(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】屋根用取付金具
(51)【国際特許分類】
E04D 13/10 20060101AFI20220119BHJP
F16B 2/06 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
E04D13/10 F
F16B2/06 A
(21)【出願番号】P 2019097355
(22)【出願日】2019-05-24
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】513192292
【氏名又は名称】株式会社 セキノワークス
(73)【特許権者】
【識別番号】593162095
【氏名又は名称】株式会社長谷川工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 周藏
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3148130(JP,U)
【文献】特開2017-150238(JP,A)
【文献】特開2014-114576(JP,A)
【文献】登録実用新案第3040693(JP,U)
【文献】実公平07-054430(JP,Y2)
【文献】特開2018-197442(JP,A)
【文献】特開2017-115308(JP,A)
【文献】特開2018-003352(JP,A)
【文献】実開昭63-12541(JP,U)
【文献】特開2019-31850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/10
F16B 2/06
E04D 13/18
E04D 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の挟持板が左右に対向配設され、この左右の挟持板間
に該左右の挟持板夫々に設けられているボルト通し孔を介して締付ボルトが貫通配設され、この締付ボルト若しくは締付ボルトに螺着した締付ナットの締付操作により
前記左右の挟持板の夫々の下部に形成されている挟持対向部
同士を接近させて屋根のハゼの下側首部
を締付挟持固定
するように構成さ
れた屋根用取付金具
であって、前記左右の挟持板
には、夫々、対向内側に向けて突出する補強リブ部が設けられ、さらに
、この補強リブ部に前記ボルト通し孔が設けられ、また、前記補強リブ部は、前記挟持板の対向内側面が内方に向かって凸となり、この凸により対向外側面が内方に向かって凹となる形状であり、且つ、前記ボルト通し孔の下方の対向内側面部位が挟持面となる構成であり、前記締付ボルト若しくは前記締付ナットの締付操作により
、前記挟持対向部同士を接近させて該挟持対向部で前記ハゼの前記下側首部を締付挟持固定すると共に、前記補強リブ部同士を接近させて
該補強リブ部の前記挟持面で前記ハゼの上側幅広頭部
を締付挟持固定
するように構成されていることを特徴とする屋根用取付金具。
【請求項2】
請求項1記載の屋根用取付金具において、前記挟持面の下方には、下方に至るほど対向する他方の挟持面との対向間隔が大きくなる傾斜挟持面が設けられていることを特徴とする屋根用取付金具。
【請求項3】
請求項2記載の屋根用取付金具において、前記補強リブ部は、前記ボルト通し孔が設けられるボルト通し孔形成面が方形状に形成され、この方形状の前記ボルト通し孔形成面を囲繞するように前記傾斜挟持面が設けられてなる台形状に構成されていることを特徴とする屋根用取付金具。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の屋根用取付金具において、前記補強リブ部は、プレス加工により前記挟持板に一体成形されていることを特徴とする屋根用取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦葺屋根や折板屋根上に突設されたハゼに取付けて、適宜な屋根上設置物を屋根上に設置するための屋根用取付金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縦葺屋根用や折板屋根用のこの種屋根用取付金具としては、例えば、意匠登録第1529803号(特許文献1)のように、一対の挟持板が左右に対向配設され、この左右の挟持板間に締付ボルトが貫通配設され、この左右の挟持板の夫々の下端部にハゼの下側首部を挟持する挟持対向部が設けられ、前記締付ボルトに螺着したナットを締付回動することにより前記挟持対向部間を狭めて屋根のハゼに締付挟持固定可能に構成されているものがある。
【0003】
また、この種の屋根用取付金具は、左右の挟持板に形成されている締付ボルト挿通用のボルト通し孔の周囲に、左右の挟持板の対向外側に向かって突出変形するようにリブ加工が施されて、この補強リブによって挟持板の剛性が高められているものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この種の屋根用取付金具の実用性を更に追求したもので、簡易な改良によってハゼへの取付け強度が著しく向上する屋根用取付金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
一対の挟持板1が左右に対向配設され、この左右の挟持板1間に該左右の挟持板1夫々に設けられているボルト通し孔2を介して締付ボルト3が貫通配設され、この締付ボルト3若しくは締付ボルト3に螺着した締付ナット4の締付操作により前記左右の挟持板1の夫々の下部に形成されている挟持対向部5同士を接近させて屋根6のハゼ7の下側首部7Aを締付挟持固定するように構成された屋根用取付金具Aであって、前記左右の挟持板1には、夫々、対向内側に向けて突出する補強リブ部8が設けられ、さらに、この補強リブ部8に前記ボルト通し孔2が設けられ、また、前記補強リブ部8は、前記挟持板1の対向内側面が内方に向かって凸となり、この凸により対向外側面が内方に向かって凹となる形状であり、且つ、前記ボルト通し孔2の下方の対向内側面部位が挟持面12となる構成であり、前記締付ボルト3若しくは前記締付ナット4の締付操作により、前記挟持対向部5同士を接近させて該挟持対向部5で前記ハゼ7の前記下側首部7Aを締付挟持固定すると共に、前記補強リブ部8同士を接近させて該補強リブ部8の前記挟持面12で前記ハゼ7の上側幅広頭部7Bを締付挟持固定するように構成されていることを特徴とする屋根用取付金具に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の屋根用取付金具において、前記挟持面12の下方には、下方に至るほど対向する他方の挟持面12との対向間隔が大きくなる傾斜挟持面12Aが設けられていることを特徴とする屋根用取付金具に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の屋根用取付金具において、前記補強リブ部8は、前記ボルト通し孔2が設けられるボルト通し孔形成面が方形状に形成され、この方形状の前記ボルト通し孔形成面を囲繞するように前記傾斜挟持面12Aが設けられてなる台形状に構成されていることを特徴とする屋根用取付金具に係るものである。
【0010】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の屋根用取付金具において、前記補強リブ部8は、プレス加工により前記挟持板1に一体成形されていることを特徴とする屋根用取付金具に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように構成したから、補強リブ部により左右の挟持板は剛性が確保されており、また、左右の挟持板の挟持対向部がハゼの下側首部に締付挟持することに加えて、左右の挟持板の内側に突出する補強リブ部がハゼの上側幅広頭を締付挟持するため、ハゼに対し二箇所を締付挟持して強固に取付固定でき、しかも、補強リブ部がボルト通し孔近傍に設けられているので、締付ボルト若しくは締付ナットによる締付力の伝達ロスが小さく、補強リブ部の締付挟持力が上側幅広頭部に良好に伝達されて強固な挟持作用を発揮でき、ハゼへの取付安定性に優れ、それ故この種の屋根用取付金具には、屋根上での接地安定性を確保するために屋根上面への接地脚が設けられているものが多いが、このような接地脚を設けるとしても、仮置き時にだけ使用できれば良いような最低限の大きさのもので済むので、コスト安な製品を設計実現可能となり、その上、補強リブ部が左右の挟持板の対向内側に向けて突出しているため、外向きに突出する補強リブ部を備えた従来品に比して外形を小型化でき、施工時の取り回しが良い製品を容易に設計実現可能となるなど、極めて実用性に優れた屋根用取付金具となる。
【0012】
また、本発明においては、補強リブ部がハゼの上側幅広頭部に面接触して挟持するため、この上側幅広頭部を傷つけにくく、しかも、例えば補強リブ部が締付挟持時にハゼの上側幅広頭部に対し面接しつつ上方や下方へ移動する形状に補強リブ部を形成することもでき、このように構成することで、挟持対向部と補強リブ部によるハゼへの締付挟持力を締付ボルト若しくは締付ナットによる締付方向の挟持力だけでなく、上方若しくは下方への挟持力としてハゼに伝達できるために非常に強固な締付挟持力を発揮して屋根(ハゼ)に高強度に取付固定できる一層実用性に優れた構成の屋根用取付金具となる。
【0013】
また、本発明においては、この種の屋根用取付金具は、通常締付ボルトがハゼの上方に配置して取付けられるように構成されているため、この締付ボルトを挿通するボルト通し孔の少なくとも下方に設けられている補強リブ部によってハゼの上側幅広頭部を確実に締付挟持でき、前記作用効果を確実に発揮する一層実用性に優れた構成の屋根用取付金具となる。
【0014】
また、本発明においては、前記作用効果を確実に発揮する補強リブ部付の挟持板を、例えばプレス加工等により簡易に設計実現可能となる上、補強リブ部の形成によって対向配置するボルト通し孔間の距離が近づくために、コスト安な短いボルトを締付ボルトに採用できて安価な製品を提供可能となるなど、一層実用性に優れた構成の屋根用取付金具となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本実施例を屋根上に仮置きした状態を示す説明正面図である。
【
図3】
図2に続いて、締付ナット(締付ボルト)を締付けて本実施例をハゼに締付挟持固定しようとする状態(締付ナット(締付ボルト)の締付途中の状態)を示す説明正面図である。
【
図4】
図3に続いて、締付ナット(締付ボルト)の締付けを完了した状態(本実施例を屋根のハゼに取付固定した状態)を示す説明正面図である。
【
図5】本実施例の使用状態を示す説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明の屋根用取付金具Aは、左右一対の挟持板1の剛性が補強リブ部8によって高められている。
【0018】
左右一対の挟持板1で屋根6のハゼ7を挟むようにして屋根6上に本発明の屋根用取付金具Aを配置し(本屋根用取付金具Aをハゼ7に被嵌し)、左右の挟持板1間に貫通配設した締付ボルト3若しくはこの締付ボルト3に螺着した締付ナット4の締付操作により左右の挟持板1の夫々の下部に形成されている挟持対向部5同士を接近させると、この挟持対向部5が前記ハゼ7の下側首部7Aを締付挟持して、本発明の屋根用取付金具Aが屋根6上に取付固定される。
【0019】
また、この際、左右の挟持板1の夫々の前記ボルト通し孔2の近傍に設けられて、この左右の挟持板1の対向内側に向けて突出している補強リブ部8同士も、前記締付ボルト3若しくは前記締付ナット4の締付操作により接近し、この補強リブ部8同士は前記ハゼ7の上側幅広頭部7Bに締付挟持することになる。
【0020】
即ち、挟持対向部5がハゼ7の下側首部7Aに締付挟持することに加えて、補強リブ部8がハゼ7の上側幅広頭部7Bに締付挟持するので、挟持対向部5がハゼ7の下側首部7A一箇所だけを締付挟持する従来の締付挟持固定構造に比して、ハゼ7に対し著しく強固に締付挟持固定されることになる。
【0021】
また、ボルト通し孔2の近傍に設けられている補強リブ部8は、締付ボルト3若しくは締付ナット4による締付力の伝達ロスが少なく、この補強リブ部8の締付挟持力が上側幅広頭部7Bに良好に伝達されて強固な挟持作用を発揮できる。
【0022】
従って、このような強固な挟持作用を発揮できることで本発明はハゼ7への取付安定性に優れ、それ故、この種の屋根用取付金具Aには、屋根6上での接地安定性を確保するために屋根6上面への接地脚13が設けられているものが多いが、このような接地脚13を設けるとしても、仮置き時にだけ使用できれば良いような最低限の大きさのもので済み、それだけコスト安な屋根用取付金具Aを設計実現可能となる。
【0023】
また、補強リブ部8が左右の挟持板1の対向内側に向けて突出している本発明の屋根用取付金具Aは、左右の挟持板の対向外側に向かって補強リブ部が突出している従来品に比して外形を小型化することが可能であり、施工時の取り回しが容易な小型製品を簡易に設計実現可能となる。
【実施例】
【0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、屋根6のハゼ7に対して締付挟持固定可能な屋根用取付金具Aであって、
図1,
図5に示すような雪止め材(雪止めアングル)10を取付可能な雪止め取付部9が設けられて成る屋根用雪止め金具に適用している。尚、本発明は、雪止め材10以外の屋根上設置物取付用としても適用可能である。
【0026】
また、図面は、本屋根用取付金具Aの取付対象の屋根6としてハゼ7を有する縦葺き屋根6(嵌合式のたて平葺き屋根6を示しているが、巻きハゼ式のたて平葺き屋根を固定対象としても良い。)を示しているが、ハゼ7を有するハゼ式折板屋根を取付対象としても良い。
【0027】
以下、本実施例では、この屋根6のハゼ7の長さ方向、即ち屋根6の勾配方向に沿う方向に対応する金具方向を、屋根用取付金具Aにおける前後方向と定めて説明する。
【0028】
本実施例の屋根用取付金具Aは、金属板がコ字状に折曲されることで左右の突出板部1が下部となり各突出板部1の基端部間の連設板部11が上部(天板部)となる形状に構成されており、この屋根用取付金具Aの左右の突出板部1が、屋根6のハゼ7を左右から挟むようにして配設する挟持板1として構成されている。即ち、屋根用取付金具Aは、一対の挟持板1が左右に対向配設されて、屋根6のハゼ7に上方から被嵌可能な形状に構成されている(
図2参照)。
【0029】
尚、本実施例では、一対の挟持板1が一体物で構成されている場合を示しているが、一対の挟持板1を別部品とする構成が採用されていても良い。
【0030】
また、左右の挟持板1は、夫々の下端が対向内側に折曲されて、この下端折曲片がハゼ7の下側首部7Aを挟持する挟持対向部5として構成されている。
【0031】
また、この左右の挟持板1の夫々の中ほどには、ボルト通し孔2が貫通形成され、この左右のボルト通し孔2を介して左右の挟持板1間に締付ボルト3(六角ボルト)が回り止め状態で貫通配設され、この締付ボルト3の先端には締付ナット4(六角ナット)が螺着されていて、この締付ナット4の締付回動操作により左右の挟持板1の対向間隔を狭めて前記挟持対向部5同士を接近させ、前記ハゼ7の下側首部7Aを締付挟持することで、屋根用取付金具Aをハゼ7(屋根6上)に取付固定し得るように構成されている。
【0032】
本実施例は、前記左右の挟持板1の夫々の前記ボルト通し孔2の近傍に、左右の挟持板1の対向内側に向けて突出する補強リブ部8が設けられ、この補強リブ部8同士を前記締付ナット4(締付ボルト3)の締付操作により接近させて前記ハゼ7の上側幅広頭部7Bに締付挟持固定し得るように構成されている。
【0033】
具体的には、左右の挟持板1の夫々の前記ボルト通し孔2の近傍が、例えば金属プレス加工により左右の挟持板1の対向内側に向かって突出変形する形状、即ち左右の挟持板1の対向内側面が内方に向かって凸となり、対向外側面が内方に向かって凹となる形状に一体成形され、この左右の挟持板1のボルト通し孔2近傍の内向き突出変形板部8が、前記補強リブ部8として構成されている。
【0034】
また、この補強リブ部8は、左右の挟持板1の夫々の前記ボルト通し孔2の近傍にしてこのボルト通し孔2より上方位置と下方位置とに連続的に設けられていて、このうちボルト通し孔2の下方に存する補強リブ部8の対向内側面部位が、前記ハゼ7の上側幅広頭部7Bに締付挟持固定し得る挟持面12として構成されていると共に、この補強リブ部8の挟持面12は、2cm程度の前後幅(屋根用取付金具Aの前後方向に沿ったリブ幅)を有する形状に形成されて、この挟持面12がハゼ7の上側幅広頭部7Bに面接触するように構成されている。
【0035】
即ち、本屋根用取付金具Aは、締付ボルト3に螺着されている締付ナット4を締付回動操作した際に、左右の挟持板1の夫々の下部の挟持対向部5がハゼ7の下側首部7Aを締付挟持すると同時に、ボルト通し孔2近傍の内側に突出する補強リブ部8がハゼ7の上側幅広頭部7Bを締付挟持して、ハゼ7(屋根6)に対し極めて強固に締付挟持固定されるように構成されており、更に補強リブ部8の挟持面12が屋根7のハゼ7の上側幅広頭部7Bに面接触するため、上側幅広頭部7Bを圧接しながらもこの圧接部位を傷付けにくい構成とされている。
【0036】
また、補強リブ部8(のボルト通し孔2より下方に存する部位)が左右の挟持板1のボルト通し孔2近傍に設けられているため、締付ナット4(締付ボルト3)による締付力の伝達ロスが少なく、補強リブ部8の締付挟持力が上側幅広頭部7Bに良好に伝達されて強固な挟持固定作用を発揮できるように構成されている。
【0037】
尚、本実施例では、挟持板1に補強リブ部8が一体成形されている場合を示しているが、挟持板1の対向内側面に適宜な補強材が取付けられてこの補強材が補強リブ部8として機能する構成が採用されていても良い。
【0038】
また、本実施例の左右の補強リブ部8の挟持面12は、夫々の下側面部が下方に至るほど対向間隔が大きくなる傾斜挟持面12Aに形成されている。
【0039】
従って、締付ナット4(締付ボルト3)による締付挟持時に、傾斜挟持面12Aを含む挟持面12が上側幅広頭部7Bの左右側頭部に挟持圧接すると、その挟持力によって挟持面12が上側幅広頭部7B(の側頭部)に対し面接しつつ上方へ移動しようとすることになる。即ち、挟持対向部5と補強リブ部8の締付挟持力が締付ナット4(締付ボルト3)の締付方向の挟持力だけでなく、上方への締付挟持力としてもハゼ7の下側首部7Aと上側幅広頭部7Bとに伝達されることとなり、これにより挟持対向部5が下側首部7Aとその上方のハゼアゴ部にもガッチリと圧接して非常に強固な締付挟持力を発揮し、屋根6(ハゼ7)に高強度に取付固定できるように構成されている(
図3,
図4参照)。
【0040】
このような強固な挟持取付固定作用を発揮できる本実施例は、ハゼ7への取付安定性に優れる。それ故、本実施例でも従来品と同様に、屋根6上での接地安定性を確保するための接地脚13が左右の挟持板1の夫々の前後下端に一体的に設けられているが、本実施例の接地脚13は、仮置き時にだけ使用できるコスト安な最低限の大きさのものが形成されている。
【0041】
また、補強リブ部8が左右の挟持板1の対向内側に向けて突出している本発明の屋根用取付金具Aは、左右の挟持板の補強リブ部が左右の挟持板の対向外側に向かって突出している従来品に比して外形を小型化できており、施工時の取り回しが容易となる。
【0042】
さらに、この内側に向かって突出している補強リブ部8を挟持板1に一体成形していることにより、左右のボルト通し孔2間の対向距離が従来品に比して近くなっており、それ故本実施例では、コスト安な短いボルトが締付ボルト3として採用されている(ボルトコストを低減している。)。
【0043】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0044】
1 挟持板
2 ボルト通し孔
3 締付ボルト
4 締付ナット
5 挟持対向部
6 屋根
7 ハゼ
7A 下側首部
7B 上側幅広頭部
8 補強リブ部
12
挟持面
12A
傾斜挟持面
A 屋根用取付金具