IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ベイビッグの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】存否推定システム及び存否推定方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/22 20060101AFI20220118BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220118BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G08B21/22
G08B25/04 K
G08B25/10 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018540170
(86)(22)【出願日】2018-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2018006987
(87)【国際公開番号】W WO2019163130
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501156350
【氏名又は名称】株式会社ベイビッグ
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】大浦 覚
(72)【発明者】
【氏名】本川 久志
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-300572(JP,A)
【文献】特開2018-013976(JP,A)
【文献】特開2016-082576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/00-5/14
19/00-19/55
G08B19/00-31/00
G08C13/00-25/04
G08G1/00-99/00
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の子機であって、各子機が当該子機を示す信号を周期的に無線で発信する複数の子機と、
それぞれが、前記信号を無線で受信するための受信処理を行う複数の受信機と、
前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否かを推定する管理装置とを備え、
前記複数の受信機のそれぞれは、
前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、前記信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定し、
前記信号の受信レベルが変化した場合に、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す変化情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記変化情報を受信し、前記変化情報に従って、前記エリアに前記複数の子機のそれぞれが存在するか否か、及び、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定する
存否推定システム。
【請求項2】
前記複数の受信機のそれぞれは、
さらに、前記信号に従って、前記信号によって示される前記子機を検出するための検出処理を行い、
前記変化情報を送信することにより、
(i)前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が当該受信機において検出されない状態から検出される状態へ変化した場合に、検出される状態へ変化した当該子機を示す出現情報を前記管理装置へ送信し、
(ii)前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が当該受信機において検出される状態から検出されない状態へ変化した場合に、検出されない状態へ変化した当該子機を示す消失情報を前記管理装置へ送信する
請求項1に記載の存否推定システム。
【請求項3】
前記複数の受信機のそれぞれは、前記検出処理において、前記信号の受信電波強度が前記複数の閾値を構成する所定閾値よりも大きい場合に、前記信号によって示される前記子機を検出する
請求項に記載の存否推定システム。
【請求項4】
前記複数の受信機のそれぞれは、個別に前記所定閾値を有する
請求項に記載の存否推定システム。
【請求項5】
前記エリアは、前記エリアの中心を含む領域である中心領域と、前記中心領域よりも前記エリアの縁に近い領域である縁領域とを含み、
前記複数の受信機のうち前記縁領域に配置される受信機が前記所定閾値として有する値は、前記複数の受信機のうち前記中心領域に配置される受信機が前記所定閾値として有する値よりも大きい
請求項に記載の存否推定システム。
【請求項6】
前記複数の受信機のそれぞれは、前記信号によって示される前記子機が検出されている状態において、前記信号によって示される前記子機が検出されていない状態よりも、前記信号の受信電波強度に対する前記所定閾値を小さくする
請求項のいずれか1項に記載の存否推定システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記出現情報及び前記消失情報に従って、前記複数の受信機のそれぞれについて、前記複数の子機のうち当該受信機において検出されている子機を推定し、
前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が前記複数の受信機のうち少なくとも1つにおいて検出されていると推定される場合に、当該子機が前記エリアに存在すると推定する
請求項~6のいずれか1項に記載の存否推定システム。
【請求項8】
前記複数の受信機のそれぞれは、
前記信号の受信電波強度が、前記複数の閾値を構成する1つ以上の閾値によって定められる所定範囲に含まれる場合に、前記複数の受信レベルの中の所定受信レベルを前記信号の受信レベルとして特定し、
前記所定受信レベルが前記信号の受信レベルとして特定されている状態において、前記所定受信レベルが前記信号の受信レベルとして特定されていない状態よりも、前記信号の受信電波強度に対する前記所定範囲を広くする
請求項1~7のいずれか1項に記載の存否推定システム。
【請求項9】
前記複数の子機は、複数のグループにグルーピングされており、
前記複数の受信機のそれぞれは、グループ毎に、送信タイミングをずらして、前記複数の子機のうち当該グループに属する子機に関する前記変化情報を前記管理装置へ送信する
請求項1~8のいずれか1項に記載の存否推定システム。
【請求項10】
前記複数の受信機のそれぞれは、さらに、前記信号の受信レベルが変化したか否かによらず、前記信号の発信間隔よりも長い送信間隔で、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す検出情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、さらに、前記検出情報を受信する
請求項1~のいずれか1項に記載の存否推定システム。
【請求項11】
前記複数の子機は、複数のグループにグルーピングされており、
前記複数の受信機のそれぞれは、グループ毎に、送信タイミングをずらして、前記複数の子機のうち当該グループに属する子機に関する前記検出情報を前記管理装置へ送信する
請求項10に記載の存否推定システム。
【請求項12】
複数の子機のそれぞれから、当該子機を示す信号を周期的に無線で発信し、
複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号を無線で受信するための受信処理を行い、
前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、前記信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定し、
前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号の受信レベルが変化した場合に、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す変化情報を管理装置へ送信し、
前記管理装置において、前記変化情報を受信し、前記変化情報に従って、前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否か、及び、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定する
存否推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機がエリアに存在するか否かを推定する存否推定システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末から送信されるべき信号が送受信端末装置にて受信できなくなった場合、管理装置端末に対して、注意喚起情報を識別情報と共に送信する被管理者管理システムが示されている。そして、この被管理者管理システムは、被管理者が所持する端末において異常が発生した場合でも、管理端末装置に注意喚起情報を送信することができることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-48412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、複数の送受信端末装置のそれぞれにおける受信信号の電波強度レベルが信号の受信の都度サーバへ送信され、サーバで電波強度レベルの変化が演算され、サーバで注意喚起情報の送信制御が行われる。そのため、多数の端末(つまり多数の子機)、及び、多数の送受信端末装置(つまり多数の受信機)を含む環境では、サーバへ情報が送信される際に、パケット衝突が発生し、通信障害が発生する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる存否推定システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る存否推定システムは、複数の子機であって、各子機が当該子機を示す信号を周期的に無線で発信する複数の子機と、それぞれが、前記信号を無線で受信するための受信処理を行い、前記信号に従って、前記信号によって示される前記子機を検出するための検出処理を行う複数の受信機と、前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否かを推定する管理装置とを備え、前記複数の受信機のそれぞれは、前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が当該受信機において検出されない状態から検出される状態へ変化した場合に、検出される状態へ変化した当該子機を示す出現情報を前記管理装置へ送信し、前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が当該受信機において検出される状態から検出されない状態へ変化した場合に、検出されない状態へ変化した当該子機を示す消失情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記出現情報及び前記消失情報を受信し、前記出現情報及び前記消失情報に従って、前記エリアに前記複数の子機のそれぞれが存在するか否かを推定する。
【0007】
これにより、存否推定システムは、状態が変化した場合に送信される出現情報及び消失情報に従って、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。そして、これにより、存否推定システムは、各受信機から送信されるデータ量を削減することができる。したがって、存否推定システムは、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。
【0008】
例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、前記検出処理において、前記信号の受信電波強度が閾値よりも大きい場合に、前記信号によって示される前記子機を検出してもよい。
【0009】
これにより、存否推定システムは、受信電波強度と閾値との比較によって、子機を適切に検出することができ、状態の変化を適切に判定することができる。
【0010】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、個別に前記閾値を有してもよい。
【0011】
これにより、存否推定システムは、受信機毎に適切な閾値を柔軟に適用することができる。
【0012】
また、例えば、前記エリアは、前記エリアの中心を含む領域である中心領域と、前記中心領域よりも前記エリアの縁に近い領域である縁領域とを含み、前記複数の受信機のうち前記縁領域に配置される受信機が前記閾値として有する値は、前記複数の受信機のうち前記中心領域に配置される受信機が前記閾値として有する値よりも大きくてもよい。
【0013】
これにより、存否推定システムは、エリアの境界付近において、子機の比較的細かい変位に伴う状態の変化を適切に判定することができる。
【0014】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、前記信号によって示される前記子機が検出されている状態において、前記信号によって示される前記子機が検出されていない状態よりも、前記信号の受信電波強度に対する前記閾値を小さくしてもよい。
【0015】
これにより、存否推定システムは、受信電波強度が閾値付近で変化する場合において、受信機から送信されるデータ量を削減することができる。
【0016】
また、例えば、前記複数の子機は、複数のグループにグルーピングされており、前記複数の受信機のそれぞれは、グループ毎に、送信タイミングをずらして、前記複数の子機のうち当該グループに属する子機に関する前記出現情報及び前記消失情報を前記管理装置へ送信してもよい。
【0017】
これにより、存否推定システムは、多数の子機が一斉に移動する場合でも、一斉に大量のデータが管理装置へ送信されることを抑制することができる。
【0018】
また、例えば、前記管理装置は、前記出現情報及び前記消失情報に従って、前記複数の受信機のそれぞれについて、前記複数の子機のうち当該受信機において検出されている子機を推定し、前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が前記複数の受信機のうち少なくとも1つにおいて検出されていると推定される場合に、当該子機が前記エリアに存在すると推定してもよい。
【0019】
これにより、存否推定システムは、出現情報及び消失情報から少なくとも1つの受信機で検出されていると推定される子機をエリアに存在する子機として適切に推定することができる。
【0020】
また、例えば、前記管理装置は、さらに、前記出現情報及び前記消失情報に従って、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定してもよい。
【0021】
これにより、存否推定システムは、出現情報及び消失情報に従って、子機が存在する領域を推定することができる。例えば、存否推定システムは、出現情報及び消失情報に従って、子機を検出している受信機を推定することができる。そして、存否推定システムは、その受信機によって子機が検出される領域を子機が存在する領域として適切に推定することができる。
【0022】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、さらに、前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、前記信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定し、前記信号の受信レベルが変化した場合に、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す変化情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、さらに、前記変化情報を受信し、前記変化情報に従って、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定してもよい。
【0023】
これにより、存否推定システムは、変化情報に従って、各子機が存在する領域を推定することができる。例えば、存否推定システムは、変化情報に従って、各受信機において受信される信号の受信レベルを推定することができる。そして、存否推定システムは、その受信レベルで信号が受信される領域を子機が存在する領域として適切に推定することができる。また、受信レベルは、変化した場合に送信される。したがって、存否推定システムは、各受信機から送信されるデータ量の増加を抑制することができる。
【0024】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、前記信号の受信電波強度が、前記複数の閾値を構成する1つ以上の閾値によって定められる所定範囲に含まれる場合に、前記複数の受信レベルの中の所定受信レベルを前記信号の受信レベルとして特定し、前記所定受信レベルが前記信号の受信レベルとして特定されている状態において、前記所定受信レベルが前記信号の受信レベルとして特定されていない状態よりも、前記信号の受信電波強度に対する前記所定範囲を広くしてもよい。
【0025】
これにより、存否推定システムは、受信電波強度が所定範囲の閾値付近で変化する場合において、受信機から送信されるデータ量を削減することができる。
【0026】
また、例えば、前記複数の子機は、複数のグループにグルーピングされており、前記複数の受信機のそれぞれは、グループ毎に、送信タイミングをずらして、前記複数の子機のうち当該グループに属する子機に関する前記変化情報を前記管理装置へ送信してもよい。
【0027】
これにより、存否推定システムは、多数の子機が一斉に移動する場合でも、一斉に大量のデータが管理装置へ送信されることを抑制することができる。
【0028】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれは、さらに、前記信号の発信間隔よりも長い送信間隔で、前記複数の子機のうち当該受信機において検出されている子機を示す検出情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、さらに、前記検出情報を受信してもよい。
【0029】
これにより、存否推定システムは、受信機で検出されている子機と、出現情報及び消失情報から受信機で検出されていると推定される子機との差異の発生を抑制することができる。
【0030】
また、例えば、前記複数の受信機のそれぞれによって送信される前記検出情報は、さらに、前記複数の子機のうち当該受信機において検出されている子機から発信された前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、複数の受信レベルの中から前記信号の受信レベルとして特定される受信レベルを示してもよい。
【0031】
これにより、存否推定システムは、検出情報に従って、各子機が存在する領域を推定することができる。
【0032】
また、例えば、前記複数の子機は、複数のグループにグルーピングされており、前記複数の受信機のそれぞれは、グループ毎に、送信タイミングをずらして、前記複数の子機のうち当該グループに属する子機に関する前記検出情報を前記管理装置へ送信してもよい。
【0033】
これにより、存否推定システムは、一斉に検出情報として大量のデータが管理装置へ送信されることを抑制することができる。
【0034】
また、本発明の一態様に係る存否推定方法は、複数の子機のそれぞれから、当該子機を示す信号を周期的に無線で発信し、複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号を無線で受信するための受信処理を行い、前記信号に従って、前記信号によって示される前記子機を検出するための検出処理を行い、前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が検出されない状態から検出される状態へ変化した場合に、検出される状態へ変化した当該子機を示す出現情報を当該受信機から管理装置へ送信し、前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記複数の子機のそれぞれについて、当該子機が検出される状態から検出されない状態へ変化した場合に、検出されない状態へ変化した当該子機を示す消失情報を当該受信機から前記管理装置へ送信し、前記管理装置において、前記出現情報及び前記消失情報を受信し、前記出現情報及び前記消失情報に従って、前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否かを推定する。
【0035】
これにより、この存否推定方法を用いるシステム等は、状態が変化した場合に送信される出現情報及び消失情報に従って、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。そして、これにより、この存否推定方法を用いるシステム等は、各受信機から送信されるデータ量を削減することができる。したがって、この存否推定方法を用いるシステム等は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。
【0036】
また、例えば、本発明の一態様に係る存否推定システムは、複数の子機であって、各子機が当該子機を示す信号を周期的に無線で発信する複数の子機と、それぞれが、前記信号を無線で受信するための受信処理を行う複数の受信機と、前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否かを推定する管理装置とを備え、前記複数の受信機のそれぞれは、前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、前記信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定し、前記信号の受信レベルが変化した場合に、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す変化情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記変化情報を受信し、前記変化情報に従って、前記エリアに前記複数の子機のそれぞれが存在するか否か、及び、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定する存否推定システムであってもよい。
また、例えば、本発明の一態様に係る存否推定方法は、複数の子機のそれぞれから、当該子機を示す信号を周期的に無線で発信し、複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号を無線で受信するための受信処理を行い、前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、前記信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定し、前記複数の受信機のそれぞれにおいて、前記信号の受信レベルが変化した場合に、前記信号によって示される前記子機、及び、前記信号の受信レベルを示す変化情報を管理装置へ送信し、前記管理装置において、前記変化情報を受信し、前記変化情報に従って、前記複数の受信機が配置されるエリアに、前記複数の子機のそれぞれが存在するか否か、及び、前記エリアにおいて前記複数の子機のそれぞれが存在する領域を推定する存否推定方法であってもよい。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、及び、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体のいずれで実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一態様に係る存否推定システム等は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、実施の形態における存否推定システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態における存否推定システムの各構成要素の配置を示す模式図である。
図3図3は、実施の形態における受信電波強度を示すグラフである。
図4図4は、実施の形態における複数の受信機のそれぞれの検出領域を示す模式図である。
図5図5は、実施の形態における子機が検出状態へ変化する際の子機の移動を示す模式図である。
図6図6は、実施の形態における子機が非検出状態へ変化する際の子機の移動を示す模式図である。
図7図7は、実施の形態における存否推定システムの動作を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施の形態における子機の構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施の形態における受信機の構成を示すブロック図である。
図10図10は、実施の形態における管理装置の構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施の形態における子機の動作を示すフローチャートである。
図12図12は、実施の形態における受信機の動作を示すフローチャートである。
図13図13は、実施の形態における管理装置の動作を示すフローチャートである。
図14図14は、実施の形態における信号を示すデータテーブル図である。
図15図15は、実施の形態における検出情報を示すデータテーブル図である。
図16図16は、実施の形態における出現情報を示すデータテーブル図である。
図17図17は、実施の形態における消失情報を示すデータテーブル図である。
図18図18は、第1変形例における受信機の動作を示すフローチャートである。
図19図19は、第1変形例における管理装置の動作を示すフローチャートである。
図20図20は、第2変形例における中心領域及び縁領域を示す模式図である。
図21図21は、第2変形例における複数の受信機のそれぞれの検出領域を示す模式図である。
図22図22は、第3変形例における受信電波強度と受信レベルとの関係を示すグラフである。
図23図23は、第3変形例における子機から受信される信号の受信レベルが変化する際の子機の移動を示す模式図である。
図24図24は、第3変形例における子機が存在する領域の推定結果を示す模式図である。
図25図25は、第3変形例における受信機の動作を示すフローチャートである。
図26図26は、第3変形例における管理装置の動作を示すフローチャートである。
図27図27は、第3変形例における検出情報を示すデータテーブル図である。
図28図28は、第3変形例における変化情報を示すデータテーブル図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、実施の形態等について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態等は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態等で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態等における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0040】
また、以下の説明において、便宜上、第1、第2及び第3といった序数が用いられている場合がある。これらの序数は、適宜、付け替えられてもよいし、取り除かれてもよい。また、新たな序数が構成要素などに対して付け加えられてもよい。
【0041】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における存否推定システムの構成を示すブロック図である。図1に示された存否推定システム100は、複数の子機110と、複数の受信機120と、管理装置130とを備える。
【0042】
複数の子機110のそれぞれは、信号を周期的に無線で発信する発信装置である。子機110によって発信される信号は、その子機110を示す。すなわち、子機110によって発信される信号には、子機110を識別するための情報が含まれる。子機110によって発信される信号には、無線局を識別するための識別信号が用いられてもよい。
【0043】
また、例えば、子機110は、IEEE802.15.4の無線通信規格に従って、信号を発信する。あるいは、子機110は、IEEE802.15シリーズの他の無線通信規格に従って、信号を発信してもよいし、IEEE802.11シリーズの無線通信規格に従って、信号を発信してもよい。あるいは、子機110は、その他の汎用的な無線通信規格に従って信号を発信してもよいし、独自の無線通信規格に従って信号を発信してもよい。
【0044】
また、例えば、子機110は、5秒間隔で、信号を周期的に無線で発信する。あるいは、子機110は、10秒間隔で、信号を周期的に無線で発信してもよい。あるいは、子機110は、その他の時間間隔で、信号を周期的に無線で発信してもよい。
【0045】
また、例えば、子機110は、人に保持され、人の移動に伴って移動する。子機110は、人に装着されることにより保持されてもよいし、人の手で把持されることにより保持されてもよいし、人によって把持されるカバン等に入れられることにより保持されてもよい。
【0046】
例えば、子機110は、識別のための信号を周期的に無線で発信するためのアンテナ、電気回路及びバッテリ等を備える無線タグであり、保持可能な20g程度の重量を有する。また、子機110は、その子機110を示す子機識別情報を記憶するためのメモリを備えていてもよい。あるいは、スマートフォン又は携帯電話等が子機110として用いられてもよい。
【0047】
複数の受信機120のそれぞれは、子機110から発信される信号を受信し、受信された信号に従って子機110を検出する受信装置である。具体的には、受信機120は、子機110によって信号の発信に用いられた無線通信規格と同じ又は互換性を有する無線通信規格に従って、子機110から発信される信号を受信する。そして、受信機120は、受信された信号によって示される子機110を検出する。
【0048】
また、例えば、受信機120は、固定的に設置される。子機110が受信機120の周辺に存在しない場合、子機110から発信される信号が受信機120において十分な受信電波強度で受信されない。
【0049】
つまり、受信機120は、子機110から発信される信号を受信するための受信処理を行うが、子機110から発信される信号が受信処理において十分な受信電波強度で受信されたり受信されなかったりする。受信機120は、受信された信号に従って子機110を検出するための検出処理を行うが、子機110が検出処理において検出されたり検出されなかったりする。
【0050】
例えば、受信機120は、複数の子機110のそれぞれから発信される信号を受信するための受信処理を行う。そして、受信機120は、複数の子機110のそれぞれを検出するための検出処理を行う。
【0051】
そして、受信機120は、子機110の状態が、その子機110が検出されない非検出状態から、その子機110が検出される検出状態へ、変化した場合、その子機110を示す出現情報を管理装置130へ無線で送信する。受信機120は、子機110の状態が検出状態から非検出状態へ変化した場合、その子機110を示す消失情報を管理装置130へ無線で送信する。
【0052】
例えば、受信機120は、子機110から信号を受信するための無線通信規格と同じ無線通信規格に従って、出現情報及び消失情報を送信してもよい。あるいは、受信機120は、子機110から信号を受信するための無線通信規格とは異なる無線通信規格に従って、出現情報及び消失情報を送信してもよい。
【0053】
具体的には、受信機120は、IEEE802.15シリーズの無線通信規格に従って、出現情報及び消失情報を送信してもよいし、IEEE802.11シリーズの無線通信規格に従って、出現情報及び消失情報を送信してもよい。あるいは、受信機120は、その他の汎用的な無線通信規格に従って出現情報及び消失情報を送信してもよいし、独自の無線通信規格に従って出現情報及び消失情報を送信してもよい。
【0054】
また、例えば、受信機120は、通信のためのアンテナ、及び、情報処理のための電気回路等を備えていてもよい。また、受信機120は、検出された子機110を示す情報、及び、その受信機120を示す情報を記憶するためのメモリを備えていてもよい。また、受信機120は、通信及び情報処理のための電力を供給するバッテリを備えていてもよい。あるいは、受信機120は、通信及び情報処理のための電力を外部の電源から取得してもよい。
【0055】
また、受信機120は、送受信機、中継機、送受信装置、中継装置、検出装置又は情報処理装置等とも表現され得る。パーソナルコンピュータ等が受信機120として用いられてもよい。
【0056】
管理装置130は、複数の受信機120から出現情報及び消失情報を無線で受信し、出現情報及び消失情報に従って、複数の受信機120が設置されるエリアに各子機110が存在するか否かを推定する情報処理装置である。
【0057】
例えば、管理装置130は、受信機120によって出現情報及び消失情報の送信に用いられた無線通信規格と同じ又は互換性を有する無線通信規格に従って出現情報及び消失情報を受信する。
【0058】
そして、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を推定する。そして、管理装置130は、複数の子機110のそれぞれについて、複数の受信機120のうち少なくとも1つにおいて子機110が検出されていると推定される場合に、複数の受信機120が設置されているエリアに子機110が存在すると推定する。
【0059】
また、管理装置130は、各受信機120において検出されている子機110の推定結果を内部のメモリに記憶してもよい。そして、管理装置130は、出現情報及び消失情報を新たに受信した場合、記憶されている推定結果、新たに受信された出現情報、及び、新たに受信された消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を新たに推定してもよい。
【0060】
そして、管理装置130は、各受信機120において検出されている子機110の新たな推定結果に従って、少なくとも1つの受信機120において各子機110が検出されているか否かを推定してもよい。その後、管理装置130は、メモリに記憶されている推定結果を新たな推定結果で更新してもよい。つまり、管理装置130は、メモリに記憶されている推定結果を新たな推定結果に置き換えてもよい。
【0061】
また、例えば、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、各子機110が存在する領域を推定してもよい。具体的には、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を推定することができる。そして、管理装置130は、子機110を検出している受信機120の周辺の領域に子機110が存在すると推定することができる。これにより、管理装置130は、各子機110が存在する領域を推定することができる。
【0062】
また、例えば、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、エリア200に子機110が存在しないと推定される場合、エリア200において子機110が最後に存在していた領域を出現情報及び消失情報に従って推定してもよい。
【0063】
また、例えば、管理装置130は、エリア200において子機110が存在するか否か等の推定結果を出力してもよい。管理装置130は、推定結果を画像又は音として出力してもよいし、推定結果をデータとして他の装置へ送信することにより推定結果を出力してもよい。
【0064】
また、例えば、管理装置130は、通信のためのアンテナ、及び、情報処理のための電気回路等を備えていてもよい。また、管理装置130は、受信された出現情報、受信された消失情報、及び、推定結果等を記憶するためのメモリを備えていてもよい。また、管理装置130は、通信及び情報処理のための電力を供給するバッテリを備えていてもよい。あるいは、管理装置130は、通信及び情報処理のための電力を外部の電源から取得してもよい。
【0065】
また、例えば、管理装置130は、複数の子機110に対する親機とも表現され得る。パーソナルコンピュータ、スマートフォン又は携帯電話等が管理装置130として用いられてもよい。
【0066】
図2は、図1に示された存否推定システム100の各構成要素の配置を示す模式図である。図2において、複数の二重丸は複数の受信機120を示し、斜線でハッチングされた複数の丸は複数の子機110を示す。複数の受信機120は、エリア200に固定的に設置される。複数の子機110は、基本的に、エリア200の内部に存在する。しかし、各子機110は移動する。そして、子機110は、エリア200の外部へ移動する可能性がある。
【0067】
管理装置130は、エリア200の内部に設置されていてもよいし、エリア200の外部に設置されていてもよい。また、管理装置130は、人によって保持されてもよく、管理装置130を保持する人の移動に伴って、エリア200の内部又は外部にかかわりなく、移動してもよい。
【0068】
エリア200は、屋内のエリアであってもよいし、屋外のエリアであってもよい。また、エリア200は、屋内の領域と屋外の領域とを含んでいてもよい。複数の子機110は、エリア200に存在することが期待される。
【0069】
例えば、エリア200は、キャンプ場、公園、広場又は大規模施設等である。エリア200には、複数の子供が集まる。子供がエリア200から出た場合、子供が行方不明になる可能性がある。そこで、複数の子機110が、それぞれ、エリア200に集まる複数の子供に装着される。そして、存否推定システム100は、各子機110がエリア200に存在するか否かを推定する。これにより、子供がエリア200に存在するか否かが確認され得る。
【0070】
一方で、多数の子供が集まる場合、多数の子機110が用いられる。具体的には、100人以上の子供が集まる場合、100個以上の子機110が用いられる。そして、仮に複数の受信機120が各子機110の信号を受信する度に管理装置130へデータを送信した場合、大量のデータが管理装置130へ送信される。これにより、パケット衝突及び通信障害が発生する可能性がある。
【0071】
そこで、受信機120は、信号を受信する度にデータを送信せずに、子機110の状態が変化した場合にデータを送信する。具体的には、各受信機120は、子機110が検出状態に変化した場合に出現情報を管理装置130へ送信し、子機110が非検出状態に変化した場合に消失情報を管理装置130へ送信する。そして、管理装置130は、各受信機120から出現情報及び消失情報を受信する。そして、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、各子機110がエリア200に存在するか否かを推定する。
【0072】
これにより、存否推定システム100は、多数の子機110が用いられる場合であっても、パケット衝突及び通信障害の発生を抑制しつつ、各子機110がエリア200に存在するか否かを適切に推定することができる。したがって、エリア200に多数の子供が集まる場合であっても、子供がエリア200に存在するか否かが確認され得る。例えば、子供がエリア200から出て行ったこと、及び、子供がエリア200へ戻って来たこと等が確認され得る。
【0073】
図3は、図1に示された受信機120で受信される信号の受信電波強度を示すグラフである。受信機120は、都度、信号を受信する。したがって、子機110から発信される信号が受信機120に到達する場合、受信機120は、子機110が周期的に発信する信号の発信間隔で、子機110が周期的に発信する信号を受信する。受信機120が受信する信号の受信電波強度は、受信機120と子機110との間の距離によって異なる。
【0074】
例えば、受信機120は、子機110から発信された信号を受信した場合、受信された信号の受信電波強度を測定する。そして、受信機120は、信号の受信電波強度が閾値よりも大きい場合に、信号によって示される子機110を検出領域に存在する子機110として検出する。
【0075】
一方で、受信機120は、信号の受信電波強度が閾値よりも大きくない場合に、その信号を発信した子機110を検出領域に存在する子機110として検出しない。ここで、信号の受信電波強度が閾値よりも大きくない場合は、信号が受信機120に到達しない場合を含む。
【0076】
図3において、受信機120は、子機110から信号を7回受信している。そして、1回目及び2回目に受信された信号の受信電波強度は閾値よりも大きくない。したがって、1回目及び2回目の信号の受信において、子機110は非検出状態である。
【0077】
そして、3回目、4回目及び5回目に受信された信号の受信電波強度は閾値よりも大きい。したがって、3回目、4回目及び5回目の信号の受信において、子機110は検出状態である。そして、6回目及び7回目に受信された信号の受信電波強度は閾値よりも大きくない。したがって、6回目及び7回目の信号の受信において、子機110は非検出状態である。
【0078】
受信機120は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合に、子機110を示す出現情報を送信する。つまり、受信機120は、3回目の信号を受信した際に、出現情報を送信する。そして、受信機120は、子機110が検出状態から非検出状態へ変化した場合に、子機110を示す消失情報を送信する。つまり、受信機120は、6回目の信号を受信した際に、消失情報を送信する。
【0079】
上記の例では、受信機120は、閾値よりも小さい6回目の信号を受信した際に、消失情報を送信する。しかし、例えば、受信機120は、発信間隔で6回目の信号が受信されない場合にも、消失情報を送信する。そのため、受信機120は、検出状態の子機110から発信間隔で信号が受信されているか否かを判定してもよい。そして、受信機120は、検出状態の子機110から発信間隔で信号が受信されていない場合に、子機110が検出状態から非検出状態に変化したと判定し、消失情報を送信してもよい。
【0080】
例えば、子機110から発信される信号に、発信間隔を示す情報が含まれていてもよい。あるいは、発信間隔を示す情報が、既知の情報として受信機120に設定されていてもよい。受信機120は、このような情報によって示される発信間隔に従って、検出状態の子機110から発信間隔で信号が受信されているか否かを判定してもよい。
【0081】
また、上記の例では、受信機120は、受信の都度、子機110の状態が変化した場合に、出現情報又は消失情報を送信する。しかし、受信機120は、所定の判定間隔で、前回の処理時点から子機110の状態が変化しているか否かを判定し、子機110の状態が変化している場合に、出現情報又は消失情報を送信してもよい。
【0082】
例えば、システム立上げ時、及び、多数の子機110の移動時などにおいて、管理装置130から行われる指示に従って、各受信機120が、送信方法(モード)を切り替えてもよい。また、このような送信方法の切り替えは、複数の子機110を複数のグループにグルーピングすることによって得られるグループ毎に行われてもよい。あるいは、このような送信方法の切り替えは、その他のタイミング又は単位で行われてもよい。
【0083】
また、受信機120は、受信機120において検出されている子機110を示す検出情報を内部のメモリに記憶してもよい。そして、受信機120は、検出情報に示されていない子機110が検出された場合に、受信機120は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化したと判定してもよい。そして、この場合、受信機120は、検出された子機110を示す情報を検出情報に追加してもよい。
【0084】
また、受信機120は、検出情報に示されている子機110が検出されない場合に、子機110が検出状態から非検出状態へ変化したと判定してもよい。そして、この場合、受信機120は、検出されない子機110を示す情報を検出情報から削除してもよい。
【0085】
また、受信機120によって記憶される検出情報には、子機110の検出時刻が含まれ、子機110が検出される度に更新されてもよい。そして、受信機120は、検出時刻が更新されず、検出時刻から、発信間隔及び遅延時間を含む期間を経過した場合に、子機110が検出状態から非検出状態へ変化したと判定してもよい。
【0086】
あるいは、受信機120は、発信間隔及び遅延時間を含む期間に検出された子機110と、内部のメモリに記憶されている検出情報によって受信機120において検出されている子機110として示される子機110とを比較してもよい。そして、受信機120は、比較の結果、検出状態から非検出状態へ変化した子機110、及び、非検出状態から検出状態へ変化した子機110を抽出してもよい。その後、受信機120は、発信間隔及び遅延時間を含む期間に検出された子機110を示す情報で検出情報を更新してもよい。
【0087】
また、閾値は0であってもよい。すなわち、受信機120は、信号を受信した際に、受信電波強度によらず、信号によって示される子機110を検出領域に存在する子機110として検出してもよい。
【0088】
また、受信機120は、チャタリングを抑制するため、受信電波強度と閾値との比較において、ヒステリシス処理を行ってもよい。
【0089】
具体的には、受信機120は、子機110が検出状態である場合、子機110から受信される信号の受信電波強度に対する閾値を相対的に小さくしてもよい。また、受信機120は、子機110が非検出状態である場合、子機110から受信される信号の受信電波強度に対する閾値を相対的に大きくしてもよい。すなわち、1つの閾値が2段に切り替え可能であってもよい。そして、受信電波強度の上昇時の閾値Aと、受信電波強度の下降時の閾値Bとが、閾値A>閾値Bを満たしていてもよい。
【0090】
あるいは、受信機120は、子機110の状態が変化してから一定期間以上、受信電波強度によらず、子機110の状態を維持してもよい。
【0091】
あるいは、受信機120は、子機110が検出状態である状態において、子機110から受信される信号の受信電波強度が連続して閾値よりも大きくない場合に、子機110が検出状態から非検出状態に変化したと判定してもよい。また、受信機120は、子機110が非検出状態である状態において、子機110から受信される信号の受信電波強度が連続して閾値よりも大きい場合に、子機110が非検出状態から検出状態に変化したと判定してもよい。
【0092】
また、受信機120は、受信電波強度に対して移動平均処理を行い、移動平均処理が行われた受信電波強度と閾値とを比較してもよい。
【0093】
図4は、図1に示された複数の受信機120のそれぞれの検出領域を示す模式図である。図4において点線で示される円は、複数の受信機120のそれぞれの検出領域を示す。検出領域は、受信機120によって子機110が検出される領域である。すなわち、受信機120は、検出領域に存在する子機110を検出する。検出領域の大きさは、受信電波強度に対する閾値が調整されることにより調整され得る。
【0094】
例えば、複数の受信機120の複数の検出領域がエリア200をカバーするように、各受信機120が設置され、各検出領域の大きさが調整される。複数の検出領域がエリア200を空白なく完全にカバーするように、各受信機120が設置され、かつ、各検出領域の大きさが調整されてもよい。
【0095】
管理装置130は、各受信機120の位置又は検出領域等を内部のメモリに予め記憶していてもよい。あるいは、管理装置130は、各受信機120から位置又は検出領域等を示す情報を受信してもよい。そして、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、受信機120において検出されている子機110を推定し、受信機120において検出されていると推定される子機110が受信機120の検出領域に存在すると推定してもよい。
【0096】
図5は、図1に示された子機110が検出状態へ変化する際の子機110の移動を示す模式図である。例えば、子機110が受信機120の検出領域の外部に存在する場合、子機110は受信機120で検出されない。つまり、この場合、受信機120において、子機110は非検出状態である。そして、子機110が受信機120の検出領域の内部へ移動した場合、子機110は受信機120で検出されるようになる。つまり、この場合、受信機120において、子機110は検出状態に変化する。
【0097】
したがって、子機110が受信機120の検出領域の外部から内部へ移動することにより、受信機120において子機110は非検出状態から検出状態に変化する。
【0098】
図6は、図1に示された子機110が非検出状態へ変化する際の子機110の移動を示す模式図である。例えば、子機110が受信機120の検出領域の内部に存在する場合、子機110は受信機120で検出される。つまり、この場合、受信機120において、子機110は検出状態である。そして、子機110が受信機120の検出領域の外部へ移動した場合、子機110は受信機120で検出されないようになる。つまり、この場合、受信機120において、子機110は非検出状態に変化する。
【0099】
したがって、子機110が受信機120の検出領域の内部から外部へ移動することにより、受信機120において子機110は検出状態から非検出状態に変化する。
【0100】
図7は、図1に示された存否推定システム100の動作を示すシーケンス図である。図7の動作は、図3の受信電波強度で受信機120において子機110から信号を7回受信する動作に対応する。
【0101】
まず、子機110は、子機110を示す信号を発信する(S101)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信するが、受信電波強度が閾値よりも大きくないため、子機110を検出しない。したがって、子機110は非検出状態である。
【0102】
そして、子機110は、再度、子機110を示す信号を発信する(S102)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信するが、受信電波強度が閾値よりも大きくないため、子機110を検出しない。したがって、子機110は非検出状態のままである。
【0103】
そして、子機110は、再度、子機110を示す信号を発信する(S103)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信し、受信電波強度が閾値よりも大きいため、子機110を検出する。したがって、子機110は検出状態に変化する。したがって、受信機120は、子機110を示す出現情報を管理装置130へ送信する。
【0104】
そして、子機110は、再度、子機110を示す信号を発信する(S104)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信し、受信電波強度が閾値よりも大きいため、子機110を検出する。したがって、子機110は検出状態のままである。
【0105】
そして、子機110は、再度、子機110を示す信号を発信する(S105)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信し、受信電波強度が閾値よりも大きいため、子機110を検出する。したがって、子機110は検出状態のままである。
【0106】
そして、子機110は、子機110を示す信号を発信する(S106)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信するが、受信電波強度が閾値よりも大きくないため、子機110を検出しない。したがって、子機110は非検出状態に変化する。したがって、受信機120は、子機110を示す消失情報を管理装置130へ送信する。
【0107】
そして、子機110は、再度、子機110を示す信号を発信する(S107)。受信機120は、子機110から発信された信号を受信するが、受信電波強度が閾値よりも大きくないため、子機110を検出しない。したがって、子機110は非検出状態のままである。
【0108】
図7のように、受信機120は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合に出現情報を管理装置130へ送信し、子機110が非検出状態に変化した場合に消失情報を管理装置130へ送信する。これにより、受信機120は、受信の都度、毎回、データを送信することに比べて、管理装置130へ送信されるデータ量を削減することができる。また、管理装置130は、受信された出現情報、及び、受信された消失情報に従って、受信機120において検出されている子機110を適切に推定することができる。
【0109】
ここで、多数の子機110が一斉に移動する場合、多数の子機110の状態が一斉に変化し、同じタイミングで大量のデータが送信される可能性がある。
【0110】
そこで、複数の子機110は、複数のグループにグルーピングされてもよい。そして、受信機120は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、出現情報及び消失情報を送信してもよい。例えば、受信機120は、第1グループに属する子機110に関する出現情報及び消失情報を送信し、その後、1~2秒程度又はその他の時間間隔をあけて、第2グループに属する子機110に関する出現情報及び消失情報を送信してもよい。
【0111】
これにより、受信機120は、多数の子機110が一斉に移動する場合でも、一斉に大量のデータが管理装置130へ送信されることを抑制することができる。
【0112】
図8図9及び図10は、上述された子機110、受信機120及び管理装置130の具体的な構成例を示す。
【0113】
図8は、図1に示された子機110の構成を示すブロック図である。子機110は、発信部111を備える。発信部111は、アンテナ、電気回路及びメモリ等で構成され、子機110において発信処理を行う。例えば、発信部111は、子機110を示す信号を周期的に無線で発信する。
【0114】
図9は、図1に示された受信機120の構成を示すブロック図である。受信機120は、受信部121と、検出部122と、送信部123とを備える。受信部121は、アンテナ及び電気回路等で構成され、受信機120において受信処理を行う。例えば、受信部121は、子機110から発信された信号を無線で受信する。検出部122は、電気回路及びメモリ等で構成され、受信機120において検出処理を行う。例えば、検出部122は、受信部121で受信された信号に従って、子機110を検出する。
【0115】
送信部123は、アンテナ及び電気回路等で構成され、受信機120において送信処理を行う。例えば、送信部123は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合に、非検出状態へ変化した子機110を示す出現情報を管理装置130へ無線で送信する。また、送信部123は、子機110が検出状態から非検出状態へ変化した場合に、検出状態へ変化した子機110を示す消失情報を管理装置130へ無線で送信する。受信部121と送信部123とは、部分的又は全体的に統合されていてもよい。
【0116】
図10は、図1に示された管理装置130の構成を示すブロック図である。管理装置130は、受信部131と、推定部132とを備える。
【0117】
受信部131は、アンテナ及び電気回路等で構成され、管理装置130において受信処理を行う。例えば、受信部131は、各受信機120から送信された出現情報及び消失情報を無線で受信する。推定部132は、電気回路及びメモリ等で構成され、管理装置130において推定処理を行う。例えば、推定部132は、受信部131で受信された出現情報、及び、受信部131で受信された消失情報に従って、複数の受信機120が配置されるエリア200に、複数の子機110のそれぞれが存在するか否かを推定する。
【0118】
推定部132は、エリア200に各子機110が存在するか否か等の推定結果を画像又は音として外部に出力してもよいし、推定結果をデータとして外部に出力してもよい。また、推定部132は、エリア200に存在しないと推定される子機110を示す情報をアラームとして出力してもよい。管理装置130は、このような出力を行うための出力部を備えていてもよい。
【0119】
図11は、図1に示された子機110の動作を示すフローチャートである。図1に示された複数の子機110のそれぞれは、図11に示された動作を行う。図8に示された子機110の構成要素が、図1に示された子機110の動作として図11に示された動作を行ってもよい。
【0120】
例えば、発信部111は、子機110を示す信号を周期的に無線で発信する(S201)。具体的には、発信部111は、5秒間、10秒間又はその他の発信間隔で、子機110を示す信号を周期的に無線で発信する。発信間隔は、基本的に、一定であるが、変化してもよい。また、複数の子機110において、基本的に、同じ発信間隔が用いられるが、異なる発信間隔が用いられてもよい。
【0121】
図12は、図1に示された受信機120の動作を示すフローチャートである。図1に示された複数の受信機120のそれぞれは、図12に示された動作を行う。図9に示された受信機120の複数の構成要素が、図1に示された受信機120の動作として図12に示された動作を行ってもよい。
【0122】
例えば、受信部121は、各子機110から発信された信号を無線で受信するための受信処理を行う(S301)。そして、検出部122は、受信処理で受信された信号に従って、信号によって示される子機110を検出するための検出処理を行う(S302)。
【0123】
そして、検出部122は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化したか否かを判定する(S303)。そして、検出部122は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合に(S303でYes)、送信部123を介して、検出状態へ変化した子機110を示す出現情報を送信する(S304)。検出部122は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、出現情報を送信してもよい。
【0124】
一方、子機110が非検出状態から検出状態へ変化していない場合に(S303でNo)、子機110を示す出現情報は送信されない。
【0125】
そして、検出部122は、子機110が検出状態から非検出状態へ変化したか否かを判定する(S305)。そして、検出部122は、子機110が検出状態から非検出状態へ変化した場合に(S305でYes)、送信部123を介して、非検出状態へ変化した子機110を示す消失情報を送信する(S306)。検出部122は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、消失情報を送信してもよい。
【0126】
一方、子機110が検出状態から非検出状態へ変化していない場合に(S305でNo)、子機110を示す消失情報は送信されない。
【0127】
例えば、検出部122は、判定処理(S303及びS305)のため、発信間隔以上の判定間隔において検出された子機110のリストと、内部のメモリにおける検出情報によって検出状態の子機110として示される子機110のリストとを照合してもよい。そして、検出部122は、照合の結果、検出状態から非検出状態へ変化した子機110、及び、非検出状態から検出状態へ変化した子機110を特定してもよい。その後、受信機120は、判定間隔において検出された子機110のリストで検出情報を更新してもよい。
【0128】
そして、受信機120は、上記の処理(S301~S306)を繰り返す。受信機120は、受信部121において信号を受信する度に上記の処理を行ってもよいし、発信間隔と同程度の時間間隔で繰り返して上記の処理を行ってもよいし、これらを組み合わせたタイミングで上記の処理を行ってもよい。
【0129】
具体的には、受信機120は、受信処理(S301)及び検出処理(S302)を受信の度に行い、判定処理(S303及びS305)及び送信処理(S304及びS306)を発信間隔以上の判定間隔で繰り返して行ってもよい。判定間隔は、例えば、1分間であってもよいし、その他の時間間隔であってもよい。
【0130】
図13は、図1に示された管理装置130の動作を示すフローチャートである。図1に示された管理装置130は、図13に示された動作を行う。図10に示された管理装置130の複数の構成要素が、図1に示された管理装置130の動作として図13に示された動作を行ってもよい。
【0131】
例えば、受信部131は、出現情報及び消失情報を無線で受信する(S401)。受信部131は、出現情報及び消失情報が送信されるタイミングに従って、出現情報及び消失情報を異なるタイミングで受信してもよいし、出現情報及び消失情報を同じタイミングで受信してもよい。
【0132】
そして、推定部132は、出現情報及び消失情報に従って、複数の受信機120が配置されるエリア200に、複数の子機110のそれぞれが存在するか否かを推定する(S402)。推定部132は、複数の子機110のそれぞれが存在するか否かの推定結果を出力してもよい。
【0133】
そして、管理装置130は、上記の処理(S401及びS402)を繰り返す。管理装置130は、受信部131において出現情報及び消失情報を受信する度に上記の処理を行ってもよいし、発信間隔又は判定間隔以上の時間間隔で繰り返して上記の処理を行ってもよいし、これらを組み合わせたタイミングで上記の処理を行ってもよい。
【0134】
具体的には、管理装置130は、受信処理(S401)を受信の度に行い、推定処理(S402)を発信間隔又は判定間隔以上の推定間隔で繰り返して行ってもよい。推定間隔は、例えば、3分間であってもよいし、その他の時間間隔であってもよい。
【0135】
例えば、推定処理(S402)において、推定部132は、出現情報及び消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を推定する。そして、推定部132は、各子機110が少なくとも1つの受信機120において検出されているか否かを推定する。そして、推定部132は、子機110が少なくとも1つの受信機120において検出されていると推定される場合、その子機110がエリア200に存在すると推定する。
【0136】
また、推定部132は、各受信機120において検出されている子機110の推定結果を内部のメモリに記憶してもよい。そして、推定部132は、記憶されている推定結果、新たに受信された出現情報、及び、新たに受信された消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を新たに推定してもよい。その後、推定部132は、記憶されている推定結果を新たな推定結果で更新してもよい。
【0137】
また、推定部132は、各受信機120において検出されている子機110の推定結果に従って、各子機110が存在する領域を推定してもよい。具体的には、推定部132は、子機110が検出されていると推定される受信機120の位置及び検出領域に従って、子機110が存在する領域を推定してもよい。そして、推定部132は、各子機110が存在する領域の推定結果を出力してもよい。
【0138】
また、受信処理(S401)において出現情報及び消失情報のうち一方が受信された場合、推定処理(S402)において、推定部132は、受信された一方に従って、エリア200に各子機110が存在するか否かを推定してもよい。また、その際、過去の受信処理(S401)において受信された出現情報又は消失情報が用いられてもよいし、上記のようにメモリに記憶されている推定結果が用いられてもよい。
【0139】
図14は、図1に示された子機110から発信される信号を示すデータテーブル図である。例えば、子機110から発信される信号は、その子機110を示す子機識別情報を含む。子機110を示す子機識別情報は、具体的には、複数の子機110において、子機110に対して一意に定められた識別子を示す。
【0140】
複数の子機110のそれぞれには、一意の識別子が定められる。そして、各子機110は、その子機110に対して定められた識別子を示す子機識別情報を含む信号を送信することにより、その子機110を示す信号を送信する。図14の例では、信号は、子機110の識別子としてC0001を示す子機識別情報を含む。
【0141】
図15は、図1に示された受信機120によって記憶される検出情報を示すデータテーブル図である。例えば、受信機120は、受信機120において検出されている子機110を示す子機識別情報を含む検出情報を内部のメモリに記憶する。図15の例では、受信機120は、4つの子機110を検出しており、4つの子機110の4つの識別子としてC0001、C0002、C0003及びC0004を示す子機識別情報を含む検出情報を記憶している。
【0142】
そして、例えば、受信機120は、記憶されている検出情報と新たな検出結果とを照合し、子機110の状態の変化を判定する。その後、受信機120は、新たな検出結果によって、記憶されている検出情報を更新する。
【0143】
検出情報は、子機110が検出された時刻を示す検出時刻情報を含んでいてもよいし、子機110から受信された信号の受信電波強度を示す強度情報を含んでいてもよい。
【0144】
図16は、図1に示された受信機120から送信される出現情報を示すデータテーブル図である。例えば、受信機120は、非検出状態から検出状態へ変化した子機110を示す子機識別情報を含む出現情報を管理装置130へ送信する。図16の例では、出現情報は、非検出状態から検出状態へ変化した子機110の識別子としてC0005を示す子機識別情報を含む。
【0145】
なお、2つ以上の子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合、受信機120は、非検出状態から検出状態へ変化した2つ以上の子機110にそれぞれ対応する2つ以上の識別子を示す子機識別情報を含む出現情報を送信してもよい。
【0146】
また、出現情報には、種別情報が含まれていてもよい。ここで、種別情報は、出現情報又は消失情報等の情報の種別を示す情報である。例えば、出現情報には、この情報が出現情報であることを情報の種別として示す種別情報が含まれていてもよい。
【0147】
また、出現情報には、受信機識別情報が含まれていてもよい。ここで、受信機識別情報は、受信機120を示し、具体的には、複数の受信機120において、受信機120に対して一意に定められた識別子を示す。例えば、出現情報には、送信元の受信機120の識別子を示す受信機識別情報が含まれていてもよい。また、出現情報には、送信元の受信機120の位置を示す受信機位置情報が含まれていてもよいし、送信元の受信機120の検出領域を示す検出領域情報が含まれていてもよい。
【0148】
また、出現情報には、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した時刻を示す出現時刻情報が含まれていてもよい。
【0149】
図17は、図1に示された受信機120から送信される消失情報を示すデータテーブル図である。例えば、受信機120は、検出状態から非検出状態へ変化した子機110を示す子機識別情報を含む消失情報を管理装置130へ送信する。図17の例では、消失情報は、検出状態から非検出状態へ変化した子機110の識別子としてC0004を示す子機識別情報を含む。
【0150】
なお、2つ以上の子機110が検出状態から非検出状態へ変化した場合、受信機120は、検出状態から非検出状態へ変化した2つ以上の子機110にそれぞれ対応する2つ以上の識別子を示す子機識別情報を含む消失情報を送信してもよい。
【0151】
また、消失情報には、種別情報が含まれていてもよい。例えば、消失情報には、この情報が消失情報であることを情報の種別として示す種別情報が含まれていてもよい。また、消失情報には、受信機識別情報が含まれていてもよい。例えば、消失情報には、送信元の受信機120の識別子を示す受信機識別情報が含まれていてもよい。また、消失情報には、送信元の受信機120の位置を示す受信機位置情報が含まれていてもよいし、送信元の受信機120の検出領域を示す検出領域情報が含まれていてもよい。
【0152】
また、消失情報には、子機110が検出状態から非検出状態へ変化した時刻を示す消失時刻情報が含まれていてもよい。
【0153】
また、出現情報及び消失情報は統合されてもよい。すなわち、受信機120は、非検出状態から検出状態へ変化した子機110を示す子機識別情報と、検出状態から非検出状態へ変化した子機110を示す子機識別情報とを含む情報を管理装置130へ送信してもよい。そして、この場合、受信機120は、送信される情報に含まれる子機識別情報に、出現情報か消失情報かを示す種別情報を含めてもよい。
【0154】
存否推定システム100は、子機110が非検出状態から検出状態へ変化した場合に、検出状態へ変化した子機110を示す出現情報を受信機120から管理装置130へ送信する。また、存否推定システム100は、子機110が検出状態から非検出状態へ変化した場合に、非検出状態へ変化した子機110を示す消失情報を受信機120から管理装置130へ送信する。これにより、存否推定システム100は、パケット衝突を抑制しつつ、子機110の存否を適切に推定することができる。
【0155】
以下に、上記の実施の形態に対する複数の変形例を示す。
【0156】
(第1変形例)
本変形例では、各受信機120が、上述された発信間隔、判定間隔又は推定間隔よりも長い送信間隔で、受信機120で検出されている子機110を示す検出情報を管理装置130へ送信する。送信間隔は、例えば、1~10分間程度であってもよいし、その他の時間間隔であってもよい。これにより、各受信機120から検出情報、出現情報及び消失情報が管理装置130へ送信される。管理装置130は、検出情報、出現情報及び消失情報に従って、エリア200に各子機110が存在するか否かを推定する。
【0157】
例えば、管理装置130は、各受信機120で検出されている子機110の推定結果をメモリに記憶している。そして、管理装置130は、記憶されている推定結果、新たに受信された出現情報、及び、新たに受信された消失情報に従って、各受信機120で検出されている子機110を新たに推定する。そして、管理装置130は、各受信機120で検出されている子機110の新たな推定結果に従って、各子機110の存否を推定する。その後、管理装置130は、記憶されている推定結果を新たな推定結果で更新する。
【0158】
ここで、通信又は処理における一時的な異常によって、受信機120で検出されている子機110と、受信機120で検出されている子機110の推定結果とに差異が発生する可能性がある。そこで、管理装置130は、管理装置130において記憶されている推定結果を受信機120から受信される検出情報で修正する。これにより、管理装置130は、管理装置130において記憶されている推定結果を適切に修正することができ、各子機110の存否を適切に推定することができる。
【0159】
図18は、図1に示された受信機120の動作であって、本変形例の動作を示すフローチャートである。図1に示された複数の受信機120のそれぞれは、図12に示された動作に加えて、図18に示された動作を行う。図9に示された受信機120の複数の構成要素が、図18に示された動作を行ってもよい。
【0160】
例えば、検出部122は、送信部123を介して、検出部122で検出されている子機110を示す検出情報を管理装置130へ無線で送信する(S501)。ここで、検出されている子機110は、受信機120において検出状態の子機110である。そして、検出情報は、例えば、図15のような検出情報である。
【0161】
具体的には、検出部122は、検出部122で検出されている子機110を示す検出情報を内部のメモリに記憶する。そして、検出部122は、記憶された検出情報によって示される子機110と、所定の判定間隔において検出された子機110とを照合し、照合の結果に従って、出現情報及び消失情報を管理装置130へ送信する。そして、検出部122は、記憶された検出情報を所定の判定間隔において検出された子機110を示す情報で更新する。
【0162】
検出部122は、上記の処理において記憶されている検出情報を管理装置130へ送信部123を介して送信してもよい。
【0163】
そして、検出部122は、1~10分程度又はその他の時間間隔で、送信処理(S501)を繰り返す。図12に示された繰り返し処理(S301~S306)が複数回行われた後に、図18に示された送信処理(S501)が1回行われてもよい。
【0164】
また、検出部122は、パケット衝突を抑制するため、グループ毎に、送信タイミングをずらして、検出情報を送信してもよい。例えば、検出部122は、第1グループに属する子機110に関する検出情報を送信し、その後、1~2秒程度又はその他の時間間隔をあけて、第2グループに属する子機110に関する検出情報を送信してもよい。
【0165】
また、複数の受信機120が、パケット衝突を抑制するため、予め定められた互いに異なる送信タイミングで、検出情報を送信してもよい。
【0166】
図19は、図1に示された管理装置130の動作であって、本変形例の動作を示すフローチャートである。図1に示された管理装置130は、図19に示された動作を行う。図10に示された管理装置130の複数の構成要素が、図1に示された管理装置130の動作として図19に示された動作を行ってもよい。
【0167】
図19に示された動作は、図13に示された動作と基本的に同じであるが、図19に示された動作では、出現情報及び消失情報に加えて、検出情報が用いられている。
【0168】
例えば、受信部131は、検出情報、出現情報及び消失情報を無線で受信する(S601)。基本的に、検出情報が受信されるタイミングは、出現情報及び消失情報が受信されるタイミングとは異なる。そして、推定部132は、検出情報、出現情報及び消失情報に従って、エリア200に各子機110が存在するか否かを推定する(S602)。そして、管理装置130は、図13に示された動作と同様に、これらの処理(S601及びS602)を繰り返す。
【0169】
例えば、推定処理(S602)において、推定部132は、検出情報、出現情報及び消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を推定する。そして、推定部132は、各子機110が少なくとも1つの受信機120において検出されているか否かを推定する。そして、推定部132は、子機110が少なくとも1つの受信機120において検出されていると推定される場合、その子機110がエリア200に存在すると推定する。
【0170】
推定部132は、受信機120において検出されている子機110を推定する際、検出情報、出現情報及び消失情報の全てを用いなくてもよい。例えば、推定部132は、受信機120から検出情報が未だ受信されていない場合、出現情報及び消失情報に従って、受信機120において検出されている子機110を推定してもよい。
【0171】
また、推定部132は、受信機120から検出情報の受信後に出現情報及び消失情報が受信されていない場合、検出情報に従って、受信機120において検出されている子機110を推定してもよい。そして、推定部132は、受信機120から検出情報の受信後に出現情報及び消失情報が受信された場合、検出情報、出現情報及び消失情報に従って、受信機120において検出されている子機110を推定してもよい。
【0172】
また、図13に関して説明された動作と同様に、推定処理(S602)において出現情報及び消失情報のうち一方が用いられてもよい。
【0173】
例えば、推定部132は、各受信機120において検出されている子機110の推定結果を内部のメモリに記憶する。推定部132は、受信された検出情報で、記憶されている推定結果を更新する。そして、推定部132は、記憶されている推定結果、新たに受信された出現情報、及び、新たに受信された消失情報に従って、各受信機120において検出されている子機110を新たに推定する。その後、推定部132は、記憶されている推定結果を新たな推定結果で更新する。
【0174】
本変形例では、存否推定システム100は、比較的長い送信間隔で、受信機120から管理装置130へ検出情報を無線で送信する。これにより、存否推定システム100は、パケット衝突の発生を抑制しつつ、受信機120で検出されていると推定される子機110と、受信機120で検出されている子機110との差異の発生を抑制することができる。
【0175】
なお、管理装置130へ送信される検出情報には、子機110が検出された時刻を示す検出時刻情報が含まれていてもよいし、子機110から受信された信号の受信電波強度を示す強度情報が含まれていてもよい。これにより、管理装置130は、子機110に関するより詳細な情報を収集することができる。そして、これらの情報は、子機110が存在する位置又は領域の推定等に用いられてもよい。
【0176】
また、管理装置130へ送信される検出情報には、種別情報が含まれていてもよい。具体的には、検出情報には、この情報が検出情報であることを情報の種別として示す種別情報が含まれていてもよい。また、検出情報には、受信機識別情報が含まれていてもよい。具体的には、検出情報には、送信元の受信機120の識別子を示す受信機識別情報が含まれていてもよい。
【0177】
また、管理装置130へ送信される検出情報には、送信元の受信機120の位置を示す受信機位置情報が含まれていてもよいし、送信元の受信機120の検出領域を示す検出領域情報が含まれていてもよい。
【0178】
(第2変形例)
本変形例では、エリア200の中心に近い受信機120よりも、エリア200の縁に近い受信機120において、子機110の検出に用いられる受信電波強度の閾値が大きい。これにより、存否推定システム100は、エリア200の境界付近において、子機110の細かい変位に伴う状態の変化を適切に判定することができる。
【0179】
図20は、図2に示されたエリア200における中心領域及び縁領域を示す模式図である。図20のように、エリア200は、中心領域と縁領域とを含む。中心領域は、エリア200の中心を含む領域である。縁領域は、中心領域よりもエリア200の縁に近い領域である。また、中心領域は、エリア200の境界に接していない領域であり、縁領域は、エリア200の境界に接している領域である。中心領域は、中央領域とも表現され得る。
【0180】
図21は、図1に示された複数の受信機120のそれぞれの検出領域であって、本変形例における複数の受信機120のそれぞれの検出領域を示す模式図である。図21の例において、20個の受信機120がエリア200に配置されている。そして、20個の受信機120のうち、4個の受信機120が中心領域に配置されており、16個の受信機120が縁領域に配置されている。
【0181】
そして、中心領域に配置されている受信機120よりも、縁領域に配置されている受信機120において、子機110の検出に用いられる受信電波強度の閾値が大きい。したがって、中心領域に配置されている受信機120の検出領域よりも、縁領域に配置されている受信機120の検出領域が小さい。
【0182】
これにより、存否推定システム100は、エリア200の境界付近において、子機110の細かい変位に伴う状態の変化を適切に判定することができる。また、複数の受信機120の複数の検出領域によってカバーされる範囲をエリア200に効率的に近づけることが可能になる。したがって、子機110がエリア200の外部に出たことをより適切に判定することができる。
【0183】
なお、図21の例において、エリア200を効率的にカバーするため、縁領域における16個の受信機120は、中心領域における4個の受信機120よりも狭い距離間隔で配置されている。
【0184】
また、中心領域と縁領域との間に中間領域が存在していてもよい。そして、中間領域に配置される受信機120は、中心領域に配置される受信機120が有する閾値と、縁領域に配置される受信機120が有する閾値との間に、閾値を有していてもよい。受信機120は、エリア200の縁に近いほど、より大きい閾値を有していてもよい。
【0185】
また、複数の受信機120の複数の検出領域によってカバーされる範囲をエリア200に効率的に近づけるため、エリア200の形状に合わせて受信機120毎に閾値が設定されてもよい。
【0186】
(第3変形例)
本変形例において、受信機120は、信号の受信電波強度と、複数の閾値とを比較して、信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定する。そして、受信機120は、信号の受信レベルが変化した場合に、信号によって示される子機110、及び、信号の受信レベルを示す変化情報を管理装置130へ無線で送信する。そして、管理装置130は、変化情報を無線で受信し、変化情報に従って、エリア200において各子機110が存在する領域を推定する。
【0187】
図22は、図1に示された受信機120で受信される信号の受信電波強度と受信レベルとの関係を示すグラフである。受信機120は、信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定する。図22の例では、0、1、2及び3の4つの受信レベルの中から信号の受信レベルが特定される。
【0188】
具体的には、信号の受信電波強度が第1閾値以下である場合、受信機120は、0を信号の受信レベルとして特定する。信号の受信電波強度が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、受信機120は、1を信号の受信レベルとして特定する。信号の受信電波強度が第2閾値よりも大きく第3閾値以下である場合、受信機120は、2を信号の受信レベルとして特定する。信号の受信電波強度が第3閾値よりも大きい場合、受信機120は、3を信号の受信レベルとして特定する。
【0189】
なお、0の受信レベルは、非検出状態に対応し、1、2及び3の各受信レベルは、検出状態に対応する。受信機120は、信号が受信されない場合、信号の受信電波強度を0として扱い、信号の受信レベルを0として扱ってもよい。すなわち、受信機120は、この場合、0を信号の受信レベルとして特定してもよい。
【0190】
図22において、受信機120は、子機110から信号を7回受信している。そして、1回目に受信された信号の受信電波強度は第1閾値以下である。したがって、1回目の信号の受信において、信号の受信レベルは0である。そして、2回目及び3回目に受信された信号の受信電波強度は第1閾値よりも大きく第2閾値以下である。したがって、2回目及び3回目の信号の受信において、信号の受信レベルは1である。
【0191】
そして、4回目及び5回目に受信された信号の受信電波強度は第2閾値よりも大きく第3閾値以下である。したがって、4回目及び5回目の信号の受信において、信号の受信レベルは2である。そして、6回目及び7回目に受信された信号の受信電波強度は第1閾値よりも大きく第2閾値以下である。したがって、6回目及び7回目の信号の受信において、信号の受信レベルは1である。
【0192】
受信機120は、信号の受信レベルが変化した場合に、信号の発信元である子機110、及び、信号の受信レベルを示す変化情報を送信する。つまり、受信機120は、2回目、4回目及び6回目の信号を受信した際に、変化情報を送信する。
【0193】
上記の例では、受信機120は、受信の都度、信号の受信レベルが変化した場合に、変化情報を送信する。しかし、受信機120は、所定の判定間隔で、前回の処理時点から信号の受信レベルが変化しているか否かを判定し、信号の受信レベルが変化している場合に、変化情報を送信してもよい。
【0194】
また、受信機120は、受信機120において検出されている子機110、及び、子機110から受信された信号の受信レベルを示す検出情報を内部のメモリに記憶してもよい。そして、受信機120は、子機110から新たに受信された信号の受信レベルが、記憶された受信レベルから変化した場合に、受信機120は、信号の受信レベルが変化したと判定してもよい。そして、この場合、受信機120は、子機110から新たに受信された信号の受信レベルに従って、検出情報を更新してもよい。
【0195】
また、受信機120は、検出情報に示されている子機110が検出されない場合に、信号の受信レベルが0へ変化したと判定してもよい。そして、この場合、受信機120は、検出されない子機110を示す情報を検出情報から削除してもよい。
【0196】
また、受信機120は、検出情報に示されていない子機110から新たに受信された信号の受信レベルが0よりも大きい場合に、受信機120は、信号の受信レベルが変化したと判定してもよい。そして、この場合、受信機120は、信号の発信元である子機110、及び、信号の受信レベルを示す情報を検出情報に追加してもよい。
【0197】
あるいは、受信機120は、発信間隔及び遅延時間を含む期間に検出された子機110から受信された信号の受信レベルと、内部のメモリに記憶されている検出情報によって示される受信レベルとを比較してもよい。そして、受信機120は、比較の結果、受信レベルの変化を抽出してもよい。その後、受信機120は、発信間隔及び遅延時間を含む期間に検出された子機110、及び、その子機110から受信された信号の受信レベルを示す情報で検出情報を更新してもよい。
【0198】
また、受信機120は、チャタリングを抑制するため、受信電波強度と閾値との比較において、ヒステリシス処理を行ってもよい。すなわち、1つの閾値が2段に切り替え可能であってもよい。そして、受信電波強度の上昇時の閾値Aと、受信電波強度の下降時の閾値Bとが、閾値A>閾値Bを満たしていてもよい。
【0199】
具体的には、受信機120は、信号の受信電波強度が所定範囲に含まれる場合に、信号の受信レベルが所定受信レベルであると特定する。そして、受信機120は、信号の受信レベルが所定受信レベルである状態において、信号の受信レベルが所定受信レベルでない状態よりも、信号の受信レベルが所定受信レベルであると特定される所定範囲を広くする。
【0200】
例えば、受信機120は、子機110から受信された信号の受信レベルが0である場合、その子機110から受信された信号の受信レベルを特定するための第1閾値を大きくする。
【0201】
また、受信機120は、子機110の信号の受信レベルが1である場合、その子機110の信号に対して第1閾値を小さくし、第2閾値を大きくする。また、受信機120は、子機110の信号の受信レベルが2である場合、その子機110の信号に対して第2閾値を小さくし、第3閾値を大きくする。また、受信機120は、子機110の信号の受信レベルが3である場合、その子機110の信号に対して第3閾値を小さくする。
【0202】
あるいは、受信機120は、子機110の状態が変化してから一定期間以上、受信電波強度によらず、子機110の状態を維持してもよい。
【0203】
あるいは、受信機120は、信号の受信レベルが所定受信レベルである状態において、信号の受信電波強度が、所定受信レベルに対応する所定範囲に連続して含まれない場合に、信号の受信レベルが変化したと判定してもよい。
【0204】
また、受信機120は、受信電波強度に対して移動平均処理を行い、移動平均処理が行われた受信電波強度と閾値とを比較してもよい。
【0205】
図23は、図1に示された子機110から受信される信号の受信レベルが変化する際の子機110の移動を示す模式図である。L3領域は、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルが3である領域である。すなわち、L3領域に存在する子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは3である。
【0206】
L2領域は、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルが2である領域である。すなわち、L2領域に存在する子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは2である。L1領域は、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルが1である領域である。すなわち、L1領域に存在する子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは1である。さらに、L1領域の外周よりも外部に存在する子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは0である。
【0207】
図23の例において、子機110は、L2領域に存在する。したがって、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは2である。そして、子機110がL3領域へ移動した場合、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは3に変化する。一方、子機110がL1領域へ移動した場合、子機110から受信機120で受信される信号の受信レベルは1に変化する。
【0208】
したがって、受信レベルに対応する領域を超えて子機110が移動することにより、信号の受信レベルが変化する。そして、信号の受信レベルが変化した場合に、変化情報が送信される。
【0209】
図24は、図1に示された子機110が存在する領域の推定結果を示す模式図である。例えば、図24の上側の受信機120において子機110の信号の受信レベルが2であり、図24の下側の受信機120において子機110の信号の受信レベルが1である場合、子機110は斜線のハッチング部分に存在すると推定される。このような原理に基づいて、管理装置130は、各受信機120において子機110の信号の受信レベルを推定することにより、子機110が存在する領域を推定する。
【0210】
例えば、管理装置130は、各受信機120の位置を内部のメモリに予め記憶していてもよい。あるいは、管理装置130は、各受信機120の受信レベル毎の領域を内部のメモリに予め記憶していてもよい。あるいは、管理装置130は、各受信機120から位置又は領域等を示す情報を受信してもよい。
【0211】
そして、管理装置130は、変化情報に従って、各受信機120における信号の受信レベルを推定し、信号の受信レベルの推定結果、及び、各受信機120の位置等に従って、信号の発信元の子機110が存在する領域を推定してもよい。
【0212】
図25は、図1に示された受信機120の動作であって、本変形例における動作を示すフローチャートである。図1に示された複数の受信機120のそれぞれは、図25に示された動作を行う。図9に示された受信機120の複数の構成要素が、図1に示された受信機120の動作として図25に示された動作を行ってもよい。
【0213】
例えば、受信部121は、各子機110から発信された信号を無線で受信するための受信処理を行う(S701)。そして、検出部122は、受信処理で受信された信号に従って、信号によって示される子機110を検出するための検出処理を行う(S702)。これらの処理(S701及びS702)は、図12に示された処理(S301及びS302)と同様である。
【0214】
そして、検出部122は、受信処理で受信された信号の受信レベルを特定する(S703)。そして、検出部122は、信号の受信レベルが変化したか否かを判定する(S704)。そして、検出部122は、信号の受信レベルが変化した場合に(S704でYes)、変化した信号の発信元である子機110、及び、変化した信号の受信レベルを示す変化情報を管理装置130へ送信部123を介して無線で送信する(S705)。検出部122は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、変化情報を送信してもよい。
【0215】
一方、信号の受信レベルが変化していない場合に(S704でNo)、変化情報は送信されない。
【0216】
例えば、検出部122は、判定処理(S704)のため、発信間隔以上の判定間隔において検出された子機110及び受信レベルのリストと、内部のメモリにおける検出情報によって示される子機110及び受信レベルのリストとを照合してもよい。そして、検出部122は、照合の結果、受信レベルが変化した信号の発信元の子機110、及び、変化した受信レベルを特定してもよい。その後、受信機120は、判定間隔において検出された子機110及び受信レベルのリストで検出情報を更新してもよい。
【0217】
そして、受信機120は、図12に関して説明された動作と同様に、上記の処理(S701~S705)を繰り返す。例えば、受信機120は、図12に関して説明された動作と同様に、受信処理(S701)及び検出処理(S702)を受信の都度行い、特定処理(S703)、判定処理(S704)及び送信処理(S705)を判定間隔で繰り返して行ってもよい。
【0218】
変化情報は、非検出状態から検出状態へ変化した子機110を示し得る。また、変化情報は、検出状態から非検出状態へ変化した子機110を示し得る。したがって、変化情報は、出現情報及び消失情報を含み得る。よって、受信機120は、図25に示された特定処理(S703)、判定処理(S704)及び送信処理(S705)を行うことにより、図12の判定処理(S303及びS305)及び送信処理(S304及びS306)に対応する処理を行うことができる。
【0219】
図26は、図1に示された管理装置130の動作であって、本変形例における動作を示すフローチャートである。図1に示された管理装置130は、図26に示された動作を行う。図10に示された管理装置130の複数の構成要素が、図1に示された管理装置130の動作として図26に示された動作を行ってもよい。
【0220】
例えば、受信部131は、変化情報を無線で受信する(S801)。そして、推定部132は、変化情報に従って、複数の受信機120が配置されるエリア200において、複数の子機110のそれぞれが存在する領域を推定する(S802)。推定部132は、複数の子機110のそれぞれが存在する領域の推定結果を出力してもよい。
【0221】
そして、管理装置130は、図13に関して説明された動作と同様に、上記の処理(S801及びS802)を繰り返す。例えば、管理装置130は、受信処理(S801)を受信の度に行い、推定処理(S802)を所定の推定間隔で繰り返して行ってもよい。
【0222】
例えば、推定処理(S802)において、推定部132は、変化情報に従って、各受信機120における子機110の信号の受信レベルを推定する。そして、推定部132は、推定結果に対応する領域を子機110が存在する領域として推定する。
【0223】
また、推定部132は、受信レベルの推定結果を内部のメモリに記憶してもよい。そして、推定部132は、記憶されている推定結果、及び、新たに受信された変化情報に従って、各受信機120における子機110の信号の受信レベルを新たに推定してもよい。その後、推定部132は、記憶されている推定結果を受信レベルの新たな推定結果で更新してもよい。
【0224】
子機110が存在する領域は、子機110がエリア200に存在するか否かを示し得る。また、変化情報は、出現情報及び消失情報を含み得る。よって、受信機120は、図26に示された受信処理(S801)及び推定処理(S802)を行うことにより、図13の受信処理(S401)及び推定処理(S402)に対応する処理を行うことができる。
【0225】
図27は、図1に示された受信機120によって記憶される検出情報であって、本変形例における検出情報を示すデータテーブル図である。例えば、受信機120は、子機識別情報及び受信レベル情報を含む検出情報を内部のメモリに記憶する。検出情報に含まれる子機識別情報は、受信機120において検出されている子機110を示す。また、検出情報に含まれる受信レベル情報は、受信機120において検出されている子機110の信号の受信レベルを示す。
【0226】
図27の例では、受信機120は、4つの子機110を検出しており、4つの子機110のそれぞれの識別子を示す子機識別情報、及び、4つの子機110のそれぞれの受信レベルを示す受信レベル情報を含む検出情報を記憶している。
【0227】
そして、例えば、受信機120は、記憶されている検出情報と新たに受信された信号の受信レベルとを照合し、受信レベルの変化を判定する。その後、受信機120は、新たに受信された信号の受信レベルに従って、記憶されている検出情報を更新する。
【0228】
検出情報は、子機110が検出された時刻、つまり、子機110から信号が受信された時刻を示す検出時刻情報を含んでいてもよいし、子機110から受信された信号の受信電波強度を示す強度情報を含んでいてもよい。
【0229】
図28は、図1に示された受信機120から送信される変化情報を示すデータテーブル図である。例えば、受信機120は、子機識別情報及び受信レベル情報を含む変化情報を管理装置130へ送信する。変化情報に含まれる子機識別情報は、受信レベルが変化した信号の発信元である子機110を示す。変化情報に含まれる受信レベル情報は、変化した受信レベルを示す。
【0230】
図28には、3つの子機110のそれぞれの信号の受信レベルが変化した例が示されている。この例において、変化情報は、信号の受信レベルが変化した3つの子機110に対応する3つの識別子としてC0001、C0004及びC0005を示す子機識別情報を含む。また、変化情報は、それぞれ変化した受信レベルとして+1、-1及び+1を示す受信レベル情報を含む。つまり、この例における変化情報に含まれる受信レベル情報は、受信レベルの変化値を変化した受信レベルとして示す。
【0231】
また、図28の例は、図27に示された検出情報に対する変化情報の例である。具体的には、この例は、C0001の受信レベルが2から3へ変化し、C0004の受信レベルが1から0へ変化し、C0005の受信レベルは0から1へ変化した例である。すなわち、C0001の子機110から受信される信号の受信レベルが2から3へ変化している。また、C0004の子機110が非検出状態に変化している。また、C0005の子機110が検出状態に変化している。
【0232】
変化情報には、種別情報が含まれていてもよい。具体的には、変化情報には、この情報が変化情報であることを情報の種別として示す種別情報が含まれていてもよい。また、変化情報には、受信機識別情報が含まれていてもよい。具体的には、変化情報には、送信元の受信機120の識別子を示す受信機識別情報が含まれていてもよい。
【0233】
また、変化情報には、送信元の受信機120の位置を示す受信機位置情報が含まれていてもよいし、送信元の受信機120に対する受信レベル毎の領域を示す検出領域情報が含まれていてもよい。
【0234】
また、変化情報には、受信レベルが変化した時刻を示す変化時刻情報が含まれてもよい。また、変化情報に含まれる受信レベル情報は、受信レベルを変化値として示さず、受信レベル自体を示してもよい。
【0235】
本変形例における存否推定システム100は、受信機120における子機110の信号の受信レベルが変化した場合に、変化した受信レベルを示す変化情報を受信機120から管理装置130へ送信する。これにより、存否推定システム100は、子機110が存在する領域を適切に推定することができる。
【0236】
以上、本発明の一態様における存否推定システム100について、実施の形態等に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態等に限定されない。上記の実施の形態等に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、及び、上記の実施の形態等における複数の構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
【0237】
例えば、特定の構成要素が実行する処理を別の構成要素が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0238】
また、上記の3つの変形例のうち1つの変形例が上記の基本的な実施の形態に組み合わされてもよいし、任意に選択される2つの変形例が上記の基本的な実施の形態に組み合わされてもよいし、3つの変形例が上記の基本的な実施の形態に組み合わされてもよい。特に、図27に示された検出情報が、図15に示された検出情報の代わりに用いられてもよく、第1変形例のように受信機120から管理装置130へ送信されてもよい。また、図21の配置が、第1変形例に用いられてもよいし、第3変形例に用いられてもよい。
【0239】
例えば、第2変形例及び第3変形例の組み合わせにおいて、縁領域に配置された受信機120のみで子機110の信号が受信され、かつ、その信号の受信レベルが低い場合、管理装置130は、アラーム又はワーニング等を出力してもよい。
【0240】
また、上記の実施の形態等の例では、受信機120と管理装置130との間において、無線通信が行われているが、有線通信が行われてもよい。例えば、IEEE802.3シリーズの有線通信規格に従って、有線通信が行われてもよいし、その他の有線通信規格に従って、有線通信が行われてもよい。有線通信においても、パケット衝突は発生し得る。存否推定システム100は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができる。
【0241】
また、受信機120は、管理装置130へ直接情報を送信せずに、他の受信機120を介して、管理装置130へ情報を送信してもよい。この場合、他の受信機120は、受信機120と管理装置130との通信を中継する中継装置として動作する。すなわち、各受信機120は、中継装置として動作してもよい。
【0242】
また、上記の例では、エリア200に子機110が存在することが期待されている。しかしながら、存否推定システム100は、子機110が存在しないことが期待される立ち入り禁止領域であるエリア200に対して、子機110の存否を推定してもよい。この場合、立ち入り禁止領域であるエリア200に複数の受信機120が設置される。
【0243】
また、上記の例では、子機110が、キャンプ場等における子供に装着されているが、工事現場等における機材に装着されてもよい。そして、存否推定システム100は、子機110が装着された機材が工事現場に存在するか否かを推定してもよいし、機材が存在する領域を推定してもよい。また、子機110が、店舗等における商品に装着されてもよい。そして、存否推定システム100は、子機110が装着された商品が店舗に存在するか否かを推定してもよいし、商品が存在する領域を推定してもよい。
【0244】
また、本発明は、存否推定システム100として実現できるだけでなく、存否推定システム100を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
【0245】
例えば、それらのステップは、コンピュータシステムによって実行されてもよい。このコンピュータシステムは、存否推定システム100に相当するシステムでもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0246】
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータシステムのプロセッサ及びメモリ等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、プロセッサがデータをメモリ等から取得して演算したり、演算結果をメモリ等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0247】
また、存否推定システム100等に含まれる複数の構成要素は、それぞれ、専用又は汎用の回路として実現されてもよい。これらの構成要素のうちの2つ以上が、1つの回路として実現されてもよいし、2つ以上の回路として実現されてもよい。
【0248】
また、存否推定システム100等に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素のうちの2つ以上が、それぞれ個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIと呼称される場合がある。
【0249】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0250】
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、存否推定システム100等に含まれる複数の構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0251】
以下、本発明の一態様における存否推定システム100の代表的な構成、変形例及び効果等を示す。
【0252】
(1)本発明の一態様における存否推定システム100は、複数の子機110と、複数の受信機120と、管理装置130とを備える。各子機110は、子機110を示す信号を周期的に無線で発信する。各受信機120は、信号を無線で受信するための受信処理を行い、信号に従って、信号によって示される子機110を検出するための検出処理を行う。
【0253】
また、各受信機120は、各子機110について、子機110が受信機120において検出されない状態から検出される状態へ変化した場合に、検出される状態へ変化した子機110を示す出現情報を管理装置130へ送信する。また、各受信機120は、各子機110について、子機110が受信機120において検出される状態から検出されない状態へ変化した場合に、検出されない状態へ変化した子機110を示す消失情報を管理装置130へ送信する。
【0254】
そして、管理装置130は、出現情報及び消失情報を受信し、出現情報及び消失情報に従って、複数の受信機120が配置されるエリア200に各子機110が存在するか否かを推定する。
【0255】
これにより、存否推定システム100は、状態が変化した場合に送信される出現情報及び消失情報に従って、各子機110がエリア200に存在するか否かを適切に推定することができる。そして、これにより、存否推定システム100は、各受信機120から送信されるデータ量を削減することができる。したがって、存否推定システム100は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機110がエリア200に存在するか否かを適切に推定することができる。
【0256】
(2)例えば、各受信機120は、検出処理において、信号の受信電波強度が閾値よりも大きい場合に、信号によって示される子機110を検出してもよい。これにより、存否推定システム100は、受信電波強度と閾値との比較によって、子機110を適切に検出することができ、状態の変化を適切に判定することができる。
【0257】
(3)例えば、各受信機120は、個別に閾値を有していてもよい。これにより、存否推定システム100は、受信機120毎に適切な閾値を柔軟に適用することができる。
【0258】
(4)例えば、エリア200は、エリア200の中心を含む領域である中心領域と、中心領域よりもエリア200の縁に近い領域である縁領域とを含んでいてもよい。そして、複数の受信機120のうち縁領域に配置される受信機120が閾値として有する値は、複数の受信機120のうち中心領域に配置される受信機120が閾値として有する値よりも大きくてもよい。
【0259】
これにより、存否推定システム100は、エリア200の境界付近において、子機110の比較的細かい変位に伴う状態の変化を適切に判定することができる。
【0260】
(5)例えば、各受信機120は、信号によって示される子機110が検出されている状態において、信号によって示される子機110が検出されていない状態よりも、信号の受信電波強度に対する閾値を小さくしてもよい。これにより、存否推定システム100は、受信電波強度が閾値付近で変化する場合において、受信機120から送信されるデータ量を削減することができる。
【0261】
(6)例えば、複数の子機110は、複数のグループにグルーピングされていてもよい。そして、各受信機120は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、複数の子機110のうち、グループに属する子機110に関する出現情報及び消失情報を管理装置130へ送信してもよい。これにより、存否推定システム100は、多数の子機110が一斉に移動する場合でも、一斉に大量のデータが管理装置130へ送信されることを抑制することができる。
【0262】
(7)例えば、管理装置130は、出現情報及び消失情報に従って、各受信機120について、複数の子機110のうち受信機120において検出されている子機110を推定してもよい。そして、管理装置130は、各子機110について、子機110が複数の受信機120のうち少なくとも1つにおいて検出されていると推定される場合に、子機110がエリア200に存在すると推定してもよい。
【0263】
これにより、存否推定システム100は、出現情報及び消失情報から少なくとも1つの受信機120で検出されていると推定される子機110をエリア200に存在する子機110として適切に推定することができる。
【0264】
(8)例えば、管理装置130は、さらに、出現情報及び消失情報に従って、エリア200において各子機110が存在する領域を推定してもよい。
【0265】
これにより、存否推定システム100は、出現情報及び消失情報に従って、子機110が存在する領域を推定することができる。例えば、存否推定システム100は、出現情報及び消失情報に従って、子機110を検出している受信機120を推定することができる。そして、存否推定システム100は、その受信機120によって子機110が検出される領域を子機110が存在する領域として適切に推定することができる。
【0266】
(9)例えば、各受信機120は、信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、信号の受信レベルを複数の受信レベルの中から特定してもよい。そして、各受信機120は、信号の受信レベルが変化した場合に、信号によって示される子機110、及び、信号の受信レベルを示す変化情報を管理装置130へ送信してもよい。そして、管理装置130は、さらに、変化情報を受信し、変化情報に従って、エリア200において各子機110が存在する領域を推定してもよい。
【0267】
これにより、存否推定システム100は、変化情報に従って、各子機110が存在する領域を推定することができる。例えば、存否推定システム100は、変化情報に従って、各受信機120において受信される信号の受信レベルを推定することができる。そして、存否推定システム100は、その受信レベルで信号が受信される領域を子機110が存在する領域として適切に推定することができる。
【0268】
また、受信レベルは、変化した場合に送信される。したがって、存否推定システム100は、各受信機120から送信されるデータ量の増加を抑制することができる。
【0269】
(10)例えば、各受信機120は、信号の受信電波強度が、複数の閾値を構成する1つ以上の閾値によって定められる所定範囲に含まれる場合に、複数の受信レベルの中の所定受信レベルを信号の受信レベルとして特定してもよい。そして、各受信機120は、所定受信レベルが信号の受信レベルとして特定されている状態において、所定受信レベルが信号の受信レベルとして特定されていない状態よりも、信号の受信電波強度に対する所定範囲を広くしてもよい。
【0270】
これにより、存否推定システム100は、受信電波強度が所定範囲の閾値付近で変化する場合において、受信機120から送信されるデータ量を削減することができる。
【0271】
(11)例えば、複数の子機110は、複数のグループにグルーピングされていてもよい。そして、各受信機120は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、複数の子機110のうち、グループに属する子機110に関する変化情報を管理装置130へ送信してもよい。これにより、存否推定システム100は、多数の子機110が一斉に移動する場合でも、一斉に大量のデータが管理装置130へ送信されることを抑制することができる。
【0272】
(12)例えば、各受信機120は、信号の発信間隔よりも長い送信間隔で、複数の子機110のうち受信機120において検出されている子機110を示す検出情報を管理装置130へ送信してもよい。管理装置130は、検出情報を受信してもよい。これにより、存否推定システム100は、受信機120で検出されている子機110と、出現情報及び消失情報から受信機120で検出されていると推定される子機110との差異の発生を抑制することができる。
【0273】
(13)例えば、各受信機120によって送信される検出情報は、さらに、受信機120において検出されている子機110から発信された信号の受信電波強度と、複数の閾値との比較によって、複数の受信レベルの中から信号の受信レベルとして特定される受信レベルを示してもよい。これにより、存否推定システム100は、検出情報に従って、各子機110が存在する領域を推定することができる。
【0274】
(14)例えば、複数の子機110は、複数のグループにグルーピングされていてもよい。そして、各受信機120は、グループ毎に、送信タイミングをずらして、複数の子機110のうち、グループに属する子機110に関する検出情報を管理装置130へ送信してもよい。これにより、存否推定システム100は、一斉に検出情報として大量のデータが管理装置130へ送信されることを抑制することができる。
【0275】
(15)本発明の一態様における存否推定方法では、各子機110から、子機110を示す信号が周期的に無線で発信される(S201)。また、各受信機120において、信号を無線で受信するための受信処理が行われ(S301)、信号に従って、信号によって示される子機110を検出するための検出処理が行われる(S302)。
【0276】
また、各受信機120において、各子機110について、子機110が検出されない状態から検出される状態へ変化した場合に、検出される状態へ変化した子機110を示す出現情報が受信機120から管理装置130へ送信される(S304)。また、各受信機120において、各子機110について、子機110が検出される状態から検出されない状態へ変化した場合に、検出されない状態へ変化した子機110を示す消失情報が受信機120から管理装置130へ送信される(S306)。
【0277】
また、管理装置130において、出現情報及び消失情報が受信され(S401)、出現情報及び消失情報に従って、複数の受信機120が配置されるエリア200に、各子機110が存在するか否かが推定される(S402)。
【0278】
これにより、この存否推定方法を用いるシステム等は、状態が変化した場合に送信される出現情報及び消失情報に従って、各子機110がエリア200に存在するか否かを適切に推定することができる。そして、これにより、この存否推定方法を用いるシステム等は、各受信機120から送信されるデータ量を削減することができる。したがって、この存否推定方法を用いるシステム等は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機110がエリア200に存在するか否かを適切に推定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0279】
本発明の一態様に係る存否推定システム等は、パケット衝突を抑制しつつ、各子機がエリアに存在するか否かを適切に推定することができ、多数の子供が集まるエリアにおいてエリアの外部に出た子供を検出するための迷子検出システム等に適用することができる。
【符号の説明】
【0280】
100 存否推定システム
110 子機
111 発信部
120 受信機
121、131 受信部
122 検出部
123 送信部
130 管理装置
132 推定部
200 エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28