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特許7009610ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバー
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  • 特許-ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバー 図1
  • 特許-ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバー 図2
  • 特許-ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバー
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/115 20140101AFI20220118BHJP
   H04N 19/46 20140101ALI20220118BHJP
   H04N 19/164 20140101ALI20220118BHJP
【FI】
H04N19/115
H04N19/46
H04N19/164
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020503817
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2018095610
(87)【国際公開番号】W WO2019019931
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】201710632656.9
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520159673
【氏名又は名称】影石創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ARASHI VISION INC.
【住所又は居所原語表記】Room 601, 603, 605, 6/F, Building A, LOGAN Century Centre No. 23, Haixiu Road, Xin’an Street, Bao’an District Shenzhen, Guangdong 518000 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 力
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-278596(JP,A)
【文献】特開2005-157414(JP,A)
【文献】特開2004-289295(JP,A)
【文献】国際公開第2016/167139(WO,A3)
【文献】米国特許出願公開第2016/0286267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ出力中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更するステップと、
タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送するステップと、
ビデオエンコーダにより出力する出力フレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させるステップと、
を含み、
前記ビデオ出力中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダに伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更することは、
ビデオ出力中に第一の符号化ビットレートを第二の符号化ビットレートに切り替える必要がある場合、前記第一の符号化ビットレートに対応する第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔を、前記第二の符号化ビットレートに対応する第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔に変更し、
ここで、前記第二の符号化ビットレートと前記第一の符号化ビットレートの比は、前記第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔と前記第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔の比に等しくなっており、
すでにビデオエンコーダに伝送した直近の一つのフレームの実際タイムスタンプと、前記第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔とによって、現在フレームのタイムスタンプを変更することを含むビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法。
【請求項2】
前記ビデオ出力中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダに伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更する前に、
ビデオエンコーダの初期化段階において、一定のフレームレートと符号化ビットレートを設定し、正確なタイムスタンプに従ってフレームをビデオエンコーダに伝送して符号化するステップをさらに含んでおり、
ビデオエンコーダは設定された符号化ビットレートに従って符号化を行って、ビデオ出力をし、出力されたビデオの符号化ビットレートと設定された符号化ビットレートとが一致する、
ことを特徴とする請求項1に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法。
【請求項3】
前記正確なタイムスタンプとは、隣接するフレームのタイムスタンプの間隔がフレームレートに対応し、ビデオエンコーダから出力するビデオの符号化ビットレートと設定された符号化ビットレートが一致するものである、
ことを特徴とする請求項2に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法。
【請求項4】
前記ビデオエンコーダにより出力する出力フレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させることは、
正確なタイムスタンプと変更後のタイムスタンプのマッピングテーブルを作成し、
変更しようとするフレームのオリジナルタイムスタンプと変更後のタイムスタンプを前記マッピングテーブルに相応して加え、
前記ビデオエンコーダにより出力する出力フレームの各々に対し、受信したフレームに表記のタイムスタンプによって、前記マッピングテーブルの中で検索を行い、対応するオリジナルタイムスタンプを見つけ、
出力する出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させることを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法。
【請求項5】
ビデオ出力中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更する変更モジュールと、
タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送する伝送モジュールと、
ビデオエンコーダにより出力する出力フレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる回復モジュールと、
を含み、
前記変更モジュールは、
ビデオ出力中において第一の符号化ビットレートを第二の符号化ビットレートに切り替える必要がある場合、前記第一の符号化ビットレートに対応する第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔を、前記第二の符号化ビットレートに対応する第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔に変更する第一の変更サブモジュールと、ここで、前記第二の符号化ビットレートと前記第一の符号化ビットレートの比は、前記第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔と前記第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔の比に等しくなっており、
すでにビデオエンコーダに伝送した直近の一フレームの実際タイムスタンプと、前記第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔とによって、現在フレームのタイムスタンプを変更する第二の変更サブモジュールと、
を含むビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御装置。
【請求項6】
前記回復モジュールは、
正確なタイムスタンプと変更後のタイムスタンプのマッピングテーブルを作成する作成ユニットと、
変更しようとするフレームのオリジナルタイムスタンプと変更後のタイムスタンプを前記マッピングテーブルに相応して加える添加ユニットと、
前記ビデオエンコーダにより出力する出力フレームの各々に対し、受信したフレームに表記のタイムスタンプによって、前記マッピングテーブルの中で検索を行い、対応するオリジナルタイムスタンプを見つける検索ユニットと、
出力したフレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる回復サブユニットと、
を含む請求項に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御装置。
【請求項7】
コンピュータープログラムが記憶されているコンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、
処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、前記請求項1乃至のいずれか一項に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法を実現する、
ことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項8】
一つ又は複数の処理装置と、記憶装置と、一つ又は複数のコンピュータープログラムとを含むビデオサーバーであって、
一つ又は複数の前記コンピュータープログラムは、前記記憶装置に記憶されて、一つ又は複数の前記処理装置により実行されるように配置され、
前記処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、前記請求項1乃至のいずれか一項に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法を実現する、
ことを特徴とするビデオサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオの分野に属し、特に、ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブ放送の応用において、ライブストリームをプッシュ配信する際、ネットワーク帯域幅に変動があるため、現在の帯域幅に基づいてビデオエンコーダの出力符号化ビットレートをリアルタイムで制御することで、帯域幅に自動的に適応させることが特に重要である。現在、より正確な帯域幅推定及びより優れた符号化ビットレート制御を行う戦略など多様なやり方があるが、出力符号化ビットレートを切り替える必要のある場合に、どのようにビデオエンコーダで出力符号化ビットレートの切り替えを完成し、符号化が中断されないように確保するかについては検討していない。
【0003】
現在、多様なライブ放送プラットフォームの各種のビデオエンコーダは、符号化パラメーターの制御において、通常、固定ビットレート(Constant Bit Rate、CBR)或いは可変ビットレート(Variable Bit Rate、VBR)を提供し、固定ビットレートのエンコードの出力レートは基本的に変わらず、可変ビットレートのエンコードは内容によって変化する。しかし、いずれの方式であっても、符号化中にソフトウェアにより符号化ビットレートをリアルタイムで変更、制御することはできない。
【0004】
そのため、現在、動的レート制御の一般的な方法は、既存のビデオエンコーダのインスタンスを閉じ、新しいビデオエンコーダのインスタンスを再作成して、新しいビデオエンコーダの符号化ビットレートを切り替えて必要のある符号化ビットレートとして設定する。そして、新しく作成されたビデオエンコーダのコンポーネントを使用して、新しい符号化ビットレートパラメーターの応用を実現する。
【0005】
しかし、上記方法には、限られているリソースのプラットフォームにおいて、ビデオエンコーダのインスタンスを自由に作成することができないという問題がある。その場合、既存のビデオエンコーダを閉じてから新しいビデオエンコーダを作成、起動しなければならない。そのためには、以下のようなステップの実行が必要となっている。
1.既存のビデオエンコーダのすべての符号化フレームの符号化及び出力が終わるまで待つ。
2.既存のビデオエンコーダを閉じる。
3.新しいビデオエンコーダを作成、設定し、起動する。
4.最新の符号化しようとするデータをビデオエンコーダに伝送し、新しい符号化ビットレートの符号化方式の応用を開始する。
【0006】
ただし、上記の処理中では符号化が行えないため、符号化ビットレートを切り替える時、符号化の必要のあるフレームは、新しいビデオエンコーダの初期化が完了するまで待つしかできないため、出力されるビデオストリームの詰まりが発生する。ここで、リアルタイムで符号化を待つフレームの一時保存が不可となり、一時保存空間が無効となる場合、切り替え中にそれらのフレームを破棄しなければならないため、最終の符号化画面にはフレームスキップが表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑みて、本発明の目的は、ビデエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法、装置及びビデオサーバーを提供して、既存のビデオエンコーダを閉じてから新しいビデオエンコーダを作成、設定し起動する動的レート制御方式による、出力されるビデオストリームの詰まりの発生や、リアルタイムで符号化を待つフレームが切り替え中に破棄される恐れがあって、符号化画面にフレームスキップが表示されるなど、従来技術に存在する問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本発明によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法は、ビデオ再生中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更するステップと、タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送するステップと、ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させるステップとを含む。
【0009】
次に、本発明によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御装置は、ビデオ再生中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更する変更モジュールと、タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送する伝送モジュールと、ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる回復モジュールとを含む。
【0010】
そして、本発明によるコンピューター読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータープログラムが記憶されているコンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、上記ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法のステップを実現する。
【0011】
そして、本発明によるビデオサーバーは、一つ又は複数の処理装置と、記憶装置と、一つ又は複数のコンピュータープログラムとを含むビデオサーバーであって、一つ又は複数の前記コンピュータープログラムは、前記記憶装置に記憶されて、一つ又は複数の前記処理装置により実行されるように配置され、前記処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、上記ビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ビデオ再生中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更し、ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復することによって、ビデオエンコーダの出力フレームの実際符号化ビットレートを制御する。既存のビデオエンコーダを閉じる必要がなく、新しいビデオエンコーダの作成、設定が可能であるため、再開中の符号化の中断を起こすことなく、ライブ配信など即時性の高い応用場面であっても、符号化の中断による詰まりが発生せず、切り替えが非常にスムーズに行われる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一の実施形態によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の第二の実施形態によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御装置の概略図である。
図3】本発明の第四の実施形態によるビデオサーバーの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の目的、技術案、効果をより明確に説明するために、図面を参照し実施形態に基づいて、本発明を分かりやすく詳細に説明する。もちろん、以下の実施形態は本発明を詳しく説明するためであり、本発明を限定するものではない。
【0015】
[第一の実施形態]
図1に示すように、本発明の第一の実施形態によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法は、以下のようなステップを含んでいる。
【0016】
S101:ビデオ再生中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更する。
【0017】
本実施形態において、ステップS101は具体的に、
ビデオ再生中第一の符号化ビットレートを第二の符号化ビットレートに切り替える必要がある場合、第一の符号化ビットレートに対応する第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔を、第二の符号化ビットレートに対応する第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔に変更し、ここで、第二の符号化ビットレートと第一の符号化ビットレートの比は、第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔と第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔の比に等しくなっており、
すでにビデオエンコーダに伝送した直近の一つのフレームの実際タイムスタンプと、第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔とによって、現在フレームのタイムスタンプを変更することである。
【0018】
本実施形態において、ステップS101の前に、さらに下記ステップを含む。すなわち、
ビデオエンコーダの初期化段階において、一定のフレームレートと符号化ビットレートを設定し、正確なタイムスタンプに従ってフレームをビデオエンコーダに伝送して符号化し、
ビデオエンコーダは、設定された符号化ビットレートに従って符号化を行って、ビデオ出力をし、出力されたビデオの符号化ビットレートと設定された符号化ビットレートは一致する。
【0019】
ここで、正確なタイムスタンプとは、隣接するフレームのタイムスタンプの間隔がフレームレートに対応し、この場合、ビデオエンコーダから出力するビデオの符号化ビットレートと設定された符号化ビットレートが一致することである。
【0020】
S102:タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送する。
【0021】
S103:ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる。
【0022】
本実施形態において、ステップS103は具体的に、
正確なタイムスタンプと変更後のタイムスタンプとのマッピングテーブルを作成し、
変更しようとするフレームのオリジナルタイムスタンプと変更後のタイムスタンプをマッピングテーブルに相応して加え、
ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、受信したフレームに表記のタイムスタンプによって、マッピングテーブルの中で検索を行い、対応するオリジナルタイムスタンプを見つけ、
出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させることである。
【0023】
ビデオエンコーダに伝送する各フレームの実際のタイムスタンプに変更が発生するため、実際にビデオエンコーダに伝送するフレームレートの変更を引き起こし、最終的にはビデオエンコーダの符号化ビットレート制御にも影響を与える。
【0024】
以下実施例を挙げて説明する。
例えば、最初の符号化のフレームレートを30フレーム/秒とすることが必要である場合、符号化ビットレートが2Mbpsのビデオを出力し、途中のある段階で、出力の符号化ビットレートを2Mbpsから4Mbpsに切り替える必要がある。
【0025】
1.ビデオエンコーダを作成し、フレームレートを30フレーム/秒(相応的に、隣接するフレームのタイムスタンプの間隔は33.33msである)に、符号化ビットレートを2Mbpsに設定する。
【0026】
2.フレームをビデオエンコーダに伝送し始め、隣接するフレームのタイムスタンプの間隔はフレームレートに対応しなければならず、例えば、第一のフレームの時間が0msであり、第二のフレームの時間が33.33msであり、第三のフレームの時間が66.66msであって、同じように、この場合のビデオエンコーダにより出力するビデオ符号化ビットレートは設定した符号化ビットレートと一致し、2Mbpsである。
【0027】
3.出力の符号化ビットレートを4Mbpsに切り換える必要がある場合、隣接するフレームのタイムスタンプの間隔が66.66msである方式に従って、ビデオエンコーダに伝送する各フレームのタイムスタンプを変更する。例えば、すでにビデオエンコーダに伝送された直近の一つのフレームの実際タイムスタンプが2000msであると、通常、次のフレームのタイムスタンプは2033.33ms(フレーム間隔が33.33msである)となるが、フレーム間隔が66.66msに達するようにするためには、現在フレームのタイムスタンプを2066.66msに変更して、ビデオエンコーダに伝送する。
【0028】
4.正確なタイムスタンプと変更後のタイムスタンプのマッピングテーブルを作成する。
【0029】
5.変更しようとするフレームのオリジナルタイムスタンプと変更後のタイムスタンプを、マッピングテーブルに相応して加える。
【0030】
6.ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、受信したフレームに表記のタイムスタンプによって、マッピングテーブルの中で検索を行い、対応するオリジナルタイムスタンプを見つける。
【0031】
7.出力するフレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる。
【0032】
ビデオエンコーダに伝送するフレームは、隣接するフレームのタイムスタンプが66.66msに変わったため、ビデオエンコーダにおいて、入力のフレームシーケンシャルは毎秒15フレームに変わる。このため、元々30フレームに配分してきた出力バイト(2Mbit)が、現在は15フレームに配分されるので、毎秒あたりのバイトが変わらないようにするためには、フレームごとの大きさが平均して元の2倍に増大される。
【0033】
上記方法によれば、符号化中のいずれの段階でも、ビデオエンコーダの実際の出力符号化ビットレートが実際符号化ビットレートであるように制御することができる。
【0034】
本実施形態において、ビデオ再生中に符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更させ、ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させることにより、ビデオエンコーダの出力フレームの実際の符号化ビットレートを制御する。既存のビデオエンコーダを閉じる必要がなく、新しいビデオエンコーダの作成、設定が可能であるため、再開中の符号化の中断を起こすことなく、ライブ配信など即時性の高い応用場面であっても、符号化の中断による詰まりが発生せず、切り替えが非常にスムーズに行われる。
【0035】
[第二の実施形態]
図2に示すように、本発明の第二の実施形態によるビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御装置は、
ビデオ再生中において、符号化ビットレートを切り替える必要がある場合、切り替え中にビデオエンコーダへ伝送しようとするフレームのタイムスタンプを変更する変更モジュール11と、
タイムスタンプが変更されたフレームをビデオエンコーダに伝送する伝送モジュール12と、
ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、出力フレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる回復モジュール13とを含んでいる。
【0036】
本実施形態において、変更モジュール11は、
ビデオ再生中に第一の符号化ビットレートを第二の符号化ビットレートに切り替える必要がある場合、第一の符号化ビットレートに対応する第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔を、第二の符号化ビットレートに対応する第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔に変更する第一の変更サブモジュールを含み、ここで、第二の符号化ビットレートと第一の符号化ビットレートの比は、第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔と第一の隣接フレームのタイムスタンプ間隔の比に等しくなっており、
すでにビデオエンコーダに伝送した直近の一フレームの実際タイムスタンプと、第二の隣接フレームのタイムスタンプ間隔とによって、現在フレームのタイムスタンプを変更する第二の変更サブモジュールを含んでいる。
【0037】
また、本実施形態において、回復モジュール13は、
正確なタイムスタンプと変更後のタイムスタンプのマッピングテーブルを作成する作成ユニットと、
変更しようとするフレームのオリジナルタイムスタンプと変更後のタイムスタンプを前記マッピングテーブルに相応して加える添加ユニットと、
ビデオエンコーダにより出力するフレームの各々に対し、受信したフレームに表記のタイムスタンプによって、マッピングテーブルの中で検索を行い、対応するオリジナルタイムスタンプを見つける検索ユニットと、
出力したフレームのタイムスタンプをオリジナルタイムスタンプに回復させる回復サブユニットとを含んでいる。
【0038】
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態によるコンピューター読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータープログラムが記憶されており、そのコンピュータープログラムを処理装置により実行する際、本発明の第一の実施形態に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法を実現する。
【0039】
[第四の実施形態]
図3は、本発明の第四の実施形態によるビデオサーバーの構成を示す概略図であり、本実施形態によるビデオサーバー100は、一つ又は複数の処理装置101と、記憶装置102と、一つ又は複数のコンピュータープログラムとを含んでおり、
一つ又は複数のコンピュータープログラムは、記憶装置102に記憶されて、一つ又は複数の処理装置101により実行されるように配置され、処理装置101によりコンピュータープログラムを実行する際、本発明の第一の実施形態に記載のビデオエンコーダに基づく符号化ビットレート制御方法を実現する。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱しない限り、その趣旨に基づいて変更、均等置換または改善することができ、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3