(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】チェーン、チェーンの検査方法
(51)【国際特許分類】
F16G 13/06 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
F16G13/06 B
(21)【出願番号】P 2018007284
(22)【出願日】2018-01-19
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521229304
【氏名又は名称】センクシアチェン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】江頭 俊樹
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-179292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレートが連結するチェーンであって、
前記プレート同士の連結部において、
外側に配置され、端部近傍にピン嵌合孔が設けられる外プレートと、
前記外プレートの内側に配置され、前記ピン嵌合孔に対応する部位にブシュ嵌合孔が設けられる内プレートと、
前記ブシュ嵌合孔に嵌合するブシュと、
前記ブシュを貫通し、前記外プレートの前記ピン嵌合孔に固定されるピンと、
を具備し、
前記内プレー
トの、
前記外プレートと重なる部位に、チェーンの伸びを把握することが可能なマークが設けられ
、
前記チェーンが伸びていない状態では、前記マークが前記外プレートの端部で覆われ、前記外プレートの外部から、前記マークを視認することができず、
前記チェーンが所定量伸びると、伸び量に応じて前記マークの一部が露出することを特徴とするチェーン。
【請求項2】
前記マークは、前記内プレートを貫通する孔であることを特徴とする請求項1記載のチェーン。
【請求項3】
複数のプレートが連結するチェーンであって、
前記プレート同士の連結部において、
外側に配置され、端部近傍にピン嵌合孔が設けられる外プレートと、
前記外プレートの内側に配置され、前記ピン嵌合孔に対応する部位にブシュ嵌合孔が設けられる内プレートと、
前記ブシュ嵌合孔に嵌合するブシュと、
前記ブシュを貫通し、前記外プレートの前記ピン嵌合孔に固定されるピンと、
を具備し、
前記外プレートの、
前記内プレートと重なる部位に、チェーンの伸びを把握することが可能な
貫通孔が設けられ
、
前記チェーンが伸びていない状態では、前記貫通孔は前記内プレートと重なり合い、前記貫通孔は前記内プレートで塞がれていて、
前記チェーンが所定量伸びると、伸び量に応じて前記貫通孔の一部が前記内プレートの先端から外れて、前記貫通孔の一部が前記外プレートの内側の空間と連通することを特徴とするチェーン。
【請求項4】
請求項1
または請求項
2に記載のチェーンの伸びの検査方法であって、
前記チェーンに張力が付与された状態で、前記外プレートの端部から露出する前記マークの露出量から、前記チェーンの伸びを把握することを特徴とするチェーンの検査方法。
【請求項5】
請求項2記載のチェーンの伸びの検査方法であって、
前記チェーンに張力が付与された状態で、前記外プレートの端部から露出する前記マークの露出量から、前記チェーンの伸びを把握し、
前記外プレートの端部から露出する前記
マークの孔に、ゲージを挿入することで、前記マークの露出量を把握することを特徴とす
るチェーンの検査方法。
【請求項6】
請求項3記載のチェーンの伸びの検査方法であって、
前記チェーンに張力が付与された状態で、前記内プレートの先端から外れて前記外プレートの内側の空間と連通する前記貫通孔の連通量から、前記チェーンの伸びを把握することを特徴とするチェーンの検査方法。
【請求項7】
前記内プレートの端部から外れ
て前記外プレートの内側の空間と連通する前記
貫通孔に、ゲージを挿入することで、前記
貫通孔の
連通量を把握することを特徴とする請求項
6記載のチェーンの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンおよびその伸び量の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の機械において、動力を伝達するため、チェーンが使用される。チェーンの構造としては、例えば、プレート間にピンとブシュとが配置され、ピンとブシュとの相対的な回転によって、隣り合うプレート同士が回転動作する。このようなチェーンは、例えば、複数のスプロケットホイールに掛け渡され、スプロケットの回転によって移動する。すなわち、スプロケットにおいて、チェーンは屈曲し、スプロケット間では、チェーンはまっすぐな状態となる。
【0003】
このように、チェーンは、ピンとブシュとの間の摺動によって、曲げと伸びとを繰り返すため、摺動部の摩擦が進行する。この際、チェーンには、所定の張力が付与されるため、ピンとブシュとの接触面が摩耗すると、チェーン全体が伸びた状態となる。チェーンが所定以上伸びてしまうと、動作トラブルや、破断等の恐れがある。
【0004】
このため、ピンとブシュとの摺動面の潤滑を行い、摩耗量を低減する必要がある。例えば、ピンの外周面に溝を設け、溝に潤滑油を保持させる方法がある。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、潤滑を十分に行ったとしても、摩耗を完全に抑えることはできない。このため、チェーンの伸び量を管理する必要がある。しかし、チェーンの伸びを連結部ごとに測定するのは困難である。このため、チェーンの伸びを容易に把握することが可能な方法が求められている。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、容易に伸びを把握することが可能なチェーン等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達するために第1の発明は、複数のプレートが連結するチェーンであって、前記プレート同士の連結部において、外側に配置され、端部近傍にピン嵌合孔が設けられる外プレートと、前記外プレートの内側に配置され、前記ピン嵌合孔に対応する部位にブシュ嵌合孔が設けられる内プレートと、前記ブシュ嵌合孔に嵌合するブシュと、前記ブシュを貫通し、前記外プレートの前記ピン嵌合孔に固定されるピンと、を具備し、前記内プレートの、前記外プレートと重なる部位に、チェーンの伸びを把握することが可能なマークが設けられ、前記チェーンが伸びていない状態では、前記マークが前記外プレートの端部で覆われ、前記外プレートの外部から、前記マークを視認することができず、前記チェーンが所定量伸びると、伸び量に応じて前記マークの一部が露出することを特徴とするチェーンである。
【0009】
前記マークは、前記内プレートを貫通する孔であってもよい。
また、第2の発明は、複数のプレートが連結するチェーンであって、前記プレート同士の連結部において、外側に配置され、端部近傍にピン嵌合孔が設けられる外プレートと、前記外プレートの内側に配置され、前記ピン嵌合孔に対応する部位にブシュ嵌合孔が設けられる内プレートと、前記ブシュ嵌合孔に嵌合するブシュと、前記ブシュを貫通し、前記外プレートの前記ピン嵌合孔に固定されるピンと、を具備し、前記外プレートの、前記内プレートと重なる部位に、チェーンの伸びを把握することが可能な貫通孔が設けられ、前記チェーンが伸びていない状態では、前記貫通孔は前記内プレートと重なり合い、前記貫通孔は前記内プレートで塞がれていて、前記チェーンが所定量伸びると、伸び量に応じて前記貫通孔の一部が前記内プレートの先端から外れて、前記貫通孔の一部が前記外プレートの内側の空間と連通することを特徴とするチェーンである。
【0010】
第1または第2の発明によれば、伸びの無い場合には、外プレートと内プレートが重なるため、マークが外部から視認できない、または貫通孔が塞がれるが、チェーンが伸びると、外プレートとマーク又は内プレートと貫通孔の位置関係が変わるため、容易にチェーンの伸びを外部から把握することができる。
【0011】
特に、マークが貫通孔であれば、貫通孔にゲージ等を挿入することで、容易に貫通孔の露出量を把握することができるため、チェーンの伸び量を連結部毎に容易に把握し、チェーンを検査することができる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明にかかるチェーンの伸びの検査方法であって、前記チェーンに張力が付与された状態で、前記外プレートの端部から露出する前記マークの露出量から、前記チェーンの伸びを把握することを特徴とするチェーンの検査方法である。
【0013】
第4の発明は、第1の発明にかかるチェーンの伸びの検査方法であって、前記チェーンに張力が付与された状態で、前記外プレートの端部から露出する前記マークの露出量から、前記チェーンの伸びを把握し、前記外プレートの端部から露出する前記マークの孔に、ゲージを挿入することで、前記マークの露出量を把握することを特徴とするチェーンの検査方法である。
第5の発明は、第2の発明にかかるチェーンの伸びの検査方法であって、前記チェーンに張力が付与された状態で、前記内プレートの先端から外れて前記外プレートの内側の空間と連通する前記貫通孔の連通量から、前記チェーンの伸びを把握することを特徴とするチェーンの検査方法である。
前記内プレートの端部から外れて前記外プレートの内側の空間と連通する前記貫通孔に、ゲージを挿入することで、前記貫通孔の連通量を把握してもよい。
【0014】
第3から第5の発明のいずれかによれば、マーク又は貫通孔によって、容易にチェーンの連結部毎の伸び量の検査を行うことができる。
【0015】
特に、マークが貫通孔である場合には、貫通孔にゲージ等を挿入することで、容易にチェーンの伸び量を把握し、チェーンを検査することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、容易に伸びを把握することが可能なチェーン等を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】チェーン1の側面図であって、(a)はチェーン1が伸びていない状態を示す図、(b)はチェーン1が伸びた状態を示す図。
【
図3】(a)は
図2(a)のA-A線断面拡大図、(b)、(c)は
図2(b)のB-B線断面拡大図。
【
図5】(a)~(c)は、他の実施形態における、チェーンの伸びとマーク13との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施の形態に係るチェーン1の斜視図である。チェーン1は、主にプレート3、ピン5、ブシュ7等から構成される。なお、
図1は、一部の外プレート4を透視した透視図である。
【0019】
プレート3は、板状部材であり、外プレート4と内プレート6からなる。一対の外プレート4と一対の内プレート6とは交互に配置される。外プレート4の両端付近には、ピン嵌合孔9が設けられる。また、内プレート6の両端付近には、ブシュ嵌合孔11が設けられる。
【0020】
外プレート4と内プレート6の連結部においては、一対の内プレート6が対向して配置される。ブシュ嵌合孔11には、貫通孔を有する筒状のブシュ7が嵌合する。また、一対の外プレート4は、内プレート6の外側にそれぞれ配置され、ブシュ嵌合孔11に対応する位置のピン嵌合孔9には、ブシュ7を貫通するピン5が嵌合する。すなわち、ピン5により、一対の外プレート4と一対の内プレート6は、それぞれの両端部近傍で互いに連結される。このように、チェーン1は、ピン5を中心に、外プレート4と内プレート6が回転可能に連結される。なお、ブシュ7の外周に、さらにローラが設けられてもよい。
【0021】
内プレート6の両端部近傍は、外プレート4の両端部近傍と重なり合い、内プレート6の両端部近傍の外側から、外プレート4の両端部近傍で覆われる。外プレート4で覆われた部位の内プレート6の両端部近傍には、マーク13が形成される。マーク13は、例えば内プレート6を貫通する孔である。マーク13は、内プレート6の両端部近傍のそれぞれのブシュ嵌合孔11に対して、中央側(先端とは逆側)に配置される。
【0022】
図2(a)は、チェーン1の側面図であり、外プレート4の透視図であり、
図3(a)は、
図2(a)のA-A線断面拡大図である。
図2(a)、
図3(a)に示す状態は、ピン5およびブシュ7が摩耗していない状態である。すなわち、チェーン1が伸びていない状態である。この状態では、マーク13は、外プレート4の端部で覆われている。このため、外プレート4の外部から、マーク13を視認することはできない。
【0023】
これに対し、
図2(b)は、ピン5およびブシュ7の一部が摩耗した状態を示す側面図であり、
図3(b)は、
図2(b)のB-B線断面拡大図である。ピン5およびブシュ7の摺動部に摩耗が生じると、チェーン1に付与される張力によって、チェーン1は、伸びた状態となる。すなわち、内プレート6と外プレート4との重なり部が少なくなる。
【0024】
このように、内プレート6に対して、外プレート4が両側にずれていくと、内プレート6と外プレート4との重なり部に配置されていたマーク13が、外プレート4の端部から露出する。すなわち、外プレート4の外部から、マーク13を視認することができるようになる。このため、チェーン1が伸びたことを容易に把握することができる。
【0025】
なお、
図3(b)に示すように、チェーン1が所定量伸びると、伸び量に応じてマーク13の一部が露出する。この露出量を測定することで、当該連結部における伸び量をより正確に把握することができる。例えば、
図3(b)に示す状態において、細いゲージ15aを挿入し、ゲージ15aが挿入できたら、チェーン1の伸び量が所定以上であることを把握することができる。
【0026】
さらに、ピン5およびブシュ7の摩耗が進行すると、
図3(c)に示すように、マーク13の露出部が大きくなる。したがって、より太いゲージ15bが挿入可能となる。例えば、ゲージ15bが挿入されるほどチェーン1が伸びた際には、チェーン1の交換を行うことで、チェーン1の交換時期を判断することができる。すなわち、ゲージ15a、15bなどを用いて、マーク13へ挿入することで、チェーン1の健全性を検査することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態によれば、内プレート6の両端部近傍であって、外プレート4との重なり部に、マーク13が形成される。このため、正常時には、外プレート4によって覆われているため、マーク13を視認することができない。一方、チェーン1が伸びると、マーク13が外プレート4の端部から露出するため、チェーン1の伸びを容易に把握することができる。
【0028】
この際、チェーン1の連結部毎に、伸び量を把握することができるため、局所的な伸びを検出することもできる。例えば、チェーン1の一部の連結部にのみ、異常に摩耗が進行した場合には、チェーン1の全体としての伸び量は小さくても、当該部位においては、所定以上の伸びが生じる場合がある。本実施形態では、連結部毎に伸びを把握することができるため、局所的な異常摩耗があっても、容易に検出することができる。
【0029】
また、マーク13の露出量を、ゲージ15a、15bを孔に挿入して測定することで、容易にチェーン1の伸び量を正確に把握し、チェーン1の健全性を検査することができる。
【0030】
なお、本発明のチェーン1は、
図1等に示した例には限られない。例えば、
図4に示すチェーン1aに対しても適用可能である。チェーン1aは、いわゆるオフセット型のチェーンである。チェーン1aは、複数のプレート3aが連結される。プレート3aは、は板状部材であり、外プレート部4aと内プレート部6aを有する。
【0031】
プレート3aの一方の端部は外プレート部4aとなり、他方の端部が内プレート部6aとなる。外プレート部4aにはピン嵌合孔9が設けられる。内プレート部6aにはブシュ嵌合孔11が設けられる。外プレート部4aと内プレート部6aとの間には、段差が設けられる。外プレート部4aと内プレート部6aは段差によって同一平面状にはないが、外プレート部4aと内プレート部6aは略平行な面である。
【0032】
一対のプレート3aは、それぞれの外プレート部4aが互いに外側に広がるように配置され、同様に配置された、隣接する一対のプレート3aの内プレート部6aが、外プレート部4aの内側に来るように配置される。すなわち、内プレート部6aの端部近傍は、外側から外プレート部4aによって覆われる。
【0033】
また、前述したように、内プレート部6aの内側には内部に貫通孔を有するブシュ7が設けられ、内プレート部6aのそれぞれのブシュ嵌合孔11へ嵌合される。また、外プレート部4aのピン嵌合孔9とブシュ7とは略直線状に設けられ、ピン嵌合孔9へピン5が挿入されて固定される。このように、チェーン1aは、ピン5を中心に、外プレート部4a、内プレート部6aが回転可能に連結される。
【0034】
このように、チェーン1aにおいて、プレート3aは、チェーン1の1つの外プレート4と1つの内プレート6とが一体で構成されたものと同様の構成である。したがって、本発明における外プレートには、チェーン1aにおける外プレート部4aを含み、本発明における内プレートには、内プレート部6aを含むものとする。すなわち、チェーン1aのプレート3a同士の連結部においても、外プレートが内プレートの外側に配置されて、互いに重なり合うものである。
【0035】
内プレート部6aの端部近傍であって、ブシュ嵌合孔11の中央側(外プレート部4a側)には、マーク13が形成される。前述したように、マーク13は、外プレート部4aによって覆われるため、外側からは視認できない。
【0036】
一方、チェーン1aにおいても、ピン5とブシュ7の摩耗が進行し、チェーン1aが伸びると、外プレート部4aの先端から、マーク13が露出する。このため、このマーク13の露出の程度によって、チェーン1aの伸びを把握することができる。また、ゲージ15a、15b等によって、容易にチェーン1aを検査することができる。このように、オフセット型のチェーン1aにおいても、チェーン1と同様に、外プレートで覆われた部位の内プレートにマーク13を形成することで、ピン5とブシュ7とが摩耗した際に、外プレートの端部からマーク13を露出させることができる。
【0037】
また、マーク13としては、貫通孔でなくてもよい。例えば、完全に貫通していなくても、部分的に薄肉となる凹部であってもよい。この場合は、内プレートの少なくとも外面側に凹部が形成される。このように、マーク13は、貫通していなくても、外側から視認可能であればよい。
【0038】
例えば、マーク13としては、けがき線であってもよい。例えば、けがき線を内プレートの長手方向に垂直に複数本形成することで、チェーンの伸び量を容易に把握することができる。
【0039】
同様に、マーク13としては、塗装による色の違いで形成してもよい。例えば、耐食性向上のため、チェーンを塗装する場合には、内プレートの外面側であって、外プレートで覆われる部位の色を、その他の部位の色と異なるようにしてもよい。また、同様に、内プレートの外面側であって、外プレートで覆われる部位の面粗度を、その他の部位の面粗度よりも小さくするなど、面粗度を変えてもよい。
【0040】
また、チェーンの検査に使用するゲージは、テーパゲージであってもよい。また、マーク13は、チェーンの少なくとも一方から視認できればよいため、対向する両側の内プレートに形成しなくてもよく、一方の内プレートにのみ形成してもよい。また、チェーン1においては、内プレート6の両端部近傍にそれぞれにマーク13を形成したが、一方のみであってもよい。
【0041】
また、上述した説明では、内プレート6にマーク13を形成したが、外プレート4に形成してもよい。
図5(a)は、外プレート4にマーク13を形成した状態を示す断面図である。なお、この場合には、マーク13は、貫通孔に限られる。
【0042】
チェーンに伸びが無い場合には、マーク13は内プレート6と完全に重なり合う。このため、マーク13は内プレート6で塞がれている。この状態から、チェーンが伸びると、
図5(b)に示すように、マーク13の一部が、内プレート6の先端から外れて、マーク13の一部が外プレート4の内側の空間と連通する。したがって、例えばゲージ15aを挿入することで、伸び量を把握することができる。
【0043】
さらにチェーンが伸びると、
図5(c)に示すように、マーク13の全体が、内プレート6の先端から外れて、マーク13の全体が外プレート4の内側の空間と連通する。したがって、例えば、ゲージ15aよりも太いゲージ15bを挿入することで、例えば交換時期を判断することができる。このように、内プレート6又は外プレート4の少なくとも一方の、両者の重なる部位の近傍に、チェーンの伸びを把握することが可能なマーク13が設けられれば、容易に伸びを把握することができる。
【0044】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0045】
1、1a………チェーン
3、3a………プレート
4………外プレート
4a………外プレート部
5………ピン
6………内プレート
6a………内プレート部
7………ブシュ
9………ピン嵌合孔
11………ブシュ嵌合孔
13………マーク
15a、15b………ゲージ