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特許7010286グアニジノ基で置換された縮合[1,2]イミダゾ[4,5-c]環状化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】グアニジノ基で置換された縮合[1,2]イミダゾ[4,5-c]環状化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/14 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
C07D498/14 CSP
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019511467
(86)(22)【出願日】2017-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017044799
(87)【国際公開番号】W WO2018038877
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】62/379,776
(32)【優先日】2016-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(72)【発明者】
【氏名】グリースグラバー,ジョージ ダブリュ.
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-526754(JP,A)
【文献】特表2008-529974(JP,A)
【文献】特表2008-530112(JP,A)
【文献】国際公開第2008/008432(WO,A2)
【文献】特表2009-526855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VI:
【化1】
[式中、
1Bは、-X-N(R4B)-C(=N-R5B)-N(H)R6Bであり、
は、-CH -、-CH CH -、-CH CH CH -、-CH CH CH CH -、-CH CH CH CH CH -、-CH CH CH CH CH CH -、-CH CH CH CH CH CH CH -、-CH CH CH CH CH CH CH CH -、-CH -O-CH CH -、-CH CH -O-CH CH からなる群から選択され
4Bは、水素又はC 1~4 アルキルから選択され
5B及びR6Bは、水素又はC 1~4 アルキルから独立して選択され
の化合物、又は製薬上許容されるその塩。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの薬剤化合物は、免疫システムの特定の重要な側面を刺激することによって、及び特定の他の側面を抑制することによって、作用する(例えば、米国特許第6,039,969号及び同第6,200,592号)。これらの化合物は、時として、免疫応答調節剤(IRM)と呼ばれる。IRM化合物には、ウイルス性疾患、腫瘍形成、及びT2-媒介性疾患に有用なものがあり、ワクチンアジュバントに有用なものもある。
【0002】
IRM化合物は、次の二環系及び三環系に基づいて報告されてきた:1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第4,689,338号);1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(例えば、米国特許第5,446,153号);1H-イミダゾ[4,5-c][1,5]ナフチリジン-4-アミン(例えば、米国特許第6,194,425号);チアゾロ[4,5-c]キノロン-4-アミン及びオキサゾロ[4,5-c]キノロン-4-アミン(例えば、米国特許第6,110,929号);6,7,8,9-1H-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第5,352,784号);2H-ピラゾロ[3,4-c]キノロン-4-アミン(例えば、米国特許第7,544,697号);並びにN-1及び2置換1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第6,331,539号、同第6,451,810号、同第6,664,264号、同第8,691,837号、同第8,088,790号、同第8,673,932号、同第8,697,873号、同第7,915,281号)。
【発明の概要】
【0003】
動物におけるサイトカイン生合成の誘導に有用となり得る新規化合物が開示される。このような化合物は、次式I、VII、及びIX:
【化1】
【化2】
【化3】
[式中、R、R及びRは、下記定義の通りである]のものである。式I、VII、及びIXの化合物の共通の構造的特徴は、Rの構成成分としてグアニジン基又は置換グアニジン置換基を含むことである。
【0004】
更に、かかる化合物の更に具体的な例としては、下記に定義される式II~Vの化合物、並びにその塩、特に製薬上許容される塩が挙げられる。
【0005】
式I~Xの化合物及び塩、例えば、製薬上許容される塩は、動物に投与された場合に、サイトカイン生合成を誘導し(例えば少なくとも1種類のサイトカインの合成を誘導する)、また他の機構によって免疫応答を調節する能力があることから、免疫応答調節剤として有用となり得る。したがって、上記化合物は、こうした免疫応答の変化に応答するウイルス性疾患及び腫瘍などの様々な状態の治療に有用となり得る。
【0006】
一つ以上の式I~Xの化合物及びその塩、特に製薬上許容される塩の有効量を含有する医薬組成物が開示される。一つ以上の式I~Xの化合物及び/又は製薬上許容されるその塩を動物に投与することによって、動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法、動物のウイルス性疾患を治療する方法、及び動物の腫瘍性疾患を治療する方法も開示される。
【0007】
式I~Xの化合物の合成方法が提供される。
【0008】
上記の本開示の概要は、開示される各々の実施形態、又は本開示の全ての実装形態を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。以下の説明の全体を通し、いくつか箇所において、様々に組み合わせて使用することのできる複数の実施例を列挙することで指針を提供する。いずれの場合でも、記載した列挙は、代表的な群としての役割を果たすのみであり、全てを網羅する列挙として解釈してはならない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「a(一つの)」、「an」、「the」、「少なくとも一つ」、及び「一つ以上」は、互換的に使用され、単数のみが明確に要求されている場合又は状況から明白に必要とされる場合を除き、単数及び複数の両方を包含することを意図する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で特定の利益を提供し得る、本開示の実施形態を指す。しかし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況において好ましい場合がある。更にまた、一つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から排除することを意図するものでもない。
【0011】
「Ph」は、フェニル基の略称として使用される。
【0012】
本明細書で使用するとき、「製薬上許容される担体」は、治療有効量の本開示の化合物又は塩の一つ以上を、選択した投与経路によって対象に送達でき、対象によって概ね耐容され、かつ許容可能な毒性プロファイル(好ましくは、投与用量で微毒~無毒)を有する担体である。いくつかの好適な製薬上許容される担体は、Remington’s Pharmaceutical Science,18th Edition(1990),Mack Publishing Co.に記載されており、当業者は容易に選択できる。
【0013】
「治療有効量」及び「有効量」は、サイトカイン誘導、免疫調節、抗腫瘍活性、及び/又は抗ウイルス活性などの治療的又は予防的効果を誘導するのに十分な化合物又は塩の量と定義される。
【0014】
「独立して」は、一つ以上の可変参照要素の識別情報を記載するために使用されるとき(例えば、「独立して選択される」又は「群から独立して選択される」の句に使用されるとき)、当該可変要素のいずれも、それぞれの出現時に、当該参照要素の他の出現時の識別情報に関係なく、指定された制限の範囲内で、同一又は異なる識別情報を有してもよいことを意味する。それ故、参照要素「A」が2つ出現し、参照要素「A」は、識別情報「B」又は識別情報「C」から独立して選択できる場合、「A」の2つの出現はそれぞれ、「B」又は「C」のいずれかの任意の組み合わせ(例えば、「B,B」、「B,C」、「C,B」、又は「C,C」)であることができる。あるいは、一緒に出現し得る2つの異なる参照要素(参照要素「D」及び参照要素「E」)が存在し、参照要素「D」及び参照要素「E」は、それぞれ識別情報「F」又は識別情報「G」から独立して選択できる場合、「D」の各出現は「F」又は「G」であることができ、同様に「E」の各出現は「F」又は「G」であることができ、「D」と「E」との任意の組み合わせを生じる(例えば、「D」=「F」と「E」=「F」、「D」=「F」と「E」=「G]、「D」=「G」と「E」=「F」、又は「D」=「G」と「E」=「G」)。
【0015】
用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、及び接頭辞「アルキ(ケ)」は、直鎖基、分枝鎖基、環状基、及びこれらの組み合わせ、例えば、シクロアルキル及びシクロアルケニルを含む。アルキル基は、飽和脂肪族炭化水素である。アルケニル基は、一つ以上の炭素-炭素二重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素である。アルキニル基は、一つ以上の炭素-炭素三重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素である。特に断らない限り、これらの基は1~14個の炭素原子を含有し、アルケニル基は2~14個の炭素原子を含有し、アルキニル基は2~14個の原子を含有する。いくつかの実施形態では、これらの基は、合計で最大14個の炭素原子、最大12個の炭素原子、最大10個の炭素原子、最大8個の炭素原子、最大6個の炭素原子、最大5個の炭素原子、最大4個の炭素原子、最大3個の炭素原子、又は最大2個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、これらの基は、少なくとも1個の炭素原子、少なくとも2個の炭素原子、少なくとも3個の炭素原子、又は少なくとも4個の炭素原子を有する。環状基は、単環式であっても多環式であってもよく、好ましくは3~10個の環炭素原子を有する。例示的な環状基としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、アダマンチル、並びに置換及び非置換のボルニル、ノルボルニル、及びノルボルネニルなどが挙げられる。
【0016】
用語「ハロアルキル」は、全フッ素化基を含む、一つ以上のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を含む。これは、接頭辞「ハロ」を有する他の基についても当てはまる。好適なハロアルキル基の例は、クロロメチル、トリフルオロメチル、及びペンタフルオロエチルなどである。
【0017】
特に断らない限り、「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」は、上記定義の「アルキル」、「アルケニル」、及び「アルキニル」の二価基(diradical)等価物である。用語「アルキレニル」、「アルケニレニル」、及び「アルキニレニル」は、それぞれ、「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」が置換されている場合に用いられる。例えば、アルコキシアルキレニル基は、アルコキシ基が結合したアルキレン部分(例えば、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHOCHCHなど)を含む。更なる例として、ヒドロキシアルキレニル基は、ヒドロキシ基が結合したアルキレン部分(例えば、-CHOH、-CHCHOHなど)を含む。更に別の例として、アリールアルキレニル基は、アリール基が結合したアルキレン部分[例えば、-CHPh、-CHCHPhなど]を含む。
【0018】
一つ以上の-O-基により任意に「介在されていてもよい」炭素原子を有するアルキレン基とは、-O-の両側に炭素原子を有することを指す。例としては、-CHCH-O-CHCH-、-CH-CH-O-CH-CH-O-CHCH-、-(CH2~4-(OCHCH-)1~5、-(CH2~6-(OCHCH-)1~4などが挙げられる。
【0019】
アルキルアミノ基のいくつかの例としては、-NHCH、-NHCHCH、-NHCH(CHなどが挙げられる。ジアルキルアミノ基の2個のアルキル基は同じアルキル基でも異なるアルキル基でもあり得ることは理解される。ジアルキルアミノ基のいくつかの例としては、-N(CH、-N(CHCH、-N(CH)(CHCH)、-N(CH)(CHCHCH)などが挙げられる。
【0020】
アルキルアミノアルキレニル基のいくつかの例としては、-CHNHCH、-CHNHCHCH、-CHCHNHCHなどが挙げられる。
【0021】
ベンジルオキシアルキレニル基のいくつかの例としては、-CHOCHPh、-CHCHOCHPh、-CHCHCHOCHPhなどが挙げられる。
【0022】
-C(O)Oアルキルのいくつかの例としては、-C(O)OCH、-C(O)OCHCH、-C(O)OCHCHCH、-C(O)OC(CHなどが挙げられる。
【0023】
用語「アリール」は、本明細書で使用するとき、炭素環式芳香族環、又は環系を含む。アリール基の例としては、フェニル(本明細書で略称「Ph」で表される)、ナフチル、及びビフェニルが挙げられる。
【0024】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えばO、S、N)を含む芳香族環又は環系を含む。いくつかの実施形態では、用語「ヘテロアリール」は、2~12個の炭素原子、1~3個の環、1~4個のヘテロ原子を、ヘテロ原子としてのO、S、及びNと共に有する環又は環系を含む。例示的なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソキサゾリル(ixoxazolyl)、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル、ピラジニル、1-オキシドピリジル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルなどが挙げられる。好ましいヘテロアリール基としては、チエニル、ピリジル、キノリニル、インドリル及びイミダゾリルが挙げられる。
【0025】
用語「アリーレン」、「-アリーレン-」、「ヘテロアリーレン」、及び「-ヘテロアリーレン-」は、上記定義の「アリール」基及び「ヘテロアリール」基の二価基等価物である。用語「アリーレニル」及び「ヘテロアリーレニル」は、「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」が置換されている場合に用いられる。例えば、アルキルアリーレニル基は、アルキル基が結合したアリーレン部分(例えば、-Ph-CH)を含む。
【0026】
用語「化合物」は、描写又は命名された特異な構造式だけでなく、その構造異性体、立体異性体、例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、及びメソ異性体、並びに上記のいずれか一つ以上の組み合わせを含むが、特定の異性体、又はエナンチオマーなどが明確に要求されている場合を除く。互変異性体として存在する構造に関して、用語「化合物」は、一つしか描写されていない場合でも、一つの互変異性体のみが明示的に記載されない限り、全ての互変異性体を含むことを意図する。
【0027】
化合物の「塩」としては、製薬上許容される塩、例えば、Berge,Stephen M.「Pharmaceutical Salts」Journal of Pharmaceutical Sciences,1977,66,pages 1~19に記載されている塩などが挙げられる。例えば、塩は、遊離塩基化合物(すなわち、塩形態でない化合物)を、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、パモ酸、キシナホ酸、及びシュウ酸などと反応させることによって調製できる。典型的な製薬上許容される塩としては、塩酸塩及び二塩酸塩が挙げられる。
【0028】
本開示は、次式I:
【化4】
[式中、R、R、及びRは、下記定義の通りである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0029】
式Iの化合物の例は、次式II~V:
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
[式中、R、R、及びnは、下記定義の通りである]、及びその塩、特に製薬上許容される塩によって、より具体的に画定される。
【0030】
式Iの化合物及びその塩、例えば、製薬上許容される塩に関して、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、縮合シクロヘキセン環、又は縮合テトラヒドロピリジン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、縮合シクロヘキセン環、又は縮合テトラヒドロピリジン環は、非置換であるか、一つ以上のR基で置換されているかのいずれかである。
【0031】
式I~Vの化合物及び塩、例えば、製薬上許容される塩に関して、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、-C(O)Oアルキル、-C(O)OCHPh、-C(O)Oアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、アリールアルキレンオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリールアルキレンオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、ニトリル、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基によって置換されていることができ、
nは、0~2の整数であり、
は、-X-N(R)-C(=N-R)-N(H)Rであり、
Xは、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレンからなる群から選択され、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレン基のいずれも、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
は、水素、アルキル、アリールアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びシクロアルキルアルキレニルからなる群から選択され、アルキル基、アリールアルキレニル基、アルコキシアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ベンジルオキシアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びシクロアルキルアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができ、
及びRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0032】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環を形成する。
【0033】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環又は縮合シクロヘキセン環を形成する。
【0034】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環又は縮合ピリジン環を形成する。
【0035】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環を形成する。
【0036】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環は、非置換であるか、一つだけのR基によって置換されているかのいずれかである。
【0037】
式Iのいくつかの実施形態では、R及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環又は縮合ピリジン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環又は縮合ピリジン環は、非置換であるか、一つだけのR基によって置換されているかのいずれかである。
【0038】
式II~Vのいくつかの実施形態では、nは0又は1である。
【0039】
式II~Vのいくつかの実施形態では、nは0である。
【0040】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシ、F、Cl、Br、-CF、-O-C1~6アルキル、及び-C1~6アルキルからなる群から選択される。
【0041】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシ、F、Cl、Br、-CF、-OCH、-OCF、-OCHCH、-OCH(CH、-CH、-CHCH、-CHCHCH、及び-CH(CHからなる群から選択される。
【0042】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、-C(O)OC1~4アルキルである。
【0043】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、-COCH、-COCHCH、-COCH(CH、-COCHCHCH、-COCHCHCHCH、-CO-CHPh、及び-COCHCH(CHからなる群から選択される。
【0044】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、-C(O)Oアルキル、-C(O)OCHPh、-C(O)Oアリール、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択される。
【0045】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、アリールアルキレンオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリールアルキレンオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、ニトリル、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基によって置換されていることができる。
【0046】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択される。
【0047】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、水素、C1~8アルキル、又は-CHPhである。
【0048】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、水素又はC1~4アルキルである。
【0049】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0050】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH3、-CHCHCH(CH、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH(シクロペンチル)、-CH(シクロヘキシル)、及び-CHCH-O-CHからなる群から選択される。
【0051】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、及び-(CH2~6-O-(CH1~6Phからなる群から選択され、ここで、Phは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0052】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよいアルキレンである。
【0053】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよいC2~12アルキレンである。
【0054】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、C2~8アルキレンである。
【0055】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、C2~6アルキレンである。
【0056】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、C2~5アルキレンである。
【0057】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよいC2~8アルキレンである。
【0058】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CH-O-CHCH-、-CHCH-O-CHCHからなる群から選択される。
【0059】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、水素、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される。
【0060】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキレニル、アリール、及びアリールアルキレニルからなる群から独立して選択される。
【0061】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びベンジルオキシアルキレニルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、ベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0062】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-(CH5~9CH、-CHCHCH(CH、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH-シクロプロピル、-CH-シクロペンチル、-CH-シクロヘキシル、-CHCH-O-CH、-(CH3~8-O-CH、及び-CHCHCHN(CHからなる群から独立して選択される。
【0063】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、水素、アルキル、-Ph、-CHPh、-CHCHPh、-(CH3~8Ph、-CHCH-O-Ph、-(CH3~8OPh、-CHCH-O-CHPh、-(CH3~8OCHPh、及び-(CH2~8-O-(CH1~4Phからなる群から独立して選択され、ここで、Ph基は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0064】
式I~Vのいくつかの実施形態では、R及びRは、水素及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択される。
【0065】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rはアルキルであり、Rはアルキルである。
【0066】
式I~Vのいくつかの実施形態では、RはC1~8アルキルであり、RはC1~8アルキルである。
【0067】
式I~Vのいくつかの実施形態では、RはC1~4アルキルであり、RはC1~4アルキルである。
【0068】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは-C(O)OC(CHであり、Rは-C(O)OC(CHである。
【0069】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは水素であり、Rは水素である。
【0070】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素である。
【0071】
式II~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、nは0又は1であり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及びハロアルキルからなる群から選択される。
【0072】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンである。
【0073】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R及びRは、水素及びアルキルからなる群から独立して選択される。
【0074】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルである。
【0075】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルである。
【0076】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、Rは水素であり、Rは水素である。
【0077】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、Rは水素であり、Rは水素である。
【0078】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素である。
【0079】
式I~Vのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは水素である。
【0080】
本開示は、次式VI:
【化9】
[式中、R1Bは、下記定義の通りである]の化合物、並びにその塩も提供し、塩は、典型的には製薬上許容される塩である。
【0081】
式VIの化合物及び塩、例えば、製薬上許容される塩に関して、
1Bは、-X-N(R4B)-C(=N-R5B)-N(H)R6Bであり、
は、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレンからなる群から選択され、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基は、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
4Bは、水素、アルキル、アリールアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びシクロアルキルアルキレニルからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリールアルキレニル基、アルコキシアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ベンジルオキシアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びシクロアルキルアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができ、
5B及びR6Bは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0082】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは、水素、C1~8アルキル、又は-CHPhである。
【0083】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは、水素又はC1~4アルキルである。
【0084】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは、水素である。
【0085】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH3、-CHCHCH(CH、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH(シクロペンチル)、-CH(シクロヘキシル)、及び-CHCH-O-CHからなる群から選択される。
【0086】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、及び-(CH2~6-O-(CH1~6Phからなる群から選択され、ここで、Phは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0087】
式VIのいくつかの実施形態では、R5B及びR6Bは、水素、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される。
【0088】
式VIのいくつかの実施形態では、R5B及びR6Bは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキレニル、アリール、及びアリールアルキレニルからなる群から独立して選択される。
【0089】
式VIのいくつかの実施形態では、R5B及びR6Bは、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-(CH5~9CH、-CHCHCH(CH、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH-シクロプロピル、-CH-シクロペンチル、-CH-シクロヘキシル、-(CH3~8-O-CH、-CHCHOCH、及び-CHCHCHN(CHからなる群から独立して選択される。
【0090】
式VIのいくつかの実施形態では、R5B及びR6Bは、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-Ph、-(CH3~8Ph、-(CH3~8-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、-(CH3~8-O-CHPh、及び-(CH2~8-O-(CH1~4Phからなる群から独立して選択され、ここで、Ph基は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる。
【0091】
式VIのいくつかの実施形態では、R5B及びR6Bは、水素及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択される。
【0092】
式VIのいくつかの実施形態では、R5Bはアルキルであり、R6Bはアルキルである。
【0093】
式VIのいくつかの実施形態では、R5BはC1~8アルキルであり、R6BはC1~8アルキルである。
【0094】
式VIのいくつかの実施形態では、R5BはC1~4アルキルであり、R6BはC1~4アルキルである。
【0095】
式VIのいくつかの実施形態では、R5Bは-C(O)OC(CHであり、R6Bは-C(O)OC(CHである。
【0096】
式VIのいくつかの実施形態では、Rは水素であり、Rは水素である。
【0097】
式VIのいくつかの実施形態では、R4Bは水素であり、R5Bは水素であり、R6Bは水素である。
【0098】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンである。
【0099】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているC2~12アルキレンである。
【0100】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているC2~8アルキレンである。
【0101】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、C2~8アルキレンである。
【0102】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、C2~6アルキレンである。
【0103】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、C2~5アルキレンである。
【0104】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CH-O-CHCH-、-CHCH-O-CHCH-からなる群から選択される。
【0105】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンである。
【0106】
式VIのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンである。
【0107】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R5B及びR6Bは、水素及びアルキルからなる群から独立して選択される。
【0108】
式VIのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、R5B及びR6Bは、水素及びアルキルからなる群から独立して選択される。
【0109】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R5Bはアルキルであり、R6Bはアルキルである。
【0110】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R5Bは水素であり、R6Bは水素である。
【0111】
式VIのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、R5Bは水素であり、R6Bは水素である。
【0112】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R4Bは水素であり、R5Bは水素であり、R6Bは水素である。
【0113】
式VIのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンであり、R4Bは水素であり、R5Bは水素であり、R6Bは水素である。
【0114】
式VIのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0115】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つからなる群から選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0116】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物においてIFN-α生合成を誘導する方法を提供する。
【0117】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物においてIFN-γ生合成を誘導する方法を提供する。
【0118】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物においてTNF-α生合成を誘導する方法を提供する。
【0119】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物においてIP-10生合成を誘導する方法を提供する。
【0120】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物のウイルス性疾患を治療する方法を提供する。
【0121】
本開示は、式I~VIの上記実施形態のいずれか一つから選択される化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物の腫瘍性疾患を治療する方法を提供する。
【0122】
式II~VIの化合物及び製薬上許容される塩は、本開示の好ましい実施形態である。
【0123】
本開示は、次式VII:
【化10】
[式中、R、R、及びRは、上記式Iの実施形態のいずれか一つにおける定義の通りである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩も提供する。
【0124】
本開示は、次式VIII:
【化11】
[式中、R1Bは、上記式VIの実施形態のいずれか一つにおける定義の通りである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩も提供する。
【0125】
本開示は、次式IX:
【化12】
[式中、R、R、及びRは、上記式Iの実施形態のいずれか一つにおける定義の通りである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩も提供する。
【0126】
本開示は、次式X:
【化13】
[式中、R1Bは、上記式VIの実施形態のいずれか一つにおける定義の通りである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩も提供する。
【0127】
本開示の化合物は、特に本明細書に含まれる説明を考慮することで、化学技術分野において周知のプロセスに類似したプロセスを含む合成経路によって合成することができる。出発物質は、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,Mo)のような商業的供給源から一般的に入手可能であり、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1~26,Wiley,New York;Alan R.Katritsky,Otto Meth-Cohn,Charles W.Rees,Comprehensive Organic Functional Group Transformations,v 1~6,Pergamon Press,Oxford,England,(1995);Barry M.Trost and Ian Fleming,Comprehensive Organic Synthesis,v.1~8,Pergamon Press,Oxford,England,(1991);又はBeilsteins Handbuch der Organischen Chemie,4,Aufl.Ed.Springer-Verlag,Berlin,Germany(補遺を含む)(Beilsteinオンラインデータベースからも入手可能)に概ね記載されている方法を使用して調製される)。
【0128】
具体的には、本開示の化合物は、グアニジン含有化合物を調製するための数種類の標準的方法のいずれか一つを使用して調製できる。アミノ基をグアニジンに変換する数種類の標準的方法が、当業者に知られている(Katritzky,ARKIVOC,2005,iv,pages 49~87;Zhang,Chem Commun,2015,51,pages 254~265;Bernatowicz,Journal of Organic Chemistry,1992,57,pages 2497~2502参照)。例えば、アミン化合物(例えば、式XI、XII及びXIIIのもの)を、ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩(CAS番号4023-02-3)、又はベンゾトリアゾール-1-カルボキサミジニウムトシレート(CAS番号163853-10-9)、又はトリアゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩(CAS番号19503-26-5)と反応させて、本開示の化合物を提供できる。更なる例として、アミン化合物(例えば、式XI、XII及びXIIIのもの)を、N,N’-ビス-BOC-ピラゾール-1-カルボキサミジン(CAS番号152120-54-2)と反応させて、ジ-Boc保護グアニジンを生成できる。続いて、BOC保護基を、酸処理などの標準的手法を用いて除去して、本開示の化合物を得ることができる(Bernatowicz,Tetrahedron Letters,1993,34,pages 3389~3392参照)。
【0129】
アミン化合物(例えば、式XI、XII及びXIIIのもの)を、活性化したチオ尿素と反応させて、本開示の化合物を得ることができる(Maryanoff,Journal of Organic Chemistry,1986,51,pages 1882~1884参照)。別の例として、アミン化合物(例えば、式XI、XII、及びXIIIのもの)を、置換カルボジイミド化合物と反応させて、本開示の化合物(例えば、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド[CAS番号693-13-0]、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド[CAS番号538-75-0]、N-エチル-N’(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド[CAS番号25952-53-8]、1,3-ジ-パラ-トリルカルボジイミド[CAS番号726-42-1]、1,3-ジ-オルト-トリルカルボジイミドなど)を得ることができる。更に別の例として、アミン化合物(例えば、式XI、XII、及びXIIIのもの)を、置換ピラゾール-1-カルボキサミジン化合物(例えば、N-プロピルピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩、N-ペンチルピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩、N-ベンジル-1-カルボキサミジン塩酸塩、N-シクロプロピルメチル-1-カルボキサミジン塩酸塩など)と反応させて、本開示の化合物を得ることができる[Lee,Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,2000,10,pages 2771~2774;Lee,Synthesis,1999,pages 1495~1499;及び国際公開第2005/051380号(Scobie)のExamples 62~65参照]。
【0130】
本開示のグアニジン化合物に変換できる中間アミン化合物を、式XI~XIII[式中、R、R、及びXは、上記実施形態のいずれかにおける定義の通りである]に示す。
【化14】
【化15】
【0131】
式XI~XIIIの中間アミンの調製に有用な合成方法は、米国特許第8,034,938号に過去に記載されている(Griesgraber、反応スキームI~XI;実施例1のパートA~I;実施例2のパートA~J;実施例19;及び実施例67~71参照)。
【0132】
不斉合成法を使用して、本開示の化合物を単一鏡像異性体として好ましく調製できる。あるいは、本開示の化合物の任意の化合物(又は、本開示の任意の化合物の合成前駆体)のラセミ混合物を分割して、対応する単一鏡像異性体を提供することができる。例えば、キラルクロマトグラフィー(キラルHPLCなど)を用いて、ラセミ混合物を単一の鏡像異性体に分けることができる。好適なクロマトグラフィーカラムは、例えば、Chiral Technologies,Inc.(West Chester,PA)から市販されている。
【0133】
式I~VIII及びXI~XIIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>60%ee、>70%ee、>80%ee、>90%ee、>92%ee、>95%ee、>96%ee、>97%ee、>98%ee、>99%ee、>99.5%ee、>99.8%ee、又は>99.9%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製できる。
【0134】
好ましくは、式I~VIII及びXI~XIIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>90%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0135】
より好ましくは、式I~VIII及びXI~XIIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>95%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0136】
更により好ましくは、式I~VIII及びXI~XIIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>98%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0137】
好ましくは、式Iの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>90%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0138】
より好ましくは、式Iの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>95%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0139】
更により好ましくは、式Iの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>98%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0140】
好ましくは、式IIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>90%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0141】
より好ましくは、式IIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>95%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0142】
更により好ましくは、式IIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>98%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0143】
好ましくは、式VIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>90%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0144】
より好ましくは、式VIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>95%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0145】
更により好ましくは、式VIの化合物又は塩の単一鏡像異性体は、>98%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)で調製される。
【0146】
本開示の化合物の調製において、中間体化合物の特定の官能基を保護しながら、他の官能基を反応させることが必要となり得ることは、当業者に理解される。このような保護の必要性は、特定の官能基の性質及び特定の反応工程の条件に応じて異なる。官能基の保護及び脱保護のための反応のレビューは、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,New York,USA,1991に見ることができる。
【0147】
分離及び精製の従来方法及び技法を用いて、本開示の配合物に使用するIRM化合物を単離できる。このような技術としては、例えば、あらゆる方式のクロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、シリカゲルなどの一般的な吸着剤を使用したカラムクロマトグラフィー、及び薄層クロマトグラフィー)、再結晶化、及び分別(すなわち、液-液)抽出法を挙げることができる。
【0148】
ある基(又は置換基若しくは変量)が本明細書に記載のいずれかの式中に複数存在する場合、各基(又は置換基若しくは変量)は、明示的に記述されているか否かかかわらず、独立して選択される。
【0149】
本開示の化合物又は塩は、異なる互変異性体形態で存在してもよく、このような形態は全て、本開示の範囲に明白に含まれることは理解される。具体的には、式I~Xの化合物に関して、全ての互変異性体が明白に含まれる(明示的に描写されているか否かにかかわらず)ことは理解される。
【0150】
本開示の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で開裂できる官能基を化合物に結合することによっても調製できる。典型的には、開裂可能な官能基は、様々な機構(化学(例えば、加水分解)又は酵素変換など)によってin vivoで開裂し、本開示の化合物を与えることになる。プロドラッグの使用の考察は、T.Higuchi and W.Stella.「Prodrugs as Novel Delivery Systems」vol.14 of the ACS Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に示されている。
【0151】
本明細書に記載の式Iの化合物のいずれの場合も、式Iの実施形態のいずれかにおける変量R、R、R、R、R、R、R、Xのそれぞれは、当業者に理解されるように、式Iの実施形態のいずれかにおける他の変量の任意の一つ以上と組み合わせることができる。得られる変量の組み合わせのそれぞれも、本開示の実施形態である。
【0152】
本明細書に記載の式II~Vの化合物のいずれの場合も、式II~Vの実施形態のいずれかにおける変量R、R、R、R、R、n、Xのそれぞれは、当業者に理解されるように、式II~Vの実施形態のいずれかにおける他の変量の任意の一つ以上と組み合わせることができる。得られる変量の組み合わせのそれぞれも、本開示の実施形態である。
【0153】
本明細書に記載の式VIの化合物のいずれの場合も、式VIの実施形態のいずれかにおける変量R1B、R4B、R5B、R6B、Xのそれぞれは、当業者に理解されるように、式VIの実施形態のいずれかにおける他の変量の任意の一つ以上と組み合わせることができる。得られる変量の組み合わせのそれぞれも、本開示の実施形態である。
【0154】
医薬組成物及び生物活性
本開示の医薬組成物も想到される。本開示の医薬組成物は、治療有効量の本開示(本明細書に記載)の化合物又は塩を、製薬上許容される担体と組み合わせて含有する。
【0155】
本開示の医薬組成物に使用される化合物又は塩の正確な量は、化合物又は塩の物理化学的性質、担体の性質、及び意図される投与計画などの当業者に既知の要因によって変動するであろう。
【0156】
本開示の医薬組成物に使用される化合物又は塩の正確な量は、化合物又は塩の物理化学的性質、担体の性質、及び意図される投与計画などの当業者に既知の要因によって変動するであろう。
【0157】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約100ナノグラム毎キログラム(ng/kg)~約50ミリグラム毎キログラム(mg/kg)、好ましくは約10マイクログラム毎キログラム(μg/kg)~約5mg/kgの用量の化合物又は塩を対象に与えるのに十分な活性成分又はプロドラッグを含有するであろう。
【0158】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、例えば、Dubois法に従って計算して約0.01mg/m~約5.0mg/mの用量を与えるのに十分な活性成分又はプロドラッグを含有し(この方法では、対象の体表面積(m)を対象の体重を用いて計算する:m=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184)、ただしいくつかの実施形態では、本方法は、上記範囲に入らない用量の化合物若しくは塩又は組成物を投与することによって実施されてもよい。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物を投与することを含む。
【0159】
医薬組成物は、本開示の化合物又は塩のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を含んでもよい。本開示の化合物又は塩の非ラセミ混合物を含む組成物の場合、非ラセミ混合物は、好ましくは>60%ee、>70%ee、>80%ee、>90%ee、>92%ee、>95%ee、>96%ee、>97%ee、>98%ee、>99%ee、>99.5%ee、>99.8%ee、又は>99.9%eeの鏡像異性体過剰率(%ee)を有することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物又は塩を、>60%ee、>70%ee、>80%ee、>90%ee、>95%ee、>96%ee、>97%ee、>98%ee、>99%ee、>99.5%ee、>99.8%ee、又は>99.9%eeで含有する。
【0161】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物又は塩を、>90%eeで含有する。
【0162】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物又は塩を、>95%eeで含有する。
【0163】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物又は塩を、>98%eeで含有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式IIの化合物又は塩を、>60%ee、>70%ee、>80%ee、>90%ee、>95%ee、>96%ee、>97%ee、>98%ee、>99%ee、>99.5%ee、>99.8%ee、又は>99.9%eeで含有する。
【0165】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式IIの化合物又は塩を、>90%eeで含有する。
【0166】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式IIの化合物又は塩を、>95%eeで含有する。
【0167】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式IIの化合物又は塩を、>98%eeで含有する。
【0168】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式VIの化合物又は塩を、>60%ee、>70%ee、>80%ee、>90%ee、>92%ee、>95%ee、>96%ee、>97%ee、>98%ee、>99%ee、>99.5%ee、>99.8%ee、又は>99.9%eeで含有する。
【0169】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式VIの化合物又は塩を、>90%eeで含有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式VIの化合物又は塩を、>95%eeで含有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式VIの化合物又は塩を、>98%eeで含有する。
【0172】
式II~VIの化合物及び塩の医薬組成物は、本開示の好ましい実施形態である。
【0173】
種々の剤形を、本開示の化合物又は塩を動物に投与するために使用してもよい。使用できる剤形としては、例えば、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、非経口製剤、クリーム剤、軟膏剤、局所ゲル剤、エアロゾル製剤、液体製剤(例えば、水性製剤)、及び経皮パッチなどが挙げられる。上記の剤形は、従来の製薬上許容される担体及び添加剤と共に、従来方法を用いて調製でき、当該方法は、概ね、活性成分を担体と会合させる工程を含む。好ましい剤形は、水性製剤中に溶解された本開示の化合物又は塩の一つ以上を有する。
【0174】
本明細書に開示する化合物又は塩は、「実施例」の記載に従って実施した実験において、特定のサイトカインの産生を誘導する。これらの結果は、当該化合物又は塩が、多数の異なる方法で免疫応答を増強するのに有用であり、そのため種々の疾患の治療に有用であることを示す。
【0175】
本明細書に記載の化合物若しくは塩は、治療計画において単一の治療剤として投与することができ、又は本明細書に記載の化合物若しくは塩を、互いに組み合わせて、若しくは追加の免疫応答調節剤、抗ウイルス剤、抗生物質、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、抗体などの他の活性剤と組み合わせて、投与することもできる。
【0176】
本明細書に記載の化合物又は塩は、下記の試験により行われる実験において、サイトカイン(例えば、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IP-10)の産生を誘導する。これらの結果は、本開示の化合物又は塩が、多数の異なる方法で免疫応答を活性化するのに有用であり、そのため種々の疾患の治療に有用であることを示す。それ故、本開示の化合物又は塩(式I~Xの化合物又は塩)は、サイトカイン生合成及び産生のアゴニスト、特にIFN-α、IFN-γ、TNF-α、及びIP-10のサイトカイン生合成及び産生のアゴニストである。
【0177】
本開示の化合物又は塩がサイトカイン産生を誘導し得る一つの方法は、免疫システムにおけるToll様受容体(TLR)、特にTLR-7及び/又はTLR-8の活性化によるものと考えられるが、他の機構も関与し得る。サイトカイン誘導の免疫システム経路(すなわち、機構)において、本開示の化合物又は塩は、主にTLR-7及び/又はTLR-8のアゴニストとして作用すると考えられるが、他の経路又は活性も関与し得る。
【0178】
本明細書に記載の化合物又は塩の投与は、細胞において、インターフェロン-α(IFN-α)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、及びIP-10の産生を誘導することができる。本開示の化合物又は塩によって生合成を誘導できるサイトカインとしては、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IP-10、及びその他の種々のサイトカインが挙げられる。他の作用の中でもとりわけ、これらのサイトカインはウイルスの産生及び腫瘍細胞の増殖を阻害することができ、そのため、この化合物又は塩は、ウイルス性疾患及び腫瘍性疾患の治療に有用である。したがって、本開示は、本開示の化合物又は塩の有効量を動物に投与することによって、動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。サイトカイン産生の誘導のために化合物又は塩が投与される動物は、下記の一つ以上の疾患、障害、又は状態、例えば、ウイルス性疾患又は腫瘍性疾患を有してもよく、化合物又は塩の投与は、治療処理を提供し得る。あるいは、化合物又は塩の投与が予防処置を提供し得るように、動物が疾患になる前に、化合物又は塩を動物に投与してもよい。
【0179】
サイトカインの産生を誘導する性質以外に、本明細書に記載の化合物又は塩は、自然免疫応答の他の側面にも影響し得る。例えば、ナチュラルキラー細胞の活性が刺激され得るが、これはサイトカイン誘導による作用と考えられる。化合物又は塩は、マクロファージも活性化する場合があり、これは次に一酸化窒素の分泌及び追加のサイトカインの産生を刺激する。更に、化合物又は塩は、Bリンパ球の増殖及び分化を引き起こす場合がある。
【0180】
本明細書で特定した化合物若しくは塩又は組成物を治療に使用してもよい状態としては、限定するものではないが、
ウイルス性疾患、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV-I、HSV-II、CMV、又はVZV)、ポックスウイルス(例えば、天然痘若しくはワクシニアなどのオルソポックスウイルス、又は伝染性軟属腫)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス又はエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザ)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポバウイルス(例えば、性器疣贅、尋常性疣贅、又は足底疣贅を引き起こすものなどのパピローマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス又はデングウイルス)、又はレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)、エボラウイルスによる感染によって引き起こされる疾患;
腫瘍性疾患、例えば、膀胱癌、子宮頚部形成異常、日光角化症、基底細胞癌、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、HPV関連頭頸部癌(例えば、HPV陽性中咽頭扁平上皮癌)、カポジ肉腫、黒色腫、扁平上皮癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病、食道癌、及びその他の癌;
アトピー性皮膚炎又は湿疹、好酸球増加、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、及びオメン症候群などのT2媒介性アトピー性疾患;
創傷修復に関連する疾患、例えば、ケロイド形成及び他の種類の瘢痕化の阻害(例えば、慢性創傷を含む創傷治癒の促進)など;
マラリア、リーシュマニア症、クリプトスポリジア症、トキソプラズマ症、及びトリパノソーマ感染症などであるがこれらに限定されない寄生虫疾患が挙げられる。
【0181】
更に、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物は、体液性免疫応答及び/又は細胞媒介性免疫応答のいずれも/いずれかを増大させる任意の物質、例えば、腫瘍抗原(例えば、MAGE-3、NY-ESO-1);生きている、ウイルスイムノゲン、細菌イムノゲン、又は寄生虫のイムノゲン;不活化された、ウイルスイムノゲン、原生動物イムノゲン、真菌イムノゲン、又は細菌イムノゲン;トキソイド;毒素;多糖類;タンパク質;糖タンパク質;ペプチド;細胞ワクチン;DNAワクチン;自家ワクチン;組換えタンパク質などと併用して、ワクチンアジュバントとして使用されてもよい。
【0182】
本明細書で特定される化合物、塩、又は組成物のワクチンアジュバントとしての使用が有益となり得るワクチンの例としては、BCGワクチン、コレラワクチン、ペストワクチン、腸チフスワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、C型肝炎ワクチン、A型インフルエンザワクチン、B型インフルエンザワクチン、パラインフルエンザワクチン、ポリオワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、流行性耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、黄熱病ワクチン、破傷風ワクチン、ジフテリアワクチン、ヘモフィルス・インフルエンザb型ワクチン、結核ワクチン、髄膜炎菌ワクチン及び肺炎球菌ワクチン、アデノウイルスワクチン、HIVワクチン、水痘ワクチン、サイトメガロウイルスワクチン、デング熱ワクチン、ネコ白血病ワクチン、家禽ペストワクチン、HSV-1ワクチン及びHSV-2ワクチン、豚コレラワクチン、日本脳炎ワクチン、RSウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン、パピローマウイルスワクチン、黄熱病ワクチン、エボラウイルスワクチンが挙げられる。
【0183】
本明細書で特定される化合物、塩、又は組成物は、大腸癌、頭頸部癌、乳癌、肺癌及び黒色腫に関連する腫瘍抗原と併用したときに、ワクチンアジュバントとして特に有用となり得る。
【0184】
本明細書で特定される化合物、塩、又は組成物は、免疫機能が低下した個体に特に有用となり得る。例えば、化合物、塩、又は組成物は、例えば、臓器移植患者、癌患者、及びHIV患者における細胞媒介性免疫の抑制後に発症する日和見感染症及び腫瘍の治療に使用されてもよい。
【0185】
上記疾患又は疾患の種類の一つ以上、例えば、ウイルス性疾患又は腫瘍性疾患は、それを必要とする(疾患を有する)動物において、治療有効量の化合物、塩、又は組成物を動物に投与することによって、治療され得る。
【0186】
動物はまた、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物の有効量を、ワクチンアジュバントとして投与することによって予防接種されてもよい。一実施形態では、動物を予防接種する方法は、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物の有効量を、ワクチンアジュバントとして動物に投与することを含む。ワクチンアジュバントは、体液性免疫応答及び細胞媒介性免疫応答の一つ以上を増大させる物質と、それぞれを同じ組成物中に含むことによって、同時投与することができる。あるいは、ワクチンアジュバントと、体液性免疫応答及び/又は細胞媒介性免疫応答のいずれも/いずれかを増大させる物質とは、別々の組成物中にあってもよい。
【0187】
本明細書で特定される化合物若しくは塩又は組成物は、膀胱癌、子宮頚部形成異常、日光角化症、基底細胞癌、性器疣贅、ヘルペルウイルス感染症、又は皮膚T細胞リンパ腫を治療するための有効量が動物に投与されたときに、特に有用となり得る。上記の状態の場合、本開示の化合物、塩、又は組成物の投与は、好ましくは局所的(すなわち、腫瘍、病変、疣贅、又は感染した組織などへの直接適用)である。
【0188】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物、例えば、水性組成物の有効量は、少なくとも一つの膀胱腫瘍を有する動物の膀胱に、膀胱内注入(例えば、カテーテルを用いた投与)によって投与される。
【0189】
サイトカイン生合成の誘導に有効な化合物又は塩の量は、典型的には、単球、マクロファージ、樹状細胞、及びB細胞などの一つ以上の細胞種に、一つ以上のサイトカイン、例えば、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、及びIP-10を、これらのサイトカインのバックグラウンドレベルを超えて増大(誘導)された量で産生させるであろう。正確な用量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、典型的には、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg~約5mg/kgの用量である。他の実施形態では、この量は、例えば、約0.01mg/m~約5.0mg/m(上記のDubois法に従って計算)であり得るが、他の実施形態では、サイトカイン生合成の誘導は、この範囲に入らない用量で化合物又は塩を投与することによって実施されてもよい。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物若しくは塩又は組成物を投与することを含む。
【0190】
動物のウイルス感染症の治療方法、及び動物の腫瘍性疾患の治療方法は、少なくとも一つの本明細書に記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含み得る。ウイルス感染症を治療又は阻害するための有効量とは、未処置の対照動物と比較して、ウイルス性病変、ウイルス負荷、ウイルス産生速度、及び死亡率などのウイルス感染症の発現のうちの一つ以上の低減を引き起こす量であることができる。こうした治療に有効な正確な量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、典型的には、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg~約5mg/kgの用量である。腫瘍性状態を治療するために有効な化合物又は塩の量は、腫瘍のサイズ又は腫瘍病巣の数の低減を引き起こす量であることができる。正確な量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、典型的には、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg~約5mg/kgである。他の実施形態では、この量は、例えば、約0.01mg/m~約5.0mg/m(上記のDubois法に従って計算)であるが、いくつかの実施形態では、サイトカイン生合成の誘導は、この範囲に入らない用量で化合物又は塩を投与することによって実施されてもよい。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物若しくは塩又は組成物を投与することを含む。
【0191】
実施形態
実施形態1は、式(I):
【化16】
[式中、
及びRは、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、縮合シクロヘキセン環、又は縮合テトラヒドロピリジン環を形成し、ここで、上記縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、縮合シクロヘキセン環、又は縮合テトラヒドロピリジン環は、非置換であるか、一つ以上のR基で置換されているかのいずれかであり、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、-C(O)Oアルキル、-C(O)OCHPh、-C(O)Oアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、アリールアルキレンオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリールアルキレンオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基によって置換されていることができ、
は、-X-N(R)-C(=N-R)-N(H)Rであり、
Xは、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレンからなる群から選択され、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレン基のいずれも、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
は、水素、アルキル、アリールアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びシクロアルキルアルキレニルからなる群から選択され、アルキル基、アリールアルキレニル基、アルコキシアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ベンジルオキシアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びシクロアルキルアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができ、
及びRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0192】
実施形態2は、R及びRが、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環を形成する、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0193】
実施形態3は、R及びRが、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環は、非置換であるか、一つだけのR基によって置換されているかのいずれかである、実施形態1又は2に記載の化合物又は塩である。
【0194】
実施形態4は、R及びRが、一緒になって、縮合ベンゼン環又は縮合シクロヘキセン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環又は縮合シクロヘキセン環は、非置換であるか、一つだけのR基によって置換されているかのいずれかである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0195】
実施形態5は、R及びRが、一緒になって、縮合ベンゼン環又は縮合ピリジン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環又は縮合ピリジン環は、非置換であるか、一つだけのR基によって置換されているかのいずれかである、実施形態1~3のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0196】
実施形態6は、Rが、ヒドロキシ、Br、F、Cl、-CF、-OCF、-O-C1~6アルキル、及び-C1~6アルキルからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0197】
実施形態7は、Rが、ヒドロキシ、Br、F、Cl、-CF、-OCH、-OCF、-OCHCH、-OCH(CH、-CH、-CHCH、-CHCHCH、及び-CH(CHからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0198】
実施形態8は、Rが、-C(O)OC1~4アルキルである、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0199】
実施形態9は、Rが、-COCH、-COCHCH、-COCH(CH、-COCHCHCH、-COCHCHCHCH、-CO-CHPh、及び-COCHCH(CHからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0200】
実施形態10は、Rが、水素、アルキル、又は-CHPhである、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0201】
実施形態11は、Rが、水素、C1~8アルキル、又は-CHPhである、実施形態1~10のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0202】
実施形態12は、Rが、水素又はC1~4アルキルである、実施形態1~11のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0203】
実施形態13は、Rが、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-CHCHCH(CH、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH(シクロペンチル)、-CH(シクロヘキシル)、及び-CHCH-O-CHからなる群から選択される、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0204】
実施形態14は、Rが、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、及び-(CH2~6-O-(CH1~6Phからなる群から選択され、ここで、Phは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる、実施形態1~9のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0205】
実施形態15は、Xが、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンである、実施形態1~14のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0206】
実施形態16は、Xが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CH-O-CHCH-、-CHCH-O-CHCHからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0207】
実施形態17は、R及びRが、水素、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0208】
実施形態18は、R及びRが、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される、実施形態1~17のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0209】
実施形態19は、Rがアルキルであり、Rがアルキルである、実施形態1~18のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0210】
実施形態20は、RがC1~8アルキルであり、RがC1~8アルキルである、実施形態1~19のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0211】
実施形態21は、RがC1~4アルキルであり、RがC1~4アルキルである、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0212】
実施形態22は、R及びRが、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-(CH5~9CH、-CHCHCH(CH、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH-シクロプロピル、-CH-シクロペンチル、-CH-シクロヘキシル、-CHCH-O-CH、-(CH3~8-O-CH、及び-CHCHCHN(CHからなる群から独立して選択される、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0213】
実施形態23は、R5B及びR6Bが、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-Ph、-(CH3~8Ph、-(CH3~8-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、-(CH3~8-O-CHPh、及び-(CH2~8-O-(CH1~4Phからなる群から独立して選択され、ここで、Ph基は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる、実施形態1~16のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0214】
実施形態24は、Rが水素であり、Rが水素である、実施形態1~17のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0215】
実施形態25は、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素である、実施形態1~17のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0216】
実施形態26は、製薬上許容される塩が塩酸塩である、実施形態1~25のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0217】
実施形態27は、製薬上許容される塩が二塩酸塩である、実施形態1~25のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0218】
実施形態28は、式VI:
【化17】
[式中、
1Bは、-X-N(R4B)-C(=N-R5B)-N(H)R6Bであり、
は、アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレンからなる群から選択され、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基は、一つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
4Bは、水素、アルキル、アリールアルキレニル、アルコキシアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ベンジルオキシアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びシクロアルキルアルキレニルからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリールアルキレニル基、アルコキシアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ベンジルオキシアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びシクロアルキルアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができ、
5B及びR6Bは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びベンジルオキシアルキレニル、及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0219】
実施形態29は、R4Bが、水素、アルキル、又は-CHPhである、実施形態28に記載の化合物又は塩である。
【0220】
実施形態30は、R4Bが、水素、C1~8アルキル、又は-CHPhである、実施形態28又は29に記載の化合物又は塩である。
【0221】
実施形態31は、R4Bが、水素又はC1~4アルキルである、実施形態28~30のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0222】
実施形態32は、R4Bが、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-CHCHCH(CH、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH(シクロペンチル)、-CH(シクロヘキシル)、及び-CHCH-O-CHからなる群から選択される、実施形態28に記載の化合物又は塩である。
【0223】
実施形態33は、R4Bが、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、及び-(CH2~6-O-(CH1~6Phからなる群から選択され、ここで、Phは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる、実施形態28に記載の化合物又は塩である。
【0224】
実施形態34は、Xが、一つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンである、実施形態28~33のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0225】
実施形態35は、Xが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CH-O-CHCH-、-CHCH-O-CHCHからなる群から選択される、実施形態28~34のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0226】
実施形態36は、R5B及びR6Bが、水素、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0227】
実施形態37は、R5B及びR6Bが、アルキル、フェニル、及びフェニルアルキレニルからなる群から独立して選択される、実施形態28~36のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0228】
実施形態38は、R5Bがアルキルであり、R6Bがアルキルである、実施形態28~37のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0229】
実施形態39は、R5BがC1~8アルキルであり、R6BがC1~8アルキルである、実施形態28~38のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0230】
実施形態40は、R5BがC1~4アルキルであり、R6BがC1~4アルキルである、実施形態28~39のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0231】
実施形態41は、R5B及びR6Bが、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、シクロアルキルアルキレニル、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル、及びベンジルオキシアルキレニルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、シクロアルキルアルキレニル基、アリール-(CH2~6-O-アルキレニル基、及びベンジルオキシアルキレニル基のいずれも、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトリル、アリール、ヘテロアリール、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0232】
実施形態42は、R5B及びR6Bが、水素、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-C(CH、-CHCHCHCHCH、-(CH5~9CH、-CHCHCH(CH、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、-CH-シクロプロピル、-CH-シクロペンチル、-CH-シクロヘキシル、-CHCH-O-CH、(CH3~8-O-CH、及び-CHCHCHN(CHからなる群から独立して選択される、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0233】
実施形態43は、R5B及びR6Bが、水素、アルキル、-CHPh、-CHCHPh、-CHCH-O-Ph、-(CH3~8Ph、-Ph、-(CH3~8-O-Ph、-CHCH-O-CHPh、-(CH3~8-O-CHPh、及び-(CH2~8-O-(CH1~4Phからなる群から独立して選択され、ここで、Ph基は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、及びニトリルからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基で置換されているかのいずれかであることができる、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0234】
実施形態44は、R5Bが水素であり、R6Bが水素である、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0235】
実施形態45は、Rが水素であり、R5Bが水素であり、R6Bが水素である、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0236】
実施形態46は、製薬上許容される塩が塩酸塩である、実施形態28~45のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0237】
実施形態47は、製薬上許容される塩が二塩酸塩である、実施形態28~45のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0238】
実施形態48は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてIFN-αの生合成を誘導する方法である。
【0239】
実施形態49は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてIFN-γの生合成を誘導する方法である。
【0240】
実施形態50は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてTNF-αの生合成を誘導する方法である。
【0241】
実施形態51は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてIP-10の生合成を誘導する方法である。
【0242】
実施形態52は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の有効量を動物に投与することを含む、動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法である。
【0243】
実施形態53は、実施形態1~47のいずれか一つに記載の化合物又は塩の治療有効量を、製薬上許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物である。
【0244】
実施形態54は、Rが、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、-C(O)Oアルキル、-C(O)OCHPh、-C(O)Oアリール、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0245】
実施形態55は、Rが、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択され、ここで、アルキル基、アリール基、アリールアルキレニル基、アリールオキシアルキレニル基、アリールアルキレンオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキレニル基、ヘテロアリールオキシアルキレニル基、ヘテロアリールアルキレンオキシ基、及びヘテロアリールオキシ基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、ニトリル、アミノ、アルキルアミノ、及びジアルキルアミノからなる群から独立して選択される一つ以上の置換基によって置換されていることができる、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0246】
実施形態56は、Rが、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アリールアルキレンオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、ヘテロアリールアルキレンオキシ、及びヘテロアリールオキシからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0247】
実施形態57は、R及びRが、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環、縮合ピリジン環、又は縮合シクロヘキセン環は、非置換である、実施形態1又は2に記載の化合物又は塩である。
【0248】
実施形態58は、Rが、-X-N(H)-C(=N-H)-NHである、実施形態1~9、56又は57のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0249】
実施形態59は、R1Bが、-X-N(H)-C(=N-H)-NHである、実施形態28に記載の化合物又は塩である。
【0250】
実施形態60は、R及びRが、水素及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択される、実施形態1~16、56又は57のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0251】
実施形態61は、R5B及びR6Bが、水素及び-C(O)Oアルキルからなる群から独立して選択される、実施形態28~35のいずれか一つに記載の化合物又は塩である。
【0252】
実施形態62は、
(11S)-1-{5-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]ペンチル}グアニジン、
(11S)-1-{4-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]ブチル}グアニジン、
(11S)-1-{3-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]プロピル}グアニジン、
(11S)-1-{2-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]エチル}グアニジン、
(11S)-1-{[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]メチル}グアニジンからなる群から選択される化合物、
又は製薬上許容されるその塩である。
【0253】
本開示の目的及び利点を、本明細書に記載の実施例によって更に例示する。これらの実施例で引用される特定の物質及びそれらの量、並びにその他の条件及び詳細は、単なる例示にすぎず、本開示を制限することを意図するものではない。当業者は、本開示の全体を慎重に検討した後で、実施例に具体的に記載されたものに追加して、物質及び条件を使用できるであろう。
【実施例
【0254】
実施例1
(11S)-1-{3-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]プロピル}グアニジン二塩酸塩
【化18】
【0255】
(11S)-11-(3-アミノプロピル)-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-6-アミン二塩酸塩(329mg、0.889mmol、米国特許第8,034,938号の実施例2に従って調製)を、5mLの無水DMFに溶解し、N、N’-ビス-BOC-ピラゾール-1-カルボキサミジンを添加した(303mg、0.978mmol)。次いで、2日間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた物質を、50mLのジクロロメタンに溶解し、水(2×)及び飽和食塩水で逐次的に洗浄した。有機層を分離し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー[SiO、クロロホルム/(NHOH飽和5%メタノール/クロロホルム)溶離液]により、330mgの(11S)-3-{3-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]プロピル}-1,2-(ビス-tert-ブトキシカルボニル)グアニジンを、白色固体として得た。
【0256】
上記固体を、5mLのメタノールに溶解し、5mLの1.2M HClメタノール溶液を添加した。反応を、撹拌しながら70℃に加熱した。5時間後、2回目の5mLの1.2M HClメタノール溶液を反応混合物に添加し、70℃での加熱を終夜継続した。混合物を冷却し、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。固体をメタノール及びアセトニトリルから結晶化して、128mgの(11S)-1-{3-[6-アミノ-10,11-ジヒドロ-8H-[1,4]オキサジノ[4’,3’:1,2]イミダゾ[4,5-c]キノリン-11-イル]プロピル}グアニジン二塩酸塩を白色結晶として得た。H NMR(CDOD,500MHz)8.19(d,J=7.7Hz,1H)7.85(dd,J=1.0,8.4Hz,1H),7.78(m,1H),7.70(m,1H),5.22(d,J=16.1Hz,1H),5.11(dt,J=2.2,10.1Hz,1H),5.04(d,J=16.1Hz,1H),4.45(d,J=12.6Hz,1H),4.20(dd,J=2.0,12.6Hz,1H),3.26(m,2H),2.24(m,1H),2.03(m,2H),1.81(m,1H)。
【0257】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘導
健康なヒト供与者からの全血を、静脈穿刺によって、EDTAが入ったバキュテイナー管又はシリンジに採取した。密度勾配遠心分離により、ヒト末梢血単核球(PBMC)を全血から分離した。Histopaque1077(15mL、Sigma(St.Louis,MO))を、6×50mL滅菌ポリプロピレン製コニカルチューブに移した。Histopaqueに、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(Gibco,Life Technology(Grand Island NY))で1:2に希釈した血液15~25mLを重層した。次いで、上記チューブを、20℃、1370rpmで30分間、中断なく遠心分離した(400×g、GH 3.8A Rotor)。
【0258】
PBMCを含む境界面(軟膜)を回収し、新たな滅菌50mLコニカルポリプロピレン遠心管に入れた。PBMCを等量のHBSSと混合し(境界面からの約20mLと約20mLのHBSS)、次いで、1090rpm、10分、20℃、中断ありで遠心分離した(270×g、GH 3.8A Rotor)。遠心分離完了後、細胞を、2~3mLのACK赤血球溶解バッファー(塩化アンモニウムカリウム溶液、Gibco,Life Technology)に再懸濁し、20℃で2~5分間インキュベートした。次に、HBSS(40mL)を細胞に添加し、試料を20℃、270×gで10分間遠心分離した。上清をデカンテーションし、細胞ペレットを5mLのAIM V(登録商標)培地(Gibco,Life Technology)に再懸濁した。細胞溶液をBD Falcon 70μmナイロン製セルストレーナ(BD Biosciences(San Jose,CA))で濾過することで、細胞凝集体及び破片を除去した。
【0259】
生細胞数を、Miltenyi FACS装置(Miltenyi Biotec Inc.(San Diego,CA))で計数することによって、又は血球計を使用することによって、決定した。血球計で細胞生存性を決定するため、細胞を0.4%トリパンブルー及びHBSSで1/10に希釈した(具体的には、50μLのトリパンブルー+40μLのHBSS+10μLの細胞溶液を遠心管に加え、混合した)。次いで、希釈した細胞10μLを、血球計にアプライし、生存PBMCの数を、顕微鏡により決定した。
【0260】
次いで、PBMC試料を、96ウェルプレート内で、8×10細胞/ウェルの濃度で、0.1mLのAIM-V培地中に再懸濁した。各化合物をDMSOに可溶化し、3mMの原液を調製した。次いで、原液をAIM-V培地で更に希釈して、段階希釈液を調製した。次いで、希釈化合物(100μL)をPBMCに移し、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001μMの最終化合物濃度を達成した。プレートには、陽性対照及び陰性対照も存在した。陰性対照のウェルには、実施例の化合物なしで、AIM-V培地のみを入れた。陽性対照のウェルには、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001μMの濃度に段階希釈したイミキモドを入れた。次いで、プレートを、37℃/5%COで21~24時間培養した。96ウェルプレートを、2100rpm、23℃で10分間遠心分離することによって、無細胞の上清を回収した。次いで、約160マイクロリットルの上清をNUNC 96ウェルプレートに保存し、圧縮キャップで覆い、サイトカイン分析が実施されるまで-80℃で保管した。
【0261】
IFN-αサイトカインレベル(pg/mL)は、ELISA(ヒトIFN-α、pan specific,Mabtech(Cinncinnati,OH))で測定し、IFN-γ、TNF-α、及びIP-10サイトカインレベル(pg/mL)は、マルチプレックスビーズアッセイ(磁気ビーズ、R&D Systems(Minneapolis,MN))により、製造業者の指示に従って測定した。
【0262】
データを解析し、各化合物について、アッセイにおいて特定のサイトカインの誘導が観察された最小有効濃度(MEC)を決定した。具体的には、各化合物の最小有効濃度(μM)は、測定されたサイトカイン応答を、陰性対照のウェルで観察されたレベルよりも少なくとも2倍高いレベル(ピコグラム(pictogram)/mL)で誘導した化合物の最低濃度として決定した。結果を表1に示す。
【表1】
【0263】
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な改変及び変更は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されることを意図するものではなく、このような実施例及び実施形態は例としてのみ提示されており、本発明の範囲は、本明細書で以下の通り記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図しているものと理解されたい。