル推定領域の端の周波数領域を、前記第2下り制御信号が配置される領域として特定する。
【0184】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号が配置される周波数領域に隣接する周波数領域を、前記第2下り制御信号が配置される領域として特定する。
【0185】
本開示の端末において、前記受信機は、前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて、前記第2下り制御情報が送信されるか否かを判断する。
【0186】
本開示の基地局は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を生成する回路と、前記第1下り制御信号、前記第2下り制御信号及び下りデータ信号を送信する送信機と、を具備し、前記送信機は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて設定されるリソースで前記第2下り制御信号を送信する。
【0187】
本開示の通信方法は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を受信し、前記第1下り制御信号及び前記第2下り制御信号を用いて、受信信号から下りデータ信号を分離し、前記第2下り制御信号のリソースは、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号で指示される前記下りデータ信号に関する情報に基づいて特定される。
【0188】
本開示の通信方法は、第1下り制御信号及び第2下り制御信号を生成し、前記第1下り制御信号、前記第2下り制御信号及び下りデータ信号を送信し、前記第2下り制御信号は、前記第1下り制御信号に関する情報又は前記第1下り制御信号に含まれる前記下りデータ信号に関する情報に基づいて設定されるリソースで送信される。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0190】
100 基地局
101 DCI生成部
102,207 誤り訂正符号化部
103,208 変調部
104,209 信号割当部
105,210 送信部
106,201 受信部
107,202 信号分離部
108,205 復調部
109,206 誤り訂正復号部
200 端末
203 DCI受信部
204 チャネル推定部