(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】電力線通信を有する超音波センサ
(51)【国際特許分類】
G01S 15/87 20060101AFI20220118BHJP
G01S 15/931 20200101ALI20220118BHJP
【FI】
G01S15/87
G01S15/931
(21)【出願番号】P 2020554169
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2019057824
(87)【国際公開番号】W WO2019192919
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】102018107827.7
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】シルビオ、サロモン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ユング
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン、イェーガー
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/130725(WO,A1)
【文献】特開2013-083569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0277297(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0034883(US,A1)
【文献】国際公開第2010/025864(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(111)用の距離検出システム(110)に使用される超音波センサ(112)であって、少なくとも1つの別の超音波センサ(112)とともに設置されるように設計される超音波センサ(112)において、
前記超音波センサ(112)は、給電用リード線(116)に接続するための第1入力部(114)を有し、
前記超音波センサ(112)は、前記車両(111)のアース電位(120)に接続するための第2入力部(118)を有し、
前記超音波センサ(112)は、前記給電用リード線(116)に接続するための
出力部(122)を有し、
前記超音波センサ(112)は、変調されて前記給電用リード線(116)に伝えられたデータ信号を前記第1入力部(114)を介して受信するとともに、データ信号を変調して前記出力部(122)を介して前記給電用リード線(116)に送るように設計され
、
前記超音波センサ(112)は、初期化メッセージを前記給電用リード線(116)を伝わる変調されたデータ信号として受信するとともに、初期化メッセージを前記給電用リード線(116)を伝わる変調されたデータ信号として発するように設計される、
ことを特徴とする超音波センサ(
112)。
【請求項2】
前記超音波センサ(112)は、変調されて前記給電用リード線(116)に送られたデータを前記出力部(122)を介して受信するとともに、データ信号を変調して前記第1入力部(114)を介して前記給電用リード線(116)に送るように設計される、
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ(112)。
【請求項3】
前記超音波センサ(112)は、前記超音波センサ(112)を一連の連鎖した超音波センサ(112)において配置するための所定位置が格納されたメモリを有し、
前記超音波センサ(112)は、前記一連の連鎖した超音波センサ(112)におけるその位置を、前記初期化メッセージの受信、および前記メモリ内の前記所定位置に基づいて初期化するように設計される、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の超音波センサ(112)。
【請求項4】
前記超音波センサ(112)は、電源電圧(124)が前記第1入力部(114)に印加されると、初期化を実施するように設計される、
ことを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の超音波センサ(112)。
【請求項5】
前記超音波センサ(112)は、前記第1入力部(114)と前記出力部(122)との間における接続用リード線を導電的に切断または接続するスイッチ装置(130)を有し、前記スイッチ装置(130)は、初期状態では開いており、
前記超音波センサ(112)は、前記初期化後に、前記スイッチ装置(130)を閉じることができるように設計される、
ことを特徴とする請求項
4に記載の超音波センサ(112)。
【請求項6】
前記超音波センサ(112)は、一連の連鎖した超音波センサ(112)におけるその位置を初期化するように設計され、
前記超音波センサ(112)は、その位置を前記一連の連鎖の最後の超音波センサ(112)として初期化する場合、そのスイッチ装置(130)を介して報知ユニット(128)を作動させるように設計される、
ことを特徴とする請求項
5に記載の超音波センサ(112)。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の複数の超音波センサ(112)を有する、車両(111)用の距離検出システム(110)において、
前記超音波センサ(112)は、先行する超音波センサ(112)の前記出力部(122)が後続の超音波センサ(112)の前記第1入力部(114)に接続した状態で、一連の連鎖した形態において互いに接続し、
前記一連の連鎖における最初の超音波センサ(112)は、その第1入力部(114)において電源電圧(124)に接続し、
前記一連の連鎖における最後の超音波センサ(112)は、その出力部(122)において報知ユニット(128)に接続する、
ことを特徴とする距離検出システム(110)。
【請求項8】
前記複数の超音波センサ(112)をともに制御するように、前記超音波センサ(112)のうちの1つは親センサとして構成される、
ことを特徴とする請求項
7に記載の
距離検出システム(110)。
【請求項9】
前記超音波センサ(112)は、それらの連結のシーケンスにおいて順次初期化を実施するように配置されるとともに設計される、
ことを特徴とする請求項
7または
8に記載の距離検出システム(110)。
【請求項10】
前記距離検出システム(110)は、複数の超音波センサ(112)を用いて同期距離測定を実施するように設計される、
ことを特徴とする請求項
7乃至
9のいずれか一項に記載の距離検出システム(110)。
【請求項11】
前記距離検出システム(110)は、複数の超音波センサ(112)を用いて測定シーケンスを実施するように設計され、前記超音波センサ(112)は、前記一連の連鎖におけるそれらの位置に応じて前記測定シーケンスを一斉に実施する、
ことを特徴とする請求項
7乃至
10のいずれか一項に記載の距離検出システム(110)。
【請求項12】
前記距離検出システム(110)は、超音波測定を実施するように設計され、前記超音波センサ(112)のうちの少なくとも1つが超音波パルス(136)を発信し、前記超音波センサ(112)のうちの単数または複数のものが、前記超音波センサ(112)のうちの前記少なくとも1つにより発信された前記超音波パルス(136)の受信エコーに関する情報を含む信号を、前記給電用リード線(116)を伝わる変調されたデータ信号として送信するように設計される、
ことを特徴とする請求項
7乃至
11のいずれか一項に記載の距離検出システム(110)。
【請求項13】
前記距離検出システム(110)は、前記電源電圧(124)と前記一連の連鎖における前記最初の超音波センサ(112)との間で接続されるスイッチ(126)を有し、
前記スイッチ(126)は、後進ギアを選択するための前記車両(111)の制御装置に接続するように設計される、
ことを特徴とする請求項
7乃至
12のいずれか一項に記載の距離検出システム(110)。
【請求項14】
前記距離検出システム(110)は、電源電圧(124)としての前記車両(111)の後進灯の電源電圧に接続するように設計される、
ことを特徴とする請求項
8乃至
12のいずれか一項に記載の距離検出システム(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の距離検出システムで使用される超音波センサに関し、超音波センサは、少なくとも1つの別の超音波センサとともに設置されるように設計されている。
【0002】
また、本発明は、複数の上述の超音波センサを有する車両用の距離検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現代の距離検出システムは、例えば車両の前部および/または後部に装着された超音波センサに主に基づいている。超音波センサは、バンパー内またはバンパー上において車両の前部および/または後部に装着される。最も単純なケースでは、超音波センサは、例えば超音波パルスとして超音波信号を発信する。超音波センサが受信した超音波信号のエコーに基づいて、車両の周囲の環境、通常は車両の後方および/または前方の領域が捕捉される。したがって、各超音波センサは、一方で超音波信号を発信するとともに、他方で付近の物体により生成されたエコーを受信するように設計されている。これらのエコーを評価することにより、特に走行経路内にある付近の障害物を検出することを目的として、物体の位置と空間範囲について推定をすることができる。
【0004】
ドライバーに車両の近傍の状況を報知するように超音波センサを作動させて、測定データを読み出しや処理を行い、これに基づいて情報を生成することは、通常、専用の制御ユニットにより実施されている。この場合、各超音波センサは、別個に制御ユニットに接続されているため、制御ユニットは個々の超音波センサからのセンサ情報を一斉に評価する。これに基づいて、車両から障害物までの距離が特定され得るとともに、この距離に基づいて警告装置で警告が発せられ得る。或いは、警告は、距離を特定せずに、例えば付近の物体、中距離の物体、および遠方の物体におおまかに分類することによっても発せられ得る。例えば、物体からの距離に応じて特徴的なビープ音を発することにより、警告は警告装置としてのスピーカーを使用して通常発せられる。これに加えて、またはこれに代えて、警告装置は、障害物からの距離を示すことができるディスプレイを備え得る。したがって、本明細書で検討する距離検出システムは、車両と物体との間の種々の距離が小さくなりすぎると警告を生成する距離警告システムとも称される。
【0005】
このような距離検出システムのコストの大部分は、制御ユニットにより生じる。システムのコストを大幅に減少させる1つの方法は、制御ユニットをなくすという考え方に基づいている。このような対策の他の利点は、大きさが抑えられること、および必要なスペースが削減されることである。
【0006】
特に車両の超音波距離検出システム用のセンサを制御するための対応する方法は、例えば、WO 2010/025864 A1から知られている。本方法では、所定の距離を検出するように、センサが信号装置と通信する。複数のセンサからの各センサは、ランダムジェネレータにより誘発された信号により促されて、送信信号を生成する。そして、物体で反射した超音波信号に基づいて距離が特定され、信号装置を制御するように直接使用される。したがって、超音波センサは自動的に同期し、距離情報を音響的に出力する音発生器を直接制御することができる。
【0007】
引用した先行技術からのこのような距離検出システム10の例を
図1に示す。システムは、給電用リード線14とアース16との間で並列に配置された複数の超音波センサ12を備えている。給電用リード線14は、一方の側において電源電圧18に接続されるとともに、別の側において警告ユニット20に接続されている。警告ユニット20のアース出力も、複数の超音波センサ12と並列に接続されている。各超音波センサ12は、警告ユニット20のアース出力をアース16に接続するためのスイッチ22を有している。したがって、このスイッチ22を閉じることにより、各超音波センサ12は、警告ユニット20を流れる電流を生成し、超音波センサ12によって監視されている領域内の物体を知らせることができる。
【0008】
しかしながら、この非常にシンプルで費用効果の高いシステムにおいては、超音波センサにより生成された超音波パルスのエコーを別の超音波センサによって有意義に評価することができない。これは、検出範囲が比較的狭いことを意味する。物体までの直接測定された最小距離のみが全ての超音波センサにより信号で伝えられる場合、物体と車両との間の最短距離がいずれにしても小さい場合がある。なぜならば、三辺測量等に基づく独特の物体位置測定がこのシステムではできないからである。
【0009】
特許DE 103 25 374 A1号は、多くの超音波センサを備えた電子システムを開示している。超音波センサのうち1つは親センサとして設計されている。したがって、このシステムに制御ユニットは必要ない。超音波センサは、互いに通信可能である。そして、親センサとして動作する超音波センサは、子センサとして動作する少なくとも1つの他の超音波センサを制御する。全ての超音波センサの位置は、親センサに記憶され一意に割り当てられる必要があるが、これには、通常追加のコストを伴う更なる対策が必要である。このため、システムがより複雑になり、より複雑な組み立てが必要になる。
【発明の概要】
【0010】
したがって、上記先行技術に基づいて、本発明の目的は、実施がシンプルで費用効果が高く、比較的広い検出範囲を有し、信頼性高く物体を検出するという利点を組み合わせた、車両用の距離検出システムにおいて使用するための超音波センサ、および、上述のタイプの複数の超音波センサを有する車両用の距離検出システムを特定することである。
【0011】
この目的は、本発明に従い、独立請求項の特徴により達成される。本発明の有利な改良は、従属請求項に特定される。
【0012】
本発明によれば、したがって、車両用の距離検出システムに使用される超音波センサが規定され、前記超音波センサは、少なくとも1つの別の超音波センサとともに設置されるように設計される。前記超音波センサは、給電用リード線に接続するための第1入力部を有し、前記超音波センサは、前記車両のアース電位に接続するための第2入力部をも有し、前記超音波センサは、前記給電用リード線に接続するための出力部を有する。前記超音波センサは、前記給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号を前記第1入力部を介して受信するとともに、データ信号を変調して前記出力部を介して前記給電用リード線に送るように設計される。
【0013】
また、本発明によれば、複数の上述の超音波センサを有する、車両用の距離検出システムが規定され、前記超音波センサは、先行する超音波センサの前記出力部が後続の超音波センサの前記第1入力部に接続した状態で、一連の連鎖した形態において互いに接続し、前記一連の連鎖における最初の超音波センサは、その第1入力部において電源電圧に接続し、前記一連の連鎖における最後の超音波センサは、その出力部において報知ユニットに接続する。
【0014】
したがって、本発明の基本的な考え方は、給電用リード線を介して互いに通信することができる超音波センサであって、追加の制御装置を必要とすることなく相互作用することができる超音波センサを提供することである。超音波センサ間のデータ伝送は、電力線通信(PLC)に基づいてなされる。これにより、超音波センサ間の通信を簡単にすることができる。給電用リード線を介した通信は簡単に実施でき、且つ各超音波センサのセットアップ手段をシンプルにすることができる。また、超音波センサは、一連の連鎖した形態においてともに設置されるように設計される。原則として、同一の超音波センサを使用してこのような一連の連鎖を形成することができるため、それらの組み付けが容易になり、超音波センサを低コストで大量に提供することができる。各センサは、一連の連鎖において、特に一連の連鎖の最初または最後の超音波センサとして、異なる機能を果たし得る。
【0015】
超音波センサを連結することにより、一連の連鎖を形成することができる。各超音波センサには、先行する超音波センサを介して電気エネルギーが供給される。このようにして、超音波センサ間の配線を最小限にすることができる。また、距離検出システム全体は、電源電圧に1つの接続だけで非常に簡単に設置することができる。
【0016】
超音波センサは、超音波ダイアフラム、および通常は圧電トランスデューサであるトランスデューサを備えた本質的に標準的な構造を有している。また、超音波センサは、変調されて給電用リード線に送られたデータ信号を受信し、データ信号を変調して給電用リード線に送る変調器および復調器を備える。
【0017】
距離測定用の超音波センサの機能原理はそれ自体で知られており、本明細書で別途説明しない。
【0018】
第1入力部は、給電用リード線に接続するように使用される。車両のアース電位に接続するための第2入力部と第1入力部とが一緒になって、超音波センサの2極給電が形成される。
【0019】
したがって、給電用リード線は、個々の超音波センサにより継続される。このため、給電用リード線は、超音波センサを介して互いに接続された個々のケーブル部分により形成される。しかしながらこれに代えて、例えば、超音波センサにおいてガルバニック絶縁を実施することもできる。
【0020】
原則として、データ信号は様々な態様で変調および復調され得る。適切な変調を生成するための種々の方法は、先行技術においてそれ自体で知られている。データ信号が変調されることにより、給電用リード線が超音波センサ間でデータを送信するように使用され、これにより、或る超音波センサから下流の超音波センサへの通信を行うことができる。
【0021】
変調されたデータ信号は、第1入力部を介して受信される。すなわち、データ信号は、給電用リード線を介して、供給電力と共に変調される。超音波センサ内の復調器が、データ信号を検出して復号する。また、データ信号は、特定の超音波センサへのデータ伝送を実施するためのアドレス指定メカニズムを含み得る。
【0022】
給電用リード線として接続するための超音波センサの出力部にも同じことが当てはまる。したがって、後続の超音波センサへの給電は、先行する全ての超音波センサを介してなされる。データ信号を送信するため、電源電圧は給電用リード線に応じて変調される。
【0023】
距離検出システムは、超音波センサを用いて超音波測定を実施し、発信された超音波パルスのエコーによって物体、またはその距離および/または位置を特定するように設計される。
【0024】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、変調されて前記給電用リード線に送られたデータを前記出力部を介して受信するとともに、データ信号を変調して前記第1入力部を介して前記給電用リード線に送るように設計される。したがって、通信は、一連の連鎖において先に配置された超音波センサから下流に配置された超音波センサに向かってだけでなく、実際には任意の方向において行うことができる。特に、各データ信号は、原則として、あらゆる追加の超音波センサが変調されたデータを給電用リード線から受信可能であるように発せられ得る。これには、給電用リード線が各超音波センサを介して接続されていることしか必要ない。そうでなければ、各超音波センサは、その第1入力部からその出力部に、またその逆に、変調された信号を受信して再変調する必要があるであろう。したがって、各超音波センサは、変調されたデータ信号を生成して給電用リード線に送るための装置、および、変調されて給電用リード線に送られたデータ信号を受信するための対応する装置のみを必要とする。好適には、変調されたデータ信号を生成して給電用リード線に送るための装置、および、変調されて給電用リード線に送られたデータ信号を受信するための装置は、スイッチ装置と第1入力部との間に配置され、スイッチ装置は接続ケーブルに第1入力部と出力部との間において配設される。
【0025】
本発明の有利な設計において、前記超音波センサは、初期化メッセージを、前記給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号として受信するとともに、初期化メッセージを、前記給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号として発するように設計される。したがって、受信した初期化メッセージは、単一の超音波センサを初期化するための基礎として機能する。各超音波センサは、次いでそれ自身の初期化メッセージを後続の超音波センサに送信できるため、全ての超音波センサがカスケード式に初期化される。例えば、或る超音波センサが、その初期化中に、それが一連の連鎖した超音波センサにおける最後の超音波センサであると検出した場合、更なる初期化メッセージを当該超音波センサが送信する必要はない。これに応じて、超音波センサは、それが初期化メッセージを変調されたデータ信号として受信しない場合に初期化を実施することも可能である。この場合、超音波センサは、初期化メッセージが存在しないことを検出すると、この超音波センサは、それが一連の連鎖において最初の超音波センサであるはずだと認識する。例えば、最初の超音波センサとしてのこの初期化は、時間内に初期化メッセージが受信されなかった場合、タイマーの満了後に実施される。
【0026】
好適には、初期化は、初期化メッセージの内容に基づく。例えば、送信する初期化メッセージにおいて、最初の超音波センサは、それが最初の超音波センサであることを信号で伝えることができる。したがって、この信号による伝達を、初期化メッセージを介して継続させることができ、各超音波センサは一連の連鎖における各自の位置を把握する。また、前の超音波センサがその出力部において電源電圧のスイッチをオンにすることによって後続の超音波センサが前の超音波センサにより起動される場合、一連の連鎖の初期化は非常に簡単に実施され得る。
【0027】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、前記超音波センサを一連の連鎖した超音波センサにおいて配置するための所定位置が格納されたメモリを有し、前記超音波センサは、前記一連の連鎖した超音波センサにおけるその位置を、前記初期化メッセージの受信、および前記メモリに格納された前記所定位置に基づいて初期化するように設計される。例えば、超音波センサは、それらのメモリに格納された所定位置に関する一般的な情報、または車両固有の情報を含み得る。後者の場合、同一設計された超音波センサは、それらのメモリに格納された情報によって特定の車両における使用が制限され得る。例えば、メモリは、検索テーブルとして実現され得る。また、メモリは、一連の連鎖における、または車両内におけるそれらの位置に応じた距離測定を実施するための特定の測定シーケンスに関する情報アイテムを含み得る。
【0028】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、電源電圧が前記第1入力部に印加されると、初期化を実施するように設計される。したがって、例えば、初期化は、車両のエンジンスイッチがオンにされたときに実施される。例えば、給電用リード線にスイッチが設けられ、距離検出システムが使用されるまで起動されない場合、初期化は使用の度に実施される。特に、超音波センサが順次給電されることとの組合せにおいて、例えば、各超音波センサが各自の初期化後にその出力部を作動させる場合、一連の連鎖した全ての超音波センサの初期化を簡単且つ効率的に実施することができる。
【0029】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、前記第1入力部と前記出力部との間における接続用リード線を導電的に切断または接続するスイッチ装置を有し、前記スイッチ装置は、初期状態では開いており、前記超音波センサは、前記初期化後に、前記スイッチ装置を閉じることができるように設計される。したがって、接続用リード線は、スイッチ装置が閉じているときにそれぞれの超音波センサを介して接続される。このため、一連の連鎖した超音波センサを、車両の電源に直接接続されている最初の超音波センサを始めとして順次作動させることができる。一連の連鎖における最後の超音波センサの場合、この超音波センサは、下流の報知ユニットを作動させるように、例えば、所望の周波数および強度で音響信号発生器を作動させるように、スイッチ装置を閉じることができる。最後の超音波センサの場合、スイッチ装置は、異なる態様で作動され得る。
【0030】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、一連の連鎖した超音波センサにおけるその位置を初期化するように設計され、前記超音波センサは、その位置を前記一連の連鎖の最後の超音波センサとして初期化する場合、そのスイッチ装置を介して報知ユニットを作動させるように設計される。音響信号発生器の場合、下流の報知ユニットは、所望の信号周波数および振幅を指定することで作動され得る。作動させるタイプは、例えば、全ての超音波センサにより測定および通信される車両の周囲環境における物体に対する距離または角度に依存する。電源電圧は、一連の連鎖における最後の超音波センサのスイッチ装置を介して、報知ユニットに印加される。
【0031】
本発明の有利な実施形態において、超音波センサは、超音波測定を実施するとともに、超音波センサが発信した超音波パルスの受信エコーからの情報を伴う信号を、給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号として送信するように設計される。エコーを評価することにより、物体の超音波センサからの距離を特定することができる。原則として、これに加えて、またはこれに代えて、エコーを評価することにより、物体の超音波センサに対する角度位置を特定することが可能であり得る。受信エコーからの情報を伴う信号は、超音波センサのセンサ情報、すなわち、反射した超音波パルスの特定された信号飛行時間、それから特定された物体の距離情報、および/または物体の角度位置を含み得る。また、受信エコーからの情報を伴う信号は、測定距離としての距離値を含んでもよいし、または、例えば、付近の物体、中距離の物体、または遠方の物体等の範囲を単に指定してもよい。したがって、受信エコーからの情報を伴う信号を、親センサとしての超音波センサ、または一連の連鎖における最後の超音波センサに送信することができるため、各超音波センサはそれに応じて報知ユニットを制御することができる。
【0032】
本発明の有利な実施形態において、超音波センサは、超音波パルスの受信エコーからの情報を含む信号を、給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号として送信するように設計される。エコーは、超音波センサそれ自体が発信した超音波パルスとは独立して受信され得る。受信エコーからの情報は、発信された超音波パルスについての更なる知識を利用する別の超音波センサによって処理することができる。したがって、受信エコーからの情報は、タイムスタンプを含み得る。これに代えて、またはこれに加えて、当該情報は、受信エコーに関する情報アイテム、例えば、エコー強度、継続時間、符号化等を含み得る。
【0033】
本発明の代替的な実施形態において、前記複数の超音波センサをともに制御するように、前記超音波センサのうちの1つは、親センサとして構成される。親センサは、測定を同期させるように残りの超音波センサを積極的に制御することができる。また、親センサとしての超音波センサは、検出された物体に応じて警告を出力することができる。親センサとしての超音波センサは、全ての超音波センサから、センサ情報、すなわち、反射した超音波パルスの信号伝搬時間、またはこれから特定される距離データや角度データを受信するとともに、これに基づいて警告を出力することができる。
【0034】
本発明の有利な実施形態において、前記超音波センサは、それらの連結のシーケンスにおいて順次初期化を実施するように配置されるとともに設計される。これは、超音波センサを、一連の連鎖においてそれぞれの位置に簡単に割り当て得ることを意味する。これは、例えば、車両上における超音波センサの位置を割り当てるように使用され得る。
【0035】
本発明の有利な実施形態において、前記距離検出システムは、複数の超音波センサを用いて同期距離測定を実施するように設計される。したがって、例えば、放射された超音波パルスの間接信号経路を考慮することができる。すなわち、超音波センサのうちの1つが超音波パルスを発信し、複数の超音波センサがこれらの超音波パルスのエコーを受信する。一連の連鎖における超音波センサの位置、および車両上における超音波センサの位置を把握することにより、例えば、異なる超音波センサにより受信されたエコー、およびこれから導き出された物体までの距離に基づく三辺測量、および/または異なる超音波センサにより受信されたエコー、およびこれから特定された物体に対する角度に基づく三角測量を実施することができる。
【0036】
本発明の有利な実施形態において、前記距離検出システムは、複数の超音波距離測定センサを用いて測定シーケンスを実施するように設計され、前記超音波センサは、前記一連の連鎖におけるそれらの位置に応じて前記測定シーケンスをともに実施する。したがって、例えば、複数の超音波センサを用いて、物体の同期検出をともに実施することができる。ここで、異なる超音波センサは、異なる態様で機能する。物体の距離についてのこのような特定は、超音波センサから物体へ、そして同一の超音波センサに再び戻る直接信号経路のみを使用する検出を超えるものである。したがって、超音波センサにより生成された超音波パルスのエコーは、他の超音波センサにより受信されて評価され得る。これによっても検出範囲が増大する。また、これにより、例えば、物体と車両との間の最短距離が常に正しく検出されることが保証される。距離測定は、例えば、車両内の超音波センサの各潜在的位置について各超音波センサに記憶された所定の測定シーケンスに従って実施され得る。この結果、一連の連鎖した超音波センサにおける把握された位置に基づいて、各超音波センサについての適切なアクションが測定シーケンスに従って実施され得る。
【0037】
本発明の有利な実施形態において、前記距離検出システムは、超音波測定を実施するように設計され、前記超音波センサのうちの少なくとも1つが、超音波パルスを発信し、前記超音波センサのうちの単数または複数のものが、前記超音波センサのうちの少なくとも1つにより発信された前記超音波パルスの受信エコーに関する情報を含む信号を、前記給電用リード線を伝わる変調されたデータ信号として送信するように設計される。したがって、距離検出システムは、複数の超音波センサを用いて、複数の異なる超音波センサが超音波パルスのエコーを受信可能である複合的な超音波測定を実施することができる。超音波パルスを発信した超音波センサのみで超音波エコーを受信する場合と比較して、超音波センサの周囲環境における物体の検出が改善され得る。エコーを通常の態様で評価することで、各超音波センサからの物体の距離を特定することができる。また、エコーをともに評価することもできる。原則として、これに加えて、またはこれに代えて、エコーを評価することで超音波センサに対する物体の角度位置を特定することが可能であり得る。受信エコーからの情報を伴う各信号は、超音波センサからのセンサ情報の形態にあり得る、すなわち、反射した超音波パルスの測定信号飛行時間、それから特定された距離情報、および/または物体の角度位置としてものであり得る。また、受信エコーからの情報を伴う信号は、測定距離としての距離値を含んでもよいし、または、例えば、付近の物体、中距離の物体、または遠方の物体等の範囲を単に示してもよい。したがって、受信エコーからの情報を伴う各信号を、親センサとしての超音波センサ、または一連の連鎖における最後の超音波センサに送信することができるため、各超音波センサはそれに応じて報知ユニットを制御することができる。この超音波センサは、受信エコーの共同評価を実施することもできる。
【0038】
本発明の有利な設計において、前記距離検出システムは、前記電源電圧と前記一連の連鎖における前記最初の超音波センサとの間で接続されるスイッチを有し、前記スイッチは、後進ギアと係合するように前記車両の作動装置に結合するように設計される。作動装置と結合することにより、操縦時、特に後進時に、距離検出システムを必要に応じて作動させることができる。これは、特に車両の後部に装着された距離検出システムに適用されるだけでなく、原則として車両の前部に設けられた距離検出システムにも適用される。車両の前部にある距離検出システムは、距離検出システムを作動させる追加のスイッチが必要になる場合がある。作動装置は、例えばギアレバーであるが、例えば、ギアレバーを介して変速レバーリンク機構の一部として移動される装置であってもよい。
【0039】
本発明の有利な実施形態において、前記距離検出システムは、電源電圧としての前記車両の後退灯の電源に接続するように設計される。これは、例えば、距離検出システムが車両の後部に配置されて超音波センサがリアバンパーに設置されているような場合、車両の後進時に必要に応じて電力が自動的に供給され得ることを意味する。後退灯のスイッチがオンにされない場合、距離検出システムには電力が供給されず、作動されないままである。この設計もまた有利である。なぜならば、後退灯への電源が車両のトランクに配置された距離検出システムに近接して配置されているため、短いケーブル長しか必要ないからである。また、音発生器等の報知ユニットを、短いケーブル経路を介して車両の後部の距離検出システムに接続することも可能である。
【0040】
本発明を、添付図面を参照して好適な実施形態に基づいて、以下により詳細に説明する。記載された特徴は、個別でも組み合わせても本発明の一態様を表し得る。種々の例示的な実施形態の特徴は、或る例示的な実施形態から別のものに移行させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】先行技術による、複数の超音波センサと、ともに制御される警告ユニットと、を有する距離検出システムの概略図。
【
図2】第1の好適な実施形態による、複数の超音波センサと、ともに制御される報知ユニットと、を有する距離検出システムの概略図。
【
図3】
図2の距離検出システムの概略図であって、超音波センサが車両のバンパーに装着されており、離れた物体を検出している図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図2は、第1の好適な実施形態による、車両111用の距離検出システム110を示す。
【0043】
距離検出システム110は、一連の連鎖した形態において相互接続された複数の超音波センサ112を備えている。各超音波センサ112は、超音波ダイアフラム、および通常は圧電トランスデューサであるトランスデューサを備えた標準的な構造を有しており、超音波パルス136を発信するとともに超音波パルス136のエコーを受信する。
【0044】
図3は、このような超音波パルス136を発信する超音波センサ112の車両111上での配置を示す。
【0045】
各超音波センサ112は、給電用リード線116に接続するための第1入力部114と、車両111のアース電位120に接続するための第2入力部118と、を有している。超音波センサ112の2極給電は、第1および第2入力部114、118を介して実施される。また、各超音波センサ112は、給電用リード線116に接続するための出力部122を有している。超音波センサ112は、一連の連鎖において先行する超音波センサ112の出力部122を後続の超音波センサ112の第1入力部114に各々接続することにより、一連の連鎖に接続されている。したがって、後続の超音波センサ112への給電は、全ての先行する超音波センサ112を介してなされる。
【0046】
一連の連鎖における最初の超音波センサ112の第1入力部114は、電源電圧124に接続されている。スイッチ126が、電源電圧124と一連の連鎖における最初の超音波センサ112との間において、給電用リード線116に設けられている。スイッチ126は、車両111のギアレバーに結合されており、後進ギアが選択されると、スイッチ126は閉じられる。
【0047】
一連の連鎖における最後の超音波センサ112の出力部122は、報知ユニット128に接続されている。報知ユニット128は、ここでは音発生器128として実現されている。音発生器128は、給電用リード線116およびアース電位120に接続されて、電源電圧124が給電用リード線116に印加されると音を発生する。
【0048】
各超音波センサ112には、第1入力部114と出力部122との間において接続用リード線116を切断したり導電的に接続したりするためのスイッチ装置130が設けられている。初期状態において、スイッチ装置130は開いている。一連の連鎖における最後の超音波センサ122は、そのスイッチ装置130を使用して、例えばパルスの形態で電源電圧124を音発生器128に接続するスイッチ装置130によって、音発生器128を作動させることができる。
【0049】
また、各超音波センサ112は、スイッチ装置130と第1入力部114との間に配置された変調器/復調器132を有している。変調器/復調器132は、給電用リード線116を伝わる変調されたデータ信号を受信するとともに、データ信号を変調して給電用リード線116に送るように設計されている。スイッチ装置130が開いている場合、変調データ信号は、第1入力部114のみを介して受信される。スイッチ装置130が閉じている場合、変調データ信号は、第1入力部114および出力部122の両方を介して受信され得る。同じことが、給電用リード線116を伝わるデータ信号の変調にも当てはまる。スイッチ装置130が閉じている場合、変調データ信号は、出力部および第1入力部の両方を介して提供される。
【0050】
更に、各超音波センサ112は、一連の連鎖した超音波センサ112において超音波センサ112を配置するための所定位置を格納したメモリを有している。メモリは、一連の連鎖における超音波センサ112の所定位置、したがって、車両11上の所定位置に関する車両固有の情報を含んでいる。メモリは検索テーブルとして実現されるとともに、一連の連鎖における、および車両111上における超音波センサ112の位置に応じて距離測定を実施するための特定測定シーケンスに関する情報を更に含んでいる。
【0051】
初期化メッセージの受信およびメモリに格納された所定位置に基づいて、各超音波センサ112は、一連の連鎖した超音波センサ112におけるその位置を初期化するように設計されている。一連の連鎖における最初の超音波センサ112は、スイッチ126が閉じられると作動される。そのスイッチ装置130は開いているため、下流の超音波センサ112は、最初は通電されないままであり、したがって作動されないままである。作動された最初の超音波センサ112は、その第1入力部114に給電用リード線116を介して電源電圧124が印加されると、その初期化を開始する。
【0052】
各超音波センサ112は、初期化メッセージを、給電用リード線116を伝わる変調されたデータ信号として受信するように設計されている。最初の超音波センサ112は、初期化メッセージが存在しないことを検出すると、この超音波センサ112は、それが一連の連鎖における最初の超音波センサ112であるはずだと認識する。したがって、最初の超音波センサ112は、タイマーの満了後に、初期化メッセージが存在しないことに基づいて初期化される。
【0053】
最初の超音波センサ112は、最初の超音波センサ112についてのメモリ内の情報に基づいて初期化を実施する。また、初期化後に、最初の超音波センサ112がそのスイッチ装置130を閉じることにより、その出力部122を介して、電源電圧124が後続の超音波センサ112の第1入力部114に接続される。したがって、次の超音波センサ112が作動され、その初期化を開始する。スイッチ装置130を閉じた後、最初の超音波センサ112は、初期化メッセージを、給電用リード線116を伝わる変調されたデータ信号として送信する。この初期化メッセージは次の超音波センサ112により受信され、当該センサを初期化するためのベースとして使用される。各超音波センサ112は、その初期化メッセージで、一連の連鎖における各自の位置を信号で伝える。
【0054】
後続の超音波センサ112は、一連の連鎖におけるそれらの位置の順序に従って順次初期化される。初期化手順は、最初のおよび二番目の超音波センサ112に関して説明したものと基本的に同じである。超音波センサ112は、一連の連鎖におけるそれらそれぞれの位置に割り当てられる。これは、次に、車両111上での超音波センサ112の位置を割り当てるために使用される。
【0055】
或る超音波センサ112が、その初期化中に、それが一連の連鎖した超音波センサ112における最後の超音波センサ112であると検出した場合、初期化は、最後の超音波センサ112のスイッチ装置130を閉じずに完了する。この超音波センサ112によって初期化メッセージは送信されない。代わりに、一連の連鎖の最後の超音波センサ112は初期化され、そのスイッチ装置130を介して、所望の周波数および振幅で音発生器128を作動させることにより、音発生器128を作動させるように構成されている。
【0056】
動作において、すなわち初期化後、距離検出システム110は、複数の超音波センサ112を用いて同期距離測定を実施するように構成されている。
図3に概略的に示すように、各超音波センサ112により超音波パルス136が発信されて物体134を検出することができる。同期距離測定において、発信された後に同一の超音波センサ112によって受信された超音波パルスの信号経路、ならびに超音波パルス136の間接エコーが考慮される。すなわち、超音波センサ112のうちの1つが超音波パルス136を発信し、少なくとも1つの別の超音波センサ112がこれに基づく間接エコーを受信する。一連の連鎖における超音波センサ112の位置、および車両11上における超音波センサ112の位置を把握することにより、例えば、三辺測量が、異なる超音波センサ112により受信されたエコー、および結果としての物体134の距離に基づいて実施される。また、距離検出システム110は、複数の距離測定超音波センサ112を用いた測定シーケンスを実施することができる。ここで、超音波センサ112は、一連の連鎖におけるそれらの位置に応じてともに測定シーケンスを実施する。
【0057】
このようにして実施される距離測定において、距離信号は、各超音波センサ112から、給電用リード線116を伝わる変調されたデータ信号として発信される。距離信号は、各超音波センサ112のセンサ情報、例えば、反射した超音波パルス136の信号飛行時間、および/またはそれから特定された物体134の距離情報を含んでいる。距離信号を伴う変調データ信号は、一連の連鎖における最後の超音波センサ112によっても受信され、最後の超音波センサ112は、この信号に基づいて、物体134までの距離を出力するように音発生器128を駆動する。
【0058】
代替実施形態においては、距離検出システム110は、電源電圧124としての車両111の後退灯の電源電圧に直接接続するように設計される。この場合、電源電圧124を印加することで超音波センサ112を作動させるスイッチ126は省略され得る。また、距離検出システム110の超音波センサ112の初期化およびその後の動作は、上述のように行われる。
【0059】
10 距離検出システム(先行技術)
12 超音波センサ(先行技術)
14 給電用リード線(先行技術)
16 アース(先行技術)
18 電源電圧(先行技術)
20 警告ユニット(先行技術)
22 スイッチ(先行技術)
110 距離検出システム
112 超音波センサ
114 第1入力部
116 給電用リード線
118 第2入力部
120 アース電位
122 出力部
124 電源電圧
126 スイッチ
128 報知ユニット、音発生器
130 スイッチ装置
132 変調器/復調器
134 物体
136 超音波パルス