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特許7009847画像形成装置、用紙処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、用紙処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20220119BHJP
   B41J 3/54 20060101ALI20220119BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20220119BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220119BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
G03G21/00 370
B41J3/54 B
B41J11/42
G03G15/00 411
G03G15/20 535
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017169954
(22)【出願日】2017-09-05
(65)【公開番号】P2019045738
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 賢広
(72)【発明者】
【氏名】笹見 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】宇井 真
(72)【発明者】
【氏名】中道 基
(72)【発明者】
【氏名】工藤 公生
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-026656(JP,A)
【文献】特開2016-130824(JP,A)
【文献】特開平09-248952(JP,A)
【文献】特開2016-090787(JP,A)
【文献】特開2009-190245(JP,A)
【文献】特開平07-146625(JP,A)
【文献】特開2014-052433(JP,A)
【文献】特開2017-054035(JP,A)
【文献】特開2015-055859(JP,A)
【文献】特開2011-194569(JP,A)
【文献】特開2008-304866(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0202818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
B41J 29/00-29/70
B41J 2/01-2/215
G03G 15/00
G03G 15/20
B41J 3/54
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙処理装置に連結され、搬送経路を搬送される連続紙に画像を形成する画像形成装置であって、
連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送経路において連続紙を挟持するニップ部と、
連結された用紙処理装置又は自装置から搬送制御信号が出力された場合、当該搬送制御信号の出力タイミングに応じて、第1の制御と、第2の制御と、を選択的に実行する制御部と、
を備え
前記第1の制御は、前記搬送制御信号のうちの搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送制御信号のうちの搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記第2の制御は、前記搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記制御部は、前記搬送制御信号が、前記画像形成装置の初期化動作中または前記画像形成部による画像形成中に出力された場合、前記第1の制御を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送制御信号が、前記画像形成装置のウォームアップ動作中に出力された場合、前記第2の制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、画像データを一時的に記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記搬送制御信号の出力時に前記記憶部に画像データが記憶されている場合、前記第1の制御において、当該画像データに基づく画像形成を行った後、前記ニップ部に離間動作をさせることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の制御及び前記第2の制御において、前記連結された用紙処理装置に前記許可通知を行う前に、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判断し、前記所定条件が満たされている場合に前記許可通知を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定条件には、前記搬送制御信号の出力時からの経過時間が設定値以上であること、及び前記ニップ部の温度が設定値以下であることの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部は、電子写真方式により画像を形成することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の用紙処理装置が連結され、搬送経路を搬送される連続紙に所定の処理を行う用紙処理システムであって、
前記複数の用紙処理装置の少なくとも1つは、請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置であることを特徴とする用紙処理システム。
【請求項8】
前記複数の用紙処理装置の間には、連続紙を一時貯留可能なバッファー部が設けられていることを特徴とする請求項に記載の用紙処理システム。
【請求項9】
搬送経路を搬送される連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送経路において連続紙を挟持するニップ部と、を備え、
用紙処理装置に連結される画像形成装置のコンピューターを、
連結された用紙処理装置又は自装置から搬送制御信号が出力された場合、当該搬送制御信号の出力タイミングに応じて、第1の制御と、第2の制御と、を選択的に実行する制御部として機能させ
前記第1の制御は、前記搬送制御信号のうちの搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送制御信号のうちの搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記第2の制御は、前記搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記制御部は、前記搬送制御信号が、前記画像形成装置の初期化動作中または前記画像形成部による画像形成中に出力された場合、前記第1の制御を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、用紙処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置を含む複数の装置が連結され、ロール紙のような連続紙に対して所定の処理を行う画像形成システムが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
このような画像形成システムにおいては、例えば消耗品交換などの理由により、いずれかの装置において連続紙の搬送を停止する必要が発生した場合、連続紙であるため全ての装置を停止させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-149657号公報
【文献】特開2015-221532号公報
【文献】特開2011-194569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、停止信号が出力されてから搬送が停止されるまでの連続紙の搬送距離、或いはその後の動作開始にかかる連続紙の搬送距離は装置ごとに異なり、また、停止信号が出力された際の装置の状態(ウォームアップ中や画像形成中など)によっても変わるため、常時同一な搬送制御を実行すると、連続紙の引っ張り合いやたるみ等が生じ、用紙搬送不良が引き起こされたりする場合があった。特に、作像方式が異なる複数の画像形成装置が連結されている場合などには顕著である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置を含む複数の装置が連結された用紙処理システムにおいて、連続紙の搬送開始又は停止に伴う不具合を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
用紙処理装置に連結され、搬送経路を搬送される連続紙に画像を形成する画像形成装置であって、
連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送経路において連続紙を挟持するニップ部と、
連結された用紙処理装置又は自装置から搬送制御信号が出力された場合、当該搬送制御信号の出力タイミングに応じて、第1の制御と、第2の制御と、を選択的に実行する制御部と、
を備え
前記第1の制御は、前記搬送制御信号のうちの搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送制御信号のうちの搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記第2の制御は、前記搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記制御部は、前記搬送制御信号が、前記画像形成装置の初期化動作中または前記画像形成部による画像形成中に出力された場合、前記第1の制御を実行することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の用紙処理システムは、
複数の用紙処理装置が連結され、搬送経路を搬送される連続紙に所定の処理を行う用紙処理システムであって、
前記複数の用紙処理装置の少なくとも1つは、前記画像形成装置であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
搬送経路を搬送される連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送経路において連続紙を挟持するニップ部と、を備え、
用紙処理装置に連結される画像形成装置のコンピューターを、
連結された用紙処理装置又は自装置から搬送制御信号が出力された場合、当該搬送制御信号の出力タイミングに応じて、第1の制御と、第2の制御と、を選択的に実行する制御部として機能させ
前記第1の制御は、前記搬送制御信号のうちの搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送制御信号のうちの搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせた後に、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記第2の制御は、前記搬送停止信号が出力された場合、前記ニップ部に離間動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送停止を許可する許可通知を行い、前記搬送開始信号が出力された場合、前記ニップ部に圧着動作をさせることなく、前記連結された用紙処理装置に連続紙の搬送開始を許可する許可通知を行い、
前記制御部は、前記搬送制御信号が、前記画像形成装置の初期化動作中または前記画像形成部による画像形成中に出力された場合、前記第1の制御を実行するプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置を含む複数の装置が連結された用紙処理システムにおいて、連続紙の搬送開始又は停止に伴う不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明における用紙処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】本発明における用紙処理システムの制御構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明における搬送制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
[用紙処理システムの構成]
先ず、本実施の形態における用紙処理システムの構成について説明する。
【0013】
図1は、用紙処理システム100の概略構成の一例を示す図である。また、図2は、用紙処理システム100の制御構成を示す機能ブロック図である。
【0014】
用紙処理システム100は、連続紙(ロール紙)Pを記録媒体として使用し、この連続紙Pに対して、例えば画像形成などの所定の処理を行うシステムである。
図1に示すように、例えば、用紙処理システム100は、連続紙Pの搬送方向に沿って上流側から、給紙装置10、画像形成装置20、第2の画像形成装置30、巻取装置40が接続されて構成されている。
本実施の形態において使用可能な連続紙Pとしては、その材質等に特に限定はないが、例えば、紙、樹脂を主原料とする用紙、各種処理を施した加工紙などを用いることができる。樹脂を主原料とする用紙とは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ユポ紙(登録商標)等の合成紙などが挙げられる。
【0015】
給紙装置10は、連続紙Pを画像形成装置20へ給紙する装置である。給紙装置10の筐体内では、例えば、図1に示すように、ロール状の連続紙Pが支持軸に巻回されて回転可能に保持される。給紙装置10では、支持軸に巻回された連続紙Pは、複数のローラー(例えば、繰り出しローラー、給紙ローラーなど)を経由して、一定の速度で外部へ搬送される。なお、給紙装置10において、連続紙Pは必ずしもロール状に保持されている必要はなく、折り畳まれて保持されてもよい。また、図1には、一の連続紙Pしか示されていないが、搬送方向と直交する紙幅が狭い複数の連続紙が、並列に保持されていてもよい。
【0016】
画像形成装置20は、電子写真方式により連続紙Pに画像を形成する装置である。画像形成装置20は、連続紙Pの搬送方向において、給紙装置10の下流側、且つ、第2の画像形成装置30の上流側に設置される。
【0017】
第2の画像形成装置30は、インクジェット方式により連続紙Pに画像を形成する装置である。第2の画像形成装置30は、連続紙Pの搬送方向において、画像形成装置20の下流側、且つ、巻取装置40の上流側に設置される。
【0018】
巻取装置40は、第2の画像形成装置30から搬送されてきた連続紙Pを巻き取る装置である。巻取装置40の筐体内では、例えば、図1に示すとおり、連続紙Pが支持軸に巻回されてロール状に保持される。そのために、巻取装置40では、第2の画像形成装置30から搬送されてきた連続紙Pは、複数のローラー(例えば、繰り出しローラー、排紙ローラーなど)を経由して、一定の速度で支持軸に巻き取られる。なお、巻取装置40において、連続紙Pは必ずしもロール状に保持されている必要はなく、例えばページごとにカットされるなどの構成であってもよい。
【0019】
上記用紙処理システム100において、画像形成装置20及び第2の画像形成装置30が、搬送経路を搬送される連続紙Pに対して所定の処理(ここでは画像形成処理)を行う用紙処理装置である。
画像形成装置20と第2の画像形成装置30とは、それぞれ制御部26と制御部36とを備え、制御部26と制御部36との制御の下に、それぞれの通信部27と通信部37とを介して各種情報の授受を行っている。
【0020】
また、上記用紙処理システム100において、給紙装置10と画像形成装置20の間、及び、第2の画像形成装置30と巻取装置40の間には、張力付与機構50が設けられている。
また、画像形成装置20と第2の画像形成装置30の間には、連続紙Pの搬送方向に沿って上流側から、バッファー機構60と、張力付与機構50とが設けられている。
【0021】
張力付与機構50は、例えばダンサーローラーを備え、連続紙Pに一定の張力を付与している。なお、連続紙Pに一定の張力を付与できるものであれば、張力付与機構50の構成は限定されない。
【0022】
また、バッファー機構60は、連続紙Pを一時貯留可能とするものである。
具体的に、バッファー機構60は、画像形成装置20での連続紙Pの搬送速度と、第2の画像形成装置30での連続紙Pの搬送速度との速度差を吸収するために、図1に示すように連続紙Pをたるませて保持し、第2の画像形成装置30への連続紙Pの給紙を調整する。また、バッファー機構60は、例えば連続紙Pの搬送が停止した際などに、装置間の連続紙Pの引っ張り合いやたるみを吸収する。
【0023】
<画像形成装置>
次に、画像形成装置20の構成について詳細に説明する。
画像形成装置20は、例えば複写機といった、電子写真方式の画像形成装置である。
【0024】
図2に示すように、画像形成装置20は、例えば、用紙搬送部21と、画像形成部22と、定着部23と、操作表示部24と、記憶部25と、制御部26と、通信部27と、を備える。
【0025】
用紙搬送部21は、例えば、搬送経路と、当該搬送経路に配置される複数の搬送手段を有し、画像形成装置20内部において連続紙Pを搬送する。具体的には、給紙装置10から搬送された連続紙Pを、画像形成部22へ搬送し、画像形成部22及び定着部23を通過した連続紙Pを、第2の画像形成装置30へと搬送する。
個々の搬送手段は、圧接されてニップ部(搬送ニップ部)Nを形成する一対のローラーによって構成されており、電動モーターを主体とする駆動機構を通じて少なくとも一方のローラーが回転駆動することにより連続紙Pを搬送する。また、個々の搬送手段を構成する一対のローラーは、ローラー間の状態を圧接状態と離間状態とで切り換えることができるように構成されている。
【0026】
画像形成部22は、電子写真方式によってトナー像を形成し、連続紙Pに転写する。
例えば、画像形成部22においては、感光体ドラム(Y、M、C、K)および中間転写ベルトBが用いられる(図1参照)。中間転写ベルトBは、無端ベルトであり、複数のローラーにより巻回され、走行可能に支持される。感光体ドラム(Y、M、C、K)に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルトB上に逐次転写され、各色(Y、M、C、K)の層が重畳したトナー像(カラー画像)が中間転写ベルトB上に形成される。そして、中間転写ベルトBと圧接して配置されることによりニップ部(転写ニップ部)Nを形成する転写ローラーTに、トナーと逆極性のバイアスを印加することにより、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像は連続紙P上に転写される。また、転写ローラーTは、中間転写ベルトBに対して圧接状態と離間状態とで切り換えることができるように構成されている。
【0027】
定着部23は、連続紙P上に転写されたトナー像を定着させる。
例えば、定着部23は、連続紙Pを挟持するための、加熱ローラー231及び加圧ローラー232からなる一対のローラーを備えている(図1参照)。
加熱ローラー231は、加熱源としてのヒーターによって所定の温度に加熱される。
加圧ローラー232は、図示しない弾性部材によって加熱ローラー231へ向かって付勢されている。トナー像の転写された連続紙Pは、加熱ローラー231と加圧ローラー232とのニップ部(定着ニップ部)Nを通ることにより熱と圧力が加えられ、トナー像が溶融定着する。また、加熱ローラー231及び加圧ローラー232は、ローラー間の状態を圧接状態と離間状態とで切り換えることができるように構成されている。
なお、加圧ローラー232の外周面近傍には、温度センサー(図示省略)が設けられ、加圧ローラー232の外周面近傍の温度を、定着部23の温度として測定可能である。
【0028】
操作表示部24は、表示画面を備え、画面上に各種情報の表示を行う表示部、及びユーザーによる各種指示の入力に使用される操作部を備えている。
【0029】
記憶部25は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。
記憶部25には、制御部26で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。例えば、記憶部25には、画像形成処理や搬送制御処理の実行に必要な各種の設定情報などが記憶されている。また、記憶部25には、連続紙Pに形成する画像の画像データが一時的に記憶される。
【0030】
制御部26は、画像形成装置20の各部の動作を制御し、全体の動作を統括する。
制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部26のCPUは、記憶部25に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部26は、画像形成装置20に含まれる各部を制御して、連続紙P上に画像を形成する処理(画像形成処理)を実行する。
また、制御部26は、用紙処理システム100を構成するいずれかの装置から搬送停止信号(搬送制御信号)が出力された場合に、その出力タイミングに応じて、「第1の制御」と「第2の制御」とのいずれかを選択して連続紙Pの搬送を制御する搬送制御処理を実行する。この搬送制御処理の詳細は後述する。
【0031】
通信部27は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、第2の画像形成装置30、給紙装置10、巻取装置40との間で、各種処理に係る情報等の通信を行う。
【0032】
なお、画像形成装置20は、画像形成機能に加え、例えば、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を有するMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0033】
<第2の画像形成装置>
次に、第2の画像形成装置30の構成について詳細に説明する。
本実施の形態においては、第2の画像形成装置30は、例えばインクジェット記録装置といった、インクジェット方式の画像形成装置である。
【0034】
図2に示すように、第2の画像形成装置30は、例えば、用紙搬送部31と、画像形成部32と、インク供給部33と、操作表示部34と、記憶部35と、制御部36と、通信部37と、を備える。
【0035】
用紙搬送部31は、例えば、搬送経路と、当該搬送経路に配置される複数の搬送手段を有し、第2の画像形成装置30内部において連続紙Pを搬送する。具体的には、画像形成装置20から搬送された連続紙Pを、画像形成部32へ搬送し、画像形成部32を通過した連続紙Pを、巻取装置40へと搬送する。
個々の搬送手段は、圧接されてニップ部を形成する一対のローラーによって構成されており、電動モーターを主体とする駆動機構を通じて少なくとも一方のローラーが回転駆動することにより連続紙Pを搬送する。また、個々の搬送手段を構成する一対のローラーは、ローラー間の状態を圧接状態と離間状態とで切り換えることができるように構成されている。
【0036】
画像形成部32は、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出(射出)して、連続紙P上に画像を形成する。
画像形成部32は、例えば、複数のラインヘッド32a、複数のラインヘッド32aを保持するキャリッジ32bなどを有している。
【0037】
ラインヘッド32aは、用紙搬送部31により搬送される連続紙Pに対してインクを吐出する。ラインヘッド32aは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について個別に設けられている。図1では、連続紙Pの搬送方向に対して上流側からY、M、C、Kの各色に対応したラインヘッド32aが順番に設けられている。
【0038】
また、ラインヘッド32aは、キャリッジ32bに、連続紙Pの搬送方向に略垂直な方向(幅方向)について連続紙Pの全体をカバーする長さ(幅)で設けられている。すなわち、第2の画像形成装置30は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。ラインヘッド32aは、複数のインクジェットヘッドが配列されて構成されている。また、キャリッジ32bにはキャリッジヒーター(図示省略)を設け、インクを加熱するようにしても良い。
【0039】
また、インクとしてエネルギー線で硬化するインクを使用する場合、インクが連続紙P上に吐出された後に当該インクを硬化させるためのエネルギー線を照射する照射部を備えることが好ましい。
照射部は、ラインヘッド32aよりも連続紙Pの搬送方向下流側に設けられ、画像が形成された後の連続紙Pに対してエネルギー線を照射することで、連続紙P上に吐出されたインクを硬化させる。
【0040】
インク供給部33は、インクを貯留して、当該インクを画像形成部32のラインヘッド32aに供給し、各色のインクをラインヘッド32aの各ノズルから吐出可能とする。
なお、本実施の形態にて用いられるインクは、特に限られないが、例えば、エネルギー線(紫外線)硬化型のインクや有機溶剤に無機及び有機顔料を分散させたインクを用いることが可能である。
【0041】
操作表示部34は、表示画面を備え、画面上に各種情報の表示を行う表示部、及びユーザーによる各種指示の入力に使用される操作部を備えている。
【0042】
記憶部35は、例えば、HDDや半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。
記憶部35には、制御部36で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。例えば、記憶部25には、第2の画像形成処理の実行に必要な各種の設定情報などが記憶されている。
【0043】
制御部36は、第2の画像形成装置30の各部の動作を制御し、全体の動作を統括する。
制御部36は、例えば、CPU、RAM等により構成される。制御部36のCPUは、記憶部35に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部36は、第2の画像形成装置30に含まれる各部を制御して、連続紙P上に画像を形成する処理(第2の画像形成処理)を実行する。
また、制御部36は、画像形成装置20の搬送制御処理の実行により、画像形成装置20から許可通知が通知されてきた場合、これに応じて連続紙Pの搬送を制御する。
【0044】
通信部37は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、給紙装置10、画像形成装置20、巻取装置40との間で、各種処理に係る情報等の通信を行う。
【0045】
なお、上記したように、インクジェット記録装置の一例として、ラインヘッドを用いる構成について説明したが、インクジェット記録装置はこれに限定されない。例えば、連続紙Pの搬送方向に対して直交する方向にインクジェットヘッドを走査することによって画像を形成するスキャン方式のインクジェット記録装置であっても良い。
また、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色を設ける例を記載したが、これに限定されず単色でも適用することができる。例えばK(ブラック)のみを使用する構成であってもよい。
また、インクの色としても、特に限定されず、上記以外にも、例えば、クリア(透明)や、金、銀等の所謂特色と呼ばれるものを使用することも可能である。
【0046】
[用紙処理システムの動作]
次に、用紙処理システム100及び画像形成装置20の動作を説明する。
【0047】
本実施の形態の画像形成装置20は、起動中に用紙処理システム100を構成するいずれかの装置から搬送停止信号が出力された場合に、その出力タイミングに応じて、「第1の制御」と「第2の制御」とのいずれかを選択して連続紙Pの搬送を制御(搬送を停止)する、以下の搬送制御処理を実行する。
【0048】
図3は、搬送制御処理を示すフローチャートである。
【0049】
先ず、画像形成装置20の電源がONされると、制御部26は、初期化動作を開始する(ステップS101)。
具体的には、制御部26は、電源がONされると、第2の画像形成装置30に対して連続紙Pの搬送を禁止する指示を通知する。そして、初期化動作として、画像形成装置20に備えられた各種ローラーの圧離確認等を実行する。
【0050】
次いで、制御部26は、初期化動作が完了したか否かを判断し(ステップS102)、完了していない場合(ステップS102:NO)、画像形成装置20又は第2の画像形成装置30から、搬送停止信号が出力されたか否かを判断する(ステップS103)。
【0051】
そして、搬送停止信号が出力されていない場合(ステップS103:NO)、制御部26は、上記ステップS102に戻って以降の処理を繰り返す。
【0052】
一方、搬送停止信号が出力された場合(ステップS103:YES)、制御部26は、ニップ部N(搬送ニップ部、転写ニップ部、定着ニップ部など)の離間動作を実行する(ステップS104)。
なお、この際、制御部26は、記憶部25に未出力の画像の画像データが記憶されているか否かを判断し、未出力の画像の画像データが記憶されている場合には、制御部26は、当該画像データに基づいて画像形成を行った後、ニップ部の離間動作を実行することが好ましい。
即ち、制御部26は、搬送停止信号の出力時に記憶部25に画像データが記憶されている場合、当該画像データに基づく画像形成を行った後、ニップ部に離間動作をさせる。
【0053】
次いで、制御部26は、連続紙Pの搬送の停止を許可するための、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判断する(ステップS105)。
所定条件とは、装置内部が適切な環境となってから連続紙Pの搬送を停止させるために設定される条件であり、例えば、搬送停止信号の出力時からの経過時間が設定値以上であること、及びニップ部の温度が設定値以下であることの少なくとも1つが含まれる。
また、上記経過時間や上記ニップ部の温度の設定値は、適宜設定変更することが可能である。例えば、連続紙Pの種類に応じて、上記経過時間や上記ニップ部の温度の設定値を変更しても良い。例えば、連続紙Pの種類が、予め設定された耐熱性を有する材質である場合には、上記経過時間の設定値を短く、上記ニップ部の温度の設定値を高く設定しても良い。さらに、画像形成装置20の周辺の温度及び湿度等の環境に応じて、上記経過時間や上記ニップ部の温度の設定値を変更しても良い。
これにより、装置内部が適切な環境となってから連続紙Pの搬送が停止されることとなるため、例えば、蓄積された熱の影響等で搬送停止後に連続紙Pにダメージが与えられる等の不具合を防止することができる。
【0054】
そして、所定条件が満たされていない場合(ステップS105:NO)、制御部26は、かかるステップS105の処理を繰り返す。
これにより、所定条件が満たされるまで、連続紙Pの搬送が停止されることなく、搬送が継続されることとなる。
なお、搬送が継続される動作としては、連続紙Pを搬送方向の上流から下流の一方向に進めるだけでなく、所定時間ごとに、搬送方向の上流から下流及び下流から上流に交互に進める往復動作をさせても良い。これにより、連続紙Pに無駄な白紙部分が発生するのを抑制することができる。
【0055】
次いで、制御部26は、第2の画像形成装置30に対して、連続紙Pの搬送の停止を許可する通知(許可通知)を行い(ステップS106)、本処理を終了する。
これにより、初期化動作中に搬送停止信号が出力された場合、ニップ部の離間動作が実行された後、許可通知が行われることとなる(第1の制御)。
なお、第2の画像形成装置30においては、制御部36は、許可通知を受信すると、連続紙Pの搬送を停止する。
【0056】
また、上記ステップS102において、初期化動作が完了した場合(ステップS102:YES)、制御部26は、画像形成の開始指示を受け取ったか否かを判断し(ステップS107)、当該開始指示を受け取ると(ステップS107:YES)、ウォームアップ動作を開始する(ステップS108)。
具体的に、制御部26は、初期化動作が完了すると、第2の画像形成装置30に対して連続紙Pの搬送を許可する指示を通知する。
そして、画像形成の開始指示として、例えば、外部装置からの画像形成の開始指示信号や、操作表示部24に対するユーザー操作に基づく画像形成の開始指示信号などを受け取ると、ウォームアップ動作を開始する。
ウォームアップ動作としては、例えば、定着部23付近の連続紙Pの搬送開始、定着部23のヒーターの点灯などを実行する。
【0057】
次いで、制御部26は、ウォームアップ動作が完了したか否かを判断し(ステップS109)、完了していない場合(ステップS109:NO)、画像形成装置20又は第2の画像形成装置30から搬送停止信号が出力されたか否かを判断する(ステップS110)。
【0058】
そして、搬送停止信号が出力されていない場合(ステップS110:NO)、制御部26は、上記ステップS109に戻って以降の処理を繰り返す。
【0059】
一方、搬送停止信号を受信した場合(ステップS110:YES)、制御部26は、上記ステップS105に移行する。
これにより、ウォームアップ動作中に搬送停止信号が出力された場合、ニップ部Nの離間動作が行われることなく、ただちに許可通知が行われることとなる(第2の制御)。
【0060】
また、上記ステップS109において、ウォームアップ動作が完了した場合(ステップS109:YES)、制御部26は、画像形成を開始する(ステップS111)。
具体的に、制御部26は、ウォームアップ動作が完了したら、第2の画像形成装置30に、画像形成時の連続紙Pの搬送速度を通知し、次いで、作像系の動作、各ニップ部の圧着などの、画像形成の準備を開始する。そして、画像形成の準備完了後、その旨を第2の画像形成装置30に通知し、画像の書き込みを開始する。
【0061】
次いで、制御部26は、画像形成が完了したか否かを判断し(ステップS112)、完了した場合(ステップS112:YES)、本処理を終了する。
一方、画像形成が完了していない場合(ステップS112:NO)、制御部26は、画像形成装置20又は第2の画像形成装置30から搬送停止信号が出力されたか否かを判断する(ステップS113)。
【0062】
そして、搬送停止信号が出力されていない場合(ステップS113:NO)、制御部26は、上記ステップS112に戻って以降の処理を繰り返す。
【0063】
一方、制御部26は、搬送停止信号が出力された場合(ステップS113:YES)、上記ステップS104に移行する。
これにより、画像形成中に搬送停止信号が出力された場合、ニップ部N(搬送ニップ部、転写ニップ部、定着ニップ部など)の離間動作が実行された後、許可通知が行われることとなる(第1の制御)。
【0064】
なお、上記図3のフローチャートでは、連続紙Pにかかるダメージを低減する観点から、ステップS105の所定条件が満たされているか否かを判断するステップが含まれているが、生産性の観点から、かかるステップを省略することもできる。
また、ステップS104において、搬送停止信号の出力時に記憶部25に画像データが記憶されている場合、当該画像データに基づく画像形成を行った後、ニップ部に離間動作をさせる構成について説明したが、未形成の画像データがあったとしても、ニップ部の離間動作を実行させることとしても良い。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、第2の画像形成装置30に連結され、搬送経路を搬送される連続紙Pに画像を形成する画像形成装置20であって、連続紙Pに画像を形成する画像形成部22と、搬送経路において連続紙Pを挟持するニップ部と、連結された第2の画像形成装置30又は自装置から搬送停止信号(搬送制御信号)が出力された場合、当該搬送停止信号の出力タイミングに応じて、ニップ部に離間動作をさせた後に、第2の画像形成装置30に連続紙Pの搬送停止を許可する許可通知を行う第1の制御と、ニップ部に離間動作をさせることなく第2の画像形成装置30に前記許可通知を行う第2の制御と、を選択的に実行する制御部26と、を備える。
このため、搬送を停止する際、連続紙Pの引っ張り合いやたるみ等が生じ、用紙搬送不良が引き起こされるのを防止することができる。
よって、複数の装置が連結された用紙処理システムにおいて、連続紙Pの搬送停止に伴う不具合を防止することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、制御部26は、搬送停止信号が、画像形成装置20の初期化動作中または画像形成部22による画像形成中に出力された場合、第1の制御を実行する。
このため、画像形成装置20の初期化動作中または画像形成部22による画像形成中においては、ニップ部を離間させた後に、第2の画像形成装置30に連続紙Pの搬送停止を許可するため、ニップ部の圧着の影響で用紙搬送不良が引き起こされるのを防止することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、制御部26は、搬送停止信号が、画像形成装置20のウォームアップ動作中に出力された場合、第2の制御を実行する。
このため、画像形成装置20のウォームアップ動作中においては、ニップ部の圧着が影響しないので、搬送停止信号が出力されると、ただちに第2の画像形成装置30に連続紙Pの搬送停止を許可するため、迅速に搬送を停止することができる。
なお、例えば、第2の画像形成装置30による連続紙Pの搬送中など、画像形成装置20が、ニップ部の圧着が影響しない状態である場合には、ウォームアップ動作中以外にも、第2の制御が選択される。
【0068】
また、本実施の形態によれば、画像形成装置20は、画像データを一時的に記憶する記憶部を25備え、制御部26は、搬送停止信号の出力時に記憶部25に画像データが記憶されている場合、第1の制御において、当該画像データに基づく画像形成を行った後、ニップ部に離間動作をさせる。
このため、搬送停止信号の出力時に予定されていた全ての画像データに基づく画像形成が行われた後、搬送が停止されることとなる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、制御部26は、第1の制御及び第2の制御において、第2の画像形成装置30に許可通知を行う前に、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判断し、所定条件が満たされている場合に許可通知を行う。
具体的に、所定条件には、搬送停止信号の出力時からの経過時間が設定値以上であること、及びニップ部の温度が設定値以下であることの少なくとも1つが含まれる。
このため、装置内部が適切な環境となってから連続紙Pの搬送が停止されるため、例えば、蓄積された熱の影響等で搬送停止後に連続紙Pにダメージが与えられるのを防止することができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、画像形成部22は、電子写真方式により画像を形成する。
このため、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置20を含む用紙処理システム100において、連続紙Pの搬送停止に伴う不具合を防止することができる。
【0071】
なお、上記実施の形態においては、搬送停止信号に応じて連続紙Pの搬送を停止させる搬送制御処理を例示して説明したが、搬送制御信号としては、連続紙Pの搬送を開始させる搬送開始信号も含まれる。そして、搬送制御信号として搬送開始信号が出力された場合には、制御部26は、搬送開始信号に応じて連続紙Pの搬送を開始させる搬送制御処理を実行することができる。
具体的に、搬送開始信号が出力された場合には、制御部26は、その出力タイミングに応じて、ニップ部に圧着動作をさせた後に、連結された第2の画像形成装置30に連続紙Pの搬送開始を許可する許可通知を行う第1の制御と、ニップ部に圧着動作をさせることなく、連結された第2の画像形成装置30に許可通知を行う第2の制御と、を選択的に実行する。例えば、初期化動作中に搬送開始信号があった場合は、第1の制御を実行する。また、例えば、ウォームアップ動作中搬送開始信号があった場合は、第2の制御を実行する。
【0072】
また、上記実施の形態においては、第2の画像形成装置30としてインクジェット記録装置を例示して説明したが、第2の画像形成装置30は、画像形成装置20と同様な電子写真方式の画像形成装置であっても良い。
また、第2の画像形成装置30としては、例えば、ニスや箔等などによる所定の図柄を連続紙Pに形成する装置であっても良い。或いは、第2の画像形成装置30としては、連続紙Pに対して、例えば、スリット、ダイカットなどを行う後加工処理機のような、画像形成以外の処理を行う装置であっても良い。
また、このような装置が、画像形成装置20に対して連続紙Pの搬送方向の上流側に配置されていても良い。
【0073】
また、上記実施の形態においては、2つの用紙処理装置(画像形成装置20及び第2の画像形成装置30)を連結した構成の用紙処理システムを例示して説明したが、連結される用紙処理装置の数はこれに限定されない。
【0074】
また、上記実施の形態においては、図2に示したように、各装置がそれぞれ制御部を備え、他の装置からの情報(許可通知など)に応じて自装置を制御する構成として説明したが、用紙処理システム100全体の動作制御を行う中央制御部を備えた構成としても良い。
その場合、中央制御部は、連結された装置の各制御部(制御部26及び制御部36)に対して各処理を施すための命令を出力し、各制御部は、その命令に応じてそれぞれの制御対象である装置の動作を制御する。
また、いずれかの装置の制御部が、上記中央制御部の役割を担う構成であっても良い。
【0075】
また、用紙処理システム100において、ユーザーに対して危険を及ぼす、或いは装置の故障が発生するような異常の発生による停止信号の出力時には、出力タイミングに関わらず、ただちに搬送が停止される。
【符号の説明】
【0076】
10 給紙装置
20 画像形成装置
21 用紙搬送部
22 画像形成部
23 定着部
24 操作表示部
25 記憶部
26 制御部
27 通信部
N ニップ部
30 第2の画像形成装置
31 用紙搬送部
32 画像形成部
33 インク供給部
34 操作表示部
35 記憶部
36 制御部
37 通信部
40 巻取装置
50 張力付与機構
60 バッファー機構
100 用紙処理システム
P 連続紙
図1
図2
図3