(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型導電性ペーストおよび配線板
(51)【国際特許分類】
H01B 1/22 20060101AFI20220119BHJP
C09D 11/52 20140101ALI20220119BHJP
C09D 11/101 20140101ALI20220119BHJP
H01B 1/00 20060101ALI20220119BHJP
H01B 5/14 20060101ALI20220119BHJP
H05K 1/09 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
H01B1/22 A
C09D11/52
C09D11/101
H01B1/00 H
H01B5/14 B
H05K1/09 A
(21)【出願番号】P 2018083534
(22)【出願日】2018-04-25
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】711004436
【氏名又は名称】東洋インキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】舘野宏之
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-138184(JP,A)
【文献】特開2007-254845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/22
C09D 11/52
C09D 11/101
H01B 1/00
H01B 5/14
H05K 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが0.5~5μmでありアスペクト比1~20であるフレーク状導電性微粒子、アミン変性多官能オリゴマー(A)および窒素含有単官能モノマー(B)、並びに重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型導電性ペーストであって、ペースト総質量中にフレーク状導電性微粒子を50~95質量%含有する活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【請求項2】
前記アミン変性多官能オリゴマー(A)は水酸基を有し、かつ重量平均分子量が500~2000である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【請求項3】
更にシクロオレフィン構造、トリメチロールプロパン由来構造、ペンタエリスリトール由来構造およびグリセリン由来構造より選ばれる少なくとも一種の構造を有するモノマー(C)(ただし前記オリゴマー(A)およびモノマー(B)は含まない)を含有する、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【請求項4】
更にアルミニウムキレート化合物を含む、請求項1~3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【請求項5】
スクリーン印刷用である、請求項1~4いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【請求項6】
基材上に、請求項1~5いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストから形成された導電層を有する配線板。
【請求項7】
請求項6記載の配線板を具備してなる電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型導電性ペーストおよびそれを用いた配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板の信号配線の形成に使用する材料として導電性ペーストが知られている。導電性ペーストの中でも活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、熱硬化型導電性ペーストとは異なり高温での硬化工程が不要であるため、高温でダメージを受け易いポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスチックフィルムを基材とした配線板用途に使用されている。紫外線や電子線などの活性エネルギー線によって硬化/乾燥が可能な活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、加熱の必要が少なく工業的に有用である。
【0003】
当該導電性ペーストに使用される導電性粉末は、空気中で酸化しない金、白金、銀、パラジウムなどの金属を用いることができるが、一般に銀または銀化合物が多く用いられる。なお、導電性粉末の粒子同士の接触により導通をより得やすくするためフレーク状の導電性粒子を使用する場合がある。例えば、特許文献1では銀微粒子、ウレタンアクリレート、窒素含有単官能モノマー、重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型導電性ペーストが開示されている。
【0004】
しかしながら、導電性を向上させるためにフレーク状の導電性微粒子を使用すると、活性エネルギー線である紫外線の透過性が低下し、導電性ペーストからなる信号配線の硬化性が低下するという問題があった。また、更に従来の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、硬化による体積収縮が大きく基材に対する密着性が低いという問題あった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基材に対する密着性が良好であり、導電性と硬化性を両立する活性エネルギー線硬化型導電性ペーストおよび配線板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
厚さが0.5~5μmでありアスペクト比1~20であるフレーク状導電性微粒子、アミン変性多官能オリゴマー(A)および窒素含有単官能モノマー(B)、並びに重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型導電性ペーストであって、ペースト総質量中にフレーク状導電性微粒子を50~95質量%含有する活性エネルギー線硬化型導電性ペーストに関する。
【0008】
また、本発明は、前記アミン変性多官能オリゴマー(A)は水酸基を有し、かつ重量平均分子量が500~2000である、前記活性エネルギー線硬化型導電性ペーストに関する。
【0009】
本発明は、更にシクロオレフィン構造、トリメチロールプロパン由来構造、ペンタエリスリトール由来構造およびグリセリン由来構造より選ばれる少なくとも一種の構造を有するモノマー(C)(ただし前記オリゴマー(A)およびモノマー(B)は含まない)を含有する、前記活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。
【0010】
また、本発明は、更にアルミニウムキレート化合物を含む、前記活性エネルギー線硬化型導電性ペーストに関する。
【0011】
また、本発明は、スクリーン印刷用である、前記活性エネルギー線硬化型導電性ペーストに関する。
【0012】
また、本発明は、基材上に、前記活性エネルギー線硬化型導電性ペーストから形成された導電層を有する配線板に関する。
【0013】
また、本発明は、前記配線板を具備してなる電子デバイスに関する。
【発明の効果】
【0014】
上記の本発明によれば、基材に対する密着性が良好であり、導電性と硬化性を両立する活性エネルギー線硬化型導電性ペーストおよび配線板を提供できた。
【0015】
特にITO(インジウム-スズ-オキサイド)蒸着基材に対して良好な密着性を付与できる活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを適用した配線板の構成の概略断面構成図である。
【
図2】本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを適用したタッチパネルの構成の概略断面構成図である。
【
図3】本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを適用した有機薄膜太陽電池の構成の概略断面構成図である。
【
図4】本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを適用した光増感太陽電池の構成の概略断面構成図である。
【
図5】本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを適用した非接触IDの構成の概略断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する要件等の説明は本発明の実施態様の代表例であり、その趣旨を超えない限りこれらの内容に制限されるものではない。
【0018】
本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、厚さ0.5~5μm、アスペクト比1~20のフレーク状導電性微粒子と、アミン変性多官能オリゴマー(A)と、窒素含有単官能モノマー(B)と、重合開始剤とを含む。
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、印刷(塗工ないし塗布を含む)により基材上に形成した被膜層に対し活性エネルギー線を照射することで硬化し、導電層を形成する。導電層が信号配線である場合、信号配線は、配線板用途で使用することが好ましい。
【0019】
なお、活性エネルギー線としては紫外線、電子線、可視光線などが挙げられるが、硬化性の観点から紫外線であることが好ましい。
【0020】
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、アミン変性多官能オリゴマー(A)と窒素含有単官能モノマー(B)を含むことで活性エネルギー線硬化の際、被膜層の硬化収縮を抑制し、かつ電気陰性度が高い窒素原子の存在により基材に対する密着性が向上する。また、厚さ0.5~5μm、アスペクト比1~20のフレーク状導電性微粒子を使用することで、活性エネルギー線照射の際、被膜層中で重なりあっている前記フレーク状導電性微粒子同士の間隙を紫外線が反射しつつ、上層から下層に入り込むことで硬化性と導電性を両立できる。
【0021】
<フレーク状導電性微粒子>
本発明でのフレーク状導電性微粒子は、厚さが0.5~5μm、かつアスペクト比が1~20である。
厚さが0.5~5μm、かつアスペクト比が1~20を満たすことで、被膜層中のフレーク状導電性微粒子は、紫外線等の活性エネルギー線の反射を抑制し、フレーク状導電性微粒子同士の間隙に活性エネルギー線を取り込み易くできる。これにより硬化性がより向上する。なお、アスペクト比は、[平均長径(μm)]/[平均厚さ(μm)]で算出できる。このときの平均長径(μm)は、走査型電子顕微鏡で倍率(2000倍前後)の画像でおよそ30個前後の粒子の長径及び厚さを直接観察して得た平均値である。アスペクト比は2~17が好ましく、3~15がより好ましい。
【0022】
フレーク状導電性微粒子の厚さは、活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを作製し、印刷により形成した導電層を使用して、当該導電層の断面を走査型電子顕微鏡(倍率2000倍前後)の拡大画像からおよそ30個前後の粒子の厚さを平均し求めることができる。また他の方法は、フレーク状導電性微粒子と市販エポキシ樹脂とを配合した混合物を硬化させた試料を作製し、当該試料の断面に対し走査型電子顕微鏡を使用して上記同様に求めることができる。
【0023】
フレーク状導電性微粒子の素材は、例えば、金、銀、銅、アモルファス銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モリブデン、および白金等の金属、ならびにこれらの合金、酸化銀、ならびに酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、酸化ルテニウムおよびインジウム-スズ複合酸化物(ITO)等の金属酸化物、ならびにカーボンブラック、およびグラファイト等が挙げられる。前記素材は、例えば、銀メッキ銅粉のような複合金属であってもよい。また、非導電性の粒子を前記金属、金属酸化物等で被覆した被覆粒子であってもよい。これらの中でも導電性の観点から金属微粒子または金属酸化物微粒子であることが好ましく、銀微粒子であることがより好ましい。
【0024】
フレーク状導電性微粒子は、1種類または2種類以上を使用することができ、フレーク状導電性微粒子の形状は、フレーク状であるが、非フレーク状の導電性微粒子を併用できる。非フレーク状は、例えば、球状、樹枝状、針状等である。フレーク状導電性微粒子の平均粒子径は、3~15μmが好ましく、5~10μmがより好ましい。
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、総質量中にフレーク状導電性微粒子を50~95質量%含有し、更には65~95質量%が好ましい。
【0025】
フレーク状導電性微粒子の配合量は、フレーク状導電性微粒子をX、活性エネルギー線硬化成分をYとしたとき、X:Y=50:50~95:5であることが好ましく、70:30~90:10がより好ましい。フレーク状導電性微粒子を適量配合すると導電性と印刷適性を両立することが可能である。なお、活性エネルギー線硬化成分は、アミン変性多官能オリゴマー(A)と、窒素含有単官能モノマー(B)に代表されるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を有すればアミン変性多官能オリゴマー(A)および窒素含有単官能モノマー(B)以外の化合物も含まれる。
【0026】
本明細書において、多官能とはエチレン性不飽和二重結合を一分子中に複数個有することをいい、単官能とはエチレン性不飽和二重結合が一分子中に1つ有することをいう。また官能基数とは一分子中に有するエチレン性不飽和二重結合の個数をいう。
【0027】
エチレン性不飽和二重結合とは活性エネルギー線で重合反応する基をいい、アクリル基、メタクリル基などが好適に挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの併記を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの併記を意味する。
【0028】
<アミン変性多官能オリゴマー(A)>
アミン変性とは置換アミノ基を含むことであり、アミン変性多官能オリゴマー(A)は、同一分子内に2級または3級のアミン構造および複数のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーである。エチレン性不飽和二重結合は2~4個で有することが好ましく、重量平均分子量は500~2000であることが好ましい。また、オリゴマー(A)はポリエステルアクリレート構造、ウレタンアクリレート構造、およびエポキシアクリレート構造より選ばれる少なくとも一種の構造を有することが好ましい。ポリエステルアクリレート構造を含むことがより好ましい。アミン変性多官能オリゴマー(A)は、3級のアミノ基を有することが好ましい。
アミン変性多官能オリゴマー(A)を含むことで活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、基材に対する密着性および硬化性がより向上する。特にITOなどの金属酸化物からなる透明電極を有する基材への密着性が良好となる。
【0029】
アミン変性多官能オリゴマー(A)は、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレートとアミン化合物の付加反応により得ることができる。例えば、以下の製造方法が挙げられる。
多官能アクリレートである3官能(メタ)アクリレート(2モル)に対し、アミン化合物であるアルカノールアミン(1モル)を付加反応させる事により3級アミノを有する4官能(メタ)アクリレートオリゴマーを合成できる。
前記付加反応は具体的には、3官能(メタ)アクリレートの一つのアクリレート基がアルカノールアミンの有する1級アミノ基へ付加することで2級アミノ基を有する多官能オリゴマーとなる。また、更に3官能(メタ)アクリレートの有するアクリレート基と当該2級アミノ基が付加反応を形成すれば3級アミノ基を有する多官能オリゴマーとなる。なお多官能アクリレート種やその反応比率等を制御することでアミン変性多官能オリゴマー(A)の官能基数および分子量を調整することができる。
【0030】
<ポリエステルアクリレート>
上記ポリエステルアクリレートとしての3官能(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
等が好適である。なおエチレンオキシド、プロピレンオキシドその他のアルキレンオキシドを付加した構造を有する3官能(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
【0031】
また上記ポリエステルアクリレートとしての多官能アクリレートは4~6官能アクリレートであってもよく、6官能アクリレートとしてはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはそのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体、5官能アクリレートとしてはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、4官能アクリレートとしてはジグリセリンEO変性(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0032】
また上記ポリエステルアクリレートとしての多官能アクリレートは2官能アクリレートであってもよく、
2官能アクリレートとしてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加ジ(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
【0033】
<ウレタンアクリレート>
6官能のウレタンアクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート付加体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネート付加体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネート付加体などが挙げられ、
4官能ウレタンアクリレートとしては、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート付加体、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネート付加体、などが挙げられ、
3官能ウレタンアクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられ、
2官能ウレタンアクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート付加体、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネート付加体などが挙げられる。
【0034】
<エポキシアクリレート>
エポキシアクリレートとしては、例えば、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYLシリーズが挙げられる。4官能であるエポキシアクリレートとしては、EBECRYL860(エポキシ化大豆油アクリレート)、3官能であるエポキシアクリレートとしては、EBECRYL3603(ノボラックエポキシアクリレート)、2官能であるエポキシアクリレートとしては、EBECRYL600ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート等が挙げられる。
【0035】
上記アミン化合物はアルカノールアミンであることが好ましく、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。アルカノールアミンを使用することで水酸基をアミン変性多官能オリゴマー(A)に付与することができる。
【0036】
アルカノールアミン以外のアミン化合物はアルキルアミン、アニリンその他の1級または2級アミノ基を有するアミン化合物が好適である。
【0037】
アミン変性多官能オリゴマー(A)、1種類または2種類以上を使用することができ、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量中に1~20質量%含むことが好ましく、5~10質量%含有することがより好ましい。
【0038】
<窒素含有単官能モノマー(B)>
窒素含有単官能モノマー(B)は、窒素原子およびエチレン性不飽和二重結合を1個有する分子量300以下のモノマーである。当該窒素原子はアミド基、ラクタム基、モルホリノ基およびイミド基から選ばれる少なくとも一種に由来する窒素原子であることが好ましく、アミド基、イミド基がより好ましい。
【0039】
窒素含有単官能モノマー(B)は、例えば、4-アクリロイルモルホリン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が好適に挙げられる。これらの中でも密着性がより向上する面で4-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が好ましい。窒素含有単官能モノマー(B)は、1種類または2種類以上を使用することができ、窒素含有単官能モノマー(B)は、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量中に1~20質量%含むことが好ましく、3~8質量%含むことがより好ましい。
【0040】
アミン変性多官能オリゴマー(A)および窒素含有単官能モノマー(B)の両方を含むことで活性エネルギー線硬化型導電性ペーストの硬化被膜の基材密着性が良好となる。アミン変性多官能オリゴマー(A)のアミノ基と窒素含有単官能モノマー(B)の窒素含有基が投錨(基材の微細な凹凸に入り込み密着性を向上させる)効果を奏するためである。(A)と(B)は、質量比((A)/(B))が80/20~20/80であることが好ましく、70/30~30/70であることがなお好ましい。
また、アミン変性多官能オリゴマー(A)と窒素含有単官能モノマー(B)の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト中の合計量は、5~30質量%が好ましく、7~20質量%がより好ましく、10~18質量%が更に好ましい。両モノマーを適量含むと密着性と硬化性をより高度に両立できる。
【0041】
<重合開始剤>
重合性開始剤は、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α-アクリルベンゾイン等のベンゾイン系、2、2-ジメトキシ-1、2-ジフェニルエタン-1-オン(イルガキュア651:BASF社製)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキュア184、:BASF社製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(ダロキュア1173:BASF社製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア2959:BASF社製)、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア907:BASF社製)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(イルガキュア369:BASF社製)、ビス(2、4、6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819:BASF社製)、2、4、6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO:BASF社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(イルガキュア127:BASF社製)、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン(イルガキュア379:BASF社製)、2、4-ジエチルチオキサントン(カヤキュアーDETX-S:日本化薬社製)、2-クロロチオキサントン(カヤキュアーCTX:日本化薬社製)、ベンゾフェノン(カヤキュアーBP-100:日本化薬社製)、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン(カヤキュアーBMS:日本化薬社製)、エチルアントラキノン(カヤキュアー2-EAQ:日本化薬社製)、エサキュアーKIP100(シイベルヘグナー社製)、ジエトキシアセトフェノン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:BASF社製)、BTTB(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
【0042】
これらの中でも硬化性および密着性がより向上する面で2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア907:BASF社製)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(イルガキュア369:BASF社製)、ビス(2、4、6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819:BASF社製)、2、4、6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO:BASF社製)がより好ましい。
【0043】
重合開始剤は、1種類または2種類以上を使用することができる。
【0044】
重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト中に0.1~10質量%を含むことが好ましく、0.3~3質量%がより好ましい。重合開始剤を適量含むと硬化性と密着性を両立し易い。
【0045】
<モノマー(C)>
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、さらにモノマー(C)を含むことが好ましい。モノマー(C)は、アミン変性多官能オリゴマー(A)および窒素含有単官能モノマー(B)以外のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、シクロオレフィン構造、トリメチロールプロパン由来構造、ペンタエリスリトール由来構造およびグリセリン由来構造より選ばれる少なくとも一種の構造を有するモノマーをいう。当該構造を有することで活性エネルギー線硬化後の硬化被膜の収縮を抑制する効果を奏し、硬化性、印刷粘度、密着性等に優れる。なおモノマー(C)は分子量が100~500であることが好ましい。またモノマー(C)は官能基数が1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましい。
【0046】
アミン変性多官能オリゴマー(A)と窒素含有単官能モノマー(B)の合計質量((A)+(B))に対するとモノマー(C)の合計質量の比率は((A)+(B)):(C)=50:50~100:0が好ましく、50:50~95:5であることがより好ましい。
【0047】
モノマー(C)は、1種類または2種類以上を使用することができ、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量中に1~10質量%を含むことが好ましく、2~5質量%がより好ましい。
【0048】
シクロオレフィン由来構造を有するモノマー(C)は、好ましくは1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0049】
トリメチロールプロパン由来構造を有するモノマー(C)は、好ましくはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0050】
ペンタエリスリトール由来構造を有するモノマー(C)は、好ましくはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
グリセリン由来構造を有するモノマー(C)は、好ましくはグリセリントリ(メタ)アクリレートジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
<その他モノマー>
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストはその効果等を損なわない範囲で上記以外の他のモノマーを使用することができる。以下にその例を示す。
【0053】
1官能モノマーは、アルキル鎖の炭素数が1~18の(メタ)アクリレートが好ましく、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、他の1官能モノマーとして、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール(メタ)アクリレート、オクチルフェノール(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ドデシルフェノール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0054】
2官能モノマーは、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0055】
<アルミニウムキレート化合物>
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、さらにアルミニウムキレート化合物を含むことが好ましい。アルミニウムキレート化合物は、フレーク状導電性微粒子の分散性を向上できるため、活性エネルギー線硬化型導電性ペーストの流動性が向上し、より平滑な導電層を形成できる。
【0056】
アルミニウムキレート化合物は、アルミニウムと配位子からなる化合物をいう。中でもキレートを有し、更にアルコキシド配位子として有することが好ましい。かかる配位子は、例えばキレートとしてはアセトネートが好ましく、アセチルアセトネート基、メチルアセトアセトネート基、エチルアセトアセテート基が好適であり、アルコキシドとしてはプロピオネート基、イソプロピオネート基等が好適に挙げられる。これらの配位子を使用すると導電層の導電性がより向上する。
【0057】
アルミニウムキレート化合物は、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピオネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテテート)、アルミニウム-ジ-n-ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウム-ジ-sec-ブトキシドモノメチルアセトアセテート等が挙げられる。
【0058】
アルミニウムキレート化合物は、1種類または2種類以上を使用することができ、アルミニウムキレート化合物の分子量は、200~420が好ましい。アルミニウムキレート化合物は、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量に対して0.1~5質量部を配合することが好ましく、0.5~2質量%がより好ましい。配合量が0.5質量部以上になることでフレーク状導電性微粒子の分散性がより向上する。また、配合量が5質量%以下になると密着性がより向上する。
【0059】
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、課題を解決できる範囲であれば、以下の成分を配合できる。バインダー樹脂、重合禁止剤、可塑剤、滑剤、有機溶剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、硫化防止剤等が挙げられる。
【0060】
なお、ゲル化防止(過剰反応防止)、均一硬化性の観点より重合禁止剤を含有することが好ましい。該当する化合物としては4-teat-ブチルカテコール、ヒドロキノン、teat-ブチルヒドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル、4-メトキシフォノール、フェノチアジン、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩などが挙げられ、中でもN-ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩の使用が好ましい。含有量としては活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量中に0.01~0.1質量%含有することが好ましい。
【0061】
<有機溶剤>
有機溶剤は活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量総質量中、0~10質量%の量で用いられることが好ましく、例えばケトン、芳香族溶剤、アルコール、セロソルブ、グリコールエーテル、エステル、脂肪族系溶剤、石油系溶剤等が好ましい。
ケトンは、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、3-ペンタノン、2-ヘプタノン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、ガンマーブチルラクトン等が挙げられる。芳香族溶剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、炭素数5~20のアルキル鎖を有するアルキルベンゼン、クロロベンゼン等が挙げられる。
アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ネオペンチルブタノール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、べンジルアルコール等が挙げられる。
セロソルブは、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ等が挙げられる。
グリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル等が挙げられる。
エステルは、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
脂肪族溶剤は、例えば、n-ヘプタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
石油系溶剤は、例えば、アロマフリーソルベント、ヘビーアロマソルベント等が挙げられる。
【0062】
<その他樹脂>
本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストはその効果等を損なわない範囲で、上記(A)、(B)または(C)以外の樹脂を含有してもよい。当該樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を含有しない、数平均分子量の1,000~100,000の樹脂が好ましい。当該樹脂は例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、スチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、ベンジルセルロース樹脂、スチレン-無水マレイン酸樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ケトン樹脂、ロジン、ロジンエステル、塩素化ポリオレフィン、変性塩素化ポリオレフィン、塩素化ポリウレタン等が挙げられ、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト総質量中に40質量%未満で含むことが好ましく、2~10質量%で含有することがより好ましい。
【0063】
<活性エネルギー線硬化型導電性ペーストの製造方法>
活性エネルギー線硬化型導電性ペーストの作製方法の一例を説明する。アミン変性多官能オリゴマー(A)と、窒素含有単官能モノマー(B)と、重合開始剤を混練機に投入し、撹拌、混練を行う。次いでフレーク状導電性微粒子を投入し、さらに撹拌ないし混練を行い作製することが好ましい。活性エネルギー線硬化型導電性ペーストの粘度を調整する場合、適宜低粘度モノマーや有機溶剤等を投入することが好ましい。また、フレーク状導電性微粒子は、他の配合成分と事前に分散してから投入することも好ましい。
【0064】
混練機は、例えば、ディスパー、ボールミル、サンドミル、ガンマミル、3本ロールが挙げられ、中でも3本ロールミルの使用が好ましい。
【0065】
得られた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは、基材に印刷することで被膜層を形成し、さらに活性エネルギー線を照射することで導電層を形成する。印刷方法は、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビアオフセット印刷等が挙げられるところ、スクリーン印刷が好ましい。
【0066】
<活性エネルギー線硬化型導電性ペーストからなる導電層>
具体的な導電層の形成は、例えば、円筒状のスクリーン版を用いてロータリースクリーン印刷を行い所望のパターンを作製し、次いで活性エネルギー線を照射し硬化する方法、または、フラットスクリーン印刷で被膜層を形成し、レーザー照射により所望のパターンを形成する方法等が挙げられる。なお後者の場合、活性エネルギー線照射は、被膜層形成後に任意のタイミングで行うことができる。導電層の厚さは、2~20μmが好ましく、5~15μmがより好ましい。
【0067】
本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストは高圧水銀ランプ、メタルハライドランプとコンベアなどの紫外線照射装置を通過する事で硬化する。十分に硬化させるためには120w/cmの空冷メタルハライドランプ1灯下でコンベア速度が3m/min以下(200mJ/cm2以上)の照射量が良く、より高出力のランプを使用する、またはランプの本数を増やす事でコンベア速度を上昇させることができる。
【0068】
<基材>
基材は、例えば、紙基材、プラスチック基材等、これらの複合基材が好ましい。また、基材の厚さは、50~200μm程度であることが好ましい。
紙基材は、例えば、上質紙、合成紙、コート紙、加工紙等が挙げられる。加工紙は、例えば、含浸紙、耐水加工紙、絶縁加工紙、伸縮加工紙等が挙げられる。これらに中でも安定した抵抗値を得るためには、コート紙、加工紙を使用すると導電性がより向上する。なお、コート紙は、平滑度の高さに比例して導電性が向上する。
【0069】
プラスチック基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリスチレン、ビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール、ナイロン、ポリイミド、ポリカーボネートが挙げられる。基材の形状は、シート状、または板状が好ましい。また、導電層との密着性を高めるために表面処理を行われていることが好ましい、表面処理は、乾式処理および湿式処理がある。乾式処理は、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理が挙げられる。湿式処理は、例えば、アンカーコート剤が挙げられる。
【0070】
基材は、表面に蒸着層、コーティング層等の機能層を備えることが好ましい。蒸着層は、例えば、ITO、酸化ケイ素等が挙げられ。コーティング層は、例えば、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸から成る複合物(PEDOT-PSS)等の導電性物質を含む導電層が好ましい。
【0071】
<導電層を有する配線板>
本発明の配線板は、基材と、活性エネルギー線硬化型導電性ペーストから形成された導電層とを備える。導電層は信号配線として機能し、例えば、配線回路、グランド配線、アンテナ配線等の電気信号等として通電できる。配線板は、例えば、プリント基板、フレキシブルプリント基板としての使用が好ましく挙げられる。
【0072】
<配線板を具備してなる電子デバイス>
本発明の電子デバイスは、配線板を備えている。電子デバイスは、太陽電池、タッチパネル、非接触ID等が挙げられる。
【0073】
図1は配線板を使用した基本構成の一例である。例えばポリエステルフィルム等の3基材上に、本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストをスクリーン印刷等で2信号配線のパターニングを行い活性エネルギー線を照射した後に、1絶縁層(保護層)を必要な部分に印刷する。
【0074】
図2はタッチパネルの構成の一例を表す。8ディスプレイ上にX軸とY軸の信号を感知する7a透明導電(ITO)フィルムXおよび7b透明導電(ITO)フィルムYのITOからの得られる信号を周囲に印刷された本発明の活性エネルギー線硬化型導電性ペースト(6a、6b)で集電を行う。なお、8ディスプレイ、7a透明導電(ITO)フィルムX、7b透明導電(ITO)フィルムY、4カバーガラスは透明な粘着シートである5OCAにより貼りあわせる。
【0075】
図3は有機薄膜太陽電池の構成の一例を表す。9透明導電(ITO)フィルムにPEDOT:PSS等の10正孔輸送層、11有機半導体活性層、LiFやn型半導体の12電子輸送層および本発明の銀ペーストからなる13電極により形成されている。
【0076】
図4は光増感太陽電池の構成の一例を表す。上下の14透明導電(ITO)フィルムの間に、19白金層、18電解液、17染料にて染めた酸化チタンを16スペーサーにて封しし本発明の銀ペーストを15集電線として電力を得る。
【0077】
図5は非接触IDの構成の一例を表す。24基材に本発明の銀ペーストによりパターニングされた22導電アンテナに23ICチップを接合し、21粘着剤を用いて20保護フィルムを貼る。
ここでICチップは、データの記憶、蓄積、演算をおこなうものである。非接触IDは、RFID(Radio Frequnecy Identification)、非接触ICカード、非接触ICタグ、データキャリア(記録媒体)、ワイヤレスカードとして、リーダー、あるいはリーダーライターとの間で、電波を使用して個体の識別やデータの送受信を行うものである。その使用用途としては、例えば、料金徴収システム等のID管理と履歴管理、道路利用状況管理システムや貨物、荷物追跡・管理システム等の位置管理がある。
【実施例】
【0078】
次に実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は質量部を表し、%は質量%を表す。
【0079】
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、昭和電工社製ShodexGPC-104/101システムを用いて測定した。
カラムShodexKF-805L、KF-803L、KF-802
検出器示差屈折率計(RI)
カラム温度40℃
溶離液テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
試料濃度:0.2%
検量線用標準試料:TSK標準ポリスチレン
【0080】
<微粒子厚みおよびアスペクト比>
走査型電子顕微鏡にて30個の粒子の平均長径を直接観察して、更に微粒子を市販エポキシ樹脂で固めた試料を作製し、その試料の断面を走査型電子顕微鏡(倍率2000倍)で直接観察し、視野内にある微粒子30個の平均厚さを求め平均アスペクト比を計算した。なお走査型電子顕微鏡は日立ハイテクノロジーズ株式会社社製 TM-1000を用いた。
【0081】
[フレーク状導電性微粒子製造例1]
硝酸銀(試薬特級)340部に対して純水700部を添加し、ついで25%のアンモニア水700部を添加し、銀錯体水溶液を調製した。一方、ヒドロキノン(試薬特級)111部と、無水亜硫酸カリウム(試薬特級)と純水1260部とを配合して還元水溶液を調合した。ビーカーに還元水溶液を入れ、激しく撹拌しながら上記銀錯体水溶液を添加した。このとき反応中は混合液の温度を25℃に一定に保った。添加終了後十分撹拌して還元析出を完了させた後に、析出した銀粉を濾過・分離し、水洗後、乾燥し、還元銀粉を得た。還元銀粉98部に、オレイン酸2部を配合し、直径が2mmのジルコニアボールと共にボールミルで30分間回転させ、扁平化処理し銀粉Aを得た。銀粉Aは、厚さが1.2μm、アスペクト比が10であった。
【0082】
〔アミン変性多官能オリゴマー合成例1〕
還流冷却装置を備えた2リットルのフラスコにトリメチロールプロパンPO(ポリオレフィン)変性トリアクリレート(アロニックスM321:TMPPOAc、東亜合成社製)893部とエタノールアミン(モノエタノールアミン:MEA、日本触媒社製)61部を投入し常圧下で50℃、3時間撹拌を続けて反応させることによりアミン変性多官能オリゴマー1を得た。
なお、アミン変性多官能オリゴマー1はポリエステルアクリレートであり、3級アミノ基を有し、重量平均分子量1000、官能基数4である。
〔アミン変性多官能オリゴマー合成例2〕
還流冷却装置を備えたフラスコにトリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成社製アロニックスM309:TMPAc)592部とエタノールアミン61部を投入し常圧下で50℃、3時間撹拌を続けて反応させることによりアミン変性多官能オリゴマー2を得た。
なお、アミン変性多官能オリゴマー2はポリエステルアクリレートであり、3級アミノ基を有し、重量平均分子量700、官能基数4である。
【0083】
〔実施例1〕
アミン変性多官能オリゴマー1を45部、窒素含有単官能モノマー(B)に対応する4-アクリロイルモルホリン(ACMO、JKケミカルズ社製)105部、重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製)10.5部、アルミニウムキレート化合物(アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート 製品名:ALCH 川研ファインケミカル社製)5部、重合禁止剤として重合禁止剤N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩(Q-1301、和光純薬社製)0.5部をディソルバーで混合し完全に溶解させるまで撹拌した。その後、銀粉Aを834部加え、ディソルバーで15分撹拌したあと3本ロールミルで充分混練し、活性エネルギー線硬化型導電性ペースト1を得た。
【0084】
〔実施例2~12〕
表1に記載の原料および化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型導電性ペースト2~12をそれぞれ得た。なお表中の略称は以下を表す。
・アロニックスM-140:N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(東亜合成社製)
・NKエステルA-DCP:トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジアクリレート(新中村化学社製)
・DTMPTAc:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成社製)
・アロニックスM-101:フェノールEO変性アクリレート(東亜合成社製)
・銀粉B(市販フレーク状銀微粒子、平均粒子径3μm、厚さ3μm、アスペクト比5)
・銀粉C(ナノメルトAG-XF301S、福田金属箔粉工業社製、平均粒子径6μm、厚さ0.1μm、アスペクト比60)
【0085】
〔比較例1~5〕
表1に記載の原料および化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型導電性ペースト12~16をそれぞれ得た。なお表中の略称は以下を表す。
【0086】
上記で得られた実施例1~12および比較例1~5で得られた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストについて以下の特性測定を行い、物性を評価した。
【0087】
(1)流動性評価
得られた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを、E型粘度計TV250H(東機産業株式会社製)、ローターNo.3を用いて25℃環境下で、ローター回転数が2回転、5回転および20回転時の粘度をそれぞれ測定した。流動性を評価した。また粘度およびチキソトロピーインデックス値(TI値)の値を以下定義する。なお、粘度は、回転開始から2分後の数値を用いた。
・粘度: 5回転で測定した粘度
・TI値=(2回転の粘度)/(20回転の粘度)
【0088】
<評価基準(粘度)>
A:粘度が3Pa・s以上30Pa・s未満(良好)
B:粘度が30Pa・s以上80Pa・s未満(使用可)
C:粘度が80Pa・s以上150Pa・s未満(やや不良)
D:粘度が150Pa・s以上250Pa・s未満(不良)
なお、実用レベルの評価はAまたはBである。
【0089】
<評価基準(TI値)>
A:TI値=1以上2未満(良好)
B:TI値=2以上3未満(使用可)
C:TI値=3以上4未満(やや不良)
D:TI値=4以上(不良)
なお、実用レベルの評価はAまたはBである。
【0090】
(2)体積抵抗率の測定
導電層の体積抵抗率を測定し、導電性を評価した。
ポリエステルフィルム(東レ製「S10S」、厚さ100μm)上に導電性インキを50×100mmのパターンのステンレススクリーン版(スクリーンメッシュ400線/インチ、線形23μm)を用いて印刷し、120w/cm空冷メタルハライドランプ1灯下(セリテック製UV照射装置EUV752C)、コンベアスピード3m/分、積算照度200mJ/cm2でUV照射し、4探深抵抗測定器(三菱ケミカルアナリテック製ロレスタGP)を用いて測定し、表面抵抗を求め、更に膜厚計(ニコン社製デジマイクロ)により膜厚を求め体積抵抗率を算出した。
表中「-」は硬化していないため評価不可能であることを表す。
<評価基準>
A:体積抵抗率100μΩcm未満
B:体積抵抗率100μΩcm以上500μΩcm未満
C:体積抵抗率500μΩ以上1000μΩcm未満
D:体積抵抗率1000μΩ以上
なお、実用レベルの評価はAまたはBである。
【0091】
(3)印刷適性評価
得られた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストをセミオート型スクリーン印刷機SSA-PC660IP(セリアコーポレーション)にステンレススクリーン版(400メッシュ400線/インチ、線形23μm)を装着し、ポリエステルフィルム(東レ製PETフィルム「ルミラーT60」、厚さ100μm)上に枚葉印刷して50×100mmのパターンの被膜層を形成した。合計100枚印刷し、100枚目の印刷物を120w/cm空冷メタルハライドランプ1灯下コンベアスピード3m/分、積算照度200mJ/cm2で紫外線照射し硬化させ印刷状態を目視で評価した。
<評価基準>
A:掠れが無く平滑性が良好
B:掠れが無く平滑性がやや悪い
C:掠れが有り平滑性がやや悪い
D:掠れが多く平滑性が悪い
なお、実用レベルの評価はAまたはBである。
【0092】
(4)硬化性評価
得られた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストをポリエステルフィルム(「S10S」、厚さ100μm、東レ社製)上に、ステンレススクリーン版(スクリーンメッシュ400線/インチ、線形23μm)を用いて印刷し、50×100mmのパターンの被膜層を形成した。次いで120w/cm空冷メタルハライドランプ1灯を使用して、コンベアスピード3m/分の条件で紫外線を積算照度200mJ/cm2を照射し、硬化した導電層の硬化性を下記基準で評価した。
<評価基準>
A:指触で指紋が全くつかない(良好)
B:指触で指紋が微かにつく(やや不良)
C:指触で指紋がつく(不良)
なお、実用レベルの評価はAである。
【0093】
(5)密着性評価
ITO蒸着フィルムの蒸着面に対する密着性を評価した。
140℃で60分間アニール処理を行ったITO蒸着フィルム(尾池工業社製テトライト TCF KH150NM3-50-MR1/PT125)上に活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを50×100mmのパターンのステンレススクリーン版(スクリーンメッシュ400線/インチ、線形23μm)を用いて印刷し、次いで120w/cm空冷メタルハライドランプ1灯を使用して、コンベアスピード3m/分の条件で紫外線を積算照度200mJ/cm2照射し、硬化した導電層について、カッターナイフで導電層を切断し基材を切断しない程度に幅1mm間隔で11本、それと直角に11本の切れ目をいれて縦10マス×横10マスの計100マス目を形成した。次いでその上からニチバン社製セロハンテープ(25mm幅)をマス目上に貼り付けた後、当該セロハンテープを手で急速に剥離した。残ったマス目の状態を下記基準で評価した。
<評価基準>
A:剥離していない面積が85%以上(良好)
B:剥離していない面積が70%以上85%未満(使用可)
C:剥離していない面積が30%以上70%未満(やや不良)
D:剥離していない面積が30%未満(不良)
-:硬化していないため評価不可能
なお、実用レベルの評価はAまたはBである。
【0094】
表1に示すように、多官能および単官能の窒素含有光重合性化合物を含有している実施例1~12に関してはTI値が3.0以下であり、流動性に優れており、印刷適性も良好であり、活性エネルギー線硬化性が良好であり、体積抵抗値も10μΩcmオーダーの低抵抗値な値となった。更に実施例1~12においてはITO蒸着フィルムへの密着性が全てのペーストで良好であった。
【0095】
比較例1では硬化性は良いが、ITO蒸着フィルム密着性において不良であった。比較例2および比較例4においては、ITO蒸着フィルム密着性不良に加え、体積抵抗率が高く、印刷物に抜け掠れがあり印刷適性も不良であった。
【0096】
銀粉Cを用いた比較例3に関しては紫外線を照射しても硬化しなかった。
【0097】
比較例5においてはITO蒸着フィルム密着において良好であったが体積抵抗率が高く導通せずに不良であった。
【0098】
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明により、活性エネルギー線硬化型導電性ペーストに関して従来密着性を付与する事が困難であったITO蒸着フィルムをはじめとする透明導電性フィルムに対して優れた密着性を付与する事ができ更に低抵抗かつ良好な印刷適性を有する事から、様々な回路形成を可能とするとともに硬化に加熱を必要としない点から低熱性に乏しい基材に対しても回路形成が可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1:絶縁層(保護層)
2:信号配線(銀ペースト)
3:基材
4:カバーガラス
5:OC
6a:銀配線X(銀ペースト)
6b:銀配線Y(銀ペースト)
7a:透明導電(ITO)フィルムX
7b:透明導電(ITO)フィルムY
8:ディスプレイ
9:透明導電(ITO)フィルム
10:正孔輸送層
11:有機半導体活性層
12:電子輸送層
13:電極(銀ペースト)
14:透明導電(ITO)フィルム
15:集電線(銀ペースト)
16:スペーサー
17:酸化チタン+染料
18:電解液
19:白金層
20:保護フィルム
21:粘着剤
22:導電アンテナ(銀ペースト)
23:ICチップ
24:基材