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  • 特許-温度センサ 図1
  • 特許-温度センサ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】温度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/16 20060101AFI20220118BHJP
   G01K 7/22 20060101ALI20220118BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20220118BHJP
【FI】
G01K1/16
G01K7/22 Z
G01K1/14 L
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020542250
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2019051160
(87)【国際公開番号】W WO2019154603
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】102018102600.5
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TDK ELECTRONICS AG
【住所又は居所原語表記】Rosenheimer Strasse 141e, 81671 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バード, オリバー
(72)【発明者】
【氏名】グルンドマン, ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シャッツ, ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】コー, アブラハム
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-109496(JP,A)
【文献】登録実用新案第3060490(JP,U)
【文献】特開2006-030030(JP,A)
【文献】特開2002-340692(JP,A)
【文献】特開2000-088673(JP,A)
【文献】特開2001-141573(JP,A)
【文献】特開2017-223555(JP,A)
【文献】特開2012-159332(JP,A)
【文献】特開2001-249056(JP,A)
【文献】特開2000-052365(JP,A)
【文献】特開2001-208616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0140312(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ンサ素子(2)と、前記センサ素子(2)を取り囲むカバー(4)と、前記センサ素子(2)を取り囲むと共に前記カバー(4)によって覆われたリング(5)と、を備える温度センサ(1)と、
前記温度センサ(1)と接続された制御ユニットと、を備える装置であって、
前記温度センサ(1)の応答挙動は、前記リング(5)の材料の適切な選択を通じて、前記制御ユニットの応答挙動に適合されている、装置
【請求項2】
前記温度センサ(1)は、更に、ハウジング(3)を備え、
前記センサ素子(2)、前記リング(5)及び前記カバー(4)は、前記ハウジング(3)の内部に配置されている、請求項1に記載の装置
【請求項3】
前記リング(5)は、前記カバー(4)より高い熱伝導率を有する、請求項1又は2に記載の装置
【請求項4】
前記リング(5)はセラミック材料を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置
【請求項5】
前記リング(5)は前記カバー(4)より低い熱伝導率を有する、請求項1又は2に記載の装置
【請求項6】
前記リング(5)の材料はプラスチックを含む、請求項1、2又は5に記載の装置
【請求項7】
前記リング(5)は、前記カバー(4)を介して前記センサ素子(2)に固定されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置
【請求項8】
前記リング(5)と前記センサ素子(2)とは、別個の部品である、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置
【請求項9】
前記リング(5)は、前記センサ素子(2)に嵌め込まれている、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置
【請求項10】
前記リング(5)は、前記センサ素子(2)のリード線(2b、2c)を部分的に覆っている、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置
【請求項11】
前記センサ素子(2)は、NTC材料から成るセンサヘッド(2a)を備え、
前記リング(5)は、前記センサヘッド(2a)の前記リード線(2b、2c)との接点(6)を覆っている、請求項10に記載の装置
【請求項12】
前記カバー(4)は、熱伝導性ペーストから製造されているか、又は、
前記カバー(4)は、熱伝導性のグラウトを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置
【請求項13】
前記温度センサ(1)は、家庭用小型機器、自動車分野又は暖房技術において使用するための温度プローブである、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
熱伝導性のグラウト(Verguss)又は熱伝導性ペーストを介してハウジングと接続された配線付きのNTC抵抗を備える温度センサが慣用されている。グラウト又は熱伝導性ペーストの材料としては、導電性でないものが選択されなければならない。市場で入手可能なそのようなグラウト材料は、限定された熱伝導率を有する。限定された熱伝導率に起因して、温度センサの応答時間、及びしたがって応答挙動は、同様に制限されている。その際、温度センサの応答挙動は、特に、その応答時間、すなわち温度変化又は抵抗変化がセンサによって測定されるまでに経過する時間によって、決定され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、改良された温度センサを提供することである。例えば、温度センサの応答挙動に所望の態様で影響を及ぼし得ることが可能となるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
センサ素子と、センサ素子を取り囲むカバーと、を備え、更に、センサ素子を取り囲むと共にカバーによって覆われたリングを備える、温度センサが提案される。
【0005】
センサ素子は、配線付きのNTC素子であることができる。センサ素子は、NTC材料から成るセンサヘッドと、センサヘッドと接続されたリード線と、を備えることができ、当該リード線を介してセンサヘッドに電圧を印加することができる。
【0006】
カバーの材料としては、センサ素子の短絡を防止するために、導電性でないものが選択されなければならない。カバーの材料の熱伝導率は、温度センサの応答速度に影響を及ぼす。カバーは、グラウト材料又は熱伝導性ペーストから製造することができる。
【0007】
リングは、センサ素子を取り囲むと共に、カバーによって覆われている。リングは、カバーの熱伝導率とは異なる熱伝導率を有することができる。それにより、センサ素子を取り囲む構成要素、すなわちカバー、リング及び場合によってはハウジングの熱伝導率は、リングの材料の適切な選択を通じて、システム環境の要求に適合させることができる。特に、リングの材料の適切な選択を通じて、これらの材料の熱伝導率を高く又は低くすることが可能となり得る。それにより、温度センサの応答速度、及びしたがって応答挙動が、リングによって適合され得る。上述した、温度センサの応答速度の構造に起因する制限は、カバーの内部に配置されたリングによって、少なくとも緩和することができる。
【0008】
それに加えて、リングは、センサ素子のための付加的な機械的支持を形成することができる。特に、リングは、リード線がセンサヘッドに固定される接点を、機械的に保護することができる。それにより、リングは、センサ素子をハウジング内に組み込む際にリード線が損傷を受けることを、阻止することができる。リード線の損傷は、例えば、組み込みの際の折れ曲がり又は圧し潰しによって生じ得る。リングがリード線を機械的に保護し得ることにより、リングは、温度センサの耐電圧性を改善することができる。圧し潰し又は折れ曲がりを経験しなかったリード線には、高い電圧を印加することができる。
【0009】
センサ素子、リング及びカバーは、ハウジングの内部に配置することができる。ハウジングは、スリーブ状であることができる。ハウジングは、金属材料から成ることができる。ハウジングは、センサ素子のための機械的な保護を具現し得る。ハウジングの材料は、周囲温度の変化を迅速にセンサ素子に伝えること可能とするために、高い熱伝導率を有することができる。
【0010】
センサ素子は、カバーを介してハウジングと接続することができる。その際、カバー及びセンサ素子は、ハウジングの内部に配置することができる。センサ素子は、カバーを介してハウジングに固定することができる。
【0011】
リングは、カバーよりも高い熱伝導率を有することができる。それに応じて、リングをカバーの内部に配置することにより、温度センサの応答速度を、そのようなリングを備えない温度センサと比較して、高めることができる。より迅速な応答速度は、温度センサの測定精度を向上させることができる。特に、迅速な応答速度を有する温度センサは、同様に迅速な応答速度と、それに応じて短い応答挙動とを有する制御ユニットと組み合わせるのに、好適であり得る。
【0012】
リングは、セラミック材料を含むか、又は、セラミック材料から成ることができる。セラミック材料は高い熱伝導率を有し、それに応じて、センサの短い応答速度を可能とすることに寄与し得る。セラミック材料は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムであることができる。
【0013】
代替的な実施例において、リングは、カバーよりも低い熱伝導率を有する。それにより、センサ素子を取り囲むセンサの構成要素、すなわちハウジング、カバー及びリングが、対応するリングを備えない温度センサの場合と比較して低い全熱伝導率を有することが可能となり得る。それにより、温度センサの応答速度は低下し得る。なぜなら、周囲温度の温度変化は、迅速にはセンサ素子に伝わることができないからである。
【0014】
温度センサの応答速度の低下は、温度センサが、同様に緩慢な応答速度を有する制御ユニットと組み合わされる用途においては、有利である。温度センサ及び制御ユニットの応答速度は、互いに可能な限り良好に適合されるべきである。
【0015】
リングの材料は、例えば、プラスチックを含むか、又は、プラスチックから成ることができる。プラスチックは、慣用されているグラウト材料と比較して、低い熱伝導率を有する。それに応じて、プラスチックを含むか又はプラスチックから成るリングによって、温度センサの応答挙動が低速化され得る。
【0016】
リングは、カバーを介してセンサ素子に固定することができる。リングとセンサ素子とは、特に別個の部品であることができる。リングは、温度センサの組み立ての際、センサ素子に嵌め込むことができる。例えばグラウト又は熱伝導性ペーストからカバーを形成することによってはじめて、リングは最終的にセンサ素子に固定される。
【0017】
リングとセンサ素子とは、互いに分離した2つの部品であることができるので、温度センサの組み立ての際、それぞれ適切なリングを選択することができ、当該リングの材料によって、温度センサの応答速度が所望の態様で調整される。同一のハウジング、同一のカバー及び同一のセンサ素子が使用され、リングの材料のみが互いに異なる2つの温度センサを構築することが可能である。2つのそのような温度センサは、異なる応答挙動を示す。それに応じて、互いに異なる温度センサを、非常に多くの製造ステップが一致するように製造することができる。このようにして、温度センサの製造は、非常に効率的な方法で実行され得る。
【0018】
リングは、センサ素子のリード線を、部分的に覆うことができる。リングは、特に、センサ素子のリード線との接点を覆うことができる。センサ素子は、配線付きのNTC抵抗であることができる。その際、センサ素子は、薄くて長い導線をリード線として備えることができ、その場合、製造プロセスの間にこれらのリード線が損傷を受ける危険が存在する。リングによって、リード線は、付加的に、例えば折れ曲がり又は圧し潰しのような機械的な損傷から保護され得る。
【0019】
カバーは、熱伝導性ペーストから製造することができる。代替的に、カバーは、熱伝導性のグラウトを含むことができる。
【0020】
温度センサは、家庭用小型機器、自動車分野又は暖房技術において使用するための温度プローブであることができる。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、温度センサと、温度センサと接続された制御ユニットと、を備える装置に関する。その際、温度センサは、特に、上述した温度センサであることができる。
【0022】
制御ユニットは、例えば制御回路を制御することができる。温度センサによって確定された温度は、入力変数として制御ユニットによって考慮され得る。特に、制御ユニットは、温度センサによって確定された温度に依存する制御信号を出力することができる。
制御ユニットによって制御回路の変数が変更されると、それにより、温度が変化し得る。この温度変化は、再び温度センサによって確定され、制御ユニットに伝送され得る。このようにして、制御ユニットは、温度を永続的に制御し、所望の態様で調整するように構成され得る。その際、温度センサと制御ユニットとの間の最適な協働のためには、温度センサ及び制御ユニットが可能な限り同一の応答挙動を示すことが必要である。したがって、温度センサの応答挙動は、制御ユニットの応答挙動に適合され得る。温度センサの応答挙動の適合は、特に、リングの材料の適切な選択を通じて達成され得る。
【0023】
以下において、本発明の有利な実施例が、図面に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】温度センサの断面を示している。
図2】温度センサを透視図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、温度センサ1の断面を示している。温度センサ1はセンサ素子2を備えている。センサ素子2は、NTC素子である。特に、それは配線付きのNTC素子である。センサ素子2は、NTC材料から成るセンサヘッド2aと、リード線2b、2cと、を備えている。リード線2b、2cは、薄くて長い導線である。センサヘッド2aは2つのリード線2b、2cと接続されており、それらを介してセンサヘッド2aに電圧が印加され得る。
【0026】
センサ素子2は、ハウジング3内に配置されている。ハウジング3は、スリーブ状である。ハウジング3は、金属材料を含む。ハウジング3の金属材料は、高い熱伝導率を有し、それに応じて温度センサ1での使用に好適である。しかしながら、ハウジング3の材料は導電性をも有するので、センサ素子2の高い耐電圧性を可能とし、短絡を防止するために、センサ素子2とハウジング3との間の接触は阻止されなければならない。
【0027】
ハウジング3は、前端3aと、前端3aとは反対側の後端3bと、を備えている。ハウジング3は、その前端3aにおいて閉じられている。センサヘッド2aは、ハウジング3の内部に、且つ、ハウジング3の前端3aの近傍に配置されている。リード線2b、2cは、ハウジングの後端3bから外へ延びている。
【0028】
温度センサ1は、更に、センサ素子2を取り囲むカバー4を備えている。カバー4は、ハウジング3の内部に配置されている。特に、カバー4は、センサヘッド2aと、リード線2b、2cのうちセンサヘッド2aに直接的に固定された部分と、を取り囲んでいる。リード線2b、2cのうちセンサヘッド2aから離れた側の後部は、カバー4によって取り囲まれていない。
【0029】
カバー4は、グラウト又は熱伝導性ペーストであることができる。
【0030】
センサ素子2及びカバー4は、ハウジング3の内部に配置されている。その際、センサ素子2は、カバー4を介してハウジング3と接続され、ハウジング3の内部に固定される。カバー4の材料は、センサ素子2の短絡を防止するために、導電性ではない。カバー4の材料は、温度変化をセンサ素子2に良好に伝えることができるよう、高い熱伝導率を有するべきである。
【0031】
更に、温度センサ1は、センサ素子2を取り囲むリング5を備えている。特に、リング5は、リード線2b、2cがセンサヘッド2aに固定されている接点6を取り囲んでいる。リング5は、部分的にセンサヘッド2aとオーバーラップしている。
【0032】
リング5の材料は、温度センサ1の熱伝導率に影響を及ぼす。温度センサ1の応答速度は、温度センサ1の熱伝導率に直接的に依存する。ハウジング3、カバー4及びリング5が高い全熱伝導率を有する場合、温度変化は非常に迅速にセンサ素子2に伝わることができ、結果的に温度センサ1の応答速度は短くなる。ここでは、ハウジング3、カバー4及びリング5から成るユニットにおける熱伝導率を「全熱伝導率」と称し、当該全熱伝導率は、ハウジング3、カバー4及びリング5の熱伝導率及び材料量によって決定される。
【0033】
それに対して、ハウジング3、カバー4及びリング5から成るユニットが低い全熱伝導率を有する場合、温度変化はセンサ素子2に迅速には伝えられ得ないため、温度センサ1の応答速度は遅くなる。したがって、リングの材料を適切に選択することにより、温度センサ1の応答速度を所望の態様で調整することが可能である。
【0034】
リング5は、例えば、その熱伝導率がカバー4の熱伝導率よりも大きなセラミック材料から成ることができる。それにより、温度センサ1の応答速度は、そのようなリングを備えない温度センサと比較して高められ得る。セラミック材料の熱伝導率は、例えば、3W/mK~40W/mKの範囲にある。セラミック材料は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は他のセラミック材料であることができる。
【0035】
代替的に、リング5は、その熱伝導率がカバー4の熱伝導率よりも低い材料から成ることができる。それにより、温度センサ1の応答速度は、そのようなリング5を備えない温度センサと比較して低下し得る。リング5の材料は、例えば、プラスチックを含むことができる。リング5の材料の熱伝導率は、例えば、0.15W/mK~0.5W/mKの範囲にあることができる。
【0036】
温度センサ1の応答速度を所望の態様で適合させることに加えて、リング5は、温度センサ1の耐電圧性を改善することができる。センサ素子2をカバー4内に組み込む際には、センサ素子が損傷を受ける危険が存在する。特に、センサ素子2が、カバー4のための材料を充填されたスリーブ状のハウジング3内に深く挿入されすぎると、リード線2b、2cが圧し潰され又は折り曲げられる可能性がある。それにより、高い電圧が印加された場合のリード線2b、2cの負荷容量が制限される可能性がある。リード線2b、2cが、組み込みの際、ハウジング3の内面と接触するに至るような態様で折り曲げられ又は圧し潰されると、短絡が生じ得る。
【0037】
センサ素子2をハウジング3内に組み込む際のリード線2b、2cの機械的な損傷を阻止するために、センサ素子2がハウジング内に組み込まれる前に、リング5をセンサ素子2に嵌め込むことができる。その際、リング5は、特に、リード線2b、2cのセンサヘッド2aとの接点6を覆う。それに応じて、リング5は、センサ素子2の機械的に弱い部位を保護する。リングは、カバー4の材料を充填されたハウジング3内にセンサ素子2を組み込む際、リード線2b、2cが折り曲げられ又は圧し潰されることを阻止することができる。それにより、リング5は、センサ素子2が高い電圧を印加され得ること、及び、このようにして温度センサ1の耐電圧性が改善されることを、保証することができる。
【0038】
以下において、温度センサ1の製造方法が説明される。
【0039】
カバー4は、液状又はペースト状の材料として、ハウジング3内に充填されることができる。続いて、リング5が既に嵌め込まれたセンサ素子2が、ハウジング3内に挿入される。その際、リング5は、摩擦力によってセンサ素子2上に保持される。リング5は、この時点において、取り外され得ない状態でセンサ素子2に固定されてはいない。
【0040】
センサ素子2は、少なくともセンサヘッド2a及びリング5が完全にカバー4の材料によって覆われるまで、ハウジング3内に挿入される。次いで、カバー4の材料が硬化される。
【0041】
図2は、温度センサ1を透視図で示している。温度センサ1は、温度プローブである。リード線2b、2cのうちセンサヘッド2aと反対側の端部には、プラグ7が配置されており、当該プラグ7を介して、温度センサ1は、例えば制御ユニットと接続され得る。温度センサ1は、家庭用小型機器、自動車分野又は暖房技術において、使用することができる。
【0042】
センサ素子2を取り囲むリング5を用いることにより、上述したように、温度センサ1の応答速度を所望の態様で調整することができる。特に、応答速度は、制御ユニットの応答速度に適合するように調整することができる。制御ユニットは、制御回路の制御装置であり得る。
【符号の説明】
【0043】
1 温度センサ
2 センサ素子
2a センサヘッド
2b リード線
2c リード線
3 ハウジング
3a 前端
3b 後端
4 カバー
5 リング
6 接点
7 プラグ
図1
図2