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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20220118BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G01G19/387 D
B65G47/14 101C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020526781
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 JP2018024380
(87)【国際公開番号】W WO2020003410
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-217421(JP,A)
【文献】米国特許第04809843(US,A)
【文献】特開平07-144745(JP,A)
【文献】特開平09-150937(JP,A)
【文献】特開2011-237419(JP,A)
【文献】米国特許第05050370(US,A)
【文献】米国特許第04203269(US,A)
【文献】特開平08-268544(JP,A)
【文献】実公昭49-012788(JP,Y1)
【文献】特開昭49-050680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
B65G 1/00-69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形に配置された複数の計量ユニットを有すると共に、組合せ演算よって選択された前記計量ユニットから排出される物品を集合ホッパに一時保持して前記集合ホッパから排出する組合せ秤と、前記集合ホッパから排出される物品を、整列させると共に、振動搬送する整列搬送部とを備え
前記整列搬送部は、前記集合ホッパから排出される前記物品が投入される集合トラフと、前記集合トラフを振動させて、前記物品を前記集合トラフの長手方向へ振動搬送する加振機とを有し、前記集合トラフは、窪んで湾曲した底部を有し、
前記整列搬送部は、前記物品の搬送方向に沿って配置された複数の前記集合トラフと、前記複数の集合トラフの前記物品の搬送方向の各終端にそれぞれ設けられて、前記集合トラフの各搬送路をそれぞれ開閉する複数のシャッタとを有する、
組合せ計量装置。
【請求項2】
前記整列搬送部は、前記複数の集合トラフの内、前記物品の搬送方向の最も下手側の前記集合トラフの前記物品を押し出して排出するプッシャーを有する、
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記集合トラフが、断面U字状である、
請求項1または2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記組合せ秤と前記整列搬送部との間に配置されて、前記組合せ秤の前記集合ホッパから排出される前記物品を複数個所に振分け排出する振分け部を更に備え、
前記整列搬送部を、前記振分け部で振分け排出される前記複数個所に対応して複数備える、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記組合せ秤の前記集合ホッパは、前記物品を2つの排出経路に選択排出可能であり、
前記振分け部は、前記2つの前記排出径路に排出された物品をそれぞれ流下案内する2つの振分けシュートと、各振分けシュートによって流下案内された物品を一時保持すると共に、2つの排出経路に選択排出可能な2つの振分けホッパとを備え、
前記複数の各整列搬送部は、前記2つの各振分けホッパの2つの各排出経路に個別的に対応する、
請求項4に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に係り、更に詳しくは、比較的柔らかくて細長い物品の計量に好適な組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細長い棒状の物品を対象とする組合せ計量装置としては、例えば、特許文献1に記載された装置がある。この特許文献1の装置では、組合せ計量した棒状の物品を、集合ロートを介して下窄まりの縦向き筒状に形成された集合シュートに導いた後、揺動ガイド筒及びガイド筒に供給する。供給された棒状の物品を、縦向き姿勢で揺動ガイド筒及びガイド筒を挿通した状態で収容保持し、揺動ガイド筒を揺動させて物品の重なりを解消する。その後、ガイド筒の下端に備えたシャッタ板を水平に開放することで、縦向き姿勢の物品を下方に落下排出するようにしている。
【0003】
特許文献2には、組合せ計量した棒状の物品を、整列させる装置が記載されている。この特許文献2の装置では、組合せ計量した棒状の物品を、下方へ向かって狭まりながら延びるスロートを有する配列用シュートに沿って滑落移動させる間に、姿勢を変えて整列用トレーに所望の倒れ姿勢で収容する。収容した棒状の物品を、整列用トレーの底のゲートを水平にスライド開放することによって、収容姿勢を保持したまま落下排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-271327号公報
【文献】特開平10-273112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、多少の衝撃によって曲がったり折れたりすることのない硬めの棒状物品を組合せ計量の対象とするものであり、例えば、鱈のすり身を主原料とする乾燥シートの間にチーズを挟んで細長く切断したチーズタラあるいはジャーキー等の比較的柔らかくて細長い物品に適用するのは困難である。すなわち、特許文献1の装置で、比較的柔らかくて細長い物品を計量しようとすると、最終段のガイド筒に縦姿勢で落下収容される際に、その落下衝撃によって物品が曲がったり折れたりするおそれがある。このため、計量した物品を整列した状態で好適に排出するのは難しい。
【0006】
特に、チーズタラ等の食品は、外部から目視可能に透明な包装袋等に封止されて販売されることが多く、曲がったり折れたりしたものが混じっていると商品価値が下ってしまう。
【0007】
また、特許文献2も、スティックパンのような硬めの棒状物品を対象とするものであり、比較的柔らかくて細長い物品を整列させて排出するのは困難である。すなわち、チーズタラのように比較的柔らかく、かつ、湿り気があって滑り抵抗が大きい細長い物品を、下方へ向かって狭まりながら延びるスロートを有する配列用シュートに沿って滑落移動させながら整列させて姿勢変更するのは難しい。
【0008】
このため、従来より、チーズタラのような柔らかい細長い物品の計量包装は、人手によって行われている。具体的には、作業者がトレー上に物品を整列させて載せると共に、台秤等で計量し、包装材に載荷あるいは挿入して包装材をシールするといったように、計量、整列及び包装を手作業で行っている。
【0009】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、比較的柔らかくて細長い物品を計量して、整列した状態で搬出することができる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明に係る組合せ計量装置は、円形に配置された複数の計量ユニットを有すると共に、組合せ演算よって選択された前記計量ユニットから排出される物品を集合ホッパに一時保持して前記集合ホッパから排出する組合せ秤と、前記集合ホッパから排出される物品を、整列させると共に、振動搬送する整列搬送部とを備え、前記整列搬送部は、前記集合ホッパから排出される前記物品が投入される集合トラフと、前記集合トラフを振動させて、前記物品を前記集合トラフの長手方向へ振動搬送する加振機とを有し、前記集合トラフは、窪んで湾曲した底部を有し、前記整列搬送部は、前記物品の搬送方向に沿って配置された複数の前記集合トラフと、前記複数の集合トラフの前記物品の搬送方向の各終端にそれぞれ設けられて、前記集合トラフの各搬送路をそれぞれ開閉する複数のシャッタとを有する。
【0012】
本発明によると、組合せ秤の集合ホッパから排出される物品は、整列搬送部によって、振動搬送されながら整列するので、例えば、チーズタラやジャーキー等の比較的柔らかくて細長い物品であっても、曲がったり折れたりすることなく、整列させて、後段の包装処理工程等へ搬出することが可能となる。
【0013】
本発明によると、細長い物品は、振動搬送されながら、窪んで湾曲した集合トラフの底部に沿って積層集合すると共に、その長手方向が、集合トラフの長手方向に沿った姿勢に整列される。
本発明によると、各集合トラフで振動搬送される物品が、終端のシャッタによって受け止められて、先端が揃った状態で整列される。また、複数の集合トラフによって、段階的に整列状態を整えることができ、物品の搬送方向の最も下手側に配置された集合トラフから搬出される物品は、向き及び端部が揃った良好な整列状態となる。
【0014】
(2)本発明の他の実施態様では、前記整列搬送部は、前記複数の集合トラフの内、前記物品の搬送方向の最も下手側の前記集合トラフの前記物品を押し出して排出するプッシャーを有する。
この実施態様によると、整列搬送部の物品の搬送方向の最も下手側の集合トラフから排出される物品は、プッシャーで押圧されて一挙に排出されることになり、振動搬送のみで排出する場合に比べて排出時間が短く、かつ、物品の端部が揃った状態で排出することができる。
【0015】
(3)本発明の他の実施態様では、前記集合トラフが、断面U字状である。
【0016】
この実施態様によると、集合トラフに投入された物品は、振動搬送されながら、集合トラフのU字状の断面に沿って積層集合すると共に、その長手方向が集合トラフの長手方向に沿った姿勢に円滑に整列する。
【0021】
)本発明の更に他の実施態様では、前記組合せ秤と前記整列搬送部との間に配置されて、前記組合せ秤の前記集合ホッパから排出される前記物品を複数個所に振分け排出する振分け部を更に備え、前記整列搬送部を、前記振分け部で振分け排出される前記複数個所に対応して複数備える。
【0022】
この実施態様によると、組合せ秤の集合ホッパから排出される物品を、振分け部において複数個所の各整列搬送部にそれぞれ振分けて、複数系統の各整列搬送部において整列搬送するので、1系統で整列搬送する場合に比べて、組合せ秤を高速作動させて効率の高い計量処理を行うことができる。
【0023】
つまり、整列搬送部で物品の整列と搬送を行う場合、搬送速度を高くするのが難しいが、複数系統での整列列搬送を行うことで、各整列搬送径路において整列に好適な搬送速度で振動搬送を行いながら、組合せ秤で高速な計量処理を行うことができ、生産性を高めることができる。
【0024】
)本発明の他の実施態様では、前記組合せ秤の前記集合ホッパは、前記物品を2つの排出経路に選択排出可能であり、前記振分け部は、前記2つの前記排出径路に排出された物品をそれぞれ流下案内する2つの振分けシュートと、各振分けシュートによって流下案内された物品を一時保持すると共に、2つの排出経路に選択排出可能な2つの振分けホッパとを備え、前記複数の各整列搬送部は、前記2つの各振分けホッパの2つの各排出経路に個別的に対応する。
【0025】
この実施態様によると、組合せ秤の集合ホッパから排出される物品を、振分け部において、4つの各整列搬送部にそれぞれ振分けて、4系統の各整列搬送部において整列搬送できるので、1系統で整列搬送する場合に比べて、効率の高い計量及び整列搬送を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、比較的柔らかくて細長い物品を計量し、整列させた状態で搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の斜視図である。
図2図2図1の組合せ計量装置の正面図である。
図3図3図1の組合せ計量装置の側面図である。
図4図4は振分け部及び整列搬送部を示す斜視図である。
図5図5は整列搬送部の縦断側面図である。
図6図6は整列搬送部の上段の集合トラフを示す斜視図である。
図7図7は整列搬送部の上段の集合トラフを示す正面図である。
図8図8は整列搬送部の中段の集合トラフを示す斜視図である。
図9図9は整列搬送部の下段の集合トラフを示す斜視図である。
図10図10は整列搬送部の下段の集合トラフを示す縦断正面図である。
図11図11は本発明の他の実施形態の下段の集合トラフを示す一部切欠き斜視図である。
図12図12図11の集合トラフを分解した斜視図である。
図13図13図11の集合トラフを示す縦断側面図である。
図14図14図11の集合トラフを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の斜視図であり、図2は、図1の組合せ計量装置の正面図であり、図3は、図1の組合せ計量装置の側面図である。
【0030】
この実施形態の組合せ計量装置は、例えば、鱈のすり身を主原料とする乾燥シートの間にチーズを挟んで細長く切断したチーズタラあるいはジャーキーなどの比較的柔らかくて細長い物品を計量して搬出するのに好適な組合せ計量装置である。
【0031】
この組合せ計量装置は、チーズタラ等の物品を組合せ計量して排出する組合せ秤1と、組合せ秤1から排出された所定重量範囲の物品を複数個所(この例では4箇所)に振分ける振分け部2と、振分け部2によって複数個所に振分けられた物品のそれぞれを、整列させながら複数系統(この例では4系統)の径路でそれぞれ振動搬送して搬出する複数(この例では4つ)の整列搬送部3を備えている。
【0032】
なお、以下においては、説明の便宜上、図2における左右方向、及び、図3における紙面表裏方向を左右方向と呼称し、図2における紙面表裏方向、及び、図3における左右方向を前後方向と呼称することにする。
【0033】
組合せ秤1は、作業者が登り降り可能に立設された基台4上に設置され、振分け部2と整列搬送部3は、その下方の床面上に設置されている。
【0034】
組合せ秤1は、供給装置5によって上部中央から落下供給された物品を振動によって放射状に分散搬送する円錐形の分散フィーダ6、分散フィーダ6によって分散搬送された物品を外方に向けて直線的に振動搬送する多数台(この例では14台)のリニアフィーダ7、各リニアフィーダ7の終端下方に平面視で円形に配備された多数連(この例では14連)の計量ユニット8を備えている。
【0035】
各計量ユニット8は、リニアフィーダ7からの物品を受け取って一時保持する供給ホッパ9と、供給ホッパ9から排出された物品を受け取ってその重量を計測する計量ホッパ10とを備えている。分散フィーダ6の周囲に円形に配置された多数連の計量ユニット8の下方には、各計量ホッパ10から排出された物品を装置の中心下方に向けて流下案内する集合シュート11、集合シュート11に沿って流下してきた物品を一か所に集める集合ファネル12、及び、集合ファネル12で集められた物品を受け取って一時収容保持する集合ホッパ13が配備されている。この実施形態では、各フィーダ6,7、集合シュート11、集合ファネル12、及び、各ホッパ9,10,13は、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0036】
組合せ秤1では、従来と同様に組合せ計量を行う。すなわち、組合せ秤1の制御装置(図示せず)は、複数の計量ホッパ10で計量された物品の重量を種々に組合せた組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい又は目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲となる計量ホッパ10の組合せである適量組合せを選択する組合せ演算を行う。この組合せ演算で適量組合せとして選択した計量ホッパ10の物品を排出する。これによって、集合ホッパ13に所定重量範囲の物品が一時収容保持される。
【0037】
図4に示すように、集合ホッパ13は、それぞれ独立に互いに反対方向に開閉する左右一対のゲート13a,13bを備えている。これらゲート13a,13bのいずれか一方13a(13b)を、選択して開放作動させることによって、一時保持した所定重量範囲の物品を左右の排出径路に選択して分配排出するようになっている。
【0038】
前記振分け部2は、集合ホッパ13で分配排出された所定重量範囲の物品を更に左右に離れた2箇所に流下案内する左右の振分けシュート21と、各振分けシュート21で案内された所定重量範囲の物品を受け取って一時保持する一対の振分けホッパ22とを備えている。
【0039】
各振分けホッパ22も、集合ホッパ13と同様に、独立に開閉する左右のゲート22a,22bを選択して開放作動させることで、保持した物品を左右の排出径路に選択して振分け排出することができる。すなわち、組合せ秤1の集合ホッパ13から分配排出された所定重量範囲の物品が、振分け部2で更に振り分けられて、左右方向の4箇所に固定配備された分配シュート23に供給されるようになっている。
【0040】
振分け部2の4つの分配シュート23に対応して、左右方向に並列された4つの整列搬送部3が設けられ、これら整列搬送部3によって、4系統の整列搬送径路が構成される。各整列搬送部3は、下方へ湾曲した底部を有する3つの集合トラフ31,32,33を備えている。
【0041】
各整列搬送部3の3つの集合トラフ31,32,33は、図5に示すように、物品の搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配備されている。各集合トラフ31,32,33は、電磁式の加振機34,35,45にそれぞれ脱着可能に連結され、各集合トラフ31,32,33をそれぞれ任意の振動振幅及び振動時間等で個別に振動駆動することができるようになっている。
【0042】
なお、物品の搬送方向の最も上手側の上段、及び、次の中段の集合トラフ31,32が、若干先下がり傾斜した姿勢で設置されているのに対して、物品の搬送方向の最も下手側の下段の集合トラフ33は前後水平姿勢に設置されている。
【0043】
図6は、整列搬送部3の上段の集合トラフ31を示す斜視図であり、図7は、その正面図であり、図8は、整列搬送部3の中段の集合トラフ32を示す斜視図である。また、図6及び図8では、1個の物品wのみを代表的に示している。
【0044】
これら集合トラフ31,32は、窪んで湾曲した下窄まりの底部を有し、上方が開放した断面形状がU字状のトラフ本体31a,32aを、支持板31b,32bで取り囲んで補強支持した構造となっている。支持板31b,32bは、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設された構造となっている。支持板31b,32bの下面に連結した連結台31c,32cを、図5に示す加振機34,35の振動ヘッド部34a,35aに位置決め係止して、バックル形の締結具36で脱着可能に連結するようになっている。なお、上段、及び、中段の集合トラフ31,32における後端(物品の搬送方向上手側の端)には、壁板31d,32dが備えられ、供給された物品がトラフ後端から外部にこぼれ落ちることが防止されている。
【0045】
集合トラフ31,32の前端部(物品の搬送方向下手側の端部)には、支持板31b,32bに連設された縦向きのレール部37,38が左右内向きに対向して配備されている。各レール部37,38に、集合トラフ31,32における搬送路をそれぞれ開閉するシャッタ39,40が、上下動可能に案内支持されている。シャッタ39,40は、正面の外形形状が、集合トラフ31,32のU字の外形に沿った形状となっている。
【0046】
シャッタ39,40は、トラフ脇において縦姿勢で固定配備されたエアシリンダ41,42に、ステー43,44を介して連結されており、昇降開閉されるようになっている。
【0047】
各集合トラフ31,32は、基本的に常時振動駆動されており、各シャッタ39,40の開閉によって、物品wの排出が制御される。
【0048】
図9は、整列搬送部3の下段の集合トラフ33を示す斜視図であり、図10は、その縦断正面図である。
【0049】
この集合トラフ33のトラフ本体33aは、底板の幅方向(左右方向)の両端から一対の側板が立設されると共に、平坦な底板の左右中央に、搬送方向に沿って延びる低い仕切り壁33eを備えている。
【0050】
また、トラフ本体33aの下面に取り付けた連結台33cを、図5に示される加振機45の振動ヘッド部45aに位置決め係止して、バックル形の締結具46で脱着可能に連結するようになっている。
【0051】
トラフ本体33aの前端部(物品の搬送方向下手側の端部)には、縦向きのレール部47が備えられている。このレール部47に、集合トラフ33における搬送路を開閉するシャッタ48が上下動可能に案内支持されている。このシャッタ48は、その正面の外形形状が、集合トラフ33の外形に沿った矩形となっている。シャッタ48は、トラフ横脇において縦姿勢に立設固定されたエアシリンダ49にステー50を介して連結されており、昇降開閉されるようになっている。
【0052】
更に、下段の集合トラフ33の上方には、前方(搬送方向)に向けて片持ち状に固定配備された支持フレーム51を介して前後水平に電動スライダ52が配備されている。この電動スライダ52のスライド部52aに連結されて下方に延出されたステー53の下端部に、トラフ本体33aの底部に沿って前後移動可能なプッシャー54が備えられている。なお、プッシャー54の左右中間部には、集トラフ本体33aの仕切り壁33eに跨るスリット54aが形成されている。
【0053】
集合トラフ33は、基本的に常時振動駆動されており、シャッタ48の開放に連動するプッシャー54の前方への進出移動によって、物品wを一挙に排出する。
【0054】
この実施形態では、整列搬送部3の各集合トラフ31,32,33のトラフ本体31a,32a,33a、シャッタ39,40,48、及び、振分け部2の各シュート21,23、振分けホッパ22は、図示していないが、物品との摩擦を低減するためにエンボス加工が施されている。
【0055】
本実施形態に係る組合せ計量装置は以上のように構成されている。次に、この組合せ計量装置の動作を説明する。
【0056】
組合せ秤1の集合ホッパ13から排出された所定重量範囲の物品は、4つの整列搬送部3の物品の排出状況に応じて、振分け部2で左右方向の4箇所のいずれかの整列搬送部3の始端部に供給される。
【0057】
整列搬送部3に供給された所定重量範囲の物品は、先ず、上段の集合トラフ31において振動作用を受け、細長い物品はその長手方向が前後方向に向かう姿勢に振動整列されながら前進搬送され、閉じ位置にあるシャッタ39に受止められ、前端が揃えられた状態で前進が停止する。
【0058】
次に、シャッタ39が開かれることで、物品は中段の集合トラフ32に振動搬送されて供給される。中段の集合トラフ32に供給された物品は、振動作用を受け、整列されながら前進搬送されて閉じ位置にある中段のシャッタ40に受止められて、前端が揃えられた状態で前進が停止する。
【0059】
次に、シャッタ40が開かれることで、集合トラフ32の物品は、下段の集合トラフ33に振動搬送されて供給される。下段の集合トラフ33に供給された物品は、更に振動作用を受け、整列されながら前進搬送されて閉じ位置にある下段のシャッタ47に受止められて前進が停止する。この時、下段の集合トラフ33に移載された物品は、仕切り壁33eによって、その長手方向が横向きになるのを阻止され、物品の長手方向が、前後方向へ向かう整列状態で保持される。
【0060】
次に、下段のシャッタ48が開かれると共に、集合トラフ33の始端部で待機していたプッシャー54が前進作動し、これによって物品は、下段の集合トラフ33から整列状態のまま一挙に押出される。
【0061】
なお、下段の集合トラフ33の排出箇所には、例えば、ロボットアーム等に支持された搬送具が待機しており、集合トラフ33から排出された物品は、一旦搬送具に整列状態で受け取られた後、所定の包装ラインに運び込まれ、浅い箱形パッケージなどに供給装填され、その後、包装工程において封止される。
【0062】
この実施形態では、図3等に示されるように、振分け部2における振分けシュート21は、電動スライダ25によって前後に移動可能に構成されると共に、振分けシュート21の背部にはリジェクトシュート24が連結されている。例えば、計量ホッパ10に、適量組合せに選択されにくい過量の物品が供給されたような場合には、その計量ホッパ10から過量の物品を集合ホッパ13に排出する。更に、図3中の仮想線で示すように、振分けシュート21及びリジェクトシュート24を前方に一体移動させて、リジェクトシュート24が組合せ秤1における集合ホッパ13に臨むようにし、集合ホッパ13から過量の物品をリジェクトシュート24に排出し、リジェクトシュート24を介して回収容器などに回収する。
【0063】
本実施形態では、集合ホッパ13から排出される物品を、整列搬送部3の集合トラフ31,32,33によって、振動搬送しながら段階的に整列させることができると共に、各集合トラフ31,32,33のシャッタ39,40,48によって、物品の先端を揃えることができるので、最終段の集合トラフ33から搬出される際の物品は、向き及び端部の揃った良好な整列状態となる。
【0064】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0065】
(1)例えば、下段の集合トラフ33を、図11図14に示す形態に構成することもできる。すなわち、この実施形態では、底板の幅方向(左右方向)の両端から一対の側板が立設されたトラフ本体33aの前半部に、後半部底面より高く、かつ、後半部横幅より幅狭の搬送通路を有する前半部底板33fが備えられる。更に、左右中央部位には、前半部底板33fと後半部底面とに亘る仕切り壁33eが立設されている。仕切り壁33eの上端は、前半部底板33fよりも高く設定され、前半部底板33fにおける仕切り壁33eの上端辺は、搬送方向に向けて次第に高くなるよう傾斜されている。これによって、前半部底板33fの搬送通路に供給された物品が、仕切り壁33eの傾斜上端辺によって円滑に左右に振分け案内されながら後方に振動搬送されるようになっている。
【0066】
また、プッシャー54は、前半部底板33fより低い位置において、仕切り壁33eの左右両脇に分断されている。この分断されたプッシャー54が、電動スライダ52で前後に駆動移動されるステー53の左右下端部に、それぞれ連結支持されている。左右に分断されたプッシャー54には、トラフ本体33aの側板に添う側板部54bと、トラフ本体33aの底面に添う底板部54cとが備えられている。これによって、プッシャー54が進出作動することで、トラフ後半部にある物品を掬い込みながら押出し排出する。
【0067】
なお、前半部底板33fの後端左右箇所には、後退移動したステー53が入り込む切欠きkが形成されており、後退したプッシャー54が、前半部底板33fの後端部下方に潜り込んで待機するようになっている。
【0068】
(2)整列搬送部3における上段の集合トラフ31のみを断面形状がU字状のものにし、中段の集合トラフ32を、下段の集合トラフ33と同様に、底板の幅方向の両端から一対の側板が立設されると共に、底板の左右中央に仕切り壁を備えるものにして実施することもできる。
【0069】
(3)整列搬送部3における3つの集合トラフ31,32,33を、全て断面形状がU字状のものにして実施してもよい。
【0070】
(4)整列搬送部3における少なくとも上段の集合トラフ31の縦断面形状を窪んで湾曲すると共に、上拡がりに開放されたV字形に形成してもよい。
【0071】
(5)振分け部2における振分けシュート21の下端に単純に開閉するゲートを備えて、物品を2箇所に振分け排出するよう構成すると共に、振分け部2によって振分け排出された物品を振動搬送する2系統の整列搬送部3を備えた形態で実施することもできる。
【0072】
(6)特に高速の処理が要求されない場合には、振分け部2を省略して、組合せ秤1から排出された物品を、単一の整列搬送部3に供給する形態で実施することも可能である。
【0073】
(7)整列搬送部3を構成する集合トラフは3台に限らず、3台未満あるいは4台以上であってもよい。
【0074】
(8)計量ユニット8は、供給ホッパ9及び計量ホッパ10を備える構成に限らず、他のホッパ、例えば、計量ホッパ10で計量されて、該計量ホッパ10から排出された物品を貯留して排出するメモリホッパを備える構成であってもよい。この場合、計量ホッパ10及びメモリホッパを組合せ演算の対象とし、適量組合せとしてメモリホッパも選択することができる。
【0075】
(9)本発明は、比較的柔らかくて細長いチーズタラのような細長い物品の計量搬出に特に好適に利用できるものであるが、スティックパンのような比較的硬く細長い物品の計量搬出にも利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 組合せ秤
2 振分け部
3 整列搬送部
8 計量ユニット
13 集合ホッパ
21 振分けシュート
22 振分けホッパ
24 リジェクトシュート
31 集合トラフ
32 集合トラフ
33 集合トラフ
39 シャッタ
40 シャッタ
48 シャッタ
54 プッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14